JP7190614B1 - 推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体 - Google Patents

推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体 Download PDF

Info

Publication number
JP7190614B1
JP7190614B1 JP2022538419A JP2022538419A JP7190614B1 JP 7190614 B1 JP7190614 B1 JP 7190614B1 JP 2022538419 A JP2022538419 A JP 2022538419A JP 2022538419 A JP2022538419 A JP 2022538419A JP 7190614 B1 JP7190614 B1 JP 7190614B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
reinforced resin
fiber reinforced
layer
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022538419A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2023238300A1 (ja
Inventor
貴博 中山
大珍 申
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Astemo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Astemo Ltd filed Critical Hitachi Astemo Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP7190614B1 publication Critical patent/JP7190614B1/ja
Publication of JPWO2023238300A1 publication Critical patent/JPWO2023238300A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B1/00Layered products having a non-planar shape
    • B32B1/08Tubular products
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B9/00Layered products comprising a layer of a particular substance not covered by groups B32B11/00 - B32B29/00
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K17/00Arrangement or mounting of transmissions in vehicles
    • B60K17/22Arrangement or mounting of transmissions in vehicles characterised by arrangement, location, or type of main drive shafting, e.g. cardan shaft
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C3/00Shafts; Axles; Cranks; Eccentrics
    • F16C3/02Shafts; Axles

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

高い曲げ剛性及び高い捩じり強度を備えることが可能な推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体を提供する。推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体としての繊維強化樹脂管体(30A)は、第一炭素繊維を有する第一炭素繊維強化樹脂層と、第二炭素繊維を有しており、第一炭素繊維強化樹脂層よりも強度が大きく、弾性率が小さい第二炭素繊維強化樹脂層と、を備え、第一炭素繊維は、筒体の長手方向に沿って延びるように配置されている。

Description

本発明は、例えば車両における動力伝達軸等として用いられる推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体に関する。
自動車用の推進軸として、前後に二分割されて、前後方向の中央付近に中間軸受を備えているものが一般的に用いられている。かかる推進軸においては、省エネルギーを目的として二分割構造から一本構造に変更し、中間軸受を廃止することにより軽量化を図る構成が知られている。この場合、推進軸の曲げ一次共振点を高めるために、筒体(鋼管)を大径化することが求められる。
推進軸は高い動力を伝達するとともに高速で回転するため、捩じり強度及び曲げ剛性を高めることが求められるが、特に曲げ剛性に関しては、推進軸の径を大径化することにより曲げ剛性を高めることが可能となる。しかし、鉄製のままで大径化すると推進軸の質量が増大してしまうため、推進軸を炭素繊維強化樹脂製とすることにより重量の増加を抑制する技術が公知である(例えば、特許文献1参照)。
炭素繊維強化樹脂製軸部材は、フィラメントワインディング(FW)工法を用いた成形によって形成される。この工法では、樹脂を含浸させた炭素繊維を一本ずつ芯部材に巻回して加熱することによって、軸部材が成形される。炭素繊維強化樹脂製軸部材の場合には、捩じり強度を高めるためには、炭素繊維を回転軸に対して傾斜して巻回することが効果的である。また、曲げ剛性を高めるためには、高弾性の炭素繊維を用いることが公知である(例えば、特許文献2参照)。
特開2001-153126号公報 特公昭61-487号公報
高弾性の炭素繊維としては、PAN系と呼ばれるポリアクリロニトリル材料を原料としたものがあるが、コストが高くなると言う問題がある。また、曲げ剛性を高めるためには、回転軸と平行に炭素繊維を配置することが効果的であるが、このためには円周方向に沿って緻密に炭素繊維を配置することが必要となり、フィラメントワインディング工法では達成することができない。
一方、炭素繊維にマトリクス樹脂を含浸させたシート状の中間材料としたプリプレグを芯金上に配置したシートワインディング工法が公知である。この工法を用いて、プリプレグを芯金上に炭素繊維が回転軸方向に指向するように配置して成形すれば曲げ剛性を高めることは可能となるが、同材料はコストが高く、シートを一枚ずつ重ねて成形するため生産性が高くなく、推進軸のような製品ではレース用のみに限定されている。
本発明は、このような事情に鑑みて創作されたものであり、コストの上昇を招くことなく高い曲げ剛性及び高い捩じり強度を備えることが可能な推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体を提供することを課題とする。
本開示によれば、第一炭素繊維を有する第一炭素繊維強化樹脂層と、第二炭素繊維を有しており、前記第一炭素繊維強化樹脂層よりも強度が大きく、弾性率が小さい第二炭素繊維強化樹脂層と、を備え、前記第一炭素繊維は、筒体の長手方向に沿って延びるように配置されており、前記第二炭素繊維強化樹脂層は、前記第一炭素繊維強化樹脂層の径方向外側に設けられている、推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体が提供される。
本発明によると、コストの上昇を招くことなく高い曲げ剛性及び高い捩じり強度を備えることが可能な推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体を提供することができる。
本発明の第一の実施形態に係るマンドレルを模式的に示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係るマンドレルを用いて製造された動力伝達軸を模式的に示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸を模式的に示す断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図であり、第一の炭素繊維層を模式的に示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図であり、第二の炭素繊維層を模式的に示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図であり、第三の炭素繊維層を模式的に示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第一の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第二の実施形態に係る繊維強化樹脂管体における第一の炭素繊維層を模式的に示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る繊維強化樹脂管体における第一の炭素繊維層を模式的に示す図である。 本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図であり、第一の炭素繊維層を模式的に示す図である。 本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図であり、第二の炭素繊維層を模式的に示す図である。 本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図であり、第四の炭素繊維層を模式的に示す図である。 本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するための模式図であり、第三の炭素繊維層を模式的に示す図である。 本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸の製造方法を説明するためのフローチャートである。
本発明の実施形態について、炭素繊維強化プラスチックによって、繊維強化樹脂管体の一例である車両の動力伝達軸(プロペラシャフト)を製造する場合を例にとり、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、参照する図面は、分かりやすさのためにデフォルメされている。
<第一の実施形態>
図1に示すように、第一の実施形態に係るマンドレル1は、繊維強化樹脂管体30A(図2参照)を製造するために用いられるものであって、マンドレル本体10と、内嵌部材20と、を備える。
≪マンドレル本体≫
マンドレル本体10は、筒形状を呈する樹脂製部材である。本実施形態において、マンドレル本体10は、繊維強化樹脂管体30Aの内部から除去されるが、繊維強化樹脂管体30Aの内部に残留して繊維強化樹脂管体30Aの芯材として機能することも可能である。マンドレル本体10には、繊維強化樹脂管体30Aにおける樹脂硬化の際の加熱に耐えられる材料を用いることができる。そのような材料の例としては、PP(ポリプロピレン樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、SMP(形状記憶ポリマー)等が挙げられる。マンドレル本体10は、軸方向中間部の大径部11と、軸方向一端部に形成される段部12及び小径部13と、軸方向他端部に形成されるテーパ部14及び小径部15と、を一体に備える。本実施形態において、小径部15の軸方向他端部には、小径部15よりも小径な突出部16が形成されている。突出部16は、第二の金属部材50が外嵌される部位である。なお、マンドレル本体10は、金属製部材であってもよい。また、金属製部材であるマンドレル本体10は、繊維強化樹脂管体30Aの成形後に当該繊維強化樹脂管体30Aから抜き取られる構成であってもよい。
≪内嵌部材≫
内嵌部材20は、マンドレル本体10の軸方向他端部である小径部13に内嵌される筒状の金属製部材である。内嵌部材20は、小径部13の径方向内側への変形を防止するものであって、マンドレル本体10内に加圧用流体F(図8参照)(例えば、加圧された空気)を充填させるための流路20aが形成されている。本実施形態において、加圧用流体Fは、成形装置100内においてマンドレル本体10内を加圧して膨張させるためのものである。また、加圧用流体Fは、後記する成形装置100内においてマンドレル本体10の外周面に配置された熱硬化性樹脂(後記する樹脂34)を硬化させるために加熱するための加熱用流体でもある。なお、マンドレル本体10が金属製部材である場合には、内嵌部材20は、マンドレル本体10と一体化されることによって省略可能である。
<動力伝達軸>
図2及び図3に示すように、マンドレル1(図1参照)を用いて製造される動力伝達軸2は、車両において前後方向に延設され、動力源で発生した動力を軸線周りの回転として伝達する軸である。動力伝達軸2は、繊維強化樹脂管体30Aと、第一の金属部材40と、第二の金属部材50と、自在継手3,4と、を備える。繊維強化樹脂管体30Aは、当該繊維強化樹脂管体30Aの軸周りに回転することによって推進力を伝達する推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体である。
<繊維強化樹脂管体>
繊維強化樹脂管体30Aは、マンドレル本体10の外周面に沿うように管状に形成された樹脂含有繊維層である。繊維強化樹脂管体30Aは、マンドレル本体10の大径部11、テーパ部14及び小径部15、第一の金属部材40の軸方向他端部、並びに、第二の金属部材50の軸方向一端部の外周面上に沿うように形成される。図4~図6に示すように、繊維強化樹脂管体30Aは、炭素繊維層として、径方向内側(マンドレル本体10側)から順に、第一の炭素繊維層31と、第二の炭素繊維層32と、第三の炭素繊維層33と、を備える。第二の炭素繊維層32及び第三の炭素繊維層33を構成する炭素繊維(第二炭素繊維)は、第一の炭素繊維層31を構成する炭素繊維(第一炭素繊維)よりも強度が大きく、弾性率が小さい。なお、図4~図6において、炭素繊維層31,32,33は、一部のみが図示されている。また、第一の金属部材40の軸方向一端部(マンドレル本体10とは反対側に位置する端部)の外周面、及び、第二の金属部材50の軸方向他端部(マンドレル本体10とは反対側に位置する端部)の外周面は、繊維強化樹脂管体30Aによって被覆されておらず、当該繊維強化樹脂管体30Aから突出している。
≪第一の炭素繊維層≫
図4に示すように、第一の炭素繊維層31は、マンドレル本体10等の外周面に対して、当該マンドレル本体10を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。より詳細には、複数の炭素繊維を帯状又は束状に纏めることによって、炭素繊維集合体が形成されているとともに、複数の炭素繊維集合体が位相を変えて設けられることによって、第一の炭素繊維層31が形成されている。第一の炭素繊維層31における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して平行に延設されている。すなわち、第一の炭素繊維層31に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、0°である。
第一の炭素繊維層31における炭素繊維(第一炭素繊維)は、ピッチ系炭素繊維である。第一の炭素繊維層31は、樹脂34が含浸されて硬化することによって、1層の第一炭素繊維強化樹脂層を構成する。第一の炭素繊維層31及び樹脂34によって構成される第一炭素繊維強化樹脂層は、第一炭素繊維が筒体(繊維強化樹脂管体30A)の長手方向に対して平行に配置されるストレート補強層である。第一の炭素繊維層31(及び後記する第四の炭素繊維層35)は、繊維強化樹脂管体30Aの固有値(固有振動数)及び曲げ剛性に寄与する。
第一の炭素繊維層31(及び後記する第四の炭素繊維層35)において、複数の第一炭素繊維は、周方向に等間隔に配置されている。隣り合う第一炭素繊維の間隔は、適宜設定可能である。繊維強化樹脂管体30Aは、周方向に隣り合う第一炭素繊維の間隔を小さく設定することによって、第一炭素繊維の数を増やし、繊維強化樹脂管体30Aの曲げ剛性を向上することができる。また、繊維強化樹脂管体30Aは、周方向に隣り合う第一炭素繊維の間隔を大きく設定することによって、第一炭素繊維の数を減らし、繊維強化樹脂管体30Aのコストを低減することができる。
≪第二の炭素繊維層≫
図5に示すように、第二の炭素繊維層32は、第一の炭素繊維層31の径方向外側に設けられており、第一の炭素繊維層31を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。より詳細には、複数の炭素繊維を帯状又は束状に纏めることによって、炭素繊維集合体が形成されているとともに、複数の炭素繊維集合体が位相を変えて設けられることによって、第二の炭素繊維層32が形成されている。第二の炭素繊維層32における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル本体10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第二の炭素繊維層32に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、45°である。
第二の炭素繊維層32における炭素繊維(第二炭素繊維)は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維である。第二の炭素繊維層32は、樹脂34が含浸されて硬化することによって、1層の第二炭素繊維強化樹脂層を構成する。第二の炭素繊維層32及び樹脂34によって構成される第二炭素繊維強化樹脂層は、第二炭素繊維が筒体(繊維強化樹脂管体30A)の長手方向に対して配向角度を有する第一のバイアス補強層である。第二の炭素繊維層32は、繊維強化樹脂管体30Aの捩じり強度に寄与する。
≪第三の炭素繊維層≫
図6に示すように、第三の炭素繊維層33は、第二の炭素繊維層32の径方向外側に設けられており、第二の炭素繊維層32を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。より詳細には、複数の炭素繊維を帯状又は束状に纏めることによって、炭素繊維集合体が形成されているとともに、複数の炭素繊維集合体が位相を変えて設けられることによって、第三の炭素繊維層33が形成されている。第三の炭素繊維層33における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して-45°傾斜するように1周以上巻回され、マンドレル本体10の軸線方向に対して螺旋状に延設されている。すなわち、第三の炭素繊維層33に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、-45°である。
第三の炭素繊維層33における炭素繊維(第二炭素繊維)は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維である。第三の炭素繊維層33は、樹脂34が含浸されて硬化することによって、1層の第二炭素繊維強化樹脂層を構成する。第三の炭素繊維層33及び樹脂34によって構成される第二炭素繊維強化樹脂層は、第二炭素繊維が筒体(繊維強化樹脂管体30A)の長手方向に対して第一のバイアス補強層とは反対側の配向角度を有する第二のバイアス補強層である。第三の炭素繊維層33は、繊維強化樹脂管体30Aの捩じり強度に寄与する。
第一の炭素繊維層31(及び、後記する第四の炭素繊維層35)における第一炭素繊維は、第二炭素繊維と比較して低強度かつ高弾性率であり、例えば、引張弾性率が420GPa以上、引張強度が2600MPa以上に設定されることが望ましい。また、第二の炭素繊維層32及び第三の炭素繊維層33における第二炭素繊維は、第一炭素繊維と比較して高強度かつ低弾性率であり、例えば、引張強度が3500~7000MPa、引張弾性率が230~324GPaに設定されることが望ましい。
図2及び図3に示すように、繊維強化樹脂管体30Aは、軸方向一端部側に、軸方向中央側の大径部30aから軸方向一端部の小径部30cに向かうにつれて縮径するテーパ部30bが形成されている。大径部30aは、マンドレル本体10の大径部11の外周面に倣う形状を呈する本体部である。テーパ部30bは、マンドレル本体10のテーパ部14の外周面に倣う形状を呈する。小径部30cは、マンドレル本体10の小径部15及び第二の金属部材50の一部の外周面に倣う形状を呈する端部である。
<第一の金属部材>
第一の金属部材40は、略円筒形状を呈する部材である。図5等に示すように、製造途中段階において、第一の金属部材40は、マンドレル本体10に嵌合(外嵌)されている。
第一の金属部材40は、動力伝達軸2における自在継手(ヨーク組立体)3の一部材である。自在継手3は、かかる第一の金属部材40に対して、スパイダー、ニードルベアリング及びヨーク本体を組み付けることによって形成される。
<第二の金属部材>
第二の金属部材50は、略円柱形状を呈する部材(シャフト)である。図5等に示すように、製造途中段階において、第二の金属部材50は、マンドレル本体10に嵌合(外嵌)されている。
図1に示すように、第二の金属部材50の軸方向一端部には、マンドレル本体10の突出部16が挿入可能な有底の孔部50aが形成されている。
第二の金属部材50は、動力伝達軸2における自在継手4(プランジジョイント組立体)の一部材である。自在継手4は、かかる第二の金属部材50に対して、ブーツ及びプランジジョイント本体を組み付けることによって形成される。
<製造方法>
続いて、本発明の第一の実施形態に係るマンドレル1を用いた動力伝達軸2の製造方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。動力伝達軸2の製造方法は、マンドレル本体形成工程(ステップS1)と、マンドレル本体形成工程の後に実行される内嵌部材設置工程(ステップS2)と、内嵌部材設置工程の後に実行される第一連結工程(ステップS3)と、第一連結工程の後に実行される第二連結工程(ステップS4)と、を含む。また、動力伝達軸2の製造方法は、第二連結工程の後に実行される繊維設置工程(ステップS5A~S5C)と、繊維設置工程の後に実行される金型内設置工程(ステップS6)と、を含む。また、動力伝達軸2の製造方法は、金型内設置工程の後に実行される膨張工程(ステップS7)と、膨張工程の後に実行される成型工程(ステップS8)と、を含む。また、動力伝達軸2の製造方法は、成型工程の後に実行される取出工程(ステップS9)と、取出工程の後に実行されるジョイント組付工程(ステップS10)と、を含む。
ステップS1は、図1に示される樹脂製のマンドレル本体10を図示しない成形装置を用いて形成する工程である。
ステップS1に続いて、ステップS2で、内嵌部材20をマンドレル本体10の小径部13に圧入して内嵌させる。圧入の際には、内嵌部材20の外周面と小径部13の外周面との間に潤滑剤を塗布してもよい。なお、ステップS2は、ステップS8の前までに実行されればよい。
ステップS2に続いて、ステップS3で、マンドレル本体10の軸線方向一端部に第一の金属部材40を設ける。ステップS3では、第一の金属部材40は、マンドレル本体10の段部12に嵌合(外嵌)される。
ステップS3に続いて、ステップS4で、マンドレル本体10の軸線方向他端部に第二の金属部材50を設ける。ステップS4において、第二の金属部材50は、マンドレル本体10の突出部16に嵌合(内嵌)される。ここで、ステップS3,S4の順番は、適宜変更可能であり、ステップS4が先でもよく、同時であってもよい。
ステップS4に続いて、ステップS5Aで、図4に示すように、第一の炭素繊維層31がマンドレル本体10、第一の金属部材40及び第二の金属部材50の外周面上に形成される。ステップS5Aに続いて、ステップS5Bで、図5に示すように、第二の炭素繊維層32がマンドレル本体10、第一の金属部材40及び第二の金属部材50における第一の炭素繊維層31の外周面上に形成される。ステップS5Bに続いて、ステップS5Cで、図6に示すように、第三の炭素繊維層33がマンドレル本体10、第一の金属部材40及び第二の金属部材50における第二の炭素繊維層32の外周面上に形成される。ステップS5A~S5Cにおいて、第一の金属部材40及び第二の金属部材50のそれぞれの軸方向におけるマンドレル10とは反対側に位置する端部には、それぞれの繊維が配置されないように炭素繊維層31~33が形成される。
ステップS5A~S5Cにおいて、炭素繊維層31~33は、樹脂が含浸された繊維ではなく、いわゆる生糸である。また、炭素繊維層31~33は、多給糸フィラメントワインディング法によってマンドレル本体10、第一の金属部材40及び第二の金属部材50の軸線方向他端部の外周面上に同時進行的に配置される。多給糸フィラメントワインディング法によって給糸された炭素繊維層31~33は、互いに織り込まれることなく層として独立した、いわゆるノンクリンプ構造を呈する。
ステップS5A~S5Cにおいて、炭素繊維層31~33は、図示しない装置によってマンドレル本体10等の外周面上に配置される。かかる装置は、炭素繊維層31~33の配向角度を適宜設定変更可能である。なお、炭素繊維層31~33は、前記装置によって一体的な筒状を構成するように配置されてから、マンドレル本体10等の外周面上に配置される構成であってもよい。
(単給糸)フィラメントワインディング法では、放射状に延びる複数のピンを有する治具をマンドレルの両端部に配置し、1本の炭素繊維をピンに係止した状態でマンドレルの外周面上に巻回することを繰り返すことによって、繊維層を形成する。そのため、(単給糸)フィラメントワインディング法では、マンドレル本体10等に巻回されずに1周未満で配置する必要がある炭素繊維層31を、マンドレル本体10等の外周面上に好適に保持することができないおそれがある。
これに対し、多給糸フィラメントワインディング法では、炭素繊維層31~33のそれぞれに関して、複数の炭素繊維によって筒状の層を構成するように配置した状態で、当該筒状の層にマンドレル本体10等を挿通させる(又は、マンドレル本体10等に当該筒状の層を外嵌させる)。また、多給糸フィラメントワインディング法では、炭素繊維層31~33を同時進行的に形成することができる。したがって、多給糸フィラメントワインディング法では、マンドレル本体10等に巻回されずに1周未満で配置する必要がある炭素繊維層31を径方向外側の炭素繊維層32,33によってマンドレル本体10等の外周面上に好適に保持することができる。
ステップS5Cに続いて、ステップS6で、図8に示すように、マンドレル1、第一の金属部材40、第二の金属部材50及び各炭素繊維層31~33の組立体を、成形装置(金型)100内に設置する。
ステップS6に続いて、ステップS7で、マンドレル本体10を膨張させる。図8に示すように、第一実施形態での成形装置100においては、流路20aを介してマンドレル本体10の内側に連通するように、連通路104が設けられている。ステップS7では、不図示の供給装置に連結された連通路104を介して、マンドレル本体10の中空部に加圧用流体F(例えば、加圧された140℃以上の空気)を充填させる。高温の加圧用流体Fによって加熱されたマンドレル本体10は、樹脂34が硬化する温度よりも低い温度(変態温度である80℃)になると軟化し、加圧用流体Fによって内部から加圧され、成形装置100の内周面に倣うように膨張変形する。かかる加圧により、充填された樹脂34によってマンドレル本体10が縮径方向に変形することを防止することができる。また、かかる加圧により、樹脂34の充填量を抑制し、完成品である繊維強化樹脂管体30Aの重量増加を防止することができる。
ステップS7に続いて、当該成形装置100内に樹脂34が供給される。これにより、マンドレル本体10の外周面に配置された炭素繊維層31~33に樹脂34が含浸される。さらに、成形装置100に熱を加えることによって樹脂34を硬化させ、繊維強化樹脂管体30Aが形成されるとともに、繊維強化樹脂管体30A、第一の金属部材40及び第二の金属部材50が一体成型される(ステップS8、成型工程)。樹脂44は、例えば熱硬化性樹脂である。本実施形態において、成形装置100の金型は、複数に分割されている。ステップS9では、前記組立体に熱が加えられるとともに、成形装置100の金型を閉じる型閉じ操作を行い、続いて、閉じた金型に圧力を印加する型締め操作を行うことにより、金型内の圧力を上昇させることで、樹脂34の硬化が促進される。なお、本実施形態では金型が複数に分割されている構成で説明しているため、型閉じ操作及び型締め操作が行われているが、型締め操作は、必須ではない。また、金型が複数に分割されていない場合には、かかる型閉じ操作及び型締め操作は、必須ではない。成形装置100内において、溶融状態の樹脂34が導入されるゲート101の出口側には空間(樹脂だまり102)が形成されている。成形装置100内に導入された樹脂34は、炭素繊維層31~33の軸方向他端部の側方に位置する当該樹脂だまり102に貯留される。樹脂だまり102に貯留された樹脂34は、炭素繊維層31~33の配列方向においてゲート101とは反対側(炭素繊維層31~33の軸方向一端部の外周面側)に形成された吸引口103からの真空吸引によって、マンドレル本体10の軸線方向に移動し、炭素繊維層31~33に含浸する。樹脂34が炭素繊維層31~33に含浸した状態で、成形装置100に熱が加えられ、さらに、成形装置100内に圧力が加えられることによって、繊維強化樹脂管体40Aが形成される。
ステップS8に続いて、ステップS9で、成形された組立体すなわち中間体が成形装置100から取り出される。ステップS9に続いて、ステップS10で、中間体の第一の金属部材40に自在継手3を取り付けるとともに、第二の金属部材50に自在継手4を取り付ける。
なお、ステップS9とステップS10との間に、マンドレル抜き取り工程を実行することが考えられる。このマンドレル抜き取り工程は、第一の金属部材40の端部開口側から繊維強化樹脂管体30Aの外側にマンドレル1を取り出す工程である。この際、マンドレル1は、使用される材料に応じた方法にしたがって、例えば変形され、溶融され、分解され、破壊され、又は溶出されることによって繊維強化樹脂管体30Aの内側から取り出される。これにより、動力伝達軸2の軽量化が達成されることとなる。
また、マンドレル1を変形させて第一の金属部材40の端部開口側から取り出す場合には、例えばマンドレル本体10の中空部を減圧することで前記の端部開口よりもマンドレル1を小さくなるように収縮させて繊維強化樹脂管体30Aから抜き取る方法を採用することができる。
マンドレル抜き取り工程を行う際には、不図示の真空ポンプに連結された連通路104を介して、マンドレル本体10の中空部を減圧することができる。
このようなマンドレル抜き取り工程は、例えば熱可塑性樹脂からなるマンドレル本体10を加熱等により可塑化することでより好適に実施することができる。また、例えばダイヤカットを施したアルミニウム薄板からなるマンドレル本体10についても好適に実施することができる。
本発明の第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体30Aは、第一炭素繊維を有する第一炭素繊維強化樹脂層と、第二炭素繊維を有しており、前記第一炭素繊維強化樹脂層よりも強度が大きく、弾性率が小さい第二炭素繊維強化樹脂層と、を備え、前記第一炭素繊維は、筒体の長手方向に沿って延びるように配置されている。
したがって、繊維強化樹脂管体30Aは、比較的高弾性の第一炭素繊維が筒体の長手方向に沿って延びるように設けられていることによって、他の層の炭素繊維を比較的低弾性の第二炭素繊維とすることが可能となり、コストの上昇を招くことなく高い曲げ剛性及び高い捩じり剛性を確保することができる。
繊維強化樹脂管体30Aは、前記第一炭素繊維強化樹脂層として、少なくとも1層のピッチ系炭素繊維を有する炭素繊維強化樹脂層と、前記第二炭素繊維強化樹脂層として、少なくとも2層のポリアクリロニトリル径炭素繊維を有する炭素繊維強化樹脂層と、を備える。
したがって、繊維強化樹脂管体30Aは、第二炭素繊維としてのPAN系繊維を高弾性とする必要がなくなるため、高い曲げ剛性及び高い捩じり剛性の確保及び低コスト化を好適に実現することができる。
繊維強化樹脂管体30Aにおいて、前記第二炭素繊維強化樹脂層は、前記第一炭素繊維強化樹脂層の径方向外側に設けられている。
したがって、繊維強化樹脂管体30Aは、製造段階において第二炭素繊維が第一炭素繊維を外周側から強固に保持することによって、製造性を向上することができる。また、繊維強化樹脂管体30Aは、第一炭素繊維強化樹脂層が第二炭素繊維強化樹脂層よりも径方向内側に設けられているので、小さい断面積(少ない繊維)、すなわち、低コストで高い曲げ剛性を確保することができる。
繊維強化樹脂管体30Aにおいて、前記第一炭素繊維強化樹脂層は、多給糸フィラメントワインディング法によって積層されている、
したがって、繊維強化樹脂管体30Aは、製造段階において第一炭素繊維及び第二炭素繊維のそれぞれに関して、円周方向に並べて配置される複数の炭素繊維を一度の工程で配置することが可能であるとともに、第一炭素繊維を第二炭素繊維と同時進行的に配置することができるので、製造性を向上することができる。
また、前記第二炭素繊維強化樹脂層は、前記第二炭素繊維が筒体の長手方向に対して配向角度を有する第一のバイアス補強層と、前記第一のバイアス補強層の径方向外側に設けられており、前記第二炭素繊維が筒体の長手方向に対して前記第一のバイアス補強層とは反対側の配向角度を有する第二のバイアス補強層と、を備え、前記第一炭素繊維強化樹脂層は、前記第一炭素繊維が筒体の長手方向に対して平行に配置されるストレート補強層である。
したがって、ストレート補強層によって高い曲げ剛性を確保するとともに、2つのバイアス補強層によって両方向の捩じり強度を確保することができる。
繊維強化樹脂管体30Aにおいて、前記第一炭素繊維は、周方向に等間隔に配置されている。
したがって、繊維強化樹脂管体40Aは、周方向に対して均等な曲げ剛性を実現することができる。
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係る繊維強化樹脂管体について、第一の実施形態に係る繊維強化樹脂管体30Aとの相違点を中心に説明する。
図9に示すように、本発明の第二の実施形態に係る繊維強化樹脂管体30Bにおいて、第一の炭素繊維層31における第一炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して傾斜している(角度θ)。第一の炭素繊維層31における第一炭素繊維の傾斜角度は、筒体(繊維強化樹脂管体30B)に供される最大回転速度(例えば、動力伝達軸2が適用された車両の前進時における最大回転速度)によって当該筒体に作用する捩じりトルクによって減少し、筒体の長手方向に対する平行に近づくように設定されている。すなわち、第一の炭素繊維層31に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、好ましくは、筒体に最大回転速度が供された状態で、0°である(図10参照)。
本発明の第二の実施形態に係る繊維強化樹脂管体30Bにおいて、前記第二炭素繊維強化樹脂層は、前記第二炭素繊維が筒体の長手方向に対して配向角度を有する第一のバイアス補強層と、前記第一のバイアス補強層の径方向外側に設けられており、前記第二炭素繊維が筒体の長手方向に対して前記第一のバイアス補強層とは反対側の配向角度を有する第二のバイアス補強層と、を備え、前記第一炭素繊維強化樹脂層は、前記第一炭素繊維が筒体の長手方向に対して傾斜して配置されており、前記第一炭素繊維強化樹脂層の傾斜角度は、筒体に供される最大回転速度によって当該筒体に作用する捩じりトルクによって減少し、筒体の長手方向に対する平行に近づくように設定されている。
したがって、繊維強化樹脂管体30Bは、最大回転速度において所望の曲げ剛性を実現することができるので、耐久信頼性を向上することができる。
<第三の実施形態>
続いて、本発明の第三の実施形態に係る動力伝達軸について、第一及び第二の実施形態に係る繊維強化樹脂管体30A,30Bとの相違点を中心に説明する。
図11~図14に示すように、本発明の第三の実施形態に係る繊維強化樹脂管体30Cは、第一の炭素繊維層31、第二の炭素繊維層32及び第三の炭素繊維層33に加えて、第四の炭素繊維層35をさらに備える。
≪第四の炭素繊維層≫
図11~図14(特に、図13)に示すように、第四の炭素繊維層35は、第二の炭素繊維層32の径方向外側かつ第三の炭素繊維層33の径方向内側に設けられており、第二の炭素繊維層32を被覆するように設けられる複数の炭素繊維によって構成されている。より詳細には、複数の炭素繊維を帯状又は束状に纏めることによって、炭素繊維集合体が形成されているとともに、複数の炭素繊維集合体が位相を変えて設けられることによって、第四の炭素繊維層35が形成されている。第四の炭素繊維層35における炭素繊維は、マンドレル本体10の軸線方向に対して平行に延設されている。すなわち、第四の炭素繊維層35に関して、マンドレル本体10の軸線Xに対する炭素繊維の配向角度は、0°である。
第四の炭素繊維層35における炭素繊維(第一炭素繊維)は、ピッチ系炭素繊維である。第四の炭素繊維層35は、樹脂34(図8参照)が含浸されて硬化することによって、1層の第一炭素繊維強化樹脂層を構成する。第四の炭素繊維層35及び樹脂34によって構成される第一炭素繊維強化樹脂層は、第一炭素繊維が筒体(繊維強化樹脂管体30C)の長手方向に対して平行に配置されるストレート補強層である。第四の炭素繊維層35において、複数の第一炭素繊維は、周方向に等間隔に配置されている。
繊維強化樹脂管体30Cにおいて、第一の炭素繊維層31及び/又は第四の炭素繊維層35における第一炭素繊維は、第二の実施形態に係る繊維強化樹脂管体30Bの第一の炭素繊維層31における第一炭素繊維と同様に、マンドレル本体10の軸線方向に対して傾斜している構成であってもよい。
<製造方法>
続いて、本発明の第一の実施形態に係るマンドレル1を用いた動力伝達軸2(繊維強化樹脂管体30C)の製造方法について、図15のフローチャートを用いて説明する。
本製造方法では、ステップS5Aで、図11に示すように、第一の炭素繊維層31がマンドレル本体10、第一の金属部材40及び第二の金属部材50の外周面上に形成される。ステップS5Aに続いて、ステップS5Bで、図12に示すように、第二の炭素繊維層32がマンドレル本体10、第一の金属部材40及び第二の金属部材50における第一の炭素繊維層31の外周面上に形成される。ステップS5Bに続いて、ステップS5Dで、図13に示すように、第四の炭素繊維層35がマンドレル本体10、第一の金属部材40及び第二の金属部材50における第二の炭素繊維層32の外周面上に形成される。ステップS5Dに続いて、ステップS5Cで、図14に示すように、第三の炭素繊維層33がマンドレル本体10、第一の金属部材40及び第二の金属部材50における第四の炭素繊維層35の外周面上に形成される。第四の炭素繊維層35は、多給糸フィラメントワインディング法によって、他の炭素繊維層31,32,33と同時進行的に、ノンクリンプ構造で配置される。
本製造方法では、ステップS8で、第一の炭素繊維層31、第二の炭素繊維層32、第四の炭素繊維層35及び第三の炭素繊維層33に樹脂34(図8参照)を含浸させて硬化させる。
本発明の第三の実施形態に係る繊維強化樹脂管体30Cは、単に第一の炭素繊維層31を厚くする場合と比較して、例えば繊維強化樹脂管体30Cの厚みを変えることなく、固有振動数(曲げ一次共振点)を異なる値に好適に設定することができる。また、繊維強化樹脂管体30Cは、第一の炭素繊維層31及び第四の炭素繊維層35の厚みを適宜変更することによって、所望の固有振動数を実現することができる。また、繊維強化樹脂管体30Cは、第一の炭素繊維層31に加えて第四の炭素繊維層35を設けることによって、いわゆるストレート層の厚みの合計を大きくし、高い曲げ剛性をより好適に確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形可能である。例えば、マンドレル本体10の大径部(本体部)11は、当該大径部11の中央部から両端部に向かうにつれて径が小さくなる樽形状に膨張してもよく、軸方向にわたって同一径の円筒形状に膨張してもよい。かかる膨張形状は、成型装置(金型)100において大径部11が設置される部位の内周面の形状によって適宜設定可能である。また、マンドレル本体10内に流入されて充填される流体は、マンドレル本体10内を加圧するのに加えて、マンドレル本体10の外周面に配置された熱硬化性樹脂を硬化させるために加熱するためのものであってもよい。なお、かかる流体が加熱を行わない加圧用流体である場合には、熱硬化性樹脂は、別の熱源によって加熱される。
また、ステップS9,S10の間にマンドレル1を成形された繊維強化樹脂管体30Aから抜き出す構成であってもよい。また、マンドレル本体10は、ステップS8における樹脂44や成形装置(金型)100の熱によって溶融して除去される構成であってもよい。その他の熱、電気、振動等のエネルギーによってマンドレル本体10を溶融して除去することも可能である。また、各炭素繊維層31~33は、互いに織り込まれた、いわゆるクリンプ構造を呈してもよい。また、変形例として、繊維体は、炭素繊維に限定されず、樹脂層を強化可能な繊維部材(例えば、ガラス繊維、セルロース繊維等)であればよい。
1 マンドレル
10 マンドレル本体
30A,30B,30C 繊維強化樹脂管体(推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体)
31 第一の炭素繊維層(第一炭素繊維、第一炭素繊維強化樹脂層、ストレート補強層)
32 第二の炭素繊維層(第二炭素繊維、第二炭素繊維強化樹脂層、第一のバイアス補強層)
33 第三の炭素繊維層(第二炭素繊維、第二炭素繊維強化樹脂層、第二のバイアス補強層)
34 樹脂
35 第四の炭素繊維層(第一炭素繊維、第一炭素繊維強化樹脂層、ストレート補強層)

Claims (6)

  1. 第一炭素繊維を有する第一炭素繊維強化樹脂層と、
    第二炭素繊維を有しており、前記第一炭素繊維強化樹脂層よりも強度が大きく、弾性率が小さい第二炭素繊維強化樹脂層と、
    を備え、
    前記第一炭素繊維は、筒体の長手方向に沿って延びるように配置されており、
    前記第二炭素繊維強化樹脂層は、前記第一炭素繊維強化樹脂層の径方向外側に設けられている、
    推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体。
  2. 前記第一炭素繊維強化樹脂層として、少なくとも1層のピッチ系炭素繊維を有する炭素繊維強化樹脂層と、
    前記第二炭素繊維強化樹脂層として、少なくとも2層のポリアクリロニトリル炭素繊維を有する炭素繊維強化樹脂層と、
    を備える請求項1に記載の推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体。
  3. 前記第一炭素繊維強化樹脂層は、多給糸フィラメントワインディング法によって積層されている、
    請求項1に記載の推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体。
  4. 前記第二炭素繊維強化樹脂層は、
    前記第二炭素繊維が筒体の長手方向に対して配向角度を有する第一のバイアス補強層と、
    前記第一のバイアス補強層の径方向外側に設けられており、前記第二炭素繊維が筒体の長手方向に対して前記第一のバイアス補強層とは反対側の配向角度を有する第二のバイアス補強層と、
    を備え、
    前記第一炭素繊維強化樹脂層は、前記第一炭素繊維が筒体の長手方向に対して平行に配置されるストレート補強層である、
    請求項2に記載の推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体。
  5. 前記第二炭素繊維強化樹脂層は、
    前記第二炭素繊維が筒体の長手方向に対して配向角度を有する第一のバイアス補強層と、
    前記第一のバイアス補強層の径方向外側に設けられており、前記第二炭素繊維が筒体の長手方向に対して前記第一のバイアス補強層とは反対側の配向角度を有する第二のバイアス補強層と、
    を備え、
    前記第一炭素繊維強化樹脂層は、前記第一炭素繊維が筒体の長手方向に対して傾斜して配置されており、
    前記第一炭素繊維強化樹脂層の傾斜角度は、筒体に供される最大回転速度によって当該筒体に作用する捩じりトルクによって減少し、筒体の長手方向に対する平行に近づくように設定されている、
    請求項2に記載の推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体。
  6. 前記第一炭素繊維は、周方向に等間隔に配置されている、
    請求項1に記載の推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体。
JP2022538419A 2022-06-08 2022-06-08 推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体 Active JP7190614B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2022/023191 WO2023238300A1 (ja) 2022-06-08 2022-06-08 推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7190614B1 true JP7190614B1 (ja) 2022-12-15
JPWO2023238300A1 JPWO2023238300A1 (ja) 2023-12-14

Family

ID=84487426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022538419A Active JP7190614B1 (ja) 2022-06-08 2022-06-08 推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7190614B1 (ja)
WO (1) WO2023238300A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04124196U (ja) * 1991-04-26 1992-11-11 リヨービ株式会社 回転力伝達用積層管
JPH05338088A (ja) * 1992-06-05 1993-12-21 Toyota Motor Corp 複合材料製軸部材
JP2018035927A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 三菱ケミカル株式会社 自動車用の動力伝達軸

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04124196U (ja) * 1991-04-26 1992-11-11 リヨービ株式会社 回転力伝達用積層管
JPH05338088A (ja) * 1992-06-05 1993-12-21 Toyota Motor Corp 複合材料製軸部材
JP2018035927A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 三菱ケミカル株式会社 自動車用の動力伝達軸

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023238300A1 (ja) 2023-12-14
JPWO2023238300A1 (ja) 2023-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102044644B1 (ko) 금속 아이렛을 갖는 모든 복합 토크 튜브
CN105235232B (zh) 齿条外壳的制造方法以及齿条外壳
CN102474151B (zh) 转子屏蔽套
WO1996005440A1 (en) Bi-material tubing and method of making same
JP2022546613A (ja) テンション-コンプレッションロッドのためのポジティブ・ロック式の荷重負荷を引き起こすための方法、およびテンション-コンプレッションロッド
WO2021260953A1 (ja) 繊維強化樹脂製管体の製造方法
US10927883B2 (en) Composite joint assembly
US20210180645A1 (en) Method for manufacturing tube body used in power transmission shaft
JP7190614B1 (ja) 推進軸用炭素繊維強化樹脂製筒体
JP6553903B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法
JP5514658B2 (ja) ケース及びその製造方法
US10823213B2 (en) Composite joint assembly
JP2007271079A (ja) トルク伝達軸
US4942904A (en) Hollow section, in particular a tube, of long fibre reinforced plastic
GB2406154A (en) Composite shaft with metal sleeve
JP2023146718A (ja) 繊維強化樹脂管体の製造方法
JP7296534B1 (ja) 繊維強化樹脂製筒体の製造方法及び繊維強化樹脂製筒体製造用治具
JP7130892B1 (ja) 炭素繊維固定治具、炭素繊維強化樹脂管体の製造方法及び動力伝達軸
US20220381372A1 (en) Tube body intermediate and method for producing tube body
US20220379570A1 (en) Method for producing tube body
JP7426680B2 (ja) 繊維強化樹脂管体の製造方法
JP2024088308A (ja) 繊維強化樹脂製筒体及び繊維強化樹脂製筒体の製造方法
JP2024088306A (ja) 繊維強化樹脂製筒体及び繊維強化樹脂製筒体の製造方法
RU2819679C1 (ru) Способ создания приложения нагрузки с принудительной блокировкой для стержня растяжения-сжатия и соответствующий стержень
US20220381373A1 (en) Tube body intermediate and method for producing tube body

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220621

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7190614

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150