JP7207358B2 - 低降伏比高張力厚鋼板の製造方法 - Google Patents

低降伏比高張力厚鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、建築、橋梁、海洋構造物、ラインパイプ、造船、建設機械等の分野での使用に好適な高張力厚鋼板に係り、特に引張強さ550MPa以上、降伏比80.0%以下を満足する低降伏比高張力厚鋼板の製造方法に関する
近年、建築物などの鋼構造物の大型化に伴い、使用される鋼材重量の軽量化の観点から、鋼材に対して高強度化が要求されている。一方、地震時の安全性確保の観点から、耐震性を有する鋼板が要求される。一般に、降伏比の低い鋼板ほど、降伏点以上の応力が付加された場合においても、破壊までに許容される応力が大きく、また、一様伸びも大きいため、降伏応力を超える応力が負荷されても地震エネルギーを吸収することが、従来の研究結果から明らかにされており、建築構造物には降伏比が80%以下の鋼材を使用することが規定されている。
例えば、引張強さ550MPa以上の高強度と80%以下の低降伏比とを両立させるような低降伏比高張力鋼板の製造方法については、多くの提案がある。
特許文献1には、C、Si、Mn、P、S、Al含有量を適正範囲に調整して含み、Ar3変態点を上昇させた鋼素材を、1000~1300℃に加熱後、圧延終了温度が800℃以上の条件で熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、冷却速度が2℃/s以上、冷却停止温度が600℃以下の条件で制御冷却する、低降伏比高強度鋼の製造方法が記載されている。
特許文献2には、C、Si、Mn、P、S、Al、N含有量を適正範囲に調製して含み、さらにMoおよび/またはWを特定の関係式を満足するように含有し、Pcmが0.22%以下となる組成と、板厚中央部の組織がフェライトを主相とし、20堆積%以下の島状マルテンサイトを主とする硬質相を含む複合組織である、低降伏比を有する高張力厚鋼板が記載されている。
特許文献3では、C、Si、Mn、P、S、Alを適正範囲に調整して含み、さらに、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bの内から選ばれた1種または2種以上を含有した鋼素材を、1050~1250℃に加熱後、表面温度で900~1000℃の範囲での累積圧下率が50%以上で、圧延終了温度が830~900℃の範囲の温度で熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、770℃以上の温度から冷却を開始し、550~670℃の範囲の温度まで平均冷却速度10~80℃/sで加速冷却する、低降伏比高強度厚鋼板の製造方法が記載されている。
特許文献4では、C、Mn、S、Ti、Nを適正範囲に調整して含み、Ti/Nが適正範囲となるように含有し、さらに、Cu、Ni、Cr、V、Bの内から選ばれた1種または2種以上を含有し、さらに不純物元素としてNb、Mo量の上限値を制限し、炭素当量Ceqを適正範囲に調整した組成と、少なくとも、鋼板表面から板厚方向に1~5mmの表層部がフェライトと、硬質相としてパーライト、ベイナイト、マルテンサイトの内1種または2種以上からなり、前記フェライトの平均結晶粒径が4.0~18.0μmである組織を有し、鋼板表面から板厚方向に1~5mmの表層部の平均硬さが225HV以下で、該表層部と板厚中央位置を中心に±2mmの範囲である板厚中央部との硬度差が60HV以下である板厚方向硬さ分布を有する非調質低降伏比高張力厚鋼板が記載されている。
特許文献5では、C、Si、Mn、Ti、sol.Al、Nを適正範囲に調整して含み、さらに、Cu、Ni、Cr、Mo、W、V、Nb、Bの内から選ばれた1種または2種以上を含有し、板厚方向1/2位置および1/4位置におけるフェライト組織の面積率が10.0%以上であり、最大切片が20μm以上であるフェライト粒を含有し、板厚方向1/8位置における平均フェライト粒径が15μm以下であり、かつ表層1mm位置と板厚方向1/2位置のビッカース硬度差が60以下である低降伏比厚鋼板が記載されている。
特許文献6では、C、Si、Mn、Al、Nb、Ti、Ca、N、Oを適正範囲に調整して含み、炭素当量Ceqを適正範囲に調整し、炭素当量CeqとNbを特定の関係式を満足するように含有した鋼素材を、スラブ内の温度偏差が80℃以内で、かつスラブ内最高温度が1000~1250℃となるように加熱し、圧延仕上げ温度の鋼板内の最高値が800~920℃となるように圧延した後、30秒以上空冷し、鋼板の幅端部および先後端を除く領域内の冷却開始温度偏差が50℃以内になるように制御し、引き続き冷却速度1~100℃/秒で300℃以下まで冷却し、かつ各合金含有量によって決まる圧延仕上げ温度の鋼板内の最高値や、冷却開始時の鋼板表面温度の最小値を制御する、低降伏比鋼板の製造方法が記載されている。
特許文献7では、C、Si、Mn、P、S、Alを適正範囲に調整して含み、炭素当量Ceqを適正範囲に調整した鋼素材を、1000~1250℃に加熱し、圧延終了温度が鋼板表面で800~950℃の範囲の温度で熱間圧延を施した後、板厚中心部で550~650℃となるまで冷却し、ついで4~20s空冷保持後、再び500℃以下まで冷却する、高強度鋼の製造方法が記載されている。
特許文献8では、C、Si、Mn、P、S、Alを適正範囲に調整して含み、炭素当量Ceqを適正範囲に調整した鋼素材を、1000~1250℃に加熱し、圧延終了温度が鋼板表面で850~950℃の範囲の温度で熱間圧延を施した後、圧延終了温度からの温度低下量が40℃以下の温度域から平均冷却速度が5℃/s以上で冷却停止温度を550~650℃とする冷却を開始し、ついで4~60s空冷保持後、再び500℃以下まで平均冷却速度15℃/s以上で冷却する、低降伏比高張力鋼板の製造方法が記載されている。
特許文献9では、C、Si、Mn、P、Sを適正範囲に調整して含み、さらに、Nb、Tiの内から選ばれた1種または2種を含有し、さらに炭素当量Ceqを適正範囲に調整した鋼素材を、1000~1200℃に加熱し熱間圧延を施した後、Ar変態点以上950℃以下の範囲の温度から冷却を開始し、冷却停止温度と各合金含有量から定義される冷却速度の範囲で、冷却停止温度350~620℃の範囲の温度で冷却する、高張力厚鋼板の製造方法が記載されている。
特許文献10では、C、Si、Mn、P、S、Al、Nb、Ti、Nを適正範囲に調整して含み、Ti/Nが適正範囲となるように含有した鋼素材を、1050~1200℃に加熱し熱間圧延を施した後、表面温度で950℃以下の温度域での累積圧下率が30%以上で、圧延終了温度が表面温度で900℃以下Ar3変態点以上となる圧延工程に引き続き、表面温度でAr3変態点以上の温度から冷却を開始し、板厚1/4t位置の平均冷却速度で2℃/s以上の冷却速度で、表面温度が(Ar3変態点-100℃)以下400℃以上となる時点まで加速冷却を行う第一段冷却と、冷却停止後、復熱し、表面温度が(Ar3変態点+10℃)以下650℃以上、表面と板厚中央の温度差が60℃以下となる時点で、第二段冷却を開始し、板厚1/4t位置の平均冷却速度で2℃/s以上の冷却速度で、表面温度が600℃以下400℃以上となる時点まで加速冷却を行う、非調質低降伏比高張力厚鋼板の製造方法が記載されている。また、第一段冷却、第二段冷却において、板厚1/4t位置の平均冷却速度で2℃/s以上の冷却速度で加速冷却する冷却を、冷却停止とその後の復熱とを挟んで複数回繰り返す冷却とする技術も、記載されている。
特許文献11では、C、Si、Mn、P、S、Al、Nb、Ti、Nを適正範囲に調整して含み、Ti/Nが適正範囲となるように含有した鋼素材を、1050~1200℃に加熱し熱間圧延を施した後、表面温度で950℃以下の温度域での累積圧下率が30%以上で、圧延終了温度が表面温度で900℃以下Ar3変態点以上となる圧延工程に引き続き、表面温度でAr3変態点以上の温度から冷却を開始し、板厚1/4t位置の平均冷却速度で2℃/s以上の冷却速度で、表面温度が(Ar3変態点-100℃)以下550℃以上となる時点まで加速冷却を行う第一段冷却と、冷却停止後復熱させ、表面温度が(Ar3変態点-20℃)以下600℃以上、かつ、表面温度が極大値をとった時点から、表面温度から定義される時間の範囲内から、第二段冷却を開始し、板厚1/4t位置の平均冷却速度で2℃/s以上の冷却速度で、表面温度が600℃以下400℃以上となる時点まで加速冷却を行う、非調質低降伏比高張力厚鋼板の製造方法が記載されている。また、前記第一段冷却、第二段冷却において、板厚1/4t位置の平均冷却速度で2℃/s以上の冷却速度で加速冷却する冷却を、冷却停止とその後の復熱とを挟んで複数回繰り返す冷却とする技術も、記載されている。
特開2004-169131号公報 特開2007-177326号公報 特開2010-174332号公報 特開2012-107310号公報 特開2013-177649号公報 特開2009-114529号公報 特開2006-249468号公報 特開2009-228040号公報 特開2007-197823号公報 特開2012-102393号公報 特開2014-31546号公報
しかしながら、特許文献1~5に記載された技術では、所望の高強度および低降伏比を確保するために、合金元素を多量に含有する必要があり、製造コストの高騰を招くという問題がある。
一方、特許文献6~11に記載された技術では、合金元素添加量を削減するために加速冷却を活用して高強度化を図り、高強度と低降伏比を両立させている。しかし、熱間圧延後の空冷時間、冷却工程の開始温度や停止温度、冷却速度、冷却工程間の復熱時間の僅かな違いによっても、高強度と低降伏比を両立することができる所望の組織が得られなくなるため、鋼板ごとの材質ばらつきが大きくなり、安定した製造が難しいという問題がある。さらに、熱間圧延後の空冷や冷却工程時の復熱待ちの時間等に起因した生産能率の低下が生じるという問題もあり、大量に使用される厚鋼板の製造方法としては必ずしも妥当な方法ではない。
また、鋼板の商品としては、鋼板内のどの位置においても、規格値を満足させる必要がある。しかしながら、鋼板内全領域の材料試験は不可能であるため、1点の代表値での機械試験で鋼板内全領域の特性を保証する必要があり、材質ばらつきのない材料が求められる。
そこで、本発明では、安価かつ簡便に、材質ばらつきを抑制した低降伏比高張力厚鋼板を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らが検討した結果、以下の知見を得た。
(1)熱間圧延後の厚鋼板に対して、二段階の冷却工程を施すに際し、冷却開始時の鋼板表面温度や鋼板の先端と尾端の温度差を制御することにより、鋼板の先端と尾端での組織差が生じるのを抑制し、その結果、鋼板長手方向における材質バラつきを抑制することができる。
(2)第一段冷却を行った後、ただちに第二段冷却を行うことで、熱処理や冷却工程時の複雑な温度あるいは時間制御を行うことがないため、厚鋼板の製造における複雑な制御を必要としない。また、多量な合金元素の含有を行うことなく製造することが可能である。
本発明は上記知見に基づくものであり、その要旨は次のとおりである。
[1]質量%で、C:0.05~0.16%、Si:0.05~0.50%、Mn:1.0~2.0%、P:0.030%以下、S:0.005%以下、Nb:0.005~0.040%、Ti:0.005~0.020%、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Al:0.05%以下、N:0.0060%以下を含有し、下記(1)式で定義される炭素当量Ceqが、0.36~0.42%であり、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材を、
1050~1250℃に加熱し、圧延終了温度が鋼板表面温度で920℃以下Ar変態点以上となるように熱間圧延した後に、
鋼板尾端の鋼板表面温度が(Ar変態点-10℃)以上で、かつ鋼板先尾端の鋼板表面温度差が50℃以下の時点から冷却を開始し、鋼板表面温度が420℃以上となる第一冷却停止温度まで、10.0℃/s以下の平均冷却速度で加速冷却する第一段冷却を施し、
次いで、第一段冷却停止温度から20.0℃/s以上の平均冷却速度で加速冷却する第二段冷却を施し、第二段冷却を停止した後の復熱が完了した時点で、鋼板先尾端の鋼板表面温度がそれぞれ(Bs点-70℃)以下400℃以上であり、かつ鋼板先尾端の鋼板表面温度差が100℃未満である
ことを特徴とする、引張強さ550MPa以上、降伏比80.0%以下である低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
なお、Ar変態点およびBs点は、下記(2)式および(3)式を用いて算出した値を用いる。
Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(1)
Ar変態点(℃)=910-310C-80Mn-20Cu-15Cr-55Ni-80Mo・・・(2)
Bs点(℃)=830-270C-90Mn-37Ni-70Cr-83Mo ・・・(3)
ただし、(1)~(3)式の元素記号は各元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合はゼロとする。
[2]前記成分組成に加えて、さらに質量%で、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする、[1]に記載の引張強さ550MPa以上、降伏比80.0%以下である低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
[3]前記成分組成に加えて、さらに質量%で、Ca:0.0005~0.0050%を含有することを特徴とする、[1]または[2]に記載の引張強さ550MPa以上、降伏比80.0%以下である低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
本発明によれば、引張強さ550MPa以上かつ降伏比80.0%以下の低降伏比高張力厚鋼板を、熱処理や冷却工程時の複雑な温度あるいは時間制御を行うことなく、また多量な合金元素の含有を行うことなく製造することが可能となり、産業上極めて有用である。また、本発明の製造方法により得られる低降伏比高張力厚鋼板は、鋼構造物の軽量化や耐震性の向上に大きく寄与するという効果もある。
なお、本発明における厚鋼板とは、板厚16mm以上45mm以下の鋼板をいうものとする。
まず、本発明の厚鋼板の成分組成の限定理由について説明する。なお、成分元素の含有量を表す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
C:0.05~0.16%
Cは、鋼の強度を増加させ、構造用鋼材として必要な強度を確保するのに有用な元素である。この効果を得るためには0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.16%を超える含有は、溶接性と靭性を顕著に低下させる。このため、Cは0.05~0.16%とする。好ましくは、0.10~0.15%である。
Si:0.05~0.50%
Siは、脱酸剤として作用するとともに、鋼中に固溶し鋼材の強度を増加させる。このような効果を得るためには0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.50%を超える含有は、母材の靭性を低下させるとともに、溶接熱影響部(HAZ)の靭性を顕著に低下させる。このため、Siは0.05~0.50%とする。なお、好ましくは、0.05~0.40%である。
Mn:1.0~2.0%
Mnは、固溶して鋼の強度を増加させる作用を有する元素であり、高価な他の合金元素の含有を最小限に抑える本発明では、所望の高強度(引張強さ:550MPa)を確保するために、1.0%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超える含有は、母材靭性およびHAZ靭性を著しく低下させる。このため、Mnは1.0~2.0%とする。なお、好ましくは、1.2~1.6%である。
P:0.030%以下
Pは、鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。しかしながら、靭性、特に溶接部の靭性を低下させる元素であるため、本発明ではできるだけ低減させることが望ましく、0.030%までは許容できる。なお、好ましくは0.015%以下である。
S:0.005%以下
Sは、鋼中ではMnS等の硫化物系介在物として存在し、母材及び溶接部の靭性を劣化させやすくするとともに、鋳片中央偏析部などに多量に偏析して、鋳片等における欠陥を発生しやすくするため、Sは0.005%以下とする。
Nb:0.005~0.040%
Nbは、微量の含有でも、固溶強化および析出強化により、鋼の強度を顕著に向上する元素である。このような効果を得るためには、0.005%以上含有することが必要となる。一方、0.040%を超える含有は、母材やHAZの靭性を低下させる。このため、Nbは0.005~0.040%とする。
Ti:0.005~0.020%
Tiは、鋼の強度を向上するとともに、HAZ部の靭性を改善する作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.005%以上含有することが必要である。一方、0.020%を超える含有は、材料コストの高騰を招く。このため、Tiは0.005~0.020%とする。
Cu:1.0%以下
Cuは、固溶して鋼の強度を向上するとともに、耐候性を向上させる。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましく、0.1%以上含有することがより望ましい。一方、1.0%を超える含有は、溶接性を損なうとともに鋼材製造時に疵が発生しやすくなる。したがって、Cu含有量は1.0%以下とする。なお、好ましくは0.5%以下である。
Ni:1.0%以下
Niは、鋼の強度を向上するとともに、低温靭性の向上に寄与する。また、NiはCuとともに含有させることにより、Cuによる熱間脆性を防止することができる。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましく、0.1%以上含有することがより望ましい。一方、1.0%を超える含有は、製造コストの高騰に繋がる。したがって、Ni含有量は1.0%以下とする。なお、好ましくは0.3%以下である。
Cr:1.0%以下
Crは、鋼の強度を向上する元素であり、このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましく、0.2%以上含有することがより望ましい。一方、1.0%を超える含有は、溶接性および靭性を低下させる。したがって、Cr含有量は1.0%以下とする。なお、好ましくは0.5%以下である。
Al:0.05%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、Nと結合して結晶粒微細化に寄与する元素であり、必要に応じ含有できる。このような効果は、0.01%以上の含有で認められるが、0.05%を超える含有は、鋼の清浄度を低下させる。このため、Alは、0.05%以下とする。
N:0.0060%以下
Nは、鋼中に固溶している場合には、冷間加工後に歪時効を起こし靭性を劣化させるため、本発明ではできるだけ低減することが望ましい。0.0060%を超えて含有すると、靭性の劣化が著しくなる。このため、Nは0.0060%以下とする。なお、好ましくは0.0040%以下である。
以上の必須元素で、本発明の効果を得ることができる。本発明では、必要に応じて以下の元素を含有してもよい。
Mo:0.5%以下、V:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種
MoおよびVは、いずれも鋼の強度を向上する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種を含有できる。
Mo:0.5%以下
Moは、鋼の強度を向上する元素であり、このような効果を得るためには、0.1%以上含有することが望ましい。一方、0.5%を超える含有は、溶接性および靭性を低下させる。したがって、含有する場合は、0.5%以下とする。なお、より好ましくは0.3%以下である。
V:0.1%以下
Vは、析出強化を介して母材の強度を増加させる元素であり、厚鋼板の高強度化のために有用な元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが好ましい。一方、0.1%を超える含有は、母材やHAZの靭性を低下させる。したがって、含有する場合は、0.1%以下とする。
さらに本発明では、必要に応じて、以下の成分を含有してもよい。
Ca:0.0005~0.0050%
Caは、硫化物の形態制御を介して母材の靭性および延性工場に寄与する。また、微細な硫化物粒子を鋼中に分散させた場合には、フェライト変態核として作用することによってHAZ靭性の向上にも寄与する。これらの効果を得るためには、0.0005%以上含有することが好ましいが、0.0050%を超えて含有すると、過剰な介在物が生成し、逆に靭性が低下する場合がある。したがって、含有する場合は、0.0005~0.0050%とする。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、本発明の作用効果を損なわない限り、上記以外の他の微量元素を含有しても何ら問題ない。
本発明で使用する鋼素材は、上記した成分範囲でかつ、次式(1)式で定義される炭素当量Ceqが0.36~0.42%を満足するように成分調整する。
Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(1)
ただし、上記(1)式において、元素記号であるC、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、Vは各元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合はゼロとして計算する。
炭素当量Ceqは、所望の母材強度および溶接継手部強度を確保する観点から、本発明では0.36%以上とする。一方、0.42%を超えると、大入熱溶接熱影響部の靭性が低下する。このため、Ceqは0.36~0.42%の範囲に限定する。なお、好ましくは、0.38~0.40%とする。
次に、本発明の低降伏比高張力厚鋼板の製造方法について説明する。
本発明の低降伏比高張力厚鋼板の製造方法では、上記した組成の鋼素材に、熱間圧延を施し厚鋼板とする圧延工程を施した後、厚鋼板に平均冷却速度の異なる二段階の冷却(第1段冷却および第2段冷却)を行う冷却工程を施す。
なお、本発明の製造方法において、鋼板先尾端の鋼板表面温度とは、鋼板の先端もしくは尾端から1m以内の位置における鋼板表面温度である。一方、鋼板先尾端に限定されない場合の鋼板表面温度とは、鋼板の先端および尾端から1mを超えて長手方向中央寄りの鋼板表面温度をいう。
本発明で使用する鋼素材の製造方法は、特に限定する必要はなく、常用の溶製方法、鋳造方法がいずれも適用できるが、上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等で溶製し、脱酸処理や脱ガスプロセスを経て、連続鋳造法などで鋼素材(スラブ)とすることが好ましい。
得られた鋼素材は、まず加熱され、熱間圧延されて厚鋼板となる圧延工程を施される。
加熱温度:1050~1250℃
加熱温度が1050℃未満では、変形抵抗が増大し、鋼板形状の確保が困難になるとともに、Nb等の析出強化に寄与する元素の固溶が不十分となる。一方、加熱温度が1200℃を超えて高温となると、結晶粒の粗大化が著しく、また加熱による酸化スケールが鋼素材表面に多量に生成し、スケールロスが多くなるとともに、表面品質が低下する。
熱間圧延の圧延終了温度:鋼板表面温度で920℃以下Ar変態点以上
圧延終了温度が鋼板表面温度で920℃を超えると、組織が粗大化し、焼入れ性が増加しすぎて靭性が低下する。一方、圧延終了温度が鋼板表面温度でAr変態点未満では、圧延中あるいは圧延直後にフェライトが生成し、粗大化して、所望の強度を確保することが難しくなる。好ましくは780~900℃である。
なお、Ar変態点は、下記(2)式を用いて算出した値を用いる。
Ar変態点(℃)=910-310C-80Mn-20Cu-15Cr-55Ni-80Mo・・・(2)
ただし、上記(2)式において、元素記号であるC、Mn、Cu、Cr、Ni、Moは各元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合はゼロとして計算する。
圧延工程に引き続いて、厚鋼板には冷却工程を施される。冷却工程は、鋼板尾端の鋼板表面温度が(Ar変態点-10℃)以上の冷却開始温度で、かつ鋼板先尾端の鋼板表面温度差が50℃以下の時点から冷却を開始し、鋼板表面温度が420℃以上となる冷却停止温度まで、10.0℃/s以下の平均冷却速度で加速冷却する第一段冷却を施し、次いで第一段冷却停止温度から20.0℃/s以上の平均冷却速度で加速冷却する第二段冷却を施し、第二段冷却を停止した後の復熱が完了した時点で、鋼板先尾端の鋼板表面温度がそれぞれ(Bs点-70℃)以下400℃以上であり、かつ鋼板先尾端の鋼板表面温度差が100℃未満である工程である。
第一段冷却は、冷却開始温度が鋼板尾端の表面温度が(Ar変態点-10℃)以上で、かつ鋼板先尾端の温度差が50℃以下の時点から冷却を開始し、冷却停止温度が鋼板表面温度が420℃以上の温度となる時点まで、平均冷却速度で10℃/s以下の冷却速度で加速冷却する。
第一段冷却の冷却開始温度:鋼板尾端の表面温度が(Ar変態点-10℃)以上
第一段冷却の冷却開始温度が、鋼板尾端の表面温度が(Ar変態点-10℃)未満では、加速冷却前にフェライトが生成し、粗大化するため、表層部のフェライト粒の微細化が達成できず、所望の降伏比を得ることができない。
冷却開始時の鋼板先尾端の鋼板表面温度差:50℃以下
冷却開始時の鋼板先尾端の表面温度差が50℃を超えると、鋼板長手方向で材質ばらつきが生じる。
第一段冷却の冷却停止温度(第一段冷却停止温度):鋼板表面温度で420℃以上
鋼板表面温度で420℃未満となると、冷却中にベイナイト、マルテンサイト変態が生じて、表層部が硬質化し、その結果、降伏比が過大となる。また、鋼板表面温度で420℃未満の場合、鋼板上での冷却水の沸騰挙動が、膜沸騰と核沸騰とが混在する遷移沸騰が生じやすくなることで鋼板内に温度むらが発生し、形状不良や鋼板内での強度のばらつきが発生する。よって、第一段の冷却停止温度は420℃以上とする。なお、第一段冷却の冷却停止温度は700℃以下であることが好ましい。
第一段冷却の平均冷却速度:10.0℃/s以下
10.0℃/sを超えると、ベイナイト、マルテンサイト変態が生じて、強度が高くなり、所望の強度、降伏比を得ることができないので10.0℃/s以下とする。好ましくは、7.5℃/s以下である。なお、平均冷却速度とは、板厚1/4t位置(tは板厚)における冷却速度で定義される値である。具体的には、第一段冷却開始時の板厚1/4t位置における温度から第一段冷却停止時の板厚1/4t位置における温度を差し引いた差を、第一段冷却開始時から第一段冷却停止時までの所要時間で除した値である。
第二段冷却は、第一段冷却後、20.0℃/s以上の平均冷却速度で実施するものであり、第二段冷却を停止した後の復熱が完了した時点で鋼板先尾端の鋼板表面温度がそれぞれ(Bs点-70℃)以下400℃以上であり、かつ鋼板先尾端の鋼板表面温度差が100℃未満であるものとする。
なお、本発明では、第一段冷却後、ただちに第二段冷却を施す。すなわち、第一段冷却において鋼板表面温度が420℃以上となる冷却停止温度(冷却速度切替温度とも言う)に達した時点で冷却速度を切り替えて、第二段冷却を開始する。第一段冷却後、ただちに第二段冷却を行うことにより、鋼板上での冷却水の沸騰挙動が遷移沸騰にならずに核沸騰になりやすい。このため、遷移沸騰の場合に発生しやすい鋼板内温度むらが発生しにくく、形状不良や鋼板内での強度のばらつきも抑えることができる。なお、本発明において、第一段冷却後、ただちに第二段冷却を行うとは、第一段冷却の後、積極的に復熱を待つような処理はせず、引き続き冷却を実施することを指す。
第二段冷却の平均冷却速度:20.0℃/s以上
平均冷却速度が20.0℃/s未満では、未変態部分の硬質相への変態量が低下し、所望の強度、降伏比を得ることができない。また、加速冷却における冷却速度は、鋼板を均一に冷却する観点からは速いほうが好ましく、条切キャンバー発生低減の観点からも、平均冷却速度は20.0℃/s以上とする。本発明において、第二段冷却の平均冷却速度とは、第二段冷却開始時の板厚1/4t位置(tは板厚)における温度から第二段冷却停止時の板厚1/4t位置における温度を差し引いた差を、第二段冷却開始時から第二段冷却停止時までの所要時間で除した値である。
第二段冷却を停止した後の復熱が完了した時点で、鋼板先尾端の鋼板表面温度がそれぞれ(Bs点-70℃)以下400℃以上
本発明においては、加速冷却によって変態強化組織を得るための冷却停止温度の目標値として、冷却停止後に復熱が完了した時点の温度を採用する。その理由は、復熱が完了した時点では板厚方向の温度分布は極めて小さいので、加速冷却によって変態強化組織を得る材質設計の指標として適切だからである。なお、本発明において、復熱が完了した時点とは、いったん下降していた鋼板表面温度が復熱により上昇に転じて極大となった時点のことを指す。本発明の第二段冷却においては、上述のように第二段冷却の停止後に復熱が完了した時点の温度を制御することが重要であり、冷却停止後に復熱が完了した時点で、所定の温度条件を満足するように第二段冷却を停止すればよい。第二段冷却を停止する条件は、予備実験や過去の製造実績などの経験値をもとに導いてもよいし、伝熱計算によるシミュレーションで求めてもよく、その両方を組み合わせることによって求めてもよい。
冷却停止後に復熱が完了した時点の鋼板表面温度が400℃未満では、ベイナイト、マルテンサイト主体の組織となり、降伏比が80.0%を超えてしまう。したがって、鋼板先尾端の鋼板表面温度はそれぞれ400℃以上とする。また、(Bs点-70℃)を超えて高くなると、フェライト相が生成するため、所望の引張強さ、降伏比が確保できない。したがって、鋼板先尾端の鋼板表面温度はそれぞれ(Bs点-70℃)以下であることとし、600℃以下であることが好ましい。
なお、Bs点は、下記(3)式を用いて算出した値を用いるものとする。
Bs点(℃)=830-270C-90Mn-37Ni-70Cr-83Mo・・・(3)
ただし、上記(3)式において、元素記号であるC、Mn、Ni、Cr、Moは各元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合はゼロとして計算する。
第二段冷却を停止した後の復熱が完了した時点で、鋼板先尾端の鋼板表面温度差:100℃未満
第二段冷却を停止した後の復熱が完了した時点における、鋼板先尾端の鋼板表面温度差とは、鋼板の先端および尾端のそれぞれについて、復熱が完了した時点での鋼板表面温度の差を指す。第二段冷却を停止した後の復熱が完了した時点における鋼板先尾端の鋼板表面温度差が100℃以上となると、鋼板長手方向で材質ばらつきが生じるので、100℃未満とする。
本発明における加速冷却は、鋼板の冷却速度を所望の範囲に制御する必要がある。冷却速度の制御は、設備仕様、および、対象材の鋼成分・サイズ、などに応じて、鋼材温度を伝熱計算により求めることにより可能である。また、冷却速度を制御する具体的な方法としては、水量密度を調整する方法、弱冷却と強冷却を繰り返す方法、加速冷却を冷却停止とその後の復熱とを挟んで複数回繰り返す方法など、が挙げられるが、いずれの方法を用いても、本発明の効果を損なうことはない。また、本発明で利用する冷却装置は、水量密度が適宜調整可能な従来公知の装置がいずれも適用できるが、注水ヘッダー数を適宜変更することで冷却ゾーンの長さが変えられるラミナーフロータイプの冷却水注水ヘッダー列で構成するのが特に好ましい。
加速冷却の第二段冷却が終了した後の厚鋼板の処置は、特に限定されるものではなく、たとえば、大気中で室温まで自然放冷してもよい。
転炉溶製-連続鋳造法で、表1に示す組成を有する鋼素材を、表2に示す条件で熱間圧延を施して厚鋼板とし、次いで表2に示す条件で加速冷却を施した。冷却は水冷とし、冷却ゾーンにおける注水ヘッダー数を変更するようにして冷却速度を適宜調節した。加速冷却の開始および停止時の鋼板温度は、厚鋼板の長手方向の先端側から500mmの位置、および、厚鋼板の長手方向の尾端側から500mmの位置の表面温度を測定して求めた。板厚1/4t位置の冷却速度は、熱伝導シミュレーションにて算出した。なお、表2における冷却速度切替温度とは、第一段冷却の冷却停止温度を言う。
なお、表2の厚鋼板No.28~No.30は、加速冷却を実施するにあたり、第一段冷却から冷却速度を切り替えることなく、最後まで加速冷却を続けた例である。このため、表2の記載の一部を下記のとおりとした。すなわち、第一段冷却停止温度は空欄にして、第二段冷却の平均冷却速度は第一段冷却の平均冷却速度と同じ値を括弧付きで表示した。また、加速冷却を停止した後の復熱が完了した時点の鋼板先尾端の鋼板表面温度および温度差は、第二段冷却のそれぞれの項目の欄に記載した。
Figure 0007207358000001
Figure 0007207358000002
厚鋼板の長手方向での材質ばらつきを測定するために、圧延方向の先端および尾端から各々試験片を採取し、引張試験を実施した。すなわち、得られた厚鋼板から、引張方向が厚鋼板の長手方向に対して直交する方向となるように、JIS Z 2241の規定に準拠したJIS 5号全厚引張試験片を採取して引張試験を実施し、引張特性(降伏強さまたは0.2%耐力YS、引張強さTS)を求めた。また、得られた測定値から、降伏比YR(=YS/TS×100)を算出した。YS:385MPa以上、TS:550MPa以上700MPa以下、YR:80.0%以下を合格とした。また、材質ばらつきの評価基準は、先端部と尾端部とのTSの差であるΔTS:25MPa以下、および、先端部と尾端部とのYRの差であるΔYR:5.0%以下とした。
得られた結果を、表3に示す。
Figure 0007207358000003
本発明例は、圧延鋼板先尾端の引張特性、およびその差がいずれも目標を達成しており、良好な結果が得られた。これに対して比較例は、いずれかが目標を満たしていない。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.05~0.16%、Si:0.05~0.50%、Mn:1.0~2.0%、P:0.030%以下、S:0.005%以下、Nb:0.005~0.040%、Ti:0.005~0.020%、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Al:0.05%以下、N:0.0060%以下を含有し、下記(1)式で定義される炭素当量Ceqが、0.36~0.42%であり、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材を、
    1050~1250℃に加熱し、圧延終了温度が鋼板表面温度で920℃以下Ar変態点以上となるように熱間圧延した後に、
    鋼板尾端の鋼板表面温度が(Ar変態点-10℃)以上で、かつ鋼板先尾端の鋼板表面温度差が50℃以下の時点から冷却を開始し、鋼板表面温度が700℃以下420℃以上となる第一冷却停止温度まで、1.6℃/s以上10.0℃/s以下の平均冷却速度で水冷により加速冷却する第一段冷却を施し、次いで前記第一段冷却後ただちに、第一段冷却停止温度から20.0℃/s以上の平均冷却速度で水冷により加速冷却する第二段冷却を施し、第二段冷却を停止した後の復熱が完了した時点で、鋼板先尾端の鋼板表面温度がそれぞれ(Bs点-70℃)以下400℃以上であり、かつ鋼板先尾端の鋼板表面温度差が100℃未満である
    ことを特徴とする、引張強さ550MPa以上、降伏比80.0%以下である低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
    なお、Ar変態点およびBs点は、下記(2)式および(3)式を用いて算出した値を用いる。
    Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(1)
    Ar変態点(℃)=910-310C-80Mn-20Cu-15Cr-55Ni-80Mo・・・(2)
    Bs点(℃)=830-270C-90Mn-37Ni-70Cr-83Mo ・・・(3)
    ただし、(1)~(3)式の元素記号は各元素の含有量(質量%)を示し、含有しない場合はゼロとする。
  2. 前記成分組成に加えて、さらに質量%で、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1に記載の引張強さ550MPa以上、降伏比80.0%以下である低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
  3. 前記成分組成に加えて、さらに質量%で、Ca:0.0005~0.0050%を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の引張強さ550MPa以上、降伏比80.0%以下である低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
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