JP7185870B2 - 抗菌材料の作製方法及び抗菌材料を備えた抗菌部材の作製方法 - Google Patents

抗菌材料の作製方法及び抗菌材料を備えた抗菌部材の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、物理的構造である微細構造物によって菌を死滅または減少させられる、抗菌材料及びこれを備えた抗菌部材に関するものである。
セミの翅が抗菌性を有することが報告されている(非特許文献1)。非特許文献1では、セミの翅にナノサイズの多数の柱から構成される微細構造物が存在し、この微細構造物に起因する毛細管力により細菌の細胞膜を破壊することで抗菌性を発揮すると述べられている。更に、人工材料(具体的にはブラックシリコン)で形成した微細構造物(ナノサイズの柱であるナノピラー)がセミの翅と同様に抗菌性を持つことが報告されている(非特許文献2)。
Elena P. Ivanova et al.、「Natural Bactericidal Surfaces: Mechanical Rupture of Pseudomonas aeruginosa Cells by Cicada Wings」、small、2012年、Volume 8、Issue 16、p.2489-2494 Elena P. Ivanova et al.、「Bactericidal activity of black silicon」、Nature Communications、2013年11月26日
ところが非特許文献2において、人工的に形成した微細構造物の形状及び密度については検討されていなかった。
そこで本発明は、効果的に細菌を死滅させられる抗菌材料を提供することを課題とする。
本発明は、複数の柱状突起を備え、前記各柱状突起は、以下の関係式で表される形状を有する抗菌材料である。

Asp≧1.80exp(-0.00083p)

Asp…前記各柱状突起の中心を通る縦断面形状のアスペクト比
p…隣り合う二つの柱状突起どうしの中心間距離
この構成によれば、前記関係式により特定される所定寸法で形成された各柱状突起の表面に細菌を引き寄せ、細胞膜を破壊することで細菌を死滅させられる。
そして更に、前記各柱状突起の形状は円柱状とできる。
この構成によれば、例えばメタルアシストエッチング法、ナノインプリント技術、電子線リソグラフィ等により複数の柱状突起を容易に形成できる。
そして更に、前記各柱状突起はシリコンまたは樹脂から構成されることができる。
この構成によれば、複数の柱状突起を備えた抗菌材料を、一般的な材料であるシリコンまたは樹脂により容易に得ることができる。
そして更に、前記各柱状突起の、少なくとも先端周辺の表面は疎水性を有するものとできる。
この構成によれば、各柱状突起の、少なくとも先端周辺の表面が親水性を有するものと比べて抗菌力を向上させられる。
そして更に、前記各柱状突起はシリコンから構成されており、前記疎水性を有する表面はシリコン酸化膜の除去された表面であるものとできる。
この構成によれば、シリコン酸化膜を除去することで、各柱状突起に容易に、抗菌力を向上させた疎水性の表面を実現できる。
そして更に、前記複数の柱状突起には、疎水基を持つ分子が表面に存在する柱状突起が含まれるものとできる。
この構成によれば、疎水基を持つ分子が表面に位置することで、柱状突起の表面に容易に疎水性を実現できる。
そして更に、前記複数の柱状突起は、疎水基を持つ分子が表面に存在する柱状突起と親水基を持つ分子が表面に存在する柱状突起とが混在して構成されることもできる。
この構成によれば、複数の柱状突起のうち、疎水基を持つ分子が表面に存在するものと、親水基を持つ分子が表面に存在するものとの混在割合を調整することで、複数の柱状突起の全体で所望の濡れ性を実現できる。
そして本発明は、抗菌の対象細菌が、細長い形状であり鞭毛を有するグラム陰性菌であって、前記隣り合う二つの柱状突起どうしの側面間の隙間が、前記対象細菌の鞭毛を除く最大長よりも小さいものとできる。
この構成によれば、サイズの異なる対象細菌への、最適な抗菌作用を発揮する抗菌材料を提供できる。
そして本発明は、液体に接する部分に用いられる抗菌部材であって、前記いずれかに記載の抗菌材料を、前記複数の柱状突起が前記液体に対して突出するように設けた抗菌部材である。
この構成によれば、液体中の細菌を効果的に死滅させられる。
本発明によると、液体中の細菌を柱状突起に誘引して、効果的に死滅させられる抗菌材料を提供できる。
本発明の第1~第3実施形態に係る抗菌材料の一部を拡大して示した、概略的な斜視図である。 (a)~(f)は、前記抗菌材料をメタルアシストエッチング法で作製する場合の手順を工程順に示した、概略的な斜視図である。 前記抗菌材料の抗菌性を評価した結果を示すグラフである。 表面に柱状突起を備えた試験片と表面が平坦な試験片とにおいて、接触角と付着した細胞の密度との関係を示すグラフである。 (a)は親水基(水酸基)を先端に持つ分子が表面に存在する柱状突起を示し、(b)は疎水基(メチル基)を先端に持つ分子が表面に存在する柱状突起を示し、(c)は親水基(水酸基)を先端に持つ分子が表面に存在する平坦面を示し、(d)は疎水基(メチル基)を先端に持つ分子が表面に存在する平坦面を示した、概略的な斜視図である。 表面に柱状突起(ナノ構造)のある領域とない領域との大腸菌の付着数の差を示す顕微鏡画像である。 表面特性と抗菌特性との関係につき、大腸菌の生・死細胞数の時間変化を示すグラフである。 異なる接触角の表面における、大腸菌の生存率の時間変化を示すグラフである。 前記抗菌材料の形状を評価するための寸法を説明するための、概略的な縦断面図である。 隣り合う二つの柱状突起どうしの中心間距離が3パターンにおける、隣り合う二つの柱状突起どうしの側面間の隙間(Gap)と大腸菌の生存率(生菌率)との関係を示すグラフである。 隣り合う二つの柱状突起どうしの中心間距離が3パターンにおける、柱状突起の高さと大腸菌の生存率(生菌率)との関係を示すグラフである。 隣り合う二つの柱状突起どうしの中心間距離が3パターンにおける、柱状突起のアスペクト比(Aspect ratio)と大腸菌の生存率(生菌率)との関係を示すグラフである。 隣り合う二つの柱状突起どうしの中心間距離が4パターンにおける、柱状突起のアスペクト比(Aspect ratio)と大腸菌の生存率(生菌率(Living bacteria ratio))との関係を示すグラフであり、(a)は中心間距離(Pitch)200nmの場合、(b)は中心間距離(Pitch)500nmの場合、(c)は中心間距離(Pitch)1000nmの場合、(d)は中心間距離(Pitch)2000nmの場合を示す。 抗菌を発揮する条件を解析するためのグラフであって、隣り合う二つの柱状突起どうしの中心間距離(Pitch)1000nmの場合の、柱状突起のアスペクト比と大腸菌の生存率(生菌率)の対数との関係を示す。 大腸菌の生存率(生菌率)が1%、0.1%のそれぞれの場合での、隣り合う二つの柱状突起どうしの中心間距離(Pitch)と柱状突起のアスペクト比(Aspect ratio) との関係を示すグラフである。 QCM法における共振抵抗(Resistance shift)の時間変化を示すグラフであり、(a)はナノ構造の有無の影響を示し、(b)は接触角の影響を示し、(c)は菌の鞭毛の有無の影響を示す。 QCM法における測定後の水晶振動子表面の状態を示す顕微鏡画像である。 (a)~(c)は、推測される抗菌メカニズムを示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る抗菌材料と抗菌の対象細菌との大きさの関係を示す概略図である。
(第1実施形態)
本発明につき、第1実施形態を取り上げて説明を行う。ここで、本明細書に記載した「抗菌」との用語は、JIS Z 2801における定義である「製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態」に対応している。具体的に、「抗菌」とは、抗菌材料の周囲に存在する微生物(特に細菌)の数量を死滅により減少あるいは増加させない状態を意味する。
まず、本実施形態の概要を述べておく。本願の発明者は、自己組織化膜を形成することにより、寸法(間隔、高さ、横断面寸法等)や密度を任意に設定した微細構造物(「ナノ構造」ともいう)を形成した。そして、表面の濡れ性を調整して親水性及び/または疎水性(撥水性)表面を有する微細構造物を得た。このようにして得られた微細構造物の疎水性表面に、親水性表面に比べて積極的に微生物(細菌)が付着して死滅することが確認された。
図1は、本実施形態の、基板2上に複数の微細構造物としての柱状突起(ナノピラー)3…3を備えた抗菌材料1を示す。なお、図1は概略図であって、本実施形態の抗菌材料1を正確に示したものではない。基板2及び各柱状突起3はシリコンから構成されている。各柱状突起3の形状は、本実施形態では円柱状とされている。しかし、各柱状突起3の形状は特に限定されるものではなく、多角柱状、円錐状、多角錐状であってもよい。だし、形状を円柱状とすることが、例えば後述のメタルアシストエッチング法により自己組織化膜を形成できることから、複数の柱状突起3…3を容易に形成できるため好ましい。
各柱状突起3の、少なくとも先端周辺の表面は疎水性を有している。これは、細菌を積極的に付着させるためである。ただし、本発明において表面の疎水性は必須要件ではなく、親水性であってもよい。また一般的に、「疎水性」とは、水の接触角(具体的には静的接触角)が90°を超える場合に該当するが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、相対的に疎水性か親水性かを定めることもできる。前記「先端周辺」とは端面及び側面のうち端面側の面である。細菌を効果的に付着させるためには、各柱状突起3の先端周辺の表面が疎水性を有していれば足りる。細菌の付着に関する詳細は後述する。
複数の柱状突起3…3の配置及び各柱状突起3の寸法に関し、各柱状突起3は、隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離(図9参照)が500nm以下とされている。なお、中心間距離の下限値は下記隙間の設定に関連して定まる。更に、前記隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの側面間の隙間(図9参照)が20nm以上200nm以下である、または、前記各柱状突起3の中心を通る縦断面形状のアスペクト比が1以上である。このように各寸法を設定することで、疎水性を有する各柱状突起3の表面に細菌を引き寄せ、細胞膜を破壊することで細菌を死滅させられる。
本実施形態の抗菌材料1は湿式エッチング技術に係る方法の一例であるメタルアシストエッチング法で作製される。作製手順を工程順に図2(a)~図2(f)に示す。なお、図2(a)~図2(f)は概略図であって、図示されてる寸法関係は正確ではない。
まず、平坦なシリコン板2aの表面に所定寸法のポリスチレンビーズ(以下、単に「ビーズ」という)Bを複数、重ならず最密充填状態となるように敷き詰め、図2(a)に示した状態とする。これにより、シリコン板2a上に、複数のビーズB…Bからなる自己組織化膜が形成される。最密充填状態であるから、各ビーズBの直径がすなわち、形成後の隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離S(図9参照)となる。このため、この処理によって所望の中心間距離Sを有する複数の柱状突起3…3を得ることができる。
次に、各ビーズBに対してプラズマ(本実施形態では酸素プラズマ)を照射させて炭化させることにより、各ビーズBをシリコン板2a上の同一位置にて小径化して、図2(b)に示した状態とする。小さくなったビーズBの直径がすなわち、形成後の柱状突起3の直径D(図9参照)となる。このため、この処理によって所望の直径を有する柱状突起3を得ることができる。
次に、種々の成膜方法を用いて、シリコン板2a上に貴金属を上方から堆積させ薄膜Fを形成することで、図2(c)に示した状態とする。本実施形態ではスパッタリングによりシリコン板上に金の薄膜Fを形成している。ここで、シリコン板2a上には複数のビーズB…Bが存在しているため、各ビーズBが陰になって、各ビーズBの直下における各ビーズBの直径分の円形領域Rには貴金属の薄膜Fは形成されない状態となる。
次に、図2(c)に示したものをエッチング液に浸漬する。本実施形態のエッチング液は、過酸化水素及びフッ化水素酸の混合水溶液である。この浸漬により、シリコン板2aのうち、貴金属の薄膜Fに接した部分のシリコンが選択的に削られる。これに伴い薄膜Fは下降していき、図2(d)に示すように、複数のビーズB…Bの下方に微細な円柱状である柱状突起3が複数形成されると共に基板2が形成される。
次に、貴金属の薄膜Fを除去して、図2(e)に示した状態とする。除去のため、本実施形態では王水が用いられる。その他に、ヨウ素とヨウ化カリウムを混合した溶液でも実施できる。そしてビーズBを除去することで、図2(f)に示した状態とし、抗菌材料1が出来上がる。ただし、図2(f)に示した状態では柱状突起3の表面はメタルアシストエッチングによる影響により形成されたシリコン酸化膜で覆われたままの状態である。
このように複数のビーズB…Bを用いたメタルアシストエッチング法により、所望の寸法及び密度とされた複数の柱状突起3…3を備えた抗菌材料1を容易に得ることができる。自己組織化膜を利用することで、コストダウンと作製に要する時間の短縮をはかることができる。抗菌材料1は、前述のメタルアシストエッチング法により得られた複数の柱状突起3…3を備えた物体を直接的に用いることもできるし、この物体を樹脂(例えばシリコンゴム)等に転写したものを用いることもできるし、この物体をかたどった成形型・転写型をまず形成し、その成形型・転写型を利用して製造した樹脂(例えばシリコンゴム)等の成型品を用いることもできる。成形・転写によることで、抗菌材料を大量生産できる。成形・転写の技術としてはナノインプリント技術、電子線リソグラフィ等を利用できる。このようにして、複数の柱状突起を備えた抗菌材料1を、一般的な材料であるシリコンまたは樹脂により容易に得ることができる。樹脂素材に関しては、本願の発明者はシリコンゴムであるPDMSにより抗菌材料1を実際に作成し、抗菌性を発揮することを確認している。
メタルアシストエッチング法により形成された各柱状突起3の表面はシリコン酸化膜(二酸化シリコンの膜)で覆われているため親水性を有している。このシリコン酸化膜を除去することにより、各柱状突起3の表面に疎水性を有するものとできる。つまり、疎水性を有する表面はシリコン酸化膜の除去された表面のことである。本実施形態では、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムの混合液への浸漬により酸化膜を除去している。このようにシリコン酸化膜を除去することで、各柱状突起3の表面に容易に疎水性を実現できる。また、前記浸漬がされない部分は親水性を有したままで、前記浸漬がされた部分は疎水性を有するものとできるので、例えば、各柱状突起3の先端周辺の表面だけを疎水性を有するようにする等、所望の領域に関して疎水性及び親水性を実現できる。
柱状突起3の表面が有する濡れ性(接触角)の調整は、疎水基を持つ分子または親水基を持つ分子を適宜、各柱状突起3の表面に設けることで実現できる。例えば、まず各柱状突起3の表面に金の薄膜を形成しておく。そして、図5(a)(b)に示すように、金と結合しやすいチオール基を基端部に持ち、先端部に水酸基(親水基)またはメチル基(疎水基)を持つ分子を結合させる。このようにすることで本実施形態では、各柱状突起3の表面において、接触角(水)を10°~140°の範囲で任意に調整できる。
このように、複数の柱状突起3…3は、疎水基を持つ分子が表面に存在する柱状突起3と親水基を持つ分子が表面に存在する柱状突起3とが混在して構成されることができる。疎水基を持つ分子が表面に位置することで、柱状突起3の表面に容易に疎水性を実現できる。また、複数の柱状突起3…3のうち、疎水基を持つ分子が表面に存在するものと、親水基を持つ分子が表面に存在するものとの混在割合を調整することで、複数の柱状突起3…3の全体で所望の濡れ性を実現できる。このほか、一つの柱状突起3において、疎水基を持つ分子と親水基を持つ分子とが表面に混在して存在するようにすることも可能である。
このように形成された抗菌材料1は、例えばブロック状やシート状の形状とすることができる。この抗菌材料1は、液体に接する部分に用いられる抗菌部材であって、抗菌材料1の備える複数の柱状突起3…3が液体に対して突出するように備えられた抗菌部材に組み込んで利用できる。この抗菌部材を用いることで、液体中の細菌を効果的に死滅させられる。この抗菌部材は、上下水道用の配管部材、家庭内の配管部材、食品工場等の衛生管理が必要な施設において液体に触れる部材、医療機器や医療用分析装置を構成する部材等に利用できる。
次に、本願の発明者が本実施形態の抗菌材料1に関し、各種の試験を行ったので説明する。以下で説明する試験はすべてJIS Z 2801に則って行った。また、試験に供した大腸菌の菌株はNBR3972である。
図3は、柱状突起3の直径Dと高さH(図9参照)の積、つまり縦断面積に対する大腸菌の、24時間経過の生存率を示す。平坦な試験片に関しては、縦断面積を0とする。なお、グラフ縦軸の下端(10-5%)は検出限界以下である場合も含む。柱状突起(ナノピラー)3を有する試験片において、隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離S(図9参照)は200nmに設定した。
図3中の四角形ポイントは、表面が二酸化シリコンで覆われた柱状突起3を有する試験片(水の接触角が23°で相対的に親水性)に関してであり、丸形ポイントは、表面にシリコンが露出した柱状突起3を有する試験片(水の接触角が77°で相対的に疎水性)に関してであり、X字形ポイントは、表面が二酸化シリコンで覆われた平坦な試験片に関してであり、菱形ポイントは、表面にシリコンが露出した平坦な試験片に関してである。
一般的には、生存率が1%以下であれば抗菌性があると評価できる(JIS Z 2801)。図3に示すように、柱状突起3を有する試験片のうち表面が親水性のものは、縦断面積が小さい領域では生存率が高かったが、縦断面積が大きくなるにつれて生存率が低下していた。一方、柱状突起3を有する試験片のうち表面が疎水性のものは、縦断面積を問わず生存率が低く、良好に抗菌性を発揮していることが確認できた。
次に、表面の濡れ性と細菌の付着性との関係を図4に示す。柱状突起3を備えた試験片と平坦な試験片のそれぞれにつき、表面に疎水基と親水基を持たせることで接触角(水)を変化させた複数種を用意する。これらの試験片に同数の大腸菌を含んだ培養液を滴下して蓋を被せ、試験片への大腸菌の付着数を顕微鏡で観察しカウントした。
図4中の丸形ポイントは、複数の柱状突起3…3を備えた試験片(図5(a)及び図5(b)参照)に関してであり、四角形ポイントは、平坦な試験片に関して(図5(c)及び図5(d)参照)である。図4の横軸は接触角、縦軸は1mm四方の大腸菌密度を示す。各ポイントを結んだ曲線から、接触角が大きい(疎水的である)ほど付着性が高く、かつ、柱状突起3がある方が高い付着性であることが示されている。なお、図4に示すように、柱状突起3を備えた試験片では、接触角100°を超えると大腸菌の付着数の増加が鈍化しているが、これは投入した大腸菌のほとんどが付着してしまったためと推察される。
また、図6は顕微鏡画像であって、柱状突起(図6中の「ナノ構造」)3のある領域とない領域で大腸菌の付着数に明確な差があることがわかった。
これらの結果により、少なくとも大腸菌においては、接触角が大きいほど付着性が高く、しかも柱状突起3があると付着性が高いことが明らかとなった。このことは、少なくとも鞭毛を有する微生物について同じであることが推察できる。
また、細菌の生死については、細胞膜を透過できるため生きた細胞が染色される蛍光色素と、細胞膜を透過できないため死んだ細胞(細胞膜が破壊された細胞)が染色される蛍光色素を用い、蛍光顕微鏡で観察することにより、蛍光色の違いから生存している細菌と死滅した細菌の数をそれぞれカウントした。複数の柱状突起3…3を備え、接触角(水)を100°に調整した試験片を用いた。結果を図7に示す。図7の横軸は経過時間、縦軸は顕微鏡の視野内でカウントされた細胞数を示す。図7に示すように、試験片の表面が疎水性である方が親水性であるよりも細胞を多く死滅させられていることがわかる。
また、図8に試験片表面の濡れ性と大腸菌の死滅スピードの関係を示す。図8中の三角形ポイントは、接触角(水)が100°の試験片に関してであり、四角形ポイントは、接触角(水)が70°の試験片に関してであり、丸形ポイントは接触角(水)が極めて低い超親水性の試験片に関してである。結果を図8に示す。図8の横軸は経過時間、縦軸は大腸菌の生存率である。図8に示すように、接触角が大きい方、つまり疎水的であるほど生存率の減少が大きいため、死滅スピードが速いことがわかる。
図10~図12に、柱状突起3の寸法と24時間経過後の大腸菌の生存率との関係を示す。図9に評価対象とした寸法の関係を示す。隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離を3パターン(200nm、500nm、1000nm)で設定した。
図2(a)~図2(f)で示されたように試験片の柱状突起3を作製した関係上、中心間距離を変化させると、柱状突起3の高さ及び直径も変化したものとなっている。それぞれの関係は以下の通りである。
中心間距離S:200nm、高さH:約250nm、直径D:約120nm
中心間距離S:500nm、高さH:約500nm、直径D:約270nm
中心間距離S:1000nm、高さH:約300nm、直径D:約510nm
なお、試験片はシリコンにより作製した。なお、試験片の表面は酸化膜でおおわれているため親水的条件である。このため、試験は、前述した結果から厳しい方(疎水的条件に比べて細菌が死滅しにくい方)の条件である親水的条件で行った。抗菌性の判断基準は、一般的な基準である生存率(生菌率)1%以下とした。
図10は、各パターンにおける、隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの側面間の隙間(Gap)Gと大腸菌の生存率(生菌率)との関係を示す。その結果、各パターンとも、隙間Gが200nm以下で急激に抗菌力が高まっていることがわかる。なお、隙間Gの下限値に関しては試験で特定されていないが、前述のように隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの隙間に入り込む微生物の鞭毛の大きさとの関係で、20nmが下限値と考えられる。
図11は、各パターンにおける、柱状突起3の高さHと大腸菌の生存率(生菌率)との関係を示す。その結果、中心間距離500nm付近が閾値であることがわかる。
図12は、各パターンにおける、柱状突起3のアスペクト比(Aspect ratio)と大腸菌の生存率(生菌率)との関係を示す。その結果、中心間距離が500nm以下で、かつ、アスペクト比が1を超えると急激に抗菌力が高まっていることがわかる。
これら結果から、本実施形態の抗菌材料1では、隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離が500nm以下とされることが基本的な条件であり、更に、隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの側面間の隙間が20nm以上200nm以下である、または、各柱状突起3の中心を通る縦断面形状のアスペクト比が1以上であることが抗菌性を発揮するための条件であることが見いだせた。
以上、図10~図12に示す試験結果から、親水性条件で抗菌性が発揮されることが確認できた。したがって、疎水性条件ではより強く抗菌性が発揮されることが推測できる。
以上、本実施形態の抗菌材料1は、液体に含まれる微生物(特に細菌)に対する抗菌性を発揮するものである。この抗菌材料1は、化学的な作用ではなく、物理的構造である柱状突起3に起因する作用で抗菌性を発揮することが特徴である。このため、柱状突起3が磨耗したり欠損したりすることで作用が低下しない限り、抗菌性が時間経過で低下することがないので、効果に持続性がある、大変優れた抗菌材料1を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本願の発明者が第1実施形態に係る知見を得た後に研究を継続した結果、新たな(拡張的な)知見を得られたので、以下に第2実施形態として説明する。なお、第1実施形態と重複する事項については、説明上必要なものを除き、以下では繰り返さない。
研究の継続に伴い蓄積されたデータを、図13(a)~(d)に、隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離(200nm、500nm、1000nm、2000nm)ごとにまとめた。その結果、第1実施形態に係る中心間距離の知見(500nm以下が抗菌性発揮の条件)の外である、500nmを超えた中心間距離、具体的には1000nmまたは2000nmであっても抗菌性が発揮されることが見出された。
発明者は、抗菌を発揮する条件を柱状突起3のアスペクト比に着目して解析した。解析手法は、例えば図13(d)において大きく生菌率が変化している部分に注目し、図14に示すように縦軸を生菌率の対数(常用対数)で表示したグラフにおいて、
Log[y]=Ax+B(y:生菌率(%),x:アスペクト比)
の近似式で表される一次直線(log[y]=-3.9917x+2.4968)で近似した。そして図14において、当該一次直線が生菌率1%(log[y]=log(1)=0)の横線と交わるxを導いた。この結果、
x=-(B/A)
を得た。更に図14において、当該一次直線がより抗菌率が高い生菌率0.1%(log[y]=log(0.1)=-1)の横線と交わるxを同様に算出した。この結果、
x=-((1+B)/A)
を得た。このように、二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離によって、抗菌を発揮するアスペクト比(x)を算出できる。
次に、抗菌を示す条件をフィッティングする。図15において、指数関数
y=Cexp(Dx)
で近似すると、生菌率1%のライン(図中丸形ポイントの近似式/太線ラインの湾曲部分)では、C=1.80,D=-8.3×10-4であった。また、生菌率0.1%のライン(図中四角形ポイントの近似式/細い一点鎖線のライン)では、C=2.29,D=-8.2×10-4であった。生菌率1%のラインでは、例えば、中心間距離100nmの場合アスペクト比が1.66になり、中心間距離200nmの場合アスペクト比が1.52になる。
以上、本実施形態の抗菌材料における各柱状突起3は、生菌率1%とすると、以下の関係式で表される形状を有する。

Asp≧1.80exp(-0.00083p)

Asp…各柱状突起3の中心を通る縦断面形状のアスペクト比
p…隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離
(第3実施形態)
更に、前記第2実施形態に加えて、本願の発明者による研究の継続により得られた新たな知見を、以下に第3実施形態として説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と重複する事項については、説明上必要なものを除き、以下では繰り返さない。
ナノ構造への大腸菌の付着を、水晶振動子を用いて実験した(QCM法)。水晶振動子の電極表面にナノ構造を作製した。柱状突起3は円柱状で、直径が280nm、高さが400nm、隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離は500nmとした。また、表面処理により、水の接触角が80.5°(表面処理なし)、128.6°(メチル基による疎水性の表面処理)、26.0°(水酸基による親水性の表面処理)の柱状突起3を形成した。また、実験に供した細菌として、鞭毛がある大腸菌(ワイルドタイプ/運動性あり)と、遺伝子組み換えにより作製した鞭毛が無い大腸菌(運動性なし)を用意した。そして、水晶振動子の電極に関して付着する表面の構造、または、接触角、そして、付着する側の細菌の特性による付着のしやすさを評価した。
前記実験の結果を図16(a)~(c)に示す。各グラフで時間を追って共振抵抗(Resistance shift)が大きくなることは、粘弾性変化が大きくなるということであるから、細菌が付着しつつある可能性を示している。図16(a)のグラフに現れているように、ナノ構造がある方が細菌の付着が多い。また、図16(b)のグラフに現れているように、接触角が大きい(疎水的)方が細菌の付着が多い。また、図16(c)のグラフに現れているように、細菌に関し、鞭毛がある方が短時間で細菌が付着する。鞭毛が無い方に関しては、重力による沈下で細菌が付着したものと推測される。表面が疎水性か親水性かによる水晶振動子の電極表面の状態の違いを、顕微鏡写真と共に図17にまとめる。顕微鏡写真から、接触角と細菌の付着数とは相関があることがわかる。
以上、抗菌作用(殺菌作用)は、細菌の性質及び抗菌材料1の表面状態に依存することが知見として得られた。
ここで、アスペクト比が2で接触角80°の柱状突起3が形成された抗菌材料1に対し、鞭毛がある大腸菌(ワイルドタイプ/運動性あり)と、鞭毛が無い大腸菌(運動性なし)を供給し、JIS Z 2801による評価を行ったところ、鞭毛がある大腸菌の生菌率が0.038%であったのに対し、鞭毛が無い大腸菌の生菌率は116%(増殖した)であった。この結果は、ナノ構造である柱状突起3の表面に積極的に細菌が吸着しないと、細菌が死滅しないことを示している。そして、積極的な細菌の吸着は、細菌が有する鞭毛が役割を担っていると考えられる。
図18(a)~(c)に、推測される抗菌(殺菌)メカニズムを示す。まず、図18(a)に示すように、細菌が付着しやすい表面を見つけて付着する。次に、図18(b)に示すように、接着後に鞭毛により細菌に回転運動が生じる。この結果、細菌が柱状突起3に激突して細胞壁に小さな傷が入る。やがて、図18(c)に示すように、傷が拡大し、細胞内液が漏れ出て死に至ると考えられる。特に、柱状突起3の表面が疎水的であると、隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの間に空気が入った状態になっており、細胞内液の漏れに伴い毛細管力が発生することから、強烈な殺菌作用を生じている可能性がある。
このように、本実施形態では、第2実施形態で得た、前記関係式で表される柱状突起3の形状面の条件に加え、抗菌の対象細菌が、細長い形状であり鞭毛を有するグラム陰性菌であって、隣り合う二つの柱状突起どうしの側面間の隙間が、対象細菌の鞭毛を除く最大長よりも小さいという、細菌との関係性の条件が抗菌作用を発揮するための条件であるとの知見を得られた(図19)。この細菌との関係性の条件により、サイズの異なる対象細菌への、最適な抗菌作用を発揮する抗菌材料1を提供できる。
グラム陰性菌とは、細胞壁におけるペプチドグリカン層が相対的に薄い細菌のことであり、大腸菌、緑膿菌、マイコプラズマ、淋菌、コレラ菌が例示できる。
ここで、柱状突起3,3どうしの隙間が大きい場合、各柱状突起3の高さがある程度大きくないと細菌がぶつからない。逆に、柱状突起3,3どうしの隙間が小さい場合、細菌はぶつかりやすい。しかし、隙間が小さくなり過ぎると平坦形状と同じになってしまう。このためある程度の凸凹が必要であり、それが前述した各条件に対応する。
以上、第2実施形態及び第3実施形態についてまとめると、細菌の大きさに比べ柱状突起3,3どうしの隙間が小さいナノ構造により抗菌性が発揮される。また、柱状突起3の形状面の条件は、生菌率1%とすると、柱状突起3の高さを幅寸法で割ったものをアスペクト比(Asp)とし、隣り合う二つの柱状突起3,3どうしの中心間距離をpとして、

Asp≧1.80exp(-0.00083p)

で表される条件である。また、抗菌作用は、まず細菌が積極的にナノ構造に付着することが重要である。そのための条件に関してまとめると、(1)柱状突起3の表面が疎水的である、(2)細菌に鞭毛がある、(3)鞭毛に運動性がある、という3条件である。
なお、本発明は前記第1~第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態の抗菌材料1の素材はシリコンであったが、これに限定されず、種々の無機材料、及び金属や樹脂などの有機材料を素材とできる。このように種々の材料を素材として抗菌材料1を形成できる。
また、製法についても、前記実施形態ではメタルアシストエッチング法であったが、これに限定されない。メタルアシストエッチング法による場合も、前記実施形態のようなポリスチレンビーズ以外に種々の物体を使用できる。なお、自己組織化膜を形成できる物体を使用することが望ましい。また、貴金属薄膜の形成を、前記実施形態ではスパッタリングによって行っていたが、蒸着(例えば真空蒸着)、めっき等の種々の方法で行うことができる。
また、抗菌性のおよぶ対象となる微生物は、前記実施形態では大腸菌を含むグラム陰性菌とされていたが、これに限定されず種々の微生物が対象となる。
1 抗菌材料
2 基板
3 柱状突起
2a シリコン板
B ポリスチレンビーズ
F 薄膜

Claims (9)

  1. 複数の柱状突起を備える抗菌材料の作製方法であって
    前記各柱状突起は

    Asp=1.80exp(-0.00083p)

    Asp…前記各柱状突起の中心を通る縦断面形状のアスペクト比
    p…隣り合う二つの柱状突起どうしの中心間距離(nm)

    の関係式で表される境界を基準として、前記関係式の左辺の数値が右辺の数値以上になるように、配置関係及び形状を設定する抗菌材料の作製方法
  2. 前記各柱状突起の形状円柱状とする、請求項1に記載の抗菌材料の作製方法。
  3. 前記各柱状突起シリコンまたは樹脂から構成る、請求項1または2に記載の抗菌材料の作製方法
  4. 前記各柱状突起の、少なくとも先端周辺の表面は疎水性を有するようにされる、請求項1~3のいずれかに記載の抗菌材料の作製方法
  5. 前記各柱状突起シリコンから構成
    前記疎水性を有する表面はシリコン酸化膜除去することで形成する、請求項4に記載の抗菌材料の作製方法
  6. 前記複数の柱状突起には、疎水基を持つ分子が表面に存在する柱状突起むようにする、請求項1~5のいずれかに記載の抗菌材料の作製方法
  7. 前記複数の柱状突起、疎水基を持つ分子が表面に存在する柱状突起と親水基を持つ分子が表面に存在する柱状突起とが混在するように構成る、請求項6に記載の抗菌材料の作製方法
  8. 抗菌の対象細菌が、細長い形状であり鞭毛を有するグラム陰性菌であって、
    前記隣り合う二つの柱状突起どうしの側面間の隙間、前記対象細菌の鞭毛を除く最大長よりも小さく設定する、請求項1~7のいずれかに記載の抗菌材料の作製方法
  9. 液体に接する部分に用いられる抗菌部材の作製方法であって、
    請求項1~8のいずれかに記載の作製方法により作製された前記抗菌材料を、前記複数の柱状突起が前記液体に対して突出するように設け抗菌部材の作製方法
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