JP7210876B2 - 光デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、半導体から構成された光デバイスに関する。
近年、データセンタ内などの通信容量増大に伴い、近距離光通信用光デバイスの低消費電力化が求められている。この要望に応えるために、埋め込みヘテロ(buried heterostructure;BH)構造の光デバイスが開発されている(非特許文献1~5参照)。埋め込みヘテロ構造では、屈折率が高くバンドギャップの小さい半導体からなる活性層を、この活性層より屈折率が低くバンドギャップの大きい半導体の層により上下左右を挟み込み、活性層が埋め込まれた構造となっている。この構造により、光デバイスの各種性能に大きく寄与する活性層への光閉じ込め係数を向上させることが可能となる。
こうした埋め込みヘテロ構造を有する光デバイスでは、典型的に厚さ250nm~500nm程度の半導体多層構造が用いられ、活性層の体積を小さくすることで消費電力を低く抑える工夫がなされている点に特徴がある。また活性層には、キャリア結合効率に優れた多重量子井戸(MQW)構造が採用されるようになっている。
このような構成とした光デバイスでは、屈折率の異なるクラッドとなる層を、コアとなる活性層により近づけてより強い光閉じ込めを実現するために、半導体多層構造を薄くしている。このように半導体層を薄くした構成において、光デバイスへの電界印加、電流注入を行うためには、活性層の上下の半導体層をp型およびn型とする一般的な縦型pin構造ではなく、活性層の左右の半導体層をp型、n型とする横型pin構造が採用されている。
縦型pin構造では、活性層の上部に電流注入のための電極が配置されることになるが、半導体層を薄くすると、電極と活性層との距離が短くなり、活性層を導波させようとする光が電極の影響を受けるようになる。これに対し、横型pin構造とすることで、電極を活性層の上部からずらし、活性層より離して配置することが可能となり、上述した問題が解消できるようになる。
S. Matsuo et al. "Directly modulated buried heterostructure DFB laser on SiO2/Si substrate fabricated by regrowth of InP using bonded active layer", Optics Express, vol. 22, no. 10, pp. 12139-12147, 2014. T. Okamoto et al., "Optically pumped membrane BH-DFB lasers for low-threshold and single-mode operation", IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol. 9, no. 5, pp. 1361-1366, 2003. S. Matsuo et al., "Room-temperature continuous-wave operation of lateral current injection wavelength-scale embedded active-region photonic-crystal laser", Optics Express, 2012, 20, (4), pp. 3773-3780. S. Matsuo et al., "High-speed ultracompact buried heterostructure photonic-crystal laser with 13 fJ of energy consumed per bit transmitted", Nature Photonics, vol. 4, no. 9, pp. 648-654, 2010. K. Hasebe, et al., "High-Speed Modulation of Lateral p-i-n Diode Structure Electro-Absorption Modulator Integrated With DFB Laser", Journal of Lightwave Technology, vol. 33, no. 6, pp. 1235-1240, 2015.
ところで、光デバイスを低消費電力で駆動するための重要な指標のひとつに、内部量子効率が挙げられる。内部量子効率とは、電流注入により半導体層の内部に発生したキャリアのうち、活性層における発光に寄与したキャリアの割合を表す無次元数である。以下、半導体レーザを例にして図4を参照して説明する。図4は、半導体レーザのきい値電流(Threshold Current)および同一電流注入時の光出力(Output Power)を、内部量子効率(Internal Quantum Efficiency)の関数としてプロットしたものである。内部量子効率の増加に対して、光出力は比例して増加、しきい値電流は反比例して減少する。
内部量子効率が1を下回る要因は、大きく2通り考えられる。
第1に、非発光再結合による熱的な緩和過程の寄与によるものである。半導体層の温度が上昇すると非発光再結合の割合が増加するため、内部量子効率は低下する。
第2に、半導体層の構造に電流リークパスが存在するなどして、そもそも活性層以外の箇所でキャリア再結合が起こることに起因するものである。電流リークがあれば、活性層への電流注入効率(以下、単に注入効率)が低下し、結果的に内部量子効率は低下する。
図5は、内部量子効率が異なる2つの半導体レーザにおける光出力の注入電流依存性である。図5において、実線は、内部量子効率が高い半導体レーザの特性を示している。また、図5において、点線は、内部量子効率が低い半導体レーザの特性を示している。内部量子効率が高いレーザは、低いレーザに比べて、第1に低いしきい値電流で発振し、第2に単位注入電流あたりの光出力増加割合が大きく、第3に高注入電流時の温度上昇が小さいため出力低下が起こりにくいという特長がある。
以下、横型pin構造を有する光デバイスのうち、上述した半導体レーザの注入効率について示す。横型pin構造では、基板平面の法線方向である上下方向に半導体層が積層された活性層領域に対して、左右からキャリアが注入されることとなる。図6に、活性層203以外で生じ得るキャリア結合の模式図を示す。図6において、実線の矢印は、電子の流れを示し、点線の矢印は正孔の流れを示している。
なお、基板201の上に第1半導体層202が形成され、第1半導体層202の上に活性層203が形成されている。また、活性層203の上には、第2半導体層204が形成されている。第1半導体層202,第2半導体層204は、例えばノンドープのInPから構成されている。また、活性層203を挾むように、第1半導体層202の上に、p型半導体層205およびn型半導体層206が形成されている。なお、図示していないが、例えば、共振器の構造として、活性層203の上または下に回折格子が形成されている。
この半導体レーザでは、活性層203の上下の第1半導体層202,第2半導体層204がリークパスとなり、活性層203以外の領域でのキャリア結合が発生し、注入効率が低下する。このため、横型pin構造を有する薄膜半導体構造を用いた半導体レーザでは、所望の内部量子効率(約80%)が得られないという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、横型pin構造の光デバイスの内部量子効率を向上させることを目的とする。
本発明に係る光デバイスは、基板の上に形成された化合物半導体からなる第1半導体層と、第1半導体層の上に形成された化合物半導体からなる第2半導体層と、第2半導体層の上に接して形成された化合物半導体からなる活性層と、第2半導体層の上で基板の平面に平行な方向に活性層を挟んで形成されたp型の化合物半導体からなる第3半導体層およびn型の化合物半導体からなる第4半導体層と、活性層の上に形成された化合物半導体からなる第5半導体層とを備え、第2半導体層および第5半導体層は、活性層よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成され、第3半導体層および第4半導体層は、活性層より屈折率が低く、かつ活性層よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成され、第1半導体層は、第2半導体層、第3半導体層、および第4半導体層よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成され、第1半導体層は、第2半導体層、第3半導体層、および第4半導体層の下に配置され、第1半導体層は、化合物半導体からなる下部クラッド層を介して基板の上に形成され、基板は、SiO2から構成され、下部クラッド層、第1半導体層、第2半導体層、活性層、第5半導体層の合計膜厚は、400nm以下とされている。
上記光デバイスにおいて、第3半導体層に接続された第1電極と、第4半導体層に接続された第2電極とを更に備える。
上記光デバイスにおいて、活性層は、多重量子井戸構造とされているとよい。
以上説明したように、本発明によれば、第2半導体層、第3半導体層、および第4半導体層よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成した第1半導体層を活性層の下に配置したので、横型pin構造の光デバイスの内部量子効率が向上するという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における光デバイスの構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態における光デバイスにおけるバンド構造を示すバンド図である。 図3Aは、本発明の実施の形態における光デバイスの製造方法を説明するための途中工程の状態を示す断面図である。 図3Bは、本発明の実施の形態における光デバイスの製造方法を説明するための途中工程の状態を示す断面図である。 図3Cは、本発明の実施の形態における光デバイスの製造方法を説明するための途中工程の状態を示す断面図である。 図3Dは、本発明の実施の形態における光デバイスの製造方法を説明するための途中工程の状態を示す断面図である。 図3Eは、本発明の実施の形態における光デバイスの製造方法を説明するための途中工程の状態を示す断面図である。 図3Fは、本発明の実施の形態における光デバイスの製造方法を説明するための途中工程の状態を示す断面図である。 図4は、横型pin構造を有する半導体レーザのしきい値電流および同一電流注入時の光出力を、内部量子効率の関数として示した特性図である。 図5は、内部量子効率が異なる2つの半導体レーザにおける光出力の注入電流依存性を示す特性図である。 図6は、横型pin構造を有する半導体レーザの構成を示す断面図である。 図7は、本発明の実施の形態における光デバイスにおけるエネルギー準位を計算したバンドラインナップである。
以下、本発明の実施の形態における光デバイスについて図1を参照して説明する。この光デバイスは、基板101の上に、第1半導体層102、第2半導体層103、活性層104、第3半導体層105、第4半導体層106、および第5半導体層107を備える。各半導体層は、化合物半導体から構成されている。
第1半導体層102は、化合物半導体から構成され、実施の形態では、基板101の上に下部クラッド層110を介して形成されている。第2半導体層103は、第1半導体層102の上に形成されている。第2半導体層103の上で、活性層104は、基板101平面に平行な方向において、第3半導体層105と第4半導体層106とに挾まれている。第3半導体層105は、p型の化合物半導体から構成され、第4半導体層106は、n型の化合物半導体から構成されている。
実施の形態において、まず、第2半導体層103および第5半導体層107は、活性層104よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成されている。また、第3半導体層105および第4半導体層106は、活性層104より屈折率が低く、かつバンドギャップが大きい化合物半導体から構成されている。加えて、第1半導体層102は、第2半導体層103よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成されている。
なお、光デバイスは、第3半導体層105に電気的に接続された第1電極111と、第4半導体層106に電気的に接続された第2電極112とを備える。第3半導体層105の上に直接、第1電極111を形成してもよく、コンタクト層を介して第1電極111を形成してもよい。同様に、第4半導体層106の上に直接、第2電極112を形成してもよく、コンタクト層を介して第2電極112を形成してもよい。コンタクト層は、より高濃度に不純物が導入され、第3半導体層105,第4半導体層106よりもバンドギャップが小さい半導体から構成されているとよい。
例えば、基板101は、高抵抗のInPから構成されている。また、下部クラッド層110,第2半導体層103,第5半導体層107は、ノンドープのInP(i-InP)から構成されている。また、第3半導体層105は、Znがドープされたp型のInP(p-InP)から構成され、第4半導体層106は、Siがドープされたn型のInP(n-InP)から構成されている。
また、活性層104は、例えば、バルクのInGaAsPから構成すればよい。また、活性層104は、InGaAsPからなる井戸層とバリア層が交互に積層された多重量子井戸構造としてもよい。また、第1半導体層102は、InAlAsから構成すればよい。また第1半導体層102は、InGaAlAs、AlGaAsから構成してもよく、AlGaN、AlNなどの窒化物半導体から構成してもよい。
なお、各半導体層の品質を高めたい場合、第1半導体層102、第2半導体層103,活性層104,第3半導体層105,第4半導体層106,第5半導体層107は、互いに格子整合する材料により選択するとよい。この条件を満たす組み合わせとしては、例えば、第2半導体層103,第3半導体層105,第4半導体層106,第5半導体層107にInPを用い、活性層104はバルクのInGaAsP、またはInGaAlAsを用いる例がある。一方、活性層104を多重量子井戸構造とする場合、井戸層、バリア層ともに隣接する他の半導体層と格子整合していなくてもよい。
また、基板101をSiO2とした場合、下部クラッド層110、第1半導体層102、第2半導体層103、活性層104、第5半導体層107の合計膜厚を薄くすることにより、活性層104内への光閉じ込め係数を高め、光デバイス特性を向上させることができる。合計膜厚は、例えば、400nm以下とすればよい。また、活性層104内への光閉じ込め係数を高めつつ、電流注入効率を高くしたい場合、活性層104の幅を制限すればよく、幅は例えば、200nm~1000nmの間とすれば良い。
また、実施の形態における光デバイスを、例えば、レーザとする場合、図示しない共振構造を設けるようにすればよい。例えば、活性層104の上に回折格子を形成すれば、分布帰還型のレーザとすることができる。また、図1の紙面の手前側および奥側において、活性層104に連続してコア層を形成し、このコア層の上に回折格子を形成すれば、分布ブラッグ反射型のレーザとすることができる。また、外部共振器構造を組み合わせてレーザとしてもよい。
以上に説明したように、実施の形態によれば、第2半導体層103、第3半導体層105、および第4半導体層106の下に、よりバンドギャップの大きい化合物半導体からなる第1半導体層102を配置したので、活性層104の基板側における電流リークパスの形成が抑制されるようになる。この効果は、第2半導体層103が薄いほど高くなることが期待でき、作製上問題が無ければ、第2半導体層103は無くても良い。この結果、実施の形態によれば、横型pin構造の光デバイスの内部量子効率を向上させることができるようになる。
上述した効果について、より詳細に説明する。この光デバイスにおいては、図1の一点鎖線の矢印で示すように、第1電流パス(a)、第2電流パス(b)、第3電流パス(c)が、キャリア(電子および正孔)が流れる経路として考えられる。これらの各電流パスに対するバンドの状態は、図2に示すものとなる。
図2の(a)は、図1の第1電流パス(a)に対応し、キャリアが活性層104に流れ込む場合のバンド図である。活性層104は、第3半導体層105、第4半導体層106よりもバンドギャップの小さな半導体から構成されているため、キャリアは活性層104に閉じ込められ、効率よく再結合が生じる。
図2の(b)は、図1の第2電流パス(b)に対応し、活性層104の上部の第5半導体層107にキャリアが流れ込む場合のバンド図である。第2半導体層103、活性層104、第3半導体層105、第4半導体層106、および第5半導体層107を、同じ半導体から構成する場合、キャリアの流れを阻害する要因は存在せず、第5半導体層107においても一定の再結合が生じることとなる。
図2の(c)は、図1の第2電流パス(c)に対応し、活性層104より基板側の半導体層にキャリアが流れ込む場合のバンド図である。一般的な横型pin構造の光デバイスの場合は活性層上部と同様のバンド図となり再結合が生じる。これに対し、本発明によれば、活性層104の下部に高バンドギャップの第1半導体層102が存在するため、キャリアは、活性層104の下部に流れ込むことがほぼ抑制される。このため、図1の第3電流パスにおけるキャリアの流れは、ほぼゼロにすることができる。この結果、上述した実施の形態におけるによれば、活性層104における再結合効率が向上し、光デバイスの特性の向上が図れるようになる。この効果を得るためには、第1半導体層102の厚みはトンネル電流を生じない程度あればよく、例えば、4nm以上あればよい。
なお、図2の(d)は、実施の形態として第3半導体層105、第4半導体層106、下部クラッド層110にInPを選択し、第1半導体層102にInAlAs層を選択した場合における、図1の第2電流パス(c)に対応するバンド図である。InPとInAlAsの組み合わせはタイプII構造と呼ばれ、価電子帯のキャリア(正孔)については流入を抑制することができない一方、伝導帯のキャリア(電子)の流入は強力に抑制される。このため、正孔は下部クラッド層110および第1半導体層102に溜まることとなるが、InP中における正孔の移動度は電子の20分の1以下と小さいため、リークへの影響は小さい。一方、リークへの影響が大きい電子の流れは強力に阻害されるため、図2の(c)のケース同様に、活性層104における再結合効率が向上する。図7は、第3半導体層105、第4半導体層106にInPを、第1半導体層102にInPと格子整合するInAlAs層を、活性層104にInGaAlAs層を選択した場合のエネルギー準位を計算したバンドラインナップであり、伝導帯のキャリアの流れを抑制できることがわかる。なお、図7において、点線は、ヘビーホールの状態を示し、一点鎖線は、ライトホールの状態を示している。
また、上記の効果を高める目的で第1半導体層102にドーピングを行い、導電型を変更しても良い。例えば、Feをドーピングして半絶縁性とすることで、下部クラッド層110への電流リークをより強く抑制することが期待できる。また、第1半導体層102内において、上下方向に導電型分布構造を形成しても良い。例えば、第1半導体層102内上下方向にN型とP型を2周期以上繰り返すNPNP構造を形成することで、下部クラッド層110への電流リークを抑制することが期待できる。また、第1半導体層102内において、左右方向に導電型分布構造を形成しても良い。例えば、第3半導体層105の下は第3半導体層105と異なる導電型とし、第4半導体層106の下は第4半導体層106と異なる導電型とした場合でも、下部クラッド層110への電流リークを抑制することが期待できる。
以下、実施の形態における光デバイスの製造方法について図3A~図3Fを参照して説明する。
まず、図3Aに示すように、基板101の上に、下部クラッド層110を形成する。公知の有機金属化学気相成長(MOCVD)や分子線エピタキシー(MBE)などにより、ノンドープの化合物半導体または半絶縁性の化合物半導体を定積することで、下部クラッド層110とすればよい。また、別途に用意した成長基板の上に形成した下部クラッド層110を、Siなどから構成した基板101にウェハ直接接合により貼り付けるようにしてもよい。
次いで、図3Bに示すように、下部クラッド層110の上に、第1半導体層102、第2半導体層103、活性層形成層104a、第5半導体層形成層107aを形成する。例えば、MOCVDやMBEなどにより、所定の化合物半導体をエピタキシャル成長させることで、上述した各層を順次に形成すればよい。また、第1半導体102のエピタキシャル成長中にn型不純物またはp型不純物またはSI型不純物を導入し、導電型を変更しても良い。また、第1半導体102のエピタキシャル成長後、イオン注入や熱拡散によりn型不純物またはp型不純物を導入し、導電型を変更した後に第2半導体層103を再成長しても良い。
なお、別途に用意した成長基板の上に、MOCVDやMBEなどにより第5半導体層形成層107a、活性層形成層104a、第2半導体層103、第1半導体層102を形成し、これらをSiなどから構成した基板101にウェハ直接接合により貼り付け、この後、成長基板を除去するようにしてもよい。この場合、下部クラッド層110は無くてもよい。
次に、図3Cに示すように、公知のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術により、第5半導体層形成層107aの上に、マスクパターン151を形成する。マスクパターン151は、例えば酸化シリコンなどの無機絶縁材料から構成する。次いで、マスクパターン151をマスクとし、公知のドライエッチング技術またはウエットエッチング技術などを用い、第5半導体層形成層107a、活性層形成層104aをパターニングし、図3Dに示すように、所定の形状の活性層104、第5半導体層107を形成する。例えば、図3Dの紙面の手前から奥に延在するストライプ形状に活性層104、第5半導体層107を形成する。
次に、図3Dに示すように、活性層104、第5半導体層107の側方の第2半導体層103の上に、第3半導体層105、第4半導体層106を形成する。
例えば、酸化シリコンからなるマスクパターン151を選択成長マスクとし、露出している第2半導体層103の上に、InPを再成長させる。次いで、再成長させた一方のInPの層に、イオン注入や熱拡散によりp型不純物を導入して第3半導体層105とする。また、再成長させた他方のInPの層に、イオン注入や熱拡散によりn型不純物を導入して第4半導体層106とする。
また、マスクパターン151を選択成長マスクとした再成長において、まず、第4半導体層106の形成領域をマスクした状態で、第3半導体層105の形成領域には、p型となる不純物の原料ガスも用いてp型のInPを再成長させて第3半導体層105を形成する。このようにして第3半導体層105を形成した後、第3半導体層105をマスクした状態で、第4半導体層106の形成領域にn型となる不純物の原料ガスも用いてn型のInPを再成長させて第4半導体層106を形成する。また、第3半導体層105および第4半導体層106を同じ導電型として再成長させた後、一方の導電型を反転させるドーピングをイオン注入または熱拡散によって行っても良い。また、第3半導体層105および第4半導体層106を同じ導電型として再成長させた後、一方をマスクした状態で再度エッチングによる半導体層の除去を行い、異なる導電型として再成長を行っても良い。
以上のように各半導体層を形成した後、マスクパターン151を除去すれば、図3Fに示すように、実施の形態における光デバイスが得られる。この後、第3半導体層105の上に第1電極111を形成し、第4半導体層106の上に第2電極112を形成すれば、図1を用いて説明した光デバイスが得られる。
ところで、活性層形成層104aの形成工程において、材料としてAlを含む混晶(InGaAlAsなど)を選択する場合、成膜装置の成膜室内の酸素濃度を低く保つことが重要である。これは、Alが極めて酸化されやすい材料であり、かつ、酸化されたAlを含む混晶を活性層に用いると、発光効率が著しく低下するためである。しかしながら、InPやGaAsなどの結晶はAlに比べて酸化されにくい。このため、成膜室内に酸素が存在している場合、Alを含む混晶の化合物半導体の成長の段階で、初めて成膜室内の酸素が成長している半導体層中に取り込まれやすいという問題がある。
これに対し、活性層形成層104aの成長を、第1半導体層102を形成した後で、連続して同一の成膜室内で行うことで、上述した問題が解消できる。他の層より高いバンドギャップとする第1半導体層102は、一般には、InAlAs、InGaAlAs、AlGaAs、AlGaN、AlNなどのAlを含む材料から構成することになる。従って、第1半導体層102を成長することで、成膜室内の酸素が第1半導体層102に取り込まれ、結果的に成膜室内の酸素濃度が低下する。この状態で、活性層形成層104aを成長すれば、活性層形成層104aには酸素が取り込まれることがない。
第1半導体層102は発光に寄与せず、この層への酸素の取り込みはデバイス特性に影響すること無く活性層の品質が維持される。これにより、高バンドギャップ層を挿入しない一般的な活性層成長手順に比べて、良好な発光特性を有する活性層が得られるという効果が期待できる。
また、活性層形成層104aの成長においては、この工程の前に、成膜室内を活性層形成層104aの長温度よりも高い温度にすることで各種部材から酸素を離脱させることも知られている。これにより、活性層形成層104aの成長における酸素の導入が防げるようになる。しかしながら、このような高温処理は、既に形成されているInPからなる半導体層におけるInPの再蒸発を招くことになり、高品質な結晶成長を阻害するという問題が発生する。
また、基板101をInPとは物性定数(格子定数、熱膨張係数)が大きく異なる材料から構成した場合、InPから構成した半導体層に、残留歪およびその分布を生じさせる。InPは、高温環境下において、表面エネルギーが最小になるように、原子が移動し再配列するマストランスポート現象を生じやすい材料である。このため、歪分布のあるInPの層を高温環境に晒すと平坦性が悪化するという問題も発生する。
これに対し、本発明では活性層より基板の側に、より高いバンドギャップの第1半導体層102を配置するため、第1半導体層102は、InAlAsの層とすることが可能である。InAlAsの再蒸発温度はInPよりも高く、またマストランスポートも生じづらい材料である。このため、第1半導体層102を成長するときには、成膜室内をより高温にすることが可能となり、上述したいずれの問題も発生することがなく、高品質な活性層を得ることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、第2半導体層よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成した第1半導体層を活性層の下に配置したので、横型pin構造の光デバイスの内部量子効率を向上させることができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、基板は、シリコン、酸化シリコン、GaAs、GaN、Al23などの材料から構成されていてもよい。
また、第2半導体層,第5半導体層は、半絶縁性の半導体から構成してもよい。また、活性層は、InGaAs、InGaAlAs、InAlAs、InP、InGaAs、GaAs、InGaN、GaNから構成してもよく、また、これらによる多重量子井戸構造としてもよい。
101…基板、102…第1半導体層、103…第2半導体層、104…活性層、105…第3半導体層、106…第4半導体層、107…第5半導体層、110…下部クラッド層、111…第1電極、112…第2電極。

Claims (3)

  1. 基板の上に形成された化合物半導体からなる第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に形成された化合物半導体からなる第2半導体層と、
    前記第2半導体層の上に接して形成された化合物半導体からなる活性層と、
    前記第2半導体層の上で前記基板の平面に平行な方向に前記活性層を挟んで形成されたp型の化合物半導体からなる第3半導体層およびn型の化合物半導体からなる第4半導体層と、
    前記活性層の上に形成された化合物半導体からなる第5半導体層と
    を備え、
    前記第2半導体層および前記第5半導体層は、前記活性層よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成され、
    前記第3半導体層および前記第4半導体層は、前記活性層より屈折率が低く、かつ前記活性層よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成され、
    前記第1半導体層は、前記第2半導体層、前記第3半導体層、および前記第4半導体層よりバンドギャップの大きい化合物半導体から構成され、
    前記第1半導体層は、前記第2半導体層、前記第3半導体層、および前記第4半導体層の下に配置され、
    前記第1半導体層は、化合物半導体からなる下部クラッド層を介して前記基板の上に形成され、
    前記基板は、SiO 2 から構成され、
    前記下部クラッド層、前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記活性層、前記第5半導体層の合計膜厚は、400nm以下とされている
    ことを特徴とする光デバイス。
  2. 請求項1記載の光デバイスにおいて、
    前記第3半導体層に接続された第1電極と、
    前記第4半導体層に接続された第2電極と
    を更に備えることを特徴とする光デバイス。
  3. 請求項1または2記載の光デバイスにおいて、
    前記活性層は、多重量子井戸構造とされていることを特徴とする光デバイス。
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