JP7180369B2 - 入浴システム - Google Patents
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Description
同文献に記載の入浴システムは、睡眠障害の改善、防止を目的とするものであり、入浴予定時刻、就寝予定時刻、およびその他の所定の情報に基づき、入浴者の深部体温の日内変動における最高温度付近を所定の温度(0.5~1.0℃)だけ上昇させるための入浴時間などの条件が提示されるように構成されている。
このような構成によれば、提示された条件の入浴を行ない、入浴者の深部体温を所定の温度だけ上昇させることにより、睡眠の質を改善することが可能となる。
また、前記したように、入浴予定時刻から就寝予定時刻までの時間が短いにも拘わらず、入浴者が入浴し、深部体温を無理に上昇させた場合には、入浴者が覚醒状態に向かうこととなる。これでは、寝付きが悪くなるなど、睡眠の質が却って悪化する虞がある。
すなわち、現時刻または入浴予定時刻から就寝予定時刻までの就寝前時間が短く、所定の第1の時間未満である場合には、そうでない場合よりも体温上昇目標温度が低くされ、または温度上昇なしとされるため、入浴時間が短いことに起因して、入浴者の深部体温を前記体温上昇目標温度だけ上昇させることが困難になることは回避され、入浴が禁止されることはない。したがって、前記従来技術とは異なり、入浴者が入浴を禁止されて不快になる虞はない。
また、前記就寝前時間が短い場合において、入浴者の深部体温の体温上昇目標温度が低くされ、または温度上昇なしとされていれば、出浴後の就寝時刻において、入浴者が覚醒状態になることを防止し、寝付きをよくすることが可能となり、安眠を促す。このようなことから、前記従来技術と比較して、睡眠障害の改善、防止効果に優れたものとすることができる。
さらに備えており、前記体温測定手段によって測定される入浴者の当日内における深部体温の最高値が、所定温度を超えている場合、または入浴者の体温変化が低下傾向にある場合には、前記体温上昇目標温度は、温度上昇なしとされるように構成されている。
すなわち、入浴を開始する場合において、既に入浴者の当日内における深部体温の最高値が所定温度を超えている場合や、入浴者の体温変化が低下傾向にある場合には、入浴者の深部体温を温度上昇させない方が、安眠が得られ易い。前記構成は、そのようなことに則したものとなっており、安眠促進効果をより高めることができる。
また、入浴システムSYは、浴槽3に取付けられ、かつ入浴者の心拍数を測定するための心拍数測定器4、および入浴者が身体に装着し、深部体温を測定するための体温測定器5も備えている。心拍数測定器4は、たとえば浴槽に心電図電極を取付けたものであるが、これに代えて、たとえば脈拍検出機能を備えた腕装着型のものを用いることも可能である。体温測定器5は、たとえば入浴者の耳に装着し、耳内温度を測定するためのものであり、その測定データは、給湯装置WHにワイヤレス送信される。
この制御部C1は、リモコン2の制御部C2と組み合わされて、本発明が意図する動作処理を実行する制御手段を構成しており、また本発明でいう就寝前時間判断手段の一例にも相当している。ただし、このような構成に代えて、制御部C1のみ、またはリモコン2の制御部C2のみが、本発明が意図する動作処理を実行する制御手段、および就寝前時間判断手段とされた構成とすることも可能である。
なお、就寝予定時刻は、就寝予定時刻設定スイッチ22aを操作してユーザが入力した時刻でよいが、これに代えて、デフォルトの時刻として制御部Cに予め設定された時刻が用いられるようにすることも可能である。
データを勘案して判断される。なお、複数の入浴者には体格や体質の差があり、厳密には、これらの差によって入浴時間Taも相違したものとなる。このことに対応する手段として、好ましくは、個人選択スイッチ22bを操作し、入浴者を特定した上で、この入浴者の身長、体重、年齢、性別などの情報を、制御部Cの記憶部に予め記憶させておくことが可能に構成される。また、この記憶された入浴者に関する情報から、この入浴者が、予め複数種類設定されたカテゴリのいずれに該当する者であるかが判断され、かつこのカテゴリに対応して予め設けられた補正値を用いることにより、入浴時間Taが補正されるように構成される。
なお、このように入浴者に入浴時間Taを事前に察知させることは、後述するステップS10の報知動作と同様に、本発明でいう「入浴者の深部体温が入浴によって体温上昇目標温度だけ上昇したタイミングで出浴を促すための報知動作」の一例に相当する。
この場合、前記とは異なり、就寝前時間が短いほど、体温上昇目標温度を低くする構成とすることも可能である。たとえば、就寝前時間が1~1.5時間の場合には、体温上昇目標温度は0.3~0.6℃とされ、就寝前時間が0.5~1時間の場合には、体温上昇目標温度は0.1~0.3℃とされる態様が該当する。
このような一連の動作処理手順によれば、就寝前時間が短い場合には、体温上昇目標温度が低めの温度(第2の温度)とされているため、入浴時間の不足により入浴者の深部体温を前記第1の温度まで上昇させることが困難になるなどの理由から入浴が禁止状態になることはない。また、体温上昇目標温度が低めとされていれば、就寝予定時刻が到来した際に入浴者が覚醒した状態になることも回避することが可能である。このようなことから、入浴者のその後の睡眠の質を高める効果が得られる。
具体的には、入浴者が入浴を開始した場合、たとえば図4に示すような態様で入浴者の心拍数が変化する。入浴初期における符号Daで示す心拍数の下降は、浴槽3の湯水の水圧により、血管が収縮することに起因する。所定値Nは、入浴者が浴槽3の湯水に浸かった後における心拍数の最低値Naを基準とし、かつこの最低値Naに一定の値Nbを加えた値、または一定値を乗じた値とされる。
ここで、当日内において、深部体温が少なくとも1回は、かなり高くなって、所定値N1を超えた場合、あるいは入浴時間が迫っている時刻に深部体温が低下傾向となっている場合に、入浴によって深部体温を上昇させると、入浴者の安眠を却って阻害する虞がある
。これに対し、前記した動作処理によれば、そのような虞を適切に解消することができ、安眠を促進することが可能となる。
なお、前記のいずれにも該当しない場合には、図3に示した基本的な動作処理により、体温上昇目標温度が決定される(S34:NO,S35)。
睡眠が良好ではない場合であって、寝付きが悪い、および眠りが浅い、のいずれにも該当しない場合には、図3に示した基本的な動作処理により、体温上昇目標温度が決定される(S46:NO,S48)。
また、上述の実施形態においては、体温上昇目標温度に適当な幅をもたせているが(たとえば、0.5~1.0℃)、これに限定されず、幅をもたない数値(たとえば0.8℃)とすることも可能である。
上述の実施形態において示された時間や温度などの数値は、例示であり、それらの具体的な数値が上述した内容に限定されないことは勿論である。
C(C1,C2) 制御部(制御手段、就寝前時間判断手段)
WH 給湯装置
2(2A,2B) リモコン
Claims (8)
- 現時刻または入浴予定時刻から就寝予定時刻までの就寝前時間を判断するための就寝前時間判断手段と、
入浴者の深部体温が入浴によって体温上昇目標温度だけ上昇したタイミングで出浴を促すための報知動作の制御を実行可能な制御手段と、
を備えている、入浴システムであって、
前記制御手段は、前記就寝前時間に基づいて入浴者の深部体温の前記体温上昇目標温度を決定し、かつ前記就寝前時間が所定の第1の時間未満である場合には、前記就寝前時間が前記第1の時間以上である場合よりも、前記体温上昇目標温度を低くし、または温度上昇なしとするように構成されていることを特徴とする、入浴システム。 - 請求項1に記載の入浴システムであって、
前記体温上昇目標温度が温度上昇なしとされた場合には、入浴者の深部体温を温度上昇なしとするための入浴最長時間が求められ、かつ入浴者の入浴時間が、前記入浴最長時間に達した時点において、入浴者に対して出浴を促すための報知動作が行なわれるように構成されている、入浴システム。 - 請求項1または2に記載の入浴システムであって、
入浴者の心拍数を測定可能な心拍数測定手段を、さらに備えており、
前記体温上昇目標温度が温度上昇なしとされた場合には、前記心拍数測定手段によって測定される入浴者の心拍数が所定値まで上昇した時点において、入浴者に対して出浴を促すための報知動作が行なわれるように構成されている、入浴システム。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の入浴システムであって、
前記制御手段は、前記就寝前時間が前記第1の時間未満である場合に、前記就寝前時間が短いほど、前記体温上昇目標温度を低くするように構成されている、入浴システム。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の入浴システムであって、
前記就寝前時間が前記第1の時間未満かつ所定の第2の時間以上である場合には、前記就寝前時間が前記第1の時間以上である場合よりも、前記体温上昇目標温度を低くする一方、前記就寝前時間が前記第2の時間未満である場合には、温度上昇なしとされるように構成されている、入浴システム。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の入浴システムであって、
入浴者の深部体温の変化を測定可能な体温測定手段を、さらに備えており、
前記体温測定手段によって測定される入浴者の当日内における深部体温の最高値が、所定温度を超えている場合、または入浴者の体温変化が低下傾向にある場合には、前記体温上昇目標温度は、温度上昇なしとされるように構成されている、入浴システム。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の入浴システムであって、
入浴者の睡眠に関する睡眠情報を取得可能に構成されており、
この睡眠情報において、前記入浴者の前回の入浴後における睡眠が良好であると評価されている場合には、前記体温上昇目標温度として、前回の入浴時における体温上昇目標温度が採用されるように構成されている、入浴システム。 - 請求項7に記載の入浴システムであって、
前記睡眠情報において、前記入浴者の前回の入浴後における睡眠が不良であると評価された場合であって、寝付きが悪いと評価されている場合には、前記体温上昇目標温度は前回の入浴時よりも低くされる一方、眠りが浅いと評価されている場合には、前記体温上昇
目標温度は前回の入浴時よりも高くされるように構成されている、入浴システム。
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