JP7195681B1 - 鉄筋納入支援システム、及び、鉄筋納入支援方法 - Google Patents

鉄筋納入支援システム、及び、鉄筋納入支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄筋の納入の最適化が可能な鉄筋納入支援システムを提供する。【解決手段】建造物の施工に使用される鉄筋を施工現場(施工部14)に納入するのに利用される鉄筋納入支援システム60であって、鉄筋の配置を示す配筋図から鉄筋の加工に係る鉄筋製作情報を作成し、施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期に必要な鉄筋を、鉄筋製作情報に基づき加工して施工現場に納入する。鉄筋納入支援システム60は、データ供給部12と、データ供給部12から供給された鉄筋製作情報に基づき鉄筋の加工を行う加工部16と、加工部16により加工された鉄筋が納入される施工部14と、を備える。【選択図】図12

Description

本発明は、例えば、鉄筋の施工現場への納入を支援する鉄筋納入支援システム、及び、鉄筋納入支援方法に関する。
後掲の特許文献1には、建築工事における物流システムに係る発明が開示されている。特許文献1に開示された発明においては、建築工事における現場作業所、専門工事業者および運送業者間に構築される情報ネットワークにおいて、工程表が共有されている。工程表には、作業予定日欄や、資材の搬入可能日欄が表示されている。運送業者と専門工事業者との間で受発注の確認が行われる。運送業者は、調整された搬入希望日や搬入可能日に合わせて、トラックを可能な限り満載状態にして資材を運送する。
また、後掲の特許文献2には、2次元のCAD図面から3次元配筋モデルを作成することにより、配筋される鉄筋の3次元的な干渉チェックが予め行われた施工図を作成することなどが開示されている。
特開2000-356040号公報 特開2011-253484号公報
ところで、特許文献1に記載された発明は、ネットワーク上で工程表が共有される点で有用である。しかし、建築工事に用いられる資材には多くの種類があり、資材の種類や特性に応じて最適化された納入方法や納入システムが存在することが望ましい。また、特許文献2に記載された発明は、施工現場において鉄筋の干渉チェックを行うようにしたものであり、施工現場への鉄筋の納入に係る利便性を向上するようなものではない。
本発明は、鉄筋の納入の最適化が可能な鉄筋納入支援システム、及び、鉄筋納入支援方法を提供することを目的とする。
(1)本発明による鉄筋納入支援システムは、
建造物の施工に使用される鉄筋を施工現場に納入するのに利用され、
前記鉄筋の配置を示す配筋図から前記鉄筋の加工に係る鉄筋製作情報を作成し、
施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期に必要な前記鉄筋を、前記鉄筋製作情報に基づき加工して前記施工現場に納入する鉄筋納入支援システムであって、
前記鉄筋製作情報の作成は、特定の施工支援方法により行われ、
前記特定の施工支援方法は、
ビルディング・インフォメーション・モデリングを用いた建造物の施工支援方法であって、
曲げ鉄筋の3次元モデルに係るパラメータとして、前記曲げ鉄筋のミリ単位での中心寸法情報と、前記ミリ単位よりも大きい単位での外面寸法情報とを用い、
前記3次元モデルに係る3次元モデル情報を作成する3次元モデル情報作成工程と、
前記3次元モデル情報に基づき前記鉄筋製作情報を作成する鉄筋製作情報作成工程と、を備え、
少なくとも前記3次元モデル情報作成工程では、前記中心寸法情報を含んで前記3次元モデル情報を作成する施工支援方法である。
(2)また、本発明による鉄筋納入支援システムは、
前記特定の施工支援方法が、
少なくとも前記鉄筋製作情報作成工程では、前記外面寸法情報を含んで前記鉄筋製作情報を作成し、
前記鉄筋製作情報を、読み取り機器による読み取りが可能な読み取りコードに変換して出力する鉄筋製作情報出力工程を備えた、上記(1)に記載の鉄筋納入支援システムである。
(3)また、本発明による鉄筋納入支援システムは、
前記特定の施工支援方法が、
前記中心寸法情報を用いて前記曲げ鉄筋の長さ情報を算出する長さ算出工程と、
前記長さ情報に基づき、前記曲げ鉄筋の重量情報を算出する重量演算工程と、を備えた、上記(1)又は(2)に記載の鉄筋納入支援システムである。
(4)また、本発明による鉄筋納入支援方法は、
建造物の施工スケジュールに係る複数の施工時期情報を記憶する工程と、
前記施工時期情報により示された施工時期に必要となる鉄筋を選択する工程と、
選択された前記鉄筋の鉄筋製作情報を出力する工程と、
前記鉄筋製作情報に基づいて加工された前記鉄筋の納入指示情報を出力する工程と、を備え、
前記鉄筋製作情報の作成は、特定の施工支援方法により行われ、
前記特定の施工支援方法は、
ビルディング・インフォメーション・モデリングを用いた建造物の施工支援方法であって、
曲げ鉄筋の3次元モデルに係るパラメータとして、前記曲げ鉄筋のミリ単位での中心寸法情報と、前記ミリ単位よりも大きい単位での外面寸法情報とを用い、
前記3次元モデルに係る3次元モデル情報を作成する3次元モデル情報作成工程と、
前記3次元モデル情報に基づき前記鉄筋製作情報を作成する鉄筋製作情報作成工程と、を備え、
少なくとも前記3次元モデル情報作成工程では、前記中心寸法情報を含んで前記3次元モデル情報を作成する施工支援方法である、鉄筋納入支援方法。
本発明によれば、鉄筋の納入の最適化が可能な鉄筋納入支援システム、及び、鉄筋納入支援方法を提供することが可能となる。
施工支援システムにおける情報の流れを示す説明図である。 3次元モデル、配筋図、及び、集計表の一例を示す説明図である。 (a)、(b)は鉄筋納まり図の例を示す説明図である。 施工支援装置の構成を概略的に示すブロック図である。 鉄筋オブジェクトの一例を示す図表である。 パラメータの入力例と、入力されたパラメータに対応する数値票の一例を示す説明図である。 (a)はコの字型の鉄筋における中心寸法を示す説明図、(b)は(a)の鉄筋の外面寸法と内面寸法を示す説明図である。 (a)は曲げ部を拡大して中心寸法を示す説明図、(b)はコの字型の鉄筋における中心線を部位毎に符号を付して示す説明図である。 (a)はコの字型の鉄筋における各部の長さを外面寸法により表した集計表の一例を示す図表、(b)は同じくコの字型の鉄筋における各部の長さを中心寸法により表した集計表の一例を示す図表である。 曲げ部を直角な形状に変更して表されたコの字型の鉄筋を示す説明図である。 (a)は曲げ鉄筋の3次元モデルの分類を概略的に示す説明図、(b)は第1曲げ鉄筋情報を概略的に示す説明図、(c)は第1曲げ鉄筋情報と第2曲げ鉄筋情報を概略的に示す説明図である。 鉄鋼納入支援システムにおける情報等の流れを示す説明図である。 配筋図の一例を示す説明図である。 (a)はデータ供給部にて管理される情報の一部の例を示す図表、(b)は(a)に続く情報の例を示す同じく図表である。 鉄鋼納入支援方法を概略的に示すフローチャートである。 鉄鋼納入支援システムの構成に係る変形例を概略的に示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態、及び、本実施形態に係る図面において、同一の符号が付された構成要素は、同様の構造又は機能を有するものとする。
<施工支援システム10や鉄筋納入支援システム60の必要性>
近年、例えばビルや複合施設等の建築に際し、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を利用することが提案されている。BIMにおいては、仮想空間内でパーツが組み合わされ、モデル化された建築物に、例えば鉄筋の重量や完工時期などの各種の情報が組み込まれる。
鉄筋コンクリート造の建築物においては、種々の形状や寸法の鉄筋が多数用いられている。また、鉄筋の設計から加工までの工程には、設計会社(建築設計事務所を含む)、施工現場、鉄筋加工業者などのように多くの事業者が関っている。
一般には、例えば、設計会社で作成された配筋図や集計表が施工現場へ渡され、施工現場では配筋図や集計表から加工帳を作成する作業が行われている。さらに、施工現場から鉄筋加工業者へ加工帳が渡され、鉄筋加工業者では、加工帳から2次元コード(「QRコード(登録商標)」などともいう)への変換が行われている。鉄筋加工業者では、鉄筋加工機に2次元コードを読み込み、2次元コードの情報に基づく鉄筋の加工が行われている。そして、鉄筋加工業者から施工現場へ、加工された各種の鉄筋が、決められた数で納品されている。
このような鉄筋の供給に係る各工程では、それぞれの工程で作業を円滑に行うことができるよう、鉄筋の寸法や、数値の単位に係る情報(数値表現に係る情報)の表現の変換が行われている。情報の変換は人手により行われており、工程間では情報の分断が起きている。
人手による情報の変換は、例えば、3次元データにおける数値表現を、施工現場や鉄筋加工業者における作業者にとって、取り扱いに慣れた数値表現へ変更すること等を目的として行われる。そして、従来は、情報の変換の工数が発生してコストが大となるとともに、ヒューマンエラーが生じたり、重量や価格等の各種の見積り数値が不正確になったりする場合があった。
そこで、以下に説明する施工支援システム10は、鉄筋の設計から施工までの作業をシームレスに、且つ、低コストで行えるようにしている。また、施工支援システム10は、鉄筋納入支援システム60(図12)において利用されている。鉄筋納入支援システム60は、インターネットを介した鉄筋の受発注や、鉄筋に係る施工の工程に応じたジャストインタイムの納入を可能としている。以下では、先ず施工支援システム10について説明し、その後に、鉄筋納入支援システム60について説明する。
<施工支援システム10の基本構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る施工支援システム10の構成を概略的に示している。施工支援システム10は、データ供給部12、施工部14、及び、加工部16を含んで構成されている。データ供給部12としては、情報システム企業や建築設計事務所などを挙げることができる。
施工部14としては、建造の対象となる建造物(以下では「対象建造物」などと称する)の施工が行われる施工現場を挙げることができる。加工部16としては、施工部14からの発注を受けて鉄筋の曲げ加工を行い、作製された鉄筋を施工部14へ納品する鉄筋加工業者などを挙げることができる。
データ供給部12は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)用のソフトウエアプログラム(施工支援プログラム、以下では、「BIM用プログラム」と称する)を利用し、BIMモデルから、図1中に示すように、配筋図や集計表の作成、及び、加工帳の作成などを行うことが可能である。データ供給部12は、2次元コード(「QRコード(登録商標)」などともいう)の作成も行う。データ供給部12において取り扱われる具体的な情報(データ)については後述する。
図2は、データ供給部12において作成される各種の情報の一例を示している。図2には、建築物の鉄筋に係る3次元モデル(BIMモデル)22と、3次元モデルから作成される配筋図24、及び、配筋図24に基づいて作成される集計表26が示されている。図2に示す3次元モデル22、配筋図24、及び、集計表26は、あくまでも一例である。データ供給部12においては、3次元モデル22、配筋図24、及び、集計表26として、図示されたもの以外に、種々のものを作成し得る。
図3(a)、(b)には、これらの情報に基づき作成される鉄筋納まり図の一例(梁-柱結合部の建造物)が示されている。図2の3次元モデル22や、図3(a)、(b)の鉄筋納まり図に示されている建造物は、「プロジェクト」の一例でもある。「プロジェクト」は、対象建造物のモデルである。
データ供給部12では、一般的なパーソナルコンピュータ(以下では「PC」と称する)機器を施工支援装置30(図4)として使用することが可能である。施工支援装置30は、施工部14や加工部16(図1)の管理コンピュータ(図示略)と、通信網(図示略)を介して互いに通信可能に接続される。通信網としては、例えば、インターネット、LAN、WAN、公衆電話回線、基地局、移動体通信網、及び、ゲートウェイなどを介して相互に接続されたもの(所謂クラウドを含む)を例示できる。
図4に示すように、施工支援装置30は、内部に、制御部31、記憶部32、通信部33等を備え、周辺機器として、操作部34及び表示部35等を備えている。
制御部31は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成されている。制御部31のCPUは、ROMや記憶部32に記憶されている各種コンピュータプログラムをRAM上に展開して実行する。制御部31は、複数のCPU、マルチコアCPU、GPU(Graphics Processing Unit)、マイコン、揮発性又は不揮発性のメモリ等を備える任意の処理回路又は演算回路であってもよい。
制御部31は、3次元モデル作成部36と、配筋図作成部37、集計表作成部38、鉄筋情報演算部39、及び、2次元コード作成部40等を有している。3次元モデル作成部36は、図2に示す3次元モデル22のための情報を作成する。配筋図作成部37は、配筋図24(図2)のための情報を作成し、集計表作成部38は、集計表(図2、図9(a)、(b))のための情報を作成する。
鉄筋情報演算部39は、3次元モデル作成部36、配筋図作成部37、集計表作成部38、及び、2次元コード作成部40で用いられる鉄筋情報の演算を行う。2次元コード作成部40は、管理用札(絵符)等に表示される2次元コードの情報を作成する。
これらの3次元モデル作成部36、配筋図作成部37、集計表作成部38、鉄筋情報演算部39、及び、2次元コード作成部40等は、制御部31のCPUがBIM用プログラムに従って実行する機能モジュールである。これらの機能モジュールのうち、特に、集計表作成部38、鉄筋情報演算部39、及び、2次元コード作成部40の詳細については後述する。
記憶部32は、各種の情報を記憶するROMやRAMなどの半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、又は、SSD(Solid State Drive)などを含む不揮発性の記憶部である。記憶部32には、プロセッサ(ここでは制御部31)における処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、及び、データ等が記憶されている。
記憶部32に記憶されるプログラムは、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体(図示略)により提供されてもよい。記録媒体としては、例えば、CD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型メモリを例示できる。この場合、制御部31は、読取装置(図示略)を用いて記録媒体からプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを記憶部32にインストールする。
記憶部32に記憶されるプログラムは、通信部33を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部31は、通信部33を通じてプログラムを取得し、取得したプログラムを記憶部32にインストールする。
通信部33は、通信網を通じて施工部14(図1)の管理コンピュータ(図示略)と通信を行うためのインタフェース回路を備える。通信部33は、所定の通信プロトコルに従った有線や無線によるデータ通信を実行する。通信部33は、例えば、施工部14へ送信すべき情報が制御部31から入力された場合、入力された情報を施工部14へ送信する。通信部33は、通信網を通じて受信した施工部14からの情報を制御部31へ出力する。
施工支援装置30には、操作部34や表示部35が接続されている。操作部34は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力手段である。図4には、操作部34が1つのみ示されているが、操作部34は、これらの操作入力手段を包括的に示している。表示部35は、一般的なディスプレイ装置などの表示手段である。
なお、施工部14(図1)の管理コンピュータ(図示略)としても、一般的なPCを採用できる。また、加工部16(図1)においても、管理コンピュータ(図示略)を用いて、通信網を介した施工部14との通信が行われる。施工部14や加工部16の管理コンピュータとしては、施工支援装置30と同様のハードウエア構成を有するものを採用できる。
データ供給部12の施工支援装置30(図4)に係る制御部31において、鉄筋情報演算部39は、鉄筋に係る各種の演算を行う機能(後述する)を有している。また、鉄筋情報演算部39は、例えば、数値の切り上げ、数値の切り下げ、及び、ミリ・センチ・メートルの単位間における数値変換などの機能も有している。さらに、鉄筋情報演算部39は、鉄筋の長さの演算や、鉄筋の長さから鉄筋の重量や見積り価格の演算等を行う機能も有している。鉄筋情報演算部39は、施工支援装置30にインストールされた表計算用のソフトウエアプログラム(以下では「表計算用ソフト」と称する)を利用して数値計算を行うものであってもよい。
2次元コード作成部40は、鉄筋情報演算部39により得られた鉄筋の情報に基づき、2次元コードを作成する。2次元コードには、作製の目的となる鉄筋における各部の寸法の情報を含んでいる。2次元コードは、施工部14を介して加工部16に送信され、加工部16における鉄筋加工機(図1の符号17)に読み込まれる。鉄筋加工機17は、加工前の直線状の鉄筋に対し曲げ加工を行い、目的の形状や寸法の鉄筋を作製する。ここで、図1における鉄筋加工機17は、あくまでもアイコンとして示されているものであり、加工部16で実際に使用される鉄筋加工機17の構成を具体的に表したものではない。
また、制御部31は、鉄筋情報演算部39の機能や、2次元コード作成部40の機能以外にも多様な機能を有している、ここでは、それらについての説明は省略する。
<鉄筋オブジェクトの階層構造>
図5は、BIM用プログラム上で取り扱われる鉄筋オブジェクトの一例を示している。BIM用プログラムでは、鉄筋が形状毎に分類され、各分類が「ファミリ」を構成している。図5の例に示す鉄筋オブジェクトは、片仮名におけるコの字型の形状を有する鉄筋の「ファミリ」に分類される。
上述の「ファミリ」は、階層構造を有する各種の情報における1つの階層を意味している。本実施形態のBIM用プログラムにおいては、対象建造物のモデルが「プロジェクト」として定義され、この「プロジェクト」の下に、「カテゴリ」、「ファミリ」、及び、「タイプ」といった各階層が定義されている。
これらの階層のうち、「カテゴリ」は、相対的に最上位の階層であり、「タイプ」は、相対的に最下位の階層である。「ファミリ」は、「カテゴリ」と「タイプ」の間に位置付けられた階層である。
例を挙げれば、「カテゴリ」には、「柱」、「壁」、及び、「窓」等といった分類が定義されている。さらに、「柱」の「カテゴリ」には、「円柱」や「長方形の柱」等といった「ファミリ」が定義されている。
「円柱」の「ファミリ」には、「円柱(直径450mm)」、「円柱(直径600mm)」といった「タイプ」が定義されている。「長方形の柱」の「ファミリ」には、「長方形の柱(450mm×600mm)」、「長方形の柱(600mm×750mm)」といった「タイプ」が定義されている。
本実施形態では、「鉄筋」の「カテゴリ」が作成されている。「鉄筋」の「カテゴリ」には、コの字型や四角型、又は、その他の形状の鉄筋に係る複数種の「ファミリ」が定義されている。そして、各種の「ファミリ」について、共通部分のサイズが異なる多種類の「タイプ」が定義されている。
BIM用プログラムにおいては、これら以外にも様々な「カテゴリ」、「ファミリ」、及び、「タイプ」が定義されている。各種の「カテゴリ」、「ファミリ」、及び、「タイプ」に係るオブジェクトの情報が、記憶部32(図4)から呼び出されて使用される。また、予めライブラリに登録されていない「カテゴリ」、「ファミリ」、及び、「タイプ」を、BIM用プログラムの操作者が必要に応じて、ライブラリに追加することも可能である。
例えば「ファミリ」には、「システムファミリ」、「インプレイスファミリ」、「組み込み可能ファミリ」等の種類がある。これらのうち「システムファミリ」は、基本となるファミリであり、壁、床、屋根、天井、及び、階段などが該当する。
「インプレイスファミリ」は、操作者がオブジェクトの形状を変更できるファミリである。「読み込み可能ファミリ」は、個別で作成され、ライブラリからプロジェクトのファイル(プロジェクトファイル)にロードされて使用されるファミリである。特定の建材メーカの窓、ドア、家具、設備機器などが該当する。建物において固有のデザインを構成する箇所などは「インプレイスファミリ」を用いて作成し、複数の建物で使える一般的な箇所は「読み込み可能ファミリ」で作成する、といったことが可能である。
このような複数種類のファミリの機能は、汎用性のある従来のBIM用プログラムにも備えられている場合がある。しかし、発明者等は、鉄筋オブジェクトについて、従来にない新規なパラメータを定義し、BIM用プログラムをより一層有効なものとしている。以下に、この点について説明する。
<鉄筋オブジェクトのパラメータ>
図5の例では、同一の分類(ここでは「コの字型」の「ファミリ」に相当する)で、且つ、サイズ(「タイプ」に相当する)の異なる鉄筋のオブジェクト(以下では「鉄筋オブジェクト」と称する)について、「番号」、「径」、「形状」、「a寸法」、「b寸法」、「c寸法」、「d寸法」、「e寸法」、「鉄筋の長さ」、「単位重量」、「一本当重量」、「本数」、及び、「鉄筋重量」の情報が示されている。
鉄筋オブジェクトには、鉄筋径(直径)、重量、及び、形状の情報を決める詳細な長さ情報(「a寸法」、「b寸法」、「c寸法」、「d寸法」、及び、「e寸法」など)が付与されている。図5の例では、a寸法は、図5において中央部分を構成する直線部分(以下では「中央直線部」と称する)の長さである。
b寸法及びd寸法は、図5において中央直線部の左側及び右側に位置する直線部分(ここでは「左側直線部」、「右側直線部」と称する)の長さである。c寸法及びe寸法は、図5において中央直線部と左右の直線部を繋ぐ円弧状の部分(以下では「曲げ部」と称する)の長さである。
図5の例では、a寸法又はb寸法が互いに異なる3つのタイプの鉄筋オブジェクト(F1~F3)が示されている。鉄筋オブジェクト(ここではF1~F3)に係る各種の情報は、パラメータとして機能する。鉄筋オブジェクト(ここではF1~F3)に係る各種の情報を、操作者が変更することにより、対応するパラメータの値が書き換えられ、鉄筋オブジェクトのタイプが変更される。
<パラメータの入力例>
図6は、鉄筋オブジェクトのパラメータに係る入力作業時における画面表示の一例を示している。図6の左側には、コの字型の鉄筋オブジェクト42Aが表示されている。鉄筋オブジェクト42Aについて示された「定義したパラメータ」や矢印は、本実施形態の説明のために付加されたものである。
鉄筋オブジェクト42Aについて、「定義したパラメータ」の文字や矢印で示すように、操作者が直線部分(a~cの部分)の寸法を入力すると、図6の右側に示すパラメータ表42Bに、曲げ部の情報(以下では「曲げ部情報」と称する)を含む各種のパラメータが自動的に計算されて表示される。
図6の例では、鉄筋オブジェクト42Aの直線部分について、a(a部分の寸法)=1200[mm]、b(b部分の寸法)=600[mm]、c(c部分の寸法)=1200[mm]の数値が入力されている。これに伴いパラメータ表42Bには、入力されたa~cの寸法の他、曲げ径(曲げ部における円弧の半径)等の曲げ部情報や、直線部分に係る直線部情報等が表示されている。ここで、図6の例では、図5の例と異なり、c部分は左側の直線部である。
入力される寸法値は、直線部分と曲げ部分の合計である。図6の例では、鉄筋径は10[mm]であり、この鉄筋径に基づいて計算される曲げ径は、27.6[mm]である。a部分について寸法値1200[mm]が入力された場合、a部分の寸法の内訳は、曲げ径+直線部分の、ミリメートル単位(以下では「ミリ単位」と称する、小数点以下1位)による厳密な長さ+曲げ径である。具体的には、a部分の寸法の内訳は、27.6[mm]+1144.8[mm]+27.6[mm]=1200[mm]である。
このように、曲げ径を含んだ寸法値(ここでは1200[mm])を直線部分の寸法値として入力することで、ミリ単位での直線部分の寸法(直線部情報)と、曲げ径等の曲げ部情報とを区別して、各種のパラメータの演算が行われる。
なお、ここではコの字型の鉄筋オブジェクト42Aを例に挙げているが、他のファミリの鉄筋オブジェクト(図示略)についても、直線部分の寸法を入力することで、ミリ単位での直線部情報や曲げ部情報が演算される。
BIM用プログラムにおいては、パラメータの値を自由に変更可能である。また、パラメータ同士の演算(加減乗除の演算、パラメータを含む関数の演算等)を行うことも可能である。また、BIM用プログラムは、新規なパラメータを利用して、鉄筋オブジェクトの各種の情報を作成する。さらに、BIM用プログラムは、作成された情報に基づいて、各種情報の集計を行う。
<新規なパラメータ>
本実施形態におけるBIM用プログラムは、曲げ部を有する鉄筋(「曲げ鉄筋」ともいう)の中心寸法(後述する)を用いて、鉄筋の長さや重量の演算を行う機能を有している。BIM用プログラムを用いて行われる本実施形態の施工支援方法は、曲げ鉄筋の3次元モデルに係るパラメータとして、曲げ鉄筋のミリ単位での中心寸法情報と、ミリ単位よりも大きい単位(ここではセンチメートル単位)での外面寸法情報とを用い、3次元モデルに係る3次元モデル情報を作成する3次元モデル情報作成工程と、3次元モデル情報に基づき鉄筋製作情報を作成する鉄筋製作情報作成工程と、を備え、少なくとも3次元モデル情報作成工程では、中心寸法情報を含んで3次元モデル情報を作成する。
「中心寸法情報」は、後述するように、鉄筋の中心線(図7(a)の中心線Cなど)に沿った部位の寸法(長さ)を表す情報に対応する。「外面寸法情報」は、鉄筋の外面(図7(b)の外面47など)に沿った部位の寸法(長さ)を表す情報に対応する。「3次元モデル情報」は、曲げ鉄筋の3次元モデルの情報(図9(b)の集計表に表される曲げ鉄筋の情報など)に対応している。「3次元モデル情報作成工程」は「3次元モデル情報」を作成する工程である。「鉄筋製作情報」は、「3次元モデル情報」に基づき作成される情報(2次元コードや、2次元コードの作成に用いられる情報など)に対応する。「鉄筋製作情報作成工程」は、「鉄筋製作情報」を作成する工程である。図7以降の図については後述する。
また、本実施形態の施工支援方法は、少なくとも鉄筋製作情報作成工程では、外面寸法情報を含んで鉄筋製作情報を作成し、鉄筋製作情報を、読み取り機器(光学式2次元コード読み取り器など)による読み取りが可能な読み取りコード(2次元コードなど)に変換して出力する鉄筋製作情報出力工程を備える。
さらに、本実施形態の施工支援方法は、中心寸法情報を用いて曲げ鉄筋の長さ情報を算出する長さ算出工程と、長さ情報に基づき、曲げ鉄筋の重量情報を算出する重量演算工程と、を備える。「曲げ鉄筋の長さ情報」は、鉄筋の長さ(全長)を表す情報である。「曲げ鉄筋の重量情報」は、鉄筋の重量を表す情報である。
本実施形態において定義されている新規なパラメータは、鉄筋オブジェクトにおける曲げ部(図5の例ではc部分及びe部分)の中心寸法に関する情報である。具体的には、新規なパラメータは、曲げ部に係るミリ単位での中心寸法や、この中心寸法を利用して演算される鉄筋の長さや重量等の各種の情報である。
曲げ部情報の一つである曲げ径は、鉄筋の中心寸法を用いた値として算出されている。図7(a)は、コの字型の鉄筋オブジェクトにおける中心寸法を模式的に示している。図7(a)の例において、中心寸法は、具体的な数値や記号ではなく、一点鎖線による中心線Cの長さにより表されている。
図7(a)の例では、鉄筋オブジェクト46は、中央直線部(a部分)、左右の直線部(b部分、d部分)、及び、曲げ部(c部分、e部分)により構成されている。中心寸法は、鉄筋オブジェクト46の鉄筋径を想定した場合において、鉄筋オブジェクトの中心を通る仮想的な線(中心線C)の長さであるということができる。
鉄筋オブジェクト46における中心線Cよりも外側の面(外面)47の寸法(外面寸法)は、中心寸法よりも外側の寸法であり、中心寸法よりも大きい値となる。図7(b)は、外面47を、太線47aにより模式的に示している。外面寸法は、外面47を示す太線47aの長さにより表される。ここで例示している鉄筋オブジェクト46は、ほぼ真円状の断面を有している。このため、図7(b)における外面47は、中心線Cよりも外側の稜線に相当している。
図7(b)においては、鉄筋オブジェクト46における中心線Cよりも内側の面(内面)48が、太線48aにより模式的に示されている。内面48の寸法(内面寸法)は、内面48を示す太線48aの長さにより表される。内面48は、中心線Cよりも内側の稜線に相当している。
外面47は、中心線Cよりも外側に位置している。このため、外面寸法は、中心寸法よりも大きい(長い)。また、内面48は、中心線Cよりも外側に位置している。このため、内面寸法は、中心寸法よりも小さい(短い)。
図8(a)は、鉄筋オブジェクト46における一方の曲げ部(c部分)を拡大して示している。曲げ部分の長さは、曲げ部分における中心線Ccの長さとして定義されている。鉄筋オブジェクト46の長さ(全長)は、中心線Cの長さとして定義されている。鉄筋オブジェクト46の長さ(全長)は、図8(b)に示すように、中央直線部における中心線Caの長さ、左右の側部における中心線Cb、Cdの長さ、及び、2箇所の曲げ部における中心線Cc、Ceの長さの合計により表される。
曲げ部の長さ(中心寸法である中心線Ccの長さ、及び/又は、中心線Ceの長さ)は、曲げ部情報の1つである。本実施形態においては、集計表作成部38の機能により、曲げ部情報を含まない集計表(図9(a))と、曲げ部情報を含む集計表(図9(b))の作成が可能である。
図9(a)は、曲げ部情報を含まない場合の集計表の一例を示している。図9(a)の例において、図6の鉄筋オブジェクト42Aと形状が共通する鉄筋オブジェクトを表す「番号」は「F2」であり、このF2の鉄筋オブジェクトの「形状」は「C-1」で表されている。
図5においても、F2の記号が使用されている。図5は、図9(a)に示す鉄筋オブジェクトとは異なる鉄筋オブジェクトの情報を示している。このため、使用されている記号は共通であっても、図9(a)におけるF2の鉄筋オブジェクトと、図5におけるF2の鉄筋オブジェクトとでは、各部の寸法が異なっている。
図9(a)における鉄筋オブジェクト(以下では「鉄筋オブジェクトF2」と称する)について、a部分の寸法はa=500[mm]である。さらに、左右の直線部であるb部分及びc部分の寸法は、b=150[mm]、c=150[mm]である。これに対し、図5の鉄筋オブジェクトF2においては、対応するa部分、b部分、及び、d部分の寸法は、8,036[mm]、673[mm]、1,740[mm]である。また、図5では、曲げ部であるc部分、及び、e部分が定義されているが、図9(a)では曲げ部分が定義されていない。
図9(a)の集計表の鉄筋オブジェクトF2において、「鉄筋の長さ」は750[mm]となっている。鉄筋オブジェクトF2に係るa+b+cの値は800(=500+150+150)[mm]となる。しかし、図9(a)の集計表において、「鉄筋の長さ」が750[mm]となっているのは、施工現場で図9(a)の集計表を利用する場合における作業のし易さを考慮しているためである。
つまり、施工現場においては、長さの単位として、センチメートル(cm)が使用されるのが通常である。言い換えれば、施工現場においては、関係者間での情報共有や意思疎通に使用される単位はセンチメートルである。
このため、必要な鉄筋のミリ単位(ミリメートル単位)での正確な長さが例えば741[mm]であったとしても、施工現場で取り扱われる数値は、mmの単位を切り上げた数値である750[mm](=75[cm])となる。また、施工現場で取り扱われる数値を、例えば740[mm](=74[cm])に切り下げてしまうと、鉄筋の長さの不足や強度の不足が生じることも考えられるため、切り上げた数値が採用されるのが通常である。
これらのことから、図9(a)の例の集計表では、鉄筋オブジェクトF2に係る「鉄筋の長さ」として、750[mm]の値が表示されている。
この「鉄筋の長さ」に係る750[mm]の値は、ミリ単位での数値の末尾が0(ゼロ)となるように切り上げられたものである。このため、施工現場の関係者が、750[mm]の値に対して1/10の演算を暗算で行うことにより、ミリ単位からセンチ単位(センチメートル単位)への換算を行うことができる。したがって、施工現場において、ミリ単位からセンチ単位への変換が容易である。
また、図9(a)の鉄筋オブジェクトF2に係るa=500[mm]、b=150[mm]、d=150[mm]の数値と、「鉄筋の長さ」の750[mm]の数値の関係も、施工現場における作業のし易さを考慮して定められている。
具体的には、施工現場において、直線状の1本の鉄筋が、鉄筋加工機(以下では「曲げ加工機」と称する)に掛けられて、加工される。曲げ加工機としては、一般的な各種のものを利用できる。図9(a)の鉄筋オブジェクトF2に係る数値に基づき、コの字型の鉄筋を作製する場合、鉄筋の加工作業は、a部分、b部分、及び、d部分がそれぞれ、500[mm](=50[cm])、150[mm](=15[cm])及び、150[mm](=15[cm])になるように行われる。
図10は、加工作業を行う作業者に必要な情報を模式化して表している。図10を図7(a)と比べると、図10では、図7(a)における円弧状の曲げ部(c部分、e部分)が、直角に変更されている。図10に示すように、作業者は、図7(a)の曲げ部(c部分、e部分)を直線部分(a部分~c部分)に含めた寸法を認識して加工作業を行えば、目的のタイプの鉄筋を作製できる。そして、施工現場の作業者が作業時に使用する数値は、外面寸法の数値である。
前述したように、外面寸法の値は、中心寸法よりも大きい。また、図7(a)に示す鉄筋オブジェクト46の曲げ部(c部分、e部分)を直角形状に変更し、図10に示すように、曲げ部を直線化した鉄筋オブジェクト46Aを考える。この鉄筋オブジェクト46Aについては、鉄筋の長さ(外面寸法、中心寸法、及び、内面寸法)は、曲げ部を円弧状とした図7(a)の鉄筋オブジェクト46よりも長くなる。
図9(a)の集計表では、a部分、b部分、及び、d部分がそれぞれ、500[mm]、150[mm]、及び、150[mm]となっている。これらの数値を合計すると、800(=500+150+150)[mm]となる。
しかし、施工現場の作業者は、図9(a)の集計表における「鉄筋の長さ」の数値に従い、750[mm](=75[cm])の直線状の鉄筋(加工前の鉄筋)を用意する。さらに、施工現場の作業者は、a部分、b部分、及び、d部分の外面寸法がそれぞれ、50[cm]、15[cm]、及び、15[cm]になるよう加工作業を行う。これにより、実際の鉄筋の長さ(中心寸法による全長)として、集計表上のa部分、b部分、及び、d部分の合計値である800[mm]よりも短く、さらに、「鉄筋の長さ」の数値よりも短い、コの字型の鉄筋が作製される。
このように、図9(a)の集計表の「鉄筋の長さ」における750[mm]の数値の情報は、施工現場における作業のし易さを考慮して作成されたものである。そして、図9(a)の集計表においては、所定の数式に基づき計算された曲げ部の長さ(中心寸法による曲げ部の長さ)を考慮し、a部、b部、及び、d部の値を、作製される鉄筋における各部の実際の長さよりも、拡大するよう算出されている。
図9(b)の集計表は、施工現場での利便性を優先した図9(a)の集計表と比べ、より正確な寸法情報を表示した集計表を示している。図9(b)の例において、図9(a)の鉄筋オブジェクトF2に係る「形状」は、図9(a)と同様に「C-1」である。以下では、図9(b)において「形状」の記号が「C-1」と表示されている鉄筋オブジェクトを「鉄筋オブジェクトC-1」と称し、図9(a)の集計表に係る鉄筋オブジェクトF2と区別する。
図9(b)の集計表においては、鉄筋オブジェクトC-1の各部に割り当てられたa~eの記号は、図5に示された記号の割り当てと同様である。具体的には、中央直線部はa部分とされ、左右の直線部はb部分及びd部分とされている。また、曲げ部は、c部分及びe部分とされている。
図9(b)の例の集計表において、鉄筋オブジェクトC-1のa部分の寸法はa=409[mm]である。さらに、鉄筋オブジェクトC-1のb部分及びd部分の寸法は、b=105[mm]、d=105[mm]である。曲げ部であるc部分及びe部分の寸法は、c=61[mm]、e=61[mm]である。
鉄筋オブジェクトC-1のファミリにおける曲げ部(b部分及びd部分)の長さの算出には、以下の式(1)が用いられている。図9(b)の例において、鉄筋オブジェクトC-1の「径」である鉄筋径(直径)は13[mm]である。
(曲げ部の長さ)=1.5×π(円周率)×(鉄筋径) ・・・式(1)
「径」の値である13[mm]を式(1)に代入すると、曲げ部の長さ(b部分の長さ=d部分の長さ)は、1.5×π(=3.14)×13=約61.23となる。得られた値の小数点以下について四捨五入を行うと、値は61[mm]となり、この値が、図9(b)の集計表における「c」の列と「e」の列に表示されている。
なお、曲げ部の長さ(c部分及びd部分の長さ)を算出するための数式は、鉄筋のファミリに応じて異なる場合がある。
図9(b)の例において、鉄筋オブジェクトC-1におけるa+b+c+d+eの値は741(=409+105+61+105+61)[mm]となる。この演算上の数値である741[mm]に対し、「鉄筋の長さ」の表示は750[mm]となっている。これは、演算上の「鉄筋の長さ」の数値に対し、ミリ単位での数値の末尾が0(ゼロ)となるように切り上げを行って得られた数値である。
このように、図9(b)の集計表に表示される曲げ部の数値を用いることで、より正確な「鉄筋の長さ」が算出される。曲げ部(c部分、e部分)の情報(曲げ部情報)は、BIM用プログラムに、例えば、式1のような数式による演算を行うルーチンを組み込み、鉄筋情報演算部39(図4)が演算を行うことにより得られている。
BIM用プログラムには、各種のファミリの鉄筋における曲げ部の数式が記述されている。例えば設計者が、ファミリを選択し、「径」の値を入力することで、曲げ部情報が算出される。そして、鉄筋オブジェクト(ここでは鉄筋オブジェクトC-1)に係る他のパラメータ(a部分、b部分、及び、d部分の長さ)の値を入力することで、より正確な「鉄筋の長さ」が算出される。
BIM用プログラムは、上述したような方法により各種の鉄筋オブジェクトの情報(3次元モデル情報、鉄筋製作情報、中心寸法情報、外面寸法情報など)を演算する。さらに、BIM用プログラムは、各種の鉄筋オブジェクトの情報や、その他の「カテゴリ」の情報を組み合わせて、プロジェクトの3次元モデル(図2)が作成される。
鉄筋の長さを正確に算出したり表示したりするには、本実施形態のように中心寸法で演算を行うのが有効である。しかし、施工部14(図1)に係る施工現場では、鉄筋径を1/2して中心線との距離を算出、算出した値を、集計表等で与えられた寸法に対して減算したり加算したりして、必要な鉄筋の長さを正確に割り出す作業は、作業者にとって煩わしく、作業効率を低下させる原因となる。このため、施工現場において鉄筋の中心寸法を基準にした作業を行うのは困難であり、相対的に容易に行うことが可能な、外面寸法を基準にした作業が行われることとなる。
また、施工現場に提供される集計表(図9(a))が、曲げ部の長さを考慮して施工しなければならないような表示を行ったとすると、施工現場において、鉄筋径や円周率を用いた煩雑な確認作業が必要になり、ヒューマンエラーの可能性が高まることとなる。
さらに、集計表の作成の際に基となる配筋図(図2)においては、曲げ部が図中に表されないことが多い。また、3次元モデルにおいては、3次元モデルの視点を変更しなければ投影方向に隠れてしまい、視認できない場合がある。このため、事後的に曲げ部の中心寸法を算出することは困難である。
しかし、本実施形態の施工支援システム10のように、情報の最上流であるデータ供給部12において曲げ部の中心寸法をパラメータとした鉄筋オブジェクトの情報を生成することにより、3次元モデルから曲げ部の寸法を割り出したり、鉄筋加工業者において曲げ部の寸法を算出したりすることなく、一元的に正確な鉄筋オブジェクトの情報を作成することが可能となる。
<2次元コードの利用>
BIM用プログラムは、鉄筋オブジェクトの情報を、曲げ加工機を作動させるための2次元コードに変換する。BIM用プログラムにより作成された2次元コードは、管理用札(絵符)に印刷され、曲げ加工される前の直棒状の鉄筋製品に添付(貼付でもよい)される。管理用札に印刷された2次元コードが、例えば光学式2次元コード読み取り器により読み取られ、加工情報として、曲げ加工機に入力される。曲げ加工機は、入力された加工情報に基づいて作動し、直棒状の鉄筋を曲げ加工して、目的の形状の鉄筋を作製する。
<重量や価格の見積り>
さらに、BIM用プログラムは、図9(b)の例の集計表に示すように、中心寸法による曲げ部の長さの情報を含んだ「鉄筋の長さ」と「径」の情報を用いて、鉄筋の重量を演算する。鉄筋の重量は、以下の式(2)により求めることができる。鉄筋の素材である鉄鋼の比重は、7.85程度である。
π/4×(径[mm])×(鉄筋の長さ[mm])×(鉄筋の素材の比重)×10 ・・・式(2)
このような鉄筋の重量の演算は、3次元モデルに使用される全ての鉄筋について行うことが可能である。このため、重量計算の対象とする全ての鉄筋の重量を算出して合計することにより、複数の鉄筋の合計重量を演算することができる。また、演算された重量と、素材の単価(単位重量当たりの価格)との積を演算することで、対象となる鉄筋の価格を演算することが可能である。そして、これらの演算は、正確な曲げ部情報を用いて行われるため、より正確な見積り重量や見積り価格の算出が可能となる。
<変更の許容度に基づく鉄筋オブジェクトの分類>
本実施形態におけるBIM用プログラムは、曲げ鉄筋の中心寸法(図7(a))を用いて、鉄筋の長さや重量の演算を行う機能を有している。寸法変更の許容度が異なる複数種類の鉄筋オブジェクトを取り扱えるようになっている。
図11(a)~(c)は、変更の許容度に基づく鉄筋オブジェクトの分類を模式的に示している。本実施形態においてBIM用プログラムを用いて行われる施工支援方法は、図11(a)に示すように、曲げ鉄筋の3次元モデルには、プロジェクトを構成可能な第1曲げ鉄筋ファミリと第2曲げ鉄筋ファミリが含まれている。
「プロジェクト」は、対象建造物のモデルである。「第1曲げ鉄筋ファミリ」及び「第2曲げ鉄筋ファミリ」は、曲げ鉄筋に係るファミリのうち、互いに異なるファミリに分類されるファミリである。
第1曲げ鉄筋ファミリは、図11(b)に示すように、複数のプロジェクトで共用される。図11(b)では、互いに異なるプロジェクトであるプロジェクト1とプロジェクト2において、第1曲げ鉄筋情報1が共通に用いられている。例えば、図3(a)に示す梁-柱結合部(又は図3(a)に示す梁-柱結合部)のプロジェクトにおいて、同じコの字型の鉄筋(例えば図7(a)に示す鉄筋)が使用される場合などが、第1曲げ鉄筋ファミリが複数のプロジェクトで共用されることに該当する。「第2曲げ鉄筋ファミリ」は、複数のプロジェクトで共用が可能でないものも含み得る。
「第1曲げ鉄筋情報1」は、第1曲げ鉄筋ファミリに含まれる第1曲げ鉄筋情報のうちの1つを意味している。つまり、図11(a)に示すように、第1曲げ鉄筋ファミリには、少なくとも1つの曲げ鉄筋に係る第1曲げ鉄筋情報が含まれる。図11(a)の例では、第1曲げ鉄筋ファミリに、第1曲げ鉄筋情報1~第1曲げ鉄筋情報3が含まれている。第1曲げ鉄筋情報の種類は、2つ以下でもよく、又は、4つ以上であってもよい。
第2曲げ鉄筋ファミリにも、少なくとも1つの曲げ鉄筋に係る第2曲げ鉄筋情報が含まれる。図11(a)の例では、第2曲げ鉄筋ファミリに、第2曲げ鉄筋情報1~第2曲げ鉄筋情報3が含まれている。第2曲げ鉄筋情報の種類は、2つ以下でもよく、又は、4つ以上であってもよい。
第1曲げ鉄筋情報(図11(a)の例では第1曲げ鉄筋情報1~第1曲げ鉄筋情報3)については、曲げ鉄筋における曲げ部の中心寸法が、鉄筋径に基づく数式によって制約される範囲で設定可能である。
「曲げ部の中心寸法」は、曲げ鉄筋の曲げ部(図7(a)のc部分、e部分など)における中心寸法(図8(b)における中心線Ccの長さ、中心線Ceの長さなど)である。「鉄筋径に基づく数式」は、鉄筋径をパラメータとした数式(式(1)の「(曲げ部の長さ)=1.5×π(円周率)×(鉄筋径)」など)である。「数式によって制約される範囲で設定可能であり」は、各種の数式のパラメータ(鉄筋径など)に任意な値を代入することで求められる範囲に制約される意味である。
第2曲げ鉄筋情報については、曲げ鉄筋における曲げ部の中心寸法が、任意に設定可能である。「曲げ部の中心寸法が、任意に設定可能である」は、曲げ部の中心寸法を、予め定められた数式(式(1)など)に制限されずに任意に数値を入力して定義できることである。「曲げ部の中心寸法」の値を任意に直接入力することが可能である。
数式(式(1)など)には、定数として少なくとも円周率(π)が含まれ、円周率は、少なくとも小数点以下2位まで(3.14まで)用いられる。
第1曲げ鉄筋ファミリに係るプロジェクトについては、例えば、画面表示しながら、図3(a)(又は図3(b))に示す鉄筋納まり図における鉄筋(第1曲げ鉄筋情報)における直線部(直線部分)の寸法を、マウス操作を介しドラッグして、任意に変更するといったことが可能である。また、例えば、図6に示すような鉄筋オブジェクト42Aの直線部(直線部分)の寸法を、マウス操作を介しドラッグしたり、パラメータ表42Bに直線部分の数値を入力したりして、任意に変更するといったことが可能である。しかし、前記曲げ部の長さ寸法は、前記数式によって制約される範囲から変更できない。数式は、鉄筋径の違いにより異なる。
「第1曲げ鉄筋ファミリに係るプロジェクト」は、第1曲げ鉄筋ファミリ(図11(a)の例では第1曲げ鉄筋情報1~第1曲げ鉄筋情報3)を共用可能な複数のプロジェクトである。「画面表示しながら」は、表示部35(図4)などに表示してモデリングの内容を視認し得るようにしながらという意味である。「直線部」は、鉄筋の直線部分(図7(a)のa部分、b部分、d部分など)である。
直線部(直線部分)の寸法について「任意に変更する」は、「直線部」の寸法(長さ)を、数式(式(1)など)に制約されずに任意の値に伸長したり伸縮したりする意味である。「曲げ部の長さ寸法」は、曲げ部の中心寸法で表した長さ寸法の意味である。「前記曲げ部の長さ寸法は、前記数式によって制約される範囲から変更できない」は、第1曲げ鉄筋ファミリに係るプロジェクト部に関して、直線部分の長さに任意に変更することはできるが、曲げ部分の長さ寸法については数式により制約される意味である。
<施工支援システム10に係る発明のメリット>
以上説明したような本実施形態の施工支援システム10によれば、データ供給部12においてBIM用プログラムにより作成された鉄筋オブジェクトの情報(ここでは鉄筋製作情報、外面寸法情報など)が、施工部14や加工部16において使用される。さらに、鉄筋オブジェクトの情報は、データ供給部12、施工部14、及び、加工部16において、それぞれが必要な値や単位に調整されて供給される。
曲げ部の寸法は、データ供給部12(図1)において中心寸法により表すことが可能である。そして、鉄筋の長さが、曲げ部の中心寸法を含んだ数値で表される。このため、鉄筋の長さの情報が正確に表され、鉄筋の長さに係る正確な情報が、施工部14に提供し得ることとなる。したがって、中心寸法に基づく正確な情報の提供が可能となる。
また、データ供給部12からは、鉄筋の長さに関して、中心寸法により表した情報も、外面寸法により表した情報も、施工部14に提供することが可能である。したがって、施工部14や加工部16において、上流から取得した情報を人手により必要な情報に変換する作業が不要になる。そして、鉄筋の設計から製造までに亘り、ヒューマンエラーのない一貫したデータのやり取りが可能になる。
また、データ供給部12において作成された鉄筋オブジェクトの情報は、ミリ単位で算出された曲げ部の長さの情報を含んでいる。このため、鉄筋の長さに係る正確な情報に基づいて、各種のシミュレーションを正確に行うことが可能である。例えば、鉄筋納まり図(例えば図3(a)、(b))における鉄筋同士の干渉チェックや、鉄筋に係る各種の見積りを正確に行うことが可能になる。正確な見積りは、データ供給部12において行うことが可能である。また、データ供給部12から施工部14へ、鉄筋の長さに係る正確な情報を提供することにより、施工部14においても正確な見積りを行うことが可能である。したがって、施工部14から加工部16において、過大な余剰を含み得るような発注を行う必要がなく、コストの削減が可能となる。
また、図11(a)~(c)に示すように、変更の許容度によって異なる種類の鉄筋オブジェクトを作成できることから、多様な方法によって3次元モデルを作成できるようになる。
これらのことから、本実施形態の施工支援方法、施工支援プログラム、及び、施工支援装置30に係る発明によれば、現実空間を仮想空間(デジタル空間)上に再現するデジタルツイン構想を、より有用性や実用性の高いものに発展させることが可能となる。
なお、上述した実施形態は、施工支援システム10に係る発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、施工支援システム10に係る発明はその要旨、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば、図1の例では、データ供給部12から施工部14を介して加工部16へ各種の情報(加工帳や2次元コード等の情報)が提供されているが、データ供給部12から、施工部14を介さずに、加工部16へ各種の情報が提供されるようにしてもよい。
<鉄筋納入支援システム60>
次に、施工支援システム10に係る発明を利用した鉄筋納入支援システム(図12に示す鉄筋納入支援システム60など)について説明する。鉄筋納入支援システムの1つの態様(側面ともいう)は、建造物の施工に使用される鉄筋を施工現場に納入するのに利用される鉄筋納入支援システムであって、
前記鉄筋の配置を示す配筋図から前記鉄筋の加工に係る鉄筋加工情報を作成し、
施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期に必要な前記鉄筋を、前記鉄筋加工情報に基づき加工して前記施工現場に納入する鉄筋納入支援システムである。
「建造物」としては、鉄筋を用いて建造されるものであればよく、種々のものを適用可能である。「配筋図」は、鉄筋コンクリート部材における鉄筋の配置状況を示す図であり、配筋詳細図ともいう。図13には、配筋図の一例が示されている。図13の例における符号62は建造物の躯体を示している。符号64は主筋を示しており、符号66は帯筋を示している。
配筋図は構造図の1つとして描かれる。配筋図の縮尺は1/50~1/5程度であるのが一般的である。また、縮尺が小さく図が細かい場合(縮尺が1/50~1/30程度である場合)、鉄筋径は表現されないのが一般的である。そして、配筋図の作成の際には、作成者が、鉄筋径のイメージを持ちながら、鉄筋径は表さず、鉄筋を「線や記号」で描き表すことが多い。ここで、鉄筋の加工には、加工前の鉄筋の長さ(全長)、鉄筋の径、曲げ部の半径といった情報(加工必要情報)が必要となるが、これらの情報は、具体的には記載されていなかったり、認識し易いようには記載されていなかったりする。この点は、所謂設計図、及び、共通図の何れについても同様である。
配筋図が作成されるのは、構造物において鉄筋が交錯する場所(各部材の接合箇所)であることが多い。具体的には、柱と梁の接合部、梁と増打ちの接合部、梁とスラブの接合部などを一例として挙げることができる。
配筋図には、構造設計図としての配筋図と、施工図としての配筋図などのように複数種類がある。施工図としての配筋図は、縮尺を1/1として作成される場合がある。本実施形態における配筋図は、何れの種類の配筋図であってもよい。ただし、鉄筋加工に不足している情報が多いほど、配筋図に基づいて鉄筋の形状等の情報を決定することは困難になる。
ここで、施工支援システム10の施工支援装置30(図4)には、配筋図作成部37に示されているように、配筋図を作成する機能が備えられている。しかし、施工支援装置30により作成される配筋図は、図2に示すように、3次元モデルに基づいて作成されるもの(作成配筋図)である。これに対して、鉄筋納入支援システム60で用いられる配筋図は、施工主等から提供された配筋図(受け取り配筋図)である。鉄筋納入支援システム60では、配筋図(受け取り配筋図)に基づき、鉄筋の径、形状、本数等といった情報が決められる。そして、決められたこれらの情報に基づき、3次元モデル(3次元モデル情報)が作成される。鉄筋納入支援システム60では、施工支援システム10の施工支援装置30(図4)を使用することが可能である。この場合、施工支援装置30(図4)は、鉄筋納入支援装置として機能する。3次元モデルの作成は、施工支援装置30の操作者が人手により行うことや、自動化して行うことが可能である。自動化による3次元モデルの作成については、自動化による3次元モデル情報の作成方法として後述する。
「鉄筋の加工」は、例えば、直棒状の鉄筋を曲げて、鉄筋の形状を、建造物の施工に必要な各種の形状に変更することを意味している。
「鉄筋加工情報」は、鉄筋を目的の形状に加工するために必要となる情報であり、前述した施工支援システム10(図1~図11)に係る「鉄筋製作情報」に該当する。つまり、「鉄筋加工情報」は、鉄筋納入支援システム60の説明にあたり、前述した施工支援システム10(図1~図11)に係る「鉄筋製作情報」を言い換えたものである。このため、「鉄筋加工情報」を、「鉄筋製作情報」と言い換えることも可能である。
「施工スケジュール」は、建造物の施工の計画を時系列に定めたものである。「施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期」は、施工スケジュールにおいて、例えば、2022年5月10日~同年6月20日までに或る工程(ここでは「工程1」と称する)を行い、同年6月21日~同年7月20日までに他の或る工程(ここでは「工程2」と称する)を行うことが計画されている場合における、2022年5月10日~同年6月20日、及び、同年6月21日~同年7月20日を指している。
なお、施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期は、例えば、2022年5月10日~同年6月20日、及び、同年4月25日~同年7月10日のように、一部が重複していてもよい。また、例えば、2022年5月10日~同年6月20日、及び、同年7月1日~同年7月20日のように、不連続であってもよい。
また、「複数」は、3以上であってもよい。さらに、「施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期」は、特定の日であってもよい。例えば、工程1については、2022年5月10日、又は、期間の途中の同年5月20日などとし、工程2については、同年6月21日、又は、同年7月15日などとしてもよい。
また、鉄筋納入支援システムの別の態様は、建造物の施工に使用される鉄筋の配置を示す配筋図から前記鉄筋の加工に係る鉄筋加工情報を作成し、
施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期に必要な前記鉄筋を、前記鉄筋加工情報に基づき加工して前記建造物の施工現場に納入する鉄筋納入支援システムであって、
前記鉄筋加工情報を外部に供給することが可能なデータ供給部と、
前記データ供給部から供給された前記鉄筋加工情報に基づき前記鉄筋の加工を行う加工部と、
前記加工部により加工された前記鉄筋が納入される施工部と、を備え、
前記データ供給部は、
前記配筋図の情報である配筋図情報に基づいて前記鉄筋の3次元モデル情報を作成し、
前記3次元モデル情報に基づいて前記鉄筋加工情報を作成し、
前記鉄筋加工情報を記憶し、
前記施工時期を示す複数の施工時期情報を記憶し、
前記施工時期情報に基づき、前記施工時期に合わせて、前記鉄筋加工情報を前記加工部に供給し、
前記加工部は、
前記施工時期に合わせて前記鉄筋の加工を行い、
加工された前記鉄筋は、前記施工時期に合わせて納入される、
鉄筋納入支援システムである。
「建造物」、「配筋図」、「鉄筋の加工」、「鉄筋加工情報」、及び、「施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期」は、前述した態様と同様の意味である。「データ供給部」は、鉄筋加工情報を、外部(加工部など)に供給する。データ供給部には、図1の例におけるデータ供給部12を適用できる。そして、データ供給部12としては、情報システム企業や建築設計事務所などを挙げることができる。鉄筋納入支援システム60では、施工支援システム10の施工支援装置30(図4)を、データ供給部12に備えられた鉄筋納入支援装置として利用することが可能である。
データの「供給」は、施工支援システム10(図1~図11)について説明したのと同様の通信網を介して行われるものであってもよく、又は、鉄筋加工情報を記憶した可搬型の記憶媒体(USBメモリ等)を介して行われるものであってもよい。
「加工部」は、データ供給部で作成された2次元コード等の鉄筋加工情報を用いて鉄筋の加工を行う。加工部についても、図1の例における加工部16を適用できる。そして、加工部としては、鉄筋加工業者などを挙げることができる。
ここで、図1の例の施工支援システム10においては、加工部16は、施工部14からの発注を受けて鉄筋の曲げ加工を行い、作製された鉄筋を施工部14へ納品する。これに対し、鉄筋納入支援システム60(図12)における加工部16は、データ供給部12から供給された鉄筋加工情報を用いた鉄筋の加工を行う。
この場合、データ供給部12が、施工支援システム10(図1)のための機能と、鉄筋納入支援システム60(図12)のための機能とを併せ持つこととなる。データ供給部12は、鉄筋納入支援システム60(図12)として機能する場合には、鉄筋納入支援システム60に係る加工部として機能することが可能な鉄筋加工業者に対して、鉄筋納入支援システム60に係る鉄筋加工情報を供給する。
「施工部」は、建造の対象となる建造物(対象建造物)の施工が行われる施工現場を挙げることができる。施工部についても、図1の例における施工部14を適用できる。ここで、図1の例の施工支援システム10においては、施工部14が加工部16への発注を行っているが、図12の鉄筋納入支援システム60における施工部14は、加工部16への発注を行う必要がない。
施工部14への鉄筋の納入は、加工部16が加工済み鉄筋を施工部14へ直接運送して行ってもよく、又は、加工部16が運送業者に加工済み鉄筋の運送を発注し、運送業者を介して行ってもよい。鉄筋納入支援システム60においては、施工部14についての事業者名や場所(住所)等といった属性情報は、データ供給部12から加工部16に提供される。また、図12の例では、納入部18が備えられており、納入部18には、運送業者が含まれる。
データ供給部12は、「配筋図」を入手し、配筋図の情報である配筋図情報を作成する。「配筋図情報」は、配筋図に記載され、配筋図から読み取ることが可能な情報である。配筋図情報は、データ供給部12の記憶部32に記憶される。配筋図情報の作成は、施工支援装置30(図4を援用する)の操作者が人手により行うことや、自動化して行うことが可能である。配筋図情報の作成については後述する。
データ供給部12は、配筋図情報に基づいて、鉄筋の3次元モデル情報を作成する。鉄筋の「3次元モデル情報」は、施工支援システム10における3次元モデル情報と同様の情報を採用できる。より具体的には、3次元モデル情報には、鉄筋における各種のパラメータや、パラメータを用いて計算された計算値などが含まれる。さらに、鉄筋のパラメータとしては、鉄筋を識別するための番号、鉄筋径、形状、各部の長さ、等を例示できる。パラメータを用いて計算された計算値としては、鉄筋の全長、各部の長さ、鉄筋の一本当たりの重量等を例示できる。
また、3次元モデル情報には、使用される本数や、求められた本数の鉄筋の合計重量(鉄筋重量)等を含むことができる。さらに、鉄筋の本数や、求められた本数の鉄筋の合計重量(鉄筋重量)は、鉄筋の番号毎、形状毎、及び、鉄筋径毎などに応じて算出することが可能である。
また、3次元モデル情報における、各部の長さの情報には、鉄筋における曲げ部の半径の情報や、曲げ部の長さの情報が含まれる。さらに、各部の長さの情報には、中心寸法情報や、外面寸法情報も含まれている。3次元モデル情報は、鉄筋加工情報を作成するのにも用いられる。鉄筋加工情報は、3次元モデル情報に含まれる情報に基づいて作成されている。
データ供給部12は、鉄筋加工情報や施工時期情報を記憶する。鉄筋加工情報や施工時期情報の記憶には、施工支援装置30(図4)の記憶部32を利用できるが、他の記憶装置(図示略)を用いることも可能である。「施工時期情報」は、前述した施工時期を示す情報である。
鉄筋加工情報は、施工時期に合わせて、データ供給部12から加工部16へ供給される。「前記施工時期情報に基づき、前記施工時期に合わせて、前記鉄筋加工情報を前記加工部に供給し、」は、施工時期情報により示された日(日時であってもよい)までに、加工済みの鉄筋(以下では「加工済み鉄筋」と称する)が施工部14に納入されるように、データ供給部12が加工部16へ、鉄筋加工情報を供給する、といった意味である。データ供給部12による加工部16への鉄筋加工情報の供給は、加工発注日の情報(加工発注日情報)が示す日(日時であってもよい)に行われる。加工発注日は、加工部16が、定められた本数の鉄筋を用意するのに必要な期間を考慮して定められた日である。
加工部16は、施工時期に合わせて鉄筋の加工を行い、加工された鉄筋は、施工時期に合わせて納入される。データ供給部12が加工部16へ鉄筋加工情報を供給するタイミングから、施工部14に加工済み鉄筋が納入されるタイミングまでの間には、加工部16が鉄筋加工情報を受信してから、鉄筋の加工を行い、納入の手配を行って、加工済み鉄筋を加工部16から施工部14へ移動させる期間(時間)が含まれる。
鉄筋納入支援システム60において、前記データ供給部(ここではデータ供給部12)は、
前記施工時期情報により示された前記施工時期に必要となる前記鉄筋を選択し、
選択された前記鉄筋の加工指示情報を出力し、
前記加工指示情報に基づき加工された前記鉄筋の、前記施工部への納入指示情報を出力する。
データ供給部12による鉄筋の選択は、建造物に必要な鉄筋のうち、それぞれの施工時期に必要となる鉄筋を対象として行われる。施工時期情報と、必要となる鉄筋とが、図14(a)、(b)に図表化して示すように紐付けられており、施工時期情報に紐付けられた鉄筋に係る鉄筋加工情報が、選択されて記憶される。図14(a)、(b)の例では、「工程」、「開始」、及び、「終了」の情報が施工時期情報に該当する。「鉄筋の種類」や「本数」は、鉄筋加工情報に該当する。図14(a)、(b)については後述する。
データ供給部12による加工指示情報の出力は、通信網を介し、加工部16に向けて行われる。加工部16は、データ供給部12からの加工指示情報を受信し、加工指示情報に基づいて鉄筋加工機(図1の符号17を援用する)を作動させる。鉄筋加工機17は、加工前の直線状の鉄筋に対し曲げ加工を行い、目的の形状や寸法の鉄筋を作製する。
データ供給部12から出力される納入指示情報は、施工部14が、加工済み鉄筋を必要とする日(日時であってもよい)までに、加工済み鉄筋を納入すべき旨の内容を示した情報である。納入指示情報は、施工時期情報に含まれるものとすることが可能である。例えば、施工時期の開始日の情報を納入指示情報としても利用することが可能である。また、納入指示情報は、加工指示情報に含まれるものとすることも可能である。
鉄筋納入支援システム60において、前記3次元モデル情報は、曲げ鉄筋の3次元モデル情報を含み、
前記曲げ鉄筋の3次元モデルに係るパラメータとして、前記曲げ鉄筋のミリ単位での中心寸法情報と、前記ミリ単位よりも大きい単位での外面寸法情報とを用い、
前記曲げ鉄筋の3次元モデル情報を作成する際には、前記中心寸法情報を含んで前記曲げ鉄筋の3次元モデル情報を作成することが可能である。
前述したように、3次元モデル情報における、各部の長さの情報には、鉄筋における曲げ部の半径の情報や、曲げ部の長さの情報が含まれる。さらに、各部の長さの情報には、中心寸法情報や、外面寸法情報も含まれている。中心寸法情報や、外面寸法情報は、施工支援システム10で説明したのと同様のものとすることができる。
鉄筋納入支援システム60においては、前記鉄筋加工情報を作成する際には、前記外面寸法情報を含んで前記鉄筋加工情報を作成し、
前記鉄筋加工情報を、読み取り機器による読み取りが可能な読み取りコードに変換して出力する。
鉄筋加工情報の作成は、データ供給部12により行われる。鉄筋加工情報は、施工支援システム10における「鉄筋製作情報」に該当する。鉄筋加工情報は、読み取り機器(光学式2次元コード読み取り器など)による読み取りが可能な読み取りコード(2次元コードなど)に変換して出力される。
<データ供給部12において管理される情報>
図14(a)、(b)は、データ供給部12において管理される情報の一覧を概略的に示している。図14(b)は、一覧表の、図14(a)の右側に続く内容を示している。図14(a)には、「納入時刻」から左側が示されており、図14(b)には、同じく「納入時刻」から右側が示されている。
図14(a)における左端の「工事名」は、建造物に係る工事の名称を示している。図14(a)の例では、工事名は、「・・・建築工事」と省略して示されている。図14(a)における「工事場所」は、建造物の施工が行われる場所(施工部14の場所)を示している。図14(a)の例では、工事場所は、「・・・・」と省略して示されている。
「配筋図ファイル名」は、3次元モデルの作成に用いられた配筋図の情報を格納したデータファイルの名称を示している。図14(a)の例では、配筋図ファイル名として、「配筋図001」と「配筋図002」のみが例示されており、その他の配筋図ファイルは省略されている。
「3次元モデルファイル名」は、配筋図に基づき作成された3次元モデルの情報を格納したデータファイルの名称を示している。図14(a)の例では、3次元モデルファイル名は、「・・・建築工事3Dデータ」と省略して示されている。
「工程」は、施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期毎に区分された工程を示している。「開始」は、各工程の開始日(予定日)を示しており、「終了」は各工程の終了日(予定日)を示している。図14(a)の例では、工程1は、2022年5月10日~同年6月20日までに亘って行われる予定となっており、工程2は、同年6月21日~同年7月20日までに亘って行われる予定となっている。工程3は、同年7月21日~同年8月10日までに亘って行われる予定となっており、その他の工程は省略されている。
「納入日」は、施工部14に対する鉄筋の納入日を示している。「納入時刻」は、納入日における納入時刻を示している。図14(a)の例では、例えば、工程1に関しては、2022年5月10日の10時に、指定された鉄筋の納入が行われることが示されている。
図14(b)に示す「鉄筋の種類」は、施工部14に納入される鉄筋の種類を示しており、「本数」は、その種類の鉄筋の納入本数を示している。図14(b)の例では、例えば、工程1に関しては、「A-1」の種類の鉄筋が200本、「A-2」の種類の鉄筋が100本、「C-1」の鉄筋が50本、納入されることが示されている。「鉄筋の種類」の情報は、鉄筋オブジェクトを識別する記号(図5や図9(a)の「番号」の記号)に対応している。図示は省略するが、この「鉄筋の種類」の情報は、図5や図9(b)の「形状」の情報に紐付けられており、「鉄筋の種類」の情報から「形状」の情報を探し出すことができる。
「加工者」は、加工部16となる鉄筋加工業者を示している。図14(b)の例では、加工者は、「・・製作所」と省略して示されている。「加工発注日」は、前述したように、加工部16が、定められた本数の鉄筋を用意するのに必要な期間を考慮して定められた日である。図14(b)の例では、加工発注日は、2022年4月10日として示されている。
「加工指示済み」は、対応する工程に必要な鉄筋の加工指示が送信済であるか否かを示している。図14(a)、(b)の例では、工程1に対応する加工指示は送信が済んでおり、工程2以降に対応する加工指示は未だ送信されていないことが示されている。
「納入者」は、加工済み鉄筋の納入を依頼する運送業者を示している。図14(b)の例では、納入者は、「・・運送」と省略して示されている。納入者は、加工部16である鉄筋加工業者であってもよい。「納入済み」は、対応する工程に必要な鉄筋が施工部14へ納入済であるか否かを示している。図14(a)、(b)の例では、工程1に対応する納入は済んでおり、工程2以降に対応する納入は未だ行われていないことが示されている。
図14(a)に示す「工事名」の情報は、建造物を特定する建造物特定情報となる。「工事場所」の情報は、施工場所を特定する施工場所特定情報となる。「配筋図ファイル名」により特定される情報の内容は、配筋図情報となる。「3次元モデルファイル名」により特定される情報の内容は、3次元モデル情報となる。「工程」、「開始」、及び、「終了」の情報は施工時期情報となる。「納入日」や「納入時刻」の情報は、納入指示情報となる。図14(b)に示す「鉄筋の種類」や「本数」の情報は、鉄筋加工情報となる。「加工者」や「加工発注日」の情報は、加工指示情報となる。「納入者」の情報は、納入指示情報となる。
ここで、図14(a)、(b)に示すのは、データ供給部12において管理される情報の一部であり、図14(a)、(b)に示す情報以外の情報も、鉄筋の加工や納入に関して用いられている。また、図14(a)、(b)に示された情報や、示されていない複数の情報を適宜組み合わせて、建造物特定情報、施工場所特定情報、配筋図情報、3次元モデル情報、施工時期情報、鉄筋加工情報、納入指示情報、及び、加工指示情報等を構成することが可能である。
<鉄筋納入支援方法>
鉄筋納入支援システム60においては、以下のような鉄筋納入支援方法が行われる(実行される)。鉄筋納入支援方法は、建造物の施工スケジュールに係る複数の施工時期情報を記憶する工程と、
前記施工時期情報により示された施工時期に必要となる鉄筋を選択する工程と、
選択された前記鉄筋の加工指示情報を出力する工程と、
前記加工指示情報に基づいて加工された前記鉄筋の納入指示情報を出力する工程と、を備える。
「施工時期情報」の記憶、「加工指示情報」の出力、及び「納入指示情報」の出力は、これまでに鉄筋納入支援システム60について説明したのと同様である。
図15のフローチャートは、鉄筋納入支援システム60において行われる鉄筋納入支援方法をより具体的に示している。鉄筋納入支援方法においては、データ供給部12内において、配筋図に基づき3次元モデルが作成される(S(ステップ)1)。
データ供給部12における3次元モデル情報の作成は、施工支援装置30の操作者が人手により、操作部34(図4を援用する)を介して、施工支援装置30に入力することが可能である。
しかし、これに限定されず、3次元モデル情報の作成を可能な限り自動化することが考えられる。3次元モデル情報の作成を自動化するにあたっては、過去に作成された3次元モデル情報や配筋図(作成配筋図)の情報や、過去に使用された配筋図(受け取り配筋図)の情報を、図16に示すデータベース68に格納しておき、各種の配筋図と、これらの配筋図に対応する3次元モデル情報との関係を学習用データ(教師データ)とすることが考えられる。図16に符号CNで示すのはインターネット等の通信網である。データベース68については、通信網CNを介して施工支援装置30と接続することや、データベース68のハードウエアを省略し、施工支援装置30にデータベース68の情報を格納することが可能である。
新たな3次元モデル情報の作成にあたり、提供された新たな配筋図(受け取り配筋図)の情報(新たな配筋図情報)を施工支援装置30に入力する。新たな配筋図情報の入力は、例えば通信網や、USBメモリ等を介して提供された配筋図情報のデータを、施工支援装置30に読み込むことで行う。また、これらに限らず、例えば、紙の配筋図を、スキャナ等を利用してラスタデータ化し、ラスタデータをベクトルデータに変換して配筋図情報を作成してもよい。
データ供給部12は、新たな配筋図情報から、多数の過去の配筋図情報との近似度を判断し、近似度が相対的に高い過去の配筋図情報を選択することが可能である。過去の配筋図情報の選択にあたっては、一般的な統計的情報処理により最も高い度数で近似するデータ(近似度が最も高いデータ)を選び、この配筋図情報に対応する過去の3次元モデル情報を、新たな3次元モデル情報として用いる、といったことを例示できる。
また、近似度が高い上記の配筋図情報を複数選び、この配筋図情報に対応する過去の3次元モデル情報を、選択候補として表示して、施工支援装置30の操作者に選ばせる、といったことも可能である。
そして、これらのように自動で3次元モデル情報を決定したり、選択候補を表示したりする情報処理は、人工知能(AI)の機能を利用して行うことが可能である。
続いて、図15のS2に示すように、3次元モデルに基づき、データ供給部12において、建造物の施工スケジュールに係る複数の施工時期が決定され(S2)、施工時期情報が作成される。作成された施工時期情報は、記憶部32に記憶される(S3)。
S2の施工時期の決定は、データ供給部12の関係者と施工部14の関係者とが協議して決定することが可能であるが、これに限定されず、施工支援装置30等を用いて自動的に決定することも可能である。
施工時期の自動的な決定は、例えば、以下のように行うことが可能である。先ず、データベース68(図16)に、過去の建造物や構造物の施工記録を記憶しておく。続いて、今回の建造物の条件に一致する(又は一般的な統計的情報処理により最も高い度数で近似する)施工記録のデータを読み出して、施工開始時期に当て嵌め、施工時期を決定する。また、このような情報処理を、人工知能の機能を利用して行うことも可能である。
続いて、施工時期情報により示された施工時期に必要となる鉄筋が決定され(S4)、決定された鉄筋の加工指示情報が、鉄筋加工情報とともに、データ供給部12から加工部16に出力される(S5)。さらに、データ供給部12から加工部16へ、加工指示情報に基づいて加工された鉄筋の納入指示情報が出力され(S6)、加工済み鉄筋が施工部14に納入される(S7)。
ここで、納入指示情報は、前述したように、施工時期情報、及び/又は、加工指示情報に含まれるものとすることが可能である。この場合、加工指示情報の出力は、施工時期情報、及び/又は、加工指示情報がデータ供給部12から加工部16に出力された際(S5)に行われることとなる。
<鉄筋納入支援システム60に係る発明のメリット>
以上説明したような本実施形態の鉄筋納入支援システム60によれば、鉄筋の加工に必要な情報の作成から鉄筋の納入管理までの作業を、情報処理技術を介してサービス化することが可能となる。このため、例えば、施工現場がサービスを行う者(サービス事業者)に対し、インターネット等を介して配筋図を提供し、鉄筋の納入を依頼する、といった作業を行うのみで、施工時期に合わせ、ジャストインタイムで鉄筋が施工現場に納入される、といったサービス事業の創業や起業が可能となる。
また、施工現場において配筋図や構造設計図に基づき、施工に必要な鉄筋の形状や径、本数等といった情報を鉄筋加工業者に伝えることや、施工現場において発注時期の管理を行ったりすることが不要となる。したがって、施工現場における鉄筋手配の負担を低減できる。そして、施工現場において、省力化や、人材活用の有効化、及び、工期の短縮化などが可能となる。
また、鉄筋納入支援システム60が、データ供給部12、施工部14、及び、加工部16を備えることにより、データ供給部12が、サービス事業者となることが可能である。
また、データ供給部12は、鉄筋の3次元モデル情報を作成し、3次元モデル情報に基づいて鉄筋加工情報を作成し、鉄筋加工情報及び施工時期情報を記憶する。データ供給部12は、施工時期情報に基づき、施工時期に合わせて、鉄筋加工情報を加工部16に供給する。加工部16は、施工時期に合わせて鉄筋の加工を行い、加工された鉄筋は、施工時期に合わせて納入される。
したがって、データ供給部12においては、例えば、インターネットを介して施工現場から配筋図を入手し、鉄筋の納入依頼を受け、施工時期に合わせて鉄筋が施工現場に納入されるよう手配する、といったサービスの提供が可能となる。さらに、施工現場においては、配筋図とともに鉄筋納入の発注を行うことで、鉄筋の手配に係る多くの作業から解放され、他の業務に人材を振り向けることが可能となる。
データ供給部12は、施工時期に必要となる鉄筋を選択し、選択された鉄筋の加工指示情報を出力し、加工指示情報に基づき加工された鉄筋の、施工部への納入指示情報を出力する。したがって、鉄筋納入支援システム60によれば、情報処理技術を利用して、施工時期に応じた鉄筋の手配を適正に行うことが可能である。
データ供給部12においては、曲げ鉄筋の3次元モデルに係るパラメータとして、曲げ鉄筋のミリ単位での中心寸法情報を含んで曲げ鉄筋の3次元モデル情報を作成することが可能である。したがって、鉄筋納入支援システム60によれば、ミリ単位の正確な数値での曲げ鉄筋の3次元モデル情報が作成される。そして、データ供給部12は、鉄筋の長さに係る正確な情報提供を行うことができる。さらに、鉄筋の長さに係る正確な情報を用いて正確な見積り重量の情報や、見積り価格の情報を提供することが可能である。
また、鉄筋納入支援システム60においては、鉄筋加工情報を作成する際には、外面寸法情報を含んで鉄筋加工情報を作成し、鉄筋加工情報を、読み取り機器による読み取りが可能な読み取りコードに変換して出力する。したがって、加工部16においては、正確な長さの情報に基づき準備された鉄筋に対し、外面寸法情報を用いて作業性良く、加工を行うことが可能である。
また、施工スケジュールに変更が生じた場合には、データ供給部12が、施工時期情報、加工指示情報、納入指示情報等の情報を、変更されたスケジュールに合わせて処理する。
また、以上説明したような鉄筋納入支援システム60が用いられる状況として、以下のような状況を例示できる。鉄筋の発注者(ここでは施工部14)は、建築物(建造物)の設計図面(ここでは配筋図)を鉄筋納入支援システム60にアップロードし、受注者(ここではデータ供給部12)に鉄筋の納入を依頼するが、該設計図面には、鉄筋の加工に必要な、加工前の鉄筋の長さ、鉄筋の径、曲げ部の半径等の情報(加工必要情報)が含まれていない。
受注者は、設計図面に基づき、加工必須情報を補完し、鉄筋の3次元モデルを、システム上で作成する。発注者は、システム上で3次元モデルを閲覧し、補完された加工必須情報を勘案しながら、鉄筋の発注の順番、発注スケジュール等を決定し、システム上で指定する。指定の際は、建築物の一部や、プロジェクトの一部(柱の一部など)を指定できる。
受注者は、鉄筋の発注の順番、発注スケジュール等の指定により、鉄筋の発注スケジュールを確定させ、加工部16へ加工の発注を行う。加工の発注の際は、ミリ単位で設計した鉄筋加工情報を用い、正確な数値による発注を行う。加工の発注の際、建築物の一部や、プロジェクトの一部(柱の一部など)の発注が可能である。
ここで、加工の発注スケジュールは、鉄筋の発注者(ここでは施工部14)が決めることも可能である。この場合、受注者(ここではデータ供給部12)が、3次元モデルを発注者(ここでは施工部14)に提供し、発注者(ここでは施工部14)が、段階的な施工スケジュールを決定する。
なお、上述した実施形態は、鉄筋納入支援システム60に係る発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、鉄筋納入支援システム60に係る発明はその要旨、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば、鉄筋納入支援システム60は、施工支援システム10に含まれ、施工支援システム10の一部を構成するシステムとすることも可能である。
10 :施工支援システム
12 :データ供給部
14 :施工部
16 :加工部
17 :鉄筋加工機
22 :3次元モデル
24 :配筋図
26 :集計表
30 :施工支援装置
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :操作部
35 :表示部
36 :3次元モデル作成部
37 :配筋図作成部
38 :集計表作成部
39 :鉄筋情報演算部
40 :2次元コード作成部
42A、46、F2、C-1、46A:鉄筋オブジェクト
47 :外面
48 :内面
60 :鉄筋納入支援システム
C、Ca~Ce:中心線

Claims (4)

  1. 建造物の施工に使用される鉄筋を施工現場に納入するのに利用され、
    前記鉄筋の配置を示す配筋図から前記鉄筋の加工に係る鉄筋製作情報を作成し、
    施工スケジュールに段階的に定められた複数の施工時期に必要な前記鉄筋を、前記鉄筋製作情報に基づき加工して前記施工現場に納入する鉄筋納入支援システムであって、
    前記鉄筋製作情報の作成は、特定の施工支援方法により行われ、
    前記特定の施工支援方法は、
    ビルディング・インフォメーション・モデリングを用いた建造物の施工支援方法であって、
    曲げ鉄筋の3次元モデルに係るパラメータとして、前記曲げ鉄筋のミリ単位での中心寸法情報と、前記ミリ単位よりも大きい単位での外面寸法情報とを用い、
    前記3次元モデルに係る3次元モデル情報を作成する3次元モデル情報作成工程と、
    前記3次元モデル情報に基づき前記鉄筋製作情報を作成する鉄筋製作情報作成工程と、を備え、
    少なくとも前記3次元モデル情報作成工程では、前記中心寸法情報を含んで前記3次元モデル情報を作成する施工支援方法である、鉄筋納入支援システム。
  2. 前記特定の施工支援方法が、
    少なくとも前記鉄筋製作情報作成工程では、前記外面寸法情報を含んで前記鉄筋製作情報を作成し、
    前記鉄筋製作情報を、読み取り機器による読み取りが可能な読み取りコードに変換して出力する鉄筋製作情報出力工程を備えた、請求項1に記載の鉄筋納入支援システム。
  3. 前記特定の施工支援方法が、
    前記中心寸法情報を用いて前記曲げ鉄筋の長さ情報を算出する長さ算出工程と、
    前記長さ情報に基づき、前記曲げ鉄筋の重量情報を算出する重量演算工程と、を備えた、請求項1又は2に記載の鉄筋納入支援システム。
  4. 建造物の施工スケジュールに係る複数の施工時期情報を記憶する工程と、
    前記施工時期情報により示された施工時期に必要となる鉄筋を選択する工程と、
    選択された前記鉄筋の鉄筋製作情報を出力する工程と、
    前記鉄筋製作情報に基づいて加工された前記鉄筋の納入指示情報を出力する工程と、を備え、
    前記鉄筋製作情報の作成は、特定の施工支援方法により行われ、
    前記特定の施工支援方法は、
    ビルディング・インフォメーション・モデリングを用いた建造物の施工支援方法であって、
    曲げ鉄筋の3次元モデルに係るパラメータとして、前記曲げ鉄筋のミリ単位での中心寸法情報と、前記ミリ単位よりも大きい単位での外面寸法情報とを用い、
    前記3次元モデルに係る3次元モデル情報を作成する3次元モデル情報作成工程と、
    前記3次元モデル情報に基づき前記鉄筋製作情報を作成する鉄筋製作情報作成工程と、を備え、
    少なくとも前記3次元モデル情報作成工程では、前記中心寸法情報を含んで前記3次元モデル情報を作成する施工支援方法である、鉄筋納入支援方法。

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