JP7192532B2 - 電子部品包装用のカバーテープおよび電子部品包装体 - Google Patents

電子部品包装用のカバーテープおよび電子部品包装体 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品包装用のカバーテープおよび電子部品包装体に関する。
電子部品を運搬、保管等する際に、しばしば、キャリアテープおよびカバーテープが用いられる。
具体的には、キャリアテープに形成された電子部品収納用の凹部に、電子部品(半導体チップ等)を入れ、その後、そのキャリアテープの上面に、カバーテープをヒートシールして電子部品を封入する。そして、それをリール状に巻き取って運搬/保管する。
近年の、電子部品のさらなる精密化や高度化などに伴い、カバーテープに関する様々な改良は継続的に行われている。
例えば、特許文献1には、基材層と、樹脂製キャリアテープにヒートシールされる接着層とを少なくとも有するカバーテープが記載されている。
特許文献1の請求項1には、このカバーテープは、基材層の接着層とは反対側の面に帯電防止層を有する旨が記載されている。また、特許文献1の請求項4には、前述の帯電防止層は、バインダー成分として、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂及びこれらの組合せからなる群から選択される熱可塑性樹脂を含有する旨が記載されている。
国際公開第2013/054867号
カバーテープには実用上様々な性質が求められる。
例えば、封入された電子部品の検査を容易とするため(封入された電子部品の視認性を良好とするため)、カバーテープの意図せぬ着色や色変化の抑制が求められる場合がある。
また、電子部品の破壊防止の観点から、静電気の帯電が少ないこと、カバーテープ表面(具体的には、キャリアテープとヒートシールする面とは反対側の面)の表面抵抗値が小さいこと等が求められる場合がある。
しかし、本発明者の知見によれば上記「意図せぬ着色や色変化が抑制されていること」「静電気の帯電が少なく、表面抵抗値が小さいこと」等の性能を高めるという点で、従来のカバーテープにはなお改善の余地があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明は、意図せぬ着色や色変化が抑えられており、かつ、表面抵抗値が小さくて静電気の帯電が少ない電子部品包装用のカバーテープを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下に提供される発明を完成させ、上記課題を解決した。
本発明によれば、
電子部品包装用のカバーテープであって、
ポリエステル樹脂を含む基材層と、シーラント層とを備え、
さらに、前記基材層の前記シーラント層とは反対側の面に、ポリオールとポリイソシアネートの縮合物と、帯電防止剤と、酸化防止剤とを含む帯電防止層を備え、
当該帯電防止層の厚みは1μm以下であるカバーテープ
が提供される。
また、本発明によれば、
電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、
上記カバーテープとを備え、
前記電子部品を封止するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体
が提供される。
本発明によれば、意図せぬ着色や色変化が抑えられており、かつ、表面抵抗値が小さくて静電気の帯電が少ない電子部品包装用のカバーテープが提供される。
カバーテープの層構成を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応しない。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
<カバーテープ>
図1は、本実施形態の電子部品包装用のカバーテープ(カバーテープ1)の層構成を模式的に示した図である。
カバーテープ1は、ポリエステル樹脂を含む基材層(基材層14)と、その片面側(図1では下側)にシーラント層11とを備える。また、カバーテープ1は、基材層14の、シーラント層11とは反対側の面に、ポリオールとポリイソシアネートの縮合物と、帯電防止剤と、酸化防止剤とを含む、厚みが1μm以下の帯電防止層(帯電防止層15)を備える。
なお、以下、ポリオールとポリイソシアネートの縮合物のことを、単に「縮合物」とも表記する。
さらに好ましくは、カバーテープ1は、基材層14とシーラント層11との間に、中間層12を備える。
さらに、カバーテープ1が上記中間層12を備える場合、基材層14と中間層12の間に、接着層13が設けられていてもよい。
カバーテープ1の構成を、図1に示されたように、少なくとも基材層14、シーラント層11および帯電防止層15を備えるように設計することで、カバーテープ1の意図せぬ着色や色変化を抑えることができ、かつ、表面抵抗値を小さくして静電気の帯電を少なくすることができる。
この理由は以下のように説明することができる。なお、以下説明は推測を含み、また、以下説明により本発明の範囲が限定されるものでもない。
カバーテープ1は、基材層14の、シーラント層11とは反対側の面に、帯電防止層15を備える。この帯電防止層15によりカバーテープ1の導電性が向上する。よって、カバーテープ1の表面抵抗値を小さくすることができ、静電気の帯電を抑えることができると考えられる。
一方、帯電防止層15は樹脂素材としてポリオールとポリイソシアネートの縮合物(例えばポリウレタン樹脂)を含む。この縮合物のようにウレタン結合を含む化合物は一般に黄変しやすい傾向にあり、カバーテープ1の着色や色変化の点では不利とも考えられる。また、帯電防止層15が帯電防止剤を含むことで、帯電防止剤単独で、または帯電防止剤と縮合物とが相互作用するなどして、カバーテープ1の着色や色変化が進行してしまう可能性も考えられる。特に、カバーテープ製造時の熱条件、ヒートシール条件や保管条件によっては、着色や色変化が一層進んでしまうとも考えられる。
しかし、帯電防止層15は、酸化防止剤を含んでいる。よって、着色や色変化を抑えることができる。
以下、カバーテープ1の各層や、カバーテープ1全体としての性状などについて、具体的説明を加える。
[シーラント層11]
シーラント層11は、典型的には、熱可塑性樹脂を含む。シーラント層11を構成するに際して適切な素材を選択することで、低タック性、良好な滑り性、十分に強いシール強度などを得ることができる。
シーラント層11が含む熱可塑性樹脂は特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル系樹脂が、易剥離性、ヒートシール性、ブロッキング性などの点で好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリルモノマー一種のみの単独重合体であってもよいし、二種以上の(メタ)アクリルモノマーの共重合体であってもよいし、一種または二種以上の(メタ)アクリルモノマーと、(メタ)アクリルモノマーではないモノマーとの共重合体であってもよい。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルモノマーと共重合可能な単量体としては、スチレン系単量体が挙げられる。具体的には、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、t-ブチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂の具体例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート-ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレートとスチレンとのランダム、ブロック又はグラフト共重合体、エチル(メタ)アクリレートとスチレンとのランダム、ブロック又はグラフト共重合体等が挙げられる。膜形成性等の点から、特に、スチレンとの共重合体を好ましく使用することができる。
(メタ)アクリレートとスチレン系単量体との共重合体における、スチレン系構造単位の含有率は、膜形成性、膜の均一性、所望の易剥離性などに応じて、適宜設定すればよい。例えば、スチレン含有率は0~30質量%、より好ましくは0~20質量%である。
一態様として、シーラント層11は、導電性微粒子を含んでもよい。こうすることで、例えばカバーテープをキャリアテープから剥離する際に発生する静電気の帯電を抑える等の効果を期待することができる。
導電性微粒子は、例えば、アンチモンドーピング酸化錫を表面にコーティングした硫酸バリウム粒子又は二酸化ケイ素粒子であることができる。
アンチモンドーピング酸化錫は、イオンドーピング法により、酸化錫中の酸素原子をアンチモン原子で置換することにより得られる。
アンチモンドーピング酸化錫を、硫酸バリウム粒子又は二酸化ケイ素粒子上に、体積抵抗率が500Ω・m以下、好ましくは100Ω・m以下となるようにコーティングした微粒子を、好適に使用することができる。
アンチモンドーピング酸化錫を、微粒子上にコーティングして用いることにより、安価で、均一な微小粉末が得られる。特に、屈折率が1.6程度とされる硫酸バリウム粒子、又は屈折率1.5程度とされる二酸化ケイ素粒子上にコーティングした場合、核となる粒子のメジアン径が0.3μm以下、より好ましくは0.2μm以下、さらには0.1μm以下とすることにより、粒子が可視光を拡散しなくなる。これにより、高い透明性を確保することができる。
ここで、メジアン径とは、レーザー回折散乱法により測定される粒径分布を体積累積分布で表したときの50%粒径のことである。
導電性微粒子として、アンチモンドーピング酸化錫をコーティングした硫酸バリウム粒子又は二酸化ケイ素粒子を使用し、これを、熱可塑性樹脂(好ましくは(メタ)アクリル系樹脂)中に分散させることにより、少量の導電性微粒子で、高い帯電防止特性を得やすい。すなわち、シーラント層11を薄く設定することができ、また、透明性が損なわれない。
また、ポリスチレン製又はポリカーボネート製キャリアテープとヒートシールしたときに、良好なシール強度及び剥離強度を達成し、優れた密封性と易剥離性とを両立することができる。
シーラント層11が導電性微粒子を含む場合、熱可塑性樹脂((メタ)アクリル系樹脂等)と導電性微粒子との質量比は、透明性と帯電防止性能との両立の点から、例えば、熱可塑性樹脂100質量部に対し、導電性微粒子10~400質量部である。
シーラント層11の厚みは、例えば1~30μm、好ましくは2~20μm、より好ましくは3~15μmである。
シーラント層11の厚みが1μm以上であることで、十二分なシール性を担保することができる。また、シーラント層11の厚みが30μm以下であることで、カバーテープ1の剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープ1がキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープ1がキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。さらに、シーラント層11の厚みが30μm以下であることで、ヒートシール時に溶融した樹脂の「染み出し」が抑えられるという利点もある。
シーラント層11の表面抵抗率は、22℃、40%RH下において、好ましくは10~1012Ω/□ある。また、23±5℃、12±3%RH下において、5000Vから99%減衰するまでに要する電荷減衰時間は1秒以下である。
表面抵抗率や電荷減衰時間が適度な値であることで、静電気が除電されやすくなり、また、外部からの通電を抑えることもできる。
表面抵抗率や電荷減衰時間は、米国の軍規格であるMIL-B-81705Cに準拠して測定することができる。
シーラント層11には、その他添加成分として、必要に応じて分散安定剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を含有させることができる。
シーラント層11中のその他添加成分の量は、添加目的に応じて適宜調整すればよい。典型的には、シーラント層11全体に対して0.01~10質量%程度の範囲で調整すればよい。
ヒートシール層は、例えば以下の中間層12の片面に、グラビアコート法、エアドクターコート法、ブレードコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、ダイレクトロールコート法、リバースロールコート法、スライドコート法、スロットオリフィルコート法等のコーティング方法により形成することができる。
[中間層12]
カバーテープ1において、中間層12の存在は任意である。しかし、中間層12が存在することで、カバーテープ1全体としてのクッション性、耐衝撃性などを高めうる。ここで、「クッション性」とは、例えば、ヒートシール時の圧力を均一に分散させることに優れていることを意味する。
中間層12を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。中でも、適度なクッション性、耐衝撃性、透明性などの観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂がより好ましい。
中間層12は、種々の添加剤を含んでもよい。
カバーテープ1が中間層12を備える場合、中間層は1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
中間層12を、フィルム材料を用いて形成する場合、そのフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであってもよい。カバーテープの機械的強度を一層向上させる観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
中間層12の厚さは、所望の性能に基づき適宜調整すればよい。例えば10~40μm、好ましくは15~30μmとすることができる。
[接着層13]
接着層13は、例えばカバーテープ1が中間層12を備える場合に、中間層12と基材層14とを貼り合せるために設けられる。
接着層13を形成するための材料としては、一般に、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどのポリオールと、イソシアネート化合物とを組み合わせたもの等を使用することができる。
また、例えば、公知の溶剤系または水系のアンカーコート剤を使用することができる。より具体的には、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、アルキルチタネート系などのアンカーコート剤を挙げることができる。
さらに、ウレタン系のドライラミネート用接着樹脂などを挙げることもできる。
なお、中間層12および/または基材層14の接着面にコロナ処理を施すことにより、密着性をより向上させることができる。このコロナ処理の条件は適宜調整すればよい。
接着層13の厚みは、好ましくは0.001~10μm、より好ましくは0.01~5μmである。適度な厚みとすることで、十分な接着性を得つつ、視認性の低下などを抑えることができる。
[基材層14]
基材層14は、ポリエステル樹脂を含む限り、特に限定されない。
ポリエステル樹脂は、機械的強度の観点で好ましい。すなわち、基材層14を、ポリエステル樹脂を含む材料で構成することで、キャリアテープに対してカバーテープ1を接着するとき、外力が加わったときなどに、十二分に耐えうる機械的強度を得やすい。また、キャリアテープにカバーテープ1をヒートシールする際の熱に強いという側面もある。
ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートやこれらの誘導体等が挙げられる。性能(特に機械的強度)とコストの両立の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
基材層14を、フィルムを用いて形成する場合、そのフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであってもよい。カバーテープ1の機械的強度を一層向上させる観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
基材層14は、種々の添加剤を含んでもよい。
基材層14の厚さは特に限定されないが、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。また、基材層14の厚さは、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下である。
基材層14の厚さが50μm以下であることで、カバーテープ1の剛性が大きくなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープ1がキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープがキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。
基材層14の厚さが5μm以上であることで、カバーテープ1の機械的強度を十二分に良好なものとすることができる。よって、例えばキャリアテープからカバーテープ1を高速で剥離する場合でも、カバーテープが破断してしまうことを抑制することができる。
[帯電防止層15]
帯電防止層15は、通常、カバーテープ1の一方の最表面に存在する。こうすることで、カバーテープ1の表面抵抗値を一層小さくしやすい。
カバーテープ1に帯電防止層15を設ける(特に、後述のようにナノメートルオーダーの厚みの帯電防止層15を設ける)にあたっては、例えば、(1)ポリオールとポリイソソアネートの縮合物(典型的にはポリウレタン樹脂)と、帯電防止剤と、酸化防止剤とを、適当な溶媒に溶解または分散させ、(2)それを基材層14の表面に塗布し、(3)そして溶媒を乾燥させるという手順で帯電防止層15を設けることができる。
または、上記(1)で、ポリオールとポリイソソアネートの縮合物ではなく、ポリオールとポリイソシアネートを用い、溶媒乾燥後に縮合反応させるようにしてもよい。
一態様として、ポリオールとポリイソソアネートの縮合物は、ポリウレタン樹脂である。
ポリウレタン樹脂は、好ましくは、ポリエステルポリオール等のポリオール、有機ジイソシアネート化合物、および必要に応じて活性水素基を有する鎖延長剤を原料として得ることができる。ポリウレタン樹脂の数平均分子量は好ましくは5000~100000、ウレタン結合含有量は好ましくは500~4000当量/10g、重合性二重結合含有量は一分子当たり好ましくは平均1.5~30個である。
ポリエステルポリオール等のポリオールとしては、両末端が水酸基であり分子量が500~10000であるジオールが望ましい。ポリエステルポリオール等は、ジカルボン酸成分が少なくとも60モル%以上、望ましくは70モル%以上が芳香族ジカルボン酸よりなることが好ましい。
また、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオールなども必要に応じて、これら単独で、または、ポリエステルポリオールと共に、使用することができる。
有機ジイソシアネート化合物は、特に限定されない。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、1,3-ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4'-ジイソシアネートジシクロヘキサン、4,4'-ジイソシアネートシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、2,4-ナフタレンジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート、4,4'-ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5-ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
必要に応じて使用される活性水素基を有する鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、スピログリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン類が挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール等のポリオール、有機ジイソシアネート、および必要に応じて活性水素基を有する鎖延長剤を、ポリオールと鎖延長剤との活性水素基/イソシアネート基の比で0.8~1.3 (当量比)の配合比で反応させて得られるポリウレタン樹脂であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂は、一例として、公知の方法により、溶剤中で20~150℃の反応温度で触媒の存在下あるいは無触媒で製造される。この際に使用する溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が使用できる。反応を促進するための触媒としては、アミン類、有機錫化合物等が使用される。また、溶融状態でポリエステルポリオールと有機ジイソシアネートを混練りする事によっても製造することができる。
ポリウレタン樹脂はラジカル重合性単量体によるグラフト化反応の効率を高めるために重合性二重結合をウレタン鎖一本当たり例えば1.5~30個、望ましくは2~20個、更に望ましくは3~10個含有している。この重合性二重結合の導入については、下記の3つの方法があり、これらの単独または組み合わせにおいて実施可能である。1)ポリエステルポリオール中にフマル酸、イタコン酸、ノルボルネンジカルボン酸などの不飽和ジカルボン酸を含有せしめる。2)ポリエステルポリオール中に、アリルエーテル基含有グリコールを含有せしめる。3)鎖延長剤として、アリルエーテル基含有グリコールを用いる。4)固相重合において飽和共重合ポリエステルポリオールと不飽和共重合ポリエステルポリオールの混合物を有機ジイソシアネート化合物と反応させる。
その他、ポリウレタンとしては「コーティング用ウレタン樹脂」「溶剤系ウレタン樹脂」などとして市販されているものも用いることができる。
別の態様として、ポリオールとポリイソソアネートの縮合物において、ポリオールは、2以上のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系樹脂であり得る(以下、2以上のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系樹脂のことを単に「(メタ)アクリル系樹脂」とも表記する)。
(メタ)アクリル系樹脂は、典型的には、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含む。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、ヒドロキシ基を含まない(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含んでもよい。ヒドロキシ基を含まない(メタ)アクリレートとしては、一般式CH=CR-COO-R'で表されるモノマー(Rは水素原子またはメチル基、R'はアルキル基、単環または多環のシクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基)を挙げることができる。このモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を含んでもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーと、シリコーン系マクロモノマーとの共重合体であってもよい。この(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーと、シリコーン系マクロモノマーとの共重合反応により、(メタ)アクリル系樹脂中の側鎖、片末端もしくは両末端部位がシリコーン変性している共重合体であることができる。
このような(メタ)アクリル系樹脂を得る方法しては、前述のような(メタ)アクリル系モノマーと、シリコーンの末端に(メタ)アクリロイル基を有するシリコーン系マクロモノマーとを、ラジカル反応にてグラフト共重合させる方法等を挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル系モノマーと、シリコーン系マクロモノマーとの共重合体である場合、樹脂中のシリコーン系マクロモノマー成分の含有量は、1~80質量%が好ましく、5~70質量%がより好ましい。
帯電防止層15が含む帯電防止剤の種類は特に限定されない。例えば公知の帯電防止剤を用いることができる。例えば、リチウム塩、ポリアミド系コポリマー、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエチレンエーテル及びグリコールからなるポリマー、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基含有ポリマー、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属フィラー、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等のチオフェン系導電性ポリマーなどが挙げられる。
本実施形態では、十二分な導電性または帯電防止性能、他成分との相性などの点で、帯電防止剤は4級アンモニウム塩構造を有する化合物(より具体的には、上記の第4級アンモニウム塩基含有ポリマーなど)を含むことが好ましい。
4級アンモニウム塩構造を有する化合物(第4級アンモニウム塩基含有ポリマー)としては、例えば、アクリット1SX-3000(大成ファインケミカル社製)、H6100、H6100M、H6500(三菱ケミカル社製)、コルコートNR121X、コルコートNR121X-9IPA(コルコート社製)、ユニレジンAS-10/M、ユニレジンAS-12/M、ユニレジンAS-15/M、ユニレジンASH26(新中村化学社製)、UV-ASHC-01(日本化成社製)等を挙げることができる。
帯電防止剤の量は、特に限定されず、所望の帯電防止性と他の性能とのバランス等により適宜設定すればよい。具体的には、帯電防止剤の量は、帯電防止層15全体に対して例えば10~90質量%、好ましくは20~70質量%、より好ましくは30~60質量%である。帯電防止剤の量を適切に調整することで、十分な透明性などを得つつ、十二分な帯電防止性を得ることができる。また、着色や色変化を一層抑えられる。
帯電防止層15が含む酸化防止剤の種類は特に限定されず、酸化防止剤として知られている公知の酸化防止剤を用いることができる。
本実施形態では、他成分との相性などの点で、酸化防止剤はフェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含むことが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤を挙げることができる。より具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、ペンタエリトリトール=テトラキス[3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。
また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤以外のフェノール系酸化防止剤としては、例えば、水酸基を挟むように位置する置換基の一方がメチル基等に置換されているセミヒンダード型のフェノール系酸化防止剤や、水酸基を挟む2つの置換基の双方がメチル基等に置換されているレスヒンダード型のフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては市販のものを用いてもよい。例えば、BASF社から、商品名「Irganox」シリーズとして市販されているものを用いることもできる。
リン系酸化防止剤の例としては、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、及びテトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレンフォスファイト等のフォスファイト系化合物が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、BASF社から、商品名「Irgafos」シリーズとして市販されているものを用いることもできる。
フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用することで、着色や色変化を一層低減することができる。この詳細は不明であるが、各々で酸化防止のメカニズムが異なるため、両者が独立して働く、かつ/または、相乗的な効果が生じているからであると考えられる。
帯電防止層15中の酸化防止剤の量は、帯電防止層15全体に対して、例えば0.01~1質量%、好ましくは0.1~0.5質量%である。酸化防止剤の量を適切に調整することで、他の性能とバランスをとりつつ、十分な透明性を得ることができる。
既に述べたように、帯電防止層15の厚みは、1μm以下である。帯電防止層15の厚みは、比較的薄いことが好ましい。具体的には、帯電防止層15の厚みは、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは30nm以下である。下限は特にないが、製造しやすさ等の点から、例えば5nm以上である。
帯電防止層15の厚みが比較的薄いことにより、カバーテープ1をキャリアテープにヒートシールする際、帯電防止層15の一部が溶解してヒートシール装置を汚染することを低減しうる。
「ヒートシール装置の汚染低減」という観点では、帯電防止層15(通常、カバーテープ1の一方の最表面に存在)の「タック力」が比較的小さくなるように帯電防止層15を設計することも好ましい。具体的には、カバーテープ1における帯電防止層15が存在する側の、25℃でのタック力は、好ましくは0.5N/20mm以下、より好ましくは0.3N/20mm以下である。
なお、タック力の下限値は、例えば0であり、具体的には0.01N/20mm以上である。
タック力の大きさは、帯電防止層15を形成するための材料を適切に選択したり、帯電防止層15に滑剤および/または離型剤を含めたりすることで調整可能である。滑剤および/または離型剤として具体的には、脂肪酸アマイド、エルカ酸アミド、エチレンビス脂肪酸アミド、脂肪酸、エステル化合物などが挙げられる。
25℃におけるタック力は、タッキング試験機TAC-1000(株式会社レスカ製)で測定可能である。測定条件は、押印時間20sec、引上げ速度10mm/s、荷重2500gf(24.5N)、プローブ、ステージ温度25℃とすることができる。
[全光線透過率]
十二分な視認性を得る観点から、カバーテープ1の全光線透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上である。この値は基本的には100%に近いことが好ましいが、現実的な設計としては通常95%以下である。
なお、全光線透過率は、JIS K 7105(1981)に準じて測定することができる。
<カバーテープの製造方法>
カバーテープ1の製造方法は特に限定されず、公知の方法を適宜適用して製造すればよい。カバーテープ1は、例えば、押出法、共押出法、ラミネート法(ウェットまたはドライ)、塗布法、これらの組合せなどにより製造することができる。
<電子部品包装体>
電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、上述のカバーテープ1とをヒートシールすることで、電子部品包装体を製造することができる。
より具体的には、以下のような手順で、電子部品を封止するように、カバーテープ1のシーラント層11がキャリアテープに接着された電子部品包装体を得ることができる。
(1)電子部品が凹部に収容されたキャリアテープを準備する。
(2)カバーテープ1を用いて、上述のキャリアテープの開口部全面を覆う(このとき、シーラント層11の側がキャリアテープと接触するようにする)。
(3)ヒートシール処理を施す。
ヒートシールの具体的なやり方や条件は、カバーテープ1がキャリアテープに十分強く接着する限り特に限定されない。典型的には、公知のテーピングマシンを用い、温度100~240℃、荷重0.1~10kgf(0.98~98N)、時間0.0001~1秒の範囲内で行うことができる。
得られた電子部品包装体は、例えば、リールに巻かれ、その後、電子部品を電子回路基板等に実装する作業領域まで搬送される。リールの素材は、金属製、紙製、プラスチック製などであることができる。
電子部品包装体が作業領域まで搬送された後、カバーテープ1をキャリアテープから剥離し、収容された電子部品を取り出す。
収容される電子部品は、特に限定されない。半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子、光学素子、LED関連部材、コネクタ、電極など、電気・電子機器の製造に用いられる部品全般を挙げることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<帯電防止層形成用の塗布液の準備>
素材として以下を準備した。
・ポリオール1:アクリディックA801(DIC株式会社製、アクリル系ポリオール)
・ポリオール2:バーノックDE-140(DIC株式会社製、ポリエステル系ポリオール)
・ポリイソシアネート:デュラネート24A-100(旭化成社製)
・酸化防止剤1:Irganox1076(BASF社製、フェノール系)
・酸化防止剤2:Irganox168(BASF社製、リン系)
・帯電防止剤:アクリット1SX-3000(大成ファインケミカル社製、4級アンモニウム塩タイプ帯電防止ポリマー)
・潤滑剤:スリパックスE(三菱ケミカル社製、脂肪酸アマイド)
上記素材を後掲の表1に記載の量で配合し、また、酢酸エチル溶剤を適量用い、帯電防止層形成用の塗布液を調製した。酢酸エチル溶剤の量は、後述の塗布厚みを踏まえて適宜調整した。
<カバーテープの製造>
以下手順によりカバーテープを製造した。
(1)密度0.925の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(プライムポリマー社製、エボリューSP2520、厚み20μm、中間層に相当)と、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、E7415、片面帯電防止・片面コロナ処理タイプ、厚み12μm、基材層に相当)のコロナ処理面とを、ポリオールと硬化剤とからなる接着剤層を介してドライラミネーションした。これにより、中間層-接着層-基材層の3層構造の積層体を得た。接着剤層の厚みは3μm程度であった。
(2)上記(1)で得られた積層体の、中間層の面に、(メタ)アクリル系樹脂(メチルメタクリレート等の共重合体)を含む塗布液を、ロールコート法により厚み10μmで塗布した。これによりシーラント層を形成し、シーラント層-中間層-接着層-基材層の4層構造の積層体を得た。
(3)上記(2)で得られた積層体の、基材層の面に、上述の帯電防止層形成用の塗布液を塗布し、適宜加熱してポリオールとポリイソシアネートとを縮合させることで、厚み30nmの帯電防止層を形成した。これにより、シーラント層-中間層-接着層-基材層-帯電防止層の5層構造の積層体を得た。
上記(3)で得られた積層体を適当な長さ・幅に裁断することで、カバーテープを得た。
<測定、評価>
[着色/色変化:60℃、90%RH環境下に置いた後の全光線透過率]
各カバーテープを、60℃、90%RH環境下に24時間置き、その後の全光線透過率を測定した。測定は、JIS K 7105(1981)に準じて行った。
[タック力の測定]
各カバーテープの帯電防止層側の60℃におけるタック力を、タッキング試験機TAC-1000(株式会社レスカ製)で測定した。測定条件は、押印時間20sec、引上げ速度10mm/s、荷重2500gf(24.5N)、プローブ、ステージ温度60℃とした。
[ヒートシール装置の汚染評価]
まず、カバーテープを、シールコテを用いて、温度:180℃、圧力:4kg/cm、シールコテがカバーテープに接する一回あたりの時間:0.05秒、ピッチ:4mmの条件で、10m分、キャリアテープにシールした。
その後、綿棒を用いてシールコテの汚れをこすり、綿棒についた汚れを以下基準で3段階評価した。
・優:綿棒に目立った汚れは付着しなかった。
・良:綿棒に汚れは付着したが、そのままシールを継続して問題ない程度であった。
・不可:クリーニングが必要な程度の汚れが綿棒に付着した。
[表面抵抗値の測定(静電気の帯電性)]
23℃、50RH%で、帯電防止層側の表面抵抗値を、JIS K6911(1995)に準じて測定した。単位は、Ω/□である。
評価結果をまとめて、帯電防止層の素材配合とともに表1に示す。
表1において、表面抵抗値の表記は指数表記である。具体的には、「1E+10」との表記は、1×1010の意である。
Figure 0007192532000001
表1に示されるとおり、実施例1~5のカバーテープを、60℃、90%RH環境下で経時させたものの全光線透過率は大きかった。また、実施例1~5のカバーテープのヒートシール装置の汚染は少なく、表面抵抗値は小さかった。
すなわち、シーラント層とは反対側の面に、ポリオールとポリイソシアネートの縮合物と、帯電防止剤と、酸化防止剤とを含む、厚み1μm以下の帯電防止層を備えるカバーテープは、意図せぬ着色や色変化が抑えられ、かつ、表面抵抗値が小さくて静電気の帯電が少ないカバーテープであることが示された。
一方、比較例1のカバーテープを、60℃、90%RH環境下で経時させたものの全光線透過率は、実施例1~5の水準よりも悪かった。帯電防止層が酸化防止剤を含まなかったため、ウレタン結合の分解が進んでしまったものと推測される。また、ウレタン結合の分解により、帯電防止層自体の熱安定性が低下するなどして、ヒートシール装置の汚染も引き起こしてしまったものと考えられる。
また、比較例2のカバーテープにおいては、帯電防止層が帯電防止剤を含まなかったため、表面抵抗値が大きな値であった。
なお、実施例および比較例において、タック力が小さいほうが、ヒートシール装置の汚染がより低減される傾向が見られた。
1 カバーテープ(電子部品包装用のカバーテープ)
11 シーラント層
12 中間層
13 接着層
14 基材層
15 帯電防止層

Claims (9)

  1. 電子部品包装用のカバーテープであって、
    ポリエステル樹脂を含む基材層と、シーラント層とを備え、
    さらに、前記基材層の前記シーラント層とは反対側の面に、ポリオールとポリイソシアネートの縮合物と、帯電防止剤と、酸化防止剤とを含む帯電防止層を備え、
    当該帯電防止層の厚みは1μm以下であるカバーテープ。
  2. 請求項1に記載のカバーテープであって、
    前記酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含むカバーテープ。
  3. 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
    前記帯電防止剤が、4級アンモニウム塩構造を有する化合物を含むカバーテープ。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記帯電防止層の厚みが100nm以下であるカバーテープ。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記基材層と前記シーラント層との間に、中間層を備えるカバーテープ。
  6. 請求項5に記載のカバーテープであって、
    前記基材層と前記中間層との間に、接着層を備えるカバーテープ。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記帯電防止層側の、25℃でのタック力が0.5N/20mm以下であるカバーテープ。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    全光線透過率が80%以上であるカバーテープ。
  9. 電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、
    請求項1~8のいずれか1項に記載のカバーテープとを備え、
    前記電子部品を封止するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体。
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