JP7201223B2 - 多能性幹細胞から、内胚葉系細胞を選択的に誘導する方法 - Google Patents
多能性幹細胞から、内胚葉系細胞を選択的に誘導する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7201223B2 JP7201223B2 JP2018510678A JP2018510678A JP7201223B2 JP 7201223 B2 JP7201223 B2 JP 7201223B2 JP 2018510678 A JP2018510678 A JP 2018510678A JP 2018510678 A JP2018510678 A JP 2018510678A JP 7201223 B2 JP7201223 B2 JP 7201223B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cells
- anterior
- definitive endoderm
- pluripotent stem
- posterior
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
(i)多能性幹細胞をアクチビンAとGSK3β阻害剤を含む培地中で培養して、前期前方原始線条細胞または後期前方原始線条細胞を得る工程、および
(ii)得られた前期前方原始線条細胞、または後期前方原始線条細胞を、アクチビンAを含み、かつBMP阻害剤を含む、または含まない培地中で培養して、前方胚体内胚葉の前方ドメイン細胞、前方胚体内胚葉の後方ドメイン細胞または後方胚体内胚葉細胞を得る工程。
工程(i)で使用される培地は、動物細胞の培養に用いられる基礎培地へアクチビンAを適宜添加して調製することができる。基礎培地としては、例えば、MEM Zinc Option培地、IMEM Zinc Option培地、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium(DMEM)培地、Ham's F12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、およびこれらの混合培地などが包含される。基礎培地には、血清(例えば、ウシ胎児血清(FBS))が含有されていてもよいし、または無血清でもよい。必要に応じて、例えば、アルブミン、トランスフェリン、KnockOut Serum Replacement(KSR)(ES細胞培養時の血清代替物)(Thermo Fisher Scientific)、N2サプリメント(Thermo Fisher Scientific)、B27サプリメント(Thermo Fisher Scientific)、脂肪酸、インスリン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロールなどの1つ以上の血清代替物を含んでもよいし、脂質、アミノ酸、L-グルタミン、GlutaMAX(Thermo Fisher Scientific)、非必須アミノ酸(NEAA)、ビタミン、増殖因子、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類、およびこれらの同等物などの1つ以上の物質、あるいはその他の通常動物培養用培地に添加される1つ以上の物質を含有しうる。1つの実施形態において、基礎培地は、B27サプリメントとウシ胎児血清を含むRPMI 1640培地である。
pyrimidin-2-ylamino]ethylamino]pyridine-3-carbonitrile) が挙げられる。これらの化合物は、例えばCalbiochem社やBiomol社等から市販されており容易に利用することが可能である。本発明で使用されるGSK-3β阻害剤は、好ましくは、CHIR99021であり得る。
工程(i)のGSK 3β阻害剤の濃度の違いによって、多能性幹細胞は前期前方原始線条細胞(比較的低濃度のGSK3β阻害剤の存在下で培養)または後期前方原始線条細胞(比較的高濃度のGSK3β阻害剤の存在下で培養)へと誘導される。
工程(ii)に用いられる基礎培地としては、工程(i)と同様の公知の動物培養用基礎培地から適宜選択すればよい。工程(i)および(ii)で基礎培地は同一であっても相違していてもよい。例えば基礎培地としてRPMI1640にウシ胎児血清を加えた培地を基礎培地として、ここへアクチビンAを添加すればよい。アクチビンAの種類および量としては、工程(i)と同一でよい。
工程(ii)の培養期間は36時間から60時間、例えば約2日間とすればよい。
工程(ii)において、3種類の胚体内胚葉細胞のサブポピュレーションを選択的に得ることができる。即ち、
(1)前期前方原始線条細胞を、アクチビンAとBMP阻害剤の存在下で培養した場合には、前方胚体内胚葉の後方ドメイン(PADE)細胞が得られる。
(2)前期前方原始線条細胞を、アクチビンAが存在するが、BMP阻害剤が存在しない条件下で培養した場合には、前方胚体内胚葉の前方ドメイン(AADE)細胞が得られる。
(3)後期前方原始線条細胞を、アクチビンAが存在するが、BMP阻害剤が存在しない条件下で培養した場合には、後方胚体内胚葉(PDE)細胞が得られる。
いずれの胚体内胚葉細胞も、SOX17およびFOXA2を発現する。
工程(iii)によって、PADE細胞は前方前腸(AFG)細胞へ、AADE細胞は後方前腸(PFG)細胞へ、およびPDE細胞は中後腸(MHG)細胞へと誘導される。
1 第1の態様
ヒト多能性幹細胞から前方胚体内胚葉の後方ドメイン細胞を経て前方前腸細胞を製造する方法であって、以下の工程(i-1)から(iii-1)を含む方法:
(i-1)多能性幹細胞をアクチビンAと比較的低濃度のGSK3β阻害剤を含む培地中で培養する工程、および
(ii-1)前記工程(i-1)で得られた細胞をアクチビンAおよびBMP阻害剤を含む培地中で培養する工程、および
(iii-1)前記工程(ii-1)で得られた細胞を、分化誘導因子を含まない培地中で培養する工程。
ヒト多能性幹細胞から前方胚体内胚葉の前方ドメイン細胞を経て後方前腸細胞を製造する方法であって、以下の工程(i-2)から(iii-2)を含む方法:
(i-2)多能性幹細胞をアクチビンAと比較的低濃度のGSK3β阻害剤を含む培地中で培養する工程、
(ii-2)前記工程(i-2)で得られた細胞をアクチビンAを含む培地中で培養する工程、および
(iii-2)前記工程(ii-2)で得られた細胞を、分化誘導因子を含まない培地中で培養する工程。
多能性幹細胞から後方胚体内胚葉細胞を経て中後腸細胞を製造する方法であって、以下の工程(i-3)から(iii-3)を含む方法:
(i-3)多能性幹細胞をアクチビンAと比較的高濃度のGSK3β阻害剤を含む培地中で培養する工程、および
(ii-3)前記工程(i-3)で得られた細胞を、アクチビンAを含む培地中で培養する工程、および
(iii-3)前記工程(ii-3)で得られた細胞を、分化誘導因子を含まない培地中で培養する工程。
1. 材料および方法
1.1. 細胞培養
フィーダーフリー培養物を得るために、hiPSC(585A1細胞)(Okita K et al., 2011, Kajiwara M et al., 2012)を、製造元の指示に従い、Essential 8 培地(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)で維持した。通例の継代培養のために、hiPSCコロニーを、0.5 mM EDTA(Wako, Osaka, Japan)を用いて酵素法により分離し、10μM Y-27632 (Wako)を添加することで1:100の割合に分けた。
80%のコンフルエントに培養したhiPSCコロニーを、0.5 mM EDTAにより、酵素法で単一細胞に分離した。当該細胞を、前期APS誘導のためには100 ng/ml recombinant human/mouse/rat アクチビンAおよび3μM CHIR99021 (Axon Medchem, Groningen, Netherlands)を添加した、および、後期APS誘導のためには、100 ng/ml アクチビンA および8μM CHIR99021を添加した、2%(vol/vol)のB27サプリメント (GFR-B27, Growth Factor Reduced, Thermo Fisher Scientific)、50 U/mlペニシリン/ストレプトマイシン(P/S, Thermo Fisher Scientific)および、10μM Y-27632を含む、RPMI 1640 培地 (NACALAI TESQUE, Kyoto, Japan)に再懸濁し、Matrigel(Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)でコートしたプレートに9×104 cells/cm2で播種して、1日間培養した。
前期APSからDE細胞への分化
AADE細胞への誘導のためには2%(vol/vol)B27サプリメント(GFR-B27)、50 U/ml P/Sおよび100 ng/mlアクチビンAを添加したRPMI 1640培地で、PADE細胞への誘導のためには100 ng/ml アクチビンAおよび 500 nM LDN193189 (Axon Medchem)を添加したRPMI 1640培地で、2日間培養することにより、前期APSから前方胚体内胚葉の前方ドメイン(AADE)細胞または前方胚体内胚葉の後方ドメイン(PADE)へと誘導した。
後期APSからDE細胞への分化
後期APS細胞を2%(vol/vol)B27サプリメント(GFR-B27)、50 U/ml P/Sおよび100 ng/ml アクチビンAを添加したRPMI 1640培地で2日間培養して、後方胚体内胚葉(PDE)細胞へ誘導した。
GT細胞誘導のために、3つのタイプのDE細胞(AADE、PADEおよびPDE)を、Improved MEM Zinc Option (iMEM) 培地(Thermo Fisher Scientific)で3日間培養した。その後、GT細胞を、同じ培地を用いて3日間培養してLGT細胞へ分化させた。
得られたLGT細胞を、既報の分化プロトコール(Kajiwara M et al., 2012, Proc Natl Acad Sci U S A 109, 12538-12543, Gotoh S et al., 2014, Stem Cell Reports 3, 394-403.)に従い、肝細胞様細胞および肺胞上皮前駆細胞にさらに分化させた。
肝細胞様細胞への分化
1.4で得たhiPSC由来LGT細胞を、20 ng/mL組換えヒト肝細胞増殖因子 (HGF; PeproTech, Rocky Hill, NJ)および20 ng/mL組換えヒトオンコスタチンM (OsM; PeproTech)を含有する肝細胞培養培地で6日間培養して、肝細胞様細胞への分化を誘導した。
肺胞上皮前駆細胞への分化
1.4で得たhiPSC由来のLGT細胞を、1×B27および N2 サプリメント (Thermo Fisher Scientific)、50 U/ml P/S、0.05 mg/ml L-アスコルビン酸 (Sigma-Aldrich, Tokyo, Japan)、0.4 mM モノチオグリセロール(Wako)、100 ng/ml 組換えヒト骨形成タンパク質(BMP)4 (R&D Systems)、0.5μM 全トランス型レチノイン酸 (ATRA; Sigma-Aldrich)および3.5μM CHIR99021を含有する、Glutamaxを添加したDMEM/F12培地 (Thermo Fisher Scientific)で、4日間培養した。
細胞を、4% パラホルムアルデヒド(PFA)/PBSを用いて、20分間、4℃で固定した。PBSで洗浄後、細胞を5% 正常ロバ血清(Funakoshi, Tokyo, Japan)/PBST (PBS/0.1% Triton X-100)を用いて、1時間、室温でブロッキングした。一次抗体をブロッキング溶液で希釈し、サンプルと共に一晩、4℃でインキュベートした。PBSで3回洗浄後、細胞を、二次抗体と共に、1時間、室温でインキュベートした。本研究で用いた二次抗体には、Alexa Fluor 488-、546-または647-結合の、抗マウス、ウサギ、またはヤギIgGロバ抗体が含まれ、1:200希釈で用いた。核染色のために、Hoechst 33342三塩酸塩三水和物(Thermo Fisher Scientific)を、1:200希釈で用いた。用いた一次抗体を表2に示す。
全RNAを、RNeasyキット(Qiagen, Tokyo, Japan)を用いて、製造元の推奨に従い単離し、続いて、標準的プロトコール(Mae S et al., 2013)を用いてcDNA合成を行った。端的には、第一鎖cDNAを、1μgの全RNAから、ReverTra Ace (TOYOBO, Osaka, Japan)を用いて合成した。当該cDNAサンプルを、サーマルサイクラー(Veriti 96-well Thermal Cycler, Applied Biosystems, Waltham, MA)を用いたPCR増幅に供し、Ex-Taq PCR キット(Takara, Shiga, Japan)を用いて、製造元の指示に従い、PCRを行った。PCRサイクルは以下の通りであった:ハウスキーピング遺伝子β-ACTINに対して、初期変性を94℃で2.5分間、続いて、94℃で30秒間、60℃で1分間、72℃で30秒間を25サイクル、および最終伸長反応を72℃で10分間行った。他の遺伝子に対しては、初期変性を94℃で2.5分間、続いて、94℃で30秒間、58℃-50℃で30-60秒間、72℃で30秒間を30-40サイクル、および最終伸長反応を72℃で10分間で行うサイクルで行った。qPCRを、Step One Plus Real-Time PCR System (Applied Biosystems)および SYBR Green PCR Master Mix (Takara)を用いて行った。変性を95℃で30秒間行い、続いて、95℃で5秒間、60℃で30秒間を24サイクル行った。製造元が推奨するように、遺伝子発現レベルのデータを解析し、β-ACTINの遺伝子発現レベルにキャリブレーションするために、閾値サイクル法(threshold cycle method)を用いた。PCR反応は、各サンプルに対し、三連で行った。用いたプライマーの配列を表3に示す。
培養細胞から100ngの全RNAを、製造元の指示に従い、KAPA stranded mRNA-seq Kits (KAPA Biosystems, Woburn, MA)を用いたライブラリ調製に供した。当該ライブラリを、HiSeq2500の100サイクルのSingle-Readモードにおいて、塩基配列決定した。全ての配列読み取りデータを、CASAVA 1.8.2パイプラインにおけるBCL2FASTQ Conversion Software 1.8.4を用いて、FASTQフォーマットで抽出した。配列読み取りデータを、遺伝子発現値のTophat v2.0.14. Calculationを用いて、2014年4月25日にダウンロードしたhg19参照遺伝子にマッピングし、RPKMforgenes (10th December 2012)により補正(normalization)を行い、発現レベルをlog2 (RPKM+1)で表した。遺伝子発現のヒートマップを、R 3.2.1のgplotsライブラリのheatmap.2関数により、作成した。組織および細胞サンプルの遺伝子発現のTwo-way階層的クラスタリングを、R3.2.1のhclust関数を用いて実行した。
2.1.異なる分化プロトコールにより、異なるタイプの胚体内胚葉(Definitive Endoderm, DE)細胞が生成されることを確認した
胚体内胚葉細胞集団の特徴を示す2つのモデルが存在する:1)DE細胞は、任意の内胚葉系細胞ヘ分化可能な単一細胞タイプの多能性内胚葉前駆細胞である(図1A、左)、2)DE細胞は、複数のタイプの系列決定内胚葉前駆細胞集団を含有し得る(図1A、右)。本発明者らは、DE細胞が単一タイプの多能性内胚葉前駆細胞であるとすれば、異なる分化プロトコールで誘導されたDE細胞であっても、一様に内胚葉系の細胞、例えば後期原腸(LGT)段階のαフェトプロテイン(AFP)(+)細胞、すなわち肝芽細胞へ分化され得ると仮定した。
DE細胞サブポピュレーションの分化可能性が、特定の内胚葉系細胞に制限されているかどうかを調べるために、図1Bの2つの方法によって産生されたDEサブポピュレーションを、誘導因子を添加することなくさらに3~6日間培養して分化させた(図2A)。3日間培養後に、方法Aの細胞は、GT細胞の後方前腸領域のマーカーである、HNF1βおよびHNF4α陽性細胞に分化した。GT細胞の前方前腸領域のマーカーであるSOX2を発現する細胞はほとんど存在しなかった(図2A、2B上図)。HNF1β(+)HNF4α(+)細胞を更に培養したところ、LGT段階のAFP(+)細胞に分化した(図2B上図)。
上記結果は、異なるプロトコールで生成されるDE細胞が、それぞれ特定の内胚葉系への分化能を有することを示唆している。DE細胞の2つのタイプ、AADEおよびPADE細胞、並びにそれらから派生するGTおよびLGT細胞の間の、遺伝子発現パターンの違いを明らかにするために、RNA配列決定解析を行った。その結果、AADEおよびPADE細胞の間の、周知のPSおよびDEマーカーの発現レベルにほとんど違いはなかった(図3A)。主成分分析(PCA)によってもまた、AADEおよびPADE細胞の間において、相対的に同様な遺伝子発現プロファイルを確認した(図3B)。しかしながら、AADEおよびPADE細胞集団の間で、異なって発現された273の遺伝子を同定した(図3Cおよび表4)。これらのデータは、AADEおよびPADEは、周知のDEおよびPSマーカーに対して同様の発現パターンを有するが、これらのDEサブポピュレーションを区別できる候補マーカーが存在することを示唆している。
中後腸細胞への制限された分化能を有するPDE細胞の新規分化プロトコールを確立するために、hiPSCからのAPSへの分化をさらに調べた。中胚葉サブタイプへのパターン形成は、PSにおける中胚葉誘導のタイミングと相関するとの報告から(非特許文献15)、DEパターン形成もまた、APSにおけるDE細胞分化のタイミングに対応するであろうと仮定した。この仮定のもと、100 ng/mlのアクチビンAおよび3μMのCHIR99021で処理することにより誘導されたhiPSC由来APS細胞の特徴を調べた(図2A)。免疫染色により、これらの細胞はAPSマーカーBRACHYURYおよびEOMES陽性であるが、後期原始線条のマーカーであるCDX2に対して陽性の細胞はほとんどなかった(図4A上図)。これらのデータは、100 ng/mlのアクチビンAおよび3μMのCHIR99021による処理により、hiPSCが前期APS細胞に分化されることを示している。そこで、後期原始線条への分化プロトコール(非特許文献15)を改変することにより、hiPSCから後期APS細胞を分化させる新規の方法を開発した。100ng/mlのアクチビンAおよび8μMのCHIR99021の存在下で1日間培養を行った。得られた細胞の免疫染色により、BRACHYURY(+)EOMES(+)CDX2(+)である後期APS細胞が生成していることを確認した(図4A下図)。
Claims (8)
- 多能性幹細胞から前方前腸(AFG)細胞へと選択的に誘導する方法であって、以下の工程(i)、(ii)および(iii)を含む方法:
(i)多能性幹細胞をアクチビンAと、1μMから4μM未満のCHIR99021と同等の活性を有する比較的低濃度のGSK3β阻害剤とを含む培地中で培養して前期前方原始線条細胞を得る工程、
(ii)工程(i)で得られた前期前方原始線条細胞をアクチビンAおよびBMP阻害剤を含む培地中で培養して前方胚体内胚葉の後方ドメイン(PADE)細胞を得る工程、および
(iii)得られた前方胚体内胚葉の後方ドメイン(PADE)細胞を分化誘導因子を含まない培地中で培養して前方前腸(AFG)細胞を得る工程。 - 前記BMP阻害剤が、LDN-193189である、請求項1記載の方法。
- 多能性幹細胞から後方前腸(PFG)細胞へと選択的に誘導する方法であって、以下の工程(i)、(ii)および(iii)を含む方法:
(i)多能性幹細胞をアクチビンAと、1μMから4μM未満のCHIR99021と同等の活性を有する比較的低濃度のGSK3β阻害剤とを含む培地中で培養して前期前方原始線条細胞を得る工程、
(ii)前記工程(i)で得られた前期前方原始線条細胞を、アクチビンAを含む培地中で培養して前方胚体内胚葉の前方ドメイン(AADE)細胞を得る工程、および
(iii)前記工程(ii)で得られた前方胚体内胚葉の前方ドメイン(AADE)細胞を分化誘導因子を含まない培地中で培養して後方前腸(PFG)細胞を得る工程。 - 前記GSK3β阻害剤が、CHIR99021であり、培地中におけるCHIR99021の濃度が約3μMである、請求項1~3いずれかに記載の方法。
- 多能性幹細胞から中後腸(MHG)細胞へと選択的に誘導する方法であって、以下の工程(i)、(ii)および(iii)を含む方法:
(i)多能性幹細胞をアクチビンAと、4μM以上のCHIR99021と同等の活性を有する比較的高濃度のGSK3β阻害剤とを含む培地中で培養して後期前方原始線条細胞を得る工程、
(ii)前記工程(i)で得られた後期前方原始線条細胞を、アクチビンAを含む培地中で培養して後方胚体内胚葉(PDE)細胞を得る工程、および
(iii)得られた後方胚体内胚葉(PDE)細胞を分化誘導因子を含まない培地中で培養して、中後腸(MHG)細胞を得る工程。 - 前記GSK3β阻害剤が、CHIR99021であり、培地中におけるCHIR99021の濃度が4μM以上である、請求項5記載の方法。
- 培地中における前記CHIR99021の濃度が約8μMである、請求項6記載の方法。
- 多能性幹細胞が、ヒトiPS細胞またはヒトES細胞である、請求項1~7何れかに記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201662320040P | 2016-04-08 | 2016-04-08 | |
US62/320,040 | 2016-04-08 | ||
PCT/JP2017/014563 WO2017175866A1 (ja) | 2016-04-08 | 2017-04-07 | 多能性幹細胞から、内胚葉系細胞を選択的に誘導する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2017175866A1 JPWO2017175866A1 (ja) | 2019-02-14 |
JP7201223B2 true JP7201223B2 (ja) | 2023-01-10 |
Family
ID=60001224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018510678A Active JP7201223B2 (ja) | 2016-04-08 | 2017-04-07 | 多能性幹細胞から、内胚葉系細胞を選択的に誘導する方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7201223B2 (ja) |
WO (1) | WO2017175866A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112553145B (zh) * | 2020-12-25 | 2024-04-02 | 汕头大学医学院 | 一种高效定型内胚层细胞的诱导分化方法 |
CN117757726A (zh) * | 2022-09-19 | 2024-03-26 | 南京医科大学 | 一种类原肠胚干细胞系的构建方法及应用 |
CN117126798B (zh) * | 2023-10-20 | 2024-05-03 | 北京大学第三医院(北京大学第三临床医学院) | 一种用于多能干细胞衍生肺类器官的培养基以及培养方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014062138A1 (en) | 2012-10-19 | 2014-04-24 | Agency For Science, Technology And Research | Methods of differentiating stem cells into one or more cell lineages |
WO2014200115A1 (ja) | 2013-06-11 | 2014-12-18 | 国立大学法人京都大学 | 腎前駆細胞の製造方法及び腎前駆細胞を含む医薬 |
-
2017
- 2017-04-07 WO PCT/JP2017/014563 patent/WO2017175866A1/ja active Application Filing
- 2017-04-07 JP JP2018510678A patent/JP7201223B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014062138A1 (en) | 2012-10-19 | 2014-04-24 | Agency For Science, Technology And Research | Methods of differentiating stem cells into one or more cell lineages |
WO2014200115A1 (ja) | 2013-06-11 | 2014-12-18 | 国立大学法人京都大学 | 腎前駆細胞の製造方法及び腎前駆細胞を含む医薬 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Stem Cell Research,2012年03月,Vol.8, No.2,pp.274-284 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2017175866A1 (ja) | 2019-02-14 |
WO2017175866A1 (ja) | 2017-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2963886C (en) | In vitro production of foregut stem cells | |
DK2898063T3 (en) | PANCREATIC DIFFERENTIALIZATION OF PLURIPOTENT PATTERN CELLS IN VITRO | |
US11021686B2 (en) | In vitro production of cholangiocytes | |
Matsuno et al. | Redefining definitive endoderm subtypes by robust induction of human induced pluripotent stem cells | |
CN106536718B (zh) | 胰芽细胞的制造方法及含有胰芽细胞的胰疾病治疗剂 | |
CN107075467B (zh) | 由干细胞分化肝细胞样细胞 | |
JP7162349B2 (ja) | 尿管芽様組織誘導方法 | |
JP7201223B2 (ja) | 多能性幹細胞から、内胚葉系細胞を選択的に誘導する方法 | |
JP7357369B2 (ja) | 新規腎前駆細胞マーカーおよびそれを利用した腎前駆細胞の濃縮方法 | |
JP7471558B2 (ja) | ネフロン前駆細胞の製造方法 | |
TW201803983A (zh) | 多能性幹細胞分化成腸的中腸內胚層細胞 | |
WO2016009196A1 (en) | In vitro mesodermal differentiation | |
WO2017047797A1 (ja) | 膵芽細胞の製造方法 | |
WO2018021293A1 (ja) | Ptf1a陽性細胞の製造方法 | |
WO2024070494A1 (ja) | 膵内胚葉細胞の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200403 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210518 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211026 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20211224 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220225 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220628 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220927 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20220927 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20221004 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20221011 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7201223 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |