JP7191077B2 - 高強度耐食性アルミニウム合金およびその製造方法 - Google Patents

高強度耐食性アルミニウム合金およびその製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、アルミニウム合金ならびにそれを作製する方法および加工する方法に関する。本開示はさらに、高い機械的強度、成形性、および耐食性を示すアルミニウム合金に関する。
高強度のリサイクル可能なアルミニウム合金は、輸送(例えば、トラック、トレーラー、列車、および船舶を包含するが、これらに限定されない)用途、電子機器用途、ならびに自動車用途を含む多くの用途において製品性能を改善させるために望ましい。例えば、トラックまたはトレーラーにおける高強度アルミニウム合金は、従来のスチール合金よりも軽量であり、新たなより厳格な政府の排出規制を満たすために必要な大幅な排出削減を提供する。こうした合金は、高強度、高成形性、および耐食性を呈するべきである。さらに、そのような合金は、リサイクルされた内容物から形成されることが望ましい。
しかしながら、そのような合金、特に、リサイクルされた内容物を有する合金を提供する加工条件および合金組成を特定することは、課題となっている。リサイクルされた内容物から合金を形成すると、亜鉛(Zn)および銅(Cu)の含有量が高くなる場合がある。高亜鉛合金は伝統的に強度が不足しており、銅含有合金は腐食し易い。
本発明の網羅された実施形態は、この発明の概要ではなく、特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、本発明の様々な態様の高レベルの概説であり、以下の詳細な説明の項でさらに説明される概念のいくつかを紹介している。この発明の概要は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、明細書全体、任意のまたは全ての図面、および各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
本明細書では、約0.25~1.3重量%のSi、1.0~2.5重量%のMg、0.5~1.5重量%のCu、最大0.2重量%のFe、最大3.0重量%のZn、最大0.15重量%の不純物を、残りのAlと共に、含むアルミニウム合金を記載する。場合によっては、アルミニウム合金は、約0.55~1.1重量%のSi、1.25~2.25重量%のMg、0.6~1.0重量%のCu、0.05~0.17重量%のFe、1.5~3.0重量%のZn、最大0.15重量%の不純物を、残りのAlと共に、含むことができる。場合によっては、アルミニウム合金は、約0.65~1.0重量%のSi、1.5~2.25重量%のMg、0.6~1.0重量%のCu、0.12~0.17重量%のFe、2.0~3.0重量%のZn、最大0.15重量%の不純物を、残りのAlと共に、含むことができる。任意選択的に、本明細書に記載のアルミニウム合金は、Zrおよび/またはMnをさらに含むことができる。Zrは、最大約0.15重量%(例えば、約0.09~0.12重量%)の量で存在することができる。Mnは、最大約0.5重量%(例えば、約0.05~0.3重量%)の量で存在することができる。
任意選択的に、Mg対Siの比(すなわち、Mg/Si比)は、約1.5対1~約3.5対1である。例えば、Mg/Si比は、約2.0対1~約3.0対1であることができる。任意選択的に、Zn対Mg/Si比(すなわち、Zn/(Mg/Si)比)は、約0.75対1~約1.4対1である。例えば、Zn/(Mg/Si)比は、約0.8対1~約1.1対1であることができる。任意選択的に、Cu対Zn/(Mg/Si)比の比(すなわち、Cu/[Zn/(Mg/Si)]比)は、約0.7対1~約1.4対1である。例えば、Cu/[Zn/(Mg/Si)]比は、約0.8対1~約1.1対1である。
本明細書に記載のアルミニウム合金を含むアルミニウム合金製品もまた本明細書に記載する。アルミニウム合金製品は、T6調質度において少なくとも約340MPa(例えば、約360MPa~約380MPa)の降伏強度を有することができる。本明細書に記載のアルミニウム合金製品は、耐食性であり、T6調質度において約100μm未満の平均粒界腐食孔深さを有することができる。アルミニウム合金製品はまた、優れた曲げ性を示し、T4調質度において約0.5以下のr/t(曲げ性)比を有することができる。
任意選択的に、アルミニウム合金製品は、MgZn/Mg(Zn,Cu)、MgSi、およびAlMgSiCuからなる群から選択される1つ以上の析出物を含む。アルミニウム合金製品は、少なくとも約300,000,000粒子/mmの平均量のMgZn/Mg(Zn,Cu)、少なくとも約600,000,000粒子/mmの平均量のMgSi、および/または少なくとも約600,000,000粒子/mmの平均量のAlMgSiCuを含むことができる。いくつかの例では、アルミニウム合金製品は、MgZn/Mg(Zn,Cu)、MgSi、およびAlMgSiCuを含む。MgSi対AlMgSiCuの比は約1:1~約1.5:1であることができ、MgSi対MgZn/Mg(Zn,Cu)の比は約1.5:1~約3:1であることができ、AlMgSiCu2対MgZn/Mg(Zn,Cu)の比は約1.5:1~約3:1であることができる。
本明細書では、アルミニウム合金の製造方法についてさらに説明する。本方法は、本明細書に記載のアルミニウム合金を鋳造してアルミニウム合金鋳造製品を形成することと、アルミニウム合金鋳造製品を均質化することと、均質化されたアルミニウム合金鋳造製品を熱間圧延して最終ゲージのアルミニウム合金を提供することと、最終ゲージのアルミニウム合金を溶体化熱処理することと、を含む。その方法は、最終ゲージのアルミニウム合金を予備時効することをさらに含むことができる。任意選択的に、アルミニウム合金は、スクラップ金属を含む溶融アルミニウム合金から、例えば、6xxx系アルミニウム合金、7xxx系アルミニウム合金、またはそれらの組み合わせを含有するスクラップ金属から、鋳造される。
本開示の特定の態様に従って調製されたアルミニウム合金におけるマグネシウム含有量の増加に伴うマグネシウム亜鉛析出物の増加を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の示差走査熱量測定グラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の示差走査熱量測定グラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金中の析出物タイプを示す透過型電子顕微鏡の顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金中の析出物タイプを示す透過型電子顕微鏡の顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の析出物組成を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の様々な処理ステップ後の析出物形成を示す一連の光学顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の様々な処理ステップ後の析出物形成を示す一連の光学顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の様々な処理ステップ後の析出物形成を示す一連の光学顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の粒子集団および結晶粒構造を示す一連の光学顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の粒子集団および結晶粒構造を示す一連の光学顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の導電率を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の導電率を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)および全伸び(白菱形)を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の90°曲げ試験からの荷重変位データを示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の90°曲げ試験からの荷重変位データを示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の90°曲げ試験からの荷重変位データを示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金における腐食攻撃を示す一連の光学顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の腐食攻撃を示す一連の光学顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の光学顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の光学顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の光学顕微鏡写真である。
高強度アルミニウム合金ならびにそのような合金を作製および加工する方法を記載する。本明細書に記載のアルミニウム合金は、改善された機械的強度、変形性、および耐食性特性を示す。さらに、アルミニウム合金はリサイクル材料から調製することができる。本明細書に記載の合金から調製されたアルミニウム合金製品は、MgZn/Mg(Zn,Cu)、MgSi、およびAlMgSiCuなどの強度を高める析出物を含む。
定義および説明:
本明細書で使用される「発明」、「その発明」、「この発明」、および「本発明」という用語は、本特許出願および以下の「特許請求の範囲」の主題の全てを広く参照することが意図されている。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載された主題を限定するものではなく、または以下の特許請求の意味もしくは範囲を限定するものではないと理解すべきである。
この説明において、アルミニウム工業記号によって識別された合金、例えば「系」、または「6xxx」が参照される。アルミニウムおよびその合金の命名および識別に最も一般的に使用されている番号記号システムを理解するために、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」を参照されたい(いずれもアルミニウム工業会によって発行されている)。
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」または「その(the)」の意味は、文脈上他に明確に指示されない限り、単数および複数の言及を含む。
本明細書で使用するとき、プレートは一般に約6mmを超える厚さを有する。例えば、プレートとは、6mmを超える、10mmを超える、15mmを超える、20mmを超える、25mmを超える、30mmを超える、35mmを超える、40mmを超える、45mmを超える、50mmを超える、または100mmを超える厚さを有するアルミニウム製品を指し得る。
本明細書で使用されるとき、「スラブ」という用語は、約5mm~約50mmの範囲の合金厚さを示す。例えば、スラブは、5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、または50mmの厚さを有し得る。
本明細書で使用される場合、シェート(シートプレートとも称される)は、概して、約4mm~約15mmの厚さを有する。例えば、シェートは、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、または15mmの厚さを有し得る。
本明細書で使用される場合、シートは、概して、約4mm未満の厚さを有するアルミニウム製品を指す。例えば、シートは、4mm未満、3mm未満、2mm未満、1mm未満、0.5mm未満、0.3mm未満、または0.1mmの厚さを有し得る。
本出願では、合金の調質度または状態について言及する。最も一般的に使用される合金調質度の説明の理解に関しては、「American National Standards (ANSI) H35 on Alloy and Temper Designation Systems」を参照されたい。F状態または調質度は、製造されたままのアルミニウム合金を指す。O状態または調質度は、アニーリング後のアルミニウム合金を指す。T4状態または調質度は、溶体化熱処理(SHT)(すなわち、溶体化)し、続いて自然時効させた後のアルミニウム合金を指す。T6状態または調質度とは、溶体化熱処理およびそれに続く人工時効(AA)の後のアルミニウム合金を指す。T8x状態または調質度は、溶体化熱処理、それに続く冷間加工、およびその後の人工時効の後のアルミニウム合金を指す。
本明細書で使用されるとき、「鋳造金属物品」、「鋳造製品」などの用語は、互換性があり、直接チル鋳造(直接チル共鋳造を含む)または半連続鋳造、連続鋳造(例えば、双ベルト式鋳造機、双ロール式鋳造機、ブロック鋳造機、もしくは任意の他の連続鋳造機の使用によるものを含む)、電磁鋳造、ホットトップ鋳造、または任意の他の鋳造方法によって製造された製品を指す。
本明細書で使用される場合、「室温」の意味は、約15℃~約30℃、例えば、約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、または約30℃の温度を含み得る。
本明細書で開示されるすべての範囲は、その中に含まれるいずれかおよびすべての部分範囲を包含すると理解される。例えば、「1~10」と記載された範囲は、最小値1と最大値10との間の(およびそれらを含む)いずれかおよびすべての部分範囲、すなわち、1の最小値またはそれ以上、例えば、1~6.1で始まり、最大値10またはそれ以下、例えば、5.5~10で終わるすべての部分範囲を含むと考慮されるべきである。
以下のアルミニウム合金は、それらの元素組成に関して、合金の総重量に基づく重量百分率(重量%)で記載されている。各合金の特定の例では、残りはアルミニウムであり、不純物の合計について0.15%の最大重量%である。
合金の組成
以下、新しいアルミニウム合金について記載する。特定の態様では、合金は、高強度、高成形性、および耐食性を示す。合金の特性は、合金の元素組成と、シート、プレート、および板を含むアルミニウム合金製品を製造するために合金を処理する方法と、により獲得される。
特定の態様では、以下でさらに記載するように、強化、成形性、および耐食性の複合効果のために、合金は、約0.5重量%~約1.5重量%のCu含有量、0.07重量%~約0.12重量%のZr含有量、および制御されたSi対Mg比を有する。
合金は、表1に提供されるように、以下の元素組成を有し得る。
Figure 0007191077000001
いくつかの例では、合金は、表2に提供されるような以下の元素組成を有し得る。
Figure 0007191077000002
いくつかの例では、合金は、表3に提供されるような以下の元素組成を有し得る。
Figure 0007191077000003
いくつかの例では、開示される合金は、合金の総重量に基づいて、約0.25%~約1.3%(例えば、約0.55%~約1.1%、または約0.65%~約1.0%)の量で、ケイ素(Si)を含む。例えば、合金は、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、約0.3%、約0.31%、約0.32%、約0.33%、約0.34%、約0.35%、約0.36%、約0.37%、約0.38%、約0.39%、約0.4%、0.41%、約0.42%、約0.43%、約0.44%、約0.45%、約0.46%、約0.47%、約0.48%、約0.49%、約0.5%、約0.51%、約0.52%、約0.53%、約0.54%、約0.55%、約0.56%、約0.57%、約0.58%、約0.59%、約0.6%、約0.61%、約0.62%、約0.63%、約0.64%、約0.65%、約0.66%、約0.67%、約0.68%、約0.69%、約0.7%、約0.71%、約0.72%、約0.73%、約0.74%、約0.75%、約0.76%、約0.77%、約0.78%、約0.79%、約0.8%、約0.81%、約0.82%、約0.83%、約0.84%、約0.85%、約0.86%、約0.87%、約0.88%、約0.89%、約0.9%、約0.91%、約0.92%、約0.93%、約0.94%、約0.95%、約0.96%、約0.97%、約0.98%、約0.99%、約1.0%、約1.01%、約1.02%、約1.03%、約1.04%、約1.05%、約1.06%、約1.07%、約1.08%、約1.09%、約1.1%、約1.11%、約1.12%、約1.13%、約1.14%、約1.15%、約1.16%、約1.17%、約1.18%、約1.19%、約1.2%、約1.21%、約1.22%、約1.23%、約1.24%、約1.25%、約1.26%、約1.27%、約1.28%、約1.29%、または約1.3%のSiを含むことができる。全てのパーセンテージは、重量%で表される。
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量に基づいて最大約0.2%(例えば、約0.05%~約0.17%または約0.12%~約0.17%)の量で鉄(Fe)を含む。例えば、合金は、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、または約0.2%のFeを含み得る。いくつかの場合において、Feは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全てのパーセンテージは、重量%で表される。
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量に基づいて、最大約0.5%(例えば、約0.05%~約0.3%または約0.05%~約0.2%)の量でマンガン(Mn)を含む。例えば、合金は、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、約0.3%、約0.31%、約0.32%、約0.33%、約0.34%、約0.35%、約0.36%、約0.37%、約0.38%、約0.39%、約0.4%、約0.41%、約0.42%、約0.43%、約0.44%、約0.45%、約0.46%、約0.47%、約0.48%、約0.49%、または約0.5%のMnを含むことができる。いくつかの場合において、Mnは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全てのパーセンテージは、重量%で表される。
いくつかの例では、開示される合金は、合金の総重量に基づいて、約1.0%~約2.5%(例えば、約1.25%~約2.25%、または約1.5%~約2.25%)の量で、マグネシウム(Mg)を含む。例えば、合金は、約1.0%、約1.01%、約1.02%、約1.03%、約1.04%、約1.05%、約1.06%、約1.07%、約1.08%、約1.09%、約1.1%、約1.11%、約1.12%、約1.13%、約1.14%、約1.15%、約1.16%、約1.17%、約1.18%、約1.19%、約1.2%、約1.21%、約1.22%、約1.23%、約1.24%、約1.25%、約1.26%、約1.27%、約1.28%、約1.29%、約1.3%、約1.31%、約1.32%、約1.33%、約1.34%、約1.35%、約1.36%、約1.37%、約1.38%、約1.39%、約1.4%、約1.41%、約1.42%、約1.43%、約1.44%、約1.45%、約1.46%、約1.47%、約1.48%、約1.49%、約1.5%、約1.51%、約1.52%、約1.53%、約1.54%、約1.55%、約1.56%、約1.57%、約1.58%、約1.59%、約1.6%、約1.61%、約1.62%、約1.63%、約1.64%、約1.65%、約1.66%、約1.67%、約1.68%、約1.69%、約1.7%、約1.71%、約1.72%、約1.73%、約1.74%、約1.75%、約1.76%、約1.77%、約1.78%、約1.79%、約1.8%、約1.81%、約1.82%、約1.83%、約1.84%、約1.85%、約1.86%、約1.87%、約1.88%、約1.89%、約1.9%、約1.91%、約1.92%、約1.93%、約1.94%、約1.95%、約1.96%、約1.97%、約1.98%、約1.99%、約2.0%、約2.01%、約2.02%、約2.03%、約2.04%、約2.05%、約2.06%、約2.07%、約2.08%、約2.09%、約2.1%、約2.11%、約2.12%、約2.13%、約2.14%、約2.15%、約2.16%、約2.17%、約2.18%、約2.19%、約2.2%、約2.21%、約2.22%、約2.23%、約2.24%、約2.25%、約2.26%、約2.27%、約2.28%、約2.29%、約2.3%、約2.31%、約2.32%、約2.33%、約2.34%、約2.35%、約2.36%、約2.37%、約2.38%、約2.39%、約2.4%、約2.41%、約2.42%、約2.43%、約2.44%、約2.45%、約2.46%、約2.47%、約2.48%、約2.49%、または約2.5%のMgを含むことができる。全てのパーセンテージは、重量%で表される。
いくつかの例では、開示される合金は、合金の総重量に基づいて、約0.5%~約1.5%(例えば、約0.6%~約1.0%または約0.6%~約0.9%)の量で、銅(Cu)を含む。例えば、合金は、約0.5%、約0.51%、約0.52%、約0.53%、約0.54%、約0.55%、約0.56%、約0.57%、約0.58%、約0.59%、約0.6%、約0.61%、約0.62%、約0.63%、約0.64%、約0.65%、約0.66%、約0.67%、約0.68%、約0.69%、約0.7%、約0.71%、約0.72%、約0.73%、約0.74%、約0.75%、約0.76%、約0.77%、約0.78%、約0.79%、約0.8%、約0.81%、約0.82%、約0.83%、約0.84%、約0.85%、約0.86%、約0.87%、約0.88%、約0.89%、約0.9%、約0.91%、約0.92%、約0.93%、約0.94%、約0.95%、約0.96%、約0.97%、約0.98%、約0.99%、約1.0%、約1.01%、約1.02%、約1.03%、約1.04%、約1.05%、約1.06%、約1.07%、約1.08%、約1.09%、約1.1%、約1.11%、約1.12%、約1.13%、約1.14%、約1.15%、約1.16%、約1.17%、約1.18%、約1.19%、約1.2%、約1.21%、約1.22%、約1.23%、約1.24%、約1.25%、約1.26%、約1.27%、約1.28%、約1.29%、約1.3%、約1.31%、約1.32%、約1.33%、約1.34%、約1.35%、約1.36%、約1.37%、約1.38%、約1.39%、約1.4%、約1.41%、約1.42%、約1.43%、約1.44%、約1.45%、約1.46%、約1.47%、約1.48%、約1.49%、または約1.5%のCuを含むことができる。全てのパーセンテージは、重量%で表される。
いくつかの例では、本明細書に記載の合金は、合金の総重量に基づいて、最大約3.0%(例えば、約1.0%~約3.0%、約1.5%~約3.0%、または約2.0%~約3.0%)の量で、亜鉛(Zn)を含む。例えば、合金は、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、約0.15%、約0.16%、約0.17%、約0.18%、約0.19%、約0.2%、約0.21%、約0.22%、約0.23%、約0.24%、約0.25%、約0.26%、約0.27%、約0.28%、約0.29%、約0.3%、約0.31%、約0.32%、約0.33%、約0.34%、約0.35%、約0.36%、約0.37%、約0.38%、約0.39%、約0.4%、約0.41%、約0.42%、約0.43%、約0.44%、約0.45%、約0.46%、約0.47%、約0.48%、約0.49%、約0.5%、約0.51%、約0.52%、約0.53%、約0.54%、約0.55%、約0.56%、約0.57%、約0.58%、約0.59%、約0.6%、約0.61%、約0.62%、約0.63%、約0.64%、約0.65%、約0.66%、約0.67%、約0.68%、約0.69%、約0.7%、約0.71%、約0.72%、約0.73%、約0.74%、約0.75%、約0.76%、約0.77%、約0.78%、約0.79%、約0.8%、約0.81%、約0.82%、約0.83%、約0.84%、約0.85%、約0.86%、約0.87%、約0.88%、約0.89%、約0.9%、約0.91%、約0.92%、約0.93%、約0.94%、約0.95%、約0.96%、約0.97%、約0.98%、約0.99%、約1.0%、約1.01%、約1.02%、約1.03%、約1.04%、約1.05%、約1.06%、約1.07%、約1.08%、約1.09%、約1.1%、約1.11%、約1.12%、約1.13%、約1.14%、約1.15%、約1.16%、約1.17%、約1.18%、約1.19%、約1.2%、約1.21%、約1.22%、約1.23%、約1.24%、約1.25%、約1.26%、約1.27%、約1.28%、約1.29%、約1.3%、約1.31%、約1.32%、約1.33%、約1.34%、約1.35%、約1.36%、約1.37%、約1.38%、約1.39%、約1.4%、約1.41%、約1.42%、約1.43%、約1.44%、約1.45%、約1.46%、約1.47%、約1.48%、約1.49%、約1.5%、約1.51%、約1.52%、約1.53%、約1.54%、約1.55%、約1.56%、約1.57%、約1.58%、約1.59%、約1.6%、約1.61%、約1.62%、約1.63%、約1.64%、約1.65%、約1.66%、約1.67%、約1.68%、約1.69%、約1.7%、約1.71%、約1.72%、約1.73%、約1.74%、約1.75%、約1.76%、約1.77%、約1.78%、約1.79%、約1.8%、約1.81%、約1.82%、約1.83%、約1.84%、約1.85%、約1.86%、約1.87%、約1.88%、約1.89%、約1.9%、約1.91%、約1.92%、約1.93%、約1.94%、約1.95%、約1.96%、約1.97%、約1.98%、約1.99%、約2.0%、約2.01%、約2.02%、約2.03%、約2.04%、約2.05%、約2.06%、約2.07%、約2.08%、約2.09%、約2.1%、約2.11%、約2.12%、約2.13%、約2.14%、約2.15%、約2.16%、約2.17%、約2.18%、約2.19%、約2.2%、約2.21%、約2.22%、約2.23%、約2.24%、約2.25%、約2.26%、約2.27%、約2.28%、約2.29%、約2.3%、約2.31%、約2.32%、約2.33%、約2.34%、約2.35%、約2.36%、約2.37%、約2.38%、約2.39%、約2.4%、約2.41%、約2.42%、約2.43%、約2.44%、約2.45%、約2.46%、約2.47%、約2.48%、約2.49%、約2.5%、約2.51%、約2.52%、約2.53%、約2.54%、約2.55%、約2.56%、約2.57%、約2.58%、約2.59%、約2.6%、約2.61%、約2.62%、約2.63%、約2.64%、約2.65%、約2.66%、約2.67%、約2.68%、約2.69%、約2.7%、約2.71%、約2.72%、約2.73%、約2.74%、約2.75%、約2.76%、約2.77%、約2.78%、約2.79%、約2.8%、約2.81%、約2.82%、約2.83%、約2.84%、約2.85%、約2.86%、約2.87%、約2.88%、約2.89%、約2.9%、約2.91%、約2.92%、約2.93%、約2.94%、約2.95%、約2.96%、約2.97%、約2.98%、約2.99%、または約3.0%のZnを含むことができる。場合によっては、Znは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全てのパーセンテージは、重量%で表される。
任意選択的に、ジルコニウム(Zr)は、本明細書に記載の合金に含めることができる。いくつかの例では、合金は、合金の総重量に基づいて、最大約0.15%(例えば、約0.07%~約0.15%、約0.09%~約0.12%、または約0.08%~約0.11%)の量で、Zrを含む。例えば、合金は、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.11%、約0.12%、約0.13%、約0.14%、または約0.15%のZrを含むことができる。いくつかの例では、Zrは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全てのパーセンテージは、重量%で表される。特定の態様では、Zrは上記組成物に添加されて、(Al,Si)Zr分散質(DO22/DO23分散質)および/またはAlZr分散質(L1分散質)を形成する。
任意選択的に、合金組成物は、時に不純物と称されることもある他の微量元素を、各約0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量でさらに含むことができる。これらの不純物としては、Ga、V、Ni、Sc、Ag、B、Bi、Li、Pb、Sn、Ca、Cr、Ti、Hf、Sr、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。したがって、Ga、V、Ni、Sc、Ag、B、Bi、Li、Pb、Sn、Ca、Cr、Ti、Hf、またはSrは、合金中に、0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量で存在し得る。特定の態様では、すべての不純物の合計は、0.15%を超えない(例えば、0.1%)。全てのパーセンテージは、重量%で表される。特定の態様では、合金の残りの割合はアルミニウムである。
好適で例示的な合金は、例えば、1.0%のSi、2.0%~2.25%のMg、0.6%~0.7%のCu、2.5%~3.0%のZn、0.07~0.10%のMn、0.14~0.17%のFe、0.09~0.10%のZr、および最大0.15%の合計不純物、残りはAlを含むことができる。場合によっては、好適で例示的な合金は、0.55%~0.65%のSi、1.5%のMg、0.7%~0.8%のCu、1.55%のZn、0.14~0.15%のMn、0.16~0.18%のFe、および最大0.15%の合計不純物、残りはAlを含むことができる。場合によっては、好適で例示的な合金は、0.65%のSi、1.5%のMg、1.0%のCu、2.0%~3.0%のZn、0.14~0.15%のMn、0.17%のFe、および最大0.15%の合計不純物、残りはAlを含むことができる。
合金の微細構造および特性
特定の態様では、Cu、Mg、およびSiの比およびZn含有量を制御して、耐食性、強度、および成形性を向上させる。Zn含有量は、例えば、孔食を誘発し、粒界腐食(IGC)を抑制することによって、以下に説明するように腐食形態を制御することができる。
いくつかの例では、Mg対Siの比(本明細書ではMg/Si比とも称する)は、約1.5:1~約3.5:1(例えば、約1.75:1~約3.0:1または約2.0:1~約3.0:1)であることができる。例えば、Mg/Si比は、約1.5:1、約1.6:1、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、約2.0:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、約2.5:1、約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、約3.0:1、約3.1:1、約3.2:1、約3.3:1、約3.4:1、約3.5:1、約3.6:1、約3.7:1、約3.8:1、約3.9:1、または約4.0:1であることができる。いくつかの非限定的な例において、約1.5:1~約3.5:1(例えば、約2.0:1~約3.0:1)のMg/Si比を有するアルミニウム合金は、高い強度および増加した成形性を示すことができる。
いくつかの非限定的な例では、約2.0:1~3.0:1のMg/Si比および約2.5重量%~約3.0重量%のZn含有量を有するアルミニウム合金は、主要な合金元素としてMgおよびSiを有するアルミニウム合金において典型的に観察されるIGCを抑制することができ、代わりに孔食を誘導することができる。場合によっては、IGCは粒界に沿って発生し、孔食よりもアルミニウム合金の奥深くまで伝播する可能性があるため、孔食は、限られた攻撃深度のため、IGCよりも好ましい場合がある。いくつかの非限定的な例では、Zn対Mg/Si比の比(すなわち、Zn/(Mg/Si)比)は、約0.75:1~約1.4:1(例えば、約0.8:1~約1.1:1)であることができる。例えば、Zn/(Mg/Si)比は、約0.75:1、約0.8:1、約0.85:1、約0.9:1、約0.95:1、約1.0:1、約1.05:1、約1.1:1、約1.15:1、約1.2:1、約1.25:1、約1.3:1、約1.35:1、または約1.4:1であることができる。
いくつかのなおさらなる非限定的な例では、Cu対Zn/(Mg/Si)比の比(すなわち、Cu/[Zn/(Mg/Si)]比)は、約0.7:1~約1.4:1(例えば、Cu/[Zn/(Mg/Si)]比は約0.8:1~約1.1:1であることができる)。例えば、Cu/[Zn/(Mg/Si)]の比は、約0.7:1、約0.75:1、約0.8:1、約0.85:1、約0.9:1、約0.95:1、約1.0:1、約1.05:1、約1.1:1、約1.15:1、約1.2:1、約1.25:1、約1.3:1、約1.35:1、または約1.4:1であることができる。いくつかの非限定的な例では、Cu/[Zn/(Mg/Si)]の比は、高強度、高変形性、および高耐食性を提供することができる。
特定の態様では、Cu、Si、およびMgは、合金中に析出物を形成して、より高い強度と強化された耐食性を備えた合金をもたらすことができる。これらの析出物は、溶体化処理後の時効プロセス中に形成される場合がある。MgとCuの含有量は、M/η相またはM相(例えば、MgZn/Mg(Zn,Cu))の析出をもたらすことができ、その結果、析出物が生じてアルミニウム合金の強度が増加させることができる。析出プロセス中に、準安定ギニエプレストン(GP)ゾーンが形成することができ、それは、開示される合金の析出強化に寄与するβ´´針状析出物(例えば、ケイ化マグネシウム、MgSi)に順次移行する。特定の態様では、Cuの添加は、旋盤形状のL相析出(例えば、AlMgSiCu)の形成をもたらし、それはQ´析出相形成の前駆体であり、強度にさらに寄与する。
いくつかの例では、MgZnおよび/またはMg(Zn,Cu)を含むM相析出物は、1平方ミリメートル(mm)当たり平均少なくとも約300,000,000個の粒子の量でアルミニウム合金中に存在することができる。例えば、M相析出物は、少なくとも約310,000,000粒子/mm、少なくとも約320,000,000粒子/mm、少なくとも約330,000,000粒子/mm、少なくとも約340,000,000粒子/mm、少なくとも約350,000,000粒子/mm、少なくとも約360,000,000粒子/mm、少なくとも約370,000,000粒子/mm、少なくとも約380,000,000粒子/mm、少なくとも約390,000,000粒子/mm、または少なくとも約400,000,000粒子/mmの量で存在することができる。
いくつかの例では、AlMgSiCuを含むL相析出物は、1平方ミリメートル(mm)当たり平均少なくとも約600,000,000個の粒子の量でアルミニウム合金中に存在することができる。例えば、L相析出物は、少なくとも約610,000,000粒子/mm、少なくとも約620,000,000粒子/mm、少なくとも約630,000,000粒子/mm、少なくとも約640,000,000粒子/mm、少なくとも約650,000,000粒子/mm、少なくとも約660,000,000粒子/mm、少なくとも約670,000,000粒子/mm、少なくとも約680,000,000粒子/mm、少なくとも約690,000,000粒子/mm、または少なくとも約700,000,000粒子/mmの量で存在することができる。
いくつかの例では、MgSiを含むβ”相析出物は、アルミニウム合金中に、1平方ミリメートル(mm)当たり少なくとも平均約600,000,000個の粒子の量で存在することができる。例えば、β”相析出物は、少なくとも約610,000,000粒子/mm、少なくとも約620,000,000粒子/mm、少なくとも約630,000,000粒子/mm、少なくとも約640,000,000粒子/mm、少なくとも約650,000,000粒子/mm、少なくとも約660,000,000粒子/mm、少なくとも約670,000,000粒子/mm、少なくとも約680,000,000粒子/mm、少なくとも約690,000,000粒子/mm、少なくとも約700,000,000粒子/mm、少なくとも約710,000,000粒子/mm、少なくとも約720,000,000粒子/mm、少なくとも約730,000,000粒子/mm、少なくとも約740,000,000粒子/mm、または少なくとも約750,000,000粒子/mmの量で存在することができる。
いくつかの例では、β”相析出物(例えば、MgSi)対L相析出物(例えば、AlMgSiCu)の比は、約1:1~約1.5:1(例えば、約1.1:1~約1.4:1)であることができる。例えば、β”相析出物対L相析出物の比は、約1:1、約1.1:1、約1.2:1、約1.3:1、約1.4:1、または約1.5:1であることができる。
いくつかの例では、β”相析出物(例えば、MgSi)対M相析出物(例えば、MgZnおよび/またはMg(Zn,Cu))の比は、約1.5:1~約3:1(例えば、約1.6:1~約2.8:1または約2.0:1~約2.5:1)であることができる。例えば、β”相析出物対M相析出物の比は、約1.5:1、約1.6:1、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、約2.0:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、約2.5:1、約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、または約3.0:1であることができる。
いくつかの例では、L相析出物(例えば、AlMgSiCu)対M相析出物(例えば、MgZnおよび/またはMg(Zn,Cu))の比は、約1.5:1~約3:1(例えば、約1.6:1~約2.8:1または約2.0:1~約2.5:1)であることができる。例えば、L相析出物対M相析出物の比は、約1.5:1、約1.6:1、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、約2.0:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、約2.5:1、約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、または約3.0:1であることができる。
本明細書に記載の合金は、以下でさらに提供されるように、例外的な機械的特性を示す。アルミニウム合金の機械的性質は、所望の使用に応じて、様々な時効状態によってさらに制御することができる。一例として、合金は、T4調質度またはT6調質度で製造(または提供)することができる。溶体化熱処理および自然時効されるT4アルミニウム合金製品を提供することができる。これらのT4アルミニウム合金製品は、任意選択的に、追加の時効処理(複数可)に供されて、受領時に強度要件を満たすことができる。例えば、アルミニウム合金製品は、本明細書に記載の、または当業者に既知の適切な時効処理をT4合金材料に供することによって、T6調質度などの他の調質度で送達することができる。例示的な調質度における例示的な特性を以下に示す。
特定の態様では、アルミニウム合金は、T6調質度で少なくとも約340MPaの降伏強度を有することができる。非限定的な例では、降伏強度は、少なくとも約350MPa、少なくとも約360MPa、または少なくとも約370MPaであることができる。場合によっては、降伏強度は約340MPa~約400 MPaである。例えば、降伏強度は、約350MPa~約390MPa、または約360MPa~約380MPaであることができる。
特定の態様では、アルミニウム合金は、T6調質度で少なくとも約400MPaの極限引張強度を有することができる。非限定的な例では、極限引張強度は、少なくとも約410MPa、少なくとも約420MPa、または少なくとも約430MPaであることができる。場合によっては、極限引張強度は約400MPa~約450MPaである。例えば、極限引張強度は、約410MPa~約440MPa、または約415MPa~約435MPaであることができる。
特定の態様では、アルミニウム合金は、T4調質度で1.0以下(例えば、0.5以下)の90°曲げ性を満たすのに十分な延性または靭性を有する。特定の例では、r/t曲げ性比は、約1.0以下、約0.9以下、約0.8以下、約0.7以下、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、約0.3以下、約0.2以下、または約0.1以下であり、rは使用する工具(ダイ)の半径であり、tは材料の厚さである。
特定の態様では、アルミニウム合金は、T4調質度において20%以上の均一伸び、およびT4調質度において30%以上の全伸びを呈する。特定の態様では、合金は22%以上の均一の伸びおよび35%以上の全伸びを呈する。例えば、合金は、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、または28%以上の均一伸びを呈することができる。合金は、30%以上、31%以上、32%以上、33%以上、34%以上、35%以上、36%以上、37%以上、38%以上、39%以上、または40%以上の均一伸びを示すことができる。
特定の態様では、アルミニウム合金は、ISO11846Bで測定されるIGCに対して好適な耐性を示す。例えば、T6調質度における合金の平均粒界腐食孔深さが100μm未満であるように、アルミニウム合金の孔食は、完全に抑制または改善することができる。例えば、平均粒界腐食孔深さは、90μm未満、80μm未満、70μm未満、60μm未満、50μm未満、または40μm未満であることができる。
アルミニウム合金の調製方法
特定の態様では、開示された合金組成物は、開示された方法の製品である。本開示を限定することを意図するものではないが、アルミニウム合金の性質は、合金の調製中の微細構造の形成によって部分的に決定される。特定の態様では、合金組成物の調製方法は、合金が所望の用途に適した性質を有するか否かに影響を及ぼし得るかまたは決定さえし得る。
鋳造
本明細書に記載の合金は、鋳造方法を使用して鋳造することができる。いくつかの非限定的な例では、本明細書に記載のアルミニウム合金は、スクラップ合金を含む溶融アルミニウム合金から鋳造することができる(例えば、AA6xxx系アルミニウム合金スクラップ、AA7xxx系アルミニウム合金スクラップ、またはそれらの組み合わせから)。鋳造プロセスは、直接チル(DC)鋳造プロセスを含むことができる。任意選択的に、インゴットは、下流の処理の前にスキャルピングすることができる。任意に、鋳造プロセスは、連続鋳造(CC)プロセスを含むことができる。次いで、鋳造アルミニウム合金は、さらなる加工ステップに供することができる。例えば、本明細書に記載の加工方法は、均質化、熱間圧延、溶体化熱処理、および焼入れのステップを含むことができる。場合によっては、加工方法はまた、予備時効ステップおよび/または人工時効ステップも含むことができる。
均質化
均質化ステップは、本明細書に記載の合金組成物から調製されたインゴットを加熱して、約または少なくとも約500℃(例えば、少なくとも520℃、少なくとも530℃、少なくとも540℃、少なくとも550℃、少なくとも560℃、少なくとも570℃、または少なくとも580℃)のピーク金属温度(PMT)を達成することを含むことができる。例えば、インゴットは、約500℃~約600℃、約520℃~約580℃、約530℃~約575℃、約535℃~約570℃、約540℃~約565℃、約545℃~約560℃、約530℃~約560℃、または約550℃~約580℃の温度まで加熱することができる。いくつかの場合では、PMTへの加熱速度は、約70℃/時間以下、60℃/時間以下、50℃/時間以下、40℃/時間以下、30℃/時間以下、25℃/時間以下、20℃/時間以下、または15℃/時間以下であり得る。他の場合には、PMTまでの加熱速度は、約10℃/分~約100℃/分(例えば、約10℃/分~約90℃/分、約10℃/分~約70℃/分、約10℃/分~約60℃/分、約20℃/分~約90℃/分、約30℃/分~約80℃/分、約40℃/分~約70℃/分、または約50℃/分~約60℃/分)であり得る。
次いで、インゴットを、ある時間浸漬する(すなわち、示した温度に保持される)。1つの非限定的な例によれば、インゴットは、最大約6時間(例えば、包括的に、約30分~約6時間)の間、浸漬することができる。例えば、インゴットは、少なくとも500℃の温度で、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、またはそれらの間の任意の時間、浸漬することができる。
熱間圧延
均質化ステップの後、熱間圧延ステップを行ってホットバンドを形成することができる。特定の場合には、インゴットを置き、約230℃~約300℃の範囲の出口温度(例えば、約250℃~約300℃)で熱間圧延する。例えば、ホットロール出口温度は、約230℃、約235℃、約240℃、約245℃、約250℃、約255℃、約260℃、約265℃、約270℃、約275℃、約280℃、約285℃、約290℃、約295℃、または約300℃であることができる。
特定の場合には、インゴットは、約4mm~約15mmの厚さゲージ(例えば、約5mm~約12mmの厚さゲージ)まで熱間圧延することができる。例えば、インゴットは、約4mmの厚さゲージ、約5mmの厚さゲージ、約6mmの厚さゲージ、約7mmの厚さゲージ、約8mmの厚さゲージ、約9mmの厚さゲージ、約10mmの厚さゲージ、約11mmの厚さゲージ、約12mmの厚さゲージ、約13mmの厚さゲージ、約14mmの厚さゲージ、または約15mmの厚さゲージに熱間圧延することができる。特定の場合には、インゴットは、15mmの厚さを超えるゲージ(例えば、プレートゲージ)に熱間圧延することができる。他の例では、インゴットは、4mm未満のゲージ(すなわち、シートゲージ)に熱間圧延することができる。
溶体化熱処理
熱間圧延ステップに続いて、ホットバンドを空気で冷却し、次いで溶体化熱処理ステップで溶体化することができる。溶体化熱処理は、最終ゲージのアルミニウム合金を、室温から約520℃~約590℃(例えば、約520℃~約580℃、約530℃~約570℃、約545℃~約575℃、約550℃~約570℃、約555℃~約565℃、約540℃~約560℃、約560℃~約580℃、または約550℃~約575℃)の温度に加熱することを含むことができる。最終ゲージのアルミニウム合金は、その温度で一定時間浸漬することができる。特定の態様では、最終ゲージのアルミニウム合金は、最大約2時間(例えば、包括的に約10秒~約120分)浸漬することができる。例えば、最終ゲージのアルミニウム合金は、20秒、25秒、30秒、35秒、40秒、45秒、50秒、55秒、60秒、65秒、70秒、75秒、80秒、85秒、90秒、95秒、100秒、105秒、110秒、115秒、120秒、125秒、130秒、135秒、140秒、145秒、150秒、5分、10分、15分、20分、25分、30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、95分、100分、105分、110分、115分、もしくは120分、またはそれらの間の任意の時間、約525℃~約590℃の温度で浸漬することができる。
焼入れ
特定の態様では、最終ゲージのアルミニウム合金は、次いで、選択されたゲージに基づく焼入れステップにおいて、約50℃/秒~400℃/秒の間で変化し得る焼入れ速度で、約35℃の温度まで冷却することができる。例えば、焼入れ速度は、約50℃/秒~約375℃/秒、約60℃/秒~約375℃/秒、約70℃/秒~約350℃/秒、約80℃/秒~約325℃/秒、約90℃/秒~約300℃/秒、約100℃/秒~約275℃/秒、約125℃/秒~約250℃/秒、約150℃/秒~約225℃/秒、または約175℃/秒~約200℃/秒であってもよい。
焼入れステップでは、最終ゲージのアルミニウム合金は、液体(例えば水)および/または気体、または別の選択された焼入れ媒体で急速に焼入れされる。特定の態様では、最終ゲージのアルミニウム合金は、水で急速に焼入れすることができる。
予備時効
任意選択的に、予備時効ステップを行うことができる。予備時効ステップは、焼入れステップ後の最終ゲージのアルミニウム合金を、約100℃~約160℃(例えば、約105℃~約155℃、約110℃~約150℃、約115℃~約145℃、約120℃~約140℃、または約125℃~約135℃)の温度まで加熱することを含むことがある。特定の態様では、アルミニウム合金シート、プレート、またはシェートは、最大約3時間(例えば、最大約10分間、最大約20分間、最大約30分間、最大約40分間、最大約45分間、最大約60分間、最大約90分間、最大約2時間、または最大約3時間)浸漬することができる。
時効
最終ゲージのアルミニウム合金は、自然時効または人工時効することができる。いくつかの例では、最終ゲージのアルミニウム合金を、ある期間、自然時効させて、T4調質度にすることができる。特定の態様では、T4調質度における最終ゲージのアルミニウム合金は、約180℃~225℃(例えば、185℃、190℃、195℃、200℃、205℃、210℃、215℃、220℃、または225℃)において、ある期間、人工時効(AA)させることができる。任意選択的に、最終ゲージのアルミニウム合金は、約15分~約8時間(例えば、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、もしくは8時間、またはそれらの間の任意の時間)の間、人工時効させてT6調質度にすることができる。
使用法
本明細書に記載の合金および方法は、自動車、電子機器、および輸送用途、例えば、商用車、航空機、または鉄道用途、または他の用途で使用することができる。例えば、合金は、強度を得るために、シャシー、クロスメンバー、およびシャシー内部の部品(商用車シャシーにおける2つのCチャンネル間のすべての部品を包含するがそれらに限定されない)に使用することができ、高強度鋼の完全または部分的な代替として機能する。特定の例では、合金はT4およびT6調質度で使用することができる。
特定の態様では、合金および方法は、自動車の車体部品製品を調製するために使用され得る。例えば、開示された合金および方法は、バンパー、サイドビーム、ルーフビーム、クロスビーム、ピラー補強材(例えば、Aピラー、Bピラー、およびCピラー)、内部パネル、サイドパネル、フロアパネル、トンネル、構造パネル、補強パネル、インナーフード、またはトランクリッドパネルなど、自動車の車体部品を調製するために使用され得る。開示されたアルミニウム合金および方法はまた、航空機、または鉄道車両の用途において、例えば、外部および内部パネルを調製するために使用され得る。特定の態様では、開示された合金は、自動車のバッテリープレート/シェートなどの他の特殊性用途に使用され得る。
例えば、本明細書に記載の合金および方法はまた、携帯電話およびタブレットコンピュータなどの電子機器用のハウジングを調製するためにも使用され得る。例えば、合金は、陽極酸化の有無にかかわらず、携帯電話(例えば、スマートフォン)、およびタブレットボトムシャーシの外部ケーシング用のハウジングを調製するために使用され得る。合金はまた、他の家電製品および製品部品を調製するために使用することもできる。例示的な家庭用電化製品としては、携帯電話、オーディオ装置、ビデオ装置、カメラ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、家電製品、ビデオ再生および記録装置などが挙げられる。例示的な家庭用電化製品部品は、家庭用電化製品用の外側ハウジング(例えば、ファサード)および内側部品を含む。
以下の実施例は、本発明を更に説明するのに役立つが、それを限定するものではない。それどころか、本明細書の説明を読んだ後に、本発明の趣旨から逸脱することなくそれら自体を当業者に示唆し得る様々な実施形態、変更および均等物に頼ることができることを明確に理解されたい。以下の実施例に記載されている研究の間、特記しない限り、従来の手順に従った。説明の目的ために、手順のいくつかを以下に説明する。
実施例1:アルミニウム合金組成物
以下の表4Aおよび4Bは、例示的なアルミニウム合金をまとめたものであり、表5は、降伏強度(YS)、粒界腐食孔深さ(IGC)、および90°曲げ性(曲げ)を含む合金特性を示している。
Figure 0007191077000004
Figure 0007191077000005
Figure 0007191077000006
合金の特性は、合金元素の比率を制御することによって達成された。合金1は、アルミニウム合金中のMgSi強化析出物に起因して、高強度を示す比較AA6xxx系アルミニウム合金を表している。合金2は、Znを添加すると耐食性が向上し、強度がわずかに低下する、比較アルミニウム合金である。Cu/[Zn/(Mg/Si)]の比が約0.7~約1.4の範囲にない合金1および2は、90°曲げ試験で有意なIGCおよび破損を示す。合金3は、Cu/[Zn/(Mg/Si)]の比が合金2よりも約0.7~約1.4の範囲により近い例示的なアルミニウム合金を表しており、優れた成形性およびIGC耐性と共に強度の低下を示す。合金4は、Cu/[Zn/(Mg/Si)]の比が約0.7~約1.4の範囲内にあるが、Zn/(Mg/Si)の比は約0.75~約1.4の範囲内にない例示的なアルミニウム合金を表しており、合金3と比較すると有意なIGCおよび劣った成形性、および増加した強度を示す。合金5は、Mg/Si、Zn/(Mg/Si)、およびCu/[Zn/(Mg/Si)]の比すべてがそれぞれの範囲内にある例示的なアルミニウム合金を表しており、高強度、良好な成形性、および良好な耐食性を示す。
加えて、例示的な合金は、本明細書に記載の直接チル鋳造方法に従って製造した。合金組成は以下の表6にまとめてある。
Figure 0007191077000007
実施例2:アルミニウム合金の微細構造
例示的な合金は、直接チル鋳造によって製造し、本明細書に記載の方法に従って加工した。上記のように、MgおよびCuの含有量は、M相の析出物(例えば、MgZn/Mg(Zn,Cu))を準備することができ、アルミニウム合金の強度を増加させることができる析出物を準備する。M相(例えば、MgZn)析出物の評価は、例示的な合金におけるMg含有量の関数として行った。図1は、Mg含有量が1.0重量%から3.0重量%に増加したことを示すグラフである。グラフから明らかなように、M相析出物の質量分率は、(i)Mg含有量が1.0重量%から1.5重量%に増加するのに比例して増加し、(ii)Mg含有量が1.5重量%から2.0重量%に増加しても一定のままであり、(iii)Mg含有量が2.0重量%から2.5重量%に増加すると比例して増加し、(iv)Mg含有量が2.5重量%を超えるとプラトーになる。M相析出物の増加により、例示的な合金の強度が増加する。
図2は、上記の例示的な合金3のサンプル(「H1」、「H2」、および「H3」と称する)の示差走査熱量測定(DSC)分析を示すグラフである。発熱ピークAは、例示的な合金における析出物形成を示しており、吸熱ピークBは、例示的な合金3サンプルの融点を示している。
図3は、上記の例示的な合金5のサンプル(「H5」、「H6」、および「H7」と称する)のDSC分析を示しているグラフである。発熱ピークAは、M相析出物を示している。発熱ピークBは、人工時効ステップ中に強化析出物の形成を示し、かつ、例示的なアルミニウム合金の強度の増加に対応しているβ”(MgSi)析出物を示している。吸熱ピークCは、例示的な合金5サンプルの融点を示している。
図4Aは、3つの明確な強化析出相、M(MgZn)410、β”(MgSi)420、およびL(AlMgSiCu)430を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。3つの析出相の組み合わせにより、10mmゲージのアルミニウム合金(例えば、合金5)に関してT6調質度において約370MPaの降伏強度が得られる。図4Bは、Zr含有析出粒子440を示すTEM顕微鏡写真である。例示的な合金における過剰なZrは、粗い針状粒子を形成させ得る。粗い針状のZr含有析出粒子440は、例示的な合金の成形性を低下させ得る。同様に、例示的な合金においてZrが少なすぎると、所望のAlZrおよび/または(Al,Si)Zr分散質が得られない可能性がある。
図5は、各明瞭な強化析出相の密度、すなわち、M(MgZn)、L(AlMgSiCu)、およびβ´´(MgSi)の密度を、1平方ミリメートルあたりの析出粒子数(#/mm)で示し、かつ、各明瞭な析出相が合金Cにおいて占める分析面積の分率(%)として示しているグラフである(表6を参照されたい)。β”析出物は、その形状により、密度および占有面積の両方で優勢である。したがって、より小さいMおよびL析出物は、より少ない面積を占め、β”析出物に匹敵する密度で存在する。
図6は、上記のような合金3のサンプルの光学顕微鏡写真を示している。析出物は、鋳放しサンプル(上段)、均質化サンプル(中段)、および10mmゲージに縮小された熱間圧延サンプル(下段)において分析した。共晶相の析出物は、鋳放しサンプルにおいて明確に認められた。顕微鏡写真の中段に示されているように、析出物は、均質化後、完全には溶解しなかった。熱間圧延されたサンプルでは、粗い(例えば、約5ミクロンを超える)析出物が明確に認められた。
図7は、鋳造、均質化、10mmゲージへの熱間圧延、および溶体化処理中に強化析出物の最大溶解を達成するための様々な溶体化熱処理手順の後の、上記合金3のサンプルの光学顕微鏡写真を示している。図7、パネルAは、45分間555℃の温度で溶体化した合金3サンプルを示している。図7、パネルBは、45分間350℃の温度で、次いで30分間500℃の温度で、最後に30分間565℃の温度で溶体化した合金3サンプルを示している。図7、パネルCは、45分間350℃の温度で、次いで30分間500℃の温度で、最後に60分間565℃の温度で溶体化した合金3サンプルを示している。図7、パネルDは、120分間560℃の温度で溶体化した合金3サンプルを示している。図7、パネルEは、30分間500℃の温度で、次いで30分間570℃の温度で溶体化した合金3サンプルを示している。図7、パネルFは、30分間500℃の温度で、次いで60分間570℃の温度で溶体化した合金3サンプルを示している。
図8は、上記のような合金5のサンプルの光学顕微鏡写真を示している。析出物を、鋳放しサンプル(上段)および均質化サンプル(下段)で分析した。共晶相の析出物は、鋳放しサンプルにおいて明確に認められた。顕微鏡写真の下段に見られるように、均質化後に析出物は完全には溶解しなかった。しかしながら、合金5は、溶質レベル(例えば、Mgレベル、Siレベル、およびMg/Si比)の変化により、均質化後の合金3と比較して未溶解析出物がより少なかった。
図9は、10mmゲージに熱間圧延した後の上記合金5のサンプルの光学顕微鏡写真を示している。図9、パネルA、B、およびCは、10mmゲージに熱間圧延した後の例示的な合金サンプルにおける析出粒子(黒点として認められる)を示している。図9、パネルD、E、およびFは、例示的な合金5サンプルを10mmのゲージに熱間圧延した後の結晶粒構造を示している。約280℃~約300℃の熱間圧延出口温度が低いため、結晶粒は完全には再結晶しなかった。
図10は、10mmゲージへの熱間圧延、溶体化処理、およびT4調質度による自然時効後の、上記合金5のサンプルの光学顕微鏡写真を示している。図10、パネルA、B、およびCは、T4調質度での例示的な合金サンプルにおける析出粒子が非常に少ないことを示している。図10、パネルD、E、およびFは、T4調質度での例示的な合金5サンプルの完全に再結晶した結晶粒構造を示している。
図11は、鋳造、均質化、熱間圧延、様々な溶体化熱処理手順、および人工時効(AA)後の、合金3のサンプルの導電率を示しているグラフである。導電率データ(すなわち、国際軟銅規格の百分率 (%IACS)としての導電性)は、熱間圧延後の大量の析出物を示している。析出物を溶解する試みにおいて、様々な溶体化熱処理手順を評価した。溶体化熱処理は、析出物を溶解することにおいて効果的ではなかった。さらに、最適な強度を提供するために、人工時効の間に不十分な強化析出物形成が存在した。
図12は、鋳造、均質化、熱間圧延、溶体化熱処理、および人工時効後の、合金5のサンプル(「HR5」、「HR6」、および「HR7」と称する)の導電率を示すグラフである。電気化学試験データは、熱間圧延後の大量の析出物を示している。析出物を溶解する試みにおいて、様々な溶体化熱処理手順を評価した。溶体化熱処理は、析出物を溶解することにおいて効果的であった。さらに、人工時効により析出物の形成が強化され、最適な強度が得られた。
実施例3:アルミニウム合金の機械的特性
図13は、上記した例示的な合金A、B、およびCに関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。合金は、45分間565℃の温度で溶体化させ、2時間125℃の温度で予備時効し、4時間200℃の温度で人工時効させて、T6調質度にした。各合金は、370MPaを超える降伏強度、425MPaを超える極限引張強度、10%を超える均一伸び、および17%を超える全伸びを示した。Zn含有量の増加は、例示的なアルミニウム合金の強度に有意な影響を及ぼさなかったが、粒界腐食および成形性に対する耐性を改善した。
図14Aは、T4調質度の例示的な合金3のサンプル(「H1 T4」、「H2 T4」、および「H3 T4」と称する)に関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。図14Bは、T6調質度の例示的な合金3のサンプル(「H1 T6」、「H2 T6」、および「H3 T6」と称する)に関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。
図15は、グラフのx軸に示したような様々な時効手順後のT6調質度における例示的な合金3のサンプル(「H1」、「H2」、および「H3」と称する)に関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。グラフから明らかなように、3つのステップの時効処理により、高強度(例えば、348MPa)のアルミニウム合金を製造することができた。また、グラフから明らかなように、低温(例えば、250℃未満)での時効は、合金サンプルにおいて強化析出物を生成するには不十分であった。
図16Aは、T4調質度における例示的な合金4のサンプル(「HR1」、「HR2」、「HR3」、および「HR4」と称する)に関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。図16Bは、T6調質度における例示的な合金4のサンプル(「HR1」、「HR2」、「HR3」、および「HR4」と称する)に関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。グラフから明らかなように、360MPaの最大強度が達成されました。また、グラフから明らかなように、低温(例えば、250℃未満)での時効は、合金サンプルにおいて強化析出物を生成するには不十分であった。
図17Aは、鋳造、均質化、10mmゲージに熱間圧延、溶体化熱処理、および様々な焼鈍し技術後の、T4調質度における例示的な合金5のサンプル(「HR5」、「HR6」、および「HR7」と称する)に関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。空冷されたサンプルは「AC」と称し、水焼入れされたサンプルは、熱間圧延後に「WQ」と称する。図17Bは、鋳造、均質化、10mmゲージに熱間圧延、溶体化熱処理、および様々な焼鈍し技術後の、T6調質度における例示的な合金5のサンプル(「HR5」、「HR6」、および「HR7」と称する)に関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。空冷されたサンプルは「AC」と称し、水焼入れされたサンプルは、熱間圧延後に「WQ」と称する。T6調質度への人工時効により、約360MPa~約370MPaの降伏強度を有する高強度アルミニウム合金が得られた。
図18Aは、鋳造、均質化、10mmゲージに熱間圧延、および溶体化熱処理後の、T4調質度における例示的な合金5のサンプル(「HR5」、「HR6」、および「HR7」と称する)に関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。図18Bは、鋳造、均質化、10mmゲージに熱間圧延、溶体化熱処理、およびグラフに示したような様々な時効手順後の、T6調質度における例示的な合金5のサンプル(「HR5」、「HR6」、および「HR7」と称する)に関する、降伏強度(各セットの左ヒストグラム)、極限引張強度(各セットの右ヒストグラム)、均一伸び(白丸)、および全伸び(白菱形)を示すグラフである。T6調質度への人工時効により、約360MPa~約370MPaの降伏強度を有する高強度アルミニウム合金が得られた。
図19は、上記の例示的な合金5のサンプル(「HR5」、「HR6」、および「HR7」と称する)の90°曲げ試験成形性に関する荷重変位データを示しているグラフである。圧延方向に対して縦方向に試験したサンプルは「-L」で示し、圧延方向に対して横方向に試験したサンプルは「-T」で示している。合金5は、鋳造、均質化、10mmゲージに熱間圧延、溶体化熱処理、および1週間の自然時効により、T4調質度の合金5サンプルを準備した。サンプルを90°曲げ試験にかけ、荷重変位(左軸)および最大荷重(右軸)を記録した。
図20は、上記の例示的な合金5のサンプル(「HR5」、「HR6」、および「HR7」と称する)の90°曲げ試験成形性に関する荷重変位データを示しているグラフである。圧延方向に対して縦方向に試験したサンプルは「-L」で示し、圧延方向に対して横方向に試験したサンプルは「-T」で示している。合金5は、鋳造、均質化、10mmゲージに熱間圧延、溶体化熱処理、125℃の温度で2時間の予備時効(「PX」と称する)、および1週間の自然時効によりT4調質度の合金5サンプルを準備した。サンプルを90°曲げ試験にかけ、荷重変位(左軸)および最大荷重(右軸)を記録した。
図21は、上記した例示的な合金5のサンプルの90°曲げ試験成形性に関する荷重変位データを示しているグラフである。圧延方向に対して縦方向に試験したサンプルは「-L」で示し、圧延方向に対して横方向に試験したサンプルは「-T」で示している。サンプルは、鋳造、均質化、10mmゲージに熱間圧延、溶体化熱処理、125℃の温度で2時間の予備時効、および1ヶ月間の自然時効によりT4調質度の合金5サンプルを準備した。サンプルを90°曲げ試験にかけ、荷重変位(左軸)および最大荷重(右軸)を記録した。製造中に用いた予備時効を伴う、1週間の自然時効から1か月間の自然時効までの間に成形性の顕著な変化はなかった。
図22は、上記の合金に関する腐食試験の影響を示す光学顕微鏡写真である。合金は、ISO標準11846Bに従って腐食試験にかけた(例えば、3.0重量%の塩化ナトリウム(NaCl)と1.0体積%の塩酸(HCl)とを含有する水溶液に24時間浸漬)。図22、パネルA、および図22、パネルBは、上記の比較合金2における腐食試験の影響を示している。腐食形態は、粒界腐食(IGC)攻撃である。図22、パネルC、D、およびEは、上記の例示的な合金3における腐食試験の影響を示している。腐食形態は孔食である。孔食は、合金に対する損傷を少なくし、かつ例示的な合金における耐食性を示す、より望ましい腐食形態である。
図23は、上記の例示的な合金4のサンプルに関する腐食試験の影響を示す光学顕微鏡写真を示している。合金4の組成に起因する有意なIGC攻撃が顕微鏡写真において明らかに認められ、Cu/[Zn/Mg/Si)]の比は、約0.7~約1.4の範囲内であるが、Zn/(Mg/Si)の比は、約0.75~約1.4の範囲内ではなく、有意なIGC攻撃をもたらす。
図24A、24B、および24Cは、上記の例示的な合金に関する腐食試験の結果を示す光学顕微鏡写真である。図24Aは合金Aにおける粒界腐食(IGC)攻撃を示している。図24Bは合金Bにおける粒界腐食攻撃を示している。図24Cは合金Cにおける粒界腐食攻撃を示している。図24A、図24B、および図24Cにおいて明らかなように、Zn含有量が増加すると腐食形態がIGCから孔食に変化し、腐食攻撃の深さは約150μm(合金A、図24A)から100μm未満に減少する(合金C、図24C)。
上に引用されたすべての特許、刊行物、および要約は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な実施形態は、本発明の様々な目的を達成するために記載されている。これらの実施形態は、本発明の原理の単なる例示であることが認識されるべきである。多くの変更およびその適合は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者には容易に明らかであろう。

Claims (26)

  1. 0.25~1.3重量%のSi、1.0~2.5重量%のMg、0.5~1.5重量%のCu、0.01~0.2重量%のFe、0.01~3.0重量%のZn、0.01~0.15重量%のZr、0.01~0.5重量%のMn、0.01~0.15重量%の不純物、残りのAlからなり、
    重量比でMg対Si比(Mg/Si比)が、1.5対1~3.5対1であり、
    重量比でZn対前記Mg/Si比の比(Zn/(Mg/Si)比)が、0.75対1~1.4対1であり、
    不純物の個々の元素が0~0.05重量%である、アルミニウム合金。
  2. Siが0.55~1.1重量%でありMgが1.25~2.25重量%でありCuが0.6~1.0重量%でありFeが0.05~0.17重量%でありZnが1.5~3.0重量%である、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. Siが0.65~1.0重量%でありMgが1.5~2.25重量%でありCuが0.6~1.0重量%でありFeが0.12~0.17重量%でありZnが2.0~3.0重量%である、請求項1または2に記載のアルミニウム合金。
  4. Zrが、0.09~0.12重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  5. Mnが、0.05~0.3重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項記載のアルミニウム合金。
  6. 重量比で前記Mg/Si比が、2.0対1~3.0対1である、請求項1~5のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  7. 重量比で前記Zn/(Mg/Si)比が、0.8対1~1.1対1である、請求項に記載のアルミニウム合金。
  8. 重量比でCu対前記Zn/(Mg/Si)比の比(Cu/[Zn/(Mg/Si)]比)が、0.7対1~1.4対1である、請求項またはに記載のアルミニウム合金。
  9. 重量比で前記Cu/[Zn/(Mg/Si)]比が、0.8対1~1.1対1である、請求項に記載のアルミニウム合金。
  10. 請求項1~のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を含むアルミニウム合金製品。
  11. 前記アルミニウム合金製品が、T6調質度において少なくとも340MPaの降伏強度を備える、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
  12. 前記降伏強度が、T6調質度において360MPa~380MPaである、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
  13. 前記アルミニウム合金製品が、T6調質度において100μm未満の平均粒界腐食孔深さを備える、請求項1~1のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
  14. 前記アルミニウム合金製品が、T4調質度において0.5以下のr/t(曲げ性)比を備える、請求項10に記載のアルミニウム合金製品。
  15. 前記アルミニウム合金製品が、M相析出物(MgZnおよび/またはMg(Zn,Cu) 、MgSi、およびAlMgSiCuからなる群から選択される1つ以上の析出物を含む、請求項1~1のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
  16. 前記アルミニウム合金製品が、少なくとも300,000,000粒子/mmの平均量のM相析出物(MgZnおよび/またはMg(Zn,Cu) を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金製品。
  17. 前記アルミニウム合金製品が、少なくとも600,000,000粒子/mmの平均量のMgSiを含む、請求項1または1に記載のアルミニウム合金製品。
  18. 前記アルミニウム合金製品が、少なくとも600,000,000粒子/mmの平均量のAlMgSiCuを含む、請求項1~1のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
  19. 前記アルミニウム合金製品が、M相析出物(MgZnおよび/またはMg(Zn,Cu) 、MgSi、およびAlMgSiCuを含む、請求項1~1のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
  20. 重量比でMgSi対AlMgSiCuの比が、1:1~1.5:1である、請求項19に記載のアルミニウム合金製品。
  21. 重量比でMgSi対M相析出物(MgZnおよび/またはMg(Zn,Cu) の比が、1.5:1~3:1である、請求項19または2に記載のアルミニウム合金製品。
  22. 重量比でAlMgSiCuM相析出物(MgZnおよび/またはMg(Zn,Cu) の比が、1.5:1~3:1である、請求項19~2のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
  23. アルミニウム合金を製造する方法であって、
    請求項1に記載のアルミニウム合金を鋳造してアルミニウム合金鋳造製品を形成することと、
    前記アルミニウム合金鋳造製品を均質化することと、
    熱間圧延して最終ゲージのアルミニウム合金を提供することと、
    前記最終ゲージのアルミニウム合金を溶体化熱処理することと、を含む、方法。
  24. 前記最終ゲージのアルミニウム合金を予備時効することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  25. 前記アルミニウム合金鋳造製品が、スクラップ金属を含む溶融アルミニウム合金から鋳造される、請求項2または2に記載の方法。
  26. 前記スクラップ金属が、6xxx系アルミニウム合金、7xxx系アルミニウム合金、またはそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
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