JP7196398B2 - 電線保護管 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスの電線束等を保護する電線保護管に関する。
従来、自動車等の車両に配索されるワイヤハーネスにおいて、電線束が他部材や土、砂等と接触して損傷することを回避するために、長手方向に環状の凹凸部を繰り返す円筒状のコルゲートチューブが電線束に外装されていた。
車両にワイヤハーネスを配索するに当り、コルゲートチューブを曲げた状態で固定しなければならない場合があり、その固定手段について種々の試みがなされている。例えば特許文献1には、第1の分割体と第2の分割体の2個1組のチューブ曲げ角度固定ホルダーを用いることによって、コルゲートチューブを90度の急曲げ状態に固定する技術が開示されている。
特開2017-139863号公報
特許文献1の曲げ角度固定ホルダーを用いてワイヤハーネスのコルゲートチューブを曲げ状態で固定する場合、連結用凸部と連結用凹部の位置や向きを調節した上で、曲げ角度固定ホルダーをコルゲートチューブに嵌合させる必要があった。この固定手段では固定に手間がかかるという問題がある。またコルゲートチューブを曲げ状態ではなく、所定箇所を直線状の状態で固定したいという要求もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な手段によって、所定部位の形状が変化し難くなっている電線保護管を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明の電線保護管は、以下の構成からなる。
[1]周方向に突条と溝を有する電線保護管であって、
樹脂が前記電線保護管の外側にある2以上の前記突条にわたって付着していることを特徴とする電線保護管。
[2]電線保護管は、湾曲部を有しており、
前記湾曲部の突条に前記樹脂が付着している[1]に記載の電線保護管。
[3]前記湾曲部の軸方向に垂直な断面において、
湾曲の最内周部から前記突条の周方向に周長の1/8超、3/8以下離れた第1の領域に前記樹脂が付着している[2]に記載の電線保護管。
[4]前記湾曲部の軸方向に垂直な断面において、
湾曲の最内周部から前記突条の周方向に周長の1/8離れた位置までの第2の領域に前記樹脂が付着している[2]または[3]に記載の電線保護管。
[5]前記樹脂は、前記電線保護管以外の部材に付着していない[1]~[4]のいずれかに記載の電線保護管。
[6]前記電線保護管には、互いに離れている第1の樹脂と第2の樹脂が付着しており、
前記第1の樹脂は、前記電線保護管以外の部材に付着しており、
前記第2の樹脂は、前記電線保護管以外の部材に付着していないものである[1]~[4]のいずれかに記載の電線保護管。
[7]前記樹脂はホットメルト樹脂である[1]~[6]のいずれかに記載の電線保護管。
[8]前記樹脂は、160℃における溶融粘度が1dPa・s以上、10000dPa・s以下である[1]~[7]のいずれかに記載の電線保護管。
[9]前記樹脂は、軟化点または融点が30℃以上、200℃以下である[1]~[8]のいずれかに記載の電線保護管。
[10]前記樹脂は、ガラス転移温度が-80℃以上、100℃以下である[1]~[9]のいずれかに記載の電線保護管。
[11]前記樹脂は、ショアD硬度が15以上、60以下である[1]~[10]のいずれかに記載の電線保護管。
[12]前記樹脂は、下記測定方法による接着可能時間が5秒以上、180秒以下である[1]~[11]のいずれかに記載の電線保護管。
〔測定方法〕
温度23℃、相対湿度65%の雰囲気中において、前記樹脂を160℃で溶融させて前記突条に付与した後、前記突条と同じ素材の1mm3の立方体の試験片を接着させることができる接着可能時間を測定する。
本発明によれば上記構成により、簡易な手段によって、所定部位の形状が変化し難くなっている電線保護管を提供することができる。
図1は、直線状の電線保護管の平面図を示す。 図2は、湾曲部を有する電線保護管の側面図を示す。 図3は、湾曲部を有する電線保護管の側面図を示す。 図4は、湾曲部を有する電線保護管の側面図を示す。 図5は、湾曲部を有する電線保護管の側面図を示す。 図6は、図2のA-A断面図を示す。
本発明の電線保護管は、周方向に突条と溝を有する電線保護管であって、樹脂が電線保護管の外側にある2以上の突条にわたって付着しているものである。
以下、例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適宜に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
図1は、直線状の電線保護管の平面図を示す。図2~4は、湾曲部を有する電線保護管の側面図を示す。
図1~4に示すように、本発明の電線保護管1は、外側に突条2と溝3を周方向に有しており、樹脂4が電線保護管1の外側にある2以上の突条2にわたって付着している。2以上の突条2にわたって樹脂4を付着させるという簡易な手段により、樹脂4が付着している突条2の動きが抑制される。その結果、図1に示す直線状の電線保護管1の場合は、樹脂4の付着部分が湾曲等し難くなり、直線形状を維持し易くすることができる。また図2~4に示す湾曲部Cを有する電線保護管1の場合は、所定の湾曲度を維持し易くすることができる。なお湾曲部Cは1箇所に限らず、2箇所以上設けてもよい。
湾曲部Cを有する電線保護管1の場合、湾曲部Cに樹脂4が付着していることが好ましい。具体的には、図2に示すように湾曲部Cの側部に樹脂4が付着していることがより好ましく、図3に示すように湾曲部Cの内周部に樹脂4が付着していることが更に好ましい。
まず湾曲部Cの側部について図6を参照しながら説明する。図6は、図2の湾曲部Cの軸方向に垂直な断面A-Aを示す。図6中に示す点は、湾曲部Cの最内周部(以下、最内周部Iと呼ぶ場合がある)を起点として、突条2の周長を8等分する点であり、説明の便宜上、付したものである。最内周部Iとは湾曲部Cのうち最も内側に位置する部分をいう。具体的には最内周部Iは、湾曲部Cの表面の一端部から他端部に至るまでの最短経路に相当する部分とも言える。なお図6の電線保護管1の内部には通常、電線束が収容されているが電線束の記載は省略している。
湾曲部Cの側部は、最内周部Iから突条2の周方向に周長の1/8超、3/8以下離れた第1の領域C1に相当する。第1の領域C1の2以上の突条2に樹脂4を付着させることにより、湾曲部Cの湾曲度を維持し易くすることができる。なお図6では、2箇所の第1の領域C1に樹脂4が付着しているが、いずれか一方にのみ樹脂4が付着していてもよい。
次に湾曲部Cの内周部について説明する。湾曲部Cの内周部は、図6に示す湾曲の最内周部Iから突条2の周方向に周長の1/8離れた位置までの第2の領域C2に相当する。最内周部Iに近い程、隣接する突条2は接近または密着するため、第2の領域C2に樹脂4を付着させることにより、強固に固定し易くすることができる。
なお図6に示す湾曲の最内周部Iから突条2の周方向に周長の3/8超離れた第3の領域C3に樹脂4を付着させること、即ち図4に示す湾曲部Cの外周部に樹脂4を付着させることにより、湾曲部Cを固定することもできる。
樹脂4は、第1の領域C1~第3の領域C3のうちの一箇所に限らず、二箇所以上付着させてもよい。例えば第1の領域C1、第2の領域C2、及び第3の領域C3よりなる群から選ばれる少なくとも一箇所に付着させることができる。
樹脂4の付着量は、突条2の周方向の長さとの関係で制御することが好ましい。具体的には、例えば図3に示す電線保護管1の軸方向における樹脂4の一端部E1から他端部E2までの最短距離Lを、突条2の周方向の長さ(周長)の0.2倍以上、5倍以下とすることが好ましい。最短距離Lが突条2の周長の0.2倍以上であることにより、樹脂4の強度が向上して湾曲部Cの湾曲度を維持し易くすることができる。最短距離Lは、突条2の周長の0.5倍以上であることがより好ましく、0.8倍以上であることが更に好ましく、1.0倍以上であることが更により好ましい。一方、最短距離Lが突条2の周長の5倍以下であることにより、必要な部分だけ固定し易くすることができる。最短距離Lは、突条2の周長の4倍以下であることがより好ましく、3倍以下であることが更に好ましく、2倍以下であることが更により好ましい。
樹脂4の体積(cm3)は、上記最短距離L(cm)との関係で制御することが好ましい。具体的には、樹脂4の体積は1×L(cm3)以上、10×L(cm3)以下であることが好ましい。樹脂4の体積が1×L(cm3)以上であることにより、樹脂4の強度が向上して湾曲部Cの湾曲度を維持し易くすることができる。樹脂4の体積は、より好ましくは2×L(cm3)以上、更に好ましくは3×L(cm3)以上である。一方、樹脂4の体積が10×L(cm3)以下であることにより、必要な部分だけ固定し易くすることができる。樹脂4の体積は、より好ましくは9×L(cm3)以下、更に好ましくは8×L(cm3)以下である。電線保護管1に付着している樹脂4の体積は、例えば以下の方法により測定することができる。まず目盛り付きの容器中に水を一定量入れて、電線保護管1の樹脂4が付着している部分を切り抜いた試料を準備し、その試料を容器中の水に浸漬し、水の体積の増加量V1(cm3)を測定する。次いで、試料を水中から取り出して樹脂4を完全に取り除き、再度、目盛り付きの容器中の水に浸漬して水の体積の増加量V2(cm3)を測定する。V1-V2を算出することにより樹脂4の体積(cm3)を求めることができる。なお試料が水に浸漬しない場合には、試料に重りを付けて上記試験を行えばよい。
図2~4に示すように、樹脂4は、電線保護管1以外の部材(以下、他部材と呼ぶ場合がある)に付着していないことが好ましい。樹脂4を他部材に付着させずに電線保護管1にのみ付着させることにより、樹脂4を電線保護管1と他部材の双方に付着させた場合に比べて、樹脂4にかかる応力を低減することができるため、樹脂4の耐久性を向上させることができる。
車両内の配索箇所によっては、電線保護管の一部を他部材と接着させて、他の部分を所定形状に固定しなければならない場合がある。そのような場合、図5に示すように、電線保護管1には、互いに離れている第1の樹脂4aと第2の樹脂4bが付着しており、第1の樹脂4aは、電線保護管1以外の部材(他部材5と呼ぶ場合がある)に付着しており、第2の樹脂4bは、電線保護管1以外の部材に付着していない態様であってもよい。他部材5は、車両内の部材であり、例えば車両の床下やエンジンルーム内に配置される各種部材が挙げられる。
樹脂4は、上記の通り電線保護管1の外側にある2以上の突条2に付着するものであり、該2以上の突条2の間の溝3にも付着していることが好ましく、該溝3内の対向する一方の壁から他方の壁にわたって付着していることがより好ましい。これにより、溝3内の樹脂4により突条2が動きにくくなって、湾曲角等を保持し易くすることができる。
樹脂4は、図1~5に示すように、非成形状態で付着していることが好ましい。非成形状態とは、射出成形等により成形されていない状態を意味し、例えば、直線状、点状、塊状等の状態等が挙げられる。また樹脂4は、室温(23℃)において固化していることが好ましい。
図2~4の湾曲部Cを有する電線保護管1は、第1の直線状部S1と第2の直線状部S2を有している。第1の直線状部S1の中心軸と第2の直線状部S2の中心軸のなす角度が1°以上、180°未満であることが好ましい。第1の直線状部S1の中心軸と第2の直線状部S2の中心軸のなす角度が180°未満、即ち湾曲する状態であれば、車両内の段差の部分等に電線保護管1を配置し易くすることができる。より好ましくは170°以下、更に好ましくは160°以下、更により好ましくは120°以下である。一方、第1の直線状部S1の中心軸と第2の直線状部S2の中心軸のなす角度が1°以上であれば、曲り過ぎることによる電線保護管1や電線束の損傷を防止し易くすることができる。より好ましくは20°以上、更に好ましくは45°以上、更により好ましくは60°以上である。
湾曲部Cの中心軸の曲率半径は特に限定されないが、おおよそ1cm以上、20cm以下が好ましい。曲率半径が1cm以上であれば曲り過ぎることによる電線保護管1や電線束の損傷を防止し易くすることができる。曲率半径は、より好ましくは2cm以上、更に好ましくは4cm以上である。一方、曲率半径が20cm以下であれば、車両内の段差がある部分等に電線保護管1を配置し易くすることができる。曲率半径は、より好ましくは10cm以下、更に好ましくは8cm以下である。
電線保護管1は、周方向に突条2と溝3を有し、電線を保護する管状体のものであれば特に限定されないが、具体的にはコルゲートチューブを用いることができる。電線保護管1の素材として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、およびABS樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。このうちポリエチレン、およびポリプロピレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
電線保護管1は、蛇腹構造等の曲げ変形可能な構造に構成されていることが好ましい。図示していないが、電線保護管1には軸方向に直線状のスリットを設けることもできる。スリットを設けることにより、電線保護管1内に電線束を挿入し易くすることができる。
次に、本発明の電線保護管1に付着している樹脂4について、詳細を説明する。
樹脂4として、ホットメルト樹脂が挙げられる。ホットメルト樹脂は、樹脂温度が上昇すると溶融し、樹脂温度が低下すると固化するものである。ホットメルト樹脂には、熱可塑性樹脂が含まれる。またホットメルト樹脂は、反応性ホットメルト樹脂であってもよい。反応性ホットメルト樹脂は、樹脂温度が上昇すると溶融し、樹脂温度が低下すると固化すると共に化学反応が進行し硬化するものである。反応性ホットメルト樹脂として、湿気硬化型ウレタン系樹脂が挙げられる。
樹脂4は、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリオレフィン系重合体、シリコーン系重合体、及びエポキシ系重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このうちポリエステル系重合体を含むことがより好ましい。
ポリエステル系重合体は、カルボン酸成分と水酸基成分とを反応させて形成されるものである。カルボン酸成分は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、及びナフタレンジカルボン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。水酸基成分は、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
ポリアミド系重合体は、分子中にアミド結合を有する高分子である。ポリアミド系重合体として、例えばナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、及びナイロン4,6よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
ポリウレタン系重合体は、水酸基成分(プレポリマー)と、イソシアネート化合物(硬化剤)を反応させて形成されるものである。水酸基成分は、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール、及びポリカーボネートポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。イソシアネート化合物は、トリメチレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及びキシリレンジイソシアネート(XDI)よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオレフィン系重合体とは、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類の単重合体もしくは共重合体;これらのオレフィン類と共重合可能な単量体成分との共重合体;またはこれらの無水マレイン酸変性物である。ポリオレフィン系重合体として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、及びエチレン-ブテン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
シリコーン系重合体は、SiO2、RSiO3/2、R2SiO、R3SiO1/2の構造単位を組み合わせてできる高分子化合物である。ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、ベンジル基等の芳香族基;またはこれらの官能基にビニル基を含有したものを示す。具体的には、メチルシリコーン、エチルシリコーン、フェニルシリコーン、フェニルメチルシリコーン等が挙げられる。
エポキシ系重合体は、1分子中にエポキシ基を2以上有するプレポリマーと、各種硬化剤を反応させて形成されるものである。プレポリマーは、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、これらをアルキルフェノールや脂肪酸により変性させた変性エポキシ樹脂、及びノボラック型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。硬化剤は、例えば、フェノール系化合物、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、脂肪族酸無水物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダゾール類、及び第3級アミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
樹脂4は、付着時の粘度を低減させたり、粘着性を向上したりするために粘着付与剤や、ワックスを含んでいてもよい。粘着付与剤として、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、ロジン系樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂等が挙げられる。ワックスとして、パラフィンワックスやポリエチレンワックス等が挙げられる。これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの含有量は、ポリエステル系重合体等の重合体100質量部に対して、50質量部以上、400質量部以下であることが好ましく、100質量部以上、200質量部以下であることがより好ましい。
樹脂4には、特性を損なわない範囲で、従来の各種添加剤を添加することができる。シリカ、タルク等の充填剤;酸化アンチモン、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム等の難燃剤;フタル酸エステル、アジピン酸エステル等の可塑剤;カルボジイミド等の加水分解抑制剤等が挙げられる。これらの添加剤は、その一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。添加剤の含有量は、ポリエステル系重合体等の重合体100に対して、0.1質量部以上、50質量部以下であることが好ましい。添加剤の含有量は、より好ましくは1質量部以上、30質量部以下、更に好ましくは5質量部以上、20質量部以下である。
樹脂4は、160℃における溶融粘度が1dPa・s以上、10000dPa・s以下であることが好ましい。溶融粘度が1dPa・s以上であることにより、樹脂4を突条2に多く付着させ易くすることができる。溶融粘度は、より好ましくは5dPa・s以上、更に好ましくは20dPa・s以上、更により好ましくは50dPa・s以上、特に好ましくは100dPa・s以上である。一方、溶融粘度が10000dPa・s以下であることにより、加熱溶融時の流動性が高くなって樹脂4を溝3内に付着させ易くすることができる。溶融粘度は、より好ましくは5000dPa・s以下、更に好ましくは2000dPa・s以下、更により好ましくは1000dPa・s以下、特に好ましくは500dPa・s以下である。
樹脂4は、軟化点または融点が30℃以上、200℃以下であることが好ましい。軟化点または融点が30℃以上であることにより、耐熱性を向上し易くすることができる。軟化点または融点は、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは80℃以上、更により好ましくは100℃以上、特に好ましくは120℃以上である。一方、軟化点または融点が200℃以下であることにより、樹脂4を付着し易くすることができる。軟化点または融点は、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは170℃以下、更により好ましくは160℃以下、特に好ましくは150℃以下である。ここで軟化点はJIS K 6863に記載されている方法に従って求めることができ、また融点はJIS K 0064に記載されている方法に従って求めることができる。
樹脂4は、ガラス転移温度が-80℃(マイナス80℃)以上、100℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が-80℃以上であることにより、耐熱性を向上し易くすることができる。ガラス転移温度は、より好ましくは-50℃以上、更に好ましくは-20℃以上、更により好ましくは0℃以上、特に好ましくは20℃以上である。一方、ガラス転移温度の上限は特に限定されないが、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは50℃以下である。ここでガラス転移温度は、JIS K 7121に記載されている方法に従って求めることができ、DSC測定により、20℃/分で昇温した時の中間点がガラス転移温度である。
樹脂4は、ショアD硬度が15以上、60以下であることが好ましい。ショアD硬度が15以上であることにより、樹脂4が変形し難くなるため、湾曲部C等の形状を維持し易くすることができる。そのため、ショアD硬度は、好ましくは15以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは25以上、更により好ましくは30以上である。一方、ショアD硬度の上限は特に限定されないが、好ましくは60以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは45以下である。なおショアD硬度は、JIS K6253に記載の方法で、25℃の条件でD型硬度計を用いて測定することができる。
樹脂4は、下記測定方法による接着可能時間が5秒以上、180秒以下であることが好ましい。
〔測定方法〕
温度23℃、相対湿度65%の雰囲気中において、樹脂4を160℃で溶融させて突条2に付与した後、突条2と同じ素材の1mm3の立方体の試験片を接着させることができる接着可能時間を測定する。
接着可能時間が5秒以上であることにより、樹脂4を溝3内に付着させ易くすることができる。より好ましくは10秒以上、更に好ましくは30秒以上、更により好ましくは50秒以上である。一方、接着可能時間が180秒以下であることにより、作業性を向上させることができる。より好ましくは120秒以下、更に好ましくは100秒以下である。
本発明には、電線束と、電線束を内部に収容する電線保護管1とを備えるワイヤハーネスも含まれる。
次に、電線保護管1への樹脂4の付着方法について説明する。
樹脂4を付着させる方法は、特に限定されないが、まず電線保護管1の所定部位を所定形状にした状態で、樹脂4を付着させればよい。樹脂4を付着させるに当り、例えば加熱溶融させた樹脂4をホットメルトアプリケーター、ホットメルトコーター等により塗布する方法、ホットメルトエアーガン等により噴霧する方法等が挙げられる。樹脂4の加熱温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上であって、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは170℃以下である。
1 電線保護管
2 突条
3 溝
4 樹脂
4a 第1の樹脂
4b 第2の樹脂
5 他部材
C 湾曲部
C1 第1の領域
C2 第2の領域
C3 第3の領域
S1 第1の直線状部
S2 第2の直線状部
I 最内周部

Claims (9)

  1. 周方向に突条と溝を有する電線保護管であって、
    160℃における溶融粘度が1dPa・s以上、10000dPa・s以下である樹脂が前記電線保護管の外側にある2以上の前記突条にわたって付着していることを特徴とする電線保護管。
  2. 周方向に突条と溝を有する電線保護管であって、
    軟化点または融点が30℃以上、200℃以下である樹脂が前記電線保護管の外側にある2以上の前記突条にわたって付着していることを特徴とする電線保護管。
  3. 周方向に突条と溝を有する電線保護管であって、
    下記測定方法による接着可能時間が5秒以上、180秒以下である樹脂が前記電線保護管の外側にある2以上の前記突条にわたって付着していることを特徴とする電線保護管。
    〔測定方法〕
    温度23℃、相対湿度65%の雰囲気中において、前記樹脂を160℃で溶融させて前記突条に付与した後、前記突条と同じ素材の1mm3の立方体の試験片を接着させることができる接着可能時間を測定する。
  4. 前記電線保護管は、湾曲部を有しており、
    前記湾曲部の突条に前記樹脂が付着している請求項1~のいずれかに記載の電線保護管。
  5. 前記湾曲部の軸方向に垂直な断面において、
    湾曲の最内周部から前記突条の周方向に周長の1/8超、3/8以下離れた第1の領域に前記樹脂が付着している請求項に記載の電線保護管。
  6. 前記湾曲部の軸方向に垂直な断面において、
    湾曲の最内周部から前記突条の周方向に周長の1/8離れた位置までの第2の領域に前記樹脂が付着している請求項またはに記載の電線保護管。
  7. 前記樹脂は、前記電線保護管以外の部材に付着していない請求項1~のいずれかに記載の電線保護管。
  8. 前記電線保護管には、互いに離れている第1の樹脂と第2の樹脂が付着しており、
    前記第1の樹脂は前記樹脂であり、前記電線保護管と前記電線保護管以外の部材とに付着しており、
    前記第2の樹脂は前記樹脂であり、前記電線保護管以外の部材に付着していないものである請求項1~のいずれかに記載の電線保護管。
  9. 前記樹脂はホットメルト樹脂である請求項1~のいずれかに記載の電線保護管。
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