JP7204623B2

JP7204623B2 - 機電一体型電力変換装置および電気自動車用駆動装置

Info

Publication number: JP7204623B2
Application number: JP2019171240A
Authority: JP
Inventors: 正嗣上田
Original assignee: Hitachi Astemo Ltd
Current assignee: Hitachi Astemo Ltd
Priority date: 2019-09-20
Filing date: 2019-09-20
Publication date: 2023-01-16
Anticipated expiration: 2039-09-20
Also published as: US20210086635A1; US11207994B2; JP2021048748A; CN112542924A

Description

本発明は、電動モータの作動を制御するパワードライブユニットと、電圧コンバータとが、単一の収容箱の内部に収容されつつモジュール化される機電一体型電力変換装置、ならびにその機電一体型電力変換装置を用いた電気自動車用駆動装置に関する。

パワードライブユニットと、ダウンコンバータとが積層状態で組み付けられて一体化されることで高圧電装モジュール体が構成され、その高圧電装モジュール体が、電動モータおよびトランスミッションの上方に配置される構造が特許文献１で知られている。

特開平７－１５６８２６号公報

上記特許文献１で開示されたものでは、高圧電装モジュール体が電動モータに組付けられた状態での全高が大きくなり、電動モータを電気自動車の原動機室内に収容した場合に、ボンネットフードとの間のクリアランスが小さくなってしまう。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、電動モータのケーシングに搭載される状態で電動モータを含む全高を極力小さく抑え得るようにした機電一体型電力変換装置、ならびにその機電一体型電力変換装置を好適に用いた電気自動車用駆動装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は、電動モータの作動を制御するパワードライブユニットと、電圧コンバータとが、単一の収容箱の内部に収容されつつモジュール化される機電一体型電力変換装置において、前記収容箱が、前記電動モータのケーシングの上方に配置されて上方に開放する箱体主部ならびに側方に開放しつつ前記箱体主部の側壁に一体に連なって前記ケーシングの側方に垂下される箱体残部から成る箱体と、前記パワードライブユニットを収容する第１収容室を前記箱体主部との間に形成して前記箱体主部の上方開放端部に取付けられる上方蓋部材と、前記電圧コンバータを収容する第２収容室を前記箱体残部との間に形成して当該箱体残部の側方開放端部に取付けられる側方蓋部材とで構成され、前記第２収容室の一部を仕切って前記箱体残部に取付けられる放熱用蓋体と、前記箱体残部とで、冷却ジャケットが構成され、前記電圧コンバータが前記放熱用蓋体に接触して前記第２収容室内に収容されることを第１の特徴とする。

本発明は、第１の特徴の構成に加えて、前記箱体主部および前記箱体残部が、前記ケーシングとのダイカスト一体成形で形成されることを第２の特徴とする。

本発明は、第２の特徴の構成に加えて、前記電動モータが備える回転軸の軸方向のいずれか一方端側で前記ケーシングの端壁に、前記電動モータの固定子用端子台が設けられるとともに前記回転軸の回転状態を検出する回転検出手段が取付けられ、前記回転軸の軸方向で前記端壁寄りの前記ケーシングの上壁に、前記第１収容室に通じる開口部が設けられ、前記固定子用端子台に、三相の口出し線とともに取付けられる動力線と、前記回転検出手段に連なる信号線とが、前記開口部を貫通して前記第１収容室内に導入されることを第３の特徴とする。

さらに本発明は、第１～第３の特徴の構成のいずれかの機電一体型電力変換装置の前記電動モータを駆動源として備える電気自動車用駆動装置において、前記電動モータが備える回転軸に連動、連結されるトランスミッションの少なくとも一部が、当該トランスミッションが備える出力軸の軸線を前記電動モータの回転軸線と平行として前記ケーシングの側方に並列配置され、前記箱体残部および前記側方蓋部材が、平面視で、前記ケーシングと、前記トランスミッションのうち前記ケーシングの側方に配置される部分との間に配置されることを第４の特徴とする。

なお実施の形態のモータジェネレータ１１Ａ，１１Ｂが本発明の電動モータに対応し、実施の形態の第２の冷却ジャケット３２が本発明の冷却ジャケットに対応し、実施の形態のレゾルバ４１が本発明の回転検出手段に対応し、実施の形態の第４の開口部５０が本発明の開口部に対応する。

本発明の第１の特徴によれば、パワードライブユニットおよび電圧コンバータが、電動モータの上方と、電動モータの側方とに分散して配置されるので、電動モータのケーシングに搭載される状態で電動モータを含む全高を極力小さく抑えることが可能となり、しかもパワードライブユニットおよび電圧コンバータが単一の収容箱内に収容されるので、部品点数の増大も抑えられる。

また、電圧コンバータが、冷却ジャケットを箱体残部と共同で構成する放熱用蓋体に接触しつつ第２収容室内に収容されるので、前記パワードライブユニット、前記電圧コンバータおよび冷却ジャケットが、電力変換装置の全高を大きくすることなく単一の収容箱内に効率的に収容されることになるとともに、電圧コンバータを効率よく冷却することが可能となる。

本発明の第２の特徴によれば、箱体主部および箱体残部がケーシングとのダイカスト一体成形で形成されるので、パワードライブユニットが収容される第１収容室の底部はケーシングの上壁が兼ねることになり、締結ねじや、気密部材等を省略して部品点数の増大が抑えられるとともに、電動モータを含む電力変換装置の軽量化が可能となる。

本発明の第３の特徴によれば、電動モータの三相の口出し線に連なる動力線と、回転検出手段に連なる信号線とが、ケーシングの上壁に設けられる開口部を貫通して箱体主部および上方蓋部材間の第１収容室に導入されるので、高圧の動力線が外部に露呈することがなく、電気自動車が衝突事故に遇うような状況下における不慮の漏電事故を生じ難くして安全性を高めることができ、また防水カプラ等が不要となることで低コスト化が可能となる。

さらに本発明の第４の特徴によれば、トランスミッションの少なくとも一部が電動モータと並列に配置され、電動モータと、トランスミッションのうち電動モータの側方に配置される部分との間に、箱体残部および側方蓋部材が配置されるので、電圧コンバータが電動モータの側方に配置されるにもかかわらず、電気自動車用駆動装置のコンパクト化が可能となる。

第１の実施の形態の電気自動車用駆動装置の分解斜視図である。箱体から上方蓋部材および側方蓋部材を取外した状態での要部分解斜視図である。端部カバーを外した状態でケーシングの一部を破断して示すモータジェネレータの部分破断正面図である。冷却系の系統図である。第２の実施の形態の冷却系の系統図である。

本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。

本発明の第１の実施の形態について図１～図４を参照しながら説明すると、先ず図１において、この機電一体型の電気自動車用駆動装置は、電気自動車（電動車両）に搭載されるものであり、駆動動力を発揮する駆動源として機能する電動モータであるモータジェネレータ１１Ａと、このモータジェネレータ１１Ａからの動力が伝達されるトランスミッション１２とを備える。

前記モータジェネレータ１１Ａのケーシング１３内には、図示しないモータ冷却部が設けられ、電動モータ１１Ａの回転軸１４は前記ケーシング１３で回転自在に支持される。前記トランスミッション１２は、前記回転軸１４の軸線すなわち前記モータジェネレータ１１Ａの回転軸線と平行な一対の出力軸１５を備える減速ギヤ機構を有しており、前記回転軸１４の一端部に連動、連結される。このトランスミッション１２が有するミッションケース１６は前記回転軸１４の一端側で前記モータジェネレータ１１Ａのケーシング１３に連設される。前記ミッションケース１６は、前記ケーシング１３に連設される内側ケース半体１６ａと、前記回転軸１４の一端側で前記内側ケース半体１６ａの開放端をカバーする外側ケース半体１６ｂとを備え、前記内側ケース半体１６ａは、前記ケーシング１３の側方に近接配置される突出部分１６ａａを有する。

前記内側ケース半体１６ａの前記突出部分１６ａａには、前記モータジェネレータ１１Ａの動力を車両の左右一対の駆動輪にそれぞれ分配するために、図示しない差動ギヤ機構（ディファレンシャルギヤ）が、前記一対の出力軸１５に連なって収容されており、前記突出部分１６ａａは、前記モータジェネレータ１１Ａと並列に配置されることになる。

一対の前記出力軸１５のうち一方の出力軸１５は、前記内側ケース半体１６ａにおける前記突出部分１６ａａの突出端に一部を臨ませて前記ミッションケース１６に回転自在に支持され、他方の前記出力軸１５は、前記一方の出力軸１５と同軸にして前記外側ケース半体１６ｂから一部を外部に臨ませつつ前記ミッションケース１６に回転自在に支持される。これらの出力軸１５には、図示しない懸架装置を介して上下揺動可能に車両に懸架される駆動輪側に動力を伝達するためのドライブシャフト（図示せず）が連結される。

ところで前記モータジェネレータ１１Ａの前記ケーシング１３には収容箱１７が配備される。この収容箱１７は、前記ケーシング１３に連設される箱体１８と、その箱体１８に取付けられる上方蓋部材１９および側方蓋部材２０とで構成され、前記箱体１８は、前記ケーシング１３の上方に配置される箱体主部１８ａと、側方に開放しつつ前記箱体主部１８ａの側壁に一体に連なるとともに前記ケーシング１３の側方に垂下される箱体残部１８ｂとから成る。

前記箱体主部１８ａの上方開放端部には、当該箱体主部１８ａとの間に第１収容室２１を形成する前記上方蓋部材１９が取付けられ、前記箱体残部１８ｂの側方開放端部には、当該箱体残部１８ｂとの間に第２収容室２２を形成する前記側方蓋部材２０が取付けられる。

前記箱体主部１８ａおよび箱体残部１８ｂから成る箱体１８は、たとえば溶融したアルミニウム合金材を金型に注入して成形する所謂ダイカスト法により、前記ケーシング１３と一体成形されることが好ましい。この際、後述するパワードライブユニット２８等が収容される前記第１収容室２１の底部は前記ケーシング１３の上壁が兼ねることになり、ケーシング１３とは別部材の箱体をケーシング１３に取付ける場合に比べると、締結ねじや、気密部材等を簡素化して部品点数を削減するとともに電力変換装置を軽量化することができる。

図２を併せて参照して、前記第１収容室２１には、電力変換を担う半導体素子群を有するパワーモジュール２５と、このパワーモジュール２５を制御するＥＣＵ２６と、車両のバッテリー（図示せず）および前記パワーモジュール２５間で直流電力を平滑化するコンデンサモジュール２７とを有するとともに前記パワーモジュール２５の電力変換によって前記モータジェネレータ１１Ａの作動を制御するパワードライブユニット２８が収容され、前記第２収容室２２には、直流電力を降圧して前記ＥＣＵ２６等に供給するための電圧コンバータ２９が収容される。

前記箱体主部１８ａの底部（すなわち、この実施の形態では前記ケーシング１３の上壁）には、冷却液の流通を可能とする冷却液導入口および冷却液導出口を下面に有する冷却液流通部３０ａと、この冷却液流通部３０ａに連なる載置台部３０ｂとを有する第１の冷却ジャケット３０が取付けられており、この第１の冷却ジャケット３０における前記冷却液流通部３０ａ上に前記パワーモジュール２５が取付けられ、前記ＥＣＵ２６がそのパワーモジュール２５上に配設される。また前記コンデンサモジュール２７は、前記第１の冷却ジャケット３０の前記載置台部３０ｂ上に取付けられる。

前記箱体残部１８ｂには、前記第２収容室２２の一部を仕切る金属薄板状の放熱用蓋体３１が取付けられ、この放熱用蓋体３１と、前記箱体残部１８ｂとで第２の冷却ジャケット３２が構成され、この第２の冷却ジャケット３２は前記第２収容室２２に収容される。前記電圧コンバータ２９は、前記放熱用蓋体３１に接触して当該放熱用蓋体３１に固定されつつ前記第２収容室２２内に収容される。

図１に注目して、前記箱体主部１８ａの側壁のうち前記第２の冷却ジャケット３２の上方で前記第１収容室２１および前記第２収容室２２間を隔てる部分には、前記第１収容室２１および前記第２収容室２２間を連通させる第１、第２および第３の開口部３３，３４，３５が、前記モータジェネレータ１１Ａの回転軸線方向で前記トランスミッション１２側から順に間隔をあけて設けられる。

前記第１の開口部３３には、図示しないバッテリに接続されて前記ケーシング１３に設けられる電源用プラス側端子および前記電圧コンバータ２９間を結ぶ１２Ｖの電力供給用バスバー３６が挿通される。また前記第２の開口部３４には、前記第１収容室２１内に収容される前記コンデンサモジュール２７および前記電圧コンバータ２９間を結ぶ一対の高電圧用バスバー３７，３８が挿通される。さらに前記第３の開口部３５には、前記電圧コンバータ２９からの１２Ｖの電力を前記第１収容室２１に収容される前記ＥＣＵ２６に供給するリード線３９が挿通される。

図３において、前記電動モータ１１Ａが備える前記回転軸１４の軸方向のいずれか一方端側、この実施の形態では前記トランスミッション１２の減速ギヤ機構に一端部が連動、連結される前記回転軸１４の軸方向他端側で、前記ケーシング１３の端壁１３ａには、前記モータジェネレータ１１Ａの固定子用端子台４０が設けられるとともに前記回転軸１４の回転状態を検出する回転検出手段としてのレゾルバ４１が取付けられる。前記固定子用端子台４０には、三相の口出し線４２，４３，４４とともに三相の動力線４５，４６，４７が取付けられる。前記端壁１３ａには、前記回転軸１４の軸方向他端部および前記レゾルバ４１を覆う端子カバー４８が取付けられ、前記ケーシング１３の前記端壁１３ａおよび前記端子カバー４８間には、前記固定子用端子台４０および前記レゾルバ４１を収容する第３収容室４９が形成される。

前記回転軸１４の軸方向他端側で前記ケーシング１３の上壁には、前記第３収容室４９および前記第１収容室２１間を連通させる第４の開口部５０が設けられており、平板帯状に形成される前記動力線４５，４６，４７と、前記レゾルバ４１に連なる信号線５１とが、前記第４の開口部５０を貫通して前記収容箱１７の前記第１収容室２１内に導入される。

前記箱体主部１８ａの底部には、前記箱体側開口部５０の一部を覆う端子保持部材５２が取付けられており、前記第４の開口部５０を貫通する前記動力線４５～４７は、前記端子保持部材５２をさらに貫通し、前記端子保持部材５２上に固定される。

図４を併せて参照して、前記第１の冷却ジャケット３０および前記第２の冷却ジャケット３２は、前記モータジェネレータ１１Ａ、前記パワードライブユニット２８および前記電圧コンバータ２９を冷却する液冷却系５５Ａの一部を構成するものであり、この液冷却系５５Ａは、ラジエータ５６と、このラジエータ５６から不凍液等の冷却液を吸入する冷却液ポンプ５７と、当該冷却液ポンプ５７からの冷却液が導入される前記第２の冷却ジャケット３２と、第２の冷却ジャケット３２から冷却液が送られる前記第１の冷却ジャケット３０と、前記モータジェネレータ１１Ａのケーシング１３内に設けられるモータ冷却部（図示せず）と、当該モータ冷却部に連なって前記ケーシング１３内に設けられるオイルクーラ５８の一部５８ａとで構成される。

前記箱体１８の前記箱体主部１８ａにおける前記回転軸１４の軸方向他端側の壁面には、前記冷却液ポンプ５７からの冷却液を受けて前記第２の冷却ジャケット３２に供給するための冷却液導入管５９が設けられ、前記箱体主部１８ａの底部および前記箱体残部１８ｂには、前記第２の冷却ジャケット３２から前記第１の冷却ジャケット３０に冷却液を導く通路６０と、前記ケーシング１３内の前記モータ冷却部に冷却液を導くために前記ケーシング１３の上部に設けられた導管６１とが中抜き状に一体成形されており、前記通路６０および前記導管６１は、前記第１の冷却ジャケット３０の前記冷却液流通部３０ａに液密に接続される。さらに前記回転軸１４の軸線に関して前記箱体残部１８ｂとは反対側で前記ケーシング１３の側壁には、前記モータ冷却部から冷却液を導出して前記ラジエータ５６側に冷却液を導くための冷却液導出管６２（図３参照）が設けられる。

前記モータジェネレータ１１Ａが有する前記ケーシング１３内で前記モータ冷却部に連なって配設される前記オイルクーラ５８は、前記液冷却系５５Ａに含まれる前記一部５８ａと、前記液冷却系５５Ａの冷却液との熱交換を果たすオイルを流通させる他部５８ｂとで構成される。このオイルクーラ５８の前記他部５８ｂは、前記トランスミッション１２をオイル噴霧等で冷却するオイル冷却系６４Ａに含まれており、前記オイル冷却系６４Ａは、前記トランスミッション１２のミッションケース１６内に当該ミッションケース１６に貯留されるオイルに浸漬されて収容されるオイルポンプ６５と、このオイルポンプ６５が汲み上げたオイルが供給される前記オイルクーラ５８の前記他部５８ｂと、その他部５８ｂで冷却液との熱交換を果たしたオイルが供給されるトランスミッション１２のオイル噴霧部（図示せず）とで構成されており、オイル噴霧部で散布されて前記トランスミッション１２のミッションケース１６内に溜まったオイルは前記オイルポンプ６５に汲み上げられる。

次にこの第１の実施の形態の作用について説明すると、モータジェネレータ１１Ａの作動を制御するパワードライブユニット２８と、電圧コンバータ２９とが、単一の収容箱１７に収容されるのであるが、前記収容箱１７が、前記モータジェネレータ１１Ａのケーシング１３の上方に配置されて上方に開放する箱体主部１８ａならびに側方に開放しつつ前記箱体主部１８ａの側壁に一体に連なって前記ケーシング１３の側方に垂下される箱体残部１８ｂから成る箱体１８と、前記パワードライブユニット２８を収容する第１収容室２１を前記箱体主部１８ａとの間に形成して前記箱体主部１８ａの上方開放端部に取付けられる上方蓋部材１９と、前記電圧コンバータ２９を収容する第２収容室２２を前記箱体残部１８ｂとの間に形成して当該箱体残部１８ｂの側方開放端部に取付けられる側方蓋部材２０とで構成されるので、前記パワードライブユニット２８および前記電圧コンバータ２９が、前記モータジェネレータ１１Ａの上方と、前記モータジェネレータ１１Ａの側方とに分散して配置されることになり、前記モータジェネレータ１１Ａのケーシング１３に搭載される状態で前記モータジェネレータ１１Ａを含む全高を極力小さく抑えることが可能となり、しかも前記パワードライブユニット２８および前記電圧コンバータ２９が単一の収容箱１７内に収容されるので、部品点数の増大も抑えられる。

また前記第２収容室２２の一部を仕切って前記箱体残部１８ｂに取付けられる放熱用蓋体３１と、前記箱体残部１８ｂとで、第２の冷却ジャケット３２が構成され、前記電圧コンバータ２９が前記放熱用蓋体３１に接触して前記第２収容室２２内に収容されるので、前記パワードライブユニット２８、前記電圧コンバータ２９および前記第２の冷却ジャケット３２が、電力変換装置の全高を大きくすることなく単一の収容箱１７内に効率的に収容されることになるとともに、前記電圧コンバータ２９を効率よく冷却することが可能となる。

また前記箱体１８が、前記ケーシング１３とのダイカスト一体成形で形成されることにより、前記パワードライブユニット２８が収容される前記第１収容室２１の底部は前記ケーシング１３の上壁が兼ねることになり、締結ねじや、気密部材等を省略して部品点数の増大が抑えられるとともに、前記モータジェネレータ１１Ａを含む電力変換装置の軽量化が可能となる。

また前記箱体主部１８ａの側壁のうち前記第２の冷却ジャケット３２の上方で前記第１収容室２１および前記第２収容室２２間を隔てる部分には、前記第１収容室２１および前記第２収容室２２間を連通させる第１、第２および第３の開口部３３，３４，３５が設けられており、これらの開口部３３～３５には、電圧コンバータ２９に電力を供給する電力供給用バスバー３６、前記コンデンサモジュール２７および前記電圧コンバータ２９間を結ぶ一対の高電圧用バスバー３７，３８、ならびに前記電圧コンバータ２９および前記ＥＣＵ２６間を結ぶリード線３９等の通電部材が挿通されるので、それらの通電部材を前記収容箱１７の外部に露呈させることがなく、防水カプラ等を少なくすることで低コスト化が可能となる。

また前記ケーシング１３の端壁１３ａに、前記モータジェネレータ１１Ａの固定子用端子台４０が設けられるとともに前記回転軸１４の回転状態を検出するレゾルバ４１が取付けられ、前記回転軸１４の軸方向で前記端壁１３ａ寄りの前記ケーシング１３の上壁に、前記第１収容室２１に通じる第４の開口部５０が設けられ、前記固定子用端子台４０に、三相の口出し線４２，４３，４４とともに取付けられる動力線４５，４６，４７と、前記レゾルバ４１に連なる信号線５１とが、前記第４の開口部５０を貫通して前記第１収容室２１内に導入されるので、高圧の動力線４５～４７が外部に露呈することがなく、電気自動車が衝突事故に遇うような状況下における不慮の漏電事故を生じ難くして安全性を高めることができ、また防水カプラ等が不要となることで低コスト化が可能となる。

さらに前記モータジェネレータ１１Ａが備える回転軸１４に連動、連結されるトランスミッション１２の少なくとも一部が、当該トランスミッション１２が備える出力軸１５の軸線を前記モータジェネレータ１１Ａの回転軸線と平行として前記ケーシング１３の側方に並列配置され、前記箱体残部１８ｂおよび前記側方蓋部材２０が、平面視で、前記ケーシング１３と、前記トランスミッション１２のうち前記ケーシング１３の側方に配置される部分との間に配置されるので、前記電圧コンバータ２９が前記モータジェネレータ１１Ａの側方に配置されるにもかかわらず、機電一体型駆動装置のコンパクト化が可能となる。

次に本発明の第２の実施の形態について図５を参照しながら説明するが、上記第１の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。

第１の冷却ジャケット３０および第２の冷却ジャケット３２は、前記パワードライブユニット２８および前記電圧コンバータ２９を冷却する液冷却系５５Ｂの一部を構成するものであり、この液冷却系５５Ｂは、ラジエータ５６と、このラジエータ５６から不凍液等の冷却液を吸入する冷却液ポンプ５７と、当該冷却液ポンプ５７からの冷却液が導入される前記第２の冷却ジャケット３２と、第２の冷却ジャケット３２から冷却液が送られる前記第１の冷却ジャケット３０と、この第１の冷却ジャケット３０から冷却液が送られるとともに前記ラジエータ５６に冷却液を戻すオイルクーラ５８の一部５８ａとで構成される。

前記オイルクーラ５８は、前記液冷却系５５Ｂに含まれる前記一部５８ａと、前記液冷却系５５Ｂの冷却液との熱交換を果たすオイルを流通させる他部５８ｂとで構成される。前記オイルクーラ５８の前記他部５８ｂは、モータジェネレータ１１Ｂおよびトランスミッション１２をオイル噴霧等で冷却するオイル冷却系６４Ｂに含まれており、前記オイル冷却系６４Ｂは、前記トランスミッション１２のミッションケース１６内に当該ミッションケース１６に貯留されるオイルに浸漬されて収容されるオイルポンプ６５と、このオイルポンプ６５が汲み上げたオイルが供給される前記オイルクーラ５８の前記他部５８ｂと、その他部５８ｂで冷却液との熱交換を果たしたオイルが供給されるモータジェネレータ１１Ｂのオイル冷却部（図示せず）ならびにトランスミッション１２のオイル噴霧部（図示せず）とで構成されており、前記オイル冷却部（図示せず）および前記オイル噴霧部を通過して前記トランスミッション１２の前記ミッションケース１６内に溜まったオイルは前記オイルポンプ６５に汲み上げられ、前記オイルクーラ５８の前記他部５８ｂに供給されることになる。

この第２の実施の形態によっても上記第１の実施の形態と同様の効果を奏することができる。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。

１１Ａ，１１Ｂ・・・電動モータであるモータジェネレータ
１２・・・トランスミッション
１３・・・ケーシング
１３ａ・・・端壁
１４・・・回転軸
１５・・・出力軸
１７・・・収容箱
１８・・・箱体
１８ａ・・・箱体主部
１８ｂ・・・箱体残部
１９・・・上方蓋部材
２０・・・側方蓋部材
２１・・・第１収容室
２２・・・第２収容室
２８・・・パワードライブユニット
２９・・・電圧コンバータ
３１・・・放熱用蓋体
３２・・・冷却ジャケット
４０・・・固定子用端子台
４１・・・回転検出手段であるレゾルバ
４２，４３，４４・・・口出し線
４５，４６，４７・・・動力線
５０・・・開口部
５１・・・信号線

Claims

電動モータ（１１Ａ，１１Ｂ）の作動を制御するパワードライブユニット（２８）と、電圧コンバータ（２９）とが、単一の収容箱（１７）の内部に収容されつつモジュール化される機電一体型電力変換装置において、
前記収容箱（１７）が、前記電動モータ（１１Ａ，１１Ｂ）のケーシング（１３）の上方に配置されて上方に開放する箱体主部（１８ａ）ならびに側方に開放しつつ前記箱体主部（１８ａ）の側壁に一体に連なって前記ケーシング（１３）の側方に垂下される箱体残部（１８ｂ）から成る箱体（１８）と、前記パワードライブユニット（２８）を収容する第１収容室（２１）を前記箱体主部（１８ａ）との間に形成して前記箱体主部（１８ａ）の上方開放端部に取付けられる上方蓋部材（１９）と、前記電圧コンバータ（２９）を収容する第２収容室（２２）を前記箱体残部（１８ｂ）との間に形成して当該箱体残部（１８ｂ）の側方開放端部に取付けられる側方蓋部材（２０）とで構成され、
前記第２収容室（２２）の一部を仕切って前記箱体残部（１８ｂ）に取付けられる放熱用蓋体（３１）と、前記箱体残部（１８ｂ）とで、冷却ジャケット（３２）が構成され、
前記電圧コンバータ（２９）が前記放熱用蓋体（３１）に接触して前記第２収容室（２２）内に収容されることを特徴とする機電一体型電力変換装置。
前記箱体主部（１８ａ）および前記箱体残部（１８ｂ）が、前記ケーシング（１３）とのダイカスト一体成形で形成されることを特徴とする請求項１に記載の機電一体型電力変換装置。
前記電動モータ（１１Ａ，１１Ｂ）が備える回転軸（１４）の軸方向のいずれか一方端側で前記ケーシング（１３）の端壁（１３ａ）に、前記電動モータ（１１Ａ，１１Ｂ）の固定子用端子台（４０）が設けられるとともに前記回転軸（１４）の回転状態を検出する回転検出手段（４１）が取付けられ、前記回転軸（１４）の軸方向で前記端壁（１３ａ）寄りの前記ケーシング（１３）の上壁に、前記第１収容室（２１）に通じる開口部（５０）が設けられ、前記固定子用端子台（４０）に、三相の口出し線（４２，４３，４４）とともに取付けられる動力線（４５，４６，４７）と、前記回転検出手段（４１）に連なる信号線（５１）とが、前記開口部（５０）を貫通して前記第１収容室（２１）内に導入されることを特徴とする請求項２に記載の機電一体型電力変換装置。
上記請求項１～３のいずれか１項に記載の機電一体型電力変換装置の前記電動モータ（１１Ａ，１１Ｂ）を駆動源として備える電気自動車用駆動装置において、前記電動モータ（１１Ａ，１１Ｂ）が備える回転軸（１４）に連動、連結されるトランスミッション（１２）の少なくとも一部が、当該トランスミッション（１２）が備える出力軸（１５）の軸線を前記電動モータ（１１Ａ，１１Ｂ）の回転軸線と平行として前記ケーシング（１３）の側方に並列配置され、前記箱体残部（１８ｂ）および前記側方蓋部材（２０）が、平面視で、前記ケーシング（１３）と、前記トランスミッション（１２）のうち前記ケーシング（１３）の側方に配置される部分との間に配置されることを特徴とする電気自動車用駆動装置。