JP7200211B2 - 皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の処置および/またはケアに有用な化合物 - Google Patents

皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の処置および/またはケアに有用な化合物 Download PDF

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Description

本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の処置および/またはケアに有用な化合物に関する。本発明の化合物は、皮膚のバリア機能の改善、皮膚に活力を与えることに有用であり、抗老化薬剤として作用することができる。本発明の化合物は、皮膚の概日リズムを調節するように作用することができ、早朝の皮膚に昼間の皮膚特性を付与することができる。
概日リズムは、ヒトの生理学的現象が日中の環境変動により作用の特定パターンに従うのを可能にする。概日リズムは、約24時間の内因性振動を示す、メラトニン分泌、深部体温制御、コルチゾールの血漿レベルなどを含む我々の生物学的系における任意の機能である。
概日リズムの制御は、視床下部前部の視交差上核(SCN)で行われ、統制された概日リズム機構(別名「時計機構」)によって厳密に調節される[1]。この時計機構は一連の時計遺伝子を含み、その発現パターンは、Bmal1/Clockタンパク質によって形成される転写活性化因子複合体により1日を通じて変動する。この複合体は、時計遺伝子(PER、CRY)のプロモーター領域に結合し、日中にそれらの発現を引き起こす。また、日中でのCryおよびPerタンパク質の漸進的蓄積は、夜間にそれら自身の転写の負の調節因子にも作用し、概日周期性のためのフィードバックループを提供する[2]。
ほとんどの末梢の臓器および組織も概日振動を示し、SCNから独立して特定の組織の機能を制御し得、これにより、日中の組織/器官の恒常性の自律的制御をもたらすことが報告されている[3]。皮膚は我々の身体において最も外側の障壁であり、その基本的特性の多くも概日制御に従う。事実、皮膚もその生理学的機能の大部分を制御するためのそれ自身の内部概日リズム機構を有する[4~5]。
皮膚の主な機能は、宿主の内部と環境との間に障壁を形成することである。皮膚は、化学物質、紫外線、機械的傷害および病原微生物から生物を保護しなければならない。最も重要なことに、皮膚は、水および電解質の喪失を防止する効果的な透過障壁を提供しなければならない。皮膚は、表皮、真皮および皮下組織からなる。表皮は、細胞増殖が起こる未分化な基底層、有棘層、顆粒層(SG)、および角質層という無細胞層の4層からなる。透過障壁は、主に角質層に局在するが、顆粒層にも局在する。[6]
角質層(SC)では、角質層の厚さ、角化膜を形成する細胞間脂質の含量および組織化という3つの生理学的パラメータが、バリア機能の質に寄与する。セラミドは、角化膜内の主な脂質成分を構成し、各々がスフィンゴシンに結合した脂肪酸残基からなる分子のファミリーである。皮膚におけるセラミドの量は、皮膚の水不透過性に関連し、したがって、皮膚の乾燥の出現を回避することに関連する。Ω-3脂肪酸ファミリーもまた皮膚の機能において重要な役割を果たす。特に、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、その二重層の細胞膜への取込み(PC-DHA(DHAと結合したホスファチジルコリン)と全ホスファチジルコリンレベル(PC)との間の比率、すなわちPC-DHA/PCとも称される)が、適切な細胞膜流動性を維持するのを助ける長鎖不飽和脂肪酸である。細胞膜へのDHA取込みの増加は、皮膚バリア機能を改善する[7]。
皮膚の皮脂分泌は、正午頃のピークを有し、静電容量(静電容量は皮膚水和の尺度である)は、日中の早い段階ではより小さい。さらに、皮膚血流または微小循環および皮膚バリア機能は、概日リズムおよび縮日リズムを示し、皮膚血流量は、日中の早い段階では低く、午後遅くおよび夜遅くピークに達する[8~9]。縮日リズムは、24時間周期の1日を通じて繰り返される、周期的に起こる期間またはサイクルである。
近年、概日リズムのエピジェネティックな制御が概日リズムの重要な特徴であることが示された[10]。KDM5A遺伝子によってコードされるJARID1Aタンパク質は特異的なヒストンデメチラーゼ・リシン4であり、これは時計遺伝子のプロモーター(プロモーターは、時計遺伝子の発現を制御するDNA領域である)でBmal1-Clockと複合体を形成する。JARID1Aタンパク質は、Clock-Bmal1依存的様式でPER遺伝子の転写を増強する。この点に関して、JARID1Aタンパク質の増加は、PER2遺伝子の発現の活性化をもたらすことが証明された[11]。
顔は、社会的知覚において重要な役割をつとめる。睡眠不足、ストレス、疾患、および肉体的または精神的労作は、疲労および顔の表情に影響を及ぼし、より疲労していないように見せたいという願望は、美容処置を受ける主な動機の1つである。
顔に疲労が見えることは、眼および皮膚の外観に関係する手がかりに強く関連する。睡眠は、皮膚の外観および機能において役割を果たす。皮膚の完全性維持における睡眠の役割は、皮膚損傷が、長期の睡眠遮断を受けたラットにおける最初のかつ最も顕著な欠損の一つであるという観察によって支持される。さらに、内皮機能不全が、閉塞性睡眠時無呼吸を有する患者で見出された。睡眠遮断は、皮膚蒼白、皺および眼の下のくまを引き起こす。
正常な睡眠を取った夜の後と比較して、睡眠が欠乏した個体は、より疲労しているように見え、より下がった目蓋、より充血した目、より腫れ上がった目、眼の下のより濃いクマ、より蒼白の皮膚、眼周囲のより多くの皺および小皺を有し、口角がより垂れ下がり、より悲しそうであると評価された[12]。
老化は、内部要因(遺伝的特徴、細胞代謝、代謝プロセス)および外部要因(露光量、電離放射線、環境汚染、化学物質)の組み合わせによって影響を受ける複雑な生物学的プロセスである。ミトコンドリアが、電子伝達系の機能の結果としての活性酸素種(ROS)の生成により老化過程において重要な役割を果たすことが確立されている[13]。
日光などの環境要因に直接曝露されているヒトの皮膚細胞は、細胞の調節解除および/または損傷に対抗するために多量のエネルギーに高度に依存している。しかしながら、細胞のエネルギーレベルは、我々が加齢するにつれて減衰する。皮膚のエネルギー容量の欠乏は、ヒトの皮膚構造の著しい変化に密接に関連し、すなわち、皺の形成をもたらす1つの主なメカニズムである。
皮膚は、その代謝要求、正常な組織の維持に必要な恒常的な組織再生および修復を支持するために高いエネルギー必要量を有する。また皮膚は、ROSを生成させ、(ミトコンドリアの)DNA、細胞膜、触媒および構造タンパク質(例えば、コラーゲン)に有害な変化を引き起こすUV照射および他の外部要因に曝されている。修復機構がペースに合わせることができない場合、皮膚構造に有害な変化が発生し得、老化の可視的な徴候をもたらす。しかし、加齢による変化の正確なメカニズムは、完全には理解されていない。ミトコンドリアは、細胞におけるエネルギー産生の電池であり、ミトコンドリア機能およびエネルギー産生の減衰が、原因および加齢効果の両方と考えられ得る。
いくつかのデータは、エネルギー的にバランスが保たれたヒト皮膚細胞が代謝的に再活性化され、これにより、ヒト皮膚の加齢による構造的変化から著しく保護され、真皮乳頭の密度が増加することを証明しており、このことが、観察された小皺および皺の深さおよび出現の減少のとりわけ1つの主な要因のようである[14]。
近年、ミトコンドリア複合体IIの活性がヒトの皮膚線維芽細胞において加齢と共に減少し、これにより進行性のミトコンドリア機能障害をもたらし、したがって老いた皮膚細胞によるより少ないエネルギー産生をもたらすことが示された[15]。更に、ミトコンドリア複合体Iの活性の部分阻害が寿命を延長することが証明された[16]。実際、ミトコンドリア複合体Iの活性(すなわちメトホルミン、ロテノン)の異なる阻害剤による処理は、老化過程を遅らせることができる[17~18]。
乾燥皮膚、落屑性皮膚は、高齢者に頻繁に見られる。加齢に伴う皮膚バリア機能の破壊または喪失は、この症状を部分的に説明できる。損傷したバリア機能の回復は、加齢した皮膚ではより遅く、乾燥を呈することへのより高い感受性をもたらすことが実証された。これは、ラメラ体における脂質レベルの低下およびフィラグリン(表皮の上層の構造タンパク質)の減少に一部起因する多因子プロセスである。経皮水分喪失(TEWL)の増加もまた、加齢した皮膚により示され、これにより、角質層が低湿度環境で乾燥しやすい状態になる[19]。
皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の処置および/またはケアに使用するのに有効な新規の活性薬剤が必要である。特に、皮膚水和の改善、ならびに/または皮膚の老化または皮膚の老化症状の緩和、予防、および/もしくは遅延などのために皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の非治療的な美容上の処置および/またはケアに使用するのに有効な新規の活性薬剤が必要である。さらに、早朝の皮膚または変化した概日リズムを有する皮膚を、その水和、微小循環、およびバリア機能などの美容上の特性を改善するように処置する新規の方法が必要である。本発明は、これらの必要性のうちの1つ以上を満たそうとするものである。
第1の態様では、本発明は、式(I):
-W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-R(I)
で表される化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩であって、式中、
AAが、Pheであり、
AAが、Trpであり、
AAが、Met、Leu、およびIleからなる群から選択され、
AAが、Lys、Arg、およびGlnからなる群から選択され、
AAが、Argであり、
AAが、Lysであり、
AAが、Arg、Lys、およびHisからなる群から選択され、
AAが、Val、Ile、Leu、およびMetからなる群から選択され、
AAが、Proであり、
W、X、YおよびZが、それぞれ独立して、アミノ酸であり、
m、n、pおよびqが、それぞれ独立して、0または1であり、
m+n+p+qが、2以下であり、
が、H、ポリエチレングリコールに由来するポリマー、非環式脂肪族基、アリシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールアルキル、アリール、アラルキル、およびR-CO-からなる群から選択され、ここで、Rは、H、非環式脂肪族基、アリシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
が、-NR、-OR、-SRからなる群から選択され、ここで、RおよびRは、独立して、H、ポリエチレングリコールに由来するポリマー、非環式脂肪族基、アリシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールアルキル、アリール、およびアラルキルからなる群から選択され、
およびRが、アミノ酸ではない、化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明の化合物は、皮膚のバリア機能を改善するのに有効であり、抗老化薬剤として有効であることが分かっている。更に、それらは、皮膚の水和および皮膚血流を改善するように作用し得る。結果として、本発明の化合物は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の保護、処置および/またはケアに有用である。特に、本発明の化合物は、JARID1Aタンパク質の発現が1日の最大値より低く、CRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現が1日の最大値より低く、かつ/または皮膚に存在するセラミドの量が、1日の最大値より低い皮膚の概日リズムの時点にある皮膚の非治療的な処置および/またはケアに有用である。本発明の化合物は、皮膚の概日リズムを前進させるのに役立ち得、したがって、概日リズムのサイクルにおけるより後の皮膚に関連する水和レベル、バリア機能および微小循環などの皮膚の特性を付与する。
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの化粧品的にもしくは薬学的に許容される賦形剤またはアジュバントと共に、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を含む組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩、または式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を含む組成物の使用を提供する。
一態様では、本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩、またはそれらを含む組成物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、対象の皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の処置および/またはケアの方法であって、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩、またはそれらを含む組成物を当該対象に投与することを含む方法を提供する。通常、本発明の化合物は、局所投与される。
一態様では、本発明は、対象の皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアの方法であって、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的に許容される塩、またはそれらを含む化粧品組成物を当該対象に投与することを含む方法を提供する。通常、本発明の化合物は、局所投与される。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
式(I):
-W -X -AA -AA -AA -AA -AA -AA -AA -AA -AA -Y -Z -R (I)
で表される化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩であって、式中、
AA が、Pheであり、
AA が、Trpであり、
AA が、Met、Leu、およびIleからなる群から選択され、
AA が、Lys、Arg、およびGlnからなる群から選択され、
AA が、Argであり、
AA が、Lysであり、
AA が、Arg、Lys、およびHisからなる群から選択され、
AA が、Val、Ile、Leu、およびMetからなる群から選択され、
AA が、Proであり、
W、X、YおよびZが、それぞれ独立して、アミノ酸であり、
m、n、pおよびqが、それぞれ独立して、0または1であり、
m+n+p+qが、2以下であり、
が、H、ポリエチレングリコールに由来するポリマー、非環式脂肪族基、アリシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールアルキル、アリール、アラルキル、およびR -CO-からなる群から選択され、ここで、R は、H、非環式脂肪族基、アリシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
が、-NR 、-OR 、-SR からなる群から選択され、ここで、R およびR は、独立して、H、ポリエチレングリコールに由来するポリマー、非環式脂肪族基、アリシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールアルキル、アリール、およびアラルキルからなる群から選択され、
およびR が、アミノ酸ではない、化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
(項目2)
AA が、Metであり、任意に、AA が、LysおよびArgからなる群から選択されるか、またはAA が、Lysであるか、もしくはAA が、Argである、項目1に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
(項目3)
AA が、LysおよびArgからなる群から選択され、AA が、Val、Ile、およびLeuからなる群から選択される、項目2に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
(項目4)
AA が、Leuであり、任意に、AA が、LysおよびArgからなる群から選択されるか、またはAA が、Lysであるか、もしくはAA が、Argである、項目1に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
(項目5)
AA が、LysおよびArgからなる群から選択され、AA が、LysおよびArgからなる群から選択され、AA が、ValおよびIleからなる群から選択される、項目4に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
(項目6)
AA が、Ileであり、任意に、AA が、Glnである、項目1に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
(項目7)
AA が、Hisであり、AA が、Metである、項目6に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
(項目8)
前記化合物が、
-W -X -Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-Y -Z -R (ii)、
-W -X -Phe-Trp-Leu-Arg-Arg-Lys-Lys-Ile-Pro-Y -Z -R (iii)、
-W -X -Phe-Trp-Ile-Gln-Arg-Lys-His-Met-Pro-Y -Z -R (iv)、
-W -X -Phe-Trp-Leu-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-Y -Z -R (v)、
-W -X -Phe-Trp-Met-Arg-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-Y -Z -R (vi)、
-W -X -Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Lys-Val-Pro-Y -Z -R (vii)、
-W -X -Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Ile-Pro-Y -Z -R (viii)、および
-W -X -Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Leu-Pro-Y -Z -R (ix)からなる群から選択される式の化合物であり、
式中、R 、R 、W、X、Y、Z、ならびにm、n、p、およびqが、項目1の式(I)に定義される通りである、項目1に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
(項目9)
前記化合物が、式(ii)の化合物である、項目8に記載の化合物。
(項目10)
が、H、アセチル、パルミトイル、ラウロイル、またはミリストイルからなる群から選択され、R が、-NR または-OR であり、ここで、R およびR は、独立して、HおよびC -C 16 アルキルからなる群から選択される、項目1~9のいずれか一項に記載の化合物。
(項目11)
が、H、アセチルまたはパルミトイルからなる群から選択され、R が、-NR または-OR であり、ここで、R およびR は、HおよびC -C 16 アルキルからなる群から独立して選択される、項目10に記載の化合物。
(項目12)
が、Hであり、R が、HおよびC -C 16 アルキルからなる群から選択される、項目10または項目11に記載の化合物。
(項目13)
が、-NR または-OR であり、ここで、R は、Hであり、R は、HまたはC -C アルキルである、項目10~12のいずれか一項に記載の化合物。
(項目14)
m+n+p+qが、0である、項目1~13のいずれか一項に記載の化合物。
(項目15)
前記化合物が、
Figure 0007200211000001

Figure 0007200211000002

から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目16)
皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための項目1~15のいずれか一項に記載の化合物の使用。
(項目17)
前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、皮膚の老化症状の処置および/または予防である、項目16に記載の使用。
(項目18)
前記皮膚の老化症状が、皮膚におけるミトコンドリア複合体Iの活性に起因する活性酸素種の生成および/または皮膚におけるミトコンドリア複合体IIの活性の減少に起因する、項目17に記載の使用。
(項目19)
前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、皮膚に活力を与えることである、項目16に記載の使用。
(項目20)
前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、皮膚のバリア機能の維持および/または改善である、項目16に記載の使用。
(項目21)
前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、皮膚の水和の維持および/または改善である、項目16に記載の使用。
(項目22)
前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、皮膚の微小循環および/または皮膚の色合いの維持および/または改善である、項目16に記載の使用。
(項目23)
前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、皮膚の疲労症状の処置および/または予防である、項目16に記載の使用。
(項目24)
前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、目袋の処置および/または予防である、項目16に記載の使用。
(項目25)
前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、皮膚の明度の維持および/または改善である、項目16に記載の使用。
(項目26)
前記皮膚が早朝の皮膚であるか、または前記皮膚が、概日リズムが変化した対象の皮膚である、項目16~23または16~25のいずれか一項に記載の使用。
(項目27)
前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、
(i)皮膚におけるJARID1Aタンパク質の発現が1日の最大より低く、皮膚におけるCRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現が1日の最大より低く、皮膚に存在するセラミドの量が、1日の最大より低く、かつ/または皮膚細胞膜に取り込まれるDHAの量が、1日の最大より低い、皮膚の概日リズムの時点にある皮膚、
または(ii)皮膚におけるJARID1Aタンパク質の発現が1日の最大より低くなり、皮膚におけるCRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現が1日の最大より低くなり、皮膚に存在するセラミドの量が、1日の最大より低くなり、かつ/または皮膚細胞膜に取り込まれるDHAの量が、1日の最大より低くなるように皮膚の概日リズムが変化した皮膚の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアである、項目16~24または16~26のいずれか一項に記載の使用。
(項目28)
項目1~15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の化粧品的に有効な量、ならびに少なくとも1つの化粧品的に許容される賦形剤またはアジュバントを含む化粧品組成物。
(項目29)
対象の皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアの方法であって、項目1~15のいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体、および/もしくはその化粧品的に許容される塩の化粧品的に有効な量、または前記化合物、その立体異性体、および/もしくはその化粧品的に許容される塩の化粧品的に有効な量を含む化粧品組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
定義
本発明の文脈において、「皮膚」は、それを構成する、最上層または角質層から最下層または皮下組織までの複数の層(最上層または角質層および最下層または皮下組織の両方を含めて)であると理解される。これらの層は、例えば、とりわけケラチノサイト、線維芽細胞、メラノサイト、マスト細胞、ニューロンおよび/または脂肪細胞などの異なる種類の細胞から構成される。用語「皮膚」は、頭皮も含む。用語「皮膚」は、哺乳動物の皮膚を含み、ヒトの皮膚を含む。同様に、用語「毛髪、爪、および粘膜」は、哺乳動物、例えば、ヒトの毛髪、爪、および粘膜を含む。
用語「処置」は、疾患または障害を軽減もしくは除去するために、または当該疾患または障害に関連する1つ以上の症状を低減もしくは排除するために本発明による化合物の投与を対象とする方法を含む治療法を包含する。用語「処置」は、疾患または障害の生理学的結果を軽減または除去することを対象とする治療方法も包含する。
用語「処置」および「ケア」が、「化粧的な」および/または「非治療的な」という但し書きを伴う場合、処置またはケアは、そのようなものであり、例えば、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の審美的な外観を改善または維持する目的を有することを意味する。特に、処置は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の美容上の特性、例えば限定されるものではないが、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の審美的な外観に影響を及ぼす特性である水和レベル、弾性、張り、つや、色調または質感などを改善する目的を有し得る。本明細書の文脈における用語「ケア」は、皮膚、毛髪、爪、および/または粘膜の特性の維持を指す。上記特性は、健常な対象と、皮膚、毛髪、爪、および/または粘膜の疾患および/または障害、例えば限定されるものではないが、とりわけ、皮膚における潰瘍および傷害、乾癬、皮膚炎、ざ瘡または酒さなどを呈している対象との両方において、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的処置および/またはケアによって改善または維持される。
本発明において使用される用語「予防」は、疾患または障害の出現または発症を予防、遅延もしくは妨害するか、または皮膚、粘膜および/または毛髪の美容上の特性の変化を予防、遅延もしくは妨害する、本発明の化合物の能力を指す。本発明において使用される用語「予防」は、用語「阻害」と互換性があり、すなわち、疾患または障害の出現または発症を阻害するか、または皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の美容上の特性の変化を阻害する本発明の化合物の能力を指す。
本発明の文脈において、用語「老化」は、年齢と共に(経年的老化)、または太陽(光老化)への曝露、またはタバコの煙、寒さもしくは風の極端な気候条件、化学的夾雑物もしくは汚染物質などへの曝露により、皮膚により経験される変化を指し、外面の可視的かつ/または触覚により知覚できるあらゆる変化、例えば、限定されるものではないが、皺、小皺、表情線、ストレッチマーク、深い皺、凹凸または肌理の粗さ、毛穴の大きさの増加、水和の喪失、弾力の喪失、張りの喪失、滑らかさの損失、変形からの回復能の損失、復元力の損失、とりわけ、たるんだ頬、目袋の出現または二重顎の出現などの皮膚のたるみ、しみ、発赤、隈またはとりわけ、年齢による斑もしくはそばかすなどの色素沈着過剰区域の出現などの皮膚の色の変化、異常な分化、異常角質化、弾性線維症、角化症、抜け毛、オレンジピールスキン、コラーゲン構造の損失および、とりわけ、角質層、真皮、表皮、血管系の、または皮膚付近のそれらの組織の他の組織学的変化(例えば、クモ状静脈または毛細血管拡張の出現)などの、皮膚における不連続的発生が挙げられる。用語「光老化」は、皮膚の早期老化をもたらす、とりわけ紫外線を含む放射への皮膚の長期曝露による一連のプロセスをまとめ、老化と同じ身体的特徴、例えば限定されるものではないが、弛緩症、たるみ、色素沈着における色の変化またはむら、異常および/または過剰角質化を呈する。種々の環境要因、例えばタバコの煙への曝露、汚染への曝露、ならびに気候条件、例えば寒さおよび/または風の総和もまた、皮膚の老化に起因している。
本明細書では、アミノ酸に使用される略語は、Eur.J.Biochem.,(1984),138,9-37において規定される、IUPAC-IUB生化学的命名法の委員会の規則に従う。したがって、例えば、Glyは、NH-CH-COOHを表し、Gly-は、NH-CH-CO-を表し、-Glyは、-NH-CH-COOHを表し、-Gly-は、-NH-CH-CO-を表す。したがって、ペプチド結合を表すハイフンが、記号の右側に位置する場合は、アミノ酸の1-カルボキシル基におけるOH(ここでは、従来の非電離型で表される)を消去し、記号の左側に位置する場合は、アミノ酸の2-アミノ基のHを消去する。両方の改変が同一記号に適用され得る(表1を参照のこと)。
Figure 0007200211000003
本明細書で使用する場合、用語「非環式脂肪族基」は、アルキル、アルケニル、およびアルキニルなどの直鎖(すなわち直鎖状かつ非分岐の)または分枝鎖の飽和または不飽和ヒドロカルビル基を含む。非環式脂肪族基は、置換されていてもよく(モノまたはポリ)、非置換でもよい。
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」は、置換されていてもよく(モノまたはポリ)、非置換でもよい、飽和の直鎖および分枝鎖アルキル基を含む。アルキル基は、単結合によって分子の残りの部分に結合している。アルキル基は、1~24個の、好ましくは1~16個の、より好ましくは1~14個の、更により好ましくは1~12個の、なおいっそうより好ましくは1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する。用語「アルキル」には、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、2-メチルブチル、ヘプチル、5-メチルヘキシル、2-エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ラウリル、ヘキサデシル、オクタデシル、およびアミルが含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「アルケニル」は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含む基を指し、直鎖または分枝鎖であり得、置換(モノまたはポリ)または非置換であり得る。好ましくは、アルケニルは、1、2、または3つの炭素-炭素二重結合を有する。2つ以上の炭素-炭素二重結合が存在する場合、二重結合は共役していてもよく、共役していなくてもよい。好ましくは、アルケニル基は、2~24個の、好ましくは2~16個の、より好ましくは2~14個の、更により好ましくは2~12個の、なおいっそうより好ましくは2、3、4、5または6個の炭素原子を有する。アルケニル基は、単結合によって分子の残りの部分に結合している。用語「アルケニル」には、例えば、ビニル(-CH=CH)、アリル(-CH-CH=CH)、プレニル、オレイル、リノレイル基および同様のものが含まれる。
用語「アルキニル」は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を含む基を指し、直鎖または分枝鎖であり得、置換(モノまたはポリ)または非置換であり得る。好ましくは、アルキニル基は、1、2または3つの炭素-炭素三重結合を有する。二重結合は共役していてもよく、共役していなくてもよい。アルキニル基は、2~24個の、好ましくは2~16個の、より好ましくは2~14個の、更により好ましくは2~12個の、なおいっそうより好ましくは2、3、4、5または6個の炭素原子を有する。アルキニル基は、単結合によって分子の残りの部分に結合している。用語「アルキニル」には、例えば限定されるものではないが、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニルなどのペンチニル、および同様のものが含まれる。アルキニル基は、1つ以上の炭素-炭素二重結合も含み得、アルキニル基には、例えば限定されるものではないが、ブタ-1-エン-3-イニルおよびペント-4-エン-1-イニル基、ならびに同様のものが含まれる。
用語「アリシクリル」は、例えば限定されるものではないが、シクロアルキルまたはシクロアルケニルまたはシクロアルキニル基などの脂肪族環状(脂環式)基を包含するように本明細書において使用される。用語「アリシクリル」は、1つ以上の炭素原子環を含むモノラジカルを指し、環は、飽和(例えば、シクロヘキシル)または不飽和(例えば、シクロヘキセニル)であり得、ただし、それらは芳香族でない。より具体的には、アリシクリル(alicylic)基は、3個以上の、3~24個の、3~12個の、または6~12個の環炭素原子を含む。アリシクリル(alicyclic)基は、単環系、二環系、または三環系であり得、環は、例えば、単結合またはメチレン基もしくは他のアルキレン基などの連結基によって縮合または連結されていてもよい。アリシクリル(alicyclic)基は、置換(モノまたはポリ)または非置換であり得る。一実施形態では、アリシクリル基は、1つまたは2つの二重結合を任意に含む炭素原子からなる6~12員環である。
用語「シクロアルキル」は、置換(モノまたはポリ)または非置換であり得る飽和の単環式または多環式アルキル基を指す。シクロアルキル基は、3~24個の、好ましくは3~16個の、より好ましくは3~14個の、更により好ましくは3~12個の、なおいっそうより好ましくは3、4、5または6個の炭素原子を有する。シクロアルキル基は、単結合によって分子の残りの部分に結合しており、シクロアルキル基には、例えば限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、オクタヒドロインデン、デカヒドロナフタレン、ドデカヒドロフェナレンおよび同様のものが含まれる。
用語「シクロアルケニル」は、置換(モノまたはポリ)または非置換であり得る非芳香族の単環式または多環式アルケニル基を指す。シクロアルケニル基は、5~24個の、好ましくは5~16個の、より好ましくは5~14個の、更により好ましくは5~12個の、なおいっそうより好ましくは5または6個の炭素原子を有する。シクロアルケニル基は、単結合によって分子の残りの部分に結合している。好ましくは、シクロアルケニル基は、1、2または3つの炭素-炭素二重結合を含む。2つ以上の炭素-炭素二重結合が存在する場合、二重結合は共役していてもよく、共役していなくてもよい。シクロアルケニル基には、例えば限定されるものではないが、シクロペント-1-エン-1-イル基および同様のものが含まれる。
用語「シクロアルキニル」は、置換(モノまたはポリ)または非置換であり得る非芳香族の単環式または多環式アルキニル基を指す。シクロアルキニル基は、8~24個の、好ましくは8~16個の、より好ましくは8~14個の、更により好ましくは8~12個の、なおいっそうより好ましくは8または9個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残りの部分に結合している。好ましくは、シクロアルキニル基は、1、2または3つの炭素-炭素三重結合を含有する。そして、複合化されるかまたは複合化されない。シクロアルケニル基には、例えば限定されるものではないが、シクロオクタ-2-yn-1-イル基および同様のもの含まれる。シクロアルキニル基は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含み得、例えば限定されるものではないが、シクロオクタ-4-エン-2-イニル基および同様のものが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、3~10員の炭化水素環系であって、1つまたは複数の環の1個以上の原子がヘテロ原子である(すなわち炭素原子でない)、炭化水素環系を指す。したがって、「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、環原子が炭素および1つ以上のヘテロ原子から構成される環状基を指す。価数を満たすために、ヘテロ原子は、Hまたは置換基に結合していてもよい。好ましくは環炭素原子のうちの1、2または3個は、ヘテロ原子である。各ヘテロ原子は、独立して、O、N、S、P、およびBからなる群、またはO、N、およびSからなる群から選択され得る。ヘテロシクリル基は、置換(モノまたはポリ)または非置換であり得る。ヘテロシクリル基は、単環系、二環系、または三環系であり得、環は、例えば、単結合またはメチレン基もしくは他のアルキレン基などの連結基によって縮合または連結されていてもよい。ヘテロシクリルラジカルに存在する窒素、炭素または硫黄原子は、任意に酸化されていてもよく、窒素原子は、任意に四級化されていてもよい。ヘテロシクリルラジカルは、不飽和または部分的もしくは完全に飽和であってもよい。ヘテロシクリルラジカルは、脂肪族または芳香族であり得る。一実施形態では、ヘテロシクリルは、脂肪族(ヘテロアリシクリルとしても既知)であり、1つまたは複数の環の原子が、炭素原子および1~4個または1、2もしくは3個のヘテロ原子から構成される3~10員環系である。一実施形態では、ヘテロシクリル基は、1つまたは複数の環の原子が炭素原子および1~4個のヘテロ原子から構成され、環系が任意に1つまたは2つの二重結合を含む、6~10員環系である。一実施形態では、ヘテロシクリルは、芳香族(ヘテロアリールとしても既知)であり、1つまたは複数の環の原子が、炭素原子および1~4個または1、2もしくは3個のヘテロ原子から構成される6~10員環系である。ヘテロシクリルという用語について、最も優先されるべきは、5員または6員の環を指すことである。飽和ヘテロアリシクリル基の例は、ジオキサン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリンおよびチオモルホリンである。芳香族ヘテロシクリル基の例は、ピリジン、ピロール、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、イミダゾリン、キノレイン、キノリン、ピリダジン、およびナフチリジンである。
用語「アリール基」は、6~30個の、好ましくは6~18個の、より好ましくは6~10個の間の、更により好ましくは6または10個の炭素原子を有する芳香族基を指す。アリール基は、炭素-炭素結合によって連結されていてもよく、縮合していてもよい1、2、3または4つの芳香環を含み得、例えば限定されるものではないが、とりわけフェニル、ナフチル、ジフェニル、インデニル、フェナントリル、またはアントラニルが挙げられる。アリール基は、置換(モノまたはポリ)または非置換であり得る。
用語「アラルキル基」は、7~24個の炭素原子を有する芳香族基によって置換されているアルキル基を指し、例えば限定されるものではないが、-(CH1-6-フェニル、-(CH1-6-(1-ナフチル)、-(CH1-6-(2-ナフチル)、-(CH1-6-CH(フェニル)、および同様のものが挙げられる。
用語「ヘテロアリールアルキル」は、上記に定義したヘテロアリール(芳香族複素環としても既知)基によって置換されているアルキル基を指し、当該アルキル基は、1~6個の炭素原子を有し、当該ヘテロアリール基は、2~24個の炭素原子および1~3個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリールアルキル基としては、例えば限定されるものではないが、-(CH1-6-イミダゾリル、-(CH1-6-トリアゾリル、
-(CH1-6-チエニル、-(CH1-6-フリル、-(CH2)1-6-ピロリジニル、および同様のものが挙げられる。
本技術分野で理解されている通り、上述の基には、ある程度の置換が存在し得る。特に、明確に示されている場合、上記に示した基のいずれかが置換され得る。上記の置換される基(ラジカル)は、1つ以上の置換基によって1つ以上の利用可能な位置で置換される基(またはラジカル)である。好ましくは、置換は、1、2または3つの位置に、より好ましくは1または2つの位置に、更により好ましくは1つの位置に存在する。適切な置換基としては、例えば限定されるものではないが、C-Cアルキル;ヒドロキシル;C-Cアルコキシル;アミノ;アミノC-Cアルキル;C-Cカルボニルオキシル(carbonyloxyl);C-Cオキシカルボニル;フルオライド、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン;シアノ;ニトロ;アジド;C-Cアルキルスルホニル;チオール;C-Cアルキルチオ;フェノキシルなどのアリールオキシ;-NR(C=NR)NR(式中、RおよびRは、独立して、H、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、アルキニル、C-C10シクロアルキル、C-C18アリール、C-C17アラルキル、3~10員のヘテロシクリルまたはアミノ基の保護基により形成される群から選択される)が挙げられる。
本明細書で使用する場合、包括的または開放型であり、追加の記載されていない要素または方法ステップを除外しない、用語「含む」は、代替実施形態として、語句「本質的にからなる」および「からなる」を包含することを意図し、ここで、「からなる」は明記されていない任意の要素またはステップを除外し、「本質的にからなる」は検討中の組成物または方法の不可欠なまたは基本的な、かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の記載されていない要素またはステップの包含を可能にする。
本発明の化合物
第1の態様では、本発明は、式(I):
-W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-R(I)
で表される化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩であって、式中、
AAが、Pheであり、
AAが、Trpであり、
AAが、Met、Leu、およびIleからなる群から選択され、
AAが、Lys、Arg、およびGlnからなる群から選択され、
AAが、Argであり、
AAが、Lysであり、
AAが、Arg、Lys、およびHisからなる群から選択され、
AAが、Val、Ile、Leu、およびMetからなる群から選択され、
AAが、Proであり、
W、X、YおよびZが、それぞれ独立して、アミノ酸であり、
m、n、pおよびqが、それぞれ独立して、0または1であり、
m+n+p+qが、2以下であり、
が、H、ポリエチレングリコールに由来するポリマー、非環式脂肪族基、アリシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールアルキル、アリール、アラルキル、およびR-CO-からなる群から選択され、ここで、Rは、H、非環式脂肪族基、アリシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
が、-NR、-OR、-SRからなる群から選択され、ここで、RおよびRは、独立して、H、ポリエチレングリコールに由来するポリマー、非環式脂肪族基、アリシクリル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールアルキル、アリール、およびアラルキルからなる群から選択され、
およびRが、アミノ酸ではない、化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を提供する。
式(I)の化合物は、鎖に連結されている9、10または11個のアミノ酸を含むペプチドであるRはペプチドのアミノ末端(N末端)に結合しており、Rはペプチドのカルボキシ末端(C末端)に結合している。
は、H、200~35000ダルトンに含まれる分子量を有するポリエチレングリコールに由来するポリマー、ならびにR-CO-(式中、Rは、C-C24アルキル、C-C24アルケニル、C-C24アルキニル、C-C24シクロアルキル、C-C24シクロアルケニル、C-C24シクロアルキニル、C-C30アリール、C-C24アラルキル、3~10員のヘテロシクリル環からなる群から選択される)、および2~24個の炭素原子および1~3個のヘテロ原子を含むヘテロアリールアルキルであって、アルキル基が1~6個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキルからなる群から選択され得る。
は、HおよびR-CO-(式中、Rは、C-C18アルキル、C-C24アルケニル、C-C24シクロアルキルからなる群、またはC-C16アルキル、C-C18アルケニル、C-Cシクロアルキルからなる群から選択される)からなる群から選択され得る。R-CO-基は、アセチル(CH-CO-、本明細書では「Ac-」と省略)、ラウロイル(CH-(CH10-CO-、本明細書では「Lau-」と省略)、ミリストイル(CH-(CH12-CO-、本明細書では「Myr-」と省略)、およびパルミトイル(CH-(CH14-CO-、本明細書では「Palm-」と省略)などのアルカノイル基を含む。
は、Hならびにアセチル、tert-ブタノイル、プレニル、ヘキサノイル、2-メチルヘキサノイル、シクロヘキサンカルボキシル、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、オレオイル、およびリノレオイルからなる群から選択され得る。
は、HおよびR-CO-(式中、Rは、C-C16アルキルまたはC-C18アルケニルからなる群から選択される)からなる群から選択され得る。
は、H、アセチル、ラウロイル、ミリストイルもしくはパルミトイルからなる群、またはH、アセチルおよびパルミトイルからなる群から選択され得る。
は、-NR-ORおよび-SRからなる群、または-NRおよび-ORからなる群(式中、RおよびRは、独立して、H、ポリエチレングリコールに由来するポリマー、C-C24アルキル、C-C24アルケニル、C-C24アルキニル、C-C24シクロアルキル、C-C24シクロアルケニル、C-C24シクロアルキニル、C-C30アリール、C-C24アラルキル、3~10員のヘテロシクリル環、および2~24個の炭素原子および1~3個のヘテロ原子を含むヘテロアリールアルキルであって、アルキル基が1~6個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキルにより形成される群から選択される)から選択され得る。任意に、RおよびRは、飽和または不飽和の炭素-炭素結合で連結され、窒素原子を有する環を形成し得る。
は、-NR、-OR、および-SR(式中、RおよびRは、独立して、H、200~35000ダルトンに含まれる分子量を有するポリエチレングリコールに由来するポリマー、メチル、エチル、ヘキシル、ドデシルおよびヘキサデシルからなる群から選択される)であり得る。RおよびRは、独立して、HおよびC-C16アルキルからなる群から選択され得る。一実施形態では、Rは、-NRまたは-OR(式中、RはHであり、Rは、H、ならびにメチル、エチル、ヘキシル、ドデシルおよびヘキサデシルを含むC-C16アルキルにより形成される群から選択される)である。例えば、Rは、-OHまたは-NHR(式中、RはHまたはCアルキル(-C13)もしくはC16アルキル(-C1633)などのC-C16アルキルである)であり得る。
は、-NRおよび-OR(式中、RおよびRは、独立して、HおよびC-C16アルキルからなる群から選択される)から選択され得る。一実施形態では、Rは、-OH、-NHおよび-NHR(式中、RはC-C16アルキルである)からなる群から選択される。Rは、-NR(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、HおよびC-C16アルキルから選択される)であり得る。Rは、Cアルキル(すなわち、-C13)またはC16アルキル(すなわち、-C1633)であり得る。Rは、C1-6アルキルであり得る。
は、HおよびR-CO-(式中、Rは、C-C18アルキル、C-C24アルケニル、C-C24シクロアルキルからなる群から選択される)からなる群から選択され得、Rは、-NRまたは-OR(式中、RおよびRは、独立して、HおよびC-C16アルキルからなる群から選択される)であり得る。一実施形態では、Rは、Hであり、Rは、HおよびC-C16アルキルにより形成される群から選択され、例えば、Rは、-OH、-NHおよび-NHR(式中、RはC-C16アルキルである)からなる群から選択される。Rは、Cアルキル(すなわち、-C13)またはC16アルキル(すなわち、-C1633)であり得る。Rは、C1-6アルキルであり得る。
は、H、ならびにアセチル、tert-ブタノイル、プレニル、ヘキサノイル、2-メチルヘキサノイル、シクロヘキサンカルボキシル、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、オレオイルおよびリノレオイルからなる群から選択され得、Rは、-NRまたは-OR(式中、RおよびRは、独立して、HおよびC-C16アルキルからなる群から選択される)であり得る。一実施形態では、Rは、Hであり、Rは、HおよびC-C16アルキルにより形成される群から選択され、例えば、Rは、-OH、-NHおよび-NHR(式中、RはC-C16アルキルである)からなる群から選択される。Rは、Cアルキル(すなわち、-C13)またはC16アルキル(すなわち、-C1633)であり得る。Rは、C1-6アルキルであり得る。
は、HおよびR-CO-(式中、Rは、C-C16アルキルまたはC-C18アルケニルからなる群から選択される)からなる群から選択され得、Rは、-NRまたは-OR(式中、RおよびRは、独立して、HおよびC-C16アルキルからなる群から選択される)であり得る。一実施形態では、Rは、Hであり、Rは、HおよびC-C16アルキルにより形成される群から選択され、例えば、Rは、-OH、-NHおよび-NHR(式中、RはC-C16アルキルである)からなる群から選択される。Rは、Cアルキル(すなわち、-C13)またはC16アルキル(すなわち、-C1633)であり得る。Rは、C1-6アルキルであり得る。
は、H、アセチル、ラウロイル、ミリストイルまたはパルミトイルからなる群から選択され得、Rは、-NRまたは-OR(式中、RおよびRは、独立して、HおよびC-C16アルキルからなる群から選択される)であり得る。一実施形態では、Rは、Hであり、Rは、HおよびC-C16アルキルにより形成される群から選択され、例えば、Rは、-OH、-NHおよび-NHR(式中、RはC-C16アルキルである)からなる群から選択される。Rは、Cアルキル(すなわち、-C13)またはC16アルキル(すなわち、-C1633)であり得る。Rは、C1-6アルキルであり得る。
は、H、アセチルまたはパルミトイルからなる群から選択され得、Rは、-NRまたは-OR(式中、RおよびRは、独立して、HおよびC-C16アルキルからなる群から選択される)であり得る。一実施形態では、Rは、Hであり、Rは、HおよびC-C16アルキルにより形成される群から選択され、例えば、Rは、-OH、-NHおよび-NHR(式中、RはC-C16アルキルである)からなる群から選択される。Rは、Cアルキル(すなわち、-C13)またはC16アルキル(すなわち、-C1633)であり得る。Rは、C1-6アルキルであり得る。
ポリエチレングリコールに由来するポリマーの最も好ましい構造は、基(-CH-CH-O)-H(式中、rは4~795の間に含まれる数である)、および基
Figure 0007200211000004
(式中、sは、1~125の間に含まれる数である)である。
本発明は、式(I)(式中、Rのうちの少なくとも1つは、Hでなく、Rは、OHでない)の化合物を提供する。換言すれば、本発明は式(I)(式中、Rは、Hでなく、かつ/またはRは、OHでない)の化合物を提供する。
本発明は、式(I)(式中、AAはMetである)の化合物を提供する。AAは、Lys、ArgおよびGlnからなる群、またはLysおよびArgからなる群から選択され得、AAはLysであり得るか、またはAAは、Argであり得る。一実施形態では、AAは、Metであり、AAは、Lys、Arg、およびGlnからなる群から選択され、AAは、LysおよびArgからなる群から選択され、AAは、Val、IleおよびLeuからなる群から選択される。一実施形態では、AAは、Metであり、AAは、LysおよびArgからなる群から選択され、AAは、LysおよびArgからなる群から選択され、AAは、Val、IleおよびLeuからなる群から選択される。一実施形態では、AAは、Metであり、AAは、Lysであり、AAは、LysおよびArgからなる群から選択され、AAは、Val、IleおよびLeuからなる群から選択される。一実施形態では、AAは、Metであり、AAは、Argであり、AAは、LysおよびArgからなる群から選択され、AAは、Val、IleおよびLeuからなる群から選択される。一実施形態では、AAは、Metであり、AAは、Argであり、AAは、Argであり、AAは、ValおよびIleからなる群から選択される。
本発明は、式(I)(式中、AAはLeuである)の化合物を提供する。AAは、Lys、ArgおよびGlnからなる群、またはLysおよびArgからなる群から選択され得、AAはLysであり得るか、またはAAは、Argであり得る。一実施形態では、AAは、Leuであり、AAは、LysおよびArgからなる群から選択され、AAは、LysおよびArgからなる群から選択され、AAは、ValおよびIleからなる群から選択される。一実施形態では、AAは、Leuであり、AAは、Lysであり、AAは、LysおよびArgからなる群から選択され、AAは、ValおよびIleからなる群から選択される。一実施形態では、AAは、Leuであり、AAは、Argであり、AAは、LysおよびArgからなる群から選択され、AAは、ValおよびIleからなる群から選択される。一実施形態では、AAは、Leuであり、AAは、Argであり、AAは、Lysであり、AAは、Ileである。
本発明は、式(I)(式中、AAはIleである)の化合物を提供する。AAは、Lys、ArgおよびGlnからなる群から選択され得るか、またはAAは、Glnであり得る。一実施形態では、AAは、Ileであり、AAは、Glnであり、AAは、Hisであり、AAは、Metである。
本発明は、式(I)(RはHであり、RはOHであり、m、n、pおよびqは、それぞれ0である)の化合物を提供し、すなわち、本発明は、式:H-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-OH(AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AAとしても書かれる)を有する化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩であって、式中、AAが、Pheであり、AAが、Trpであり、AAが、Met、Leu、およびIleからなる群から選択され、AAは、Lys、Arg、およびGlnからなる群から選択され、AAが、Argであり、AAが、Lysであり、AAが、Arg、Lys、およびHisからなる群から選択され、AAが、Val、Ile、Leu、およびMetからなる群から選択され、AAが、Proである[配列番号NO.1]、化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を提供する。上記で検討されたAA、AA、AAおよびAAの変形形態が、この実施形態にも適用される。
本発明の化合物には、各アミノ酸配列の配列識別子が詳説されている表2に列挙される化合物から選択される1つ以上の化合物、それらの立体異性体、および/またはそれらの化粧品的もしくは薬学的に許容される塩が含まれる。
Figure 0007200211000005
特に、本発明の化合物には、各アミノ酸配列の配列識別子が詳説されている表3に列挙される化合物から選択される1つ以上の化合物、それらの立体異性体、および/またはそれらの化粧品的もしくは薬学的に許容される塩が含まれる。
Figure 0007200211000006
各配列が式(I)に従う、表2および3のアミノ酸配列において、RおよびRは、それぞれHおよびOHである。本発明の化合物には、式(I)について本明細書で定義されるように、N末端およびC末端が、それぞれ、他のR基およびR基によって修飾された表2および3の配列の各々が含まれる。例えば、本発明の化合物には、C末端アミノ酸残基が、任意に、式(I)(式中、Rは、Hでない)について上記で定義したようにRで終結している(修飾されている)、表2および3の配列の各々が含まれる。また、本発明の化合物には、N末端アミノ酸残基が、任意に、式(I)(式中、Rは、OHでない)について上記で定義したようにRで終結している(修飾されている)、表2および3の配列の各々が含まれる。
したがって、本発明は、式(I)による化合物であって、配列番号1~9から選択されるアミノ酸配列である化合物、ならびにその立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を提供し、ここで、任意に、当該配列は、R(式中、RはHでない)によって修飾されているそのN末端および/またはR(式中、RはOHでない)によって修飾されているそのC末端を有する。アミノ酸配列は、配列番号2、配列番号6または配列番号8であり得る。アミノ酸配列は配列番号2であり得る。
本発明の化合物は、立体異性体または立体異性体の混合物として存在し得、例えば、これらを含むアミノ酸は、配置L-、D-を有し得るか、または互いに独立してラセミとなり得る。したがって、不斉炭素の数に応じて、および異性体または異性体混合物が存在するかに応じて、異性体混合物に加えてラセミ混合物またはジアステレオマー混合物を得るか、または純粋なジアステレオマーまたはエナンチオマーを得ることが可能である。本発明の化合物の好ましい構造は、純粋な異性体、即ち、エナンチオマーまたはジアステレオマーである。
例えば、式(I)におけるアミノ酸のうちの1つがMetであると記述されている場合、Metは、L-Met、D-Metまたはラセミもしくは非ラセミである両者の混合物から選択されることが理解される。本文書に記載されている調製手順により、当業者は、正しい配置を有するアミノ酸を選ぶことにより、本発明の化合物の立体異性体の各々を得ることができる。式(I)におけるアミノ酸は、Lアミノ酸であり得、すなわち、アミノ酸であるAA~AA、ならびにW、X、YおよびZ(W、X、YおよびZのいずれかが存在する場合)の各々は、Lアミノ酸である。
本発明の文脈において、用語「アミノ酸」には、天然であるかどうかを問わない、遺伝暗号によりコードされたアミノ酸および非コードアミノ酸が含まれる。非コードアミノ酸の例は、とりわけ、シトルリン、オルニチン、サルコシン、デスモシン、ノルバリン、4-アミノ酪酸、2-アミノ酪酸、2-アミノイソ酪酸、6-アミノヘキサン酸、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、2-アミノ安息香酸、4-アミノ安息香酸、4-クロロフェニルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、シクロセリン、カルニチン、シスチン、ペニシラミン、ピログルタミン酸、チエニルアラニン、ヒドロキシプロリン、アロイソロイシン、アロスレオニン、イソニペコチン酸、イソセリン、フェニルグリシン、スタチン、β-アラニン、ノルロイシン、N-メチルアミノ酸、α-アミノ酸およびβ-アミノ酸ならびにこれらの誘導体であるがこれらに限定されない。非天然アミノ酸のリストは、D.C.RobertsおよびF.Vellaccioによる論文「Unusual amino acids in peptide synthesis」(The Peptides,Vol.5(1983),Chapter VI,Gross E.and Meienhofer J.,Eds.,Academic Press,New York,USA)、またはこの分野に特化した会社の商用カタログに見出すことができる。
本発明の文脈において、W、X、Yおよび/またはZのうちの少なくとも1つが存在する場合、すなわち、n、m、pまたはqのうちの少なくとも1つが0でない場合、W、X、Yおよび/またはZの性質は、本発明の化合物の活性を妨害せず、むしろ、これに寄与するかまたはこれに対する効果を有さないものと理解される。一実施形態では、W、X、YおよびZは、それぞれ独立して、Ala、Val、Ileおよびグリシンからなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、m、n、pおよびqの各々は、0であり、すなわち、式(I)の化合物は、鎖に連結されている9個のアミノ酸を含むペプチドである。一実施形態では、m、n、pおよびqの合計は、1であり、すなわち、すなわち、式(I)の化合物は、鎖に連結されている10個のアミノ酸を含むペプチドである。一実施形態では、m、n、pおよびqの合計は、2であり、すなわち、すなわち、式(I)の化合物は、鎖に連結されている11個のアミノ酸を含むペプチドである。
本発明の化合物は、表4に列挙される化合物群から選択される1つ以上の化合物、それらの立体異性体および/またはそれらの化粧品的もしくは薬学的に許容される塩を含む。
Figure 0007200211000007
本発明は、式(I)による化合物であって、表4に列挙されるものから選択され、特に、PEP-1、PEP-12およびPEP-14から選択される化合物を提供する。
本発明により提供される化合物の化粧品的にまたは薬学的に許容される塩も、本発明の分野内に見出される。用語「化粧品的にまたは薬学的に許容される塩」は、動物、例えば哺乳動物、より具体的にはヒトにおけるその使用に対して一般に認められた塩を意味し、とりわけ、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛もしくはアルミニウムが挙げられるがこれらに限定されない、無機物である塩基付加塩、またはとりわけ、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アルギニン、リシン、ヒスチジンもしくはピペラジンが挙げられるがこれらに限定されない、有機物である塩基付加塩、またはとりわけ、例えば酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、安息香酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、コハク酸塩、オレイン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩もしくはグルコン酸塩が挙げられるがこれらに限定されない有機酸付加塩、またはとりわけ、例えば塩化物、硫酸塩、ホウ酸塩もしくは炭酸塩が挙げられるがこれらに限定されない無機酸付加塩の形成に使用される塩を含む。上記塩の性質は、化粧品的にまたは薬学的に許容されるのであれば、決定的に重要なものではない。本発明の化合物の化粧品的にまたは薬学的に許容される塩は、先行技術において周知の従来方法により得ることができる[Berge S.M.et al.,「Pharmaceutical Salts」,(1977),J.Pharm.Sci.,66,1-19]。
本発明の化合物の調製手順
本発明の化合物、それらの立体異性体、これらの混合物および/またはそれらの化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の合成は、固相ペプチド合成法[Stewart J.M.and Young J.D.,「Solid Phase Peptide Synthesis,2nd edition」,(1984),Pierce Chemical Company,Rockford,Illinois、Bodanzsky M.and Bodanzsky A.,「The practice of Peptide Synthesis」,(1994),Springer Verlag,Berlin、Lloyd-Williams P.et al.,「Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins」,(1997),CRC,Boca Raton,FL,USA]、溶液中での合成、酵素合成[Kullmann W.“Proteases as catalysts for enzymic syntheses of opioid peptides”,(1980),J.Biol.Chem.,255(17),8234-8238]またはこれらの任意の組合せなどの先行技術において既知の従来の方法に従って実施され得る。本発明の化合物は、合成物であり得、例えば、固層ペプチド合成によって合成され得る。また本発明の化合物は、所望の配列を産生する目的での遺伝子操作により改変されたか、もしくは改変されていない細菌株の発酵により、または所望の配列を含む遊離ペプチド断片をもたらす、動物もしくは植物起源、例えば、微生物もしくは藻類、好ましくは植物起源のタンパク質の制御された加水分解により得られ得る。
例えば、式(I)の化合物、それらの立体異性体およびこれらの混合物を得る方法は、
-保護されたN末端の端および遊離のC末端の端を有するアミノ酸を、遊離のN末端の端および保護されたかまたは固体支持体と結合したC末端の端を有するアミノ酸とカップリングすることと、
-N末端の端の保護基を除去することと、
-所望のペプチド配列が得られるまで、配列のカップリングおよびN末端の端の保護基の除去を反復することと、
-C末端の端の保護基を除去または固体支持体を開裂することとを含む。
好ましくは、C末端の端は、固体支持体と結合しており、このプロセスは、固相で行われ、したがって、保護されたN末端の端および遊離のC末端の端を有するアミノ酸を、遊離のN末端の端およびポリマー支持体と結合したC末端の端を有するアミノ酸とカップリングすることと、N末端の端の保護基を除去することと、この一連の流れを、所望の長さの化合物を得るのに必要な回数反復し、続いて最後に合成された化合物を元のポリマー支持体から開裂させることとを含む。
アミノ酸の側鎖の官能基は、合成の間、一時的または永続的な保護基により簡便に保護されて維持され、ポリマー支持体からのペプチドの開裂プロセスと同時にまたは直交的に無保護にされ得る。
あるいは、固相合成は、ポリマー支持体とペプチドとを、またはポリマー支持体に予め結合させたペプチドもしくはアミノ酸とペプチドとをカップリングする収束戦略を用いて行うことができる。収束合成戦略は、当業者に広く知られており、Lloyd-Williams P.et al.,「Convergent Solid-Phase Peptide Synthesis」,(1993),Tetrahedron,49(48),11065-11133に記載されている。
上記プロセスは、先行技術において既知の標準手順および条件を用いて、無差別的な順序でN末端およびC末端の端を脱保護するおよび/またはポリマー支持体からのペプチドを開裂する追加の段階を含むことができ、その後に、これらの端の官能基を改変することができる。N末端およびC末端の端の任意選択の改変は、ポリマー支持体に繋留された式(I)のペプチドを用いて、あるいはポリマー支持体からペプチドが分離されてから行うことができる。
任意に、適切な塩基および溶媒の存在下での求核置換反応による、本発明の化合物のN末端の端とR-X化合物との反応により、Rが導入され得、N-C結合形成に関与しない官能基を有する断片は、一時的または永続的な保護基により適切に保護される。Rは上記に定義される通りであり、Xは、脱離基、例えば限定されるものではないが、とりわけ、トシル基、メシル基およびハロゲン基である。
任意に、かつ/または更に、適切な溶媒、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)もしくはトリエチルアミンなどの塩基または1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)もしくは1-ヒドロキシアザベンゾトリアゾール(HOAt)などの添加剤、およびとりわけカルボジイミド、ウロニウム塩、ホスホニウム塩もしくはアミジニウム塩などの脱水剤の存在下での化合物HRと式(I)(式中、Rは-OHである)のペプチドに対応する相補的断片との反応により、または例えば塩化チオニルによるハロゲン化アシルの事前の形成により、Rラジカルが導入され得、これにより、式(I)の本発明によるペプチドが得られ、ここで、N-C結合形成に関与しない官能基を有する断片は、一時的または永続的な保護基により適切に保護される。代替的に、ポリマーキャリアからのペプチド開裂プロセスへの同時取り込みによって、他のRラジカルが導入され得る。Rは、-OR、-NRまたは-SR(式中、RおよびRは上記に定義される通りである)である。
当業者であれば、C末端およびN末端の端の脱保護/開裂ステップならびにそれらのその後の誘導体化が、先行技術において既知の方法に従い、異なる順序で行われ得ることを容易に理解する。
用語「保護基」は、有機官能基をブロックし、制御された条件において除去され得る基に関する。保護基、その相対的な反応性およびそれが不活性のままである条件は、当業者に既知のものである。
アミノ基の代表的な保護基の例は、とりわけ、酢酸アミド、安息香酸アミド、ピバル酸アミドなどの、アミド;ベンジルオキシカルボニル(CbzまたはZ)、2-クロロベンジル(ClZ)、パラ-ニトロベンジルオキシカルボニル(pNZ)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、2-(トリメチルシリル)エチルオキシカルボニル(Teoc)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)またはアリルオキシカルボニル(Alloc)、トリチル(Trt)、メトキシトリチル(Mtt)、2,4-ジニトロフェニル(Dnp)、N-[1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)エチル(Dde)、1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソ-シクロヘキシリデン)-3-メチル-ブチル(ivDde)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル(Adpoc)などの、カルバメート、とりわけ、好ましくはBocまたはFmocである。
カルボキシル基の代表的な保護基の例は、とりわけ、tert-ブチルエステル(tBu)、アリルエステル(All)、トリフェニルメチルエステル(Trtエステル)、シクロヘキシルエステル(cHx)、ベンジルエステル(Bzl)、オルト-ニトロベンジルエステル、パラ-ニトロベンジルエステル、パラ-メトキシベンジルエステル、トリメチルシリルエチルエステル、2-フェニルイソプロピルエステル、フルオレニルメチルエステル(Fm)、4-(N-[1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル]アミノ)ベンジルエステル(Dmab)などのエステルであり、本発明の好ましい保護基は、All、tBu、cHex、BzlおよびTrtエステルである。
三官能性アミノ酸の側鎖は、N末端およびC末端の保護基と直交的な、一時的または永続的保護基により、合成プロセスの間、保護され得る。
上述および別の保護基、その導入および除去の例は、文献に見出すことができる[Atherton B.and Sheppard R.C.,「Solid Phase Peptide Synthesis:A practical approach」,(1989),IRL Oxford University Press]。用語「保護基」には、固相合成において用いられるポリマー支持体も含まれる。
合成が固相において全体的にまたは部分的に行われる場合、本発明のプロセスにおいて使用される可能な固体支持体には、ポリスチレン支持体、ポリスチレンにグラフト化されたポリエチレングリコール、および同様のもの、例えば限定されるものではないが、p-メチルベンズヒドリルアミン樹脂(MBHA)[Matsueda G.R.et al.,「A p-methylbenzhydrylamine resin for improved solid-phase synthesis of peptide amides」,(1981),Peptides,2,45-50]、2-クロロトリチル樹脂[Barlos K.et al.,「Darstellung geschutzter Peptid-Fragmente unter Einsatz substituierter Triphenylmethyl-Harze」,(1989),Tetrahedron Lett.,30,3943-3946、Barlos K.et al.,「Veresterung von partiell geschutzten Peptid-Fragmenten mit Harzen.Einsatz von 2-Chlorotritylchlorid zur Synthese von Leu1-Gastrin I」,(1989),Tetrahedron Lett.,30,3947-3951]、TentaGel樹脂(Rapp Polymere GmbH)、ChemMatrix樹脂(Matrix Innovation、Inc)および同様のものが含まれ、これらは、5-(4-アミノメチル-3,5-ジメトキシフェノキシ)吉草酸(PAL)[Albericio F.et al.,「Preparation and application of the 5 -(4-(9-fluorenylmethyloxycarbonyl)aminomethyl-3,5-dimethoxy-phenoxy)valeric acid(PAL)handle for the solid-phase synthesis of C-terminal peptide amides under mild conditions」,(1990),J.Org.Chem.,55,3730-3743]、2-[4-アミノメチル-(2,4-ジメトキシフェニル)]フェノキシ酢酸(AM)[Rink H.,「Solid-phase synthesis of protected peptide fragments using a trialkoxy-diphenyl-methylester resin」,(1987),Tetrahedron Lett.,28,3787-3790]、[Wang S.S.,「p-Alkoxybenzyl Alcohol Resin and p-Alkoxybenzyloxycarbonylhydrazide Resin for Solid Phase Synthesis of Protected Peptide Fragments」,(1973),J.Am.Chem.Soc.,95,1328-1333]および同様のものなどの不安定リンカーを含んでいても含まなくてもよく、リンカーは、同時の脱保護およびポリマー支持体からの化合物の開裂を可能にする。
適用
本発明は、式(I)の化合物は、皮膚の概日リズムを調節するのに有効であり、この能力を使用して皮膚の美容上の特性を改善することができるという発見に部分的に基づく。特に、本発明は、皮膚におけるJARID1Aタンパク質の発現、皮膚におけるCRY2、PER2および/またPER3時計遺伝子の発現、皮膚に存在するセラミドの量、および/または皮膚の細胞膜に取り込まれるDHAの量における変動に現れる皮膚の概日リズムに関する。概日リズムに関連する皮膚の美容上の特性には、バリア機能および皮膚の水和が含まれる。本発明の化合物は、JARID1Aタンパク質の発現の増加、CRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現の増加、セラミドの量の増加、および/または皮膚の細胞膜に取り込まれるドコサヘキサエン酸(DHA)の量の増加を引き起こすことによって皮膚の概日リズムを調節すると考えられる。したがって、本発明の化合物は、皮膚におけるJARID1Aタンパク質の発現が1日の最大より低く、皮膚におけるCRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現が1日の最大より低く、皮膚に存在するセラミドの量、および/または皮膚細胞膜に取り込まれるDHAの量が、1日の最大より低い、皮膚の概日リズムの時点にある皮膚の処置に有用である。JARID1Aタンパク質の発現は、ケラチノサイトおけるJARID1Aタンパク質の発現によって示され得る。皮膚におけるCRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現は、表皮ケラチノサイトにおけるCRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現によって示され得る。皮膚の細胞膜に取り込まれるDHAの量は、皮膚におけるPC-DHA/PC比によって示され得る。
皮膚におけるJARID1Aタンパク質の発現、皮膚におけるCRY2、PER2およびPER3時計遺伝子の発現、皮膚におけるセラミドの量、ならびに皮膚の細胞膜に取り込まれるDHAの量は、早朝の皮膚において、例えば「昼前の」皮膚においてより低い。早朝の皮膚は、朝早く、すなわち標準的な起床時間、例えば、5:00~8:00の間、例えば、7:30amにおける皮膚である。昼前は、11:00~正午の間、例えば、11:30である。したがって、本発明の化合物は、「早朝の」皮膚の処置および/またはケアに有用である。したがって、一態様では、本発明の化合物は、皮膚の概日リズムを前進させるのに有効であり、本発明は、皮膚の概日リズムを前進させるか、または調節するための本発明の化合物の使用に関する。本発明の化合物は、例えば、時差ぼけまたは交代勤務により皮膚の概日リズムが変化した対象の皮膚の処置にも有用である。皮膚は、皮膚におけるJARID1Aタンパク質の発現が1日の最大より低く、皮膚におけるCRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現が1日の最大より低く、皮膚に存在するセラミドの量、および/または皮膚細胞膜に取り込まれるDHAの量が1日の最大より低くなるようにその概日リズムが変化してい得る。本発明の化合物は、高齢の対象においてPER2およびPER3時計遺伝子の発現のレベルを増加させるのに特に有効であることがわかった。したがって、本発明の化合物は、26歳より年上の対象、例えば、30歳以上、40歳以上の対象における皮膚の処置に特に有用である。対象は、50歳以上または60歳以上であり得る。
加えて、本発明の化合物は、皮膚細胞のエネルギー代謝(エネルギー産生)を増加させるのに有効であることが分かっており、したがって、皮膚に活力を与えること、ならびに、例えば、皮膚の疲労症状を軽減および/または防止することにおける用途を見出す。加えて、本発明の化合物は、皮膚の抗老化薬剤として有効であることが分かっている。したがって、本発明の化合物は、例えば、皮膚の概日リズムを前進させることができ、これにより、皮膚に活力を与える効果および抗老化効果を及ぼすと共に、早朝において皮膚に昼間の皮膚特性を提供する。昼間の皮膚特性は、日中における皮膚に関連する特性であり、これらには、皮膚のバリア機能、皮膚の水和、皮膚の微小循環および/または皮膚の色合いなどの特性が含まれ、これらは、1日の遅く、例えば、昼前の皮膚に関連する。
したがって、本発明の化合物は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の保護ならびに/または処置および/もしくはケアに特に有用である。特に、保護、処置および/またはケアは、皮膚の保護、処置および/またはケアである。本発明の文脈において、皮膚は、顔(眼周囲の皮膚を含む)、頭皮、襟足、首、上半身、腕、手、脚、足、大腿、股関節部、臀部、腹部、胴体、および局部の皮膚を含む、全身の皮膚を含む。
一態様では、本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。
使用は、化粧的、すなわち非治療的であり得る。本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩、または式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩を含む化粧品組成物の使用を提供する。
本発明は、皮膚のバリア機能を維持および/または改善するための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。本明細書において、皮膚の皮膚バリア機能は、皮膚の物理的障壁、皮膚の透過障壁、または単に皮膚バリアとも称される。このバリアは、角質層および表皮における密着結合によって提供される。バリア機能の障害は、内因性または内部の日周期修飾因子、例えば、睡眠悪化、精神的ストレスまたは年齢に起因し得る。バリア機能の障害は、例えば、皮膚からの水および電解質の喪失をもたらし得る。本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、当該処置および/またはケアが、皮膚のバリア機能の維持または改善である使用を提供する。
本発明は、皮膚の水和を維持および/または改善するための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。皮膚の皮膚水和は、日周の時間依存的パターンを示し、皮膚の水和のレベルは、1日が進むにつれて、早朝の低いレベルから改善、すなわち増加する。本明細書において、皮膚の水和は、皮膚の水和レベルまたは皮膚の加湿とも称される。したがって、本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、皮膚の当該処置および/またはケアが、皮膚の水和の維持および/または改善である使用を提供する。
本発明は、皮膚の微小循環および/または皮膚の色合いを維持および/または改善するための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。本明細書において、皮膚の微小循環は、皮膚血流とも称され、皮膚の毛細血管および細動脈などの皮膚の小血管における血流である。皮膚の微小循環は、日周の時間依存的パターンを示し、皮膚の微小循環のレベルは、1日が進むにつれて、早朝の低いレベルから改善、すなわち増加する。皮膚の色合いは、皮膚の微小循環に密接に関連し、皮膚の色合いの改善は、皮膚の微小循環の増加に関連する。したがって、本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、皮膚の当該処置および/またはケアが、皮膚の微小循環および/または皮膚の色合いの維持および/または改善である使用を提供する。
本発明は、皮膚に活力を与えるための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。皮膚に活力を与えることは、皮膚細胞のエネルギー代謝を増加させることを意味する。これは、以下の美容上の利点:皮膚の色合いを維持および/もしくは改善すること、ならびに/または皮膚における皺を予防および/もしくは低減することを有し得る。有利には、この活力を与える効果は、活性酸素種(ROS)の生成を回避する。したがって、本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、皮膚の当該処置および/またはケアが、皮膚に活力を与えることである使用を提供する。
本発明は、皮膚の疲労症状の緩和または予防のための式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。皮膚の疲労症状には、眼の下のくまの出現、肌色の悪化、皮膚の色調の喪失、および皮膚の乾燥を含まれる。したがって、本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、皮膚の当該処置および/またはケアが、皮膚の疲労症状の緩和または予防である使用を提供する。
本発明は、皮膚の老化または皮膚の老化症状の処置および/または予防のための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。皮膚の老化症状には、皮膚の皺、皮膚の乾燥、肌荒れ、皮膚の色合いの喪失および皮膚バリアの変化の処置および/または予防が含まれる。皮膚の老化症状は、皮膚の皺、皮膚の乾燥、皮膚の色合いの喪失および皮膚バリアの変化であり得る。皮膚の老化症状には、皮膚におけるミトコンドリア複合体Iの活性によって生成するROSの存在、および/または老化による皮膚におけるミトコンドリア複合体IIの活性の減少に起因する老化症状が含まれ得る。有利には、本発明の化合物は、ミトコンドリア複合体I活性の活性を減少させ、ミトコンドリア複合体IIの活性を増加させ、ヒト皮膚の線維芽細胞において無視できるほどの活性酸素種(ROS)を生じさせることが分かっている。ミトコンドリア複合体IIの活性は、皮膚において老化により減少する。更に、ミトコンドリア複合体Iは、酸化ストレスおよび老化を引き起こす細胞内ROSの重要な供給源である。これに関連して、複合体IIの活性の増加および/または複合体Iの部分阻害は、抗老化効果をもたらす。したがって、本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、皮膚の当該処置および/またはケアが、皮膚の老化症状の緩和および/または予防である使用を提供する。
本発明は、目袋の処置および/または予防のための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。本明細書において述べる目袋は、眼窩周囲の膨れ、「膨れた眼」、または眼の下のたるみとも称され得、一般に、眼の周囲、特に眼の下の組織の膨張を特徴とする。目袋は、睡眠遮断などの睡眠パターンの変化によって悪化し、一般に、クマと一緒に存在する。目袋の処置は、目袋の量を低減することを含む。目袋の予防は、目袋の出現を防止することを意味する。
本発明は、皮膚の明度を維持および/または改善するための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。皮膚の明度という用語は、当業者に周知であり、これは最も広い意味で使用される。また文献において一般に使用される代替名は、「皮膚の明るさ」または「皮膚の輝度」である。皮膚の明度は、一般に、皮膚の健常な外観に関連する。
本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、当該処置および/またはケアが、皮膚のバリア機能の維持もしくは改善、皮膚の水和の維持および/もしくは改善、皮膚の微小循環および/または皮膚の色合いの維持および/もしくは改善、皮膚の疲労症状の緩和もしくは予防、皮膚に活力を与えること、目袋の処置もしくは予防、皮膚の明度の維持もしくは改善、ならびに/または皮膚の老化症状の緩和および/もしくは予防である使用を提供する。
本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、当該処置および/またはケアが、皮膚のバリア機能の維持もしくは改善、皮膚の水和の維持および/もしくは改善、皮膚の微小循環および/または皮膚の色合いの維持および/もしくは改善、皮膚の疲労症状の緩和もしくは予防、皮膚に活力を与えること、ならびに/または皮膚の老化症状の緩和および/もしくは予防である使用を提供する。
本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、当該処置および/またはケアが、皮膚のバリア機能の維持もしくは改善、皮膚の水和の維持および/もしくは改善、皮膚の微小循環の維持および/もしくは改善、皮膚に活力を与えること、および/または皮膚の老化症状の緩和および/もしくは予防である使用を提供する。
本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、当該処置および/またはケアが、皮膚のバリア機能の維持もしくは改善、皮膚の水和の維持および/もしくは改善、皮膚に活力を与えること、および/または皮膚の老化症状の緩和および/もしくは予防である使用を提供する。
本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、当該処置および/またはケアが、上記の通りであり、当該処置および/またはケアが、早朝の皮膚の処置および/またはケアである使用を提供する。特に、皮膚の治療的な処置および/またはケアは、皮膚のバリア機能の維持もしくは改善、皮膚の水和の維持および/もしくは改善、ならびに/または皮膚の微小循環の維持および/もしくは改善であり得る。早朝の皮膚は、皮膚におけるJARID1Aタンパク質の発現が1日の最大より低く、皮膚におけるCRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現が1日の最大より低く、皮膚に存在するセラミドの量が、1日の最大より低く、かつ/または皮膚細胞膜に取り込まれるDHAの量が、1日の最大より低い、皮膚の概日リズムの時点での皮膚であり得る。
本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、当該処置および/またはケアが、上記の通りであり、当該処置および/またはケアが、概日リズムが変化した皮膚の処置および/またはケアである使用を提供する。特に、皮膚の治療的な処置および/またはケアは、皮膚のバリア機能の維持もしくは改善、皮膚の水和の維持および/もしくは改善、ならびに/または皮膚の微小循環の維持および/もしくは改善であり得る。皮膚の概日リズムは、皮膚におけるJARID1Aタンパク質の発現が1日の最大より低く、皮膚におけるCRY2、PER2および/またはPER3時計遺伝子の発現が1日の最大より低く、皮膚に存在するセラミドの量が、1日の最大より低く、かつ/または皮膚細胞膜に取り込まれるDHAの量が、1日の最大より低くなるように変化してい得る。皮膚は、例えば、時差ぼけまたは交代勤務により、概日リズムが変化した対象の皮膚であり得る。
本発明は、皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の使用であって、当該処置および/またはケアが、上記の通りであり、当該処置および/またはケアが、26歳より年上の対象、例えば、30歳以上、40歳以上の対象の皮膚の処置および/またはケアである使用を提供する。対象は、50歳以上または60歳以上であり得る。特に、皮膚の治療的な処置および/またはケアは、皮膚のバリア機能の維持もしくは改善、皮膚の水和の維持および/もしくは改善、ならびに/または皮膚の微小循環の維持および/もしくは改善であり得る。
別の態様では、本発明は、対象の皮膚、毛髪、爪および/または粘膜を処置および/またはケアする方法であって、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の有効量、または本発明の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の化粧品的もしくは薬学的に有効な量を含む組成物を当該対象に投与することを含む方法を提供する。上記方法は、本発明の化合物の適用(使用)に関して上記のように皮膚、毛髪、爪および/または粘膜を処置および/またはケアするためのものであり得る。特に、上記処置および/またはケアする方法は、皮膚を処置および/またはケアする方法である。本発明の化合物またはそれを含む組成物の投与は、局所的、例えば、経皮的であり得る。上記方法は、化粧的であり非治療的な方法または治療法であり得る。
一実施形態では、本発明は、対象の皮膚、毛髪、爪および/または粘膜を処置および/またはケアする化粧的であり非治療的な方法であって、本発明の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の化粧品的に有効な量、または本発明の化合物、その立体異性体および/もしくはその化粧品的に許容される塩の化粧品的に有効な量を含む化粧品組成物を当該対象に投与することを含む方法を提供する。本発明の化合物は、化粧品組成物、例えば、本明細書に記載の化粧品組成物中に存在し得る。上記化粧的であり非治療的な方法は、本発明の化合物の化粧的であり非治療的な方法適用(使用)に関して上記したように皮膚、毛髪、爪および/または粘膜を処置および/またはケアするためのものであり得る。
本発明の上記した方法について、局所または経皮適用は、イオントフォレシス、ソノフォレーシス、エレクトロポレーション、機械的圧力、浸透圧勾配、閉塞治療、マイクロインジェクション、圧力による無針注射、微小電気パッチ、フェイスマスクまたはこれらの任意の組合せにより実施され得る。
本発明の上記した方法について、適用または投与頻度は、各対象の必要に応じて大幅に変動し得るが、推奨される適用は、月1回~1日10回、好ましくは週1回~1日4回、より好ましくは週3回~1日2回、更により好ましくは1日1回である。本発明の化合物または本発明の化合物を含む組成物の適用または投与は、早朝に行われ得る。
一態様では、本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらを含む医薬組成物を提供する。本発明は、疾患または障害を処置または予防するための薬剤を製造するための、式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその薬学的に許容される塩の使用も提供する。一態様では、本発明は、疾患または障害を治療する方法であって、式(I)の化合物、その立体異性体および/もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらを含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
本発明の組成物
本発明の化合物は、本発明の化合物を含有する組成物の形態で、本発明の化合物と対象の身体、好ましくは哺乳動物、好ましくはヒトの身体における作用部位との間に接触を引き起こす任意の手段によって、本発明の化合物を適用するために投与され得る。
別の態様では、本発明は、式(I)による化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を含む化粧品組成物または医薬組成物を提供する。特に、本発明は、式(I)による化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的に許容される塩を含む化粧品組成物を提供する。
本発明の組成物は、通常、少なくとも1つの化粧品的または薬学的に許容される賦形剤またはアジュバントを含む。特に、本発明は、少なくとも1つの化粧品的に許容される賦形剤またはアジュバントと共に、式(I)による化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的に許容される塩を含む化粧品組成物を提供する。これらの組成物は、当業者に既知の従来の手段により調製され得る[「Harry’s Cosmeticology」,Seventh edition,(1982),Wilkinson J.B.,Moore R.J.,ed.Longman House,Essex,GB]。
本発明の化合物は、そのアミノ酸配列、またはN末端および/またはC末端におけるいずれかの可能な改変の性質に応じて、水への可変の溶解度を有する。したがって、本発明の化合物は、水溶液により組成物に組み込まれ得、水に可溶性でない本発明の化合物は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコールもしくはポリエチレングリコールまたはこれらのいずれかの組み合わせなどが挙げられるがこれらに限定されない、化粧品的にまたは薬学的に許容される従来の溶媒に可溶化され得る。
本発明の組成物は、本発明の化合物の化粧品的または薬学的(治療的)に有効な量を含有する。投与すべき本発明の化合物の化粧品的にまたは薬学的に有効な量ならびにその投与量は、年齢、患者の状況、処置および/またはケアされる状態、障害または疾患の性質または重症度、投与の経路および頻度ならびに使用される化合物の特定の性質を含む多数の因子に依存する。
用語「化粧品的に有効な量」および「薬学的に有効な量」は、所望の効果をもたらすための本発明の化合物(単数または複数)の非毒性であるが十分な量を意味すると理解される。用語「薬学的に有効な」および「治療的に有効な」は、本明細書において互換的に使用される。本発明の化合物は、本発明の化粧品組成物または医薬組成物において所望の効果を達成するための化粧品的にまたは薬学的に有効な濃度で、例えば、組成物の総重量に対して0.00000001重量%~20重量%、0.000001重量%~15重量%、0.00001重量%~10重量%、0.00005重量%~5重量%、0.00005重量%~1重量%、0.00005重量%~0.1重量%、0.00005重量%~0.05重量%、0.00005重量%~0.01重量%、0.00005重量%~0.005重量%、0.0005重量%~0.01重量%、または0.0005重量%~0.005重量%で使用される。本発明の化合物は、組成物の総重量の少なくとも0.00000001、0.000001、0.00001、0.00005、または0.0005重量%であり得る。
式(I)の化合物、その立体異性体、これらの混合物および/またはその化粧品もしくは薬学的に許容される塩は、化粧品もしくは医薬品送達系および/または持続放出系にも組み込まれ得る。
用語「送達系」は、本発明の化合物と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤またはキャリアに関する。これらの化粧品または医薬品キャリアは、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、ミネラルオイル、ゴマ油、ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、エーテル硫酸塩、硫酸塩、ベタイン、グリコシド、マルトシド、脂肪アルコール、ノノキシノール、ポロキサマー、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、デキストロース、グリセロール、ジギトニンおよび同様のものが挙げられるがこれらに限定されない石油、動物、植物または合成起源のものを含む水、油または界面活性剤などの、液体であり得る。当業者であれば、本発明の化合物を投与することができる様々に異なる送達系において使用され得る希釈剤、アジュバントまたは賦形剤を知っている。
用語「持続放出」は、ある期間、好ましくは、必ずしもその必要はないが、ある期間にわたり相対的に一定の化合物放出レベルである化合物の漸進的放出をもたらす、この化合物の送達系に関する従来の意味で用いられる。
送達または持続放出系の例として、添加して活性成分(principle)のより優れた浸透を達成および/またはその薬物動態および薬力学的特性を改善することができる、リポソーム、混合型リポソーム、オレオソーム(oleosome)、ニオソーム(niosome)、エトソーム(ethosome)、ミリ粒子(milliparticle)、マイクロ粒子、ナノ粒子および固体脂質ナノ粒子、ナノ構造脂質キャリア、スポンジ、シクロデキストリン、小胞、ミセル、界面活性剤の混合型ミセル、界面活性剤-リン脂質混合型ミセル、ミリスフェア(millisphere)、マイクロスフェアおよびナノスフェア、リポスフェア(liposphere)、ミリカプセル(millicapsule)、マイクロカプセルおよびナノカプセル、ならびにマイクロエマルションおよびナノエマルション(nanoemulsion)が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい送達または持続放出系は、リポソーム、界面活性剤-リン脂質混合型ミセル、マイクロエマルション、より好ましくは、逆ミセルの内部構造を有する油中水型マイクロエマルションおよびマイクロエマルションを含有するナノカプセルである。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物ならびにクリーム、エマルジョン、ゲル、リポソーム、ナノ粒子、および軟膏からなる群から選択される化粧品的または薬学的に許容される担体を含む化粧品組成物または医薬組成物を提供する。
持続放出系は、先行技術において既知の方法により調製され得、例えば、接着性パッチ、非接着性パッチ、密封パッチおよび微小電気パッチ(microelectric patch)を含む局所または経皮投与により、あるいは全身投与により、これを含有する組成物が投与され得、例えば、経鼻、直腸もしくは皮下植え込みもしくは注射または特異的身体部分への直接的な植え込みもしくは注射を含む経口または非経口経路が挙げられるがこれらに限定されず、好ましくは、持続放出系は、本発明の化合物の相対的に一定の含量を放出するべきである。持続放出系に含有される化合物の量は、例えば、組成物が投与される場所、本発明の化合物の放出の動態および持続時間ならびに処置および/またはケアされる状態、障害および/または疾患の性質に依存する。
本発明の化合物は、とりわけ、タルク、ベントナイト、シリカ、デンプンまたはマルトデキストリンなどが挙げられるがこれらに限定されない、固体有機ポリマーまたは固体無機物支持体に吸着され得る。
式(I)の化合物、その立体異性体、それらの混合物、および/またはそれらの化粧品的もしくは薬学的に許容される塩を含有する組成物は、皮膚と直接接触する織物(fabric)、不織布および医療デバイスに組み込まれ得、これにより、本発明の化合物は、身体の水分、皮膚のpHまたは体温による、織物、不織布もしくは医療デバイスへの結合系の生分解によってか、または織物、不織布もしくは医療デバイスと身体との間の摩擦によってのいずれかに関わらず、放出される。更に、本発明の化合物は、身体と直接接触する衣類の作製に用いられる織物および不織布に組み込まれ得る。
上記の送達系および/または持続放出系であるものの中で、織物、不織布、衣類、医療デバイスおよびそれらに化合物を固定化するための手段の例は、文献に見出すことができ、これは先行技術において既知のものである[Schaab C.K.(1986)HAPPI May 1986;Nelson G.,「Application of microencapsulation in textiles」,(2002),Int.J.Pharm.,242(1-2),55-62、「Biofunctional Textiles and the Skin」(2006)Curr.Probl.Dermatol.v.33,Hipler U.C.and Elsner P.,eds.S.Karger AG,Basel,Switzerland、Malcolm R.K.et al.,「Controlled release of a model antibacterial drug from a novel self-lubricating silicone biomaterial」,(2004),J.Cont.Release,97(2),313-320]。好ましい織物、不織布、衣類および医療デバイスは、絆創膏、ガーゼ、tシャツ、靴下、タイツ、下着、ガードル、手袋、おむつ、生理用ナプキン、包帯材、ベッドカバー(bedspread)、拭き取り材(wipe)、接着性パッチ、非接着性パッチ、密封パッチ、微小電気パッチおよび/またはフェイスマスクである。
本発明の化合物、その立体異性体、これらの混合物および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を含有する化粧品組成物または医薬組成物は、局所または経皮適用の様々に異なる種類の組成物において使用され得、当該組成物は、所望の投与形態の製剤化に必要な化粧品的にまたは薬学的に許容される賦形剤を必要に応じて含む。
局所または経皮適用のための組成物は、任意の固体、液体または半固体製剤に製造され得、その例として、リーブオン型およびリンスオフ型製剤を含む、クリーム、水中油および/または水中シリコーン型エマルション、油中水および/またはシリコーン中水型エマルション、水/油/水または水/シリコーン/水型エマルションおよび油/水/油またはシリコーン/水/シリコーン型エマルションなどが挙げられるがこれらに限定されない多重エマルション、無水組成物、水性分散物、油、ミルク、バルサム、泡状物、ローション、ジェル、クリームジェル、ハイドロアルコール(hydroalcoholic)溶液、ハイドログリコール(hydroglycolic)溶液、ハイドロゲル、リニメント、血清(sera)、石鹸、シャンプー、コンディショナー、血清、多糖フィルム、軟膏、ムース、ポマード、パウダー、バー、ペンシルならびにスプレーまたはエアロゾル(スプレー)などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの局所または経皮適用製剤は、当業者に既知の技法を用いて、例えば、絆創膏、ガーゼ、Tシャツ、靴下、タイツ、下着、ガードル、手袋、おむつ、生理用ナプキン、包帯材、ベッドカバー、拭き取り材、接着性パッチ、非接着性パッチ、密封パッチ、微小電気パッチまたはフェイスマスクが挙げられるがこれらに限定されない様々に異なる種類の固体アクセサリーに組み込まれ得、あるいは、とりわけ、フルイドファンデーションおよびコンパクトファンデーションなどのメイクアップファンデーション、メイクアップ落としローション、メイクアップ落としミルク、アンダーアイコンシーラー、アイシャドウ、リップスティック、リッププロテクター(lip protector)、リップグロスおよびパウダーなどの、様々に異なるメイクアップ製品に組み込まれ得る。
本発明の化粧品組成物または医薬組成物には、例えば、とりわけ、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤、アゾン(1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン)、アルコール、尿素、エトキシジグリコール、アセトン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールが挙げられるがこれらに限定されない、本発明の化合物の経皮吸収を増加させる剤が含まれ得る。更に、本発明の化粧品組成物または医薬組成物は、イオントフォレシス、ソノフォレーシス、エレクトロポレーション、微小電気パッチ、機械的圧力、浸透圧勾配、閉塞治療(occlusive cure)、マイクロインジェクションもしくは酸素圧による注射などの圧力による無針注射またはこれらのいずれかの組み合わせにより、処置される局部区域に適用して、本発明のペプチドのより優れた浸透を達成することができる。適用区域は、処置および/またはケアされる状態、障害および/または疾患の性質により決定される。
一実施形態では、本発明の化粧品組成物または医薬組成物は、化粧品(化粧道具およびモイスチャライザーを含む)および衛生製品(クレンジング製品を含む)に通常含有される化学的刺激物を含有する。化学的刺激物は、皮膚に刺激を引き起こす化学物質を意味する。したがって、本発明の化粧品組成物または医薬組成物は、界面活性剤、酸化剤、溶媒、防腐剤、脂肪酸もしくはアルコール、化学的日焼け止め、エトキシル化化合物および他のホルムアルデヒド放出剤、香料、ならびに/またはケミカルピーリング剤から選択される1つ以上の化学物質を含有し得る。一実施形態では、本発明の化粧品組成物または医薬組成物は、1つ以上の界面活性剤を含有する。
更に、式(I)の化合物、その立体異性体、それらの混合物および/またはそれらの化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を含有する化粧品組成物は、経口投与のための異なる種類の製剤において、好ましくは、経口化粧品または薬物の形態、例えば限定されないが、ゼラチンカプセル、軟カプセル、硬カプセルを含むカプセル、糖衣錠を含む錠剤、錠剤、丸剤、散剤、顆粒、チューインガム、溶液、懸濁物、エマルション、シロップ、エリキシル剤、多糖フィルム、ゼリーまたはゼラチンおよび当業者に既知の他のいずれかの形態で使用され得る。特定の実施形態では、本発明の化合物は、いずれかの形態の機能性食品または強化食品に組み込まれ得、その例として、ダイエタリーバーまたはコンパクトパウダーもしくは非コンパクトパウダーなどが挙げられるがこれらに限定されない。これらの粉末は、水、ソーダ、乳製品、ダイズ派生製品に溶解され得るか、またはダイエタリーバーに組み込まれ得る。本発明の化合物は、経口組成物または栄養補助食品のための一般的な賦形剤およびアジュバントと共に配合され得、例えば、食品業界において一般的な脂肪構成成分、水性構成成分、保水剤、保存料、食感改良剤(texturizing agent)、香味料、芳香、抗酸化剤および着色料が挙げられるがこれらに限定されない。
式(I)の化合物、その立体異性体、それらの混合物および/またはそれらの化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩を含有する化粧品組成物または医薬組成物は、局所または経皮経路に加えて、経口または非経口経路などの、他のいずれかの適当な経路により投与され得、そのため、当該組成物は、所望の投与形態の製剤に必要な薬学的に許容される賦形剤を含む。本発明の文脈において、用語「非経口」には、鼻、耳、眼、直腸、尿道、腟、皮下、皮内経路、静脈内、筋肉内、眼内、硝子体内、角膜内、脊髄内、髄内、頭蓋内、頸管内、脳内、髄膜内(intrameningeal)、関節内、肝内、胸腔内、気管内、くも膜下腔内および腹腔内などの血管内注射、ならびに別のいずれかの同様の注射または注入技法が含まれる。当業者であれば、本発明の化合物を含有する化粧品組成物または医薬組成物を投与することができる様々に異なる手段を知っている。当業者は、本発明の化合物を含有する化粧品組成物または医薬組成物が投与され得る異なる手段を知っている。
本発明に記載されている化粧品組成物または医薬組成物に含有される化粧品的または薬学的に許容されるアジュバントの中には、化粧品組成物または医薬組成物において一般に使用される追加の成分、例えば限定されるものではないが、皮膚のバリア機能を改善するかもしくは回復させる他の剤、天然の皮膚マイクロバイオームを保護する剤、細胞のエネルギー代謝を改善する剤、ミトコンドリア機能を改善もしくは保護する剤、抗疲労剤、ノクターニン調節剤、ミトコンドリア代謝を促進する剤、アディポネクチン放出を増強する剤、細胞間コミュニケーションを促進する剤、皮膚細胞のコネキシンを増加させる剤、皮膚の自己複製を促進する剤、皮膚の肥厚性瘢痕を防止する剤、DNA保護剤、DNA修復剤、幹細胞保護剤、表皮幹細胞プールを再活性する剤、ニューロンの開口分泌を阻害する剤、抗コリン作用剤、筋収縮を阻害する剤、抗老化薬剤、抗皺剤、制汗剤、抗炎症剤および/もしくは鎮痛剤、抗そう痒剤、沈静化剤、麻酔剤、アセチルコリン受容体凝集の阻害剤、アセチルコリンエステラーゼの阻害剤、皮膚緩和剤、メラニン合成刺激剤もしくは阻害剤、ホワイトニング剤もしくは脱色素剤、色素沈着促進剤、セルフタンニング剤、NOシンターゼ阻害剤、5α-還元酵素阻害剤、リシルおよび/もしくはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、抗酸化剤、フリーラジカルスカベンジャーおよび/もしくは大気汚染に対する剤、反応性カルボニル種スカベンジャー、抗グリケーション剤、解毒剤、抗ヒスタミン剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、乳化剤、皮膚軟化剤、有機溶媒、液体噴霧剤、皮膚コンディショナー、保水剤、水分を保持する物質、αヒドロキシ酸、βヒドロキシ酸、保湿剤、表皮加水分解酵素、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、色素もしくは着色剤、染料、バイオポリマー、ゲル化ポリマー、増粘剤、界面活性剤、柔軟剤、乳化剤、結合剤、保存料、目の下の隈を減少させるもしくは処置することができる剤、角質除去剤、角質溶解剤、剥落剤、抗菌剤、抗真菌剤、静真菌剤、殺菌剤、静菌剤、真皮もしくは表皮高分子の合成を刺激し、そして/またはそれらの分解を阻害もしくは防止することができる剤、コラーゲン合成刺激剤、エラスチン合成刺激剤、デコリン合成刺激剤、ラミニン合成刺激剤、デフェンシン合成刺激剤、シャペロン合成刺激剤、cAMP合成刺激剤、AQP-3をモジュレートする剤、アクアポリン合成刺激剤、アクアポリンファミリーのタンパク質、ヒアルロン酸合成刺激剤、グリコサミノグリカン合成刺激剤、フィブロネクチン合成刺激剤、サーチュイン合成刺激剤、サーチュイン活性化剤、熱ショックタンパク質、熱ショックタンパク質合成刺激剤、脂質および角質層の成分の合成を刺激する剤、セラミド、脂肪酸、コラーゲン分解を阻害する剤、カルバミル化を防止もしくは低減する剤、リジルヒドロキシラーゼ調節剤、コラーゲン繊維の架橋を改善する剤、マトリックスメタロプロテイナーゼを阻害する剤、エラスチン分解を阻害する剤、セリンプロテアーゼ、例えばカリクレイン、エラスターゼもしくはカテプシンを阻害する剤、線維芽細胞増殖を刺激する剤、ケラチノサイト増殖を刺激する剤、脂肪細胞増殖を刺激する剤、メラノサイト増殖を刺激する剤、ケラチノサイト分化を刺激する剤、脂肪細胞分化を刺激するもしくは遅延させる剤、抗過角化症剤、コメド溶解剤(comedolytic agent)、抗乾癬剤、安定剤、敏感肌の処置および/もしくはケアのための剤、ファーミング剤(firming agent)、抗ストレッチマーク剤(anti-stretch mark agent)、結合剤、皮脂産生を調節する剤、脂肪分解剤もしくは脂肪分解を刺激する剤、脂肪生成剤、PGC-1α発現をモジュレートする剤、PPARγの活性をモジュレートする剤、脂肪細胞のトリグリセリド含有量を増加もしくは低下させる剤、抗セルライト剤、PAR-2の活性を阻害する剤、治癒を刺激する剤、コアジュバント治癒剤(coadjuvant healing agent)、再上皮化を刺激する剤、コアジュバント再上皮化剤、サイトカイン増殖因子、毛細管循環および/もしくは微小循環に作用する剤、新脈管形成を刺激する剤、血管透過性を阻害する剤、静脈強壮剤(venotonic agent)、細胞代謝に作用する剤、真皮-表皮接合部を改善するための剤、発毛を誘導する剤、発毛阻害または遅延剤、抜け毛を遅延させる剤、保存料、芳香剤、化粧用および/もしくは吸収用および/もしくは体臭マスキング用デオドラント、キレート剤、植物エキス、エッセンシャルオイル、海産物エキス、生物工学的プロセスから得られる剤、ミネラル塩、細胞エキス、日焼け止めならびに紫外Aおよび/もしくはB光線および/もしくは赤外A光線に対し活性を有する有機もしくはミネラル光防護剤、またはこれらの混合物であり、ただし、これらは、組成物の構成成分の残り、特に本発明の化合物と物理的かつ化学的に適合性であることを条件とする。更に、これらの追加の成分の性質は、本発明の化合物の利益を受け入れ難いほど変更するべきではない。これらの追加の成分の性質は、植物エキスなど、合成であっても天然であり得、または生物工学的プロセスに、もしくは合成手順および生物工学的プロセスの組合せに由来し得る。追加の例は、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook,12th Edition(2008)に見出すことができる。本発明の文脈において、生物工学的プロセスは、生物またはその一部において活性成分またはその一部を産生する任意のプロセスであると理解される。
一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、ならびに(i)湿潤剤、水分を保持する物質、モイスチャライザーおよび緩和剤により形成される化粧品または薬学的アジュバントの群から選択される化合物、油またはワックス、(ii)抗浮腫特性を有し、血管透過性/微小循環を改善する化合物、(iii)細胞のエネルギー代謝を改善するか、細胞の活性化状態を復活、活性化、増加させるか、または細胞におけるエネルギーレベルもしくはATP生成を増加させる化合物、(iv)クマの出現、疲労の特徴、顔色の悪さ、色調の喪失、および乾燥を改善する、皮膚状態を改善するための抗疲労特性を有する化合物、または皮膚の外観および活力を改善する剤、(v)反応性カルボニル種スカベンジャー、フリーラジカルスカベンジャーならびに/または抗グリコシル化剤、解毒剤、抗酸化物質および/もしくは抗汚染剤、(vi)皮膚のバリア機能を改善する化合物、または経皮水分損失(TEWL)の低減によって皮膚の乾燥を防止する剤、または皮膚の細胞層の完全性を保護する剤、または脂質バリアまたは防御皮膚バリアを改善する剤、ならびに(vii)ミトコンドリア複合体の活性の調節により抗老化効果をもたらすか、加齢によるミトコンドリア機能を改善するか、またはミトコンドリア複合体IIの活性の増強により皮膚の老化から保護するか、もしくはミトコンドリア複合体Iの活性を低下させることができる化合物からなる群から選択される1つ以上のアジュバントの薬学的または化粧品的に有効量を含む化粧品組成物または医薬組成物を提供する。
本発明の化粧品組成物または医薬組成物は、湿潤剤、水分を保持する物質、モイスチャライザーおよび皮膚軟化剤、例えば限定されるものではないが、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール、ペンチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコールおよびその誘導体、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセレス-26、ソルベス-30などのポリオールおよびポリエーテル;パンテノール;ピログルタミン酸およびその塩もしくは誘導体;セリン、プロリン、アラニン、グルタミン酸もしくはアルギニンなどのアミノ酸;エクトインおよびその誘導体;N-(2-ヒドロキシエチル)アセトアミド;ピロリドンカルボン酸(PCA);N-ラウロイル-ピロリドンカルボン酸;N-ラウロイル-L-リジン;N-α-ベンゾイル-L-アルギニン;尿素;クレアチン;乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸もしくはサリチル酸およびその塩などのα-およびβ-ヒドロキシ酸;ポリグリセリルアクリレート;グルコース、混合異性化糖(isomerate saccharide)、ソルビトール、ペンタエリトリトール、イノシトール、キシリトール、ソルビトール、トレハロースおよびその誘導体、グルクロン酸ナトリウム、カラギーナン(Chondrus crispus)もしくはキトサンなどの糖および多糖;ヒアルロン酸およびその誘導体などのグリコサミノグリカン;いずれかの形態のアロエベラ;ハチミツ;可溶性コラーゲン;レシチンおよびホスファチジルコリン;セラミド;コレステロールおよびそのエステル;トコフェリル酢酸またはトコフェリルリノール酸などのトコフェロールおよびそのエステル;セテアリルアルコール、ステアリンアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、イソセチルアルコール、もしくはオクタデカン-2-オルなどの長鎖アルコール;乳酸ラウリル、酢酸ミリスチル、もしくはC12-C15息香酸アルキルなどの長鎖アルコールエステル;ステアリン酸、イソステアリン酸またはパルミチン酸などの脂肪酸;多価不飽和脂肪酸(PUFA);ジステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン;リシノレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリン、クエン酸ステアリン酸グリセリル、もしくはカプリル酸トリグリセリドおよびカプリン酸トリグリセリドなどのグリセリド;パルミチン酸サッカロースまたはオレイン酸サッカロースなどのサッカロースエステル;ジカプリル酸およびジカプリン酸などのブチレングリコールエステル;イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシ、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジn-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ココア酸2-エチルヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチルなどの脂肪酸エステル;スクワレン;ミンク油;ラノリンおよびその誘導体;アセチル化ラノリンアルコール;シクロメチコン、ジメチコンもしくはジメチルポリシロキサンなどのシリコーン誘導体;Lipotec/Lubrizolにより販売されるAntarcticine(登録商標)marine ingredient[INCI:水(Aqua)、Pseudoalteromonas Ferment発酵エキス、カプリリルグリコール]、Xpertmoist(登録商標)molecular film[INCI:グリセリン、Pseudoalteromonas Ferment発酵エキス、キサンタンガム、プロリン、アラニン、セリン、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール]、Bodyfensine(登録商標)peptide[INCI:アミノヘキサン酸アセチルジペプチド-3]、Hyadisine(登録商標)marine ingredient[INCI:Pseudoalteromonas Ferment発酵エキス]、もしくはDiffuporine(登録商標)peptide[INCI:アセチルヘキサペプチド-37];Alban Mullerにより販売されるAmiporine(登録商標)ER[INCI:グリセリン、Punica Granatum果実エキス]、HPS3(登録商標)[INCI:Padina Pavonica葉状体エキス]、もしくはPhytoamine Biocomplexe[INCI:Symphytum Officinaleエキス、Plantago Ovata種子エキス、加水分解コムギタンパク、グルタミン、プロリン、ロイシン、セリン];Aqua Bio Technologyにより販売されるDermaclarine(商標)[INCI:加水分解卵タンパク、プロテアーゼ];Arch/Lonzaにより販売されるBio-Plex NMF[INCI:PCA-Na、乳酸、乳酸ナトリウム、尿素、コラーゲンアミノ酸]、DermaFlux(登録商標)[INCI:尿素、酵母アミノ酸、トレハロース、イノシトール、タウリン、ベタイン]、もしくはReGeniStem(商標)Red Rice[INCI:オゾン化Oryza Sativa(イネ)カルス培養エキス];Lucas Meyer Cosmetics/Unipexにより販売されるHydralphatine(商標)Asia[INCI:加水分解水添デンプン、パンテノール、Bambusa Vulgarisたけのこエキス、Nelumbo Nucifera花エキス、Nymphaea Alba根エキス]、Hydriame(登録商標)[INCI:グリコサミノグリカン、スクレロチウムガム]、Hydraporine(商標)[INCI:ベタイン、水添レシチン、ハチミツ、ペクチン]、もしくはExo-H(商標)[INCI:Alteromonas発酵エキス];BASFにより販売されるPatcHO(商標)[INCI:トレハロース、尿素、セリン、ポリアクリル酸グリセリル、アルギン、ヒアルロン酸ナトリウム、プルラン];BioSpectrumにより販売されるCellike[INCI:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、水添ホスファチジルコリン、Butyrospermum Parkii(シア)脂油、フィトステロール、カプリル酸グリセリル、セラミドNP];Chemyunionにより販売されるAquasense(登録商標)[INCI:Piptadenia Colubrina果皮エキス];CLRにより販売されるDayMoist(商標)CLR[INCI:加水分解コーンスターチ、Beta Vulgaris(ビート)根エキス];Codifにより販売されるHydranov[INCI:カラギーナンNa、海塩]、もしくはHydrasalinol[INCI:Salicornia Herbaceaエキス、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル];Coletica/Engelhard/BASFにより販売されるMarine Filling Spheres(商標)[INCI:テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、ジメチルシリル化シリカ、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アテロコラーゲン];Evonikにより販売されるHyaCare(登録商標)[INCI:ヒアルロン酸ナトリウム]もしくはSkinmimics(登録商標)[INCI:セテアレス-25、セチルアルコール、ベヘン酸、コレステロール、セラミドNP、セラミドNS、セラミドEOS、セラミドEOP、セラミドAP、カプロオイルフィトスフィンゴシン、カプロオイルスフィンゴシン];Doosanにより販売されるDS-Sphyngomielin M[INCI:スフィンゴ脂質];DSMにより販売されるSyn-Up(商標)[INCI:酢酸ベンジルスルフォニルD-セリルホモフェニルアラニンアミジノベンザミド];Laboratoires Expanscienceにより販売されるAqualicia(登録商標)[INCI:加水分解Acacia Macrostachya種子エキス]もしくはSoline(登録商標)[INCI:Helianthus Annuus(ヒマワリ)種子油不けん化物];Exsymolにより販売されるArct´Alg(登録商標)[INCI:Chondrus Crispusエキス]もしくはGlistin(登録商標)[INCI:グルタミルアミドエチルインドール];Ganeden Biotechにより販売されるBonicel(商標)[INCI:Bacillus発酵物];Gattefosseにより販売されるGatuline(登録商標)Renew[INCI:Cryptomeria Japonica芽エキス];Greentechにより販売されるBiotilys(登録商標)[INCI:Lactobacillus培養溶解質];Infinitecにより販売されるAqua Shuttle[INCI:ソルビトール、Laminaria Digitataエキス、珪藻土];Vincience/ISP/Ashlandにより販売されるAquarize(商標)IS[INCI:加水分解コメエキス]もしくはAqua-Osmoline(商標)[INCI:Ceratonia Siliqua(イナゴマメ)種子エキス];L.Serobiologiques/Cognis/BASFにより販売されるAqu´activ(商標)[INCI:ベヘニルアルコール、オレイン酸グリセリル、コカミドMIPA]、Hibiscin(登録商標)HP[INCI:Hibiscus Esculentus種子エキス]、Hyalurosmooth(登録商標)[INCI:Cassia Angustifolia種子多糖体]、Indinyl(登録商標)CA[INCI:Cassia Angustifolia種子多糖体]、Irwinol(登録商標)[INCI:オクチルドデカノール、Irvingia Gabonensis核脂、水添ココグリセリル]、Lipodermol(登録商標)[INCI:オクチルドデカノール、プロピオン酸アラキジル、トコフェリル酢酸、パルミチン酸レチノール、リノール酸エチル、リノレン酸エチル]もしくはSeanamin(登録商標)SU[INCI:ソルビトール、アルゲエキス、Chrondrus Crispus(カラギーナン)、Fucus Vesiculosusエキス、アルギン];Lipochemicalsにより販売されるLipocare HA/EC[INCI:ヒアルロン酸ナトリウム、エキナシン];Lipoid Kosmetikにより販売されるHydro-Gain(商標)[INCI:カノーラ油、水添レシチン、Opuntia Ficus-Indica種子油、Betula Alba樹皮エキス];Merckにより販売されるRonaCare(登録商標)RenouMer[INCI:アルゲエキス];Mibelleにより販売されるAquaCacteen[INCI:Opuntia Ficus-Indica茎エキス]、Snow Algae Powder[INCI:Coenochloris Signiensisエキス]、もしくはTrimoist KMF[INCI:ステアロイル乳酸Na、セチルアルコール、野菜油/植物油、トコフェリル酢酸、Glycine Soja(ダイズ)ステロール、カルボキシメチル-β-グルカンNa、乳酸ナトリウム、カルノシン、乳酸];Pentapharm/DSMにより販売されるAlpaflor(登録商標)Nectapure[INCI:Thymus Vulgaris(タイム)花/葉エキス、Buddleja Davidiiエキス]、Hyasol BT[INCI:ヒアルロン酸ナトリウム]、Pentavitin(登録商標)[INCI:混合異性化糖]、もしくはPhytaluronate(登録商標)[INCI:Ceratonia Siliqua(イナゴマメ)ガム];Provitalにより販売されるHy
dromanil[INCI:加水分解Caesalpinia Spinosaガム、Caesalpinia Spinosaガム];Aquarich(登録商標)[INCI:Avena Strigosa種子エキス]、CellActive(登録商標)-Hydro[INCI:Pyrus Malus(Apple)果実エキス、ペクチン、Chlorella Vulgaris/Lupinus Albusタンパク発酵物]、CellActive(登録商標)-Men[INCI:タウリン、Chlorella Vulgaris/Lupinus Albusタンパク発酵物、Acanthopanax Senticosus(エゾウコギ)根エキス]、Hydractin(登録商標)-LMF[INCI:Polypodium Vulgare根茎エキス、Cetraria Islandica(アイスランドゴケ)葉状体エキス、Sphagnum Magellanicumエキス]、Rahnにより販売されるMyramaze(登録商標)[INCI:Myrothamnus Flabellifoliaエキス、アスコルビン酸]、もしくはReforcyl(登録商標)[INCI:グルタミン、デシルグルコシド、フェネチルアルコール、Cistus Incanus花/葉/茎エキス、Gynostemma Pentaphyllum葉/茎エキス];Sederma/Crodaにより販売されるAqualance(商標)[INCI:エリトリトール、ホマリンHCl]、Hydraprotectol(商標)[INCI:ポリメタクリル酸グリセリル、アロイリット酸、酵母エキス(Faex)、糖タンパク質]、Moist 24(商標)[INCI:Imperata Cylindrica根エキス]、Optim Hyal(商標)[INCI:加水分解酵母エキス、セチルヒドロキシエチルセルロース、ポリグルクロン酸]、Osmocide(登録商標)4[INCI:グリセリン、(アクリレーツ/C10-30アクリル酸アルキル)クロスポリマー]、Renovage(商標)[INCI:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、テプレノン]、Revidrate(商標)[INCI:パルミチン酸エチルヘキシル、オレイン酸ソルビタン、ラウリン酸ソルビタン、ミリスチルリンゴ酸ホスホン酸]、Subliskin(商標)[INCI:Sinorhizobium Meliloti培養液、セチルヒドロキシエチルセルロース];Seppicにより販売されるAquaxyl(商標)[INCI:キシリチルグルコシド無水キシリトール、キシリトール]もしくはSepicalm(商標)S[INCI:ココイルアミノ酸Na、サルコシン、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム];Silabにより販売されるCohesium(登録商標)[INCI:Ophiopogon Japonicus根エキス];Solianceにより販売されるHydreis[INCI:加水分解β-グルカン]、Hydrintense[INCI:Porphyridium Cruentumエキス]もしくはRenovHyal[INCI:ヒアルロン酸ナトリウム];Symriseにより販売されるSymLift(商標)[INCI:トレハロース、β-グルカン、Hordeum Vulgare種子エキス、ヒアルロン酸ナトリウム];ペトロラタム;鉱油;鉱ろうおよび合成ろう;蜜蝋(cera alba);パラフィン;または植物起源の油および蝋、例えば、とりわけ、カンデリラ蝋(トウダイグサ属cerifera)、カルナウバ蝋(Copernicia cerifera)、シアバター(Butirospermum parkii)、ココアバター(Theobroma cacao)、ヒマシ油(Ricinus communis)、ひまわり油(Helianthus annuus)、オリーブ油(Olea europaea)、ヤシ油(Cocos nucifera)、パーム油(Elaeis guineensis)、コムギの胚種油(Triticum vulgare)、甘扁桃油(Prunus amygdalus dulces)、ジャコウバラ種子油(Rosa moschata)、ツルマメ油(Glycine soja)、ブドウ種子油(Vitis vinifera)、キンセンカ油(Calendula officinalis)、ホホバ油(Simmonsis chinensis)、マンゴー油(Mangifera indica)、アボカード油(Persea gratissima)、ならびに/またはこれらの混合物により形成される化粧品的または薬学的アジュバントの群から選択される少なくとも1つの化合物、油またはワックスの化粧品的または薬学的に有効な量を含み得る。
本発明の組成物は、例えば限定されるものではないが、とりわけ、Lipotec/Lubrizolにより販売されるEyedeline(商標)marine ingredient[INCI:ブチレングリコール、水(Aqua)、プランクトンエキス]、Eyeseryl(登録商標)peptide[INCI:水(Aqua)、ブチレングリコール、アセチルテトラペプチド-5];Provitalにより販売されるLegactif[INCI:Ruscus Aculeatus根エキス、Citrus Limon(レモン)果皮エキス、Solidago Virgaurea(アキノキリンソウ)エキス];Sederma/Crodaにより販売されるLegance(商標)[INCI:Zingiber Zerumbetエキス]およびEyeliss[INCI:ヘスペリジンメチルカルコン、ジペプチド-2、パルミトイルテトラペプチド-7];Greentechにより販売されるSilidine(登録商標)[INCI:Prophyridium Cruentum滲出液];L.Serobiologiques/Cognis/BASFにより販売されるBiophytex[INCI:エスシン、Ruscus Aculeatus根エキス、グリチルリチン酸アンモニウム、Centella Asiaticaエキス、加水分解酵母タンパク、Calendula Officinalis花エキス];Gattefosseにより販売されるCytobiol Lumin-Eye[INCI:ナイアシンアミド、Franxius Excelsior樹皮エキス、シラントリオール・クエン酸カリウム];DSMにより販売されるRegu(登録商標)-Age[INCI:加水分解コメタンパク、オキシドレダクターゼ、Glycine Soja(ダイズ)タンパク];Active Conceptsにより販売されるAC Dermapeptide Warming PF[INCI:Lactobacillus/Capsicum Frutescens果実発酵エキス、Leuconostoc/ダイコン根発酵液];および/またはこれらの混合物から選択される、抗浮腫特性を有し、血管透過性/微小循環を改善する少なくとも1つの更なる化合物を含み得る。
本発明の化粧品組成物または医薬組成物は、例えば限定されるものではないが、とりわけ、Ashlandにより販売されるChondricare(商標)IS biofunctional[INCI:水、プロパンジオール、ヘキサペプチド-42];DSMにより販売されるPepha(登録商標)-ctive[INCI:水、アルゲエキス]もしくはRevitalin(登録商標)PF[INCI:糖タンパク質、グルタミン酸、バリン、トレオニン];Sedermaにより販売されるChronodyn(商標)[INCI:Euglena Gracilisエキス、グリセリン];Seppicにより販売されるSepitonic(商標)M3[INCI:アスパラギン酸マグネシウム、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅];Naolysにより販売されるOvernightEnhance[MJ+C][INCI:Mirabilis jalapaカルスエキス];Ashlandにより販売されるSignaline(商標)S[INCI:Olea Europea(オリーブ)果実油、Simmondsia Chinensis(ホホバ)種子エキス];および/またはこれらの混合物から選択される、細胞のエネルギー代謝を改善するか、細胞の活性化状態を復活、活性化、増加させるか、または細胞におけるエネルギーレベルもしくはATP生成を増加させる少なくとも1つの化合物の化粧品的または薬学的に有効な量を含み得る。
本発明の組成物は、例えば限定されるものではないが、とりわけ、Lipotec/Lubrizolにより販売されるVilastene(商標)functional ingredient[INCI:水(Aqua)、リジン塩酸塩、レシチン、カプリリルグリコール、フェノキシエタノール、トリペプチド-10、シトルリン、カルボマー、水酸化ナトリウム]もしくはdGlyage(登録商標)functional ingredient[INCI:水(Aqua)、プロパンジオール、リジン塩酸塩、レシチン、フェノキシエタノール、トリペプチド-9シトルリン];Solianceにより販売されるStimulHyal[INCI:ケトグルコン酸カルシウム];Rahnにより販売されるCellActive(登録商標)V.I.P.[INCI:Aqua、Chlorella Vulgaris/Lupinus Albusタンパク発酵物、Ananas Sativus果汁、Rosmarinus Officinalisエキス];Sedermaにより販売されるChronodyn(商標)[INCI:Euglena Gracilisエキス、グリセリン];Silabにより販売されるCircagenyl(登録商標)[INCI:Lindera strychnifolia根エキス];Hallstarにより販売されるLife Oleobooster(登録商標)[INCI:Brassica Campestris種子油(および)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3(および)Stevia Rebaudianaエキス(および)Cistus Monspeliensisエキス];および/またはこれらの混合物から選択される更なる少なくとも1つの、クマの出現、疲労の特徴、顔色の悪さ、色調の喪失、および乾燥を改善する、皮膚状態を改善するための抗疲労特性を有する化合物、または皮膚の外観および活力を改善する剤を含み得る。
本発明の組成物は、例えば限定されるものではないが、とりわけ、カルノシンおよびその誘導体、Vincience/ISP/Ashlandにより販売されるGHK[INCI:トリペプチド-1]、Quintescine IS[INCI:Dipeptide-4]もしくはBlumilight(商標)Biofunctional[INCI:水/Aqua(および)ブチレングリコール(および)Theobroma Cacao(ココア)種子エキス];Atrium Innovations/Lucas Meyer Cosmeticsにより販売されるMelitane[INCI:デキストラン、アセチルヘキサペプチド-1]、Homeoxy[INCI:Enteromorpha Compressa、Palmaria Palmataエキス]、もしくはLanatellis[INCI:Chrysantellum Indicumエキス、Camellia Sinensis葉エキス]、またはExo-P(商標)[INCI:水(ならびに)ブチレングリコール(ならびに)Alteromonas培養液];CLRにより販売されるProtectan[INCI:Lactococcus培養溶解質];Codifにより販売されるPhycosaccharide[INCI:加水分解アルギン、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン]もしくはAlgowhite[INCI:Ascophyllum Nodosumエキス];Pentapharm/DSMにより販売されるPreregen[INCI:Glycine Soja(ダイズ)タンパク、オキシドレダクターゼ]、Edelweiss GC[INCI:Leontopodium Alpinumエキス]、Lipogard[INCI:スクアラン、ユビキノン]、Nectapure[INCI:Buddleja Davidiiエキス、Thymus Vulgarisエキス]、Alpaflor Nectapure[INCI:Buddleja Davidiiエキス、Thymus Vulgarisエキス]、もしくはDismutin-BT[INCI:スーパーオキシドディスムターゼ];Evonik Goldschmidtにより販売されるTEGO Turmerone[INCI:Curcuma Longaエキス];Expanscience Laboratoiresにより販売されるHierogaline[INCI:Triticum Vulgare(コムギ)胚芽油不けん化物、Sesamum Indicum(ゴマ)油不けん化物];Exsymolにより販売されるGlistin[INCI:グルタミルアミドエチルインドール]、Glutrapeptide[INCI:ピログルタミルアミドエチルインドール]、Algisium C[INCI:マンヌロン酸メチルシラノール]、Silysinシトシン[INCI:リシンシラントリオール]、Exsy-Arl[INCI:プロリンアミドエチルイミダゾール]、もしくはOTZ-10[INCI:オキソチアゾリジン];Gattefosseにより販売されるGatuline Skin-Repair Bio[INCI:Onopordum Acanthium花/葉/茎エキス];Preventhelia(登録商標)peptide[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド-33]、Aldenine(登録商標)functional ingredient[INCI:加水分解コムギタンパク、加水分解ダイズタンパク、トリペプチド-1]、Lipochroman(登録商標)synthetic molecule[INCI:ジメチルメトキシクロマノール]、Lipotec/Lubrizolにより販売されるThermostressine(登録商標)peptide[INCI:アセチルテトラペプチド-22]、Bodyfensine(登録商標)peptide[INCI:アミノヘキサン酸アセチルジペプチド-3]、もしくはPollushield(商標)functional ingredient[INCI:アジピン酸ジイソプロピル、レシチン、(アクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)コポリマー、ジメチルメトキシクロマノール、キサンタンガム];Greentechにより販売されるSetiline[INCI:加水分解Trigonella Foenum-Graecum種子エキス]もしくはPhytoBioactive Soliberine[INCI:Aqua、プロパンジオール、Buddleja Officinalis花エキス];BASFにより販売されるSunactyl[INCI:マンニトール、Pisum Sativumエキス、ヒスチジン塩酸塩、アルギニン、シクロデキストリン、デキストリン、酵母エキス、アセチルチロシン、ピリドキシン塩酸塩、Khaya Senegalensis樹皮エキス、ニコチンアミド、アデニンジヌクレオチド、コハク酸二ナトリウム、アスパラギン酸]、Imidinyl[INCI:Tamarindus Indica種子多糖体]、Phystrogene[INCI:Malva Sylvestris(ゼニアオイ)エキス、キサンタンガム]、もしくはPurisoft[INCI:Moringa Pterogysperma種子エキス];Mibelle Biochemistryにより販売されるAquaCacteen[INCI:Opuntia Ficus Indica茎エキス]、Trimoist(KMF)[INCI:ステアロイル乳酸Na、セチルアルコール、植物油、トコフェリル酢酸、Glycine Sojaステロール、乳酸ナトリウム、カルボキシメチル-β-グルカンNa、カルノシン]、MelanoBronze[INCI:Vitex Agnus Castusエキス(セイヨウニンジンボク果実エキス(フィトエンドルフィン))、アセチルチロシン]、CM-Glucan[INCI:カルボキシメチル-β-グルカンNa]、SunActin[INCI:Helianthus Annuus(ヒマワリ)芽エキス、トコフェロール、レシチン]、GSP-T skin[INCI:PEG-40水添ヒマシ油、Vitis Vinifera(ブドウ)種子エキス]、もしくはDetoxophane[INCI:Lepidium Sativum芽エキス、レシチン];Sederma/Crodaにより販売されるBacocalmine[INCI:PEG-8、Bacopa Monnieraエキス、ヒドロキシエチルセルロース]、Kombuchka[INCI:(Saccharomyces/Xylinum)/紅茶培養物、ヒドロキシエチルセルロース]、Citystem[INCI:グリセリン、Marrubium Vulgareエキス]、もしくはProdizia[INCI:Albizia Julibrissinエキス];Seppicにより販売されるExtramel C[INCI:ヒドロキシプロピルトリモニウムマルトデキストリンクロスポリマー、Cucumis Melo(メロン)果実エキス];Silabにより販売されるDefensine[INCI:Triticum Vulgare胚芽エキス]、Antiglyskin[INCI:Helianthus Annuus種子エキス]、Apolluskin(登録商標)[INCI:Taraxacum officinale(タンポポ)エキス]、もしくはDetoxyl(登録商標)[INCI:水、ブチレングリコール、Butyrospermum parkii(シア脂油)油粕エキス];Sinergiaにより販売されるATP 23[INCI:アゼロイルテトラペプチド-23];Solabiaにより販売されるGlycofilm[INCI:ビオサッカリドガム-4];AC Cinnamon Liposome[INCI:水、Cinnamomum Cassia樹皮エキス、リン脂質、Lactobacillus発酵液]、AC Moisturezyme Protect[INCI:Citrus Sinensis(オレンジ)果実エキス、Aloe Barbadensis葉エキス]、ACB Mushroom Extract SM PF[INCI:Lactobacillus/Ganoderma Lucidum(霊芝)エキス/Lentinus Edodes(シイタケ)エキス培養液およびactobacillus発酵液]、ACBオリーブ葉エキスPF[INCI:Lactobacillus/オリーブ葉発酵エキス]、ACB Purslane Bioferment PF[INCI:Lactobacillus/Portulaca Oleracea発酵エキス、Leuconostoc/ダイコン根発酵液]、ACB Tomato Bioferment PF[INCI:Lactobacillus/トマト果実発酵エキス、Leuconostoc/ダイコン根発酵液]、もしくはActive Conceptsにより販売されるAC Royal Jelly Extract[INCI:ブチレングリコール、10-ヒドロキシデカン酸、セバシン酸、1,10-デカンジオール];Biolie.により販売されるCitruskin[INCI:Citrus Reticulata果実エキス、プロパンジオール]もしくはParadisyl[INCI:Citrus Citrus Paradisi果実エキス、プロパンジオール];ID Bioにより販売されるSens´flower[INCI:プロパンジオール、Aqua、Crocus Sativus花エキス、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム];Crodaromにより販売されるCrodarom Elfe Flower[INCI:グリセリン、Aqua、Epimedium Grandiflorum]もしくはPhytessence Peach Flower[INCI:グリセリン、Aqua、Prunus Persica花エキス];Provitalにより販売されるLingostem[INCI:Aqua、グリセリン、Vaccinium Vitis-Idaea果実エキス、キサンタンガム、安息香酸ナトリウム、クエン酸、グルコノラクトン、グルコン酸カルシウム];Naturexにより販売されるPeppermint LG[INCI:グリセリン、Aqua、Mentha Piperita葉エキス];RAHNにより販売されるRadicare[INCI:Aqua、Melissa Officinalis葉エキス];Naolysにより販売されるRefine Ginger[INCI:Zingiber Officinale葉細胞エキス];Spech-chemにより販売されるSpechwhite 02[INCI:アスコルビルグルコシド]もしくはSpechwhite 04[INCI:フェニルエチルレゾルシノール];および/またはこれらの混合物により形成される群からの反応性カルボニル種スカベンジャー、フリーラジカルスカベンジャーならびに/または抗グリコシル化剤、解毒剤、抗酸化物質および/もしくは抗汚染剤を更に含み得る。
本発明の組成物は、例えば限定されるものではないが、とりわけ、Lipotec/Lubrizolにより販売されるFensebiome(商標)peptide[INCI:アセチルヘプタペプチド-4]、Antarcticine(登録商標)marine ingredient[INCI:水(Aqua)、Pseudoalteromonas Ferment発酵エキス、カプリリルグリコール]、もしくはDelisens(商標)peptide[INCI:ブチレングリコール、水(Aqua)、クエン酸、アセチルヘキサペプチド-49];Silabにより販売されるIndufence(登録商標)[INCI:Alisma plantago-aquaticaエキス]、Vederine(登録商標)[INCI:Cichorium intybus(チコリ)根エキス]、Pro-Lipiskin(登録商標)[INCI:Pichia Anomalaエキス]、もしくはNerenyl(登録商標)[INCI:糖水解物];CLRにより販売されるProRenew Complex[INCI:Lactococcus培養溶解質]もしくはPhytoDefense CLR(商標)[INCI:Glycine Soja(ダイズ)油、ジカプリリルエーテル、Magnolia Grandiflora樹皮エキス、ラウリルアルコール];Lonzaにより販売されるProSynergen(商標)DF[INCI:Lactobacillus/Ulkenia amoeboidea発酵エキス液]もしくはNAB(登録商標)Rhodiola Extract[INCI:Rhodiola Rosea根エキス];Evonikにより販売されるSkinmimmics(登録商標)[INCI:セテアレス-25、グリセリン、セチルアルコール、ベヘン酸、コレステロール、セラミドNP、セラミドNS、セラミドEOS、セラミドEOP、セラミドAP、カプロオイルフィトスフィンゴシン、カプロオイルスフィンゴシン];Mibelleにより販売されるPytoCellTec(商標)Alp Rose[INCI:Rhododendron Ferrugineum葉培養細胞エキス、イソマルト、レシチン、安息香酸ナトリウム、乳酸、Aqua/水]もしくはMAXnolia[INCI:Magnolia Officinalis樹皮エキス、Vitis Vinifera/Vitis Vinifera(ブドウ)種子エキス、トコフェロール];Ashlandにより販売されるStratixyl(商標)[提案INCI:Aqua/水、グリセリン、加水分解トウモロコシタンパク];Induchemにより販売されるRubixyl(登録商標)[提案INCI:グリセリン、水、ヘキサペプチド];Infinitecにより販売されるThe Skin Maker(登録商標)[INCI:パルミトイルヘプタペプチド-27、パルミトイルオリゴペプチド-78、(乳酸/グリコール酸)コポリマー、ポリビニルアルコール、パルミトイルオクタペプチド-24];Sederma/Crodaにより販売されるVenuceane(商標)[INCI:Thermus Thermophillus発酵液]もしくはCalmosensine(商標)[INCI:アセチルジペプチド-1セチル]もしくはPacifeel(商標)[INCI:Mirabilis Jalapaエキス];Provitalにより販売されるAquaxtrem(商標)[INCI:Rheum Rhaponticum根エキス]もしくはPolyplant(登録商標)Epithelizing(Provital)[INCI:Calendula Officinalis、Hypericum Perforatum、Chamomilla Recutita、Rosmarinus Officinalis];L.Serobiologiques/Cognis/BASFにより販売されるCytokinol(登録商標)LS 9028[INCI:加水分解カゼイン、加水分解酵母タンパク、リジン塩酸塩]もしくはSkinasensyl(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-15];BASFにより販売されるSymbiocell(商標)[INCI:Cestrum Latifoliumのエキス]もしくはDeliner(登録商標)[INCI:Zea May(トウモロコシ)穀粒エキス];Alpaflor(登録商標)Imperatoria AO[INCI:Peucedanum Ostruthium葉エキス]もしくはPentapharm/DSMにより販売されるOXY 229-BT[INCI:Saccharomyces溶解質];Lucas Meyerにより販売されるDrieline(商標)[INCI:加水分解水添デンプン、酵母エキス];Gattefosseにより販売されるGatuline(登録商標)Derma-Sensitive[INCI:ミリスチン酸オクチルドデシル、Capparis Spinosa果実エキス]もしくはNeoskin(商標)[INCI:Mimosa Tenuiflora樹皮エキス];Symriseにより販売されるSymPeptide(商標)222[INCI:ミリストイルペンタペプチド-8]、SymSitive(登録商標)1609[INCI:4-t-ブチルシクロヘキサノール]、SymPeptide(商標)225[INCI:ミリストイルペンタペプチド-11]、もしくはSymPeptide(商標)230[INCI:ミリストイルヘキサペプチド-4];Atriumにより販売されるNeutrazen(商標)[INCI:デキストラン、パルミトイルトリペプチド8];Institut Europeen de Biologie Cellulaireにより販売されるMeliprene(登録商標)[INCI:デキストラン、アセチルヘプタペプチド1];および/またはこれらの混合物から選択される、皮膚のバリア機能を改善する化合物、または経皮水分損失(TEWL)の低減によって皮膚の乾燥を防止する剤、または皮膚の細胞層の完全性を保護する剤、または脂質バリアまたは防御皮膚バリアを改善する剤を更に含み得る。
本発明の組成物は、例えば限定されるものではないが、とりわけ、Ashlandにより販売されるPeptide Q10(商標)Biofunctional[INCI:トリフルオロ酢酸ペンタペプチド-34]もしくはDynachondrine(商標)ISR[INCI:グリセリン、加水分解ダイズタンパク、水、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム];Induchemにより販売されるNeodermyl(登録商標)[INCI:グリセリン、水、メチルグルコシドリン酸、(リシン/プロリン)銅];Lucas Meyerにより販売されるRiboxyl(商標)[INCI:リボース];Sedermaにより販売されるJuvinity(商標)[INCI:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ゲラニルゲラニルプロパノール];Gelymaにより販売されるSEAVIE(登録商標)[INCI:水、Fucus serratusエキス];CODIFにより販売されるEARLY BOOST PA[INCI:グリセリン、水、Jania rubensエキス、カラギーナンNa、フェネチルアルコール];Lipotrueにより販売されるSIRTALICE(商標)[INCI:Bacillus発酵物];および/またはこれらの混合物から選択される、ミトコンドリア複合体の活性の調節により抗老化効果をもたらすか、加齢によるミトコンドリア機能を改善するか、またはミトコンドリア複合体IIの活性の増強により皮膚の老化から保護するか、もしくはミトコンドリア複合体Iの活性を低下させることができる少なくとも1つの化合物を更に含み得る。
本発明の組成物は、見出し「適用」以下に上記した適用または使用のいずれかにおいて使用するためのものであり得る。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示される。
一般方法
全ての試薬および溶媒は、合成品質であり、いかなる追加の処理も行わずに使用される。
略語
アミノ酸に使用される略語は、Eur.J.Biochem.(1984)138:9-37に概説される、1983年IUPAC-IUB生化学的命名法に関する共同委員会の推奨に従う。
(R)、樹脂;2-ClTrt-(R)、2-クロロトリチル樹脂;Ac、アセチル;AcOH、酢酸;Ala、アラニン;AM、2-[4-アミノメチル-(2,4-ジメトキシフェニル)]フェノキシ酢酸;Arg、アルギニン;Asn、アスパラギン;Asp、アスパラギン酸;Boc、tert-ブチルオキシカルボニル;DCM、ジクロロメタン;DIEA、N,N’-ジイソプロピルエチルアミン;DIPCDI、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド;DMF、N,N-ジメチルホルムアミド;ESI-MS、エレクトロスプレーイオン化質量分析;Fmoc、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル;Gln、グルタミン;Glu、グルタミン酸;Gly、グリシン;His、ヒスチジン;HOBt、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC、高速液体クロマトグラフィー;Ile、イソロイシン;KOH、水酸化カリウム;Leu、ロイシン;Lys、リシン;MBHA、p-メチルベンズヒドリルアミン;MeCN、アセトニトリル;MeOH、メタノール;Met、メチオニン;Myr、ミリストイル;Palm、パルミトイル;Pbf、2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル;Pro、プロリン;Ser、セリン;tBu、tert-ブチル;TFA、トリフルオロ酢酸;Thr、トレオニン;Trt、トリチル;Val、バリン。
化学合成
全ての合成プロセスは、多孔性ポリエチレンディスクが装着されたポリプロピレンシリンジにおいて行う。全ての試薬および溶媒は、合成品質であり、いかなる追加の処理も行わずに使用する。溶媒および可溶性試薬を、サクションによって除去する。Fmoc基を、ピペリジン-DMF(2:8、v/v)(1×1分間、1×5分間、5mL/g樹脂)を用いて除去する[Lloyd-Williams P.et al.(1997)「Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins」 CRC,Boca Raton (FL,USA)]。脱保護、カップリングおよび再度の脱保護段階の間の洗浄を、毎回10mL溶媒/gの樹脂を使用してDMF(3×1分間)により行う。カップリング反応を、3mL溶媒/gの樹脂を用いて実施する。カップリングの制御を、ニンヒドリン試験[Kaiser E.et al.,Anal.Biochem.(1970),34:595-598]またはクロラニル試験[Christensen T.,ActaChem.Scand.,(1979),33B,763-766]の実施により行う。全ての合成反応および洗浄を、25℃で行う。
一部のアミノ酸は、それらの官能基の側鎖が保護された状態で使用される。使用される保護基は、以下の通りである:
・アミノ酸のLysおよびTrpについてBoc(tert-ブチルオキシカルボニル);
・アミノ酸のArgについてPbf(2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル);および
・アミノ酸のGlnおよびHisについてTrt(トリチル)。
HPLCクロマトグラフィー分析を、30℃に温度自動調節された(thermostatized)逆相カラム(50×4.6mm、Kromasil C18、3.5μm、Akzo Nobel、スウェーデン)を使用してShimadzu装置(日本、京都)により行う。溶出を、流速1.6mL/分で水(+0.1%TFA)中のアセトニトリル(+0.07%TFA)の勾配を使用して行い、検出を、220nmにて行う。エレクトロスプレーイオン化質量分析を、WATERS Alliance ZQ 2000検出器において、移動相としてMeCN:HOが4:1(+0.1%TFA)の混合物を使用して流速0.3mL/分で行う。
実施例1
H-AA-O-2-ClTrt-(R)(式中、AAは、L-Proである)の取得。
重量は、正規化された。0.83当量のDIEAが添加された20mLのDCMに溶解した、3.2mmol(1当量)のFmoc-L-Pro-OHを、1.6mmol/gの官能基が付与された乾燥2-クロロトリチル樹脂(3.2mmol)にカップリングさせる。混合物を5分間撹拌し、その後、1.63当量のDIEAを添加する。この混合物を40分間反応させる。残留する塩素基を、2mLのMeOHで処理することによってブロックする。
実施例2
Fmoc-AA-AA-AA3-AA-AA-AA-AA-AA-AA-O-2-ClTrt-(R)(式中、AAは、L-Pheであり、AAは、L-Trpであり、AAは、L-Metであり、AAは、L-Lysであり、AAは、L-Argであり、AA6は、L-Lysであり、AAiは、Argであり、AAiは、L-Valであり、AAは、L-Proである)の取得。
重量は、正規化された。1.19mmol/g(0.09mmol)の官能基が付与された76mgのH-L-Pro-O-2-Cl-Trt樹脂を、一般方法に記載のようにして洗浄する。記載されているプロトコールに従い、5当量のFmoc-Val-OH(Fmoc-AA-OH)を、5.5当量のDIPCDIおよび5当量のHOBtの存在下で、DMFを溶媒として使用してペプチジル樹脂に60分間カップリングさせる。
次いで、一般方法に記載のようにして樹脂を洗浄し、Fmoc基の脱保護処理を繰り返して、次のアミノ酸をカップリングさせる。既に記載されているプロトコールに従い、5当量のFmoc-L-Arg(Pbf)-OH(Fmoc-AA-OH)を、5.5当量のDIPCDIおよび5当量のHOBtの存在下で、DMFを溶媒として使用してペプチジル樹脂に60分間カップリングさせる。次いで、一般方法に記載のようにして樹脂を洗浄し、Fmoc基の脱保護処理を繰り返して、次のアミノ酸をカップリングさせる。既に記載されているプロトコールに従い、カップリング、洗浄、および脱保護のステップを繰り返して、5当量のFmoc-L-Lys(Boc)-OH(Fmoc-AA-OH);5当量のFmoc-L-Arg(Pbf)-OH(Fmoc-AA-OH);5当量のFmoc-L-Lys(Boc)-OH(Fmoc-AA-OH);5当量のFmoc-L-Met-OH(Fmoc-AA-OH);および5当量のFmoc-L-Trp(Boc)-OH(Fmoc-AA-OH);5当量のFmoc-L-Phe-OH(Fmoc-AA-OH)を、それらの各々のカップリングステップ中、5当量のHOBtおよび5.5当量のDIPCDIの存在下で順次カップリングする。
合成の後、ペプチジル樹脂をDCMで洗浄する(3×1分間)。
表5に示す全てのペプチドは、この実施例に記載のプロトコールに従って合成され得る。
Figure 0007200211000008
実施例3
Fmoc-W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA6-AA-AA-AA-Y-Z-AM-MBHA-(R)(式中、AAは、L-Pheであり、AAは、L-Trpであり、AAは、L-Metであり、AAは、L-Lysであり、AAは、L-Argであり、AA6は、L-Lysであり、AAは、Argであり、AAは、L-Valであり、AAは、L-Proであり、m、n、pおよびqは、各々0である)の取得。
重量は、正規化された。Fmoc基を除去するために、記載されている一般プロトコールに従って、0.51mmol/gの官能基を付与された240mg(0.12mmol)のFmoc-AM-pMBHA樹脂を、ピペリジン:DMFで処理する。5当量のFmoc-L-Pro-OH(Fmoc-AA-OH)を、5.5当量のDIPCDIおよび5当量のHOBtの存在下で、DMFを溶媒として使用して、脱保護された樹脂に1時間取り込ませる。
次いで、一般方法に記載のようにして樹脂を洗浄し、Fmoc基の脱保護処理を繰り返して、次のアミノ酸をカップリングさせる。既に記載されているプロトコールに従い、5当量のFmoc-Val-OH(Fmoc-AA-OH);およびその後5当量のFmoc-L-Arg(Pbf)-OH(Fmoc-AA-OH);5当量のFmoc-L-Lys(Boc)-OH(Fmoc-AA-OH);5当量のFmoc-L-Arg(Pbf)-OH(Fmoc-AA-OH);5当量のFmoc-L-Lys(Boc)-OH(Fmoc-AA-OH);5当量のFmoc-L-Met-OH(Fmoc-AA-OH);5当量のFmoc-L-Trp(Boc)-OH(Fmoc-AA-OH);最後に5当量のFmoc-L-Phe-OH(Fmoc-AA-OH)を、各カップリングステップにおいて5当量のHOBtおよび5.5当量のDIPCDIの存在下で順次カップリングさせる。
合成の後、ペプチジル樹脂をDCMで洗浄する(3×1分間)。
表6に示す全てのペプチドは、この実施例に記載のプロトコールに従って合成され得る。
Figure 0007200211000009
実施例4
FmocN末端保護基の除去の一般的方法。
実施例1、2および3で得られたペプチジル樹脂のN末端Fmoc基を、一般方法に記載のようにして脱保護する(DMF中20%ピペリジン、1×1分間+1×5分間)。ペプチジル樹脂をDMF(5×1分間)、DCM(3×1分間)、ジエチルエーテル(3×1分間)で洗浄し、真空下で乾燥させる。
実施例5
実施例4で得られたペプチジル樹脂にRパルミトイル基を導入する方法。
DMF(1mL)に予め溶解させた180mg(0.7mmol;5当量)または154mg(0.6mmol、5当量)のパルミチン酸を、107mg(0.7mmol;5当量)または92mg(0.6mmol、5当量)のHOBtおよび127μlのDIPCDI(0.77mmol;5.5当量)または102μlのDIPCDI(0.66mmol、5.5当量)の存在下で、実施例4で得られた、それぞれ0.14mmolまたは0.12mmolのペプチジル樹脂の各々に添加する。混合物を3時間反応させ、その後、樹脂をDMF(3×1分間)、DCM(3×1分間)、ジエチルエーテル(3×1分間)で洗浄し、真空下で乾燥させる。
実施例6
実施例4で得られたペプチジル樹脂にRアセチル基を導入する方法。
実施例4で得られた0.12mmolまたは0.14mmolのペプチジル樹脂を、2mLのDMFを溶媒として使用して、25当量のDIEAの存在下で25当量の無水酢酸により処理する。混合物を30分間反応させ、その後、樹脂をDMF(3×1分間)、DCM(3×1分間)、ジエチルエーテル(3×1分間)で洗浄し、真空下で乾燥させる。
実施例7
実施例4、5および6で得られたペプチジル樹脂のポリマー支持体からの開裂方法。
実施例4、5および6で得られた乾燥ペプチジル樹脂の各々を、撹拌下で、3mLのTFA:HO(95:5、v/v)で室温にて2時間処理する。次いで、それを多孔性ポリエチレンディスクを装着したポリプロピレンシリンジを通して濾過する。20mLの冷ジエチルエーテル上に濾液を収集し、10mLジエチルエーテルで5回洗浄する。最終沈殿物を真空下で乾燥させる。
一般式:R-W-X-AA-AA-AA3-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-OHまたはR-W-X-AA-AA-AA3-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-NH(式中、RはH、アセチルまたはパルミトイルであり、m、n、pおよびqは、各々0である)のペプチドが、この方法に従って得られる。
O(+0.1%TFA)中のMeCN(+0.07%TFA)の勾配での得られたペプチドのHPLC分析は、全ての場合において80%を超える純度を示す。得られたペプチドの正体を、ESI-MSにより確認する。
実施例8
ポリマー支持体からの開裂方法およびR置換アミンによる官能基付与:H-W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-NH-(CH-CHの取得(式中、AAは、L-Pheであり、AAは、L-Trpであり、AAは、L-Metであり、AAは、L-Lysであり、AAは、L-Argであり、AAは、L-Lysであり、AAは、L-Argであり、AAは、L-Valであり、AAは、結合またはL-Proであり、m、n、pおよびqは、各々0である)。
完全に保護された側鎖を有するペプチドH-W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-OHを、KOHの存在下で真空下で既に乾燥させておいた、実施例4で得られた299mgのペプチジル樹脂H-W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-O-2-ClTrt-(R)を処理することによって得る。2.03mlのAcOHで2時間処理し、液相を濾過により分離する。濾液を収集し、次いで、樹脂を1mlのAcOH(1×1分間)で洗浄する。全ての液相を合わせ、凍結乾燥させる。
0.03mmolの得られた粗ペプチドをフラスコに入れて秤量し、3当量のヘキシルアミン、HOBtおよび2mlの無水DMFを添加する。4当量のDIPCDIを添加し、磁気撹拌下で47℃にて反応させる。反応は、初期生成物が消失するまでHPLCによりモニターされ、2~4時間後に完了する。溶媒を蒸発乾固させ、DCMで2回共蒸発させる。得られた残留物を、4mLのTFA:HO(95:5、v/v)の混合物に溶解させ、室温で2時間反応させる。30mLの冷ジエチルエーテルを添加し、沈殿物をジエチルエーテルで2回洗浄する。残留物をHO中のMeCNの混合物(v/v)に溶解させ、凍結乾燥させる。
O(+0.1%TFA)中のMeCN(+0.07%TFA)の勾配での得られたペプチドのHPLC分析は、全ての場合において80%を超える純度を示す。得られたペプチドの正体を、ESI-MSにより確認する。
実施例9
ポリマー支持体からの開裂方法およびR置換アミンによる官能基付与:H-W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-NH-(CH15-CH(式中、AAは、L-Pheであり、AAは、L-Trpであり、AAは、L-Metであり、AAは、L-Lysであり、AAは、L-Argであり、AAは、L-Lysであり、AAは、L-Argであり、AAは、L-Valであり、AAは、結合またはL-Proであり、m、n、pおよびqは、各々0である)の取得。
完全に保護された側鎖を有するペプチドH-W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-OHを、KOHの存在下で真空下で既に乾燥させておいた、299mgの実施例4のペプチジル樹脂H-W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-O-2-ClTrt-(R)の各々を処理することによって得る。2.03mlのAcOHで2時間処理し、液相を濾過により分離する。濾液を収集し、次いで、樹脂を1mlのAcOH(1×1分間)で洗浄する。全ての液相を合わせ、凍結乾燥させる。
0.03mmolの得られた粗ペプチドをフラスコに入れて秤量し、3当量のヘキシルアミン、HOBtおよび2mlの無水DMFを添加する。2当量のDIPCDIを添加し、磁気撹拌下で47℃にて反応させる。反応は、初期生成物が消失するまでHPLCによりモニターされ、2~4時間後に完了する。溶媒を蒸発乾固させ、DCMで2回共蒸発させる。得られた残留物を、54mLのTFA:HO(95:5、v/v)の混合物に溶解させ、室温で2時間反応させる。30mLの冷ジエチルエーテルを添加し、沈殿物をジエチルエーテルで2回洗浄する。残留物をHO中のMeCNの混合物(v/v)に溶解させ、凍結乾燥させる。
O(+0.1%TFA)中のMeCN(+0.07%TFA)の勾配での得られたペプチドのHPLC分析は、全ての場合において80%を超える純度を示す。得られたペプチドの正体を、ESI-MSにより確認する。
実施例10
成人由来の同期されたヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)におけるJARID1A遺伝子発現のリアルタイムPCRアレイを使用したインビトロ研究。
概日時計に関与するタンパク質は、JARID1Aと称されるヒストンリジンデメチラーゼタンパク質である。JARID1Aタンパク質は、CLOCK-BMAL1と複合体を形成し、PER遺伝子の転写を活性化する。Jarid1Aの発現減少は、PER遺伝子の発現の低下および概日リズムの変化を引き起こした。それゆえ、早朝でのJarid1Aおよび時計遺伝子発現の活性化は、概日周期の前進を引き起こし、昼間の皮膚機能を付与し得る。したがって、この研究の主な目的は、いくつかのペプチドの同期されたヒトケラチノサイトにおけるJarid1Aの発現を早朝に増加させる能力を評価することである。
HEKa細胞(Life Technologies)を、12ウェルプレート(条件当たり2つのウェル)に3.0×10個の細胞/ウェルで播種し、培養培地(Mix C39016-CaCl溶液(Promocell)を補足したケラチノサイト増殖培地)でインキュベートする。同期のために細胞を、それぞれ、5%のCO加湿空気中の37℃(日中モード)での12時間および5%のCO加湿空気中の33℃(夜間モード)での12時間という2つの交代する周期下に置いた。同期開始の12時間後に、細胞を、各ペプチドの毒性効果(非毒性の条件が選択される)に応じて培養培地中0.5mg/mlまたは(5μg/ml)のペプチドと共にインキュベートする。培地のみで処理された細胞を、基本条件として使用する。
同期終了後、細胞可溶化物を、2つの異なる時点、7:30(早朝時点)および11:30(昼時点)で収集する。要約すると、細胞をウェル中で直接溶解し、RNeasy Mini kit(Qiagen)に記載のプロトコールに従って、製造者のプロトコールによりRNAを精製する。RNA溶出後、RNA試料の定量および純度分析を、nanodrop(Thermo)を用いて実施する。各試料について、3μgの高質RNAを、iScript Advanced(BioRad)を用いて20μlの最終体積で逆転写する。完全な反応ミックスを、サーマルサイクラー(Eppendorf)中で42℃にて30分間インキュベートし、反応を、85℃にて5分間停止させる。相補的DNAを、SYBR(登録商標)Green(BioRad)と共に使用するための96ウェルプレート中でのSYBR Green Supermix(BioRad)を使用したリアルタイムPCRサーモサイクラー(BioRad)でのqPCRにより増幅する。SYBR Greenは、二本鎖DNA分子に結合し、定量される蛍光を放出し、蛍光強度は、PCR反応の生成物の量に比例する。BioRad CFX96機器におけるサイクリング条件は、以下の通りである:95℃で3分間、その後95℃で5秒間の変性、アニーリング、および60℃で30秒間の伸長の40サイクル。GAPDH(グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ)、TBP(TATAボックス結合タンパク質)およびHRPT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)を、内因性対照として使用する。試料遺伝子および参照遺伝子の発現に対する変化倍率を、正規化発現(ΔΔ(Ct))法を使用し、CFX Manager Software(BioRad)を使用して算出する。
7:30時点の基本条件に対する7:30時点の試験された試料でのJARID1A遺伝子の誘導倍率を表7に示す。誘導倍率のデータは、1回の実験の値を表す。
Figure 0007200211000010
Figure 0007200211000011
表7の結果は、本発明のペプチドが、同期されたヒトケラチノサイトにおける早朝でのJARID1Aの発現を増加させることができることを示す。
実施例11
比色検出法に基づくELISAアッセイを使用した、同期されたヒトケラチノサイトでのペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)によるJARID1Aタンパク質増加タンパク質レベルのインビトロ研究。
多くの皮膚機能が概日リズムに従い、皮脂分泌は、正午頃のピークを有し、静電容量(皮膚の水和の尺度)は、1日の早い段階ではより低い。皮膚血流および皮膚のバリア機能も、概日リズムおよび縮日リズム(1日より短い繰り返される期間を有する)を示し、皮膚血流は、1日の早い段階では低く、午後遅くおよび夜遅くにピークを有する。
哺乳動物では、概日時計は、全組織の大部分で見出され、CLOCK-BMAL1複合体が日中に概日時計遺伝子(PERおよびCRYなど)の転写を駆動する調節のフィードバックループに基づく。概日時計に関与するタンパク質は、JARID1Aタンパク質と称されるヒストンリジンデメチラーゼタンパク質である。JARID1Aタンパク質は、CLOCK-BMAL1と複合体を形成し、PER遺伝子の転写を活性化する。早朝の皮膚におけるJarid1Aの発現の活性化は、概日周期の前進を引き起こして早朝の皮膚に昼間の皮膚機能を付与し得ると考えられる。したがって、この研究の主な目的は、ヒトケラチノサイトが昼夜サイクル後に同期され得る(概日リズム周期の同一位相に同時に入る)実験モデルにおいて、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の早朝におけるJarid1Aタンパク質の発現を増加させる能力を評価することである。
HaCaT細胞(ヒトケラチノサイト細胞株、Deutsches Krebsforschungszentrum)を、12ウェルプレートに200.000個の細胞/ウェル(条件当たり2つのウェル)の密度で播種する。細胞は、10%(v/v)のウシ胎仔血清(Cultek)を補足したDulbecco´s Modified Eagle Medium high Glutamax(Fisher Scientific)の培養培地に播種される。同期のために細胞を、それぞれ、5%のCO加湿空気中の37℃(日中モード)での12時間および5%のCO加湿空気中の33℃(夜間モード)での12時間という2つの交代する周期下に置く。同期開始の12時間後に、細胞を、培養培地中でペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の0.5mg/ml溶液で処理する。同時に、培地のみで処理された細胞を、基本条件として使用する。
同期終了後、細胞可溶化物を、2つの異なる時点、7:30(早朝時点)および11:30(昼時点)で収集する。要約すると、細胞可溶化物を、2回の凍結融解サイクルに供して核膜を破壊し、Jarid1Aタンパク質を放出させる。核抽出物を、JARID1Aタンパク質のレベルおよび総タンパク質濃度を定量化するために分析する。
ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)試験によるJARID1Aタンパク質レベル(KDM5A)の測定
JARID1Aタンパク質を、製造者のプロトコールに従って酵素結合免疫吸着測定法を使用して定量化する(ヒトリジン特異的デメチラーゼ5A(KDM5A)(CUSABIO)。要約すると、JARID1Aタンパク質を、キットで提供される抗体を用いて検出し、比色反応により定量化する。吸光度による定量化を、450nmおよび570nmに設定したマイクロプレートリーダー(ClarioStar(登録商標)、BMG)を使用して行う。波長補正のために、450nmでの測定値から570nmでの測定値を減算した。
BCAアッセイ(Bicinchoninic Acid)による総タンパク質量の測定
細胞可溶化物の総タンパク質濃度を、Pierce BCA Protein Assay Kit(Thermo Scientific)を使用して測定する。要約すると、標準物質および試料を分配し、Working Reagentを試料に添加する。60℃にて30分間のインキュベーション後、色の変化を、吸光度マイクロプレートリーダー(Clariostar(登録商標)、BMG)を用いて562nmで測定する。総タンパク質量を使用して、試料のELISA試験により得られたJARID1Aタンパク質濃度のレベルを正規化する。
JARID1Aタンパク質の基本条件に対する百分率を、表8に示す。結果は、少なくとも6回の異なるアッセイについて、基本条件における7:30時点のJARID1Aタンパク質レベルに対するH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)による処理後の7:30時点のJARID1Aタンパク質レベルの百分率の平均値を表す。
Figure 0007200211000012
表8の結果は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)が、同期されたヒトケラチノサイトの細胞培養物において7:30時点に、基本条件での同一時刻と比較してJARID1Aタンパク質レベルを増加させることができることを示す。
実施例12
比色検出法に基づくアッセイを使用したミトコンドリア複合体Iの活性の阻害。
ミトコンドリアは細胞内のエネルギー生成を担う重要な細胞小器官であり、ATP(アデノシン三リン酸)形態の細胞エネルギーのおよそ90%を生成する。このプロセスは、ミトコンドリアの内膜(この構造を横切るプロトン流により電子伝達系(ETC)をATP合成に共役させる複雑な構造)内で起こる。ETCは、NADHおよびFADH(解糖系およびクエン酸回路において生成される)から酸素分子への電子伝達を担い、この過程の末に酸素分子のHOへの還元を引き起こす。ECTは、4つの異なるタンパク質複合体によって構成される。複合体I(NADHデヒドロゲナーゼ)において、電子がNADHから電子伝達系に渡され、ここで、電子が残りの複合体内を通る。結果として、ミトコンドリア複合体Iの活性は、NADHのNADへの酸化を引き起こす。
ミトコンドリアは、電子伝達系の機能の結果としての活性酸素種(ROS)の生成により、老化過程において重要な役割を演ずる。最後の年に、ミトコンドリア複合体Iの活性の部分阻害が、蠕虫から哺乳動物まで良く保存されるプロセスである寿命を延長することが証明された。事実、ミトコンドリア複合体Iの活性の異なる阻害剤(すなわち、メトホルミン、ロテノン)による処理は、老化過程を遅らせる。したがって、ミトコンドリア複合体Iの活性の部分的低減は、化粧品分野における抗老化成分の新規の標的として使用され得る。この実験の主な目的は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)のヒト皮膚の線維芽細胞におけるミトコンドリア複合体Iの活性を部分的に減少させる能力を評価することである。
成人由来のヒト皮膚線維芽細胞(HDFa、Life Technologies)を、750.000個の細胞/75cmフラスコの密度でLow Serum Growth Supplement(Life Technologies)を含有するM106培養培地に播種する(条件あたり1つのフラスコ)。細胞を、5%のCO加湿空気下で37℃にて8日間増殖させる。次いで、培地を除去し、細胞を培養培地中1、0.5および0.1mg/mlのペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の段階希釈物により5%のCO加湿空気下で37℃にて48時間処理する。培養培地のみでインキュベートされた未処理の細胞を、基本条件として使用する。メトホルミンは、ミトコンドリア複合体Iの活性を部分的に阻害することが知られているため、陽性対照として、細胞を培養培地中に調製した10mMのメトホルミン(Sigma)で処理する。48時間の処理後、細胞を、トリプシンを使用して剥離し、60ulのリン酸緩衝食塩水(Sigma)中に再懸濁する。総タンパク質濃度を、Pierce BCA Protein Assay Kit(BCA Assay、Thermo Scientific)により製造者のプロトコールに従って測定し、700~1000ug/mlの間に最終タンパク質濃度を調整する。要約すると、標準物質および試料を分配し、Working Reagentを試料に添加する。37℃にて30分間のインキュベーション後、吸光度を、マイクロプレートリーダー(Clariostar(登録商標)、BMG)により562nmで測定する。
ミトコンドリア複合体Iの活性を、Complex I enzyme activity microplate assay Kit(Abcam)を用いて製造者のプロトコールに従って測定する。このアッセイは、特異的な比色色素の還元に共役されるNADHのNADへの酸化を伴い、これにより、450nmでの吸光度の増加をもたらす。要約すると、200ulの各試料(700~1000ug/mlの総タンパク質量に調整)を、3時間インキュベートする。その後、ウェルを数回洗浄し、キットにより提供されるAssay Solution(NADHおよび特異的色素により構成される)とインキュベートする。ミトコンドリア複合体Iの活性の測定のために、比色分析の1時間の動力学的反応における450nmでの光学密度(OD)の上昇を、マイクロプレートリーダー(Clariostar(登録商標)、BMG)を用いて測定する。結果を、経時的な直線領域における2点間の450nmでのODの上昇率として算出する。
H-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)による処理後のミトコンドリア複合体Iの活性の基本条件に対する百分率を、表9に示す。これらの値は、少なくとも3回の独立したアッセイの平均値を示す。
Figure 0007200211000013
結果は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)が、試験された濃度でヒト皮膚の線維芽細胞培養においてミトコンドリア複合体Iの活性を減少させることができることを示す。ミトコンドリア複合体Iの活性の阻害は、用量反応効果を示し、皮膚における老化過程の遅延に対する有益な効果を与える。
実施例13
比色検出法に基づくアッセイを使用したミトコンドリア複合体IIの活性の増加の測定。
ATP生成は、細胞におけるエネルギーの約90%を産生する特化した細胞小器官であるミトコンドリアの内膜で起こる。このプロセスは、電子伝達系(ETC)をATP合成に共役させるミトコンドリアの内膜で起こる。ETCは、NADHおよびFADH(解糖系およびクエン酸回路において生成される)から酸素分子への電子伝達を担い、この過程の末に酸素分子のHOへの還元を引き起こす。ECTは、4つの異なるタンパク質複合体によって構成される。コハク酸-補酵素Qレダクターゼ(SDH)としても既知のミトコンドリア複合体IIは、コハク酸からユビキノン(Q)への電子伝達を触媒し、ユビキノール(QH)の生成を引き起こす。
ミトコンドリア機能は、電子伝達系効率の進行性の喪失に起因する老化過程に関連付けられる。事実、ミトコンドリア複合体IIの活性がヒト皮膚の線維芽細胞において加齢と共に減少し、進行性のミトコンドリア機能障害を引き起こすことが示された。それゆえ、ミトコンドリア複合体IIの活性を増加させることは、新規の皮膚抗老化療法を開発するための新規の戦略として使用され得る。このアッセイの主な目的は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)のヒト皮膚の線維芽細胞におけるミトコンドリア複合体IIの活性を増加させる能力を評価することである。
成人由来のヒト皮膚線維芽細胞(HDFa、Life Technologies)を、750.000個の細胞/75cmフラスコの密度でLow Serum Growth Supplement(Life Technologies)を含有するM106培養培地に播種する(条件あたり1つのフラスコ)。細胞を、5%のCO加湿空気下で37℃にて7日間増殖させる。次いで、培地を除去し、細胞を培養培地中1、0.5および0.1mg/mlのペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の段階希釈物により5%のCO加湿空気下で37℃にて24時間処理する。培養培地のみでインキュベートされた未処理の細胞を、基本条件として使用する。24時間の処理後、細胞を、トリプシンを使用して剥離し、40ulのリン酸緩衝食塩水(Sigma)中に再懸濁する。総タンパク質濃度を、Pierce BCA Protein Assay Kit(BCA Assay、Thermo Scientific)により製造者のプロトコールに従って測定し、2500~3000ug/mlの間に最終タンパク質濃度を調整する。要約すると、標準物質および試料を分配し、Working Reagentを試料に添加する。37℃にて30分間のインキュベーション後、吸光度を、マイクロプレートリーダー(Clariostar(登録商標)、BMG)により562nmで測定する。
ミトコンドリア複合体IIの活性を、Complex II enzyme activity microplate assay Kit(Abcam)を用いて製造者のプロトコールに従って測定する。このアッセイは、比色色素(DCPIP、2,6-ジクロロインドフェノール)の還元に共役されるユビキノール(QH;ミトコンドリア複合体IIにより生成される)の生成を伴う。要約すると、50ulの各試料(2500~3000ug/mlの総タンパク質量に調整)を、2時間インキュベートする。その後、ウェルを数回洗浄し、キットにより提供されるActivity solution(ユビキノン、コハク酸およびDCPIPにより構成される)とインキュベートする。ミトコンドリア複合体IIの活性の測定のために、比色分析の30分の動力学的反応における光学密度(OD)600nmでのDCPIPの還元を、マイクロプレートリーダー(Clariostar(登録商標)、BMG)を用いて測定する。結果を、経時的な直線領域における2点間のOD600nmでの吸光度の減少率として算出する。
H-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)による処理後のミトコンドリア複合体IIの活性の基本条件に対する百分率を、表10に示す。これらの値は、少なくとも3回の独立したアッセイの平均値を示す。
Figure 0007200211000014
結果は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)が、試験された濃度でヒト皮膚の線維芽細胞の細胞培養物においてミトコンドリア複合体IIの活性を増加させ、皮膚に有益な抗老化効果をもたらすことができることを示す。
実施例14
免疫蛍光アッセイによりヒト皮膚の線維芽細胞(HDFa)におけるミトコンドリア膜電位を増加させるインビトロ研究。
ミトコンドリアは、細胞代謝において不可欠な役割を果たす細胞内小器官である。ミトコンドリア膜電位(MMP)は、内部ミトコンドリア膜における電子伝達系の正常機能により作り出される内部ミトコンドリア膜を横切る電位の尺度である。MMPは、多くのミトコンドリアによるプロセスに高度に連関する。具体的に、MMPは、アデノシン三リン酸(ATP)合成(細胞における主なエネルギー源)の直接的なバイオマーカーである。このために、MMPを増加させる能力を有する製品は、細胞に活力を与え、皮膚機能を改善することができる。この実験の主な目的は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)のヒト皮膚の線維芽細胞におけるミトコンドリア膜電位を増加させる能力を評価することである。
成人由来のヒト皮膚の線維芽細胞(HDFa、Life Technologies)を、96ウェルプレートに6,000個の細胞/ウェル(条件当たり3つのウェル)の密度で播種する。細胞を、Low Serum Growth Supplement(Life Technologies)を含有するM106培養培地に5%のCO加湿空気下で37℃にて24時間播種する。次いで、培地を除去し、細胞を、10%(v/v)のウシ胎児血清(FBS、Cultek)を補足したダルベッコ改変イーグル培地(Life Technologies)に溶解した0.5mg/mlのペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)により5%のCO加湿空気下で37℃にて16時間処理した。培養培地のみでインキュベートされた未処理の細胞を、基本条件として使用する。
16時間の処理後、細胞を使用して、JC-1 mitochondrial membrane potential assay kit(Abcam)を製造者のプロトコールに従って使用してミトコンドリア膜電位を定量化する。要約すると、細胞を、0.5mg/mlのペプチドによる処理の存在下で、Supplemented Dilution Bufferを用いて調製されたJC-1 working solutionと5%CO下で37℃にて30分間インキュベートする。その後、細胞を数回洗浄し、Supplemented Dilution Bufferに溶解した対応する処理と共に5%のCO下で37℃にて2.5時間インキュベートする(各処理はアッセイにおいて常に存在する)。JC-1色素は、それが高い膜電位を有する健常なミトコンドリア(過分極;活力を与えられた細胞)において凝集するか、または減少した膜電位を有するミトコンドリア(脱分極;活力を与えられていない細胞)においてモノマーとして存在する場合に、それぞれ、赤色または緑色の蛍光を発する。
細胞をOperetta(登録商標)High Content Imaging System(PerkinElmer,Inc)を使用して撮像し、ミトコンドリア膜電位を測定する。活力を与えられた細胞では、赤色の凝集体が出現し、色素は、520~550nmで励起された場合に、560~630nmで発光する。脱分極した細胞では、色素は、460~490nmで励起された場合に、500~550nmで発光する。細胞数を、dsDNAに結合し、350nmで励起される場合に460nmで青色蛍光を発光する細胞浸透性の核対比染色剤であるHoechst 33342(ThermoFisher Scientific)染色を使用して定量化する。各画像について、活力を与えられた細胞および脱分極した細胞からの蛍光強度を定量化し、核の数に対して正規化する。
H-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)による処理後のミトコンドリア膜電位の基本条件に対する百分率の平均値を、表1に示す。これらの値は、少なくとも4回の独立したアッセイの値を示す。
Figure 0007200211000015
結果は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)が試験された濃度でミトコンドリア膜電位を増加させることによってヒト皮膚の線維芽細胞に活力を与えることができることを示す。
実施例15
蛍光手法によるヒト皮膚の線維芽細胞(HDFa)における活性酸素種(ROS)レベルの評価。
細胞代謝は、細胞の成長および複製、それらの構造の維持、ならびに環境の変化への反応を可能にする広範囲の化学反応を含む。酸素代謝の結果として、細胞は、活性酸素種(ROS)と称されるいくつかの天然の副産物を生成する。ROSは、ヒドロキシルラジカル、スーパーオキシドアニオン、過酸化水素および過酸化亜硝酸を含む高反応性の酸素分子である。細胞のROSレベルは、化学物質の曝露、電離放射線、および細菌またはウィルス感染を含む異なる外部源により増加し得る。
正常な細胞代謝において、ROSレベルは、いくつかの内因性の抗酸化酵素(すなわち、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、およびグルタチオンペルオキシダーゼ)のサブセットによってコントロールされる。しかしながら、酸化ストレスに関連する状態では、ROSが細胞に蓄積し、解毒/修復機構は細胞生存率を維持するのに十分でない。ミトコンドリアは、それ自身の機能に起因して細胞内のROSの主な供給源である。更に、ミトコンドリアストレスを引き起こすかまたはミトコンドリアの機能を増強する化学物質は、ROSレベルを上昇させ得る。これらの理由により、ROSレベルの測定は、異なる化学物質曝露により引き起こされる酸化ストレス状態の良好な予測手段である。この実験の主な目的は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1.)がヒト皮膚の線維芽細胞株においてROSレベルを増加させないことを確認することである。
成人由来のヒト皮膚の線維芽細胞(HDFa、Life Technologies)を、96ウェルプレートのLow Serum Growth Supplement(LSGS、Life Technologies)を含有するM106培養培地に10,000個の細胞/ウェル(条件当たり3つのウェル)の密度で播種する。細胞を、5%のCO加湿空気下で37℃にて24時間増殖させる。次いで、培地を除去し、細胞を、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)により5%のCO加湿空気下で37℃にて16時間処理する。処理培地のみでインキュベートされた未処理の細胞を、基本条件として使用する。過酸化水素は、ROSレベルを増加させることが周知であるため、陽性対照として、細胞を、リン酸緩衝食塩水(PBS、Sigma)中に調製した0.5mMの過酸化水素(H;Sigma)10μlにより処理する。5%のCO加湿空気下で37℃にて30分後、細胞を使用してROSレベルを定量化する。
ROSレベルを、Cellular Reactive Oxygen Species Detection Assay Kit(Abcam)を製造者のプロトコールに従って使用して定量化する。要約すると、細胞を、培養培地中で100μlのROS Orange Working solutionにより60分間処理する。一定時間後、蛍光シグナルを、Operetta(登録商標)共焦点顕微鏡(PerkinElmer、Inc)を使用して測定する。蛍光強度を、Mitotracker Orangeに対応するチャンネル(励起フィルター:520~550nm/蛍光フィルター:560~630nm)を使用して測定し、ウェル1つ当たりの核の数を測定することによって補正する。この定量化のために、細胞を、dsDNAに結合し、350nmで励起される場合に460nmで青色蛍光を発光する細胞浸透性の核対比染色剤であるHoechst 33342(ThermoFisher Scientific)の10μl溶液により染色する。
H-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)による処理後のヒト皮膚の線維芽細胞におけるROSレベルの基本条件に対する百分率を、表12に示す。これらの値は、少なくとも3回の独立したアッセイの平均値を示す。
Figure 0007200211000016
結果は、H-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)による処理は、ミトコンドリア膜電位の増加により示されるようにヒト皮膚の線維芽細胞のエネルギーを増強するが、この処理は、試験された濃度において細胞のROSレベルの増加を引き起こさないことを示す。
実施例16
同期されたヒト全層皮膚モデルにおける水和レベルの測定。
多くの基本的な皮膚機能が概日リズムに従い、皮脂分泌は、正午頃のピークを有し、皮膚血流および皮膚のバリア機能は、早朝では低く、午後遅くにピークに達する。皮膚の温度および水和も、1日に沿った時間依存的パターンを示す。早朝において低レベルの皮膚の水和は、正午頃に増加する。皮膚の水和は、皮膚組織の恒常性を維持するためのより重要な要素の1つである。皮膚の適切な含水量は、ケラチノサイト層内での多くの重要な機能、例えば、脂質層の完全性、皮膚のバリア機能ならびに角質層の機能的および構造的な組成の強化などを制御する。日光への曝露、不健康な食事、およびスキンケア習慣は、皮膚の乾燥、老化の加速、コラーゲンの破壊、ならびに表情線および皺の形成を引き起こす。結果として乾燥皮膚は、活力のない、暗い外観を呈する。
表皮の皮膚の水和は、異なる皮膚成分に関連する含水量に依存する皮膚の電気的性質である皮膚の静電容量を測定することによって評価することができる。この実験の主な目的は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の同期されたヒト皮膚モデルにおける水和レベルを改善する能力を評価することである。
Phenion(登録商標)Full-Thickness Skin models(HENKEL)を、到着直後に、供給元の使用説明書に従い、ペトリ皿(条件当たりの5つの皮膚モデル)のALI培地(HENKEL)に配置する。37℃、5%CO下での72時間のインキュベーション後に、同期プロトコールを開始する。この目的のために皮膚モデルを、それぞれ、5%のCO加湿空気中の37℃(日中モード)での12時間および5%のCO加湿空気中の33℃(夜間モード)での12時間という2つの交代する周期下に置く。同期の初めに、処理前の7:30時点での水和測定を、皮膚モデルで行う。表皮の水和測定を、DPM 9003 BT(商標)(NOVA(登録商標)Technology Corporation)およびMoistureMeter SC(Delphin)を用いて実行する。処理前の測定を、皮膚モデルの表面を、5mlのリン酸緩衝食塩水(PBS、Sigma)で洗浄する。次いで、それらを乾燥した無菌の表面に配置し、皮膚モデルの表面上にセンサーを押しつけることによって測定を行う。処理前の測定後、皮膚モデルを、皮膚モデルの表面上(50μlの処理)および培地を含むペトリ皿内の両方で、0,5mg/mlのペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)により処理する。培地のみで処理された皮膚モデルを、基本対照条件として使用する。この処理を、24時間後に同一条件で置き換える。処理の48時間後、処理前の測定について記載したものと同一プロトコールに従って、水和測定を朝の7:30および11:30に行う。
表13の結果は、基本条件における水和レベルに対する処理の48時間後の7:30時点での水和レベルの百分率の平均値を示す。各条件について、水和レベルの生データの事前正規化を、処理前の値に対して行う。これらの値は、1回のアッセイについて算出する。水和測定は、DPM9003 BT(商標)(NOVA(登録商標)Technology Corporation)を用いて行う。
Figure 0007200211000017
表14の結果は、処理の48時間後の7:30時点での水和レベルの基本条件における同じ時間の水和レベルに対する百分率の平均値を示す。各条件について、水和レベルの生データの事前正規化を、処理前の値に対して行う。これらの値は、1回のアッセイについて算出する。水和測定は、MoistureMeter SC(Delphin)を用いて行う。
Figure 0007200211000018
表13および表14の結果は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)が、同期されたヒト皮膚モデルにおいて7:30時点での水和レベルを増加させることができることを示す。処理後の7:30時点での水和レベルは、基本条件における11:30時点での水和の結果と比較して、中間の値を示す。
実施例17
リアルタイムPCRアレイを使用した、成人由来の同期されたヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)における時計遺伝子発現のインビトロ研究。
多くの皮膚機能が概日リズムに従い、皮脂分泌は、正午頃のピークを有し、静電容量(皮膚の水和の尺度)は、1日の早い段階ではより低い。皮膚血流および皮膚のバリア機能も、概日リズムおよび縮日リズムを示し、皮膚血流量は、日中の早い段階では低く、午後遅くおよび夜遅くピークに達する。
哺乳動物では、概日時計は、全組織の大部分で見出され、CLOCK-BMAL1複合体が日中に概日時計遺伝子(PERおよびCRYなど)の転写を駆動する調節のフィードバックループに基づく。概日時計に関与するタンパク質は、Jarid1Aと称されるヒストンリジンデメチラーゼタンパク質である。JARID1Aは、CLOCK-BMAL1と複合体を形成し、PER遺伝子の転写を活性化する。Jarid1Aの発現減少は、PER遺伝子の発現の低下および概日リズムの変化を引き起こした。それゆえ、早朝でのJarid1Aおよび時計遺伝子発現の活性化は、概日周期の前進を引き起こし、昼間の皮膚機能を付与し得る。したがって、この研究の主な目的は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の同期されたヒトケラチノサイトにおける早朝での時計遺伝子発現を増加させる能力を評価することである。
HEKa細胞(Life Technologies)を、12ウェルプレートに3.0×10個の細胞/ウェルで播種し、培養培地(Mix C39016-CaCl溶液(Promocell)を補足したケラチノサイト増殖培地)でインキュベートする。同期のために細胞を、それぞれ、5%のCO加湿空気中の37℃(日中モード)での12時間および5%のCO加湿空気中の33℃(夜間モード)での12時間という2つの交代する周期下に置いた。同期開始の12時間後に、細胞を、0.5mg/mlの合成ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)と共に培養培地中でインキュベートする。培地のみで処理された細胞を、基本条件として使用する。
同期終了後、細胞可溶化物を、2つの異なる時点、7:30(早朝時点)および11:30(昼時点)で収集する。要約すると、細胞をウェル中で直接溶解し、RNeasy Mini kit(Qiagen)に記載のプロトコールに従って、製造者のプロトコールによりRNAを精製する。RNA溶出後、RNA試料の定量および純度分析を、nanodrop(Thermo)を用いて実施する。各試料について、3μgの高質RNAを、iScript Advanced(BioRad)を用いて20μlの最終体積で逆転写する。完全な反応ミックスを、サーマルサイクラー(Eppendorf)中で42℃にて30分間インキュベートし、反応を、85℃にて5分間停止させる。相補的DNAを、SYBR(登録商標)Green(BioRad)と共に使用するためのカスタマイズされた96ウェルプレート中でのSYBR Green Supermix(BioRad)を使用したリアルタイムPCRサーモサイクラー(BioRad)でのqPCRにより増幅する。SYBR Greenは、二本鎖DNA分子に結合し、定量される蛍光を放出し、蛍光強度は、PCR反応の生成物の量に比例する。BioRad CFX96機器におけるサイクリング条件は、以下の通りである:95℃で3分間、その後95℃で5秒間の変性、アニーリング、および60℃で30秒間の伸長の40サイクル。GAPDH(グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ)、TBP(TATAボックス結合タンパク質)およびHRPT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)を、内因性対照として使用する。試料遺伝子および参照遺伝子の発現に対する変化倍率を、正規化発現(ΔΔ(Ct))法を使用し、CFX Manager Software(BioRad)を使用して算出する。
概日時計遺伝子CRY2(cryptochrome circadian clock 2)およびPER3(period circadian clock 3)の基本条件に対する誘導倍率を、表15および表16に示す。値は、少なくとも3回の独立した実験の平均値を示す。
Figure 0007200211000019
Figure 0007200211000020
Figure 0007200211000021
表15および16の結果は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)が、同期されたヒトケラチノサイトの細胞培養物において7:30時点でのCRY2およびPER3の発現レベルを基本条件の同じ時間と比較して増加させることができることを示す。ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)による処理後の7:30時点でのCRY2およびPER3遺伝子の発現量は、基本条件の11:30時点で得られたCRY2およびPER3遺伝子発現と同程度のレベルに達する。
実施例18
リアルタイムPCRアレイを使用した若齢および老齢のヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)におけるPER遺伝子発現のインビトロ研究。
哺乳動物では、概日時計は、全組織の大部分で見出され、CLOCK-BMAL1複合体が日中に概日時計遺伝子(PERおよびCRYなど)の転写を駆動する調節のフィードバックループに基づく。哺乳動物の概日時計の破壊は老化の加速をもたらし、更に概日リズムは加齢と共に障害される。PER遺伝子のノックアウトによる概日リズムの遺伝子的破壊は、様々な加齢に関連する症状および早期老化の可視的な徴候を引き起こす。PER遺伝子の発現レベルは、加齢と共にヒト皮膚細胞において大きく減少する。したがって、この研究の主な目的は、リアルタイムPCRアレイを使用して、26歳のドナーおよび54歳のドナーに由来するヒトケラチノサイトのPER2およびPER3遺伝子発現を増加させるペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の能力を評価することである。
26歳のドナーおよび54歳のドナー由来の細胞であるヒト表皮ケラチノサイト(HEKa)(Life Technologies)を、12ウェルプレートに3.0×10個の細胞/ウェルで播種し、培養培地(Mix C39016-CaCl溶液(Promocell)を補足したケラチノサイト増殖培地)でインキュベートする。同期のために細胞を、それぞれ、5%のCO加湿空気中の37℃(日中モード)での12時間および5%のCO加湿空気中の33℃(夜間モード)での12時間という2つの交代する周期下に置いた。同期開始の12時間後に、細胞を、0.5mg/mlの合成ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)と共に培養培地中でインキュベートする。培地のみで処理された細胞を、基本条件として使用する。
同期終了後、細胞可溶化物を、7:30(早朝時点)に収集する。要約すると、細胞をウェル中で直接溶解し、RNeasy Mini kit(Qiagen)に記載のプロトコールに従って、製造者のプロトコールによりRNAを精製する。RNA溶出後、RNA試料の定量および純度分析を、nanodrop(Thermo)を用いて実施する。各試料について、3μgの高質RNAを、iScript Advanced(BioRad)を用いて20μlの最終体積で逆転写する。完全な反応ミックスを、サーマルサイクラー(Eppendorf)中で42℃にて30分間インキュベートし、反応を、85℃にて5分間停止させる。相補的DNAを、SYBR(登録商標)Green(BioRad)と共に使用するための96ウェルプレート中でのSYBR Green Supermix(BioRad)を使用したリアルタイムPCRサーモサイクラー(BioRad)でのqPCRにより増幅する。SYBR Greenは、二本鎖DNA分子に結合し、定量される蛍光を放出し、蛍光強度は、PCR反応の生成物の量に比例する。BioRad CFX96機器におけるサイクリング条件は、以下の通りである:95℃で3分間、その後95℃で5秒間の変性、アニーリング、および60℃で30秒間の伸長の40サイクル。GAPDH(グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ)、TBP(TATAボックス結合タンパク質)およびHRPT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)を、内因性対照として使用する。試料遺伝子および参照遺伝子の発現に対する変化倍率を、正規化発現(ΔΔ(Ct))法を使用し、CFX Manager Software(BioRad)を使用して算出する。
PER遺伝子、PER2(period circadian clock 2)およびPER3(period circadian clock 3)の基本条件に対する誘導倍率を、表17に示す。値は、少なくとも3回の独立した実験の平均値を示す。
Figure 0007200211000022
表17の結果は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)が異なる年齢においてPER2およびPER3遺伝子の発現レベルを増加させることができることを示す。この増加は、老齢のケラチノサイト(54歳のドナー由来)においてより高く、老化におけるPER遺伝子発現の減少を相殺する。
実施例19
同期されたヒト全層皮膚モデルにおけるリピドミクスプロファイルの解析。
脂質は、皮膚において必須の役割を果たす。角質層(皮膚の外層)は、表皮細胞の分化の終点と称される、特化した構造である角化膜を含む。この構造は、脂質エンベロープによって囲まれたケラチンの高度に架橋された網目組織からなる。角化膜は、外来性の粒子、病原体および表皮の水分喪失に対する物理的障壁として機能し、皮膚の恒常性を調節する。セラミド(角化膜内の主な脂質成分)は、スフィンゴシンおよび脂肪酸により構成される分子のファミリーである。皮膚におけるセラミドの量は、皮膚の水不透過性を提供し、これにより、皮膚乾燥の発生を回避している。Ω-3脂肪酸ファミリーもまた皮膚の機能において重要な役割を果たす。特に、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、その二重層の細胞膜への取込み(DHAと結合したホスファチジルコリンと全ホスファチジルコリンレベルとの間の比率、すなわちPC-DHA/PCとも称される)が、適切な細胞膜流動性を維持するのを助ける長鎖不飽和脂肪酸である。DHAの食事による補給は、その皮膚取込みを増加させ、経皮水分損失の減少、したがって、皮膚の水和の増加により測定される皮膚のバリア機能を改善する。
ヒト皮膚モデルのリピドミクスプロファイルは、超高速液体クロマトグラフィー-質量分析(UHPLC-MS)を使用した測定により評価することができる。この実験の主な目的は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)による処理後に皮膚セラミド含量およびPC-DHA/PC比を決定するために同期されたヒト皮膚モデルのリピドミクスプロファイルを評価することである。
Phenion(登録商標)Full-Thickness Skin models(HENKEL)を、到着後に、供給元の使用説明書に従い、ペトリ皿(条件当たりの5つの皮膚モデル)のALI培地(HENKEL)に配置する。37℃、5%CO下での72時間のインキュベーション後に、同期プロトコールを開始する。この目的のために皮膚モデルを、それぞれ、5%のCO加湿空気中の37℃(日中モード)での12時間および5%のCO加湿空気中の33℃(夜間モード)での12時間という2つの交代する周期下に置く。皮膚モデルを、皮膚モデルの表面上(50μlの処理)および培地を含むペトリ皿内の両方で、0,5mg/mlのペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)により処理する。培地で処理された皮膚モデルを、基本対照条件として使用する。この処理を、24時間後に同一条件で置き換える。48時間の処理後、皮膚モデルを、7:30時点および11:30時点に回収し、UHPLC-MS解析のために-80℃にて凍結させる。要約すると、試料を解凍し、塩化ナトリウム(50mM)およびクロロホルム/メタノール(2:1)(v:v)と混合し、ホモジナイズする。試料をホモジナイズした後に、抽出物を-20℃で1時間インキュベートし、18,000xgで15分間遠心分離する。次いで、有機相を回収し、真空下で乾燥させる。最後に乾燥抽出物を、アセトニトリル/イソプロパノール(1:1)(v:v)で再構成し、18,000xgで5分間遠心分離し、UPLC(登録商標)-MS解析用のバイアルに移す。全てのデータを、MassLynx 4.1ソフトウェア(Waters Corp.,ミルフォード、米国)用のTargetLynxアプリケーションマネージャを使用して処理する。
表14の結果は、48時間の処理後の7:30時点での基本条件の同じ時間に対するセラミド量(皮膚の総セラミド量の68.9%により構成される皮膚における主要なセラミド群を含む)の百分率の平均値を示す。これらの値は、1回のアッセイについて算出する。
Figure 0007200211000023
表18の結果は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)が、同期されたヒト皮膚モデルにおける7:30時点のセラミドレベルを上昇させることができることを示す。処理後の7:30時点のセラミド量は、基本条件における11:30時点のセラミドレベルの結果と比較して同程度の値を示す。
表19の結果は、基本条件に対する48時間の処理後の7:30時点でのPC-DHA/PC比の百分率の平均値を示す。これらの値は、1回のアッセイについて算出する。
Figure 0007200211000024
表19の本結果は、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)が、同期されたヒト皮膚モデルにおける7:30時点でのPC-DHA/PC比を増加させることができることを示す。処理後の7:30時点のPC-DHA/PC比は、基本条件における11:30時点の値と比較して同程度の値を示す。
実施例20
ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH2(PEP-1)を含むマイクロエマルションの調製
適切な容器内で、ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)を、水[INCI:水(AQUA)](相A1)に溶解させ、次に、別個の容器内で予め混合しておいた相A2の成分の混合物(2-フェノキシエタノール[INCI:フェノキシエタノール]、Structure(登録商標)XL[INCI:ヒドロキシプロピルデンプンリン酸]、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]、Amigel(登録商標)[INCI:スクレロチウムガム]、およびヒアルロン酸ナトリウム[INCI:ヒアルロン酸ナトリウム];表16参照)を導入する。得られた混合物を、穏やかに撹拌しながら70℃で加熱し、次いでCola(登録商標)Fax CPE-K[INCI:セチルリン酸カリウム]を添加する(相A3)。
別の容器内で、相Bの成分:Schercemol(商標)DISエステル[INCI:セバシン酸ジイソプロピル]およびMontanov(商標)68[INCI:セテアリルアルコール;セテアリルグルコシド]を導入し、それらを80℃で加熱し、混合物を撹拌する。相Bを、激しく撹拌しながら相Aにゆっくり導入する。
温度を70~80℃に維持し、試料を、チタンプローブを用いて30秒間ホモジナイズする。
Figure 0007200211000025
実施例21
実施例20のマイクロエマルションを含む脂質ナノ粒子組成物の調製
実施例20で調製したマイクロエマルションを、適切な容器に導入する(相A)。
別個に、相B(表17参照)を、N-Hance(登録商標)CG-17カチオン性グアー[INCI:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;水(AQUA)]を水[INCI:水(AQUA)]に溶解させることによって調製する。相Bを、激しく撹拌しながら相Aに添加する。
相C(Structure(登録商標)XL[ヒドロキシプロピルデンプンリン酸]およびAmigel(登録商標)[INCI:スクレロチウムガム])および相D(Heliogel(商標)[INCI:アクリル酸ナトリウムコポリマー;水素化ポリイソブテン;レシチン;ステアリン酸ポリグリセリル-10;ヒマワリ(HELIANTHUS ANNUUS)種子油;トコフェロール])の成分を、激しく撹拌しながらゆっくり順次添加する。
Figure 0007200211000026
Figure 0007200211000027
実施例22
ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)を含むリポソームの調製
適切な容器内で、相Aを、水[INCI:水(AQUA)]、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]中にペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)を溶解させることによって調製し、2-フェノキシエタノール[INCI:フェノキシエタノール](相B)を、相Aに添加する。
先の全ての成分が溶解したら、レシチン[INCI:レシチン](相C)を、完全に分散するまで激しく撹拌しながら少しずつ添加する。最後に得られた組成物を、表22に示す。
Figure 0007200211000028
試料を、チタンプローブを用いて30秒間ホモジナイズする。
実施例23
カチオン性ポリマーに結合した実施例22のリポソームの調製
実施例22で得られたリポソームを、ゆっくり撹拌しながら、SENSOMER(登録商標)CI-50[INCI:水(AQUA);塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン;尿素;乳酸ナトリウム;塩化ナトリウム;安息香酸ナトリウム]に、リポソーム:カチオン性ポリマー比95:5(w/w)で添加する。
実施例24
ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)を含有する化粧品組成物(液体エマルション)の調製
適切な容器内で、相A1の成分:水[INCI:水(AQUA)]、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]、グリセリン[INCI:グリセリン]、Genencare(商標)OSMS BA[INCI:ベタイン]、Dissolvine(登録商標)NA2[INCI:EDTA二ナトリウム]、ソルビン酸カリウム[INCI:ソルビン酸カリウム]を溶解させる。
相A2:Carbopol(登録商標)ultrez 10ポリマー[INCI:CARBOMER]を、先の混合物に添加する。分散したら、相A3:Cola(登録商標)Fax CPE-K[INCI:セチルリン酸カリウム]を添加する。得られた混合物を、70~75℃で加熱する。
別の受容器内で、相Bの成分:Massocare(登録商標)HD[INCI:イソヘキサデカン]、Lincol BAS[INCI:C12-15安息香酸アルキル]、Gandak C[INCI:セチルアルコール]、Sorbital T 20 P[INCI:ポリソルベート20]、2-フェノキシエタノール[INCI:フェノキシエタノール]、植物性ステアリン酸50/50[INCI:ステアリン酸;パルミチン酸]を混合し、70~75℃で加熱する。相Bを、タービンで激しく撹拌しながら相Aにゆっくり導入する。
混合物を、40℃にて冷却し、相C:BRB CM 56-S[INCI:シクロメチコン]、水およびオクタン-1,2-ジオール[INCI:水(AQUA);リン酸ナトリウム;リン酸二ナトリウム;カプリリルグリコール;ノナペプチド-1]中のペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の前混合物、香料[INCI:香料(パルファム)]を添加する。pHを、相Dの成分:水酸化ナトリウム20w/w%[INCI:水(AQUA);水酸化ナトリウム]により6.0~6.5に調整する。
Figure 0007200211000029
Figure 0007200211000030
実施例25
ペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)を含有する化粧品組成物(クリーム)の調製
適切な容器内で、相A1の成分:水[INCI:水(AQUA)]、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]、Hydrolite(登録商標)5[INCI:ペンチレングリコール]、およびDissolvine(登録商標)NA2[INCI:EDTA二ナトリウム]を溶解させる。
相A2成分:Carbopol(登録商標)Ultrez 10 Polymer[INCI:カルボマー]を、先の混合物に添加する。分散させたら、相A3:Cola(登録商標)Fax CPE-K[INCI:セチルリン酸カリウム]を、導入する。次いで、混合物を70~75℃にて加熱する。
別個の容器内で、相Bの成分:Schercemol(商標)DIA Ester[INCI:アジピン酸ジイソプロピル]、Phytocream(登録商標)2000[INCI:ステアリン酸グリセリル、セテアリルアルコール、パルミトイル加水分解コムギタンパクK]、Massocare(登録商標)EC[INCI:エチルヘキシルココエート]、Astro-sil 2C 350[INCI:ジメチコン]、トコフェリル酢酸[INCI:トコフェリル酢酸]、およびPhenoxetol(商標)[INCI:フェノキシエタノール]を混合し、得られた混合物を70~75℃に加熱する。
エマルションを、タービンで素早く撹拌しながら、相Bを相Aにゆっくり添加することにより作製する。
混合物を40℃まで冷却したら、相C:Novemer(商標)EC-1 polymer[INCI:鉱油(鉱物油);水(AQUA);アクリレート/アクリルアミド・クロスポリマー;ポリソルビン酸85]、香料[INCI:香料(パルファム)]、ならびに水およびオクタン-1、2-ジオール[INCI:水(AQUA);リン酸ナトリウム;リン酸二ナトリウム;カプリリルグリコール;ノナペプチド-1])中のペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の前混合物を、先の混合物に添加する。
pHを、相Dの成分:水酸化ナトリウム20w/w%[INCI:水(AQUA);水酸化ナトリウム]により6.0~6.5に調整する。
Figure 0007200211000031
Figure 0007200211000032
実施例26
H-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)を含有する化粧品組成物(ローション)の調製
適切な容器内で、相A1の成分:水[INCI:水(AQUA)]、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]、グリセリン[INCI:グリセリン]、ソルビン酸カリウム[INCI:ソルビン酸カリウム]、およびDissolvine(登録商標)NA2[INCI:EDTA二ナトリウム]を、溶解させる。
相A2の成分:Carbopol(登録商標)Ultrez 30 Polymer[INCI:カルボマー]を、先の混合物に添加する。分散させたら、相A3:キサンタンガム[INCI:キサンタンガム]を、導入する。次いで、混合物を70~75℃にて加熱する。
別個の容器内で、相Bの成分:Fancor(登録商標)Meadowfoam seed oil[INCI:LIMNANTHES ALBA(メドウフォーム)種子油]、Kodasil 600 IDD Gel[INCI:イソドデカン;(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー;ジメチコン;ラウリルジメチコン]、Astro-sil 2C 350[INCI:ジメチコン]、Schercemol(商標)CATC ester[INCI:ココイル(アジピン酸/トリメチロールプロパン)コポリマー;トリメチロールプロパン]、Schercemol(商標)DIS ester[INCI:セバシン酸ジイソプロピル]、トコフェリル酢酸[INCI:トコフェリル酢酸]、およびPhenoxetol(商標)[INCI:フェノキシエタノール]は混合し、得られた混合物を70~75℃で加熱する。
エマルションを、タービンで素早く撹拌しながら、相Bを相Aにゆっくり添加することにより作製する。
混合物を40℃まで冷却したら、相C:Novemer(商標)EC-2 polymer[INCI:水(AQUA);(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)クロスポリマーNa;水添ポリデセン、ラウリルグルコシド]、SA-SB-300(7%)[INCI:シリカ;ジメチコン]、香料[INCI:香料(パルファム)]、ならびに水およびオクタン-1,2-ジオール、[INCI:水(AQUA);リン酸ナトリウム;リン酸二ナトリウム;カプリリルグリコール;ノナペプチド-1]中のペプチドH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)の前混合物)を、先の混合物に添加する。
pHを、相Dの成分:水酸化ナトリウム20w/w%[INCI:水(AQUA);水酸化ナトリウム]により6.0~6.5に調整する。
Figure 0007200211000033
Figure 0007200211000034
実施例27
ゲルクリーム組成物(プラシーボ)の調製物
適切な容器内で、相Aの成分:水[INCI:水(AQUA)]、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]、Phenoxetol(登録商標)[INCI:フェノキシエタノール]、Dissolvine(登録商標)NA2[INCI:EDTA二ナトリウム]、およびソルビン酸カリウム顆粒[ソルビン酸カリウム]を、分散させる。
相A1の成分:Carbopol(登録商標)Ultrez 21 Polymer[INCI:(アクリレーツ/C10/30アクリル酸アルキル)クロスポリマー]を、撹拌しながら先の混合物に添加する。分散させたら、相A2:キサンタンガム[INCI:キサンタンガム]を、先の混合物に添加し、完全に分散するまで撹拌する。
別個の容器で、相Bの成分:Schercemol(商標)1818 Ester[INCI:イソステアリン酸イソステアリル]を、秤量する。
エマルションを、タービンで素早く撹拌しながら、相Bを相Aにゆっくり添加することにより作製する。
pHを、相Dの成分:水酸化ナトリウム20w/w%[INCI:水(AQUA);水酸化ナトリウム]により6.0~6.5に調整する。
Figure 0007200211000035
実施例28
5%(w/w)のH-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-NH(PEP-1)を含むゲルクリーム組成物の調製物
適切な容器内で、相Aの成分:水[INCI:水(AQUA)]、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]、Phenoxetol(登録商標)[INCI:フェノキシエタノール]、Dissolvine(登録商標)NA2[INCI:EDTA二ナトリウム]、およびソルビン酸カリウム顆粒[ソルビン酸カリウム]を、分散させる。
相A1の成分:Carbopol(登録商標)Ultrez 21 Polymer[INCI:(アクリレーツ/C10/30アクリル酸アルキル)クロスポリマー]を、撹拌しながら先の混合物に添加する。分散させたら、相A2:キサンタンガム[INCI:キサンタンガム]を、先の混合物に添加し、完全に分散するまで撹拌する。
別個の容器で、相Bの成分:Schercemol(商標)1818 Ester[INCI:イソステアリン酸イソステアリル]を、秤量する。
エマルションを、タービンで素早く撹拌しながら、相Bを相Aにゆっくり添加することにより作製する。
相C:PEP-1溶液[INCI:水(AQUA);リン酸ナトリウム;リン酸二ナトリウム;カプリリルグリコール;ノナペプチド-1]を、先の混合物に添加する。
pHを、相Dの成分:水酸化ナトリウム20w/w%[INCI:水(AQUA);水酸化ナトリウム]により6.0~6.5に調整する。
Figure 0007200211000036
実施例29
本発明による有効成分の白人皮膚タイプの女性ボランティアにおける短期適用の活力を与える効果の評価のためのインビボ研究。
皮膚は、体内時計を有する。その基本的特性は、概日制御および顔の外観が最も良く見えるその正午頃に従う。しかし、勤務シフトまたは睡眠不足のような条件は、生物学的皮膚機能の脱同期を引き起こし得る。本発明のペプチドを含む組成物が、皮膚の微小循環、目袋のボリューム、および皮膚のバリア機能の測定によって評価されるように、活力を与える効果を有し、我々の皮膚の生体時計を前進させることができることを実証するために、この実施例が実施された。
研究は、7日間行われる。18の白人女性ボランティア(36~46歳の)を、2つの群に分けた。群の1つは、朝に実施例28に記載の組成物および夜に実施例27に記載のプラシーボクリームを顔全体に適用する。ボランティアの第2の群は、朝および夜に1日2回、実施例27に記載のプラシーボクリームを顔全体に適用する。対象は、対象自身の基準としての役割を担い、7日後に得られた結果を、初期時に得られた結果と比較する。7日時点の測定が睡眠遮断後に実行され、ボランティアは4時間だけ睡眠し、生成物の適用の1時間後の早朝に測定を行う。実施例28の組成物によって得られた結果を、プラシーボクリームによって得られた結果と比較する。
皮膚の微小循環
皮膚の微小循環を、生成物適用の7日後に各頬部でTissue Viability Imager(TiVi)(WheelsBridge(商標))により測定する。結果を、表28に示す。
Figure 0007200211000037
結果は、本発明の組成物適用の7日後に、微小循環が、プラシーボと比較して、および初期時に対して増加することを証明する。
目袋のボリューム(目袋ボリューム)
生成物適用の7日後に、ランダムに選択された1つの眼での目袋のボリュームを、Primos lite 3D(Canfield)システムにより測定する。結果を、表29に示す。
Figure 0007200211000038
結果は、有効成分適用の7日後に、目袋ボリュームがプラシーボと比較して、および初期時に対して減少することを実証する。
皮膚のバリア機能の程度
皮膚のバリア機能に関連する3つの異なるパラメータを、有効成分適用の7日後に測定する。水和をCorneometer(商標)CM825(Courage + Khazaka)により、経皮水分喪失(TEWL)をVapometer(Delfin Technologies)により、および皮脂含量をSebumeter(商標)SM810(Courage + Khazaka)により測定する。皮膚のバリア機能の程度を、水和および皮脂を測定することによって得られた値を加算すること、およびTEWL値を減算することにより、算出する。結果を、表30に示す。
Figure 0007200211000039
結果は、有効成分適用の7日後に、皮膚のバリア機能の程度が、プラシーボと比較して、および初期時に対して増加することを示す。
したがって、本発明のペプチドを含む組成物は、早朝での、睡眠遮断後でさえの、皮膚の微小循環の増加、目袋ボリュームの減少、および皮膚のバリア機能の改善によって示されるように生体時計を前進させることができる。
実施例30
白人皮膚タイプの女性ボランティアにおける長期適用後での活力を与える効果および老化防止効果の評価のためのインビボ研究。
老化および「時差ぼけ」は、内部時計の概日リズムを設定する皮膚の能力を減少させ、1日に沿った生物学的皮膚機能の脱同期を引き起こす。この研究は、本発明による有効成分が我々の皮膚の生物時計を前進させ、抗老化特性をもたらすことができることを証明することを目的とした。
研究は、28日間行われる。41人の白人女性ボランティア(31~46歳の)を、2つの群に分ける。群の1つは、朝に実施例28に記載の組成物および夜に実施例27に記載のプラシーボクリームを顔全体に適用する。ボランティアの第2の群は、朝および夜に1日2回、実施例27に記載のプラシーボクリームを顔全体に適用する。対象は、対象自身の基準としての役割を担い、28日後に得られた結果を、初期時に得られた結果と比較する。測定を、早朝に実行する。実施例28の組成物によって得られた結果を、プラシーボクリームによって得られた結果と比較する。
本発明による有効成分の顔に活力を与える効果および抗老化効果を、皮膚の明度、皺の視認性、および目袋ボリュームの測定により評価する。
皮膚の明度
生成物適用の28日後にボランティアの顔の画像をCamerascan(Orion Concept)により撮影し、明度の測定を行う。結果を、表31に示す。
Figure 0007200211000040
結果は、有効成分適用の28日後に、皮膚の明度が、初期時と比較して統計的に有意に増加することを示す。また、皮膚の明度の増加は、プラシーボクリームと比べて有効成分でより高い。
皺の視認性
生成物適用の28日後に、ボランティアの顔の画像をCamerascan(Orion Concept)により撮影し、皺の視認性を測定する。結果を、表32に示す。
Figure 0007200211000041
有効成分適用の28日後、皮膚の皺の視認性が、初期時と比較して統計的に有意に減少することを示す。更に、皺の視認性の減少は、プラシーボクリームと比べて有効成分でより高い。
目袋のボリューム(目袋ボリューム)
生成物適用の28日後に、ランダムに選択された1つの眼での目袋のボリュームを、Primos lite 3D(Canfield)システムにより測定する。結果を、表33に示す。
Figure 0007200211000042
表33に示すこれらの結果は、有効成分適用の28日後に、目袋のボリュームがプラシーボと比較して、および初期時に対して減少することを示す。
したがって、本発明による有効成分は、皺の視認性の減少、目袋のボリュームの減少、および皮膚の明度の増加により示されるように我々の皮膚の生物時計を前進させることができ、抗老化特性をもたらす。
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Claims (14)

  1. 式(I):
    -W-X-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-AA-Y-Z-R(I)
    で表される化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩であって、式中、
    AAが、Pheであり、
    AAが、Trpであり、
    AAが、Met、Leu、およびIleからなる群から選択され、
    AAが、Lys、Arg、およびGlnからなる群から選択され、
    AAが、Argであり、
    AAが、Lysであり、
    AAが、Arg、Lys、およびHisからなる群から選択され、
    AAが、Val、Ile、Leu、およびMetからなる群から選択され、
    AAが、Proであり、
    W、X、YおよびZが、それぞれ独立して、アミノ酸であり、
    m、n、pおよびqが、それぞれ独立して、であり
    が、H、アセチル、パルミトイル、ラウロイル、またはミリストイルからなる群から選択され、
    が、-NRまたは-ORであり、ここで、RおよびRは、独立して、HおよびC-C16アルキルからなる群から選択され、
    およびRが、アミノ酸ではない、化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
  2. AAが、Metであり、任意に、AAが、LysおよびArgからなる群から選択されるか、またはAAが、Lysであるか、もしくはAAが、Argである、請求項1に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
  3. AAが、LysおよびArgからなる群から選択され、AAが、Val、Ile、およびLeuからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
  4. AAが、Leuであり、任意に、AAが、LysおよびArgからなる群から選択されるか、またはAAが、Lysであるか、もしくはAAが、Argである、請求項1に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
  5. AAが、LysおよびArgからなる群から選択され、AAが、LysおよびArgからなる群から選択され、AAが、ValおよびIleからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
  6. AAが、Ileであり、任意に、AAが、Glnである、請求項1に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
  7. 前記化合物が、
    -W-X-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-Y-Z-R (ii)、
    -W-X-Phe-Trp-Leu-Arg-Arg-Lys-Lys-Ile-Pro-Y-Z-R (iii)、
    -W-X-Phe-Trp-Ile-Gln-Arg-Lys-His-Met-Pro-Y-Z-R (iv)、
    -W-X-Phe-Trp-Leu-Lys-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-Y-Z-R (v)、
    -W-X-Phe-Trp-Met-Arg-Arg-Lys-Arg-Val-Pro-Y-Z-R (vi)、
    -W-X-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Lys-Val-Pro-Y-Z-R (vii)、
    -W-X-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Ile-Pro-Y-Z-R (viii)、および
    -W-X-Phe-Trp-Met-Lys-Arg-Lys-Arg-Leu-Pro-Y-Z-R (ix)からなる群から選択される式の化合物であり、
    式中、R、R、W、X、Y、Z、ならびにm、n、p、およびqが、請求項1の式(I)に定義される通りである、請求項1に記載の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩。
  8. が、H、アセチルまたはパルミトイルからなる群から選択され、Rが、-NRまたは-ORであり、ここで、RおよびRは、HおよびC-C16アルキルからなる群から独立して選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 前記化合物が、
    Figure 0007200211000043
    Figure 0007200211000044
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  10. 皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物。
  11. 前記化粧的であり非治療的な処置および/またはケアが、皮膚の老化症状の処置および/または予防;皮膚に活力を与えること;皮膚のバリア機能の維持および/または改善;皮膚の水和の維持および/または改善;皮膚の微小循環および/または皮膚の色合いの維持および/または改善;皮膚の疲労症状の処置および/または予防;目袋の処置および/または予防;あるいは皮膚の明度の維持および/または改善である、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記皮膚が早朝の皮膚であるか、または前記皮膚が、概日リズムが変化した対象の皮膚である、請求項10または請求項11に記載の組成物。
  13. 請求項1~9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体および/またはその化粧品的にもしくは薬学的に許容される塩の化粧品的に有効な量、ならびに少なくとも1つの化粧品的に許容される賦形剤またはアジュバントを含む化粧品組成物。
  14. 対象の皮膚、毛髪、爪および/または粘膜の化粧的であり非治療的な処置および/またはケアのための組成物であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体、および/もしくはその化粧品的に許容される塩の化粧品的に有効な量を含む、組成物。
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