JP7200427B1 - 複合半透膜、及びスパイラル型膜エレメント - Google Patents

複合半透膜、及びスパイラル型膜エレメント Download PDF

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Abstract

【課題】コーティング層による効果をある程度維持しながら、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高めることができる複合半透膜、及びこれを用いたスパイラル型膜エレメントを提供する。【解決手段】多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に形成された分離機能層とを備える複合半透膜であって、前記分離機能層の表面には、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備え、前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有する、複合半透膜。【選択図】図3

Description

本発明は、分離機能層の表面にコーティング層を備える複合半透膜、及びこれを用いたスパイラル型膜エレメント(以下、「膜エレメント」と略称する場合がある)に関する。
複合半透膜は、その濾過性能や処理方法に応じてRO(逆浸透)膜、NF(ナノ濾過)膜、FO(正浸透)膜と呼ばれ、超純水製造、海水淡水化、かん水の脱塩処理、排水の再利用処理などに用いることができる。
工業的によく利用される複合半透膜としては、例えば、多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含むスキン層が、分離機能層として多孔性支持体の表面に形成されている複合半透膜が挙げられる。当該複合半透膜の分離機能層の表面には、膜エレメントへの加工時の耐久性の向上、ファウリング耐性(耐汚染性)の向上、分離機能や透過性能の向上などの目的で、各種の親水性樹脂を含むコーティング層が設けられる場合があった。
例えば、特許文献1では、分離機能層の表層に電気的に中性の有機重合体である、25℃の水に対し不溶性であり、80℃の水に対し可溶性であり、ケン化度99%以上のポリビニルアルコールを被覆した逆浸透複合膜が提案されている。
また、特許文献2では、分離機能層が、正電荷を有する官能基及び負電荷を有する官能基を含み且つ負に荷電している親水性ポリマーで処理された複合半透膜が提案されている。
一方、従来、逆浸透ろ過等に用いられる分離膜エレメントとして、例えば、供給側流体を分離膜表面へ導く供給側流路材、供給側流体を分離する分離膜、分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を中心管へと導く透過側流路材からなるユニットを有孔の中心管の周りに巻き付けたスパイラル型膜エレメントが知られている(特許文献3、4)。当該ユニットにおいては、分離機能層が内側となるように、分離膜が中心管の周りで屈曲された構造が一般的であり、屈曲部には、分離膜を補強しつつ分離機能層を保護するための保護テープ(粘着テープ)が貼着される場合があった。
国際公開第1997/034686号公報 国際公開第2018/124103号公報 特開2000-354743号公報 特開2006-68644号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、膜表面にコーティング層を設けると、スパイラル型膜エレメント組立時の屈曲部に使用する保護テープ(粘着テープ)との密着力が低下し、保護テープによる補強効果が得られにくくなることが判明した。
そこで、本発明の目的は、コーティング層による効果をある程度維持しながら、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高めることができる複合半透膜、及びこれを用いたスパイラル型膜エレメントを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、コーティング層による表面の平滑化によって密着力が低下しており、コート材の付着量を制御することによって密着力の低下を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の態様を含むものである。
[1] 多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に形成された分離機能層とを備える複合半透膜であって、
前記分離機能層の表面には、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備え、
前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有する、複合半透膜。
本発明の複合半透膜によると、分離機能層の表面に、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備え、コーティング層側の表面に表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有するため、光沢部と非光沢部の存在により、コーティング層による効果をある程度維持しながら、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高めることができる。
[2] 前記コーティング層側の表面に保護テープが貼着されて、貼着された部分の複合半透膜が屈曲した状態で使用されるものであり、
少なくとも前記保護テープが貼着される貼着領域に、前記光沢部と前記非光沢部とを1:4~4:1の面積割合で有する表面粗さ調整領域を備える、[1]に記載の複合半透膜。
このように、保護テープが貼着される貼着領域において、コート材の付着量が少なく表面粗さがより大きい非光沢部が特定の面積割合で存在する表面粗さ調整領域を設けることで、より確実に保護テープとの密着性を向上させることができる。
[3] 前記光沢部の表面粗さRaが5~25nmであり、前記非光沢部の表面粗さRaが50~80nmである、[1]又は[2]に記載の複合半透膜。
このような、光沢部と非光沢部を設けることによって、より確実にコーティング層による効果の維持と、保護テープとの密着性の向上とを図ることができる。
[4] 前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが5~25nmである限定粗さ光沢部と、表面粗さRaが50~80nmである限定粗さ非光沢部とを有し、前記限定粗さ光沢部と前記限定粗さ非光沢部との合計面積における前記限定粗さ光沢部の面積比率が5~50%である、[1]~[3]いずれか1項に記載の複合半透膜。
このような限定粗さ光沢部を上記面積比率で有することによって、より確実にコーティング層による効果の維持と、保護テープとの密着性の向上とを図ることができる。
[5] 前記分離機能層がポリアミド系樹脂により形成され、前記コート材が親水性樹脂を含む、[1]~[4]いずれか1項に記載の複合半透膜。
ポリアミド系樹脂の界面重合により、コーティング層を形成する前の表面粗さを調整でき、親水性樹脂を用いて濃度や組成を調整することにより、付着量を容易に調整できるようになる。
[6] 有孔の中心管と、その中心管に巻回され内周側端部に屈曲部を有する分離膜を含む巻回体と、前記屈曲部に沿って貼着された保護テープと、を備えるスパイラル型膜エレメントであって、
前記分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に形成された分離機能層とを備える複合半透膜であり、
前記分離機能層の表面には、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備え、
前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有し、
前記分離膜の前記屈曲部における前記コーティング層側の表面に、前記保護テープが貼着されている、スパイラル型膜エレメント。
本発明のスパイラル型膜エレメントによると、分離機能層の表面に、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備え、コーティング層側の表面に表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有するため、光沢部と非光沢部の存在により、コーティング層による効果をある程度維持しながら、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高めることができる。
[7] 前記分離膜において、少なくとも前記保護テープが貼着される貼着領域に、前記光沢部と前記非光沢部とを1:4~4:1の面積割合で有する表面粗さ調整領域を備える、[6]に記載のスパイラル型膜エレメント。
このように、保護テープが貼着される貼着領域において、コート材の付着量が少なく表面粗さがより大きい非光沢部が特定の面積割合で存在する表面粗さ調整領域を設けることで、より確実に保護テープとの密着性を向上させることができる。
[8] 前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが5~25nmである限定粗さ光沢部と、表面粗さRaが50~80nmである限定粗さ非光沢部とを有し、前記限定粗さ光沢部と前記限定粗さ非光沢部との合計面積における前記限定粗さ光沢部の面積比率が5~50%である、[6]又は[7]に記載のスパイラル型膜エレメント。
このような限定粗さ光沢部を上記面積比率で有することによって、より確実にコーティング層による効果の維持と、保護テープとの密着性の向上とを図ることができる。
本発明によると、コーティング層による効果をある程度維持しながら、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高めることができる複合半透膜、及びこれを用いたスパイラル型膜エレメントを提供することができる。
本発明のスパイラル型膜エレメントの一例を模式的に示す斜視図である。 本発明のスパイラル型膜エレメントに用いることができる分離膜の一例を示す組立平面図である。 本発明のスパイラル型膜エレメントに用いることができる分離膜ユニットの一例を示す組立斜視図である。 実施例1~2で得られた複合半透膜のコーティング層側の顕微鏡写真であり、上段に広い領域の顕微鏡写真、中段に光沢部の高倍の電子顕微鏡写真、下段に非光沢部の高倍の電子顕微鏡写真を示している。 実施例3で得られた複合半透膜のコーティング層側の顕微鏡写真であり、上段に広い領域の顕微鏡写真、中段に光沢部の高倍の電子顕微鏡写真、下段に非光沢部の高倍の電子顕微鏡写真を示している。 比較例1で得られた複合半透膜のコーティング層側の顕微鏡写真であり、上段に広い領域の顕微鏡写真、中段に凹凸が比較的小さい中間部の高倍の電子顕微鏡写真、下段に凹凸が比較的大きい中間部の高倍の電子顕微鏡写真を示している。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(本発明の複合半透膜)
本発明の複合半透膜は、多孔性支持体と、多孔性支持体上に形成された分離機能層とを備え、分離機能層の表面には、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備えている。そして、コーティング層側の表面には、表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有している。
このような複合半透膜は、コーティング層側の表面に保護テープが貼着されて、貼着された部分の複合半透膜が屈曲した状態で使用される場合においても、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高めることができる。コーティング層には、複合半透膜の使用時にもコーティング層が存在するタイプと、複合半透膜の使用時にはコーティング層が除去されているタイプとが存在するが、本発明は何れの場合でも有効である。
つまり、後者の場合、例えば、コーティング層付き複合半透膜を用いて膜エレメントを作製した後に、膜エレメントに洗浄水を通水するなどして、前記分離機能層上のコーティング層を除去することができるが、保護テープが貼着された部分は、コーティング層が洗浄水に直接接触しないため、コーティング層が殆ど除去されず、分離機能層と保護テープとの密着力を維持することができる。
また、前記光沢部と前記非光沢部とを有する表面粗さ調整領域は、保護テープが貼着される貼着領域のみに設けてもよいが、複合半透膜の少なくとも保護テープが貼着される貼着領域に設けられていればよく、製造工程の簡略化の観点から、複合半透膜の全体に設けることが好ましい。まず、コーティング層が設けられる複合半透膜について説明する。
(複合半透膜)
コーティング層が設けられる複合半透膜は、多孔性支持体と、多孔性支持体上に形成された分離機能層とを備えていればよく、多孔性支持体は、分離機能層を支持できる表面形状を有するものであればよい。
分離機能層の形成材料は特に制限されず、例えば、酢酸セルロール、エチルセルロース、ポリエーテル、ポリエステル、及びポリアミドなどが挙げられる。特に、多官能アミン成分と多官能酸ハロゲン成分とを重合して得られるポリアミド系樹脂を含む分離機能層であることが好ましい。
多官能アミン成分とは、2以上の反応性アミノ基を有する多官能アミンであり、芳香族、脂肪族及び脂環式の多官能アミンが挙げられる。
芳香族多官能アミンとしては、例えば、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、1,3,5-トリアミノベンゼン、1,2,4-トリアミノベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、2,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、N,N’-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族多官能アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、n-フェニル-エチレンジアミン等が挙げられる。
脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、4-アミノメチルピペラジン等が挙げられる。
これらの多官能アミンは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能の分離機能層を得るためには、芳香族多官能アミンを用いることが好ましい。
多官能酸ハライド成分とは、反応性カルボニル基を2個以上有する多官能酸ハライドである。
多官能酸ハライドとしては、芳香族、脂肪族及び脂環式の多官能酸ハライドが挙げられる。
芳香族多官能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸トリクロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホン酸トリクロライド、ベンゼンジスルホン酸ジクロライド、クロロスルホニルベンゼンジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
脂肪族多官能酸ハライドとしては、例えば、プロパンジカルボン酸ジクロライド、ブタンジカルボン酸ジクロライド、ペンタンジカルボン酸ジクロライド、プロパントリカルボン酸トリクロライド、ブタントリカルボン酸トリクロライド、ペンタントリカルボン酸トリクロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド等が挙げられる。
脂環式多官能酸ハライドとしては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸トリクロライド、シクロブタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタントリカルボン酸トリクロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロブタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
これら多官能酸ハライドは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能の分離機能層を得るためには、芳香族多官能酸ハライドを用いることが好ましい。また、多官能酸ハライド成分の少なくとも一部に3価以上の多官能酸ハライドを用いて、架橋構造を形成するのが好ましい。
また、ポリアミド系樹脂を含む分離機能層の性能を向上させるために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などのポリマー、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコールなどを共重合させてもよい。
分離機能層を支持する多孔性支持体は、分離機能層を支持しうるものであれば特に限定されず、通常、平均孔径10~500Å程度の微孔を有する限外濾過膜が好ましく用いられる。多孔性支持体の形成材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ボリフッ化ビニリデンなど種々のものをあげることができるが、特に化学的、機械的、熱的に安定である点からポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホンが好ましく用いられる。
かかる多孔性支持体の厚さは、通常約25~125μm、好ましくは約40~75μmであるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、多孔性支持体は織布、不織布等の基材による裏打ちにて補強されていているものが好ましい。
ポリアミド系樹脂を含む分離機能層を多孔性支持体の表面に形成する方法は特に制限されず、あらゆる公知の手法を用いることができる。例えば、界面縮合法、相分離法、薄膜塗布法などが挙げられる。界面縮合法とは、具体的に、多官能アミン成分を含有するアミン水溶液と、多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液とを接触させて界面重合させることにより分離機能層を形成し、該分離機能層を多孔性支持体上に載置する方法や、多孔性支持体上での前記界面重合によりポリアミド系樹脂の分離機能層を多孔性支持体上に直接形成する方法である。かかる界面縮合法の条件等の詳細は、特開昭58-24303号公報、特開平1-180208号公報等に記載されており、それらの公知技術を適宜採用することができる。
多孔性支持体上に形成した分離機能層の厚みは特に制限されないが、通常0.05~2μm程度であり、好ましくは、0.1~1μmである。
コーティング層を設ける前の複合半透膜における分離機能層の表面粗さRaは、55nm以上であることが好ましく、60nm以上であることがより好ましい。このような表面粗さRaとすることで、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部を形成し易くなり、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力をより高めることができる。また、膜の表面粗さを大きくすることで、実際に塩等を分離する分離機能層の有効面積が増加するため、塩阻止率を維持したままで水透過性を上げることができる。
なお、分離機能層の表面粗さRaは、表面粗さRaが30nm以下である光沢部を形成し易くする観点から、80nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましい。
本明細書において、表面粗さRaは、平面面粗さを意味しており、下記式(数1)で定義される。
Figure 0007200427000002
平面面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した値を使って算出することができる。平均面粗さ(Ra)はJISB0601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したもので、基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値である。ここで測定面とは全測定データの示す面をいい、指定面とは粗さ計測の対象となる面で、測定面のうちクリップで指定した特定の部分(指定領域は5μm×5μm)をいい、基準面とは指定面の高さの平均値をZ0 とするとき、Z=Z0 で表される平面をいう。
上記のような表面粗さRaを有する複合半透膜の製造方法は、特開平9-85068号公報、特開平7-8770号公報などに詳細に説明されている。
具体的には、例えば、多孔性支持体上に、2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物を含む溶液Aを被覆する工程、及び多官能性酸ハロゲン化物を含む溶液Bを上記溶液A相と接触させる工程を含む手段により、ポリアミド系スキン層(分離機能層)を形成して複合逆浸透膜を製造する方法において、前記溶液Aと溶液Bの溶解度パラメーターの差が7~15(cal/cm1/2であることを特徴とする製造方法により、上記のような表面粗さRaを有する複合半透膜を製造することができる。
また、例えば、多孔性支持体上に、2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物を有する溶液Aを被覆する工程、及び多官能性酸ハロゲン化物を含む溶液Bを上記溶液A層と接触させる工程を含む手段により、負荷電性架橋ポリアミド系スキン層を形成させ、かつそのスキン層の表面が、正固定荷電基を有する有機重合体の架橋層で被膜されている複合逆浸透膜を製造する方法であって、前記溶液A、溶液B及び微多孔性支持体から選ばれる少なくとも一つに、溶解度パラメーターが8~14(cal/cm1/2の化合物を存在させることを特徴とする高透過性複合逆浸透膜の製造方法により、製造することができる。
より具体的には、前記溶液Aが、水とエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールから選ばれるアルコールとの混合溶液、あるいは、水と窒素化合物との混合溶液であり、前記2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物が、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、1,3,5-トリアミノベンゼン、1,2,4-トリアミノベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、2,4-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、4-アミノメチルピペラジンから選ばれる少なくとも一つの化合物であるものなどを選択することができる。
なお、複合半透膜の塩阻止性、水透過性、及び耐酸化剤性等を向上させるために、従来公知の各種処理を施してもよい。
(コーティング層)
コーティング層を形成するコート材としては、親水性樹脂を含むことが好ましく、親水性樹脂は、分離機能層と化学結合していなくてもよく、分離機能層と一部化学結合していてもよい。
コート材としては、(1)水溶性の親水性樹脂、(2)水溶性化合物又は水溶性樹脂を架橋又は分離機能層と一部反応させたもの、(3)水難溶性又は水不溶性の親水性樹脂、(4)これらの組合せなどが挙げられる。これらのうち、コーティング層の形成の簡便さ等の観点から、(3)水難溶性又は水不溶性の親水性樹脂が好ましい。
(1)水溶性の親水性樹脂としては、アニオン性ポリビニルアルコールが好ましい。アニオン性ポリビニルアルコールは、アニオン性官能基を有するポリビニルアルコールであり、アニオン性官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びリン酸基などが挙げられる。これらのうち、カルボキシル基又はスルホン酸基が好ましい。
アニオン性ポリビニルアルコールの市販品としては、例えば、クラレ社製のKL-118、KL-318、KL-506、KM-118、及びKM-618;日本合成化学工業社製のゴーセネックスCKS50、ゴーセネックスT-330H、及びゴーセネックスT-350などが挙げられる。
(2)水溶性化合物又は水溶性樹脂を架橋又は分離機能層と一部反応させたものとしては、(1)水溶性の親水性樹脂のアニオン性基等と反応する架橋剤や、非イオン性親水基(水酸基等)を有する水溶性化合物又は水溶性樹脂の非イオン性親水基と反応する架橋剤を用いて、架橋させたものが挙げられる。また、分離機能層に一部残存する官能基(例えばカルボキシル基やアミノ基)と直接又は架橋剤を用いて反応可能な官能基を有する親水性樹脂が挙げられる。
(3)水難溶性又は水不溶性の親水性樹脂としては、非イオン性親水基を有する親水性ポリマーを使用することが好ましい。非イオン性親水基を有する親水性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ケン化ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、及びポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらのうち、平均重合度が2000~3000であり、かつケン化度が99%以上であるポリビニルアルコールを用いることが好ましい。上記ポリビニルアルコールを用いると、非イオン性親水基であるヒドロキシル基の作用により汚染性有機物質に対する耐性が高くなり、薄膜に汚染物質が吸着することを抑制することができるため、透過流束の低下を効果的に抑制することができる。
(3)水難溶性又は水不溶性の親水性樹脂としては、両イオン性親水性ポリマーを使用することも可能であり、アニオン性基とカチオン性基を有するものが好ましい。カチオン性基は、カチオンを有する基(正電荷を有する基)又は周囲の環境により変化してカチオンを有し得る基である。カチオン性基の具体例としては、アミノ基、アンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基等が挙げられる。また、アニオン性基は、アニオンを有する基(負電荷を有する基)又は周囲の環境により変化してアニオンを有し得る基である。アニオン性基の具体例としては、カルボキシル基、ホスホン酸基、硫酸基、リン酸基等が挙げられる。両イオン性親水性ポリマーとしては、カルボキシル基とアンモニウム基を有するものがより好ましい。
また、両イオン性親水性ポリマーが、アルコキシシリル基等の反応性官能基を有することで、分離機能層との結合力を高めることができる。このような反応性官能基としては、トリメトキシシリルプロピル基、メチルジメトキシシリルプロピル基、メチルジエトキシシリルプロピル基、トリエトキシシリルプロピル基、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル基、又はN-スクシンイミジル基が挙げられる。
(3)水難溶性又は水不溶性の親水性樹脂としては、カチオン性基を有する親水性ポリマーも使用することができ、これによりカチオン性物質を含む原液に接触したときの透水性の低下を小さくすることができる。カチオン性基を有する親水性ポリマーとしては、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体が挙げられる。
Figure 0007200427000003
(式(1)において、N+は4級アンモニウムカチオンを構成する窒素原子であり、R及びRは、それぞれ独立して、前記窒素原子に結合した炭素原子を含む置換基である。)
なお、コーティング層を形成するコート材としては、親水性樹脂以外に、金属フィラーや無機塩類を含んでいてもよい。
(コーティング層の形成方法)
一般的なコーティング層の形成方法としては、親水性樹脂等を含むコート材を溶媒に溶解又は分散させて、塗布液を調製し、これを分離機能層上に塗工し、乾燥処理して形成する。塗工方法としては、例えば、浸漬、噴霧、塗布、シャワーなどが挙げられる。
溶媒としては、水の他、分離機能層等の性能を低下させない有機溶媒を併用してもよい。特に、親水性樹脂の溶解性を調整するために、水とその他の溶媒を含む混合溶媒を使用することが好ましい。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノールなどの脂肪族アルコール;メトキシメタノール及びメトキシエタノールなどの低級アルコールが挙げられる。
塗布液中の親水性樹脂の濃度(複数の場合、合計濃度)としては、0.01~5質量%が好ましく、は0.05~3質量%がより好ましい。
塗布する際の塗布液の温度は特に制限されないが、分離機能層の劣化防止の観点、及び取り扱いの容易さ等から10~90℃であることが好ましく、より好ましくは10~60℃である。
塗布液を分離機能層上に塗工した後、乾燥処理を行う際の温度は特に制限されないが、通常60~160℃程度であり、好ましくは80~150℃である。また、より低温下(例えば室温25℃)での予備乾燥を行なうことも可能である。
コーティング層の塗布量は、コーティング層を設ける目的に応じて適宜設定できるが、例えば、親水性樹脂の塗布量が10mg/m以上300mg/m以下となるように塗布することができる。
本発明において、以下で述べるような複合半透膜の表面特性を実現させるためには、下記の方法が有効である。
まず、コーティング層側の表面に光沢部と非光沢部とを生じさせるためには、塗布液中での親水性樹脂の溶解状態の均一性を低下させる方法や、塗工して乾燥させる際の塗工液の均一性を低下させる方法が有効である。塗布液中での親水性樹脂の溶解状態の均一性を低下させる方法としては、例えば溶媒の組成を調整することで、塗布液中で親水性樹脂を難溶化させる方法、複数種の親水性樹脂を混合して親水性樹脂の溶解状態不均一化する方法、親水性樹脂の濃度を高めて親水性樹脂の溶解状態不均一化する方法などが挙げられる。塗工して乾燥させる際の塗工液の均一性を低下させる方法としては、乾燥の速度を低下させて対流を発生させる方法、乾燥時に塗工液上面から風を当てて塗工液面を乱す方法などが挙げられる。
より具体的には、水以外のアルコール等の溶媒の含有量を低下させて親水性樹脂の溶解度を低下させる方法、両イオン性親水性ポリマーなどのイオン性親水性樹脂と非イオン性親水性樹脂とを混合する方法、親水性樹脂の濃度を高める方法などが挙げられる。例えばIPA等のアルコールの含有量を低下させて親水性樹脂の溶解度を低下させる場合、コーティング層を形成するための塗布液中に、アルコールを2~40質量%含有させることが好ましく、5~35質量%含有させることがより好ましい。
また、光沢部と非光沢部との面積割合を調整する方法としては、塗布される親水性樹脂の総量を調整する方法、塗布液中の親水性樹脂の濃度を調整する方法、塗布液の粘度を調整する方法、界面活性剤を添加するなどが挙げられる。
(複合半透膜の表面特性)
本発明の複合半透膜は、分離機能層の表面には、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備え、このコーティング層側の表面には、表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有する。
コーティング層による効果をある程度維持しながら、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高める観点から、前記光沢部の表面粗さRaが5~25nmであり、前記非光沢部の表面粗さRaが50~80nmであることが好ましく、前記光沢部の表面粗さRaが5~15nmであり、前記非光沢部の表面粗さRaが60~70nmであることがより好ましい。
コーティング層による効果をある程度維持しながら、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高める観点から、前記光沢部と前記非光沢部との面積割合(面積比率)を1:4~4:1とすることが好ましく、3:7~7:3とすることがより好ましく、4:6~6:4とすることが更に好ましい。
面積比率の測定は、ランダムに選択した複数の領域について表面粗さRaを算出し、表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部との領域数の割合を求めて、光沢部と非光沢部との面積割合とすることができる。また、光を当てたコーティング層側の表面写真を用いて、画像解析の結果から、それぞれ所定の明度に対応する光沢部と非光沢部の面積割合を求めることも可能である。
特に、コーティング層側の表面には、表面粗さRaが5~25nmである限定粗さ光沢部と、表面粗さRaが50~80nmである限定粗さ非光沢部とを有し、前記限定粗さ光沢部と前記限定粗さ非光沢部との合計面積における前記限定粗さ光沢部の面積比率が5~50%であることが好ましく、10~45%がより好ましく、15~40%が更に好ましい。このような限定粗さ光沢部を上記面積比率で有することによって、より確実にコーティング層による効果の維持と、保護テープとの密着性の向上とを図ることができる。
限定粗さ光沢部の面積比率は、コーティング層を形成した複合半透膜をマイクロスコープ(キーエンス株式会社製VHX8000)で観察し、ランダムに選択した直径36mmの円範囲(3箇所)について、装置付帯の解析ソフトを用いて、表面粗さRaが5~25nmである限定粗さ光沢部の面積と、表面粗さRaが50~80nmである限定粗さ非光沢部の面積とを測定し、下記の式より限定粗さ光沢部の面積比率を算出し、その平均値を求めた値である。
限定粗さ光沢部の面積比率(%)=限定粗さ光沢部の面積[mm]/(限定粗さ光沢部の面積[mm]+限定粗さ非光沢部の面積[mm])×100(%)
このように表面粗さを調整した表面粗さ調整領域は、保護テープが貼着される貼着領域のみに設けてもよいが、複合半透膜の少なくとも保護テープが貼着される貼着領域に設けられていればよく、製造工程の簡略化の観点から、複合半透膜の全体に設けることが好ましい。
コーティング層表面の親水性を高める場合、コーティング層の表面の水接触角は、40°以下であってよい。この水接触角は、好ましくは35°以下、より好ましくは30°以下、さらに好ましくは25°以下であってよい。本形態では、コーティング層が上記範囲の水接触角に対応する高い親水性を有している。コーティング層表面の親水性が高いことにより、表面に水分子が優先的に付着又は結合しやすく、コーティング層上に水和水の層が形成されやすくなるため、ファウラントが付着しにくくなる。
(スパイラル型膜エレメント)
図1は、本発明のスパイラル型膜エレメントの一例を模式的に示す斜視図であり、図2Aは、本発明のスパイラル型膜エレメントに用いることができる分離膜の一例を示す組立平面図であり、図2Bは、本発明のスパイラル型膜エレメントに用いることができる分離膜ユニットの一例を示す組立斜視図である。
本発明のスパイラル型膜エレメントは、例えば、図1~図2Bに示すように、有孔の中心管5と、その中心管5に巻回され内周側端部に屈曲部1fを有する分離膜1を含む巻回体Rと、前記屈曲部1fに沿って貼着された保護テープTと、を備えるスパイラル型膜エレメントである。
図1に示す例では、対向する分離膜1の間に透過側流路材3が介在する複数の膜リーフLと、膜リーフL同士の間に介在する供給側流路材2と、膜リーフL及び供給側流路材2を巻回した有孔の中心管5と、供給側流路と透過側流路との混合を防止する封止部と、を備えている。この場合、膜リーフL内の透過側流路は、透過側流路材3(透過側スペーサともいう)によって形成することができる。また、巻回体Rの外周には外装材15を備えている。
分離膜1の表面に凹凸又は溝などを設けて、供給側流路及び/又は透過側流路を分離膜1自体に形成することも可能であり、その場合、供給側流路材2及び/又は透過側流路材3を省略することが可能である。
図1には、封止部が両端封止部(図示省略)と外周側封止部12とを含む例を示している。封止部のうち、両端封止部は、膜リーフLの軸心方向A1の両側における二辺端部を接着剤で封止したものである。外周側封止部12は、膜リーフLの外周側先端の端部を接着剤で封止したものである。対向する分離膜1と両端封止部と外周側封止部12とで囲まれた領域が透過側流路となり、これが中心管5の開孔5aと連通する構造となっている。
また、有孔の中心管5と膜リーフLの両端封止部の基端側とを接着剤で封止した中央側封止部を有することが好ましい。このような中央側封止部を介して、膜リーフL及び供給側流路材2が中心管5に巻回された巻回体Rを有している。なお、接着剤としては、特に限定されるものではなく、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等、従来公知のいずれの接着剤も使用することができる。
一般的な膜エレメントでは、巻回体Rの上流側には、シールキャリア等の機能を有する第1端部部材10が設けられ、下流側にはアンチテレスコープ材等の機能を有する第2端部部材20が設けられている。
一般的な8インチ径のスパイラル型膜エレメントにおいては、膜リーフLは15~30組程度巻回される。膜エレメントを使用する際は、圧力容器(ベッセル)内に収容され、図1に示すように、供給液7は膜エレメントの一方の端面側から供給される。供給された供給液7は、供給側流路材2に沿って中心管5の軸心方向A1に平行な方向に流れ、膜エレメントの他方の端面側から濃縮液9として排出される。また、供給液7が供給側流路材2に沿って流れる過程で分離膜1を透過した透過液8は、透過側流路材3に沿って流動した後に、開孔5aから中心管5の内部に流れ込み、この中心管5の端部から排出される。
供給側流路材2は一般に、膜面に流体を満遍なく供給するための間隙を確保する役割を有する。このような供給側流路材2は、例えばネット、編み物、凹凸加工シートなどを用いることができ、最大厚さが0.1~3mm程度のものを適宜必要に応じて用いることができる。また、流路材は分離膜1の両面に設置するが、供給液側には供給側流路材2、透過液側には透過側流路材3として、異なる流路材を用いることが一般的である。供給側流路材2では目が粗く厚いネット状の流路材を用いる一方で、透過側流路材3では目の細かい織物や編物の流路材を用いることが好ましい。
中心管5は、図1に示すように、管の周囲に開孔5aを有するものであれば良く、従来のものが何れも使用できる。一般に海水淡水化や排水処理等で用いる場合には、分離膜1を透過した透過水が、対向する分離膜1の間に介在する透過側流路材3に沿って形成される透過側流路内を、中心管5に向けて流動した後、開孔5aから中心管5中に流入し、中心管5内を流動して端部から排出される。
透過側流路材3は、海水淡水化や排水処理等の用途において、RO膜やNF膜を用いる場合に、図1に示すように、膜リーフLにおいて対向する分離膜1の間に介在するように設けられる。この透過側流路材には膜にかかる圧力を膜背面から支えるとともに、透過液の流路を確保することが求められる。
このような機能を確保するために、トリコット編物により透過側流路材が形成されていることが好ましく、編物形成後に樹脂含浸補強又は融着処理されたトリコット編物であることがより好ましい。
分離膜1としては、前述した本発明の複合半透膜が用いられる。即ち、本発明のスパイラル型膜エレメントには、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に形成された分離機能層とを備える複合半透膜が使用され、前記分離機能層の表面には、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備え、前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有している。
更に、図2A~図2Bに示すように、分離膜1は、巻回体Rにおいて内周側方向A2の端部に配置される内周側端部に、屈曲部1fを有している。また、分離膜1の屈曲部1fにおける前記コーティング層側の表面には、屈曲部1fに沿って保護テープTが貼着されている。本発明は、コーティング層側の表面の表面粗さRaを調整することで、保護テープとの密着力を高めるという効果を奏するため、保護テープTの種類は特に限定されないが、アクリル系、ゴム系、シリコーン系などの粘着剤層を有する保護テープを用いる場合に、より高い効果を発揮することができる。
分離膜1において、前記光沢部と前記非光沢部とを1:4~4:1の面積割合で有する表面粗さ調整領域を前面に備えていてもよいが、少なくとも前記保護テープが貼着される貼着領域に、表面粗さ調整領域を備えることが好ましい。
スパイラル型膜エレメントを製造する際には、図2Aに示すように、分離機能層が上側となるように所定サイズの分離膜1を配置し、中央線L1に沿って屈曲させる際の屈曲部1fに沿って保護テープTを貼着する。更に、中央線L1を境界線として、分離膜1の何れかの面上に供給側流路材2を配置する。
そして、図2Bに示すように、分離膜1の分離機能層を内側にして、中央線L1に沿って分離膜1を屈曲させ、供給側流路材2を折り込み、更に、分離膜1の多孔性支持体の側に、透過側流路材3を配置して、分離膜ユニットを形成する。このような分離膜ユニットの複数が積層され、分離膜1の軸心方向A1の両側における二辺端部と外周側先端の端部とが、透過側流路材3を介して接着剤等で封止され、封筒状の膜リーフLが形成される。
外装材としては、特に限定されず、各種シート、フィルム、テープ等が挙げられ、必要に応じて、補強のために繊維補強樹脂(FRP)などが使用される。繊維補強樹脂の形成方法としては、繊維に硬化性樹脂を含浸させたロービングを使用して、これを巻回体Rの外周に巻き付ける方法が好ましい。
(コーティング層を除去する実施形態)
コーティング層を除去する場合は、コーティング層付き複合半透膜を用いてスパイラル型膜エレメントを作製した後、その後、スパイラル型膜エレメントに洗浄水を通水して、分離機能層上のコーティング層を除去することができる。
洗浄水の温度は特に制限されないが、通常、10~40℃程度であり、コーティング層の除去効率などの観点から25~40℃であることが好ましい。
通水時の圧力は特に制限されないが、通常、0.1~3.0MPa程度であり、コーティング層の除去効率などの観点から0.5~1.5MPaであることが好ましい。
コーティング層は完全に除去することが好ましいが、スパイラル型分離膜エレメントの水透過性が低下しない程度に残存していてもよい。具体的には、通水処理後のコーティング層中の親水性樹脂の含有量は200mg/m以下であることが好ましく、より好ましくは100mg/m以下であり、さらに好ましくは75mg/m以下であり、よりさらに好ましくは33mg/m以下であり、特に好ましくは23mg/m以下である。
(用途)
スパイラル型分離膜エレメントは、例えば超純水の製造、かん水または海水の脱塩などに好適であり、また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮、浄水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。また、油田やシェールガス田などにおける排水処理にも用いることができる。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。なお、実施例等では、以下の方法により、物性等を測定し、又は評価した。
(1)コーティング層を形成前の複合半透膜の表面粗さRa
コーティング層を形成する前の複合半透膜について、前記式(数1)で定義される表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)(日立ハイテクサイエンス社製、AFM5300E)を用いて測定した値を使って算出した。また、平均面粗さ(Ra)はJISB0601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したもので、基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値である。ここで測定面とは全測定データの示す面をいい、指定面とは粗さ計測の対象となる面で、測定面のうちクリップで指定した特定の部分(指定領域は5μm×5μm)をいい、基準面とは指定面の高さの平均値をZ0 とするとき、Z=Z0 で表される平面をいう。
(2)コーティング層付き複合半透膜の表面粗さRa
コーティング層を形成した複合半透膜について、表面にLED光を当てながらマイクロスコープで観察を行ない、領域20mm×20mmの範囲内で、反射光が強い順に光沢部を3箇所選択して位置を特定し、また反射光が弱い順に非光沢部を3箇所選択して位置を特定した。
各々特定した光沢部(3箇所)と非光沢部(3箇所)について、(1)と同様にして、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した値を使って表面粗さRaを算出し、各々平均値を求めた。
(3)走査型電子顕微鏡(SEM)観察
(2)に記載の方法で、光沢部と非光沢部を特定し、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行ない、代表的な写真を図3~図5に示した。なお、比較例1(図5)については、光沢にあまり差がないため、適当なものを2つ示した。
(4)保護テープの密着力
コーティング層を形成した複合半透膜を、上面が平坦な塩ビ板に粘着力が十分な両面テープを用いて貼り合わせた。コーティング層側の表面に、保護テープ(日東電工(株)製、No.3703F、幅50mm、長さ300mm)を張り付け、テープ上から3kgの重りを載せ、5時間静置し、貼り合わせた。その後、塩ビ版をイオン交換水中に浸漬(12時間、25℃)し、イオン交換水から引き上げた。過剰の水分を除去し、湿潤状態でこの保護テープを剥離速度30mm/minで剥離し、その際に生じる張力をオートグラフ(SHIMAZU製、AGS-50NX)で測定した。これを異なる部位で5回繰り返して、平均値を求めた。
(5)接触角の測定
協和界面科学社製Drop Master DM500を用いて、θ/2法にて静的接触角をコンピュータでの画像解析により自動算出した。なお、液適量は1.5μLとし、蒸留水の分離機能層上への着滴開始から10秒後に接触角を測定した。その際、ランダムに5箇所測定を行ない、平均値を求めた。
(6)限定粗さ光沢部の面積比率
コーティング層を形成した複合半透膜をマイクロスコープ(キーエンス株式会社製VHX8000)で観察し、ランダムに選択した直径36mmの円範囲(3箇所)について、装置付帯の解析ソフトを用いて、表面粗さRaが5~25nmである限定粗さ光沢部の面積と、表面粗さRaが50~80nmである限定粗さ非光沢部の面積とを測定し、下記の式より限定粗さ光沢部の面積比率を算出し、その平均値を求めた。
限定粗さ光沢部の面積比率(%)=限定粗さ光沢部の面積[mm]/(限定粗さ光沢部の面積[mm]+限定粗さ非光沢部の面積[mm])×100(%)
<複合半透膜(未処理品)の製造例>
m-フェニレンジアミン(MPD)3.0質量%、ドデシル硫酸ナトリウム0.15質量%、トリエチルアミン2.15質量%、水酸化ナトリウム0.31質量%、カンファースルホン酸6質量%、及びイソプロピルアルコール1質量%を含有するアミン水溶液を、ポリエステル不織布上に形成されたポリスルホン多孔性支持体上に塗布し、その後、余分なアミン水溶液を除去することにより水溶液被覆層を形成した。次に、水溶液被覆層の表面を、トリメシン酸クロライド(TMC)0.075質量%、及びイソフタル酸クロライド(IPC)0.113質量%をナフテン系溶媒(エクソンモービル社製、ExxsolD40)に溶解させた酸クロライド溶液中に7秒間浸した。その後、水溶液被覆層表面の余分な溶液を除去し、20秒間風乾し、さらに140℃の熱風乾燥機中で3分間保持して、多孔性ポリスルホン支持層上にポリアミド樹脂を含む分離機能層を形成し、不織布基材、ポリスルホン多孔性支持層、及びポリアミド分離機能層がこの順に配置されてなる複合半透膜を形成した。その評価結果を表1に示す。この複合半透膜の分離機能層の表面粗さRaは、71nmであった。
(実施例1)
ポリビニルアルコール(PVA)(日本酢ビ・ポバール(株)社製JC-25、ケン化度≧99%)0.13質量%、両イオン性親水性ポリマー(大阪有機化学工業(株)製、LAMBIC-1000W)0.27質量%、イソプロピルアルコール(IPA)11質量%、及び水88.6質量%を均一混合して溶解させた塗布液を得た。この塗布液に、上記で製造された複合半透膜の分離機能層の表面を10秒間浸した。その後、分離機能層を30秒間風乾させ、さらに120℃の熱風乾燥機中で2分間保持してコーティング層を形成した。その評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、IPAの含有量を変えて塗布液の組成を表1に示す通りとした以外は、実施例1と同じ条件で、複合半透膜にコーティング層を形成した。その評価結果を表1に示す。
(実施例3)
ポリビニルアルコール(PVA)(日本酢ビ・ポバール(株)社製JC-25、ケン化度≧99%%)0.4質量%、イソプロピルアルコール(IPA)10質量%、及び水89.6質量%を均一混合して溶解させた塗布液を得た。この塗布液に、上記で製造された複合半透膜の分離機能層の表面を7秒間浸した。その後、分離機能層を30秒間風乾させ、さらに120℃の熱風乾燥機中で2分間保持してコーティング層を形成した。その評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例3において、IPAの含有量を変えて塗布液の組成を表1に示す通りとした以外は、実施例3と同じ条件で、複合半透膜にコーティング層を形成した。その評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、親水性樹脂の総含有量を変えて塗布液の組成を表1に示す通りとした以外は、実施例1と同じ条件で、複合半透膜にコーティング層を形成した。その評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例3において、IPAの含有量を変えて塗布液の組成を表1に示す通りとした以外は、実施例3と同じ条件で、複合半透膜にコーティング層を形成した。その評価結果を表1に示す。なお、比較例1で得られた複合半透膜は、全面が同程度の光沢を有しており、3箇所について、表面粗さRaを測定した結果、最大で48nmであった。
(比較例2)
実施例1において、親水性樹脂の総含有量とIPAの含有量を変えて塗布液の組成を表1に示す通りとした以外は、実施例1と同じ条件で、複合半透膜にコーティング層を形成した。その評価結果を表1に示す。なお、比較例2で得られた複合半透膜は、全面が同程度の光沢を有しており、3箇所について、表面粗さRaを測定した結果、最大で35nmであった。
Figure 0007200427000004
表1の結果が示すように、コーティング層側の表面に光沢部と非光沢部とを有する実施例1~5では、コーティング層による効果(接触角の改善)をある程度維持しながら、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高めることができた。
これに対して、光沢部と非光沢部とを有さない比較例1~2では、密着力が低下した。
本発明によれば、コーティング層による効果をある程度維持しながら、コーティング層を設けた分離機能層と保護テープとの密着力を高めることができる。このため、膜エレメントへの加工時の耐久性の向上、ファウリング耐性(耐汚染性)の向上、分離機能や透過性能の向上などの目的で、各種の親水性樹脂を含むコーティング層が設けられる場合に、特に有用な技術となる。
1 :分離膜
1f :屈曲部
5 :中心管
A1 :軸心方向
A2 :内周側方向
R :巻回体
T :保護テープ

Claims (6)

  1. 多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に形成された分離機能層とを備える複合半透膜であって、
    前記分離機能層の表面には、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備え、
    前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有し、
    前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが5~25nmである限定粗さ光沢部と、表面粗さRaが50~80nmである限定粗さ非光沢部とを有し、前記限定粗さ光沢部と前記限定粗さ非光沢部との合計面積における前記限定粗さ光沢部の面積比率が5~50%である、複合半透膜。
  2. 前記コーティング層側の表面に保護テープが貼着されて、貼着された部分の複合半透膜が屈曲した状態で使用されるものであり、
    少なくとも前記保護テープが貼着される貼着領域に、前記光沢部と前記非光沢部とを1:4~4:1の面積割合で有する表面粗さ調整領域を備える、請求項1に記載の複合半透膜。
  3. 前記光沢部の表面粗さRaが5~25nmであり、前記非光沢部の表面粗さRaが50~80nmである、請求項1に記載の複合半透膜。
  4. 前記分離機能層がポリアミド系樹脂により形成され、前記コート材が親水性樹脂を含む、請求項1に記載の複合半透膜。
  5. 有孔の中心管と、その中心管に巻回され内周側端部に屈曲部を有する分離膜を含む巻回体と、前記屈曲部に沿って貼着された保護テープと、を備えるスパイラル型膜エレメントであって、
    前記分離膜は、多孔性支持体と、前記多孔性支持体上に形成された分離機能層とを備える複合半透膜であり、
    前記分離機能層の表面には、場所によりコート材の付着量が異なることで表面粗さの異なるコーティング層を備え、
    前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが30nm以下である光沢部と、表面粗さRaが50nm以上である非光沢部とを有し、
    前記コーティング層側の表面には、表面粗さRaが5~25nmである限定粗さ光沢部と、表面粗さRaが50~80nmである限定粗さ非光沢部とを有し、前記限定粗さ光沢部と前記限定粗さ非光沢部との合計面積における前記限定粗さ光沢部の面積比率が5~50%であり、
    前記分離膜の前記屈曲部における前記コーティング層側の表面に、前記保護テープが貼着されている、スパイラル型膜エレメント。
  6. 前記分離膜において、少なくとも前記保護テープが貼着される貼着領域に、前記光沢部と前記非光沢部とを1:4~4:1の面積割合で有する表面粗さ調整領域を備える、請求項5に記載のスパイラル型膜エレメント。
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