出願人らは、口腔における顕著な有益効果を達成するために、本発明のシステム及び方法に従って同伴流体を使用することができることを認識した。本発明の特定の実施形態によれば、出願人らは、システムであって、(a)第1及び第2の複数のノズルを備える器具であって、ノズルが口腔の1つ又は2つ以上の表面と流体連通している状態で口の中に保持されるように構成された、器具と、(b)流体制御装置と、を備え、第1の複数のノズルを通して、口腔の中へ同伴流体を方向付けることと、第2の複数のノズルを通して、口腔から流体を除去することと、によって、有益効果を達成する、システムにおいて同伴流体を使用することができることを発見した。特定の実施形態では、そのようなシステムは更に、口腔の表面全体にわたって同伴流体を前後に往復運動させるために使用され得る。例えば、流体制御装置は、交互に、(i)器具の第1の複数のノズルを通して同伴流体を方向付ける一方で、同時に真空を第2の複数のノズルに加えて、器具から流体を除去し、(ii)器具の第2の複数のノズルを通して同伴流体を方向付ける一方で、同時に真空を第1の複数のノズルに加えて、器具から流体を除去するように動作することができる。
特定の他の実施形態によれば、出願人らは、例えば液体/ガスパルス周波数比などの特定のシステムパラメータを使用して、少なくとも1つのノズルを通して、同伴流体を口腔の表面の上へ律動的に送り込むことと関連付けられる、予想外の優れた利益を実証している。これらの及び他の実施形態、並びにそれらと関連付けられる利益は、本明細書において以下に更に記載される。
同伴流体
用語「同伴流体」は、本明細書で使用される場合、広くはガス同伴液体及び液体同伴ガスを指す。当業者によって認識されるように、「ガス同伴液体」は、ガスの微粒子が液体中に分散するように混合されたガス及び液体を指し、一方で、「液体同伴ガス」は、液体の微粒子がガス中に分散するように混合されたガス及び液体を指す。特定の実施形態では、本発明のシステム及び方法は、液体同伴ガスを使用する。特定の他の実施形態では、本発明のシステム及び方法は、ガス同伴液体を使用する。
特定の実施形態によれば、本発明は、ガスの供給源及び液体の供給源から同伴流体を生成するように構成されたシステムを備え、ガスの供給源及び液体の供給源は、別々の供給源であり得るか、又はガス及び液体の単一の流体供給源を形成するように組み合わせられ得る。本発明のガスの供給源及び/又は液体の供給源は、それぞれが、ガス及び/若しくは液体を保持するのに好適なリザーバ、タンク、又は他の容器を含むことができ、又は閉鎖可能なガス及び/若しくは液体のパイプ、ライン、ホース、若しくは他の閉鎖可能なガス及び/若しくは液体の連続源を含むことができる。特定の実施形態では、ガスの供給源及び液体の供給源は、例えばガス及び液体の加圧タンクを含む、ガス及び液体の単一の流体供給源を形成するように組み合わせられる。特定の他の実施形態では、ガスの供給源及び液体の供給源は、リザーバ、タンク、などからなる群から選択される別個のガスの供給源及び液体の供給源である。
例示され、かつ以下に更に詳細に記載されるように、本発明の特定の実施形態によれば、ガス又は液体を他方の中に同伴させて、同伴流体を形成することができ、この同伴流体は、その後に、流体制御装置に口腔と流体連通するノズルを備える器具に導入され、律動的に送り込まれる。例えば、同伴流体は、組み合わせたガスの供給源及び液体から流体制御装置に分注することができ、その後に、同伴流体を器具に分注する。
代替的に、システム内の別々の供給源から提供されるガス及び液体は、本発明に従って組み合わせて、同伴流体を形成することができ、次いで、この同伴流体を器具に導入する。
他の実施形態によれば、以下に更に記載されるように、ガス及び液体は、器具内で組み合わせて同伴流体を形成することができる。例えば、ガス供給源からのガスは、器具へ律動的に送り込まれ得、一方で、液体供給源からの液体は、器具へ流されるか、又は律動的に送り込まれる。同伴流体は、器具内でガス及び液体が組み合わせられたときに形成される。
様々な適切なガス及び液体のいずれかを使用して、本発明に従って使用するための同伴流体を生成することができる。好適なガスの例としては、空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素、酸素、亜酸化窒素、一酸化窒素、これらのうちの2種又は3種以上の混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ガスは、空気を含む。特定の実施形態では、ガスは、窒素を含む。
口腔で使用するための同伴流体を生成するのに好適な任意の液体を本発明で使用することができる。特定の実施形態では、液体は、水であるか、又は水を含む。特定の実施形態では、組成物は、約60%~約99.99%の水、約70%~約95%の水、約80%~95%の水、約60%~約90%の水、約60%~約80%の、又は約60%~約75%の水を含む。特定の実施形態では、液体は、アルコールを含む組成物とすることができる。式R4-OH(式中、R4は、2~6個の炭素を有するアルキル基)で表される任意の様々なアルコールを本発明の液体に使用することができる。式R4-OHの好適なアルコールの例としては、エタノール;n-プロパノール、イソ-プロパノール;ブタノール;ペンタノール;ヘキサノール、及びそれらの2種又は3種以上の組み合わせ等が挙げられる。特定の実施形態では、アルコールは、エタノールであるか、又はエタノールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールは、全組成物の少なくとも約10.0%v/v、又は全組成物の約10%~約35%v/v、又は全組成物の約15%~約30%v/vの量で組成物中に存在してもよく、全組成物の約20%~約25%v/vであってもよい。他の実施形態では、液体組成物は、低濃度のアルコールを含んでもよい。「低濃度」のアルコールなる語句は、R4-OHアルコールの量が、全組成物の約10%v/v以下、任意に約5%v/v以下、任意に約1%v/v以下、又は任意に0.1%v/v以下であることを意味する。特定の実施形態では、本発明の組成物は、R4-OHアルコールを含まない。
特定の実施形態では、液体は、求められる有益効果を提供するのに効果的な少なくとも1つの成分又は薬剤を、口腔の表面と接触したときに有益効果を提供するのに効果的な量で含む組成物である。例えば、液体としては、抗菌剤、白化剤、洗浄剤、鉱化剤、減感剤、及びこれらの2種又は3種以上の組み合わせからなる群から選択される成分が挙げられ得るが、これらに限定されない。
用いられ得る好適な抗菌剤の例としては、メントール、チモール、オイカリプトール、サリチル酸メチル、及びこれらの2種又は3種以上の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない精油、塩化セチルピリジニウム(cetyl pyidium chloride、CPC)、クロルヘキシジン、ヘキセチジン、キトサン、トリクロサン、臭化ドミフェン、フッ化第一スズ、可溶性ピロリン酸塩、酸化亜鉛が挙げられるがこれに限定されない金属酸化物、ペパーミント油、セージ油、血根草、二カルシウム二水和物、アロエベラ、ポリオール、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、クエン酸亜鉛が挙げられるがこれに限定されない金属塩、並びにこれらの2種又は3種以上の組み合わせ、などが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な白化剤の例としては、過酸化水素、過酸化カルバミド、歯に塗布されたときに過酸化水素を生成することができる他の薬剤、シリカ、重炭酸ナトリウム、アルミナ、アパタイト、バイオガラスなどの研磨材、及びこれらの2種又は3種以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、液体組成物は、シリカを含む。
任意の様々な追加の界面活性剤を本発明の液体組成物に使用することができる。好適な界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオンの界面活性剤、及びそれらの2種又は3種以上の組み合わせを挙げることができる。好適な界面活性剤の例は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,417,020号(Fevolaら)に開示されている。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を含む。当業者であれば、1種又は2種以上の任意の様々な非イオン性界面活性剤には、限定するものではないが、アルキレンオキシド基(本質的に親水性)と、本質的に脂肪族又はアルキル芳香族であり得る有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物が含まれることを認識するであろう。好適な非イオン性界面活性の例としては、これらに限定されるものではないが、アルキルポリグルコシド;アルキルグルコースアミン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーなどのブロックコポリマー、例えばポロキサマー;例えば商標名CRODURET(Croda Inc.,Edison,NJ)で市販されているエトキシル化硬化ヒマシ油;アルキルポリエチレンオキシド、例えばポリソルベート、及び/又は;脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物;エチレンオキシドと、プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応生成物との縮合から誘導される生成物;脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物;長鎖三級アミンオキシド;長鎖三級ホスフィンオキシド;長鎖ジアルキルスルホキシド;及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な非イオン性界面活性剤は、ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)ブロックコポリマーとして知られる群から選択される。そのようなコポリマーは市場ではポロキサマーとして知られており、種々のエチレンオキシド含有量を有する広範囲の構造及び分子量で製造されている。非イオン系ポリキサマーは、非毒性で直接食品添加物として許容されるようなものである。これらは水系で安定かつ容易に分散し、口腔用製剤のための種々の製剤及び他の成分と相溶性である。これら界面活性剤は、HLB(親水性-親油性バランス)が約10~約30、好ましくは約10~約25でなければならない。例として、本発明において有用な非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー105、108、124、184、185、188、215、217、234、235、237、238、284、288、333、334、335、338、407、及びそれらの2種又は3種以上の組み合わせとして特定されるポロキサマーを包含する。特定の好ましい実施形態では、組成物はポロキサマー407を含む。
特定の実施形態では、請求項に係る発明の組成物は、約9%未満の非イオン性界面活性剤、5%未満、又は1.5%未満、又は1%未満、又は0.8未満、0.5%未満、0.4%未満、又は0.3%未満の非イオン性界面活性剤を含む。特定の実施形態では、本発明の組成物は非イオン性界面活性剤を含まない。
特定の実施形態では、本発明の組成物はまた、少なくとも1つのアルキルサルフェート界面活性剤を含む。特定の実施形態では、適当なアルキル硫酸エステル塩界面活性剤としては、これらに限定されるものではないが、アルキル硫酸エステル塩界面活性剤が偶数のC8~C18、場合によりC10~C16の鎖長を有するように炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウム及びこれらの混合物などの適当な塩基性塩で中和された、硫酸化されたC8~C18、場合により硫酸化されたC10~C16の偶数の炭素鎖長を有するアルコールが挙げられる。特定の実施形態では、アルキルサルフェートは、ナトリウムラウリルサルフェート、ヘキサデシルサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態では、市販のアルキルサルフェートの混合物が使用される。特定の実施形態では、アルキルサルフェート界面活性剤は、組成物中に、組成物の約0.001%~約6.0%w/v、又は任意に約0.1%~約0.5%w/vで存在する。
別の好適な界面活性剤は、サルコシネート界面活性剤、イセチオネート界面活性剤、及びタウレート界面活性剤からなる群から選択される界面活性剤である。本明細書で用いるのに好ましいのは、ラウロイルサルコシン酸、ミリストイルサルコシン酸、パルミトイルサルコシン酸、ステアロイルサルコシン酸、及びオレオイルサルコシン酸の、ナトリウム塩及びカリウム塩のような、これらの界面活性剤のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩である。サルコシネート界面活性剤は、本発明の組成物中に、総組成物の約0.1重量%~約2.5重量%、又は約0.5重量%~約2重量%で存在してよい。
本発明で有用な双性イオン性合成界面活性剤としては、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられ、その脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基の1つは約8個~約18個の炭素原子を含有し、1つは例えばカルボキシ基、スルホネート基、サルフェート基、ホスフェート基、又はホスホネート基のようなアニオン性水溶性基を含有する。
本発明において有用な両性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝状であり得、また脂肪族置換基のうちの1つが約8~約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適な両性界面活性剤の例としては、アルキルイミノジプロピオネート、アルキルアンホグリシネート(モノ又はジ)、アルキルアンホプロピオネート(モノ又はジ)、アルキルアンホアセテート(モノ又はジ)、N-アルキル[3-アミノプロピオン酸、アルキルポリアミノカルボキシレート、リン酸化イミダゾリン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルタイン、アルキルアミドスルタイン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、両性界面活性剤は、アルキルアミドプロピルベタイン、ラウロアンホアセテートナトリウム等のアンホアセテート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。上記界面活性剤のうちのいずれかの混合物を使用してもよい。アニオン性、非イオン性、及び両性界面活性剤についてのより詳細な考察は、米国特許第7,087,650号(Lennon)、同第7,084,104号(Martinら)、同第5,190,747号(Sekiguchiら)、及び同第4,051,234号(Gieskeら)に見出すことができ、これらの特許のそれぞれは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、請求項に係る発明の組成物は、約9%未満の両性界面活性剤、5%未満、又は1.5%未満、又は1%未満、又は0.8未満、0.5%未満、0.4%未満、又は0.3%未満の両性界面活性剤を含む。特定の実施形態では、本発明の組成物は両性界面活性剤を含まない。
精油の溶解を助けるために、アルキルサルフェート界面活性剤に追加の界面活性剤を加えてもよく、但し、このような界面活性剤は、精油の生物学的利用能に作用しない。好適な例としては、追加のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。しかしながら、特定の実施形態では、本発明の口内洗浄剤の全界面活性剤濃度(アルキルサルフェート界面活性剤単独又は他の界面活性剤との組み合わせを含む)は、約9%を超えるべきではない又は約9%以下であるべきであり、任意に、全界面活性剤濃度は、組成物の重量で約5%以下、任意に約1%以下、任意に約0.5%以下のw/w%の活性界面活性剤であるべきである。
特定の実施形態では、糖アルコール(保湿剤)も本発明の口腔組成物に添加される。糖アルコール溶媒は、経口及び摂取可能な製品に従来使用されている、マルチヒドロキシ機能性化合物から選択されてよい。特定の実施形態では、糖アルコールは非代謝性及び非発酵性の糖アルコールであるべきである。具体的な実施形態において、糖アルコールとしては、ソルビトール、グリセロール、キシリトール、マニトール、マルチトール、イノシトール、アリトール、アルトリトール、ダルシトール、ガラクチトール、グルシトール、ヘキシトール、イジトール、ペンチトール、リビトール、エリスリトール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意に、糖アルコールは、ソルビトール及びキシリトール又はこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、糖アルコールはソルビトールである。特定の実施形態では、口内洗浄剤又は他の成分の分散又は溶解を効果的に助けるために添加される糖アルコールの総量は、全組成物の約50%w/を超えるべきではない。又は、糖アルコールの総量は、全組成物の約30重量体積%を上回ってはならない。又は、糖アルコールの総量は、全組成物の25重量体積%を上回ってはならない。糖アルコールは、全組成物の約1.0%~約24%w/v、又は約1.5%~約22%w/v、又は約2.5%~約20%w/vの量であり得る。
特定の実施形態では、ポリオール溶媒が組成物に添加される。ポリオール溶媒は、ポリハイドリックアルカン(プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-プロパンジオールなど);ポリハイドリックアルカンエステル(ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール);ポリアルケングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリオール又は多価アルコールを含む。特定の実施形態では、ポリオール溶媒は、組成物の0%~約40%w/v、又は約0.5%~約20%w/v、又は約1.0%~約10%w/vの量で存在してもよい。
アスパルテーム、サッカリンナトリウム(サッカリン)、スクラロース、ステビア、アセスルファムKなどの甘味剤は、風味を良くするために、約0.0001%w/v~約1.0%w/vの量で添加されてもよい。特定の好ましい実施形態では、甘味剤はスクラロースを含む。
特定の実施形態では、組成物は、組成物の味を修正又は強化するために、又はチモールなどの成分の強い「刺激」又は「火照」を減らす又は覆うために、香味料又は風味剤を更に含む。好適な香味料としては、アニス油などの香味油、アネトール、ベンジルアルコール、スペアミント油、柑橘油、バニリンなどが挙げられ、組み込まれてもよいが、これらに限定されない。風味に更なる変化を与えるために、柑橘油、バニリン等などの他の香味料が組み込まれてもよい。これらの実施形態では、組成物に添加される香味油の量は、全組成物の約0.001%~約5%w/v、又は約0.01%~約0.3%w/vであり得る。使用される特定の香味料又は風味剤、及び他の風味を改善する成分は、所望の特定の風味及び感じに依存して変化する。当業者は所望の結果を得るために成分のタイプを選択し、カスタマイズすることができる。
特定の実施形態では、本発明の組成物に魅力的な色を付与するために、容認できる状態で承認された食用染料を使用してもよい。これらは、限定するものではないが、容認できる食用染料の長いリストから選択することができる。この目的に適した染料として、FD&C黄色5号、FD&C黄色10号、FD&Cブルー1号、及びFD&Cグリーン3号が挙げられる。これらは、従来の量で、通常は組成物の約0.00001%w/v~約0.0008%w/v、又は約0.000035%w/v~約0.0005%w/vの個々の量で、添加される。
当該技術分野において知られかつ使用されている成分を含め、他の従来の成分を本発明の液体又は口内洗浄剤組成物の中に使用してもよい。これらの成分の例として、増粘剤、懸濁化剤、及び柔軟剤が挙げられる。本発明の組成物において有用な増粘剤及び懸濁化剤は、本明細書にその全容を参照により援用するところのPullenらに付与された米国特許第5,328,682号に見ることができる。特定の実施形態では、これらは、組成物の約0.1%w/v~約0.6%w/v、又は約0.5%w/vの量で組み込まれる。
本発明の特定の実施形態では、本発明で使用するための液体は、水と、メントール、チモール、オイカリプトール、サリチル酸メチル、及びこれらのうちの2種又は3種以上の組み合わせからなる群から選択される1つ又は2つ以上の精油と、を含む、液体マウスウォッシュである。特定の実施形態では、液体マウスウォッシュは、水と、4つ全ての精油、メントール、チモール、オイカリプトール、及びサリチル酸メチルと、を含む。特定の実施形態では、液体マウスウォッシュは、少なくとも1つの界面活性剤を更に含む。特定の実施形態では、液体マウスウォッシュは、エタノールを更に含む。特定の実施形態では、液体マウスウォッシュは、エタノールを含まない。
特定の実施形態では、2種以上の液体を本発明のシステム及び方法に使用することができる。例えば、洗浄溶液が口腔に適用され、続いて、例えば白化剤又は抗菌剤を含有する第2溶液が適用されてもよい。溶液はまた、単一の適用によって2つ以上の利益を達成するために複数の薬剤を含み得る。例えば、以下で更に記載されるように、溶液は、洗浄剤及び有害な状態を改善するための薬剤の両方を含み得る。加えて、口腔に2つ以上の有益効果を提供するために、単一の溶液が有効であり得る。例えば、溶液は、口腔を洗浄し、かつ抗菌剤として作用するか、又は口腔を洗浄し、かつ歯を白化する単一の薬剤を含み得る。
器具
ユーザの口腔の1つ又は2つ以上の表面と流体連通する少なくとも1つのノズルと共にユーザの口の中に保持されるように構成された任意の好適な物品、本明細書の器具として使用することができる。特定の実施形態では、使用時に、器具は、その中の少なくとも1つのノズルを通してユーザの口腔に方向付けられた流体制御装置から流体を受容するように機能する。
特定の実施形態では、物品は、第1及び第2の複数のノズルを備え、第1及び第2の複数のノズルがユーザの口腔の1つ又は2つ以上の表面と流体連通している状態でユーザの口の中に保持されるように構成されている。使用時に、器具は、第1の複数のノズルを通して、流体を流体制御装置から口腔の表面の上へ受容し、次いで、第2の複数のノズルを通して、口腔からこの流体を除去することができるように機能する。器具はまた、第2の複数のノズルを通して、流体を流体制御装置から口腔の表面の上へ方向付け、第1の複数のノズルを通して、口腔から除去することができるように構成することもできる。
特定の実施形態では、器具は、マウスピースを備える。少なくとも1つのノズルを備え、本発明に従って流体を口腔の中へ導入するために口の中に保持するように構成された任意の好適なマウスピースを使用することができる。特定の実施形態では、マウスピースは、少なくとも1つのノズルと流体連通する第1のマニホールドを備え、よって、流体制御装置からの流体は、第1のマニホールドの中へ、かつ少なくとも1つのノズルを通して第1のマニホールドから口腔の表面の上へ方向付けることができる。そのような実施形態では、マウスピースは、流体制御装置からの流体が第1のマニホールドに方向付けられる第1のマニホールドと流体連通する第1のポートを更に備えることができる。いくつかのマウスピース実施形態は、本開示において以下に記載される。
特定の実施形態では、マウスピースは、第1及び第2の複数のノズルとそれぞれ流体連通する第1及び第2のマニホールドを備え、よって、流体制御装置からの流体は、第1のマニホールドの中へ、かつ第1の複数のノズルを通して第1のマニホールドから口腔の表面の上へ方向付けることができ、及び/又は流体は、第1の複数のノズルを通して、かつ第1のマニホールドを通して口腔から除去することができる。同様に、流体は、第2のマニホールド及び第2の複数のノズルを通して流体コミュニケータから口腔に方向付けることができ、及び/又は第2の複数のノズル、次いで第2のマニホールドを通して口腔から除去することができる。マウスピースは、第1及び第2のマニホールドとそれぞれ流体連通する第1及び第2のポートを更に含むことができる。
マウスピースは、複数の構成要素で構成することができる。マウスピースは、同伴流体を複数の表面に近接するように維持するためのチャンバ(すなわち、流体接触チャンバ(fluid-contacting-chamber、FCC))を含む。「近接する」とは、流体が表面に接触することを意味する。FCCは、器具の前方内壁及び後方内壁、並びに器具の前方内壁と後方内壁との間に延び、かつこれと一体化した壁又は膜によって、及び特定の実施形態では任意の後方歯肉封止膜によって境界される空間によって画定される。前方内壁及び後方内壁と共に、それらの間に延びる壁がFCCを形成する。流体による均一かつ最適な接触を提供するように歯に適合する、器具の配置に応じて、FCCの一般的形状は、「U」又は「n」の形状である。FCCは、特定の器具に応じて、可撓性又は剛性であり得る。FCCの前方内壁及び後方内壁は、それぞれ、口腔の複数の表面と接触するように流体が方向付けられる複数の開口部、又はスロット、又はノズルを含む。
快適性を提供し、ユーザの嘔吐反射を最小化するために、大きさ、形状、厚さ、材料、歯/歯肉の周囲に生じる容積、ノズル設計及び配置(これはマニホールド及び歯肉縁部封止と共に口腔及び歯と関連する)と関連して、FCC設計が最大有効性のために最適化され得る。上記の組み合わせが、歯及び歯肉領域と同伴流体との有効な接触を提供する。
FCCは、制御され、かつ隔離又は半隔離された環境、すなわちFCCを提供して、歯及び/又は歯肉領域を同伴流体と接触させ、かつ好ましくは、FCCから使用済流体並びに食渣、歯垢などを除去する。FCCはまた、例えば、十分な洗浄を提供するためにかなりの流量が必要であるときに、個々のノズルを溺水させることなく、流体の流量及び圧力の増加を可能にする。FCCはまた、必要な場合、流体の量及び流量の低減も可能にするが、これは、口腔全体ではなく、FCC内部の領域のみが流体と接触しているためである。FCCはまた、歯及び歯肉領域上、これらを通して、及びこれらの周囲の同伴流体との接触の制御された送達及び持続時間を可能にし、流体と接触する領域上の流体のより高い濃度を可能にし、それによって、同伴流体のより有効な制御及び供給を提供する。
装置は、これが口の中で正しい位置にあるときのみ動作することを可能にする、スイッチ機構を組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、器具は、口腔の複数の表面と同伴流体との実質的に同時の接触を提供するために、上方区分及び下方区分の両方を含み得る。
同伴流体が方向付けられる器具の内壁内に収容される、本明細書ではノズルとも称される開口部の数及び場所は、様々であり、かつ使用の状況及び環境、具体的なユーザ、並びに求められている有益効果に基づいて決定される。開口部の断面形状は、円形、楕円形、台形、又は口腔表面と流体との効果的な接触を提供する他の任意の形状を提供する他の形状であり得る。開口部の場所及び数は、所望の有益効果を提供するために有効な様々な噴霧パターンで、同伴流体のジェットを方向付けるように設計することができる。特定の実施形態では、開口部直径は、有効な洗浄、並びに平均ジェット速度及びカバレッジを提供するために、約0.1~約3mm、又は約0.35mm~約0.8mm、又は約0.5mmであり得る。同時ジェットのためのノズルの数は、1~500又は100~300とすることができる。ノズル間の水平間隔又は距離は、0.5mm~25mm、又は1mm~10mm、又は3mmとすることができる。平均ジェット速度は、約0.5m/s~約100m/s又は約1m/s~約50m/sである。ノズルカバレッジは、約1mm2~約20mm2、又は約1mm2~約10mm2、又は約1mm2~約5mm2の範囲である。各ノズルからの各パルスの容積は、約0.1マイクロリットル~約5ml、又は約0.1マイクロリットル~約1ml、又は約5マイクロリットル~約100マイクロリットルである。
口腔と同伴流体とが接触する場合、最適な開口部の配置及び方向/角度は、歯間、頂部、側部、後部、及び歯肉ポケット表面が挙げられるが、これらに限定されない、領域内の実質的に全ての歯の表面のカバレッジを可能にする。別の実施形態において、開口部は、異なる洗浄、カバレッジ及びスプレーパターンを提供するために、速度、密度及びファンパターン(完全な円錐、扇型、部分的円錐、ジェット)を調節するために、又は配合物を考慮して、異なる寸法及び異なる形状であり得る。ノズルはまた、管状に設計されてもよく、及び/又はFCC膜から延びて、方向付けられたスプレーを提供してもよく、又はホーススプリンクラーシステムと同様に歯にわたって拡張したカバレッジを提供するためにスプリンクラー様の機構として機能してもよい。ノズルは、好ましくは、FCC膜の内壁と一体であり、任意の数のアセンブリ又は当該分野において既知の形成技術によって内壁内に組み込まれ得る(機械加工、射出成型などを通じて膜内にインサート成型される)。
FCCは、エチレン酢酸ビニル(ethylene vinyl acetate、EVA)、熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastomer、TPE)、又はシリコーンなどのエラストマー材料であってもよく、内壁の移動を可能にし、最小限の機械的構造でより大きいジェットカバレッジエリアを提供し、最適な性能を達成するための体積流量要件を低減する一方で、歯と直接接触した際に歯を保護するためにより柔軟でより可撓性の材料を提供する。可撓性膜はまた、その歯に適合する能力のために、広範なユーザにとって許容可能な嵌合具を提供し得る。あるいは、FCCは、剛性又は半剛性の材料(例えば、限定されないが熱可塑性樹脂)で作製され得る。
代替の実施形態では、FCCはまた、研磨要素、例えば、フィラメント、テクスチャ、磨き要素、添加物(シリカなど)、他の洗浄及び/又は処理要件、加えて限定されないが処理、洗浄、及び配置のために歯とFCCとの間の最小限の距離を保証するために使用され得る他の形状要素を含む。
FCCは、限定されないが、機械加工、射出成型、吹込み成形、押出成形、圧縮成型、及び/又は真空成型などの、様々な方法により作成され得る。これはまたマニホールドと共に作成されつつマニホールド回路をFCC内に組み込む及び/又はマニホールド上にオーバーモールドされて最小アセンブリで一体構成を提供し得る。
一実施形態では、FCCは、別個に作製されて、その後、接着剤、エポキシ、シリコーン、ヒートシール、超音波溶接、及び熱接剤を含む、任意の数の組み立て及び封止技術を使用して、マニホールドに組み立てられてもよい。FCCは、マニホールドと組み立てた際に、いかなる追加の構成要素も用いずに好ましいデュアルマニホールド設計を効果的かつ効率的に作成するような方法で設計される。
特定の実施形態では、FCCは、歯肉封止領域を作成するように設計又は使用され得る。特定の実施形態では、FCC内に真空が印加されるが、これはマウスピースとの係合を改善して口腔内で歯肉との正の封止を形成する。他の実施形態では、口腔内でFCCの外側に圧力が印加されるが、これは器具の係合を改善し、口腔内で歯肉との正の封止を形成する。更に他の実施形態において、特定のユーザに関して口腔内に挿入された際にカスタム再使用可能な弾力的封止を提供するために、最初の使用中にマウスピースの周囲に義歯様接着剤が適用され得る。これはその後、歯肉に対し及び以降の用途において、適合しかつ正の封止を提供するために弾性的に剛性となる。別の実施形態において、封止は適用され及び/又は各使用の後に交換又は処分され得る。
マウスピースはまた、同伴流体を収容し、かつ前方内壁の開口部を通してその流体をFCCに提供するための第1のマニホールドと、同伴流体を収容し、かつ後方内壁の開口部を通してその流体をチャンバに提供するための第2のマニホールドと、を含む。この設計は、どの操作が行われているかによって、多くの異なる選択肢を提供する。例えば、洗浄動作において、同伴流体のジェットをFCC内に、歯に直接、FCCの一方の側部から第1のマニホールドから供給し、その後、歯の周囲の流体を、FCCの他方の側部から第2のマニホールドへと排出し/引き、制御された歯間、歯肉ライン、及び表面の洗浄を提供することが好ましい場合がある。FCCの一方の側部からのこの流れは、パルシング作用で何回も繰り返すことができ、その後、流れを逆転させて、ある期間及び/又は多数のサイクルにわたって、第2のマニホールドから同伴流体のジェットを送達し、歯の裏側を通して第1のマ ニホールド内へと流体を排出する/引く。このような流体作用は、乱流の、反復可能の及び可逆の流れを生じ、したがって口腔表面付近で流体の往復運動を提供する。例えば、流体制御装置は、交互に、(i)器具の第1の複数のノズルを通して同伴流体を方向付ける一方で、同時に真空を第2の複数のノズルに加えて、器具から流体を除去し、(ii)器具の第2の複数のノズルを通して同伴流体を方向付ける一方で、同時に真空を第1の複数のノズルに加えて、器具から流体を除去するように、動作することができる。用語「流体の往復移動」及び「流体の往復運動」は、本明細書では互換的に使用される。本明細書において使用するとき、双方の用語とも、哺乳類の口腔表面にわたって、第1の流れ方向から第1の流れ方向と反対の第2の流れ方向へと、同伴流体の流れ方向を前後に変更することを意味する。
代替の実施形態では、マニホールドは、同じジェットのセットを通して同時に同伴流体の押し引きを提供する、単一マニホールド設計とすることができ、又は洗浄及び流体処理の流体の送達供及び除去の更に高い制御を提供、任意の数のマニホールド区画とすることができる。複数マニホールドにおいてまた、専用供給及び除去マニホールドを有するように設計され得る。マニホールドは、FCCと一体であるように、及び/又はその内部にあるように設計され得る。
マニホールドの材料は、半剛性熱可塑性樹脂であり、これは流体の制御された流れの間に崩壊又は破裂しないために必要な剛性を提供するが、ユーザの口内に嵌合する際に一定の可撓性を提供する。製作の複雑性、構成要素の数、及び金型費用を最小化するため、FCCと共に組み立てるときにデュアルマニホールドが作成される。マニホールドはまた、適合性のある熱可塑性エラストマー(TPE)が挙げられるがこれらに限定されない、より低いジュロ硬度のエラストマー材を使用し、歯/歯肉に、より柔軟な外側の「感触」を提供するために多成分であってもよい。マニホールドは、例えば、機械加工、射出成形、吹込み成形、圧縮成形及び/又は真空成形などだが、これらに限定されない、様々な方法により作成され得る。
示されるように、器具はまた、流体を第1のマニホールドに及びマニホールドから移送するための第1のポートと、流体を第2のマニホールドに及びマニホールドから移送するための第2のポートと、口腔内の方向付け手段の有効な封止(すなわち、歯肉封止)を提供するための手段と、を含む。特定の実施形態では、第1及び第2のポートは、第1及び第2のマニホールドに及びマニホールドから流体を移送し、かつ流体を器具に提供するための手段に器具を取り付ける役割を果たし得る。
上で述べたように、及び以下に更に詳細に記載されるように、特定の実施形態では、本発明のシステムは、液体及び/又はガスの2つの供給源を組み合わせて、流体制御装置とノズルとの間に、例えばマニホールドの1つ又は2つ以上及び/又は器具のポートの前又はその中に、同伴流体を形成するように構成されている。特定のそのような実施形態では、器具は、マニホールド及び/又はポートを備え、これらは、(a)少なくとも1つのノズルに方向付けられた流体制御装置から律動的に送り込まれたガスを受容し、かつ(b)別々の液体をマニホールド及び/又はポート内でパルスと組み合わせて、少なくとも1つのノズルに方向付けられた同伴流体を形成することを可能にするように構成されている。
流体制御装置
本発明に従って流体を器具の少なくとも1つのノズルに方向付けるための好適な任意の流体制御装置を本明細書で使用することができる。一般に、流体制御装置は、流体を受容及び移送することができる1つ又は2つ以上の入口、通路、及び/又は導管などを備えて、特許請求される発明の所望の機能、例えば、流体供給源から流体を受容すること、及び/又は器具の少なくとも1つのノズルに流体を方向付けること、及び/又は器具から流体を除去すること、を達成することができる。特定の実施形態では、流体制御装置は、論理回路及び/又は機械的に制御された回路を備える、又は別様にそれらによって制御することができる。特定の実施形態では、流体制御装置は、限定されないが、再充電可能であるか使い捨てであるかにかかわらず、プラグ、電池、などを通して提供される電気などの、電源を備える、又は別様にそれによって給電することができる。
特定の実施形態では、流体制御装置は、往復式流量制御装置を備える。一般に、往復式流量制御装置は、流体の流れを器具の異なる部分に交互させて、口腔の中で1つ又は2つ以上の表面にわたる流体の流れを往復運動させることを可能にするように設計される。例えば、特定の実施形態では、往復式流量制御装置は、流体を第1のマニホールドに、かつ器具の少なくとも第1のノズルを通しての第1の方向に口腔の中へ方向付ける第1の位置と、流体を第2のマニホールドに、かつ器具の少なくとも第2のノズルを通して第2の方向に口腔の中へ方向付ける第2の位置と、を有することができる。往復式流量制御装置は、これらの2つの位置の間を交互させて、器具内の流体の流れを交互させ、それによって、器具内の口腔の表面にわたって流体を往復運動させることができる。本開示では、いくつかの往復式流量制御装置の実施形態を以下に記載する。
装置/システム
特定の実施形態では、本発明の装置は、液体、ガス、又は液体/ガス配合物を収容するためのリザーバに装置を取り付けるか又は接続するための手段を含み得る。リザーバは装置に取り外し可能に取り付けられ得る。この場合は、リザーバ及び装置は、一方を他方に取り付けるための手段を含み得る。プロセスの完了後、リザーバは廃棄されて別のリザーバと交換されてもよく、又は再充填されて再使用されてもよい。他の実施形態では、装置は、装置と一体のリザーバを含む。装置を基部ユニットに取り付けることができる実施形態では、本明細書に記載するように、リザーバは、装置と一体であるか又は装置に取り外し可能に取り付けられるかにかかわらず、基部ユニットの一部を形成する供給リザーバから充填され得る。基部ユニットが使用される場合、装置及び基部ユニットは、一方を他方に取り付けるための手段を含む。
装置は、装置の1つ又は2つ以上の構成要素に給電するための電源を含む。例えば、電池(再充電可能又は使い捨て)などの電源が、装置内(例えば、装置のハンドル内)に収容され得る。基部ユニットが用いられる場合、基部は、電源を含み得る。他の実施形態では、基部ユニットは、装置内に収容される電池を再充電するための充電器を含み得る。別の実施形態では、加圧カートリッジの形態などの圧縮ガスが、装置の1つ又は2つ以上の構成要素に給電するための電源として使用され得る。カートリッジは、1回又は2回以上の使用後に使い捨てることができ、又はその後の使用のために再加圧することができる。
特定の実施形態では、本発明の装置は、取り外し不可能な装置の一部としての器具を含む。他の実施形態では、器具は、1つ又は2つ以上のコネクタを介して装置に取り外し可能に取り付けられる。そのような実施形態では、複数のユーザが、装置と共に別々の器具を取り付け、それら自体を使用することができる。
本明細書において使用するとき、「流体を移送するための手段」は、本発明によるシステム全体にわたって液体、ガス、又は同伴流体を移動又は輸送させ得る構造を含み、限定されないが、通路、導管、管、ポート、ポータル、チャネル、ルーメン、パイプ、及びマニホールドが挙げられる。流体を移送するためのそのような手段は、同伴流体の往復運動を提供する装置及び口腔の表面の上へ及びその周囲に同伴流体を方向付けるための手段に利用され得る。そのような移送手段はまた、リザーバが往復運動手段を収容する手持ち式装置内に収容されているか、基部ユニットに収容されているかにかかわらず、ガス、液体、又は同伴流体を収容するためのリザーバから、流体を方向付け手段に提供し、かつガス、液体、及び/又は同伴流体を往復運動手段に提供する。移送手段はまた、液体又はガスを基部ユニットから手持ち式装置内に収容されたリザーバに提供する。例えば、ヒトなどの哺乳類の口腔に有益効果を提供するために有用な方法、装置及びシステムが、本明細書において記載される。
方法は、口腔の複数の表面を、所望の有益効果を口腔に提供するために有効な同伴流体と接触させることを含む。そのような方法では、口腔の複数の表面にわたる同伴流体の往復運動が、所望の有益効果を口腔に提供するために有効な条件下で提供される。複数の表面の、同伴流体との接触は、実質的に同時に実行することができる。実質的に同時とは、口腔の複数の表面の全てが、同伴流体によって必ずしも同時に接触されるわけではないが、それらの表面の大部分が、同時に、又は短期間のうちに接触して、全ての表面が同時に接触する場合の効果と同様の、全体的効果を提供することを意味する。
口腔内に所望の有益効果を提供するための条件は、特定の環境、状況、及び求められる効果によって変化し得る。それらの種々の変数は、それらが、同伴流体の特定の速度を生じさせるという点で、相互依存的である。速度要件はいくつかの実施形態において配合の関数であり得る。例えば、粘度、添加物(例えば、研磨剤、ずり減粘剤など)、及び配合物の一般的な流量特性の変化により、同じレベルの有効性を生成するためのジェットの速度要件は変化し得る。求められる特定の有益効果を達成するための適切な条件を提供するために検討され得る要因としては、非限定的に、同伴流体ストリームの速度及び/又は流量及び/又は圧力、同伴流体のパルセーション、同伴流体のスプレー形状又はスプレーパターン、同伴流体の温度及び流体の往復運動周期の周波数が挙げられる。いくつかの実施形態では、流体流量(全ノズル/同時パルスの合計)は、約0.1マイクロリットル~約15ml、又は約0.1マイクロリットル~約5mlとすることができる。
この開示の利点を理解した当業者であれば、特定の状況及び求められる所望の利益によって、様々な要因が調節及び選択され得ることを認識するであろう。
例えば、歯垢の形成、食物微粒子、バイオフィルムなどの除去又は分解など、洗浄によって口腔の口内衛生を一般的に改善することに加えて、本発明は口腔内の有害な状態を改善し、口腔の美的外観を改善する(例えば、歯の白化)ために有用である。有害な状態としては、非限定的に、虫歯、歯肉炎、炎症、歯周病と関連する症状、口臭、歯の感度、及び菌感染などを挙げることができる。液体自体は様々な形態であり得るが、本発明の装置及び方法における使用に好適な流動特性を有することが条件となる。例えば、液体は、溶液、エマルション及び分散液からなる群から選択され得る。特定の実施形態において、液体は、液相(例えば、水相)中に分散した微粒子(例えば、研磨剤)を含み得る。そのような場合、研磨剤は、口腔表面に適用されるために水相中に実質的に均一に分散されることになる。他の実施形態において、水中油型、又は油中水型エマルションが使用され得る。そのような場合、液体は場合によって、連続的な水相中に実質的に均一に分散した非連続的な油相、又は連続的な油相中に実質的に均一に分散した非連続的な水性相を含む。更に他の実施形態において、液体は、薬剤がキャリア中に溶解しているか又はキャリア自体が所望の有益効果を提供するための薬剤とみなされ得る(例えば、通常内部に他の薬剤が溶解しているアルコール又はアルコール/水混合物)溶液であり得る。
例えば、家庭用の用途に好適であり、歯及び/又は歯肉領域の複数の表面上に同伴流体パルスを方向付けるように適合された歯科用洗浄装置などの口腔ケア装置を含むシステムなどのシステム、加えてこのようなシステムを利用する方法が本明細書において開示される。特定の実施形態では、口腔表面は、流体によって実質的に同時に接触される。本明細書において使用するとき、歯肉領域への言及は、非限定的に、歯肉縁下部ポケットへの言及を含む。口腔の洗浄及び/若しくは美的外観の全般的な改善、並びに/又は歯及び/若しくは歯肉領域の有害な状態の改善を提供するために有効な条件下で、適切な同伴流体が、往復作用で歯及び/又は歯肉領域の複数の表面上に、実質的に同時に方向付けられることにより、歯及び/又は歯肉領域の口腔衛生の全般的な改善が提供される。例えば、1つのそのような装置は、適切な洗浄同伴流体を使用して、歯の前面及び裏面、並びに隣接歯間領域にわたって、前後に同伴流体を往復させることにより、洗浄周期を作り出すと共に、使用される洗浄液の量を最小限に抑えることによって、歯及び/又は歯肉領域を洗浄して歯垢を除去する。
本発明のシステムは、同伴流体パルスの往復運動を提供する装置を備え、この装置は、流体の往復運動を制御するための手段を含む。制御手段は、同伴流体を口腔の複数の表面上に方向付けるための手段へ、また、その手段から同伴流体を移送するための手段を含む。特定の実施形態では、同伴流体の往復運動を提供するための手段は、流体を受容及び/又は排出するための複数のポータル、流体が移送される複数の通路又は導管、及び流体の往復運動を提供するために流体の流れ方向を変えるための手段を含む。制御手段は、論理回路及び/又は機械的に制御された回路によって制御され得る。
特定の実施形態では、往復運動を提供するための装置は、液体、ガス、又は液体/ガス配合物を収容するためのリザーバに装置を取り付けるか又は接続するための手段を含み得る。リザーバは装置に取り外し可能に取り付けられ得る。この場合は、リザーバ及び装置は、一方を他方に取り付けるための手段を含み得る。プロセスの完了後、リザーバは廃棄されて別のリザーバと交換されてもよく、又は再充填されて再使用されてもよい。他の実施形態において、往復運動する装置は装置と一体のリザーバを含む。装置を基部ユニットに取り付けることができる実施形態では、本明細書に記載するように、リザーバは、装置と一体であるか又は装置に取り外し可能に取り付けられるかにかかわらず、基部ユニットの一部を形成する供給リザーバから充填され得る。基部ユニットが使用される場合、装置及び基部ユニットは、一方を他方に取り付けるための手段を含む。
装置は、同伴流体を往復運動させるための手段を駆動するための電源を備える。例えば、電池(再充電可能又は使い捨て)などの電源が、装置内(例えば、装置のハンドル内)に収容され得る。基部ユニットが利用され得る場合、基部は装置に電力を提供するための手段を含み得る。他の実施形態において、基部ユニットは、装置内に収容される再充電可能な電池を再充電するための手段を含み得る。別の実施形態では、加圧カートリッジの形態などの圧縮ガスが、装置の1つ又は2つ以上の構成要素に給電するための電源として使用され得る。カートリッジは、1回又は2回以上の使用後に使い捨てることができ、又はその後の使用のために再加圧することができる。
同伴流体の往復運動を提供するための装置は、口腔の複数の表面に同伴流体を方向付けるための手段(例えば、アプリケータ又はマウスピースなどの器具)に装置を取り付けるための手段を含む。いくつかの実施形態では、この方向付け手段は、口腔の複数の表面の、流体との実質的に同時の接触を提供する。取り付け手段は、アプリケータを装置に取り外し可能に取り付けることができる。そのような実施形態では、複数のユーザが、自分の器具を往復運動手段を備える単一の装置と共に使用し得る。他の実施形態では、取り付け手段は、取り外し不可能な取り付けを器具に提供することができ、それによって、器具は、装置の一体部分である。上記の往復運動を提供するための装置は、同様に他の装置構成要素を収容するハウジング内に収容されてもよく、本明細書において以下に記載される方向付け手段に同伴流体を提供するために好適な手持ち式装置を提供する。
図1は、本発明によるシステムの第1の実施形態の概略図である。この図は、システム10を示し、このシステムは、流体供給リザーバ20と、往復式流量制御装置40と、流体を口腔の複数の表面の上へ方向付けるための手段(器具50)と、システム全体にわたって流体を移送するための管22、42、及び44と、を含む、構成要素を有する。
管22は、リザーバ20から往復式流量制御装置40へと流体を移送する。管42及び44は、往復式流量制御装置40から器具50へと流体を移送する。管42は、器具50の第1の側部52に流体を移送する一方で、管44は、器具50の第2の側部54に流体を移送する。
この実施形態では、流体供給リザーバ20は、同伴流体を含む。流体は、往復式流量制御装置40に、更に器具50に送達するのに十分な圧力下であり得る。他の実施形態では、ピストンポンプ又は回転ポンプなどのポンプを、流体供給リザーバ20と往復式流量制御装置40との間に位置付けて、往復式流量制御装置40に、更に器具50に流体を送達するのに十分な圧力を供給することができる。
流体供給リザーバ20は、ガラス、プラスチック、又は金属で作製され得る。流体供給リザーバ20は、システム10と一体であり、かつ再充填可能とすることができる。いくつかの実施形態では、流体供給リザーバ20は、交換可能な流体供給源、例えば、システム10に取り外し可能に接続された単回又は複数回使用カートリッジであり得る。
いくつかの実施形態では、流体供給リザーバ20及び/又は管22、42、及び44は、口腔の表面への適用のために器具50の中へ方向付ける前に、流体を予熱するための熱源を含み得る。温度は使用中にユーザに有効性及び快適性を提供するために効果的な範囲内に維持されるべきである。
本明細書において以下で詳細に論じる器具50は、管42、44、及び更なる取り付け手段(図示せず)により往復式流量制御装置40と一体であり得るか、又は取り外し可能に接続され得る。これは食物微粒子を捕捉するための容易に洗浄可能なフィルタを内部に有し得る。口腔内、例えば歯及び歯肉周囲に位置付けられたとき、器具50は、歯肉に対して有効な嵌合又は封止を形成することができ、流体を口腔の表面(例えば、歯の表面)に対して方向付けるための手段を含む。
流体供給リザーバ20内の同伴流体は、管22を通って往復式流量制御装置40へと流れる。背圧によるコントローラ40からリザーバ20への流体の逆流を可能にすることを防止するために、一方向流れ弁が管22内に存在し得る。同伴流体は、流量制御装置40の流れ方向設定に応じて、管42又は44のいずれかを通って往復式流量制御装置40から器具50へと流れる。
洗浄動作時に、システム10は、一連の同伴流体パルスを器具50内に生成する。いくつかの実施形態では、流量制御装置40は、一連の同伴流体パルスを生じさせる。他の実施形態では、同伴流体パルスは、管22、42、又は44のいずれかに位置付けられた制御装置によって生成される。
システム10の作用は、論理回路によって制御され得、論理回路は、往復運動サイクルを開始するためのプログラムと、往復運動サイクルを実行するためのプログラム(すなわち、流体を歯の周囲で往復運動させ、それによって口腔に有益効果、例えば歯の洗浄を提供する)と、往復運動サイクルの終了時、及び使用の合間又は予め設定された時間若しくは自動洗浄時間にシステムを洗浄するための自己洗浄サイクルの終了時に器具50を内容排出するためのプログラムと、を含み得る。
示されないが、一連のスイッチ及びインジケータライトを有するフェースパネルが、システム10内に組み込まれてもよい。スイッチとしては、ON/OFFスイッチ、往復運動プログラムの実行スイッチ、システム10の内容排出スイッチ、及びシステム10の洗浄スイッチを挙げることができるが、これらに限定されない。インジケータライト、又はディスプレイライトは、電源投入、充電、往復運動プログラムの実行、システム内容排出、洗浄結果又はフィードバック、及び操作中の自己洗浄サイクルを含むがこれらに限定されない。器具50の中へ方向付ける前に流体を予熱する実施形態では、ディスプレイライトは、流体が使用に適切な温度であることを示すために使用され得る。
歯を洗浄するためにシステム10を使用する1つの方法は以下のとおりである。第1の工程では、ユーザは、器具50を口腔内の歯及び歯肉領域の周囲に位置付ける。本発明によるシステムの使用において、ユーザはスタートボタンを押して洗浄プロセスを開始する。洗浄プロセスは、以下のとおりである。
1.システム10を起動して、管22、往復式流量制御装置40、及び管42を介して、リザーバ20から器具50への同伴流体パルスの分注を開始する。同伴流体を使用して、器具50の第1の側部52から歯及び歯肉領域を洗浄する。
2.次いで、往復式流量制御装置40を起動して、流体の流れを管42から管44へと変える。同伴流体のパルスを使用して、器具50の第2の側部54から歯及び歯肉領域を洗浄する。
3.洗浄流体を往復運動させるために、工程1及び工程2を繰り返して、同伴流体パルスを使用して、第1の側部52から、次いで器具50の第2の側部54からそれぞれ歯及び歯肉領域を洗浄する。
4.記載されている往復運動サイクルを、洗浄のために必要とされる時間が経過するまで、又は所望のサイクル数が完了するまで継続する。
工程1と工程2との間には(一方向又は双方向において)遅延が存在する場合があり、流れを伴わずに流体が歯と接触することを可能にする滞留時間を可能にすることに留意されたい。
この実施形態では、同伴流体は、歯及び歯肉表面と接触すると口腔の中へ分散する。他の実施形態では、同伴流体の液体部分は、管を介して再度リザーバ20へと方向付けて、現在又は将来の洗浄プロセスで再使用するか、又は廃棄するように方向付けることができる。
図2は、本発明によるシステムの第2の実施形態の概略図である。この図は、システム100を示し、このシステムは、液体供給リザーバ120と、ガス供給リザーバ130と、往復式流量制御装置140と、器具150と、真空ポンプ180と、システム全体にわたって流体を移送するための管122、132、142、144、182、及び184と、を含む、構成要素を有する。
管132は、ガスリザーバ130から往復式流量制御装置140へとガスを移送する。管122は、液体リザーバ120から管132へと液体を移送する。管142及び144は、往復式流量制御装置140から器具150へと同伴流体を移送する。管142は、器具150の第1の側部152へと流体を移送する一方で、管144は、器具150の第2の側部152へと流体を移送する。
この実施形態では、同伴流体は、往復式流量制御装置140の前に、管122と管132との交差点で生じる。ガスリザーバ130は、同伴流体を往復式流量制御装置140に、更には器具150に送達するのに十分な圧力下であり得る。いくつかの実施形態では、液体リザーバ120は、液体を管122と管132との交差点に送達するのに十分な頭部圧力などの圧力下であり得る。他の実施形態では、ポンプは、液体を管122と管132との交差点に送達するために、液体リザーバ120と管122及び132との交差点に位置付けることができる。
いくつかの実施形態では、ベンチュリ効果を使用して、液体をガスストリーム中に同伴させる。ベンチュリ効果は、流体の流れが制限されたときに部分的な真空を生じ、その流速を高める。この実施形態では、ガス管132は、ある地点で狭くなり、その後に再度広くなる。液体管122は、ガス管132の狭窄部分に取り付けられ、液体管122内の液体は、ガス管132の中へ引き出され、ガス中に同伴される。
この実施形態では、同伴流体は、歯及び歯肉表面と接触すると、気相と液相とに分離する。気相は、主に口腔の中へ分散する一方で、液相は、部分的又は完全に再度捕捉される。管182は、真空ポンプ180を往復式流量制御装置140に接続する。ポンプ180は、負圧を生じさせ、この負圧は、往復式流量制御装置140を通して器具150から液体を引き戻し、管184を介して液体を再度液体リザーバ120へ送達する。
液体供給リザーバ120内の液体は、管122を通って管122及び132の交差点へと、及び往復式流量制御装置140へと流れる。背圧によるリザーバ120への液体の逆流、又はリザーバ130へのガスの逆流をそれぞれ防止するために、管122及び/又は管132内に一方向流れ弁が存在し得る。同伴後に、同伴流体は、往復式流量制御装置140へと流れ、次いで流量制御装置140の流れ方向設定に応じて、往復式流量制御装置140から管142又は管144のいずれかを通って器具150へと流れる。
洗浄動作では、システム100は、一連の同伴流体パルスを器具150内に生成する。いくつかの実施形態では、流量制御装置140が一連の同伴流体パルスを生じさせる。他の実施形態では、同伴流体パルスは、管122、132、142、又は144のいずれかに位置付けられたコントローラによって生成される。
システム100を使用して歯を洗浄する1つの方法は、以下のとおりである。第1の工程で、ユーザが、歯及び歯肉領域の周囲の口腔に器具150を位置付ける。本発明によるシステムの使用において、ユーザはスタートボタンを押して洗浄プロセスを開始する。洗浄プロセスは、以下のとおりである。
1.システム100を起動して、往復運動で、液体リザーバ120からの液体及びガスリザーバ130からのガスの、管122及び132の交差点、往復式流量制御装置140、次いで管142を介した器具150への分注を開始する。同伴流体パルスを使用して、器具150の第1の側部152から歯及び歯肉領域を洗浄する。同伴流体は、ガス相及び液相に分離する。
2.液体が、管144を介して往復式流量制御装置140に戻り、管182を介してポンプ180へと流れ、管184を介して液体リザーバ120に戻る。
3.次いで、往復式流量制御装置140を起動して、流体の流れを管142から管144へと変える。同伴流体パルスを使用して、器具150の第2の側部154から歯及び歯肉領域を洗浄する。
4.液体が、管142を介して往復式流量制御装置140に戻り、管182を介してポンプ180へと流れ、管184を介して液体リザーバ120に戻る。
5.洗浄流体を往復運動させるために、工程1~工程4を繰り返して、同伴流体パルスを使用して、第1の側部152から、次いで、器具150の第2の側部154からそれぞれ歯及び歯肉領域を洗浄する。
6.記載されている往復運動サイクルを、洗浄のために必要とされる時間が経過するまで、又は所望のサイクル数が完了するまで継続する。
この実施形態では、同伴流体の液体部分は、管182を介して再度液体リザーバ120へと方向付けて、現在又は将来の洗浄プロセスで再使用する。他の実施形態では、ポンプ180は、使用済液体を廃棄するように方向付けることができる。
いくつかの実施形態では、同伴流体は、往復式流量制御装置140から器具150の第1の側部152へと送達される一方で、同時に真空ポンプ180によって器具150の第2の側部154から引き出される。往復式流量制御装置140を起動して、流体の流れを管142から管144へと変えると、同伴流体を往復式流量制御装置140から器具150の第2の側部154へと送達する一方で、同時に真空ポンプ180によって器具150の第1の側部152から引き出すことができる。
180は、「真空ポンプ」と称されるが、180はまた、往復式流量制御装置140から液体リザーバ120への圧力降下を生じさせるための他の装置又は方法にも使用され得ることに留意することが重要である。ベンチュリ効果又は温度降下を生成する装置が挙げられる。
図3は、本発明によるシステムの第3実施形態の概略図である。この図は、システム200を示し、このシステムは、液体供給リザーバ220と、ガス供給リザーバ230と、往復式流量制御装置240と、器具250と、システム全体にわたって流体を移送するための管222、232、242、及び244と、を含む、構成要素を有する。
管222は、液体リザーバ220から往復式流量制御装置240へと液体を移送する。管232は、ガスリザーバ230から往復式流量制御装置240へとガスを移送する。管242及び244は、往復式流量制御装置240から器具250へと同伴流体を移送する。管242は、器具250の第1の側部252へと流体を移送する一方で、管244は、器具250の第2の側部25へと流体を移送する。
この実施形態では、同伴流体は、往復式流量制御装置240内で生じる。ガスリザーバ230は、同伴流体を往復式流量制御装置240に、更には器具250に送達するのに十分な圧力下であり得る。いくつかの実施形態では、液体リザーバ220は、液体を往復式流量制御装置240に送達するのに十分な頭部圧力などの圧力下であり得る。他の実施形態では、ポンプは、液体リザーバ220と往復式流量制御装置240との間に位置付けることができる。
この実施形態では、同伴流体は、歯及び歯肉表面と接触すると口腔の中へ分散する。他の実施形態では、同伴流体の液体部分の一部は、管を介して再度リザーバ220へと方向付けて、現在又は将来の洗浄プロセスで再使用するか、又は廃棄するように方向付けることができる。
液体供給リザーバ220内の液体は、管222を通って往復式流量制御装置240へと流れる。ガスリザーバ230内のガスは、管232を通って往復式流量制御装置240へと流れる。背圧によるリザーバ220への液体の逆流、又はリザーバ230へのガスの逆流をそれぞれ防止するために、一方向流れ弁が管222及び/又は管232内に存在し得る。
同伴後に、同伴流体は、流量制御装置240の流れ方向設定に応じて、管242又は管244のいずれかを通って器具250へと流れる。
洗浄動作では、システム200が一連の同伴流体パルスを器具250内に生成する。いくつかの実施形態では、流量制御装置240が一連の同伴流体パルスを生じさせる。他の実施形態では、同伴流体パルスは、管222、232、242、又は244のいずれかに位置付けられたコントローラによって生成される。
システム200を使用して歯を洗浄する1つの方法は、以下のとおりである。第1の工程で、ユーザが、歯及び歯肉領域の周囲の口腔に器具250を位置付ける。本発明によるシステムの使用において、ユーザはスタートボタンを押して洗浄プロセスを開始する。洗浄プロセスは、以下のとおりである。
1.システム200を起動して、管222を介した液体リザーバ220から往復式流量制御装置240への液体の分注、及び管232を介したガスリザーバ230から往復式流量制御装置240へのガスの分注を開始する。往復式流量制御装置240は、管242を介してガス同伴流体を器具250の第1の側部252へと送る。同伴流体パルスを使用して、器具250の第1の側部252から歯及び歯肉領域を洗浄する。同伴流体は、ガス相及び液相に分離する。
2.次いで、往復式流量制御装置240を起動して、流体の流れを管242から管244へと変える。同伴流体パルスを使用して、器具250の第2の側部254から歯及び歯肉領域を洗浄する。同伴流体は、ガス相及び液相に分離する。
3.洗浄流体を往復運動させるために、工程1及び工程2を繰り返して、同伴流体パルスを使用して、第1の側部252から、次いで器具250の第2の側部254からそれぞれ歯及び歯肉領域を洗浄する。
4.記載されている往復運動サイクルを、洗浄のために必要とされる時間が経過するまで、又は所望のサイクル数が完了するまで継続する。
この実施形態では、同伴流体は、歯及び歯肉表面と接触すると口腔の中へ分散する。他の実施形態では、同伴流体の液体部分は、管を介して再度リザーバ220へと方向付けて、現在又は将来の洗浄プロセスで再使用するか、又は廃棄するように方向付けることができる。
図4は、本発明によるシステムの第4実施形態の概略図である。この図は、システム300を示し、液体供給リザーバ320と、ガス供給リザーバ330と、往復式流量制御装置340と、器具350と、システム全体にわたって流体を移送するための管322、332、342、344、346、及び348と、を含む、構成要素を有する。
管322は、液体リザーバ320から往復式流量制御装置340へと液体を移送する。管332は、ガスリザーバ330から往復式流量制御装置340へとガスを移送する。管342及び344は、往復式流量制御装置340から器具350へと液体を移送する。管342は、器具350の第1の側部352へと流体を移送する一方で、管344は、器具350の第2の側部35へと流体を移送する。管346及び348は、往復式流量制御装置340から器具350へとガスを移送する。管346は、器具350の第1の側部352へとガスを移送する一方で、管348は、器具350の第2の側部354へとガスを移送する。
この実施形態では、同伴流体は、器具350内で生じる。ガスリザーバ330は、同伴流体を器具350に送達するのに十分な圧力下であり得る。いくつかの実施形態では、液体リザーバ320は、液体を器具350に送達するのに十分な頭部圧力などの圧力下であり得る。他の実施形態では、ポンプは、液体を器具350に送達するために、液体リザーバ320と往復式流量制御装置340との間に位置付けることができる。
この実施形態では、同伴流体は、歯及び歯肉表面と接触すると口腔の中へ分散する。他の実施形態では、同伴流体の液体部分の一部は、管を介して再度リザーバ320へと方向付けて、現在又は将来の洗浄プロセスで再使用するか、又は廃棄するように方向付けることができる。
液体供給リザーバ320内の液体は、管322を通って往復式流量制御装置340へと流れる。ガスリザーバ330内のガスは、管332を通って、往復式流量制御装置340へと流れる。背圧によるリザーバ320への液体の逆流、又はリザーバ330へのガスの逆流をそれぞれ防止するために、一方向流れ弁が管322及び/又は管332内に存在し得る。
洗浄動作では、システム300は、一連の同伴流体パルスを器具350内に生成する。いくつかの実施形態では、流量制御装置340が一連の同伴流体パルスを生じさせる。他の実施形態では、同伴流体パルスは、管322、332、342、344、346、及び348のいずれかに位置付けられたコントローラによって生成される。
システム300を使用して歯を洗浄する1つの方法は、以下のとおりである。第1の工程で、ユーザが、歯及び歯肉領域の周囲の口腔に器具350を位置付ける。本発明によるシステムの使用において、ユーザはスタートボタンを押して洗浄プロセスを開始する。洗浄プロセスは、以下のとおりである。
1.システム300を起動して、管322を介した液体リザーバ320から往復式流量制御装置340への液体の分注、及び管332を介したガスリザーバ330から往復式流量制御装置340へのガスの分注を開始する。往復式流量制御装置340は、管342を介して液体を器具350の第1の側部352へと送り、管346を介してガスを器具350の第1の側部352へと送る。同伴流体は、器具350内で生じる。同伴流体パルスを使用して、器具350の第1の側部352から歯及び歯肉領域を洗浄する。同伴流体は、ガス相及び液相に分離する。
2.次いで、往復式流量制御装置340を起動して、流体の流れを管342及び346から管344及び348へと変える。往復式流量制御装置340は、管344を介して液体を器具350の第2の側部354へと送り、管348を介してガスを器具350の第2の側部354へと送る。同伴流体パルスを使用して、器具350の第2の側部354から歯及び歯肉領域を洗浄する。同伴流体は、ガス相及び液相に分離する。
3.洗浄流体を往復運動させるために、工程1及び工程2を繰り返して、同伴流体パルスを使用して、第1の側部352から、次いで器具350の第2の側部354からそれぞれ歯及び歯肉領域を洗浄する。
4.記載されている往復運動サイクルを、洗浄のために必要とされる時間が経過するまで、又は所望のサイクル数が完了するまで継続する。
この実施形態では、同伴流体は、歯及び歯肉表面と接触すると口腔の中へ分散する。他の実施形態では、同伴流体の液体部分の一部は、管を介して再度リザーバ320へと方向付けて、現在又は将来の洗浄プロセスで再使用するか、又は廃棄するように方向付けることができる。
この実施形態では、同伴流体が器具350内で生じるように述べられているが、他の実施形態では、管342を器具350の前に管346と交差させ、器具350の前に同伴流体を生じさせことができる。同様の様式で、管344を器具350の前に管348と交差させ、器具350の前に同伴流体を生じさせることができる。
図1、図2、図3、及び図4に記載される各実施形態は、往復式流量制御装置(それぞれ、図1の40、図2の140、図3の240、及び図4の340)を含む。
図5a及び5bは、本発明による第1の実施形態システムで使用される往復式流量制御装置40の一実施形態の概略図である。図5aでは、往復式流量制御装置40は、第1の位置にある一方で、図5bでは、往復式流量制御装置40は、第2の位置にある。この実施形態では、往復式流量制御装置40は、Lポート弁72の形態である。Lポート弁は、中空の穿孔された旋回ボールを使用するボール弁であり、L字形状の孔74がボールを通って、弁を通る流れを制御する。この弁は、ボールの孔が流れと直列であるときに開き、孔が流れと直列でないときに閉じる。Lポート弁を90度旋回させると、中心ポートをサイドポートのいずれかに接続する。
図5aでは、弁72は、管22からの同伴流体が孔74を通過して管42に入るように設定されている。システム10内で流体を往復運動させるには、管22からの流体が孔74を通過して管44に入るように、弁72を(図5bに示されるように)90度旋回させる。
図6a及び6bは、本発明による第2の実施形態システムで使用される往復式流量制御装置140の一実施形態の概略図である。図6aでは、往復式流量制御装置140は、第1の位置にある一方で、図6bでは、往復式流量制御装置140は、第2の位置にある。この実施形態では、往復式流量制御装置140は、2つのLポート弁172及び176の形態である。弁172は、L字形状の孔174を有し、弁176は、L字形状の孔178を有する。
図6aでは、弁172は、管132からの同伴流体が孔174を通過して管142に入るように設定されている。弁176は、管144を介して器具150の第2の側部154から戻った液体が孔178を通過して管182に入るように設定されている。システム100内で流体を往復運動させるには、管132からの同伴流体が孔174を通過して管144に入る一方で、管144を介して器具150の第2の側部154から戻る液体が孔178を通過して管182に入るように、弁172及び弁176を(図6bに示されるように)90度旋回させる。
図7a及び7bは、本発明による第3の実施形態システムで使用される往復式流量制御装置240の一実施形態の概略図である。図7aでは、往復式流量制御装置240は、第1の位置にある一方で、図7bでは、往復式流量制御装置240は、第2の位置にある。この実施形態では、往復式流量制御装置240は、2つのLポート弁272及び276の形態である。弁272は、L字形状の孔274を有し、弁276は、L字形状の孔278を有する。
図7aでは、弁276は、管232からのガスが孔278を通過して管242に入るように設定されている。弁272は、管222からの液体が孔274を通過して、同伴が起こる地点で管242と交差するように設定されている。上述したように、ベンチュリ効果を使用して、液体をガスストリーム中に同伴させることができる。この実施形態では、管242は、ある地点で狭くなり、その後に再度広くなる。液体管222は、管242の狭窄部分に取り付けられ、液体管222内の液体は、管242の中へ引き出され、ガス中に同伴される。
システム200内で流体を往復運動させるには、管232からのガスが孔274を通過して管244に入るように、弁272及び弁276を(図7bに示されるように)90度旋回させる。弁272は、管222からの液体が孔274を通過して、同伴が起こる地点で管244と交差するように設定されている。ここでは、ベンチュリ効果を使用して、液体をガスストリーム中に同伴させることができる。ここでは、管244は、ある地点で狭くなり、その後に再度広くなる。液体管222は、管244の狭窄部分に取り付けられ、液体管222の液体は、管244の中へ引き出され、ガス中に同伴される。
図8a及び8bは、本発明による第4の実施態様システムで使用される往復式流量制御装置340の一実施形態の概略図である。図8aでは、往復式流量制御装置340は、第1の位置にある一方で、図8bでは、往復式流量制御装置340は、第2の位置にある。この実施形態では、往復式流量制御装置340は、2つのLポート弁372及び376の形態である。弁372は、L字形状の孔374を有し、弁376は、L字形状の孔378を有する。
図8aでは、弁372は、管322からの液体が孔374を通過して管342に入るように設定されている。弁376は、管322からのガスが孔378を通過して管346に入るように設定されている。システム300内で流体を往復運動させるには、管322からの液体が孔374を通過して管344に入るように、弁372及び376を(図8bに示されるように)90度旋回させる。弁376は、管332からのガスが孔378を通過して管348に入るように設定されている。
上述したように、器具(50、150、250、又は350)は、適用トレー又はマウスピースの形態とすることができる。図9~図12は、ユーザの上の歯又は下の歯及び歯肉領域のみが流体と接触する適用トレー1200の一実施形態を表す。他の実施形態では、適用トレー1200は、本明細書の他の場所で表されるように、実質的に同時にユーザの上の歯又は下の歯及び歯肉領域に接触するように設計され得ることを理解されたい。
図9は、本発明に従って使用するための適用トレー1200の頂部正面斜視図である。図10は、図9の適用トレー1200の実施形態の頂部背面図である一方で、図11は、図9の適用トレー1200の底部背面図である。これらの図は、外前壁1212と、外後壁1214と、内前壁1216と、内後壁1218と、を有する、適用トレー1200を示す。内前壁ジェットスロット1232は、内前壁1216に位置付けられる一方で、内後壁ジェットスロット1234は、内後壁1218に位置付けられる。第1のポート1244及び第2のポート1242は、外前壁1212を通って適用トレー1200に進入する。
図9~図12に示されるような内前壁ジェットスロット1232及び内後壁ジェットスロット1234の数及び場所は、例示的なものであり、適用トレーの範囲を限定することを意図しない。内前壁ジェットスロット1232及び内後壁ジェットスロット1234の実際の数、形状、及びサイズは、歯及び歯肉の洗浄に影響を及ぼし、また、洗浄流体のジェットを様々なスプレーパターンで方向付けるように選択又は設計することができる。図9~図11に示される内前壁ジェットスロット1232及び内後壁ジェットスロット1234は、ジェットスロット構成の一実施形態にすぎない。
他の実施形態ではまた、外前壁1212、外後壁1214、又は両方の壁に位置付けられた補助壁ジェットスロットも存在し得る。これらのジェットは、同伴流体を口腔、又は内唇、又は舌に方向付けることを可能にして、口の中のこれらの領域の洗浄又は処理を促進する。
図12は、図9の適用トレー1200の垂直断面図である。この図は、外前壁1212及び内前壁1216によって境界された空間として定義される第1のマニホールド1246を示す。第2のマニホールド1248は、外後壁1214及び内後壁1218によって境界された空間を画定する。流体接触チャンバ(FCC)1254は、内前壁1216、内後壁1218、及び内基部壁1250によって画定される。
洗浄動作の一実施形態では、同伴流体は、圧力によって第1のポート1244を通って第1のマニホールド1246に進入し、次いで、内前壁ジェットスロット1232を通ってFCC1254に進入する。この実施形態では、同伴流体のジェットは、最初に、歯、歯肉、及び/又は歯肉領域の前側へ方向付けられる。次にマニホールド内の流れが逆転される。同伴流体は、圧力によって第2のポート1242を通って第2のマニホールド1248に進入し、次いで、内後壁ジェットスロット1234を通ってFCC1254に進入する。この実施形態の第2の部分では、同伴流体のジェットは、歯、歯肉、及び/又は歯肉領域の後側へ方向付けられる。いくつかのサイクルを通して圧力を交互させることで、乱流の反復可能かつ可逆な流れを生じさせ、それによって、口腔の表面を通じて、かつその周囲に同伴の往復運動を提供する。
図13は、本発明による装置と共に使用される、口腔内の複数の表面へ同伴流体を方向付けるための手段の第2の実施形態、例えば適用トレー1100の上面斜視図である。図14は、図13の適用トレー1100の底面斜視図である。この図は、外前壁1112と、外後壁1114と、内前壁1116と、内後壁1118と、基部膜、例えばバイトプレート1156と、を有する、適用トレー1100を示す。内前壁ジェットスロット1132は、内前壁1116に位置付けられる一方で、内後壁ジェットスロット1134は、内後壁1118に位置付けられる。図13及び図14に示される内前壁ジェットスロット1132及び内後壁ジェットスロット1134は、ジェットスロット構成の一実施形態にすぎない。第1のポート1142及び第2のポート1144は、外側前壁1112を通って適用トレー1100に進入する。
他の実施形態ではまた、外前壁1112、外後壁1114、又は両方の壁に位置付けられた補助壁ジェットスロットも存在し得る。これらのジェットは、同伴流体を口腔、又は内唇、又は舌に方向付けることを可能にして、口の中のこれらの領域の洗浄又は処理を促進する。
図13及び図14は、ユーザの上の歯及び下の歯並びに/又は歯肉領域が流体と実質的に同時に接触して、所望の有益効果を提供する、適用トレー1100の一実施形態を表す。他の実施形態では、適用トレー1100は、ユーザの上の歯又は下の歯及び/又は歯肉領域のみを洗浄及び/又は処理するように設計され得ることを理解されたい。
同伴流体パルスを使用して、器具(50、150、250、又は350)の第1の側部又は第2の側部から歯及び歯肉領域を洗浄する。以下、本発明で使用するための器具を論じる。図15は、口腔の歯肉内の哺乳類の歯の断面図である。この図は、第1の側部402及び第2の側部404を有する歯400、並びに第1の側部452及び第2の側部454を有する、歯肉450を示す。歯肉のライン425は、歯400と歯肉450との交差点にある。
図16は、本発明に従って使用される器具50の第1の実施形態の断面の断面図である。器具50は、第1の側部52及び第2の側部54と、第1のマニホールド56及び第2のマニホールド58と、第1のジェット62及び第2のジェット64と、を有する。管42及び44は、同伴流体パルス流体を器具50へと移送する。管42は、流体を器具50の第1の側部52へと移送し、同伴流体パルスを第1のマニホールド56の中へ送達する。管44は、流体を器具50の第2の側部54へと移送し、同伴流体パルスを第2のマニホールド58の中へ送達する。マニホールド56、58は、それぞれ、同伴流体パルスをジェット62、64へと送達する。ジェット62は、同伴流体パルスを、歯400の第1の側部402、及び/又は歯肉450の第1の側部452、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。ジェット64は、同伴流体パルスを、歯400の第2の側部404、及び/又は歯肉450の第2の側部454、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。いくつかの実施形態では、同伴流体パルスは、歯肉ライン425への送達が好ましい。ノズルから歯表面までの距離は、いくつかの実施形態では、約0mm(歯表面に接触する)~約10mm、又は約1mm~約5mmである。
図16は、ジェット62及び第2のジェット64の各々を1つだけ示しているが、いくつかの実施形態では、マニホールド56、58は、同伴流体パルスを、器具50の第1の側部52及び/又は第2の側部54の複数のジェットへと送達し得ることに留意されたい。
使用中に、同伴流体パルスは、器具50を左右に往復運動する。よって、洗浄動作は、歯400の第1の側部402から第2の側部404へと、及び/又は歯肉450の第1の側部452から第2の側部454へと交互する。いくつかの実施形態では、往復運動中に、第1のジェット62が同伴流体パルスを歯又は歯肉の第1の側部へと送達する一方で、同時に第2のジェット64が歯又は歯肉の第2の側部から同伴流体パルスの液相を真空化する。次いで、第2のジェット64が同伴流体パルスを歯又は歯肉の第2の側部へと送達する一方で、同時に第1のジェット62が歯又は歯肉の第1の側部からの同伴流体パルスの液相を真空化する。
器具50で上の説明はまた、器具150、250、又は350の説明にも使用され得る。全てのこれらの実施形態では、同伴流体は、流体が器具に進入する前に生じる。いくつかの実施形態では、同伴流体は、流体が器具に進入した後に生じる。
図17は、本発明に従って使用される器具550の第2の実施形態の断面の断面図である。器具550は、第1の側部552及び第2の側部554と、第1のマニホールド556及び第2のマニホールド558と、第1のジェット562及び第2のジェット564と、を有する。管542及び544は、液体を器具550へと移送する。管542は、液体を器具550の第1の側部552へと移送し、律動的に送り込まれ得る液体を第1のマニホールド556の中へと送達する。管544は、液体を器具550の第2の側部554へと移送し、律動的に送り込まれ得る液体を第2のマニホールド558の中へと送達する。マニホールド556、558は、それぞれ、液体をジェット562、564へと送達する。ジェット562は、液体を、歯400の第1の側部402、及び/又は歯肉450の第1の側部452、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。ジェット564は、液体を、歯400の第2の側部404、及び/又は歯肉450の第2の側部454、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。いくつかの実施形態では、同伴流体パルスは、歯肉ライン425への送達が好ましい。
第3のジェット526は、ガスのパルスを、歯400の第1の側部402、及び/又は歯肉450の第1の側部452、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。同伴流体パルスは、ジェット526からのガス流とジェット562からの液体流との交差点において生じる。同様に、第4のジェット528は、ガスのパルス、歯400の第2の側部404、及び/又は歯肉450の第2の側部454、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。同伴流体パルスは、ジェット528からのガス流とジェット564からの液体流との交差点において生じる。
図17は、ジェット562及び第2のジェット564の各々を1つだけを示しているが、いくつかの実施形態では、マニホールド556、558は、液体を、器具550の第1の側部552及び/又は第2の側部554の複数のジェットへと送達し得ることに留意されたい。
また、どちらもガスを送達する第3のジェット526及び第4のジェット528が、好ましくは、洗浄又は処理されている表面に向かって方向付けられることにも留意されたい。
使用中に、同伴流体パルスは、器具550を左右に往復運動する。よって、洗浄動作は、歯400の第1の側部402から第2の側部404へと、及び/又は歯肉450の第1の側部452から第2の側部454へと交互する。いくつかの実施形態では、往復運動中に、第1のジェット562が液体を歯又は歯肉の第1の側部へと送達する一方で、同時に第2のジェット564が歯又は歯肉の第2の側部から同伴流体パルスの液相を真空化する。次いで、第2のジェット564が液体を歯又は歯肉の第2の側部へと送達する一方で、同時に第1のジェット562が歯又は歯肉の第1の側部からの同伴流体パルスの液相を真空化する。
図18は、本発明に従って使用される器具650の第3の実施形態の断面の断面図である。器具650は、第1の側部652及び第2の側部654と、第1のマニホールド656及び第2のマニホールド658と、第1のジェット662及び第2のジェット664と、を有する。管642及び644は、ガスを器具650へと移送する。管642は、ガスを器具650の第1の側部652へと移送し、第1のマニホールド656の中へパルスガスを送達する。管644は、ガスを器具650の第2の側部654へと移送し、第2のマニホールド658の中へパルスガスを送達する。マニホールド656、658は、それぞれ、ガスをジェット662、664へと送達する。ジェット662は、ガスを、歯400の第1の側部402、及び/又は歯肉450の第1の側部452、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。ジェット664は、ガスを、歯400の第2の側部404、及び/又は歯肉450の第2の側部454、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。いくつかの実施形態では、同伴流体パルスは、歯肉ライン425への送達が好ましい。
管626は、液体又は液体のパルスを、歯400の第1の側部402、及び/又は歯肉450の第1の側部452、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。同伴流体パルスは、管626からの液体流とジェット662からのガス流との交差点において生じる。同様に、管628は、液体又は液体のパルスを、歯400の第2の側部404、及び/又は歯肉450の第2の側部454、及び/又は歯肉ライン425へと送達する。同伴流体パルスは、ジェット628からの液体流とジェット664からのガス流との交差点において生じる。
図18は、第1のジェット662及び第2のジェット664の各々を1つだけ示しているが、いくつかの実施形態では、マニホールド656、658は、同伴流体を、器具650の第1の側部652及び/又は第2の側部654の複数のジェットへと送達し得ることに留意されたい。
また、図18は、管626が液体を第1のジェット662と歯400との間の領域に送達するように示しているが、いくつかの実施形態では、管626が液体をマニホールド656へと送達し得ることに留意されたい。同様に、管628が液体をマニホールド658へと送達し得る。これらの実施形態では、同伴流体は、マニホールド656及び658において生じる。次いで、同伴流体パルスは、ジェット662及び664を通して歯400へと送達される。
使用中に、同伴流体パルスは、器具650を左右に往復運動する。よって、洗浄動作は、歯400の第1の側部402から第2の側部404へと、及び/又は歯肉450の第1の側部452から第2の側部454へと交互する。いくつかの実施形態において、往復運動中に、管626が液体を歯又は歯肉の第1の側部へと送達する一方で、同時に管628が歯又は歯肉の第2の側部からの同伴流体パルスの液相を真空化する。次いで、管628が液体を歯又は歯肉の第2の側部へと送達する一方で、同時に管626が歯又は歯肉の第1の側部からの同伴流体パルスの液相を真空化する。
パルスパラメータ
上で述べたように、特定の実施形態では、本発明のシステム/装置は、一方の流体(ガス/液体)を他方(液体/ガス)に律動的に送り込んで、少なくとも1つのノズルに方向付けられた同伴流体を生じるように設計される。そのような実施形態において、出願人らは、任意の様々なパルスパラメータを使用することができることを認識した。特定の実施形態では、液体/流体パルスと組み合わせられる、グラフィカルに測定されるガスパルスの周波数(「ガスパルス周波数」)は、約1Hzを含む、約0.25Hz~約5Hzを含む、約0.1Hz~約25Hzである。特定の実施形態では、ガスパルスと組み合わせられる、グラフィカルに測定される液体パルス又は液体含有流体パルスの周波数(「流体パルス周波数」)は、約25Hzを含む、約5Hz~約30Hzを含む、約0Hz~約50Hzである。本発明に従って任意の好適な流体及びガスパルス周波数を使用することができる一方で、出願人らは、特定の好ましい実施形態において、0超~約25、0超~約15、又は0超~約10を含む、0超~約50の流体パルス周波数とガスパルス周波数との比を使用して、改善された利益を達成することができることを発見した。
任意の様々な他のシステムパラメータを使用することができる。特定の実施形態では、ガスは、その供給源から、約10psiを含む、約10~約15psiを含む、約5~約20psiを含む、約5~約35psiを含む、約1~約100psiのガスマニホールド圧力で提供される。特定の実施形態では、ガスパルス幅は、約30msを含む、約5ms~約100msを含む、約0.100ms~約500msである。特定の実施形態では、システムは、ノズルパルスあたり約0.001~約0.10mlを含む、ノズルパルスあたり約0.0001ml~約1mlの流体パルスを提供する。
(実施例1)
試験した、図1に表されるシステム10は、0~100%のプログラム可能なパルスデューティサイクルによって0~25Hzの周波数で流体、液体、又はガスのパルシング及び往復運動の両方を行わせることができるカスタムプログラム可能な往復式流量制御装置40に、管22によって接続された、流体供給リザーバ20(モデルB501、Alloy Products Corp.,Waukesha,WI)から成る。この制御装置はまた、総処理時間、往復運動の前のパルスの時間量/数、及び往復運動の数をプログラムすることも可能にした。流量制御装置40は、流体を、管44及び/又は42を通して器具50に、器具の側部54及び/又は52にそれぞれ移送した。試験目的の器具50は、直径500ミクロンの20個のノズルアレイを器具の各側部に提供するように設計した。ノズルは、直線パターンで均等に離間させ、ノズルは、水平及び垂直方向において中心間で1500ミクロンに均等に離間させた。試験中は、内側ノズルが、処理又は洗浄される基板に対して相対的に垂直に、かつ基板の中心で目標に衝突するように、ノズル出口を定位置に位置付けた。内側ノズル62及び64を図16に示す。ノズル出口及びバイオフィルムで覆った基板からの固定位置を3000±500μmで位置付けた。圧力は、加圧窒素タンク(頭部圧力)から流体供給リザーバに供給し、タンクにおいて150psiに調整した。圧力調整器(モデル44-2211-241、Tescom,Minneapolis,MN)及びデジタル圧力インジケータ(60psi、Weis,Solar Metrix,Holtsville,NY)を使用して、タンクの後かつ流体供給リザーバ20の前で追加の圧力調整を行った。この入力圧力を使用して、流体供給リザーバ内の流体にエネルギーを与えて、システムを通してこの流体を推進させた。計装並びにデータ取り込み及び分析ソフトウェアを使用して、圧力センサを利用した各試験中の実際のパラメータを測定及び記録した。ソフトウェアは、各試験から圧力、パルス周波数、パルス幅/デューティサイクル、往復運動周波数、及び総処理持続時間を抽出することを可能にするように、圧力対時間のデータ出力をグラフ化した。この情報は、セッションセッション後の分析のためにグラフィカル形態(圧力対時間グラフ)で保存した。データは、ミリ秒ごとに少なくとも1kHzの解像度(すなわち1つの「圧力対時間」位置)で収集し、各セッション/試験について圧力グラフによって表し、取り込んだ。使用した計装は、圧力センサ(モデルMLH050PGB06A、Honeywell,Morristown,NJ)で構成した。センサは、内径1/4インチのバーブドティーフィッティングを使用して、管44及び42内に位置付け、器具の側部54及び52の各々の3インチ以内に位置付けた。圧力トランスデューサは、National Instruments DAQ(モデル#USB-6343、National Instruments,Austin,TX)に進み、USB-3.0接続を有する市販のラップトップコンピュータに移送し、National Instruments Labview及びカスタムプログラムを実行して、データの記録及び表示の両方を行った。AEFPを可能にするレベルまで液体を流体供給リザーバに充填したときにAEFPが起こり、ガス及び液体を同時に混合し、リザーバから排出し、通常200ml未満の液体で、流量制御装置に供給した。注記:上に記載した全ての「管」は、内径1/4インチ×長さ12インチ~18インチであり、150psiの最小圧力定格である。逆流を防ぐために、任意に、2psi未満のクラッキング圧力を有する一方向弁を管22、44、及び42内に配置した。
この流量制御装置はまた、これらの実験に使用した第2の任意の入力/出力(図示せず)が、真空ポンプ(図示せず)を介して、AEFP送達と反対の器具の側部/ノズル内に負の圧力差を提供することも可能にした。この負圧は、負圧を使用した全ての実験について、蠕動ポンプ(モデル#74203-47、Cole Parmer,Vernon Hills,IL)を介して生じさせた。収集した流体は、廃棄し、再使用しなかった。
一連の試験は、流体供給リザーバ20内の加圧液体(di-H2O)によって行って、制御された完全な流体パルスを生じさせて、圧力、パルス周波数、パルス幅、パルス速度、及び流体往復運動の制御を可能にした。試料における流体の蓄積を防ぐために、パルスを受容しないアプリケータノズルの側部に真空を加えた。実験に利用した設定条件を以下に記載する:
(注記:往復運動単位は、方向の数によって、流体が一方向へ律動的に送り込まれる時間量として定義される。よって、15s×2は、合計30秒の処理について、第1の方向に15秒間律動的に送り込み、次いで第2の方向に15秒間律動的に送り込んだ単位を示す。)
バイオフィルムは、被験者の頬側の義歯に固定した3mmのヒトのエナメルチップ上で7日間インビボで成長させた。これは、相当なバイオフィルムの接着及び凝集粘着性を有するヒトの生歯において経験される、代表的なヒトのバイオフィルム特性を達成するように行った。7日間成長させた後、バイオフィルムを有するエナメルチップを取り出し、歯の形状の周囲を表すように歯形状の試験治具内に配置した。この実施例では、7つのエナメルチップを使用した。
REVEAL100-7940赤色染色液(Henry Schein Inc.,Melville,NY)を利用して、処理前及び処理後の両方で、指示された赤色染料の染色処置に従って、バイオフィルムを染色した。容積除去とも称される処理後のバイオフィルム厚さの低減は、前処理した染色試料と比較したときの、赤色染料信号強度の低減によって測定することができる。試料の残留染色強度によって証明されるこの種類の低減は、明ピンク(相当なバイオフィルム厚さの低減を示す)から、バイオフィルム厚さの低減をほとんど~全く示さない明赤色の範囲であり得る。観察された容積除去は、バイオフィルム内に凝集破壊があるが、試料表面に付着したままであること、又は試料内のクレータ様の形成物によって表される処理領域の外へ歯垢が押し出される「クレータを生じる」ことに起因して起こる。バイナリ除去とも称される接着破壊は、染色後の試料上の染色の欠如で測定することができ、大部分が白色/淡灰色の視認可能な試料上の領域をもたらす。
洗浄評価は、「不可~最良」のスケールに基づいて決定した。「不可」は、バイナリバイオフィルムの除去を全く表さず、僅かな容積除去だけを表した。「最良」は、試料からのバイナリ除去を完了した。「不可~最良」の間のカテゴリは、「普通」、「良好」、及び「より良好」とした。全て、容積及びバイナリ除去の視覚的評価によって分類した。
この試験に使用した7つのチップの視覚的洗浄評価は、「不可」又は「普通」であるとみなされた。
別の試験を、流体供給リザーバ20内の加圧液体(di-H2O)によって行って、制御された完全な流体パルスを生じさせて、圧力、パルス周波数、パルス幅、パルス速度、及び流体往復運動の制御を可能にした。パルスを受容しないアプリケータノズルの側部に真空を加えた。実験に利用した設定条件を以下に記載する:
(注記:往復運動単位は、方向の数によって、流体が一方向へ律動的に送り込まれる時間量として定義される。よって、5s×4は、合計20秒の処理について、第1の方向に5秒間律動的に送り込み、次いで第2の方向に5秒間律動的に送り込み、次いで第1及び第2の律動的な送り込みを繰り返した単位を示す。)
インビトロのバイオフィルム、48時間SミュータンスをHAディスクのような5mmの焼結エナメル上で成長させ、次いで、歯形状の試験治具内に配置して、試料を取り囲む代表的な口腔形状を提供した。
ここでも、REVEAL100-7940赤色染色液(Henry Schein Inc.,Melville,NY)を利用して、処理前及び処理後の両方で、指示された赤色染料の染色処置に従って、バイオフィルムを染色し、上に記載した「不可~最良」のスケールに基づいて洗浄評価を決定した。
この試験に使用したチップの視覚的洗浄評価は、「普通」であるとみなされた。この試験では、流体の頭部圧力を、最初の試験におけるプロセス状態から50%(36psiから55psiへ)増加させ、最初の試験の平均パルス速度よりも2倍大きい(21m/s対10m/s)、計算された平均パルス速度をもたらした。ジェットの直接的な衝突領域内で、少量の接着破壊が観察された。
最後に、負の対照試験を、流体供給リザーバ20内の加圧ガス(窒素)によって行って、制御されたガスパルスを生じさせて、圧力、パルス周波数、パルス幅、及び処理期間の制御を可能にした。パルスを受容しないアプリケータノズルの側部に真空を加えた。実験に利用した設定条件を以下に記載する:
(注記:器具マニホールドにおける測定圧力は、28psiで記録を開始し、次いで、圧力回復時間のシステムダイナミクスのため、10秒後に、14psiまで段階的に減少させる。)
インビトロのバイオフィルム、48時間SミュータンスをHAディスクのような5mmの焼結エナメル上で成長させ、次いで、歯形状の試験治具内に配置して、試料を取り囲む代表的な口腔形状を提供した。
再度、REVEAL100-7940赤色染色液(Henry Schein Inc.,Melville,NY)を利用して、バイオフィルムを染色し、続いて、処理前及び処理後の両方に、指示された赤色染料で染色処置を行い、洗浄評価を、上に記載した「不可~最良」のスケールに基づいて決定した。
この試験に使用したチップの視覚的洗浄評価は、「不可」であるとみなされた。これは、ガス単独で、高圧であっても、バイオフィルムに相当な分解及び除去を生じさせるには不十分であったことを示した。
(実施例2)
試験した、図2に表されるシステム100は、液体供給源リザーバ120(モデルB501、Alloy Products Corp.,Waukesha,WI)、及びガス供給リザーバ130から成る。液体リザーバ120は、液体を管122に供給する一方で、ガスリザーバ130は、ガスを管132に供給し、管122及び管132の交差点で組み合わせて、空気同伴流体を生じさせる。次いで、流体(組み合わせた液体及びガス)を、管132を通して、0~100%のプログラム可能なパルスデューティサイクルによって周波数0~25Hzで、流体のパルシング及び往復運動の両方を行わせることができる、カスタムプログラム可能な往復式流量制御装置140の第1の入力に導く。この制御装置はまた、総処理時間、往復運動の前のパルスの時間量/数、及び往復運動の数をプログラムすることも可能にした。流量制御装置はまた、管146を通した第2の任意の入力/出力も可能にし、これらの実験について、真空ポンプ180を介して入力管122を通して供給される(正の圧力に対して)負の圧力差を使用した。この負圧は、負圧を使用した全ての実験について、蠕動ポンプ(モデル#74203-47、Cole Parmer,Vernon Hills,IL)を介して生じさせた。流量制御装置140は、流体を、管144又は142を通して器具150に、また、管144又は142を通して器具150から移送する。本質的に四方弁であり、出力管182が管144に流体接続されたときに、流体制御装置140の入力が管122において管142の出力に流体接続される。又は、出力管182が管142に流体接続されたときに、流体制御装置140の入力が管122において管144に流体接続される。大部分の液体は、ポンプ/真空源180により管182を通り、管184を通って引き戻され、別体のリザーバに収集若しくは廃棄することができ(図示せず)、又は示されるような液体リザーバ120の中へ再度捕捉することができる。
試験目的の器具150は、直径500ミクロンの20個のノズルアレイを器具の各側部に提供するように設計した。ノズルは、直線パターンで均等に離間させ、ノズルは、水平及び垂直方向において中心間で1500ミクロンに均等に離間させた。試験中は、内側ノズルが、処理又は洗浄される基板に対して相対的に垂直に、かつ基板の中心で目標に衝突するように、ノズル出口を定位置に位置付けた。ノズル出口及びバイオフィルムで覆った基板からの固定位置を3000±500μmで位置付けた。正の圧力は、加圧窒素タンク(頭部圧力)から液体供給リザーバ120に供給し、タンクにおいて150psiに調整した。圧力調整器(モデル44-2211-241、Tescom,Minneapolis,MN)及びデジタル圧力インジケータ(60psi、Weis,Solar Metrix,Holtsville,NY)を使用して、タンクの後かつ流体供給リザーバ120の前で追加の圧力調整を行った。この入力圧力を使用して、流体供給リザーバ内の液体にエネルギーを与え、管122を通して液体を推進した。ガスリザーバ130の圧力は、空気タンクによって提供し、150psiに調整した。圧力調整器(モデル44-2211-241、Tescom,Minneapolis,MN)及びデジタル圧力インジケータ(60psi、Weis,Solar Metrix,Holtsville,NY)を使用して、空気タンクの後かつガスリザーバ130の前で追加の圧力調整を行った。この入力圧力を使用して、ガス供給リザーバ内のガスにエネルギーを与えて、管132を通してこのガスを推進させ、次いで、このガスを管132内で管122からの液体と組み合わせて、空気同伴流体を生じさせた。次いで、この空気同伴流体を、正の圧力下で流量制御装置140に入力した。同伴液体の流量は、指定された調整器を使用してガス頭部圧力を調節することによって制御し、任意に、管122内で機械的流量制御オリフィス(図示せず)を使用して更に制御した。ガス流量は、ガス制御調整器を介して制御した。
計装並びにデータ取り込み及び分析ソフトウェアを使用して、圧力センサを利用した各試験中の実際のパラメータを測定及び記録した。ソフトウェアは、各試験から圧力、パルス周波数、パルス幅/デューティサイクル、往復運動周波数、及び総処理持続時間を抽出することを可能にするように、圧力対時間のデータ出力をグラフ化した。この情報は、セッションセッション後の分析のためにグラフィカル形態(圧力対時間グラフ)で保存した。データは、ミリ秒ごとに少なくとも1kHzのサンプリングレートの解像度(すなわち1つの「圧力対時間」位置)で収集し、各セッション/試験について圧力グラフによって表し、取り込んだ。使用した計装は、圧力センサ(モデルMLH050PGB06A、Honeywell,Morristown,NJ)で構成した。センサは、内径1/4インチのバーブドティーフィッティングを使用して、管144及び142内に位置付け、器具の側部154及び152の各々の3インチ以内に位置付けた。圧力トランスデューサのデータは、ナショナルインスツルメンツDAQ(モデル#USB-6343、National Instruments,Austin,TX)を通して収集し、このデータをUSB-3.0接続を有する市販のラップトップコンピュータに移送し、National Instruments Labview及びカスタムプログラムを実行して、データの記録及び表示の両方を行った。注記:上に記載した全ての「管」は、内径1/4インチ×長さ12インチ~18インチであり、150psiの最小圧力定格である。
逆流を防ぐために、任意に、約1psiのクラッキング圧力を有する一方向弁を管122、及び132内に配置した。
(実施例3)
試験した、図3に表されるシステム200は、液体供給リザーバ220(モデルB501、Alloy Products Corp.,Waukesha,WI)、ガス供給リザーバ230(圧縮空気タンク)、カスタム往復式流量制御装置240、及びカスタム器具250から成る。往復式流体制御装置は、ガスパルス及び液体パルスの両方についてパルス及び流れの方向(往復運動)の両方をプログラムすることを可能にし、並びに、ガスパルスと流体パルスとの同期又は非同期動作を可能にする、カスタム構築された市販の構成要素で構成した。これは、圧力センサ(モデルMLH050PGB06A、Honeywell,Morristown,NJ)に接続したガスパルス(Ni DAQモデル#USB-6363、National Instruments,Austin,TX)の開始時に液体パルスが生じるようにトリガすることによって達成した。液体パルス幅、周波数、及び方向は、適切なソレノイド弁(モデル71215SN2MN00N0C111P3、Honeywell,Morristown,NJ)を作動させる、Labviewカスタムプログラムを通して制御して、ガスパルスに対するパルス方向及びタイミングを制御した。ガスパルス幅、周波数、及び方向は、Maxon EPOSソフトウェアを通してプログラム及び制御される、カスタム回転弁を介して制御した。行った実験について、液体は、ガスパルス制御の下流でガスパルスの中へ律動的に送り込み、又は同伴させて、空気同伴流体パルス(air entrained fluid pulse、AEFP)を生じさせた。AEFPは、プログラムされた流れの方向に応じて、管244及び/又は242を通って器具250の中へ進行する。別の実施形態では、往復式流体制御装置240を表す液体及びガスのプログラム可能な制御装置を反転させることができることに留意されたい。反転させた実施形態では、ガスは、往復式流体制御装置240のソレノイド/Labview制御区間を通して供給し、液体は、カスタム回転弁を通して供給した。
往復式流体制御装置は、ガス及び液体の両方について0~100%のプログラム可能なパルスデューティサイクルによって0~25Hzの周波数で液体及びガスの両方を律動的に送り込むことができる。この制御装置はまた、総処理時間、往復運動の前のパルスの時間量/数、及び往復運動の数をプログラムすることも可能にした。流量制御装置はまた、第2の任意の入力/出力(図示せず)も可能にし、これらの実験について、真空ポンプ(図示せず)に接続して、負の圧力差を生じさせた。この負圧は、負圧を使用した全ての実験について、蠕動ポンプ(モデル#74203-47、Cole Parmer,Vernon Hills,IL)を介して生じさせた。収集した流体は、廃棄し、再使用しなかった。
試験目的の器具250は、直径500ミクロンの20個のノズルアレイを器具の各側部に提供するように設計した。ノズルは、直線パターンで均等に離間させ、ノズルは、水平及び垂直方向において中心間で1500ミクロンに均等に離間させた。試験中は、内側ノズルが、処理又は洗浄される基板に対して相対的に垂直に、かつ基板の中心で目標に衝突するように、ノズル出口を定位置に位置付けた。ノズル出口及びバイオフィルムで覆った基板からの固定位置を3000±500μmで位置付けた。正の圧力は、加圧窒素タンク(頭部圧力)から液体供給リザーバ220に供給し、タンクにおいて150psiに調整した。圧力調整器(モデル44-2211-241、Tescom,Minneapolis,MN)及びデジタル圧力インジケータ(60psi、Weis,Solar Metrix,Holtsville,NY)を使用して、タンクの後かつ流体供給リザーバ220の前で追加の圧力調整を行った。この入力圧力を使用して、流体供給リザーバ内の液体にエネルギーを与え、その液体を管222を通して推進した。ガスリザーバ230の圧力は、空気タンクによって提供し、150psiに調整した。圧力調整器(モデル44-2211-241、Tescom,Minneapolis,MN)及びデジタル圧力インジケータ(60psi、Weis,Solar Metrix,Holtsville,NY)を使用して、空気タンクの後かつガスリザーバ230の前で追加の圧力調整を行った。この入力圧力を使用して、ガス供給リザーバ内のガスにエネルギーを与えて、管232を通してこのガスを流体制御装置へと推進させた。加圧液体は、管222を通して液体供給リザーバ220から流体制御装置に供給される。液体及びガスは、それらのそれぞれの制御システムによって制御し、方向付け、次いで、組み合わせて、AEFPを生じさせる。同伴液体の流量は、指定された調整器を使用してガス頭部圧力を調節することによって制御し、任意に、機械的な流れ速度制御開口部を使用して、ガス内への同伴の直前に、機械的流量制御オリフィスを使用して更に制御して、空気同伴流体を生じさせた。ガス流量は、ガス制御調整器を介して制御した。
エネルギー付与したパルスは、管242及び/又は244を通って器具に流れる。計装並びにデータ取り込み及び分析ソフトウェアを使用して、圧力センサを利用した各試験中の実際のパラメータを測定及び記録した。ソフトウェアは、各試験から圧力、パルス周波数、パルス幅/デューティサイクル、往復運動周波数、及び総処理持続時間を抽出することを可能にするように、圧力対時間のデータ出力をグラフ化した。この情報は、セッションセッション後の分析のためにグラフィカル形態(圧力対時間グラフ)で保存した。データは、ミリ秒ごとに少なくとも1kHzのサンプリングレートの解像度(すなわち1つの「圧力対時間」位置)で収集し、各セッション/試験について圧力グラフによって表し、取り込んだ。使用した計装は、圧力センサ(モデルMLH050PGB06A、Honeywell,Morristown,NJ)で構成した。センサは、内径1/4インチのバーブドティーフィッティングを使用して、管244及び242内に位置付け、器具の側部254及び252の各々の3インチ以内に位置付けた。圧力トランスデューサのデータは、National Instruments DAQ DAQ(モデル#USB-6363、National Instruments,Austin,TX)を通して収集し、USB-3.0接続を有する市販のラップトップコンピュータに移送し、National Instruments Labview及びカスタムプログラムを実行して、データの記録及び表示の両方を行った。注記:上に記載した全ての「管」は、内径1/4インチ×長さ12インチ~18インチであり、150psiの最小圧力定格である。
逆流を防ぐために、任意に、約1psiのクラッキング圧力を有する一方向弁を管252、及び244内に配置した。負圧は、AEFPパルスを受信していない器具250の器具側部252又は254に加えた。
一連の試験は、流体供給リザーバ220内の液体(di-H2O)及び供給リザーバ230内の窒素ガスによって行って、制御された同伴流体パルス(AEFP)を生じさせ、流体の同伴速度、ガスパルス圧力、パルス周波数、パルス幅、及び流体往復運動の制御を可能にした。試料における流体の蓄積を防ぐために、パルスを受容しないアプリケータノズルの側部に真空を加えた。実験に利用した設定条件を以下に記載する:
(注記:速度は、高速ビデオ顕微鏡又はHSVMを使用したピクセル追跡を介して、試験の後に測定した。)
動作に際して、160mlの液体を、各方向における動作の最初の8秒にわたって一定の速度で同伴させた。各方向における残りの7秒は、主にパルスガスのみであった。
バイオフィルムは、被験者の頬側の義歯に固定した3mmのヒトのエナメルチップ上で7日間インビボで成長させた。これは、相当なバイオフィルムの接着及び凝集粘着性を有するヒトの生歯において経験される、代表的なヒトのバイオフィルム特性を達成するように行った。7日間成長させた後、バイオフィルムを有するエナメルチップを取り出し、歯の形状の周囲を表すように歯形状の試験治具内に配置した。この実施例では、12個のエナメルチップを使用した。
REVEAL100-7940赤色染色液(Henry Schein Inc.,Melville,NY)を利用して、処理前及び処理後の両方で、指示された赤色染料の染色処置に従って、バイオフィルムを染色した。容積除去とも称される処理後のバイオフィルム厚さの低減は、前処理した染色試料と比較したときの、赤色染料信号強度の低減によって測定することができる。試料の残留染色強度によって証明されるこの種類の低減は、明ピンク(相当なバイオフィルム厚さの低減を示す)から、バイオフィルム厚さの低減をほとんど~全く示さない明赤色の範囲であり得る。観察された容積除去は、バイオフィルム内に凝集破壊があるが、試料表面に付着したままであること、又は試料内のクレータ様の形成物によって表される処理領域の外へ歯垢が押し出される「クレータを生じる」ことに起因して起こる。バイナリ除去とも称される接着破壊は、染色後の試料上の染色の欠如で測定することができ、大部分が白色/淡灰色の視認可能な試料上の領域をもたらす。
洗浄評価は、「不可~最良」のスケールに基づいて決定した。「不可」は、バイナリバイオフィルムの除去を全く表さず、僅かな容積除去だけを表した。「最良」は、試料からのバイナリ除去を完了した。「不可~最良」の間のカテゴリは、「普通」、「良好」、及び「より良好」とした。全て、容積及びバイナリ除去の視覚的評価によって分類した。
この試験に使用した12個のチップの視覚的洗浄評価は、「良好/より良好」であるとみなされた。この試験では、ガスパルス入力の追加及び一定速度での液体の同伴を伴い、ガス入力圧力及び液体頭部圧力は、実施例1のプロセス条件から3分の2を超えて(55/36psiから10psiに)減少させ、10±2m/sの範囲でピークの液体粒子速度を測定した。インシトゥー成長させた唾液バイオフィルムの分解及び除去の結果は、実施例1による2つの試験と比較して大幅に向上した。
別の一連の試験を、流体供給リザーバ220内の液体配合物(di-H20 w/10%シリカ チキソシル63:二酸化ケイ素(SiO2))及び供給リザーバ230内の窒素ガスよって行って、制御された同伴流体パルス(AEFP)を生じさせ、流体同伴速度の制御、ガスパルス圧力、パルス周波数、パルス幅、及び流体往復運動の制御を可能にした。試料における流体の蓄積を防ぐために、パルスを受容しないアプリケータノズルの側部に真空を加えた。SiO2を、配合物の研磨剤として提供した。実験に利用した設定条件を以下に記載する:
(注記:速度は、高速ビデオ顕微鏡又はHSVMを使用したピクセル追跡を介して、試験の後に測定した。)
動作に際して、160mlの液体を、各方向における動作の最初の9秒にわたって一定の速度で同伴させた。各方向における残りの6秒は、主に律動的に送り込まれたガスだけであった。
この実施例において先に論じたように、バイオフィルムは、被験者の頬側の義歯に固定した3mmのヒトのエナメルチップ上で7日間インビボで成長させた。また、先に論じたように、REVEAL100-7940の赤色染色液(Henry Schein,Inc.,Melville,NY)を利用して、バイオフィルムに着色し、洗浄評価は、「不可~最良」のスケールに基づいて決定した。
この試験に使用した10個のチップの視覚的洗浄評価は、「より良好/最良」であるとみなされた。この試験では、研磨剤を配合物に加えた。研磨剤は、全ての以前の試験と比較して、全体として洗浄結果を改善した。
更に別の一連の試験は、流体供給リザーバ220内の液体(di-H2O)及び供給リザーバ230内の窒素ガスによって行って、制御された同伴流体パルス(AEFP)を生じさせ、流体の同伴速度及びパルス周波数、ガスのパルス周波数及びパルス幅の制御を可能にした。流体往復運動は、利用しなかった。試料における流体の蓄積を防ぐために、パルスを受容しないアプリケータノズルの側部に真空を加えた。実験に利用した設定条件を以下に記載する:
この試験のセットでは、液体パルス周波数及びガスパルス周波数を変動させ、液体とガスとのパルス周波数比を計算した。液体パルス周波数は、0Hz(液体の供給なし)~25Hzの範囲で、ガスパルス周波数は、0.5Hz~25Hzの範囲であった。1つの試験では、液体を一定の速度で供給し、ガスパルス周波数は、25Hzであった。また、処理の時間も変動させ、各試験について総ガスパルスを計算し、報告した。
インビトロのバイオフィルム、48時間SミュータンスをHAディスクのような5mmの焼結エナメル上で成長させ、次いで、歯形状の試験治具内に配置して、試料を取り囲む代表的な口腔形状を提供した。
ここでも、REVEAL100-7940赤色染色液(Henry Schein Inc.,Melville,NY)を利用して、処理前及び処理後の両方で、指示された赤色染料の染色処置に従って、バイオフィルムを染色した。赤色染色した試料の後処理及びデジタル撮像に続いて、試料は、次いで、クリスタルバイオレット染色液(Harleco(EMD Chemicals)、65092A-95)で着色して、視覚的画像分析のためにコントラストを向上させた。洗浄評価は、全て先の実施例に記載されている、「不可~最良」のスケールに基づいて決定した。
表1は、観察した洗浄に対する液体とガスとのパルス周波数比の効果を示す。
表1は、流体/ガスパルス周波数比と洗浄評価との間に相関があったことを示している。流体パルス/ガスパルス比が10以下であるとき、視覚的洗浄評価は、「より良好」~「最良」であった(約100%のバイオフィルム除去と解釈する)。10を超える比は、「良好」~「普通」の結果を提供した。よって、(パルス周波数に対して)ガスパルス周波数が高くなるにつれて、試料からのバイオフィルムの分解及び除去がより向上する。
(実施例4)
試験した、図4に表されるシステム300は、液体供給リザーバ320(モデルB501、Alloy Products Corp.,Waukesha,WI)、ガス供給リザーバ330(圧縮空気タンク)、カスタム往復式流量制御装置240、及びカスタム器具350から成る。往復式流体制御装置は、ガスパルス及び液体パルスの両方についてパルス及び流れの方向(往復運動)の両方をプログラムすることを可能にし、並びに、ガスパルスと流体パルスとの同期又は非同期動作を可能にする、カスタム設計/カスタム構築された市販の構成要素で構成した。これは、圧力センサ(モデルMLH050PGB06A、Honeywell,Morristown,NJ)に接続したガスパルス(Ni DAQモデル#USB-6363、National Instruments,Austin,TX)の開始時に液体パルスが生じるようにトリガすることによって達成した。液体パルス幅、周波数、及び方向は、適切なソレノイド弁(モデル71215SN2MN00N0C111P3、Honeywell,Morristown,NJ)を作動させる、Labviewカスタムプログラムを通して制御して、管342及び/又は344を通る液体パルスのパルス方向及びタイミングを制御した。ガスパルス幅、周波数、及び方向は、Maxon EPOSソフトウェアを通してプログラム及び制御される、カスタム回転弁を介して制御した。ガスパルスは、往復運動方向及び液体パルス方向に応じて、管346又は348に送達し、よって、液体パルスが管342から第1の側部352に送達されている場合、ガスパルスもまた、管346から第1の側部352に送達されている。反対に、液体パルスが管344から第2の側部354である場合、ガスパルスはまた、管348を通して、第2の側部354にも送達される。また、ガス及び液体は、それぞれ管342、346、344、及び348を通して、第1の側部352及び第2の側部354に供給することもできる。これらの実験の目的で、ガス及び液体は、管342及び346を通して第1の側部352に供給した一方で、流体は、蠕動ポンプ(モデル#74203-47,Cole Parmer,Vernon Hills,IL)を使用して負の相対圧力を生じさせることによって、管344を通して第2の側部354から除去した。
この流量制御装置はまた、これらの実験に使用した第2の任意の入力/出力(図示せず)が、真空ポンプ(図示せず)を介して、AEFP送達と反対の側部内に負の圧力差を提供することも可能にした。この負圧は、負圧を使用した全ての実験について、蠕動ポンプを介して生じさせた。収集した流体は、廃棄し、再使用しなかった。往復式流体制御装置は、ガス及び/又は液体のいずれかについて、0~100%のプログラム可能なパルスデューティサイクルによって0~25Hzの周波数で律動的に送り込むことができる。この制御装置はまた、総処理時間、往復運動の前のパルスの時間量/数、及び往復運動の数をプログラムすることも可能にした。
試験目的に使用した器具350は、直径500μmの20個のノズルアレイを器具の各側部に提供するように設計した。ノズルは、直線の4×5パターンで均等に離間させ、ノズルは、水平及び垂直方向において中心間で1500ミクロンに均等に離間させた。試験中は、内側ノズルが、処理又は洗浄される基板に対して相対的に垂直に、かつ基板の中心で目標に衝突するように、ノズル出口を定位置に位置付けた。図17及び図18では、ノズル562及び564、並びにノズル662及び664は、それぞれ、これらのノズルの歯400に対する方向及び位置を例示する。加えて、図17及び図18に示されるように、ノズル526、528、並びにノズル626及び628は、それぞれ別体のセットであり、かつノズル542、544、642、及び644によって表されるノズルカラム列に対して垂直に整列される。ノズル出口及びバイオフィルムで覆われた基板からの一定距離は、約3000ミクロンに位置付けた。実験試験中に、空気パルスは、ノズル662によって図18に表されるノズルアレイを通して歯に供給し、液体は、ノズルアレイ662を通してガスパルスに同伴させて、歯に接触する前にAEFPを生じさせた。実験中に、流体を除去するために、ノズル644によって表される反対側のノズルアレイを通して真空を加えた。反対に、流体は、図17に示されるように、ノズル526及び/又は528を介してガスパルスを供給しながら、ノズル562及び/又は544を通して器具チャンバの中へ注入して/同伴させて、歯に衝突する前にAEFPを生じさせることができる。
正の圧力は、加圧窒素タンク(頭部圧力)から液体供給リザーバ320に供給し、タンクにおいて150psiに調整した。圧力調整器(モデル44-2211-241、Tescom,Minneapolis,MN)及びデジタル圧力インジケータ(60psi、Weis,Solar Metrix,Holtsville,NY)を使用して、タンクの後かつ流体供給リザーバ320の前で追加の圧力調整を行った。この入力圧力を使用して、流体供給リザーバ内の液体にエネルギーを与え、その液体を管322を通して推進した。ガスリザーバ330の圧力は、空気タンクによって提供し、150psiに調整した。圧力調整器(モデル44-2211-241、Tescom,Minneapolis,MN)及びデジタル圧力インジケータ(60psi、Weis,Solar Metrix,Holtsville,NY)を使用して、空気タンクの後かつガスリザーバ330の前で追加の圧力調整を行った。この入力圧力を使用して、ガス供給リザーバ内のガスにエネルギーを与えて、管332を通してこのガスを流体制御装置へと推進させた。加圧液体は、管322を通して液体供給リザーバ320から流体制御装置に供給される。
同伴液体の流量は、指定された調整器を使用してガス頭部圧力を調節することによって制御し、任意に、管322、又は344及び342内で機械的流量制御オリフィス(図示せず)を使用して更に制御した。ガス流量は、ガス制御調整器を介して制御した。
器具のノズルを出た後、かつ歯に接触する前に、液体及びガスは、それらのそれぞれの制御システムによって制御し、方向付け、次いで、組み合わせて、AEFPを生じさせる。計装並びにデータ取り込み及び分析ソフトウェアを使用して、圧力センサを利用した各試験中の実際のパラメータを測定及び記録した。ソフトウェアは、各試験から圧力、パルス周波数、パルス幅/デューティサイクル、往復運動周波数、及び総処理持続時間を抽出することを可能にするように、圧力対時間のデータ出力をグラフ化した。この情報は、セッションセッション後の分析のためにグラフィカル形態(圧力対時間グラフ)で保存した。データは、ミリ秒ごとに少なくとも1kHzのサンプリングレートの解像度(すなわち1つの「圧力対時間」位置)で収集し、各セッション/試験について圧力グラフによって表し、取り込んだ。使用した計装は、圧力センサ(モデルMLH050PGB06A、Honeywell,Morristown,NJ)で構成した。センサは、内径1/4インチのバーブドティーフィッティングを使用して、管342、344、346、及び348内に位置付け、器具の側部354及び352の各々の3インチ以内に位置付けた。圧力トランスデューサのデータは、National Instruments DAQ DAQ(モデル#USB-6363、National Instruments,Austin,TX)を通して収集し、USB-3.0接続を有する市販のラップトップコンピュータに移送し、National Instruments Labview及びカスタムプログラムを実行して、データの記録及び表示の両方を行った。注記:上に記載した全ての「管」は、内径1/4インチ×長さ12インチ~18インチであり、150psiの最小圧力定格である。
逆流を防ぐために、任意に、約1psiのクラッキング圧力を有する一方向弁を管252、及び244内に配置した。負圧は、AEFPパルスを受信していない器具250の器具側部252又は254に加えた。
〔実施の態様〕
(1) 口腔ケアシステムであって、
a.第1及び第2の複数のノズルを備える器具であって、前記第1及び第2の複数のノズルがユーザの口腔の1つ又は2つ以上の表面と流体連通した状態で前記ユーザの口の中に保持されるように構成された、器具と、
b.ガスの供給源と、
c.液体の供給源と、
d.流体を前記器具に方向付けるための流体制御装置と、を備え、
そのようなシステムは、0超~約50の周波数比(液体/ガス)で、前記ガスの供給源からのガスが前記流体制御装置から前記器具内の前記第1の複数のノズルへ律動的に送り込まれ、かつ前記液体の供給源からの液体が前記流体制御装置から律動的に送り込まれた前記ガスの中へ律動的に送り込まれて、前記流体制御装置と前記ノズルとの間に同伴流体を形成するように構成されている、口腔ケアシステム。
(2) 前記周波数比(液体/ガス)が、0超~約15である、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記周波数比(液体/ガス)が、0超~約10である、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記ガスの供給源が、約6.89~約689.48kPa(約1~約100psi)の圧力でガスを提供する、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記ガスの供給源が、約34.47~約137.90kPa(約5~約20psi)の圧力でガスを提供する、実施態様1に記載のシステム。
(6) 前記ガスの供給源が、約68.95~約103.42kPa(約10~約15psi)の圧力でガスを提供する、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記システムが、ノズルパルスあたり約0.001~約0.10mlの流体パルスを提供する、実施態様4に記載のシステム。
(8) 実施態様1に記載のシステムの器具をユーザの口の中に保持することと、前記装置を動作させて、同伴流体を前記器具に方向付け、かつ前記器具から流体を除去することと、を含む、口腔ケアの利益を前記口腔の1つ又は2つ以上の表面に提供する方法。
(9) 前記同伴流体が、口内洗浄液を含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記口内洗浄液が、水と、メントール、チモール、オイカリプトール、サリチル酸メチル、及びこれらのうちの2種又は3種以上の組み合わせからなる群から選択される1つ又は2つ以上の精油と、を含む、実施態様9に記載の方法。
(11) 前記口内洗浄液が、エタノールを含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記口内洗浄液が、エタノールを含まない、実施態様11に記載の方法。