一方、上記の各種要求とともに、近年さらに求められていることは、大型のイメージセンサを搭載しながら上記各種要求を同時に満たすことである。大型のイメージセンサに対応する光学系は必然的に大型化するが、従来のコンパクトなサイズを維持することが要求されている。また、より強く要求されていることとして、特に望遠側の大口径化がある。広角側の大口径化は近年種々提案されてきているが、同時に望遠側の大口径化を実現し、かつ小型化を両立させることが課題となっている。
デジタルスチルカメラ等に用いられるズームレンズには多くの種類があるが、特に高倍率化に適したレンズタイプとして、以下の組み合わせからなる6群構成のズームレンズが従来から知られている。すなわち、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折力を有する第5レンズ群、および正の屈折力を有する第6レンズ群からなるズームレンズが知られている(例えば、特許文献1(特開2017-67847号公報)および特許文献2(国際公開第2015/146067号)参照)。
特許文献1に記載の6群構成のズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折力を有する第5レンズ群、および正の屈折力を有する第6レンズ群からなり、変倍比が4倍程度で高倍率化が図られている。しかしながら、特許文献1に記載のズームレンズでは、さらなる大口径化を行った場合、特に第1レンズ群、第2レンズ群、および第3レンズ群が大型化し、かつ各レンズ群が光軸方向に移動する際の移動量も増大する。このため、コンパクト性を維持することが困難となる。
さらに、特許文献1に記載のズームレンズの構成では、さらなる高変倍比化が困難となってくる。高変倍比化に伴い、ズームレンズを構成する各レンズ群の光軸方向に移動する際の移動量が大幅に増大し、ズームレンズの大型化やレンズ全長の長大化、および沈胴状態時の肥大化に結びついてしまうことになる。さらに、大型化したズームレンズの小型化を図ると、ズームレンズを構成するいずれかのレンズ群の屈折力が強くなり過ぎて、収差補正が困難となってくる。
また、特許文献2に記載のズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、2つ以上の正の屈折力を有するレンズ群を含む少なくとも3つのレンズ群で構成される後続レンズ群とからなる5群以上の構成で、変倍比が4倍程度で高倍率化が図られている。しかしながら、特許文献2に記載のズームレンズでは、さらなる高変倍比化が困難となってくる。高変倍比化に伴い、ズームレンズを構成する各レンズ群の光軸方向に移動する際の移動量が大幅に増大し、ズームレンズの大型化やレンズ全長の長大化、および沈胴状態時の肥大化に結びついてしまうことになる。さらに、大型化したズームレンズの小型化を図ると、ズームレンズを構成する、特に後続レンズ群内におけるいずれかのレンズ群の屈折力が強くなり過ぎて、収差補正が困難となってくる。さらに、第1レンズ群が2枚以下のレンズ素子で構成されるため、高変倍比化に伴う望遠側の収差補正、特に色収差補正が困難となり大幅な解像劣化を引き起こすことになる。
そこで、小型化、高変倍比化、および大口径化を図りながらも、変倍領域全域に亘り良好な結像性能を実現することができるズームレンズ、およびそのようなズームレンズを搭載した撮像装置の開発が望まれる。
図1等において、符号Simgは像面、Z1は光軸を示す。IRは開口絞りを示す。像面Simgの近傍にはCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子が配置されていてもよい。ズームレンズ1~3と像面Simgとの間には、撮像素子保護用のシールガラスや各種の光学フィルタFL等の光学部材が配置されていてもよい。
以下、本開示の一実施の形態に係るズームレンズの構成を、適宜図1等に示した各構成例のズームレンズ1~3に対応付けて説明するが、本開示による技術は、図示した構成例に限定されるものではない。
本実施の形態に係るズームレンズは、光軸Z1に沿って、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、全体として正の屈折力を有する後続群GRAとから構成されている。
後続群GRAは、第4レンズ群GR4、第5レンズ群GR5、および第6レンズ群GR6を含んでいる。本実施の形態に係るズームレンズは、第1レンズ群GR1と、第2レンズ群GR2と、第3レンズ群GR3と、第4レンズ群GR4と、第5レンズ群GR5と、第6レンズ群GR6との実質的に6つのレンズ群で構成されている。
第1レンズ群GR1は、例えば、物体側から像面側に向かって順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と両凸形状の正レンズL12とが接合された接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL13との3枚構成からなる。
第2レンズ群GR2は、例えば、物体側から像面側に向かって順に、像面側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と両凸形状の正レンズL23とが接合された接合レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL24との4枚構成からなる。
第3レンズ群GR3は、例えば、物体側から像面側に向かって順に、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状または両凸形状の正レンズL32と、像面側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL33との3枚構成からなる。
第4レンズ群GR4は、正の屈折力を有している。第4レンズ群GR4は、例えば、物体側から像面側に向かって順に、両凸形状の正レンズL41と物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL42とが接合された2枚構成の接合レンズからなる。
第5レンズ群GR5は、負の屈折力を有している。第5レンズ群GR5は、例えば、物体側から像面側に向かって順に、像面側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL51と、両凹形状の負レンズL52との2枚構成からなる。
本実施の形態に係るズームレンズは、図2、図4、および図6に示したように、広角端から望遠端への変倍の際に、全てのレンズ群が移動し、光軸上で各レンズ群の間隔が変化する。例えば、広角端から望遠端への変倍の際に、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2との間隔が増大するとともに、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3との間隔が減少するように各レンズ群が移動する。
本実施の形態に係るズームレンズによれば、全体として6群のレンズ構成とし、各レンズ群の構成の最適化を図るようにしたので、小型化、高変倍比化、および大口径化を図りながらも、変倍領域全域に亘り良好な結像性能を実現することができる。
本実施の形態によれば、特に、デジタルスチルカメラ等に好適であり、高い結像性能を有し、十分な高変倍比を有し、レンズ全長が短く、前玉径が小さく、沈胴状態時でも小型であり、かつ非常に軽量で携帯性および操作性の良いズームレンズ、および撮像装置を実現し得る。
本実施の形態に係るズームレンズでは、変倍時に、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2との間隔が変化することにより、第2レンズ群GR2の横倍率を変化させる。さらに変倍時に、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3との間隔が変化することにより、第3レンズ群GR3の横倍率を変化させる。さらに変倍時に、第3レンズ群GR3と第4レンズ群GR4との間隔が変化することにより、第4レンズ群GR4の横倍率を変化させる。変倍機能を多群に分散させることにより、各レンズ群のズーミングにおける移動量を少なく抑えることが可能となり、ズームレンズ全体の小型化に寄与する。さらに変倍時に、第4レンズ群GR4とズームレンズの結像作用を主に担う第5レンズ群GR5との間隔も変化させることにより、各レンズ群での変倍負担の自由度が向上し、小型に高変倍比を実現できる。また変倍時に、第5レンズ群GR5と第6レンズ群GR6との間隔も変化させることにより、第6レンズ群GR6における変倍作用が生じて、より小型化できるだけでなく、変倍に伴う像面湾曲の変化等も効果的に抑制することができる。
条件式(a)は、第4レンズ群GR4と第5レンズ群GR5との群間距離を規定するための条件である。条件式(a)の上限を超えると、ズーミングにおける各レンズ群の移動量の比が大きくなり、移動量が伸びることによりズームレンズの大型化を招くので、好ましくない。また、移動量が伸びることにより軸外光束のレンズ面通過点も光軸Z1より離れることになり、レンズ玉の口径が大型化するので、好ましくない。条件式(a)の下限を超えると、各レンズ群の屈折力が強くなり過ぎ、収差補正が困難となり画質劣化を招くことになるので、好ましくない。
条件式(b)は、第4レンズ群GR4と第6レンズ群GR6との群間距離を規定するための条件である。条件式(b)の上限を超えると、ズーミングにおける各レンズ群の移動量の比が大きくなり、移動量が伸びることにより各レンズ群の移動を規定するメカのカム溝を作成することが困難となる。その結果、ズームレンズの大型化や沈胴状態時の大型化を招くので、好ましくない。また、移動量が伸びることにより軸外光束のレンズ面通過点も光軸Z1より離れることになり、レンズ玉の口径が大型化するので、好ましくない。条件式(b)の下限を超えると、各レンズ群の屈折力が強くなり過ぎ、収差補正が困難となり画質劣化を招くことになるので、好ましくない。
条件式(c)は、第3レンズ群GR3の広角端と望遠端との横倍率比、および第4レンズ群GR4の広角端と望遠端との横倍率比の積を規定するための条件である。条件式(c)の下限を超えると、ズーミングにおける第3レンズ群GR3、および第4レンズ群GR4の移動量が長くなり、ズームレンズの大型化や沈胴状態時の大型化を招くので、好ましくない。また、第1レンズ群GR1、および第2レンズ群GR2の横倍率比が小さくなり、屈折力も弱くなることで、ズーミングにおける第1レンズ群GR1、および第2レンズ群GR2の移動量が長くなり、ズームレンズの大型化や沈胴状態時の大型化を招いたり、第1レンズ群GR1、および第2レンズ群GR2を通過する軸外光束のレンズ面通過点も光軸Z1より離れることになり、レンズ玉の口径も大型化するので、好ましくない。
なお、上記した条件式(a),(b),(c)の効果をより良好に実現するためには、数値範囲を下記条件式(a)’,(b)’,(c)’のように設定することがより望ましい。
0.8<LT45/LW45<1.6 ……(a)’
1.2<LT46/LW46<1.8 ……(b)’
(β3W/β3T)*(β4W/β4T)>2.0 ……(c)’
条件式(d)は、第3レンズ群GR3の広角端と望遠端との横倍率比、および第4レンズ群GR4の広角端と望遠端との横倍率比の比率を規定するための条件である。条件式(d)の上限を超えると、第3レンズ群GR3、あるいは第4レンズ群GR4の屈折力が強くなり過ぎ、収差補正が困難となり画質劣化を招くことになるので、好ましくない。条件式(d)の下限を超えると、第3レンズ群GR3、あるいは第4レンズ群GR4の屈折力が弱くなり過ぎ、ズーミングにおける第3レンズ群GR3、あるいは第4レンズ群GR4の移動量が伸びることによりズームレンズの大型化や沈胴状態時の大型化を招くことになるので、好ましくない。
条件式(e)は、望遠端におけるズームレンズのレンズ全長と、望遠端におけるズームレンズの焦点距離との比率を既定するための条件である。条件式(e)の上限を超えると、ズームレンズの望遠端におけるレンズ全長が長くなり過ぎ、メカのカム溝を作成することが困難となったり、特に沈胴状態時の大型化を招ことになるので、好ましくない。
条件式(f)は、望遠端におけるズームレンズの焦点距離と、広角端におけるズームレンズの焦点距離との比率、すなわち光学倍率を既定するための条件である。条件式(f)の下限を超えると、ズームレンズを構成する各レンズ群の屈折力や、各レンズ群の群間距離のバランスが崩れ、性能劣化や大型化を招くことになるので、好ましくない。本実施の形態に係るズームレンズは、光学倍率を5倍以上に規定するために、各レンズ群の屈折力や各群間距離のバランスが最適化されている。
なお、本実施の形態に係るズームレンズは、第1レンズ群GR1ないし第6レンズ群GR6のうち、少なくとも1つのレンズ群、または少なくとも1つのレンズ群の一部を光軸Z1に略垂直な方向へ移動(シフト)させることにより、像をシフトさせることが可能である。その際、像ブレを検出する検出系、各レンズ群をシフトさせる駆動系、および検出系の出力に基づいて駆動系にシフト量を付与する制御系と組み合わせることにより、本実施の形態に係るズームレンズを防振光学系として機能させることが可能である。特に、本実施の形態に係るズームレンズは、第4レンズ群GR4の全体を光軸に略垂直な方向にシフトさせることにより、少ない収差変動で像をシフトさせることが可能である。
図16は、本実施の形態に係るズームレンズ1~3を適用した撮像装置100の一構成例を示している。この撮像装置100は、例えばデジタルスチルカメラであり、カメラブロック10と、カメラ信号処理部20と、画像処理部30と、LCD(Liquid Crystal Display)40と、R/W(リーダ/ライタ)50と、CPU(Central Processing Unit)60と、入力部70と、レンズ駆動制御部80とを備えている。
カメラブロック10は、撮像機能を担うものであり、撮像レンズ11を含む光学系と、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子12とを有している。撮像素子12は、撮像レンズ11によって形成された光学像を電気信号へ変換することで、光学像に応じた撮像信号(画像信号)を出力するようになっている。撮像レンズ11として、図1ないし図6に示した各構成例のズームレンズ1~3を適用可能である。
カメラ信号処理部20は、撮像素子12から出力された画像信号に対してアナログ-デジタル変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行うものである。
画像処理部30は、画像信号の記録再生処理を行うものであり、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理等を行うようになっている。
LCD40は、ユーザの入力部70に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデータを表示する機能を有している。R/W50は、画像処理部30によって符号化された画像データのメモリカード1000への書き込み、およびメモリカード1000に記録された画像データの読み出しを行うものである。メモリカード1000は、例えば、R/W50に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリーである。
CPU60は、撮像装置100に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能するものであり、入力部70からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御するようになっている。入力部70は、ユーザによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等からなる。入力部70は例えば、シャッタ操作を行うためのシャッタレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等によって構成され、ユーザによる操作に応じた指示入力信号をCPU60に対して出力するようになっている。レンズ駆動制御部80は、カメラブロック10に配置されたレンズの駆動を制御するものであり、CPU60からの制御信号に基づいて撮像レンズ11の各レンズを駆動する図示しないモータ等を制御するようになっている。
入力部70からの指示入力信号によりカメラブロック10の図示しないシャッタが動作されると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部20から画像処理部30に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはR/W50に出力され、メモリカード1000に書き込まれる。
なお、フォーカシングは、例えば、入力部70のシャッタレリーズボタンが半押しされた場合や記録(撮影)のために全押しされた場合等に、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部80が撮像レンズ11の所定のレンズを移動させることにより行われる。
メモリカード1000に記録された画像データを再生する場合には、入力部70に対する操作に応じて、R/W50によってメモリカード1000から所定の画像データが読み出され、画像処理部30によって伸張復号化処理が行われた後、再生画像信号がLCD40に出力されて再生画像が表示される。
なお、上記した実施の形態においては、撮像装置をデジタルスチルカメラ等に適用した例を示したが、撮像装置の適用範囲はデジタルスチルカメラに限られることはなく、他の種々の撮像装置に適用可能である。例えば、デジタル一眼レフカメラ、デジタルノンレフレックスカメラ、デジタルビデオカメラ、および監視カメラ等に適用することができる。また、カメラが組み込まれた携帯電話や、カメラが組み込まれた情報端末等のデジタル入出力機器のカメラ部等として広く適用することができる。また、レンズ交換式のカメラにも適用することができる。
<4.レンズの数値実施例>
次に、本実施の形態に係るズームレンズ1~3の具体的な数値実施例について説明する。ここでは、図1、図3、および図5に示した各構成例のズームレンズ1~3に、具体的な数値を適用した数値実施例を説明する。
なお、以下の各表や説明において示した記号の意味等については、下記に示す通りである。「Si」は、物体側から像面側へ数えたi番目の面の番号を示している。「Ri」は、i番目の面の近軸の曲率半径の値(mm)を示す。「Di」はi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔(レンズの中心の厚み、または空気間隔)の値(mm)を示す。「Ndi」はi番目の面から始まるレンズ等のd線(波長587.6nm)における屈折率の値を示す。「νdi」はi番目の面から始まるレンズ等のd線におけるアッベ数の値を示す。「Type」は、レンズ面の形状の種類を示し、「ASP」と記された面が非球面であることを示す。「Ri」の値が「∞」となっている部分は平面、または絞り面(開口絞りIR)を示す。「f」は無限遠合焦時における全系の焦点距離、「FNo.」はFナンバー(開放F値)、「ω」は半画角(°)を示す。
各数値実施例には、レンズ面が非球面に形成されたものがある。非球面形状は以下の非球面の式によって定義される。以下の非球面の式において、レンズ面頂点からの光軸方向の距離を「x」、光軸方向に直交する方向における高さを「y」、レンズ頂点での近軸曲率(近軸曲率半径の逆数)を「c」とする。「K」は円錐定数(コーニック定数)、「Ai」は第i次の非球面係数を示す。なお、以下の非球面係数を示す各表において、「E-n」は10を底とする指数表現、すなわち、「10のマイナスn乗」を表しており、例えば、「0.12345E-05」は「0.12345×(10のマイナス5乗)」を表している。
(非球面の式)
x=y2c2/[1+{1-(1+K)y2c2}1/2]+ΣAi・yi
[各数値実施例に共通の構成]
以下の数値実施例1~3が適用されるズームレンズ1~3はいずれも、上記した<1.レンズの基本構成>を満足した構成となっている。すなわち、ズームレンズ1~3はいずれも、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、全体として正の屈折力を有する後続群GRAとが配置された構成とされている。後続群GRAは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第4レンズ群GR4と、負の屈折力を有する第5レンズ群GR5と、正の屈折力を有する第6レンズ群GR6とが配置された構成とされている。ズームレンズ1~3はいずれも、実質的に6つのレンズ群で構成されている。
ズームレンズ1~3はいずれも、広角端から望遠端への変倍の際に、全てのレンズ群が移動し、光軸上で各レンズ群の間隔が変化する。広角端から望遠端への変倍の際に、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2との間隔が増大するとともに、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3との間隔が減少するように各レンズ群が移動する。
[数値実施例1]
図1に示したズームレンズ1において、第1レンズ群GR1は、物体側から像面側に向かって順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と両凸形状の正レンズL12とが接合されてなる接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL13とからなる3枚構成とされている。
第2レンズ群GR2は、物体側から像面側に向かって順に、像面側に凹面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する負レンズL21と、両凹形状であり物体側に非球面を有する負レンズL22と両凸形状の正レンズL23とが接合されてなる接合レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する負レンズL24とからなる4枚構成とされている。
第3レンズ群GR3の物体側には、開口絞りIRが配置されている。
第3レンズ群GR3は、物体側から像面側に向かって順に、両凸形状であり両側に非球面を有する正レンズL31と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり物体側に非球面を有する正レンズL32と像面側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL33とが接合された接合レンズとからなる3枚構成とされている。
第4レンズ群GR4は、物体側から像面側に向かって順に、両凸形状であり物体側に非球面を有する正レンズL41と物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL42とが接合された接合レンズからなる2枚構成とされている。
第5レンズ群GR5は、物体側から像面側に向かって順に、像面側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL51と、両凹形状であり像面側に非球面を有する負レンズL52とからなる2枚構成とされている。
第6レンズ群GR6は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する正レンズL61の1枚構成とされている。
第6レンズ群GR6と像面Simgとの間には、光学フィルタFLが配置されている。
[表1]に、ズームレンズ1に具体的な数値を適用した数値実施例1の基本的なレンズデータを示す。[表1]に示したように、数値実施例1において、いくつかのレンズ面が非球面とされている。数値実施例1における非球面の4次、6次、8次、10次、12次、14次の非球面係数A4、A6、A8、A10、A12、A14の値を、円錐係数Kと共に[表2]に示す。
また、[表1]に示したように、数値実施例1では、ズーミングに際して可変する間隔がある。数値実施例1において、広角端、中間域、および望遠端のそれぞれにおける可変間隔の具体的な値を[表3]に示す。また、[表3]には、広角端、中間域、および望遠端のそれぞれにおける全系の焦点距離f、Fナンバー(FNo.)、半画角ω、およびレンズ全長DTの値も示す。
図7には、数値実施例1における広角端での諸収差を示す。図8には、数値実施例1における中間域での諸収差を示す。図9には、数値実施例1における望遠端での諸収差を示す。図7~図9には、諸収差として、球面収差、非点収差(像面湾曲)、および歪曲収差を示す。非点収差図において実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面における値を示す。各収差図には、d線を基準波長とした値を示す。球面収差図には、C線(波長656.28nm)と、g線(波長435.84nm)の値も示す。
以降の他の数値実施例における収差図についても同様である。
各収差図から分かるように、数値実施例1では、広角端、中間域、および望遠端のそれぞれにおいて、各収差がバランス良く良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
[数値実施例2]
図3に示したズームレンズ2において、第1レンズ群GR1は、物体側から像面側に向かって順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と両凸形状の正レンズL12とが接合されてなる接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL13とからなる3枚構成とされている。
第2レンズ群GR2は、物体側から像面側に向かって順に、像面側に凹面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する負レンズL21と、両凹形状であり物体側に非球面を有する負レンズL22と両凸形状の正レンズL23とが接合されてなる接合レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する負レンズL24とからなる4枚構成とされている。
第3レンズ群GR3の物体側には、開口絞りIRが配置されている。
第3レンズ群GR3は、物体側から像面側に向かって順に、両凸形状であり両側に非球面を有する正レンズL31と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する正レンズL32と、像面側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL33とからなる3枚構成とされている。
第4レンズ群GR4は、物体側から像面側に向かって順に、両凸形状であり物体側に非球面を有する正レンズL41と物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL42とが接合された接合レンズからなる2枚構成とされている。
第5レンズ群GR5は、物体側から像面側に向かって順に、像面側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL51と、両凹形状であり像面側に非球面を有する負レンズL52とからなる2枚構成とされている。
第6レンズ群GR6は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する正レンズL61の1枚構成とされている。
第6レンズ群GR6と像面Simgとの間には、光学フィルタFLが配置されている。
[表4]に、ズームレンズ2に具体的な数値を適用した数値実施例2の基本的なレンズデータを示す。[表4]に示したように、数値実施例2において、いくつかのレンズ面が非球面とされている。数値実施例2における非球面の4次、6次、8次、10次、12次、14次の非球面係数A4、A6、A8、A10、A12、A14の値を、円錐係数Kと共に[表5]に示す。
また、[表4]に示したように、数値実施例2では、ズーミングに際して可変する間隔がある。数値実施例2において、広角端、中間域、および望遠端のそれぞれにおける可変間隔の具体的な値を[表6]に示す。また、[表6]には、広角端、中間域、および望遠端のそれぞれにおける全系の焦点距離f、Fナンバー(FNo.)、半画角ω、およびレンズ全長DTの値も示す。
図10には、数値実施例2における広角端での諸収差を示す。図11には、数値実施例2における中間域での諸収差を示す。図12には、数値実施例2における望遠端での諸収差を示す。
各収差図から分かるように、数値実施例2では、広角端、中間域、および望遠端のそれぞれにおいて、各収差がバランス良く良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
[数値実施例3]
図5に示したズームレンズ3において、第1レンズ群GR1は、物体側から像面側に向かって順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と両凸形状の正レンズL12とが接合されてなる接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL13とからなる3枚構成とされている。
第2レンズ群GR2は、物体側から像面側に向かって順に、像面側に凹面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する負レンズL21と、両凹形状であり物体側に非球面を有する負レンズL22と両凸形状の正レンズL23とが接合されてなる接合レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する負レンズL24とからなる4枚構成とされている。
第3レンズ群GR3の物体側には、開口絞りIRが配置されている。
第3レンズ群GR3は、物体側から像面側に向かって順に、両凸形状であり両側に非球面を有する正レンズL31と、両凸形状であり両側に非球面を有する正レンズL32と、像面側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL33とからなる3枚構成とされている。
第4レンズ群GR4は、物体側から像面側に向かって順に、両凸形状であり物体側に非球面を有する正レンズL41と物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL42とが接合された接合レンズからなる2枚構成とされている。
第5レンズ群GR5は、物体側から像面側に向かって順に、像面側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL51と、両凹形状であり両側に非球面を有する負レンズL52とからなる2枚構成とされている。
第6レンズ群GR6は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状であり両側に非球面を有する正レンズL61の1枚構成とされている。
第6レンズ群GR6と像面Simgとの間には、光学フィルタFLが配置されている。
[表7]に、ズームレンズ3に具体的な数値を適用した数値実施例3の基本的なレンズデータを示す。[表7]に示したように、数値実施例3において、いくつかのレンズ面が非球面とされている。数値実施例3における非球面の4次、6次、8次、10次、12次、14次の非球面係数A4、A6、A8、A10、A12、A14の値を、円錐係数Kと共に[表8]に示す。
また、[表7]に示したように、数値実施例3では、ズーミングに際して可変する間隔がある。数値実施例3において、広角端、中間域、および望遠端のそれぞれにおける可変間隔の具体的な値を[表9]に示す。また、[表9]には、広角端、中間域、および望遠端のそれぞれにおける全系の焦点距離f、Fナンバー(FNo.)、半画角ω、およびレンズ全長DTの値も示す。
図13には、数値実施例3における広角端での諸収差を示す。図14には、数値実施例3における中間域での諸収差を示す。図15には、数値実施例3における望遠端での諸収差を示す。
各収差図から分かるように、数値実施例3では、広角端、中間域、および望遠端のそれぞれにおいて、各収差がバランス良く良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
[各実施例のその他の数値データ]
[表10]には、上述の各条件式に関する値を、各数値実施例についてまとめたものを示す。[表10]から分かるように、各条件式について、各数値実施例の値がその数値範囲内となっている。
<5.応用例>
[5.1 第1の応用例]
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図17は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図17に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図17では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
ここで、図18は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図18には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920~7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
図17に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)若しくはLTE-A(LTE-Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図17の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
なお、図17に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
以上説明した車両制御システム7000において、本開示のズームレンズ、および撮像装置は、撮像部7410、および撮像部7910,7912,7914,7916,7918に適用することができる。
[5.2 第2の応用例]
本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図19は、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の概略的な構成の一例を示す図である。図19では、術者(医師)5067が、内視鏡手術システム5000を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001と、その他の術具5017と、内視鏡5001を支持する支持アーム装置5027と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5037と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5025a~5025dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5025a~5025dから、内視鏡5001の鏡筒5003や、その他の術具5017が患者5071の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5017として、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023が、患者5071の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5021は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5017はあくまで一例であり、術具5017としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡5001によって撮影された患者5071の体腔内の術部の画像が、表示装置5041に表示される。術者5067は、表示装置5041に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5021や鉗子5023を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023は、手術中に、術者5067又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、ベース部5029から延伸するアーム部5031を備える。図示する例では、アーム部5031は、関節部5033a、5033b、5033c、及びリンク5035a、5035bから構成されており、アーム制御装置5045からの制御により駆動される。アーム部5031によって内視鏡5001が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5001の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡5001は、先端から所定の長さの領域が患者5071の体腔内に挿入される鏡筒5003と、鏡筒5003の基端に接続されるカメラヘッド5005と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5003を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5001を図示しているが、内視鏡5001は、軟性の鏡筒5003を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒5003の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5001には光源装置5043が接続されており、当該光源装置5043によって生成された光が、鏡筒5003の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5071の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5001は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド5005の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5039に送信される。なお、カメラヘッド5005には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5005には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5003の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5039は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5001及び表示装置5041の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5039は、カメラヘッド5005から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5039は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5041に提供する。また、CCU5039は、カメラヘッド5005に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。
表示装置5041は、CCU5039からの制御により、当該CCU5039によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5001が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5041としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5041として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5041が設けられてもよい。
光源装置5043は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5001に供給する。
アーム制御装置5045は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5027のアーム部5031の駆動を制御する。
入力装置5047は、内視鏡手術システム5000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5047を介して、内視鏡手術システム5000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、アーム部5031を駆動させる旨の指示や、内視鏡5001による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5021を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置5047の種類は限定されず、入力装置5047は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5047としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5057及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5047としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5041の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置5047は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5047は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5047は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5047が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5067)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置5049は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5021の駆動を制御する。気腹装置5051は、内視鏡5001による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5071の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5019を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5053は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5055は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム5000において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、基台であるベース部5029と、ベース部5029から延伸するアーム部5031と、を備える。図示する例では、アーム部5031は、複数の関節部5033a、5033b、5033cと、関節部5033bによって連結される複数のリンク5035a、5035bと、から構成されているが、図19では、簡単のため、アーム部5031の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5031が所望の自由度を有するように、関節部5033a~5033c及びリンク5035a、5035bの形状、数及び配置、並びに関節部5033a~5033cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5031は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5031の可動範囲内において内視鏡5001を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5001の鏡筒5003を患者5071の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部5033a~5033cにはアクチュエータが設けられており、関節部5033a~5033cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5045によって制御されることにより、各関節部5033a~5033cの回転角度が制御され、アーム部5031の駆動が制御される。これにより、内視鏡5001の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5045は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5031の駆動を制御することができる。
例えば、術者5067が、入力装置5047(フットスイッチ5057を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5045によってアーム部5031の駆動が適宜制御され、内視鏡5001の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5031の先端の内視鏡5001を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5031は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5031は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5047を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5045は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5031が移動するように、各関節部5033a~5033cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5031に触れながらアーム部5031を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5031を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5001を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5001が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5027を用いることにより、人手によらずに内視鏡5001の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置5045は必ずしもカート5037に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5045は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5045は、支持アーム装置5027のアーム部5031の各関節部5033a~5033cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5045が互いに協働することにより、アーム部5031の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置5043は、内視鏡5001に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5043は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5043において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置5043は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置5043は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5043は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図20を参照して、内視鏡5001のカメラヘッド5005及びCCU5039の機能についてより詳細に説明する。図20は、図19に示すカメラヘッド5005及びCCU5039の機能構成の一例を示すブロック図である。
図20を参照すると、カメラヘッド5005は、その機能として、レンズユニット5007と、撮像部5009と、駆動部5011と、通信部5013と、カメラヘッド制御部5015と、を有する。また、CCU5039は、その機能として、通信部5059と、画像処理部5061と、制御部5063と、を有する。カメラヘッド5005とCCU5039とは、伝送ケーブル5065によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド5005の機能構成について説明する。レンズユニット5007は、鏡筒5003との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5003の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5005まで導光され、当該レンズユニット5007に入射する。レンズユニット5007は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5007は、撮像部5009の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部5009は撮像素子によって構成され、レンズユニット5007の後段に配置される。レンズユニット5007を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5009によって生成された画像信号は、通信部5013に提供される。
撮像部5009を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5067は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部5009を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5067は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5009が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5007も複数系統設けられる。
また、撮像部5009は、必ずしもカメラヘッド5005に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5009は、鏡筒5003の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部5011は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5015からの制御により、レンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5009による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部5013は、CCU5039との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5013は、撮像部5009から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5067が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5013には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信される。
また、通信部5013は、CCU5039から、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5013は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5015に提供する。なお、CCU5039からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5013には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5015に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5039の制御部5063によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5001に搭載される。
カメラヘッド制御部5015は、通信部5013を介して受信したCCU5039からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5005の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5009の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5011を介してレンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5015は、更に、鏡筒5003やカメラヘッド5005を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット5007や撮像部5009等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5005について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU5039の機能構成について説明する。通信部5059は、カメラヘッド5005との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5059は、カメラヘッド5005から、伝送ケーブル5065を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5059には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5059は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5061に提供する。
また、通信部5059は、カメラヘッド5005に対して、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部5061は、カメラヘッド5005から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5061は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部5061は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5061が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5061は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部5063は、内視鏡5001による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5063は、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5063は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5001にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5063は、画像処理部5061による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部5063は、画像処理部5061によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5041に表示させる。この際、制御部5063は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5063は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5021使用時のミスト等を認識することができる。制御部5063は、表示装置5041に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5067に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド5005及びCCU5039を接続する伝送ケーブル5065は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5065を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5005とCCU5039との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5065を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5065によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の一例について説明した。なお、ここでは、一例として内視鏡手術システム5000について説明したが、本開示に係る技術が適用され得るシステムはかかる例に限定されない。例えば、本開示に係る技術は、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、カメラヘッド5005に好適に適用され得る。特に、本開示のズームレンズは、カメラヘッド5005のレンズユニット5007に好適に適用され得る。
<6.その他の実施の形態>
本開示による技術は、上記実施の形態および実施例の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、上記各数値実施例において示した各部の形状および数値は、いずれも本技術を実施するための具体化のほんの一例に過ぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
また、上記実施の形態および実施例では、実質的に6つのレンズ群からなる構成について説明したが、実質的に屈折力を有さないレンズをさらに備えた構成であってもよい。
また例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
以下の構成の本技術によれば、全体として6群のレンズ構成とし、各レンズ群の構成の最適化を図るようにしたので、小型化、高変倍比化、および大口径化を図りながらも、変倍領域全域に亘り良好な結像性能を実現することができる。
[1]
物体側から像面側に向かって順に、
正の屈折力を有する第1レンズ群と、
負の屈折力を有する第2レンズ群と、
正の屈折力を有する第3レンズ群と、
第4レンズ群、第5レンズ群、および第6レンズ群を含み、全体として正の屈折力を有する後続群と
から構成され、
以下の条件式を満足する
ズームレンズ。
0.5<LT45/LW45<1.8 ……(a)
1.0<LT46/LW46<2.0 ……(b)
(β3W/β3T)*(β4W/β4T)>1.8 ……(c)
ただし、
LW45:広角端における前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との群間距離
LT45:望遠端における前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との群間距離
LW46:広角端における前記第4レンズ群と前記第6レンズ群との群間距離
LT46:望遠端における前記第4レンズ群と前記第6レンズ群との群間距離
β3W:広角端における前記第3レンズ群の横倍率
β3T:望遠端における前記第3レンズ群の横倍率
β4W:広角端における前記第4レンズ群の横倍率
β4T:望遠端における前記第4レンズ群の横倍率
とする。
[2]
さらに以下の条件式を満足する
上記[1]に記載のズームレンズ。
1.0<(β3W/β3T)/(β4W/β4T)<5.0 ……(d)
[3]
前記第4レンズ群は、正の屈折力を有する
上記[1]または[2]に記載のズームレンズ。
[4]
前記第5レンズ群は、負の屈折力を有する
上記[1]ないし[3]のいずれか1つに記載のズームレンズ。
[5]
前記第6レンズ群は、正の屈折力を有する
上記[1]ないし[4]のいずれか1つに記載のズームレンズ。
[6]
広角端から望遠端への変倍の際に、全てのレンズ群が移動する
上記[1]ないし[5]のいずれか1つに記載のズームレンズ。
[7]
さらに以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[6]のいずれか1つに記載のズームレンズ。
DT/FT<1.4 ……(e)
ただし、
DT:望遠端におけるレンズ全長
FT:望遠端における全系の焦点距離
とする。
[8]
さらに以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[7]のいずれか1つに記載のズームレンズ。
FT/FW>5.0 ……(f)
ただし、
FW:広角端における全系の焦点距離
FT:望遠端における全系の焦点距離
とする。
[9]
ズームレンズと、前記ズームレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、
前記ズームレンズは、
物体側から像面側に向かって順に、
正の屈折力を有する第1レンズ群と、
負の屈折力を有する第2レンズ群と、
正の屈折力を有する第3レンズ群と、
第4レンズ群、第5レンズ群、および第6レンズ群を含み、全体として正の屈折力を有する後続群と
から構成され、
以下の条件式を満足する
撮像装置。
0.5<LT45/LW45<1.8 ……(a)
1.0<LT46/LW46<2.0 ……(b)
(β3W/β3T)*(β4W/β4T)>1.8 ……(c)
ただし、
LW45:広角端における前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との群間距離
LT45:望遠端における前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との群間距離
LW46:広角端における前記第4レンズ群と前記第6レンズ群との群間距離
LT46:望遠端における前記第4レンズ群と前記第6レンズ群との群間距離
β3W:広角端における前記第3レンズ群の横倍率
β3T:望遠端における前記第3レンズ群の横倍率
β4W:広角端における前記第4レンズ群の横倍率
β4T:望遠端における前記第4レンズ群の横倍率
とする。
[10]
実質的に屈折力を有さないレンズをさらに備えた
上記[1]ないし[8]のいずれか1つに記載のズームレンズ。
[11]
前記ズームレンズは、実質的に屈折力を有さないレンズをさらに備える
上記[9]に記載の撮像装置。
本出願は、日本国特許庁において2018年3月29日に出願された日本特許出願番号第2018-063855号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。