JP7196606B2 - 眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラム - Google Patents

眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7196606B2
JP7196606B2 JP2018503357A JP2018503357A JP7196606B2 JP 7196606 B2 JP7196606 B2 JP 7196606B2 JP 2018503357 A JP2018503357 A JP 2018503357A JP 2018503357 A JP2018503357 A JP 2018503357A JP 7196606 B2 JP7196606 B2 JP 7196606B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
analysis result
ganglion cell
retina
visual field
analysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018503357A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017150583A1 (ja
Inventor
徹哉 加納
倫全 佐竹
寿成 鳥居
涼介 柴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidek Co Ltd
Original Assignee
Nidek Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidek Co Ltd filed Critical Nidek Co Ltd
Publication of JPWO2017150583A1 publication Critical patent/JPWO2017150583A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7196606B2 publication Critical patent/JP7196606B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/0016Operational features thereof
    • A61B3/0025Operational features thereof characterised by electronic signal processing, e.g. eye models
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/0016Operational features thereof
    • A61B3/0041Operational features thereof characterised by display arrangements
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/02Subjective types, i.e. testing apparatus requiring the active assistance of the patient
    • A61B3/024Subjective types, i.e. testing apparatus requiring the active assistance of the patient for determining the visual field, e.g. perimeter types
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/1005Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for measuring distances inside the eye, e.g. thickness of the cornea
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/12Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for looking at the eye fundus, e.g. ophthalmoscopes
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/0002Inspection of images, e.g. flaw detection
    • G06T7/0012Biomedical image inspection
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/102Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for optical coherence tomography [OCT]
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/10Image acquisition modality
    • G06T2207/10072Tomographic images
    • G06T2207/10101Optical tomography; Optical coherence tomography [OCT]
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30004Biomedical image processing
    • G06T2207/30041Eye; Retina; Ophthalmic

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Description

本開示は、患者眼に関する情報を処理する眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラムに関する。
従来、視野の異常と網膜の異常の関係に関する種々の研究が行われている。例えば、網膜を正面から見た場合に、光の情報を信号に変える視細胞(錐体)の位置と、視細胞から信号を受け取る神経節細胞の位置がずれていることが、非特許文献1に開示されている。
Johann Sjostrand, et al. "Morphometric study of the displacement of retinal ganglion cells subserving cones within the human fovea." Graefe‘s archive for clinical and experimental ophthalmology 237.12(1999):1014-1023
視野と網膜の状態を関連付ける場合、視細胞の位置と神経節細胞の位置のずれ(以下、「細胞間の位置ずれ」という)を考慮することが望ましいと考えられる。例えば、視野検査の結果と網膜の状態を比較する場合に、視野検査のための刺激光を投影した刺激位置の網膜の状態でなく、刺激位置における視細胞から信号を受ける神経節細胞の位置の状態を、視野検査の結果と比較することが有用と思われる。しかし、仮に細胞間の位置ずれを考慮したとしても、視野に関連する網膜の状態を適切に示す方法は、従来は存在しなかった。
本開示の典型的な目的は、視野に関連する網膜の状態を適切に示すことが可能な眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラムを提供することである。
本開示における典型的な実施形態が提供する眼科情報処理装置は、患者眼の眼底のうち、視野検査において刺激光が投影された位置である刺激位置を、注目位置として設定する設定手段と、前記注目位置に存在する視細胞に対応する神経節細胞の位置を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記神経節細胞の位置を、表示手段に表示させる神経節細胞位置表示手段と、前記特定手段によって特定された前記神経節細胞の位置における網膜の解析結果を、特定された前記神経節細胞の位置の中心点における前記網膜の解析結果と、前記中心点から離間した補助点における前記網膜の解析結果とに基づいて、または前記中心点を包含する領域である解析領域における前記網膜の解析結果に基づいて取得する解析結果取得手段と、前記解析結果取得手段によって取得された前記神経節細胞の位置における網膜の解析結果を出力する出力手段と、を備え、前記神経節細胞位置表示手段は、視野異常との関連の度合いが互いに異なるように設定された複数の分割領域を有する特定の二次元チャートを、複数の前記刺激位置の各々に対応する複数の前記神経節細胞の位置を基準として表示することで、前記特定手段によって特定された前記神経節細胞の位置を、前記表示手段に表示させ、前記出力手段は、それぞれの前記刺激位置における前記視野検査の結果と、前記刺激位置に対応する神経節細胞の位置の解析結果とに基づいて、前記二次元チャートにおけるそれぞれの前記分割領域毎に診断情報を出力する。
本開示における典型的な実施形態が提供する眼科情報処理プログラムは、眼科情報処理装置のプロセッサによって実行されることで、患者眼の眼底のうち、視野検査において刺激光が投影された位置である刺激位置を、注目位置として設定する設定ステップと、前記注目位置に存在する視細胞に対応する神経節細胞の位置を特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいて特定された前記神経節細胞の位置を、表示手段に表示させる神経節細胞位置表示ステップと、前記特定ステップにおいて特定された前記神経節細胞の位置における網膜の解析結果を、特定された前記神経節細胞の位置の中心点における前記網膜の解析結果と、前記中心点から離間した補助点における前記網膜の解析結果とに基づいて、または前記中心点を包含する領域である解析領域における前記網膜の解析結果に基づいて取得する解析結果取得ステップと、前記解析結果取得ステップにおいて取得された前記神経節細胞の位置における網膜の解析結果を出力する出力ステップと、を前記眼科情報処理装置に実行させ、前記神経節細胞位置表示ステップでは、視野異常との関連の度合いが互いに異なるように設定された複数の分割領域を有する特定の二次元チャートを、複数の前記刺激位置の各々に対応する複数の前記神経節細胞の位置を基準として表示することで、前記特定ステップにおいて特定された前記神経節細胞の位置を、前記表示手段に表示させ、前記出力ステップでは、それぞれの前記刺激位置における前記視野検査の結果と、前記刺激位置に対応する神経節細胞の位置の解析結果とに基づいて、前記二次元チャートにおけるそれぞれの前記分割領域毎に診断情報を出力する。
本開示に係る眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラムによると、視野に関連する網膜の状態が適切に示される。
本開示で例示する眼科情報処理装置は、眼科情報処理装置の動作を制御する制御部を備える。制御部は、患者眼の眼底上において注目位置を設定する。制御部は、注目位置に存在する視細胞に対応する神経節細胞の位置、または、注目位置に存在する神経節細胞に対応する視細胞の位置を特定する。制御部は、特定された位置における網膜の解析結果を、特定された位置の中心点における網膜の解析結果と、前記中心点から離間した補助点における網膜の解析結果とに基づいて、または中心点を包含する領域である解析領域における網膜の解析結果に基づいて取得する。
本開示で例示する眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラムによると、ユーザは、視細胞の位置と神経節細胞の位置のずれが考慮された網膜解析結果によって、患者眼の状態を適切に診断することができる。また、特定された位置における1つの点の解析結果のみを取得する場合に比べて、より適切な値が取得される。よって、診断の信頼性が向上する。
制御部は、特定された位置における網膜解析結果を取得する場合に、特定された位置の中心点における解析結果と、中心点から離間した補助点における解析結果とを取得してもよい。また、制御部は、特定された位置の中心点を包含する解析領域における解析結果を取得してもよい。これらの場合、1つの点における網膜解析結果だけを取得する場合に比べて、より適切な値が取得される。よって、診断情報の信頼性が向上する。ただし、制御部は、1つの点における網膜解析結果を、特定された1つの神経節細胞または視細胞の位置における網膜解析結果として取得することも可能である。
制御部は、中心点における網膜解析結果と補助点における網膜解析結果を取得する場合に、ユーザによって入力された指示に基づいて中心点と補助点の間隔を設定してもよい。また、制御部は、中心点を包含する解析領域における解析結果を取得する場合、ユーザによって入力された指示に基づいて解析領域の大きさを設定してもよい。これらの場合、ユーザが所望する態様で層の厚みが取得される。
制御部は、注目位置に存在する視細胞に対応する神経節細胞の位置を特定してもよい。制御部は、特定手段によって特定された神経節細胞の位置における網膜の解析結果を、特定された神経節細胞の位置の中心点における網膜の解析結果と、中心点から離間した補助点における網膜の解析結果とに基づいて、または中心点を包含する領域である解析領域における網膜の解析結果に基づいて取得してもよい。この場合、注目位置が設定されることで、注目位置に存在する視細胞に対応する神経節細胞の位置の網膜の解析結果が適切に取得される。
制御部は、患者眼の眼底のうち、視野検査において刺激光が投影された位置である刺激位置を、注目位置として設定してもよい。この場合、視野検査の結果と、視野検査において信号が渡った神経節細胞が存在する位置の網膜の解析結果とが、適切に対応付けられる。従って、視野と網膜の状態との関係が適切に示される。
ただし、注目位置の設定方法を変更することも可能である。例えば、制御部は、眼底上の位置を指定するためのユーザの指示を入力し、指定された位置を注目位置として設定してもよい。つまり、制御部は、視細胞が存在する視細胞層上、または、神経節細胞が存在する神経節細胞層上において、注目位置をユーザに指定させてもよい。この場合、ユーザが注目する位置の解析結果(例えば層の厚み等)が、視細胞と神経節細胞の位置ずれが考慮されたうえで適切に取得される。
ユーザによって指定された位置を注目位置として設定する場合、制御部は、ユーザによる指示(例えば、マウスのクリック操作による指示等)が複数回入力された場合に、複数回の入力によって指定された複数の位置を注目位置として設定してもよい。制御部は、設定した複数の注目位置の各々に対応する神経節細胞または視細胞の位置を特定し、特定した複数の位置における網膜の解析結果を取得してもよい。この場合、ユーザが注目する複数の位置の解析結果が、適切に取得される。
また、設定される注目位置は、点でなく領域(以下、注目領域)であってもよい。制御部は、注目領域に存在する視細胞に対応する神経節細胞の領域、または、注目領域に存在する神経節細胞に対応する視細胞の領域を特定してもよい。制御部は、特定された領域における網膜の解析結果の平均値を取得してもよい。この場合、注目領域の解析結果が、視細胞と神経節細胞の位置ずれが考慮されたうえで適切に取得される。
制御部は、中心点と補助点の間隔、または解析領域の大きさを、視野検査において眼底に向けて投影された刺激光の面積に基づいて設定してもよい。この場合、刺激光の面積に応じた適切な態様で、網膜の解析結果(例えば層の厚み等)が取得される。
制御部は、それぞれの刺激位置における視野検査結果と、刺激位置に対応する神経節細胞の位置の解析結果とに基づいて、複数の分割領域を有する特定の二次元チャートの分割領域毎に診断情報を出力してもよい。この場合、ユーザは、例えば、網膜のうち視力に関連が深い領域の状態を適切に把握して診断を行うことも可能である。
出力する診断情報の内容は適宜選択できる。例えば、制御部は、視野検査結果と網膜解析結果を統合させて診断情報を生成し、出力してもよい。また、制御部は、視野検査結果と網膜解析情報を対応付けて、これらを診断情報として出力してもよい。
制御部は、眼底の正面画像上に二次元チャートを表示させてもよい。この場合、ユーザは、眼底の位置を適切に把握したうえで、二次元チャートに基づいた診断を行うことができる。また、制御部は、眼底の血管が示された画像上(例えば、モーションコントラスト画像等)に二次元チャートを表示させてもよい。この場合、ユーザは、血管の状態と視野検査の結果を比較することも容易になる。
制御部は、二次元チャートの分割領域がユーザによって選択された場合に、選択された分割領域に対応する視野検査の刺激位置をユーザに通知してもよい。また、制御部は、視野検査の刺激位置がユーザによって選択された場合に、選択された位置に対応する分割領域をユーザに通知してもよい。この場合、ユーザは、分割領域と刺激位置の関係を容易に把握することができる。
制御部は、刺激位置を示す画像、網膜の厚み分布に関する情報を示す画像、および、網膜の血管を示す画像(例えば、眼底のOCTモーションコントラスト画像、蛍光撮影画像)の少なくともいずれかを、二次元チャートと共に表示手段に表示させてもよい。この場合、ユーザは、刺激位置、網膜の厚み分布に関する情報、および網膜の血管の少なくともいずれかを、診断情報と容易に比較することができる。
制御部は、網膜のうち、神経節細胞の位置における少なくともいずれかの層の厚みの解析結果を、網膜の解析結果として取得してもよい。この場合、ユーザは、例えば、視細胞の位置と神経節細胞の位置のずれが考慮された状態で、視野検査結果と網膜の状態を適切に比較することもできる。
なお、制御部は、網膜の解析結果として、層の厚み以外の解析結果を取得してもよい。例えば、制御部は、眼底の正面画像、眼底のモーションコントラストデータ、眼底の蛍光撮影画像等を解析することで得られる網膜の血管密度および血管面積の少なくともいずれかを、網膜の解析結果として取得してもよい。この場合、ユーザは、例えば、刺激位置における視野検査結果と、刺激位置に対応する神経節細胞の位置における血管の状態とを容易に比較することもできる。
制御部は、視細胞の位置と神経節細胞の位置の関係を規定するモデルに基づいて、視細胞に対応する神経節細胞の位置、または神経節細胞に対応する視細胞の位置を特定してもよい。この場合、注目位置に対応する位置が適切に特定される。さらに、制御部は、複数のモデルのうちユーザによって選択されたモデルに基づいて、注目位置に対応する位置を特定してもよい。この場合、ユーザが所望する方法で、注目位置に対応する位置が特定される。ただし、容易されているモデルは1つであってもよい。また、制御部は、ユーザによって入力された操作指示に応じてモデルを作成し、作成したモデルに基づいて、注目位置に対応する位置を特定してもよい。
視細胞の位置と、視細胞に対応する神経節細胞の位置がずれる程度は、眼底上の部位に応じて変化する。従って、視細胞に対応する神経節細胞の位置、または神経節細胞に対応する視細胞の位置を特定する方法として、例えば、眼底上の所定部位(一例として中心窩等)と注目位置の距離に基づいて、注目位置に対応する位置を特定する方法等を用いることができる。しかし、眼軸長を考慮しない場合には、眼底上の所定部位と注目位置の距離を正確に求めることが困難となり、位置の特定精度が低下する可能性がある。従って、制御部は、患者眼の眼軸長に基づいて、注目位置に対応する位置を特定してもよい。この場合、位置の特定精度が向上する。
制御部は、網膜の解析結果に関する情報を、視野検査の結果に付随させて表示させてもよい。この場合、ユーザは、視野検査の結果と網膜の状態に関する情報を容易に比較して診断を行うことができる。なお、網膜の解析結果に関する情報には、解析結果だけでなく、解析結果を他のデータ(例えば正常眼のデータ)と比較した結果の情報等も含まれる。
制御部は、視細胞および神経節細胞の少なくともいずれかと、これらの細胞からの信号が通過する神経線維とを対応付けてもよい。この場合、制御部は、視細胞から発生する信号の一連の流れに基づいた有用な情報を生成することができる。例えば、制御部は、複数の刺激位置のいずれかがユーザによって選択された場合に、選択された刺激位置の視細胞に対応する神経線維がいずれであるかをユーザに通知してもよい。この場合、ユーザは、視野検査の結果と神経線維を容易に比較することができる。また、制御部は、複数の神経線維のいずれかがユーザによって選択された場合に、選択された神経線維に対応する視細胞の位置をユーザに通知してもよい。また、制御部は、二次元チャートの分割領域と神経線維の対応をユーザに通知してもよい。一例として、制御部は、二次元チャートの分割領域のいずれかが選択された場合に、選択された分割領域に対応する神経線維が存在する乳頭近傍の領域を、ユーザに通知してもよい。
制御部は、注目位置に対応する位置(つまり、注目位置に存在する視細胞に対応する神経節細胞の位置、または、注目位置に存在する神経節細胞に対応する視細胞の位置)の解析結果、および注目位置の解析結果のいずれを出力するかを選択する指示を入力してもよい。制御部は、注目位置の解析結果を出力する指示が入力されている場合には、注目位置における網膜の解析結果を出力してもよい。この場合、ユーザは、視細胞と、この視細胞に対応する神経節細胞の位置ずれを考慮させるか否かを適宜選択することができる。なお、制御部は、注目位置における網膜の解析結果を出力する場合、注目位置の中心点における網膜の解析結果と、前記中心点から離間した補助点における網膜の解析結果とに基づいて、または前記中心点を包含する解析領域における網膜の解析結果に基づいて、注目位置における解析結果を出力してもよい。
制御部は、中心点と補助点の各々における網膜の解析結果に基づいて注目位置の解析結果を取得する場合、中心点および補助点のうち、他の点における解析結果との差が閾値以上となる点の解析結果を除外して、注目位置における解析結果を取得してもよい。また、制御部は、中心点を包含する解析領域における網膜の解析結果を取得する場合、解析領域内における解析結果のうち、解析領域内の他の領域における解析結果との差が閾値以上となる領域の解析結果を除外して、注目位置における解析結果を取得してもよい。この場合、何らかの不具合によって異常な解析結果が生じる点または領域が含まれている場合でも、注目位置における解析結果がより正確に取得される。
以下で説明する実施形態では、眼科情報処理装置は種々の動作を行うことができる。しかし、眼科情報処理装置は、以下の実施形態で例示する複数の動作の全てを実施できる必要は無い。例えば、眼科情報処理装置は、中心点および補助点における網膜の解析結果を取得する動作を行わずに、二次元チャートの分割領域毎に診断情報を出力する動作を行ってもよい。この場合、眼科情報処理装置は以下のように表現することも可能である。患者眼の眼底のうち、視野検査において刺激光が投影された位置である刺激位置を複数取得する刺激位置取得手段と、それぞれの前記刺激位置における前記視野検査の結果を取得する検査結果取得手段と、それぞれの前記刺激位置の視細胞に対応する神経節細胞の位置を特定する特定手段と、特定されたそれぞれの前記神経節細胞の位置における網膜の解析結果を取得する解析結果取得手段と、それぞれの前記刺激位置における前記視野検査の結果と、前記刺激位置に対応する神経節細胞の位置の解析結果とに基づいて、複数の分割領域を有する特定の二次元チャートにおけるそれぞれの前記分割領域毎に診断情報を出力する出力手段と、を備えた眼科情報処理装置。
PC1を含む眼科情報処理システム100の電気的構成を示すブロック図である。 眼底上に配置された刺激位置31のパターンの一例を示す図である。 図2に例示した刺激位置31に対応する神経節細胞の位置41を示す図である。 刺激位置31に対応する形状で表示された診断チャート51の一例を示す図である。 神経節細胞41の位置に対応する形状で表示された診断チャート61の一例を示す図である。 本実施形態のPC1が実行する処理のフローチャートである。 特定された視細胞の位置41と、厚みを求めるために用いられる中心点43および補助点44の関係を説明するための説明図である。 モニタ21に表示される診断情報表示画像の一例を示す図である。 モニタ21に表示される診断情報表示画像の一例を示す図である。 連結している視細胞、神経節細胞、および神経線維80の状態の一例を示す図である。 ユーザが指定した注目位置に基づいて網膜の解析結果を出力する方法の一例を示す図である。 ユーザが指定した複数の注目位置に基づいて、網膜の解析結果を複数出力する方法の一例を示す図である。 ユーザが指定した注目領域88と、注目領域88に対応する領域89の関係の一例を示す図である。
以下、本開示における典型的な実施形態の一例について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施形態の眼科情報処理システム100の概略構成について説明する。
一例として、本実施形態の眼科情報処理システム100は、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)1、視野計3、および断層画像撮影装置4を備える。PC1は、視野計3によって行われた視野検査における刺激位置等を取得する。また、PC1は、断層画像撮影装置4によって生成された眼底のデータに基づいて、刺激位置に対応する神経節細胞の位置の網膜解析結果(例えば、網膜の層の厚み)を取得する。つまり、本実施形態では、視野計3および断層画像撮影装置4とは別のデバイスであるPC1が、眼科情報処理装置として動作する。しかし、眼科情報処理装置として動作することができるのは、PC1に限定されない。例えば、断層画像撮影装置4が、刺激位置等を視野計3から取得したうえで、網膜解析結果を取得してもよい。視野計3が眼科情報処理装置として動作してもよい。視野検査、断層画像の撮影、および診断情報の出力等の全てが1つのデバイスによって行われてもよい。
<PC>
PC1は、PC1の動作を制御する制御部10を備える。制御部10は、CPU11、ROM12、RAM13、および不揮発性メモリ(Non-volatile memory:NVM)14を備える。CPU11は、PC1の各種制御を司る。ROM12には、各種プログラム、初期値等が記憶されている。RAM13は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリ14は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、および着脱可能なUSBメモリ等を不揮発性メモリ14として使用してもよい。本実施形態では、後述する処理(図6参照)を実行するための眼科情報処理プログラム等が不揮発性メモリ14に記憶される。
制御部10は、表示制御部16、操作処理部17、外部メモリI/F18、および通信I/F19にバスを介して接続されている。表示制御部16は、モニタ21の表示を制御する。操作処理部17は、PC1に対するユーザの各種操作入力を受け付けるための操作部22(例えば、キーボード、マウス等)に接続し、入力を検知する。モニタ21および操作部22は、外付けであってもよいし、PC1に組み込まれていてもよい。外部メモリI/F18は、外部メモリ23をPC1に接続する。外部メモリ23には、例えばUSBメモリ、CD-ROM等の種々の記憶媒体を使用することができる。通信I/F19は、PC1を外部機器(例えば、視野計3および断層画像処理装置4)に接続する。通信I/F19による通信は、有線通信でも無線通信でもよいし、インターネット等を介して行われてもよい。PC1は、視野検査の結果、眼底の三次元画像のデータ、三次元画像が解析されることで生成された網膜の厚み分布に関するデータ、眼底のモーションコントラストデータ、眼底の正面画像のデータ等を、外部メモリI/F18または通信I/F19等を介して取得することができる。
<視野計>
視野計3は、患者眼の視野の検査を行うために用いられる。本実施形態では、種々の構成の視野計を用いることができる。一例として、視野計3は、固視された患者眼の眼底に刺激光を投影(照射)し、光を認識した程度を患者に応答させて、結果を記憶する。視野計3は、眼底上の複数の刺激位置の各々に対して刺激光を順次投影し、それぞれの刺激位置における患者の応答結果を記憶していくことで、患者眼の視野の検査を行う。また、視野計3は、眼底の正面画像を撮影する構成を備えていてもよい。視野計3の構成の一例は、特開2005-102946号公報等に開示されている。
複数の刺激位置は、視野検査の内容等に応じたパターンで配列される場合が多い。図2の刺激パターン画像30は、眼底上に配置された刺激位置31のパターンの一例を示す。図2に示す例では、左側に黄斑6および中心窩7が位置し、右側に乳頭8が位置している。図2に例示するパターンでは、視野角10度の領域32内に、複数の刺激位置31が規則的に配置されている。視野検査が行われる場合、刺激位置31のパターン全体の中心が中心窩7に一致するように、複数の刺激位置31が眼底に投影される。なお、刺激位置31のパターンが図2に示す例に限定されないことは言うまでもない。
<断層画像撮影装置>
断層画像撮影装置4は、少なくとも患者眼の網膜の断層画像を撮影することができる。一例として、本実施形態では、光干渉の技術を用いて断層画像を撮影するOCTが用いられている。OCTは、光源、光分割器、参照光学系、走査部、および検出器を備える。光源は、断層画像を撮影するための光を出射する。光分割器は、光源によって出射された光を、参照光と測定光に分割する。参照光は参照光学系に入射し、測定光は走査部に入射する。参照光学系は、測定光と参照光の光路長差を変更する構成を有する。走査部は、測定光を組織上で二次元方向に走査させる。検出器は、組織によって反射された測定光と、参照光学系を経た参照光の干渉状態を検出する。断層画像撮影装置4は、測定光を走査し、反射測定光と参照光の干渉状態を検出することで、組織の深さ方向の情報を取得する。取得した深さ方向の情報に基づいて、撮影対象(例えば網膜)の断層画像を取得する。また、断層画像撮影装置4は、測定光を眼底上で二次元方向に走査させることで、網膜の三次元画像を取得することもできる。さらに、断層画像撮影装置4は、三次元画像を解析することで、網膜の少なくともいずれかの層の厚み分布を示すデータ(例えば厚みマップ等)を取得することもできる。なお、三次元画像を解析して厚みマップ等を取得する処理は、断層画像撮影装置4以外のデバイス(PC1等)であってもよい。また、三次元画像を取得する方法を変更できることは言うまでもない。
また、本実施形態の断層画像撮影装置4は、患者眼の眼底の正面画像(つまり、患者眼の視線方向から見た場合の二次元画像)を取得することもできる。眼底の正面画像は種々の方法によって取得することができる。例えば、可視光または赤外光によって照明された眼底を撮影することで正面画像が取得されてもよい。公知のSLOによって正面画像が取得されてもよい。眼底の正面画像を取得するデバイス(例えば眼底カメラ等)が別で用いられてもよい。
一例として、本実施形態の断層画像撮影装置4は、Enface画像を正面画像として取得することができる。Enface画像は、OCT三次元画像データから得られる正面画像である。例えば、Enface画像は、OCT三次元画像データを深さ方向に関して積算すること等によって取得される。Enface画像には、網膜における神経線維の走行状態が現れる場合がある。詳細は後述するが、本実施形態のPC1は、神経線維の走行の情報を、視細胞および神経節細胞の少なくともいずれかに対応付けることもできる。
<対応する視細胞と神経節細胞の位置ずれ>
図2および図3を参照して、視細胞と神経節細胞の位置ずれについて説明する。一般的に、網膜は、表面側から順に、内境界膜、神経繊維層(NFL)、神経節細胞層(GCL)、内網状層(IPL)、内顆粒層、外網状層、ヘンレ層、外顆粒層、外境界膜、視細胞層、網膜色素上皮層を有する。視細胞層には視細胞(錐体)が存在する。視細胞は、光に反応して信号を発生させる。視細胞が発生させた信号は、ヘンレ層等を経て、神経節細胞層に存在する神経節細胞へ渡り、神経繊維層に存在する神経線維の走行に沿って乳頭へと伝わっていく。つまり、視細胞が発生させた信号は、その視細胞に連結している神経節細胞および神経線維等を経て大脳に伝わる。本実施形態では、これらが互いに連結していることを「対応する」と表現する場合もある。
ここで、眼底を正面から見た場合に、視細胞の位置と神経節細胞の位置がずれていることが知られている。例えば、図3は、図2に例示した刺激位置31に対応する神経節細胞の位置41を示す画像40である。図2に例示したパターンで複数の刺激位置31に刺激光を照射した場合には、それぞれの刺激位置31の視細胞に連結している(対応する)神経節細胞の位置41は、図3に示すように、刺激位置31からずれる。
前述した非特許文献1には、連結する視細胞と神経節細胞の位置に関し、中心窩7に対する視細胞の位置の変位xと、中心窩7に対する神経節細胞の位置の変位yが、以下の(式1)を満たす事が記載されている。また、非特許文献1では、対応する視細胞と神経節細胞の面積比についても規定されている。
y=1.29×(x+0.046)0.67・・・(式1)
以下では、視細胞の位置と神経節細胞の位置の関係を規定するモデルのうち、非特許文献1に記載されたモデルを、Sjostrandモデルと言う。本実施形態のPC1は、ある視細胞に連結する神経節細胞の位置を、Sjostrandモデルに基づいて特定することができる。
また、本実施形態のPC1は、視細胞に連結する神経節細胞の位置を、Sjostrandモデルとは異なるモデルに基づいて特定することも可能である。例えば、視細胞の位置と神経節細胞の位置の関係は、以下の論文でも規定されている。「Drasdo,Neville,et al. ”The length of Henle fibers in the human retina and a model of ganglion receptive field density in the visual field.” Vision research 47.22(2007):2901-2911」上記の論文で規定されているモデルをDrasdoモデルという。なお、PC1は、視細胞の位置に対応する神経節細胞の位置(つまり、視細胞に連結する神経節細胞の位置)、または、神経節細胞の位置に対応する視細胞の位置(つまり、神経節細胞に連結する視細胞の位置)を、他のモデルに基づいて特定できてもよい。また、PC1は、ユーザによる操作部22の操作に応じてモデルを作成してもよい。
なお、視細胞の位置に対応する神経節細胞の位置、または、神経節細胞の位置に対応する視細胞の位置を、モデルに基づいて特定する方法は、適宜選択できる。例えば、本実施形態では、Sjostrandモデルを用いる場合、前述した(式1)を用いて対応する位置を特定するためのプログラムが不揮発性メモリ14に記憶されている。しかし、PC1は、視細胞の位置と神経節細胞の位置を対応付けるテーブル等を参照することで位置を特定してもよい。
<診断チャート>
図4および図5を参照して、診断チャートの一例について説明する。診断チャートとは、視野検査の結果および網膜の解析結果を用いた診断情報の出力単位となる分割領域が複数配置された二次元のチャート(図式モデル)である。網膜には視野の異常に関連が深い領域が存在することが、従来の論文等でも発表されている。従って、医師は、二次元の診断チャートに基づいて診断を行うことで、網膜の各領域の診断を、視野異常との関連の度合いに応じて適切に行うことができる。
診断チャートは、網膜の各領域と視野異常との関連の度合いに応じて適宜作成すればよい。図4に、診断チャートの一例を示す。図4に例示する診断チャート51は、5つの分割領域52A,52B,52C,52D,52E,52Fを有する。それぞれの分割領域52は、一定の理論に従って、視野異常との関連の度合いが他の分割領域52との間で異なるように配置されている。例えば、分割領域52Cは、分割領域52Aよりも視野異常との関連が深い。視野異常と各領域の関連の度合いを規定する理論が異なれば、診断チャートの形状も異なることとなる。また、使用する解析結果の種類(例えば、層の厚みに関する解析結果、または血管に関する解析結果)に応じて、診断チャートが変更されてもよい。
図4に例示する診断チャート51は、複数の刺激位置31を基準として表示されている。従って、刺激位置31の配置(つまり、刺激を与えた視細胞の位置)を基準として診断情報を医師が確認したい場合等には、図4に例示する診断チャート51が用いられてもよい。
図5に例示する診断チャート61は、刺激位置31(つまり、視細胞の位置)に対応する神経節細胞の位置41を基準として表示されている。従って、網膜の解析結果が取得された神経節細胞の位置41を基準として診断情報を医師が確認したい場合等には、図5に例示する診断チャート61が用いられてもよい。
診断チャートに基づく診断情報の出力は、それぞれの分割領域毎に行われる場合、2つ以上の分割領域が統合されて行われる場合、診断チャートの全体に基づいて行われる場合等がある。例えば、図4に示す例において、2つ以上の分割領域52が統合される場合には、上半分の分割領域52A,52B,52Cが統合される場合、および、下半分の分割領域52D,52E,52Fが統合される場合等がある。
また、図4および図5に示すように、本実施形態におけるPC1の制御部10(CPU11)は、モニタ21の表示を制御し、眼底の正面画像上に診断チャート51,61を表示させることができる。従って、ユーザは、眼底の位置を適切に把握したうえで、診断チャート51,61による診断を行うことができる。なお、正面画像上に診断チャート51,61を表示させる方法は適宜選択できる。例えば、CPU11は、診断チャート51,61の枠内の色と枠外の色または輝度等に差をつけることで、正面画像上に診断チャート51,61を表示させてもよい。また、図4および図5に示すように、CPU11は、診断チャート51,61の枠を正面画像上に重畳表示させてもよい。
<眼科情報制御処理>
図6等を参照して、眼科情報処理装置(本実施形態ではPC1)のCPU11が実行する処理について説明する。前述したように、不揮発性メモリ14には、図6に例示する処理を実行するための眼科情報処理プログラムが記憶されている。CPU11は、診断情報の出力を開始させる指示が入力されると、眼科情報処理プログラムに従って、以下説明する処理を実行する。
まず、CPU11は、刺激位置31を示す情報を取得する(S1)。前述したように、刺激位置31は、視野検査において刺激光が投影された位置である。刺激位置31を示す情報は、例えば、座標情報であってもよいし、刺激位置31が示された画像の情報であってもよい。本実施形態では、刺激位置31が注目位置として取得される。
CPU11は、それぞれの刺激位置31における視野検査の結果を取得する(S2)。一例として、本実施形態では、それぞれの刺激位置31における視野検査の結果を4つの段階に分けて出す視野計3が用いられている。なお、本実施形態のCPU11は、外部メモリI/F18または通信I/F19を介して、刺激位置31を示す情報および視野検査の結果を視野計3から取得する。
CPU11は、モデルを選択するためにユーザによって入力された指示の情報を取得する(S3)。前述したように、本実施形態では、視細胞の位置と神経節細胞の位置の関係がモデルによって規定されている。さらに、本実施形態では複数のモデルが用意されている。PC1は、ユーザによるモデルの選択指示の入力を、操作部22等を介して受け付けることができる。
CPU11は、患者眼の眼軸長を取得する(S4)。眼軸長は、種々の方法で取得することができる。例えば、CPU11は、光または超音波等によって眼軸長を測定する眼軸長測定器から、外部メモリ23またはネットワーク等を介して患者眼の眼軸長を取得してもよい。また、断層画像撮影装置4が、光干渉の原理を用いて眼軸長を測定してもよい。この場合、CPU11は、断層画像撮影装置4から眼軸長の情報を取得してもよい。
CPU11は、注目位置(それぞれの刺激位置31)に対応する神経節細胞の位置41を特定する(S5)。詳細には、本実施形態のCPU11は、それぞれの刺激位置31に存在する視細胞と連結している神経節細胞の位置41を、モデルに基づいて特定する。ここで、CPU11は、複数のモデルのうちユーザによって選択されたモデルに基づいて、神経節細胞の位置41を特定することができる。従って、ユーザが所望する方法で神経節細胞の位置41が特定される。
また、本実施形態のCPU11は、神経節細胞の位置41を、患者眼の眼軸長を考慮して特定することができる。眼底の画像(例えば正面画像)を撮影する場合、患者眼の眼軸長が変化すると、撮影される画像上の二点間の距離と、眼底上における実際の二点間の距離の関係は変化することがある。例えば、撮影画角が一定のまま眼軸長が長くなると、撮影される眼底の範囲が広くなるので、眼底上における実際の二点間の距離は、撮影される画像上では短く見えることになる。本実施形態のように、視細胞の位置と神経節細胞の位置の関係を規定するモデルは、眼底上の距離によって細胞間の位置関係を規定している場合がある。この場合、患者眼の眼軸長を考慮して、眼底上の距離(本実施形態では、中心窩7と各点の距離)を画像から正確に算出しなければ、神経節細胞の位置41が正確に特定されない。本実施形態のCPU11は、視細胞および神経節細胞の眼底上の位置を、眼軸長を考慮して正確に画像から把握する。その結果、神経節細胞の位置41の特定精度が向上する。なお、以上説明した方法は一例に過ぎない。つまり、眼軸長を考慮して神経節細胞の位置41を特定する具体的な方法は、適宜変更できる。また、神経節細胞の位置に対応する視細胞の位置を特定する場合にも眼軸長を考慮してもよいことは言うまでもない。
CPU11は、S5で特定したそれぞれの神経節細胞の位置41における網膜の層の厚み(層厚)を、網膜の解析結果として取得する(S7)。眼底の三次元画像を解析して層の厚みを取得する方法は、例えば、特開2010-220771号公報等に開示されている。なお、特開2010-220771号公報には、網膜における層の厚みの分布を示す層厚マップの一例も開示されている。本実施形態のCPU11は、断層画像撮影装置4によって予め生成された層厚マップを取得し、取得した層厚マップから、神経節細胞の位置41における層厚を取得する。なお、層厚を取得する方法は変更できる。例えば、PC1が眼底の三次元画像を解析することで、層厚マップを生成してもよい。また、CPU11は、各部位における層の厚みの分布を示す層厚マップを生成せずに、それぞれの神経節細胞の位置41における層の厚みだけを、三次元画像を解析して取得してもよい。
厚みを取得する網膜の層は、診断の内容等に応じて適宜決定されてもよい。一例として、本実施形態では、NFL+GCL+IPLの厚み、GCL+IPLの厚み、NFLの厚み、および全ての層の合計の厚みがそれぞれ取得される。
ここで、本実施形態で採用されている層厚の取得方法について、より詳細に説明する。図7に示すように、本実施形態のCPU11は、特定した1つの神経節細胞の位置41における層の厚みを、網膜上の複数の点における層の厚みに基づいて取得する。一例として、本実施形態のCPU11は、特定した神経節細胞の位置41の中心に、中心点43を設定する。また、CPU11は、中心点43から眼底の表面に沿う方向に離間した箇所に、補助点44を設定する。CPU11は、設定した中心点43および補助点44の各々における層の厚みに基づいて、神経節細胞の位置41における層の厚みを取得する。
なお、図7に示す例では、複数の補助点44の位置が中心点43を中心として回転対称となるように、複数(本実施形態では4つ)の補助点44が等間隔に設定されている。従って、中心点43を中心とする範囲の層厚が、より適切に取得される。しかし、補助点44の設定方法を変更することも可能である。例えば、補助点44の数は4つに限定されない。また、本実施形態のCPU11は、中心点43および補助点44の各々における層の厚みの平均値を、神経節細胞の位置41における層の厚みとして取得する。しかし、この方法を変更することも可能である。例えば、CPU11は、中心点43における層の厚みの重み付けを、補助点44における層の厚みの重み付けよりも大きくしてもよい。
また、本実施形態では、ユーザは、中心点43と補助点44の間隔Dを指定することができる。つまり、CPU11は、間隔Dを指定する指示が操作部22等を介して入力されると、指定された間隔Dで補助点44を設定する。従って、ユーザが所望する態様で層の厚みが取得される。
さらに、本実施形態のCPU11は、視野検査において眼底に向けて投影された刺激光の面積の情報に基づいて、中心点43と補助点44の間隔Dを設定することもできる。この場合、刺激光の投影面積に応じた適切な態様で層の厚みが取得される。刺激光の面積の情報は、例えば、視野計3から取得されてもよいし、ユーザが操作部22を操作することでPC1に入力されてもよい。また、本実施形態では、視細胞の位置の面積と、対応する神経節細胞の位置の面積の比も、モデルによって規定されている。従って、CPU11は、刺激光の面積の情報と、面積の比を規定するモデルを用いて、刺激光が投影された領域に対応する神経節細胞の領域を求めてもよい。この場合、CPU11は、対応する神経節細胞の領域の大きさに基づいて、中心点43と補助点44の間隔Dを設定してもよい。ただし、この場合でも、刺激光の面積の情報に基づいて間隔Dが設定されていることに変わりはない。
1つの点(例えば、1つの中心点43または1つの補助点44)における層の厚みを求める方法について、より詳細に説明する。厚みを求める点(以下、「厚み算出点」という)の位置は、三次元画像における画素の位置には必ずしも一致しない。一方で、三次元画像から層の厚みを解析する場合、厚みは、正面から見て二次元に等間隔に並んでいる画素において算出される。従って、本実施形態のCPU11は、三次元画像を正面から見た場合に二次元に等間隔で並んでいる画素のうち、厚み算出点からの距離が最も短い4つの画素における層の厚みから、その点における層の厚みを線形補間法によって求める。従って、三次元画像の画素の位置と厚み算出点が一致しない場合でも、より正確な厚みが算出される。
なお、CPU11は、中心点43を包含する解析領域における層の厚みに基づいて、神経節細胞の位置41における層の厚みを取得してもよい。解析領域は、例えば、中心点43を中心として眼底の表面に沿う方向に広がる円形または多角形等の領域であってもよい。CPU11は、解析領域における層の厚みの平均値を、神経節細胞の位置41における層の厚みとして取得してもよい。
CPU11は、視野検査の結果と層厚から診断情報を生成する(S8)。一例として、本実施形態のCPU11は、それぞれの刺激位置31における視野検査の結果と、刺激位置31に対応する神経節細胞の位置41の層厚とを統合して診断情報を生成する。対応する検査結果と層厚を統合する方法には、種々の方法を採用することができる。例えば、本実施形態では、各刺激位置31における視野検査の結果が4段階(結果が良好な順に、100点、40点、20点、0点)で取得される。また、各刺激位置31に対応する神経節細胞の位置41の層厚が、4段階(正常眼の層の厚みと比較した結果が良好な順に、×1、×0.75、×0.5、×0.25)に分類される。CPU11は、層厚の分類に応じた割合を、視野検査の結果を示す点数に掛けることで、診断情報を生成する。
なお、視野検査結果と網膜解析結果(本実施形態では層厚に関する情報)を統合する方法は変更できる。また、CPU11は、視野検査結果と網膜解析結果を統合せずに、これらをそのまま診断情報として用いてもよい。
CPU11は、診断チャート51,61(例えば、図4および図5参照)の分割領域52,62毎に診断情報を出力する(S9)。本実施形態のCPU11は、1つの分割領域52,61内に含まれる1つまたは複数の解析位置(刺激位置31、または神経節細胞の位置41)の診断情報から、分割領域52,62の診断情報を生成する。一例として、本実施形態では、分割領域52,62内の診断情報の平均を、分割領域52,62の診断情報として生成する。
ここで、診断情報の出力方法の一例について説明する。診断情報の出力方法には種々の方法がある。例えば、CPU11は、モニタ21に診断情報を表示させることで、診断情報を出力してもよい。また、印刷、データベースへの診断情報の登録、メモリへの診断情報の記憶等、ネットワークを介した診断情報の送信等も、診断情報の出力に含まれる。
図8および図9を参照して、本実施形態における診断情報の表示方法について説明する。図8および図9に示すように、本実施形態のCPU11は、2種類の診断チャート51,61の少なくともいずれかを表示させると共に、診断チャート51,61の分割領域52,62毎に診断情報を表示させることができる。図8および図9には示されていないが、本実施形態では、それぞれの分割領域52,62の色を変化させることで、分割領域52,62の診断情報を通知する。詳細には、本実施形態のCPU11は、解析結果が最も良好な分割領域52,62を青、解析結果が最も悪い分割領域52,62を赤とすることで、診断情報をユーザに通知している。しかし、分割領域52,62毎の診断情報の通知方法は適宜変更できる。例えば、分割領域52,62の各々に数字や記号を付加することで、診断情報を通知してもよい。
なお、CPU11は、図4および図5に例示したように、眼底の正面画像上に診断チャート51,62を表示させてもよい。また、図8および図9では1つの診断チャート61しか表示されていないが、診断チャート51(図4参照)および診断チャート61を共にモニタ21に表示させてもよい。異なる画像を複数のモニタ21に同時に表示させてもよい。
本実施形態のCPU11は、診断チャート51,61と共に、視野検査における刺激位置31を示す画像、および、網膜の層の厚み分布に関する情報を示す画像の少なくともいずれかをモニタ21に表示させることができる。従って、ユーザは、刺激位置31および厚みの情報の少なくともいずれかを、容易に診断情報と比較することができる。また、CPU11は、患者眼の網膜の血管を示す画像を共に表示させてもよい。
なお、図8および図9に示す例では、刺激位置31を示す画像の一例として、視野検査結果画像71が用いられている。図8および図9で例示した視野検査結果画像71では、眼底における刺激位置31の配置に加えて、それぞれの刺激位置31に対応する視野検査結果が表示されている。なお、CPU11は、視野検査結果と厚みを統合した結果を、それぞれの刺激位置31に対応付けて表示させてもよい。また、視野検査結果を表示させずに、刺激位置31だけを表示させることも可能である。
また、図8および図9に示す例では、網膜の層の厚み分布に関する情報を示す画像として、層厚マップ72が用いられている。層厚マップ72では、各部位における層の厚みが、色の変化または輝度の変化等によって眼底画像上に示されている。ただし、層の厚み分布に関する画像を変更することも可能である。例えば、CPU11は、各部位の層厚を正常眼の層厚と比較した結果を、マップ上の色の変化等によって表示してもよい。
本実施形態のCPU11は、網膜の解析結果(一例として、層の厚みに関する情報)を、視野検査結果に付随させて表示させることができる。図8に示す例では、CPU11は、カーソル70によって選択された視野検査結果に付随させて、層の厚みに関する情報(図8では、良好であることを示す「A」)を表示させている。
なお、網膜の解析結果を表示する方法も変更可能である。例えば、CPU11は、視野検査結果画像71内に表示されている全ての刺激位置31の視野検査結果に、網膜の解析結果を付随させてもよい。CPU11は、特定の分割領域52,62に対応する複数の視野検査結果に、網膜の解析結果を付随させてもよい。網膜の解析結果は、色の変化または輝度の変化等によって表示されてもよい。また、厚みに関する情報は、取得された厚みの値そのものでもよいし、正常眼の厚みと比較した結果であってもよい。厚みに関する情報以外の情報(例えば、血管密度、血管面積等)が、網膜の解析結果として表示されてもよい。
本実施形態のCPU11は、複数の刺激位置31の少なくともいずれかがユーザによって選択された場合に、診断チャート51,61の分割領域52,62のうち、選択された刺激位置31が含まれる分割領域52,62を通知することができる。図8に示す例では、視野検査結果画像71において、右下の刺激位置31がカーソル70によって選択されている。従って、CPU11は、診断チャート61のうち、選択された刺激位置31が含まれる分割領域62Fをユーザに通知している。その結果、分割領域52,62と刺激位置31の関係を把握することが容易になる。
本実施形態のCPU11は、診断チャート51,61に含まれる複数の分割領域52,62の少なくともいずれかが選択された場合に、選択された分割領域52,62に対応する刺激位置31を通知することができる。図9に示す例では、診断チャート61において、1つの分割領域62Dがカーソル70によって選択されている。従って、CPU11は、視野検査結果画像71に示された複数の刺激位置31のうち、選択された分割領域62Dに対応する4つの刺激位置31を、枠75によってユーザに通知している。その結果、分割領域52,62と刺激位置31の関係を把握することが容易になる。なお、刺激位置31および分割領域52,62をユーザに選択させる方法は、カーソル70を移動させる方法に限定されない。例えば、タッチパネル、キーボード等が選択操作に用いられてもよい。
なお、CPU11は、診断情報を用いて、次回以降の視野検査の計画をユーザに提示してもよい。例えば、CPU11は、診断チャート51,61において異常がある分割領域52,62が存在した場合には、異常が存在した分割領域52,62内の刺激位置31でのみ次回の視野検査を行うように、ユーザに提示してもよい。CPU11は、視野検査結果が良好でない位置を含む断層画像を取得するように、ユーザに提示してもよい。また、CPU11は、網膜の厚みの経時変化を解析し、その結果に基づいて、次回の視野検査を行う日程をユーザに提示してもよい。また、CPU11は、網膜の厚みが徐々に薄くなっている部位が存在する場合には、少なくともその部位に対応する刺激位置31で視野検査を行うようにユーザに提示してもよい。
図6の説明に戻る。本実施形態のCPU11は、神経節細胞から乳頭8へ延びる神経線維の走行状態に関する情報を取得して、視細胞および神経節細胞の少なくともいずれかを、連結している神経線維に対応付ける(S10)。前述したように、視細胞から発生した信号は、連結している神経節細胞および神経線維を経て大脳へ伝わる。従って、神経線維を、連結している視細胞および神経節細胞の少なくともいずれかと対応付けることで、視細胞から発生する信号の一連の流れに基づいた有用な診断が容易になる。
ここで、神経線維の走行状態に関する情報の取得方法の一例について説明する。前述したように、本実施形態の断層画像撮影装置4は、Enface画像を正面画像として取得することができる。Enface画像には、網膜における神経線維の走行状態が現れる場合がある。従って、CPU11は、神経線維の走行状態をEnface画像から取得してもよい。また、過去のデータベース等に基づいて、一般的な眼における神経線維の走行状態が予めモデル化されていてもよい。この場合には、CPU11は、モデル化されている走行状態の情報を取得すればよい。なお、走行状態に関する情報の取得方法がこれらに限定されないことは言うまでもない。例えば、走行状態に関する情報は、OCTモーションコントラスト画像等から取得されてもよい。
図10に示すように、CPU11は、神経線維の走行状態を用いることで、互いに連結している視細胞、神経節細胞、および神経線維80を対応付けることができる。図10に示す例では、刺激位置31に存在する視細胞と、その視細胞と連結している神経節細胞の位置41と、その神経節細胞から延びる神経線維80とが示されている。S10の対応付け処理を行うことで、CPU11は種々の有用な情報を生成することができる。例えば、CPU11は、複数の刺激位置31のいずれかがユーザによって選択された場合に、選択された刺激位置31の視細胞に対応する神経線維80がいずれであるかを画像上で通知してもよい。また、CPU11は、複数の神経線維80のいずれかがユーザによって選択された場合に、選択された神経線維80と連結している視細胞の位置をユーザに通知してもよい。また、CPU11は、診断チャート51,61の分割領域52,62のいずれかがユーザによって選択された場合に、選択された分割領域51,61に連結している神経線維80をユーザに通知してもよい。
なお、CPU11は、神経線維80の情報を用いることで、乳頭8の近傍の領域を、視細胞および神経節細胞に対応付けることもできる。図10には、乳頭網膜厚チャート88の一例が示されている。乳頭網膜厚チャート88は、乳頭8を中心とする円の円周上を複数の領域に分割し、分割した領域毎に網膜の層の厚みを診断するために用いられる。乳頭網膜厚チャート88によると、ユーザは、乳頭8の周辺のうち、視野に対する影響が大きい領域の層の厚みを容易に判断することができる。神経線維80の情報を用いる場合、CPU11は、視細胞および神経節細胞が乳頭網膜厚チャート88のいずれの領域に対応するかをユーザに通知することも可能である。
本実施形態で開示された技術は一例に過ぎない。従って、本実施形態で例示された技術を変更することも可能である。例えば、上記実施形態では、それぞれの刺激位置31における視野検査結果と、対応する神経節細胞の位置の厚みとが先に統合される。その後、診断チャート51,61の分割領域52,62における複数の統合結果から、分割領域52,62の診断情報(例えば、複数の統合結果の平均値等)が生成される。しかし、例えば、視野検査結果の平均値と厚みの平均値が分割領域毎に算出された後に、算出された2つの平均値が統合されることで、分割領域52,62の診断情報が生成されてもよい。
上記実施形態では、神経節細胞の位置における網膜の解析結果として、層の厚みに関する解析結果が取得される。しかし、網膜における他の解析結果が取得されてもよい。例えば、CPU11は、神経節細胞の位置における血管の解析結果(例えば、血管密度、血管面積等)を取得してもよい。一例として、血管の解析結果は、眼底におけるOCTモーションコントラストデータから取得される。OCTモーションコントラストデータは、同一位置に関して時間的に異なる複数のOCTデータに基づいて取得することができる。モーションコントラストデータを取得するためのOCTデータの演算方法としては、例えば、複素OCTデータの強度差もしくは振幅差を算出する方法、複素OCTデータの強度もしくは振幅の分散もしくは標準偏差を算出する方法(Speckle variance)、複素OCTデータの位相差もしくは分散を算出する方法、複素OCTデータのベクトル差分を算出する方法、複素OCT信号の位相差およびベクトル差分を掛け合わせる方法等が挙げられる。なお、演算方法の一つとして、例えば、特開2015-131107号公報を参照されたい。また、血管の解析結果は、眼底からの反射光による正面画像データ、眼底からの蛍光による正面画像データ等から取得されてもよい。血流速度測定装置(LSFG:レーザー・スペックル・フロー・グラフィー)によって取得されるデータから、血管の解析結果が取得されてもよい。なお、LSFGは、眼の血球から反射されたスペックル信号に基づいて血流速度を測定する装置である。また、網膜の解析結果として、眼底の曲率の解析結果が取得されてもよい。なお、神経節細胞の位置における網膜の複数の解析結果(例えば、層の厚みに関する解析結果と、血管の解析結果)が取得されてもよいことは言うまでもない。
上記実施形態では、視野検査において刺激光が投影された刺激位置が注目位置として設定され、刺激位置の視細胞に対応する神経節細胞の位置における網膜の解析結果が取得される。しかし、注目位置の設定方法を変更することも可能である。例えば、ユーザは、操作部の操作等を行うことで、注目位置を指定する指示を眼科情報処理装置に入力してもよい。CPU11は、ユーザによって指定された位置を注目位置として設定してもよい。
図11を参照して、ユーザが指定した注目位置に基づいて網膜の解析結果を出力する方法の一例について説明する。図11に示す例では、ユーザは、マウス等の操作手段を操作してカーソル81を画面上で動かすことで、注目位置を指定する。CPU11は、カーソル81の先端を注目位置として設定する。さらに、CPU11は、指定された注目位置の視細胞に対応する神経節細胞の位置を特定し、特定した神経節細胞の位置を表示する。図11に示す例では、CPU11は、特定した神経節細胞の位置を中心とする十字状のマーク82を画面上に表示することで、注目位置に対応する神経節細胞の位置を表示している。CPU11は、特定した神経節細胞の位置における網膜の解析結果を、枠83内に表示する。従って、ユーザは、注目位置を指定するだけで、注目位置に対応する神経節細胞の位置における解析結果を容易に把握することができる。なお、図11に示す例では、眼底撮影装置(例えば、眼底カメラ等)によって撮影された眼底の画像上に、カーソル81およびマーク82等が表示される。しかし、カーソル81等が表示される画像を変更できることは言うまでもない。例えば、層厚マップ72(図8参照)上にカーソル81等が表示されてもよい。診断チャート51,61(図4、図5参照)が表示された画像上にカーソル81等が表示されてもよい。
また、CPU11は、注目位置に対応する神経節細胞の位置の解析結果、および注目位置の解析結果のいずれを出力するかを選択する指示を入力してもよい。注目位置に対応する神経節細胞の位置の解析結果を出力する指示が入力されている場合、CPU11は、前述した実施形態に例示するように、注目位置に対応する神経節細胞の位置の解析結果を出力する。一方で、注目位置の解析結果を出力する指示が入力されている場合、CPU11は、注目位置の解析結果を出力する。注目位置の解析結果を出力する場合、CPU11は、注目位置に対応する神経節細胞の位置を特定する処理(例えば、図6のS5参照)を省略してもよい。
また、CPU11は、注目位置を指定する指示がユーザによって複数回入力された場合に、複数回の入力によって指定された複数の位置を注目位置として設定してもよい。CPU11は、設定した複数の注目位置の各々に対応する神経節細胞の位置を特定し、特定した複数の神経節細胞の位置の各々における網膜の解析結果を取得および出力してもよい。例えば、図12に示す例では、ユーザは、マウス等の操作手段を操作してカーソル81を画面上で動かしつつ、クリック操作等を行うことで、注目位置を指定する。CPU11は、クリック操作が行われた際のカーソル81の先端を注目位置として設定する。ユーザは、クリック操作を複数回行うことで、複数の位置を注目位置として設定することができる。図12に示す例では、3つの注目位置84A,84B,84Cが設定されている。CPU11は、指定されたそれぞれの注目位置の視細胞に対応する神経節細胞の位置を特定し、特定した神経節細胞の位置を表示する。図12に示す例では、マーク85Aは、注目位置84Aに対応する位置を示す。マーク85Bは、注目位置84Bに対応する位置を示す。マーク85Cは、注目位置84Cに対応する位置を示す。CPU11は、特定したそれぞれの位置における網膜の解析結果を、枠86A,86B,86C内に表示する。従って、ユーザが注目する複数の位置の解析結果が適切に出力される。
また、設定される注目位置は、点ではなく領域(以下、注目領域)であってもよい。例えば、図13に示す例では、ユーザは、マウス等の操作手段を操作することで、領域を指定する。CPU11は、指定された領域を注目領域88として設定する。さらに、CPU11は、設定した注目領域88内の視細胞の位置に対応する神経節細胞の位置を含む領域89を特定し、特定した領域89における網膜の解析結果の平均値を出力する。この場合、注目領域88の解析結果が、視細胞と神経節細胞の位置ずれが考慮されたうえで適切に取得される。
また、図11~図13に示す例では、注目位置が設定されると、注目位置に存在する視細胞に対応する神経節細胞の位置が特定され、特定された神経節細胞の位置における網膜の解析結果が取得される。しかし、CPU11は、注目位置に存在する神経節細胞に対応する視細胞の位置を特定し、特定した視細胞の位置における網膜の解析結果を取得してもよい。この場合でも、視細胞の神経節細胞の位置ずれが考慮されたうえで、適切に網膜の解析結果が取得される。
また、CPU11は、中心点と補助点の各々における網膜の解析結果に基づいて注目位置の解析結果を取得する場合、中心点および補助点のうち、他の点における解析結果との差が閾値以上となる点の解析結果を除外して、注目位置における解析結果を取得してもよい。また、制御部は、中心点を包含する解析領域における網膜の解析結果を取得する場合、解析領域内における解析結果のうち、解析領域内の他の領域における解析結果との差が閾値以上となる領域の解析結果を除外して、注目位置における解析結果を取得してもよい。なお、この場合の閾値は適宜設定できる。
1 PC
10 制御部
11 CPU
31 刺激位置
41 神経節細胞の位置
43 中心点
44 補助点
51,61 診断チャート
62,62 分割領域
100 眼科情報処理システム

Claims (2)

  1. 患者眼の眼底のうち、視野検査において刺激光が投影された位置である刺激位置を、注目位置として設定する設定手段と、
    前記注目位置に存在する視細胞に対応する神経節細胞の位置を特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された前記神経節細胞の位置を、表示手段に表示させる神経節細胞位置表示手段と、
    前記特定手段によって特定された前記神経節細胞の位置における網膜の解析結果を、特定された前記神経節細胞の位置の中心点における前記網膜の解析結果と、前記中心点から離間した補助点における前記網膜の解析結果とに基づいて、または前記中心点を包含する領域である解析領域における前記網膜の解析結果に基づいて取得する解析結果取得手段と、
    前記解析結果取得手段によって取得された前記神経節細胞の位置における網膜の解析結果を出力する出力手段と、
    を備え、
    前記神経節細胞位置表示手段は、視野異常との関連の度合いが互いに異なるように設定された複数の分割領域を有する特定の二次元チャートを、複数の前記刺激位置の各々に対応する複数の前記神経節細胞の位置を基準として表示することで、前記特定手段によって特定された前記神経節細胞の位置を、前記表示手段に表示させ、
    前記出力手段は、それぞれの前記刺激位置における前記視野検査の結果と、前記刺激位置に対応する神経節細胞の位置の解析結果とに基づいて、前記二次元チャートにおけるそれぞれの前記分割領域毎に診断情報を出力することを特徴とする眼科情報処理装置。
  2. 眼科情報処理プログラムであって、
    眼科情報処理装置のプロセッサによって実行されることで、
    患者眼の眼底のうち、視野検査において刺激光が投影された位置である刺激位置を、注目位置として設定する設定ステップと、
    前記注目位置に存在する視細胞に対応する神経節細胞の位置を特定する特定ステップと、
    前記特定ステップにおいて特定された前記神経節細胞の位置を、表示手段に表示させる神経節細胞位置表示ステップと、
    前記特定ステップにおいて特定された前記神経節細胞の位置における網膜の解析結果を、特定された前記神経節細胞の位置の中心点における前記網膜の解析結果と、前記中心点から離間した補助点における前記網膜の解析結果とに基づいて、または前記中心点を包含する領域である解析領域における前記網膜の解析結果に基づいて取得する解析結果取得ステップと、
    前記解析結果取得ステップにおいて取得された前記神経節細胞の位置における網膜の解析結果を出力する出力ステップと、
    を前記眼科情報処理装置に実行させ、
    前記神経節細胞位置表示ステップでは、視野異常との関連の度合いが互いに異なるように設定された複数の分割領域を有する特定の二次元チャートを、複数の前記刺激位置の各々に対応する複数の前記神経節細胞の位置を基準として表示することで、前記特定ステップにおいて特定された前記神経節細胞の位置を、前記表示手段に表示させ、
    前記出力ステップでは、それぞれの前記刺激位置における前記視野検査の結果と、前記刺激位置に対応する神経節細胞の位置の解析結果とに基づいて、前記二次元チャートにおけるそれぞれの前記分割領域毎に診断情報を出力することを特徴とする眼科情報処理プログラム。
JP2018503357A 2016-03-04 2017-02-28 眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラム Active JP7196606B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016042881 2016-03-04
JP2016042881 2016-03-04
PCT/JP2017/008014 WO2017150583A1 (ja) 2016-03-04 2017-02-28 眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017150583A1 JPWO2017150583A1 (ja) 2018-12-27
JP7196606B2 true JP7196606B2 (ja) 2022-12-27

Family

ID=59743922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018503357A Active JP7196606B2 (ja) 2016-03-04 2017-02-28 眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20180360304A1 (ja)
JP (1) JP7196606B2 (ja)
WO (1) WO2017150583A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6940349B2 (ja) * 2017-09-21 2021-09-29 株式会社トプコン 眼科装置
JP7195745B2 (ja) * 2018-03-12 2022-12-26 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP7106304B2 (ja) * 2018-03-12 2022-07-26 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP7201855B2 (ja) * 2018-03-30 2023-01-10 株式会社トプコン 眼科装置、及び眼科情報処理プログラム
JP7116572B2 (ja) * 2018-03-30 2022-08-10 株式会社トプコン 眼科装置、及び眼科情報処理プログラム
JP7086683B2 (ja) * 2018-04-06 2022-06-20 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP7211524B2 (ja) * 2019-09-10 2023-01-24 株式会社ニコン 眼科装置
WO2021074963A1 (ja) * 2019-10-15 2021-04-22 株式会社ニコン 画像処理方法、画像処理装置、プログラム
WO2023149139A1 (ja) * 2022-02-02 2023-08-10 株式会社ニデック 視野検査装置、および視野検査プログラム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006246991A (ja) 2005-03-09 2006-09-21 Furoobell:Kk 情報処理装置および方法、並びにプログラム
JP2009034480A (ja) 2007-07-31 2009-02-19 Topcon Corp 眼科情報処理装置及び眼科検査装置
WO2015098828A1 (ja) 2013-12-24 2015-07-02 興和株式会社 視野計
JP2016022062A (ja) 2014-07-17 2016-02-08 国立大学法人東北大学 眼科解析装置及び眼科撮影装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006246991A (ja) 2005-03-09 2006-09-21 Furoobell:Kk 情報処理装置および方法、並びにプログラム
JP2009034480A (ja) 2007-07-31 2009-02-19 Topcon Corp 眼科情報処理装置及び眼科検査装置
WO2015098828A1 (ja) 2013-12-24 2015-07-02 興和株式会社 視野計
JP2016022062A (ja) 2014-07-17 2016-02-08 国立大学法人東北大学 眼科解析装置及び眼科撮影装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2017150583A1 (ja) 2018-12-27
US20180360304A1 (en) 2018-12-20
WO2017150583A1 (ja) 2017-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7196606B2 (ja) 眼科情報処理装置および眼科情報処理プログラム
US8556424B2 (en) Image processing apparatus, image processing method, and program
JP5975126B2 (ja) 眼底観察装置及び眼底観察プログラム
US10098542B2 (en) Fundus observation apparatus
EP2209414B1 (en) A method for performing visual acuity testing
JP2021154159A (ja) 機械学習ガイド付き撮影システム
US10674909B2 (en) Ophthalmic analysis apparatus and ophthalmic analysis method
JP5148928B2 (ja) 眼底検査装置及びプログラム
JP5733962B2 (ja) 眼科装置、眼科装置の制御方法、及びプログラム
JP6146952B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム。
EP2859838B1 (en) Ophthalmologic photographing device and ophthalmologic image processing device
JP2011036431A (ja) 断層像撮像装置およびその制御方法、プログラム、記憶媒体
WO2019203311A1 (ja) 画像処理方法、プログラム、及び画像処理装置
EP2821007A1 (en) Fundus oculi observation device and fundus oculi image analysis device
JP2013119019A (ja) 視機能評価装置及び視機能評価プログラム
JP5543536B2 (ja) 断層像撮像装置および断層撮像方法、プログラム
JP7111874B2 (ja) 眼科撮影装置
JP2022171989A (ja) 眼科情報処理装置
JP2020058615A (ja) 画像処理装置、学習済モデル、画像処理方法およびプログラム
JP6976818B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
CN111954485A (zh) 图像处理方法、程序、图像处理装置及眼科***
JP2009125432A (ja) 眼科撮影装置及び眼科画像処理装置
WO2021111840A1 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及びプログラム
JP2023003154A (ja) 画像処理装置及び画像処理装置の制御方法
JP2022160184A (ja) 眼科画像処理装置及び眼科画像処理プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200116

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210921

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7196606

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150