JP7189267B2 - 成形条件設定方法及び射出成形機 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の成形方式により成形を行う射出成形機における成形条件を設定する際に用いて好適な成形条件設定方法及び射出成形機に関する。
従来、一般に広く知られている射出成形方法は、型締装置により所定の型締力で型締された固定型と可動型からなる金型に対して、射出装置により所定の射出圧力で樹脂を射出充填することにより成形を行うが、このような一般的な射出成形方法は、基本的に、型締装置の型締条件を固定条件として設定し、これに基づいて、射出装置の射出条件を設定するため、射出条件を正確かつ的確に設定した場合であっても、金型に充填された樹脂は、金型や型締機構における温度変動等の影響を受けるとともに、最終的な成形品の品質及び均質性も影響を受けやすい難点がある。また、成形条件は、主に射出装置側で設定するため、射出速度,速度切換位置,速度圧力切換位置,射出圧力,保圧力等の正確性の要求される射出条件をはじめ、正確な計量が要求される計量値等の計量条件を含む各種成形条件を設定する必要があり、成形条件に対する設定作業が容易でないとともに、成形時における動作制御も煩雑化し、しかも、通常、射出速度に対する多段の制御や保圧に対する制御などの一連の制御が行われるため、成形サイクル時間が長くなる傾向があり、成形サイクル時間の短縮化、更には量産性を高めるには限界があった。
そこで、本出願人は、既に、これらの問題を解消する好適な射出成形機の成形方法を特許文献1により提案した。同文献1の成形方法は、成形品の高度の品質及び均質性を確保するとともに、成形条件の設定の容易化、更には成形サイクル時間の短縮により量産性を高めることを目的としたものであり、具体的には、型締装置として少なくとも金型内の樹脂の固化に伴って樹脂の自然圧縮が可能となる型締装置を使用し、予め、射出充填時に可動型と固定型間に所定の型隙間が生じ、かつ良品成形可能な成形射出圧力と成形型締力を求めて設定するとともに、生産時に、成形型締力により型締装置を型締し、かつ成形射出圧力をリミット圧力として設定し、射出装置を駆動して金型に対する樹脂の射出充填を行った後、所定の冷却時間の経過後に成形品の取出しを行うようにしたものである。
国際公開WO2011/161899号公報
しかし、上述した特許文献1における射出成形機の成形方法は、次のような解決すべき課題も残されていた。
第一に、射出充填時に可動型と固定型間に所定の型隙間を生じさせるとともに、良品成形可能な成形射出圧力と成形型締力を求めて設定するため、成形条件の設定に際して、成形射出圧力及び成形型締力等の設定値と、この設定値に対応して発生する型隙間の関係を確認しながら設定する必要があるとともに、これらの動作物理量の大きさは、成形機コントローラに付属するディスプレイに、モニタリング波形としてグラフィック表示される。このため、経験者にとっては、比較的容易に成形条件の設定ができるとしても、初心者にとっては設定しにくいという解決すべき課題も存在した。
第二に、成形条件を設定する経験者であっても、予め、試し成形を行うことにより成形射出圧力と成形型締力を求める工程が必要になるなど、短時間に効率的に設定を行う観点からは必ずしも十分であるとは言えないとともに、成形条件の微調整を最適化し、より的確な成形条件の設定を行う観点からも更なる改善すべき課題が残されていた。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した成形条件設定方法及び射出成形機の提供を目的とするものである。
本発明に係る成形条件設定方法は、上述した課題を解決するため、少なくとも金型C内の樹脂Rの固化に伴って樹脂Rの自然圧縮が可能となる型締装置Mcを使用し、少なくとも、樹脂Rの射出充填時に、可動型Cmと固定型Cc間に所定の型隙間Lcが生じる成形型締力Pc及びリミット圧力Psとなる成形射出圧力Piを含む成形条件を設定するに際し、予め、時間tに対する型隙間Lcの変化特性を有する型開パターンXpとしてグラフィック表示する型開パターン表示部2p,及びこの型開パターンXpを変形させる少なくとも一つの変形操作部3c…を有するパターン操作機能部3を設けるとともに、この変形操作部3c…の操作量Lck…,グラフィック表示された型開パターンXpの変形量及び少なくとも一つの動作物理量を紐付けした成形条件変換処理部4を設け、成形条件の設定時に、型開パターン表示部2pに、型開パターンXpをグラフィック表示し、変形操作部3c…の操作量Lck…に対応した変形量により型開パターンXpを変形させるとともに、成形条件変換処理機能部4により、型開パターンXpの変形量に対応する少なくとも一つの動作物理量を求め、この動作物理量に基づいて型開パターンXpの基礎となる動作物理量を修正し、修正した動作物理量により成形条件の設定を行うことを特徴とする。
一方、本発明に係る射出成形機Mは、上述した課題を解決するため、少なくとも金型C内の樹脂Rの固化に伴って樹脂Rの自然圧縮が可能となる型締装置Mcと、少なくとも、樹脂Rの射出充填時に、可動型Cmと固定型Cc間に所定の型隙間Lcが生じる成形型締力Pc及びリミット圧力Psとなる成形射出圧力Piを含む成形条件を設定する成形機コントローラMsとを備えてなる射出成形機を構成するに際して、時間tに対する型隙間Lcの変化特性を有する型開パターンXpとしてグラフィック表示する型開パターン表示部2p,及びこの型開パターンXpを変形させる少なくとも一つの変形操作部3c…をディスプレイ2に表示するパターン操作機能部3を設けるとともに、変形操作部3c…の操作量Lck…,グラフィック表示された型開パターンXpの変形量,及び少なくとも一つの動作物理量を紐付けした成形条件変換処理機能部4を設け、成形条件の設定時に、型開パターン表示部2pに、型開パターンXpをグラフィック表示し、変形操作部3c…の操作量Lck…に対応した変形量により型開パターンXpを変形させるとともに、成形条件変換処理機能部4により、型開パターンXpの変形量に対応する少なくとも一つの動作物理量を求め、この動作物理量に基づいて型開パターンXpの基礎となる動作物理量を修正し、修正した動作物理量により成形条件の設定を行う成形機コントローラMsを備えることを特徴とする。
また、本発明は好適な態様により、変形操作部3c…には、型開パターンXpの型隙間Lcの型開量Ac,型開パターンXpの型隙間Lcの型開期間At,型開パターンXpの型隙間Lcの型開タイミングAs,型開パターンXpの型隙間Lcの型閉タイミングAeの一又は二以上を変形させる機能を持たせることができるとともに、型開量Acには、動作物理量として、少なくとも、型締力,射出圧力,射出速度,射出時間の一又は二以上に紐付けし、型開期間Atには、動作物理量として、少なくとも、射出圧力,型締力,射出速度,樹脂温度の一又は二以上に紐付けし、型開タイミングAsには、動作物理量として、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上に紐付けし、型閉タイミングAeには、動作物理量として、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上に紐付けすることができる。他方、成形条件の設定時に型開パターン表示部2pに表示する型開パターンXpは、試し成形後に設定される暫定的な型開パターンXpを用いてもよいし、過去の成形履歴データ又はシミュレーシン作成データに基づいて設定される暫定的な型開パターンXpを用いてもよい。さらに、パターン操作機能部3は、ディスプレイ2に表示された操作キーKc,Kt,Ks,Keのスライド操作により、型開パターンXpを変形させるタッチパネル2tを用いて構成することができ、具体的には、型開パターンXpの型隙間Lcの型開量Acを操作キーKcにより変形させる第一変形操作部3c,型開パターンXpの型隙間Lcの型開期間Atを操作キーKtにより変形させる第二変形操作部3t,型開パターンXpの型隙間Lcの型開タイミングAsを操作キーKsにより変形させる第三変形操作部3s,型開パターンXpの型隙間Lcの型閉タイミングAeを操作キーKeにより変形させる第四変形操作部3eの一又は二以上を含ませることができる。
このような本発明に係る成形条件設定方法及び射出成形機Mによれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 成形条件の設定時に、型開パターン表示部2pに、型開パターンXpをグラフィック表示し、変形操作部3c…の操作量Lck…に対応した変形量により型開パターンXpを変形させるとともに、成形条件変換処理機能部4により、型開パターンXpの変形量に対応する少なくとも一つの動作物理量を求め、この動作物理量に基づいて型開パターンXpの基礎となる動作物理量を修正し、修正した動作物理量により成形条件を設定するようにしたため、初心者であっても比較的容易に成形条件の設定ができることに加え、経験者であっても短時間かつ効率的に成形条件を設定できるとともに、成形条件の微調整を最適化し、より的確な成形条件を設定できる。
(2) 好適な態様により、変形操作部3c…に、型開パターンXpの型隙間Lcの型開量Ac,型開パターンXpの型隙間Lcの型開期間At,型開パターンXpの型隙間Lcの型開タイミングAs,型開パターンXpの型隙間Lcの型閉タイミングAeの一又は二以上を変形させる機能を持たせれば、一つの山形形状となる型開パターンXpにおけるほとんどの部位を変形可能になるため、各変形操作部3c…の使い分け及び組合わせにより、型開パターンXpにおける十分な範囲及び細部の調整をカバーできる。
(3) 好適な態様により、型開量Acに対して、少なくとも、型締力,射出圧力,射出速度,射出時間の一又は二以上の動作物理量を紐付けするようにすれば、型開量Acと動作物理量の十分な相関を有する紐付けが可能になるため、型開量Acに対する精度の高い調整を行うことができる。
(4) 好適な態様により、型開期間Atに対して、少なくとも、射出圧力,型締力,射出速度,樹脂温度の一又は二以上の動作物理量を紐付けするようにすれば、型開期間Atと動作物理量の十分な相関を有する紐付けが可能になるため、型開期間Atに対する精度の高い調整を行うことができる。
(5) 好適な態様により、型開タイミングAsに対して、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上の動作物理量を紐付けするようにすれば、型開タイミングAsと動作物理量の十分な相関を有する紐付けが可能になるため、型開タイミングAsに対する精度の高い調整を行うことができる。
(6) 好適な態様により、型閉タイミングAeに対して、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上の動作物理量を紐付けするようにすれば、型閉タイミングAeと動作物理量の十分な相関を有する紐付けが可能になるため、型閉タイミングAeに対する精度の高い調整を行うことができる。
(7) 好適な態様により、成形条件の設定時に型開パターン表示部2pに表示する型開パターンXpに、試し成形後に設定される型開パターンXpを、暫定的な型開パターンXpとして用いれば、射出成形機Mにより生産を開始する前に行う成形条件の設定工程で得られる型開パターンXpを、そのまま利用できるため、型開パターンXpに対する微調整により、成形条件の更なる最適化を図ることができる。
(8) 好適な態様により、成形条件の設定時に型開パターン表示部2pに表示する型開パターンXpに、過去の成形履歴データ又はシミュレーシン作成データに基づいて設定された型開パターンXpを暫定的な型開パターンXpとして用いれば、生産開始前に行う成形条件の設定工程を省略できるため、成形条件を設定する際における迅速化及び効率化を図れるとともに、ビッグデータやAI(人工知能)により利用することにより、成形条件の更なる最適化に寄与できる。
(9) 好適な態様により、パターン操作機能部3を構成するに際し、ディスプレイ2に表示された操作キーKc,Kt,Ks,Keのスライド操作により、型開パターンXpを変形させるタッチパネル2tを用いて構成すれば、オペレータが所定の操作キーKc…をスライド操作するのみで、その操作量に対応して型開パターンXpの所定の部位を変形させて調整できるため、視覚的かつ感覚的な観点から成形条件の設定に係わる動作物理量の変更を容易に行うことができる。
(10) 好適な態様により、パターン操作機能部3を構成するに際し、型開パターンXpの型隙間Lcの型開量Acを変形させる第一変形操作部3c,型開パターンXpの型隙間Lcの型開期間Atを変形させる第二変形操作部3t,型開パターンXpの型隙間Lcの型開タイミングAsを変形させる第三変形操作部3s,型開パターンXpの型隙間Lcの型閉タイミングAeを変形させる第四変形操作部3eの一又は二以上を含ませれば、型開パターンXpと各変形操作部3c…を視覚的に関連付けることが可能になるため、各変形操作部3c…の使い分け及び組合わせにより細部の調整も容易かつ効率的に行うことができる。
本発明の好適実施形態に係る射出成形機のディスプレイの設定画面図及びこの設定画面図に表示される型開パターン表示部の抽出拡大図、 同射出成形機の全体構成図、 同射出成形機の制御系のブロック系統図、 本発明の好適実施形態に係る成形条件設定方法の処理手順を説明するためのフローチャート、 同成形条件設定方法における第一変形操作部の操作量により変形される型開パターンの作用説明図、 同成形条件設定方法における第二変形操作部の操作量により変形される型開パターンの作用説明図、 同成形条件設定方法における第三変形操作部の操作量により変形される型開パターンの作用説明図、 同成形条件設定方法における第四変形操作部の操作量により変形される型開パターンの作用説明図、 同成形条件設定方法における変形操作部の操作量により紐付けされる動作物理量の関係図、 同成形条件設定方法の変更例に係る処理手順を説明するためのフローチャート、 同成形条件設定方法を利用できる成形方法における試し成形時の処理手順を説明するためのフローチャート、 同成形条件設定方法を利用できる成形方法により成形する際の処理を説明するための型締力に対する成形品の良否結果を示すデータグラフ、 同射出成形機の成形時における時間に対する射出圧力,射出速度及び型隙間の変化特性図、 同成形条件設定方法を利用できる成形方法の生産時の処理手順を説明するためのフローチャート、 同射出成形機における金型の状態を示す模式図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る成形条件設定方法の理解を容易にするため、同成形条件設定方法を実施できる射出成形機Mについて、図1-図3,及び図11-図15を参照して説明する。
最初に、射出成形機Mの機械系の構成について説明する。図2に示すように、射出成形機Mは、射出装置Miと型締装置Mcを備える。射出装置Miは、前端に射出ノズル21nを、後部にホッパ21hをそれぞれ有する加熱筒21を備え、この加熱筒21の内部にスクリュ22を挿入するとともに、加熱筒21の後端にスクリュ駆動部23を配設する。スクリュ駆動部23は、片ロッドタイプの射出ラム24rを内蔵する射出シリンダ(油圧シリンダ)24を備え、射出シリンダ24の前方に突出するラムロッド24rsはスクリュ22の後端に結合するとともに、射出ラム24rの後端には、射出シリンダ24に取付けた計量モータ(オイルモータ)25のシャフトがスプライン結合する。
一方、型締装置Mcには、少なくとも金型Cの内部の樹脂R(図15参照)の固化に伴って樹脂Rに対する自然圧縮が可能となる型締装置を使用する。例示の型締装置Mcは、型締シリンダ(油圧シリンダ)30の駆動ラム30pにより可動型Cmを変位させる直圧方式の油圧式型締装置である。このような直圧方式の油圧式型締装置を用いれば、型締装置Mc自身の油圧挙動を直接利用して、金型C内の樹脂Rに対する自然圧縮を行わせることができるため、良好な自然圧縮を確実に実行できるとともに、制御の容易化にも寄与できる。
例示する型締装置Mcは、型締シリンダ30に対して離間して配し、かつ位置が固定された固定盤31と、この固定盤31と型締シリンダ30間に架設した複数(四本)のタイバー32…と、このタイバー32…にスライド自在に装填した可動盤33を備え、この可動盤33に、型締シリンダ30から前方に突出したラムロッド30psの先端を固定する。そして、可動盤33に可動型Cmを取付け、固定盤31に固定型Ccを取付ける。この固定型Ccと可動型Cmは金型Cを構成する。これにより、型締シリンダ30は金型Cに対する型開閉及び型締を行うことができる。
他方、35は油圧回路であり、油圧駆動源となる可変吐出型油圧ポンプ36及びバルブ回路37を備える。油圧ポンプ36は、この油圧ポンプ部36を回転駆動するサーボモータ39を備える。40はサーボモータ39の回転数を検出するロータリエンコーダを示す。また、油圧ポンプ部36は、斜板型ピストンポンプにより構成するポンプ機体41を内蔵する。したがって、油圧ポンプ部36は、斜板の傾斜角(斜板角)を大きくすれば、ポンプピストンのストロークが大きくなり、吐出流量が増加するとともに、斜板角を小さくすれば、同ポンプピストンのストロークが小さくなり、吐出流量が減少する。したがって、斜板角を所定の角度に設定することにより、吐出流量(最大容量)が所定の大きさに固定される固定吐出流量を設定することができる。油圧ポンプ部36の吸入口は、オイルタンク41tに接続し、かつ油圧ポンプ部36の吐出口は、バルブ回路37の一次側に接続するとともに、バルブ回路37の二次側は、射出成形機Mにおける射出シリンダ24,計量モータ25及び型締シリンダ30等ヲ含む各油圧アクチュエータに接続する。したがって、バルブ回路37には、射出シリンダ24,計量モータ25及び型締シリンダ30等にそれぞれ接続する切換バルブ(電磁バルブ)を備えている。なお、各切換バルブは、それぞれ一又は二以上のバルブ部品をはじめ、必要な付属油圧部品等により構成され、少なくとも、射出シリンダ24,計量モータ25及び型締シリンダ30等に対する作動油の供給,停止,排出に係わる切換機能を有している。
これにより、サーボモータ39の回転数を可変制御すれば、可変吐出型油圧ポンプ36の吐出流量及び吐出圧力を可変でき、これに基づいて、上述した射出シリンダ24,計量モータ25及び型締シリンダ30等に対する駆動制御を行うことができるとともに、成形サイクルにおける各動作工程の制御を行うことができる。このような可変吐出型油圧ポンプ36を使用すれば、ポンプ容量を所定の大きさの固定吐出流量(最大容量)に設定できるとともに、固定吐出流量を基本として吐出流量及び吐出圧力を可変できるため、制御系による制御を容易かつ円滑に実施できる。
次に、射出成形機Mの制御系の構成について説明する。制御系の主要部には図2及び図3に示す成形機コントローラMsを備える。この成形機コントローラMsには、コントローラ本体51を備える。コントローラ本体51は、CPU及び内部メモリ等のハードウェアを内蔵するコンピュータ機能を備えている。したがって、内部メモリには、各種演算処理及びシーケンス制御処理を含む各種制御処理を実行するため制御プログラム(ソフトウェア)51pを格納するとともに、データベースFdや各種データ類を記憶可能なデータメモリ51mが含まれる。
特に、データメモリ51mには、過去の成形履歴データ又はシミュレーシン作成データに基づいて設定された型開パターンXpを登録した型開パターンファイルFfを含むとともに、制御プログラム51pには、本実施形態に係る成形条件設定方法を実行するための制御プログラムが含まれ、CPU及び内部メモリ等のハードウェアを駆動するとともに、後述するディスプレイ2とともに、同成形条件設定方法を実行する各種機能を備える。即ち、成形機コントローラMsは、ディスプレイ2に、時間tに対する型隙間Lcの変化特性を有する型開パターンXpとしてグラフィック表示する型開パターン表示部2p,及びこの型開パターンXpを変形させる少なくとも一つの変形操作部3c…を表示するパターン操作機能部3を備えるとともに、後述する変形操作部3c…の操作量Lck…,グラフィック表示された型開パターンXpの変形量,及び少なくとも一つの動作物理量を紐付けした成形条件変換処理機能部4を備える。この成形条件変換処理機能部4は、成形条件の設定時にディスプレイ2の型開パターン表示部2pに、型開パターンXpをグラフィック表示し、変形操作部3c…の操作量Lck…に対応した変形量により型開パターンXpを変形させるとともに、成形条件変換処理機能部4により、型開パターンXpの変形量に対応する少なくとも一つの動作物理量を求め、この動作物理量に基づいて型開パターンXpの基礎となる動作物理量を修正し、修正した動作物理量により成形条件の設定を行う機能を実現する。これらの各機能の具体的な内容は後述する。
また、成形機コントローラMsには、図1-図3に示すディスプレイ2が付属する。ディスプレイ2は、ディスプレイ本体2m及びこのディスプレイ本体2mに付設したタッチパネル2tを備え、このディスプレイ本体2m及びタッチパネル2tは表示インタフェース53を介してコントローラ本体51に接続する。したがって、このタッチパネル2tにより各種設定操作及び選択操作等を行うことができる。このディスプレイ2は、各種表示を行う機能を備えるとともに、特に、本実施形態に係る成形条件設定方法において使用する図1に示す型開パターン表示部2pとして機能する。図1は、射出及び計量に係わる設定画面Vsを示しており、この設定画面Vsの一部に、波形表示部Vsgを備えるため、この波形表示部Vsgが型開パターン表示部2pとして機能(兼用)する。なお、型開パターン表示部2pは、設定画面Vs上に、別途、ウィンドウ表示しても勿論よい。波形表示部Vsgは型隙間Lcの時間的な変化をグラフィック表示する機能を備えるため、少なくとも金型Cへの射出開始時から金型Cの冷却終了(冷却時間終了)までの、後述する型位置検出器62により検出した型隙間Lcの変化特性、即ち、型開パターンXpを表示することができる。波形表示部Vsgは、横軸が、時間〔秒〕軸となり、縦軸が型隙間Lc〔mm〕となる。型開パターンXpにおいて、Acは型開量、Atは型開時間、Asは型開タイミング、Aeは型閉タイミングをそれぞれ示す。
さらに、成形機コントローラMsには、図3に示すサーボアンプ52が付属する。このサーボアンプ52の出力部には、上述したサーボモータ39を接続するとともに、サーボアンプ52のエンコーダパルス入力部にはロータリエンコーダ40を接続する。また、サーボアンプ52には、コントローラ本体51から、成形射出圧力Pi(リミット圧力Ps)及び成形型締力Pcが付与されるとともに、内蔵する速度リミッタには速度限界値VLが付与される。そして、サーボアンプ52から出力するモータ駆動電流がサーボモータ39に供給され、サーボモータ39が駆動される。なお、ロータリエンコーダ40から得るエンコーダパルスは、サーボアンプ52に付与され、回転速度に対するマイナループのフィードバック制御が行われる。
一方、金型Cの外側面には型位置検出器62を付設し、この型位置検出器62はコントローラ本体51に接続する。型位置検出器62は、可動型Cmと固定型Ccの相対位置による型隙間Lcの大きさ、即ち、型開量Asを検出する機能を備える。また、油圧回路35におけるバルブ回路37の一次側には、油圧を検出する圧力センサ42を付設するとともに、油温を検出する温度センサ43を付設する。そして、型位置検出器62,圧力センサ42及び温度センサ43は、それぞれ成形機コントローラMsのセンサポートに接続する。さらに、図2に示すように、成形機コントローラMsの制御信号出力ポートには上述したバルブ回路37を接続する。
次に、射出成形機Mを用いた具体的な射出成形方法について、図11~図15を参照して説明する。なお、この射出成形方法は、基本的に、本出願人が既に提案した前述のWO2011/161899号公報記載の成形方法となる。
成形に際しては、最初に、基本的な成形条件の設定を行う。まず、射出装置Mi側おける射出圧力を初期設定する(ステップS31)。このときの射出圧力は、射出装置Miの能力(駆動力)に基づく射出圧力を設定できる。この場合の射出圧力は、絶対値として正確に求める必要がないため、射出シリンダ21に接続した油圧回路35における圧力センサ42により検出した油圧の大きさを用いてもよいし、演算により変換した射出圧力を用いてもよい。
また、型締装置Mc側における型締力を初期設定する(ステップS32)。このときの型締力は、型締装置Mcの能力(駆動力)に基づく型締力を設定できる。この場合の型締力も、絶対値として正確に求める必要がないため、型締シリンダ30に接続した油圧回路35における圧力センサ42により検出した油圧の大きさを用いてもよいし、演算により変換した型締力を用いてもよい。
なお、油圧回路35は、型締時に、バルブ回路37により型締装置Mc側に切換えられ、型締装置Mc側の油圧回路として機能するとともに、射出時に、バルブ回路37により射出装置Mi側に切換えられ、射出装置Mi側の油圧回路として機能する。射出圧力及び型締力を求める際に、油圧回路35における油圧を用いれば、後述する成形型締力Pc及び成形射出圧力Piに係わる設定を容易に行うことができる。そして、初期設定した射出圧力に対して最適化処理を行うことにより生産時に用いる成形射出圧力Piを求めるとともに、初期設定した型締力に対して最適化処理を行うことにより生産時に用いる成形型締力Pcを求める(ステップS33,S34)。
型締力及び射出圧力を最適化する方法の一例を図12を参照して説明する。まず、初期設定した型締力及び射出圧力を用いて試し成形を行う。具体的には、不図示の成形開始キーをONすれば、型締動作が行われ、初期設定した条件により、金型Cによる試し成形が行われる。例示の場合、初期設定した型締力は40〔kN〕である。初期設定した型締力(40〔kN〕)及び射出圧力を用いた試し成形の結果の一例を図12に示す。
また、図13に仮想線で示すLcは型隙間、即ち、型開量Asの大きさを表している。この型開量Asの大きさは、射出充填中においては徐々に大きくなるとともに、射出充填が終了すれば、樹脂の冷却が行われ、型締装置Mcによる自然圧縮作用により徐々に小さくなる。したがって、型開量Asの大きさが適切な範囲にあれば、ガス抜き及び樹脂Rの圧縮(自然圧縮)が良好に行われるとともに、冷却後には適切な範囲の隙間(残留隙間Lcr)が発生する。本実施形態に係る成形条件設定方法では、この型開量Asの大きさの変化を型開パターンXpとして利用する。なお、図13中、Vdは実際の射出速度、Pdは実際の射出圧力を示す。
一方、図13を参照すれば、型締力が40〔kN〕のときは、型開量Asが0であり、また、残留隙間も0である。この場合、型開量Asは、射出充填時に発生する最大の開量になるとともに、残留隙間は、射出充填後、所定の冷却期間を経過したときの残留した開量となる。型締力が40〔kN〕は、大きめの値となるため、バリは発生しないレベル0(最良)にあるとともに、ヒケはレベル4(不良)、ソリはレベル3(稍不良)、ガス抜きに関してはレベル3(稍不良)であることを示している。そして、この後は、型締力の大きさ及び射出圧力の大きさを、図13に示すように、段階的に低下させ、それぞれの段階で試し成形を行うことにより、固定型Ccと移動型Cm間の型間量と残留隙間を測定するとともに、成形品G(図15(c)参照)の良否状態を観察する(ステップS35,S36)。
なお、図13には、射出圧力のデータはないが、射出圧力の最適化は、射出充填時に移動型Cmと固定型Cc間に型間量Lcが生じ、かつ良品成形可能となることを条件に、設定し得る最小値又はその近傍の値を成形射出圧力Piとすることができる。具体的には、図13に示すように、型締力を低下させた際に、適宜、射出圧力も低下させ、樹脂Rが金型Cに対して正常に充填しなくなる手前の大きさを選択できる。そして、求めた成形射出圧力Piは生産時の射出圧力に対するリミッタ圧力Psとして設定する(ステップS37)。図13に示す結果によれば、範囲Zuにおける14,15,16〔kN〕の型締力のとき、型間量Lcは、良好とされる0.03~0.20〔mm〕の範囲を満たしている。また、バリ,ヒケ及びソリのいずれの不良も発生しないレベル0(最良)であるとともに、ガス抜きもレベル0(最良)となり、良品成形品を得るという条件を満たしている。したがって、成形型締力Pcは、三つの型締力14,15,16〔kN〕から選択し、選択した型締力は、生産時に金型Cで型締を行う際の成形型締力Pcとして設定することができる(ステップS38)。
さらに、図13の場合、バリは、成形品取出後に除去することができるとともに、少しのバリがあっても良品として使用できる場合も少なくないため、図13に、レベル1(良)やレベル2(普通)で示す低度のバリ発生は、即不良品となるわけではない。したがって、図13に示すデータを考慮すれば、成形品の種類等によっては、仮想線で示す範囲Zusにおける型締力12,13〔kN〕の選択も可能である。なお、図13は、成形型締力Pcと成形射出圧力Piを設定するための説明用データである。したがって、実際の設定に際しては、例えば、型締力を、40,30,20,10等のように、数回程度の変更実施により目的の成形型締力Pc及び成形射出圧力Piを求めることができる。この場合、型締力及び射出圧力の大きさは、オペレータが任意に設定してもよいし、射出成形機Mに備えるオートチューニング機能等を併用しつつ自動又は半自動により求めてもよい。オートチューニング機能を利用した場合には、バリが発生する直前の型締力を容易に求めることができる。
一方、射出装置Miの射出速度に対する速度限界値VLを設定する(ステップS39)。この速度限界値VLは、必ずしも設定する必要はないが、設定することにより、万が一、射出速度Vdが過度に速くなった場合でも、金型Cや射出スクリュ等に対して機械的な保護を図ることができる。したがって、速度限界値VLには、金型Cや射出スクリュ等に対して機械的な保護を図ることができる大きさを設定する。その他、必要事項があれば、その設定を行う(ステップS40)。
以上により、基本的な成形条件が得られる。ところで、前述したように、この実施形態で示す射出成形方法は、射出充填時に可動型Cmと固定型Cc間に所定の型隙間Lcを生じさせるとともに、良品成形可能な成形射出圧力Piと成形型締力Pcを求めて設定するため、成形条件の設定に際し、成形射出圧力Pi及び成形型締力Pc等の設定値と、この設定値に対応して発生する型隙間Lcの関係を確認しながら設定する必要があるとともに、これらの物理量の大きさは、成形機コントローラMsのディスプレイ2に、モニタリング波形としてグラフィック表示される。このため、初心者にとっては、条件の設定が容易でないとともに、経験者であっても、より容易かつ迅速に、的確な成形条件を設定することができないという課題も存在した。
本実施形態に係る成形条件設定方法は、上述した基本的な成形条件の設定を支援するためのものであり、得られた成形条件が暫定的な成形条件であっても、本実施形態に係る成形条件設定方法により、微調整をより容易に行うことができるとともに、全体の成形条件の設定を、より迅速かつ効率的に行うことができるようにしたものである。
次に、本実施形態に係る成形条件設定方法を実施できる射出成形機1の主要構成部分について、図1-図9を参照して説明する。
本実施形態に係る成形条件設定方法の実施に際しては、前述したディスプレイ2と成形機コントローラMsを使用する。ディスプレイ2は、図1に示すように、時間tに対する型隙間Lcの変化特性、即ち、型開パターンXpとしてグラフィック表示する型開パターン表示部2pを備えるとともに、この型開パターンXpを変形させる少なくとも一つの変形操作部3c…、例示は、四つの変形操作部3c,3t,3s,3eを備えるとともに、成形機コントローラMsには、型開パターン表示部2pの表示機能及び各変形操作部3c…の機能を実現するためのパターン操作機能部3を備える。
この場合、一つの変形操作部3cは、図1に示すように、タッチした操作キーKcをスライドさせることにより、型開パターンXpを変形させるタッチパネル2tを用いて構成することができる。また、他の変形操作部3t,3s,3eも変形操作部3cと同様に構成することができ、それぞれ型開パターンXpが表示される矩形の型開パターン表示部2pの四隅付近に配されるとともに、各操作キーKc…は、移動方向が型開パターンXpの変形方向に一致させることが望ましい。このように、パターン操作機能部3を構成するに際し、ディスプレイ2に表示された操作キーKc,Kt,Ks,Keのスライド操作により、型開パターンXpを変形させるタッチパネル2tを用いて構成すれば、オペレータが所定の操作キーKc…をスライド操作するのみで、その操作量に対応して型開パターンXpの所定の部位を変形させて調整できるため、視覚的かつ感覚的な観点から成形条件の設定に係わる動作物理量の変更を容易に行うことができる。
具体的には、図1及び図5に示すように、第一変形操作部3cは、型開パターンXpの型隙間Lcの型開量Acを変形させる機能を備え、図1に示すように、型開パターン表示部2pの右上に配置し、操作キーKcは縦方向にスライドできるようにする。図5は、操作キーKcを仮想線で示す上方位置Kcuにスライド移動、即ち、移動量Lckだけ移動させ、型開量Acのピーク位置を、仮想線で示す上方位置Acu(Xpu)へ変形させた例を示す。同様に、操作キーKcを仮想線で示す下方位置Kcdにスライド移動させれば、型開量Acのピーク位置を、仮想線で示す下方位置Acd(Xpd)に変形できる。
第二変形操作部3tは、変化パターXpの型隙間Lcの型開期間Atを変形させる機能を備え、図1に示すように、型開パターン表示部2pの左上に配置し、操作キーKtは横方向にスライドできるようにする。図6は、操作キーKtを仮想線で示す左方位置Ktpにスライド移動、即ち、移動量Ltkだけ移動させ、型開期間Atを仮想線で示す短い型開期間Atp(Xpp)に変形させた例を示す。同様に、操作キーKtを仮想線で示す右方位置Ktqにスライド移動させれば、型開期間Atを仮想線で示す長い型開期間Atq(Xpq)に変形できる。
第三変形操作部3sは、型開パターンXpの型隙間Lcの型開タイミングAsを変形させる機能を備え、図1に示すように、型開パターン表示部2pの右下に配置し、操作キーKsは横方向にスライドできるようにする。図7は、操作キーKsを仮想線で示す右方位置Ksqにスライド移動、即ち、移動量Lskだけ移動させ、型開タイミングAsを仮想線で示す早い型開タイミングAsf(Xpsf)に変形させた例を示す。同様に、操作キーKsを仮想線で示す左方位置Kspにスライド移動させれば、型開タイミングAsを仮想線で示す遅い型開タイミングAsr(Xpsr)に変形できる
第四変形操作部3eは、型開パターンXpの型隙間Lcの型閉タイミングAeを変形させる機能を備え、図1に示すように、型開パターン表示部2pの左下に配置し、操作キーKeは横方向にスライドできるようにする。図8は、操作キーKeを仮想線で示す右方位置Keqにスライド移動、即ち、移動量Lekだけ移動させ、型閉タイミングAeを仮想線で示す早い型閉タイミングAef(Xpef)に変形させた例を示す。同様に、操作キーKeを仮想線で示す左方位置Kepにスライド移動させれば、型閉タイミングAeを仮想線で示す遅い型閉タイミングAer(Xper)に変形できる。
このように、パターン操作機能部3を構成するに際し、型開パターンXpの型隙間Lcの型開量Acを変形させる第一変形操作部3c,型開パターンXpの型隙間Lcの型開期間Atを変形させる第二変形操作部3t,型開パターンXpの型隙間Lcの型開タイミングAsを変形させる第三変形操作部3s,型開パターンXpの型隙間Lcの型閉タイミングAeを変形させる第四変形操作部3eの一又は二以上を含ませれば、一つの山形形状となる型開パターンXpにおけるほとんどの部位を変形可能になるとともに、型開パターンXpと各変形操作部3c…を視覚的に関連付けることが可能になるため、各変形操作部3c…の使い分け及び組合わせにより、型開パターンXpにおける十分な範囲及び細部の調整をカバーできるとともに、容易かつ効率的に調整することができる。
一方、成形機コントローラMsは、各変形操作部3c,3t,3s,3eの各操作量Lck,Ltk,Lsk,Lekと、グラフィック表示された型開パターンXpの変形量と、複数(一般的には、少なくとも一つ)の動作物理量を紐付けした成形条件変換処理機能部4を備える。これにより、成形条件の設定時には、型開パターン表示部2pに、暫定的な型開パターンXpをグラフィック表示し、変形操作部3c…の操作量Lck…に対応した変形量により型開パターンXpを変形させるとともに、成形条件変換処理機能部4により、型開パターンXpの変形量Lcu…に対応する少なくとも一つの動作物理量を求め、この動作物理量に基づいて、型開パターンXpの基礎となる動作物理量を修正し、修正した動作物理量により成形条件の設定を行うことができる。
型開パターンXpの変形量と、複数の各動作物理量を紐付けは、図9に示すように設定できる。なお、図9中、優先度A,B,C…は、A側が優先度の順位が高いことを示す。型開量Acには、動作物理量として、少なくとも、型締力,射出圧力,射出速度,射出時間の一又は二以上に紐付けすることが望ましい。このように設定すれば、型開量Acと動作物理量の十分な相関を有する紐付けが可能になるため、型開量Acに対する精度の高い調整を行うことができる。その他、動作物理量としては、充填圧力段数,樹脂温度等を紐付けすることができる。
型開期間Atには、動作物理量として、少なくとも、射出圧力,型締力,射出速度,樹脂温度の一又は二以上に紐付けすることが望ましい。このように設定すれば、型開期間Atと動作物理量の十分な相関を有する紐付けが可能になるため、型開期間Atに対する精度の高い調整を行うことができる。その他、動作物理量としては、充填圧力段数,射出時間等の動作物理量を紐付けすることができる。
型開タイミングAsには、動作物理量として、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上に紐付けすることが望ましい。このように設定すれば、型開タイミングAsと動作物理量の十分な相関を有する紐付けが可能になるため、型開タイミングAsに対する精度の高い調整を行うことができる。その他、動作物理量としては、射出時間,樹脂温度等の動作物理量を紐付けすることができる。
型閉タイミングAeには、動作物理量として、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上に紐付けすることが望ましい。このように設定すれば、型閉タイミングAeと動作物理量の十分な相関を有する紐付けが可能になるため、型閉タイミングAeに対する精度の高い調整を行うことができる。その他、動作物理量としては、樹脂温度,射出時間等の動作物理量を紐付けすることができる。
したがって、成形条件変換処理機能部4は、例えば、変形操作部3cの操作量Lckが付与されれば、この操作量Lckに対応して紐付けされた変形量だけ、グラフィック表示された型開パターンXpが変形するとともに、この型開パターンXpの変形量に対応する動作物理量、即ち、型締力,射出圧力,射出速度,射出時間…が、予め設定されたデータテーブルFt読み出され、又は関数等の演算処理に求められ、得られた動作物理量に基づいて型開パターンXpの基礎となる動作物理量が修正される。データテーブルに登録されるデータは、予め実験等により求めることができるとともに、各データは、生産時に、ビッグデータとして収集され、AI(人工知能)機能により、最適データに更新される。
次に、本実施形態に係る成形条件設定方法について、各図を参照しつつ図4に示すフローチャートに従って説明する。
本実施形態に係る成形条件設定方法では、最初に、暫定的な成形条件の設定を行う(ステップS1)。この場合、暫定的な成形条件には、前述した図11に基づくステップS31-S40により得られる成形条件、即ち、最適化されていない暫定的な成形条件を利用できる。
この場合、成形品の種類等によっては、型開量Acをもう少し大きくしたい、或いは型閉タイミングAeをもう少し早めたいなどの微調整を実施したい場合も少なくない。この際、従来では、射出圧力Piを少し高めるなど、型開量Acの大きさを左右する動作物理量をマニュアルにより変更した後に、再度、試し成形を行って確認する必要があったが、本実施形態に係る成形条件設定方法を用いることにより、この段階の微調整を容易に行うことができる。
以下、具体的な処理手順について説明する。まず、図1に示す設定画面Vsにおいて、成形条件調整モードを選択する(ステップS2)。これにより、図1に示す波形表示部Vsg(又はウィンドウ画面)に、型開パターンXpが表示されるとともに、暫定的な成形条件に基づく型開パターンXpが表示される(ステップS3)。このときの型開パターンXpは、図13に示した型隙間Lc(型開量Ac)の変化グラフと同じになる。この状態を図1に示す。
一方、オペレータは、各変形操作部3c,3t,3s,3eを操作して型開パターンXpを変形させる。今、一例として、型開量Acをもう少し広げたい場合を想定する。この場合、図1に示す変形操作部3cを選択し、図5に示す操作キーKcをタッチして上方向へスライド操作させる(ステップS4)。これにより、この操作量Lckは、成形条件変換処理機能部4に付与され、成形条件変換処理機能部4からは、この操作量Lckに対応した変形量Lcuに係わるデータと動作物理量に係わるデータが出力する(ステップS5)。そして、変形量Lcuに対応して、グラフィック表示された型開パターンXpが変形する(ステップS6)。また、この変形量Lcuに対応した動作物理量が出力し、型開パターンXpの基礎となる複数の動作物理量が修正される(ステップS7)。
この場合、図9に示すように、型開量Acを増加させるための型締力の低下,射出圧力を増加,射出速度の上昇,射出時間を長くする等の修正が行われる。以上、型開量Acについて説明したが、他の型開時間At,型開タイミングAs,型閉タイミングAeについても、型開パターンXpを目視により確認しながら変形操作することができる(ステップS8,S4…)。
そして、以上の微調整により型開パターンXpを最適化、即ち、成形条件を最適化したなら、得られた成形条件により試し成形を行い、成形条件の確認を行う(ステップS9)。この際、更に微調整の必要がある場合には。同様の調整操作を行う(ステップS10,S4…)。一方、良好な成形が行われたことを確認したなら成形条件を確定させる(ステップS10,S11)。このように、成形条件の設定時に型開パターン表示部2pに表示する型開パターンXpに、試し成形後に設定される型開パターンXpを、暫定的な型開パターンXpとして用いれば、射出成形機Mにより生産を開始する前に行う成形条件の設定工程で得られる型開パターンXpを、そのまま利用できるため、型開パターンXpに対する微調整により、成形条件の更なる最適化を図ることができる。
他方、暫定的な型開パターンXpとして、過去の成形履歴データ又はシミュレーシン作成データ等が登録された型開パターンファイルFfの型開パターンXpを利用することも可能である。
図10は、この場合の処理手順のフローチャートを変更例として示す。なお、図10において、図4と同一ステップについては、同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
まず、生産を行う成形品に類似する成形品タイプを選択する(ステップS21)。これにより、型開パターンファイルFfから選択した型開パターンXpが読み出される(ステップS22)。そして、読み出された型開パターンXpは、暫定的な型開パターンXpとして、型開パターン表示部2pに表示される(ステップS23)。表示された型開パターンXpを確認し、微調整の必要がない場合には、そのまま使用する成形条件として確定することもできる(ステップS24,S11)。これに対して、微調整を行う場合には、図1に示す設定画面Vsにおいて、成形条件調整モードを選択する(ステップS2)。これにより、型開パターン表示部2pに表示された型開パターンXpを確認しながら、型開パターンXpの調整処理(ステップSD)、即ち、図4に示したステップS4-S8と同様の調整処理、さらには、図4に示したステップS9-S11と同様の処理を行うことができる。
このように、成形条件の設定時に型開パターン表示部2pに表示する型開パターンXpに、過去の成形履歴データ又はシミュレーシン作成データに基づいて設定された型開パターンXpを暫定的な型開パターンXpとして用いれば、生産開始前に行う成形条件の設定工程を省略できるため、成形条件を設定する際における迅速化及び効率化を図れるとともに、ビッグデータやAI(人工知能)により利用することにより、成形条件の更なる最適化に寄与できる。
よって、このような本実施形態に係る成形条件設定方法(射出成形機M)によれば、基本的な手法として、少なくとも金型C内の樹脂Rの固化に伴って樹脂Rの自然圧縮が可能となる型締装置Mcを使用し、少なくとも、樹脂Rの射出充填時に、可動型Cmと固定型Cc間に所定の型隙間Lcが生じる成形型締力Pc及びリミット圧力Psとなる成形射出圧力Piを含む成形条件を設定するに際し、予め、時間tに対する型隙間Lcの変化特性を有する型開パターンXpとしてグラフィック表示する型開パターン表示部2p,及びこの型開パターンXpを変形させる複数の変形操作部3c…を有するパターン操作機能部3を設けるとともに、この変形操作部3c…の操作量Lck…,グラフィック表示された型開パターンXpの変形量及び複数の動作物理量を紐付けした成形条件変換処理部4を設け、成形条件の設定時に、型開パターン表示部2pに、型開パターンXpをグラフィック表示し、変形操作部3c…の操作量Lck…に対応した変形量により型開パターンXpを変形させるとともに、成形条件変換処理機能部4により、型開パターンXpの変形量に対応する複数の動作物理量を求め、この動作物理量に基づいて型開パターンXpの基礎となる動作物理量を修正し、修正した動作物理量により成形条件の設定を行うようにしたため、初心者であっても比較的容易に成形条件の設定ができることに加え、経験者であっても短時間かつ効率的に成形条件を設定できるとともに、成形条件の微調整を最適化し、より的確な成形条件を設定できる。
そして、このように設定された成形条件を用いることにより、次のような成形処理を行うことができる。以下、生産時における成形処理手順について、図15を参照しつつ図14に示すフローチャートに従って説明する。
まず、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、射出装置Miの計量モータ25を駆動し、樹脂Rを可塑化して射出準備を行う(ステップS41)。この成形方法では、一般的な成形法のように、樹脂Rを正確に計量する計量工程は不要である。即ち、一般的な計量工程における計量動作は行うが、正確な計量値を得るための計量制御は行わない。いわば樹脂Rが不足する前に樹脂Rを追加する動作となる。また、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、型締装置Mcの型締シリンダ27を駆動し、型締力が成形型締力Pcとなるように、金型Cに対する型締を行う(ステップS42)。このときの金型Cの状態を図15(a)に示す。
次いで、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、射出装置Miの射出シリンダ24を駆動し、射出開始時点ts(図13参照)から樹脂Rの射出を行う(ステップS43)。この場合、スクリュ21は定格動作により前進させればよく、スクリュ21に対する速度制御及び圧力制御は不要である。これにより、加熱筒22内の可塑化溶融した樹脂Rは金型キャビティ内に充填される(ステップS44)。樹脂Rの充填に伴い、射出圧力Pd(図13)が上昇する。そして、リミット圧力Psに近づき、リミット圧力Psに達すれば、リミット圧力Psに維持するための制御、即ち、オーバーシュートを防止する制御が行われ、射出圧力Pdはリミット圧力Ps(成形射出圧力Pi)に維持される(ステップS45,S46)。したがって、射出動作では実質的な一圧制御が行われる。この場合の射出速度は、図13中のVdとなる。
また、金型キャビティ内に樹脂Rが満たされることにより、金型Cは樹脂Rに加圧され、固定型Ccと可動型Cm間に型隙間Lcが生じる(ステップS47)。この型隙間Lcは、0.03~0.20〔mm〕が許容範囲となり、良好なガス抜きが行われるとともに、不良の排除された良品成形が行われる。このときの金型Cの状態を図15(b)に示す。一方、時間の経過に伴って金型キャビティ内における樹脂Rの固化が進行するとともに、この固化に伴って樹脂Rの圧縮(自然圧縮)が行われる(ステップS48)。
そして、設定した冷却時間が経過すれば、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、型締シリンダ27を駆動し、可動型Cmを後退させることにより型開きを行うとともに、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、突出しシリンダを駆動し、可動型Cmに付着した成形品Gの突き出しを行う(ステップS49,S50)。これにより、成形品Gが取り出され、一成形サイクルが終了する。なお、冷却時間Tcは、射出開始時点tsからの経過時間として予め設定することができる。また、図13に示すように、冷却時間の経過した時点teでは、樹脂Rの自然圧縮により、固定型Ccと可動型Cm間の残留隙間Lcrは、予め設定した成形型締力Pc及び成形射出圧力Piにより、0.01~0.10〔mm〕の許容範囲となり、金型キャビティ内における樹脂Rに対する自然圧縮が確実に行われるとともに、成形品Gにおける高度の品質及び均質性が確保される。このときの金型Cの状態を図15(c)に示す。この後、次の成形が継続する場合には、同様に、樹脂Rを可塑化して射出準備を行うとともに、以降は、型締、射出、冷却等の処理を同様に行えばよい(ステップS51,S41,S42…)。
以上、変更例を含む好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、型位置検出器62として反射型測距センサを例示したが、近接センサ等の非接触かつ隙間等を精度よく検出できる各種センサを利用できる。また、直圧方式の型締装置Mcを例示したが、所定の型締領域を使用するトグル方式の型締装置Mcであってもよい。さらに、変形操作部3c…には、型開パターンXpの型隙間Lcの型開量Ac,型開パターンXpの型隙間Lcの型開期間At,型開パターンXpの型隙間Lcの型開タイミングAs,型開パターンXpの型隙間Lcの型閉タイミングAeを変形させる機能を持たせた場合を示したが、これらは一つであってもよいし二以上であってもよい。さらに、型開量Acには、動作物理量として、少なくとも、型締力,射出圧力,射出速度,射出時間の一又は二以上に紐付けし、型開期間Atには、動作物理量として、少なくとも、射出圧力,型締力,射出速度,樹脂温度の一又は二以上に紐付けし、型開タイミングAsには、動作物理量として、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上に紐付けし、型閉タイミングAeには、動作物理量として、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上に紐付けする場合を示したが、これらは一例であり、樹脂の種類等に応じて、他の各種動作物理量を追加できるとともに、様々な組会わせにより利用することができる。他方、パターン操作機能部3は、ディスプレイ2に表示された操作キーKc,Kt,Ks,Keのスライドにより、型開パターンXpを変形させるタッチパネル2tを用いて構成する場合を示したが、同様の機能を有する別途の機能部により構成してもよい。
本発明に係る成形条件設定方法及び射出成形機は、特定の成形方式により成形を行う射出成形機における成形条件を設定する際に利用できる。
2:ディスプレイ,2t:タッチパネル,2p:型開パターン表示部,3c:変形操作部,3:パターン操作機能部,3c:第一変形操作部,3t:第二変形操作部,3s:第三変形操作部,3e:第四変形操作部,4:成形条件変換処理機能部,C:金型,Cm:可動型,Cc:固定型,R:樹脂,M:射出成形機,Mc:型締装置,Ms:成形機コントローラ,Lc:型隙間,Pc:成形型締力,Ps:リミット圧力,Pi:成形射出圧力,t:時間,Xp:型開パターン,Lck…:操作量,t:時間,Ac:型開量,At:型開期間,As:型開タイミング,Ae:型閉タイミング,Kc:操作キー,Kt:操作キー,Ks:操作キー,Ke:操作キー

Claims (11)

  1. 少なくとも金型内の樹脂の固化に伴って樹脂の自然圧縮が可能となる型締装置を使用し、少なくとも、樹脂の射出充填時に、可動型と固定型間に所定の型隙間が生じる成形型締力及びリミット圧力となる成形射出圧力を含む成形条件を設定する射出成形機の成形条件設定方法において、予め、時間に対する前記型隙間の変化特性を有する型開パターンとしてグラフィック表示する型開パターン表示部,及びこの型開パターンを変形させる少なくとも一つの変形操作部を有するパターン操作機能部を設けるとともに、この変形操作部の操作量,前記グラフィック表示された型開パターンの変形量,及び少なくとも一つの動作物理量を紐付けした成形条件変換処理機能部を設け、成形条件の設定時に、前記型開パターン表示部に、前記型開パターンをグラフィック表示し、前記変形操作部の操作量に対応した変形量により前記型開パターンを変形させるとともに、前記成形条件変換処理機能部により、前記型開パターンの変形量に対応する少なくとも一つの動作物理量を求め、この動作物理量に基づいて前記型開パターンの基礎となる動作物理量を修正し、修正した動作物理量により成形条件の設定を行うことを特徴とする射出成形機の成形条件設定方法。
  2. 前記変形操作部は、前記型開パターンの前記型隙間の型開量,前記型開パターンの前記型隙間の型開期間,前記型開パターンの前記型隙間の型開タイミング,前記型開パターンの前記型隙間の型閉タイミングの一又は二以上を変形させる機能を備えることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の成形条件設定方法。
  3. 前記型開量は、前記動作物理量として、少なくとも、型締力,射出圧力,射出速度,射出時間の一又は二以上に紐付けすることを特徴とする請求項2記載の射出成形機の成形条件設定方法。
  4. 前記型開期間は、前記動作物理量として、少なくとも、射出圧力,型締力,射出速度,樹脂温度の一又は二以上に紐付けすることを特徴とする請求項2記載の射出成形機の成形条件設定方法。
  5. 前記型開タイミングは、前記動作物理量として、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上に紐付けすることを特徴とする請求項2記載の射出成形機の成形条件設定方法。
  6. 前記型閉タイミングは、前記動作物理量として、少なくとも、射出速度,射出圧力,型締力,充填圧力段数の一又は二以上に紐付けすることを特徴とする請求項2記載の射出成形機の成形条件設定方法。
  7. 前記成形条件の設定時に前記型開パターン表示部に表示する前記型開パターンは、試し成形後に暫定的に設定された型開パターンを用いることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の成形条件設定方法。
  8. 前記成形条件の設定時に前記型開パターン表示部に表示する前記型開パターンは、過去の成形履歴データ又はシミュレーシン作成データに基づいて暫定的に設定された型開パターンを用いることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の成形条件設定方法。
  9. 少なくとも金型内の樹脂の固化に伴って樹脂の自然圧縮が可能となる型締装置と、少なくとも、樹脂の射出充填時に、可動型と固定型間に所定の型隙間が生じる成形型締力及びリミット圧力となる成形射出圧力を含む成形条件を設定する成形機コントローラとを備えてなる射出成形機において、時間に対する前記型隙間の変化特性を有する型開パターンとしてグラフィック表示する型開パターン表示部,及びこの型開パターンを変形させる少なくとも一つの変形操作部をディスプレイに表示するパターン操作機能部を設けるとともに、前記変形操作部の操作量,前記グラフィック表示された型開パターンの変形量,及び少なくとも一つの動作物理量を紐付けした成形条件変換処理機能部を設け、成形条件の設定時に、前記型開パターン表示部に、前記型開パターンをグラフィック表示し、前記変形操作部の操作量に対応した変形量により前記型開パターンを変形させるとともに、前記成形条件変換処理機能部により、前記型開パターンの変形量に対応する少なくとも一つの動作物理量を求め、この動作物理量に基づいて前記型開パターンの基礎となる動作物理量を修正し、修正した動作物理量により成形条件の設定を行う成形機コントローラを備えることを特徴とする射出成形機。
  10. 前記パターン操作機能部は、前記ディスプレイに表示された操作キーをスライドさせることにより、前記型開パターンを変形させるタッチパネルを用いた変形操作部を備えることを特徴とする請求項9記載の射出成形機。
  11. 前記パターン操作機能部は、前記型開パターンの前記型隙間の型開量を操作キーにより変形させる第一変形操作部,前記型開パターンの前記型隙間の型開期間を操作キーにより変形させる第二変形操作部,前記型開パターンの前記型隙間の型開タイミングを操作キーにより変形させる第三変形操作部,前記型開パターンの前記型隙間の型閉タイミングを操作キーにより変形させる第四変形操作部の一又は二以上を含むことを特徴とする請求項9又は10記載の射出成形機。
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