JP7181806B2 - 摺動部材 - Google Patents
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Description
図1に示すように摺動部材10は、軸受合金層11と、DLC層12とを備える。DLC層12は、軸受合金層11において相手部材との摺動側に設けられている。DLC層12は、軸受合金層11に積層されており、軸受合金層11と接着している。軸受合金層11は、Cu系又はAl系などの合金で形成されている。なお、摺動部材10は、鉄や鋼等で形成されている図示しない裏金層を備えていてもよい。DLC層12は、軸受合金層11とは反対側に相手部材と摺動する摺動面13を形成している。
図6の(A)に示すように下地材50は、一部にマスク51が施される。下地材50は、軸受合金層11又は変形層40である。マスク51が施された下地材50は、図6の(B)に示すようにDLC層52が形成される。このとき、DLC層52は、下地材50のマスク51が施された部分以外に形成される。下地材50は、図6の(C)に示すようにマスク51が除去された後、さらにDLC層52が形成される。この場合、DLC層52は、等方的に成長するため図6の(D)に示すように下地材50からだけでなく、すでに形成されたDLC層52部分からも成長する。DLC層52の形成を継続することにより、図6の(E)に示すようにダングリングボンド53を有するDLC層52が形成される。このダングリングボンド53は、起因部22となる。
ダングリングボンド23の分布は、DLC層12の摺動面13側に、図12に示すように設定された観察領域70を用いて観察する。観察領域70は、DLC層12の摺動面13側において、10mm×10mmの範囲で設定される。観察領域70は、DLC層12の摺動面13の任意の位置に設定することができる。この設定した観察領域70は、縦方向及び横方向へそれぞれ5等分し、2mm×2mmの分割領域71が設定される。これにより、観察領域70は、25個の2mm×2mmの分割領域71に分割される。
試料1~試料17は、DLC層12に起因部22を設けた本実施形態による摺動部材10の実施例である。一方、試料18は、DLC層12に起因部22が設けられていない従来例である。これら各試料は、図17に示す条件によって焼付試験を行なった。図16では、図17に示す条件において相手部材30と不整な当たりで摺動させたとき、焼付が生じない最大面圧を試験結果として示している。
試料4、試料9~試料12を相互に比較すると、ダングリングボンド23の数が18個の試料12に比較して、ダングリングボンド23の数が1~13個の試料4、試料9~試料11は耐焼付性が高い。特に、試料10のようにダングリングボンド23の数が3個であるとき、耐焼付性が最も高くなっている。この結果からも、ダングリングボンド23の数が5個以下であるとき、ダングリングボンド23はDLC層12に密集することなく均一に存在しやすくなる。そのため、DLC層12は、分離した各分離片の大きさが均一化し、分離片への面圧の偏りが抑制されやすくなる。また、これらの結果から、ダングリングボンド23の数は、1~13個であることが好ましく、1~5個であることがより好ましいことが分かる。
上述の試料4と試料7との比較でも説明したように、変形層40の存在によって、起因部22を起因としたDLC層12の分離が促される。また、試料13と試料14とを比較すると、変形層40を設ける場合でも、ダングリングボンド23の数が少ない試料14は試料13よりも耐焼付性が向上している。さらに、試料13と試料15とを比較すると、変形層40のヤング率が小さい試料13は、試料15よりも耐焼付性が向上している。これは変形層40のヤング率が小さくて柔軟になることにより、相手部材30から力を受けることで変形層40の変形が促され、DLC層12の分離が促されるためと考えられる。
Claims (8)
- 軸受合金層と、前記軸受合金層の相手部材との摺動側に設けられているDLC層と、を備える摺動部材であって、
前記DLC層は、
層本体と、
前記軸受合金層との接着を維持したまま、前記層本体が互いに分離する起因となる起因部と、を有し、
前記起因部は、前記層本体に設けられている凹部である摺動部材。 - 軸受合金層と、前記軸受合金層の相手部材との摺動側に設けられているDLC層と、を備える摺動部材であって、
前記DLC層は、
層本体と、
前記軸受合金層との接着を維持したまま、前記層本体が互いに分離する起因となる起因部と、を有し、
前記起因部は、前記層本体において、前記DLC層を形成する炭素の結合状態が異なる部分である摺動部材。 - 軸受合金層と、前記軸受合金層の相手部材との摺動側に設けられているDLC層と、を備える摺動部材であって、
前記DLC層は、
層本体と、
前記軸受合金層との接着を維持したまま、前記層本体が互いに分離する起因となる起因部と、を有し、
前記起因部は、前記層本体において、ダングリングボンドの部分である摺動部材。 - 前記DLC層の前記摺動面側において、任意に10mm×10mmの観察領域を設定し、この観察領域を2mm×2mmの25個の分割領域に分割したとき、
前記ダングリングボンドを含む前記分割領域は、1個から13個である請求項3記載の摺動部材。 - 前記ダングリングボンドを含む前記分割領域は、1個から5個である請求項4記載の摺動部材。
- 軸受合金層と、前記軸受合金層の相手部材との摺動側に設けられているDLC層と、を備える摺動部材であって、
前記DLC層は、
層本体と、
前記軸受合金層との接着を維持したまま、前記層本体が互いに分離する起因となる起因部と、を有し、
前記起因部は、前記層本体に形成されているクラックの部分である摺動部材。 - 軸受合金層と、前記軸受合金層の相手部材との摺動側に設けられているDLC層と、を備える摺動部材であって、
前記DLC層は、
層本体と、
前記軸受合金層との接着を維持したまま、前記層本体が互いに分離する起因となる起因部と、を有し、
前記起因部は、前記層本体に設けられている粒子である摺動部材。 - 前記軸受合金層と前記DLC層との間に、前記軸受合金層よりも変形しやすい変形層をさらに備え、
前記起因部は、前記変形層との接着を維持したまま、前記層本体が互いに分離する起因となる請求項1から7のいずれか一項記載の摺動部材。
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Patent Citations (2)
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