光学フィルムは、湾曲した形状に熱成形することができる。
本説明のいくつかの態様では、光学フィルムを成形する方法が提供される。方法は、光学フィルムの第1の部分が第1のローラに接触し、光学フィルムの第2の部分が第2のローラに接触するように、光学フィルムを第1及び第2のローラに隣接して配置するステップであって、第1のローラと第2のローラが、第1の方向に沿って離間しており、光学フィルムの第1の部分が、第1の方向と直交する第2の方向に沿った第1の幅を有する、配置するステップと、光学フィルムの互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部を固定するステップであって、第1の端部と第2の端部が、第1の方向に沿って離間しており、第1及び第2の部分が、第1の端部と第2の端部との間に配置される、固定するステップと、湾曲したモールド面を用意するステップと、光学フィルムを第1の方向に沿って伸張させながら、光学フィルムを湾曲したモールド面と接触させることにより、光学フィルムを成形するステップと、を含む。成形するステップは、最も近接する第1の点と第2の点との間の閾値距離をほぼ第1の幅未満に維持することであって、光学フィルム上の第1の点が、第1のローラに接触し、光学フィルム上の第2の点が、湾曲したモールド面に接触する、ことを含む。
本説明のいくつかの態様では、光学フィルムを成形する方法が提供される。方法は、光学フィルムの第1の部分が第1のローラに接触し、光学フィルムの第2の部分が第2のローラに接触するように、光学フィルムを第1及び第2のローラに隣接して配置するステップであって、第1のローラと第2のローラが、第1の方向に沿って離間しており、光学フィルムの第1の部分が、第1の方向と直交する第2の方向に沿った第1の幅を有する、配置するステップと、光学フィルムの互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部を固定するステップであって、第1の端部と第2の端部が、第1の方向に沿って離間しており、第1及び第2の部分が、第1の端部と第2の端部との間に配置される、固定するステップと、湾曲したモールド面を用意するステップと、光学フィルムを第1の方向に沿って伸張させながら、光学フィルムを湾曲したモールド面と接触させることにより、光学フィルムを成形するステップと、を含む。成形するステップは、第1のローラと第2のローラとの間の離間距離を第1の方向に沿って変化させて、第1のローラと第2のローラとの間で、光学フィルムの長手方向の縁から離れて縁の間で第2の方向に沿った光学フィルムの曲がりを抑制することを含む。
本説明のいくつかの態様では、光学フィルムを成形する方法が提供される。方法は、光学フィルムの互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部を固定するステップであって、第1の端部と第2の端部が、第1の方向に沿って離間している、固定するステップと、光学フィルムの互いに反対側にある第3の端部及び第4の端部を固定するステップであって、第3の端部と第4の端部が、第1の方向と直交する第2の方向に沿って離間している、固定するステップと、湾曲したモールド面を用意するステップと、光学フィルムを伸張させながら、光学フィルムを湾曲したモールド面と接触させることにより、光学フィルムを成形し、少なくとも第1の方向に沿って湾曲した湾曲した光学フィルムをもたらすステップと、を含む。成形するステップ中に光学フィルムを伸張させるステップは、第2の方向に沿った任意の伸張の3倍よりも大きく、第1の方向に沿って光学フィルムを伸張させることを含む。
本説明のいくつかの態様では、直交する第1及び第2の方向に沿って成形された複数の高分子層を含む湾曲した光学フィルムが提供される。第1の曲線が光学フィルムと第1の平面との交線であり、第1の平面が第2の方向及び基準平面と直交し、第1の曲線が、最も適合する第1の円弧を有し、第1の円弧が、第1の円弧の曲率中心で180度よりも大きな第1の角度を限定しており、光学フィルムが、基準平面内に最大投影面積を有する。第2の曲線が光学フィルムと第2の平面との交線であり、第2の平面が第1の方向及び基準平面と直交し、第2の曲線が、最も適合する第2の円弧を有し、第2の円弧が、第2の円弧の曲率中心で少なくとも30度の第2の角度を限定する。光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約2%未満の透過率を有する。
本説明のいくつかの態様では、直交する第1及び第2の方向に沿って成形された複数の高分子層を含む湾曲した光学フィルムが提供される。第1の曲線が光学フィルムと第1の平面と交線であり、第1の平面が第2の方向及び基準平面と直交し、第1の曲線が、最も適合する第1の円弧を有し、第1の円弧が、第1の円弧の曲率中心で少なくとも90度の第1の角度を限定しており、光学フィルムが、基準平面内に最大投影面積を有する。第2の曲線が光学フィルムと第2の平面との交線であり、第2の平面が第1の方向及び基準平面と直交し、第2の曲線が、最も適合する第2の円弧を有し、第2の円弧が、第2の円弧の曲率中心で少なくとも30度の第2の角度を限定する。光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約2%未満の透過率を有する。第1の曲線は、光学フィルムの中心を通過する。光学フィルムは、第1の曲線に沿った第1の位置における第1の厚さと、第1の曲線に沿った第2の位置における第2の厚さと、を有し、第2の位置が、最も適合する第1の円弧の半径R1の少なくとも0.7倍の距離だけ第1の位置から第1の曲線に沿って隔てられており、光学フィルムの中心から第1の位置までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R1以下であり、第2の位置から光学フィルムの縁までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R1以下である。第1の厚さと第2の厚さが、5%以下だけ異なる。
本説明のいくつかの態様では、直交する第1及び第2の方向に沿って成形された複数の高分子層を含む湾曲した光学フィルムが提供される。第1の曲線が光学フィルムと第1の平面との交線であり、第1の平面が第2の方向及び基準平面と直交し、第1の曲線が、最も適合する第1の円弧を有し、第1の円弧が、第1の円弧の曲率中心で少なくとも90度の第1の角度を限定しており、光学フィルムが、基準平面内に最大投影面積を有する。第2の曲線が光学フィルムと第2の平面との交線であり、第2の平面が第1の方向及び基準平面と直交し、第2の曲線が、最も適合する第2の円弧を有し、第2の円弧が、第2の円弧の曲率中心で少なくとも30度の第2の角度を限定する。光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約2%未満の透過率を有する。第1の曲線は、光学フィルムの中心を通過する。光学フィルムは、第1の曲線に沿った第1の位置における第1の長波長バンド端と、第1の曲線に沿った第2の位置における第2の長波長バンド端と、を有し、第2の位置が、最も適合する第1の円弧の半径R1の少なくとも0.7倍の距離だけ第1の位置から第1の曲線に沿って隔てられており、光学フィルムの中心から第1の位置までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R1以下であり、第2の位置から光学フィルムの縁までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R1以下である。第1の長波長バンド端と第2の長波長バンド端は、5%以下だけ異なる。
本説明のいくつかの態様では、複数の高分子層を含む光学フィルムが提供される。光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約5%未満の透過率を有する。直交する第1及び第2の平面が、それぞれの第1及び第2の曲線に沿って光学フィルムと交差し、第1の曲線と第2の曲線が、光学フィルムの中心位置で互いに交差している場合に、光学フィルムの有する厚さは、光学フィルムの中心位置から第1の縁位置まで第1の曲線に沿って減少し、中心位置から第2の縁位置まで第2の曲線に沿って増加する。
本説明のいくつかの態様では、複数の高分子層を含む光学フィルムが提供される。光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約5%未満の透過率を有する。直交する第1及び第2の平面が、それぞれの第1及び第2の曲線に沿って光学フィルムと交差し、第1の曲線と第2の曲線が、光学フィルムの中心位置で互いに交差している場合に、光学フィルムの有する長波長バンド端は、光学フィルムの中心位置から第1の縁位置まで第1の曲線に沿って減少し、中心位置から第2の縁位置まで第2の曲線に沿って増加する。
本説明のいくつかの態様では、複数の高分子層を含む光学フィルムが提供される。光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約5%未満の透過率を有する。直交する第1及び第2の平面が、それぞれの第1及び第2の曲線に沿って光学フィルムと交差している場合に、光学フィルムは、第2の平面に関して実質的に鏡映対称である、第1の曲線に沿った第1の厚さ分布と、第1の平面に関して実質的に鏡映対称である、第2の曲線に沿った第2の厚さ分布と、を有し、第1の厚さ分布と第2の厚さ分布が、異なる。
本説明のいくつかの態様では、複数の高分子層を含む光学フィルムが提供される。光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約5%未満の透過率を有する。直交する第1及び第2の平面が、それぞれの第1及び第2の曲線に沿って光学フィルムと交差している場合に、光学フィルムは、第2の平面に関して実質的に鏡映対称である、第1の曲線に沿った第1の長波長バンド端分布と、第1の平面に関して実質的に鏡映対称である、第2の曲線に沿った第2の長波長バンド端分布と、を有し、第1の長波長バンド端分布と第2の長波長バンド端分布は異なる。
本説明のいくつかの態様では、少なくとも直交する第1及び第2の方向に沿って成形された複数の高分子層を含む湾曲した反射偏光子が提供される。第1の方向に沿った、対応する第1の直径に対する第1の最大弛みの第1の比が、少なくとも0.1であり、第2の方向に沿った、対応する第2の直径に対する第2の最大弛みの第2の比が、少なくとも0.05である。所定の波長範囲内の垂直入射光に関して、反射偏光子上の各位置が、遮蔽偏光状態に対し約80%よりも高い最大平均反射率及び約2%未満の対応する最小平均透過率を有し、直交する通過偏光状態に対し約80%よりも高い最大平均透過率を有する。反射偏光子の総面積の少なくとも80%の面積を有する反射偏光子の領域内の各位置が、少なくとも500のコントラスト比を有し、コントラスト比は最大平均透過率を最小平均透過率で割った値である。
本説明のいくつかの態様では、直交する第1及び第2の方向に沿って成形された複数の高分子層を含む湾曲した反射偏光子が提供される。反射偏光子の全曲率が、少なくとも0.25であり、全曲率が、反射偏光子の総面積にわたる反射偏光子のガウス曲率の面積分である。所定の波長範囲内の垂直入射光に関して、反射偏光子上の各位置が、遮蔽偏光状態に対し約80%よりも高い最大平均反射率及び約2%未満の対応する最小平均透過率を有し、直交する通過偏光状態に対し約80%よりも高い最大平均透過率を有する。反射偏光子の総面積の少なくとも80%の面積を有する反射偏光子の領域内の各位置が、少なくとも500のコントラスト比を有し、コントラスト比は最大平均透過率を最小平均透過率で割った値である。
本説明のいくつかの態様では、少なくとも直交する第1及び第2の方向に沿って成形された複数の高分子層を含む湾曲した反射偏光子が提供される。第1の方向に沿った、対応する第1の直径に対する第1の最大弛みの第1の比が、少なくとも約0.1であり、第2の方向に沿った、対応する第2の直径に対する第2の最大弛みの第2の比が、少なくとも約0.05である。所定の波長を有する垂直入射光に関して、反射偏光子の総面積の少なくとも80%にわたる各位置が、遮蔽偏光状態に対し約80%よりも高い最大反射率及び約0.2%未満の対応する最小透過率を有し、直交する通過偏光状態に対し約80%よりも高い最大透過率を有する。
本説明のいくつかの態様では、直交する第1及び第2の方向に沿って成形された複数の高分子層を含む湾曲した反射偏光子が提供される。反射偏光子の全曲率が、少なくとも0.25であり、全曲率が、反射偏光子の総面積にわたる反射偏光子のガウス曲率の面積分である。所定の波長を有する垂直入射光に関して、反射偏光子の総面積の少なくとも80%にわたる各位置が、遮蔽偏光状態に対し約80%よりも高い最大反射率及び約0.2%未満の対応する最小透過率を有し、直交する通過偏光状態に対し約80%よりも高い最大透過率を有する。
本説明のいくつかの態様では、光学フィルムを加工するための装置が提供される。装置は、第1の方向に沿って離間した第1及び第2のローラであって、第1及び第2のローラを第1の方向に沿って移動させるように構成されたそれぞれの第1及び第2のステージに配置されており、第1の方向と直交する第2の方向に沿ったそれぞれの第1及び第2の幅を有する、第1及び第2のローラと、光学フィルムの互いに反対側にある第1及び第2の端部を固定するための第1及び第2の固定手段であって、第1及び第2のローラが、第1の固定手段と第2の固定手段との間に配置されており、光学フィルムの第1及び第2の端部が第1及び第2の固定手段内に固定されると、光学フィルムが第1及び第2のローラに接触するように、装置が構成されている、第1及び第2の固定手段と、湾曲したモールド面を有するモールドであって、第1及び第2の方向と直交する第3の方向に沿ってモールドを移動させるように構成されたモールドステージに配置されたモールドと、光学フィルムを加熱するための手段と、光学フィルムの張力を測定するための張力測定手段と、張力測定手段、第1及び第2のステージ、第1及び第2の固定手段、並びにモールドステージに通信可能に接続されたコントローラと、を含む。コントローラは、モールドを第3の方向に沿って移動させるのと同時に、光学フィルムの張力を制御しながら第1及び第2のローラを第1の方向に沿って移動させるように構成されている。
光学フィルムを成形する方法の概略図である。
光学フィルムを成形する方法の概略図である。
光学フィルムを成形する方法の概略図である。
光学フィルムを成形する方法の概略図である。
光学フィルムを成形する方法の概略図である。
光学フィルムを成形する方法のステップの概略側面図である。
光学フィルムを成形する方法のステップの概略側面図である。
光学フィルムを成形するための装置の概略側面図である。
ステージに配置された加熱手段及びレンズマウントの概略側面図である。
光学フィルムを成形するための装置の側面図である。
図5Aの装置の斜視図である。
光学フィルムの上に配置されたモールドの概略上面図である。
光学フィルムの上に配置されたモールドの概略上面図である。
光学フィルムの曲がった部分を示す概略上面図である。
図8Aの光学フィルムの曲がりを通る概略断面図である。
光学フィルムの所定の領域を示す光学フィルムの概略前面図である。
直交平面における光学フィルムの概略断面図である。
直交平面における光学フィルムの概略断面図である。
光学フィルムの概略斜視図である。
光学フィルムの概略斜視図である。
光学フィルムの概略斜視図である。
第1の曲線及び最も適合する第1の円弧の概略図である。
第2の曲線及び最も適合する第2の円弧の概略図である。
図11Aの第1の曲線に沿った可能な厚さプロファイルの概略プロットである。
図11Aの第1の曲線に沿った可能な厚さプロファイルの概略プロットである。
図11Bの第2の曲線に沿った可能な厚さプロファイルの概略プロットである。
図11Aの第1の曲線に沿った可能な長波長バンド端プロファイルの概略プロットである。
図11Aの第1の曲線に沿った可能な長波長バンド端プロファイルの概略プロットである。
図11Bの第2の曲線に沿った可能な長波長バンド端プロファイルの概略プロットである。
モールドの概略側面図である。
光学フィルムの概略断面図である。
光学フィルムの概略前面図である。
第1及び第2の厚さ分布の概略図である。
第1及び第2の厚さ分布の概略図である。
第1及び第2の長バンド端分布の概略図である。
第1及び第2の長バンド端分布の概略図である。
通過状態及び遮蔽状態に関する反射偏光子の透過率の概略プロットである。
通過状態及び遮蔽状態に関する反射偏光子の反射率の概略プロットである。
光学フィルムの概略断面図である。
光学フィルムの概略断面図である。
光学フィルムの層数に対する層厚のプロットである。
光学レンズに近接して湾曲したモールド面に配置された光学フィルムの一部分の概略断面図である。
レンズアセンブリの概略断面図である。
光学レンズ上に配置された光学フィルムとともに光学レンズを保持するレンズマウントの概略図である。
レンズアセンブリの概略断面図である。
予冷及び加圧プロセスを用いて成形されたフィルムの厚さ分布のプロットである。
予冷及び加圧プロセスを用いて成形されたフィルムの厚さ分布のプロットである。
モールドの画像である。
モールドの画像である。
反射偏光子の概略上面図である。
反射偏光子の遮蔽状態の平均透過率のプロットである。
反射偏光子の通過状態の平均透過率のプロットである。
反射偏光子のコントラスト比のプロットである。
反射偏光子の長波長バンド端のプロットである。
反射偏光子の遮蔽状態の平均透過率のコンター図である。
反射偏光子の通過状態の平均透過率のコンター図である。
反射偏光子のコントラスト比のコンター図である。
様々なプロセス条件の成形プロセス中の時間の関数としての、モールド上の光学フィルムの半巻き付け長のプロットである。
様々なプロセス条件の成形プロセス中の時間の関数としての、モールド上の接触点とローラ上の接触点との間における光学フィルムのスパン長のプロットである。
様々なプロセス条件の成形プロセス中の時間の関数としての、光学フィルムの長さに沿った張力のプロットである。
様々なプロセス条件に関する成形された光学フィルムの厚さ分布のプロットである。
様々なプロセス条件に関する成形された光学フィルムの厚さ分布のプロットである。
様々なプロセス条件に関する成形された光学フィルムの厚さ分布のプロットである。
様々なプロセス条件に関する成形された光学フィルムの厚さ分布のプロットである。
発明の詳細な説明
以下の説明では、本明細書の一部を構成し、様々な実施形態が実例として示される、添付図面が参照される。図面は、必ずしも正確な比率の縮尺ではない。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施可能である点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されないものとする。
本説明のいくつかの態様によれば、光学フィルムを成形する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本説明の方法は、光学フィルムの大部分又は全体にわたって所望の光学特性を維持しながら、従来の熱成形技術を用いて実現することが困難な形状に光学フィルムを形成することを可能にする。例えば、光学フィルムの曲率中心で180度よりも大きな角度を限定するように、光学フィルムを湾曲させることができる。いくつかの実施形態では、本説明の方法は、従来の方法によって熱成形された光学フィルムの場合とは異なる光学フィルムの厚さ変化をもたらす。例えば、厚さは、光学フィルムの中心から1つの軸線に沿って増加し、中心から直交する軸線に沿って減少し得る。別の例として、厚さは、光学フィルムの中心から光学フィルムの縁まで少なくとも1つの方向に沿って非単調に変化し得る。いくつかの実施形態では、光学フィルムは反射偏光子であり、本説明の方法は、反射偏光子の成形中に、遮蔽軸に沿って、通過軸に沿ってよりも実質的に大きな反射偏光子の伸張を可能にし、これにより、遮蔽軸に沿って偏光された光の透過率が減少し、反射偏光子のコントラスト比が増加することが見出されている。
本説明の光学フィルムは、交互する複数の高分子層を含み得、主に光干渉によって光を透過及び反射させ得る。いくつかの実施形態では、光学フィルムはミラーフィルムであり、いくつかの実施形態では、光学フィルムは反射偏光子である。いずれの場合でも、成形された光学フィルムの総面積の少なくとも80%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率を有し得る。反射偏光子の場合、所定の波長及び同じ直交する第2の偏光状態を有する垂直入射光に関する透過率は、成形された光学フィルムの総面積の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%にわたる各位置で80%より高くなり得る。いくつかの実施形態では、所定の波長は、所定の波長範囲内の波長である。
所定の波長範囲は、光学フィルムを含む光学システムが作動するように設計された波長範囲であってもよい。例えば、所定の波長範囲は、可視範囲(400nm~700nm)又は可視範囲の実質的なサブセット(例えば、450nm~650nm)であってもよい。別の例として、所定の波長範囲は、1つ以上の可視波長範囲を含んでもよい。例えば、所定の波長範囲は、2つ以上の狭い波長範囲の結合(例えば、ディスプレイパネルの発光色に対応する、分離した赤色、緑色、及び青色の波長範囲の結合)であってもよい。そのような波長範囲は、例えば、更に米国特許出願公開第2017/0068100号(Ouderkirkら)に記載されており、同文献は、本説明と矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲は、他の波長範囲(例えば、赤外(例えば、近赤外(約700nm~約2500nm))、又は紫外線(例えば、近紫外(約300nm~約400nm))、並びに可視波長範囲を含む。例えば、光学フィルムは、赤外線反射体であってもよく、所定の波長範囲は、近赤外範囲であってもよい。所定の波長は、所定の波長範囲内の任意の波長であってもよい。例えば、所定の波長範囲は、400nm~700nmであってもよく、所定の波長は、例えば500nm又は550nmであってもよい。
図1A~図1Eは、本説明による光学フィルムを成形する方法を示す。図1Aは、光学フィルム100の第1の部分120が第1のローラ20に接触し、光学フィルム100の第2の部分125が第2のローラ25に接触するように、第1のローラ20及び第2のローラ25に隣接して配置された光学フィルム100の概略断面図である。図1Bは、図1Aのシステムの概略上面図である。第1のローラ20と第2のローラ25は、(x方向と平行な)第1の方向50に沿って離間している。光学フィルム100の第1の部分120は、第1の方向50と直交する(y方向と平行な)第2の方向67に沿った第1の幅W1を有する。第1のローラ20は、第2の方向67に沿った第1の幅WR1を有する。いくつかの実施形態では、幅WR1は幅W1よりも大きい。光学フィルム100の第2の部分125は、第2の方向67に沿った第2の幅W2を有する。第2のローラ25は、第2の方向67に沿った第2の幅WR2を有する。いくつかの実施形態では、幅WR2は幅W2よりも大きい。いくつかの実施形態では、W1とW2は等しいか又はほぼ等しい。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、W1及びW2にほぼ等しい実質的に一定(例えば、10%以下の変化)の幅を有する。いくつかの実施形態では、WR1とWR2は等しいか又はほぼ等しい。
方法は、光学フィルム100の第1の端部101及び第2の端部102を固定することを含む。図示の実施形態では、第1の端部101及び第2の端部102を固定するために、固定手段30及び35が使用される。固定手段30及び35は、クラップ、グリップ、若しくはローラ(例えば、キャプスタンローラ)であってもよく、又はこれを含んでもよく、第1の方向50に沿って移動するように構成されてもよい。第1の端部101と第2の端部102は、第1の端部101と第2の端部102との間に第1の部分120及び第2の部分125が配置された状態で、第1の方向50に沿って離間している。
モールド250は、湾曲したモールド面255を有する。モールド250は、第1の方向50に沿った長さL1、及び第2の方向67に沿った長さL2を有する。湾曲したモールド面は、第1の方向と第2の方向に沿った、同じか又は同様の長さを有してもよい。光学フィルム100は、図1Bに示すように、L2よりも大きな幅(例えば、W1及び/又はW2)を有してもよい。この場合、光学フィルム100の一部が、所望の形状に形成された後に、形成されなかった縁部を除去するために切り出されてもよい。他の実施形態では、光学フィルム100の代わりに使用され得る光学フィルム100bが、図1Cに示すように、L2よりも小さな幅(例えば、W1及び/又はW2)を有してもよい。いくつかの実施形態では、光学フィルムの幅は、第2の方向67に沿ったモールド250の長さL2にほぼ等しい。モールド250は、モールドを加熱するために使用され得る任意選択的な加熱要素253を含む。任意選択的な加熱要素253は、例えば、モールド250内又はモールドの表面に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、モールド250は、周囲温度よりも高い温度まで加熱される。例えば、いくつかの実施形態では、モールド250は、30℃よりも高いか又は40℃よりも高い温度まで加熱される。いくつかの実施形態では、光学フィルム100は、光学フィルム100を成形する前に所定の温度まで加熱される。いくつかの実施形態では、モールド250は、この所定の温度未満の温度まで加熱される。
いくつかの実施形態では、光学フィルム100は、光学フィルム100を第1の方向50に沿って伸張させながら、光学フィルム100を湾曲したモールド面255と接触させることによって成形される。これは、湾曲したモールド面255が光学フィルムに接触するまで、第1の方向50及び第2の方向67と直交する(z方向と平行な)第3の方向75に沿ってモールド250を光学フィルム100に向かって移動させ、また光学フィルム100が湾曲したモールド面255の少なくとも一部分に適合するまで、モールド250を移動させ続けることによって行うことができる。これは、湾曲したモールド面255の境界の点257と光学フィルム100との間の離間距離hを第3の方向75に沿って変更することとして説明することができる。湾曲したモールド面255の境界は、そのような境界が存在する場合に曲率が急変する物理的な境界とすることができ、又は、光学フィルム100の成形中に光学フィルム100と接触する、湾曲したモールド面の最大領域の境界としてもよい。図1Dは、成形する方法において、モールド250が光学フィルム100に最初に接触したステップの概略断面図であり、図1Eは、成形する方法において、光学フィルム100の連続部分が湾曲したモールド面255に接触した後の時間の概略断面図である。図示の実施形態では、固定手段30及び35は、第1のローラ20及び第2のローラ25よりも下方(より小さなz座標)に配置されている。他の実施形態では、モールド250が光学フィルム100に最初に接触するときに、固定手段30及び35は、固定手段30とモールド250との間のフィルムスパンと、固定手段35とモールド250との間のフィルムスパンと、第1のローラ20と第2のローラ25との間のフィルムスパンとが互いに平行となるように、配置される。
いくつかの実施形態では、湾曲したモールド面に接触する光学フィルムの第1の点(例えば、点134又は点135)では、湾曲したモールド面に接触しない光学フィルムの第2の点(例えば、点135と点136との間の中間点、又は点133と点134との間の中間点)よりも、光学フィルムの温度が低い。
光学フィルム100の成形は、好ましくは、光学フィルム100上の第1の点133が第1のローラ20に接触し、光学フィルム100上の第2の点134が湾曲したモールド面255に接触する場合に、最も近接する第1の点133と第2の点134との間の閾値距離d1をほぼ第1の幅W1未満に維持することを含む。つまり、d1は、第1のローラ20に接触する光学フィルム100上の任意の点と、湾曲したモールド面255に接触する光学フィルム100上の任意の点との間の最小距離であり、光学フィルム100を成形する方法は、d1をほぼW1未満に維持することを含む。いくつかの実施形態では、光学フィルム100の成形は、光学フィルム100上の第3の点135が湾曲したモールド面255に接触し、光学フィルム100上の第4の点136が第2のローラ25に接触する場合に、最も近接する第3の点135と第4の点136との間の閾値距離d2をほぼ第2の幅W2未満に維持することを更に含む。つまり、d2は、湾曲したモールド面255に接触する光学フィルム100上の任意の点と、第2のローラ25に接触する光学フィルム100上の任意の点との間の最小距離であり、光学フィルム100を成形する方法は、d2をほぼW2未満に維持することを含む。d1及び/又はd2を所望の範囲内に維持することは典型的に、第1のローラ20及び/又は第2のローラ25を第1の方向50に沿って移動させることを含む。好ましい実施形態では、第1のローラ20及び第2のローラ25は、第1のローラ20と第2のローラ25との間の距離dが、光学フィルム100の成形中に変化してd1とd2の両方を所望の範囲内に維持するように、第1の方向50に沿って移動される。いくつかの実施形態では、光学フィルム100が成形されるときに、第1、第2、第3、及び第4の点133、134、135、136のうちの1つ以上又は全てが、第1の方向50に沿って移動する。
第1のローラ20及び第2のローラ25がなければ、光学フィルム100(又は100b)は典型的に、領域73(又は73b)において第2の方向67に沿って曲がるであろう。第1のローラ20及び第2のローラ25を含み、d1及び/又はd2を所望の範囲内に維持することで、第2の方向における光学フィルムの曲がりを抑制又は排除できることが見出された。光学フィルム100(又は100b)と第1のローラ20及び第2のローラ25との間の摩擦により、光学フィルム100(又は100b)に第2の方向に沿った正の張力を生じさせることができ、この張力により、曲がりを防止することができる。いくつかの実施形態では、第1のローラ20及び第2のローラ25は、平滑面を有する。いくつかの実施形態では、第1のローラ20及び第2のローラ25は、スプレッダローラである。スプレッダローラは、例えば、光学フィルム100(又は100b)の第2の方向67に沿った張力を増加させることができる、溝を含む。スプレッダローラは、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第6,843,762号(Muncheら)に記載されている。
いくつかの実施形態では、閾値距離d1は、W1以下、0.9W1以下、0.8W1以下、0.7W1以下、0.6W1以下、0.5W1以下、0.4W1以下、又は0.3W1以下に維持される。いくつかの実施形態では、閾値距離d1は、少なくとも0.001W1、少なくとも0.01W1、又は光学フィルム100(又は100b)の厚さtの少なくとも2倍、厚さの少なくとも5倍、若しくは厚さの少なくとも10倍に維持される。いくつかの実施形態では、閾値距離d2は、W2以下、0.9W2以下、0.8W2以下、0.7W2以下、0.6W2以下、0.5W2以下、0.4W2以下、又は0.3W2以下に維持される。いくつかの実施形態では、閾値距離d1は、少なくとも0.001W2、少なくとも0.01W2、又は光学フィルム100(又は100b)の厚さの少なくとも2倍、厚さの少なくとも5倍、若しくは厚さの少なくとも10倍に維持される。
いくつかの実施形態では、閾値距離d1と閾値距離d2は、別個に制御される。いくつかの実施形態では、第1のローラ20と第2のローラ25は、d1がd2に等しいか又はほぼ等しくなるように、モールド250に関して実質的に対称に配置される。他の実施形態では、第1のローラ20と第2のローラ25は、d1とd2が異なるように、モールド250に関して非対称に配置される。場合によっては、これは、光学フィルム100を非対称形状(例えば涙滴形状)に成形するのを容易にするために行われてもよい。
いくつかの実施形態では、光学フィルム100(又は100b)の成形は、第1のローラ20と第2のローラ25との間の離間距離dを第1の方向50に沿って変化させて、第1のローラ20と第2のローラ25との間の領域73(又は73b)において、光学フィルム100(又は100b)の長手方向縁71と72(又は71bと72b)との間で縁から離れる第2の方向67に沿った、光学フィルム100(又は100b)の曲がりを抑制することを含む。場合によっては、長手方向縁71及び72に沿った曲がりは、許容される可能性があり、これは、曲がりが、後で除去され得るため、及び/又は光学フィルムの長手方向縁71及び72に沿った部分が、例えば、成形された光学フィルムを光学システムで使用する前に除去され得るためである。
第1の固定手段30及び第2の固定手段35は、第1の方向50に沿って移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の端部101及び第2の端部102の位置は、光学フィルム100(又は100b)の第1の方向50に沿った張力を制御するように変更される。第1の端部101及び第2の端部102の位置は、第1の固定手段30及び第2の固定手段35を第1の方向50に沿って移動させることによって変更することができる。代わりに、第1の固定手段30及び第2の固定手段35は、ローラであってもよく、フィルムの端部は、ローラ上又はローラ内に固定され、第1の方向50の張力は、ローラを回転させることによって変化させることができる。この場合、第1の端部101及び第2の端部102の位置は、ローラの回転によって変更されてもよい。いくつかの実施形態では、光学フィルム100(又は100b)の第1の方向50に沿った張力は、フィルムが伸張されているときに実質的に一定である。張力は、光学フィルムを成形している時間の少なくとも90%にわたって10%以下だけ変化する場合、実質的に一定又は実質的に変化しないとして説明され得る。いくつかの実施形態では、光学フィルム100の第1の方向50に沿った張力は、光学フィルム100の伸張中に徐々に増加する。いくつかの実施形態では、張力は、光学フィルム内に所望の厚さ変化を生じるように制御される。例えば、所望の厚さは、第1の方向50に沿って実質的に一定であってもよい。別の例として、所望の厚さ分布は、光学フィルムの中心から、第1の方向50に沿った互いに反対側の各縁まで概ね減少してもよい。光学フィルムの反射バンド端は典型的に、厚さに相応する。所望のバンド端分布は、例えば、所望の厚さ分布を決定し得る。
いくつかの実施形態では、光学フィルム100(又は100b)は加熱される。いくつかの実施形態では、加熱は、光学フィルム100の伸張前に及び任意選択的に伸張中に実行されてもよい。加熱には、赤外線(IR)加熱、対流加熱、及び輻射加熱のうちの1つ以上を利用することができる。図1Aは、光学フィルム100を加熱するように配置されたヒータ91を概略的に示す。ヒータ91は、光学フィルム100の湾曲したモールド面255とは反対の側に配置される。いくつかの実施形態では、ヒータ91は赤外線ヒータである。いくつかの実施形態では、光学フィルムに近接して赤外線ヒータとは反対の側に赤外線反射面が配置される。例えば、いくつかの実施形態では、湾曲したモールド面255は、光学フィルム100の加熱中に光学フィルム100に近接して配置される赤外線反射面である。他の実施形態では、光学フィルム100の加熱中に、湾曲したモールド面255と光学フィルム100との間に、別個の赤外線反射体が配置される。別個の赤外線反射体は、光学フィルム100の成形前に取り外される。
いくつかの実施形態では、光学フィルム100(又は100b)は、120℃~200℃の範囲内、又は160℃~200℃の範囲内の温度まで加熱される。いくつかの実施形態では、光学フィルム100は、光学フィルム100のガラス転移温度よりも高い温度まで加熱される。いくつかの実施形態では、モールド250は、光学フィルム100の成形前及び/又は成形中に加熱される。例えば、モールド250は、30℃よりも高い温度まで加熱されてもよい。成形前に、モールド250の温度は、光学フィルム100の温度より低くてもよい。いくつかの実施形態では、成形ステップ中の光学フィルム100の温度は、湾曲したモールド面255の頂点に接触する光学フィルムの点で最も低く、湾曲したモールド面255に接触しない光学フィルム100の部分でより高い。いくつかの実施形態では、成形ステップ中に、光学フィルム100の温度は、第1のローラと第2のローラとの間にある光学フィルム100の中点から第1及び第2のローラのそれぞれに向かって変化する。いくつかの実施形態では、成形ステップ中に、光学フィルム100の温度は、第1のローラ20と第2のローラ25との間及び長手方向縁71と72との間の中点から各長手方向縁に向かって変化する。光学フィルム100の中点は、湾曲したモールド面255の頂点に接触する点であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のローラ20及び第2のローラ25もまた、(例えば、30℃よりも高い温度まで)加熱される。本明細書の他の箇所で説明する第3及び第4のローラも加熱されてよい。
光学フィルムのガラス転移温度は、光学フィルムの任意の層のガラス転移温度を指し得る。例えば、光学フィルムのガラス転移温度は、光学フィルムの層のうちのいずれかの最高ガラス転移温度であってもよく、光学フィルムの層のうちのいずれかの最低ガラス転移温度であってもよく、光学フィルムが交互する非複屈折層と複屈折層とを含むときには、光学フィルムの複屈折干渉層のガラス転移温度であってもよく、又は、光学フィルム300が交互する高屈折率干渉層と低屈折率干渉層とを含むときには、光学フィルム300の高屈折率干渉層のガラス転移温度であってもよい。ガラス転移温度は、示差走査熱量計によって測定することができる。
いくつかの実施形態では、光学フィルムの成形前に、光学フィルムは、光学フィルムの溶融温度未満の温度まで加熱される。溶融温度は、光学フィルムの層のうちのいずれかの溶融温度を指し得る。いくつかの実施形態では、溶融温度は、高屈折率層又は複屈折層の溶融温度である。いくつかの実施形態では、光学フィルムの成形前に、光学フィルムは、光学フィルムの最高ガラス転移温度よりも高く、かつ光学フィルムの最低溶融温度よりも低い温度まで加熱される。
いくつかの実施形態では、光学フィルム100(又は100b)は、実質的に第1の方向に沿った遮蔽軸を有する反射偏光子である。遮蔽軸は、第1の方向と遮蔽軸との間の角度が30度未満である場合に、実質的に第1の方向に沿うとして説明され得る。いくつかの実施形態では、第1の方向と遮蔽軸との間の角度は、20度未満、10度未満、又は5度未満である。
いくつかの実施形態では、光学フィルム100は反射偏光子であり、プロセスは、モールド250を用いて光学フィルムを成形する前に、第1の方向50に沿って反射偏光子を伸張させることを含む。これにより反射偏光子の遮蔽状態漏れが減少し、反射偏光子のコントラスト比が増加することが見出されている。場合によっては、この伸張によって光学フィルムに曲がりが生じるが、この曲がりは、第1のローラ20及び第2のローラ25をモールド250に十分に近接して配置することによって、その後の形成中に除去される。
いくつかの実施形態では、方法は、光学フィルムを第3及び第4のローラに隣接して配置することを更に含む。いくつかの実施形態では、光学フィルムの成形は、第3及び第4のローラを第1の方向に沿って移動させることを含む。いくつかの実施形態では、第3のローラは、光学フィルムと第1のローラとの接触角を増加させるように配置される。いくつかの実施形態では、第4のローラは、光学フィルムと第2のローラとの接触角を増加させるように配置される。いくつかの実施形態では、第1のローラと第3のローラとの間の間隔は、成形ステップ中に10%以下だけ変化し、第2のローラと第4のローラとの間の間隔は、成形ステップ中に10%以下だけ変化する。例えば、いくつかの実施形態では、第1のローラと第3のローラは、共通のリニアステージに配置され、光学フィルムの成形中に一緒に移動される。同様に、いくつかの実施形態では、第2のローラと第4のローラは、共通のリニアステージに配置され、光学フィルムの成形中に一緒に移動される。他の実施形態では、第1、第2、第3、及び第4のローラのそれぞれが、離間距離を別個に制御できるように、独立したステージに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第3のローラは、第2のローラよりも第1のローラに近接し、第4のローラは、第1のローラよりも第2のローラに近接する。図2及び図3は、第3及び第4のローラが含まれる2つの実施形態を示す。
図2は、成形プロセスにおいてモールド350が光学フィルム200に最初に接触した時間を示す概略断面図である。光学フィルム200は、第1のローラ111及び第2のローラ112に隣接し、かつ第3のローラ123及び第4のローラ124に隣接して配置され、第3のローラ123が、第2のローラ112とは反対の側で第1のローラ111に近接し、第4のローラ124が、第1のローラ111とは反対の側で第2のローラ112に近接する。成形プロセスにおける図2に示す時間は、第3のローラ123及び第4のローラ124が含まれる点を除いて、図1A~図1Eの成形プロセスにおける図1Dに示した時間と多くの点で同様であり、第1の把持手段130及び第2の把持手段135は、ローラとして概略的に示されている。成形する方法は、図1A~図1Eの成形プロセスについて示し説明したように進む。第1のローラ111と第2のローラ112との間の間隔dは典型的に、閾値距離d1及びd2(図1D及び図1Eを参照)を、本明細書の他の箇所で更に説明したような所望の範囲内に維持するように変化する。第3のローラ123は、光学フィルム200と第1のローラ111との接触角θを増加させるように配置される。同様に、第4のローラ124は、光学フィルム200と第2のローラ112との接触角を増加させるように配置される。第1のローラ111及び第2のローラ112との接触角を増加させることで、第2の方向におけるローラに沿った光学フィルム200のスリップが抑制されることが見出されており、これにより、光学フィルム200の曲がりが更に抑制されることが見出されている。
いくつかの実施形態では、第1のローラ111及び第2のローラ112は、光学フィルム200の成形前及び/又は成形中に加熱される。いくつかの実施形態では、第3のローラ123及び第4のローラ124も加熱される。いくつかの実施形態では、第1のローラ111及び第2のローラ112はそれぞれ、成形ステップ中に第3のローラ123及び第4のローラ124のそれぞれよりも高い温度にある。
図3は、成形プロセスにおいてモールド450が光学フィルム400に最初に接触した時間を示す概略断面図である。光学フィルム300は、第1のローラ211及び第2のローラ212に隣接し、かつ第3のローラ223及び第4のローラ224に隣接して配置される。第3のローラ223は、第1のローラ211に近接し、第4のローラ224は、第2のローラ212に近接する。光学フィルム300の端部は、例えば、クランプ、グリップ、若しくはシリンダであり得るか又はこれを含み得る、第1の固定手段230及び第2の固定手段235内に配置される。図3は、第3のローラ223及び第4のローラ224並びに第1の固定手段230及び第2の固定手段235の位置を除いて、図2に関して説明したのと同じであり得る。第3のローラ223は、光学フィルム300と第1のローラ211との接触角θを増加させるように配置される。同様に、第4のローラ224は、光学フィルム300と第2のローラ212との接触角を増加させるように配置される。第1のローラ111と第2のローラ112との間の間隔dは典型的に、閾値距離d1及びd2(図1D及び図1Eを参照)を、本明細書の他の箇所で更に説明したような所望の範囲内に維持するように変化する。
図4Aは、光学フィルム400を加工するための装置1000の概略断面図である。装置1000は、(x方向と平行な)第1の方向に沿って離間した第1のローラ420及び第2のローラ425を含み、これらは、第1のローラ420及び第2のローラ425を第1の方向に沿って移動させるように構成された、第1のステージ421及び第2のステージ426にそれぞれ配置される。第1のローラ420及び第2のローラ425は、第1の方向と直交する(y方向と平行な)第2の方向に沿った、(例えば、図1Bに示したWR1及びWR2に対応する)第1及び第2の幅をそれぞれ有する。装置1000は、光学フィルム400の互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部を固定するための第1の固定手段430及び第2の固定手段435と、第1及び第2の方向と直交する(z方向と平行な)第3の方向に沿ってモールドを移動させるように構成されたモールドステージ1656に配置され、湾曲したモールド面1655を有するモールド1650と、光学フィルム400を加熱するための手段1691と、光学フィルムの張力を測定するための張力測定手段1682と、コントローラ1630と、を更に含む。図示の実施形態では、張力測定手段1682は、第1の張力測定ユニット1682a及び第2の張力測定ユニット1682bを含む。第1の固定手段430及び第2の固定手段435はそれぞれ、第1の張力測定ユニット1682a及び第2の張力測定ユニット1682bを含む。
第1のローラ420及び第2のローラ425は、第1の固定手段430と第2の固定手段435との間に配置される。いくつかの実施形態では、装置は、光学フィルム400の第1及び第2の端部が第1の固定手段430及び第2の固定手段435に固定されると、光学フィルム400が第1のローラ420及び第2のローラ425に接触するように構成される。
いくつかの実施形態では、光学フィルム400を加熱するための手段1691は、赤外線ヒータ、対流ヒータ、及び輻射ヒータのうちの1つ以上であり得るか又はこれを含み得る、ヒータを備える。いくつかの実施形態では、光学フィルムを加熱するための手段は、モールド1650内又はモールド上に配置された加熱要素を更に備える。いくつかの実施形態では、光学フィルム400を加熱するための手段1691は、(y方向と平行な)第2の方向に沿って手段1691を移動させるように構成されたステージ1696に配置される。これは、光学フィルム400を冷却できるように、プロセスの終わり近くで、手段1692を光学フィルム400から離すように移動させるために行うことができる。いくつかの実施形態では、図4Bに概略的に示すように、ステージ1696上にレンズマウント1693が配置される。これは、本明細書の他の箇所で更に説明するように、成形フィルムがモールド1650と接触している間に、成形フィルムに光学レンズを取り付ける(例えば、光学的に透明な接着剤を用いて接着する)ために行うことができる。
コントローラ1630は、張力測定手段1682、第1のステージ421及び第2のステージ426、第1の固定手段430及び第2の固定手段435、並びにモールドステージ1656に通信可能に接続される。通信可能な接続は、有線又は無線とすることができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、モールドを第3の方向に沿って移動させるのと同時に、光学フィルム400の張力を制御しながら第1及び第2のローラを第1の方向に沿って移動させるように構成される。
図示の実施形態では、第1の固定手段430及び第2の固定手段435は、第3のステージ431及び第4のステージ436をそれぞれ備える。代わりに、第1の固定手段430及び第2の固定手段435は、コントローラ1630に通信可能に接続された、それぞれの別個のステージに配置された固定用のグリップ、クランプ、又はローラであるとして説明され得る。いくつかの実施形態では、第3のステージ431及び第4のステージ436は、第1の方向に沿って移動するように構成される。いくつかの実施形態では、第3のステージ431及び第4のステージ436は、コントローラ1630に通信可能に接続される。他の実施形態では、第1の固定手段430及び第2の固定手段435の少なくとも一方が、光学フィルム400を固定するためのローラを備え、ローラを回転させてフィルムの張力を制御する回転ステージを含む。この場合、張力測定手段は、ローラに取り付けたトルク計であってもよく、又はこれを含んでもよい。
図5A及び図5Bは、それぞれの第1のステージ5021及び第2のステージ5026に配置された第1のローラ5020及び第2のローラ5025を含む、装置5000の側面図及び斜視図である。第1のステージ5021及び第2のステージ5026は、第1のローラ5020及び第2のローラ5025を第1の方向550に沿って移動させるように構成された、それぞれのリニアアクチュエータ5022及び5027を含む。装置5000は、図示の実施形態では固定用ローラを含む、第1の固定手段5030及び第2の固定手段5035を含む。他の実施形態では、固定用ローラの代わりに、固定用のグリップ又はクランプを使用してもよい。装置5000は、光学フィルムの第1及び第2の端部が第1の固定手段5030及び第2の固定手段5035に固定されると、光学フィルムが第1のローラ5020及び第2のローラ5025に接触するように構成される。装置5000は、図示の実施形態では赤外線ヒータである、光学フィルムを加熱するための手段5091を含む。装置5000は、第1のロードセル5082a及び第2のロードセル5082bを含む、光学フィルムの張力を測定するための張力測定手段を含む。図示の実施形態では、ロードセル5082a及び5082bは、S型の張力ロードセルである。代わりに、他の型式のロードセルを使用してよい。いくつかの実施形態では、第1の固定手段5030及び第2の固定手段5035は、光学フィルムの第1及び第2の端部を第1の方向550に沿って移動させるように構成された、それぞれの第3のステージ5031及び第4のステージ5036を備える。いくつかの実施形態では、第3のステージ5031及び第4のステージ5036は、コントローラに通信可能に接続される。例えば、第3のステージ5031及び第4のステージ5036は、コントローラに有線接続されたリニアアクチュエータを含んでもよい。装置5000は、湾曲したモールド面を有するモールド5050を含み、モールドは、アクチュエータロッド5052によってリニアアクチュエータ5056に取り付けたモールドマウント5051に配置される。アクチュエータロッド5052を含むモールドマウント5051とリニアアクチュエータ5056との組み合わせは、モールドステージとして説明することができる。このモールドステージは、モールド5050を第3の方向5075に沿って移動させるように構成される。典型的には、リニアアクチュエータ5056及び他の構成要素を支持するためのフレーム(図示を容易にするために示していない)が含まれる。
いくつかの実施形態では、光学フィルムを成形する方法は、光学フィルムを伸張させながら光学フィルムと湾曲したモールド面とを接触させて、少なくとも第1の方向に沿って湾曲した、場合によっては直交する第1及び第2の方向に沿って湾曲した、湾曲した光学フィルムをもたらすことを含み、成形ステップ中に光学フィルムを伸張させることは、第2の方向に沿った任意の伸張の3倍よりも大きく、第1の方向に沿って光学フィルムを伸張させることを含む。これは、ローラとモールドとの間のフィルムスパンに沿った閾値距離を所望の範囲内に維持するように移動され得る第1及び第2のローラを用いて実現することができる。これはまた、第1及び第2の方向のそれぞれに沿った制御された第1及び第2の張力を光学フィルムに掛けることによって実現することができる。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、第1の方向に沿って離間した第1の端部と第2の端部を有し、第2の方向に沿って離間した第3の端部と第4の端部を有する。第1及び第2の端部は、第1及び第2の端部を第1の方向に沿って移動させるように構成された第1及び第2の固定手段内に固定されてもよく、第3及び第4の端部は、第2の方向に沿って移動するように構成された第3及び第4の固定手段内に固定されてもよい。
図6は、光学フィルム600の上に配置されたモールド650の概略上面図であり、光学フィルムは、概ね十字形であり、第1の端部と第2の端部との間及び第3の端部と第4の端部との間に配置された中央領域40を含む。第1、第2、第3、及び第4の端部はそれぞれ、第1、第2、第3、及び第4の固定手段630、635、633、及び637に固定され、これらは、本明細書の他の箇所で更に説明したようなクランプ、グリップ、又はローラであってもよく、又はこれを含んでもよい。光学フィルム600は、中央領域40から第1及び第2の端部までそれぞれ延びる第1の端部領域41及び第2の端部領域42を含み、また中央領域40から第3及び第4の端部までそれぞれ延びる第3の端部領域43及び第4の端部領域44を含む。いくつかの実施形態では、第1の端部領域41及び第2の端部領域42は、(y方向と平行な)第2の方向167に沿った実質的に一定の、ほぼ等しくてもよい、第1及び第2の幅を有する。いくつかの実施形態では、第3の端部領域43及び第4の端部領域44は、(x方向と平行な)第1の方向150に沿った実質的に一定の、ほぼ等しくてもよい、第3及び第4の幅を有する。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、及び第4の幅は、ほぼ等しい。
いくつかの実施形態では、光学フィルム600は、第1、第2、第3、及び第4のローラ620、625、653、及び654にそれぞれ隣接して配置される。他の実施形態では、第1、第2、第3、及び第4のローラ620、625、653、及び654は省略される。第1のローラ620及び第2のローラ625は、第1の方向150に沿って移動するように構成されてもよく、それぞれのローラに接触する光学フィルム600上の点と、モールド650の湾曲したモールド面に接触する点との間のそれぞれの最小距離が、d1及びd2について本明細書の他の箇所で説明した範囲のいずれかであり得る好ましい範囲内に維持されるように、移動されてもよい。同様に、第3のローラ653及び第4のローラ654は、第2の方向167に沿って移動するように構成されてもよく、それぞれのローラに接触する光学フィルム600上の点と、モールド650の湾曲したモールド面に接触する点との間のそれぞれの最小距離が、d1及びd2について本明細書の他の箇所で説明した範囲のいずれかであり得る好ましい範囲内に維持されるように、移動されてもよい。
第1のローラ620及び第2のローラ625は、例えば、図2及び図3に示したようなローラ対に置き換えられてもよい。この場合、第3のローラ653及び第4のローラ654は、第5及び第6のローラと呼ばれてもよい。第3のローラ653及び第4のローラ654も、例えば、図2及び図3に示したようなローラ対に置き換えられてもよい。
いくつかの実施形態では、成形ステップ中に光学フィルム600を伸張させることは、第2の方向167に沿った任意の伸張の3倍、5倍、又は7倍よりも大きく、第1の方向150に沿って光学フィルムを伸張させることを含む。いくつかの実施形態では、成形ステップは、光学フィルム600の第1及び第2の端部の位置を変更して、光学フィルム600の第1の方向150に沿った第1の張力を制御することを含む。いくつかの実施形態では、これは、第1の固定手段630及び第2の固定手段635を第1の方向150に沿って移動させることによって実現される。他の実施形態では、第1の固定手段630及び第2の固定手段635の少なくとも一方が、光学フィルム600を固定するためのローラを備え、ローラを回転させて第1の張力を制御する回転ステージを含む。いくつかの実施形態では、成形ステップは、光学フィルム600の第3及び第4の端部の位置を変更して、光学フィルム600の第2の方向167に沿った第2の張力を制御することを含む。いくつかの実施形態では、これは、第3の固定手段633及び第4の固定手段637を第2の方向167に沿って移動させることによって実現される。他の実施形態では、第3の固定手段633及び第4の固定手段637が、光学フィルム600を固定するためのローラを備え、ローラを回転させて第2の張力を制御する回転ステージを含む。いくつかの実施形態では、第1の張力は、第2の張力の2倍、3倍、又は5倍よりも大きい。
いくつかの実施形態では、成形ステップは、第3の固定手段633及び第4の固定手段637内にある、光学フィルム600の第3及び第4の端部の位置を変更して、第2の方向167における光学フィルム600の曲がりを抑制又は排除することを含む。いくつかの実施形態では、光学フィルム600が第2の方向167に沿って実質的に伸張されない。例えば、光学フィルム600が第2の方向167に収縮するのを防ぐために、第2の方向167の張力を掛けてもよいが、第2の方向の曲線に沿って測定されるフィルムの長さを、光学フィルム600の成形中に変化させなくてもよく、又は5%未満だけ変化させてもよい。
いくつかの実施形態では、光学フィルムは、成形前に、第2の方向167よりも大きく(例えば、少なくとも2倍、少なくとも3倍、又は少なくとも5倍大きく)、第1の方向150に沿って事前伸張される。いくつかの実施形態では、固定、事前伸張、及び成形のステップが、順次実行される。
いくつかの実施形態では、光学フィルムが、中央領域及び第1~第6の端部領域を有する形状に切断される。これは、図7に示すように、第1の方向において、直交する第2の方向よりも実質的に大きな直径を有する形状に光学フィルムを成形するのに有用である。
図7は、第1の端部と第2の端部との間、第3の端部と第4の端部との間、及び第5の端部と第6の端部との間に配置された中央領域140を含む光学フィルム700の上に配置されたモールド750の概略上面図である。第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の端部はそれぞれ、本明細書の他の箇所で更に説明したようなグリップ又はローラであり得る、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の固定手段730、735、733、737、763、及び767に固定される。光学フィルム700は、中央領域140から第1及び第2の端部までそれぞれ延びる第1の端部領域141及び第2の端部領域142を含み、中央領域40から第3及び第4の端部までそれぞれ延びる第3の端部領域143及び第4の端部領域144を含み、また中央領域40から第3及び第4の端部までそれぞれ延びる第5の端部領域165及び第6の端部領域166を含む。いくつかの実施形態では、第1の端部領域141及び第2の端部領域142は、(y方向と平行な)第2の方向267に沿った実質的に一定の、ほぼ等しくてもよい、第1及び第2の幅を有する。いくつかの実施形態では、第3及び第4の端部領域143及び144は、(x方向と平行な)第1の方向205に沿った実質的に一定の、ほぼ等しくてもよい、第3及び第4の幅を有する。いくつかの実施形態では、第5及び第6の端部領域165及び166は、第1の方向205に沿った実質的に一定の、ほぼ等しくてもよい、第5及び第6の幅を有する。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の幅は、ほぼ等しい。
いくつかの実施形態では、光学フィルム700はそれぞれ、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6のローラ720、725、753、754、775、及び776に隣接して配置される。他の実施形態では、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6のローラ720、725、753、754、775、及び776は省略される。第1、第2、第3、及び第4のローラ720、725、753、及び754は、第1、第2、第3、及び第4のローラ620、625、653、及び654について説明したように、それぞれのローラに接触する光学フィルム700上の点と、モールド750の湾曲したモールド面に接触する点との間のそれぞれの最小距離を維持するように、(第1のローラ720及び第2のローラ725については第1の方向205に沿って、また第3のローラ753及び第4のローラ754については第2の方向267に沿って)移動するように構成されてもよい。同様に、第5のローラ775及び第6のローラ776は、第2の方向267に沿って移動するように構成されてもよく、それぞれのローラに接触する光学フィルム700上の点と、モールド750の湾曲したモールド面に接触する点との間のそれぞれの最小距離が、d1及びd2について本明細書の他の箇所で説明した範囲のいずれかであり得る好ましい範囲内に維持されるように、移動されてもよい。
光学フィルム600又は光学フィルム700は、光学フィルム100について説明したように、成形ステップの前に(及び任意選択的にステップ中に)加熱されてもよい。モールド及びローラも、成形ステップの前に、及び任意選択的にステップ中に加熱されてもよい。
図6及び図7の方法は、光学フィルムを湾曲形状に成形することなく、光学フィルム600又は700の厚さ分布を改変するために使用することもできる。これは、光学フィルムを伸張させるときに、第1及び第2の方向の張力を適切に選択することによって行うことができる。
図8Aは、光学フィルムの曲がった部分873の概略上面図である。曲がり888が示されている。図8Bは、光学フィルムにおいて曲がり888bを通る断面図を概略的に示す。曲がり888bは、曲がり888に対応し得る。図8A及び図8Bに示す曲がりは、y方向に沿っている。曲がりは、曲率の符号の変化によって特徴付けられる。曲がり888bは、曲率の符号が変化する点を有する、図8Bの断面における正及び負の曲率領域を有する。部分873は、x方向に沿って離間した第1のローラと第2のローラ(例えば、第1のローラ20と第2のローラ25)との間にある光学フィルムの任意の部分であってもよく、y方向に沿って離間した第3のローラと第4のローラ(例えば、第3のローラ653と第4のローラ654)との間にある光学フィルムの任意の部分であってもよく、又は光学フィルムの成形中に湾曲したモールド面との接触を有するか又は接触する光学フィルムの任意の部分であってもよい。曲がったフィルムがモールド上に形成されるときには、負のガウス曲率の領域が存在する可能性があり、この領域では、直交方向に沿って湾曲しながら一方向に沿って曲がることで、局所的なサドル形状が生じる。この場合、ガウス曲率の符号が変化する箇所がある。いくつかの実施形態では、本説明の方法は、成形された光学フィルム全体にわたってガウス曲率が負にならない成形された光学フィルムをもたらす。いくつかの実施形態では、ガウス曲率は、成形された光学フィルム全体にわたって正である。
図8Bに示す振動の振幅を抑制すること、及び/又は曲がり888bの数を減らすことは、光学フィルムの曲がりを抑制することとして説明することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明する方法は、光学フィルムの曲がりを抑制又は排除する。
図8Cは、所定の領域1010を示す光学フィルム555の概略前面図である。光学フィルム555は、所定の領域1010が光学フィルムの残りの部分1012から除去される前には、本説明の光学フィルム(例えば、光学フィルム100、光学フィルム100b、光学フィルム200、光学フィルム300、光学フィルム400)のうちのいずれかに対応し得る。光学フィルム555は、成形されていると理解することができるが、図8Cの概略前面図には、曲率を示していない。いくつかの実施形態では、光学フィルム555の成形後に、光学フィルム555の所定の領域1010の外側の、光学フィルム555の部分1012が、(例えば、切断によって)除去される。所定の領域1010は、例えば、光学レンズの主表面に対応し得る。いくつかの実施形態では、成形された光学フィルムには、所定の領域1010に曲率の符号が変化する点がない。いくつかの実施形態では、成形された光学フィルムには、所定の領域1010に曲がりがない。いくつかの実施形態では、本説明の方法は、得られる成形された光学フィルムが所定の領域1010に対応するように、部分1012を除去するステップを含む。いくつかの実施形態では、成形中及び成形後であるが、部分1012を除去する前に、光学フィルムには、場合によっては所定の領域1010の外側の長手方向縁571及び/又は572に沿う以外に、曲がりがない。いくつかの実施形態では、光学フィルムには、成形ステップ中に長手方向縁571及び/又は572に沿って曲がりがあり、曲がりは、長手方向縁571及び/又は572に沿った光学フィルムの熱誘導収縮によって後で除去される。
光学フィルムは、第1の方向に沿った規定の変化と、直交する第2の方向に沿った規定の変化と、を有するとして説明され得る。第1及び第2の方向は、規定の変化が保持される、光学フィルムと直交する任意の方向とすることができる。場合によっては、本明細書の他の箇所で更に説明したように、特定の第1及び第2の方向を特定することが望ましい場合がある。光学フィルムを説明するために用いる第1及び第2の方向は、光学フィルムを成形する方法を説明する際に参照した第1及び第2の方向に対応してもよく、又は対応しなくてもよい。第1の方向に沿った光学フィルムの最大弛みは、第1及び第3の方向を含む平面における、第1及び第2の方向と直交する第3の方向に沿った光学フィルムの最大変位として説明することができる。同様に、第2の方向に沿った光学フィルムの最大弛みは、第2及び第3の方向を含む平面における、第3の方向に沿った光学フィルムの最大変位として説明することができる。図9A及び図9Bには、これを概略的に示す。第1、第2、及び第3の方向はそれぞれ、x’、y’、及びz’方向である。光学フィルム900は、第1の最大弛みS1及び第1の方向に沿った、対応する第1の直径D1と、第2の最大弛みS2及び第2の方向に沿った、対応する第2の直径D2と、を有する。
いくつかの実施形態では、第1の最大弛みS1と第1の方向に沿った、対応する第1の直径D1との第1の比S1/D1は、少なくとも0.05、少なくとも0.1、少なくとも0.15、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、又は少なくとも0.7である。いくつかの実施形態では、第1の比は、1未満、0.9未満、又は0.8未満である。いくつかの実施形態では、第2の最大弛みS2と第2の方向に沿った、対応する第2の直径D2との第2の比S2/D2は、少なくとも0.05、少なくとも0.1、少なくとも0.15、少なくとも0.2、少なくとも0.3、又は少なくとも0.4である。いくつかの実施形態では、第2の比は、0.8未満、0.7未満、0.6未満、又は0.5未満である。いくつかの実施形態では、第2の比は、第1の比よりも小さい。いくつかの実施形態では、第1の比は、第2の比よりも実質的に大きい(例えば、1.5倍又は2倍大きい)。いくつかの実施形態では、第2の比は、第1の比とほぼ等しい。
図10A~図10Cは、光学フィルム3000の概略斜視図である。基準平面3100は、光学フィルム3000が基準平面3100内に最大投影面積3110を有し、光学フィルム3000と基準平面3100が交差せず、光学フィルム3000の総面積の少なくとも大部分(例えば、少なくとも60%、少なくとも80%、又は全体)が基準平面3100に向かって凹状となるように定義される。光学フィルム3000は、基準平面3100から最も遠い光学フィルム3000上の点である頂点1015を有する。基準平面3100への頂点1015の投影点1075が、示されている。基準平面3100における第1の方向3150及び第2の方向3167が、示されている。第1の方向3150及び第2の方向3167はそれぞれ、基準平面3100内にあり、基準平面3100への頂点1015の投影点1075を通過する。接平面における頂点1015での第1の方向1016及び第2の方向1017も、示されている。第1の方向1016は、第1の方向3150と平行であり得、第2の方向1017は、第2の方向3167と平行であり得る。典型的に、光学フィルム3000の特性は、基準平面における第1及び第2の方向と、接平面における第1及び第2の方向とについて、同等に規定することができる。
一般に、光学フィルム3000が、直交する第1及び第2の方向に沿って規定の変化を有するときに、第1の方向3150及び第2の方向3167は、光学フィルム3000が規定の変化を有する任意の直交する方向とすることができる。場合によっては、光学フィルム3000の特性に関して、第1の方向3150及び第2の方向3167を具体的に定義することが好都合である。第1の方向3150及び第2の方向3167の少なくとも2つの有用な定義がある。
いくつかの実施形態では、光学フィルム3000の特性(例えば、本明細書の他の箇所で更に説明した第1及び第2の弛みと直径との比)は、第1の方向3150及び第2の方向3167に対して規定され、第2の方向3167は、基準平面3100への頂点の投影点1075を通る、投影領域3110の互いに反対の側3201と3202の間の最小距離に沿っており、第1の方向3150は、頂点1015の投影点1075を通る、基準平面3100の直交する方向に沿っている。
いくつかの実施形態では、光学フィルム3000は反射偏光子である。いくつかの実施形態では、反射偏光子の特性(例えば、本明細書の他の箇所で更に説明した第1及び第2の弛みと直径との比)は、第1の方向1016及び第2の方向1017に対して規定され、第1の方向1016は、頂点1015で反射偏光子の遮蔽軸に沿っており、第2の方向1017は、頂点1015で反射偏光子の通過軸に沿っている。
光学フィルムが平面と交差せず、かつ光学フィルムの総面積の少なくとも大部分が平面に向かって凹状である、という条件を満たす、基準平面3100と平行な平面は、第1の方向と第2の方向との等価な定義をもたらす。同じ最大投影面積を有し、これらの条件を満たす非平行な平面が2つ以上ある場合、第1及び第2の方向は、規定の変化(例えば、弛み比)が保持され、最大投影面積を有する平面のうちの1つと平行な平面にある、直交する方向であってもよい。これらの平面のうちの1つが、その平面に対して定義されたような第1及び第2の方向のそれぞれに沿って、最大投影面積を有する他の平面よりもフィルムの中心に近接した頂点をもたらす場合、その平面は、第1及び第2の方向を定義するために使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、光学フィルムの特性は、第1及び第2の曲線に関して、又は第1及び第2の曲線に沿って規定される。第1の曲線は、第2の方向及び基準平面と直交する第1の平面と光学フィルムとの交線として与えられてもよい。第1の平面は、第1の方向を含んでもよく、光学フィルムの頂点を含んでもよい。同様に、第2の曲線は、第1の方向及び基準平面と直交する第2の平面と光学フィルムとの交線であってもよい。第2の平面は、第2の方向を含んでもよく、光学フィルムの頂点を含んでもよい。ここで、第1及び第2の方向は、第1の方向3150及び第2の方向3167に対応してもよく、又は第1の方向1016及び第2の方向1017に対応してもよい。
図10Bは、第2の方向3167及び基準平面3100と直交する第1の平面3001を示す。図示の実施形態では、第1の平面3001は、第1の方向3150及び頂点1015を含む。光学フィルム3000と第1の平面3001との交線である第1の曲線3010が示されている。
図10Cは、第1の方向3150及び基準平面3100と直交する第2の平面3002を示す。図示の実施形態では、第2の平面3002は、第2の方向3167及び頂点1015を含む。光学フィルム3000と第2の平面3002との交線である第2の曲線3020が示されている。いくつかの実施形態では、第1の平面3001と第2の平面3002との交線は、第1の曲線3010と第2の曲線3020との交点で光学フィルム3000と垂直な線3888を規定する。
場合によっては、ガウス曲率及び/又は全曲率に関して、光学フィルムの形状を特徴付けることが有用である。ガウス曲率は、主曲率の積である。例えば、光学フィルム3000の頂点1015での主曲率が第1の平面3001及び第2の平面3002に生じる場合、頂点でのガウス曲率は、頂点1015での第1の曲線3010の曲率と第2の曲線3020の曲率との積として表すことができる。加えて、第1の曲線3010及び第2の曲線3020が頂点1015で曲率半径r1及びr2を有する場合、頂点でのガウス曲率は、1/(r1*r2)として表すことができる。いくつかの実施形態では、光学フィルムの総面積の少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%にわたる各位置が、少なくとも0.0001cm-2、少なくとも0.001cm-2、又は少なくとも0.005cm-2のガウス曲率を有する。いくつかの実施形態では、光学フィルムの総面積の少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%にわたる各位置が、100cm-2以下、1cm-2以下、又は0.2cm-2以下のガウス曲率を有する。光学フィルムの曲率は、光学フィルムの総面積にわたる光学フィルムのガウス曲率の面積分である全曲率に関して特徴付けることもできる。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、少なくとも0.25、少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、又は少なくとも3の全曲率を有する。いくつかの実施形態では、全曲率は、10以下、9以下、又は8以下である。
図11Aは、第1の曲線1110及び最も適合する第1の円弧1120の概略図である。第1の曲線1110は、例えば、第1の曲線3010に対応してもよい。最も適合する第1の円弧1120は、第1の円弧1120の曲率中心1177での角度α1を限定する。角度α1は、第1の曲線1110によって決定され、これは、より長い円弧とより短い円弧の両方が、第1の曲線1110に余り適合しないためである。第1の円弧1120は、最も適合する第1の円弧1120上の任意の点(例えば、第1の端点1120a)から曲率中心1177までの距離である半径R1を有する。いくつかの実施形態では、最も適合する第1の円弧1120は、第1の円弧1120から第1の曲線1110上の点までの法線ベクトルに沿った距離(例えば、ベクトル640a~640dに沿った距離)の二乗和を最小化する円弧である。いくつかの実施形態では、第1の曲線1110の第1の端点1110aが、第1の円弧1120の第1の端点1120aでの第1の円弧1120に対する第1の法線ベクトル640aに沿っており、第1の曲線1110の反対側の第2の端点1110bが、第1の円弧1120の反対側の第2の端点1120bでの第1の円弧1120に対する第2の法線640dに沿っている。いくつかの実施形態では、最も適合する最小化に用いる第1の曲線1110上の点は、第1の曲線1110にわたって均一に分布した点の所定の集合から選択される。いくつかの実施形態では、最小化に用いる第1の円弧1120上の点は、第1の円弧1120にわたって均一に分布した点の所定の集合から選択される。いくつかの実施形態では、点の所定の集合は、10~500個の点の集合である。
図11Bは、第2の曲線1112及び最も適合する第2の円弧1122の概略図である。第2の曲線1112は、例えば、第2の曲線3020に対応してもよい。最も適合する円弧は、第2の円弧1122の曲率中心1178での角度α2を限定する。角度α2は、第2の曲線1112によって決定され、これは、より長い円弧とより短い円弧の両方が、第2の曲線1112に余り適合しないためである。第2の円弧1122は、最も適合する第2の円弧1122上の任意の点から曲率中心1178までの距離である半径R2を有する。最適合性は、第1の曲線1110について説明したように決定することができる。いくつかの実施形態では、最も適合する第2の円弧1122は、第2の円弧1122から第2の曲線1112上の点までの法線ベクトルに沿った距離(例えば、ベクトル641に沿った距離)の二乗和を最小化する円弧である。いくつかの実施形態では、第2の曲線1112の第1の端点が、第2の円弧1122の第1の端点での第2の円弧1122に対する第1の法線ベクトルに沿っており、第2の曲線1112の反対側の第2の端点が、第2の円弧1122の反対側の第2の端点での第2の円弧1122に対する第2の法線に沿っている。いくつかの実施形態では、最も適合する最小化に用いる第2の曲線1112上の点は、第2の曲線1112にわたって均一に分布した点の所定の集合から選択される。いくつかの実施形態では、最小化に用いる第2の円弧1122上の点は、第2の円弧1122にわたって均一に分布した点の所定の集合から選択される。いくつかの実施形態では、点の所定の集合は、10~500個の点の集合である。
図11Aは、光学フィルムの中心1115、並びに第1の曲線1110上の第1の位置1130及び第2の位置1131を示す。中心1115は、第1の曲線1110と第2の曲線1112が交差する箇所であってもよく、本明細書の他の箇所で更に説明したような光学フィルムの頂点であってもよい。第2の位置1131は、第1の位置1130から第1の曲線に沿って少なくとも0.6R1、少なくとも0.7R1、少なくとも0.8R1、少なくともR1、又は少なくとも1.2R1の距離だけ隔てられる。光学フィルムの中心1115から第1の位置1130までの第1の曲線に沿った距離は、0.2R1以下、又は0.1R1以下である。第2の位置1131から光学フィルムの縁(端点1110b)までの第1の曲線1110に沿った距離は、0.2R1以下、又は0.1R1以下である。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、第1の位置1130での第1の厚さ、及び第2の位置1131での第2の厚さを有し、第1の厚さと第2の厚さは、5%以下、3%以下、又は2%以下だけ異なる。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、第1の位置1130での第1の長波長バンド端、及び第2の位置1131での第2の長波長バンド端を有し、第1の長波長バンド端と第2の長波長バンド端は、5%以下、3%以下、又は2%以下だけ異なる。
図11Cは、第1の曲線1110に沿った、可能な1つの厚さプロファイルの概略プロットである。図11Gは、第1の曲線1110に沿った可能な1つの長波長バンド端プロファイルの対応する概略プロットである。長波長バンド端は、厚さに相応するか又はほぼ相応してもよく、同じか又は同様の形状プロファイルを有してもよい。厚さ(及び/又は長波長バンド端)は、中心1115での局所的な極値(図示の実施形態に示すような局所的な最大値又は局所的な最小値)であってもよい。第1の位置1130での厚さ(及び/又は長波長バンド端)は、第2の位置1131での厚さ(及び/又は長波長バンド端)にほぼ等しくてもよい。厚さ(及び/又は長波長バンド端)は、第1の位置1130から第2の位置1131まで非単調に変化してもよい。図11Dは、第1の曲線1110に沿った可能な別の厚さ変化を概略的に示し、図11Gは、第1の曲線1110に沿った対応する可能な長波長バンド端変化を概略的に示す。この場合、厚さ(及び/又は長波長バンド端)は、中心1115から端点1110a及び1110bまで第1の曲線1110に沿って非単調に減少する。図11Eは、第2の曲線1112に沿った、可能な厚さ変化を示し、図11Hは、第2の曲線1112に沿った、対応する可能な長波長変化を示す。この場合、厚さ(及び/又は長波長バンド端)は、中心1115から端点まで第2の曲線1112に沿って単調に増加する。厚さ(及び/又は長波長バンド端)分布は、光学フィルムの形成に際して、第1の方向に沿って適切な張力を掛けることによって決定することができる。分布は、光学フィルムの中心から非単調又は単調であってもよい(例えば、図15A~図15Dを参照)。場合によっては、厚さ(及び/又は長波長バンド端)を少なくとも一方向で非単調に変化させることができる場合、厚さ全体のより小さな変化(及び/又は長波長バンド端全体のより小さな変化)を実現できることが見出されている。いくつかの実施形態では、光学フィルムの最大の厚さ変化((最大厚さ-最小厚さ)/最大厚さ)は、12%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、又は4%未満である。いくつかの実施形態では、光学フィルムの最大の長波長バンド端変化は、12%未満、10%未満、8%未満、6%未満、5%未満、又は4%未満である。
本説明の方法によって実現できる最大角度α1及びα2は、従来の熱成形法で実現できるよりも大きい。例えば、いくつかの実施形態では、α1は、180度超、185度超、190度超、195度超、又は200度超である。そのような大きな角度は、例えば、ヘッドマウントディスプレイの用途に有用であり得る。いくつかの実施形態では、α1は、180度以下である。いくつかの実施形態では、α1は、少なくとも90度、少なくとも100度、少なくとも110度、少なくとも120度、少なくとも130度、少なくとも140度、少なくとも150度、少なくとも160度、少なくとも170度、又は少なくとも180度である。いくつかの実施形態では、α2は、少なくとも30度、少なくとも40度、少なくとも50度、少なくとも60度、少なくとも70度、少なくとも80度、少なくとも90度、少なくとも100度、少なくとも110度、又は少なくとも120度である。いくつかの実施形態では、α1は、350度以下、320度以下、300度以下、又は280度以下である。いくつかの実施形態では、α2は、220度以下、200度以下、180度以下、160度以下、又は140度以下である。いくつかの実施形態では、α1は、α2以上である。
図12は、180度よりも大きな限定された角度(例えば、α1及び任意選択的にα2)に光学フィルムを成形するために使用できるモールド1250の概略側面図である。モールド1250は、図示の実施形態では、球体面の半分よりも大きな湾曲したモールド面1255を含む。モールド1250は、モールドアクチュエータに取り付けるための部分1256を含む。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、モールド1250を用いて成形され、光学フィルムは、成形後にモールド1250から取り外せるように、十分に可撓性であり伸張可能である。
図13は、第1の曲線1310を含む平面内の光学フィルム1300の概略断面図である。図示の実施形態では、第1の曲線1310は、180度よりも大きな角度αを限定する円弧である。他の実施形態では、第1の曲線1310は、円形でなくてもよいが、180度よりも大きな角度αを限定する最も適合する円弧を規定してもよい。場合によっては、角度αは、360度(例えば、約350度)に近づくことができる。直交方向における第2の曲線に沿った円弧角は、角度α以下であってもよい。
図14は、光学フィルム1400の概略前面図である。第1の曲線1410及び第2の曲線1420が示されている。第1の曲線1410と第2の曲線1420は、中心位置1430で交差する。本明細書で使用するとき、中心位置とは、光学フィルムの中心からと比べて光学フィルムの最も近い縁から少なくとも2倍離れた位置であり、縁位置とは、光学フィルムの最も近い縁からと比べて光学フィルムの中心から少なくとも2倍離れた位置である。中心は、本明細書の他の箇所で更に説明したように、頂点(基準平面から最も遠い点)であると理解することができる。いくつかの実施形態では、第1の曲線1410と第2の曲線1420は、頂点1415で互いに交差する。
いくつかの実施形態では、第1の曲線1410及び第2の曲線1420は、光学フィルム1400が最大投影面積を有する基準平面(例えば、x-y平面)と直交し、かつ互いに直交する第1及び第2の平面のそれぞれと、光学フィルム1400との交線によって規定される。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、第2の平面に関して実質的に鏡映対称である、第1の曲線1410に沿った第1の厚さ分布と、第1の平面に関して実質的に鏡映対称である、第2の曲線1420に沿った第2の厚さ分布と、を有し、第1の厚さ分布と第2の厚さ分布は異なる。例えば、第1の厚さ分布は、図15Aに示すようであってもよく、第2の厚さ分布は、図15Bに示すようであってもよい。曲線に沿った厚さ分布は、曲線の長さの少なくとも70%にわたる各点での厚さが、鏡映された点での対応する厚さから20%以下だけ異なる場合に、平面に関して実質的に鏡映対称であるとして説明され得る。いくつかの実施形態では、曲線の長さの少なくとも80%にわたる各点での厚さが、鏡映された点での対応する厚さから15%以下だけ異なる。いくつかの実施形態では、曲線の長さの少なくとも90%にわたる各点での厚さが、鏡映された点での対応する厚さから10%以下だけ異なる。
いくつかの実施形態では、光学フィルムは、第2の平面に関して実質的に鏡映対称である、第1の曲線1410に沿った第1の長波長バンド端分布と、第1の平面に関して実質的に鏡映対称である、第2の曲線1420に沿った第2の長波長バンド端分布と、を有し、第1の長波長バンド端分布と第2の長波長バンド端分布は異なる。例えば、第1の長波長バンド端分布は、図15Cに示すようであってもよく、第2の長波長バンド端分布は、図15Dに示すようであってもよい。曲線に沿った長波長バンド端分布は、曲線の長さの少なくとも70%にわたる各点での長波長バンド端が、鏡映された点での対応する長波長バンド端から20%以下だけ異なる場合に、平面に関して実質的に鏡映対称であるとして説明され得る。いくつかの実施形態では、曲線の長さの少なくとも80%にわたる各点での長波長バンド端は、鏡映された点での対応する長波長バンド端から15%以下だけ異なる。いくつかの実施形態では、曲線の長さの少なくとも90%にわたる各点での長波長バンド端は、鏡映された点での対応する長波長バンド端から10%以下だけ異なる。
いくつかの実施形態では、光学フィルム1400は、中心位置1430から光学フィルム1400の第1の縁位置1431まで第1の曲線1410に沿って減少し、中心位置1430から第2の縁位置1432まで第2の曲線に沿って増加する、厚さを有する。いくつかの実施形態では、厚さは、中心位置1430から第1の縁位置1431まで第1の曲線1410に沿って非単調に減少する。いくつかの実施形態では、厚さは、中心位置1430から第1の縁位置1430まで第1の曲線1410に沿って実質的に単調に減少する。いくつかの実施形態では、厚さは、中心位置1430から第2の縁位置1432まで第2の曲線1420に沿って非単調に増加する。いくつかの実施形態では、厚さは、中心位置1430から第2の縁位置1432まで第2の曲線1420に沿って実質的に単調に増加する。いくつかの実施形態では、厚さは、中心位置1430から第1の縁位置1431とは反対側の第3の縁位置1433まで第1の曲線1410に沿って(例えば、非単調又は実質的に単調に)減少する。いくつかの実施形態では、厚さは、中心位置1430から第2の縁位置1432とは反対側の第4の縁位置1434まで第2の曲線1420に沿って(例えば、非単調又は実質的に単調に)増加する。いくつかの実施形態では、中心位置1430での厚さは、第1の縁位置1431での厚さよりも少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、又は少なくとも5%大きい。いくつかの実施形態では、中心位置1430での厚さは、第3の縁位置1433での厚さよりも少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、又は少なくとも5%大きい。いくつかの実施形態では、第2の縁位置1432での厚さは、中心位置1430での厚さよりも少なくとも1%、2%、若しくは3%、少なくとも4%、又は少なくとも5%大きい。いくつかの実施形態では、第4の縁位置1434での厚さは、中心位置1430での厚さよりも少なくとも1%、2%、若しくは3%、少なくとも4%、又は少なくとも5%大きい。
図15A及び図15Bは、それぞれの第1及び第2の曲線に沿った第1の厚さ分布333及び第2の厚さ分布335の概略図である。図15C及び図15Dは、それぞれの第1及び第2の曲線に沿った第1の長波長バンド端分布334及び第2の長波長バンド端分布336の概略図である。第1及び第2の曲線は、本明細書の他の箇所で更に説明したように、光学フィルムと第1及び第2の平面との交線によって規定されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の厚さ分布333は、第2の平面に関して実質的に鏡映対称であり、第2の厚さ分布335は、第1の平面に関して実質的に鏡映対称である。第1の厚さ分布333と第2の厚さ分布335は異なる。第1の厚さ分布333は、中心位置から互いに反対側の各縁位置まで第1の曲線に沿って減少する厚さを有する。第2の厚さ分布335は、中心位置から互いに反対側の各縁位置まで第2の曲線に沿って増加する厚さを有する。図示の実施形態では、厚さは、中心位置から互いに反対側の各縁位置まで第1の曲線に沿って単調に減少し、中心位置から互いに反対側の各縁位置まで第2の曲線に沿って単調に増加する。他の実施形態では、厚さ変化は、第1及び第2の曲線のいずれかに沿って非単調であってもよい。
いくつかの実施形態では、第1の長波長バンド端分布334は、第2の平面に関して実質的に鏡映対称であり、第2の長波長バンド端分布336は、第1の平面に関して実質的に鏡映対称である。第1の長波長バンド端分布334と第2の長波長バンド端分布336は異なる。第1の長波長バンド端分布334は、中心位置から互いに反対側の各縁位置まで第1の曲線に沿って減少する長波長バンド端を有する。第2の長波長バンド端分布336は、中心位置から互いに反対側の各縁位置まで第2の曲線に沿って増加する長波長バンド端を有する。図示の実施形態では、長波長バンド端は、第1の曲線に沿って単調に減少し、中心位置から互いに反対側の各縁位置まで第2の曲線に沿って単調に増加する。他の実施形態では、長波長バンド端変化は、第1及び第2の曲線のいずれかに沿って非単調であってもよい。第1の長波長バンド端分布334及び第2の長波長バンド端分布336はそれぞれ、第1の厚さ分布333及び第2の厚さ分布335に相応してもよい。
光学フィルムの厚さ又は長波長バンド端などの量は、範囲内の任意のより大きな中間点での量が、範囲内の任意のより小さな中間点での量よりも小さいか又はこれにほぼ等しい場合に、範囲の第1の端点(例えば、光学フィルムの中心位置)から範囲の第2の端点(例えば、光学フィルムの端部位置)までの範囲にわたって実質的に単調に減少するといえる。同様に、量は、範囲内の任意のより大きな中間点での量が、範囲内の任意のより小さな中間点での量よりも大きいか又はこれにほぼ等しい場合に、範囲の第1の端点から範囲の第2の端点までの範囲にわたって実質的に単調に増加するといえる。範囲にわたる位置によって変化する量(例えば、中心位置から縁位置までの位置範囲にわたる厚さ又は長波長バンド端)の場合、ある点での量は、点での量が値に等しい場合、又は点での量が、範囲にわたる量の最大値から最小値を引いた値のプラスマイナス5%の範囲内である場合に、値(例えば、別の点での量)にほぼ等しいといってもよい。
光学フィルムを概ねドーム形の形状に熱成形する他の方法は、フィルムの中心で大きく、全ての方向の縁に向かって減少するか、又は中心付近で小さく、全ての方向の縁に向かって増加するかのいずれかである厚さ(又は長波長バンド端)をもたらす。図22A及び図22Bは、加圧プロセス及び予冷プロセスにおいて、それぞれ120度及び180度の角度を限定する球面キャップに形成された光学フィルムの厚さ分布をプロットする。これらのプロットの角度θは、フィルムの中心に対する角度位置である。フィルムの縁は、図22A及び図22Bでそれぞれ60度及び90度のθを有する。厚さは、これらの場合、フィルムの頂点を通る光軸に関して回転対称である。これらの厚さプロファイルの決定に際して、光学フィルムは、等方性及び非圧縮性であると想定され、周方向の伸張は、予冷プロセスで一定であると想定され、径方向の伸張は、加圧プロセスで一定であると想定された。曲線は、径方向の伸長ではなく周方向の伸張が実質的に一定となるようにフィルムを伸張させる予冷熱成形プロセス、及び周方向の伸長ではなく径方向の伸張が実質的に一定となるようにフィルムを伸張させる加圧プロセスについて予想される凡その厚さプロファイルを示す。ここでの伸張は、1プラス歪みを指し、歪みが一定であるときに伸張が一定となる。予冷プロセスは、「SHAPED OPTICAL FILMS AND METHODS OF SHAPING OPTICAL FILMS」と題する2017年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/577474号に記載されるように、(MAAC Machinery Corporation(Carol Stream,IL)から入手できる)MAAC真空熱成形機上で実施することができ、加圧プロセスは、米国仮特許出願第62/577474号に記載されるように、(Hy-Tech Forming Systems(USA),Inc.(Phoenix,AZ)から入手できる)Hy-Tech形成機上で実施することができる。厚さは、予冷プロセスにわたって180度に限定された角度を有するフィルムの縁でゼロまで減少するということは、予冷プロセスにおいてこれほど大きな限定された角度でフィルムを形成しようと試みることが、フィルムの局所的な降伏をもたらすことを示す。本説明の方法は、フィルムが大きな限定された角度に成形されるときに、厚さ全体の実質的により小さな変化(及び/又は長波長バンド端全体の実質的により小さな変化)を得ることを可能にする、並びに/あるいは、異なる方向で厚さを異なるように変化させること、及び/又は、実質的に単調であってもなくてもよい所望の厚さ分布を有するように厚さを制御することを可能にする。
本説明の光学フィルムは、例えば、ミラーフィルム又は反射偏光子であってもよい。いくつかの実施形態では、成形された光学フィルムの総面積の少なくとも80%若しくは85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率を有する。偏光状態は、垂直入射光に関して光学フィルムに接する軸線を規定する電界ベクトルの方向によって特徴付けることができる。光学フィルム上の異なる2つの位置での垂直入射光の電界に沿って光学フィルムに接する軸線が、(それぞれの第1及び第2の位置でいずれの平面も光学フィルムに接しないように)それぞれが曲線に沿って光学フィルムと交差する平行な平面内にある場合に、偏光状態は、同じであるとみなすことができる。光学フィルム上の異なる2つの位置での垂直入射光の電界と垂直であり、光学フィルムに接する軸線が、それぞれが曲線に沿って光学フィルムと交差する平行な平面内にある場合に、偏光状態はまた、同じであるとみなすことができる。例えば、図14を再び参照すると、第1の偏光状態は、垂直入射光の電界が、中心位置1430での第1の曲線1410を規定する、第1の平面(例えば、第1の平面3001に対応し得る、x-z平面と平行な平面)内の軸線1437に沿う、中心位置1430での状態であってもよい。異なる位置での垂直入射光の偏光状態は、光学フィルムに接するとともに、異なる位置での垂直入射光の電界に沿う軸線が、第1の平面と平行な平面内にある場合、同じ第1の偏光状態である。例えば、位置1441での垂直入射光は、位置1441に入射するときに、軸線1443に沿った電界を有してもよく、この軸線は、第1の平面と平行な平面1453内にある。垂直入射光に関する同じ第2の偏光状態は、第1の偏光状態と直交する偏光状態として、各位置で定義することができる。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、ミラーフィルムであり、第1の偏光状態と第2の偏光状態についてほぼ同じ反射率を有する。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、第2の偏光状態よりも第1の偏光状態に関して実質的に高い反射率を有する反射偏光子である。
いくつかの実施形態では、光学フィルム1400は反射偏光子である。いくつかの実施形態では、反射偏光子上の各位置が、遮蔽軸に沿って偏光された垂直入射光に関する最大反射率及び対応する最小透過率を有し、直交する通過軸に沿って偏光された垂直入射光に関する最大透過率を有する。例えば、位置1455での軸線1455b及び1455pがそれぞれ、遮蔽軸及び通過軸であってもよい。垂直入射光は、所定の波長(例えば、約550nm)を有してもよく、又は所定の波長範囲(例えば、450nm~650nm、又は400nm~700nm)内の波長を有してもよい。
図16は、反射偏光子上の垂直入射光に関して反射偏光子の通過状態及び遮蔽状態に関する反射偏光子の透過率の概略プロットである。波長にわたる透過率の平均は、(通過軸に沿って偏光された)通過偏光状態を有する垂直入射光の最大値であり、波長にわたる透過率の平均は、(遮蔽軸に沿って偏光された)遮蔽偏光状態を有する垂直入射光の最小値である。λ1~λ2の所定の波長範囲内の波長にわたる透過率の平均は、遮蔽状態でTbであり、通過状態でTpである。いくつかの実施形態では、λ1は約450nmであり、λ2は約650nmである。いくつかの実施形態では、λ1は約400nmであり、λ2は約700nmである。いくつかの実施形態では、Tpは、約80%よりも高く、約85%よりも高く、又は88%よりも高い。いくつかの実施形態では、Tbは、約10%以下、約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、0.2%以下、0.15%以下、0.1%以下、0.05%以下、0.04%以下、又は0.03%以下である。いくつかの実施形態では、Tp及び/又はTbは、成形された光学フィルムの総面積の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%にわたる成形された光学フィルム上の各位置で、これらの範囲のうちのいずれか内にある。
反射偏光子上の位置でのコントラスト比が、Tp/Tbとして定義され得る。いくつかの実施形態では、反射偏光子の総面積の少なくとも80%の面積を有する、反射偏光子の領域内の各位置が、少なくとも500のコントラスト比を有し、コントラスト比は最大平均透過率(Tp)を最小平均透過率(Tb)で割った値である。いくつかの実施形態では、領域は、総面積の少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の面積を有する。領域は、例えば、縁付近のわずかな部分を除いた、反射偏光子の全体であってもよい。図14は、光学フィルム1400の領域1490を示す。領域1490は、縁に沿ったわずかな部分を除いた、光学フィルム1400の全体である。いくつかの実施形態では、領域は、反射偏光子を含む光学システムで利用される、反射偏光子の部分である。いくつかの実施形態では、領域は反射偏光子の全体である。いくつかの実施形態では、領域内の各位置でのコントラスト比Tp/Tbは、少なくとも1000、少なくとも1100、少なくとも1200、少なくとも1300、少なくとも1500、少なくとも1600、少なくとも1700、少なくとも1800、少なくとも1900、又は少なくとも2000である。いくつかの実施形態では、反射偏光子は、少なくとも2000の最大コントラスト比を有し(すなわち、反射偏光子上の少なくとも1つの位置が、少なくとも2000のコントラスト比を有する)、又は少なくとも2500の最大コントラスト比を有する。
反射偏光子上の位置での別のコントラスト比が、所定の波長での最大透過率を所定の波長での最小透過率で割った値として定義され得る。所定の波長は、λ1~λ2の所定の波長範囲内の波長であってもよい。例えば、所定の波長は、(λ1+λ2)/2であってもよい。いくつかの実施形態では、所定の波長は、約550nmである。所定の波長で定義されるコントラスト比は、所定の波長範囲にわたる平均であるTp及びTbに関して定義されるコントラスト比に関する上記条件のいずれかを満たし得る。例えば、いくつかの実施形態では、反射偏光子の総面積の少なくとも80%にわたる各位置は、少なくとも500のコントラスト比を有し、コントラスト比は所定の波長での垂直入射光に関する最大透過率を所定の波長での垂直入射光に関する最小透過率で割った値である。
いくつかの実施形態では、反射偏光子は、複数の高分子干渉層を含む。反射偏光子のコントラスト比は、所与の領域により多くの干渉層を含めることによって高めることができる。これは、交互する高分子層の単一パケットのより多くの層を所与の厚さ範囲に含めることにより、又は本明細書の他の箇所で更に説明するような重複する厚さ範囲を有する交互する高分子層の2つ以上のパケットを含めることにより、行うことができる。そのような技術は、小さな(例えば、0.2%未満の)Tbを提供するために使用することができる。本説明の方法は、直交する通過軸に沿ってよりも、遮蔽軸に沿って、反射偏光子の実質的により大きな伸張を可能にし、これにより、初期の成形されていない反射偏光子に対して成形された反射偏光子のコントラスト比が増加することが見出されている。いくつかの実施形態では、初期の未成形フィルムは第1のコントラスト比を有し、成形された反射偏光子は第2のコントラスト比を有する。いくつかの実施形態では、反射偏光子の総面積の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は100%にわたる各位置では、第2のコントラスト比は、第1のコントラスト比よりも大きく、第1のコントラスト比よりも1.2倍大きく、第1のコントラスト比よりも1.5倍大きく、又は第1のコントラスト比よりも2倍大きい。
図17は、反射偏光子上の垂直入射光に関した反射偏光子の通過状態及び遮蔽状態に関する反射偏光子の反射率の概略プロットである。波長にわたる反射率の平均は、遮蔽偏光状態を有する垂直入射光の最大値であり、波長にわたる反射率の平均は、通過偏光状態を有する垂直入射光の最小値である。λ1~λ2の所定の波長範囲内の波長にわたる反射率の平均は、通過状態でRpであり、遮蔽状態でRbである。いくつかの実施形態では、Rbは、約75%よりも高く、約80%よりも高く、約85%よりも高く、又は約90%よりも高い。いくつかの実施形態では、Rpは、約20%以下、約15%以下、約10%以下、又は約5%以下である。いくつかの実施形態では、Rp及び/又はRbは、成形された光学フィルムの総面積の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%にわたる、成形された光学フィルム上の各位置で、これらの範囲のうちのいずれか内にある。
図16及び図17は、長波長バンド端λ3を示し、図17は、短波長バンド端λ0を示す。反射バンドは典型的に、反射率が急に低下する長波長バンド端及び短波長バンド端の両方を有する。図示の実施形態では、短波長バンド端λ0はλ1未満であり、長波長バンド端λ3はλ2よりも大きい。バンド端は、入射光に向かって凸状である反射偏光子によって、垂直入射光に関して決定されてもよい。いくつかの実施形態では、光学フィルムが、厚さ変化について本明細書の他の箇所で説明したパターンに相応するパターン内の位置によって変化する長波長バンド端λ3(及び/又は短波長バンド端λ0)を有する。厚さ変化が規定される本説明の任意の光学フィルムでは、光学フィルムは、厚さ変化に相応する変化を有する長波長バンド端を有してもよい。いくつかの実施形態では、光学フィルムが、図11C~図11E又は図15A及び図15Bのいずれかに示した厚さ変化に相応する、位置の関数としての長波長バンド端を有する。
バンド端の正確な波長は、いくつかの異なる基準を使用して定義することができる。バンド端によって示される空間的変化パターンは典型的に、使用される正確な基準に依存しない。バンド端の波長は、例えば、遮蔽偏光状態を有する垂直入射光に関する反射率が1/2Rbまで低下する波長、又は遮蔽偏光状態を有する垂直入射光の透過率が10%まで増加する波長としてもよい。別段に示す場合を除いて、バンド端は、遮蔽偏光状態を有する垂直入射光に関する透過率が10%まで増加する波長を指すものと理解することができる。
反射率及び透過率は、光学フィルムの両面の垂直入射光について決定することができる。典型的には、いずれの測定についても同様の結果が得られる。光学フィルムは、光学フィルムの片面に光が入射する特定の用途に使用するために成形されてもよい。この場合、規定の反射率及び透過率は、この面に入射する光に関する。成形された光学フィルムをいずれの向きでも使用できる場合、規定の反射率及び透過率は、成形された光学フィルムが入射光に向かって凸状になるように、成形された光学フィルムの面に入射する光に関するものと理解することができる。
図18Aは、複数の干渉層1234と非干渉層1233を含む、光学フィルム1200の概略断面図である。いくつかの実施形態では、複数の干渉層は交互する高分子層1236及び1237を含む。図示の実施形態では、単一の非干渉層1233が含まれる。干渉層は、干渉層の反射率及び透過率を光干渉によって適度に説明できるか、又は光干渉から生じるとして適度に正確にモデル化できるときに、主に光干渉によって光を反射又は透過するとして説明され得る。そのような干渉層は、例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)及び米国特許第6,609,795号(Weberら)に記載されている。異なる屈折率を有する干渉層の隣接する対は、対が光の波長の1/2の合計光学的厚さ(屈折率を掛けた物理的厚さ)を有するときに、光干渉によって光を反射する。干渉層は典型的に、約200ナノメートル未満の物理的厚さを有する。非干渉層は、干渉によって可視光の反射に寄与するには大きすぎる光学的厚さを有する。典型的に、非干渉層は、少なくとも1マイクロメートルの物理的厚さを有する。いくつかの実施形態では、2つ以上の非干渉層が含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非干渉層(図示の実施形態では非干渉層1233)が、複数の干渉層1234と一体的に形成され、主に光干渉によって光を反射又は透過しない。
いくつかの実施形態では、干渉層の少なくとも1つが、フィルムを湾曲形状に形成する前に、実質的に一軸配向である。例えば、層1237のそれぞれが、実質的に一軸配向であってもよい。反射偏光子又は反射偏光子内の層が、1つの面内方向で実質的に配向され、直交する面内方向で実質的に配向されず、厚さ方向で実質的に配向されない場合、実質的に一軸配向である。実質的に一軸配向された反射偏光子は、3M Companyから商品名Advanced Polarizing Film又はAPFで入手可能である。他の種類の多層光学フィルム反射偏光子(例えば、3M Companyから入手可能なDual Brightness Enhancement Film又はDBEF)も使用することができる。DBEFフィルムは、直交する面内方向よりも実質的に多く1つの面内方向で配向され、また、厚さ方向での配向も示す。DBEFフィルムは、本明細書で「実質的に一軸配向である」が使用されるようには、実質的に一軸配向でない。
いくつかの実施形態では、湾曲形状に形成する前の反射偏光子は、少なくとも0.7、少なくとも0.8、又は少なくとも0.85の一軸特性度Uを有するという点で実質的に一軸配向であり、ここで、U=(1/MDDR-1)/(TDDR1/2-1)であり、MDDRはマシン方向の伸張比として定義され、TDDRは横方向の伸張比として定義される。そのような実質的に一軸配向の多層光学フィルムは、米国特許出願公開第2010/0254002号(Merrillら)(本説明と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれる)に記載されており、交互する複数の第1の高分子層及び第2の高分子層を含んでもよく、第1の高分子層は、実質的に同じであるが、幅方向(例えば、y方向)の屈折率とは実質的に異なる、長さ方向(例えば、x方向)及び厚さ方向(例えば、z方向)の屈折率を有する。例えば、x方向とz方向との屈折率の差の絶対値は、0.02未満又は0.01未満とすることができ、x方向とy方向との屈折率の差の絶対値は、0.05超又は0.10超とすることができる。屈折率とは、別段の指定のない限り、550nmの波長での屈折率を指す。湾曲形状に形成した後、反射偏光子は、少なくとも1つの位置で実質的に一軸配向である少なくとも1つの層を有してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの位置で、層の厚さに沿った第1の方向における第1の屈折率、第1の方向と直交する第2の方向における第2の屈折率、並びに第1及び第2の方向と直交する第3の方向における第3の屈折率を有し、第1の屈折率と第3の屈折率との差の絶対値が、約0.02未満又は約0.01未満であり、第2の屈折率と第3の屈折率との差の絶対値が、約0.05超又は約0.10超である。いくつかの実施形態では、湾曲形状に形成された後、反射偏光子が、複数の位置で実質的に一軸配向である少なくとも1つの層を有する。
いくつかの実施形態では、光学フィルムは、高コントラストをもたらすために、交互する高分子干渉層の2つ以上のパケットを含む。そのような光学フィルムは、2017年3月6日出願の米国仮特許出願第62/467712(Haagら)に更に記載されており、同文献は、本説明と矛盾しない範囲で、参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、反射偏光子であり、複数のパケットを含み、各パケットは、実質的に連続した曲線である、層数に対する層厚を有する。図18Bは、非干渉層1326bによって隔てられた干渉層の第1のパケット1224-1及び第2のパケット1224-2を含む光学フィルム1322の概略断面図である。光学フィルム1322は、外側非干渉層1326a及び1326cを更に含む。第1のパケット1224-1及び第2のパケット1224-2は、例えば、重複する厚さ範囲を利用して、高いコントラスト比(通過状態の透過率と遮蔽状態の透過率との比)又は低い漏れを有するミラーを有する反射偏光子を提供してもよい。図19は、2つのパケット(パケット1及びパケット2)を含む光学フィルム(例えば、反射偏光子)について層数に対する層厚を示す。いくつかの実施形態では、厚さプロファイルは、実質的に重複する(例えば、パケット1の厚さ範囲の50パーセント超が、パケット2の厚さ範囲の50パーセント超に重複する)。他の実施形態では、厚さ範囲はほとんど又は全く重複しない。
いくつかの実施形態では、光学フィルムは、可視光ミラー又は近赤外ミラーなどのミラーフィルムである。好適なミラーフィルムとしては、3M Company(St.Paul,MN)から入手できるEnhanced Specular Reflector(ESR)フィルムが挙げられる。
光学フィルム1200及び/又は光学フィルム1322は、一体的に形成されてもよい。本明細書で使用するとき、第2の要素と「一体的に形成された」第1の要素は、第1の要素と第2の要素が、別個に製造された後に接合されるのではなく、一緒に製造されることを意味する。一体的に形成されるとは、第1の要素を製造し、続いて第1の要素上に第2の要素を製造することを含む。複数の層を含む光学フィルムは、層が別個に製造された後に接合されるのではなく、一緒に製造される(例えば、溶融物の流れとして組み合わされ、次いで各層を有するキャストフィルムを形成するために冷却ロール上に放たれ、次いでキャストフィルムを配向させる)場合には、一体的に形成される。いくつかの実施形態では、非干渉層1326a及び1326cは、干渉層の第1のパケット1224-1及び第2のパケット1224-2並びに非干渉層1326bと一体的に形成される。
追加層が一体的に形成された多層光学フィルムと一体でないことは、追加層が多層光学フィルムと一体的に形成されていないことを意味する。例えば、追加層は、別個に形成された後に、続いて多層光学フィルムに付着されてもよい(例えば、光学的に透明な接着剤を用いて積層されてもよい)。いくつかの実施形態では、追加層は、光学フィルムに剥離可能に取り付けられるライナーである。いくつかの実施形態では、2つのライナーが含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、非干渉層1326a及び1326cは、第1のパケット1224-1及び第2のパケット1224-2に剥離可能に接着されて適合する剥離ライナーであってもよい。この場合、光学フィルム1322を光学積層体と呼ぶ場合があり、非干渉層1326aと非干渉層1326cとの間の層を光学フィルムと呼ぶ場合がある。いくつかの実施形態では、剥離ライナーは、光学フィルムの成形前に取り外される。いくつかの実施形態では、剥離ライナーは、得られる成形された光学積層体が、光学フィルムに剥離可能に接着されて適合するライナーを有するように、光学フィルムとともに成形される。
光学フィルムに接着されるが、光学フィルムを実質的に損傷させることなく光学フィルムからきれいに取り外せるライナーは、光学フィルムに剥離可能に接着されているとして説明され得、剥離ライナーとして説明され得る。いくつかの実施形態では、光学フィルムに剥離可能に接着されたライナーを、光学フィルムに目視可能な損傷を伴わずに光学フィルムから取り外すことができる。剥離可能に接着されたライナーが、基材に強く接着するが光学フィルムに弱く接着する接着剤層を有する基材を含んでもよい。例えば、ライナーが、接着剤との接着を増大させるために表面処理された基材に適用された低粘着性接着剤の薄層を含んでもよい。他の好適なライナーとしては、例えば、米国特許第6,991,695号(Taitら)に記載されるように、光学フィルムに静電接着するものが挙げられる。好適なライナーの一例は、Sun A Kaken Co,Ltdから入手できるOCPET NSA33Tである。
光学フィルム1200又は1322内の高屈折率干渉層に適した材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PENとポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は二安息香酸)を含有するコポリマー、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。光学フィルム1200又は1322内の低屈折率干渉層に適した材料としては、例えば、PENをベースとするコポリエステル、PETをベースとするコポリエステル、ポリカーボネート(PC)、又はこれら3種類の材料のブレンドが挙げられる。所望の数の層によって高反射性を実現するために、隣接するミクロ層は、遮蔽軸に沿って偏光された光に関して、例えば、少なくとも0.2の屈折率差を示すことができる。
いくつかの実施形態では、光学フィルム1200又は1322は、直交する2つの偏光状態のそれぞれに関して、所定の波長範囲内の垂直入射光を実質的に反射するミラーフィルムである。いくつかの実施形態では、光学フィルム1200又は1322は、遮蔽軸に沿って偏光された所定の波長範囲内の垂直入射光を実質的に反射し、直交する通過軸に沿って偏光された所定の波長範囲内の垂直入射光を実質的に反射する、反射偏光子である。
いくつかの実施形態では、プロセスによって得られる成形された光学フィルムは、光学レンズに接着される。これは、光学フィルムを成形する方法のステップとして行うことができる。図20Aは、モールド1850の湾曲したモールド面に少なくとも部分的に適合するように伸張及び成形された光学フィルム1800の一部分の概略断面図である。光学レンズ1890が、光学フィルム1800に隣接してモールド1850とは反対側に配置される。いくつかの実施形態では、光学レンズ1890は、レンズマウント(例えば、レンズマウント1693)に配置される。いくつかの実施形態では、光学レンズ1890の湾曲した主表面1892に接着剤が適用される。いくつかの実施形態では、レンズマウントとモールド1850は、光学レンズ1890上の接着剤が光学フィルム1800に接触して、光学フィルム1800を光学レンズ1890に接着するまで、互いに向かって移動することができる。接着剤は、光学レンズ1890の湾曲した主表面1892に均一に適用することができ、又は接着剤は、湾曲した主表面1892の中心付近に液滴として適用し、次いで、光学レンズ1890とモールドが互いに接近したときに流動して、湾曲した主表面1892を濡らす接着剤層となることができる。続いて、レンズアセンブリ1842を形成するために、モールド1850と、光学フィルム1800の余分な部分とが取り外される。図20Bは、光学レンズ1890と、接着剤層1844と、接着剤層1844によって光学レンズ1890に接着された光学フィルム1800と、を含むレンズアセンブリ1842の概略断面図である。光学フィルム1800は、光学レンズ1890の湾曲した主表面1892に適合する。
いくつかの実施形態では、光学レンズが、湾曲したモールド面を備える。図21Aは、光学フィルム1900を形成する際のモールドとして使用できる光学レンズ1990を保持するように構成されたレンズマウント1950の概略図である。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で説明する光学フィルムを成形する方法に使用されるモールド(例えば、モールド250)は、レンズマウント1950及び光学レンズ1990と置き換えられる。図21Aは、光学レンズ1990の湾曲した主表面1992に少なくとも部分的に適合するように伸張及び成形された光学フィルム1900の一部分を示す。光学フィルム1900を成形して光学フィルム1900を湾曲した主表面に接着する前に、湾曲した主表面1992に接着剤を適用することができる。図21Bは、光学レンズ1990と、光学レンズ1990の湾曲した主表面1992に接着されて適合する光学フィルム1900と、を含むレンズアセンブリ1942の概略断面図である。レンズアセンブリ1942は、レンズマウント1950と、光学フィルム1900の余分な部分とを取り外すことによって得ることができる。
「実質的に(substantially)」及び「約、ほぼ(about)」などの用語は、それらが本発明の記載に使用され記載されている文脈において、当業者によって理解されるだろう。特徴部の形状、量、及び物理的性質を表す量に適用される「約」の使用が、本発明の記載に使用され記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「約」は、特定の値の10パーセント以内を意味すると理解されるだろう。特定の値の約として与えられる量は、正確に特定の値であり得る。例えば、本発明の記載に使用され記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、約1の値を有する量は、0.9~1.1の値を有する量かつその値が1であり得ることを意味する。
以下は、本明細書の例示的な実施形態の列挙である。
実施形態1は、光学フィルムを成形する方法であって、
光学フィルムの第1の部分が第1のローラに接触し、光学フィルムの第2の部分が第2のローラに接触するように、光学フィルムを第1及び第2のローラに隣接して配置するステップであって、第1のローラと第2のローラが、第1の方向に沿って離間しており、光学フィルムの第1の部分が、第1の方向と直交する第2の方向に沿った第1の幅を有する、配置するステップと、
光学フィルムの互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部を固定するステップであって、第1の端部と第2の端部が、第1の方向に沿って離間しており、第1及び第2の部分が、第1の端部と第2の端部との間に配置される、固定するステップと、
湾曲したモールド面を用意するステップと、
光学フィルムを第1の方向に沿って伸張させながら、光学フィルムを湾曲したモールド面と接触させることにより、光学フィルムを成形するステップと、を含み、
成形するステップは、最も近接する第1の点と第2の点との間の閾値距離をほぼ第1の幅未満に維持することであって、光学フィルム上の第1の点が、第1のローラに接触し、光学フィルム上の第2の点が、湾曲したモールド面に接触する、維持することを含む、方法である。
実施形態2は、光学フィルムが成形されるときに、第1の点が第1の方向に沿って移動する、実施形態1に記載の方法である。
実施形態3は、光学フィルムが成形されるときに、第2の点が第1の方向に沿って移動する、実施形態1に記載の方法である。
実施形態4は、最も近接する第1の点と第2の点との間の閾値距離をほぼ第1の幅未満に維持することが、第1のローラを第1の方向に沿って移動させることを含む、実施形態1に記載の方法である。
実施形態5は、光学フィルムを成形するステップが、湾曲したモールド面の境界上の点と光学フィルムとの間の離間距離を、第1及び第2の方向と直交する第3の方向に沿って変化させることを含む、実施形態1に記載の方法である。
実施形態6は、最も近接する第1の点と第2の点との間の閾値距離をほぼ第1の幅未満に維持することが、第1のローラと第2のローラとの間の離間距離を第1の方向に沿って変化させることを含む、実施形態1に記載の方法である。
実施形態7は、第1のローラと第2のローラとの間の離間距離を第1の方向に沿って変化させることが、第2の方向に沿った光学フィルムの曲がりを抑制する、実施形態6に記載の方法である。
実施形態8は、成形するステップが、光学フィルムの第1及び第2の端部の位置を変化させて、光学フィルムの第1の方向に沿った張力を制御することを含む、実施形態1に記載の方法である。
実施形態9は、フィルムが伸張されるときに、光学フィルムの第1の方向に沿った張力が、実質的に一定である、実施形態8に記載の方法である。
実施形態10は、光学フィルムの第1の方向に沿った張力が、光学フィルムの伸張中に徐々に増加する、実施形態8に記載の方法である。
実施形態11は、張力が、光学フィルム内に所望の厚さ変化を生じるように制御される、実施形態8に記載の方法である。
実施形態12は、張力が、第1の方向に沿って実質的に一定である光学フィルムの厚さを生じるように制御される、実施形態8に記載の方法である。
実施形態13は、成形するステップが、第1の点と第2の点との間の閾値距離を、第1の幅の0.001~1倍の範囲内に維持することを含む、実施形態1に記載の方法である。
実施形態14は、光学フィルムの第2の部分が、第2の方向に沿った第2の幅を有し、成形するステップが、最も近接する第3の点と第4の点との間の閾値距離を、ほぼ第2の幅未満に維持することであって、光学フィルム上の第4の点が、第2のローラに接触し、光学フィルム上の第3の点が、湾曲したモールド面に接触する、ことを更に含む、実施形態1に記載の方法である。
実施形態15は、成形するステップが、最も近接する第1の点と第2の点との間の閾値距離が、第1の幅の0.001~1倍の範囲内にとどまり、かつ最も近接する第3の点と第4の点との間の閾値距離が、第2の幅の0.001~1倍の範囲内にとどまるように、第1のローラと第2のローラとの間の離間距離を変化させることを含む、実施形態14に記載の方法である。
実施形態16は、第1のローラに隣接する第3のローラ、及び第2のローラに隣接する第4のローラに隣接して、光学フィルムを第3のローラ及び第4のローラに隣接して配置することを更に含む、実施形態1に記載の方法である。
実施形態17は、成形するステップが、第3のローラと第4のローラとの間の離間距離を第1の方向に沿って変化させることを更に含む、実施形態16に記載の方法である。
実施形態18は、第1のローラと第3のローラとの間の間隔が、成形するステップ中に10%以下だけ変化し、第2のローラと第4のローラとの間の間隔が、成形するステップ中に10%以下だけ変化する、実施形態17に記載の方法である。
実施形態19は、第1及び第2のローラがそれぞれ、成形するステップ中に第3及び第4のローラのそれぞれよりも高い温度にある、実施形態16に記載の方法である。
実施形態20は、第3のローラが、光学フィルムと第1のローラとの接触角を増加させるように配置される、実施形態16に記載の方法である。
実施形態21は、第4のローラが、光学フィルムと第2のローラとの接触角を増加させるように配置される、実施形態16に記載の方法である。
実施形態22は、方法が、第1の方向に沿った、対応する第1の直径に対する第1の最大弛みの第1の比、及び第2の方向に沿った、対応する第2の直径に対する第2の最大弛みの第2の比を有する成形された光学フィルムをもたらし、第1の比が少なくとも0.05である、実施形態1に記載の方法である。
実施形態23は、光学フィルムが、主に光干渉によって光を反射又は透過させる交互する複数の高分子干渉層を含む、実施形態1に記載の方法である。
実施形態24は、光学フィルムがミラーフィルムである、実施形態1に記載の方法である。
実施形態25は、光学フィルムが反射偏光子であり、反射偏光子上の各位置が、遮蔽軸に沿って偏光された、所定の波長を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い最大反射率を有し、直交する通過軸に沿って偏光された、所定の波長を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い最大透過率を有する、実施形態1に記載の方法である。
実施形態26は、光学フィルムを成形する前に、遮蔽軸が、実質的に第1の方向に沿っている、実施形態25に記載の方法である。
実施形態27は、光学フィルムを加熱することを更に含む、実施形態1に記載の方法である。
実施形態28は、光学フィルムの伸張前に光学フィルムを加熱することを更に含む、実施形態27に記載の方法である。
実施形態29は、光学フィルムの伸張中に光学フィルムを加熱することを更に含む、実施形態27又は28に記載の方法である。
実施形態30は、光学フィルムが、光学フィルムのガラス転移温度よりも高い温度まで加熱される、実施形態27に記載の方法である。
実施形態31は、光学フィルムが、光学フィルムの最高ガラス転移温度よりも高く、光学フィルムの最低溶融温度よりも低い温度まで加熱される、実施形態27に記載の方法である。
実施形態32は、光学フィルムが、成形するステップ中に、第1のローラと第2のローラとの間で、光学フィルムの長手方向の縁から離れて縁の間で第2の方向に沿った光学フィルムの曲がりを有していない、実施形態1に記載の方法である。
実施形態33は、方法が、第1の方向に沿った第1の最大弛み、及び第2の方向に沿った第2の最大弛みを有する成形された光学フィルムをもたらし、第1の最大弛みが、第2の最大弛み以上であり、第2の最大弛みが、ゼロよりも大きく、成形された光学フィルムの総面積の少なくとも80%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して約80%よりも高い反射率を有する、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態34は、成形された光学フィルムをもたらし、成形された光学フィルムが、反射偏光子であり、反射偏光子上の各位置が、遮蔽軸に沿って偏光され、所定の波長を有する垂直入射光に関する、最大反射率及び対応する最小透過率、並びに直交する通過軸に沿って偏光され、所定の波長を有する垂直入射光に関する最大透過率を有し、第1の方向が、頂点で遮蔽軸に沿っており、第2の方向が、頂点で通過軸に沿っている、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
実施形態35は、反射偏光子の総面積の少なくとも80%にわたる各位置が、少なくとも500のコントラスト比を有し、コントラスト比は最大透過率を最小透過率で割った値である、実施形態34に記載の方法である。
実施形態36は、光学フィルムを成形する方法であって、
光学フィルムの第1の部分が第1のローラに接触し、光学フィルムの第2の部分が第2のローラに接触するように、光学フィルムを第1及び第2のローラに隣接して配置するステップであって、第1のローラと第2のローラが、第1の方向に沿って離間しており、光学フィルムの第1の部分が、第1の方向と直交する第2の方向に沿った第1の幅を有する、配置するステップと、
光学フィルムの互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部を固定するステップであって、第1の端部と第2の端部が、第1の方向に沿って離間しており、第1及び第2の部分が、第1の端部と第2の端部との間に配置される、固定するステップと、
湾曲したモールド面を用意するステップと、
光学フィルムを第1の方向に沿って伸張させながら、光学フィルムを湾曲したモールド面と接触させることにより、光学フィルムを成形するステップと、を含み、
成形するステップが、第1のローラと第2のローラとの間の離間距離を第1の方向に沿って変化させて、第1のローラと第2のローラとの間で、光学フィルムの長手方向の縁から離れて縁の間で第2の方向に沿った光学フィルムの曲がりを抑制することを含む、方法である。
実施形態37は、曲率の符号が変化する点を有していない成形された光学フィルムをもたらす、実施形態36に記載の方法である。
実施形態38は、光学フィルムが、成形するステップ中に第1のローラと第2のローラとの間に曲がりを有していない、実施形態36に記載の方法である。
実施形態39は、成形するステップが、最も近接する第1の点と第2の点との間の閾値距離をほぼ第1の幅未満に維持することであって、光学フィルム上の第1の点が、第1のローラに接触し、光学フィルム上の第2の点が、湾曲したモールド面に接触する、ことを含む、実施形態36に記載の方法である。
実施形態40は、成形するステップが、光学フィルムの第1及び第2の端部の位置を変化させて、光学フィルムの第1の方向に沿った張力を制御することを含む、実施形態36に記載の方法である。
実施形態41は、実施形態1~35のいずれか1つによって更に特徴付けられる、実施形態36に記載の方法である。
実施形態42は、光学フィルムを成形する方法であって、
光学フィルムの互いに反対側にある第1の端部及び第2の端部を固定するステップであって、第1の端部と第2の端部が、第1の方向に沿って離間している、固定するステップと、
光学フィルムの互いに反対側にある第3の端部及び第4の端部を固定するステップであって、第3の端部と第4の端部が、第1の方向と直交する第2の方向に沿って離間している、固定するステップと、
湾曲したモールド面を用意するステップと、
光学フィルムを伸張させながら、光学フィルムを湾曲したモールド面と接触させることにより、光学フィルムを成形し、少なくとも第1の方向に沿って湾曲している湾曲した光学フィルムをもたらすステップと、を含み、
成形するステップ中に光学フィルムを伸張させることは、第2の方向に沿った任意の伸張の3倍よりも大きく、第1の方向に沿って光学フィルムを伸張させることを含む、方法。
実施形態43は、光学フィルムを成形する前に、光学フィルムが、概ね十字形であり、
第1の端部と第2の端部との間、及び第3の端部と第4の端部との間に配置された中央領域と、
中央領域から第1及び第2の端部までそれぞれ延びる第1及び第2の端部領域と、
中央領域から第3及び第4の端部までそれぞれ延びる第3及び第4の端部領域と、を含む、実施形態42に記載の方法である。
実施形態44は、光学フィルムを加熱することを更に含む、実施形態42に記載の方法である。
実施形態45は、光学フィルムを成形する前に、光学フィルムが、所定の波長範囲内の垂直入射光に関する第1のコントラスト比を有し、光学フィルムを成形した後に、光学フィルムが、所定の波長範囲内の垂直入射光に関する第2のコントラスト比を有し、光学フィルムの総面積の少なくとも80%にわたる各位置に関して、第2のコントラスト比が、第1のコントラスト比よりも高く、第1及び第2のコントラスト比のそれぞれが、通過偏光状態に対し光学フィルムの最大透過率と、遮蔽偏光状態に対し光学フィルムの最小透過率との比である、実施形態1~23又は25~44のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態46は、複数の高分子層を含む湾曲した光学フィルムであって、複数の高分子層が、直交する第1及び第2の方向に沿って成形されており、
第1の曲線が光学フィルムと第1の平面との交線であり、第1の平面が第2の方向及び基準平面と直交し、第1の曲線が、最も適合する第1の円弧を有し、第1の円弧が、第1の円弧の曲率中心で180度よりも大きな第1の角度を限定しており、光学フィルムが、基準平面内に最大投影面積を有し、
第2の曲線が光学フィルムと第2の平面との交線であり、第2の平面が第1の方向及び基準平面と直交し、第2の曲線が、最も適合する第2の円弧を有し、第2の円弧が、第2の円弧の曲率中心で少なくとも30度の第2の角度を限定しており、
光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約2%未満の透過率を有する、光学フィルムである。
実施形態47は、第1の角度が少なくとも185度である、実施形態46に記載の光学フィルムである。
実施形態48は、第1の曲線が、光学フィルムの中心を通過しており、光学フィルムが、第1の曲線に沿った第1の位置における第1の厚さと、第1の曲線に沿った第2の位置における第2の厚さと、を有し、第2の位置が、光学フィルムの中心での第1の曲線の曲率半径Rの少なくとも0.7倍の距離だけ第1の位置から第1の曲線に沿って隔てられており、光学フィルムの中心から第1の位置までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R以下であり、第2の位置から光学フィルムの縁までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R以下であり、第1の厚さと第2の厚さが、5%以下だけ異なっている、実施形態46に記載の光学フィルムである。
実施形態49は、複数の高分子層を含む湾曲した光学フィルムであって、複数の高分子層が、直交する第1及び第2の方向に沿って成形されており、
第1の曲線が光学フィルムと第1の平面との交線であり、第1の平面が第2の方向及び基準平面と直交し、第1の曲線が、最も適合する第1の円弧を有し、第1の円弧が、第1の円弧の曲率中心で少なくとも90度の第1の角度を限定しており、光学フィルムが、基準平面内に最大投影面積を有し、
第2の曲線が光学フィルムと第2の平面との交線であり、第2の平面が第1の方向及び基準平面と直交し、第2の曲線が、最も適合する第2の円弧を有し、第2の円弧が、第2の円弧の曲率中心で少なくとも30度の第2の角度を限定しており、
光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約2%未満の透過率を有し、
第1の曲線が、光学フィルムの中心を通過しており、光学フィルムが、第1の曲線に沿った第1の位置における第1の厚さと、第1の曲線に沿った第2の位置における第2の厚さと、を有し、第2の位置が、最も適合する第1の円弧の半径R1の少なくとも0.7倍の距離だけ第1の位置から第1の曲線に沿って隔てられており、光学フィルムの中心から第1の位置までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R1以下であり、第2の位置から光学フィルムの縁までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R1以下であり、第1の厚さと第2の厚さが、5%以下だけ異なっている、光学フィルムである。
実施形態50は、基準平面が、光学フィルムと交差しておらず、光学フィルムの少なくとも大部分が、基準平面に向かって凹状であり、光学フィルムの頂点が、基準平面からの最大距離を有し、第1の曲線と第2の曲線が、頂点で交差している、実施形態46~49のいずれか1つに記載の光学フィルムである。
実施形態51は、基準平面が、光学フィルムと交差しておらず、光学フィルムの少なくとも大部分が、基準平面に向かって凹状であり、光学フィルムの頂点が、基準平面からの最大距離を有し、第2の方向が、最大投影面積の両側の間で基準平面への頂点の投影を通る最小距離に沿っており、第1の方向が、基準平面において頂点の投影を通る直交する方向に沿っている、実施形態46~50のいずれか1つに記載の光学フィルムである。
実施形態52は、最も適合する第1の円弧が、第1の円弧から第1の曲線上の点までの法線ベクトルに沿った距離の二乗和を最小化し、第1の曲線の第1の端点が、第1の円弧の第1の端点での第1の曲線に対する第1の法線ベクトルに沿っており、第1の曲線の反対側の第2の端点が、第2の円弧の反対側の第2の端点での第1の円弧に対する第2の法線に沿っている、実施形態46~51のいずれか1つに記載の光学フィルムである。
実施形態53は、第1の曲線上の点が、第1の曲線にわたって均一に分布した点の所定の集合から選択される、実施形態52に記載の光学フィルムである。
実施形態54は、第1の円弧上の点が、第1の円弧にわたって均一に分布した点の所定の集合から選択される、実施形態52に記載の光学フィルムである。
実施形態55は、点の所定の集合が、10~500個の点の集合である、実施形態53又は54に記載の光学フィルムである。
実施形態56は、複数の高分子層を含む湾曲した光学フィルムであって、複数の高分子層が、直交する第1及び第2の方向に沿って成形されており、
第1の曲線が光学フィルムと第1の平面との交線であり、第1の平面が第2の方向及び基準平面と直交し、第1の曲線が、最も適合する第1の円弧を有し、第1の円弧が、第1の円弧の曲率中心で少なくとも90度の第1の角度を限定しており、光学フィルムが、基準平面内に最大投影面積を有し、
第2の曲線が光学フィルムと第2の平面との交線であり、第2の平面が第1の方向及び基準平面と直交し、第2の曲線が、最も適合する第2の円弧を有し、第2の円弧が、第2の円弧の曲率中心で少なくとも30度の第2の角度を限定しており、
光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約2%未満の透過率を有し、
第1の曲線が、光学フィルムの中心を通過しており、光学フィルムが、第1の曲線に沿った第1の位置における第1の長波長バンド端と、第1の曲線に沿った第2の位置における第2の長波長バンド端と、を有し、第2の位置が、最も適合する第1の円弧の半径R1の少なくとも0.7倍の距離だけ第1の位置から第1の曲線に沿って隔てられており、光学フィルムの中心から第1の位置までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R1以下であり、第2の位置から光学フィルムの縁までの第1の曲線に沿った距離が、0.2R1以下であり、第1の長波長バンド端と第2の長波長バンド端が、5%以下だけ異なっている、光学フィルムである。
実施形態57は、複数の高分子層を含む光学フィルムであって、光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約5%未満の透過率を有し、直交する第1及び第2の平面が、それぞれの第1及び第2の曲線に沿って光学フィルムと交差し、第1の曲線と第2の曲線が、光学フィルムの中心位置で互いに交差している場合に、光学フィルムが、光学フィルムの中心位置から第1の縁位置まで第1の曲線に沿って減少し、中心位置から第2の縁位置まで第2の曲線に沿って増加する、厚さを有する、光学フィルムである。
実施形態58は、第1の平面と第2の平面の交線が、中心位置で光学フィルムと垂直な線を規定している、実施形態57に記載の光学フィルムである。
実施形態59は、複数の高分子層を含む光学フィルムであって、光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約5%未満の透過率を有し、直交する第1及び第2の平面が、それぞれの第1及び第2の曲線に沿って光学フィルムと交差し、第1の曲線と第2の曲線が、光学フィルムの中心位置で互いに交差している場合に、光学フィルムが、光学フィルムの中心位置から第1の縁位置まで第1の曲線に沿って減少し、中心位置から第2の縁位置まで第2の曲線に沿って増加する、長波長バンド端を有する、光学フィルムである。
実施形態60は、第1の平面と第2の平面の交線が、中心位置で光学フィルムと垂直な線を規定している、実施形態59に記載の光学フィルムである。
実施形態61は、複数の高分子層を含む光学フィルムであって、光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約5%未満の透過率を有し、直交する第1及び第2の平面が、それぞれの第1及び第2の曲線に沿って光学フィルムと交差している場合に、光学フィルムが、第2の平面に関して実質的に鏡映対称である、第1の曲線に沿った第1の厚さ分布と、第1の平面に関して実質的に鏡映対称である、第2の曲線に沿った第2の厚さ分布と、を有し、第1の厚さ分布と第2の厚さ分布が、異なっている、光学フィルムである。
実施形態62は、第1の曲線が、最も適合する第1の円弧を有し、第1の円弧が、第1の円弧の曲率中心で少なくとも90度の第1の角度を限定しており、第2の曲線が、最も適合する第2の円弧を有し、第2の円弧が、第2の円弧の曲率中心で少なくとも30度の第2の角度を限定している、実施形態57~61のいずれか1つに記載の光学フィルムである。
実施形態63は、複数の高分子層を含む光学フィルムであって、光学フィルムの総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、同じ所定の波長及び同じ第1の偏光状態を有する垂直入射光に関して、約80%よりも高い反射率及び約5%未満の透過率を有し、直交する第1及び第2の平面が、それぞれの第1及び第2の曲線に沿って光学フィルムと交差している場合に、光学フィルムが、第2の平面に関して実質的に鏡映対称である、第1の曲線に沿った第1の長波長バンド端分布と、第1の平面に関して実質的に鏡映対称である、第2の曲線に沿った第2の長波長バンド端分布と、を有し、第1の長波長バンド端分布と第2の長波長バンド端分布が、異なっている、光学フィルムである。
実施形態64は、第1の曲線と第2の曲線が、光学フィルムの中心位置で交差しており、第1の長波長バンド端分布が、光学フィルムの中心位置から第1の縁位置まで第1の曲線に沿って減少する長波長バンド端を含む、実施形態63に記載の光学フィルムである。
実施形態65は、第2の長波長バンド端分布が、光学フィルムの中心位置から第2の縁位置まで第2の曲線に沿って増加する長波長バンド端を含む、実施形態64に記載の光学フィルムである。
実施形態66は、第1の曲線と第2の曲線が、光学フィルムの中心位置で交差しており、第1の長波長バンド端分布が、光学フィルムの中心位置から第1の縁位置まで第1の曲線に沿って減少する長波長バンド端を含み、第2の長波長バンド端分布が、光学フィルムの中心位置から第2の縁位置まで第2の曲線に沿って増加する長波長バンド端を含む、実施形態63に記載の光学フィルムである。
実施形態67は、複数の高分子層を含む湾曲した反射偏光子であって、複数の高分子層が、少なくとも直交する第1及び第2の方向に沿って成形されており、第1の方向に沿った、対応する第1の直径に対する第1の最大弛みの第1の比が、少なくとも0.1となり、第2の方向に沿った、対応する第2の直径に対する第2の最大弛みの第2の比が、少なくとも0.05となっており、所定の波長範囲内の垂直入射光に関して、反射偏光子上の各位置が、遮蔽偏光状態に対し約80%よりも高い最大平均反射率及び約2%未満の対応する最小平均透過率を有し、直交する通過偏光状態に対し約80%よりも高い最大平均透過率を有し、反射偏光子の総面積の少なくとも80%の面積を有する反射偏光子の領域内の各位置が、少なくとも500のコントラスト比を有し、コントラスト比は最大平均透過率を最小平均透過率で割った値である、反射偏光子である。
実施形態68は、複数の高分子層を含む湾曲した反射偏光子であって、複数の高分子層が、直交する第1及び第2の方向に沿って成形されており、反射偏光子の全曲率が、少なくとも0.25となっており、全曲率が、反射偏光子の総面積にわたる反射偏光子のガウス曲率の面積分であり、所定の波長範囲内の垂直入射光に関して、反射偏光子上の各位置が、遮蔽偏光状態に対し約80%よりも高い最大平均反射率及び約2%未満の対応する最小平均透過率を有し、直交する通過偏光状態に対し約80%よりも高い最大平均透過率を有し、反射偏光子の総面積の少なくとも80%の面積を有する反射偏光子の領域内の各位置が、少なくとも500のコントラスト比を有し、コントラスト比は最大平均透過率を最小平均透過率で割った値である、反射偏光子である。
実施形態69は、第1の方向に沿った、対応する第1の直径に対する第1の最大弛みの第1の比が、少なくとも0.1であり、第2の方向に沿った、対応する第2の直径に対する第2の最大弛みの第2の比が、少なくとも0.05である、実施形態68に記載の反射偏光子である。
実施形態70は、所定の波長範囲内の所定の波長に関して、反射偏光子の総面積の少なくとも80%にわたる各位置が、遮蔽偏光状態を有する垂直入射光に関して約0.2%未満の透過率を有する、実施形態67又は68に記載の反射偏光子である。
実施形態71は、複数の高分子層を含む湾曲した反射偏光子であって、複数の高分子層が、直交する第1及び第2の方向に沿って成形されており、反射偏光子の全曲率が、少なくとも0.25となっており、全曲率が、反射偏光子の総面積にわたる反射偏光子のガウス曲率の面積分であり、所定の波長を有する垂直入射光に関して、反射偏光子の総面積の少なくとも80%にわたる各位置が、遮蔽偏光状態に対し約80%よりも高い最大反射率及び約0.2%未満の対応する最小透過率を有し、直交する通過偏光状態に対し約80%よりも高い最大透過率を有する、反射偏光子である。
実施形態72は、第1の方向に沿った、対応する第1の直径に対する第1の最大弛みの第1の比が、少なくとも約0.1であり、第2の方向に沿った対応する第2の直径に対する、第2の最大弛みの第2の比が、少なくとも約0.05である、実施形態71に記載の反射偏光子である。
実施形態73は、反射偏光子の総面積の少なくとも90%にわたる各位置が、遮蔽偏光状態に対し約0.2%未満の最小透過率を有する、実施形態71又は72に記載の反射偏光子である。
実施形態74は、光学フィルムを加工するための装置であって、
第1の方向に沿って離間した第1及び第2のローラであって、第1及び第2のローラを第1の方向に沿って移動させるように構成された第1及び第2のステージにそれぞれ配置されており、第1の方向と直交する第2の方向に沿った第1及び第2の幅をそれぞれ有する、第1及び第2のローラと、
光学フィルムの互いに反対側にある第1及び第2の端部を固定するための第1及び第2の固定手段であって、第1及び第2のローラが、第1の固定手段と第2の固定手段との間に配置されており、光学フィルムの第1及び第2の端部が第1及び第2の固定手段内に固定されると、光学フィルムが第1及び第2のローラに接触するように、装置が構成されている、第1及び第2の固定手段と、
湾曲したモールド面を有するモールドであって、第1及び第2の方向と直交する第3の方向に沿ってモールドを移動させるように構成されたモールドステージに配置されたモールドと、
光学フィルムを加熱するための手段と、
光学フィルムの張力を測定するための張力測定手段と、
張力測定手段、第1及び第2のステージ、第1及び第2の固定手段、並びにモールドステージに通信可能に接続されたコントローラであって、モールドを第3の方向に沿って移動させるのと同時に、光学フィルムの張力を制御しながら第1及び第2のローラを第1の方向に沿って移動させるように構成されたコントローラと、を備える装置である。
実施形態75は、コントローラが、第1の固定手段と第2の固定手段との間の第1の方向に沿った距離を調節することによって張力を制御するように適合されている、実施形態74に記載の装置である。
実施形態76は、第1及び第2の固定手段が、光学フィルムの第1及び第2の端部を第1の方向に沿って移動させるように構成された第3及び第4のステージをそれぞれ備え、第3及び第4のステージが、コントローラに通信可能に接続されている、実施形態74に記載の装置である。
実施形態77は、第1及び第2の固定手段がそれぞれ、固定用ローラ又は固定用グリップを備える、実施形態74~76のいずれか1つに記載の装置である。
実施形態78は、光学フィルムを加熱するための手段が、第3の方向に沿ってモールドから離間したヒータを備える、実施形態74に記載の装置である。
実施形態79は、光学フィルムを加熱するための手段が、モールド内又はモールド上に配置された加熱要素を備える、実施形態74に記載の装置である。
実施形態80は、光学フィルムを更に備え、光学フィルムの温度が、湾曲したモールド面に接触する光学フィルムの第1の点で、湾曲したモールド面に接触しない光学フィルムの第2の点よりも低い、実施形態74に記載の装置である。
反射偏光子1
2つの多層光学パケットは、ポリエチレンナフタレート(PEN)及び低屈折率の等方性層の325個の交互層から構成される各パケットと共押出しされ、これは屈折率が約1.57であり、一軸方向で実質的に等方性を維持するように、ポリカーボネートとコポリエステル(PC:coPET)とのブレンドを用いて製造され、PC:coPETのモル比は約42.5mol%PC及び57.5mol%coPETであり、そして摂氏105℃のTgを有する。この等方性材料は、2つの非延伸方向における屈折率を伸張させた後、非延伸方向における複屈折材料の屈折率と実質的に整合したままとなるように選択され、一方で延伸方向において、複屈折層と非複屈折層との間には屈折率の実質的な不整合が存在する。PEN及びPC/coPETポリマーは、別個の押出機から多層の共押出フィードブロックに供給され、これらは、合計652層に対して、積層された光学パケットの外側で、PC/coPETのより厚い保護境界層を加えて、325個の交互する光学層(それぞれ「パケット1」及び「パケット2」)のパケットに組み立てられた。米国特許第6,916,440号(Jacksonら)に記載されるようなパラボリックテンター内でフィルムを実質的に一軸伸張させた。フィルムを約150℃の温度で約6の伸張比まで伸張させた。図19は、得られた反射偏光子の層厚プロファイルを、パケット1及び2を用いて示す。キャパシタンスゲージで測定した約62~64μmの全体厚さを有するいくつかのサンプルを作った。反射偏光子の両面に保護オレフィンライナーを適用した。
実施例1
図2に示したのと同様の装置を用いて光学フィルムを成形した。図23Aは、(モールド350に対応する)モールドの写真を提示する。モールドは、球面曲率半径65.3mm、直径90mm、曲率中心での限定された最大角度87.1度、コンター長(頂点を通る測地線に沿った長さ)99.3mm、弛み17.9mm、直径に対する弛みの比0.199、及び全曲率1.72を有するベース8の型であった。
2つの加工条件の一方を用いてサンプルを成形した。条件1では、80mm×1200mmの反射偏光子1の広幅フィルムを、長さ方向をフィルムの遮蔽方向と合わせて切断した。(固定手段130及び135に対応する)グリップを680mm離してセットし、(第1のローラ111及び第2のローラ112に対応する)内側ローラを、(中心間で測定された)230mm離してセットし、内側ローラの上及び外側ローラの下を通過するようにフィルムを装置内に装填した。外側ローラの中心を内側ローラの外側65mmに配置し、内側ローラとともに移動させた。次いで、オレフィンライナーをフィルムから剥がし、ローラに通した。約35Nの張力をフィルムに掛けた。フィルムの約150mm下に配置した600W、125mm×125mmの(WECO Internationalによって供給される)セラミック型IRヒータを用いて、フィルムを170℃まで加熱した。12mmのスポットサイズを有するIR温度センサを用いて温度をモニタリングした。フィルムが設定温度に達すると、張力を約500Nまで増加させ、内側ローラの間の中心間離間距離105mmまでローラを移動させた。ローラを定位置に置き、モールドが最初にフィルムに接触した後に45mm移動するまで、モールドを2mm/秒の速度でフィルムに突入させた。7.1秒後、モールドが下方への経路を続けるときに、モールド上の接触点とそれぞれのローラ上の接触点との間で約15~20mmの自由スパン長を維持するように、ローラを外側に移動させた。このプロセスの間、グリップ上に取り付けた2つのロードセルでフィルムの張力をモニタリングし、約500Nの一定の張力を維持するようにグリップを移動させた。このプロセスの間フィルム上のIR熱を維持した。モールド及びローラがそれらの最終位置に達すると、フィルム内の応力の緩和を助けるために、IRヒータの上で部品を更に113秒間保持した。次いで、ヒータを離し、フィルム(及びモールド)を周囲空気中で5分間冷ました。冷ました後、フィルムの張力を除去し、成形されたフィルムをマシンから取り外せるようにローラとモールドを離した。
条件2では、条件1について説明したように、反射偏光子1のフィルムのサンプルを装置に装填し、次いで、オレフィンライナーをフィルムから剥がし、ローラに通した。約35Nの張力をフィルムに掛けた。条件1について説明したように、フィルムを170℃まで加熱した。フィルムが設定温度に達すると、張力を約250Nまで増加させ、内側ローラの間の中心間離間距離105mmまでローラを移動させた。ローラを定位置に置き、モールドが最初にフィルムに接触した後に55mm移動するまで、モールドを2mm/秒の速度でフィルムに突入させた。6.7秒後、モールドが下方への経路を続けるときに、モールド上の接触点とそれぞれのローラ上の接触点との間で約10~15mmの自由スパン長を維持するように、ローラを外側に移動させた。更に15秒後、フィルムの張力を約350Nまで増加させた。更に20秒後、ローラ間の間隔を更に30mm増加させ、モールドを更に17mm押し下げた。これにより、フィルムをヒータに近付けた。更に165秒間、IRヒータの上でフィルムを保持した。次いで、ヒータを離し、フィルム(及びモールド)を周囲空気中で5分間冷ました。冷ました後、フィルムの張力を除去し、成形されたフィルムをマシンから取り外せるようにローラとモールドを離した。
反射偏光子のサンプルをゴニオメータの固定具に取り付け、試験領域の面をビームと垂直にして、サンプルの所望の領域を光路内に配置するようにサンプルを回転させた。入射ビームに向かって凸状になるようにサンプルを向けた。反射偏光子2400の上面図である図24に概略的に示すように、中心(C)、北(N)、北東(NE)、東(E)、南東(SE)、南(S)、南西(SW)、西(W)、及び北西(NW)の位置でサンプルを試験した。反射偏光子の遮蔽方向を中心で南北方向に沿わせた。(PerkinElmer,Waltham,MAから入手できる)Lambda 1050分光光度計を用いて、通過状態の透過率及び遮蔽状態の透過率を波長の関数として垂直入射で測定した。遮蔽状態の平均透過率Tb及び通過状態の平均透過率Tpを、450nm~650nmの波長範囲にわたって測定し、対応するコントラスト比Tp/Tbを求めた。遮蔽状態の透過率が10%に達する波長として長波長バンド端を決定した。図25~図27はそれぞれ、条件1及び2の下で成形された反射偏光子1のサンプル及び成形前の(事前形成された)サンプルに関して、遮蔽状態の平均透過率、通過状態の平均透過率、コントラスト比、及び長波長バンド端を示す。米国仮特許出願第62/577474号に記載されるようなMAACシステムの予冷プロセスで成形された反射偏光子1フィルムについての結果を比較のために示す。本説明に従って成形されたフィルムでは、予冷プロセスと比較して、遮蔽状態の透過率が著しく低かったが、通過状態の透過率がより高く、コントラスト比が実質的に高かった。条件2を用いて成形したサンプルでは、反射偏光子の大部分にわたって事前成形されたサンプルよりも、コントラスト比が高かった。
条件2を用いて成形されたサンプルについても、上記の点で、同じ波長範囲にわたる遮蔽状態及び通過状態の平均透過率、並びに対応するコントラスト比を決定し、コンター図を作るためにフィルムの面積にわたって結果を線形補間した。反射偏光子上の垂直入射光及び入射光に向かって凸状になるように向けられた反射偏光子を用いて測定を行った。位置は、角度Φ_x及びΦ_yに関して記述され、tan(Φ_x)=X/Z、tan(Φ_y)=Y/Xであり、X、Y、Zは、反射偏光子の曲率中心に原点を有する直交座標であり、Zは、反射偏光子の頂点での反射偏光子の法線に沿っており、Yは、頂点で遮蔽軸に沿っており、XはYと直交する。図29~図31はそれぞれ、遮蔽状態の平均透過率、通過状態の平均透過率、及びコントラスト比の得られたコンター図を示す。
実施例2
図2に示したのと同様の装置を用いて光学フィルムを成形した。図23Bは、(モールド350に対応する)モールドの写真を提示する。モールドは、球面曲率半径50mm、第1の(長手)方向に沿った直径100mm、直交する第2の方向に沿った直径50mm、曲率中心での第1の方向に沿った限定された最大角度200度、第2の方向に沿った限定された最大角度73.7度、第1の方向に沿ったコンター長(頂点を通る測地線に沿った長さ)174.5mm、最大弛み58.7mm及び第1の方向に沿った、対応する直径100mm(第1のS/D比0.587)、最大弛み10mm及び第2の方向に沿った、対応する直径60mm(第2のS/D比0.167)、並びに全曲率4.19を有していた.
64mm×1200mmの反射偏光子1の広幅フィルムを、長さ方向をフィルムの遮蔽方向と合わせて切断した。グリップを680mm離してセットし、内側ローラを(中心間で測定された)230mm離してセットし、内側ローラの上及び外側ローラの下を通過するようにフィルムを装置内に装填した(外側ローラの中心を内側ローラの外側65mmに配置し、内側ローラとともに移動させた)。次いで、オレフィンライナーをフィルムから剥がし、ローラに通した。15Nの張力をフィルムに掛けた。フィルムの約150mm下に配置した600W、125mm×125mmの(WECO Internationalによって供給される)セラミック型IRヒータを用いて、フィルムを170℃まで加熱した。12mmのスポットサイズを有するIR温度センサを用いて温度をモニタリングした。フィルムが設定温度に達すると、張力を400Nまで増加させ、中心間離間距離105mmまでローラを移動させた。ローラを定位置に置き、図32~図34に規定した条件1~4のうちの1つについて、型に接触するフィルムの長さが、図32に示したようになる速度で、モールドを(上方から)フィルムに突入させた。型上の接触点とローラ上の接触点(図1Eのd1及びd2に対応する)との間でフィルムの自由スパン長が、図33に示したようになるように、ローラの位置を調整した。このプロセスの間、グリップ上に取り付けた2つのロードセルでフィルムの張力をモニタリングし、図34に規定した張力を維持するようにグリップを移動させた。このプロセス中、フィルム上のIR熱を維持した。型及びローラがそれらの最終位置に達すると、フィルム内の応力の緩和を助けるために、IRヒータの上で部品を更に60秒間保持した。次いで、ヒータを離し、フィルム(及び型)を周囲空気中で5分間冷ました。冷ました後、フィルムの張力を除去し、成形されたフィルムをマシンから取り外せるようにローラと型を離した。
条件1~4によってそれぞれ成形されたフィルムについて、ゲージスタンドに取り付けた球面先端を有するMitutoyoデジタルマイクロメータヘッドを用いて、(第1の曲線3010に沿った厚さに対応する)第1の方向に沿った厚さ、及び(第2の曲線3020に沿った厚さに対応する)第2の方向に沿った厚さを測定して、図35~図38に示す。
図中の要素の説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。具体的な実施形態を本明細書において例示し記述したが、様々な代替及び/又は同等の実施により、図示及び記載した具体的な実施形態を、本開示の範囲を逸脱することなく置き換え可能であることが、当業者には理解されるであろう。本出願は、本明細書において説明した具体的な実施形態のあらゆる適合例又は変形例を包含することを意図する。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定されるものとする。
前述の参照文献、特許、又は特許出願はいずれも一貫した方法でそれらの全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。