図1は、既存システム(LTE Rel.8-12)におけるTTI(通常TTI)の一例を示す図である。図1に示すように、通常TTIは、1msの時間長を有する。通常TTIは、サブフレームとも呼ばれ、2つの時間スロットで構成される。なお、既存システムにおいて、通常TTIは、チャネル符号化された1データ・パケットの送信時間単位であり、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となる。
図1に示すように、下りリンク(DL)において通常サイクリックプリフィクス(CP)の場合、通常TTIは、14OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル(スロットあたり7OFDMシンボル)を含んで構成される。各OFDMシンボルは、66.7μsの時間長(シンボル長)を有し、4.76μsの通常CPが付加される。シンボル長とサブキャリア間隔は互いに逆数の関係にあるため、シンボル長66.7μsの場合、サブキャリア間隔は、15kHzである。
また、上りリンク(UL)において通常サイクリックプリフィクス(CP)の場合、通常TTIは、14SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル(スロットあたり7SC-FDMAシンボル)を含んで構成される。各SC-FDMAシンボルは、66.7μsの時間長(シンボル長)を有し、4.76μsの通常CPが付加される。シンボル長とサブキャリア間隔は互いに逆数の関係にあるため、シンボル長66.7μsの場合、サブキャリア間隔は、15kHzである。
なお、図示しないが、拡張CPの場合、通常TTIは、12OFDMシンボル(又は12SC-FDMAシンボル)を含んで構成されてもよい。この場合、各OFDMシンボル(又は各SC-FDMAシンボル)は、66.7μsの時間長を有し、16.67μsの拡張CPが付加される。また、ULにおいてOFDMシンボルが用いられてもよい。以下、OFDMシンボル、SC-FDMAシンボルを区別しない場合、「シンボル」という。
一方、Rel.13以降のLTEや5Gなどの将来の無線通信システムでは、数十GHzなどの高周波数帯に適した無線インターフェースや、IoT(Internet of Things)、MTC:Machine Type Communication、M2M(Machine To Machine)など相対的にデータ量が小さい通信に適するように、パケットサイズは小さいが遅延を最小化する無線インターフェースが望まれている。
通常TTIよりも短い時間長の短縮TTIを用いる場合、ユーザ端末や無線基地局における処理(例えば、符号化、復号など)に対する時間的マージンが増加するため、処理遅延を低減できる。また、短縮TTIを用いる場合、単位時間(例えば、1ms)当たりに収容可能なユーザ端末数を増加させることができる。このため、将来の無線通信システムでは、チャネル符号化された1データ・パケットの送信時間単位、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位として、通常TTIよりも短い短縮TTIを用いることが検討されている。
図2及び3を参照し、短縮TTIについて説明する。図2は、短縮TTIの構成例を示す図である。図2A及び図2Bに示すように、短縮TTIは、1msより短い時間長(TTI長)を有する。短縮TTIは、例えば、0.5ms、0.2ms、0.1msなど、倍数が1msとなるTTI長の1つまたは複数であってもよい。あるいは、通常CPの場合に通常TTIは14シンボルを含むことから、7/14ms、4/14ms、3/14ms、1/14msなど1/14msの整数倍となるTTI長の1つまたは複数であってもよい。また、拡張CPの場合に通常TTIは12シンボルを含むことから、6/12ms、4/12ms、3/12ms、1/12msなど1/12msの整数倍となるTTI長の1つまたは複数であってもよい。なお、短縮TTIにおいても、従前のLTEと同様に、通常CPか拡張CPかは報知情報やRRCシグナリング等の上位レイヤシグナリングでConfigureすることができる。これにより、1msである通常TTIとの互換性(同期)を保ちながら、短縮TTIを導入できる。
図2Aは、短縮TTIの第1の構成例を示す図である。図2Aに示すように、第1の構成例では、短縮TTIは、通常TTIと同一数のシンボル(ここでは、14シンボル)で構成され、各シンボルは、通常TTIのシンボル長(例えば、66.7μs)よりも短いシンボル長を有する。
図2Aに示すように、通常TTIのシンボル数を維持してシンボル長を短くする場合、通常TTIの物理レイヤ信号構成(RE配置等)を流用することができる。また、通常TTIのシンボル数を維持する場合、短縮TTIにおいても通常TTIと同一の情報量(ビット量)を含めることができる。一方で、通常TTIのシンボルとはシンボル時間長が異なることから、図2Aに示す短縮TTIの信号と通常TTIの信号とを同一システム帯域(または、セル、CC)内に周波数多重することが困難となる。
また、シンボル長とサブキャリア間隔とは互いに逆数の関係にあるため、図2Aに示すようにシンボル長を短くする場合、サブキャリア間隔は、通常TTIの15kHzよりも広くなる。サブキャリア間隔が広くなると、ユーザ端末の移動時のドップラー・シフトによるチャネル間干渉や、ユーザ端末の受信機の位相雑音による伝送品質劣化を効果的に防止できる。特に、数十GHzなどの高周波数帯においては、サブキャリア間隔を広げることにより、伝送品質の劣化を効果的に防止できる。
図2Bは、短縮TTIの第2の構成例を示す図である。図2Bに示すように、第2の構成例では、短縮TTIは、通常TTIよりも少ない数のシンボルで構成され、各シンボルは、通常TTIと同一のシンボル長(例えば、66.7μs)を有する。例えば、図2Bにおいて、短縮TTIが通常TTIの半分の時間長(0.5ms)であるとすると、短縮TTIは、通常TTIの半分のシンボル(ここでは、7シンボル)で構成される。
図2Bに示すように、シンボル長を維持してシンボル数を削減する場合、短縮TTIに含める情報量(ビット量)を通常TTIよりも削減できる。このため、ユーザ端末は、通常TTIよりも短い時間で、短縮TTIに含まれる情報の受信処理(例えば、復調、復号など)を行うことができ、処理遅延を短縮できる。また、図2Bに示す短縮TTIの信号と通常TTIの信号とを同一システム帯域(またはセル、CC)内で周波数多重でき、通常TTIとの互換性を維持できる。
なお、図2A及び図2Bでは、通常CPの場合(通常TTIが14シンボルで構成される場合)を想定した短縮TTIの例を示しているが、短縮TTIの構成は、図2A及び2Bに示すものに限られない。例えば、拡張CPの場合、図2Aの短縮TTIは、12シンボルで構成されてもよいし、図2Bの短縮TTIは、6シンボルで構成されてもよい。このように、短縮TTIは、通常TTIよりも短い時間長であればよく、短縮TTI内のシンボル数、シンボル長、CP長などはどのようなものであってもよい。
図3を参照し、短縮TTIの設定例を説明する。将来の無線通信システムは、既存システムとの互換性を有するように、通常TTI及び短縮TTIの双方を設定可能に構成されてもよい。
例えば、図3Aに示すように、通常TTIと短縮TTIとは、同一のCC(周波数領域)内で時間的に混在してもよい。具体的には、短縮TTIは、同一のCCの特定のサブフレーム(或いは、特定の無線フレームなどの特定の時間単位)に設定されてもよい。例えば、図3Aでは、同一のCC内の連続する5サブフレームにおいて短縮TTIが設定され、その他のサブフレームにおいて通常TTIが設定される。なお、短縮TTIが設定されるサブフレームの数や位置は、図3Aに示すものに限られない。
また、図3Bに示すように、通常TTIのCCと短縮TTIのCCとを統合して、キャリアアグリゲーション(CA)又はデュアルコネクティビティ(DC)が行われてもよい。具体的には、短縮TTIは、特定のCCに(より具体的には、特定のCCのDL及び/又はULに)、設定されてもよい。例えば、図3Bでは、特定のCCのDLにおいて短縮TTIが設定され、他のCCのDL及びULにおいて通常TTIが設定される。なお、短縮TTIが設定されるCCの数や位置は、図3Bに示すものに限られない。
また、CAの場合、短縮TTIは、同一の無線基地局の特定のCC(プライマリ(P)セル又は/及びセカンダリ(S)セル)に設定されてもよい。一方、DCの場合、短縮TTIは、第1無線基地局によって形成されるマスターセルグループ(MCG)内の特定のCC(Pセル又は/及びSセル)に設定されてもよいし、第2無線基地局によって形成されるセカンダリセルグループ(SCG)内の特定のCC(プライマリセカンダリ(PS)セル又は/及びSセル)に設定されてもよい。
また、図3Cに示すように、短縮TTIは、DL又はULのいずれかに設定されてもよい。例えば、図3Cでは、TDDシステムにおいて、ULに通常TTIが設定され、DLに短縮TTIが設定される。
また、DL又はULの特定のチャネルや信号が短縮TTIに割り当てられ(設定され)てもよい。例えば、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)は、通常TTIに割り当てられ、上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)は、短縮TTIに割り当てられてもよい。例えばこの場合、ユーザ端末は、PUCCHの送信は通常TTIで行い、PUSCHの送信は短縮TTIで行う。
図3において、ユーザ端末は、無線基地局からの黙示的(implicit)又は明示的(explicit)な通知に基づいて、短縮TTIを設定(又は/及び検出)する。以下では、(1)黙示的な通知例と、(2)報知情報またはRRC(Radio Resource Control)シグナリング、(3)MAC(Medium Access Control)シグナリング、(4)PHY(Physical)シグナリングによる明示的な通知例を説明する。
(1)黙示的な通知の場合、ユーザ端末は、周波数帯(例えば、5G向けのバンド、アンライセンスドバンドなど)、システム帯域幅(例えば、100MHzなど)、LAA(License Assisted Access)におけるLBT(Listen Before Talk)の適用有無、送信されるデータの種類(例えば、制御データ、音声など)、論理チャネル、トランスポートブロック、RLC(Radio Link Control)モード、C-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)などに基づいて、短縮TTIを設定(例えば、通信を行うセル、チャネル、信号などが短縮TTIであることを判断)してもよい。また、通常TTIの先頭1、2、3、または4シンボルにマッピングされるPDCCHおよび/または1msのEPDCCHで自端末宛の制御情報(DCI)を検出した場合、当該PDCCH/EPDCCHを含む1msを通常TTIと判断し、それ以外の構成を取るPDCCH/EPDCCH(例えば通常TTIの先頭1~4シンボル以外にマッピングされるPDCCHおよび/または1ms未満のEPDCCH)で自端末宛の制御情報(DCI)を検出した場合、当該PDCCH/EPDCCHを含む1ms未満の所定の時間区間を短縮TTIと判断してもよい。ここで、自端末宛の制御情報(DCI)の検出は、ブラインド復号したDCIに対するCRCのチェック結果に基づいて行うことができる。
(2)報知情報またはRRCシグナリング(上位レイヤシグナリング)の場合、報知情報またはRRCシグナリングにより無線基地局からユーザ端末に通知される設定情報に基づいて、短縮TTIが設定されてもよい。当該設定情報は、例えば、どのCC又は/及びサブフレームを短縮TTIとして利用するか、どのチャネル又は/及び信号を短縮TTIで送受信するかなどを示す。ユーザ端末は、無線基地局からの設定情報に基づいて、短縮TTIを準静的(semi-static)に設定する。なお、短縮TTIと通常TTIとのモード切り替えは、RRCの再構成(RRC Reconfiguration)手順で行われてもよいし、Pセルでは、Intra-cellハンドオーバ(HO)、Sセルでは、CC(Sセル)のremoval/addition手順により行われてもよい。
(3)MACシグナリング(L2(Layer 2)シグナリング)の場合、RRCシグナリングにより通知される設定情報に基づいて設定される短縮TTIが、MACシグナリングにより有効化又は無効化(activate又はde-activate)されてもよい。具体的には、ユーザ端末は、無線基地局からのL2制御信号(例えば、MAC制御要素)に基づいて、短縮TTIを有効化又は無効化する。ユーザ端末は、RRC等の上位レイヤシグナリングによりあらかじめ短縮TTIの有効化期間を示すタイマを設定されていて、L2制御信号で短縮TTIが有効化されたのち所定の期間短縮TTIのUL/DL割当がなされなかった場合、短縮TTIを無効化するものとしてもよい。このような短縮TTI無効化タイマは、通常TTI(1ms)を単位としてカウントするものとしてもよいし、短縮TTI(例えば0.25ms)を単位としてカウントするものとしてもよい。なお、Sセルにおいて短縮TTIと通常TTIとのモードを切り替える場合、Sセルは、一旦de-activateされるものとしてもよいし、TA(Timing Advance)タイマが満了したものとみなされてもよい。これにより、モード切り替え時の通信停止期間を設けることができる。
(4)PHYシグナリング(L1(Layer 1)シグナリング)の場合、RRCシグナリングにより通知される設定情報に基づいて設定される短縮TTIが、PHYシグナリングによりスケジューリングされてもよい。具体的には、ユーザ端末は、受信及び検出したL1制御信号(例えば、下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel又はEPDCCH:Enhanced Physical Downlink Control Channel、以下、PDCCH/EPDCCHという))に含まれる情報に基づいて、短縮TTIを検出する。
例えば、通常TTIと短縮TTIでの送信または受信を割り当てる制御情報(DCI)は異なる情報要素を含むものとしておき、(4-1)ユーザ端末は、短縮TTIでの送受信を割り当てる情報要素を含む制御情報(DCI)が検出された場合に、そのPDCCH/EPDCCHが検出されるタイミングを含む所定の時間区間を短縮TTIと認識してもよい。ユーザ端末は、PDCCH/EPDCCHにおいて、通常TTIと短縮TTI、両方の送信または受信を割り当てる制御情報(DCI)をブラインド復号することができる。或いは、(4-2)ユーザ端末は、短縮TTIでの送受信を割り当てる情報要素を含む制御情報(DCI)が検出された場合に、そのPDCCH/EPDCCH(により伝送される下り制御情報(DCI:Downlink Control Information))によりスケジューリングされるPDSCH又はPUSCHが送信/受信されるタイミングを含む所定の時間区間を短縮TTIと認識してもよい。或いは、(4-3)ユーザ端末は、短縮TTIでの送受信を割り当てる情報要素を含む制御情報(DCI)が検出された場合に、そのPDCCH/EPDCCH(により伝送されるDCI)によりスケジューリングされるPDSCH又はPUSCHに対する再送制御情報(HARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest-Acknowledgement)、ACK/NACK、A/Nなどともいう)を送信又は受信するタイミングを含む所定の時間区間を短縮TTIと認識してもよい。
また、ユーザ端末は、ユーザ端末の状態(例えば、Idle状態又はConnected状態)に基づいて、短縮TTIを検出してもよい。例えば、ユーザ端末は、Idle状態である場合、全てのTTIを通常TTIとして認識し、1msの通常TTIの先頭1~4シンボルに含まれるPDCCHのみをブラインド復号するものとしてもよい。また、ユーザ端末は、Connected状態である場合、上述の通知例(1)-(4)の少なくとも一つに基づいて、短縮TTIを設定(又は/及び検出)してもよい。
上述したように、短縮TTIの適用(導入)は、ユーザ端末や無線基地局における処理(例えば、符号化、復号など)に対する時間的マージンを増加させ、処理遅延の低減(Latency Reduction)を実現することを主な目的としている。例えば、無線下位レイヤにおける遅延(Latency)は、データを送信してそのデータの復号を行ってACKをフィードバックすることで発生する。しかしながら、上記短縮TTIをそのまま適用しても処理遅延の低減を十分に実現できない場合もある。
いわゆる処理遅延の低減にあたっては、以下の点が着目されている。
(1) DLデータに対するHARQ-ACKのフィードバックまでの時間(HARQ RTT(Round Trip Time))を短くする。このような処理遅延の低減は、ユーザ端末でDLデータを素早く復号し、HARQ-ACKを迅速に生成することによって実現される。なお、RTTとは、通信相手に信号やデータを送信してから応答が返ってくるまでにかかる時間を指す。
(2) ULデータのスケジューリングからULデータの送信までを短くする。このような処理遅延の低減は、ユーザ端末でULグラントを素早く復号し、ULデータを素早く符号化することによって実現される。
(3) ULデータの送信からHARQ-ACKフィードバックまでを短くする。このような処理遅延の低減は、ネットワーク(例えば、無線基地局)でULデータを素早く復号し、HARQ-ACKを素早く生成することによって実現される。
上記3つの点について、通常のTTIでは、FDDの場合、いずれも4ms(=4TTI)後に送信・受信動作を行うことが定められている。また、TDDの場合、それぞれ(4+k)ms(=(4+k)TTI)後に送信・受信動作を行うことが定められている。なお、Kの値は、TDD UL-DL configやサブフレームインデックスによって異なる。
本願発明者等は、上記3つの点における短縮TTI適用に着目した。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、短縮TTIを適用し、通常のTTIに沿って通信を制御する。具体的には、FDDの場合の通信制御であり、以下の通りとなる。
(1-1) DLデータに対するHARQ-ACKは、4TTI後に送信するように制御される。
(1-2) ULグラントに対するULデータは、4TTI後に送信するように制御される。
(1-3) ULデータに対するHARQ-ACKは、4TTI後に受信するように制御される。
また、TDDの場合の通信制御は以下の通りとなる。
(2-1) DLデータに対するHARQ-ACKは、(4+k)TTI後に送信するように制御される。
(2-2) ULグラントに対するULデータは、(4+l)TTI後に送信されるように制御される。
(2-3) ULデータに対するHARQ-ACKは、(4+m)TTI後に受信されるように制御される。
なお、「k」、「l」、「m」は、UL-DL configやサブフレームインデックスで定まる。
FDDの場合における、通常のTTIが適用された通信制御の例が図4Aに示されている。DLデータやULグラントがTTI#0(サブフレーム#0)で送信された場合、ユーザ端末では、4TTI後のTTI#4(サブフレーム#4)で、DLデータに対するHARQ-ACK、又は、ULグラントに対するULデータが送信されるように制御される。また、無線基地局(ネットワーク側)では、TTI#4で送信されたULデータに対して、HARQ-ACKを4TTI後のTTI#8で送信するように制御される。
一方、短縮TTIが適用された場合には、図4Bに示されるように、DLデータやULグラントがTTI#0で送信された場合、ユーザ端末では、4TTI後のTTI#4で、DLデータに対するHARQ-ACK、又は、ULグラントに対するULデータが送信されるように制御される。また、無線基地局(ネットワーク側)では、TTI#4で送信されたULデータに対して、HARQ-ACKを4TTI後のTTI#8で送信するように制御される。
以上の第1の実施形態によれば、通常のTTI長に対する短縮TTI長の短縮量に比例して処理遅延を削減することができる。一例として、図4では、短縮TTI長が通常のTTI長の半分であるため、HARQ RTTが半分になる。また、第1の実施形態では、既存のLTE FDD/TDDの仕組みを利用することができるため、ユーザ端末における実装回路を簡易化できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、上記第1の実施形態と異なった条件で通信が制御され、以下に示されるように大きく2つの制御がある。
<実施形態2.1>
実施形態2.1は、FDDの場合の通信制御であり、以下の通りとなる。
(3-1) DLデータに対するHARQ-ACKは、xms後(ただし、x<4)に(または、xms後の最初のUL-TTIで)送信する。
(3-2) ULグラントに対するULデータは、xms後(ただし、x<4)に(または、xms後の最初のUL-TTIで)送信する。
(3-3) ULデータに対するHARQ-ACKは、xms後(ただし、x<4)に(または、xms後の最初のDL-TTIで)受信する。
<実施形態2.2>
実施形態2.2は、FDDの場合の通信制御であり、以下の通りとなる。
(4-1) DLデータに対するHARQ-ACKは、a×TTI後に送信する。
(4-2) ULグラントに対するULデータは、a×TTI後に送信する。
(4-3) ULデータに対するHARQ-ACKは、a×TTI後に受信する。
上記(4-1)-(4-3)においては、「x」又は「a」の値は、上位レイヤシグナリング等でConfigureされてもよい。また、ユーザ端末がサポートしていて設定可能な「x」または「a」の値は、事前にUE capability情報としてネットワーク(例えば、無線基地局)に報告されていてもよい。
以上、第2の実施形態によれば、処理遅延を削減することができる。さらに、ネットワーク(システム)において、異なった処理遅延削減が可能な複数のユーザ端末の実装を許容することができる。すなわち、製造コストなどの違いにより、複数のユーザ端末間で削減される処理遅延が異なる場合であっても、これらのユーザ端末に対して通信を実現することができる。高スケーラブルなネットワーク(システム)を実現することができる。
ユーザ端末においては、送受信処理の内容に応じて、処理ステップのそれぞれ(もしくは、処理)に要する時間が異なる。ここで、ユーザ端末における送受信処理にかかる時間について説明する。
図5Aは、DLデータに対するHARQ-ACKフィードバックを、PUCCHを介して送信する場合の処理手順を説明するための図である。同図に示されるように、DLデータを受信する際、下りリンク制御情報(DL assignment)が復号され、復号された下りリンク制御情報に基づいてDLデータが復調・復号される。この後、DLデータが正常に復号されたか否かに基づいて、HARQ-ACKが生成される。生成されたHARQ-ACKは、上りリンクの制御チャネルにマッピングされ、ネットワークに送信される。
図5Bは、ULデータのスケジューリングからULデータを送信するまでの処理手順を説明するための図である。ただし、この処理手順は、ULデータの送信に、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は伴わない。ネットワークから送信されたULグラントが復号され、ULグラントに基づいて、ULデータが符号化・変調される。その後、ULデータは上りリンクのデータチャネルにマッピングされ、ネットワークに送信される。
図6は、ULデータのスケジューリングからULデータを送信するまでの処理手順を説明するための図である。この処理手順では、ULデータの送信に、HARQ-ACK及びチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)の少なくとも一方が伴う。
図5Aの処理手順と同様に、下りリンク制御情報(DL assignment)が復号され、復号された下りリンク制御情報に基づいてDLデータが復調・復号される。この後、DLデータが正常に復号されたか否かに基づいて、HARQ-ACKが生成される。
一方、図5Bと同様に、ULグラントが復号され、ULグラントに基づいて、ULデータが符号化されて変調される。また、ULグラントに基づいてチャネル状態情報の測定(CSI measurement)が行われ、測定結果に基づいてCSIが生成される。生成されたCSIは、符号化・変調されたULデータに多重される。ULデータとHARQ-ACKとは、上りリンクのデータチャネルにマッピングされて、ネットワークに送信される。
なお、処理遅延の削減で着目されている、ULデータの送信からHARQ-ACKフィードバックまでの処理(上記(3))については、ULデータの復調及び復号、ULデータに対するHARQ-ACKの生成、下り制御チャネルへのHARQ-ACKのマッピングなどが含まれる。ただし、これらの処理はネットワーク側(例えば、無線基地局)における処理であり、ユーザ端末の処理と直接関連はしない。
本発明者等は、ULデータの送信からHARQ-ACKフィードバックまでの処理(上記(3))については、無線基地局の処理能力に依存し、ユーザ端末の処理能力に依存していないことに着目し、ULデータに対するHARQ-ACKkフィードバック送信タイミングを上位レイヤシグナリングによりConfigureすることや、PHICHを用いないAsynchronousHARQとすることに着想した。
(第3の実施形態)
<実施形態3.1>
先ず、実施形態3.1について説明する。実施形態3.1では、ULデータに対するHARQ-ACKフィードバック送信タイミングを、上位レイヤシグナリングによりConfigureする(図7A参照)。Configureされるタイミング例としては、1/2/4/8のTTI後のいずれかを用いることができる。
ユーザ端末は、ConfigureされたタイミングでPHICHの受信を試みる。そして、当該PHICHによりNACKを受信した場合、PHICHに従ってNon-adaptive再送を行う。また、ユーザ端末は、ConfigureされたタイミングでULグラントを検出した場合、ULグラントに従ってAdaptive再送を行ってもよい。この場合、ULグラントで異なるリソースや異なる変調を指定することができる。以上のようにULデータに対するHARQ-ACKフィードバックタイミングをConfigurableとすることは、並列処理するHARQプロセス数をConfigurableとすることと等価である。ただし、既存LTEと同様SynchronousHARQであるから、並列処理するHARQプロセスのインデックス(HARQプロセス番号)は、ULデータ送受信タイミング並びにHARQ-ACKフィードバックタイミングによって一意に定まる。なお、ユーザ端末は、単にNACKが返ってきた場合に、Adaptive再送又はNon-adaptive再送を行うようにしてもよい。
以上、実施形態3.1によれば、複数の送信タイミングを指定できるので、無線基地局の能力に応じて通信制御を行うことができる。すなわち、ネットワークにおいて、異なる処理能力の無線基地局を許容することができる。例えば、処理能力の低い無線基地局は、比較的大きな値(例えば、3~4msに相当する値)をユーザ端末にConfigureすることができるので、処理負荷の増加を抑えることができる。一方、処理能力の高い無線基地局は、比較的小さな値(例えば、0.5~1msに相当する値)をユーザ端末にConfigureすることにより、低遅延サービスを提供することができる。
なお、前記ULデータに対するHARQ-ACKフィードバックタイミングは上位レイヤシグナリングによりConfigureされるものとしたが、ユーザ端末は、特に本シグナリングによるConfigurationが無い場合、既存LTEに基づくHARQ-ACKフィードバックタイミング(例えば、FDDの場合4ms)を適用するものとしてもよい。このようにすることで、特に低遅延化が必要ないユーザ端末に対してはシグナリングせずに済むことから、オーバーヘッドを低減することができる。また、本シグナリングによるConfigurationがある場合でも、所定の条件(例えば、PDCCHの共通サーチスペースで送受信されるULグラントでULデータがスケジューリングされた場合)においては、既存LTEに基づくHARQ-ACKフィードバックタイミング(例えば、FDDの場合4ms)を適用するものとしてもよい。このようにすることで、HARQ-ACKフィードバックタイミングのConfiguration変更処理を行っている最中であっても、既存LTEに基づくHARQ-ACKフィードバックタイミング(例えば、FDDの場合4ms)を適用してスケジューリングを継続することが可能となる。また、本シグナリングによるConfigurationがある場合でも、既存LTEに基づくHARQ-ACKフィードバックタイミング(例えば、FDDの場合4ms)が適用されるHARQプロセス(ULデータ送信)が少なくとも1つ含まれる(HARQバッファに格納され、処理中である)場合には、ユーザ端末は、全てのHARQプロセス(ULデータ送信)に対して、既存LTEに基づくHARQ-ACKフィードバックタイミング(例えば、FDDの場合4ms)を適用するものとしてもよい。これによりHARQプロセス間でのタイミングずれと、それに伴う無線リソースの利用効率劣化を防ぐことができる。
<実施形態3.2>
実施形態3.2では、PHICHを用いず、Asynchronous HARQとする。これにより、フィードバックタイミングをConfigureする必要がなくなる。ユーザ端末は、PHICH受信を試みず、すなわち、PHICHでACKを受信したときと同じ動作を行う。ユーザ端末は、ULグラントに含まれるHPN indicatorに基づいて、Asynchronous再送を行う。
なお、ユーザ端末がULグラントに含まれるHPN indicatorに基づいてAsynchronous再送を行う場合には、ULグラントにはさらにRedundancy version(RV)を指定するRV indicatorを含めるものとしてもよい。ユーザ端末は、ULグラントに含まれるHPN indicatorに従って送信するHARQプロセスを選択し、さらにRV indicatorに従って当該HARQプロセスのどのRVを送信するかを決定する。
また、ULグラントに含まれるHPN indicatorに基づいてAsynchronous再送を行う場合であっても、PDCCHの共通サーチスペースで送受信されるULグラントにはHPN indicatorやRV indicator等、AsynchronousHARQ適用に必要な制御情報ビットは含まないものとしてもよい。この場合、ユーザ端末は、PDCCHの共通サーチスペースでは、HPN indicatorやRV indicatorが無いものと想定してULグラントのブラインド復号を行うことができる。また、ユーザ端末は、PDCCHの共通サーチスペースでULグラントを検出した場合、既存LTEに基づくタイミング(例えば、FDDの場合4ms)で新規または再送ULデータを送信することができる。
以上説明した第3の実施形態では、<実施形態3.1>では、上位レイヤで指定された再送タイミングで再送することに等しく、<実施形態3.2>では、物理レイヤで指定されたタイミングで再送するのに等しい。
ここで、再び、送受信処理の内容に応じて、処理ステップのそれぞれ(もしくは、処理)に要する時間が異なる点について説明する。上記図5A、図5B、図6に示される各種処理においては、データの大きさ(TBS:Transport Block Size)や周波数リソース量(PRB(Physical Resource Block)数)によって処理時間が変動する可能性がある。例えば、TBSが大きいほど誤り訂正復号処理やCRC確認処理に時間がかかる可能性がある(例えば、図8A、図8B、図9の鎖線のブロック)。また、PRB数が大きいほどRS等を考慮したレートマッチやリソースマッピング、送信ビームフォーミングに応じたプリコーディング処理に時間がかかる可能性がある(例えば、図8A、図8B、図9の一点鎖線のブロック)。例えば、図8A、図8B又は図9の最終ステップ(マッピング)では、データマッピングを行い、送信電力を決定して送信するといった処理が含まれる。
本発明者等は、TBSやPRB数によって処理時間が変動する可能性に着目し、より細分化されたUE capability signallingを規定することに着想した。
(第4の実施形態)
<実施形態4.1>
実施形態4.1では、DLデータに対するHARQ-ACKフィードバックのPUCCH送信における、UE capability signallingが規定される。すなわち、DLデータに対するHARQ-ACKフィードバックのPUCCH送信について、以下の条件などに応じて異なる処理遅延がUE capability情報として報告される。
(1) DLデータのTBS
(2) DLデータの割り当てPRB数
(3) DLデータの変調多値数
(4) DLデータのMIMO(Multi-Input Multi-Output)レイヤ多重数
(5) PUCCHのHARQ-ACKビット数
(6) PUCCHの割り当てPRB数
通常、DLデータのTBS/PRB数が大きいほど、受信/復号処理に時間を要する。また、PUCCHのHARQ-ACKビット数/PRB数が大きいほど、送信/符号化処理に時間を要する。このため、ユーザ端末は、図10A、図10Bに示されるようなUE capability情報をネットワークに通知する。図10A、図10B(および図11、図12)では、UE capabilityとして連続値がグラフ化されているが、これはあくまで例であり、離散値であってもよい。また、上記条件(1)-(6)のいずれかに対する処理能力(処理遅延)が特定されても、2つ以上の条件が組み合わせられたものに対して特定(規定)されてもよい。
図10A、UE capabilityのタイプ1は、DLデータのTBS又はPRB数と処理時間とが比例することを示す。UE capabilityのタイプ2は、TBS又はPRB数に係らず処理時間(長い処理時間)が一定であることを示す。UE capabilityのタイプ3は、所定値までのTBS又はPRB数については、一定の処理時間(短い)できるものの、TBS又はPRB数が所定値を超えると、TBS又はPRB数と処理時間とが比例することを示す。図10Bにおいては、TBS又はPRB数が、PUCCHのHARQ-ACKビット数又はPUCCHの割り当てPRB数に置き換えられるものであり、各タイプは同様の特性を示している。
ネットワークは、受信したUE capability情報に基づいて、ユーザ端末に対するHARQ-ACKフィードバックのPUCCH送信タイミングをConfigureする。この際、対象となるユーザ端末のCapabilityおよび条件(1)-(6)それぞれに応じて異なるタイミングをConfigureしてもよい。また、条件(1)-(6)の内の2つ以上が組み合わせられたものに対して異なるタイミングをConfigureしてもよい。
なお、HARQ-ACKフィードバックのPUCCH送信タイミングが上述のようにConfigureされていない状態(Configurationが何もない状態)では、HARQ-ACKは、既存LTE(通常TTI)と同じタイミングで送信するものとしてもよい。言い換えると、Defaultで既存LTE動作を行うことを意味する。
実施形態4.1では、ネットワークは、ユーザ端末がDLデータに対するHARQ-ACKフィードバックの処理時間を、TBSやPRB数に応じて把握できる。したがってネットワークは、処理能力の比較的低いユーザ端末を収容する場合であっても、短時間でのHARQ-ACKフィードバックをConfigureすることが可能となる。例えば、ユーザ端末AはTBSがX以下、かつPRB数がY以下の場合に1ms以内でのフィードバックが可能であり、ユーザ端末BはTBSやPRB数に関らず1ms以内でのフィードバックが可能であるならば、両方のユーザ端末に対して1ms以内でのフィードバックをConfigureしつつ、ユーザ端末Aに対してはDLデータのTBSがX以下かつPRB数がY以下になるようにスケジューリングでの制約を課せばよい。このように、処理能力の比較的低いユーザ端末(ユーザ端末A)に対しても、スケジューリングの制約に伴うスループット減少を許容することで、処理能力が高いユーザ端末(ユーザ端末B)と同等の低遅延サービスを提供することができる。
<実施形態4.2>
実施形態4.2では、ULグラントに対するULデータの送信における、UE capability signallingが規定される。ULグラントに対するULデータの送信について、以下の条件などに応じて異なる処理遅延がUE capability情報として報告される。
(7) ULデータのTBS
(8) PUSCHの割り当てPRB数
(9) PUSCHの変調多値数
(10) PUSCHのMIMOレイヤ多重数
(11) PUSCHに多重するUCIの有無やそのペイロード
通常、ULデータのTBS/PRB数が大きいほど、送信/符号化処理に時間を要する。また、PUCCHのHARQ-ACKビット数/PRB数が大きいほど、送信/符号化処理に時間を要する。このため、図11A、図11Bに示されるようなUE capability情報をネットワークに通知する。なお、図11Aの各タイプは、上記図10Aにおいて、DLデータがULデータに置き換えられたものであり、図11Bの各タイプは、上記図10Bにおいて、PUCCHのHARQ-ACKビット数又はPUCCHの割り当てPRB数が、上記条件(7)-(11)に置き換えられたものであるため、詳細な説明は省略する。なお、図11A、図11Bでは、UE capabilityとして連続値がグラフ化されているが、これはあくまで例であり、離散値であってもよい。また、上記条件(7)-(11)のいずれかに対する処理能力(処理遅延)が特定されても、2つ以上の条件が組み合わせられたものに対して特定(規定)されてもよい。
ネットワークは、受信したUE capability情報に基づいて、ユーザ端末に対する上りデータ送信タイミングをConfigureする。この際、対象となるユーザ端末のCapabilityおよび条件(7)-(11)に応じて異なるタイミングをConfigureしてもよい。また、条件(7)-(11)の内の2つ以上が組み合わせられたものに対して異なるタイミングをConfigureしてもよい。
なお、Configureされていない状態では、ULデータは、既存LTEと同じタイミングで送信するものとしてもよい。言い換えると、Defaultは既存LTE(通常TTI)動作を行うことを意味する。
実施形態4.2では、例えば、上りデータのTBSが第1特定値以上、第2特定値以下の場合に限りプロセスタイムを1mm以下するといった通信制御が可能となる。この他にも、PUSCHにUCIを多重しない場合に限りプロセスタイムを1mm以下にするといった通信制御や、上りデータTBS、PRB数を特定した通信制御が可能となる。
実施形態4.2では、ネットワークは、ユーザ端末がULデータに対する処理時間を、TBSやPRB数に応じて把握できる。したがってネットワークは、処理能力の比較的低いユーザ端末を収容する場合であっても、短時間でのULデータ送信をConfigureすることが可能となる。例えば、ユーザ端末AはTBSがX以下、かつPRB数がY以下の場合に1ms以内でのULデータ送信が可能であり、ユーザ端末BはTBSやPRB数に関らず1ms以内でのULデータ送信が可能であるならば、両方のユーザ端末に対して1ms以内でのULデータ送信をConfigureしつつ、ユーザ端末Aに対してはULデータのTBSがX以下かつPRB数がY以下になるようにスケジューリングでの制約を課せばよい。このように、処理能力の比較的低いユーザ端末(ユーザ端末A)に対しても、スケジューリングの制約に伴うスループット減少を許容することで、処理能力が高いユーザ端末(ユーザ端末B)と同等の低遅延サービスを提供することができる。
次に、図12を参照して具体的な通信制御例を説明する。ネットワークは、図12(図12A、図12B)に示される、UE capabilityを報告してきたユーザ端末について、DL HARQタイミングとUL schedulingタイミングを50%に短縮するようUEにConfigureすることができる。この場合、ネットワークは、DL/ULのTBS/PRBが所定値(図12では50%)を超えないようにDL/ULデータをスケジューリングする。また、ユーザ端末は、DL/ULのTBS/PRBが所定値(図12では50%)を超えない限り、ConfigureされたHARQ/Schedulingタイミング(図12では50%)を適用する。なお、DL/ULのTBS/PRBが所定値(50%)を超えた場合、ConfigureされたHARQ/Schedulingタイミングで無く、より遅いタイミングでの制御を許容してもよい。
以上説明したように、第4の実施形態によれば、ユーザ端末の処理能力に応じて短縮TTIを適切に用いることができるため、処理遅延の削減を実現することができる。
なお、上記実施形態4.1と実施形態4.2とを組み合わせてもよい。例えば、UE capability情報は、実施形態4.1のUE capability情報(条件(1)-(6)の内の少なくとも1つに対する処理時間の規定(特定))と、実施形態4.2のUE capability情報(条件(7)-(11)の内の少なくとも1つに対する処理時間の規定(特定))とを組み合わせたものであってもよい。この場合、DLデータに対するHARQ-ACKフィードバックのタイミングが適切に制御されるとともに、ULデータの送信タイミングが適切に制御される。
以上説明した第1-第4の実施形態によれば、短縮TTIが適用される場合であっても通信を適切に行うことができる。
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各実施形態に係る無線通信方法が適用される。なお、上記実施形態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
図13は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE-A(LTE-Advanced)、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
図13に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a~12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用することができる。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクにOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクにSC-FDMA(シングルキャリア-周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、上りリンクでOFDMAが用いられてもよい。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、下り制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認情報(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。送達確認情報(ACK/NACK)や無線品質情報(CQI)などの少なくも一つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCH又はPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
<無線基地局>
図14は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されてもよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図15は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図15は、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図15に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、を備えている。
制御部301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、例えば、送信信号生成部302による下り信号の生成や、マッピング部303による信号のマッピング、受信信号処理部304による信号の受信処理を制御する。
具体的には、制御部301は、ユーザ端末20から報告されるチャネル状態情報(CSI)に基づいて、下り(DL)信号の送信制御(例えば、変調方式、符号化率、リソース割り当て(スケジューリング)などの制御)を行う。
また、制御部301は、ユーザ端末20のキャリアアグリゲーション(CA)の制御を行う。具体的には、制御部301は、ユーザ端末20から報告されるCSIなどに基づいてCAの適用/CC数の変更などを決定し、当該適用/変更を示す情報を生成するように送信信号生成部302を制御してもよい。なお、当該適用/変更を示す情報は、上位レイヤシグナリングされる制御情報に含まれてもよい。
また、制御部301は、DL信号の受信及び/又はUL信号の送信に用いられる伝送時間間隔(TTI)を制御する。具体的には、制御部301は、1msである通常TTI又は/及び通常TTIより短い短縮TTIを設定する。短縮TTIの構成例及び設定例については、図2及び3を参照して説明した通りである。制御部301は、ユーザ端末20に対して、(1)黙示的な通知、又は、(2)RRCシグナリング、(3)MACシグナリング、(4)PHYシグナリングの少なくとも一つによる明示的な通知により、短縮TTIの設定を指示してもよい。
第1の実施形態において、制御部301は、ULデータに対するHARQ-ACKが、4TTI後に送信されるように制御する。又は、ULデータに対するHARQ-ACKが、(4+m)TTI後に送信されるように制御してもよい。
第2の実施形態においては、制御部301は、ULデータに対するHARQ-ACKが、xms後(ただし、x<4)に(または、xms後の最初のDL-TTIで)送信されるように制御する。又は、ULデータに対するHARQ-ACKが、a×TTI後に受信するように制御してもよい。
第3の実施形態においては、制御部301は、ULデータに対するHARQ-ACKフィードバック送信タイミングを、上位レイヤシグナリングによりConfigureする(図7A参照)。Configureされるタイミング例としては、1/2/4/8のTTI後のいずれかを用いることができる。Asynchronous HARQを用いる場合には、フィードバックタイミングをConfigureしない。
第4の実施形態においては、制御部301は、UE capability signallingによって通知されるユーザ端末の能力情報にしたがって、送信タイミングをConfigureする。
制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(下りデータ信号、下り制御信号を含む)を生成して、マッピング部303に出力する。具体的には、送信信号生成部302は、上述の上位レイヤシグナリングによる通知情報(制御情報)やユーザデータを含む下りデータ信号(PDSCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、上述のDCIを含む下り制御信号(PDCCH/EPDCCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、CRS、CSI-RSなどの下り参照信号を生成して、マッピング部303に出力する。
送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。
受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ユーザ端末>
図16は、本発明の一実施形態に係るに係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO(Multi-Input Multi-Output)伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。また、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
図17は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図17においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図17に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号のマッピング、受信信号処理部404による信号の受信処理を制御する。
また、制御部401は、下り(DL)信号の受信及び/又は上り(UL)信号の送信に用いられる伝送時間間隔(TTI)を制御する。具体的には、制御部301は、1msである通常TTI又は/及び通常TTIより短い短縮TTIを設定する。短縮TTIの構成例及び設定例については、図2及び3を参照して説明した通りである。制御部401は、無線基地局10からの(1)黙示的な通知、又は、(2)RRCシグナリング、(3)MACシグナリング、(4)PHYシグナリングの少なくとも一つによる明示的な通知に基づいて、短縮TTIを設定(検出)してもよい。
第1の実施形態において、制御部401は、Lデータに対するHARQ-ACKが、4TTI後に送信されるように制御し、ULグラントに対するULデータが、4TTI後に送信されるように制御する。もしくは、DLデータに対するHARQ-ACKが、(4+k)TTI後に送信されるように制御し、ULグラントに対するULデータが、(4+l)TTI後に送信されるように制御してもよい。
第2の実施形態において、制御部401は、DLデータに対するHARQ-ACKが、xms後(ただし、x<4)に(または、xms後の最初のUL-TTIで)送信されるように制御し、ULグラントに対するULデータが、xms後(ただし、x<4)に(または、xms後の最初のUL-TTIで)送信されるように制御する。もしくは、DLデータに対するHARQ-ACKが、a×TTI後に送信されるように制御し、ULグラントに対するULデータが、a×TTI後に送信されるように制御する。
第3の実施形態において、制御部401は、ConfigureされたタイミングでPHICHを受信した場合、PHICHに従ってNon-adaptive再送を行うように制御する。また、ConfigureされたタイミングでULグラントを検出した場合、ULグラントに従ってAdaptive再送を行ってもよい。また、単にNACKが返ってきた場合に、Adaptive再送又はNon-adaptive再送を行うようにしてもよい。
また、PHICHを用いず、Asynchronous HARQとする場合、PHICH受信を試みず、すなわち、PHICHでACKを受信したときと同じ動作を行う。制御部401は、ULグラントに含まれるHPN indicatorに基づいて、Asynchronous再送を行う。
実施形態4.1においては、制御部401は、DLデータに対するHARQ-ACKフィードバックのPUCCH送信について、特定条件などに応じた異なる処理遅延がUE capability情報として報告されるよう制御する。また、実施形態4.2では、ULグラントに対するULデータの送信について、特定条件などに応じた異なる処理遅延がUE capability情報として報告されるよう制御する。
制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号(上りデータ信号、上り制御信号を含む)を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、UCI(HARQ-ACK、CQI、SRの少なくとも一つ)を含む上り制御信号(PUCCH)を生成する。
送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成されたUL信号(上り制御信号及び/又は上りデータ信号)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(下り制御信号、下りデータ信号を含む)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングによる制御情報、DCIなどを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
測定部405は、無線基地局10からの参照信号(例えば、CSI-RS)に基づいて、チャネル状態を測定し、測定結果を制御部401に出力する。なお、チャネル状態の測定は、CC毎に行われてもよい。
測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図18は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDMシンボル、SC-FDMAシンボルなど)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームが送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
1msの時間長を有するTTIを、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼んでもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、短縮サブフレーム、又はショートサブフレームなどと呼ばれてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプリフィクス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(D2D:Device-to-Device)に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2015年12月25日出願の特願2015-255030に基づく。この内容は、全てここに含めておく。