JP7209246B2 - 素子チップの製造方法 - Google Patents
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本実施形態に係る素子チップの製造方法は、保持シートと保持シートの外周縁の少なくとも一部に貼着されたフレームとを備える搬送キャリアと、保持シートの第1の面に保持された基板と、保持シートの第1の面とは反対側の第2の面側に配置され、搬送キャリアを支持する支持体と、を準備する準備工程と、準備工程の後、基板に前処理を行う前処理工程と、前処理工程の後、支持体を第2の面から取り外す取り外し工程と、取り外し工程の後、搬送キャリアに保持された基板をプラズマに晒して、基板から複数の素子チップを形成するダイシング工程と、を備える。
まず、搬送キャリア、基板、支持体を準備する。基板は、ダイシングの対象である。
図1に基板の断面を模式的に示す。
基板10は、複数の素子領域R1と素子領域R1を画定する分割領域R2とを備えるとともに、保持シートに対向しない第3の面10Xおよび保持シートに対向する第4の面10Yを備える。基板10は、例えば、半導体層11と、半導体層11の第3の面10X側に積層される回路層12と、を備える。基板10の分割領域R2をエッチングすることにより、回路層12を有する素子チップが得られる。
フレーム21は、基板10の全体と同じかそれ以上の面積の開口を有した枠体であり、所定の幅および略一定の薄い厚みを有している。フレーム21は、保持シート22および基板10を保持した状態で搬送できる程度の剛性を有している。フレーム21の開口の形状は特に限定されないが、例えば、円形や、矩形、六角形など多角形であってもよい。フレーム21には、位置決めのためのノッチ21aやコーナーカット21bが設けられていてもよい。フレーム21の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属や、樹脂等が挙げられる。以下、フレーム21と、フレーム21に固定された保持シート22とを併せて、搬送キャリア20と称する。
保持シート22の材質は特に限定されない。なかでも、基板10が貼着され易い点で、保持シート22は、粘着層と柔軟性のある非粘着層とを含むことが好ましい。
図3は、本発明の実施形態に係る搬送キャリア、基板および支持体を模式的に示す断面図である。
支持体30は、保持シート22の第2の面22Y側に配置され、搬送キャリア20を支持する。
接着層50の材料は特に限定されず、支持体30の材料に応じて適宜選択すればよい。接着層50の材料としては、例えば、未硬化あるいは半硬化のUV硬化性樹脂、未硬化あるいは半硬化の熱硬化性樹脂、感圧接着剤、熱可塑性樹脂等が挙げられる。UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂としては、樹脂板の材料として例示した樹脂を挙げることができる。感圧接着剤としては、例えば、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前処理工程は、例えば、マスク形成工程を含む。マスク形成工程は、保持シート22に保持される基板10の第3の面10Xを保護膜の原料で被覆する被覆工程、原料を硬化させて、第3の面10Xに保護膜を形成する硬化工程、および保護膜に開口を形成して、分割領域R2における基板10を露出させるパターニング工程の少なくとも1つの工程を備える。
基板10を被覆する保護膜を形成する。
図4に、被覆工程および硬化工程により作製された基板の断面を模式的に示す。
保護膜40の厚みは特に限定されないが、ダイシング工程におけるプラズマエッチングにより完全には除去されない程度であることが好ましい。保護膜40の厚みは、例えば、ダイシング工程において保護膜40がエッチングされる量(厚み)を算出し、このエッチング量以上になるように設定される。保護膜40のエッチング量は、ダイシング工程でエッチングされる半導体層11の厚み等に基づいて算出することができる。例えば、半導体層11が厚み30μmのシリコンである場合、保護膜40の厚みは、15μm以上、50μm以下であればよい。
保護膜40に開口を形成して、分割領域R2における基板10を露出させる。これにより、マスクが形成される。
図5に、パターニング工程における基板10の断面を模式的に示す。
支持体30を、保持シート22の第2の面22Yから取り外す。
支持体30を取り外す方法は、支持体30の材料および接着層50の材料に応じて適宜選択すればよい。例えば、支持体30がガラス板のように低い柔軟性を備える場合、接着層50全面の接着性を低下させた後、支持体30の全体を同時に、保持シート22の第2の面22Yから離間させてもよい。支持体30が樹脂板のように高い柔軟性を備える場合、接着層50全面の接着性を低下させた後、あるいは、接着層50を感圧接着剤で形成して、支持体30を端部から引っ張って、第2の面22Yから離間させてもよい。
まず、図8を参照しながら、ダイシング工程のプラズマダイシングに使用されるプラズマ処理装置を具体的に説明する。プラズマ処理装置は、これに限定されるものではない。図8は、プラズマ処理装置の構造を概略的に示す断面図であり、便宜的に保護膜40を省略している。
プラズマ処理装置100は、ステージ111を備えている。搬送キャリア20は、保持シート22の基板10を保持している面が上方を向くように、ステージ111に搭載される。ステージ111は、搬送キャリア20の全体を載置できる程度の大きさを備える。ステージ111の上方には、基板10の少なくとも一部を露出させるための窓部124Wを有するカバー124が配置されている。カバー124には、フレーム21がステージ111に載置されている状態のとき、フレーム21を押圧するための押さえ部材107が配置されている。押さえ部材107は、フレーム21と点接触できる部材(例えば、コイルバネや弾力性を有する樹脂)であることが好ましい。これにより、フレーム21およびカバー124の熱が互いに影響し合うことを抑制しながら、フレーム21の歪みを矯正することができる。
半導体層11は、例えば、ボッシュプロセスによりプラズマエッチングされる。ボッシュプロセスでは、半導体層11が深さ方向に垂直にエッチングされる。半導体層11がSiを含む場合、ボッシュプロセスは、堆積ステップと、堆積膜エッチングステップと、Siエッチングステップとを順次繰り返すことにより、半導体層11を深さ方向に掘り進む。
素子チップ200は、例えば、保持シート22の第2の面22Y側から、保持シート22とともに突き上げピンで突き上げる。これにより、素子チップ200の少なくとも一部は、保持シート22から浮き上がる。その後、ピックアップ装置により、素子チップ200は保持シート22から取り外される。
10X:第3の面
10Y:第4の面
11:半導体層
12:回路層
20:搬送キャリア
21:フレーム
21a:ノッチ
21b:コーナーカット
22:保持シート
22X:第1の面
22Y:第2の面
30、30A、30B:支持体
40:保護膜
50、50A、50B:接着層
100:プラズマ処理装置
103:真空チャンバ
103a:ガス導入口
103b:排気口
108:誘電体部材
109:第1の電極
110A:第1の高周波電源
110B:第2の高周波電源
111:ステージ
112:プロセスガス源
113:アッシングガス源
114:減圧機構
115:電極層
116:金属層
117:基台
118:外周部
119:ESC電極
120:第2の電極
121:昇降ロッド
122:支持部
123A、123B:昇降機構
124:カバー
124W:窓部
125:冷媒循環装置
126:直流電源
127:冷媒流路
128:制御装置
129:外周リング
200:素子チップ
Claims (6)
- 保持シートと前記保持シートの外周縁の少なくとも一部に貼着されたフレームとを備える搬送キャリアと、前記保持シートの第1の面に保持された基板と、前記保持シートの前記第1の面とは反対側の第2の面側に配置され、前記搬送キャリアを支持する支持体と、を準備する準備工程と、
前記準備工程の後、前記基板に前処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程の後、前記基板および前記保持シートを前記支持体ごと搬送し、前記支持体を前記第2の面から取り外す取り外し工程と、
前記取り外し工程の後、前記搬送キャリアに保持された前記基板をプラズマに晒して、前記基板から複数の素子チップを形成するダイシング工程と、を備える、素子チップの製造方法。 - 前記基板は、複数の素子領域および前記素子領域を画定する分割領域を備えるとともに、第3の面および前記第3の面とは反対側の第4の面を有し、
前記前処理工程は、
前記保持シートに保持される前記基板の前記第3の面を、保護膜の原料で被覆する被覆工程、
前記原料を硬化させて、前記第3の面に前記保護膜を形成する硬化工程、および
前記保護膜に開口を形成して、前記分割領域における前記基板を露出させるパターニング工程の少なくとも1つの工程を備える、請求項1に記載の素子チップの製造方法。 - 保持シートと前記保持シートの外周縁の少なくとも一部に貼着されたフレームとを備える搬送キャリアと、前記保持シートの第1の面に保持された基板と、前記保持シートの前記第1の面とは反対側の第2の面側に配置され、前記搬送キャリアを支持する支持体と、を準備する準備工程と、
前記準備工程の後、前記基板に前処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程の後、前記支持体を前記第2の面から取り外す取り外し工程と、
前記取り外し工程の後、前記搬送キャリアに保持された前記基板をプラズマに晒して、前記基板から複数の素子チップを形成するダイシング工程と、を備え、
前記保持シートの前記第2の面と前記支持体とは、接着層を介して接着されており、
前記接着層は、未硬化あるいは半硬化の紫外線硬化性樹脂を含み、
前記取り外し工程では、前記接着層を紫外線の照射によって硬化させて、前記支持体を前記第2の面から取り外す、素子チップの製造方法。 - 保持シートと前記保持シートの外周縁の少なくとも一部に貼着されたフレームとを備える搬送キャリアと、前記保持シートの第1の面に保持された基板と、前記保持シートの前記第1の面とは反対側の第2の面側に配置され、前記搬送キャリアを支持する支持体と、を準備する準備工程と、
前記準備工程の後、前記基板に前処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程の後、前記支持体を前記第2の面から取り外す取り外し工程と、
前記取り外し工程の後、前記搬送キャリアに保持された前記基板をプラズマに晒して、前記基板から複数の素子チップを形成するダイシング工程と、を備え、
前記保持シートの前記第2の面と前記支持体とは、接着層を介して接着されており、
前記接着層は、未硬化あるいは半硬化の熱硬化性樹脂を含み、
前記取り外し工程では、前記接着層を加熱によって硬化させて、前記支持体を前記第2の面から取り外す、素子チップの製造方法。 - 保持シートと前記保持シートの外周縁の少なくとも一部に貼着されたフレームとを備える搬送キャリアと、前記保持シートの第1の面に保持された基板と、前記保持シートの前記第1の面とは反対側の第2の面側に配置され、前記搬送キャリアを支持する支持体と、を準備する準備工程と、
前記準備工程の後、前記基板に前処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程の後、前記支持体を前記第2の面から取り外す取り外し工程と、
前記取り外し工程の後、前記搬送キャリアに保持された前記基板をプラズマに晒して、前記基板から複数の素子チップを形成するダイシング工程と、を備え、
前記保持シートの前記第2の面と前記支持体とは、接着層を介して接着されており、
前記接着層は、感圧接着剤を含む、素子チップの製造方法。 - 保持シートと前記保持シートの外周縁の少なくとも一部に貼着されたフレームとを備える搬送キャリアと、前記保持シートの第1の面に保持された基板と、前記保持シートの前記第1の面とは反対側の第2の面側に配置され、前記搬送キャリアを支持する支持体と、を準備する準備工程と、
前記準備工程の後、前記基板に前処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程の後、前記支持体を前記第2の面から取り外す取り外し工程と、
前記取り外し工程の後、前記搬送キャリアに保持された前記基板をプラズマに晒して、前記基板から複数の素子チップを形成するダイシング工程と、を備え、
前記保持シートの前記第2の面と前記支持体とは、接着層を介して接着されており、
前記接着層は、熱可塑性樹脂を含み、
前記取り外し工程では、前記接着層を加熱によって軟化させて、前記支持体を前記第2の面から取り外す、素子チップの製造方法。
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