JP7210957B2 - ニッケル複合化合物粒子とその製造方法およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

ニッケル複合化合物粒子とその製造方法およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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本発明は、ニッケル複合化合物粒子とその製造方法およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
近年、スマートフォンやタブレットPCなどの携帯情報端末の普及に伴い、高いエネルギー密度を有する小型で軽量なリチウムイオン二次電池の開発が強く望まれている。また、ハイブリット自動車を始めとする電気自動車用の電池として高出力の二次電池の開発が強く望まれている。
このような要求を満たす二次電池として、リチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池は、負極および正極と電解液等で構成され、負極および正極の活物質は、リチウムを脱離および挿入することの可能な材料が用いられている。
リチウムイオン二次電池は、現在研究開発が盛んに行われているところであるが、中でも、層状またはスピネル型のリチウム金属複合酸化物を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。
これまで主に提案されている正極活物質としては、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)や、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などを挙げることができる。
このうちリチウムニッケル複合酸化物は、高い電池容量が得られる材料として注目されている。しかしながら、リチウムニッケル複合酸化物は、純粋にNiのみで合成した材料を正極活物質としてリチウムイオン二次電池を作製した場合、コバルト系に比ベサイクル特性が劣り、また、高温環境下で使用されたり、保存された場合に比較的電池性能を損ないやすいという欠点を有している。
このような欠点を解決するために、例えば特許文献1では、リチウムイオン二次電池の自己放電特性やサイクル特性を向上させることを目的として、LiNiCo(0.8≦x≦1.2、0.01≦a≦0.99、0.01≦b≦0.99、0.01≦c≦0.3、0.8≦a+b+c≦1.2、MはAl、V、Mn、Fe、Cu及びZnから選ばれる少なくとも1種の元素)で表されるリチウム含有複合酸化物が開示されている。特にM元素としてAlを用いた材料(以後NCAと記載する場合がある)は、高い電池容量を持つ正極活物質として実用化されている。
リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用されるNCAは、例えば、晶析工程でニッケル、コバルトおよびアルミニウムを含む水溶液に水酸化アルカリを混合、反応させることによって得られるニッケルコバルトアルミニウム複合水酸化物を正極活物質前駆体とし、該正極活物質前駆体と水酸化リチウムあるいは炭酸リチウム等のリチウムを含む化合物と混合、焼成することで製造される。ここで使用するアルミニウムは、NCAの結晶格子を安定化させる効果を期待して添加されている。
ここで、得られたNCAはその粒子表面に余剰リチウムを含むため、正極合剤ペーストを作製する際に、ゲル化するという問題がある。特許文献2には、その問題を解決する手段として、正極活物質粉末5gを200mlビーカーを用いて純水100g中で120分間撹拌混合した後、30秒間静置して得られる上澄みのpHを測定した場合に、該pHが、25℃において12.0以上、12.7以下となる正極活物質の製造方法が開示されている。
特開平8-213015号公報 特開2003-31222号公報
上述したように、NCAに添加されるアルミニウムは、NCAの結晶格子を安定化させるために添加されているが、アルミニウムの添加量に対し、残存含有量が安定しない問題があった。また、アルミニウムが製造過程で表面に拡散し、内部のアルミニウム濃度が低下し効果を十分発揮できない他、表面のアルミニウム濃度が上昇し、電池材料としての特性が悪化する場合があった。
本発明は、このような状況を鑑み、アルミニウムの添加量及びアルミニウムの分布が最適な状態となったニッケル複合化合物粒子とその製造方法およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、NCAの前駆体製造時の複合水酸化物の生成工程および水洗工程の洗浄条件について鋭意研究を進めた結果、粒子内部にアルミニウムが高濃度の部分を形成することで、アルミニウムの粒子表面への拡散を減少させ、その結果、前記前駆体を用いて作製したNCAを水洗する際にアルミニウムの溶出を抑制できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の一態様は、少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子であって、各々の元素のモル比が、Ni:Co:Al=1-x-y:x:y(ただし、0≦x≦0.2、0<y≦0.1)であり、アルミニウム濃度が当該ニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域が当該ニッケル複合化合物粒子中心部に存在する。
本発明の一態様によれば、粒子中心部にアルミニウム高濃度領域を形成することでアルミニウムの粒子表面への拡散を減少させることができるため、アルミニウムの添加量及びアルミニウムの分布が最適な状態となったニッケル複合化合物粒子とすることができる。
本発明の他の態様は、少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子であって、各々の元素のモル比が、Ni:Co:Al=1-x-y:x:y(ただし、0≦x≦0.2、0<y≦0.1)であり、アルミニウム濃度が当該ニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域が当該ニッケル複合化合物粒子内部に層状に存在する。
本発明の一態様によれば、粒子内部に層状にアルミニウム高濃度領域を形成することでアルミニウムの粒子表面への拡散を減少させることができるため、アルミニウムの添加量及びアルミニウムの分布が最適な状態となったニッケル複合化合物粒子とすることができる。また、ニッケル複合化合物は晶析法により形成されるため、層状にアルミニウム高濃度領域が形成されたニッケル複合化合物粒子は、容易に得ることができる。
また、本発明の一態様では、アルミニウム高濃度領域が、ニッケル複合化合物粒子の表面側から中心部に向かって徐々にアルミニウム濃度が高くなるように形成されて存在することとしてもよい。
ニッケル複合化合物は晶析法により形成されるため、表面側から中心部に向かって徐々にアルミニウム濃度が高くなるように形成されたニッケル複合化合物粒子は、容易に得ることができる。
また、本発明の一態様では、ニッケル複合化合物粒子が、ニッケル複合水酸化物、ニッケル複合酸化物、ニッケル複合オキシ水酸化物から選択される1種以上から構成されることとしてもよい。
正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子は、これらの化合物から選択される1種以上から構成される。
本発明の他の態様は、少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子の製造方法であって、少なくともニッケル塩水溶液とアルミニウム塩水溶液を用い、コバルト塩水溶液を任意で用いる水溶液群を単独あるいは該水溶液群のいくつかを混合した混合水溶液としてアルカリ水溶液と混合した反応溶液からニッケル複合化合物粒子を晶析する晶析工程を有し、晶析工程において、アルミニウム濃度がニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも高いニッケルとコバルトとアルミニウムを含む高アルミニウム濃度混合溶液と、アルミニウム濃度がニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも低いニッケルとコバルトとアルミニウムを含む低アルミニウム濃度混合溶液を用いることで、ニッケル複合化合物粒子内部にニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域を形成する
本発明の他の態様によれば、アルミニウム濃度の異なる混合溶液を用いて反応溶液中のアルミニウム濃度を調整することにより、粒子内部にアルミニウム高濃度領域を形成し、アルミニウムの添加量及びアルミニウムの分布が最適な状態となったニッケル複合化合物粒子を製造することができる。
本発明の他の態様は、少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子の製造方法であって、少なくともニッケル塩水溶液とアルミニウム塩水溶液を用い、コバルト塩水溶液を任意で用いる水溶液群を単独あるいは該水溶液群のいくつかを混合した混合水溶液としてアルカリ水溶液と混合した反応溶液からニッケル複合化合物粒子を晶析する晶析工程を有し、晶析工程において、ニッケルとコバルトを含む混合溶液と、アルミニウムを含む水溶液を用い、アルミニウムを含む水溶液の添加速度を制御し、ニッケル複合化合物粒子内部にニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域を形成する。
本発明の他の態様によれば、アルミニウムを含む水溶液と、ニッケルとコバルトを含む混合溶液との混合割合を変化させることで、反応溶液中のアルミニウム濃度を調整することにより、粒子内部に濃度勾配のあるアルミニウム高濃度領域を形成し、アルミニウムの添加量及びアルミニウムの分布が最適な状態となったニッケル複合化合物粒子を製造することができる。
本発明の他の態様は、少なくともリチウムとニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の製造方法であって、上述したニッケル複合化合物粒子とリチウム化合物を混合して混合粉を得る混合工程と、混合粉を酸化性雰囲気中で焼成して焼成物を得る焼成工程と、焼成物を水洗する水洗工程とを含む。
上述したニッケル複合化合物粒子を用いて正極活物質を製造することにより、水洗工程におけるアルミニウムの溶出を防止することができ、アルミニウムの添加量及びアルミニウムの分布を最適な状態に保つことができる。
本発明によれば、焼成工程が必須であるNCA製造において、添加したアルミニウムが拡散等により減少もしくは、偏在化してしまう問題に対し、あらかじめ拡散を見越したアルミニウム分布を持った正極活物質前駆体を使用することにより、最終製品内のアルミニウム濃度の確保・安定化及び分布の適正化を行うことが可能になる。
本発明の一実施形態に係るニッケル複合化合物粒子のアルミニウム高濃度領域を説明するための概略図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用の正極活物質の製造方法の概略を示す工程図である。
以下、本発明に係るニッケル複合化合物粒子とその製造方法およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法について以下の順序で説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
1.ニッケル複合化合物粒子
2.リチウムイオン二次電池用正極活物質
3.ニッケル複合化合物粒子の製造方法
3-1.晶析工程
4.リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
4-1.混合工程
4-2.焼成工程
4-3.水洗工程
<1.ニッケル複合化合物粒子>
本発明の一実施形態に係るニッケル複合化合物粒子は少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子であって、各々の元素のモル比が、Ni:Co:Al=1-x-y:x:y(ただし、0≦x≦0.2、0<y≦0.1)であり、アルミニウム濃度がニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域が粒子内部に存在することを特徴とする。
上述したように、正極活物質を製造する際の焼成工程などにおいて、アルミニウムが粒子表面に拡散することにより減少もしくは、偏在化してしまう問題に対し、粒子内部にアルミニウム高濃度領域を形成し、あらかじめ拡散を見越したアルミニウム分布を持った正極活物質前駆体を使用することにより、得られる正極活物質のアルミニウム濃度の確保・安定化を行うことが可能になる。
ここで、アルミニウム高濃度領域とは、ニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりもアルミニウム濃度の濃い領域のことを言う。後述するように、本発明の一実施形態に係るニッケル複合化合物粒子では、製造時に意図的に粒子内部にアルミニウム高濃度領域が形成されるが、偶発的に粒子内部にアルミニウム高濃度領域が形成されたものも本発明の権利範囲から除外されるわけではない。アルミニウム高濃度領域の濃度としては、例えば、粒子全体のアルミニウム濃度の平均値の1.1倍以上が好ましく、1.9倍以上がより好ましい。一方で、アルミニウム高濃度領域の濃度が高くなると、焼成後に得られる正極活物質のアルミニウムの分布が大きく偏在し、所望の特性が得られない場合もある。従って、アルミニウム高濃度領域の濃度は粒子全体のアルミニウム濃度の平均値の17.1倍以下が好ましく、5.7倍以下がより好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係るニッケル複合化合物粒子のアルミニウム高濃度領域を説明するための概略図である。アルミニウム高濃度領域の形状は特に限定されないが、例えば、図1(A)に示すように、ニッケル複合化合物粒子10Aの粒子中央部に略球状にアルミニウム高濃度領域11aが形成されている。または図1(B)に示すように、ニッケル複合化合物粒子10Bの粒子内部に層状にアルミニウム高濃度領域11bが形成されている。あるいは、図1(C)に示すように、ニッケル複合化合物粒子10Cの表面側から中心部に向かって徐々にアルミニウム濃度が高くなるようにアルミニウム高濃度領域11cが形成されるようにしてもよい。後に説明するが、ニッケル複合化合物粒子は晶析法により形成されるため、これらの形状のものが容易に製造できるためである。
なお、本発明において、「粒子内部」とは、粒子の表面以外の部分のことをいう。アルミニウム高濃度領域は、少なくとも一部が粒子内部に存在していればよいので、一部が粒子表面上に存在していても構わないが、全体が粒子内部に存在する方が好ましい。また、図1においては、ニッケル複合化合物粒子を球状で示し、アルミニウム高濃度領域を対称な球状や環状で表しているが、本発明の一実施形態に係るニッケル複合化合物粒子はこれらの形状に限定されるものではない。例えば、ニッケル複合化合物粒子は楕円形状や板状、針状または非対称の不定形な形状であってもよく、アルミニウム高濃度領域も同様に楕円形状や板状、棒状または非対称の不定形な形状であってもよい。ニッケル複合化合物粒子は、複数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子から構成されるが、この場合は、二次粒子においてアルミニウム高濃度領域が二次粒子内部に存在するかで判断する。
アルミニウム高濃度領域の形成は、得られるニッケル複合化合物粒子の断面の元素分析により確認される。具体的にはEDXにより断面の元素分布を測定することができる。
本発明の一実施形態に係るニッケル複合化合物粒子は、ニッケル複合水酸化物、ニッケル複合酸化物、ニッケル複合オキシ水酸化物から選択される1種以上から構成される。後述するニッケル複合化合物粒子の製造方法によれば、主としてニッケル複合水酸化物が生成されるが、例えば、正極活物質の製造段階あるいはその前に、加熱処理や酸化処理によりニッケル複合水酸化物の一部、または全部がニッケル複合酸化物、ニッケル複合オキシ水酸化物となっていてもよく、これらの混合粒子となっていてもよい。
また、本発明のニッケル複合化合物は各種特性を改善するために、Ni、Co、Al以外の元素を含んでもよい。例えば、Mn、Ti、W、B、Mo、V、Nb、Ca、Cr、Zr、Mgなどが挙げられる。これらの添加元素は粒子内部に含まれていてもよく、または、粒子表面に被覆されていてもよい。
<2.リチウムイオン二次電池用正極活物質>
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質は、上述したニッケル複合化合物粒子を正極活物質の前駆体として、リチウム化合物と混合して焼成、水洗することにより得られる。
本発明の正極活物質は、リチウムとニッケルとコバルト(任意)とアルミニウムを含み、水洗処理前後におけるアルミニウム残留率が90%以上のものである。前述した正極活物質前駆体を用いることによりアルミニウムの粒子表面への拡散が抑制され、その結果、水洗処理によるアルミニウムの減少を抑制することができる。アルミニウムが溶出する原因は定かではないが、正極活物質表面に拡散したアルミニウムが余剰のLiと反応し、水溶性のリチウムアルミニウム化合物を形成するためと推察している。したがって、本発明の一実施形態に係るニッケル複合化合物粒子を前駆体として用いることにより、アルミニウムの添加量及びアルミニウムの分布が最適な状態の正極活物質を得ることができる。
なお、アルミニウム残留率は以下の式1で計算される。水洗前後の正極活物質のアルミニウム量は、例えば、ICP発光分光分析などの方法により、測定できる。
アルミニウム残留率(%)=(水洗後の正極活物質のアルミニウム量/水洗前の正極活物質のアルミニウム量)×100 ・・・ (式1)
<3.ニッケル複合化合物粒子の製造方法>
次に、上述したニッケル複合化合物粒子の製造方法について説明する。本発明の一態様は、少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子の製造方法であって、少なくともニッケル塩水溶液とアルミニウム塩水溶液を用い、コバルト塩水溶液を任意で用いる水溶液群を単独あるいは該水溶液群のいくつかを混合した混合水溶液としてアルカリ水溶液と混合した反応溶液からニッケル複合化合物粒子を晶析する晶析工程を有し、晶析工程において、ニッケル複合化合物粒子内部にニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域が存在するように、晶析工程を調整する。
本実施形態のニッケル複合化合物粒子の具体的な製造方法は特に限定されるものではなく、上述した構造を有するように任意の方法により製造することができる。ここでは、本実施形態の正極活物質前駆体の製造方法の一構成例について説明する。
(3-1.晶析工程)
晶析工程では、少なくともニッケル塩水溶液とアルミニウム塩水溶液を用い、コバルト塩水溶液を任意で用いる水溶液群を単独あるいは該水溶液群のいくつかを混合した混合水溶液としてアルカリ水溶液と混合した反応溶液からニッケル複合化合物粒子を晶析する。すなわち、ニッケル塩水溶液、アルミニウム塩水溶液、コバルト塩水溶液(任意)をそれぞれ単独でアルカリ水溶液と混合して反応水溶液としてもよいし、例えば、ニッケル塩水溶液とコバルト塩水溶液を混合した混合水溶液を用意し、この混合水溶液とアルミニウム塩水溶液をアルカリ水溶液と混合して反応水溶液としてもよい。以下、本発明の一様態として、アルミニウム濃度がニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも高い、高アルミニウム濃度混合溶液と、アルミニウム濃度がニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも低い、低アルミニウム濃度混合溶液を用いて晶析を行う例を説明する。
まず、アルミニウム濃度がニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも高い、高アルミニウム濃度混合溶液と、アルミニウム濃度がニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも低い、低アルミニウム濃度混合溶液を用意する。高アルミニウム濃度混合溶液を用いて晶析することで粒子内部にアルミニウム高濃度領域を形成する。低アルミニウム濃度混合溶液は最終的に得られる正極活物質の組成を満たすように、高アルミニウム濃度混合溶液の組成を考慮して作製する。
ここで、混合溶液は、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムの硫酸塩溶液、硝酸塩溶液、塩化物溶液などを用いることができる。前記混合溶液に含まれる金属元素の組成の合計と得られるニッケル含有化合物に含まれる金属元素の組成は一致する。したがって、目的とするニッケル含有化合物の金属元素の組成と同じになるように混合溶液の金属元素の組成を調製することができる。例えば、上述した様なニッケル複合化合物粒子を得ようとする場合には、原料水溶液中の金属元素の比率を、Ni:Co:Al=1-x-y:x:y(ただし、0≦x≦0.2、0<y≦0.1)となるように調整することが必要となる。
次に反応槽に水を張り、撹拌しながら、まず高アルミニウム濃度混合溶液とアルカリ溶液をpHを制御しながら添加し、途中で低アルミニウム濃度混合溶液に切り替え、ニッケル化合物粒子を共沈澱させ、晶析させる。このように晶析することで、ニッケル化合物粒子の中心部にアルミニウム高濃度領域を形成できる(図1(A))。
また、別の様態として、反応初期に低アルミニウム濃度混合溶液を用い、途中で高アルミニウム濃度混合溶液に切り替え、さらにその後、低アルミニウム濃度混合溶液に切り替えることで、粒子内部に層状のアルミニウム高濃度領域を形成できる(図1(B))。層の数は、複数であってもよく、また、各層の位置と濃度は適宜調整することができる。
晶析工程で用いるアルカリ水溶液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いることができる。
また、アルカリ水溶液と併せて、錯化剤を反応溶液に添加することもできる。錯化剤は、特に限定されず、水溶液中でニッケルイオンやその他金属イオンと結合して錯体を形成可能なものであればよく、例えば、アンモニウムイオン供給体が挙げられる。アンモニウムイオン供給体としては、とくに限定されないが、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニウムなどを使用することができる。
晶析工程では、錯化剤を使用しない場合、反応水溶液の温度を、60℃を越えて80℃以下の範囲とすることが好ましく、かつ、反応水溶液の温度でのpHが10~12(25℃基準)であることが好ましい。
反応槽のpHが12を超えて晶析すると、ニッケル複合水酸化物が細かい粒子となり、濾過性も悪くなり、球状粒子が得られない場合がある。一方、pHが10よりも小さいとニッケル複合水酸化物粒子の生成速度が著しく遅くなり、濾液中にNiが残留し、Niの沈殿量が目的組成からずれて目的の比率の混合水酸化物が得られなくなることがある。
また、反応水溶液の温度が60℃超であると、Niの溶解度が上がり、Niの沈殿量が目的組成からずれて共沈にならない現象を回避できる。一方、反応水溶液の温度が80℃を越えると、水の蒸発量が多いためにスラリー濃度が高くなり、Niの溶解度が低下するうえ、濾液中に硫酸ナトリウム等の結晶が発生し、不純物濃度が上昇する等、正極活物質の充放電容量が低下する可能性が生じる。
一方、アンモニアなどのアンモニウムイオン供給体を錯化剤として使用する場合、Niの溶解度が上昇するため、反応水溶液のpHが10~13であることが好ましく、温度が30~60℃であることが好ましい。
反応槽内において、反応水溶液中のアンモニア濃度は、好ましくは3~25g/Lの範囲内で一定値に保持する。アンモニア濃度が3g/L未満であると、金属イオンの溶解度を一定に保持することができないため、形状及び粒径が整った板状の水酸化物一次粒子が形成されず、ゲル状の核が生成しやすいため粒度分布も広がりやすい。一方、アンモニア濃度が25g/Lを越えると、金属イオンの溶解度が大きくなりすぎ、反応水溶液中に残存する金属イオン量が増えて、組成のずれなどが起きやすくなる。
また、アンモニア濃度が変動すると、金属イオンの溶解度が変動し、均一な水酸化物粒子が形成されないため、一定値に保持することが好ましい。例えば、アンモニア濃度は、上限と下限の幅を5g/L程度として所望の濃度に保持することが好ましい。
さらには、別の様態として、ニッケルとコバルトを含む混合溶液と、アルミニウムを含む水溶液を用意し、各々を別系統で反応槽へ導入し、晶析を行う方法もある。この方法では、ニッケルとコバルトを含む混合溶液と、アルミニウムを含む水溶液の添加量を制御することで、ニッケル化合物粒子内にアルミニウム高濃度領域を形成できる。この製造方法では、アルミニウムの添加量を晶析中に任意に制御できるため、例えば粒子中心から表面に向けてアルミニウム濃度が徐々に低くなるような濃度勾配を持ったニッケル複合化合物粒子を製造することができる(図1(C))。
<4.リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法>
最後に、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用の正極活物質の製造方法の概略を示す工程図である。本発明の一態様は、少なくともリチウムとニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の製造方法であって、上述したニッケル複合化合物粒子とリチウム化合物を混合して混合粉を得る混合工程S1と、混合粉を酸化性雰囲気中で焼成して焼成物を得る焼成工程S2と、焼成物を水洗する水洗工程S3とを含む。なお、本実施形態に係る正極活物質の製造方法の具体的な条件は、特に限定されるものではない。以下、各工程の一例について説明する。
(4-1.混合工程)
混合工程S1では、上述したニッケル複合化合物粒子(正極活物質前駆体)と、リチウム化合物とを混合して、混合物(混合粉)を得る。
ニッケル複合化合物粒子(正極活物質前駆体)と、リチウム化合物とを混合する際の比は特に限定されるものではなく、製造する正極活物質の組成に応じて選択することができる。後述する焼成工程S2の前後でLi/Meは変化しないので、焼成工程S2に供する混合物中のLi/Meが、得られる正極活物質におけるLi/Meと同じになる。このため、混合工程S1で調製する混合物におけるLi/Meが、得ようとする正極活物質におけるLi/Meと同じになるように混合することが好ましい。
例えば、混合工程S1においては、混合物中のリチウム以外の金属の原子数(Me)と、リチウムの原子数(Li)との比(Li/Me)が、1.00以上1.08以下となるように混合することが好ましい。特に、上記混合物中のリチウムの原子数と、リチウム以外の金属の原子数との比(Li/Me)が1.025以上1.045以下となるように混合することがより好ましい。
混合工程S1に供するリチウム化合物としては特に限定されないが、例えば水酸化リチウム、炭酸リチウム等から選択された1種以上を好ましく用いることができる。
また、混合工程S1において、ニッケル複合化合物粒子とリチウム化合物とを混合する際の混合手段としては、一般的な混合機を使用することができ、例えば、シェーカーミキサ、レーディゲミキサ、ジュリアミキサ、Vブレンダなどを用いればよい。
なお、混合工程S1の前に予め焙焼工程を実施し、混合工程S1では、ニッケル複合化合物の一部または全部を複合金属酸化物とした物と、リチウム化合物との混合物を調製する混合工程S1とすることもできる。また、予め酸化工程を実施し、ニッケル複合化合物の一部または全部をニッケル複合オキシ水酸化物とした物と、リチウム化合物との混合物を調製する混合工程S1とすることもできる。
このため、混合工程S1は、既述の正極活物質前駆体であるニッケル複合水酸化物、正極活物質前駆体を焙焼したニッケル複合金属酸化物、及び正極活物質前駆体を酸化処理したニッケル複合オキシ水酸化物から選択された1種以上と、リチウム化合物との混合物を調製する工程ということもできる。
(4-2.焼成工程)
焼成工程S2は、上記混合工程S1で得られた混合物を焼成して、正極活物質とする工程である。焼成工程において混合物を焼成すると、ニッケル複合化合物粒子(正極活物質前駆体)に、リチウム化合物中のリチウムが拡散し、正極活物質が形成される。
焼成工程S2において、混合物を焼成する焼成温度は特に限定されないが、例えば600℃以上950℃以下であることが好ましく、700℃以上900℃以下であることがより好ましい。
焼成温度を600℃以上とすることで、ニッケル複合化合物粒子中へのリチウムの拡散を十分に進行させることができ、得られる正極活物質の結晶構造を均一にすることができる。このため、生成物を正極活物質として用いた場合に電池特性を特に高めることができるため好ましいからである。また、反応を十分に進行させることができるため、余剰のリチウムの残留や、未反応の粒子が残留することを抑制できるからである。
焼成温度を950℃以下とすることで、生成する正極活物質の粒子の粒子間で焼結が進行することを抑制することができる。また、異常粒成長の発生を抑制し、得られる正極活物質の粒子が粗大化することを抑制することができる。
また、焼成温度まで昇温する過程で、リチウム化合物の融点付近の温度にて1時間以上5時間以下程度保持することで、より反応を均一に行わせることができ、好ましい。
焼成工程S2における焼成時間のうち、所定温度、すなわち上述の焼成温度での保持時間は特に限定されないが、2時間以上とすることが好ましく、より好ましくは4時間以上である。これは焼成温度での保持時間を2時間以上とすることで、正極活物質の生成を十分に促進し、未反応物が残留することをより確実に防止することができるからである。焼成温度での保持時間の上限値は特に限定されないが、生産性等を考慮して24時間以下であることが好ましい。
焼成時の雰囲気は特に限定されないが、酸化性雰囲気とすることが好ましい。酸化性雰囲気としては、酸素含有ガス雰囲気を好ましく用いることができ、例えば酸素濃度が18容量%以上100容量%以下の雰囲気とすることがより好ましい。これは焼成時の雰囲気中の酸素濃度を18容量%以上とすることで、正極活物質の結晶性を特に高めることができるからである。
酸素含有ガス雰囲気とする場合、該雰囲気を構成する気体としては、例えば大気や、酸素、酸素と不活性ガスとの混合気体等を用いることができる。なお、酸素含有ガス雰囲気を構成する気体として、例えば上述のように酸素と不活性ガスとの混合気体を用いる場合、該混合気体中の酸素濃度は上述の範囲を満たすことが好ましい。特に、焼成工程においては、酸素含有ガス気流中で実施することが好ましく、大気、または酸素気流中で行うことがより好ましい。電池特性を考慮すると、酸素気流中で行うことが好ましい。
なお、焼成に用いられる炉は、特に限定されるものではなく、酸素含有ガス雰囲気で混合物を焼成できるものであればよいが、炉内の雰囲気を均一に保つ観点から、ガス発生がない電気炉が好ましく、バッチ式あるいは連続式の炉をいずれも用いることができる。
焼成工程S2によって得られた正極活物質は、凝集もしくは軽度の焼結が生じている場合がある。この場合には、解砕してもよい。ここで、解砕とは、焼成時に二次粒子間の焼結ネッキングなどにより生じた複数の二次粒子からなる凝集体に、機械的エネルギーを投入して、二次粒子自体をほとんど破壊することなく二次粒子を分離させて、凝集体をほぐす操作のことである。
また、焼成工程S2の前に、仮焼成を実施することが好ましい。仮焼成を実施する場合、仮焼成温度は特に限定されないが、焼成工程S2における焼成温度より低い温度とすることができる。仮焼成温度は、例えば250℃以上600℃以下することが好ましく、350℃以上550℃以下とすることがより好ましい。仮焼成時間、すなわち上記仮焼成温度での保持時間は、例えば1時間以上10時間以下程度とすることが好ましく、3時間以上6時間以下とすることがより好ましい。仮焼成後は、一旦冷却した後、焼成工程S2に供することもできるが、仮焼成温度から、焼成温度まで昇温して連続して焼成工程S2を実施することもできる。なお、仮焼成を実施する際の雰囲気は特に限定されないが、例えば焼成工程S2と同様の雰囲気とすることができる。仮焼成を実施することにより、正極活物質前駆体へのリチウムの拡散が十分に行われ、特に均一な正極活物質を得ることができる。
(4-3.水洗工程)
水洗工程S3では、焼成工程S2で得られた正極活物質の表面に付着した余剰のリチウム化合物を水洗して除去する。水洗工程S3では、例えば焼成工程S2で得られた正極活物質を純水に投入してスラリーとし、所定時間撹拌した後、水と分離、濾過、乾燥することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法によれば、上述したニッケル複合化合物粒子(正極活物質前駆体)を用いているため、焼成工程S2の際の正極活物質表面へのアルミニウムの拡散が抑制され、水洗工程S3によるアルミニウムの溶出量が減ることにより、目的とする組成の正極活物質を安定して製造することができる。
水洗処理S3の条件は、適切に正極活物質の表面に付着した余剰のリチウム化合物を除去できれば特に限定されないが、スラリーの濃度を500~2000g/L程度とし、水洗時間として10~60分程度であることが好ましい。水洗後は公知の方法で濾過し、不活性ガスあるいは真空中で80~200℃で乾燥することにより、正極活物質を得ることができる。
以下に示す実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(正極活物質前駆体の製造)
実施例1では、以下の手順により晶析工程を実施し、正極活物質前駆体として全体の金属比がNi:Co:Al=88:9:3のニッケル複合水酸化物を製造した。
まず、600Lの反応槽内に純水を6.5Lの量まで入れて、槽内温度を49℃に設定した。晶析工程が完了するまで反応溶液の液温は49℃に維持した。次いで、初期水溶液のアンモニウムイオン濃度が15.5g/Lとなるように、反応槽内の水に、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液として、25質量%アンモニア水を加えた。更にアルカリ水溶液として、24質量%の水酸化ナトリウム水溶液を反応槽内の水に添加し、pHを11.4に調整した。
晶析工程では、ニッケルとコバルトとアルミニウムの組成比がNi:Co:Al=88:9:6の混合水溶液(a)(高アルミニウム濃度混合溶液)と、Ni:Co:Al=88:9:0の混合水溶液(b)(低アルミニウム濃度混合溶液)をそれぞれ用意した。用いた各金属の塩として硫酸塩を用いた。そして、各混合溶液の金属塩濃度は2.1mol/Lとなるように調製した。
そして、撹拌翼により、初期水溶液を撹拌しながら、混合水溶液(a)と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液(c)と、アルカリ水溶液(d)とを初期水溶液の液中に連続的に供給して反応溶液を形成し、正極活物質の晶析を行った。なお、混合水溶液(a)を120分間添加したところで混合溶液(b)に切り替え、さらに120分間晶析反応を行った。アンモニウムイオン供給体を含む水溶液(c)、及びアルカリ水溶液(d)としては、それぞれ上述した初期水溶液を調製する際に用いたものと同じ水溶液を用いた。
晶析工程の間、ニッケル塩、およびコバルト塩を含む混合水溶液(a)および混合水溶液(b)は、1.13L/minの供給速度で、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液(c)は0.16L/minの供給速度で、苛性アルカリ水溶液(d)は0.74L/minの供給速度で初期水溶液、反応溶液に供給した。晶析工程の間、反応溶液は、液温は49℃に、pHは50℃基準で11.1以上11.7以下の範囲に、アンモニア濃度は15.5g/Lに維持されていることが確認できた。
回収した晶析物は水洗、濾過、乾燥を行い、正極活物質前駆体であるニッケル複合水酸化物を得た。得られたニッケル複合水酸化物について、硝酸で溶解した後、ICP発光分光分析装置(株式会社島津製作所製、ICPS-8100)で粒子全体の組成比を測定したところ、Ni:Co:Al=88:9:3であった。
ニッケル複合水酸化物の断面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクフィールディング製、型番:S-4700)を用いて、EDX(AMETEK Co.Ltd.、型番:Genesis)で面分析を実施したところ、粒子中央にアルミニウム高濃度領域が確認され、その組成比は、混合溶液(a)と同じ88:9:6であった。
(正極活物質の製造)
さらに、以下の手順により、リチウム化合物と得られたニッケル複合水酸化物との混合物を調製した(混合工程)。リチウム化合物としては、無水水酸化リチウムを用いた。
混合工程では、リチウム化合物と、得られたニッケル複合水酸化物とを、混合物中の原子数の比がLi/Meが1.035となるように秤量、混合して混合物を調製した。なお、ここでのMeはLi以外の金属の合計の原子数を意味しており、Niと、Coと、Alの合計の原子数となる。
混合工程で得られた混合物を内寸が280mm(L)×280mm(W)×90mm(H)の焼成容器に装入し、これを連続式の焼成炉であるローラーハースキルンを用いて、酸素気流下、最高温度を770℃として焼成を行った(焼成工程)。さらに得られた焼成物を、質量比で水1に対し1.5となるように、純水に投入してスラリーとし、30分間の撹拌後、濾過、乾燥して正極活物質を得た(水洗工程)。
水洗前後の正極活物質について、硝酸で溶解した後、ICP発光分光分析により各々のAl濃度を測定し、水洗後のAl残留率(水洗後の正極活物質のAl濃度/水洗前の正極活物質のAl濃度×100)を計算したところ、94%であった。
(実施例2)
実施例2では、混合溶液の添加を、反応開始から48分間、混合溶液(b)を添加し、次いで、混合溶液(a)に切り替え120分間添加し、再び混合溶液(b)に切り替えて72分間添加した以外は実施例1と同様にして、実施例2に係るニッケル複合水酸化物を得た。
得られたニッケル複合水酸化物について、粒子全体の金属の組成比は、Ni:Co:Al=88:9:3であった。
また、ニッケル複合水酸化物の断面の面分析を実施したところ、粒子内部に層状のアルミニウム高濃度領域が確認され、その組成比は、混合溶液(a)と同じ88:9:6であった。
次に実施例1と同様の方法で実施例2に係るニッケル複合水酸化物から正極活物質を作製した。得られた正極活物質のAl残留率は92%であった。
(実施例3)
実施例3では、ニッケルとコバルトとアルミニウムの組成比がNi:Co:Al=88:9:0の混合水溶液(e)を金属塩濃度は2.10mol/Lとなるように調製した。また、アルミニウムの水溶液を2.10mol/Lとなるように調製した。
反応開始時には、混合水溶液(e)を1.03L/min、アルミニウムの水溶液を0.07L/minで添加を開始し、徐々に混合水溶液(e)の添加量を増やし、合わせてアルミニウムの水溶液を減らした。トータルの添加速度は1.13L/minで一定とした。上記以外の条件は実施例1と同様にして、実施例3にかかるニッケル複合水酸化物を得た。
得られたニッケル複合水酸化物について、粒子全体の金属の組成比は、Ni:Co:Al=88:9:3であった。
また、ニッケル複合水酸化物の断面の面分析を実施したところ、粒子中心部から外側に向かって徐々にAl含有量が減少していくことが確認された。
次に実施例1と同様の方法で実施例3に係るニッケル複合水酸化物から正極活物質を作製した。得られた正極活物質のAl残留率は91%であった。
(比較例1)
比較例1では、ニッケルとコバルトとアルミニウムの組成比がNi:Co:Al=88:9:3の混合水溶液(f)を金属塩濃度は2.10mol/Lとなるように調製した。晶析中は混合水溶液(f)を1.13L/minで供給した。上記以外の条件は実施例1と同様にして、比較例1にかかるニッケル複合水酸化物を得た。
得られたニッケル複合水酸化物について、粒子全体の金属の組成比は、Ni:Co:Al=88:9:3であった。
また、ニッケル複合水酸化物の断面の面分析を実施したところ、Alは粒子内にほぼ均一に分布していることが確認された。
次に実施例1と同様の方法で比較例1に係るニッケル複合水酸化物から正極活物質を作製した。得られた正極活物質のAl残留率は85%であった。
実施例1~3及び比較例1に係る結果を表1に示す。
Figure 0007210957000001
本発明の一実施形態を適用した実施例1~3では、アルミニウムの残留率がいずれも90%を超えており、アルミニウムの残留量を安定させる効果があることが分かった。一方で、本発明を適用しない従来の比較例1では、アルミニウムの残留率が85%であり、1割以上のアルミニウムが溶出してしまった。以上より、本発明を適用することで、最適なアルミニウム分布を持った正極活物質前駆体とすることができ、正極活物質のアルミニウム濃度の確保・安定化及び分布の適正化を行うことが可能になる。
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ニッケル複合化合物粒子とその製造方法およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法の構成、動作も本発明の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10A,10B,10C ニッケル複合化合物粒子、11a,11b,11c アルミニウム高濃度領域

Claims (7)

  1. 少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子であって、
    各々の元素のモル比が、Ni:Co:Al=1-x-y:x:y(ただし、0≦x≦0.2、0<y≦0.1)であり、アルミニウム濃度が当該ニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域が当該ニッケル複合化合物粒子中心部に存在することを特徴とするニッケル複合化合物粒子。
  2. 少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子であって、
    各々の元素のモル比が、Ni:Co:Al=1-x-y:x:y(ただし、0≦x≦0.2、0<y≦0.1)であり、アルミニウム濃度が当該ニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域が当該ニッケル複合化合物粒子内部に層状に存在することを特徴とするニッケル複合化合物粒子。
  3. 前記アルミニウム高濃度領域が、前記ニッケル複合化合物粒子の表面側から前記中心部に向かって徐々にアルミニウム濃度が高くなるように形成されて存在することを特徴とする請求項1に記載のニッケル複合化合物粒子。
  4. 当該ニッケル複合化合物粒子が、ニッケル複合水酸化物、ニッケル複合酸化物、ニッケル複合オキシ水酸化物から選択される1種以上から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のニッケル複合化合物粒子。
  5. 少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子の製造方法であって、
    少なくともニッケル塩水溶液とアルミニウム塩水溶液を用い、コバルト塩水溶液を任意で用いる水溶液群を単独あるいは該水溶液群のいくつかを混合した混合水溶液としてアルカリ水溶液と混合した反応溶液からニッケル複合化合物粒子を晶析する晶析工程を有し、
    前記晶析工程において、アルミニウム濃度が前記ニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも高いニッケルとコバルトとアルミニウムを含む高アルミニウム濃度混合溶液と、アルミニウム濃度が前記ニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも低いニッケルとコバルトとアルミニウムを含む低アルミニウム濃度混合溶液を用いることで、ニッケル複合化合物粒子内部に該ニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域を形成することを特徴とするニッケル複合化合物粒子の製造方法。
  6. 少なくともニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の前駆体となるニッケル複合化合物粒子の製造方法であって、
    少なくともニッケル塩水溶液とアルミニウム塩水溶液を用い、コバルト塩水溶液を任意で用いる水溶液群を単独あるいは該水溶液群のいくつかを混合した混合水溶液としてアルカリ水溶液と混合した反応溶液からニッケル複合化合物粒子を晶析する晶析工程を有し、
    前記晶析工程において、ニッケルとコバルトを含む混合溶液と、アルミニウムを含む水溶液を用い、アルミニウムを含む水溶液の添加速度を制御し、ニッケル複合化合物粒子内部に該ニッケル複合化合物粒子全体の平均値よりも濃いアルミニウム高濃度領域を形成することを特徴とするニッケル複合化合物粒子の製造方法。
  7. 少なくともリチウムとニッケルとアルミニウムを含み、コバルトを任意で含むリチウムイオン二次電池用の正極活物質の製造方法であって、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のニッケル複合化合物粒子とリチウム化合物を混合して混合粉を得る混合工程と、
    前記混合粉を酸化性雰囲気中で焼成して焼成物を得る焼成工程と、
    前記焼成物を水洗する水洗工程とを含むことを特徴とする正極活物質の製造方法。
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