JP7186884B2 - イオンガン及びイオンミリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ペニング放電方式のイオンガンおよびそれを有するイオンミリング装置に関する。
イオンミリング法は、加速したイオンを試料へ衝突させて、イオンが原子や分子をはじき飛ばすスパッタ現象を利用して試料を削る加工法である。加工する試料の上面にイオンビームの遮蔽板となるマスクを載せ、マスク端面からの突出部分をスパッタすることで平滑な断面が加工できる。たとえば、電子部品の内部構造や断面形状、膜厚評価、結晶状態、故障や異物断面の解析などを目的として、走査型電子顕微鏡により形態像、試料組成像、チャネリング像の取得やX線分析、結晶方位解析などを行う場合、断面試料を作成するために本加工法は有用である。なお、電子部品に限られず、金属、ガラス、セラミック、複合材料などにも適用可能である。
電子顕微鏡による観察解析前の試料作製を行うイオンミリング装置においては、イオンガンとして、比較的簡単な構成で小型なペニング放電方式のイオンガンが広く用いられている。特許文献1には、ペニング放電方式のイオンガンの基本構造が開示されている。特許文献2にはイオンガンから放出されるイオンの量を多くするため、ペニング放電方式のイオンガン構成において、永久磁石の発生する磁場とイオン化室領域とを適正化する方式が開示されている。
特開昭53-114661号公報 特開2016-31870号公報
近年のイオンミリング装置の進歩に伴い、市場が大きく広がり、常に更なる加工速度の向上が求められている。例えば、半導体分野における積層された厚い試料を加工する必要のあるシリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Via)の3次元実装解析や、材料分野における硬度の高い鉄鋼材料の組成解析などにおいては、従来技術では長い処理時間が必要となり、装置の稼働率を低下させてしまう。
ペニング放電方式のイオンガンは、カソードから放出された電子が磁場により旋回運動を行い、イオンガン内部に導入されたガスと衝突することでイオン化される。アノード両端に同電位のカソードを配置することで、カソード間を電子が往復運動し、その軌道を長くすることが可能であり、イオン化効率を向上できる特徴がある。発生した陽イオンの一部は、カソードのイオンビーム取り出し孔を通り、加速電極で加速され、加速電極のイオンビーム取り出し孔から外部に放出される。より高い加工速度を実現するにはイオンガンから放出されるイオンの量を多くする必要がある。
しかしながら、加工速度の向上を目的に加速電圧を上げてみても(例えば、加速電圧を7kVから8kVに上げる)、イオンビーム電流値が向上せず、その結果加工速度も上がらないという現象が見出された。
本発明の一態様であるイオンガンは、円盤形状を有する第1のカソードと、円盤形状を有し、イオンビーム取り出し孔が設けられた第2のカソードと、第1のカソードと第2のカソードとの間に配置され、円筒形状を有する第1の永久磁石と、円筒領域と円筒領域の一端に設けられた張り出し領域とを有するアノードと、アノードを、電気的に接続されている第1のカソード、第2のカソード及び第1の永久磁石から電気的に絶縁する絶縁体とを有し、アノードの円筒領域は、第1の永久磁石の内径位置よりも内側に配置され、アノードの張り出し領域は、第1の永久磁石の内径位置を越えて配置され、第1のカソードと対向している。
また、本発明の他の一態様であるイオンミリング装置は、かかるイオンガンを用いたイオンミリング装置である。
より高いプラズマ効率を得ることができるイオンガン、またはより大きな加工速度を得ることできるイオンミリング装置を提供する。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
イオンミリング装置の構成図である。 従来構造(比較例)のイオンガンの構成断面図である。 本実施例のイオンガン(第1例)の構成断面図である。 第1のカソード21の形状を示す図である。 アノード23の形状を示す図である。 絶縁体26の形状を示す図である。 イオンガン内部の電位分布の解析結果を示す図である。 本実施例のプラズマ生成室内部の電子密度分布を示す図である。 比較例のプラズマ生成室内部の電子密度分布を示す図である。 本実施例のイオンガン(第2例)の構成断面図である。 第1のカソード31の形状を示す図である。 本実施例のイオンガン(第3例)の構成断面図である。 第1のカソード41の形状を示す図である。 本実施例のイオンガン(第4例)の構成断面図である。 本実施例のイオンガン(第5例)の構成断面図である。 本実施例のイオンガン(第6例)の構成断面図である。 本実施例のイオンガン(第7例)の構成断面図である。 本実施例のイオンガン(第8例)の構成断面図である。 比較例及び本実施例のプラズマ生成室内部の電子密度分布を示す図である。 本実施例のイオンガン(第9例)の構成断面図である。 本実施例のイオンガン(第10例)の構成断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1にイオンミリング装置の構成を示す。ペニング放電方式のイオンガン1は、その内部にイオンを発生するために必要な要素を含み、イオンビーム2を試料6に照射する照射系を形成する。ガス源201はガス供給機構200を介してイオンガン1に接続され、ガス供給機構200により制御されたガス流量が、イオンガン1のプラズマ生成室内に供給される。ガス供給機構200は、イオン化させるガスの流量を調整し、イオンガン内部に供給するための構成要素を含んでいる。導入ガスは一例としてArガスを用いる。
イオンビーム2の照射とそのイオンビーム電流は、イオンガン制御部3によって制御される。真空チャンバー4は、真空排気系5によって大気圧または真空に制御される。試料6は試料台7の上に保持され、試料台7は試料ステージ8によって保持されている。試料ステージ8は、真空チャンバー4が大気開放したときに真空チャンバー4の外へ引き出すことができ、また試料6をイオンビーム2の光軸に対して任意の角度に傾斜させるための機構要素を含んでいる。試料ステージ駆動部9は、試料ステージ8を左右へスイングさせることができ、その速度を制御することができる。
図2に、比較例として、ペニング放電方式のイオンガンの従来構造(断面図)を示し、イオンガンの構造及び動作を説明する。第1のカソード11は、例えば純鉄など導電性のある磁性材料により円盤形状に形成されており、プラズマ生成室100にガスを導入するための孔や、アノード13に給電するためのアノードピン(不図示)を貫通させる孔が設けられている。第2のカソード12も同様に純鉄など導電性のある磁性材料により円盤形状に形成されており、中央部にはイオンビーム取り出し孔101aが設けられている。永久磁石14は、例えばサマリウムコバルト磁石であり、円筒形状に形成され、永久磁石14の一端は第1のカソード11に、他端は第2のカソード12に繋がっている。第1のカソード11及び第2のカソード12と永久磁石14とによりイオンガン1内に磁場を発生させている。また、カソードリング17は永久磁石14が環境に露出しないように設けられる。カソードリング17にはステンレスなどの材料が用いられる。
円筒形状の絶縁体16は、永久磁石14の内側に配置され、絶縁体16の外面は永久磁石14の内壁に接触している。絶縁体16は例えばセラミックスなどの電気絶縁性を有する非磁性材料で形成されている。アノード13は絶縁体16の内側にはめ込まれており、アノード13の外面は絶縁体16の内面に接触しており、アノード13の内面はプラズマ生成室100に面している。アノード13は例えばアルミニウムなど導電性を有する非磁性材料で形成されている。アノード13は、絶縁体16により第1のカソード11、第2のカソード12および永久磁石14に対して電気的に絶縁されている。
加速電極15は例えばステンレスなどの導電性を有する非磁性材料により円筒状に形成されており、中央部にはイオンビーム取り出し孔101bが設けられている。接地電位に保たれた加速電極15は第1のカソード11と第2のカソード12と永久磁石14とを囲むように、イオンガンベース18の周辺部に固定されている。イオンガンベース18および第1のカソード11には孔が設けられており、ガス導入機構から導入された、たとえばArガスがプラズマ生成室100に導入される。
プラズマ生成室100に導入されたArガスを適切なガス分圧を保った状態とし、放電電源301により第1のカソード11及び第2のカソード12(第1のカソード11と第2のカソード12とは永久磁石14を介して電気的に接続され、同電位に保たれる)とアノード13との間に2kV程度の放電電圧を印加させ、グロー放電させる。放電電圧の印加により第1のカソード11表面と第2のカソード12表面から放出された電子はアノード13に向けて加速されるとともに、放出された電子は、第1のカソード11、第2のカソード12および永久磁石14によりプラズマ生成室100に形成された磁場でその軌道が曲げられ旋回運動を行う。この旋回運動により電子軌道が長くなることによって放電効率を向上させることができる。
プラズマ生成室100内を旋回する電子が、導入されたArガスと衝突すると、衝突を受けたArガスがイオン化し、プラズマ生成室100ではArイオン(陽イオン)が発生する。プラズマ生成室100で発生した陽イオンの一部は、第2のカソード12のイオンビーム取り出し孔101aを通り、加速電源302により第2のカソード12と加速電極15との間に10kV程度の加速電圧が印加されることによって加速されて、加速電極のイオンビーム取り出し孔101bからイオンガン10の外部に放出され、陽イオンからなるイオンビームによって試料が加工される。
このようなぺニング放電方式のイオンガンから引き出されるイオン電流は、イオンがもつ空間電荷により電界が変化するため、空間電荷に制限される。また、イオンガンが供給するイオン流にも制限される。一般に、空間電荷制限電流値とイオン飽和電流値とを同じ値にすることにより、引き出し系とイオンを生成するプラズマ条件とのバランスが保たれて、良質で多量のイオンビームの引き出しが可能になるといわれている。イオン飽和電流値を高めるには、プラズマ生成室100内部の電子温度やプラズマ密度を高くすればよい。空間電荷制限電流値を高めるにはカソード12と加速電極15との間に印加する加速電圧を高くすればよい。
上述したように、加速電圧を高くしてもイオンガンから引き出されるイオンビーム電流値が高くならないのは、イオンガンのイオン飽和電流値が、その空間電荷制限電流値に見合う数値に到達していない、すなわちプラズマ生成室100において十分なイオン流が生成できていないためである。イオン流の生成においては、適切な磁束密度を有する永久磁石と十分な電子供給が可能なプラズマ生成室領域とを組み合わせることが非常に重要である。より高い加工速度を有するイオンミリング装置に適したイオンガンを実現するため、本実施例ではプラズマ生成室で発生する電子の供給量を従来構造よりも増大させ、より高い加速電圧を印加した場合の空間電荷制限電流値に見合うイオン飽和電流値を実現可能なイオンガン、それを有するイオンミリング装置を提案する。
図3は、本実施例のイオンガン(第1例)の構成断面図である。なお、比較例として示したイオンガンと同一の構成要素については同じ符号を付して説明は省略し、比較例と相違する構成を中心に説明をする。以下の実施例についても同様である。ペニング放電方式のイオンガンにおいて高いイオン飽和電流を実現するためには、電子供給量を増やすことが必須である。このため、電子を供給する第1のカソード21のプラズマ生成室100への露出面積を拡大する。
具体的には、永久磁石14の内径位置よりも外側に第1のカソード21とアノード23とを対向させて配置する。第1のカソード21には、永久磁石14と接続する面側に、永久磁石14の外径よりも小さく、内径よりも大きい凹部を形成し、アノード23には、第1のカソード21と対向する側の端部に円盤形状の張り出し領域を設けて面積を拡大することにより、第1のカソード21とアノード23とが対向する領域を拡大した。これに伴い、第1のカソード21、第2のカソード12および永久磁石14を、アノード23と電気的に絶縁する絶縁体26は、アノード23と同様の形状として、永久磁石14がプラズマ生成室100に露出しないように被覆し、イオンガンの信頼性を向上させている。
図4に、第1のカソード21の形状を示す。第1のカソード21をイオンビーム取り出し孔側からみた平面図(上図)と、平面図に示したA-A線に沿った断面図(下図)とを示している。第1のカソード21は導電性のある磁性材料として、例えば純鉄により円盤形状に形成されており、イオンガンベース18に固定するためのカソード固定用孔102が設けられている。またアノード23に給電するためのアノードピンを貫通させるためのアノードピン貫通孔103が設けられている。なお、イオンガンベース18にもアノードピン貫通孔103に対応する位置に貫通孔が設けられ、アノードピンはイオンガンベース18及び第1のカソード21の貫通孔を通して、プラズマ生成室100に挿入される。本実施例では、第1のカソード21のプラズマ生成室100に面する領域に、例えばカソード中央に直径12mm、深さ1mmの凹部22が形成されている。この例では、円形の凹部22を形成しているが、円形に限定されるものではなく、多角形の穴であってもよい。ただし、製造性の観点からは、図に示すような円形が好ましい。
図5に、アノード23の形状を示す。アノード23をイオンビーム取り出し孔側からみた平面図(上図)と、平面図に示したA-A線に沿った断面図(下図)とを示している。 アノード23は、例えばアルミニウムなど導電性を有する非磁性材料で形成されており、第1のカソード21の凹部22とアノード23とが対向する領域を拡大するため、円筒領域35aの第1のカソード21側の端部に、例えば円盤形状を有する張り出し領域25aを有している。図3に示されるように、アノード23は絶縁体26にはめ込まれてアノード23の外面が絶縁体26の内面に接触しており、アノード23の内面はプラズマ生成室100として機能する。第1のカソード21のアノードピン貫通孔103を通ったアノードピンは、第1のカソード21の凹部22と対面する側に設けられた張り出し領域25aに押し付けられる。これにより、アノード23は絶縁体26を介して第2のカソード12に押し付けられるように固定される。この例では、第1のカソード21の凹部22と対面する張り出し領域25aを円盤形状としているが、円形に限定されるものではなく、多角形でもよい。
図6に、絶縁体26の形状を示す。絶縁体26をイオンビーム取り出し孔側からみた平面図(上図)と、平面図に示したA-A線に沿った断面図(下図)とを示している。絶縁体26は、例えばセラミックスなどの電気絶縁性を有する非磁性材料で形成されている。絶縁体26は、アノード23と同様に、円筒領域35bの第1のカソード21側の端部、すなわちアノード23の張り出し領域25aが設けられた側に、例えば円盤形状となる張り出し領域25bを有している。この構造により、アノード23端部の張り出し領域25aと永久磁石14とを電気的に絶縁する。図3に示すように、張り出し領域25bにより永久磁石14がプラズマ生成室100に露出しないように被覆することにより、イオンガン1の長期安定性を向上させる。
図7に、図3に示す実施例と図2に示す比較例のそれぞれについて、イオンガン内部の電位分布の解析結果を示す。解析結果401が図3の構造についての解析結果であり、解析結果402が図2の構造についての解析結果であり、ともに有限要素ベースの物理シミュレータにて電界強度解析を行った結果である。本図では、高電位領域と低電位領域が暗く表され、中間電位領域が明るく表されている。解析結果401に示されるように、第1のカソード21の凹部22とアノード23の張り出し領域25aとが対向している領域の全域で強い電界が発生しており、この分、解析結果402に示される比較例の構造と比較して、第1のカソード21から電子が供給できる領域が大きく拡大している。これにより、プラズマ生成室100で発生する電子の供給量を格段に増大させ、高いイオン飽和電流を実現することができる。
図8Aは、図3に示す実施例におけるプラズマ生成室100内部の電子密度分布であり、図8Bは、図2に示す比較例におけるプラズマ生成室100内部の電子密度分布である。いずれも有限要素ベースの物理シミュレータにて電界強度解析を行った結果をプロットしたものである。図8の横軸は、図7に付記したスケールと一致させて表記しており、第1のカソード表面をゼロ点として、イオンガンの中心軸上をイオンビーム取り出し孔101a方向に向けて、電子密度をプロットしている。その結果、図3に示す本実施例の構造の場合には電子密度が8.8×1015l/m3となり、図2に示す比較例の構造の場合の6.7×1015l/m3に対して、約30%向上していることが分かる。
以下、本実施例のイオンガンの変形例について説明する。図9は、本実施例のイオンガン(第2例)の構成断面図である。なお、以降の実施例では放電電圧、加速電圧の印加機構については同様であるため省略する。この例では、第1のカソード31に形成する凹部の底面形状を、中心部の深さが周辺部の深さよりも深くした形状とする。これ以外については第1例(図3)と同じ構造上の特徴を有している。
図10に、第1のカソード31の形状を示す。第1のカソード31をイオンビーム取り出し孔側からみた平面図(上図)と、平面図に示したA-A線に沿った断面図(下図)とを示している。第1のカソード31は導電性のある磁性材料として、例えば純鉄により円盤形状に形成されており、イオンガンベース18に固定するためのカソード固定用孔102、アノードピンを貫通させるアノードピン貫通孔103が設けられている。第1のカソード31のプラズマ生成室100に面する領域には、カソード中央に直径12mmの凹部32が形成されている。この例では、凹部32の底面は円錐形状を有しており、凹部32の深さが中心部で2mm、周辺部で1mmとなるような傾斜面を有している。なお、円錐形状に限定されるものではなく、例えば中心部が平坦な形状になっていてもよい。このように、凹部32に傾斜面を設けることにより、電子が発生する第1のカソード31の表面積を拡大し、プラズマ生成室100で発生する電子の供給量を増大させることができる。
図11は、本実施例のイオンガン(第3例)の構成断面図である。この例では、第1のカソード41に形成する凹部の底面に凹凸を形成した。これ以外については第1例(図3)と同じ構造上の特徴を有している。
図12に、第1のカソード41の形状を示す。第1のカソード41をイオンビーム取り出し孔側からみた平面図(上図)と、平面図に示したA-A線に沿った断面図(下図)とを示している。第1のカソード41は導電性のある磁性材料として、例えば純鉄により円盤形状に形成されており、イオンガンベース18に固定するためのカソード固定用孔102、アノードピンを貫通させるアノードピン貫通孔103が設けられている。第1のカソード41のプラズマ生成室100に面する領域には、カソード中央に直径12mm、深さ1mmの凹部42が形成されている。さらに、凹部42の底面には幅0.4mm、深さ1mmの円周状のスリットが形成されている。カソードの表面積を増大させることにより、プラズマ生成室100で発生する電子の供給量をさらに増大させることができる。この例では、凹凸として、凹部42の底面に円周状のスリットを形成した例を示しているが、スリットの形状は円形に限定されるものではなく、多角形であっても、また格子状であっても問題ない。
図13は、本実施例のイオンガン(第4例)の構成断面図である。この例では、アノード33の張り出し領域が有する円筒領域につながる開口は、円筒領域から遠ざかるにつれて内径が大きくなる傾斜面を有する形状とした。さらに、第1のカソード51に形成する凹部の底面には、アノード33の張り出し領域の形状に合わせて、外周部から中央部へ向かって傾斜する凸部を有する形状とした。張り出し領域によって拡大された端部において、第1のカソード51とアノード33とが近距離で対向する面積を広くとることにより、プラズマ生成室100で発生する電子の供給量をさらに増大させることができる。これ以外については第1例(図3)と同じ構造上の特徴を有している。
図14は、本実施例のイオンガン(第5例)の構成断面図である。この例では、第4例と同様に、アノード33の第1のカソード61と向き合う円盤形状の端部を、外周部から中央部へ向かって傾斜する形状とした。一方、第1のカソード61に形成する凹部の底面は平坦にした。このため、第4例の構造よりも拡大された端部における第1のカソード51とアノード33とが対向する距離が広がることになるが、その分プラズマ生成室100につながる空間を広くとることができ、拡大された端部で発生した電子をプラズマ生成室100に導入することが容易になる。これ以外については第1例(図3)と同じ構造上の特徴を有している。
図15は、本実施例のイオンガン(第6例)の構成断面図である。この例では、アノード43は、張り出し領域が有する円筒領域につながる開口は、円筒領域から遠ざかるにつれて内径が大きくなり、アノード43の張り出し領域の外径も、開口の内径に応じて拡大する形状とした。この形状に合わせて、永久磁石24とアノード43とを電気的に絶縁する絶縁体36は、張り出し領域が有する円筒領域につながる開口は、アノード43の張り出し領域の外径に応じて内径が大きくなり、絶縁体36の張り出し領域の外径も、開口の内径に応じて拡大する形状とした。また、永久磁石24は、絶縁体36の形状に合わせて、内壁に、絶縁体36の張り出し領域の外径に応じて内径が大きくなる傾斜面を設けた。さらに、第1のカソード71に形成される凹部の底面は、アノード43の形状にあわせて、外周部から中央部へ向かって傾斜する凸部を有する形状とした。第4例の構造と同様に、拡大された端部において、第1のカソード71とアノード43とが近距離で対向する面積を広くとることができるとともに、第1のカソード71の外周部の高さを第1のカソード51よりも低くすることができるため、よりコンパクトにイオンガンを形成することが可能になる。これ以外については第1例(図3)と同じ構造上の特徴を有している。
図16は、本実施例のイオンガン(第7例)の構成断面図である。この例では、第6例と同様に、アノード43及び絶縁体36の張り出し領域を、外周側に向かって傾斜して外径が拡大する形状とし、永久磁石24は、絶縁体36の張り出し領域の形状にあわせて、内壁に内径を拡大させる傾斜面を設けた。一方、第1のカソード81に形成する凹部の底面は平坦にした。このため、第6例の構造よりも拡大された端部における第1のカソード81とアノード43とが対向する距離が広がることになるが、その分プラズマ生成室100につながる空間を広くとることができ、拡大された端部で発生した電子をプラズマ生成室100に導入することが容易になる。これ以外については第1例(図3)と同じ構造上の特徴を有している。
図17は、本実施例のイオンガン(第8例)の構成断面図である。この例では、第1のカソード91に形成する凹部に、非磁性材料19を配置している。これにより、イオンガン内部で発生した陽イオンの衝突によりスパッタされた非磁性体の粒子がアノード23上に針状に積層されて異常放電を起こすことを防止できる。非磁性材料には例えば、タングステン、モリブデン、チタン、クロム、タンタルなどが適用できる。これ以外については第1例(図3)と同じ構造上の特徴を有している。
金属製のカソードから発生したリデポジションは酸化しやすいため、アノードに付着するとリデポジションが酸化することにより、アノードの導電性が落ちる原因となる。アノードの導電性が落ちると、帯電して放電が不安定になるといった不具合が発生する。このため、第1のカソード91の凹部に配置された非磁性材料19は、導電性とイオン耐性を併せ持った材質である必要があり、例示したような硬い金属材料で形成された部品が有効である。スパッタ量の定義として「スパッタ収率」が一般的に用いられるが、実際にスパッタされる体積は「スパッタ収率に結晶モル密度を乗じた比」として表すことができる。チタンの場合、スパッタモル体積比が0.322mol/ccとなり、金属材料として最も小さい。図17に示すようなイオンガン構成を採用することによって、イオンガンから放出されるイオン量の増大が実現でき、かつ第1のカソード91や非磁性材料19の変形や汚染を低減して安定したイオン電流が得られ、それら部品を従来よりも長寿命化することができる。
さらに、第1のカソード91に形成する凹部に配置する非磁性材料19として、例えば、グラファイトカーボンや単結晶グラファイト、高配向熱分解黒鉛(HOPG)を適用することもできる。導電性のある材質であるグラファイトカーボンは、スパッタモル体積比が0.15mol/ccとチタンよりもさらに小さい。これにより、第1のカソード91の凹部に形成された非磁性材料19からのスパッタモル体積をより低減できる。これにより、アノード23へ付着するリデポジションの付着体積も低減するため、電極間のショートが起き難く、イオンガンのメンテナンス周期を長期化することが可能である。さらに、グラファイトカーボンは、酸化耐性に優れるため、グラファイトカーボンのスパッタ粒子がアノード23に再付着しても、金属材料の場合と比べて酸化しにくい。従って、たとえアノード23にリデポジションが付着した場合でも、リデポジションが酸化することによって起こる帯電等の不具合は起こりづらく、帯電を防ぐという目的でのイオンガンのクリーニングを基本的に不要にできる。
図18は、本実施例の効果として、プラズマ生成室100内部の電子密度分布を比較した結果である。横軸の項目はイオンガンの構造であり、図2に示した従来構造での電子密度分布を比較例として示すとともに、図3、図9、図11、図13、図14、図15、図16に示した第1例~第7例の本実施例の構造での電子密度分布を示している。いずれも物理シミュレータにて電界強度解析を行った結果をプロットしたものである。その結果、比較例として示した従来構造の6.7×1015l/m3に対して、本実施例の構造では電子密度が、約3%から61%まで向上することが分かる。これにより、プラズマ生成室100内のイオン流を高め、イオン源は高い空間電荷制限電流値に見合った十分なイオン飽和電流値が得られ、その結果、イオンガンから放出されるイオン量を増大できる。
図19は、本実施例のイオンガン(第9例)の構成断面図である。この例では、第1のカソード111と永久磁石14とが接続する界面に、永久磁石14の内径よりも大きい内径を有する永久磁石404を配置した。これにより第1のカソード111の永久磁石14と接続する面領域への凹部形成を不要としつつ、アノード23の第1のカソード111と向き合う端部に円盤形状の張り出し領域を設けることにより、第1のカソード111とアノード23との対向領域を拡大させている。また、第1のカソード111、第2のカソード12、永久磁石14及び永久磁石404を、アノード23と電気的に絶縁する絶縁体26は、アノード23と同様に第1のカソード111側の端部に円盤形状の張り出し領域を設けて面積を拡大することで、永久磁石14がプラズマ生成室100に露出しないように被覆しており、イオンガンの信頼性を向上させている。
図20は、本実施例のイオンガン(第10例)の構成断面図である。この例では、第1のカソード111と永久磁石14が接続する界面に、永久磁石14の内径よりも大きい内径を有する第3のカソード405を配置した。これにより第1のカソード111の永久磁石14と接続する面領域への凹部形成を不要としつつ、アノード23の第1のカソード111と向き合う端部に円盤形状の張り出し領域を設けることにより、第1のカソード111とアノード23との対向領域を拡大させている。また、第1のカソード111、第2のカソード12、第3のカソード405及び永久磁石14を、アノード23と電気的に絶縁する絶縁体26は、アノード23と同様に第1のカソード111側の端部に円盤形状の張り出し領域を設けて面積を拡大することで、永久磁石14がプラズマ生成室100に露出しないように被覆しており、イオンガンの信頼性を向上させている。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例のある例の構成の一部を他の例の構成に置き換えたり、他の例の構成を加えたりすることも可能である。例えば、第3例~第7例の凹部を設けた第1のカソードに代えて、第9例の第1のカソードと永久磁石の組み合わせ、あるいは第10例の第1のカソードと第3のカソードの組み合わせを用いて、同様のイオンガンを構成することも可能である。
1,10:イオンガン、2:イオンビーム、3:イオンガン制御部、4:真空チャンバー、5:真空排気系、6:試料、7:試料台、8:試料ステージ、9:試料ステージ駆動部、11,21,31,41,51,61,71,81,91,111:第1のカソード、12:第2のカソード、13,23,33,43:アノード、14,24,404:永久磁石、15:加速電極、16,26,36:絶縁体、17:カソードリング、18:イオンガンベース、19:非磁性材料、22,32,42:凹部、25a,25b:張り出し領域、35a,35b:円筒領域、100:プラズマ生成室、101a,101b:イオンビーム取り出し孔、102:カソード固定用孔、103:アノードピン貫通孔、200:ガス供給機構、201:ガス源、301:放電電源、302:加速電源、401,402:解析結果、405:第3のカソード。

Claims (19)

  1. 円盤形状を有する第1のカソードと、
    円盤形状を有し、イオンビーム取り出し孔が設けられた第2のカソードと、
    前記第1のカソードと前記第2のカソードとの間に配置され、円筒形状を有する第1の永久磁石と、
    円筒領域と前記円筒領域の一端に設けられた張り出し領域とを有するアノードと、
    前記アノードを、電気的に接続されている前記第1のカソード、前記第2のカソード及び前記第1の永久磁石から電気的に絶縁する絶縁体とを有し、
    前記アノードの前記円筒領域は、前記第1の永久磁石の内径位置よりも内側に配置され、
    前記アノードの前記張り出し領域は、前記第1の永久磁石の内径位置を越えて配置され、前記第1のカソードと対向しているイオンガン。
  2. 請求項1において、
    前記第1のカソードと前記第2のカソードとの間に、外部から供給されたガスに電子を衝突させてイオンを生成する空間であるプラズマ生成室が形成されており、
    前記第1の永久磁石が前記プラズマ生成室に露出しないよう、前記第1の永久磁石は前記絶縁体により被覆されているイオンガン。
  3. 請求項2において、
    前記絶縁体は、円筒領域と前記円筒領域の一端に設けられた張り出し領域とを有し、
    前記絶縁体の前記円筒領域は、前記第1の永久磁石の内径位置よりも内側に配置され、
    前記アノードの前記円筒領域は、前記絶縁体の前記円筒領域にはめ込まれ、
    前記絶縁体の前記張り出し領域は、前記アノードの前記張り出し領域を越えて前記第1の永久磁石を被覆するイオンガン。
  4. 請求項1において、
    前記第1のカソードは、前記アノードの前記張り出し領域に対向する面に、前記第1の永久磁石の外径よりも小さく内径よりも大きい凹部を有するイオンガン。
  5. 請求項4において、
    前記第1のカソードの前記凹部は、前記凹部の中心部の深さが前記凹部の周辺部の深さよりも深くされたイオンガン。
  6. 請求項5において、
    前記第1のカソードの前記凹部は円錐形状を有するイオンガン。
  7. 請求項1において、
    前記第1のカソードは、前記アノードの前記張り出し領域に対向する面に、凹凸が形成されているイオンガン。
  8. 請求項7において、
    前記第1のカソードに円周状、多角形状または格子状のスリットが形成されることにより、前記凹凸が形成されているイオンガン。
  9. 請求項1において、
    前記アノードの前記張り出し領域が有する前記アノードの前記円筒領域につながる開口は、前記アノードの前記円筒領域から遠ざかるにつれて内径が大きくなる傾斜面を有するイオンガン。
  10. 請求項9において、
    前記第1のカソードは、前記アノードの前記張り出し領域に対向する面に、前記アノードの前記張り出し領域が有する開口に応じた傾斜面をもつ凸部を有するイオンガン。
  11. 請求項3において、
    前記アノードの前記張り出し領域が有する前記アノードの前記円筒領域につながる開口は、前記アノードの前記円筒領域から遠ざかるにつれて内径が大きくなり、前記アノードの前記張り出し領域の外径は、開口の内径に応じて拡大し、
    前記絶縁体の前記張り出し領域が有する前記絶縁体の前記円筒領域につながる開口は、前記アノードの前記張り出し領域の外径に応じて内径が大きくなり、前記絶縁体の前記張り出し領域の外径は、開口の内径に応じて拡大し、
    前記第1の永久磁石の内壁に、前記絶縁体の前記張り出し領域の外径に応じて内径が大きくなる傾斜面を有するイオンガン。
  12. 請求項11において、
    前記第1のカソードは、前記アノードの前記張り出し領域に対向する面に、前記アノードの前記張り出し領域が有する開口に応じた傾斜面をもつ凸部を有するイオンガン。
  13. 請求項1において、
    前記第1のカソードは、前記アノードの前記張り出し領域に対向する面に非磁性材料が配置されているイオンガン。
  14. 請求項13において、
    前記非磁性材料として、少なくともタングステン、モリブデン、チタン、クロム、タンタルのいずれかを含むイオンガン。
  15. 請求項13記載において、
    前記非磁性材料として、少なくともグラファイトカーボン、単結晶グラファイト、高配向熱分解黒鉛のいずれかを含むイオンガン。
  16. 請求項1記載において、
    前記第1のカソードと前記第1の永久磁石との間に、前記第1の永久磁石よりも内径の大きい第2の永久磁石が配置され、
    前記絶縁体は、前記アノードを、電気的に接続されている前記第1のカソード、前記第2のカソード、前記第1の永久磁石及び前記第2の永久磁石から電気的に絶縁するイオンガン。
  17. 請求項1記載において、
    前記第1のカソードと前記第1の永久磁石との間に、前記第1の永久磁石よりも内径の大きい第3のカソードが配置され、
    前記絶縁体は、前記アノードを、電気的に接続されている前記第1のカソード、前記第2のカソード、前記第3のカソード及び前記第1の永久磁石から電気的に絶縁するイオンガン。
  18. 請求項1~17のいずれか1項に記載のイオンガンと、
    真空排気系によって気圧制御される真空チャンバーと、
    前記真空チャンバー内に配置され、試料を保持するための試料ステージとを備え、
    前記イオンガンからイオンビームを照射して前記試料を加工するイオンミリング装置。
  19. 請求項18において、
    前記イオンガンに接続されるガス供給機構と、
    前記イオンガンを制御するイオンガン制御部とを有し、
    前記イオンガンは、イオンビーム取り出し孔が設けられた加速電極を有し、
    前記ガス供給機構は前記イオンガン内部にイオン化させるガスを供給し、
    前記イオンガン制御部は、前記第1のカソード及び前記第2のカソードと前記アノードとの間に放電電圧を印加してグロー放電を発生させ、前記第2のカソードと前記加速電極との間に加速電圧を印加することにより、前記グロー放電により発生した電子と前記ガスとが衝突して生じたイオンを加速させて、前記加速電極の前記イオンビーム取り出し孔から放出させるイオンミリング装置。
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