JP7207205B2 - 断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率評価方法 - Google Patents

断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼管や丸棒鋼などの金属材料から形成された断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率を、被評価材の全長・全数について精度良く評価可能な方法に関する。
金属材料から形成された被評価材中に、部分的に粒径の大きな(粒度番号の小さな)金属組織の結晶粒が存在する混粒が生じると、靱性等の機械的特性が低下したり、選択的に腐食することによって耐食性が低下する場合がある。また、金属材料が耐熱鋼の場合、混粒の比率(混粒率)が大きいと、不均一なクリープ変形が生じて、クリープ破断延性及びクリープ疲労特性が低下し、目標とするクリープ破断絞りを確保できない。
このため、金属材料から形成された被評価材の品質評価・品質保証として、被評価材中の金属組織の平均結晶粒度(又は平均結晶粒径)だけではなく、混粒の有無や混粒率を評価することが重要である。
従来、混粒の評価は、JIS G 0551に規定されているように、被評価材を切断し、その切断面の金属組織を顕微鏡で撮像した断面画像に基づき行われていた。
なお、「混粒」とは、1視野内において、最大頻度をもつ粒度番号の粒からおおむね3以上異なった粒度番号の粒が偏在し、これらの粒が約20%以上の面積を占める状態にあるものをいうのが一般的である。ただし、本明細書では、最大頻度をもつ粒度番号の粒からおおむね3以上異なった粒度番号(3以上小さな粒度番号)の粒(粗粒)が予め定めた割合(例えば、数%)以上の面積を占める状態にあるものを「混粒」と定義している。
また、本明細書における「混粒率」とは、最大頻度をもつ粒度番号の粒からおおむね3以上異なった粒度番号(3以上小さな粒度番号)の粒(粗粒)が占める面積率を意味する。
しかしながら、上記の評価方法では、被評価材を切断する必要があるため、被評価材の全長について評価できないという問題がある。また、被評価材の端部を切断すれば、全数の評価は可能であるものの、非常に手間を要するという問題がある。
被評価材の結晶粒に関する全長・全数の評価を可能にする方法として、例えば、特許文献1に記載の超音波を用いた方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、平均結晶粒径を測定する方法であるため、混粒率を適切に評価できないという問題がある。
特開平8-43363号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、金属材料から形成された被評価材の結晶粒の混粒率を、被評価材の全長・全数について精度良く評価可能な方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは、特許文献1と同様に、超音波を用いる方法を検討した。
一般的に、被評価材の結晶粒の粒径が大きくなると、被評価材中を伝搬する超音波の減衰が大きくなることが知られている。具体的には、被評価材が混粒材(混粒が生じている被評価材)である場合、超音波の伝搬経路中に存在する粗粒での散乱減衰により、底面エコー(超音波の入射面と反対側の面で反射したエコー)の強度が低下することが知られている。
したがい、超音波探触子で底面エコーを検出して得られる底面エコー信号を周波数解析することで算出される周波数スペクトルを用いて混粒率を評価することが考えられる。
上記の着眼に基づき、本発明者らは鋭意検討を行った。具体的には、超音波探触子から被評価材の略中心に向けて超音波を送信し、超音波探触子が表面エコー(超音波の入射面で反射したエコー)を受信してから最初に受信する底面エコー(第1底面エコー)を受信することで超音波探触子から出力される第1底面エコー信号を周波数解析して第1底面エコー信号の周波数スペクトルを算出した。また、超音波探触子が表面エコーを受信してから2回目に受信する底面エコー(第2底面エコー)を受信することで超音波探触子から出力される第2底面エコー信号を周波数解析して第2底面エコー信号の周波数スペクトルを算出した。そして、これら第1底面エコー信号の周波数スペクトル及び第2底面エコー信号の周波数スペクトルを用いることを検討した。この結果、本発明者らは、第1底面エコー信号の周波数スペクトルと第2底面エコー信号の周波数スペクトルとの比である周波数スペクトル比を算出した場合、この周波数スペクトル比における所定の周波数帯域の特徴量と、被評価材の結晶粒の混粒率とが、比較的良好な相関関係を有することを見出した。
なお、底面エコーの強度は、結晶粒による散乱減衰に加え、被評価材の表面状態による伝達損失の影響も受けて変化する。被評価材の表面状態による伝達損失としては、例えば、被評価材が管である場合のストレートナーマーク(管の矯正時に管の表面に発生する螺旋状の凹部)による伝達損失が挙げられる。しかしながら、上記のように、周波数スペクトル比における所定の周波数帯域の特徴量を用いれば、超音波の入射面での伝達損失の影響を低減できることも分かった。
ここで、被評価材の全長・全数について混粒率を評価するには、被評価材の周方向及び長手方向に沿って、超音波探触子を相対的に移動させる必要がある。具体的には、超音波探触子を被評価材の周方向に沿って移動(回転)させると共に被評価材を長手方向に搬送するか、或いは、被評価材を周方向に回転させると共に超音波探触子を被評価材の長手方向に沿って移動させる必要がある。また、これらの代わりに、超音波探触子の位置を固定し、被評価材を周方向に回転させると共に長手方向に搬送する(スパイラル搬送する)か、或いは、被評価材の位置を固定し、超音波探触子を被評価材の周方向に沿って移動(回転)させると共に被評価材の長手方向に沿って移動させる(スパイラル移動させる)必要がある。
しかしながら、超音波探触子を被評価材の周方向に沿って回転させる場合、被評価材を搬送する機構や超音波探触子を回転させる機構の位置決め精度や、被評価材の曲がり等の影響により、被評価材の中心と超音波探触子の回転中心との間に位置ずれ(偏心)が生じる場合がある。同様に、被評価材を周方向に回転させる場合も、被評価材の中心と被評価材の回転中心との間に位置ずれ(偏心)が生じる場合がある。被評価材をスパイラル搬送する場合や、超音波探触子をスパイラル移動させる場合も同様である。
上記の偏心が生じると、超音波が入射する被評価材の周方向位置に応じて、超音波が被評価材に入射するまでの伝搬距離(水距離)や超音波の入射角が変動することになる。本発明者らが検討した結果によれば、周波数スペクトル比における所定の周波数帯域の特徴量と被評価材の結晶粒の混粒率との相関関係は、水距離の変動よりも超音波の入射角の変動に大きく影響されることが分かった。超音波の入射角が変動すると、第1底面エコー及び第2底面エコーの反射位置や反射方向が変動するからだと考えられる。そして、被評価材への超音波の入射角は、被評価材の中心と超音波探触子から送信した超音波の中心軸(超音波ビームの中心)との離間距離の変動に応じて変動する。
したがい、本発明者らは、被評価材の全長・全数について混粒率を精度良く評価するには、超音波が入射する被評価材の周方向位置に応じて変動する、被評価材の中心と超音波探触子から送信した超音波の中心軸との離間距離毎に、周波数スペクトル比における所定の周波数帯域の特徴量と被評価材の結晶粒の混粒率との相関関係を予め取得しておくことを考えた。そして、被評価材と超音波探触子との相対移動中に、超音波探触子から被評価材に超音波を逐次入射させたときの被評価材の中心と超音波探触子から送信した超音波の中心軸との離間距離を逐次算出し、この算出した離間距離に応じた相関関係を選択して、選択した相関関係と特徴量の大きさとに基づき、被評価材の混粒率を評価すれば、偏心が生じている場合であっても、混粒率を精度良く評価できることに想到し、本発明を完成した。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、金属材料から形成された断面略円形の被評価材の周方向及び長手方向に沿って、前記被評価材の略中心に向けて超音波を送信する超音波探触子を相対的に移動させながら、前記被評価材の結晶粒の混粒率を評価する方法であって、以下の各工程を含むことを特徴とする断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率評価方法を提供する。
(1)底面エコー信号取得工程:前記被評価材と前記超音波探触子との相対移動中に、前記超音波探触子から前記被評価材に超音波を逐次入射させ、前記超音波探触子で第1底面エコー及び第2底面エコーを検出して、第1底面エコー信号及び第2底面エコー信号を取得する。
(2)周波数スペクトル算出工程:前記第1底面エコー信号を周波数解析することで第1底面エコー信号の周波数スペクトルを算出すると共に、前記第2底面エコー信号を周波数解析することで第2底面エコー信号の周波数スペクトルを算出する。
(3)周波数スペクトル比算出工程:前記第1底面エコー信号の周波数スペクトルと、前記第2底面エコー信号の周波数スペクトルとの比である周波数スペクトル比を算出する。
(4)特徴量算出工程:前記周波数スペクトル比における所定の周波数帯域の特徴量を算出する。
(5)離間距離算出工程:前記底面エコー信号取得工程における前記被評価材と前記超音波探触子との相対移動中に前記超音波探触子から前記被評価材に超音波を逐次入射させたときの前記被評価材の中心と前記超音波探触子から送信した超音波の中心軸との離間距離を逐次算出する。
(6)混粒率評価工程:前記離間距離毎に予め取得した前記特徴量と前記混粒率との相関関係のうち、前記離間距離算出工程で逐次算出した前記離間距離に応じた相関関係を選択して、前記選択した相関関係と前記特徴量の大きさとに基づき、前記被評価材の混粒率を評価する。
本発明に係る混粒率評価方法によれば、超音波探触子を被評価材の周方向及び長手方向に沿って相対的に移動させることで、被評価材の全長・全数の評価が可能であり、被評価材を切断する必要がない。なお、被評価材の端部近傍には、超音波を用いた評価において原理的に発生する未評価領域が存在する。本明細書に記載の「被評価材の全長」は、このような超音波を用いた評価において不可避的に発生する未評価領域は除く意味である。
また、本発明に係る混粒率評価方法によれば、底面エコー信号取得工程、周波数スペクトル算出工程、周波数スペクトル比算出工程及び特徴量算出工程を実行することで、第1底面エコー信号の周波数スペクトルと第2底面エコー信号の周波数スペクトルとの比である周波数スペクトル比における所定の周波数帯域の特徴量が算出される。前述のように、周波数スペクトル比における所定の周波数帯域の特徴量と、被評価材の結晶粒の混粒率とは、比較的良好な相関関係を有し、超音波の入射面での伝達損失の影響も低減可能である。
さらに、本発明に係る混粒率評価方法によれば、離間距離算出工程において、被評価材と超音波探触子との相対移動中に超音波探触子から被評価材に超音波を逐次入射させたときの被評価材の中心と超音波探触子から送信した超音波の中心軸との離間距離を逐次算出し、混粒率評価工程において、離間距離算出工程で逐次算出した離間距離に応じた相関関係を選択して、選択した相関関係と特徴量の大きさとに基づき、被評価材の結晶粒の混粒率を評価するため、偏心が生じている場合であっても、被評価材の結晶粒の混粒率を精度良く評価することが可能である。
したがい、本発明に係る混粒率評価方法によれば、金属材料から形成された被評価材の結晶粒の混粒率を、被評価材の全長・全数について精度良く評価可能である。
なお、本発明に係る混粒率評価方法において、「混粒率を評価する」とは、特徴量と一対一対応の混粒率の値を算出する場合に限らず、混粒率が所定値以上の値であると算出する場合も含む概念である。
具体的には、本発明に係る混粒率評価方法の底面エコー信号取得工程では、例えば、時間幅が互いに同一に設定された各ゲート(エコー信号を検出するためのゲート)によって第1底面エコー信号及び第2底面エコー信号が取得される。これにより、取得された第1底面エコー信号及び第2底面エコー信号をA/D変換した場合、横軸が時間についての同じ数のサンプリング点で、縦軸が各サンプリング点の信号強度で表わされる第1底面エコー信号及び第2底面エコー信号の信号波形(デジタル信号波形)が得られることになる。
また、本発明に係る混粒率評価方法の周波数スペクトル算出工程では、例えば、第1底面エコー信号及び第2底面エコー信号の信号波形に高速フーリエ変換(FFT)を施すことで、横軸が周波数についての同じ数のサンプリング点で、縦軸が各サンプリング点の強度(スペクトル強度)で表される第1底面エコー信号及び第2底面エコー信号の周波数スペクトルが算出されることになる。
また、本発明に係る混粒率評価方法の周波数スペクトル比算出工程では、例えば、第1底面エコー信号の周波数スペクトルを構成する各サンプリング点の強度を、第2底面エコー信号の周波数スペクトルを構成し、第1底面エコー信号の周波数スペクトルを構成する各サンプリング点に対応する各サンプリング点の強度で除算することで、横軸が周波数についてのサンプリング点で、縦軸が各サンプリング点の強度の比(第1底面エコー信号のスペクトル強度/第2底面エコー信号のスペクトル強度)で表される周波数スペクトル比が算出されることになる。
さらに、本発明に係る混粒率評価方法の特徴量算出工程では、例えば、周波数スペクトル比の横軸に表された全周波数帯域のうち、被評価材の結晶粒の混粒率と比較的良好な相関関係を有し、超音波の入射面での伝達損失の影響を低減できる一部の周波数帯域の特徴量が算出されることになる。
好ましくは、前記離間距離算出工程において、前記超音波探触子でエコーを検出して取得したエコー信号の伝搬時間の変動に基づき、前記離間距離を算出する。
上記の好ましい構成によれば、超音波探触子でエコー(例えば、表面エコー)を検出して取得したエコー信号(例えば、表面エコー信号)の伝搬時間の変動に基づき離間距離を算出するため、離間距離を算出するための超音波探触子以外の他のセンサ等が不要であり、装置構成を簡略化でき、コストを削減可能である。
ただし、本発明は、これに限るものではなく、例えば、超音波探触子に並置した距離計(レーザ距離計等)によって被評価材までの距離の変動を測定し、これにより離間距離を算出することも可能である。
好ましくは、前記特徴量は、前記周波数スペクトル比における前記所定の周波数帯域の強度積分値、又は、前記周波数スペクトル比における前記所定の周波数帯域のピーク強度である。
本発明者らの知見によれば、周波数スペクトル比における所定の周波数帯域の強度積分値やピーク強度は、被評価材の結晶粒の混粒率と良好な相関関係(正の相関関係)を有するため、これらを特徴量として用いることで、被評価材の結晶粒の混粒率を精度良く評価可能である。
好ましくは、本発明に係る混粒率評価方法は、前記被評価材と同種の金属材料から形成され、結晶粒の混粒率が異なる複数のサンプル材に対して、前記離間距離を変更して、前記底面エコー信号取得工程、前記周波数スペクトル算出工程、前記周波数スペクトル比算出工程及び前記特徴量算出工程を実行することで、前記複数のサンプル材についての前記特徴量を前記離間距離毎に算出する第1準備工程と、前記複数のサンプル材において、前記超音波探触子から入射した超音波が伝搬する部位の断面画像を撮像し、該断面画像に基づき、前記複数のサンプル材の結晶粒の混粒率を算出する第2準備工程と、前記第1準備工程で算出した前記複数のサンプル材についての前記離間距離毎の前記特徴量と、前記第2準備工程で算出した前記複数のサンプル材の結晶粒の混粒率とに基づき、前記特徴量と前記混粒率との相関関係を前記離間距離毎に算出する第3準備工程と、を更に含む。
上記の好ましい方法によれば、第1準備工程~第3準備工程を実行することで、特徴量と混粒率との相関関係が離間距離毎に算出される。このため、これらの相関関係のうち、離間距離算出工程で逐次算出した離間距離に応じた相関関係を選択して用いれば、被評価材について実行する混粒率評価工程において、混粒率の値を精度良く算出することが可能である。
なお、上記の好ましい方法において、「混粒率が異なる複数のサンプル材」とは、以下の(a)~(c)の何れの場合をも含む概念である。
(a)実際にサンプル材が複数個あって、各サンプル材の混粒率が異なる場合。
(b)サンプル材は1個であるが、この1個のサンプル材中に混粒率の異なる領域が複数存在する場合。
(c)上記(a)の場合と上記(b)の場合とが組み合わさっている場合。
また、上記の好ましい方法の第2準備工程において、「断面画像に基づき、・・・(中略)・・・混粒率を算出する」とは、従来(JIS G 0551等)と同様に、断面画像を検査員が目視して算出する場合の他、断面画像に2値化等の画像処理を施すことで、混粒率を自動的に算出する場合を含む概念である。
本発明に係る断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率評価方法によれば、金属材料から形成された被評価材の結晶粒の混粒率を、被評価材の全長・全数について精度良く評価可能である。
本発明の一実施形態に係る混粒率評価方法を実施するための装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る混粒率評価方法に含まれる各工程を示すフロー図である。 図2に示す特徴量算出工程S4を説明する図である。 偏心が生じている場合の問題点を説明する図である。 図2に示す離間距離算出工程S5を説明する図である。 図2に示す離間距離算出工程S5を説明する図である。 鋼管を周方向に回転させる場合の離間距離算出工程S5を説明する図である。 図2に示す準備工程S0で離間距離毎に取得される特徴量(強度積分値)と混粒率との相関関係を模式的に示す図である。 図2に示す第2準備工程S02で撮像した断面画像の例を示す。 本発明の実施例において、準備工程S0を実行することで取得した強度積分値と混粒率との相関関係を示す。 実施例及び参考例による混粒率の評価結果の一例を示す。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係る断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率評価方法(以下、適宜、単に「混粒率評価方法」という)について、被評価材が鋼管である場合を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る混粒率評価方法を実施するための装置の概略構成を示す模式図(水平方向に配置された鋼管Tの長手方向(Y方向)から見た図)である。
図1に示すように、本実施形態に係る混粒率評価方法を実施するための評価装置100は、超音波探触子1と、超音波探触子1に接続された制御・信号処理手段2とを備えている。また、評価装置100は、超音波探触子1を被評価材である鋼管Tの周方向及び長手方向に沿って相対的に移動させるための機構部(図示せず)も備えている。
超音波探触子1は、鋼管Tの略中心Oに向けて超音波Uを送信するように、鋼管Tの外面に対向配置されている。図1に示す状態では、超音波探触子1は、鋼管Tに対して鉛直方向(Z方向)上方に位置している。本実施形態の超音波探触子1としては、例えば、単一の振動子を具備し、発振周波数が10MHz(送信波の中心周波数が10MHzで周波数範囲が5~15MHz)の垂直探触子が用いられる。
ただし、本発明で用いることのできる超音波探触子1はこれに限るものではない。本発明者らの知見によれば、粒径の大きな結晶粒を検出するには低周波数帯域の超音波を使用し、粒径の小さな結晶粒を検出するには高周波数帯域の超音波を用いることが好ましい。この観点より、例えば、最大頻度をもつ粒(細粒)の粒径が30μm程度であり、混粒を評価したい粒(粗粒)の粒径が100~200μm程度である場合には、発振周波数が10~15MHz(送信波の中心周波数が10~15MHz)の超音波探触子を用いることが好ましい。
制御・信号処理手段2は、超音波探触子1から超音波を送信させるためのパルス信号を供給するパルサーや、エコーを受信した超音波探触子1から出力されるエコー信号を増幅するレシーバや、レシーバで増幅されたエコー信号をA/D変換するA/D変換器など、超音波の送受信を制御する機能を果たす部分を有する。また、制御・信号処理手段2は、後述のように、A/D変換されたエコー信号に基づき周波数スペクトルを算出したり、周波数スペクトル比を算出したり、特徴量を算出したり、離間距離を算出したり、混粒率を評価するなど、各種の信号処理を実行する機能を果たす部分を備えている。
具体的には、制御・信号処理手段2は、例えば、超音波の送受信を制御する機能を果たす部分として、超音波探傷や超音波検査で用いられる従来公知の探傷器を用い、各種の信号処理を実行する機能を果たす部分として、探傷器に電気的に接続され、信号処理を実行するための所定のプログラムがインストールされたコンピュータを用いた構成とされる。
機構部としては、超音波探触子1を鋼管Tの周方向に沿って(図1に示すY方向周りの矢符ARの方向に)移動(回転)させる機構と、鋼管Tを長手方向に搬送する機構とを備えたものを例示できる。本明細書では、主として、これらの機構を備えた機構部を用いる場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明は、これに限るものではなく、鋼管Tを周方向に回転させる機構と、超音波探触子1を鋼管Tの長手方向に沿って移動させる機構とを備えたものを採用することも可能である。
以上に説明した構成を有する評価装置100を用いて、本実施形態に係る混粒率評価方法は実施される。
図2は、本実施形態に係る混粒率評価方法に含まれる各工程を示すフロー図である。
図2に示すように、本実施形態に係る混粒率評価方法は、底面エコー信号取得工程S1、周波数スペクトル算出工程S2、周波数スペクトル比算出工程S3、特徴量算出工程S4、離間距離算出工程S5及び混粒率評価工程S6を含んでいる。また、本実施形態に係る混粒率評価方法は、好ましい方法として、準備工程S0を含んでいる。以下、底面エコー信号取得工程S1から順に、各工程について説明する。
<底面エコー信号取得工程S1>
底面エコー信号取得工程S1では、鋼管Tと超音波探触子1との相対移動中に超音波探触子1から鋼管Tに超音波を逐次入射させ、超音波探触子1で鋼管Tからのエコーを検出して、超音波探触子1が制御・信号処理手段2に対して検出したエコーの大きさに応じた電気信号であるエコー信号を出力する。制御・信号処理手段2には、第1底面エコー(鋼管Tの内面で反射した底面エコーのうち超音波探触子1が最初に受信する底面エコー)の伝搬距離に応じた第1ゲートと、第2底面エコー(鋼管Tの内面で反射した底面エコーのうち超音波探触子1が2回目に受信する底面エコー)の伝搬距離に応じた第2ゲートとが設定されている。第1ゲート及び第2ゲートは、時間幅が互いに同一に設定されている。これら各ゲートによって第1底面エコー信号B1及び第2底面エコー信号B2が取得される。なお、制御・信号処理手段2には、表面エコー(超音波Uの入射面である鋼管Tの外面で反射したエコー)の伝搬距離に応じたゲートも設定されており、このゲートによって表面エコー信号Sも取得される。
取得された第1底面エコー信号B1及び第2底面エコー信号B2を制御・信号処理手段2が備えるA/D変換器でA/D変換することで、横軸が時間(伝搬距離)についての同じ数のサンプリング点で、縦軸が各サンプリグ点の信号強度で表わされる第1底面エコー信号B1及び第2底面エコー信号B2の信号波形(デジタル信号波形)が得られる。
前述のように、底面エコー信号取得工程S1は、鋼管Tと超音波探触子1との鋼管Tの周方向及び長手方向に沿った相対移動中に、鋼管Tに超音波を逐次入射させることで実行される。これにより、鋼管Tの全周・全長について、第1底面エコー信号B1及び第2底面エコー信号B2を取得可能である。
底面エコー信号取得工程S1の後に実行する周波数スペクトル算出工程S2、周波数スペクトル比算出工程S3及び特徴量算出工程S4は、鋼管Tの全周・全長について底面エコー信号取得工程S1を先に実行し終えた後(すなわち、鋼管Tの全周・全長についての第1底面エコー信号B1及び第2底面エコー信号B2を先に取得した後)に纏めて実行してもよい。或いは、鋼管Tの一箇所の部位について底面エコー信号取得工程S1、周波数スペクトル算出工程S2、周波数スペクトル比算出工程S3及び特徴量算出工程S4を実行した後、超音波探触子1の相対移動に伴う鋼管Tの次の箇所の部位について底面エコー信号取得工程S1、周波数スペクトル算出工程S2、周波数スペクトル比算出工程S3及び特徴量算出工程S4を実行するという動作を、鋼管Tの全周・全長について繰り返すことも可能である。
<周波数スペクトル算出工程S2>
周波数スペクトル算出工程S2では、制御・信号処理手段2が、第1底面エコー信号B1を周波数解析することで第1底面エコー信号の周波数スペクトルSB1を算出すると共に、第2底面エコー信号B2を周波数解析することで第2底面エコー信号B2の周波数スペクトルSB2を算出する。
具体的には、制御・信号処理手段2は、第1底面エコー信号B1及び第2底面エコー信号B2の信号波形に高速フーリエ変換(FFT)を施すことで、横軸が周波数についての複数のサンプリング点で、縦軸が各サンプリング点の強度(スペクトル強度)で表される第1底面エコー信号B1及び第2底面エコー信号B2の周波数スペクトルSB1、SB2を算出する(周波数スペクトルSB1、SB2の波形を得る)。周波数スペクトルSB1、SB2の横軸のサンプリング点の数は同一とされる。
<周波数スペクトル比算出工程S3>
周波数スペクトル比算出工程S3では、制御・信号処理手段2が、第1底面エコー信号B1の周波数スペクトルSB1と、第2底面エコー信号B2の周波数スペクトルSB2との比である周波数スペクトル比SB1/SB2を算出する。
具体的には、制御・信号処理手段2は、第1底面エコー信号B1の周波数スペクトルSB1を構成する各サンプリング点の強度を、第2底面エコー信号B2の周波数スペクトルSB2を構成し、第1底面エコー信号B1の周波数スペクトルSB1を構成する各サンプリング点に対応する各サンプリング点の強度で除算することで、横軸が周波数についてのサンプリング点で、縦軸が各サンプリング点の強度の比(第1底面エコー信号B1のスペクトル強度/第2底面エコー信号B2のスペクトル強度)で表される周波数スペクトル比SB1/SB2を算出する(周波数スペクトル比SB1/SB2の波形を得る)。
<特徴量算出工程S4>
特徴量算出工程S4では、制御・信号処理手段2が、周波数スペクトル比SB1/SB2における所定の周波数帯域の特徴量を算出する。本実施形態では、特徴量として、周波数スペクトル比SB1/SB2における所定の周波数帯域の強度積分値を算出する。
図3は、本実施形態の特徴量算出工程S4を説明する図である。図3(a)は、偏心量dが0.00mm(離間距離Lが0.00mm)である場合の周波数スペクトル比SB1/SB2及び強度積分値SIの一例を示す。図3(b)は、偏心量dが0.75mm(離間距離Lが0.75mm)である場合の周波数スペクトル比SB1/SB2及び強度積分値SIを示す。偏心量d及び離間距離Lについては後述する。
図3に示すように、本実施形態の特徴量算出工程S4では、制御・信号処理手段2が、周波数スペクトル比SB1/SB2における所定の周波数帯域の強度の積分値(ハッチングを施した領域の面積)である強度積分値SIを算出する。強度積分値SIは、周波数スペクトル比SB1/SB2を構成する各サンプリング点の強度(スペクトル強度)を所定の周波数帯域に亘って積算した値である。具体的には、図3に示す例では、超音波探触子1として発振周波数が10MHz(送信波の中心周波数が10MHz)の超音波探触子1を用いた場合に、所定の周波数帯域として8~12MHzが制御・信号処理手段2に記憶されており、制御・信号処理手段2は、強度積分値SIとして、周波数スペクトル比SB1/SB2における8~12MHzの強度積分値を算出する。
なお、所定の周波数帯域は、鋼管Tと同種の金属材料から形成され、結晶粒の混粒率が異なる複数のサンプル材(好ましくは、鋼管Tと同一の製造プロセスで製造され、且つ、同一形状のサンプル材)を用いて、強度積分値が鋼管Tの結晶粒の混粒率と良好な相関関係を有するように予め決定し、制御・信号処理手段2に記憶しておけばよい。
<離間距離算出工程S5>
離間距離算出工程S5では、制御・信号処理手段2が、底面エコー信号取得工程S1における鋼管Tと超音波探触子1との相対移動中に超音波探触子1から鋼管Tに超音波Uを逐次入射させたときの鋼管Tの中心と超音波探触子1から送信した超音波Uの中心軸(鋼管Tに入射する前の超音波Uの中心軸)との離間距離Lを逐次算出する。
なお、図2では、特徴量算出工程S4を実行した後に離間距離算出工程S5を実行するように図示しているが、本発明はこれに限るものではなく、底面エコー信号取得工程S1を実行し始めてから特徴量算出工程を実行し終わるまでの間の任意の時点において、離間距離算出工程S5を実行することも可能である。
以下、離間距離算出工程S5の必要性及び具体的な内容について説明する。まず、離間距離算出工程S5の必要性について説明する。
図4は、偏心が生じている場合の問題点を説明する図である。図4(a)は、偏心の状態及び超音波探触子の配置状態を示す模式図(水平方向に配置された鋼管Tの長手方向(Y方向)から見た図)である。図4(b)は、図4(a)に示す状態のときに同じ鋼管Tについて得られる第1底面エコー信号B1の周波数スペクトルSB1である。図4(c)は、図4(a)に示す状態のときに同じ鋼管Tについて得られる第2底面エコー信号B2の周波数スペクトルSB2である。
図4(a)に示すように、鋼管Tの中心Oと超音波探触子1の回転中心Qとの間に偏心量dの偏心が生じている(図4(a)に示す例では、鋼管Tの長手方向(Y方向)に直交する水平方向(X方向)に偏心が生じている)場合、超音波Uが入射する鋼管Tの周方向位置に応じて、超音波Uが鋼管Tに入射するまでの伝搬距離(水距離)や超音波Uの入射角が変動することになる。なお、図4(a)に示すように、超音波探触子1が鋼管Tに対して鉛直方向(Z方向)上方に位置する状態では、X方向に偏心量dの偏心が生じている場合、鋼管Tの中心Oと超音波探触子1から送信した超音波Uの中心軸(超音波ビームの中心)との離間距離Lは、偏心量dに等しくなる。
そして、離間距離Lが変動すると、超音波Uの入射角が変動し、これに伴い、第1底面エコー及び第2底面エコーの反射位置や反射方向も変動することになる。具体的には、離間距離Lが0の場合、第1底面エコー及び第2底面エコーの反射位置は、超音波探触子1から送信した超音波Uの中心軸上に位置し、第1底面エコー及び第2底面エコーの反射方向は、超音波Uの中心軸の方向と合致するが、離間距離Lが大きくなればなるほど、第1底面エコー及び第2底面エコーの反射位置や反射方向が超音波Uの中心軸から外れることになる。この結果、図4(b)、(c)に示すように、離間距離Lが0.00mm~0.75mmの間で変化すると、同じ鋼管T(結晶粒の混粒率が同じ鋼管T)であったとしても、第1底面エコー信号B1の周波数スペクトルSB1及び第1底面エコー信号B2の周波数スペクトルSB2が変動することになると考えられる。離間距離Lに応じて、周波数スペクトルSB1及び周波数スペクトルSB2が変動することに伴い、周波数スペクトル比SB1/SB2も変動し、周波数スペクトル比SB1/SB2における所定の周波数帯域の特徴量(強度積分値SI)と鋼管Tの結晶粒の混粒率との相関関係も変動することになる。前述の図3(a)は、図4(b)、(c)に示す離間距離L=0.00mm(偏心量d=0.00mm)のときに算出される周波数スペクトル比SB1/SB2及び強度積分値SIであり、図3(b)は、図4(b)、(c)に示す離間距離L=0.75mm(偏心量d=0.75mm)のときに算出される周波数スペクトル比SB1/SB2及び強度積分値SIであり、両者が異なる強度積分値SIになっている(したがい、相関関係が変動する)ことが分かる。したがい、例えば、偏心量dが0のときに予め取得した強度積分値SIと混粒率との相関関係を用いて、偏心量dが0ではない(超音波Uが入射する鋼管Tの周方向位置に離間距離Lが0ではない位置が存在する)鋼管Tの混粒率を評価すると、精度良く混粒率を評価できないという問題がある。
そこで、本実施形態に係る混粒率評価方法は、離間距離算出工程S5を含み、その算出結果を後述の混粒率評価工程S6に用いている。
次に、離間距離算出工程S5の具体的な内容について説明する。
図5及び図6は、図2に示す離間距離算出工程S5を説明する図である。
本実施形態の離間距離算出工程S5では、制御・信号処理手段2が、超音波探触子1でエコーを検出して取得したエコー信号の伝搬時間の変動に基づき、離間距離Lを算出する。具体的には、底面エコー信号取得工程S1において鋼管Tと超音波探触子1との相対移動中に逐次取得されるエコー信号を、縦軸が伝搬時間で、横軸が時刻(鋼管Tの周方向位置に相当)である2次元画像に展開すると、図5に示すようなBスコープ画像が得られる。本実施形態では、制御・信号処理手段2が、Bスコープ画像における表面エコー信号Sの伝搬時間が図5に示すような周期的な変動を示す場合に、この表面エコー信号Sを用い、この表面エコー信号Sの伝搬時間の変動に基づき、離間距離Lを算出する。具体的には、図5において、表面エコー信号Sの伝搬時間(表面エコー信号Sの始端位置までの伝搬時間)が最小となる点Aと、表面エコー信号Sの伝搬時間(表面エコー信号Sの始端位置までの伝搬時間)が最大となる点Bとを検出し、点Bの伝搬時間と点Aの伝搬時間との差に鋼管T中の音速を乗算することで、偏心量dの2倍の値である2dを算出する。鋼管Tの外面が真円であり、超音波探触子1の回転中心Q(図4参照)が一定であれば、点Bの伝搬時間と点Aの伝搬時間との差に音速を乗算したものが2dに相当することは幾何学的に自明である。
そして、点Aから点Bまでの間のサンプリング点数をNとし、点Aをn=0、点Bをn=Nとすると、測定点nにおける離間距離Lは、上記のようにして算出した2dを用いて、以下の式(1)で算出可能である。
Figure 0007207205000001

ただし、上記式(1)において、ω=180°/Nである。
なお、上記の「周期的な変動」とは、図5に示すような変動であって、Bスコープ画像における表面エコー信号Sの伝搬時間が、鋼管T(被評価材)の周方向位置に対して、正弦波状に変動することを意味する。「正弦波状」とは、例えば、各サンプリング点における表面エコー信号Sの伝搬時間と、各サンプリング点における表面エコー信号Sの伝搬時間に対して最小二乗法等を用いて近似した正弦波との誤差二乗和が、所定のしきい値以下であることを意味する。
以下、図6を参照しつつ、測定点nにおける離間距離Lが式(1)で表わされる理由について、詳細に説明する。
図6において、X軸は鋼管Tの中心Oを通る水平方向の軸であり、Z軸は鋼管Tの中心Oを通る鉛直方向の軸である。図6では、鋼管Tの中心Oと超音波探触子1の回転中心Qとの間にX軸方向の偏心量dの偏心が生じていることを仮定しており、この場合、前述の図5に示す点A及び点BはX軸上に位置することになる。そして、図6に示す状態では、超音波探触子1がX軸に対して角度θだけ回転している。
ここで、超音波探触子1(超音波探触子1の超音波送信面)の回転半径をaとすると、角度θだけ回転した超音波探触子1の超音波送信面の中心Pの座標は、幾何学的に(a・cosθ-d,a・sinθ)となる。離間距離Lは、鋼管Tの中心Oと超音波探触子1から送信した超音波の中心軸との離間距離であるが、超音波探触子1から送信した超音波の中心軸は、直線PQに等しいため、離間距離Lは、鋼管Tの中心Oと直線PQとの離間距離に等しくなる。点P(a・cosθ-d,a・sinθ)と点Q(-d,0)を通る直線PQの式は、Z=tanθ・(X+d)で表わされるため、この直線PQと鋼管Tの中心O(0,0)との離間距離Lは、以下の式(1a)で算出可能である。
Figure 0007207205000002

そして、超音波探触子1が等速円運動していることを前提にして、上記の式(1a)を変形すると、前述の式(1)が得られる。
なお、以上の説明では、鋼管Tを周方向に回転させずに超音波探触子1を鋼管Tの周方向に沿って移動(回転)させる場合を例に挙げたが、超音波探触子1を鋼管Tの周方向に沿って移動させずに鋼管Tを周方向に回転させる場合についても、前述の式(1)によって、測定点nにおける離間距離Lを算出可能である。
図7は、鋼管Tを周方向に回転させる場合の離間距離算出工程S5を説明する図である。
図7において、X軸は鋼管Tの回転中心O’を通る水平方向の軸であり、Z軸は鋼管Tの回転中心O’を通る鉛直方向の軸である。図7では、鋼管Tの中心Oと回転中心O’との間に偏心量dの偏心が生じ、超音波探触子1がX軸上に配置されていることを仮定しており、この場合、前述の図5に示す点A及び点BはX軸上に位置することになる。そして、図7に示す状態では、鋼管Tの中心Oと回転中心O’とを結ぶ直線がX軸に対して角度θだけ回転している。
ここで、角度θだけ回転した鋼管Tの中心Oの座標は、幾何学的に(d・cosθ,d・sinθ)となる。離間距離Lは、鋼管Tの中心Oと超音波探触子1から送信した超音波の中心軸との離間距離であるが、超音波探触子1から送信した超音波の中心軸は、X軸に等しいため、離間距離Lは、鋼管Tの中心OとX軸との離間距離に等しくなる。したがい、離間距離Lは、以下の式(1b)で算出可能である。
Figure 0007207205000003

そして、超音波探触子1が等速円運動していることを前提にすれば、上記の式(1b)から、前述の式(1)が得られる。
<混粒率評価工程S6>
混粒率評価工程S6では、制御・信号処理手段2が、離間距離L毎に予め取得した特徴量(本実施形態では、強度積分値SI)と混粒率との相関関係のうち、離間距離算出工程S5で逐次算出した離間距離Lに応じた相関関係を選択する。具体的には、制御・信号処理手段2には、図8に模式的に示すような、離間距離L毎に予め取得した強度積分値SIと混粒率との相関関係が予め記憶されている。なお、図8において、同じマーカー(「×」、「○」、「△」及び「□」)でプロットしたデータは、同じサンプル材に対して離間距離Lを変更して取得したデータを意味する。そして、制御・信号処理手段2は、例えば、離間距離算出工程S5で逐次算出した離間距離Lに近い離間距離Lについて取得した相関関係を選択する。次いで、制御・信号処理手段2は、選択した相関関係と強度積分値SIの大きさとに基づき、鋼管Tの混粒率を評価する。具体的には、図8において、離間距離L=0.50mmについて取得した相関関係を選択した場合、制御・信号処理手段2は、強度積分値の大きさがS1であるとすると、混粒率をM1として算出する。
以上に説明した各工程S1~S6を含む本実施形態に係る混粒率評価方法によれば、機構部によって超音波探触子1を鋼管Tの周方向及び長手方向に沿って相対的に移動させることで、鋼管Tの全周・全長・全数の評価が可能である。超音波を用いる方法であるため、鋼管Tを切断する必要がない。
また、本実施形態に係る混粒率評価方法によれば、底面エコー信号取得工程S1、周波数スペクトル算出工程S2、周波数スペクトル比算出工程S3及び特徴量算出工程S4を実行することで、周波数スペクトル比SB1/SB2における強度積分値SIが算出される。強度積分値SIと、鋼管Tの結晶粒の混粒率とは、比較的良好な相関関係を有し、超音波の入射面での伝達損失の影響も低減可能である。
さらに、本実施形態に係る混粒率評価方法によれば、離間距離算出工程S5において、離間距離Lを逐次算出し、混粒率評価工程S6において、離間距離算出工程S5で逐次算出した離間距離Lに応じた相関関係を選択して、選択した相関関係と強度積分値SIの大きさとに基づき、鋼管Tの混粒率を評価する。このため、偏心(鋼管Tの中心Oと超音波探触子1の回転中心Qとの間の偏心、又は、鋼管Tの中心Oと鋼管Tの回転中心O’との間の偏心)が生じている場合であっても、鋼管Tの混粒率を精度良く評価することが可能である。
以上のように、本実施形態に係る混粒率評価方法によれば、鋼管Tの結晶粒の混粒率を、鋼管Tの全周・全長・全数について評価可能である。
以下、好ましい方法として、本実施形態に係る混粒率評価方法が含んでいる準備工程S0について説明する。
<準備工程S0>
図2に示すように、準備工程S0には、第1準備工程S01、第2準備工程S02及び第3準備工程S03が含まれている。以下、これら各工程S01~S03について順に説明する。
<第1準備工程S01>
第1準備工程S01では、被評価材である鋼管Tと同種の金属材料から形成され、結晶粒の混粒率が異なる複数のサンプル材(好ましくは、鋼管Tと同一の製造プロセスで製造され、且つ、同一形状のサンプル材)を用意する。そして、複数のサンプル材に対して、離間距離Lを変更して、底面エコー信号取得工程S1、周波数スペクトル算出工程S2、周波数スペクトル比算出工程S3及び特徴量算出工程S4を実行する。具体的には、例えば、図4に示すように超音波探触子1を配置し、偏心量dを変更して(これにより離間距離Lを変更して)、各離間距離Lの状態で、底面エコー信号取得工程S1、周波数スペクトル算出工程S2、周波数スペクトル比算出工程S3及び特徴量算出工程S4を実行する。これにより、複数のサンプル材についての強度積分値SIを離間距離L毎に算出する。複数のサンプル材について実行する底面エコー信号取得工程S1~特徴量算出工程S4の内容については、被評価材である鋼管Tについて前述したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
<第2準備工程S02>
第2準備工程S02では、複数のサンプル材において、超音波探触子1から入射した超音波が伝搬する部位の断面画像を撮像する。そして、この断面画像に基づき、複数のサンプル材の結晶粒の混粒率を算出する。
図9は、第2準備工程S02で撮像した混粒材の断面画像の例を示す。図9に示すように、混粒材の場合には、断面画像中に周りよりも暗く撮像される粗粒が偏在している。
混粒率は、図9に示すような断面画像を拡大して検査員が目視して算出してもよい。或いは、断面画像におけるサンプル材に相当する画素領域に2値化等の画像処理を施し、所定のしきい値以下の濃度を有する画素領域を粗粒に対応する画素領域として検出することで、混粒率を自動的に算出することも可能である。なお、粗粒に対応する画素領域を検出するための2値化のしきい値は、検査員の目視判定結果と合致するように調整して設定しておけばよい。
なお、超音波探触子1から入射した超音波は、サンプル材の周方向の一部の部位から径方向に伝播する。第1準備工程S01では、上記のような超音波の伝播によって生じる第1底面エコー及び第2底面エコーを用いて、強度積分値SIを算出している。したがい、第2準備工程S02での混粒率の算出に際しては、例えば、図9に示すような断面画像を周方向に沿った所定の角度ピッチで複数の扇形の領域、すなわち超音波が伝搬する領域に分割し、分割した領域毎に混粒率を算出することが好ましい。これにより、後述の第3準備工程S03で算出する相関関係の精度を高めることが可能である。
<第3準備工程S03>
第3準備工程S03では、第1準備工程S01で算出した複数のサンプル材についての離間距離L毎の強度積分値SIと、第2準備工程S02で算出した複数のサンプル材の結晶粒の混粒率とに基づき、前述の図8に示すような強度積分値SIと混粒率との相関関係を離間距離L毎に算出する。
以上のように、本実施形態に係る混粒率評価方法は、好ましい方法として、第1準備工程S01~第3準備工程S03を含んでいるため、これらの工程を実行することで、強度積分値SIと混粒率との相関関係が離間距離L毎に算出される。このため、この相関関係を用いれば、鋼管Tについて実行する混粒率評価工程S5において、混粒率の値を精度良く算出することが可能である。
以下、本発明の実施例及び参考例について説明する。
実施例では、超音波探触子1として、0.625インチ径で発振周波数が10MHzのラインフォーカス型の垂直探触子を用い、鋼管Tとして、外径45mm、肉厚12mmであって混粒率の異なる複数のステンレス鋼管を用いた。また、接触媒質として水を用い(水浸法)、水距離を20mmとし、偏心量dを0mm、0.4mm、0.6mm、0.8mmにそれぞれ変更して評価を行った。
図10は、実施例において、準備工程S0を実行することで取得した強度積分値SIと混粒率との相関関係を示す。なお、図10において、同じマーカー(「×」、「○」、「△」及び「□」)でプロットしたデータは、同じサンプル材に対して離間距離Lを変更して取得したデータを意味する。図10から分かるように、強度積分値SIと混粒率とは比較的良好な相関関係を有すると共に、離間距離Lに応じて相関関係は異なるものとなっている。
そして、実施例では、離間距離算出工程S5で算出した離間距離Lが0mm≦L<0.3mmである場合には、混粒率評価工程S6において、離間距離L=0mmについて取得した相関関係を選択し、選択した相関関係と強度積分値SIの大きさとに基づき、鋼管Tの混粒率を評価した。同様に、離間距離算出工程S5で算出した離間距離Lが0.3mm≦L<0.5mmである場合には、混粒率評価工程S6において、離間距離L=0.4mmについて取得した相関関係を選択して鋼管Tの混粒率を評価した。また、離間距離算出工程S5で算出した離間距離Lが0.5mm≦L<0.7mmである場合には、混粒率評価工程S6において、離間距離L=0.6mmについて取得した相関関係を選択して鋼管Tの混粒率を評価した。さらに、離間距離算出工程S5で算出した離間距離Lが0.7mm≦L<0.9mmである場合(本実施例ではL≦0.8mm)には、混粒率評価工程S6において、離間距離L=0.8mmについて取得した相関関係を選択して鋼管Tの混粒率を評価した。なお、例えば、偏心量dが大きすぎて離間距離Lが0.9mm以上になる場合には、適切な評価ができないため、評価不能として処置することが考えられる。
後述の図11に評価結果の一例を示す参考例では、離間距離算出工程S5で算出した離間距離Lの大小に関わらず、全て離間距離L=0mmについて取得した相関関係を選択し、選択した相関関係と強度積分値SIの大きさとに基づき、鋼管Tの結晶粒の混粒率を評価した。
図11は、実施例及び参考例による混粒率の評価結果の一例を示す。図11(a)は混粒率が小さい鋼管Tについての評価結果を、図11(b)は混粒率が中程度の鋼管Tについての評価結果を、図11(c)は混粒率が大きい鋼管Tについての評価結果を示す。
図11に示すように、実施例の評価方法では、偏心量dが大きいために離間距離Lが大きくなったとしても、偏心量dが小さい(離間距離Lが小さい)場合と同等の値の混粒率が算出されることが分かる。すなわち、偏心が生じている場合であっても、実施例の評価方法によれば、鋼管Tの結晶粒の混粒率を精度良く評価することが可能である。
これに対し、参考例の評価方法では、偏心量dが大きいために離間距離Lが大きくなると、これに応じて算出される混粒率が大きくなる。すなわち、偏心が生じている場合には、鋼管Tの結晶粒の混粒率を精度良く評価することができない。
なお、本実施形態及び実施例では、特徴量として、周波数スペクトル比SB1/SB2における強度積分値SIを算出する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、特徴量として、周波数スペクトル比SB1/SB2における所定の周波数帯域のピーク強度を算出する態様を採用することも可能である。
また、本実施形態及び実施例では、超音波探触子1として発振周波数が10MHz(送信波の中心周波数が10MHz)の超音波探触子を用いる場合を例に挙げて説明したが、発振周波数が10~15MHz(送信波の中心周波数が10~15MHz)の超音波探触子を用いた場合には、図10に示す例と同様に、強度積分値SI又はピーク強度と混粒率とが、比較的良好な相関関係(正の相関関係)を有することを確認している。
1・・・超音波探触子
2・・・制御・信号処理手段
100・・・評価装置
U・・・超音波
S・・・表面エコー信号
B1・・・第1底面エコー信号
B2・・・第2底面エコー信号
SB1、SB2・・・周波数スペクトル
SB1/SB2・・・周波数スペクトル比
SI・・・強度積分値(特徴量)
T・・・鋼管(被評価材)

Claims (4)

  1. 金属材料から形成された断面略円形の被評価材の周方向及び長手方向に沿って、前記被評価材の略中心に向けて超音波を送信する超音波探触子を相対的に移動させながら、前記被評価材の結晶粒の混粒率を評価する方法であって、
    前記被評価材と前記超音波探触子との相対移動中に、前記超音波探触子から前記被評価材に超音波を逐次入射させ、前記超音波探触子で第1底面エコー及び第2底面エコーを検出して、第1底面エコー信号及び第2底面エコー信号を取得する底面エコー信号取得工程と、
    前記第1底面エコー信号を周波数解析することで第1底面エコー信号の周波数スペクトルを算出すると共に、前記第2底面エコー信号を周波数解析することで第2底面エコー信号の周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出工程と、
    前記第1底面エコー信号の周波数スペクトルと、前記第2底面エコー信号の周波数スペクトルとの比である周波数スペクトル比を算出する周波数スペクトル比算出工程と、
    前記周波数スペクトル比における所定の周波数帯域の特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    前記底面エコー信号取得工程における前記被評価材と前記超音波探触子との相対移動中に前記超音波探触子から前記被評価材に超音波を逐次入射させたときの前記被評価材の中心と前記超音波探触子から送信した超音波の中心軸との離間距離を逐次算出する離間距離算出工程と、
    前記離間距離毎に予め取得した前記特徴量と前記混粒率との相関関係のうち、前記離間距離算出工程で逐次算出した前記離間距離に応じた相関関係を選択して、前記選択した相関関係と前記特徴量の大きさとに基づき、前記被評価材の混粒率を評価する混粒率評価工程と、
    を含むことを特徴とする断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率評価方法。
  2. 前記離間距離算出工程において、前記超音波探触子でエコーを検出して取得したエコー信号の伝搬時間の変動に基づき、前記離間距離を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率評価方法。
  3. 前記特徴量は、前記周波数スペクトル比における前記所定の周波数帯域の強度積分値、又は、前記周波数スペクトル比における前記所定の周波数帯域のピーク強度である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率評価方法。
  4. 前記被評価材と同種の金属材料から形成され、結晶粒の混粒率が異なる複数のサンプル材に対して、前記離間距離を変更して、前記底面エコー信号取得工程、前記周波数スペクトル算出工程、前記周波数スペクトル比算出工程及び前記特徴量算出工程を実行することで、前記複数のサンプル材についての前記特徴量を前記離間距離毎に算出する第1準備工程と、
    前記複数のサンプル材において、前記超音波探触子から入射した超音波が伝搬する部位の断面画像を撮像し、該断面画像に基づき、前記複数のサンプル材の結晶粒の混粒率を算出する第2準備工程と、
    前記第1準備工程で算出した前記複数のサンプル材についての前記離間距離毎の前記特徴量と、前記第2準備工程で算出した前記複数のサンプル材の結晶粒の混粒率とに基づき、前記特徴量と前記混粒率との相関関係を前記離間距離毎に算出する第3準備工程と、を更に含む、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の断面略円形の被評価材の結晶粒の混粒率評価方法。
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