JP7202796B2 - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タンパク質等の高分子有機物を含む高分子有機物含有水を処理する水処理装置および水処理方法に関する。
膜ろ過を連続運転していくと、ろ過水量が低下するファウリングが生じる。このファウリングを抑制する方法あるいは膜を洗浄する方法として、一般的には次亜塩素酸ナトリウム水溶液を膜の2次側から1次側に逆流させる方法が用いられる。さらに膜の洗浄性を高める方法として、塩素を含む水を膜の2次側から逆流させた後、その水を所定時間保持することで膜を洗浄する方法(特許文献1参照)や、マイクロバブルやナノバブルの微細気泡を用いた方法(特許文献2参照)がある。
しかし、上記方法ではファウリングの抑制が不十分な場合がある。特に、養殖や水族館の飼育水のようなタンパク質等の高分子有機物を含む高分子有機物含有水を膜ろ過処理しようとする場合、タンパク質等の高分子有機物がファウリングを助長してしまう可能性がある。
また、ファウリングが起きた場合、膜モジュール内の圧力が急激に上昇し、安定した膜処理ができなくなる可能性がある。さらに、一度ファウリングを起こしてしまった膜は、酸やアルカリ等を用いた薬品洗浄を行う必要があり、洗浄にかかるメンテナンス費用や、装置停止を見込んだ予備系列の設置等、コスト、設備面積が膨らむ要因となる。
特開平10-015365号公報 特開2010-253457号公報
本発明の目的は、膜のファウリングを抑制し、安定した運転が可能な、高分子有機物含有水を処理する水処理装置および水処理方法を提供することにある。
本発明は、高分子有機物を含む、水中生物の飼育水を処理する水処理装置であって、飼育水を貯留する水槽と、前記水槽からの前記飼育水を貯留する原水槽と、前記原水槽の水を循環しながら過酸化物を添加する過酸化物添加手段と、前記原水槽の水を膜ろ過処理する膜ろ過手段と、前記膜ろ過手段による膜ろ過処理で得られる濃縮水の少なくとも一部を前記原水槽に返送する濃縮水返送手段と、前記膜ろ過手段による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解手段と、前記過酸化物分解手段により分解処理した処理水の少なくとも一部を前記水槽に返送する処理水返送手段と、を備える、水処理装置である。
本発明は、高分子有機物を含む、水中生物の飼育水を処理する水処理装置であって、飼育水を貯留する水槽と、前記水槽からの前記飼育水を貯留する原水槽と、前記原水槽の水を膜ろ過処理する膜ろ過手段と、前記膜ろ過手段による膜ろ過処理で得られる濃縮水に過酸化物を添加する過酸化物添加手段と、前記過酸化物添加手段により得られる過酸化物含有水の少なくとも一部を前記原水槽に返送する過酸化物含有水返送手段と、前記膜ろ過手段による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解手段と、前記過酸化物分解手段により分解処理した処理水の少なくとも一部を前記水槽に返送する処理水返送手段と、を備える、水処理装置である。
前記水処理装置において、前記過酸化物添加手段が、オゾンを用いる手段であることが好ましい。
本発明は、高分子有機物を含む、水中生物の飼育水を処理する水処理方法であって、水槽から原水槽へ送液された飼育水を前記原水槽へ循環しながら過酸化物を添加する過酸化物添加工程と、前記原水槽の水を膜ろ過処理する膜ろ過工程と、前記膜ろ過工程による膜ろ過処理で得られる濃縮水の少なくとも一部を前記原水槽に返送する濃縮水返送工程と、前記膜ろ過工程による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解工程と、前記過酸化物分解工程により分解処理した処理水の少なくとも一部を前記水槽に返送する処理水返送工程と、を含む、水処理方法である。
本発明は、高分子有機物を含む、水中生物の飼育水を処理する水処理方法であって、水槽から原水槽へ送液された飼育水を膜ろ過処理する膜ろ過工程と、前記膜ろ過工程による膜ろ過処理で得られる濃縮水に過酸化物を添加する過酸化物添加工程と、前記過酸化物添加工程により得られる過酸化物含有水の少なくとも一部を前記原水槽に返送する過酸化物含有水返送工程と、前記膜ろ過工程による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解工程と、前記過酸化物分解工程により分解処理した処理水の少なくとも一部を前記水槽に返送する処理水返送工程と、を含む、水処理方法である。
前記水処理方法において、前記過酸化物添加工程が、オゾンを用いる工程であることが好ましい。
本発明により、膜のファウリングを抑制し、安定した運転が可能な、高分子有機物含有水を処理する水処理装置および水処理方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。 ヒラメを飼育した飼育水のLC-OCD測定結果を示す図である。 実施例1および比較例1における、経過日数に対する膜間差圧を示すグラフである。 実施例2および比較例2における、経過日数に対する膜間差圧を示すグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
水処理装置1は、高分子有機物含有水を貯留する水槽10と、水槽10からの高分子有機物含有水を貯留する原水槽12と、原水槽12の水を循環しながら過酸化物を添加する過酸化物添加手段として、オゾン発生装置24を備えるオゾン処理装置22と、原水槽12の水を膜ろ過処理する膜ろ過手段として、膜ろ過装置14と、膜ろ過装置14による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解手段として、活性炭処理装置18とを備える。水処理装置1は、膜ろ過水槽16と、処理水槽20とを備えてもよい。
図1の水処理装置1において、水槽10の出口と原水槽12の原水入口とがポンプ26およびストレーナ38を介して配管40により接続され、原水槽12の出口と膜ろ過装置14の入口とがポンプ28を介して配管42により接続され、膜ろ過装置14の透過水(膜ろ過水)出口と膜ろ過水槽16の入口とが配管44により接続され、膜ろ過水槽16の出口と活性炭処理装置18の入口とがポンプ30を介して配管46により接続され、活性炭処理装置18の出口と処理水槽20の入口とが配管48により接続され、処理水槽20の処理水出口と水槽10とがポンプ32を介して処理水返送配管50により接続されている。処理水槽20の逆洗水出口と膜ろ過装置14の2次側の逆洗水入口とはポンプ34を介して配管58により接続されている。膜ろ過装置14の1次側の濃縮水出口と原水槽12の濃縮水入口とが濃縮水返送配管56により接続されている。膜ろ過装置14の濃縮水出口には、配管66が接続されている。
原水槽12の循環水出口とオゾン処理装置22の循環水入口とが循環配管52により接続され、オゾン処理装置22の循環水出口と原水槽12の循環水入口とが循環配管54により接続されている。オゾン処理装置22の下部にはオゾン発生装置24が配管60により接続されている。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置1の動作について説明する。
水槽10において例えば魚類等の水中生物が飼育水中で飼育されている。飼育水には、水中生物の飼育に伴い、通常、タンパク質等の高分子有機物、懸濁物質等が含まれる。水槽10内の飼育水、すなわち高分子有機物等を含む高分子有機物含有水は、ポンプ26により配管40を通して原水槽12へ送液される。必要に応じて配管40の途中にストレーナ38を設置し、高分子有機物含有水中の比較的大きめの固形物が除去されてもよい。
原水槽12の高分子有機物含有水の一部は、循環配管52を通してオゾン処理装置22へ送液される。オゾン処理装置22には、オゾン発生装置24で発生させたオゾンが配管60を通して供給される。オゾン処理装置22において、オゾンにより、高分子有機物含有水中の有機物の循環処理(ここでは主に有機物の分解処理)が行われる。また、オゾン処理装置22において、オゾンを用いた加圧浮上により、濃縮された懸濁物質等が固液分離される。有機物処理が行われたオゾン処理水は、循環配管54を通して原水槽12に循環される。すなわち、水槽10から原水槽12へ送液された高分子有機物含有水を原水槽12へ循環しながら過酸化物を添加する(過酸化物添加工程)。排オゾンは、配管62を通して排出され、オゾン除去装置により処理されてもよい。オゾン処理装置22において発生したスカム等は、配管64を通して排出されてもよい。
一方で、原水槽12中の原水は、ポンプ28により配管42を通して膜ろ過装置14に送液される。膜ろ過装置14において、原水中の残存した懸濁物質等が膜を用いてろ過されて除去される(膜ろ過工程)。膜ろ過工程で得られた濃縮水の少なくとも一部は、濃縮水返送配管56を通して、原水槽12に返送される(濃縮水返送工程)。濃縮水返送配管56等が、濃縮水の少なくとも一部を原水槽12に返送する濃縮水返送手段として機能する。濃縮水を原水槽12に返送することで、懸濁物質の濃度が高くなり、オゾン処理装置22における加圧浮上の効率を上げることができる。
膜ろ過された膜ろ過水は、配管44を通して必要に応じて膜ろ過水槽16に貯留された後、ポンプ30により配管46を通して活性炭処理装置18に供給される。活性炭処理装置18において、膜ろ過水中の残オゾン等の過酸化物が活性炭により分解処理される(過酸化物分解工程)。
残オゾン等の過酸化物が分解処理された処理水は、配管48を通して必要に応じて処理水槽20に貯留された後、処理水の少なくとも一部はポンプ32により処理水返送配管50を通して水槽10に返送され、例えば飼育水として再利用されてもよい(処理水返送工程)。ポンプ32および処理水返送配管50等が、処理水の少なくとも一部を水槽10に返送する処理水返送手段として機能する。処理水を水槽10に返送して再利用することで、補給水や排水にかかるコストを削減することができる。
膜ろ過装置14の洗浄が必要になった場合は、処理水の一部が逆洗水として処理水槽20からポンプ34により配管58を通して膜ろ過装置14の2次側から1次側に逆流されて、膜が洗浄されてもよい(逆洗工程)。逆洗排水は、配管66を通して排出される。膜ろ過水槽16の膜ろ過水が逆洗水として用いられてもよい。
本実施形態に係る水処理装置1において、高分子有機物含有水を原水槽12に貯留し、原水槽12の水を循環して有機物処理を行い、原水槽12の水を膜ろ過処理することにより、高分子有機物や生物等による膜のファウリングを抑制し、膜ろ過装置14の安定した運転が可能となる。原水槽の水を循環して有機物処理を行うことによって、多段処理により有機物の効率的な分解が可能となる。逆洗工程中には、有機物の循環処理を行ってもよいし、停止してもよい。
高分子有機物とは、重量平均分子量が10万~200万の範囲の有機物である。重量平均分子量は、排水中に含まれる有機物の成分を把握する方法として、LC-OCD(Liquid Chromatography-Organic Carbon Detection)装置(DOC-LABOR社製、mobel12007)を用いて、湿式酸化法(カラム:HW50S)で測定することができる。LC-OCDとは、有機物を分子量毎に分け、それぞれの成分の有機物濃度を測定する方法である。LC-OCDの測定例として、ヒラメを飼育した飼育水の分析結果を図3に示す。図3に示すLC-OCDスペクトルは、横軸の保持時間(RT:Retention Time)[min]が短いほど、有機物の分子量が大きいことを示すが、保持時間(RT)が26~34min付近に検出されているピークが、重量平均分子量が10万~200万の範囲のタンパク質等の高分子有機物である。
過酸化物添加手段としては、オゾン発生装置を備えるオゾン処理装置の他に、紫外線酸化処理装置等が挙げられる。処理性能等の観点から、オゾン発生装置を備えるオゾン処理装置が好ましい。過酸化物添加手段としては、オゾンを用いるオゾン処理装置であることが好ましく、オゾンマイクロバブルを用いるオゾン処理装置であることがより好ましい。
オゾンマイクロバブルは、例えば、直径が10μm~100μm程度の、オゾンを含む微細なオゾン含有気泡である。オゾンマイクロバブルを用いるオゾン処理装置により、高分子有機物および懸濁物質を含む高分子有機物含有水に対して、オゾンを含む微細気泡であるオゾンマイクロバブルの表面に懸濁物質を疎水性吸着させ浮上分離させて除去するとともに、オゾンマイクロバブルによる有機物酸化効果が得られる。また、オゾンをマイクロバブルとして用いることで、オゾン処理装置22の槽内にオゾンマイクロバブルを長時間保持することができるため、有機物との反応時間が増え、有機物の処理効果が飛躍的に向上すると考えられる。
膜ろ過装置14としては、例えば、限外ろ過膜(UF膜)または精密ろ過膜(MF膜)等のろ過膜を有するものであればよく、特に制限はない。
膜ろ過水中の残オゾンの濃度が高く、水槽10に返送されて生物の飼育等に影響を及ぼすことが懸念される場合は、膜ろ過装置14の後段に活性炭処理装置18等の過酸化物分解手段を設けることが好ましい。膜ろ過装置14の後段に過酸化物分解手段を備えることにより、残オゾン等の過酸化物による生物の飼育等への影響を低減することができる。このため、原水が養殖や水族館等の飼育水等である場合に、処理水を水槽10へ返送しても、生物への影響を低減することができる。
過酸化物分解手段としては、活性炭を充填した活性炭充填塔等の活性炭処理装置の他に、Pd担持担体、酸化チタン、白金等の過酸化物分解触媒を充填した充填塔等が挙げられ、コスト等の観点から活性炭充填塔等の活性炭処理装置が好ましい。また、過酸化物分解触媒を充填した充填塔への通水方向は、下向流と上向流のどちらでもよいが、過酸化物の分解率を高めるためには下向流が好ましい。
図1の例では、処理水の全てが水槽10に返送されて飼育水に添加されているが、処理水の少なくとも一部が水槽10に返送されて飼育水に添加されればよく、処理水の一部が水槽10に返送されて飼育水に添加されてもよいし、処理水の全てが水槽10に返送されて飼育水に添加されてもよい。使用する水量を低減する等の観点から、処理水の一部が水槽10に返送されることが好ましく、処理水の全てが水槽10に返送されることがより好ましい。処理水の全てが水槽10に返送される閉鎖循環系とすることにより、使用する水量を低減することができる等の利点がある。また、循環は、常時循環してもよいし、定期的に循環してもよい。通常は、水槽10中の水質をできるだけ保つために、常時循環すればよい。
本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例の概略を図2に示し、その構成について説明する。
水処理装置3は、高分子有機物含有水を貯留する水槽10と、水槽10からの高分子有機物含有水を貯留する原水槽12と、原水槽12の水を膜ろ過処理する膜ろ過手段として、膜ろ過装置14と、膜ろ過装置14による膜ろ過処理で得られる濃縮水に過酸化物を添加する過酸化物添加手段として、オゾン発生装置24を備えるオゾン処理装置22と、膜ろ過装置14による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解手段として、活性炭処理装置18とを備える。水処理装置1は、膜ろ過水槽16と、処理水槽20と、濃縮水槽68とを備えてもよい。
図2の水処理装置3において、水槽10の出口と原水槽12の原水入口とが配管74により接続され、原水槽12の原水出口と膜ろ過装置14の入口とがポンプ70およびストレーナ38を介して配管76により接続され、膜ろ過装置14の透過水(膜ろ過水)出口と膜ろ過水槽16の入口とが配管44により接続され、膜ろ過水槽16の出口と活性炭処理装置18の入口とがポンプ30を介して配管46により接続され、活性炭処理装置18の出口と処理水槽20の入口とが配管48により接続され、処理水槽20の処理水出口と水槽10とがポンプ32を介して処理水返送配管50により接続されている。処理水槽20の逆洗水出口と膜ろ過装置14の2次側の逆洗水入口とはポンプ34を介して配管58により接続されている。
膜ろ過装置14の濃縮水出口と濃縮水槽68の濃縮水入口とが配管80により接続され、膜ろ過装置14の逆洗排水出口と濃縮水槽68の逆洗排水入口とが配管78により接続され、濃縮水槽68の出口とオゾン処理装置22の入口とがポンプ72を介して配管82により接続され、オゾン処理装置22の出口と原水槽12の入口とが過酸化物含有水返送配管84により接続されている。オゾン処理装置22の下部にはオゾン発生装置24が配管60により接続されている。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置3の動作について説明する。
水槽10において例えば魚類等の水中生物が飼育水中で飼育されている。飼育水には、水中生物の飼育に伴い、通常、タンパク質等の高分子有機物、懸濁物質等が含まれる。水槽10内の飼育水、すなわち高分子有機物等を含む高分子有機物含有水は、配管74を通して原水槽12へ送液される。高分子有機物含有水は、原水槽12において、後述する過酸化物を添加した過酸化物含有水と混合された後、混合水としてポンプ70により配管76を通して膜ろ過装置14に送液される。必要に応じて配管76の途中にストレーナ38を設置し、高分子有機物含有水中の比較的大きめの固形物が除去されてもよい。
膜ろ過装置14において、原水中の残存した懸濁物質等が膜を用いてろ過されて除去される(膜ろ過工程)。
膜ろ過された膜ろ過水は、配管44を通して必要に応じて膜ろ過水槽16に貯留された後、ポンプ30により配管46を通して活性炭処理装置18に供給される。活性炭処理装置18において、膜ろ過水中の残オゾン等の過酸化物が活性炭により分解処理される(過酸化物分解工程)。
残オゾン等の過酸化物が分解処理された処理水は、配管48を通して必要に応じて処理水槽20に貯留された後、処理水の少なくとも一部はポンプ32により処理水返送配管50を通して水槽10に返送され、例えば飼育水として再利用されてもよい(処理水返送工程)。ポンプ32および処理水返送配管50等が、処理水の少なくとも一部を水槽10に返送する処理水返送手段として機能する。処理水を水槽10に返送して再利用することで、補給水や排水にかかるコストを削減することができる。
膜ろ過装置14の洗浄が必要になった場合は、処理水の一部が逆洗水として処理水槽20からポンプ34により配管58を通して膜ろ過装置14の2次側から1次側に逆流されて、膜が洗浄されてもよい(逆洗工程)。逆洗排水は、配管78を通して濃縮水槽68に供給され、膜ろ過装置14からの濃縮水と混合される。膜ろ過水槽16の膜ろ過水が逆洗水として用いられてもよい。
膜ろ過装置14の濃縮水は、配管80を通して必要に応じて濃縮水槽68に貯留された後、ポンプ72により配管82を通してオゾン処理装置22に供給される。
オゾン処理装置22には、一方で、オゾン発生装置24で発生させたオゾンが配管60を通して供給される。オゾン処理装置22において、オゾンにより、濃縮水中の有機物の処理(ここでは主に有機物の分解処理)が行われる。また、オゾン処理装置22において、オゾンを用いた加圧浮上により、濃縮された懸濁物質等が固液分離される。有機物処理が行われたオゾン処理水は、過酸化物含有水返送配管84を通して原水槽12に返送される。すなわち、膜ろ過工程による膜ろ過処理で得られる濃縮水に過酸化物が添加され(過酸化物添加工程)、過酸化物添加工程により得られる過酸化物含有水の少なくとも一部が原水槽12に返送される(過酸化物含有水返送工程)。過酸化物含有水返送配管84等が、過酸化物含有水の少なくとも一部を原水槽12に返送する過酸化物含有水返送手段として機能する。過酸化物含有水を原水槽12に返送することで、膜ろ過装置14の膜に過酸化物含有水が接触し、ファウリングを抑制することができる。排オゾンは、配管62を通して排出され、オゾン除去装置により処理されてもよい。オゾン処理装置22において発生したスカム等は、配管64を通して排出されてもよい。
本実施形態に係る水処理装置3において、高分子有機物含有水を原水槽12に貯留し、原水槽12の水を膜ろ過処理し、膜ろ過処理で得られる濃縮水について有機物処理を行い、原水槽12に返送することにより、高分子有機物や生物等による膜のファウリングを抑制し、膜ろ過装置14の安定した運転が可能となる。また、膜ろ過装置14の膜によって懸濁物質が濃縮され、オゾン処理装置22における加圧浮上の効率を上げることができる。
本実施形態に係る水処理装置および水処理方法は、例えば、水族館や養殖等、水中生物を飼育する際に用いられる飼育水等の処理に適用され、飼育水は海水であっても、淡水であってもよい。水族館や養殖のような水中生物を飼育する過程で生じる、タンパク質等の高分子有機物を含む高分子有機物含有水の処理に好適に適用される。生物を飼育する場合、給餌等の要因により飼育水中の有機物濃度が変動する(例えば、±0.5~10mg/L)特徴がある。特に、水族館や養殖のような水中生物を飼育する過程で生じる、タンパク質等の高分子有機物を含む海水の処理に適しており、魚類等の水中生物の養殖や水族館等の魚類等の水中生物の飼育水処理に用いられる閉鎖系循環処理により適している。すなわち、本実施形態に係る水処理装置は、水中生物の飼育水の製造装置または処理装置として、好適に用いることができる。
高分子有機物含有水中の高分子有機物の濃度は、例えば、0.1~5mg/Lの範囲である。高分子有機物含有水中の懸濁物質の濃度は、例えば、10~100mg/Lの範囲である。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1、比較例1>
実施例1では、図1に示す水処理装置1を用いて、魚の飼育水について、膜間差圧を測定した。比較例1では、オゾン処理装置およびオゾン発生装置を除いた水処理装置を用いて、膜間差圧を測定した。実施例1の実験条件を表1、比較例1の実験条件を表2に示す。結果を図4に示す。
Figure 0007202796000001
Figure 0007202796000002
<実施例2、比較例2>
実施例2では、図2に示す水処理装置3を用いて、魚の飼育水について、膜間差圧を測定した。比較例2では、オゾン処理装置およびオゾン発生装置を除いた水処理装置を用いて、膜間差圧を測定した。実施例2の実験条件を表3、比較例2の実験条件を表4に示す。結果を図5に示す。
Figure 0007202796000003
Figure 0007202796000004
実施例では、魚の飼育水等の高分子有機物含有水を処理する水処理装置および水処理方法において、膜のファウリングを抑制し、安定した運転が可能となった。
1,3 水処理装置、10 水槽、12 原水槽、14 膜ろ過装置、16 膜ろ過水槽、18 活性炭処理装置、20 処理水槽、22 オゾン処理装置、24 オゾン発生装置、26,28,30,32,34,70,72 ポンプ、38 ストレーナ、40,42,44,46,48,58,60,62,64,66,74,76,78,80,82 配管、50 処理水返送配管、52,54 循環配管、56 濃縮水返送配管、68 濃縮水槽、84 過酸化物含有水返送配管。

Claims (6)

  1. 高分子有機物を含む、水中生物の飼育水を処理する水処理装置であって、
    飼育水を貯留する水槽と、
    前記水槽からの前記飼育水を貯留する原水槽と、
    前記原水槽の水を循環しながら過酸化物を添加する過酸化物添加手段と、
    前記原水槽の水を膜ろ過処理する膜ろ過手段と、
    前記膜ろ過手段による膜ろ過処理で得られる濃縮水の少なくとも一部を前記原水槽に返送する濃縮水返送手段と、
    前記膜ろ過手段による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解手段と、
    前記過酸化物分解手段により分解処理した処理水の少なくとも一部を前記水槽に返送する処理水返送手段と、
    を備えることを特徴とする水処理装置。
  2. 高分子有機物を含む、水中生物の飼育水を処理する水処理装置であって、
    飼育水を貯留する水槽と、
    前記水槽からの前記飼育水を貯留する原水槽と、
    前記原水槽の水を膜ろ過処理する膜ろ過手段と、
    前記膜ろ過手段による膜ろ過処理で得られる濃縮水に過酸化物を添加する過酸化物添加手段と、
    前記過酸化物添加手段により得られる過酸化物含有水の少なくとも一部を前記原水槽に返送する過酸化物含有水返送手段と、
    前記膜ろ過手段による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解手段と、
    前記過酸化物分解手段により分解処理した処理水の少なくとも一部を前記水槽に返送する処理水返送手段と、
    を備えることを特徴とする水処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の水処理装置であって、
    前記過酸化物添加手段が、オゾンを用いる手段であることを特徴とする水処理装置。
  4. 高分子有機物を含む、水中生物の飼育水を処理する水処理方法であって、
    水槽から原水槽へ送液された飼育水を前記原水槽へ循環しながら過酸化物を添加する過酸化物添加工程と、
    前記原水槽の水を膜ろ過処理する膜ろ過工程と、
    前記膜ろ過工程による膜ろ過処理で得られる濃縮水の少なくとも一部を前記原水槽に返送する濃縮水返送工程と、
    前記膜ろ過工程による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解工程と、
    前記過酸化物分解工程により分解処理した処理水の少なくとも一部を前記水槽に返送する処理水返送工程と、
    を含むことを特徴とする水処理方法。
  5. 高分子有機物を含む、水中生物の飼育水を処理する水処理方法であって、
    水槽から原水槽へ送液された飼育水を膜ろ過処理する膜ろ過工程と、
    前記膜ろ過工程による膜ろ過処理で得られる濃縮水に過酸化物を添加する過酸化物添加工程と、
    前記過酸化物添加工程により得られる過酸化物含有水の少なくとも一部を前記原水槽に返送する過酸化物含有水返送工程と、
    前記膜ろ過工程による膜ろ過処理で得られる膜ろ過水の過酸化物を分解処理する過酸化物分解工程と、
    前記過酸化物分解工程により分解処理した処理水の少なくとも一部を前記水槽に返送する処理水返送工程と、
    を含むことを特徴とする水処理方法。
  6. 請求項4または5に記載の水処理方法であって、
    前記過酸化物添加工程が、オゾンを用いる工程であることを特徴とする水処理方法。
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