以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用データファイル生成装置が設けられる病院内のシステムの機能構成の例を示すブロック図である。図1に示されるシステムは、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)10、放射線部門情報システム(RIS:Radiology Information System)20、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)30、医用画像診断装置40、通信端末50、及びストレージサーバ60を具備する。病院情報システム10、放射線部門情報システム20、医用画像管理システム30、医用画像診断装置40、通信端末50、及びストレージサーバ60は、LAN(Local Area Network)等の病院内ネットワークを介してデータ通信可能に接続されている。このとき、病院内ネットワークへの接続は、有線接続、及び無線接続を問わない。
なお、図1では、病院情報システム10、放射線部門情報システム20、医用画像管理システム30、医用画像診断装置40、通信端末50、及びストレージサーバ60が病院内ネットワークに接続される場合を例に示しているが、これに限定されない。セキュリティが確保されるのであれば、接続される回線は病院内ネットワークに限定されない。例えば、VPN(Virtual Private Network)等を介し、インターネット等、公衆の通信回線に接続するようにしても構わない。また、図1では、ストレージサーバ60が病院内ネットワークに収容されている場合を例に示しているが、これに限定されない。ストレージサーバ60は、外部ネットワークに接続され、例えば、ファイアウォール機能等を有するサーバを介して病院内ネットワークに接続されていても構わない。
病院情報システム10は、例えば、診療情報、患者情報、オーダ情報等を管理するシステムである。診療情報には、例えば、所見情報、病名情報、バイタル情報等、電子カルテに係る情報が含まれる。患者情報には、例えば、患者ID、患者氏名、性別、年齢等が含まれる。オーダ情報は、例えば、診療医等が放射線検査等を依頼する際のオーダに関する情報である。オーダ情報には、例えば、検査日、検査部位、検査目的、医用画像診断装置の種別、依頼医師等が含まれる。
病院情報システム10は、例えば、サーバ装置11、及び通信端末12を有する。サーバ装置11と、通信端末12とは、病院内ネットワークを介してデータ通信可能に接続されている。サーバ装置11は、病院情報システム10において、診療情報、患者情報、オーダ情報等を管理する。
なお、図1では、病院情報システム10に含まれるサーバがサーバ装置11のみである場合を例に示しているが、これに限定されない。サーバ装置11は、必要に応じて複数設けられていても構わない。例えば、サーバ装置11は、管理する情報毎に設けられても構わない。具体的には、例えば、病院情報システム10は、診療情報及び患者情報を管理する電子カルテシステム、並びに、診療部門に対してオーダ情報を発行するオーダエントリシステムを有しており、それぞれのシステムにサーバ装置が設けられていても構わない。
通信端末12は、例えば、診療医等の医療スタッフがサーバ装置11への指示を入力するための端末である。具体的には、例えば、通信端末12は、診療医により操作され、放射線部門情報システム20へオーダを発行するようにサーバ装置11に対して指示信号を供給する。サーバ装置11は、通信端末12から指示信号を受け取ると、オーダ情報、及び患者情報を放射線部門情報システム20へ送信する。オーダ情報、及び患者情報は、予め設定されている規格、例えば、HL7(Health Level 7)に則って放射線部門情報システム20へ送信される。
放射線部門情報システム20は、診療部門の一つである放射線部門において、検査予約等の情報を管理するシステムである。放射線部門情報システム20は、例えば、サーバ装置21、及び通信端末22を有する。サーバ装置21、及び通信端末22は、病院内ネットワークを介してデータ通信可能に接続されている。
サーバ装置21は、放射線部門内における検査予約等の情報を管理する。具体的には、例えば、サーバ装置21は、病院情報システム10から送信されるオーダ情報、及び患者情報を受信すると、放射線部門内でのオーダ情報を設定する。放射線部門内でのオーダ情報は、例えば、撮像計画に基づいて設定され、検査(撮像)時に必要となる詳細な情報、例えば、医用画像診断装置40についての撮像条件等を含む。撮像条件には、例えば、造影剤の有無、検査目的、撮像パラメータ等が含まれる。なお、放射線部門内でのオーダ情報は、受信したオーダ情報、患者情報、過去の検査履歴等に基づいてプリセットされてもよい。サーバ装置21は、放射線部門内でのオーダ情報、及び患者情報を医用画像診断装置40へ送信する。
なお、図1では、放射線部門情報システム20に含まれるサーバがサーバ装置21のみである場合を例に示しているが、これに限定されない。サーバ装置21は、必要に応じて複数設けられていても構わない。
通信端末22は、例えば、放射線科医等の医療スタッフが、放射線部門情報システム20のサーバ装置21への指示を入力するための端末である。具体的には、例えば、通信端末22は、放射線科医により操作され、病院情報システム10から送信されるオーダ情報、及び患者情報に基づき、放射線部門内における詳細なオーダ情報をサーバ装置21へ入力する。
医用画像診断装置40は、被検体を撮影することにより医用画像データを発生する装置である。医用画像診断装置40は、例えば、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT-CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET-CT装置、PET装置とMRI装置とが一体化されたPET-MRI装置、又はこれらの装置群等である。
医用画像診断装置40は、放射線部門情報システム20から送信されるオーダ情報、及び患者情報を受信すると、受信したオーダ情報、及び患者情報に基づいて患者を撮影し、医用画像データを生成する。医用画像データは、再構成後のデータであっても良いし、再構成前の生データであっても構わない。また、医用画像診断装置40は、オーダ情報、及び患者情報を受信すると、受信したオーダ情報、及び患者情報を医用画像管理システム30へ転送する。なお、オーダ情報、及び患者情報が放射線部門情報システム20から医用画像管理システム30へ送信される場合には、医用画像診断装置40は、オーダ情報、及び患者情報を医用画像管理システム30へ転送しなくても構わない。
医用画像診断装置40は、生成した医用画像データを、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication Medicine)規格に則った画像ファイルに変換する。画像ファイルは、医用画像データと、医用画像データに付加される付帯情報を含む。付帯情報は、医用画像データを管理するための情報であり、例えば、検査UID、検査日、検査時刻、患者ID等が含まれる。検査UIDは、検査を一意に特定可能な識別子である。
通信端末50は、例えば、読影医等の医療スタッフが、LANに接続されているシステムや装置等へアクセスするための端末、例えば、ビューワである。
医用画像管理システム30は、医用画像データを管理するシステムである。医用画像管理システム30は、例えば、サーバ装置31、及び通信端末32を有する。サーバ装置31と、通信端末32とは、病院内ネットワークを介してデータ通信可能に接続されている。
サーバ装置31は、医用画像データを管理するローカルデータベース311の役割を果たす。医用画像データは、医用画像診断装置40で生成された医用画像データ、ストレージサーバ60から取得された医用画像データ、その他外部から提供された医用画像データを含む。
サーバ装置31は、一部の医用画像データについては、記憶していることは管理しつつ、実体はストレージサーバ60に構築されるリモートデータベース61に記憶させる。例えば、サーバ装置31は、検査日から所定期間経過した医用画像データを、識別情報をローカルデータベース311に記憶しつつ、リモートデータベース61へ転送する。また、例えば、サーバ装置31は、ローカルデータベース311上で更新されてから所定期間経過した医用画像データを、識別情報をローカルデータベース311に記憶しつつ、リモートデータベース61へ転送してもよい。
また、サーバ装置31は、定義ファイルを記憶する定義データベース312の役割を果たす。本実施形態において定義ファイルは、所定の診察をするのに必要な医用データを定義するファイルである。定義ファイルは、所定の医用データファイルを生成するのに必要な医用データを定義するファイルと換言することも可能である。なお、本実施形態において、医用データとは、病院内で用いられる種々のデータを表し、複数のデータを統合的に取り扱う処理に必要なデータを表す。医用データには、例えば、診療情報、患者情報、医用画像データ等が含まれる。また、本実施形態において、医用データファイルとは、所定の診察をする際にユーザが参照するデータファイルであり、例えば、所望の診察と対応する画像処理等が施された医用データを用いて生成される。また、医用データファイルは、例えば、所望の診察の際に必要となる複数の医用データを用いて生成される。
また、本実施形態では、サーバ装置31は、医用データファイル生成装置の役割を果たす。サーバ装置31は、定義データベースに記憶されている定義ファイルを参照して必要となる医用データを取得し、取得した医用データに基づいて医用データファイルを生成する。
通信端末32は、例えば、読影医等の医療スタッフが、医用画像管理システム30のサーバ装置31への指示を入力するための端末である。具体的には、例えば、通信端末32は、医療スタッフにより操作され、医用画像管理システム30に記憶されている医用画像データを読み出す。また、通信端末32は、医療スタッフにより操作され、サーバ装置31により再生された医用データファイルを読み出す。
ストレージサーバ60は、ローカルデータベース311では管理しきれない医用画像データを記憶するリモートデータベース61の役割を果たす。ストレージサーバ60は、外部のデータベースの一例である。ストレージサーバ60は、例えば、種々の情報を記憶するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及び集積回路等の記憶装置等により実現される。
図2は、図1に示されるサーバ装置31の機能構成の例を表すブロック図である。図2に示されるサーバ装置31は、処理回路313、メモリ314、及び通信インタフェース315を有する。処理回路313、メモリ314、及び通信インタフェース315は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
処理回路313は、サーバ装置31の中枢として機能するプロセッサである。処理回路313は、メモリ314等に記憶されているプログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する機能を実現する。
メモリ314は、例えば、種々の情報を記憶するROM、RAM、HDD、SSD、及び集積回路等の記憶装置である。また、メモリ314は、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。なお、メモリ314は、必ずしも単一の記憶装置により実現される必要は無い。例えば、メモリ314は、複数の記憶装置により実現されても構わない。また、メモリ314は、サーバ装置31にネットワークを介して接続された他のコンピュータ内にあってもよい。
メモリ314は、本実施形態に係る医用データファイル生成プログラム等を記憶している。なお、この医用データファイル生成プログラムは、例えば、メモリ314に予め記憶されていてもよい。また、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されてメモリ314にインストールされてもよい。
メモリ314は、ローカルデータベース311のメモリとして医用データを記憶している。医用データは、例えば、医用画像診断装置40から送信されるオーダ情報、及び患者情報、医用画像データ、並びに、医用画像データに付されている付帯情報等を含む。このとき、医用画像データには、例えば、医用画像診断装置40で生成された医用画像データ、ストレージサーバ60から収集された医用画像データ、その他外部から提供された医用画像データ等が含まれる。図2では、説明の簡略化のため、メモリ314に医用画像データ3141が記憶されている場合を例に示している。また、メモリ314は、医用データを用いて生成した医用データファイル(図示せず)を記憶する。また、メモリ314は、ローカルデータベース311から転送されてリモートデータベース61に記憶されている医用画像データを識別可能な識別情報(図示せず)を記憶する。
メモリ314は、定義データベース312のメモリとして定義ファイル3142を記憶している。定義ファイル3142は、例えば、診断の種類、及び生成する医用データファイルの種類毎に存在する。定義ファイル3142は、例えば、メモリ314に予め記憶されていてもよい。また、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されてメモリ314にインストールされてもよい。また、定義ファイル3142は、製品仕様アップグレード、及び製品連携で仕様が増えたときに更新されても構わない。
定義ファイル3142としては、例えば、サブトラクション画像を用いた経過観察を実施するのに必要な医用データ(オブジェクト)を定義する定義ファイル、カルシウムスコア画像を用いた経過観察を実施するのに必要な医用データを定義する定義ファイル、3D画像又はMPR(Multi Planar Reconstruction)画像を用いた経過観察を実施するのに必要な医用データを定義する定義ファイル、マルチモダリティ画像、例えば、フュージョン画像を用いた診察を実施するのに必要な医用データを定義する定義ファイル等が挙げられる。なお、これらの定義ファイルは、サブトラクション画像を用いた経過観察の為の医用画像データファイルを生成するのに必要な医用データを定義する定義ファイル、カルシウムスコア画像を用いた経過観察の為の医用画像データファイルを生成するのに必要な医用データを定義する定義ファイル、3D画像又はMPR(Multi Planar Reconstruction)画像を用いた経過観察の為の医用画像データファイルを生成するのに必要な医用データを定義する定義ファイル、及びマルチモダリティ画像、例えば、フュージョン画像を用いた診察の為の医用画像データファイルを生成するのに必要な医用データを定義する定義ファイル等とそれぞれ換言可能である。本実施形態において、医用画像データファイルは、医用データファイルのうち、画像に係るものを表す。
また、定義ファイル3142は、ユーザにより設定された診察を実施するのに必要な医用データを定義する定義ファイルであっても構わない。例えば、複数の画像を並べて表示するような用途において、定義ファイル3142は、ユーザにより設定される条件を含む。処理回路313は、条件に合う画像、及びオブジェクトをリモートデータベース61から探索、収集する。
通信インタフェース315は、病院情報システム10、放射線部門情報システム20、医用画像診断装置40、通信端末50、及びストレージサーバ60との間でデータ通信を行う。通信インタフェース315は、例えば、予め設定されている既知の規格に準拠してデータ通信を行う。
なお、サーバ装置31は、入力インタフェースを有していてもよい。入力インタフェースは、ユーザから各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路313へ出力する。入力インタフェースは、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド、及び操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパネル等の入力機器に接続されている。また、入力インタフェースに接続される入力機器は、ネットワーク等を介して接続された他のコンピュータに設けられた入力機器でもよい。
また、サーバ装置31は、ディスプレイを有していてもよい。ディスプレイは、処理回路313からの指示に従って種々の情報を表示する。また、ディスプレイは、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示してもよい。ディスプレイは、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ等、任意のディスプレイが適宜利用可能である。
図2に示される処理回路313は、メモリ314に記憶されている医用データファイル生成プログラムを実行することで、実行したプログラムに対応する機能を実現する。例えば、処理回路313は、医用データファイル生成プログラムを実行することで、制御機能3131、判断機能3132、収集機能3133、及び生成機能3134として機能する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによって制御機能3131、判断機能3132、収集機能3133、及び生成機能3134が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより制御機能3131、判断機能3132、収集機能3133、及び生成機能3134を実現しても構わない。
制御機能3131は、ローカルデータベース311としてのサーバ装置31の処理全体を制御する機能である。具体的には、例えば、制御機能3131において処理回路313は、医用画像診断装置40から送信された医用画像データをメモリ314に記憶させる。また、処理回路313は、例えば、メモリ314に記憶されている一部の医用画像データについて、識別情報をメモリ314に記憶させつつ、実体をストレージサーバ60へ転送する。
判断機能3132は、メモリ314に記憶されている定義ファイル3142を参照し、必要な医用データがローカルデータベース311内に揃っているか否かを判断する機能であり、判断手段の一例である。具体的には、例えば、判断機能3132において処理回路313は、メモリ314から定義ファイル3142を読み出す。処理回路313は、読み出した定義ファイル3142で定義されている医用データがローカルデータベース311内に揃っているか否かを判断する。
収集機能3133は、ストレージサーバ60に構築されるリモートデータベース61から医用データを収集する機能であり、収集手段の一例である。具体的には、例えば、収集機能3133において処理回路313は、ローカルデータベース311内に、定義ファイル3142で定義されている医用データの少なくとも一部が存在しない場合、存在しない医用データをリモートデータベース61から収集する。
生成機能3134は、取得した医用データから医用データファイルを生成する機能であり、生成手段の一例である。具体的には、例えば、生成機能3134において処理回路313は、必要な医用データがローカルデータベース311内に揃っている場合、これらの医用データに基づいて医用データファイルを生成する。つまり、処理回路313は、ローカルデータベース311で取得した医用データ、リモートデータベース61から収集した医用データ、及び新たに取得された医用データから医用データファイルを生成する。
次に、以上のように構成された、医用データファイル生成装置としてのサーバ装置31の動作の例を、処理回路313の処理手順に従って詳細に説明する。
図3は、図2に示されるサーバ装置31の処理回路313が、医用データファイルを生成する際の動作の例を表すフローチャートである。また、図4は、図3で示される動作を説明するための模式図である。なお、図4の説明では、医用画像診断装置40が医用画像データAを生成し、その後、同一の患者についての医用画像データBを生成する。医用画像診断装置40により生成される医用画像データA,Bには付帯情報が付加されている。
まず、医用画像管理システム30のサーバ装置31は、医用画像診断装置40により生成された医用画像データAを受信する。サーバ装置31の処理回路313は、医用画像データAを受信すると、制御機能3131により、受信した医用画像データAを、メモリ314に記憶する(ステップS31)。
処理回路313は、メモリ314に記憶されている医用画像データの数が増加すると、つまり、医用画像データAがメモリ314に記憶されると、判断機能3132を実行する。判断機能3132において処理回路313は、メモリ314から、医用画像データAが必要な医用データとして挙げられている定義ファイル3142を読み出す(ステップS32)。
図4において読み出された定義ファイル3142は、例えば、サブトラクション画像を用いた経過観察の為の医用画像データファイルを生成するのに必要な医用データを定義している。図4において、「X」は、サブトラクション画像を用いた経過観察の為の医用画像データファイルXを表す。図4では、医用画像データファイルXを作成するのに必要な医用データが、「A」、「B」、「C」、「D」と定義されている。
図4において、「A」は、「造影剤無し」のオーダ情報に基づき、例えば、現在日に取得された医用画像データを表す。医用画像データAの付帯情報には、検査日、患者ID、「造影剤無し」の造影剤情報等が含まれている。「B」は、「造影剤有り」のオーダ情報に基づき、例えば、現在日に取得された同一患者についての医用画像データを表す。医用画像データBの付帯情報には、検査日、患者ID、「造影剤有り」の造影剤情報等が含まれている。「C」は、「造影剤無し」のオーダ情報に基づき、過去に取得された同一患者についての医用画像データを表す。医用画像データCの付帯情報には、検査日、患者ID、「造影剤無し」の造影剤情報等が含まれている。「D」は、「造影剤有り」のオーダ情報に基づき、過去に取得された同一患者についての医用画像データを表す。医用画像データDの付帯情報には、検査日、患者ID、「造影剤有り」の造影剤情報等が含まれている。
処理回路313は、定義ファイル3142を読み出すと、定義ファイル3142を参照し、医用画像データB,C,Dが、医用画像データファイルXを生成するのにさらに必要な医用画像データであると判断する。処理回路313は、医用画像データB,C,Dをローカルデータベース311内で検索する(ステップS33)。図4において、医用画像データBは医用画像診断装置40によりこれから生成される。また、医用画像データC,Dはリモートデータベース61で管理され、ローカルデータベース311には、識別情報が記憶されている。つまり、ローカルデータベース311には、医用画像データB,C,Dは記憶されておらず、医用画像データC,Dの識別情報が記憶されている。なお、識別情報には、医用画像データを識別可能な情報、及び医用画像データが記憶されているデータベースのアドレス情報等が含まれている。
ローカルデータベース311の検索が完了すると、処理回路313は、医用画像データを収集する必要があるか否かを判断する(ステップS34)。図4では、ローカルデータベース311に医用画像データC,Dの識別情報が記憶されているため、処理回路313は、医用画像データC,Dをリモートデータベース61から収集する必要があると判断する(ステップS34のYes)。
医用画像データを収集する必要があると判断すると、処理回路313は、収集機能3133を実行する。収集機能3133において処理回路313は、ローカルデータベース311に記憶されている識別情報を参照し、医用画像データC,Dを記憶しているリモートデータベース61のアドレスを取得する。処理回路313は、取得したアドレスを用いてリモートデータベース61にアクセスし、リモートデータベース61から医用画像データC,Dを読み出し、読み出した医用画像データC,Dをメモリ314に記憶する(ステップS35)。
処理回路313は、医用画像データC,Dをメモリ314に記憶すると、残りの医用画像データ、すなわち医用画像データBを受信するまで生成機能3134の実行を待機する(ステップS36)。また、ステップS34において、リモートデータベース61から医用画像データを収集する必要がない、つまり、医用画像データC,Dがローカルデータベース311に記憶されている場合(ステップS34のNo)、処理回路313は、処理をステップS36へ移行させる。
医用画像診断装置40による造影剤無しでの撮像により医用画像データAが生成されると、患者に造影剤が投与される。医用画像診断装置40は、造影剤が投与された患者について撮像し、医用画像データBを生成する。医用画像診断装置40は、生成した医用画像データBを医用画像管理システム30へ送信する。
サーバ装置31の処理回路313は、医用画像データBを受信すると、受信した医用画像データBをメモリ314に記憶する。医用画像データBがメモリ314に記憶されると、すなわち、定義ファイル3142で定義されている全ての医用画像データが揃うと、処理回路313は、生成機能3134を実行する。生成機能3134において処理回路313は、メモリ314に記憶されている医用画像データA~Dを用い、医用画像データファイルXを生成する(ステップS37)。
具体的には、例えば、現在日に取得された「造影剤有り」の医用画像データBから、現在日に取得された「造影剤無し」の医用画像データAを減算(サブトラクション)し、現在日におけるサブトラクション画像を生成する。また、過去に取得された同一患者についての「造影剤有り」の医用画像データDから、過去に取得された同一患者についての「造影剤無し」の医用画像データCを減算(サブトラクション)し、過去におけるサブトラクション画像を生成する。そして、現在日におけるサブトラクション画像と、過去におけるサブトラクション画像とを、例えば、並列に配置することで医用画像データファイルXを生成する。処理回路313は、生成した医用画像データファイルXを、メモリ314へ記憶する。また、処理回路313は、読影医等のユーザの要求に応じ、生成した医用画像データファイルXを送信する。
以上のように、第1の実施形態では、図5に示されるように、第1医用画像を撮像した後に実施される第2医用画像の撮像の間に、診断に必要な医用画像データ、例えば、過去に取得された医用データを外部のストレージ装置から収集する。そして、必要な医用画像データが揃い次第、データ処理を実施するようにしている。従来では、例えば、図6に示されるように、第1医用画像データと第2医用画像データとが取得された後、ユーザからの表示要求を待ち、要求された表示に必要となる、第1、第2医用画像データ以外の医用画像データを収集していた。また、この収集の後、第1、第2医用画像データ、及び収集した医用画像データについてのデータ処理を実行していた。そのため、ユーザは、表示要求を入力してから所定時間待たないと、所望の表示を確認することができなかった。第1の実施形態に係る医用データファイル生成装置によれば、ユーザからの表示要求を待たずに、表示に必要となる医用データを自動的に収集し、収集した医用データについてのデータ処理を実行する。そのため、医用データファイル生成装置は、ユーザが表示要求を入力する前に、所望の医用データファイルの生成を完了させておくことが可能となる。
なお、図3では、処理回路313が、リモートデータベース61に記憶されている医用画像データを、ローカルデータベース311で記憶されている識別情報を参照して管理する場合を例に説明した。しかしながら、リモートデータベース61に記憶されている医用画像データの存在は、処理回路313により管理されていなくても構わない。
例えば、ステップS33でのローカルデータベース311内の検索で、医用画像データB,C,Dを発見できない場合、処理回路313は、医用画像データB,C,Dをリモートデータベース61から収集する必要があると判断する(ステップS34のYes)。医用画像データB,C,Dをリモートデータベース61から収集する必要があると判断すると、処理回路313は、収集機能3133を実行する。収集機能3133において処理回路313は、例えば、付帯情報を参照し、リモートデータベース61から医用画像データB,C,Dを検索する。図4に示される例では、リモートデータベース61には医用画像データC,Dが記憶されている。処理回路313は、リモートデータベース61において医用画像データC,Dを発見し、発見した医用画像データC,Dを読み出し、メモリ314に記憶する(ステップS35)。
また、図3では、ローカルデータベース311で記憶される医用画像データの増加に応じ、処理回路313が定義ファイル3142を読み出す場合を例に説明した。しかしながら、処理回路313が定義ファイル3142を読み出すタイミングはこれに限定されない。処理回路313は、医用画像診断装置40から送信されるオーダ情報に基づき、定義ファイルを読み出しても構わない。
図7は、図2に示されるサーバ装置31の処理回路313が、医用データファイルを生成する際の動作のその他の例を表すフローチャートである。また、図8は、図7で示される動作を説明するための模式図である。図8の説明でも、図4の説明と同様に、医用画像診断装置40が医用画像データAを生成し、その後、同一の患者についての医用画像データBを生成するものとする。また、図7、8の説明において、オーダ情報には、例えば、造影剤の有無、検査目的、撮像パラメータ等を含む撮像条件が含まれるものとする。
まず、医用画像管理システム30のサーバ装置31は、医用画像診断装置40からオーダ情報、及び患者情報を受信する(ステップS71)。サーバ装置31の処理回路313は、オーダ情報、及び患者情報を受信すると、判断機能3132を実行する。判断機能3132において処理回路313は、受信したオーダ情報に基づき、取得される医用データが特定可能か否かを判断する(ステップS72)。オーダ情報に基づき、取得される医用データが特定可能であるとは、例えば、撮像条件に、造影剤の有無、並びに、検査目的における特徴的な単語、例えば、サブトラクション、カルシウムスコア、3D、MPR等が含まれることである。
オーダ情報に基づいて取得される医用データが特定可能である場合(ステップS72のYes)、処理回路313は、オーダ情報に基づき、取得される医用データを特定する。処理回路313は、特定した医用データが必要な医用データとして挙げられている定義ファイル3142をメモリ314から読み出す(ステップS73)。図8では、処理回路313は、受信したオーダ情報に基づき、医用画像診断装置40の撮像により、例えば、医用画像データA,Bが取得されると判断する。処理回路313は、医用画像データA,Bが必要な医用データとして挙げられている定義ファイル3142をメモリ314から読み出す。ステップS73において読み出された定義ファイル3142は、例えば、サブトラクション画像を用いた経過観察の為の医用画像データファイルXを生成するのに必要な医用データを定義している。
処理回路313は、定義ファイル3142を読み出すと、定義ファイル3142を参照し、医用画像データA,B,C,Dが、医用画像データファイルXを生成するのにさらに必要な医用画像データであると判断する。処理回路313は、医用画像データA,B,C,Dのうち、オーダ情報に従った撮像で取得される医用画像データA,B以外の医用画像データC,Dをローカルデータベース311内で検索する(ステップS74)。ここで、医用画像データC,Dはリモートデータベース61で管理され、ローカルデータベース311には、識別情報が記憶されている。つまり、ローカルデータベース311には、医用画像データC,Dは記憶されておらず、医用画像データC,Dの識別情報が記憶されている。
ローカルデータベース311の検索が完了すると、処理回路313は、医用画像データを収集する必要があるか否かを判断する(ステップS75)。図8では、ローカルデータベース311に医用画像データC,Dの識別情報が記憶されているため、処理回路313は、医用画像データC,Dをリモートデータベース61から収集する必要があると判断する(ステップS75のYes)。
医用画像データを収集する必要があると判断すると、処理回路313は、収集機能3133を実行する。収集機能3133において処理回路313は、ローカルデータベース311に記憶されている識別情報を参照し、リモートデータベース61から医用画像データC,Dを読み出し、読み出した医用画像データC,Dをメモリ314に記憶する(ステップS76)。
処理回路313は、医用画像データC,Dをメモリ314に記憶すると、生成機能3134を実行する。生成機能3134において処理回路313は、メモリ314に記憶されている医用画像データC,Dについてのデータ処理を実施する(ステップS77)。具体的には、例えば、過去に取得された同一患者についての「造影剤有り」の医用画像データDから、過去に取得された同一患者についての「造影剤無し」の医用画像データCを減算(サブトラクション)し、過去におけるサブトラクション画像を生成する。
メモリ314に記憶されている医用画像データについてのデータ処理を実施すると、処理回路313は、オーダ情報に従った撮像で取得される医用画像データA,Bを受信するまで生成機能3134の実行を待機する(ステップS78)。また、ステップS75において、リモートデータベース61から医用画像データを収集する必要がない、つまり、医用画像データC,Dがローカルデータベース311に記憶されている場合(ステップS75のNo)、処理回路313は、処理をステップS78へ移行させる。
医用画像診断装置40は、受信したオーダ情報に従い、造影剤無しの撮像で医用画像データAを生成する。医用画像診断装置40は、生成した医用画像データAを医用画像管理システム30へ送信する。処理回路313は、医用画像データAを受信すると、制御機能3131により、受信した医用画像データAを、メモリ314に記憶する。
医用画像診断装置40による造影剤無しでの撮像により医用画像データAが生成されると、患者に造影剤が投与される。医用画像診断装置40は、造影剤が投与された患者について撮像し、医用画像データBを生成する。医用画像診断装置40は、生成した医用画像データBを医用画像管理システム30へ送信する。処理回路313は、医用画像データBを受信すると、制御機能3131により、受信した医用画像データBを、メモリ314に記憶する。
医用画像データBがメモリ314に記憶されると、すなわち、定義ファイル3142で定義されている全ての医用画像データが揃うと、処理回路313は、生成機能3134を実行する。生成機能3134において処理回路313は、メモリ314に記憶されている医用画像データA~Dを用い、医用画像データファイルXを生成する。処理回路313は、読影医等のユーザの要求に応じ、生成した医用画像データファイルXを送信する。
以上のように、第1の実施形態に係る医用データファイル生成装置は、図9に示されるように、受信したオーダ情報に基づいて取得される医用画像データ以外の医用画像データを、オーダ情報に基づき、リモートデータベース61から収集する。つまり、医用画像診断装置40が撮像を開始する前、及び/又は、医用画像診断装置40が第1医用画像データを生成するバックグラウンドで、リモートデータベース61に記憶されている医用画像データを収集する。そして、リモートデータベース61から収集した医用画像データについてのデータ処理を、第1、及び第2医用画像データが取得される前に実施するようにしている。つまり、オーダ情報に基づいて取得される医用画像データ以外の医用画像データについてのデータ処理を、オーダ情報に基づく撮像の最中に自律的に実施する。これにより、第1、及び第2医用画像データを取得した後のデータ処理量を抑えることが可能となる。すなわち、診断可能時刻をより早めることが可能となる。
なお、図7では、受信したオーダ情報に基づき、医用画像診断装置40により生成される医用画像データを把握する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。処理回路313は、放射線部門情報システム20で設定される撮像計画も参照して生成される医用画像データを把握しても構わない。このとき、放射線部門情報システム20のサーバ装置21から医用画像診断装置40を介し、撮像計画が医用画像管理システム30のサーバ装置31へ送信される。なお、放射線部門情報システム20のサーバ装置21から医用画像管理システム30のサーバ装置31へ撮像計画を送信するようにしても構わない。
また、図7では、オーダ情報に基づき、処理回路313が定義ファイル3142を読み出す場合を例に説明した。しかしながら、処理回路313が定義ファイル3142を読み出すタイミングはこれに限定されない。処理回路313は、予め設定した周期で定義ファイルを読み出しても構わない。
具体的には、例えば、処理回路313は、予め設定される周期で判断機能3132を実行する。判断機能3132において処理回路313は、定義ファイル3142をメモリ314から読み出す。処理回路313は、定義ファイル3142で定義されている医用データがローカルデータベース311に記憶されているか否かを判断する。定義ファイル3142で定義されている医用データの全てがローカルデータベース311に記憶されている場合、処理回路313は、記憶されている医用データに基づいて医用データファイルを生成する。
定義ファイル3142で定義されている医用データの少なくとも一部がローカルデータベース311に記憶されていない場合、処理回路313は、不足している医用データをリモートデータベース61から収集する。リモートデータベース61からの収集により、定義ファイル3142で定義されている医用データの全てが取得されると、処理回路313は、記憶されている医用データに基づいて医用データファイルを生成する。
リモートデータベース61から医用データを収集した後においても、定義ファイル3142で定義されている医用データに対して不足している医用データがある場合、処理回路313は、不足している医用データを受信するまで生成機能3134の実行を待機する。
また、図3では、医用画像診断装置40により医用画像データAが生成された後に、医用画像データBが生成される場合を例に説明した。しかしながら、医用画像データAが生成された後に、医用画像データBが生成されるとは限らない。
図10は、図2に示されるサーバ装置31の処理回路313が、医用データファイルを生成する際の動作のその他の例を表すフローチャートである。図10において、ステップS31~ステップS36は、図3で示されるステップS31~ステップS36と同じである。
処理回路313は、医用画像データC,Dを取得した後の待機時間が予め設定した時間に達したか否かを判断する(ステップS101)。予め設定した時間に達した場合(ステップS101のYes)、処理回路313は、収集機能3133を実行する。収集機能3133において処理回路313は、第1医用画像データに続く第2医用画像データとして、定義ファイルで定義されている医用画像データのうち、取得されていない残りの医用画像データを取得するように促す表示を生成する(ステップS102)。
具体的には、例えば、処理回路313は、定義ファイル3142で定義される医用画像データA~Dのうち、ステップS31で記憶した医用画像データA、及びステップS35で収集した医用画像データC,D以外の医用画像データBを、次に取得する医用画像データとして設定する。処理回路313は、医用画像データBの取得を促す表示を生成し、この表示データを、例えば、病院情報システム10、放射線部門情報システム20、医用画像診断装置40へ送信する。
病院情報システム10のサーバ装置11は、医用画像管理システム30から、医用画像データBの取得を促す旨の表示データを受信すると、例えば、医用画像データBの取得を促す旨を、電子カルテに係る情報に書き込む。これにより、診療医がオーダを発行する際の一助とする。また、放射線部門情報システム20のサーバ装置21は、医用画像管理システム30から、医用画像データBの取得を促す旨の表示データを受信すると、例えば、オーダ情報を入力する際の入力画面に、医用画像データBの取得を促す旨を表示する。これにより、放射線部門のスタッフがオーダを発行する際の一助とする。また、医用画像診断装置40は、医用画像管理システム30から、医用画像データBの取得を促す旨の表示データを受信すると、例えば、ディスプレイに、医用画像データBの取得を促す旨を表示する。これにより、医用画像診断装置40を操作するスタッフが検査を実施する際の一助とする。このように、定義ファイルで定義される医用画像データのうち、取得されていない医用画像データの取得を促す旨を医師等へ表示することで、必要な医用画像データの取得忘れを防ぐことが可能となる。
予め設定した時間に達していない場合(ステップS101のNo)、処理回路313は、残りの医用画像データ、すなわち、医用画像データBを受信したか否かを判断する(ステップS103)。処理回路313は、医用画像データBを受信すると(ステップS103のYes)、受信した医用画像データBをメモリ314に記憶する。医用画像データBがメモリ314に記憶されると、処理回路313は、生成機能3134を実行する。生成機能3134において処理回路313は、メモリ314に記憶されている医用画像データA~Dを用い、医用画像データファイルXを生成する(ステップS104)。医用画像データBを受信しない場合(ステップS103のNo)、処理回路313は、処理をステップS101へ移行させる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、医用画像管理システム30のサーバ装置31が医用データファイル生成装置の役割を果たす場合を例に説明した。第2の実施形態では、通信端末32,50が医用データファイル生成装置の役割を果たす場合を説明する。
図11は、第2の実施形態に係る通信端末50の機能構成の例を表すブロック図である。なお、通信端末32の構成は、通信端末50と同様であるため、ここでは通信端末50を代表して説明する。図11に示される通信端末50は、処理回路51、メモリ52、入力インタフェース53、ディスプレイ54、及び通信インタフェース55を有する。処理回路51、メモリ52、入力インタフェース53、ディスプレイ54、及び通信インタフェース55は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
処理回路51は、通信端末50の中枢として機能するプロセッサである。処理回路51は、メモリ52等に記憶されているプログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する機能を実現する。
メモリ52は、例えば、種々の情報を記憶するROM、RAM、HDD、SSD、集積回路等の記憶装置である。また、メモリ52は、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。
メモリ52は、本実施形態に係る医用データファイル生成プログラム等を記憶している。なお、この医用データファイル生成プログラムは、例えば、メモリ52に予め記憶されていてもよい。また、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されてメモリ52にインストールされてもよい。
メモリ52は、定義ファイル521を記憶している。定義ファイル521は、例えば、診断の種類、生成する医用データファイルの種類毎に存在する。定義ファイル521は、例えば、メモリ52に予め記憶されていてもよい。また、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されてメモリ52にインストールされてもよい。
入力インタフェース53は、ユーザから各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路51へ出力する。
ディスプレイ54は、処理回路51からの指示に従って種々の情報を表示する。また、ディスプレイは、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI等を表示してもよい。
通信インタフェース55は、病院情報システム10、放射線部門情報システム20、医用画像管理システム30、医用画像診断装置40、及びストレージサーバ60との間でデータ通信を行う。通信インタフェース55は、例えば、予め設定されている既知の規格に準拠してデータ通信を行う。
図11に示される処理回路51は、メモリ52に記憶されている医用データファイル生成プログラム等を実行することで、実行したプログラムに対応する機能を実現する。例えば、処理回路51は、医用データファイル生成プログラム等を実行することで、判断機能511、収集機能512、及び生成機能513を有する。なお、本実施形態では、単一のプロセッサによって判断機能511、収集機能512、及び生成機能513が実現される場合を説明するが、これに限定されない。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより判断機能511、収集機能512、及び生成機能513を実現しても構わない。
判断機能511は、メモリ52に記憶されている定義ファイル521を参照し、必要な医用データがローカルデータベース311内に揃っているか否かを判断する機能であり、判断手段の一例である。具体的には、例えば、判断機能511において処理回路51は、メモリ52から定義ファイル521を読み出す。処理回路51は、読み出した定義ファイル521で定義されている医用データがローカルデータベース311内に揃っているか否かを判断する。
収集機能512は、ストレージサーバ60に構築されるリモートデータベース61から医用データを収集する機能であり、収集手段の一例である。具体的には、例えば、収集機能512において処理回路313は、ローカルデータベース311内に、定義ファイル521で定義されている医用データの少なくとも一部が存在しない場合、存在しない医用データをリモートデータベース61から収集する。
生成機能513は、取得した医用データから医用データファイルを生成する機能であり、生成手段の一例である。具体的には、例えば、生成機能513において処理回路51は、必要な医用データがローカルデータベース311内に揃っている場合、これらの医用データに基づいて医用データファイルを生成する。つまり、処理回路51は、ローカルデータベース311で取得した医用データ、リモートデータベース61から収集した医用データ、及び新たに取得された医用データから医用データファイルを生成する。
次に、以上のように構成された、医用データファイル生成装置としての通信端末50の動作の例を、処理回路51の処理手順に従って説明する。
まず、医用画像管理システム30のサーバ装置31は、例えば、医用画像診断装置40により生成された医用画像データAを受信する。サーバ装置31は、医用画像データAを受信すると、受信した医用画像データAを記憶する。
通信端末50の処理回路51は、ローカルデータベース311を監視している。ローカルデータベース311に医用画像データAが記憶されると、処理回路51は、判断機能511を実行する。判断機能511において処理回路51は、メモリ52から、医用画像データAが必要な医用データとして挙げられている定義ファイル521を読み出す。処理回路51は、読み出した定義ファイル521を参照し、医用画像データファイルを生成するのにさらに必要な医用画像データB,C,Dを認識する。処理回路51は、医用画像データB,C,Dをローカルデータベース311内で検索する。
検索の結果、医用画像データB,C,Dの少なくとも一部がローカルデータベース311にない場合、処理回路51は、収集機能512を実行する。収集機能512において処理回路51は、ローカルデータベース311に存在しない医用画像データを、リモートデータベース61から収集する。
処理回路51は、定義ファイル521で定義されている全ての医用データがローカルデータベース311に記憶されると、生成機能513を実行する。生成機能513において処理回路51は、ローカルデータベース311に記憶されている医用画像データを用い、医用画像データファイルを生成する。
以上のように、第2の実施形態では、第1医用画像を撮像した後に実施される第2医用画像の撮像の間に、診断に必要な医用画像データを外部のストレージ装置から収集する。そして、必要な医用画像データが揃い次第、データ処理を実施するようにしている。これにより、第2の実施形態に係る医用データファイル生成装置によれば、ユーザからの表示要求を待たずに、表示に必要となる医用データを自動的に収集し、収集した医用データについてのデータ処理を実行することが可能となるため、ユーザが表示要求を入力する前に、所望の医用データファイルの生成を完了させておくことが可能となる。
なお、第1、及び第2の実施形態では、医用データファイル生成装置が設けられるシステムが、病院情報システム10、放射線部門情報システム20、医用画像管理システム30、医用画像診断装置40、通信端末50、及びストレージサーバ60を備える場合を例に説明した。しかしながら、医用データファイル生成装置が設けられるシステムは、これに限定されない。当該システムは、例えば、図12で示されるように、放射線部門情報システム20を備えていなくても構わない。このとき、医用画像診断装置40は、病院情報システム10から送信されるオーダ情報、及び患者情報に基づいて患者を撮影し、医用画像データを生成する。また、医用画像診断装置40は、病院情報システム10から送信されるオーダ情報、及び患者情報を受信すると、受信したオーダ情報、及び患者情報を医用画像管理システム30へ転送する。なお、オーダ情報、及び患者情報が病院情報システム10から医用画像管理システム30へ送信される場合には、医用画像診断装置40は、オーダ情報、及び患者情報を医用画像管理システム30へ転送しなくても構わない。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、医師による診断の開始が遅延されるのを抑えることができる。
実施形態の説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、上記各実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、上記各実施形態における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。