JP7215058B2 - 推定プログラム、推定方法、および推定装置 - Google Patents

推定プログラム、推定方法、および推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7215058B2
JP7215058B2 JP2018190172A JP2018190172A JP7215058B2 JP 7215058 B2 JP7215058 B2 JP 7215058B2 JP 2018190172 A JP2018190172 A JP 2018190172A JP 2018190172 A JP2018190172 A JP 2018190172A JP 7215058 B2 JP7215058 B2 JP 7215058B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
temperature
target
refrigerant system
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018190172A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020060309A (ja
Inventor
駿 木幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2018190172A priority Critical patent/JP7215058B2/ja
Publication of JP2020060309A publication Critical patent/JP2020060309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7215058B2 publication Critical patent/JP7215058B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本発明は、推定プログラム、推定方法、および推定装置に関する。
従来、冷媒が流れる冷媒系統を有し、冷房機能や暖房機能を実現する空調設備がある。ここで、冷媒系統から冷媒が漏れると、冷房能力や暖房能力の低下を招き、または、空調設備の故障を招くため、冷媒が漏れたことを早期に検知することが望まれる。
先行技術としては、例えば、理論上の過冷却熱交換器出口過冷却度から通常運転中に過冷却熱交換器出口過冷却度の推定値を同定し、過冷却熱交換器出口過冷却度の推定値を用いて冷媒量を判定するものがある。
特開2012-047364号公報
しかしながら、従来技術では、冷媒が漏れたことを検知することが難しい。
すなわち、空調機の出力や熱交換器の温度は、冷媒の量を直接反映するものではないため、例えば、冷媒漏れの量が少量である場合、冷媒漏れによる影響は圧力上昇等の空調機の制御で補われるから、空調機の出力や熱交換器の温度には反映されない。
したがって、空調機の出力や熱交換器の温度を利用する場合、冷媒漏れ量が閾値を超えたことを判別することはできても、冷媒漏れ量を検知することは困難である。また、冷媒系統における冷媒量を推定する場合に、制御が行われていない場合は、単純な物理関係より推定することが可能であるが、制御が行われている場合には、上記の関係を直接利用することができない。
1つの側面では、本発明は、空調機の制御が働いている場合であっても冷媒系統を流れる冷媒の量を推定することを目的とする。
1つの実施態様によれば、対象の冷媒系統における冷媒の温度を取得し、前記対象の冷媒系統と制御内容が共通する冷媒系統における冷媒の漏れ量にかかる正帰還に対応する指数、基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の温度、および、取得した前記温度に基づいて、前記対象の冷媒系統における冷媒の量についての推定値を算出する推定プログラム、推定方法、および推定装置が提案される。
一態様によれば、空調機の制御が働いている場合であっても冷媒系統を流れる冷媒の量を推定することが可能になる。
図1は、実施の形態にかかる推定方法の一実施例を示す説明図である。 図2は、冷媒漏れ検知システム200の一例を示す説明図である。 図3は、推定装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。 図4は、冷媒漏れ試験データテーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。 図5は、分析データテーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。 図6は、動作データテーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。 図7は、検知用データテーブル700の記憶内容の一例を示す説明図である。 図8は、推定装置100の機能的構成例を示すブロック図である。 図9は、スケーリング指数を学習する具体例を示す説明図(その1)である。 図10は、スケーリング指数を学習する具体例を示す説明図(その2)である。 図11は、冷媒漏れ度を算出する具体例を示す説明図(その1)である。 図12は、冷媒漏れ度を算出する具体例を示す説明図(その2)である。 図13は、試験用の冷媒系統210と対象の冷媒系統110とでのスケーリング指数の共通性を示す説明図である。 図14は、冷媒漏れ度の算出精度を示す説明図である。 図15は、学習処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。 図16は、学習処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。 図17は、設定処理手順の一例を示すフローチャートである。 図18は、推定処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照して、本発明にかかる推定プログラム、推定方法、および推定装置の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態にかかる推定方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる推定方法の一実施例を示す説明図である。推定装置100は、空調設備の冷媒系統における冷媒の量についての推定値を算出するコンピュータである。空調設備は、冷媒系統により冷房機能や暖房機能を実現する。冷媒は、熱を移動させる熱媒体である。冷媒は、例えば、相変化により熱を吸収または放出する。
冷媒系統は、冷媒を循環させる。冷媒系統は、例えば、冷媒を循環させて、熱力学的サイクルに従って熱を移動させることにより、冷房機能や暖房機能を実現する。ここで、冷媒系統から冷媒が漏れると、冷房能力や暖房能力の低下を招き、または、空調設備の故障を招くため、冷媒が漏れたことを早期に検知することが望まれる。
これに対し、例えば、過冷却度と電磁弁操作量との相関係数を評価値として、評価値と閾値とを比較することにより冷媒が漏れたか否かを判定する場合が考えられる。しかしながら、この場合、冷媒系統から漏れた冷媒の量は分からず、冷媒が漏れ始めても、冷媒の漏れ量が一定以上になるまでは、冷媒が漏れたことを検知することができない。例えば、冷媒が漏れ始めても、冷媒が漏れたことによる冷媒の圧力の低下が、圧縮機の圧力制御により補われるため、冷媒の漏れ量が一定以上になるまでは冷媒が漏れたことが評価値に反映されにくく、冷媒が漏れたことを検知することができない。
また、熱力学的性質に基づき、冷媒系統に残っている冷媒の量を、冷媒の温度と冷媒の圧力とから推定する場合が考えられる。具体的には、log(T/T0)=-log(ρ/ρ0)+log(p/p0)の関係式に基づき、冷媒の量を推定する。Tは現在の冷媒の温度、ρは現在の冷媒の密度、pは現在の冷媒の圧力である。T0は基準時の冷媒の温度、ρ0は基準時の冷媒の密度、p0は基準時の冷媒の圧力である。しかしながら、この場合、冷媒が漏れたことを検知することができないことがある。例えば、冷媒が漏れ始めても、冷媒が漏れたことによる冷媒の圧力の低下が、圧縮機の圧力制御により補われると、冷媒の量を推定することができなくなり、冷媒が漏れたことを検知することができなくなる。
また、冷媒系統における冷媒の量または冷媒の漏れ量を計測する専用の機構を、冷媒系統に設けることが考えられるが、冷媒系統に後付けする作業負担やコスト面などから好ましくない場合がある。また、冷媒系統の配管の長さ、室外機や室内機の性能や数などに応じた、冷媒系統に固有の統計モデルを作成することが考えられるが、冷媒系統ごとに固有の統計モデルを作成する作業負担がかかる。
そこで、本実施の形態では、圧縮機の圧力制御が実施されても、圧力制御に起因する冷媒系統からの冷媒の漏れ量にかかる正帰還に対応する指数に基づいて、冷媒系統における冷媒の量についての推定値を精度よく算出することができる推定方法について説明する。
図1において、推定装置100は、対象の冷媒系統110における冷媒の温度を取得する。対象の冷媒系統110は、圧縮機(CMP)121と、室外熱交換器(HEXo)122と、電磁弁(EEV)123と、室内熱交換器(HEXi)124と、吐出管131と、吸入管132とを含む。圧縮機121と、室外熱交換器122と、電磁弁123と、室内熱交換器124と、吐出管131と、吸入管132とについては、図2を用いて後述する。
ここで、圧縮機121は、冷媒の圧力を一定に維持する性質がある。圧縮機121は、例えば、暖房動作時は、吐出管131の冷媒の圧力を一定に維持し、冷房動作時は、吸入管132の冷媒の圧力を一定に維持する。一方で、単位時間当たりの冷媒の漏れ量は、冷媒の圧力と、冷媒系統の外部の気圧との差分に比例する性質がある。
これらの性質から、対象の冷媒系統110は、冷媒の漏れ量に対して正帰還がかかる性質があると考えられる。具体的には、冷媒が漏れて冷媒の圧力が低下すると、冷媒の圧力を高めて一定に維持しようとするため、単位時間当たりの冷媒の漏れ量が低下せず、冷媒が漏れやすくなる性質がある。推定装置100は、この性質を利用する。
推定装置100は、スケーリング指数、基準時点における対象の冷媒系統110における冷媒の温度、および、取得した温度に基づいて、対象の冷媒系統110における冷媒の量についての推定値を算出する。スケーリング指数は、対象の冷媒系統110と制御内容が共通する冷媒系統における冷媒の漏れ量にかかる正帰還に対応する指数である。スケーリング指数は、例えば、正帰還が強いほど、値が大きくなる。
対象の冷媒系統110と制御内容が共通する冷媒系統は、対象の冷媒系統110とは異なる冷媒系統であり、例えば、図2に後述する試験用の冷媒系統210である。制御内容は、例えば、冷媒の圧力を一定に維持することである。制御内容が共通する冷媒系統は、対象の冷媒系統110と比べて、吸入管132や吐出管131などの配管の長さが異なってもよいし、冷媒の圧縮能力が異なってもよいし、室外熱交換器122や室内熱交換器124の性能や数が異なってもよい。推定値を算出する具体例については、図9~図14を用いて後述する。
推定装置100は、推定値を出力する。推定装置100は、例えば、推定値をディスプレイに表示する。また、推定装置100は、算出した推定値に基づいて対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたか否かを判定し、判定結果を出力してもよい。これにより、推定装置100は、対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたか否かを、利用者が判断しやすくすることができる。
また、推定装置100は、制御内容が共通すれば、配管の長さなどが異なる冷媒系統であっても、対象の冷媒系統110として扱うことができるため、種々の冷媒系統に対して適用することができる。そして、推定装置100は、例えば、配管の長さなどを特定していない冷媒系統についても、冷媒の量についての推定値を算出することができ、冷媒が漏れたか否かを検知可能にすることができる。推定装置100は、冷媒系統ごとに固有の統計モデルを作成せずに済むようにすることができ、作業負担の増大化を抑制することができる。
また、推定装置100は、冷媒の漏れ量を計測する専用の機構を利用しなくても、冷媒系統に設けられる傾向がある運転制御用のセンサの計測値を利用すれば、冷媒の量についての推定値の算出を実現することができる。このため、推定装置100は、冷媒の漏れ量を計測する専用の機構がない冷媒系統についても適用することができる。また、推定装置100は、冷媒系統に冷媒の漏れ量を計測する専用の機構を設けなくてもよいため、作業負担やコストの増大化を抑制することができる。
ここでは、対象の冷媒系統110と制御内容が共通する冷媒系統が、対象の冷媒系統110とは異なる冷媒系統である場合について説明したが、これに限らない。例えば、対象の冷媒系統110と制御内容が共通する冷媒系統が、過去の対象の冷媒系統110である場合があってもよい。
(冷媒漏れ検知システム200の一例)
次に、図2を用いて、図1に示した推定装置100を適用した、冷媒漏れ検知システム200の一例について説明する。
図2は、冷媒漏れ検知システム200の一例を示す説明図である。図2において、冷媒漏れ検知システム200は、推定装置100と、試験用の冷媒系統210と、対象の冷媒系統110とを含む。
冷媒漏れ検知システム200において、推定装置100と、試験用の冷媒系統210とは、有線または無線により接続される。冷媒漏れ検知システム200において、推定装置100と、対象の冷媒系統110とは、有線または無線により接続される。
対象の冷媒系統110は、冷媒漏れを検知する対象である。対象の冷媒系統110は、圧縮機121と、室外熱交換器122と、電磁弁123と、室内熱交換器124と、吐出管131と、吸入管132とを含む。対象の冷媒系統110は、吐出管131と吸入管132とを接続するバイパス133を有する。バイパス133と吸入管132との接続部が、SC熱交出口である。対象の冷媒系統110は、1以上のセンサ201を有する。
圧縮機121は、冷媒を圧縮する。圧縮機121は、冷媒の圧力を一定に維持する。圧縮機121は、例えば、暖房動作時は、吐出管131の冷媒の圧力を一定に維持し、冷房動作時は、吸入管132の冷媒の圧力を一定に維持する。圧縮機121は、吐出管131に冷媒を流し、吸入管132から冷媒を回収する。
室外熱交換器122は、吐出管131に接続する。室外熱交換器122は、冷房動作時は、冷媒から熱を放出する。室外熱交換器122は、例えば、冷媒の気体から液体への相変化により、冷媒から熱を放出する。室外熱交換器122は、暖房動作時は、冷媒により熱を吸収する。室外熱交換器122は、例えば、冷媒の液体から気体への相変化により、冷媒により熱を吸収する。
電磁弁123は、冷房動作時は、吐出管131から冷媒を回収し、吸入管132に冷媒を流す。電磁弁123は、暖房動作時は、冷房動作時とは逆方向に冷媒を循環させる。電磁弁123は、電磁コイルを利用し、冷媒の流量を制御し、または、冷媒を膨張させる。
室内熱交換器124は、吸入管132に接続する。室内熱交換器124は、冷房動作時は、冷媒により熱を吸収する。室内熱交換器124は、例えば、冷媒の液体から気体への相変化により、冷媒により熱を吸収する。室内熱交換器124は、暖房動作時は、冷媒から熱を放出する。室内熱交換器124は、例えば、冷媒の気体から液体への相変化により、冷媒から熱を放出する。センサ201は、冷媒の温度を計測する。
試験用の冷媒系統210は、対象の冷媒系統110と同様に、圧縮機121と、室外熱交換器122と、電磁弁123と、室内熱交換器124と、吐出管131と、吸入管132とを含む。試験用の冷媒系統210でも、圧縮機121は、冷媒の圧力を一定に維持する。対象の冷媒系統110で維持される圧力と、試験用の冷媒系統210で維持される圧力とは異なる値であってもよい。試験用の冷媒系統210の吸入管132や吐出管131の長さは、対象の冷媒系統110の吸入管132や吐出管131の長さと異なる値であってもよい。試験用の冷媒系統210は、対象の冷媒系統110とは異なり、冷媒漏れを発生させる機構と、冷媒の漏れ量を計測する機構とを有する。冷媒漏れを発生させる機構は、例えば、吸入管132または吐出管131に設けられた弁である。冷媒の漏れ量を計測する機構は、例えば、弁から排出された冷媒の量を計測するセンサ201である。
推定装置100は、試験用の冷媒系統210に基づき、圧縮機121の圧力制御に起因する試験用の冷媒系統210からの冷媒の漏れ量にかかる正帰還に対応するスケーリング指数を学習する。冷媒の漏れ量に関して正帰還がかかる冷媒系統では、2変数が冪乗則に従う性質がある。例えば、2変数をyとxとすれば、yがx^cに比例する性質がある。具体的には、2変数は、冷媒の温度比と冷媒の質量比とである。スケーリング指数は、この性質に関する指数cである。推定装置100は、例えば、図4および図5に後述する各種テーブルを利用し、スケーリング指数を学習する。
ここで、試験用の冷媒系統210と、対象の冷媒系統110とで、圧縮機121の圧力制御が共通していれば、試験用の冷媒系統210に基づき学習したスケーリング指数が、対象の冷媒系統110に関するスケーリング指数として援用可能である。このため、推定装置100は、学習したスケーリング指数に基づき、対象の冷媒系統110における冷媒の量についての推定値を算出する。推定装置100は、例えば、図6および図7に後述する各種テーブルを利用し、推定値を算出する。これにより、推定装置100は、冷媒が漏れたことを検知しやすくすることができる。推定装置100は、例えば、サーバ、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン、マイコン、PLC(Programmable Logic Controller)などである。
ここでは、対象の冷媒系統110と制御内容が共通する冷媒系統が、対象の冷媒系統110とは異なる冷媒系統である場合について説明したが、これに限らない。例えば、対象の冷媒系統110と制御内容が共通する冷媒系統が、過去の対象の冷媒系統110である場合があってもよい。この場合、冷媒漏れ検知システム200は、試験用の冷媒系統210を含まなくてよい。
ここでは、推定装置100が、試験用の冷媒系統210に基づき、スケーリング指数を学習する場合について説明したが、これに限らない。例えば、推定装置100とは異なる装置が、試験用の冷媒系統210に基づき学習したスケーリング指数を学習する場合があってもよい。この場合、推定装置100は、スケーリング指数を学習した装置から、スケーリング指数を受信する。また、この場合、冷媒漏れ検知システム200は、試験用の冷媒系統210を含まなくてよい。
(推定装置100のハードウェア構成例)
次に、図3を用いて、推定装置100のハードウェア構成例について説明する。
図3は、推定装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、推定装置100は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、通信I/F(Interface)303と、記録媒体I/F304と、記録媒体305とを有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、推定装置100の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。メモリ302は、例えば、図4~図7に後述する各種テーブルを記憶する。
通信I/F303は、他のコンピュータに接続される。そして、通信I/F303は、インターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F303は、例えば、モデムやLANアダプタなどである。
記録媒体I/F304は、CPU301の制御に従って記録媒体305に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F304は、例えば、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)ポートなどである。記録媒体305は、記録媒体I/F304の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体305は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体305は、推定装置100から着脱可能であってもよい。
推定装置100は、上述した構成部のほか、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、推定装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を複数有していてもよい。また、推定装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を有していなくてもよい。
(冷媒漏れ試験データテーブル400の記憶内容)
次に、図4を用いて、冷媒漏れ試験データテーブル400の記憶内容の一例について説明する。冷媒漏れ試験データテーブル400は、例えば、図3に示した推定装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図4は、冷媒漏れ試験データテーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。図4に示すように、冷媒漏れ試験データテーブル400は、時間と、モードと、初期冷媒量と、冷媒量と、1以上のセンサ201とのフィールドを有する。冷媒漏れ試験データテーブル400は、時間ごとに各フィールドに情報を設定することにより、冷媒漏れ試験データがレコードとして記憶される。
時間のフィールドには、一定間隔の時点が設定される。モードのフィールドには、時間のフィールドが示す時点で、試験用の冷媒系統210が、暖房動作時か、冷房動作時かを示す情報が設定される。初期冷媒量のフィールドには、初期状態での試験用の冷媒系統210における冷媒の量が設定される。冷媒量のフィールドには、時間のフィールドが示す時点での、試験用の冷媒系統210における冷媒の量が設定される。センサ201のフィールドには、時間のフィールドが示す時点での、センサ201が計測した冷媒の温度が設定される。図4の例では、センサAのフィールドに、センサAが計測した冷媒の温度が設定される。
(分析データテーブル500の記憶内容)
次に、図5を用いて、分析データテーブル500の記憶内容の一例について説明する。分析データテーブル500は、例えば、図3に示した推定装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図5は、分析データテーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5に示すように、分析データテーブル500は、時間と、モードと、初期冷媒量と、冷媒量と、log(冷媒質量比)と、冷媒温度と、正常時冷媒温度と、log(温度比)とのフィールドを有する。分析データテーブル500は、時間ごとに各フィールドに情報を設定することにより、分析データがレコードとして記憶される。
時間のフィールドには、一定間隔の時点が設定される。モードのフィールドには、時間のフィールドが示す時点で、試験用の冷媒系統210が、暖房動作時か、冷房動作時かを示す情報が設定される。初期冷媒量のフィールドには、初期状態での試験用の冷媒系統210における冷媒の量M0が設定される。冷媒量のフィールドには、時間のフィールドが示す時点での、試験用の冷媒系統210における冷媒の量Mが設定される。log(冷媒質量比)のフィールドには、初期状態での冷媒の量に対する、時間のフィールドが示す時点での冷媒の量の比率について、対数を計算した結果が設定される。
冷媒温度のフィールドには、時間のフィールドが示す時点での、試験用の冷媒系統210における冷媒の温度Tが設定される。冷媒の温度は、試験用の冷媒系統210が暖房動作時であれば、吐出管131における冷媒の温度である。以下の説明では、吐出管131における冷媒の温度を「吐出温度」と表記する場合がある。冷媒の温度は、試験用の冷媒系統210が冷房動作時であれば、吸入管132における冷媒の温度である。以下の説明では、吸入管132における冷媒の温度を「吸入温度」と表記する場合がある。冷媒の温度は、試験用の冷媒系統210が冷房動作時であり、バイパス133があれば、吸入温度と、SC熱交出口における冷媒の温度との平均値であってもよい。以下の説明では、SC熱交出口における冷媒の温度を「SC熱交出口温度」と表記する場合がある。
正常時冷媒温度のフィールドには、初期状態での試験用の冷媒系統210における冷媒の温度T0が設定される。冷媒の温度は、試験用の冷媒系統210が暖房動作時であれば、吐出温度である。冷媒の温度は、試験用の冷媒系統210が冷房動作時であれば、吸入温度、または、吸入温度とSC熱交出口温度との平均値である。log(温度比)のフィールドには、初期状態での冷媒の温度に対する、時間のフィールドが示す時点での冷媒の温度の比率について、対数を計算した結果が設定される。
(動作データテーブル600の記憶内容)
次に、図6を用いて、動作データテーブル600の記憶内容の一例について説明する。動作データテーブル600は、例えば、図3に示した推定装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図6は、動作データテーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6に示すように、動作データテーブル600は、日時と、モードと、冷媒温度と、基準時冷媒温度とのフィールドを有する。動作データテーブル600は、日時ごとに各フィールドに情報を設定することにより、学習時の動作データがレコードとして記憶される。
日時のフィールドには、一定間隔の日時が設定される。モードのフィールドには、設定された日時で、対象の冷媒系統110が、暖房動作時か、冷房動作時かを示す情報が設定される。冷媒温度のフィールドには、設定された日時で、センサ201が計測した冷媒の温度Tが設定される。基準時冷媒温度のフィールドには、初期状態での対象の冷媒系統110における冷媒の温度T0が設定される。
(検知用データテーブル700の記憶内容)
次に、図7を用いて、検知用データテーブル700の記憶内容の一例について説明する。検知用データテーブル700は、例えば、図3に示した推定装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
図7は、検知用データテーブル700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7に示すように、検知用データテーブル700は、日時と、モードと、スケーリング指数と、冷媒温度と、基準時冷媒温度と、温度比と、冷媒漏れ度とのフィールドを有する。検知用データテーブル700は、日時ごとに各フィールドに情報を設定することにより、検知時の動作データがレコードとして記憶される。
日時のフィールドには、対象の冷媒系統110からの冷媒漏れを検知する際、一定間隔の日時が設定される。モードのフィールドには、設定された日時で、対象の冷媒系統110が、暖房動作時か、冷房動作時かを示す情報が設定される。スケーリング指数のフィールドには、暖房動作時または冷房動作時に対応するスケーリング指数が設定される。冷媒温度のフィールドには、設定された日時で、センサ201が計測した冷媒の温度Tが設定される。冷媒の温度は、対象の冷媒系統110が暖房動作時であれば、吐出温度である。冷媒の温度は、対象の冷媒系統110が冷房動作時であれば、吸入温度、または、吸入温度とSC熱交出口温度との平均値である。
基準時冷媒温度のフィールドには、初期状態での対象の冷媒系統110における冷媒の温度T0が設定される。冷媒温度のフィールドには、設定された日時で、センサ201が計測した冷媒の温度Tが設定される。冷媒の温度は、対象の冷媒系統110が暖房動作時であれば、吐出温度である。冷媒の温度は、対象の冷媒系統110が冷房動作時であれば、吸入温度、または、吸入温度とSC熱交出口温度との平均値である。温度比のフィールドには、初期状態での冷媒の温度に対する、設定された日時での冷媒の温度の比率が、温度比T/T0として設定される。冷媒漏れ度のフィールドには、温度比に基づいて算出された冷媒漏れ度が設定される。冷媒漏れ度は、例えば、1-M/M0=1-(T/T0)^(1/c)である。
(推定装置100の機能的構成例)
次に、図8を用いて、推定装置100の機能的構成例について説明する。
図8は、推定装置100の機能的構成例を示すブロック図である。推定装置100は、記憶部800と、取得部801と、学習部802と、算出部803と、判定部804と、出力部805とを含む。
記憶部800は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域によって実現される。以下では、記憶部800が、推定装置100に含まれる場合について説明するが、これに限らない。例えば、記憶部800が、推定装置100とは異なる装置に含まれ、記憶部800の記憶内容が推定装置100から参照可能である場合があってもよい。
取得部801~出力部805は、制御部の一例として機能する。取得部801~出力部805は、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶される。
記憶部800は、各機能部の処理において参照され、または更新される各種情報を記憶する。記憶部800は、スケーリング指数を記憶する。スケーリング指数は、対象の冷媒系統110と制御内容が共通する冷媒系統における冷媒の漏れ量にかかる正帰還に対応する指数である。スケーリング指数は、冷媒の漏れ量にかかる正帰還が強いほど、値が大きくなる。制御内容は、冷媒の圧力を一定に維持することである。
記憶部800は、スケーリング指数を学習するための冷媒漏れ試験データを記憶してもよい。記憶部800は、例えば、図4に示した冷媒漏れ試験データテーブル400を記憶する。記憶部800は、スケーリング指数を学習する際に用いられる回帰分析のための分析データを記憶してもよい。記憶部800は、例えば、図5に示した分析データテーブル500を記憶する。記憶部800は、対象の冷媒系統110における基準時の冷媒の温度を算出するための動作データを記憶してもよい。記憶部800は、例えば、図6に示した動作データテーブル600を記憶する。記憶部800は、対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたことを検知するための動作データを記憶してもよい。記憶部800は、例えば、図7に示した検知用データテーブル700を記憶する。
取得部801は、各機能部の処理に用いられる各種情報を取得する。取得部801は、取得した各種情報を、記憶部800に記憶し、または、各機能部に出力する。また、取得部801は、記憶部800に記憶しておいた各種情報を、各機能部に出力してもよい。取得部801は、例えば、利用者の操作入力に基づき、各種情報を取得する。取得部801は、例えば、推定装置100とは異なる装置から、各種情報を受信してもよい。
取得部801は、例えば、試験用の冷媒系統210における冷媒の温度を取得する。冷媒の温度は、試験用の冷媒系統210が暖房動作時であれば、吐出温度である。冷媒の温度は、試験用の冷媒系統210が冷房動作時であれば、吸入温度、または、吸入温度とSC熱交出口温度との平均値である。取得部801は、具体的には、利用者の操作入力により、初期状態での試験用の冷媒系統210における冷媒の温度を取得する。また、取得部801は、具体的には、試験用の冷媒系統210において冷媒漏れを発生させた状態で、一定間隔の時間ごとに、試験用の冷媒系統210のセンサ201から冷媒の温度を取得する。取得部801は、例えば、取得した冷媒の温度を、図4に示した冷媒漏れ試験データテーブル400を用いて記憶する。
取得部801は、例えば、試験用の冷媒系統210における冷媒の量を取得する。取得部801は、具体的には、利用者の操作入力により、初期状態での試験用の冷媒系統210における冷媒の量を取得する。また、取得部801は、具体的には、試験用の冷媒系統210において冷媒漏れを発生させた状態で、一定間隔の時間ごとに、試験用の冷媒系統210のセンサ201から冷媒の漏れ量を取得する。そして、取得部801は、取得した冷媒の漏れ量と、初期状態の冷媒の量とに基づいて、試験用の冷媒系統210の冷媒の量を算出する。取得部801は、例えば、取得した冷媒の量を、図4に示した冷媒漏れ試験データテーブル400を用いて記憶する。
取得部801は、例えば、対象の冷媒系統110における冷媒の温度を取得する。冷媒の温度は、対象の冷媒系統110が暖房動作時であれば、吐出温度である。冷媒の温度は、対象の冷媒系統110が冷房動作時であれば、吸入温度、または、吸入温度とSC熱交出口温度との平均値である。取得部801は、具体的には、一定間隔の時間ごとに、対象の冷媒系統110のセンサ201から冷媒の温度を取得する。取得部801は、例えば、取得した冷媒の温度を、図6に示した動作データテーブル600、または、図7に示した検知用データテーブル700を用いて記憶する。取得部801は、さらに、例えば、対象の冷媒系統110における基準時の冷媒の量を取得してもよい。
学習部802は、取得部801が取得した冷媒の温度および冷媒の量に基づいて、スケーリング指数を学習する。学習部802は、例えば、初期状態の冷媒の温度に対する、冷媒漏れの各時点での冷媒の温度の比率を、冷媒漏れの各時点での温度比として算出する。また、学習部802は、例えば、初期状態の冷媒の量に対する、冷媒漏れの各時点での冷媒の量の比率を、冷媒漏れの各時点での冷媒量比として算出する。そして、学習部802は、回帰分析を用いて、冷媒漏れの各時点での温度比と冷媒量比とに基づいて、スケーリング指数を算出する。スケーリング指数を学習する具体例については、図9および図10を用いて後述する。
算出部803は、記憶部800が記憶したスケーリング指数、基準時点における対象の冷媒系統110における冷媒の温度、および、取得部801が取得した温度に基づいて、対象の冷媒系統110における冷媒の量についての推定値を算出する。冷媒の量についての推定値は、例えば、冷媒の量自体の推定値である。冷媒の量についての推定値は、例えば、基準時点における対象の冷媒系統110における冷媒の量に対する、対象の冷媒系統110における冷媒の量の比率についての推定値であってもよい。冷媒の量についての推定値は、例えば、対象の冷媒系統110における冷媒の漏れ量についての推定値であってもよい。漏れ量についての推定値は、上述した冷媒漏れ度である。
ここで、基準時点における対象の冷媒系統110における冷媒の量M0に対する、対象の冷媒系統110における冷媒の量Mの比率M/M0=(T/T0)^(1/c)が成り立つ。このため、算出部803は、例えば、スケーリング指数c、基準時点における冷媒の温度T0、および、取得部801が取得した温度Tを、上記式に代入し、比率M/M0についての推定値を算出する。
算出部803は、例えば、さらに基準時点における対象の冷媒系統110における冷媒の量M0に基づいて、対象の冷媒系統110における冷媒の量Mについての推定値を算出する。算出部803は、具体的には、スケーリング指数c、基準時点における冷媒の量M0、基準時点における冷媒の温度T0、および、取得部801が取得した温度Tを、上記式に代入し、冷媒の量Mについての推定値を算出する。
ここで、冷媒漏れ度1-M/M0=1-(T/T0)^(1/c)が成り立つ。このため、算出部803は、例えば、スケーリング指数c、基準時点における冷媒の温度T0、および、取得部801が取得した温度Tを、上記式に代入し、冷媒漏れ度1-M/M0についての推定値を算出する。これにより、算出部803は、対象の冷媒系統110における冷媒の量を把握可能にし、対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたことを検知可能にすることができる。推定値を算出する具体例については、図11および図12を用いて後述する。
判定部804は、算出した推定値に基づいて対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたか否かを判定する。判定部804は、例えば、比率M/M0についての推定値が、閾値以下になると、冷媒が漏れたと判定する。また、判定部804は、例えば、冷媒漏れ度1-M/M0についての推定値が、閾値以上になると、冷媒が漏れたと判定する。これにより、判定部804は、自動で、冷媒が漏れたか否かを精度よく判定することができる。
出力部805は、各機能部の処理結果を出力する。出力形式は、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷出力、通信I/F303による外部装置への送信、または、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域への記憶である。出力部805は、例えば、学習部802の学習結果を、記憶部800に記憶してもよい。
出力部805は、例えば、算出部803の算出結果、または、判定部804の判定結果を出力する。これにより、出力部805は、対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたか否かを、利用者が判断しやすくすることができる。出力部805は、例えば、対象の冷媒系統110から、どの程度冷媒が漏れたかを、利用者が把握しやすくすることができる。このため、利用者は、冷媒が漏れ始めた時点で、冷媒が漏れ始めたことを把握することができる。
ここでは、推定装置100が、学習部802および判定部804を含む場合について説明したが、これに限らない。例えば、推定装置100が、学習部802を含まない場合があってもよい。この場合、例えば、推定装置100は、スケーリング指数を、推定装置100とは異なる装置から取得し、または、利用者の操作入力により取得する。
また、例えば、推定装置100が、判定部804を含まない場合があってもよい。この場合、例えば、推定装置100が、算出した推定値を出力し、利用者が、対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたか否かを判定する。
(冷媒漏れ検知システム200の動作例)
次に、図9~図14を用いて、冷媒漏れ検知システム200の動作例について説明する。まず、図9および図10を用いて、推定装置100が、試験用の冷媒系統210に基づき、指数を学習する具体例について説明する。
図9および図10は、スケーリング指数を学習する具体例を示す説明図である。ここで、圧縮機121の圧力制御は、暖房動作時と冷房動作時とで異なる。このため、図9において、推定装置100は、暖房動作時についての冷媒漏れ試験データテーブル910と、冷房動作時についての冷媒漏れ試験データテーブル920とを生成する。
例えば、推定装置100は、試験用の冷媒系統210に暖房動作を実施させる。暖房動作は、例えば、利用者が手動で試験用の冷媒系統210に実施させてもよい。そして、推定装置100は、グラフ901に示すように、時間経過に伴って、試験用の冷媒系統210から冷媒を排出していく。グラフ901の横軸は時間であり、グラフ901の縦軸は冷媒の量である。冷媒の排出は、例えば、利用者が手動で行ってもよい。
この際、試験用の冷媒系統210のセンサ201は、グラフ902に示すように、時間経過に伴って変化する冷媒の温度を計測している。グラフ902の横軸は時間であり、グラフ902の縦軸は冷媒の温度である。推定装置100は、試験用の冷媒系統210から冷媒が排出された各時点でセンサ201が計測した冷媒の温度を取得し、暖房動作時についての冷媒漏れ試験データテーブル910を生成する。冷媒の温度は、吐出温度である。初期冷媒量は、予め利用者により設定される。
同様に、推定装置100は、試験用の冷媒系統210に冷房動作を実施させる。冷房動作は、例えば、利用者が手動で試験用の冷媒系統210に実施させてもよい。そして、推定装置100は、冷房動作を実施させる際、冷媒を補給しておき、時間経過に伴って、試験用の冷媒系統210から冷媒を排出していく。冷媒の排出は、例えば、利用者が手動で行ってもよい。
この際、試験用の冷媒系統210のセンサ201は、時間経過に伴って変化する冷媒の温度を計測している。推定装置100は、試験用の冷媒系統210から冷媒が排出された各時点でセンサ201が計測した冷媒の温度を取得し、冷房動作時についての冷媒漏れ試験データテーブル920を生成する。冷媒の温度は、吸入温度とSC熱交出口温度との平均温度である。初期冷媒量は、予め利用者により設定される。次に、図10の説明に移行する。
図10において、推定装置100は、冷媒の圧力が一定である制御環境下では冷媒量比と温度比が冪乗則に従うとして、暖房動作に関するスケーリング指数と、冷房動作に関するスケーリング指数とを学習する。
ここで、冷媒量比と温度比が冪乗則に従う場合、log(T/T0)=c*log(M/M0)の関係式が成立する。cは、スケーリング指数である。Tは、いずれかの時点での冷媒の温度である。Mは、いずれかの時点での冷媒の量である。T0は、初期状態での冷媒の温度である。M0は、初期状態での冷媒の量である。
このため、推定装置100は、暖房動作時についての冷媒漏れ試験データテーブル910に基づき、冷媒が排出された各時点でのlog(T/T0)とlog(M/M0)とを算出する。推定装置100は、算出結果を、分析データテーブル1010を用いて記憶する。推定装置100は、算出した各時点でのlog(T/T0)とlog(M/M0)とに基づいて、回帰分析を行い、回帰直線の傾きをスケーリング指数cとして学習する。推定装置100は、スケーリング指数cを、分析データテーブル1010を用いて記憶する。各時点でのlog(T/T0)とlog(M/M0)の組み合わせの座標に、白丸を配置したグラフ1001上の直線が、回帰直線である。グラフ1001の横軸はlog(M/M0)であり、グラフ1001の縦軸はlog(T/T0)である。推定装置100は、具体的には、暖房動作に関するスケーリング指数c=-0.09を学習する。
推定装置100は、同様に、冷房動作時についての冷媒漏れ試験データテーブル920に基づき、冷房動作に関するスケーリング指数を学習する。冷房動作に関するスケーリング指数を学習する具体例は、暖房動作に関するスケーリング指数を学習する具体例と同様であるため、説明を省略する。次に、図11および図12を用いて、推定装置100が、学習したスケーリング指数を用いて、対象の冷媒系統110から漏れた冷媒の量の多さを示す冷媒漏れ度を算出する具体例について説明する。
図11および図12は、冷媒漏れ度を算出する具体例を示す説明図である。図11において、推定装置100は、冷媒漏れ度を算出する際に用いられる、暖房動作についての基準時の冷媒の温度T0と、冷房動作についての基準時の冷媒の温度T0とを算出する。
推定装置100は、基準期間において、対象の冷媒系統110に暖房動作を実施させる。基準期間は、例えば、1週間である。暖房動作は、例えば、利用者が手動で対象の冷媒系統110に実施させてもよい。この際、対象の冷媒系統110のセンサ201は、グラフ1101に示すように、時間経過に伴って変化する冷媒の温度を計測している。冷媒の温度は、吐出温度である。グラフ1101の横軸は時間であり、グラフ1001の縦軸は吐出温度である。推定装置100は、基準期間の各時点でセンサ201が計測した冷媒の温度Tを取得し、暖房動作時についての動作データテーブル1110を用いて記憶する。推定装置100は、基準期間の各時点でセンサ201が計測した冷媒の温度Tの平均値を、基準時の冷媒の温度T0として算出し、暖房動作時についての動作データテーブル1110を用いて記憶する。
同様に、推定装置100は、基準期間において、対象の冷媒系統110に冷房動作を実施させる。基準期間は、例えば、1週間である。冷房動作は、例えば、利用者が手動で対象の冷媒系統110に実施させてもよい。この際、対象の冷媒系統110のセンサ201は、時間経過に伴って変化する冷媒の温度を計測している。推定装置100は、基準期間の各時点でセンサ201が計測した冷媒の温度Tの平均値を、基準時の冷媒の温度T0として算出する。冷媒の温度は、吸入温度とSC熱交出口温度との平均温度である。次に、図12の説明に移行する。
図12において、推定装置100は、一定時間ごとに対象の冷媒系統110における冷媒の温度Tを取得し、冷媒の温度Tに基づいて冷媒漏れ度を算出し、冷媒漏れ度に基づいて冷媒が漏れたことを検知可能にする。冷媒漏れ度は、1-M/M0=1-(T/T0)^(1/c)である。
推定装置100は、例えば、対象の冷媒系統110における冷媒の温度Tを取得する都度、対象の冷媒系統110が暖房動作時か冷房動作時かを判定する。推定装置100は、暖房動作時であれば暖房動作に関するスケーリング指数cおよび基準時の冷媒の温度T0を取得し、冷房動作時であれば冷房動作に関するスケーリング指数cおよび冷媒の温度T0を取得する。推定装置100は、温度比T/T0を算出し、冷媒漏れ度1-M/M0=1-(T/T0)^(1/c)を算出する。推定装置100は、冷媒の温度T、スケーリング指数c、基準時の冷媒の温度T0、および、温度比T/T0を対応付けて、検知用データテーブル1210にレコードとして追加する。
これにより、推定装置100は、リアルタイムに、グラフ1201に示すような、冷媒の温度の変化と、冷媒漏れ度の変化とを特定することができる。グラフ1201の横軸は時間であり、グラフ1201の縦軸は吐出温度および冷媒漏れ度である。そして、推定装置100は、自動で、対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたか否かを精度よく判定することができる。
また、推定装置100は、リアルタイムに、グラフ1201に示すような、冷媒の温度の変化と、冷媒漏れ度の変化とを、利用者に通知することができる。そして、推定装置100は、対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたか否かを、利用者が判断しやすくすることができる。このため、利用者は、冷媒が漏れ始めた時点で、冷媒が漏れ始めたことを把握することができる。次に、図13を用いて、試験用の冷媒系統210と対象の冷媒系統110とでのスケーリング指数の共通性について説明する。
図13は、試験用の冷媒系統210と対象の冷媒系統110とでのスケーリング指数の共通性を示す説明図である。図13において、試験用の冷媒系統210と、対象の冷媒系統110とは異なる構成であるとする。
図13のグラフ1300の横軸はlog(M/M0)であり、グラフ1300の縦軸はlog(T/T0)である。グラフ1300の白丸は試験用の冷媒系統210についてのlog(T/T0)とlog(M/M0)の組み合わせの座標である。グラフ1300の黒丸は対象の冷媒系統110についてのlog(T/T0)とlog(M/M0)の組み合わせの座標である。
ここで、グラフ1300における白丸と黒丸の分布状況から、白丸に対する回帰直線の傾きと、黒丸に対する回帰直線の傾きとには共通性があると考えられる。したがって、試験用の冷媒系統210と対象の冷媒系統110とでのスケーリング指数にも共通性があると考えられる。具体的には、試験用の冷媒系統210のスケーリング指数は「-0.090」であり、対象の冷媒系統110でのスケーリング指数は「-0.097」であり、共通性がある。次に、図14を用いて、推定装置100による冷媒漏れ度の算出精度について説明する。
図14は、冷媒漏れ度の算出精度を示す説明図である。図14において、冷媒漏れ度の算出精度の検証のため、対象の冷媒系統110として、冷媒の漏れ量を計測する機構を有する冷媒系統を用いて、推定装置100が、冷媒漏れ度を算出したとする。
図14のグラフ1400の横軸はDay(日数)であり、グラフ1400の縦軸は冷媒漏れ度1-M/M0である。グラフ1400の白丸は、推定装置100が算出した冷媒漏れ度の推定値である。グラフ1400の黒丸は、計測した冷媒の漏れ量から算出した冷媒漏れ度の実測値である。
グラフ1400に示すように、冷媒漏れ度の推定値と冷媒漏れ度の実測値との差分は比較的小さく、グラフ1400には、推定装置100が冷媒漏れ度を精度よく算出したことが現れている。また、グラフ1400には、推定装置100が、冷媒漏れ度を連続値として算出可能なことが現れている。このため、利用者は、冷媒の漏れ量をリアルタイムに把握することができる。
(学習処理手順)
次に、図15および図16を用いて、推定装置100が実行する、学習処理手順の一例について説明する。学習処理は、例えば、図3に示したCPU301と、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域と、通信I/F303とによって実現される。
図15および図16は、学習処理手順の一例を示すフローチャートである。図15において、推定装置100は、試験用の冷媒系統210の暖房動作時の冷媒漏れ試験データを取得する(ステップS1501)。
次に、推定装置100は、暖房動作時の冷媒漏れ試験データから、正常時の冷媒温度として、正常時の吐出温度を取得する(ステップS1502)。そして、推定装置100は、暖房動作時の冷媒漏れデータから、冷媒漏れの各時点の冷媒温度として、冷媒漏れの各時点の吐出温度を取得する(ステップS1503)。
次に、推定装置100は、正常時の冷媒温度に対する冷媒漏れの各時点の冷媒温度の比率を、冷媒漏れの各時点の温度比として算出する(ステップS1504)。そして、推定装置100は、暖房動作時の冷媒漏れ試験データから、正常時の冷媒量を取得する(ステップS1505)。
次に、推定装置100は、暖房動作時の冷媒漏れデータから、冷媒漏れの各時点の冷媒量を取得する(ステップS1506)。そして、推定装置100は、正常時の冷媒量に対する冷媒漏れの各時点の冷媒量の比率を、冷媒漏れの各時点の冷媒量比として算出する(ステップS1507)。
次に、推定装置100は、回帰分析を用いて、冷媒漏れの各時点の温度比と冷媒量比とに基づいて、暖房動作時のスケーリング指数cを算出する(ステップS1508)。そして、推定装置100は、図16のステップS1601の処理に移行する。
図16において、推定装置100は、試験用の冷媒系統210の冷房動作時の冷媒漏れ試験データを取得する(ステップS1601)。
次に、推定装置100は、冷房動作時の冷媒漏れ試験データから、正常時の冷媒温度として、正常時の吸入温度とSC熱交出口温度との平均温度を取得する(ステップS1602)。そして、推定装置100は、冷房動作時の冷媒漏れデータから、冷媒漏れの各時点の冷媒温度として、冷媒漏れの各時点の吸入温度とSC熱交出口温度との平均温度を取得する(ステップS1603)。
次に、推定装置100は、正常時の冷媒温度に対する冷媒漏れの各時点の冷媒温度の比率を、冷媒漏れの各時点の温度比として算出する(ステップS1604)。そして、推定装置100は、冷房動作時の冷媒漏れ試験データから、正常時の冷媒量を取得する(ステップS1605)。
次に、推定装置100は、冷房動作時の冷媒漏れデータから、冷媒漏れの各時点の冷媒量を取得する(ステップS1606)。そして、推定装置100は、正常時の冷媒量に対する冷媒漏れの各時点の冷媒量の比率を、冷媒漏れの各時点の冷媒量比として算出する(ステップS1607)。
次に、推定装置100は、回帰分析を用いて、冷媒漏れの各時点の温度比と冷媒量比とに基づいて、冷房動作時のスケーリング指数cを算出する(ステップS1608)。そして、推定装置100は、学習処理を終了する。
(設定処理手順)
次に、図17を用いて、推定装置100が実行する、設定処理手順の一例について説明する。設定処理は、例えば、図3に示したCPU301と、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域と、通信I/F303とによって実現される。
図17は、設定処理手順の一例を示すフローチャートである。図17において、推定装置100は、基準期間分の、対象の冷媒系統110の暖房動作時の動作データを取得する(ステップS1701)。
次に、推定装置100は、暖房動作時の動作データから、基準期間内の各時点における吐出温度を取得する(ステップS1702)。そして、推定装置100は、取得した吐出温度に基づいて、暖房動作に関する基準時の冷媒温度を算出する(ステップS1703)。
次に、推定装置100は、基準期間分の、対象の冷媒系統110の冷房動作時の動作データを取得する(ステップS1704)。そして、推定装置100は、冷房動作時の動作データから、基準期間内の各時点における吸入温度とSC熱交出口温度とを取得する(ステップS1705)。
次に、推定装置100は、取得した吸入温度とSC熱交出口温度とに基づいて、冷房動作に関する基準時の冷媒温度を算出する(ステップS1706)。そして、推定装置100は、設定処理を終了する。
(推定処理手順)
次に、図18を用いて、推定装置100が実行する、推定処理手順の一例について説明する。推定処理は、例えば、図3に示したCPU301と、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域と、通信I/F303とによって実現される。
図18は、推定処理手順の一例を示すフローチャートである。図18において、推定装置100は、対象の冷媒系統110の動作データを取得する(ステップS1801)。
次に、推定装置100は、対象の冷媒系統110が暖房動作時か否かを判定する(ステップS1802)。ここで、暖房動作時である場合(ステップS1802:Yes)、推定装置100は、ステップS1803の処理に移行する。一方で、暖房動作時ではなく、冷房動作時である場合(ステップS1802:No)、推定装置100は、ステップS1805の処理に移行する。
ステップS1803では、推定装置100は、暖房動作時のスケーリング指数cを取得する(ステップS1803)。次に、推定装置100は、暖房動作に関する基準時の冷媒温度を取得する(ステップS1804)。そして、推定装置100は、ステップS1807の処理に移行する。
ステップS1805では、推定装置100は、冷房動作時のスケーリング指数cを取得する(ステップS1805)。次に、推定装置100は、冷房動作に関する基準時の冷媒温度を取得する(ステップS1806)。そして、推定装置100は、ステップS1807の処理に移行する。
ステップS1807では、推定装置100は、取得した動作データに基づいて、基準時の冷媒温度に対する現時点の冷媒温度の比率を算出する(ステップS1807)。次に、推定装置100は、算出した比率と、取得したスケーリング指数とに基づいて、基準時の冷媒量に対する現時点の冷媒量の比率を算出する(ステップS1808)。そして、推定装置100は、ステップS1801の処理に戻る。
ここでは、推定装置100が、基準時の冷媒量に対する現時点の冷媒量の比率を算出する場合について説明したが、これに限らない。例えば、推定装置100が、冷媒漏れ度を算出する場合があってもよい。また、推定装置100が、算出した比率や冷媒漏れ度に基づいて、冷媒が漏れたことを検知する場合があってもよい。また、推定装置100が、算出した比率や冷媒漏れ度を表示し、冷媒が漏れたことを利用者が把握可能にする場合があってもよい。
ここで、推定装置100は、図15~図18の一部ステップの処理の順序を入れ替えて実行してもよい。例えば、図15の処理と図16の処理との順序は入れ替え可能である。また、推定装置100は、図15~図18の一部ステップの処理を省略してもよい。例えば、対象の冷媒系統110が暖房動作のみ可能な冷媒系統であれば、図16の処理や図17のステップS1704~S1706の処理などは省略可能である。例えば、推定装置100がスケーリング指数を学習せずに取得する場合、図15の処理や図16の処理は省略可能である。
以上説明したように、推定装置100によれば、対象の冷媒系統110における冷媒の温度を取得することができる。推定装置100によれば、スケーリング指数、基準時点における対象の冷媒系統110における冷媒の温度、および、取得した温度に基づいて、対象の冷媒系統110における冷媒の量についての推定値を算出することができる。これにより、推定装置100は、冷媒系統を流れる冷媒の量を推定し、冷媒が漏れたことを検知可能にすることができる。
推定装置100によれば、基準時点における対象の冷媒系統110における冷媒の量に対する、対象の冷媒系統110における冷媒の量の比率についての推定値を算出することができる。これにより、推定装置100は、基準時点における冷媒の量に対する、いずれかの時点における冷媒の量の比率を推定し、冷媒が漏れたことを検知可能にすることができる。また、推定装置100は、冷媒の量の比率を、冷媒の温度の比率から直接算出可能なため、算出負担の低減化を図ることができ、また、基準時点における冷媒の量が分からなくても、冷媒が漏れたことを検知可能にすることができる。
推定装置100によれば、さらに基準時点における対象の冷媒系統110における冷媒の量に基づいて、対象の冷媒系統110における冷媒の量についての推定値を算出することができる。これにより、推定装置100は、冷媒が漏れたことを検知可能にすることができる。また、推定装置100は、対象の冷媒系統110を流れる冷媒の量を、利用者が把握可能にすることができ、冷媒を補充する量などを判断しやすくし、対象の冷媒系統110を保守しやすくすることができる。
推定装置100によれば、対象の冷媒系統110と制御内容が共通し、冷媒の圧力を一定に維持する試験用の冷媒系統210に基づき、スケーリング指数を学習することができる。これにより、推定装置100は、スケーリング指数を精度よく学習することができる。
推定装置100によれば、対象の冷媒系統110が暖房に利用される場合、対象の冷媒系統110の吐出管131における冷媒の温度を取得することができる。これにより、推定装置100は、冪乗則が利用可能な、圧力制御が行われる箇所の温度を取得することができ、冷媒が漏れたことを精度よく検知可能にすることができる。
推定装置100によれば、対象の冷媒系統110が冷房に利用される場合、対象の冷媒系統110の吸入管132における冷媒の温度を取得することができる。これにより、推定装置100は、冪乗則が利用可能な、圧力制御が行われる箇所の温度を取得することができ、冷媒が漏れたことを精度よく検知可能にすることができる。
推定装置100によれば、スケーリング指数を、冷媒の漏れ量にかかる正帰還が強いほど、値が大きくなるように算出することができる。これにより、推定装置100は、スケーリング指数を精度よく学習することができる。
推定装置100によれば、算出した推定値に基づいて対象の冷媒系統110から冷媒が漏れたか否かを判定し、判定結果を出力することができる。これにより、推定装置100は、自動で冷媒が漏れたことを検知し、利用者の負担の低減化を図ることができる。
推定装置100によれば、対象の冷媒系統110における冷媒の漏れ量についての推定値を算出することができる。これにより、推定装置100は、利用者が、冷媒の漏れ量を把握可能にすることができる。
なお、本実施の形態で説明した推定方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本実施の形態で説明した推定プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本実施の形態で説明した推定プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータに、
対象の冷媒系統における冷媒の温度を取得し、
前記対象の冷媒系統と制御内容が共通する冷媒系統における冷媒の漏れ量にかかる正帰還に対応する指数、基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の温度、および、取得した前記温度に基づいて、前記対象の冷媒系統における冷媒の量についての推定値を算出する、
処理を実行させる推定プログラム。
(付記2)前記算出する処理は、前記基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の量に対する、前記対象の冷媒系統における冷媒の量の比率についての推定値を算出する、付記1に記載の推定プログラム。
(付記3)前記算出する処理は、さらに前記基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の量に基づいて、前記対象の冷媒系統における冷媒の量についての推定値を算出する、付記1または2に記載の推定プログラム。
(付記4)前記制御内容は、冷媒の圧力を一定に維持することである、付記1~3のいずれか一つに記載の推定プログラム。
(付記5)前記取得する処理は、前記対象の冷媒系統が暖房に利用される場合、前記対象の冷媒系統の吐出管における冷媒の温度を取得する、付記1~4のいずれか一つに記載の推定プログラム。
(付記6)前記取得する処理は、前記対象の冷媒系統が冷房に利用される場合、前記対象の冷媒系統の吸入管における冷媒の温度を取得する、付記1~5のいずれか一つに記載の推定プログラム。
(付記7)前記指数は、冷媒の漏れ量にかかる正帰還が強いほど、値が大きくなる、付記1~6のいずれか一つに記載の推定プログラム。
(付記8)前記コンピュータに、
算出した前記推定値に基づいて前記対象の冷媒系統から冷媒が漏れたか否かを判定し、
判定結果を出力する、処理を実行させる付記1~7のいずれか一つに記載の推定プログラム。
(付記9)前記算出する処理は、前記対象の冷媒系統における冷媒の漏れ量についての推定値を算出する、付記1~8のいずれか一つに記載の推定プログラム。
(付記10)コンピュータが、
対象の冷媒系統における冷媒の温度を取得し、
前記対象の冷媒系統と制御内容が共通する冷媒系統における冷媒の漏れ量にかかる正帰還に対応する指数、基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の温度、および、取得した前記温度に基づいて、前記対象の冷媒系統における冷媒の量についての推定値を算出する、
処理を実行する推定方法。
(付記11)対象の冷媒系統における冷媒の温度を取得し、
前記対象の冷媒系統と制御内容が共通する冷媒系統における冷媒の漏れ量にかかる正帰還に対応する指数、基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の温度、および、取得した前記温度に基づいて、前記対象の冷媒系統における冷媒の量についての推定値を算出する、
制御部を有する推定装置。
100 推定装置
110 対象の冷媒系統
121 圧縮機
122 室外熱交換器
123 電磁弁
124 室内熱交換器
131 吐出管
132 吸入管
133 バイパス
200 検知システム
201 センサ
210 試験用の冷媒系統
300 バス
301 CPU
302 メモリ
303 通信I/F
304 記録媒体I/F
305 記録媒体
400,910,920 冷媒漏れ試験データテーブル
500,1010 分析データテーブル
600,1110 動作データテーブル
700,1210 検知用データテーブル
800 記憶部
801 取得部
802 学習部
803 算出部
804 判定部
805 出力部
901,902,1001,1101,1201,1300,1400 グラフ

Claims (7)

  1. コンピュータに、
    対象の冷媒系統における冷媒の温度を取得し、
    冷媒の圧力を一定に維持するという制御内容が前記対象の冷媒系統と共通し、圧力制御に起因して冷媒の漏れ量に増大傾向が現れる、前記対象の冷媒系統とは異なる他の冷媒系統における、冪乗則に従う冷媒の温度比と冷媒の質量比との2変数の関係を示す冪指数、基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の温度、および、取得した前記温度に基づいて、前記基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の量に対する前記対象の冷媒系統における冷媒の量の比率の推定値、または、前記対象の冷媒系統における冷媒の漏れ度の推定値を算出する、
    処理を実行させることを特徴とする推定プログラム。
  2. 前記算出する処理は、前記冪指数、前記基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の温度、取得した前記温度、および、予め設定された前記基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の量に基づいて、前記対象の冷媒系統における冷媒の量自体の推定値を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の推定プログラム。
  3. 前記取得する処理は、前記対象の冷媒系統が暖房に利用される場合、前記対象の冷媒系統の吐出管における冷媒の温度を取得する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の推定プログラム。
  4. 前記取得する処理は、前記対象の冷媒系統が冷房に利用される場合、前記対象の冷媒系統の吸入管における冷媒の温度を取得する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の推定プログラム。
  5. 前記冪指数は、圧力制御に起因して現れる冷媒の漏れ量の増大傾向が強いほど、値が大きくなる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の推定プログラム。
  6. コンピュータが、
    対象の冷媒系統における冷媒の温度を取得し、
    冷媒の圧力を一定に維持するという制御内容が前記対象の冷媒系統と共通し、圧力制御に起因して冷媒の漏れ量に増大傾向が現れる、前記対象の冷媒系統とは異なる他の冷媒系統における、冪乗則に従う冷媒の温度比と冷媒の質量比との2変数の関係を示す冪指数、基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の温度、および、取得した前記温度に基づいて、前記基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の量に対する前記対象の冷媒系統における冷媒の量の比率の推定値、または、前記対象の冷媒系統における冷媒の漏れ度の推定値を算出する、
    処理を実行することを特徴とする推定方法。
  7. 対象の冷媒系統における冷媒の温度を取得し、
    冷媒の圧力を一定に維持するという制御内容が前記対象の冷媒系統と共通し、圧力制御に起因して冷媒の漏れ量に増大傾向が現れる、前記対象の冷媒系統とは異なる他の冷媒系統における、冪乗則に従う冷媒の温度比と冷媒の質量比との2変数の関係を示す冪指数、基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の温度、および、取得した前記温度に基づいて、前記基準時点における前記対象の冷媒系統における冷媒の量に対する前記対象の冷媒系統における冷媒の量の比率の推定値、または、前記対象の冷媒系統における冷媒の漏れ度の推定値を算出する、
    制御部を有することを特徴とする推定装置。
JP2018190172A 2018-10-05 2018-10-05 推定プログラム、推定方法、および推定装置 Active JP7215058B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018190172A JP7215058B2 (ja) 2018-10-05 2018-10-05 推定プログラム、推定方法、および推定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018190172A JP7215058B2 (ja) 2018-10-05 2018-10-05 推定プログラム、推定方法、および推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020060309A JP2020060309A (ja) 2020-04-16
JP7215058B2 true JP7215058B2 (ja) 2023-01-31

Family

ID=70220786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018190172A Active JP7215058B2 (ja) 2018-10-05 2018-10-05 推定プログラム、推定方法、および推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7215058B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005241050A (ja) 2004-02-24 2005-09-08 Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd 空調システム
WO2006090451A1 (ja) 2005-02-24 2006-08-31 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 空気調和装置
JP2009079842A (ja) 2007-09-26 2009-04-16 Mitsubishi Electric Corp 冷凍サイクル装置およびその制御方法
JP2012047364A (ja) 2010-08-25 2012-03-08 Hitachi Appliances Inc 冷凍サイクル装置
JP2016099059A (ja) 2014-11-21 2016-05-30 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11211292A (ja) * 1998-01-26 1999-08-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷凍装置の冷媒漏れ検出装置及び冷媒漏れ検出方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005241050A (ja) 2004-02-24 2005-09-08 Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd 空調システム
WO2006090451A1 (ja) 2005-02-24 2006-08-31 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 空気調和装置
JP2009079842A (ja) 2007-09-26 2009-04-16 Mitsubishi Electric Corp 冷凍サイクル装置およびその制御方法
JP2012047364A (ja) 2010-08-25 2012-03-08 Hitachi Appliances Inc 冷凍サイクル装置
JP2016099059A (ja) 2014-11-21 2016-05-30 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020060309A (ja) 2020-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kim et al. Design of a steady-state detector for fault detection and diagnosis of a residential air conditioner
Cheung et al. Simulation of fault impacts for vapor compression systems by inverse modeling. Part I: Component modeling and validation
Yuill et al. Evaluating the performance of fault detection and diagnostics protocols applied to air-cooled unitary air-conditioning equipment
JP5525965B2 (ja) 冷凍サイクル装置
Zhao et al. A simplified physical model-based fault detection and diagnosis strategy and its customized tool for centrifugal chillers
US10989428B2 (en) Performance diagnosis device and performance diagnosis method for air conditioner
Sun et al. Online sensor fault diagnosis for robust chiller sequencing control
Tran et al. Refrigerant-based measurement method of heat pump seasonal performances
JP6972468B2 (ja) 空調装置の評価装置および評価方法
Hjortland et al. Virtual sensors for rooftop unit air-side diagnostics
Giannetti et al. Experimental implementation of artificial neural network for cost effective and non-intrusive performance estimation of air conditioning systems
US9726410B2 (en) Portable refrigerant charge meter and method for determining the actual refrigerant charge in HVAC systems
JP7215058B2 (ja) 推定プログラム、推定方法、および推定装置
JP2021076309A (ja) 推定方法、推定装置、プログラム及び学習済みモデルの生成方法
CN106840733B (zh) 一种空调机组性能在线检测方法及其检测设备
McDonald et al. Virtual flow meter to estimate the water flow rates in chillers
KR20210077342A (ko) 공기 조화기를 시뮬레이션하는 방법 및 장치
Cheung et al. Virtual power consumption and cooling capacity virtual sensors for rooftop units
McMullen et al. Conditioning turbocharger compressor map data for use in engine performance simulation
Giannetti et al. Experimental verification of artificial neural network scalability for performance monitoring of multi-split type air conditioners
Giannetti et al. Intelligent performance prediction of air conditioning systems based on refrigerant temperatures
JP2009299934A (ja) 冷凍サイクル機器に用いられる故障診断装置
McDonald Development and testing of a virtual flow meter for use in ongoing commissioning of commercial and institutional buildings
Cheung Inverse modeling of vapor compression equipment to enable simulation of fault impacts
Spitler et al. IEA HPT Annex 52-Long-term performance monitoring of GSHP systems for commercial, institutional and multifamily buildings: Guidelines for Calculation of Uncertainties

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7215058

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150