JP7195017B2 - 圧力ガイドワイヤ - Google Patents

Description

本開示は、医療機器の分野に関し、具体的には医療用の圧力ガイドワイヤに関する。

医療用の圧力ガイドワイヤは、血管内腔及び非血管内腔の画像下診断治療に適用でき、一般的には、近位端部と遠位端部とを備える。近位端部は、その一部が体外に位置し、操作者によって操作されてガイドワイヤを内腔に沿って進行させるようにする。優れた押し込み性及びを有するように、前記近位端部は、一般的に剛性がある管状構造とする。血管への損傷を回避するように、遠位端部は、一般的にソフトな先端部を有する。

圧力ガイドワイヤが様々な曲がりくねった内腔を通して病変部に到達するための耐航性を向上させるために、圧力ガイドワイヤの近位端部と遠位端部との間には中間部をさらに設置してもよい。当該中間部は、優れた押し込み性及びねじりの制御性を必要とするだけでなく、優れた可撓性も必要となる。

従来、近位端部、中間部及び遠位端部が一体式の管構造から構成された圧力ガイドワイヤが知られている。この中間部では、パターンを形成するように管構造がカットされて、可撓性を持たせる。しかしながら、このような圧力ガイドワイヤでは、押し込み性、ねじりの制御性及び可撓性がいずれも普通であり、且つ押し込み性、ねじりの制御性及び可撓性の間に強く相反する関係を有するため、それらを同時に向上させることができない。

従来、非一体型の圧力ガイドワイヤ構造も知られている。この圧力ガイドワイヤは、異なる材料から構成されるセグメントを備え、１つ又は複数のセグメントは、異なる特性及び／又は異なる材料から構成される外層及び内層を備えて、各セグメントに異なる機械的特性を持たせる。しかしながら、このような圧力ガイドワイヤでは、構造が複雑で、異なる材料を接着する場合、接着の確実性にも深刻な問題がある。

本開示は、上記問題及びニーズに鑑みて、以下の特徴を有するため、優れた押し込み性、ねじりの制御性及び可撓性を有し、且つほかの利点を有する新型圧力ガイドワイヤを提供する。

まず、本開示は、近位端部と、１つ又は複数の編組層から構成され、各編組層が複数本の編組糸を備える中間部と、圧力センサが収容されるセンサハウジングと先端ユニットとを備える遠位端部とを備え、前記先端ユニットは、現像ばね及び現像ばね内に嵌装された先端芯線を備える、圧力ガイドワイヤを提供する。

従来の知見によれば、編組糸は、そのサイズが細すぎるため、形成されたスパイラル構造のピッチが小さすぎる。それにより、十分な支持性を持たせない。その結果として、編組糸を用いて圧力ガイドワイヤの中間部を形成することは未だにない。また、「編組」で形成される構造は、強度及び密閉性が足りないと考えられることが多いため、同様に圧力ガイドワイヤのセグメントには未だに使用されていない。これに対して、本開示発明は、複数の編組糸を用いて１つ又は複数のスパイラル編組層を形成し、各編組層が複数本の編組糸を備えるため、非常に細い編組糸で大きいピッチがある編組構造を形成することができる。実験したところ、このような編組構造では、優れた可撓性及び支持性を兼ね備えることが分かった。支持性の点においては、以降の支持力に対するテストを行ったところ、このような編組構造は、支持性が非常に優れており、普通の編組方式による編組糸の支持性の１０倍以上ほど高い場合もあり、従来のほかの支持構造よりもはるかに優れている。また、可撓性の点では、編組糸自体の細く且つソフトな特性、及びスパイラル編組による特徴によって、前記編組構造の可撓性は、従来の構造よりも遥かに優れているので、より複雑な病変区域に適し、診断・治療のニーズをよりよく満たすことができる。従来の構造での中間部については、たとえば鋼管をカットしてパターンを形成することで可撓性を持たせる構造とする場合、本開示発明のような支持性を達成するために、中間部の可撓性を大幅に犠牲にする必要がある。その結果、圧力ガイドワイヤの機械的特性を深刻に損なってしまうとともに、その可撓性は本開示発明よりも遥かに低い。また、編組糸自体及び編組プロセスがいずれも低コストであるため、本開示発明は、圧力ガイドワイヤ全体のコストを削減させることができる。

好ましくは、各編組層は、互いに密着して平行に配置され且つスパイラル状に巻かれた複数本の編組糸によって形成される。

好ましくは、前記複数本の編組糸はプリストレスによって密着している。

複数の編組糸を互いに密着して平行に配置し且つスパイラル状に巻かれることで編組層を形成した本開示発明は、上記従来の構造に比べて、複雑な製造プロセスを回避し、簡単で実現しやすい。

好ましくは、各編組層は６～１２本の編組糸を備える。

好ましくは、前記編組糸の直径は０．０１ｍｍ～０．１ｍｍの範囲内にある。

好ましくは、各編組糸のピッチは０．１ｍｍ～１ｍｍである。

複数の編組糸を同時に編組することで、非常に細い編組糸で大きいピッチを有する編組構造を形成することを実現し、従来の知見による編組糸で圧力ガイドワイヤの中間部を実現できないという技術的偏見をなくす。また、上記数値によっては、実現された編組構造に優れた可撓性及び支持性を兼ね備えさせる。

好ましくは、前記中間部は少なくとも２つの編組層を備え、各隣接する２つの編組層の編組糸のスパイラル方向が異なる。

好ましくは、前記中間部は少なくとも２つの編組層を備え、異なる編組層は異なる数の編組糸によって形成される。

従来の構造に比べて、編組糸で編組する構造は柔軟性が非常に高い。それは、各編組層における編組糸の本数及びピッチ、各編組層の巻き方向、各編組層の全体的配置、編組層の数等を調整することで編組構造全体の可撓性及び支持性を変更してさまざまな応用シーンのニーズに適用するからである。以降の試験を行ったところ、隣接する２つの編組層の編組糸のスパイラル方向が異なることで、圧力ガイドワイヤにより優れる操作性を付与することができ、操作者が圧力ガイドワイヤの進行方向をさらに容易に制御できることを示した。

好ましくは、中間部は少なくとも２つの編組層を備え、隣接する編組層が密着している。

本開示発明によれば、編組構造の不透過性を更に確保し、且つ、編組構造を製造しやすくしてコストを削減させる。

好ましくは、近位端部、中間部及び遠位端部の最大外径はいずれも０．３６ｍｍ以下である。

本開示発明によれば、全体的に太さが均一な圧力ガイドワイヤを得ることができ、且つ、０．３６ｍｍ以下のサイズによって圧力ガイドワイヤの適用範囲を拡大するようにする。

好ましくは、前記圧力センサは、光ファイバー圧力センサであり、近位端部、中間部及びセンサハウジングを貫通して圧力センサに接続される光ファイバーを備える。

好ましくは、先端ユニットは、接続部材によってセンサハウジングに接続され、前記接続部材は、両端が細く中間が太い筒状構造であり、一端が現像ばねに挿入され、他端がセンサハウジングに挿入される。

該特定の構造を有する接続部材を使用することで、センサハウジングと現像ばねとの溶接を簡単かつ確実にすることができる。ところで、現像ばねをセンサハウジングに直接溶接すると、溶接の確実性が不十分であるという問題がある。

好ましくは、前記近位端部、中間部、センサハウジング、接続部材、及び先端ユニットは類似又は同一の材料から構成され、且つ順に溶接接続されている。

好ましくは、前記近位端部、中間部、センサハウジング、接続部材、及び先端ユニットはステンレス鋼から構成される。

本開示発明によれば、異なる材料で圧力ガイドワイヤを形成した従来技術にある、異なる材料間の溶接の確実性が不十分であるという問題を回避する。

好ましくは、先端芯線及び現像ばねは約０．１２４度のテーパ角を有する。

本開示発明によれば、圧力ガイドワイヤは穿刺能力及び複雑な病変を通過する能力を向上させる。

好ましくは、前記先端芯線は形状記憶金属から製造される。

本開示発明によれば、操作者は圧力ガイドワイヤの進行環境に応じて先端芯線の形状を予め設定することができ、圧力ガイドワイヤが特定の位置をさらに容易に通過できるようにする。

以下、本開示の特徴及び利点をさらに容易に理解できるために、図面を参照しながら、本開示を実施するための最適実施例をさらに詳細に説明する。

本開示の実施例の技術的解決手段をさらに明確に説明するために、以下、本開示の実施例の図面を簡単に説明する。図面は単に本開示のいくつかの実施例を示すものであり、本開示のすべての実施例を限定しない。

図１は圧力ガイドワイヤの例示的な一実施例の側面図である。 図２はセンサハウジングの上面模式図である。 図３はセンサハウジングの側面模式図である。 図４は接続部材の側面模式図である。 図５Ａは単層編組構造を有する中間部の例示的な実施例であり、各図はともに中間部の断面図及び側面図を示す。 図５Ｂは単層編組構造を有する中間部の例示的な実施例であり、各図はともに中間部の断面図及び側面図を示す。 図５Ｃは単層編組構造を有する中間部の例示的な実施例であり、各図はともに中間部の断面図及び側面図を示す。 図６は二層編組構造を有する中間部の例示的な一実施例であり、中間部の断面図及び側面図を示す。 図７は二層編組構造を有する中間部の例示的な一実施例であり、中間部の断面図及び側面図を示す。 図８は三層編組構造を有する中間部の例示的な一実施例であり、中間部の断面図及び側面図を示す。 図９は三層編組構造を有する中間部の例示的な一実施例であり、中間部の断面図及び側面図を示す。 図１０は現像ばねの模式図である。 図１１Ａは現像ばねの内部に挿入された先端芯線の模式図である。 図１１Ｂは現像ばねの内部に挿入された先端芯線の模式図である。

本開示の技術的解決手段の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本開示の具体的な実施例の図面を参照しながら本開示の実施例の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。図中の同一符号は同一部材を示す。なお、説明される実施例は本開示の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力をせずに想到し得るほかの実施例はすべて本開示の保護範囲に属する。

特に定義しない限り、ここで使用される技術用語又は科学用語は当業者が理解する通常意味を有するべきである。本出願の明細書及び請求の範囲に使用される「第１」、「第２」及び類似する用語は順序、数量又は重要性を示すものではなく、単に異なる構成要素を区別するために用いられる。同様に、「１つ」又は「一」等の類似用語は必ずしも数量に対する制限を示すものではない。「備える」又は「含む」等の類似用語は該用語の前に存在する素子又は物品が該用語の後に列挙される素子又は物品及びその同等物をカバーすることを意味するが、ほかの素子又は物品を除外しない。「接続」又は「繋がる」等の類似用語は物理的又は機械的接続に限定されず、直接や間接を問わず電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対位置関係を示し、説明される対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係もその分変わる可能性がある。

図１に示すように、例示的な実施例に係る圧力ガイドワイヤは、主に近位端部１、中間部２、及び遠位端部１２を備える。前記遠位端部１２は、主に圧力センサ５を収容したセンサハウジング４と、現像ばね９及び先端芯線１１を備える先端ユニットと、センサハウジング４と先端ユニットを接続する接続部材８と、を備える。

図１に示すように、近位端部１は、細長い管状構造であり、診断治療中、一部が体外に位置し、該近位端部によって操作者が圧力ガイドワイヤを操作して、人体の血管又は非血管内腔に沿って進行させるようにする。好ましくは、近位端部１は、長さが１５００ｍｍであり、外径が０．３６ｍｍ以下、たとえば０．３５５ｍｍであり、内径が０．１３ｍｍ～０．１７ｍｍである。近位端部１は、ステンレス鋼、たとえば、医療用３０４ｖステンレス鋼から構成されることが好ましい。上記特徴を有する近位端部１は、優れた押し込み性及びねじりの制御性を有する。

中間部２も細長い管状構造であり、近位端部１と同軸に配置される。好ましくは、中間部２の長さは、３００ｍｍ未満、たとえば２８０ｍｍである。中間部２の内外径は、近位端部１と同じであることが好ましく、すなわち、外径は０．３６ｍｍ以下、たとえば０．３５５ｍｍであり、内径は０．１３ｍｍ～０．１７ｍｍである。中間部２は、近位端部１と類似又は同一材料から構成されることが好ましく、たとえば、同様にステンレス鋼、たとえば医療用３０４ｖステンレス鋼から構成される。このように中間部２及び近位端部１が同軸に同径で配置され且つ類似／同一の材料で構成されることで、それらを容易に溶接接続することができる。

中間部２は、好ましくは、１つ又は複数の編組層から構成され、各編組層は互いに密着して平行に配置され且つスパイラル状に巻かれた複数の編組糸によって形成される。

具体的には、各編組層は６～１２本の編組糸を備えてもよく、たとえば、６本、８本又は１２本等である。各編組糸の直径は０．０１ｍｍ～０．１ｍｍの範囲内にある。編組糸のピッチは、好ましくは、略０．１ｍｍ～１ｍｍとし、さらに好ましくは０．４ｍｍとする。

従来の知見では、編組糸はそのサイズが細すぎるため、形成されたスパイラル構造のピッチが小さすぎるので、十分な支持性を提供できない。その結果、編組糸を用いて圧力ガイドワイヤの中間部を形成することは未だにない。また、「編組」で形成される構造は強度及び密閉性が足りないと考えられることが多いため、同様に圧力ガイドワイヤのセグメントに未だに使用されていない。これに対して、本開示は、複数本の編組糸を用いて１つ又は複数のスパイラル編組層を形成し、各編組層が複数本の編組糸を備える。このようにして、非常に細い編組糸で大きいピッチがある編組構造を形成することができる。実験したところ、このような編組構造は優れた可撓性及び支持性を兼ね備えるこが分かった。支持性の点では、以降の支持力のテストを行ったところ、このような編組構造の支持性は、非常に優れており、普通の編組による編組糸の１０倍以上ほど高い場合もあり、従来のほかの支持構造よりもはるかに優れる。また、可撓性の点では、編組糸自体の細くソフトな特性及びスパイラル編組による特徴によって、前記編組構造の可撓性は従来の構造よりも遥かに優れる。それにより、より複雑な病変区域に適して、診断・治療ニーズをよりよく満たすことができる。従来の構造の中間部については、たとえば鋼管をカットしてパターンを形成することで可撓性を実現する構造とする場合、本開示発明の支持性を達成するために中間部の可撓性を大幅に犠牲にする必要があり、圧力ガイドワイヤの機械的特性を深刻に損なってしまうとともに、その可撓性は本開示発明よりも遥かに低い。また、従来の構造に比べて、編組糸で編組する本開示発明は可撓性が非常に高い。それは、各編組層の編組糸の本数及びピッチ、各編組層の巻き方向、各編組層の全体的配置、編組層の数等を調整することで編組構造全体の可撓性及び支持性を変更してさまざまな応用シーンのニーズに適用できるからである。且つ、編組糸自体及び編組プロセスがともに低コストであるため、本開示発明は圧力ガイドワイヤ全体のコストを削減させることができる。

本開示に提出された上記知見に基づき、中間部２は、１つ又は複数の編組層を備え、各編組層が複数本の編組糸から構成されてもよい。少なくとも２つの編組層を備える構造では、異なる編組層は、同一又は異なる数の編組糸から形成されてもよい。

本開示に提出される上記知見に基づき、各編組層の編組糸の巻き方向は、左巻き又は右巻きであってもよい。単層の編組構造では、編組糸の方向は左巻き又は右巻きであってもよい。少なくとも２つの編組層を備える構造では、異なる編組層の巻き方向は、同じであってもよく、異なるようにしてもよい。好ましくは、ある２つの編組層の編組糸のスパイラル方向が異なるようにする。さらに好ましくは、各隣接する２つの編組層の編組糸のスパイラル方向が全部異なり、すなわち、編組方向が最内層から最外層へと順に変化する。

図５～図９は中間部２の複数の具体的な実施例を示す。図５Ａ～図５Ｃは１つの編組層のみを有する中間部を示し、図５Ａの実施例では、編組層は６本の並行する編組糸をスパイラル状に巻いて形成され、図５Ｂの実施例では、編組層は８本の並行する編組糸をスパイラル状に巻いて形成され、図５Ｃの実施例では、編組層は１２本の並行する編組糸をスパイラル状に巻いて形成される。図６～図７は２つの編組層を有する中間部を示し、図６の実施例では、内部編組層及び外部編組層はいずれも６本の並行する編組糸をスパイラル状に巻いて形成され、図７の実施例では、内部編組層は８本の並行する編組糸をスパイラル状に巻いて形成され、外部編組層は６本の並行する編組糸をスパイラル状に巻いて形成される。図６～図７に示される構造では、好ましくは、内部編組層と外部編組層との編組方向は異なる。図８は３つの編組層を有する中間部を示し、内から外への３つの編組層はそれぞれ１２本、８本及び６本の編組糸から形成される。このような３つの編組層を有する構造では、好ましくは、少なくとも一対の隣接する編組層の編組方向は異なり、さらに好ましくは、最内層から最外層へと編組方向が順に変化する。図９は４つの編組層を有する中間部を示し、４つの編組層はいずれも６本の編組糸をスパイラル状に巻いて形成される。このような４つの編組層を有する構造では、好ましくは、隣接する編組層の編組方向は異なり、さらに好ましくは、最内層から最外層へと編組方向が順に変化する。以降の試験を行ったところ、このような構造を有する圧力ガイドワイヤは、より優れた操作性を有することが分かった。

平行に配置され且つスパイラル状に巻かれた複数本の編組糸が互いに密着しているので、隣接する編組糸間に隙間がないようにした。このように密着する配置は編組糸の巻き中に導入されるプリストレスによって実現できる。すなわち、編組層を形成する時、マンドレルを提供し、マンドレルに、並行して配置された複数の編組糸を密着に巻き、巻き中に編組糸自体の回りにねじるプリストレスを各編組糸に導入することで、マンドレルを取り外した後、隣接する編組糸が前記プリストレスの作用下で密着している。

２つ以上の編組層を備える中間部では、隣接する編組層は密着して配置されている。このような密着する配置は編組糸のきつ過ぎで巻きプロセスによって実現でき、すなわち、１つの編組層（第１編組層という）を形成した後、該編組層上に、別の編組層（第２編組層という）を形成するための編組糸を密着して巻くことで、第２編組層の編組糸に収縮しようプリストレスを形成させて、該第２編組層が第１編組層に密着して巻かれる。

図２及び図３はそれぞれ異なる視点からセンサハウジング４の例示的な実施例を示す。センサハウジング４も略筒状構造であり、外径が近位端部１及び中間部２に近く、すなわち、０．３６ｍｍ以下、たとえば０．３５５ｍｍであり、内径が０．２８ｍｍ以下である。センサハウジング４の長さは、好ましくは、２．５ｍｍ以下、たとえば、１．６ｍｍである。センサハウジング４は、好ましくは、中間部２と類似又は同一の材料から構成され、たとえば、同様にステンレス鋼、たとえば医療用３０４ｖステンレス鋼から構成される。それによって、中間部２との溶接の確実性を確保する。

圧力センサ５はセンサハウジング４内に設置される。前記圧力センサ５は、好ましくは、光ファイバー圧力センサであり、センサ通信装置として機能する光ファイバーを有し、前記光ファイバーは、近位端部１、中間部２、センサハウジング４を貫通して圧力センサ５に接続される。

センサハウジング４には検知ウィンドウ７が設置され、血圧が検知ウィンドウ７によってセンサ５に印加されることで、血管中の血液の圧力が測定される。好ましくは、検知ウィンドウ７は角型開口であり、そのサイズとして、好ましくは、長さが０．５ｍｍ、幅が０．２７ｍｍ、面取りがＲ０．０２ｍｍであり、該検知ウィンドウ７は現像ばね９の近位端部側からの０．６ｍｍ以下の位置にある。

センサハウジング４に圧力センサ５を取り付けて固定するための操作開口として開口６がさらに設置されている。たとえば、圧力ガイドワイヤの取り付け中、開口６を利用して圧力センサ５を接着等によってセンサハウジング４に固定してもよい。好ましくは、開口６は略円形の開口であり、その直径は０．２ｍｍ以下であることが好ましい。開口６の中心は、現像ばね９から１．５ｍｍ以下の位置に位置する。好ましくは、センサハウジングの円周方向における開口６の中心と検知ウィンドウ７の中心との差は９０度程度である。

先端ユニットは、現像ばね９と、現像ばね９内に嵌装された先端芯線１１と、現像ばね９及び先端芯線１１に溶接される先端部１０と、を備える。

現像ばね９は、血管中の圧力ガイドワイヤを位置決めるためのものであり、治療中に病変血管又は体腔でのガイドワイヤの視認性を向上させる。そのために、現像ばね９は現像材料から構成されてもよく、現像材料がコーティングされてもよい。同時に、現像ばね９のばね構造は、複雑な病変領域を通過する能力に優れているとともに、ガイドワイヤの先端の造形性及び形状保持性を向上させることができる。図１０は現像ばね９の例示的な実施例を示す。現像ばね９は収束式コイルばねであり、長さが３５ｍｍであることが好ましく、外径が０．３６ｍｍ以下、たとえば０．３５５ｍｍであることが好ましい。

先端芯線１１は、現像ばねに嵌装されており、好ましくは、形状記憶金属から構成されている。それにより、操作者は圧力ガイドワイヤの進行環境に応じて先端芯線の形状を予め設定することができ、圧力ガイドワイヤが特定の位置をさらに容易に通過できるようにする。図１１Ａ～図１１Ｂに示される例示的な構造では、先端芯線１１は細長く収束している構造である。好ましくは、現像ばね９及び先端芯線１１は、０．１２４度のテーパ角を有するように設定されている。それによって、圧力ガイドワイヤは一定の穿刺能力を有し、且つ複雑な病変を通過する能力を向上させる。

先端芯線１１は、該先端芯線と一体化された先端部１０を有し、もしくは、先端部１０が後で先端芯線１１に溶接されてもよい。先端部１０は、図１に示されており、曲がりくねった内腔を容易に通過できるように、滑らかにしている形状を有し、たとえば、流線形、放物線形、段階的に円滑な形状等である。

上記特徴を有する先端ユニットによって、圧力ガイドワイヤの先端がよりソフトになり、より良い形状保持性があり、力を受けたときに永久変形が生じ難くなる。したがって、圧力ガイドワイヤがより多くの病変区域に適用でき、患者の経済的圧力が効果的に軽減する。

好適実施例では、接続部材８によって現像ばね９とセンサハウジング４とが溶接されている。図４に示すように、接続部材８は、両端が細く中間が太い筒状構造であり、一端部が現像ばね９に挿入して溶接され、他端部がセンサハウジング４に挿入して溶接される。該特定の構造がある接続部材８を使用することで、センサハウジング４と現像ばね９との溶接を簡単かつ確実にすることができる。ところで、現像ばね９をセンサハウジング４と直接溶接する場合、溶接の確実性が不十分であるという問題がある。

好適実施例では、接続部材８は、長さが０．８ｍｍ、内径が０．１４ｍｍであり、現像ばねと接続する端部の長さが０．５ｍｍ、外径が０．２１ｍｍであり、センサハウジングと接続する端部の長さが０．２ｍｍ、外径が０．２７ｍｍである。中間部の外径は、０．３６ｍｍ以下である。

以上から明らかになるように、本開示では、近位端部、中間部及び遠位端部の最大外径は略同じく、且つ０．３６ｍｍ以下にすることが好ましい。また、前記近位端部、中間部、センサハウジング、接続部材、及び先端ユニットは類似又は同一の材料（好ましくは、ステンレス鋼）から構成され、且つ順に溶接接続される。このようにして、溶接が容易に製造されるとともに、用途が拡大された圧力ガイドワイヤを得ることができる。

以上、好適実施例を参照しながら本開示に提供されている圧力ガイドワイヤの例示的な実施形態を詳細に説明したが、本開示の主旨を逸脱せずに上記具体的な実施例に対して種々の変形や変更を行うことができ、且つ、本開示発明の保護範囲を逸脱せずに本開示に提供されている種々の技術的特徴、構造を複数種組み合わせることができ、本開示発明の保護範囲は添付した請求の範囲に定められていることが当業者によって理解されるとこるである。

１ 近位端部
２ 中間部
３ 光ファイバー
４ センサハウジング
５ センサ
６ 開口
７ 検知ウィンドウ
８ 接続部材
９ 現像ばね
１０ 先端部
１１ 先端芯線
１２ 遠位端部

Claims (14)

1. 圧力ガイドワイヤであって、
   近位端部と、
   １つ又は複数の編組層から構成され、各編組層が、互いに密着して平行に配置され且つスパイラル状に巻かれた、複数本の編組糸によって形成される中間部と、
   圧力センサが収容されたセンサハウジングと、先端ユニットとを備える遠位端部と、
   を備え、前記先端ユニットは、治療中にガイドワイヤの視認性を向上させるための現像ばねと、前記現像ばね内に嵌装された先端芯線とを備え、
   前記センサハウジングには、検知ウィンドウが設置され、血圧が前記検知ウィンドウによって前記センサに印加されることで、血管中の血液の圧力が測定され、前記センサハウジングには、前記圧力センサを取り付けて固定するための操作開口として、開口もまた設置され、前記開口の中心と前記検知ウィンドウの中心とは、前記センサハウジングの円周方向において９０度異なることを特徴とする圧力ガイドワイヤ。
2. 前記各編組層は、６～１２本の編組糸を備えることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
3. 前記編組糸の直径は０．０１ｍｍ～０．１ｍｍの範囲内にあることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
4. 前記各編組糸のピッチは、０．１ｍｍ～１ｍｍであることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
5. 前記中間部は、少なくとも２つの編組層を備え、各隣接する２つの編組層の編組糸のスパイラル方向が異なることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
6. 前記中間部は、少なくとも２つの編組層を備え、異なる編組層が異なる数の編組糸によって形成されることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
7. 前記中間部は、少なくとも２つの編組層を備え、隣接する編組層が密着していることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
8. 前記近位端部、中間部及び遠位端部の最大外径は、いずれも０．３６ｍｍ以下であることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
9. 前記圧力センサは、光ファイバー圧力センサであり、近位端部、中間部及びセンサハウジングを貫通して圧力センサに接続される光ファイバーを備えることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
10. 前記先端ユニットは、接続部材によってセンサハウジングに接続され、
    前記接続部材は、両端が細く中間が太い筒状構造であり、一端が現像ばねに挿入され、他端がセンサハウジングに挿入されることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
11. 前記近位端部、中間部、センサハウジング、接続部材、及び先端ユニットは、同一の材料から構成され、且つ順に溶接接続されていることを特徴とする請求項１０に記載の圧力ガイドワイヤ。
12. 前記近位端部、中間部、センサハウジング、接続部材、及び先端ユニットは、ステンレス鋼から構成されることを特徴とする請求項１０に記載の圧力ガイドワイヤ。
13. 前記先端芯線及び現像ばねは、約０．１２４度のテーパ角を有することを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。
14. 前記先端芯線は、形状記憶金属から製造されることを特徴とする請求項１に記載の圧力ガイドワイヤ。

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