JP7186919B2 - 車両の車輪の不均衡を決定する方法および装置 - Google Patents
車両の車輪の不均衡を決定する方法および装置 Download PDFInfo
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Description
本発明は、独立請求項の前段による装置または方法に基づく。さらに、本発明の主題は、コンピュータプログラムである。
車両において、車輪の不均衡が生じることがある。そのような不均衡を確認することは、乗り心地や走行安全性のために望ましいことがある。
この背景をもとに、本明細書で提示する手法によって、主請求項による方法、さらにはこの方法を使用する装置、最後に、対応するコンピュータプログラムを提示する。従属請求項に挙げる手段によって、独立請求項で述べる装置の有利な発展および改良が可能である。
実施形態によれば、特に車輪不均衡の確認は、慣性計測ユニット(IMU)などを使用して行うことができる。言い換えると、例えば、車両に搭載された慣性計測ユニットからの信号を用いて不均衡を確認することができる。特に、車両に取り付けられた慣性計測ユニットからの信号は、車輪回転数と相関して不均衡を示唆することができる周波数成分を有し得ることが確認された。
有利には、実施形態によれば、不均衡を確認することでその不均衡の原因を取り除くことができるので、特に乗り心地を向上させることができる。同様に、不均衡を決定することで走行安全性を向上させることもできる。不均衡は、早期に、簡単に、かつ高い信頼性で確認することができる。例えば、適切な対策を講じることができるように運転者に適宜警告することができる。
車両の車輪の不均衡を決定するための方法であって、
インターフェースから車両の慣性計測ユニットに慣性センサ信号を読み出すステップであって、慣性センサ信号が、少なくとも1つの基準軸に対する車両の加速度および/または回転速度を表し、慣性センサ信号によって表される加速度および/または回転速度が、車両のすべての車輪の不均衡によって引き起こされる周期的な外乱による影響の重畳を含む、ステップと、
慣性センサ信号を用いて、車輪の不均衡を特徴付ける不均衡信号を算出するステップと、
を含む方法が提案される。
インターフェースから車両の慣性計測ユニットに慣性センサ信号を読み出すステップであって、慣性センサ信号が、少なくとも1つの基準軸に対する車両の加速度および/または回転速度を表し、慣性センサ信号によって表される加速度および/または回転速度が、車両のすべての車輪の不均衡によって引き起こされる周期的な外乱による影響の重畳を含む、ステップと、
慣性センサ信号を用いて、車輪の不均衡を特徴付ける不均衡信号を算出するステップと、
を含む方法が提案される。
本方法は、例えば、ソフトウェアもしくはハードウェアで、またはソフトウェアとハードウェアとの混合形態で、例えば制御機器で実装することができる。車両は自動車でよい。車輪は、リムとタイヤを備えることができる。不均衡は、タイヤに起因することがあり、リムに起因することがあり、追加または代替として車両への車輪の懸架または取付けに起因することがある。慣性計測ユニットは、少なくとも1つの加速度センサ、および追加または代替として少なくとも1つの回転速度センサを備えることができる。加速度は、直線加速度でも回転加速度でもよい。少なくとも1つの基準軸は、車両の長手方向軸、横方向軸、および追加または代替として高さ方向軸であり得る。不均衡信号は、確認された不均衡の特性量を示すことができる。算出ステップでは、慣性センサ信号、および任意選択で車両の速度に関する速度情報を用いて、車輪の位相角曲線を算出することができる。車両のすべての車輪の不均衡によって引き起こされる周期的な外乱による影響は、外乱加速度および追加または代替として外乱回転速度などの物理量を有することがある。
特に、算出ステップでは、車輪の位相角曲線を用いて、車輪の位相角曲線を算出することができる。位相角曲線は、例えば、車輪が1回転する間の車輪の基準点の位置を表すことができる。このようにして、車輪ごとの不均衡の確認を実現することができる。
一実施形態によれば、読出しステップにおいて、車輪の回転数を検出するために、インターフェースからインクリメンタルエンコーダに回転数信号を読み出すことができる。ここで、算出ステップにおいて、回転数信号を用いて車輪の位相角曲線を算出することができる。そのような実施形態は、回転数と関連の周波数成分との相関関係に基づいて車輪の不均衡を簡単かつ確実に決定することができるように、車輪の位相角曲線を信頼性の高い正確な方法で算出することができるという利点を有する。
さらに、算出ステップでは、慣性センサ信号をフィルタリングして、少なくとも1つの車輪の回転数に相関される周波数成分のみを通過させることができる。このとき、周波数成分は、周期的な外乱による影響を表すことができる。特に、慣性センサ信号から高次倍音振動をフィルタリング、マスクアウト、または除去することができる。そのような実施形態は、信号処理を簡素化することができるという利点を有する。
さらに、算出ステップにおいて、不均衡信号を算出するために、慣性センサ信号からの周期的な外乱による影響のうちの1つを車輪に割り当てることができる。より正確には、回転数および位相角曲線に相関する周期的な外乱による影響を、位相角曲線に応じて車輪に割り当てることができる。そのような実施形態は、確実な、車輪ごとの不均衡の確認を実現することができるという利点を有する。
さらに、算出ステップで、慣性センサ信号の信号処理を行うことができる。ここで、信号処理は、推定法、補正計算、および追加または代替として回帰分析を含む計算規則、特に最小二乗法を用いて行うことができる。ここで、信号処理は、自動信号処理として実施することができる。そのような実施形態は、簡単にかつできるだけ正確に不均衡信号を算出することができるという利点を有する。
一実施形態によれば、算出ステップにおいて、不均衡信号を算出することができ、不均衡信号を用いて、車両の車輪が識別可能であり、追加または代替として不均衡が定量可能である。このために、不均衡信号は、位相角曲線を用いた慣性センサ信号からの周期的な外乱加速度の車輪への割当てを表す割当て情報を含むことができる。追加または代替として、不均衡信号は、不均衡に関連する測定可能な物理量を表す量情報、例えば慣性センサ信号の信号振幅を含むことができる。そのような実施形態は、不均衡を解消するための対策を、早期にかつ狙いを定めて開始することができるという利点を有する。
また、本方法は、車両の制御機器に出力するために不均衡信号を提供するステップを含むこともできる。そのような実施形態は、不均衡信号を簡単に利用できるようにすることによって、車両内および必要に応じて車両外でのさらなる処理、および追加または代替として不均衡信号の使用を可能にすることができるという利点を有する。
さらに、本明細書で提示する手法は、本明細書で提示する方法の変形ステップを適切なデバイスで実施、制御、または実行するように構成された装置を提供する。装置の形態での本発明のこの変形実施形態によっても、本発明の基礎となる課題を迅速かつ効率的に解決することができる。
このために、本装置は、信号またはデータを処理するための少なくとも1つの計算ユニット、信号またはデータを記憶するための少なくとも1つのメモリユニット、センサからセンサ信号を読み出すため、もしくはアクチュエータにデータもしくは制御信号を出力するための、センサもしくはアクチュエータへの少なくとも1つのインターフェース、および/または通信プロトコルに埋め込まれたデータを読み出すため、もしくは出力するための少なくとも1つの通信インターフェースを備えることができる。計算ユニットは、例えば信号プロセッサやマイクロコントローラなどでよく、メモリユニットは、フラッシュメモリ、EEPROM、または磁気メモリユニットでよい。通信インターフェースは、無線および/または有線でデータを読み出すまたは出力するように構成することができ、有線データを読み出すまたは出力することができる通信インターフェースは、このデータを例えば電気的または光学的に、対応するデータ伝送線から読み出す、または対応するデータ伝送線に出力することができる。
本明細書において、装置とは、センサ信号を処理し、それに応じて制御信号および/またはデータ信号を出力する電気機器として理解することができる。この装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとして構成することができるインターフェースを備えることができる。ハードウェアとして構成される場合、インターフェースは、例えば、装置の様々な機能を含む、いわゆるシステムASICの一部とすることができる。しかし、インターフェースが独自の集積回路である、または少なくとも部分的に別個の構成要素からなることも可能である。ソフトウェアとして構成される場合、インターフェースは、例えば、マイクロコントローラ上に他のソフトウェアモジュールと共に存在するソフトウェアモジュールでよい。
有利な構成では、本装置によって、車両の車輪の不均衡の決定、特に車両のすべての車輪についての不均衡の監視が行われる。このために、本装置は、例えば、慣性センサ信号、特に加速度信号、および追加または代替として回転速度信号などのセンサ信号、ならびに回転数信号にアクセスすることができる。決定または監視は、慣性センサ信号および任意選択で追加として回転速度信号を用いた信号処理およびモデル化によって行われる。本装置は、特定または確認された不均衡を特徴付ける不均衡信号を出力として提供するように構成される。
半導体メモリ、ハードディスク、または光学メモリなどの機械可読キャリアまたはメモリ媒体に記憶させることができ、特にプログラム製品またはプログラムがコンピュータまたは装置上で実行されるときに、上述した実施形態の1つによる方法のステップを実施、実行、および/または制御するために使用される、コンピュータプログラム製品またはプログラムコードを備えたコンピュータプログラムも有利である。
本明細書で提示する手法の例示的な実施形態を図面に示し、本明細書で以下により詳細に述べる。
本発明の有利な例示的な実施形態の以下の説明では、異なる図に示されているが同様の効果をもたらす要素には同一または同様の参照符号を用い、これらの要素の重複する説明は省略する。
図1は、一つの例示的な実施形態による装置120を備える車両100の概略図を示す。車両100は自動車である。単に例として、車両100は、4つの車輪、第1の車輪101、第2の車輪102、第3の車輪103、および第4の車輪104を備える。
さらに、車両100は、少なくとも1つの基準軸に対する車両100の加速度および/または回転速度、例えば車両100の車体の加速度および/または回転速度を検出および/または測定するための慣性計測ユニット105を備える。計測ユニット105は、慣性センサ信号106も提供するように構成され、慣性センサ信号106は、少なくとも1つの基準軸に対する車両100の加速度を表し、追加または代替として少なくとも1つの基準軸の周りでの車両100の回転速度を表す。
ここで示される例示的な実施形態によれば、車両100の車輪101、102、103、および104のそれぞれに、それぞれの車輪の回転数を検出するためのインクリメンタルエンコーダが割り当てられる。インクリメンタルエンコーダは、特に、インクリメンタルロータリエンコーダ、ロータリパルスエンコーダ、またはロータリエンコーダとして理解することもできる。第1の車輪101には、第1のインクリメンタルエンコーダ111が割り当てられる。第1のインクリメンタルエンコーダ111は、第1の車輪101の回転数を表す第1の回転数信号116を提供するように構成される。第2の車輪102には、第2のインクリメンタルエンコーダ112が割り当てられる。第2のインクリメンタルエンコーダ112は、第2の車輪102の回転数を表す第2の回転数信号117を提供するように構成される。第3の車輪103には、第3のインクリメンタルエンコーダ113が割り当てられる。第3のインクリメンタルエンコーダ113は、第3の車輪103の回転数を表す第3の回転数信号118を提供するように構成される。第4の車輪104には、第4のインクリメンタルエンコーダ114が割り当てられる。第4のインクリメンタルエンコーダ114は、第4の車輪104の回転数を表す第4の回転数信号119を提供するように構成される。
決定装置120、すなわち車両100の車輪101、102、103、104または少なくとも1つの車輪101、102、103、104の不均衡を決定する装置120が、車両100に配置される。装置120は、読出しデバイス121と算出デバイス122とを備える。ここに示される例示的な実施形態によれば、装置120は、提供デバイス123も備える。読出しデバイス121と算出デバイス122とは、互いに信号伝送可能に接続される。算出デバイス122は、提供デバイス123にも信号伝送可能に接続される。さらに、装置120は、第1の入力インターフェース124および第2の入力インターフェース125と、出力インターフェース127とを備える。第1の入力インターフェース124を介して、装置120は、慣性計測ユニット105に信号伝送可能に接続される。第2の入力インターフェース125を介して、装置120は、インクリメンタルエンコーダ111、112、113、114に信号伝送可能に接続される。出力インターフェース127を介して、装置120は、車両100の制御機器130に信号伝送可能に接続される。
読出しデバイス121は、インターフェース、ここでは第1の入力インターフェース124から慣性計測ユニット105に慣性センサ信号106を読み出すように構成されている。慣性センサ信号106によって表される加速度および/または回転速度は、車両100のすべての車輪101、102、103、104の不均衡によって引き起こされる周期的な外乱による影響の重畳を含む。外乱による影響とは、外乱加速度、外乱回転速度、または他の物理量である。ここに示される例示的な実施形態によれば、読出しデバイス121は、インターフェース、ここでは第2の入力インターフェース125からインクリメンタルエンコーダ111、112、113、114のうちの少なくとも1つに、回転数信号116、117、118、119のうちの少なくとも1つを読み出すようにも構成される。さらに、読出しデバイス121は、読み出された信号、ここでは慣性センサ信号106と、回転数信号116、117、118、119のうちの少なくとも1つとを算出デバイス122に転送する、または読み出された信号に算出デバイス122がアクセスできるようにするように構成される。
算出デバイス122は、回転数信号116、117、118、119のうちの少なくとも1つを用いて、少なくとも1つ車輪101、102、103、104の位相角曲線を算出するように構成される。さらに、算出デバイス122は、慣性センサ信号106と、少なくとも1つの車輪101、102、103、104の位相角曲線とを用いて、少なくとも1つの車輪101、102、103、104の不均衡を特徴付ける不均衡信号126を算出するように構成される。ここに示される例示的な実施形態によれば、算出デバイス122は、さらに、不均衡信号126を提供デバイス123に転送する、または不均衡信号126に提供デバイス123がアクセスできるようにするように構成される。
一つの例示的な実施形態によれば、算出デバイス122は、慣性センサ信号106を用いて、しかし少なくとも1つ車輪101、102、103、104の位相角曲線を用いずに、不均衡信号126を算出するように構成される。一つの例示的な実施形態によれば、不均衡信号126は、全体的に不均衡があることを示すのみであり、不均衡が車輪101、102、103、104のうちの1つに割り当てられることはない。一つの例示的な実施形態によれば、算出デバイス122は、さらに車両100の現在の速度または速度波形を表す速度信号を用いて不均衡信号126を算出するように構成される。
一つの例示的な実施形態によれば、車両100の直進中、車輪101、102、103、104の位相角曲線は、互いに対して変化しない。車両100のカーブ走行時には、外輪、例えば車輪101、103は、内輪、例えば車輪102、104よりも大きい移動距離を進む。ここで、車輪101と103との移動距離、および車輪102と104との移動距離も異なることがあり得る。したがって、車両100のカーブ走行中、すべての車輪101、102、103、104の位相角曲線が互いに対して変化し得る。これにより、慣性センサ信号106における車輪101、102、103、104の外乱による影響の時間的発生の変化が生じ得る。一つの例示的な実施形態によれば、車輪101、102、103、104の位相角曲線の変化を、慣性センサ信号106における車輪101、102、103、104の外乱による影響の時間的発生の時間的に割り当てられた変化に関連付けることにより、慣性センサ信号106における外乱による影響が個々の車輪101、102、103、104に割り当てられる。
一つの例示的な実施形態によれば、算出デバイス122は、不均衡信号126を算出するために、少なくとも1つの車輪101、102、103、104の回転数に相関された周波数成分のみを通過させるように慣性センサ信号106をフィルタリングするように構成され、ここで、周波数成分は周期的な外乱による影響を表す。追加または代替として、算出デバイス122は、特に、不均衡信号126を算出するために、少なくとも1つの車輪101、102、103、104に、慣性センサ信号106からの周期的な外乱による影響のうちのそれぞれ1つを割り当てるように構成される。算出デバイス122は、特に、不均衡信号126を算出するために慣性センサ信号106の信号処理を行うように構成され、信号処理は、推定法、補正計算、および/または回帰分析を含む計算規則、特に最小二乗法を用いて行われる。特に、算出デバイス122は、不均衡信号126を算出し、不均衡信号126を用いて、車両100における不均衡を有する車輪101、102、103、104を識別可能にする、および/またはその不均衡を定量可能にするように構成される。例えば、不均衡信号126は、1つの車輪101、102、103、104に割り当てられた外乱による影響が閾値を超えたとき、その車輪101、102、103、104の不均衡を示す。追加または代替として、不均衡信号126は、例えば車輪101、102、103、104に割り当てられた外乱による影響の大きさから決定される不均衡の大きさを示す。
提供デバイス123は、出力インターフェース127を介して車両100の制御機器130に出力するために不均衡信号126を提供するように構成される。ここに示される例示的な実施形態によれば、制御機器130は装置120と別個に示されている。別の例示的な実施形態によれば、制御機器130が装置120を備えることができ、言い換えると、装置120を制御機器130の一部として形成することができる。代替または追加として、装置120または提供デバイス123は、不均衡信号126を車両100の別のまたはさらなるデバイスにも提供するように構成することができる。
図2は、一つの例示的な実施形態による決定方法200のフローチャートを示す。方法200は、車両の車輪の不均衡を決定するために実施可能である。ここで、決定方法200は、図1の装置もしくは同様の装置を使用して、またはその装置によって実施可能である。決定方法200は、読出しステップ210および算出ステップ220を含む。
読出しステップ210では、インターフェースから車両の慣性計測ユニットに慣性センサ信号が読み出される。慣性センサ信号は、少なくとも1つの基準軸に対する車両の加速度および/または回転速度を表す。ここで、慣性センサ信号によって表される加速度および/または回転速度は、車両のすべての車輪の不均衡によって引き起こされる周期的な外乱による影響の重畳を含む。
続いて、決定方法200において、算出ステップ220で、慣性センサ信号および任意選択で追加として車輪の位相角曲線を用いて、車輪の不均衡を特徴付ける不均衡信号が算出される。
一つの例示的な実施形態によれば、決定方法200は、提供ステップ230も含む。提供ステップ230では、車両の制御機器に出力するために不均衡信号が提供される。
一つの例示的な実施形態によれば、読出しステップ210において、車輪の回転数を検出するために、インターフェースからインクリメンタルエンコーダに回転数信号が読み出される。さらに、ここで、算出ステップ220において、回転数信号を用いて車輪の位相角曲線が算出される。
図3は、慣性センサ信号106の概略的な信号波形図300を示す。慣性センサ信号106は、上述した図の1つからの慣性センサ信号または同様の慣性センサ信号である。信号波形図300は、2つの部分表現に分けられており、第1の部分表現301には、第1の時間間隔にわたる慣性センサ信号106の信号波形が示され、第2の部分表現303には、第1の時間間隔の一部を表す第2の時間間隔にわたる慣性センサ信号106の信号波形が示されている。
信号波形図300の第1の部分表現301および第2の部分表現303では、それぞれ、横軸には時間tが秒[s]の単位でプロットされ、縦軸には慣性計測ユニットによって計測された角度αが度[°]の単位でプロットされている。
この例示的な実施形態によれば、第1の部分表現301には、1000秒の時間間隔および-10°~+15°の角度がプロットされている。慣性センサ信号106は、0°を中心に振動している。第2の部分表示303には、約3秒の時間間隔がプロットされている。第2の部分表現303から、倍音振動が重ね合わされた慣性センサ信号106の基本振動がかすかに分かる。
図4は、図3の表現に対する概略的な振幅スペクトル400を示す。振幅スペクトル400では、横軸に周波数fがヘルツ[Hz]の単位でプロットされ、縦軸に値または振幅Aがプロットされている。第1の曲線401は、車両のロールを表し、第2の曲線402は、車両のピッチを表し、第3の曲線403は、車両のヨーを表す。例として、横軸に20~50Hzの周波数、縦軸に0~0.6の振幅がプロットされている。
図5は、概略的なスペクトログラム500を示し、より正確には、滑らかな、時間的に変化する周波数および高調波もしくは高次高調波を含む、特に車両の横揺れおよびロールに関する回転速度のスペクトログラム、または経時的なスペクトルを示す。スペクトログラム500では、横軸に時間tが秒[s]の単位でプロットされ、縦軸に周波数fがヘルツ[Hz]の単位でプロットされている。ここで、スペクトログラム500には、振動501および高調波502または高次高調波が示されている。例として、横軸に0~1000秒の期間、縦軸に0~50Hzの周波数がプロットされている。
図6は、図5の部分図として概略的なスペクトログラム600を示す。言い換えると、図6は、図5のスペクトログラムの一部を表す概略的なスペクトログラム600を示す。ここで、図6には、高調波または高次高調波を除いた、振動501のみを含む図5からのスペクトログラムが示されている。例として、横軸に0~1000秒の期間、縦軸に8~16Hzの周波数がプロットされている。
図7は、図6の概略的なスペクトログラムと速度波形701との重ね合わせ700を示す。重ね合わせ700のグラフでは、横軸に時間tが秒[s]の単位でプロットされ、第1の縦軸に周波数fがヘルツ[Hz]の単位でプロットされ、第2の縦軸に車両の速度vがメートル/秒[m/s]の単位でプロットされている。速度vは、衛星受信機および慣性計測ユニットを備える慣性航法システム(INS)によって測定される。速度vは、いわゆるADMA(Automotive Dynamic Motion Analyzer)を使用して算出することもできる。重ね合わせ700では、主周波数が速度vまたは速度波形701とほぼ完全に相関していることが分かる。これにより、振動501がタイヤまたは車輪/路面の接触に起因していることを示すことができる。例として、図6に対応して、横軸に0~1000秒の期間、縦軸に8~16Hzの周波数がプロットされている。さらに、速度波形701に関して、毎秒15~35メートルの速度が図の右端にプロットされている。
上述した図を参照すると、信号、ここでは慣性センサ信号106、ならびに任意選択で追加として回転数信号116、117、118、および119の自動分析を使用して、特に不均衡によって引き起こされるロール運動の周期的な不整を推測することができることに留意すべきである。装置120による、および/または方法200の実施による不均衡の決定は、一般に、加速度センサを用いて、すべての車輪101、102、103、および104の外乱の重畳しか観察することができない場合でも実現することができる。そのような重畳から個々の車輪101、102、103、104を推測することができるように、装置120によって、および/または方法200の実施時に、適切な信号処理が行われる。コーナリング時に、または車輪101、102、103、104の車輪直径が完全に同一ではないことにより、車両100の運転中または走行中に、個々の車輪101、102、103、104の互いに対する位相位置、例えば0°におけるバルブ位置は連続的に変化する(異なる車輪回転数を調整するためのディファレンシャルを参照のこと)。ここで、何刻みが1回転に相当するのか分かっているので、個々の車輪101、102、103、104の現在の位相位置は、インクリメンタルエンコーダ111、112、113、114または車輪回転数エンコーダに基づいて算出される。それぞれの位相位置が分かっている場合、外乱の一部を、原因となる個々の車輪101、102、103、および/または104に割り当てることができる。
信号処理またはモデル化に関して、個々の車輪101、102、103、104は、位相角φn(t)に応じた外乱en(φn(t))を引き起こすことに留意すべきである。重畳e(t)=sum en(φn(t))が測定可能であり、慣性センサ信号106で表される。ここで、表現enは、区間0π~2πでの車輪ごとの周期関数である。適切な測定e(t)によって、例えば、最小二乗法を用いた推定によって、関数enを推定することができる。
一つの例示的な実施形態が、第1の特徴と第2の特徴との間に接続詞「および/または」を含む場合、これは、その例示的な実施形態が、ある実施形態によれば第1の特徴と第2の特徴との両方を含み、別の実施形態によれば第1の特徴のみまたは第2の特徴のみを含むと解釈されるべきである。
Claims (11)
- 車両(100)の車輪(101、102、103、104)の不均衡を決定するための方法(200)であって、
インターフェース(124)から前記車両(100)の慣性計測ユニット(105)に慣性センサ信号(106)を読み出すステップ(210)であって、前記慣性センサ信号(106)が、少なくとも1つの基準軸に対する前記車両(100)の加速度および/または回転速度を表し、前記慣性センサ信号(106)によって表される前記加速度および/または回転速度が、前記車両(100)のすべての車輪(101、102、103、104)の不均衡によって引き起こされる周期的な外乱による影響の重畳を含む、ステップと、
前記慣性センサ信号(106)を用いて、前記車輪(101、102、103、104)の前記不均衡を特徴付ける不均衡信号(126)を算出するステップ(220)と、
を含む方法。 - 前記算出ステップ(220)で、前記車輪(101、102、103、104)の位相角曲線を用いて前記車輪(101、102、103、104)の位相角曲線が算出される請求項1に記載の方法(200)。
- 前記読出しステップ(210)で、インターフェース(125)から、前記車輪(101、102、103、104)の回転数を検出するためのインクリメンタルエンコーダ(111、112、113、114)に回転数信号(116、117、118、119)が読み出され、前記算出ステップ(220)で、前記回転数信号(116、117、118、119)を用いて前記車輪(101、102、103、104)の位相角曲線が算出される請求項2に記載の方法(200)。
- 前記算出ステップ(220)で、前記慣性センサ信号(106)が、少なくとも1つの車輪(101、102、103、104)の回転数に相関する周波数成分のみを通過させるようにフィルタリングされ、前記周波数成分が周期的な外乱を表す、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(200)。
- 前記算出ステップ(220)で、前記不均衡信号(126)を算出するために、前記慣性センサ信号(106)からの周期的な外乱による影響の1つを前記車輪(101、102、103、104)に割り当てる請求項1から4のいずれか1項に記載の方法(200)。
- 前記算出ステップ(220)で、前記慣性センサ信号(106)の信号処理が行われ、前記信号処理が、推定法、補正計算、および/または回帰分析を含む計算規則、特に最小二乗法を用いて行われる、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法(200)。
- 前記算出ステップ(220)において、不均衡信号(126)が算出され、前記不均衡信号(126)を用いて、前記車両(100)の前記車輪(101、102、103、104)が識別可能である、および/または不均衡が定量可能である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法(200)。
- 前記車両(100)の制御機器(130)に出力するために前記不均衡信号(126)を提供するステップ(230)を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の方法(200)。
- 請求項1から8のいずれか1項による方法(200)のステップを、対応するユニット(121、122、123)で実施および/または制御するように構成された装置(120)。
- 請求項1から8のいずれか1項による方法(200)のステップを実施および/または制御するように構成されたコンピュータプログラム。
- 請求項10に記載のコンピュータプログラムが記憶された機械可読メモリ媒体。
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