JP7190314B2 - 双極型二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、双極型二次電池に関する。
近年、環境・エネルギー問題の解決へ向けて、種々の電気自動車の普及が期待されている。これら電気自動車の普及の鍵を握るモータ駆動用電源などの車載電源として、電池の開発が鋭意行われている。車載電源への適用を指向した電池は、携帯電話やノートパソコン等に使用される電池と比較して極めて高い出力特性を有することが求められている。
例えば特許文献1には、電池の出力特性を向上させるために複数の単セルを積層して直列に接続した双極型二次電池が開示されている。ここで、単セルは、正極活物質を含む正極活物質層を正極集電体の表面に形成した正極と、負極活物質を含む負極活物質層を負極集電体の表面に形成した負極とがセパレータを介して積層されて構成される。特許文献1では、電解液の漏れによる短絡を防止するため、電極活物質層の外周を囲むように絶縁部材(封着部材)を配置して、正極集電体および負極集電体の外周を封止している。
特開2004-349156号
単セルを直列接続した双極型二次電池においては、過充電や過放電にならないように、各単セルの電圧を検出し制御する必要がある。
ところで、電極の形成材料の特性あるいは電極の経年劣化などによって、電極は膨張することがある。この電極の膨張によって電極の厚みが増加し、電池としての機能は正常に維持しつつも、絶縁部材に対する正極集電体の剥離が多少生じたり、絶縁部材に対する負極集電体の剥離が多少生じたりすることがある。このような絶縁部材に対する集電体の剥離が生じた場合であっても、単セルの電圧を安定して検出しなければならない。
そこで、本発明は、絶縁部材に対する正極集電体または負極集電体の剥離が生じた場合であっても、単セルの電圧を安定して検出することが可能な双極型二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の双極型二次電池は、単セルを積層した電池要素を有する。単セルは、正極集電体に正極活物質層が形成されてなる正極と、負極集電体に負極活物質層が形成されてなる負極と、前記正極と前記負極とによって挟持されたセパレータと、前記正極集電体と前記負極集電体との間において前記正極集電体と前記セパレータとの間に前記正極活物質層を封止し前記負極集電体と前記セパレータとの間に前記負極活物質層を封止する絶縁部材とを備える。双極型二次電池は、前記電池要素の外周において、前記正極集電体の表裏両面のうち前記絶縁部材に接しない側の表面と、前記負極集電体の表裏両面のうち前記絶縁部材に接しない側の表面との間に配置され、前記単セルの電圧を検出するための電圧検出端子を有する。双極型二次電池は、前記正極集電体および前記負極集電体のうちのいずれか一方の集電体と前記電圧検出端子とを接着する接着層を有する。前記絶縁部材は、前記単セルを積層する積層方向の断面においてT字形状を有し、前記正極活物質層および前記負極活物質層に向かい合う側である内方部位における前記積層方向に沿う厚さが、前記単セルの外方側である外方部位における前記積層方向に沿う厚さよりも厚く、前記内方部位と前記外方部位との間に角部を有する。前記電圧検出端子は、電池が膨張していない状態において前記絶縁部材の前記角部に沿うように存在している。
本発明の双極型二次電池によれば、絶縁部材に対する正極集電体または負極集電体の剥離が生じた場合であっても、単セルの電圧を安定して検出することができる。
本発明の一実施形態に係る双極型二次電池を示す斜視図である。 図1の2-2線に沿う断面図であって、双極型二次電池の全体構造の概略を示す断面図である。 双極型二次電池の単セルを示す断面図である。 図1の4-4線に沿う断面図であって、双極型二次電池における電圧検出端子および接着層を示す断面図である。 負極の膨張によって負極の厚みが増加し、絶縁部材に対する負極集電体の剥離が一部生じた状態における図4Aに相当する断面図である。 負極の膨張によって負極の厚みが増加し、絶縁部材に対する正極集電体の剥離が一部生じた状態における図4Aに相当する断面図である。 変形例1に係る双極型二次電池における電圧検出端子および接着層を示す断面図である。 変形例2に係る双極型二次電池における電圧検出端子および接着層を示す断面図である。 変形例2の双極型二次電池において、負極の膨張によって負極の厚みが増加した状態における断面図である。 変形例3に係る双極型二次電池における電圧検出端子および接着層を示す断面図である。 変形例4に係る双極型二次電池における電圧検出端子および接着層を示す断面図である。 対比例の電池を示す断面図である。 対比例の電池において、負極の膨張によって負極の厚みが増加し、絶縁部材に対する負極集電体の剥離が一部生じた状態における断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。
<双極型二次電池>
本発明の実施形態に係る双極型二次電池の一例として非水電解質二次電池の1種である双極型リチウムイオン二次電池について説明する。ここで、双極型リチウムイオン二次電池とは、直列接続された双極型電極を含み、正極と負極との間をリチウムイオンが移動することによって充電や放電を行う二次電池である。なお、以下の説明では、双極型リチウムイオン二次電池を単に「電池」と称する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電池10を示す斜視図、図2は、図1の2-2線に沿う断面図であって、電池10の全体構造の概略を示す断面図である。図3は、電池10の単セル20を示す断面図である。図4Aは、図1の4-4線に沿う断面図であって、電池における電圧検出端子および接着層を示す断面図である。
図1~図4を参照して、本実施形態の電池10を概説する。電池10は、単セル20を積層した電池要素11を有する。単セル20は、正極30aと、負極30bと、セパレータ40と、絶縁部材50とを備える。正極30aは、正極集電体31aに正極活物質層32aが形成されている。負極30bは、負極集電体31bに負極活物質層32bが形成されている。セパレータ40は、正極30aと負極30bとによって挟持されている。絶縁部材50は、正極集電体31aと負極集電体31bとの間において、正極集電体31aとセパレータ40との間に正極活物質層32aを封止し、負極集電体31bとセパレータ40との間に負極活物質層32bを封止する。電池10は、電池要素11の外周において、正極集電体31aの表裏両面のうち絶縁部材50に接しない側の表面と、負極集電体31bの表裏両面のうち絶縁部材50に接しない側の表面との間に配置され、単セル20の電圧を検出するための電圧検出端子70を有する。電池10は、正極集電体31aおよび負極集電体31bのうちのいずれか一方の集電体31(図示例においては、負極集電体31b)と電圧検出端子70とを接着する接着層80を有する。以下、電池10の構成を詳述する。
図2に示すように、電池10は、外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、複数の単セル20が積層されてなる電池要素11が外装体12の内部に封止された構造を有する。電池要素11は、単セル20の積層体であり、充放電反応に寄与する部分である。なお、単セル20の積層回数は、所望する電圧に応じて調節することが好ましい。また、本明細書では、複数の単セル20が積層される方向を「積層方向」と称し、図中に矢印Zで示す。また、積層方向に直交する平面を「面方向」と称し、図中に矢印Xおよび矢印Yで示す。
図2に示すように、正極30aおよび負極30bは、集電体31の一方の面に電気的に結合した正極活物質層32aが形成され、集電体31の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層32bが形成された双極型電極35を構成する。集電体31は、正極集電体31aおよび負極集電体31bを組み合わせた積層構造(2層構造)を有する。
電池10は、正極集電体31aに隣接するように正極集電板(正極タブ)34aが配置され、負極集電体31bに隣接するように負極集電板(負極タブ)34bが配置されている。図1にも示すように、正極集電板(正極タブ)34aは延長されて外装体12から導出している。同様に、負極集電板(負極タブ)34bは延長されて外装体12から導出している。
[単セル]
図2および図3に示すように、単セル20は、正極30aと、負極30bと、セパレータ40と、絶縁部材50とを備える。セパレータ40に電解質を保持することによって、電解質層が形成される。本実施形態の単セル20は、正極活物質層32aおよび負極活物質層32bが電解液を含んでいる。
正極活物質層32aと負極活物質層32bとは、セパレータ40を介して互いに向かい合うように配置されている。正極集電体31aおよび負極集電体31bは、単セル20の最外層に位置する。
なお、本明細書中、正極集電体31a、負極集電体31bおよびセパレータ40の外周部60とは、絶縁部材50を介してヒートシールされる領域(図3中の破線で囲んだ領域)と定義する。図3に示すように、正極集電体31aの外周部と負極集電体31bの外周部との間に絶縁部材50を介在させた構成の場合は、集電体31の外周部、セパレータ40の外周部および絶縁部材50を含む領域が単セル20の外周部に相当する。
絶縁部材50は、正極活物質層32a、負極活物質層32bおよびセパレータ40の周囲を液密に封止し、電解液の漏れによる液絡を防止している。また、単セル20内で正極集電体31aと負極集電体31bとを電気的に隔てて、正極集電体31aと負極集電体31bとが接触することによる短絡を防止している。
絶縁部材50を構成する材料としては、絶縁性、シール性(液密性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよい。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム(エチレン-プロピレン-ジエンゴム:EPDM)、等が用いられうる。また、イソシアネート系接着剤や、アクリル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤などを用いてもよく、ホットメルト接着剤(ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂)などを用いてもよい。なかでも、耐食性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性等の観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁層の構成材料として好ましく用いられ、非結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とするエチレン、プロピレン、ブテンを共重合した樹脂を用いることが好ましい。
[電圧検出端子]
図4Aに示すように、電圧検出端子70は、電池要素11の外周において、正極集電体31aの表裏両面のうち絶縁部材50に接しない側の表面と、負極集電体31bの表裏両面のうち絶縁部材50に接しない側の表面との間に配置されている。電圧検出端子70は、リード線71が接続されている。リード線71は図示しないコントローラに接続され、検出信号がコントローラに入力される。
電圧検出端子70を構成する材料としては、導電性を有するものであればよく、導電性材料から構成される。導電性材料としては、例えば、金属材料が挙げられる。金属材料としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。
[接着層]
図4Aに示すように、本実施形態の接着層80は、負極集電体31bと電圧検出端子70との間に配置され、負極集電体31bと電圧検出端子70とを接着する。
接着層80を構成する材料としては、負極集電体31bと電圧検出端子70との接着性、負極集電体31bと電圧検出端子70との間の導電性を阻害しない導電性を有するものであればよく、導電性接着剤から構成される。導電性接着剤は、例えば、導電性エポキシ接着剤などである。
以下、比較例を参照して本実施形態の作用効果について説明する。図4Bは、負極30bの膨張によって負極30bの厚みが増加し、絶縁部材50に対する負極集電体31bの剥離が一部生じた状態における図4Aに相当する断面図である。図4Cは、負極30bの膨張によって負極30bの厚みが増加し、絶縁部材50に対する正極集電体31aの剥離が一部生じた状態における図4Aに相当する断面図である。図9Aは、対比例の電池を示す断面図である。図9Bは、負極30bの膨張によって負極30bの厚みが増加し、絶縁部材110に対する負極集電体31bの剥離が一部生じた状態における断面図である。
図9Aに示すように、対比例の電池において、電圧検出端子120は、絶縁部材110と負極集電体31bとの間に、負極集電体31bに接触した状態において配置されている。
電極30の形成材料の特性あるいは電極30の経年劣化などによって、電極30は膨張することがある。例えば、図9Bに示すように、負極30bの膨張によって負極30bの厚みが増加し、電池としての機能は正常に維持しつつも、絶縁部材110に対する負極集電体31bの剥離が多少生じたりすることがある。電圧検出端子120は、負極集電体31bよりも絶縁部材110の側に接着している(接着され易い)。このため、絶縁部材110に対する負極集電体31bの剥離が生じた場合、負極集電体31bが電圧検出端子120から剥がれてしまう。電圧検出端子120と負極集電体31bとの接触状態が変動し、両者の接触抵抗が初期の状態から変化する。このため、単セルの電圧を安定して検出することが困難となる。
一方、本実施形態においては、図4Aに示したように、電池10は、電池要素11の外周において、電圧検出端子70は、正極集電体31aの表裏両面のうち絶縁部材50に接しない側の表面と、負極集電体31bの表裏両面のうち絶縁部材50に接しない側の表面との間に配置されている。さらに、電池10は、接着層80によって、負極集電体31bと電圧検出端子70とを接着している。
図4Bに示すように、負極30bの膨張によって負極30bの厚みが増加し、電池としての機能は正常に維持しつつも、絶縁部材50に対する負極集電体31bの剥離が多少生じたりすることがある。このような事態が生じても、電圧検出端子70は接着層80によって負極集電体31bに接着されているため、負極集電体31bが電圧検出端子70から剥がれることを抑えることができる。電圧検出端子70と負極集電体31bとの接触状態が変動せず、両者の接触抵抗が初期の状態から変化することがない。このため、単セル20の電圧を安定して検出することが可能となる。
また、図4Cに示すように、負極30bの膨張によって負極30bの厚みが増加し、電池としての機能は正常に維持しつつも、絶縁部材50に対する正極集電体31aの剥離が多少生じたりすることがある。このような事態が生じても、電圧検出端子70は接着層80によって負極集電体31bに接着しているため、負極集電体31bが電圧検出端子120から剥がれることを抑えることができる。電圧検出端子70と負極集電体31bとの接触状態が変動せず、両者の接触抵抗が初期の状態から変化することがない。このため、単セル20の電圧を安定して検出することが可能となる。
[集電体]
集電体31(隣接する正極集電体31aおよび負極集電体31b)は、正極活物質層32aと接する一方の面から、負極活物質層32bと接する他方の面へと電子の移動を媒介する機能を有する。集電体31を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂や、金属が用いられうる。
集電体31の軽量化の観点からは、集電体31は、導電性を有する樹脂によって形成された樹脂集電体であることが好ましい。なお、単セル20間のリチウムイオンの移動を遮断する観点からは、樹脂集電体の一部に金属層を設けてもよい。
具体的には、樹脂集電体の構成材料である導電性を有する樹脂としては、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂が挙げられる。導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、白金、鉄、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、アンチモン、およびカリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はない。好ましくは、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ブラックパール(登録商標)、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
導電性フィラーの添加量は、集電体31に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、好ましくは、5~35体積%程度である。
また、集電体31が金属によって形成される場合は、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、またはこれらの金属のめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位、集電体31へのスパッタリングによる負極活物質の密着性等の観点からは、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケルが好ましい。
[電極活物質層(正極活物質層、負極活物質層)]
電極活物質層(正極活物質層32a、負極活物質層32b)32は、電極活物質(正極活物質または負極活物質)および電解液を含む。また、電極活物質層32は、必要に応じて、被覆剤(被覆用樹脂、導電助剤)、導電部材等を含んでもよい。さらに、電極活物質層32は、必要に応じてイオン伝導性ポリマー等を含んでもよい。
電極活物質層32に含まれる電解液は、スラリー調製工程において、電極活物質の分散媒として機能する。電極30を形成した後の工程で電解液を注入する工程を省いて工数を削減する観点から、電極活物質層32の電解液は、電池10のセパレータ40に含まれる電解液と同じ組成を有することが好ましい。
電池10は、正極活物質層32aおよび負極活物質層32bが電解液を含んでいる。この構成においては、電極活物質スラリーを塗工して塗膜を得た後に、得られた塗膜に対して加熱による乾燥処理を施す必要がない。これにより、電極活物質層32のひび割れを抑制できるとともに、乾燥処理に必要な製造コストを削減することができる。
電解液は、溶媒にリチウム塩が溶解した形態を有する。電解液を構成する溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類が挙げられる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsFLiClO、Li[(FSON](LiFSI)等の無機酸のリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO、およびLiC(CFSO等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。
(正極活物質)
正極活物質としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni-Mn-Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム-遷移金属複合酸化物、リチウム-遷移金属リン酸化合物、リチウム-遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム-遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられる。さらに好ましくはLi(Ni-Mn-Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)、またはリチウム-ニッケル-コバルト-アルミニウム複合酸化物(以下単に、「NCA複合酸化物」とも称する)などが用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を有する。そして、遷移金属1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
(負極活物質)
負極活物質としては、例えば、グラファイト(黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム-遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料(スズ、シリコン)、リチウム合金系負極材料(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-シリコン合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-アルミニウム-マンガン合金等)などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料、リチウム-遷移金属複合酸化物、リチウム合金系負極材料が、負極活物質として好ましく用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。また、(メタ)アクリレート系共重合体等の被覆用樹脂は特に炭素材料に対して付着しやすいという性質を有している。したがって、構造的に安定した電極材料を提供するという観点からは、負極活物質として炭素材料を用いることが好ましい。
(導電助剤)
導電助剤は、被覆用樹脂とともに電極活物質の表面を被覆する被覆剤として用いられる。導電助剤は、被覆剤中で電子伝導パスを形成し、電極活物質層32の電子移動抵抗を低減することで、電池の高レートでの出力特性向上に寄与し得る。
導電助剤としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン等の金属、これらの金属を含む合金または金属酸化物;グラファイト、炭素繊維(具体的には、気相成長炭素繊維(VGCF)等)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンブラック(具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等のカーボンが挙げられるが、これらに限定されない。また、粒子状のセラミック材料や樹脂材料の周りに上記金属材料をめっき等でコーティングしたものも導電助剤として使用できる。これらの導電助剤のなかでも、電気的安定性の観点から、アルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、アルミニウム、ステンレス、銀、金、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、カーボンを少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。これらの導電助剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
導電助剤の形状は、粒子状または繊維状であることが好ましい。導電助剤が粒子状である場合、粒子の形状は特に限定されず、粉末状、球状、棒状、針状、板状、柱状、不定形状、燐片状、紡錘状等、いずれの形状であっても構わない。導電助剤が粒子状である場合の平均粒子径(一次粒子径)は、100nm以下であることが好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数~数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
(導電部材)
導電部材は、電極活物質層32中で電子伝導パスを形成する機能を有する。特に、導電部材の少なくとも一部が、電極活物質層32の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成していることが好ましい。このような形態を有することで、電極活物質層32中の厚さ方向の電子移動抵抗がさらに低減されるため、電池の高レートでの出力特性をより一層向上しうる。なお、導電部材の少なくとも一部が、電極活物質層32の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成しているか否かは、SEMや光学顕微鏡を用いて電極活物質層32の断面を観察することにより確認することができる。
導電部材は、繊維状の形態を有する導電性繊維であることが好ましい。具体的には、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレスのような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を、導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。なかでも、導電性に優れ、軽量であることから炭素繊維が好ましい。
本実施形態の電池10において、電極活物質層32の厚さは、正極活物質層32aについては、好ましくは150~1500μmであり、より好ましくは180~950μmであり、さらに好ましくは200~800μmである。また、負極活物質層32bの厚さは、好ましくは150~1500μmであり、より好ましくは180~1200μmであり、さらに好ましくは200~1000μmである。電極活物質層32の厚さが上述した下限値以上の値であれば、電池のエネルギー密度を十分に高めることができる。一方、電極活物質層32の厚さが上述した上限値以下の値であれば、電極活物質層32の構造を十分に維持することができる。
なお、本実施形態の電池10においては、電極活物質層32の構成部材として、上記の電極活物質や、必要に応じて用いられる導電部材、イオン伝導性ポリマー、リチウム塩、被覆剤(被覆用樹脂、導電助剤)以外の部材を適宜使用しても構わない。しかしながら、電池のエネルギー密度を向上させる観点から、充放電反応の進行にあまり寄与しない部材は、含有させないほうが好ましい。例えば、電極活物質とその他の部材とを結着させ、電極活物質層32の構造を維持するために添加されるバインダは、極力使用しないことが好ましい。上記の機能を有するバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の溶剤系バインダや、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)等の水系バインダ等が挙げられる。具体的には、バインダの含有量は、電極活物質層32に含まれる全固形分量100質量%に対して、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である。
[セパレータ]
セパレータ40は、電解質を保持し、正極活物質層32aと負極活物質層32bとの間にあって両者が直接に接触することを防止する。本実施形態のセパレータ40に使用される電解質は、特に制限はなく、例えば、電解液またはゲルポリマー電解質などが挙げられる。これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保されうる。
セパレータ40の形態としては、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を挙げることができる。
電解液は、上述の電極活物質層32に使用される電解液と同様のものが用いられうる。なお、電解液におけるリチウム塩の濃度は、0.1~3.0Mであることが好ましく、0.8~2.2Mであることがより好ましい。また、添加剤を使用する場合の使用量は、添加剤を添加する前の電解液100質量%に対して、好ましくは0.5~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%である。
添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、ジフェニルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1,2-ジビニルエチレンカーボネート、1-メチル-1-ビニルエチレンカーボネート、1-メチル-2-ビニルエチレンカーボネート、1-エチル-1-ビニルエチレンカーボネート、1-エチル-2-ビニルエチレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、ビニルオキシメチルエチレンカーボネート、アリルオキシメチルエチレンカーボネート、アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、メタクリルオキシメチルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、プロパルギルエチレンカーボネート、エチニルオキシメチルエチレンカーボネート、プロパルギルオキシエチレンカーボネート、メチレンエチレンカーボネート、1,1-ジメチル-2-メチレンエチレンカーボネートなどが挙げられる。なかでも、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートが好ましく、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートがより好ましい。これらの環式炭酸エステルは、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ゲルポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマー(ホストポリマー)に、上記の電解液が注入されてなる構成を有する。電解質としてゲルポリマー電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することで容易になる点で優れている。マトリックスポリマー(ホストポリマー)として用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HEP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびこれらの共重合体等が挙げられる。
ゲルポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
[正極集電体および負極集電体]
集電体31(正極集電体31aおよび負極集電体31b)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電体として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電体31の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電体31aと負極集電体31bとでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[外装体]
図2に示す本形態では、外装体12は、可撓性を備えるラミネートフィルムによって袋状に構成されているが、これに限定されず、例えば、剛性を有する材料から形成されたセルケースなどを用いてもよい。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点からは、外装体12は、ラミネートフィルムによって構成することが好ましく、アルミニウムを含むラミネートフィルムが特に好ましい。アルミニウムを含むラミネートフィルムには、例えば、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。
以上説明したように、本実施形態に係る電池10は、単セル20を積層した電池要素11を有し、電池要素11の外周において、正極集電体31aの表裏両面のうち絶縁部材50に接しない側の表面と、負極集電体31bの表裏両面のうち絶縁部材50に接しない側の表面との間に配置され、単セル20の電圧を検出するための電圧検出端子70を有する。電池10は、負極集電体31bと電圧検出端子70とを接着する接着層80を有する。
このように構成することによって、絶縁部材50に対する正極集電体31aまたは負極集電体31bの剥離が生じるような事態が生じても、電圧検出端子70の負極集電体31bに対する密着性が低下しないので、電圧検出端子70と負極集電体31bとの接触状態が変動しない。このため、電圧検出端子70と負極集電体31bとの接触抵抗が初期の状態から変化することがない。したがって、単セル20の電圧を安定して検出することが可能となる。
電池10は、正極集電体31aおよび負極集電体31bが樹脂集電体である。
このように構成することによって、集電体31(正極集電体31aおよび負極集電体31b)の軽量化を通して、電池10の軽量化を図ることができる。
電池10は、正極活物質層32aおよび負極活物質層32bが電解液を含んでいる。
このように構成することによって、電池10を製造する際には、電極活物質スラリーを塗工して塗膜を得た後に、得られた塗膜に対して加熱による乾燥処理を施す必要がない。これにより、電極活物質層32(正極活物質層32aおよび負極活物質層32b)のひび割れを抑制できるとともに、乾燥処理に必要な製造コストを削減することができる。
(変形例1)
図5は、変形例1に係る電池10における電圧検出端子70および接着層80を示す断面図である。
上述した実施形態においては、接着層80によって負極集電体31bと電圧検出端子70とが接着された形態を示した。本発明はこの場合に限定されるものではなく、接着層80は、正極集電体31aおよび負極集電体31bのうちのいずれか一方の集電体31と電圧検出端子70とを接着すればよい。
したがって、図5に示すように、接着層80によって正極集電体31aと電圧検出端子70とを接着してもよい。
このように構成した場合にも、上述した実施形態と同様の作用および効果を奏する。すなわち、絶縁部材50に対する正極集電体31aまたは負極集電体31bの剥離が生じるような事態が生じても、電圧検出端子70と正極集電体31aとの接触状態が変動せず、両者の接触抵抗が初期の状態から変化することがない。したがって、単セル20の電圧を安定して検出することが可能となる。
なお、負極集電体31bと電圧検出端子70との間に第1の接着剤を配置し、正極集電体31aと電圧検出端子70との間にも第2の接着剤を配置する。さらに、第1の接着剤の接着強度と、第2の接着剤の接着強度を異ならせる。このような態様は、「正極集電体31aおよび負極集電体31bのうちのいずれか一方の集電体31と電圧検出端子70とを接着する接着層80」に含まれると理解されなければならない。なぜなら、絶縁部材50に対する正極集電体31aまたは負極集電体31bの剥離が生じた場合に、接着強度が強い側の接着剤によって、一方の集電体31と電圧検出端子70との接触状態が維持され、単セル20の電圧を安定して検出することができるからである。
(変形例2)
図6Aは、変形例2に係る電池10における電圧検出端子70および接着層80を示す断面図である。図6Bは、変形例2の電池10において、負極30bの膨張によって負極30bの厚みが増加した状態における断面図である。
図6Aに示すように、変形例2に係る電池10は、単セル20を積層する方向に沿う絶縁部材50の厚さt1が、単セル20における正極30a、負極30bおよびセパレータ40の合計厚みt0よりも薄い。また、接着層80によって負極集電体31bと電圧検出端子70とが接着されている。電池要素11の外周において、電圧検出端子70と正極集電体31aとの間には微小な空間が生じている。
図6Bに示すように、負極30bの膨張によって負極30bの厚みが増加した場合、電池要素11の外周が図中上下方向に移動することができる。このため、絶縁部材50に対する正極集電体31aまたは負極集電体31bの剥離がそもそも生じ難い。絶縁部材50に対する負極集電体31bの剥離が生じたとしても、電圧検出端子70は接着層80によって負極集電体31bに接着されているため、負極集電体31bが電圧検出端子70から剥がれることを抑えることができる。電圧検出端子70と負極集電体31bとの接触状態が変動せず、両者の接触抵抗が初期の状態から変化することがない。したがって、単セル20の電圧を安定して検出することが可能となる。
(変形例3)
図7は、変形例3に係る電池10における電圧検出端子70および接着層80を示す断面図である。
変形例2においては、接着層80によって負極集電体31bと電圧検出端子70とが接着された形態を示した。本発明はこの場合に限定されるものではなく、接着層80は、正極集電体31aおよび負極集電体31bのうちのいずれか一方の集電体31と電圧検出端子70とを接着すればよい。
したがって、図7に示すように、接着層80によって正極集電体31aと電圧検出端子70とを接着してもよい。
このように構成した場合にも、変形例2と同様の作用および効果を奏する。すなわち、電池要素11の外周が図中上下方向に移動することができるため、絶縁部材50に対する正極集電体31aまたは負極集電体31bの剥離がそもそも生じ難い。絶縁部材50に対する正極集電体31aの剥離が生じたとしても、電圧検出端子70は接着層80によって正極集電体31aに接着されているため、正極集電体31aが電圧検出端子70から剥がれることを抑えることができる。電圧検出端子70と正極集電体31aとの接触状態が変動せず、両者の接触抵抗が初期の状態から変化することがない。したがって、単セル20の電圧を安定して検出することが可能となる。
(変形例4)
図8は、変形例4に係る電池10における電圧検出端子70および接着層80を示す断面図である。
変形例4の電圧検出端子70は、変形例2と同様に、接着層80によって負極集電体31bと接着されている。電池要素11の外周において、電圧検出端子70と正極集電体31aとの間には微小な空間が生じている。そのため、変形例4の電圧検出端子70は、変形例2および変形例3の電圧検出端子70に比べて、単セル20の積層方向に沿う厚み寸法を大きくしている。
このように構成した場合にも、変形例2と同様の作用および効果を奏する。さらに、電圧検出端子70の厚みを厚くしても、電池10の高さ寸法が大きくなることはない。
10 双極型二次電池、
11 電池要素、
12 外装体、
20 単セル、
30 電極、
30a 正極、
30b 負極、
31 集電体、
31a 正極集電体、
31b 負極集電体、
32 電極活物質層、
32a 正極活物質層、
32b 負極活物質層、
35 双極型電極、
40 セパレータ、
50 絶縁部材、
60 外周部、
70 電圧検出端子、
71 リード線、
80 接着層、
110 絶縁部材、
120 電圧検出端子。

Claims (3)

  1. 正極集電体に正極活物質層が形成されてなる正極と、負極集電体に負極活物質層が形成されてなる負極と、前記正極と前記負極とによって挟持されたセパレータと、前記正極集電体と前記負極集電体との間において前記正極集電体と前記セパレータとの間に前記正極活物質層を封止し前記負極集電体と前記セパレータとの間に前記負極活物質層を封止する絶縁部材とを備える単セルを積層した電池要素と、
    前記電池要素の外周において、前記正極集電体の表裏両面のうち前記絶縁部材に接しない側の表面と、前記負極集電体の表裏両面のうち前記絶縁部材に接しない側の表面との間に配置され、前記単セルの電圧を検出するための電圧検出端子と、
    前記正極集電体および前記負極集電体のうちのいずれか一方の集電体と前記電圧検出端子とを接着する接着層と、を有し、
    前記絶縁部材は、前記単セルを積層する積層方向の断面においてT字形状を有し、前記正極活物質層および前記負極活物質層に向かい合う側である内方部位における前記積層方向に沿う厚さが、前記単セルの外方側である外方部位における前記積層方向に沿う厚さよりも厚く、前記内方部位と前記外方部位との間に角部を有し、
    前記電圧検出端子は、電池が膨張していない状態において前記絶縁部材の前記角部に沿うように存在してなる、双極型二次電池。
  2. 前記正極集電体および前記負極集電体が樹脂集電体である、請求項1に記載の双極型二次電池。
  3. 前記正極活物質層および前記負極活物質層が電解液を含んでいる、請求項1または請求項2に記載の双極型二次電池。
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