JP7189089B2 - 温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラム - Google Patents

温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7189089B2
JP7189089B2 JP2019106932A JP2019106932A JP7189089B2 JP 7189089 B2 JP7189089 B2 JP 7189089B2 JP 2019106932 A JP2019106932 A JP 2019106932A JP 2019106932 A JP2019106932 A JP 2019106932A JP 7189089 B2 JP7189089 B2 JP 7189089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
measured
prediction
predicted
actual
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019106932A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020201071A (ja
Inventor
有為 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Advantech Co Ltd
Original Assignee
JFE Advantech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Advantech Co Ltd filed Critical JFE Advantech Co Ltd
Priority to JP2019106932A priority Critical patent/JP7189089B2/ja
Publication of JP2020201071A publication Critical patent/JP2020201071A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7189089B2 publication Critical patent/JP7189089B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

本発明は、測定対象に接触させた温度センサの実測温度に基づいて、測定対象の温度を予測する温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラムに関する。
例えば回転機械に多用される軸受は、潤滑不良等の異常が生じると発熱して軸受箱等の温度を上昇させるので、軸受の状態監視のために温度測定が行われる。軸受等の測定対象の温度を測定するために、温度センサを測定対象に接触させるとき、測定対象と温度センサとには温度差があるので、温度センサが測定対象の温度まで変化(上昇又は下降)する。この温度センサが測定対象の温度まで変化するまでの時間が温度測定に要する時間であるが、温度センサの構造的制約から温度センサの熱容量を十分小さくすることができない場合、温度測定に要する時間は無視できない。特に、様々な環境で使用される産業用温度センサには構造的な頑強さが求められ、そのために温度応答が遅くなってしまうことがあるので、温度センサを測定対象に接触させた後の温度センサの実測温度の変化に基づいて測定対象の予測温度を予測することで、温度測定に要する時間を短縮することが行われている。
この種の温度予測方法として、従来からニュートンの冷却法則が知られている。ニュートンの冷却法則を用いれば、測定対象の温度は、以下の式(6)の予測モデルから予測することができる。
Figure 0007189089000001
ここで、tは時間、T(t)は時間tでの実測温度、aは係数、Tは測定対象の予測温度である。実測温度T(t)は、測定対象に接触させた温度センサの実測温度である。
ニュートンの冷却法則は、実測温度の単位時間当たりの変化dT(t)/dtが、実測温度T(t)と測定対象の温度との差に比例するという経験則を利用したものである。
ニュートンの冷却法則以外の予測方法として、例えば特許文献1に記載の予測方法が知られている。この予測方法は、体温計に用いられる。この予測方法では、温度センサによる実測値が所定値以上、かつ温度上昇率が所定値以上になったときを予測演算の起点とし、予測値をY、実測値をT、上乗量をUとすると、Y=T+Uで与えられる予測モデルを使用している。上乗量は、tを起点からの経過時間とすると、U=a×dT/dt+b、又はU=(a×t+b)×dT+(c×t+d)で与えられる。ここで、係数a、b、a、b、c、dは、被験者の特徴や温度センサの特性に基づいて決定される。
特開2007-24530号公報
しかし、前者のニュートンの冷却法則による予測方法においては、図14に示すように、予測温度と測定対象の温度との乖離が大きいという課題がある。特に温度センサが測定対象に接触した直後の予測温度と測定対象の温度との乖離が大きい。
また、後者の体温計に用いられている予測方法においては、精度の高い予測が可能であるが、予測終了までに時間がかかるという課題がある。
そこで、本発明は、測定対象の予測温度と測定対象の温度との乖離を小さくすることができ、短時間で予測を終了することができる温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、測定対象に接触させた温度センサの実測温度(T)に基づいて測定対象の温度(T)を予測する温度予測方法であって、温度センサによる測定対象の実測温度(T)と実測温度(T)の単位時間当たりの温度変化に基づいて、n種類(n≧1)の予測モデルを用いて、それぞれの予測モデルによる予測値(Te1,Te2,…Ten)を算出し、あらかじめ求めておいた実測温度(T)と予測値(Te1,Te2,…Ten)と測定対象の予測温度(T)との関係式を用いて、温度センサの実測温度(T)が測定対象の温度(T)に一致する前に測定対象の温度(T)を予測温度(T)として予測する温度予測方法である。
本発明の他の態様は、測定対象に接触させた温度センサの実測温度(T)に基づいて測定対象の温度(T)を予測する温度予測装置であって、温度センサによる測定対象の実測温度(T)と実測温度(T)の単位時間当たりの温度変化に基づいて、n種類(n≧1)の予測モデルを用いて、それぞれの予測モデルによる予測値(Te1,Te2,…Ten)を算出する予測値算出手段と、あらかじめ求めておいた実測温度(T)と予測値(Te1,Te2,…Ten)と測定対象の予測温度(T)との関係式を用いて、温度センサの実測温度(T)が測定対象の温度(T)に一致する前に測定対象の温度(T)を予測温度(T)として予測する温度予測手段と、を備える温度予測装置である。
本発明のさらに他の態様は、測定対象に接触させた温度センサの実測温度(T)に基づいて測定対象の温度(T)を予測する温度予測用プログラムであって、プロセッサを有する装置に、温度センサによる測定対象の実測温度(T)と実測温度(T)の単位時間当たりの温度変化に基づいて、n種類(n≧1)の予測モデルを用いて、それぞれの予測モデルによる予測値(Te1,Te2,…Ten)を算出する予測値算出ステップと、あらかじめ求めておいた実測温度(T)と予測値(Te1,Te2,…Ten)と測定対象の予測温度(T)との関係式を用いて、温度センサの実測温度(T)が測定対象の温度(T)に一致する前に測定対象の温度(T)を予測温度(T)として予測する温度予測ステップと、を実行させる温度予測用プログラムである。
本発明によれば、測定対象の予測温度(T)と測定対象の温度(T)との乖離を小さくすることができ、温度センサの熱容量の影響を受けずに短時間で温度予測を終了することができる。
温度センサによる実測温度T、測定対象の温度T、予測モデルAによる予測値Te1、予測モデルBによる予測値Te2を比較したグラフである。 実測温度T、予測モデルAによる予測値Te1、測定対象の温度Tと予測モデルBによる予測値Te2の差をプロットした3次元散布図である。 γ=1とした2次元散布図である。 実測温度T、測定対象の予測温度T、測定対象の温度T、予測モデルAによる予測値Te1を比較したグラフである。 実測温度T、測定対象の予測温度T、測定対象の温度T、予測モデルAによる予測値Te1を比較したグラフである。 重回帰分析によりα、β、γを求めた場合の測定対象の予測温度Tと、2次元散布図によりα、β、γを求めた場合の測定対象の予測温度Tとを比較したグラフである。 予測モデルAと予測モデルBを用いた予測温度Tと、予測モデルCと予測モデルDを用いた予測温度Tとを比較したグラフである。 予測モデルA,Bを用いた予測温度Tと、予測モデルA,B,Cを用いた予測温度Tとを比較したグラフである。 1種類の予測モデルAを用いた予測温度T、1種類の予測モデルDを用いた予測温度T、2種類の予測モデルA,Bを用いた予測温度Tを比較したグラフである。 図9を拡大したグラフである。 予測モデルA,Bを用いた予測温度T、予測モデルC,Dを用いた予測温度T、予測モデルA,Bを用いた予測温度T(実測温度なし)、予測モデルC,Dを用いた予測温度T(実測温度なし)を比較したグラフである。 温度予測装置の内部構成を示すブロック図である。 温度予測装置が実行する処理のフローチャートである。 従来のニュートンの冷却法則による予測温度と測定対象の温度とを比較したグラフである。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態の温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラムを詳細に説明する。ただし、本発明は、種々の形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明の範囲を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
<温度予測方法>
(予測モデルAと予測モデルBを用いた温度予測方法)
本実施形態の温度予測方法では、まず、n種類の予測モデルを用いて、それぞれの予測モデルによる予測値Te1,Te2,…Tenを算出する。ここでは、式(3)に示すニュートンの冷却法則を用いた予測モデルAと、発明者が見出した式(4)に示す経験則を用いた予測モデルBを用いて、それぞれの予測モデルA,Bによる予測値Te1,Te2を算出する。
Figure 0007189089000002
ここで、tは時間、T(t)は時間tでの実測温度、aは係数、Te1は予測モデルAによる予測値である。
実測温度T(t)と単位時間当たりの温度変化dT(t)/dtの組を複数回測定することにより、式(3)における予測値Te1及び係数aを推定することができる。
図1は、温度センサによる実測温度、測定対象の温度、予測モデルAによる予測値Te1を比較したグラフを示す。図1に示すように、予測モデルAによる予測値Te1は、測定対象の温度との乖離が大きい。特に温度センサを測定対象に接触させた直後の乖離が顕著である。
式(4)に示す予測モデルBは、実際に得られた温度応答曲線をモデル化したものであり、経験則に基づく。
Figure 0007189089000003
ここで、tは時間、T(t)は時間tでの実測温度、bは係数、Te2は予測モデルBによる予測値である。
実測温度T(t)と単位時間当たりの温度変化dT(t)/dtの組を複数回測定することにより、式(4)における予測値Te2及び係数bを推定することができる。
図1に示すように、予測モデルBによる予測値Te2は、予測モデルAによる予測値Te1に比べて、時間が経過すると測定対象の温度Tに近づく。しかし、予測モデルBによる予測値Te2も、温度センサを測定対象に接触させた直後は測定対象の温度Tとの乖離が大きい。
図2(a)に示すように、x軸に実測温度T、y軸に予測モデルAによる予測値Te1、z軸に測定対象の温度Tと予測モデルBによる予測値Te2の差をプロットすると、3次元散布図が得られる。図2(b)は図2(a)とは視点を変えたものである。図2(a)(b)に示すように、プロットした点が3次元のある平面の近傍に分布する。図2(b)は、この平面内の視点から見た3次元散布図であり、プロットした点が略一直線上に並ぶ。3次元上のこの平面を特定するパラメータが、以下の式(5)のα、β、γである。α、β、γは、温度センサ固有の値である。
Figure 0007189089000004
ここで、Tは測定対象の温度、Tは実測温度、Te1は予測モデルAによる予測値、Te2は予測モデルBによる予測値、α、β、γは係数である。
温度予測においては、予測するのは測定対象の予測温度であるので、式(5)中の温度Tを予測温度Tと置き換えて変形して得られる、以下の式(6)を測定対象の予測温度Tを予測するのに用いる。
Figure 0007189089000005
実測温度T、予測モデルAによる予測値Te1、予測モデルBによる予測値Te2が測定中に入手可能であることから、温度センサに対してα、β、γをあらかじめ求めておくことで、測定対象の予測温度Tを式(6)から求めることができる。
式(5)のα、β、γの求め方を説明する。以下には、γを決めてからα、βを求める実施例を説明するが、パラメータα、β、γを主成分分析や平面近似により求めてもよい。
式(5)のα、β、γは、上記のように、図2(a)(b)の散布図上の点が存在する3次元上の平面を特定するパラメータである。γ≠0の場合に、図2(a)(b)の散布図を予測モデルAによる予測値Te1+(実測温度T/γ)=0を満たす平面に投影すると、縦軸を(予測モデルBによる予測値Te2-測定対象の温度T)、横軸を(予測モデルAによる予測値Te1-γ×実測温度T)とする2次元散布図が得られる。本実施形態では、図3に示すように、γ=1とした2次元散布図を得た。
図3に示す2次元散布図でも、プロットした点が十分に直線上に載っていると判断し、そして、γ=1に決定した上で、(α,β)≒(1.1,2.3)に決定した。相関係数Rは0.9874であった。
γ=1と固定して、測定対象の温度Tを変えた実験においてもパラメータα、βの測定対象の温度への依存度が低く、このパラメータの組は十分に温度センサそのものの特性を表すものであることがわかった。
上記のように式(6)から測定対象の予測温度Tを求めるが、式(3)及び式(4)のそれぞれの予測値Te1,Te2は、単位時間当たりの温度変化が小さい場合において、温度測定誤差の影響を受け易い。このため、温度変化量が所定値(例えば0.08℃/sec)以下の場合には、予測適用を避けることが望ましい。
図4は、温度センサによる実測温度T、測定対象の予測温度T、測定対象の温度T、予測モデルAによる予測値Te1を比較したグラフを示す。
式(6)から求めた測定対象の予測温度Tは、測定対象の温度Tとの乖離が小さく、温度センサを測定対象に接触させた直後(例えば15秒経過後)でも、測定対象の温度Tとの乖離が小さいことがわかる。
式(3)から予測モデルAによる予測値Te1を求め、式(4)から予測モデルBによる予測値Te2を求めるにあたり、測定対象に接触する前の温度センサの温度及び測定対象に温度センサを接触させた時間の情報を必要としない。式(6)から測定対象の予測温度Tを求めるにあたっても同様である。このため、測定対象へ温度センサを設置した後の任意の時間に温度測定及び温度予測をすることができる。
予測可能な温度範囲が低温から高温まで広く、測定対象の温度Tが接触前の温度センサより低い場合でも、図5に示すように予測可能である。
温度センサが測定対象の温度Tに達するよりも速く測定対象の予測温度Tを予測することができ、より短時間で温度予測を終了することができる。温度予測に必要な時間が短縮するので、応答の速い接触式の別のセンサ(例えば、振動センサ、アコースティックエミッションセンサ、歪センサ)と組み合わせた同時計測も可能になる。
(重回帰分析を用いた温度予測方法)
式(5)、すなわち実測温度T、予測モデルAによる予測値Te1、予測モデルBによる予測値Te2、測定対象の温度Tの関係式は、予測モデルA,Bに合わせて、以下のように重回帰分析により求めることもできる。
X=(予測モデルAによる予測値Te1,実測温度)、Y=予測モデルBによる予測値Te2-測定対象の温度Tとして、標準化の後、重回帰にかけて下記の式(7)を推定する。推定するのは下記の式(7)の係数c(1)、c(2)である。
Figure 0007189089000006
ここで、X(1)は予測モデルAによる予測値Te1であり、X(2)は実測温度である。□(添え字のm)はそれぞれの平均値であり、□(添え字のs)はそれぞれの標準偏差で標準化時に計算する。
式(5)を整理すると、下記の式(8)が得られる。
Figure 0007189089000007
式(8)のc(1)が式(5)のαに相当し、式(8)のc(2)/c(1)が式(5)のγに相当し、式(8)の右辺の第2項が式(5)のβに相当する。c(1)、c(2)を推定することで、α、β、γを求めることができる。
図6は、重回帰分析によりα、β、γを求めた場合の測定対象の予測温度Tと、2次元散布図によりα、β、γを求めた場合の測定対象の予測温度Tとを比較したグラフである。いずれの場合でも略同一の予測温度Tが得られる。
(予測モデルCと予測モデルDを用いた温度予測方法)
式(3)に示す予測モデルAを下記の式(9)に示す予測モデルCに変更し、式(4)に示す予測モデルBを下記の式(10)に示す予測モデルDに変更した。
Figure 0007189089000008
ここで、tは時間、T(t)は時間tでの実測温度、aは係数、Te3は予測モデルCによる予測値である。
Figure 0007189089000009
ここで、tは時間、T(t)は時間tでの実測温度、bは係数、Te4は予測モデルDによる予測値である。
α、β、γは、上述の重回帰分析により求めた。
図7は、予測モデルAと予測モデルBを用いた予測温度Tと、予測モデルCと予測モデルDを用いた予測温度Tとを比較したグラフである。いずれの場合でも略同一の予測温度Tが得られた。
図7から予測モデルA,B,C,Dを下記の式(2)ように一般化しても予測可能であることがわかる。
Figure 0007189089000010
mは1以上の整数である。
(予測モデルAと予測モデルBと予測モデルCを用いた温度予測方法)
式(3)に示す予測モデルAと式(4)に示す予測モデルBと式(9)に示す予測モデルCを用いて測定対象の予測温度Tを予測した。
ここで、関係式である式(6)を予測モデルの数nに対して以下の式(1)に一般化する。
Figure 0007189089000011
は予測温度、Teiはi番目の予測モデルによる予測値、Tは実測温度、α、α、βは係数である。
モデルの種類n=2とすると、
Figure 0007189089000012
係数αをα=1に固定すると、
Figure 0007189089000013
係数γ=α/αを導入してαから置き換えると、
Figure 0007189089000014
これを整理して、
Figure 0007189089000015
式(14)は式(6)と同一である(ただし、係数の前の符号が逆)。
図8は、予測モデルA,Bを用いた予測温度Tと、予測モデルA,B,Cを用いた予測温度Tとを比較したグラフである。予測モデルを3つに増やすと予測開始直後の誤差は低減された。予測モデルを増やすことで予測性能が上がると思われる。
(1種類の予測モデルを用いた温度予測方法)
式(3)に示す1種類の予測モデルAを用いて測定対象の予測温度Tを予測した。関係式には、n=1とした式(1)を用いた。
また、式(10)に示す1種類の予測モデルDを用いて測定対象の予測温度Tを予測した。関係式には、n=1とした式(1)を用いた。
図9は、1種類の予測モデルAを用いた予測温度T、1種類の予測モデルDを用いた予測温度T、2種類の予測モデルA,Bを用いた予測温度Tを比較したグラフである。図10は、図9を拡大したグラフである。1種類の予測モデルA又は1種類の予測モデルDを用いても、温度予測が可能であった。ただし、予測モデルを2種類以上使用すると、予測性能がより向上した。
(関係式に実測温度を含めない比較例)
式(6)において、実測温度Tが必須であるかどうかを検討した。式(6)において単純に実測温度Tの項を削除した。そして、予測モデルA,Bを用いた予測温度T(重回帰分析、実測温度ありの発明例)、予測モデルC,Dを用いた予測温度T(重回帰分析、実測温度ありの発明例)、予測モデルA,Bを用いた予測温度T(重回帰分析、実測温度なしの比較例)、予測モデルC,Dを用いた予測温度T(重回帰分析、実測温度なしの比較例)を比較した。
図11は、これらの予測温度Tを比較したグラフである。関係式に実測温度を含めない場合は、精度がでないことがわかった。
<温度予測装置>
図12は、温度予測装置の内部構成を示すブロック図である。温度予測装置1は、温度センサ4と、処理部5と、表示装置2aと、を備える。温度センサ4は、測定対象の温度を測定し、それを温度データとして処理部5に出力する。温度センサ4が出力する温度データが実測温度である。
処理部5は、CPU5aと、メモリ5bと、を備える。メモリ5bは、温度予測用プログラムを格納したROM及び演算処理用のRAMを含む。CPU5aは、温度予測用プログラムにしたがって動作する。CPU5aによって、予測値算出手段及び温度予測手段が実現される。
本実施形態の温度予測装置1は、携帯可能であり、作業員が工場内を巡回しながら軸受に温度センサ4を取り付けて、軸受の温度を測定するのに用いられる。温度センサ4には、振動センサを組み込んでもよい。この場合、表示装置2aには、軸受の温度と振動の測定結果が表示される。振動の測定に比べて温度の測定には時間がかかるところ、本実施形態の温度予測装置1を使用すれば、振動の測定と同時に温度の測定を終了することができる。測定した温度と振動のデータを、インターネットを介してパソコン等に送信してもよい。なお、もちろん、本発明の温度予測装置の用途、構成は上記の実施形態に限られることはない。
図13は、温度予測装置1が実行する処理のフローチャートを示す。この処理は、温度予測装置1のCPU5aによって実行される。まず、S1において、電源スイッチがONされる。その後、S2において、温度センサによる測定対象の温度測定がなされる。
S3において、測定対象の実測温度に基づいて、温度変化量が所定値(例えば0.08℃/sec)以下であるかどうかを判断する。所定値以下の場合は、温度測定誤差の影響を受け易いので、S4において、メッセージと共に実測温度を表示する。温度変化量が所定値以上の場合は、S5に進む。
S5では、n種類(n≧1)の予測モデルを用いて、それぞれの予測モデルによる予測値Te1,Te2,…Tenを算出する。
S6では、式(1)を用いて、実測温度T、n種類の予測モデルによる予測値Te1,Te2,…Tenから予測温度Tを求める。S7では、求めた予測温度Tを表示装置2aに表示する。
<他の実施形態>
上記実施形態では、温度予測装置を軸受の温度を予測する装置として使用する例を説明したが、温度予測装置を電子体温計として使用してもよい。この場合、温度予測装置は人の脇に挟むことができるように形成される。
上記実施形態では、温度予測装置によって温度予測用プログラムを実行する例を説明したが、プロセッサを有する他の装置、例えばパソコン等のコンピュータによって温度予測用プログラムを実行してもよい。この場合、温度予測用プログラムの供給方法も限定されるものではなく、例えばCD-ROM等の記録媒体に格納された温度予測用プログラムをコンピュータにインストールしてもよいし、インターネット回線を通じてサーバから温度予測用プログラムをダウンロードしてもよい。
1…温度予測装置
4…温度センサ
5a…CPU(予測値算出手段、温度予測手段)
S5…予測値算出ステップ
S6…温度予測ステップ

Claims (7)

  1. 測定対象に接触させた温度センサの実測温度(T)に基づいて測定対象の温度(T)を予測する温度予測方法であって、
    温度センサによる測定対象の実測温度(T)と実測温度(T)の単位時間当たりの温度変化に基づいて、n種類(n≧1)の予測モデルを用いて、それぞれの予測モデルによる予測値(Te1,Te2,…Ten)を算出し、
    あらかじめ求めておいた実測温度(T)と予測値(Te1,Te2,…Ten)と測定対象の予測温度(T)との関係式を用いて、温度センサの実測温度(T)が測定対象の温度(T)に一致する前に測定対象の温度(T)を予測温度(T)として予測する温度予測方法。
  2. 前記関係式は、以下の式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の温度予測方法。
    Figure 0007189089000016
    ここで、Tは予測温度、Teiはi番目の予測モデルによる予測値、Tは実測温度、αi、α、βは係数である。
  3. 前記予測モデルには、以下の式(2)を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度予測方法。
    Figure 0007189089000017
    ここで、tは時間、T(t)は時間tでの実測温度、Tは予測モデルによる予測値、mは1以上の整数、aは係数である。
  4. n≧2であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の温度予測方法。
  5. n種類(n≧2)の前記予測モデルのうち、予測モデルAには以下の式(3)を用い、予測モデルBには以下の式(4)を用いることを特徴とする請求項4に記載の温度予測方法。
    Figure 0007189089000018
    Figure 0007189089000019
    ここで、tは時間、T(t)は時間tでの実測温度、Te1は予測モデルAによる予測値、Te2は予測モデルBによる予測値、a,bは係数である。
  6. 測定対象に接触させた温度センサの実測温度(T)に基づいて測定対象の温度(T)を予測する温度予測装置であって、
    温度センサによる測定対象の実測温度(T)と実測温度(T)の単位時間当たりの温度変化に基づいて、n種類(n≧1)の予測モデルを用いて、それぞれの予測モデルによる予測値(Te1,Te2,…Ten)を算出する予測値算出手段と、
    あらかじめ求めておいた実測温度(T)と予測値(Te1,Te2,…Ten)と測定対象の予測温度(T)との関係式を用いて、温度センサの実測温度(T)が測定対象の温度(T)に一致する前に測定対象の温度(T)を予測温度(T)として予測する温度予測手段と、を備える温度予測装置。
  7. 測定対象に接触させた温度センサの実測温度(T)に基づいて測定対象の温度(T)を予測する温度予測用プログラムであって、
    プロセッサを有する装置に、
    温度センサによる測定対象の実測温度(T)と実測温度(T)の単位時間当たりの温度変化に基づいて、n種類(n≧1)の予測モデルを用いて、それぞれの予測モデルによる予測値(Te1,Te2,…Ten)を算出する予測値算出ステップと、
    あらかじめ求めておいた実測温度(T)と予測値(Te1,Te2,…Ten)と測定対象の予測温度(T)との関係式を用いて、温度センサの実測温度(T)が測定対象の温度(T)に一致する前に測定対象の温度(T)を予測温度(T)として予測する温度予測ステップと、を実行させる温度予測用プログラム。
JP2019106932A 2019-06-07 2019-06-07 温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラム Active JP7189089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019106932A JP7189089B2 (ja) 2019-06-07 2019-06-07 温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019106932A JP7189089B2 (ja) 2019-06-07 2019-06-07 温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020201071A JP2020201071A (ja) 2020-12-17
JP7189089B2 true JP7189089B2 (ja) 2022-12-13

Family

ID=73743233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019106932A Active JP7189089B2 (ja) 2019-06-07 2019-06-07 温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7189089B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7508160B1 (ja) 2024-03-21 2024-07-01 アイオーテック合同会社 輸送温度監視装置及び輸送温度監視システム

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3122535B2 (ja) 1992-08-03 2001-01-09 三菱電機株式会社 Icカード
JP4991488B2 (ja) 2007-11-06 2012-08-01 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4991488A (ja) * 1972-12-29 1974-08-31
JPS54133392A (en) * 1978-04-07 1979-10-17 Copal Co Ltd Method of measuring temperature* and thermometer
JPH07111383B2 (ja) * 1989-10-05 1995-11-29 テルモ株式会社 平衡温度の検出方法及び電子体温計
JP4949648B2 (ja) * 2005-07-12 2012-06-13 テルモ株式会社 電子体温計およびその制御方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3122535B2 (ja) 1992-08-03 2001-01-09 三菱電機株式会社 Icカード
JP4991488B2 (ja) 2007-11-06 2012-08-01 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020201071A (ja) 2020-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4649497B2 (ja) 部材の寿命を診断する方法及びその寿命を診断する方法及び装置
US7565262B2 (en) Bayesian sensor estimation for machine condition monitoring
CN109060899B (zh) 电化学传感器测量结果的补偿方法、装置和设备
CN113272748A (zh) 解析***和解析方法
JP7189089B2 (ja) 温度予測方法、温度予測装置、及び温度予測用プログラム
US11275005B2 (en) Fatigue limit stress specification system, fatigue limit stress specification device, and fatigue limit stress specification method
JP2010218301A (ja) 異常診断装置、異常診断方法及び異常診断プログラム
US20190033820A1 (en) Numerical controller
US6983223B2 (en) Detecting thermocouple failure using loop resistance
CN111442852B (zh) 柱形腔体内发热件表面温度的检测装置及方法
JP2022139266A (ja) 工作機械の環境温度変化予測装置及び予測方法
JP2008151739A (ja) 温度推定方法および装置
JP2017133950A (ja) 判定装置、軸受試験装置および車両
KR20200051343A (ko) 시계열 데이터 예측 모델 평가 방법 및 장치
JP5363089B2 (ja) 推定用多項式生成装置、入力パラメータ極性通知装置、推定装置および方法
JP7486362B2 (ja) 工作機械の精度診断装置及び精度診断方法
JP6568486B2 (ja) 温度変化予測解析装置および温度変化予測解析方法
JP6385777B2 (ja) 電子体温計
JP6278402B2 (ja) 電子体温計
JP4209285B2 (ja) 温度検出方法及び温度検出器
JP7488523B2 (ja) 物理定数の推定値取得方法
US20240220849A1 (en) Thermal predictive modeling of physical assets
JP7472685B2 (ja) 要因分析装置、要因分析方法、及び要因分析プログラム
JP7177975B2 (ja) 温度推定装置、温度推定方法
CN108917979B (zh) 样品测试方法、装置、计算机设备和存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7189089

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150