JP7178091B2 - 運動訓練装置およびその作動方法 - Google Patents

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Description

本発明は運動訓練装置およびその作動方法に関する。特に、被訓練者における動作意思のタイミングに合わせて当該動作に関する主働筋の筋張力が足りないことを示す求心性神経の活動を誘発することによる運動訓練装置に関する。
スポーツ分野では被訓練者の動作に対する負荷を適度に重くすることで訓練効果を高める装置が提案されている。また、リハビリテーション分野では被訓練者の動作を補助することで訓練効果を高める装置が提案されている。それらはいずれも被訓練者が動作を引き起こす際の努力を最大限に引き出すことを目的としたものである。しかし、これらの訓練法は被訓練者が随意的に所望の動作を少なからず引き起こせることが前提となっていた。したがって、所望の動作を行おうとする意志はあるものの、どのタイミングでどの筋肉あるいはそれを支配している神経細胞を活動させれば良いのかということがわからないような新規動作獲得訓練やリハビリテーションにおける動作獲得訓練において効果を期待できるものではなかった。
これまでに提案されてきている運動訓練装置には、電磁気学的なデバイスによって力学的な抵抗を被訓練者の身体に与えたり、電磁気学的なアクチュエータによって動作を補助するような外力を加えたり、あるいは被訓練者の筋肉を電気的に刺激することによって筋力を増強して動作を補助したりするものがあった。このような装置では、何らかの外力を身体に加えることになるが、これまでに実施されてきている外力の加え方には次の3通りのパターンがあると考えている。
(a)個体が発生する以上の力を外力として発生させるもの
(b)個体が発生する力を打ち消すように外力を加えるもの
(c)ある一定以上の努力を個体にさせながら必要最小限の力を支援するもの
上記(a)は労働の負荷を低減させることを目的としたロボット技術の利用に関する考え方である。(b)は制動力を発生する装置を含めて、身体に負荷をかけることによる運動訓練装置である(例えば、非特許文献1)。(c)は、“支援しすぎない”ことによって個体の努力を引き出すような訓練法として近年リハビリテーションの分野で提案されている訓練装置である。被訓練者の意志だけでは所望の動きを起こせない場合であっても必要最小限の補助をすることによって所望の動きが実現されるので、努力しても動かせないことによって身体機能の不使用を学習することがないために訓練効果があると期待されている。
しかし、いずれの場合も筋電図で検出可能な筋活動や筋張力など筋肉を支配している神経細胞に活動のあることが前提であり、所望の動作を行おうとする意志はあるものの、どのタイミングでどの筋肉あるいはそれを支配している神経細胞を活動させれば良いのかということがわからないような新規動作獲得訓練やリハビリテーションにおける重度の動作獲得訓練において効果を期待できるものではなかった。
P. C. Kao, S. Srivastava, S. K. Agrawal, and J. P. Scholz, "Effect of robotic performance-based error-augmentation versus error-reduction training on the gait of healthy individuals," Gait Posture, vol. 37, pp. 113-20, Jan 2013. Principles of Neural Science, fourth ed.: McGraw-Hill, 1991. Y. Fregnac, M. Pananceau, A. Rene, N. Huguet, O. Marre, M. Levy, et al., "A Re-Examination of Hebbian-Covariance Rules and Spike Timing-Dependent Plasticity in Cat Visual Cortex in vivo," Front Synaptic Neurosci, vol. 2, p. 147, 2010. J. S. Haas, T. Nowotny, and H. D. Abarbanel, "Spike-timing-dependent plasticity of inhibitory synapses in the entorhinal cortex," J Neurophysiol, vol. 96, pp. 3305-13, Dec 2006. Y. Dan and M. M. Poo, "Spike timing-dependent plasticity of neural circuits," Neuron, vol. 44, pp. 23-30, Sep 30 2004. G. Q. Bi and M. M. Poo, "Synaptic modifications in cultured hippocampal neurons: dependence on spike timing, synaptic strength, and postsynaptic cell type," J Neurosci, vol. 18, pp. 10464-72, Dec 15 1998. C. Ethier, J. A. Gallego, and L. E. Miller, "Brain-controlled neuromuscular stimulation to drive neural plasticity and functional recovery," Curr Opin Neurobiol, vol. 33, pp. 95-102, Aug 2015. B. D. Watson, W. D. Dietrich, R. Busto, M. S. Wachtel, and M. D. Ginsberg, "Induction of reproducible brain infarction by photochemically initiated thrombosis," Ann Neurol, vol. 17, pp. 497-504, May 1985.
上記問題点に鑑み、本発明は、被訓練者が所望の動作を引き起こす際、主働筋とそれを支配している神経細胞の活動を引き起こせない被訓練者に対しても訓練効果を有する運動訓練装置を提案するものである。
本発明者らは、被訓練者が所望の動作を引き起こす際、主働筋とそれを支配している神経細胞の活動を引き起こせない場合においても訓練効果を有するような運動訓練装置を実現するには、被訓練者の意思が伝達されて筋肉に至るまでの経路における神経信号の伝達効率を高めることが有効であると考えた。
そこで、神経シナプス伝達の効率の変化に関してこれまでに知られている時間依存的可塑性に関する知見(非特許文献2~6)を利用して、被訓練者の身体に外力を加えることによって主働筋の筋張力が足りないことを示す求心性神経の活動を誘発し、それによって主働筋の筋力を増強するための神経細胞活動と被訓練者の意思を反映する神経細胞活動をタイミングよく引き起こすことによって神経シナプスの伝達効率を高めるようにする方法を着想した。
学習や訓練の効果は、神経細胞ネットワークにおいて神経細胞間の接続部にあるシナプスの伝達効率が変化すること、すなわち神経可塑性(非特許文献2)によって引き起こされる。したがって、シナプスでの神経伝達の効率の調整を促進できればその訓練効果は大きい。逆に、好ましくない伝達効率の変化やその変化を引き起こしにくい状態では、学習や訓練の効果は低くなる。
シナプス伝達効率の変化については、時間依存的な可塑性があることがこれまでに報告されている(非特許文献3~6)。今、神経細胞aが神経細胞bにシナプスを介して接続していたとする。神経細胞aが活動した後で神経細胞bが活動すると神経細胞aから神経細胞bへのシナプス伝達効率が高くなる。もしも、神経細胞aが興奮性神経細胞であったならば、神経細胞bは神経細胞aの活動によって活動しやすくなり、逆に神経細胞aが抑制性神経細胞であったならば神経細胞bは神経細胞aの活動によって活動しにくくなる。また、これら神経細胞aと神経細胞bの間のシナプス伝達効率の変化は、複数の神経細胞aのような神経細胞からなる神経細胞群Aと複数の神経細胞bのような神経細胞からなる神経細胞群Bの間の伝達効率の変化においても成り立つと考えられる(非特許文献7)。したがって、神経細胞群Aとして興奮性神経細胞群を活動させ、神経細胞群Bとして主働筋の筋張力の増加に寄与する神経細胞群をタイミングよく活動させることができれば、神経細胞群Aと神経細胞群Bの間に好ましい神経伝達効率の変化をひきおこすことができ、神経細胞群Aを活動させることによって主働筋の筋張力を増大させることが可能であると考えられる。
身体を動かそうとする意志を反映した神経活動を考えると、それは一連の興奮性神経細胞群によって主働筋の筋張力の増加に寄与する神経細胞群に伝達される。例として、その伝達経路の一部が脳損傷によって破壊された場合において、意志を反映した神経活動の伝達において損傷部位の直前にある神経細胞群を前記神経細胞群Aと考えることにし、また、損傷部位よりも末梢側で主働筋の筋張力の増加に貢献する神経細胞群を前記神経細胞群Bと考えることにする。神経細胞群Bの中には脳損傷による破壊を免れて神経細胞群Aからの入力を受け取るものもあると考えられるが、これら神経細胞群Aと神経細胞群Bを選択的に活動させることができれば、神経細胞群Aと神経細胞群Bの神経伝達効率を高めることができ、再び身体を動かそうとするだけで神経細胞群Aと神経細胞群Bを介して主働筋を収縮させることが可能となると考えられる。
そのためには、神経細胞群Aと神経細胞群Bを選択的に活動させることが可能でなければならない。意志を反映した神経活動を伝達しようとする神経細胞群Aは興奮性神経細胞からなる群であり、それは主働筋を収縮させようとすることによって活動させることができる。一方、神経細胞群Bは、神経細胞群Aからの入力が脳損傷によって弱まってしまっているためにそのままでは活動させることは困難である。しかし、神経細胞群Bは、主働筋の筋張力の増加に貢献する神経細胞の集団であり、運動制御において主働筋の筋張力が足りないことを示す末梢からの求心性神経活動が生じれば、神経細胞群Bの活動を増大させて主働筋の筋力を増大させようとするフィードバック経路からの入力も受けている。したがって、主働筋が収縮する際の筋力が足りないことを示す求心性神経活動を引き起こすことで神経細胞群Bを活動させられると考えられる。
また、神経細胞群Aと神経細胞群Bをタイミング良く活動させることが可能でなければならない。神経細胞aと神経細胞bのシナプス伝達効率について、神経細胞aが興奮性神経細胞であった場合には、神経細胞aの活動と神経細胞bの活動が数十ミリ秒くらいの時間差で順番に引き起こされた場合にシナプス伝達効率が高まることから(非特許文献3~6)、これを神経細胞aのような細胞からなる神経細胞群Aと神経細胞bのような細胞からなる神経細胞群Bに当てはめて考えれば、数十ミリ秒くらいの時間精度で神経細胞群Aと神経細胞群Bを順に活動させられれば良い。
したがって、運動企図を伝える神経細胞群Aと主働筋の収縮が不十分である場合に動員されるような神経細胞群Bとを数十ミリ秒くらいの時間差で順番に活動させることによって神経細胞間の可塑性を引き起こし、被訓練者の意思が伝達されて主働筋に至るまでの経路における神経信号の伝達効率を高めることができる。上記では、神経細胞群Aと神経細胞群Bを脳損傷を例に説明してきたが、新しい動作を訓練しようとする際に運動企図を表現している神経細胞群Aとその動作に利用される筋肉を支配する神経細胞群Bとの間にも適用可能である。
神経細胞群Bを活動させるタイミングは興奮性神経細胞群Aの活動するタイミングを知るか、コントロールできれば良い。興奮性神経細胞群Aは主働筋を動かそうとする意志を反映したものであるから、主働筋を動かそうとするタイミングを知るか、あるいはコントロールすればよい。主働筋を動かすタイミングは、筋活動や筋張力によって検出可能であり、また、被訓練者に主働筋を動かすように指示することでもコントロール可能である。
また、神経細胞群Bを選択的に活動させるための方策については、神経細胞群Bが主働筋の筋張力の増加に貢献する神経細胞の集団であり主働筋の筋力のフィードバック制御を担うことから、主働筋の筋張力が足りないことを示す末梢からの求心性神経活動を誘発することによって神経細胞群Bの活動を誘発することが可能であると考えられる。具体的には、通常、運動中に主働筋の収縮力が十分でない場合には、主働筋の長さが負荷によって伸張している状態にあるので、筋肉の伸張反射を生じる筋紡錘内の求心性神経の活動が脊髄やさらに高次の中枢にフィードバックされ、筋張力を増すように作用する(非特許文献6)。また、主働筋の働きを助けるように作用する協働筋も主働筋が収縮するときに伴に活動するが、これを伸張させることでも筋紡錘内の求心性神経活動が発生し、主働筋の筋張力が増すように作用する(トレムナー反射)。さらに、これらは主働筋あるいは協働筋を外力によって引き伸ばすことによって筋紡錘内の求心性神経活動を引き起こした結果であるが、筋紡錘内の求心性神経活動を機械的振動や電気刺激などによっても誘発することができる。
以上のように、運動企図を伝える神経細胞群Aと主働筋の収縮が不十分である場合に動員されるような神経細胞群Bとを適切なタイミングで活動させることによって神経細胞間の時間依存的可塑性を引き起こし、被訓練者の意思が伝達されて筋肉に至るまでの経路における神経信号の伝達効率を高めることができる。言い換えれば、動作の意志を生じたタイミングに合わせて主働筋あるいは協働筋を刺激(伸張、振動、電気などによる刺激を含む)する訓練装置が被訓練者の意思が伝達されて筋肉に至るまでの経路における神経信号の伝達効率を高める効果を有すると考えた。鋭意検討を行った後、本発明者らは当該訓練装置が実際に動作機能の回復効果を有しており、実現可能であることを確認した。
本発明は上記知見より完成されたものであり、具体的には以下の態様を含む。
本発明の一態様は、
〔1〕被訓練者における所定の動作の運動訓練装置であって、
前記所定の動作に関する動作意思に伴う神経細胞群の活動を惹起するための動作指示手段と
前記所定の動作に関する主働筋または協働筋の求心性神経細胞群を刺激する刺激付与手段と
前記動作指示手段における神経細胞群の活動を惹起するタイミング、および、前記刺激付与手段における刺激のタイミングを制御する制御手段と
を含み、前記動作指示手段が前記被訓練者に対して動作指示を提示した時点から一定時間以内のタイミングであって、前記動作意思に伴う神経細胞群と前記主働筋の収縮に関与する神経細胞群との神経伝達効率が向上するタイミングにおいて、前記刺激付与手段が前記求心性神経細胞への刺激を付与する、運動訓練装置に関する。
ここで、本発明の運動訓練装置は一実施の形態において、
〔2〕上記〔1〕に記載の運動訓練装置であって、前記刺激付与手段が随意運動における筋力の不足を示唆する感覚を惹起させることを特徴とする。
また、本発明の運動訓練装置は一実施の形態において、
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載の運動訓練装置であって、前記所定の動作が、関節の屈曲、伸展、または、それらが順に組み合わされた動作であることを特徴とする。
また、本発明の運動訓練装置は一実施の形態において、
〔4〕上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の運動訓練装置であって、前記動作指示手段が視覚情報、聴覚情報、触覚情報の提示により前記神経細胞の活動を惹起するための手段であることを特徴とする。
また、本発明の運動訓練装置は一実施の形態において、
〔5〕上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の運動訓練装置であって、前記一定時間以内が50ミリ秒~600ミリ秒の範囲内であることを特徴とする。
また、本発明の運動訓練装置は一実施の形態において、
〔6〕上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の運動訓練装置であって、前記所定の動作に関する主働筋または協働筋が複数あり、前記複数の主働筋または協働筋の求心性神経細胞を刺激する1つまたは複数の前記刺激付与手段を含むことを特徴とする。
また、本発明の運動訓練装置は一実施の形態において、
〔7〕被訓練者における所定の動作の運動訓練装置であって、
前記所定の動作に関する動作意思に伴う神経細胞の活動を検出するための活動検出手段と
前記所定の動作に関する主働筋または協働筋の求心性神経細胞を刺激する刺激付与手段と
前記活動検出手段における神経細胞の活動を検出したタイミングから前記刺激付与手段における刺激のタイミングを制御する制御手段と
を含み、前記活動検出手段が活動を検出した時点から一定時間以内のタイミングであって、前記動作意思に伴う神経細胞群と前記主働筋の収縮に関与する神経細胞群との神経伝達効率が向上するタイミングにおいて、前記刺激付与手段が前記求心性神経細胞への刺激を付与することを特徴とする。
〔8〕上記〔7〕に記載の運動訓練装置であって、前記一定時間以内が0ミリ秒~500ミリ秒の範囲内であることを特徴とする。
また、本発明は別の態様において、
〔9〕被訓練者における所定の動作の運動訓練装置の制御方法であって、
前記所定の動作に関する動作意思に伴う神経細胞の活動を惹起するための動作指示手段と前記動作指示手段に対する指示のタイミングを制御する制御手段とにより、前記被訓練者に対して前記所定の動作の指示をするステップと
前記制御手段からの指示により前記所定の動作に関する主働筋または協働筋の求心性神経細胞への刺激を付与する刺激付与手段により、前記ステップにおける前記動作指示手段の指示のタイミングから一定時間以内のタイミングであって、前記動作意思に伴う神経細胞群と前記主働筋の収縮に関与する神経細胞群との神経伝達効率が向上するタイミングにおいて前記求心性神経細胞への刺激を付与するステップと
を含む、運動訓練装置の制御方法に関する。
また、本発明は別の態様において、
〔10〕被訓練者における所定の動作の運動訓練装置の制御方法であって、
前記所定の動作に関する動作意思に伴う神経細胞の活動を検出するための活動検出手段により前記神経細胞の活動を検出するステップと
前記所定の動作に関する主働筋または協働筋の求心性神経細胞への刺激を付与する刺激付与手段と前記活動検出手段からの信号を受けて前記刺激付与手段へ刺激のタイミングを指示する制御手段とにより、前記ステップにおける前記活動の検出のタイミングから一定時間以内のタイミングであって、前記動作意思に伴う神経細胞群と前記主働筋の収縮に関与する神経細胞群との神経伝達効率が向上するタイミングにおいて前記求心性神経細胞への刺激を付与するステップと
を含む、運動訓練装置の制御方法に関する。
本発明に係る運動訓練装置によれば、随意運動の運動企図時に活動する神経細胞と、当該随意運動の動作に動員されるべき神経細胞との間の興奮性シナプス結合における神経信号の伝達効率を高めることができる。
また、従来の訓練装置では被訓練者が少なからず目的の動作を引き起こせる、あるいは、どの筋肉をどのように動かせば良いのか理解できる状況を前提とするが(言い換えれば、随意的に主働筋を収縮できるような神経細胞活動を前提とするが)、本発明に係る運動訓練装置によれば、筋肉の活動を引き起こせない被訓練者に対してもリハビリテーションの効果を奏することが期待できる。
また、非特許文献7には、神経活動計測技術と電気刺激の手法を利用して神経可塑性を促そうとする従来技術が報告されているが、当該文献に記載の手法は侵襲的な外科手術を要する。一方、本発明に係る運動訓練装置によれば侵襲的な外科手術を要しない。
図1は、下記実施例1における選択反応時間タスクで使用した装置の画像(上段)および実際にラットが選択反応時間タスクを行っている状態を示す概要図(下段)を示す。 図2は、下記実施例1における選択反応時間タスクで使用した装置について、当該装置に配置されたアクチュエータの構造を示す概要図である。当該装置の裏面にあるアクチュエータレバーを押下げることにより、ラットの前肢が載っているレバーをラットの前肢とともにタスク中に持ち上げることが可能な構造となっている。 図3は、下記実施例1における各条件下の選択反応時間タスクの結果を示すグラフであり、縦軸が反応時間、横軸がエラー率(%)を示す。Correct sideは正解側のアクチュエータを作動させたことを示し、Incorrect sideは正解側とは反対側のアクチュエータを作動させたことを示す。アクチュエータの作動時刻は、空圧刺激時より120ミリ秒、220ミリ秒、320ミリ秒、または、420ミリ秒の後とした。 図4は、下記実施例2における脳損傷ラットの選択反応時間タスクの結果を示すグラフであり、縦軸がエラー率(%)を示す。 図5は、本発明に係る運動訓練装置の一実施の形態の概要図と、当該装置を用いた訓練中に活動する神経および筋の活動強度および時間軸を示すグラフである。 図6は、本発明に係る運動訓練装置の一実施の形態の概要図と、当該装置を用いた訓練中に活動する神経および筋の活動強度および時間軸を示すグラフである。 図7は、本発明に係る運動訓練装置の一実施の形態の概要図と、当該装置を用いた訓練中に活動する神経および筋の活動強度および時間軸を示すグラフである。 図8は、本発明に係る運動訓練装置の一実施の形態の概要図と、当該装置を用いた訓練中に活動する神経および筋の活動強度および時間軸を示すグラフである。 図9は、外部刺激により活動する運動企図を伝える神経細胞群と、主働筋の収縮が不十分である場合に動員されるような神経細胞群とを適切なタイミングで活動させることによって神経細胞間の時間依存的可塑性が構築される様子を示す概要図である。
本発明の運動訓練装置は、一実施の形態において、所定の動作に関する動作意思に伴う神経細胞の活動を惹起するための動作指示手段と、所定の動作に関する主働筋または協働筋の求心性神経細胞を刺激する刺激付与手段と、動作指示手段における神経細胞の活動を惹起するタイミング、および、前記刺激付与手段における刺激のタイミングを制御する制御手段とを含み、動作指示手段が被訓練者に対して動作指示を提示した時点から一定時間以内のタイミングであって、前記動作意思に伴う神経細胞群と前記主働筋の収縮に関与する神経細胞群との神経伝達効率が向上するタイミングにおいて、刺激付与手段が求心性神経細胞への刺激を付与する装置である。
本明細書において「被訓練者」とは、所定の動作を意図するレベルにおいて十分に行うことができない者をいう。被訓練者は、以下に限定されないが、例えば高齢による老化や疾患、事故などの障害のために所定の動作を意図するレベルにおいて十分に行うことができなくなった者が含まれる。特に、被訓練者には、所定の動作に関してどの筋肉をどのように動かせば良いのか理解できない、または、所定の動作に関する筋肉の活動を引き起こせない者も含まれる。本発明に係る運動訓練装置およびその作動方法は、所定の動作に関してどの筋肉をどのように動かせば良いのか理解できない、または、所定の動作に関する筋肉の活動を引き起こせない者に対しても、当該動作に関する機能改善の効果を有する。
なお、被訓練者はヒトであることが好ましいが、馬、牛、ラット、マウス、猫、犬、などの家畜、愛玩動物などを対象とすることもできる。
本明細書において「所定の動作」とは運動企図に合致する動作(例えば、随意運動であって、脳からの神経伝達により主働筋および/または協働筋の収縮により引き起こされる動作、など)をいい、本発明に係る運動訓練装置またはその作動方法はこれらの動作に関する機能改善を促すことができる。所定の動作に関する身体の部位は制限されず、例えば、指、上肢、下肢、体幹などを挙げることができる。より具体的な例としては、以下に限定されないが、摘み動作における人差し指の屈曲、伸展などを挙げることができる。
本明細書において「所定の動作に関する動作意思に伴う神経細胞」とは、随意運動の運動企図時に活動する神経細胞群の全体またはその一部をいう。随意運動の運動企図時に活動する神経細胞群としては、随意運動中に主働筋あるいは協働筋の収縮力が不十分であることを検出し、主働筋あるいは協働筋の筋力を増やすために発火頻度を増やしあるいは新たに動員される神経細胞であって、運動前野、一次運動野の神経細胞を挙げることができる。これらの神経細胞の活動はシナプス結合による伝達を介して、所定の動作に関する主働筋の収縮に関する神経細胞に対して信号を送り、当該主働筋の収縮は当該所定の動作を実現する。
本明細書において「神経細胞の活動を惹起するための動作指示手段」とは、被訓練者に対して制御されたタイミングで随意運動を企図する神経細胞の活動を惹起する手段をいう。動作の指示の形態は、被訓練者が指示を受けて直ぐに随意運動を企図できるものであれば限定されず、視覚情報の提示、聴覚情報の提示、触覚情報の提示、物理刺激などを挙げることができる。例えば、動作指示の形態として視覚情報の提示が選択される場合、動作指示手段としてはディスプレイなどの表示器を採用することができる。また、動作指示の形態として空圧刺激が選択される場合、動作指示手段としては空圧発生装置などを採用することができる。また、動作指示の形態として聴覚情報が選択される場合、動作指示手段として音を発生させる装置などを採用することができる。
本明細書において「所定の動作に関する主働筋または協働筋」とは、所定の動作を実行する際に主に働く筋肉(主働筋)または当該主働筋に対して補佐的に働く筋肉(協働筋)をいう。所定の動作に対する主働筋および協働筋は公知であり、当業者であれば所定の動作に対していずれの筋肉が主働筋または協働筋であるのかを把握することができる。例えば、人差し指と親指による摘み動作において、人差し指を屈曲させる主働筋は示指屈筋群であり、協働筋は中指屈筋群である。
本明細書において「主働筋または協働筋の求心性神経細胞を刺激する刺激付与手段」とは、所定の動作に関する主働筋または協働筋の求心性神経細胞に対して刺激を付与し、これにより主働筋の収縮力が不十分であることを中枢神経系にフィードバックするための手段をいう。このフィードバックにより、当該主働筋の収縮に関与する脳内の神経細胞がさらに多く動員されて活動する。刺激付与手段による刺激は、主働筋または協働筋の収縮が不十分であるとのフィードバックの効果を付与して主働筋の収縮に関与する神経細胞をより活性化できる刺激であれば制限されず、主働筋または協働筋の収縮を促す物理的な刺激、主働筋または協働筋に対する振動の付与などを挙げることができる。例えば、人差し指と親指の摘み動作における人差し指の屈曲に関与する主働筋の求心性神経細胞への刺激を所望する場合、人差し指を伸張させる刺激を加えることで当該主働筋を伸張させることができる。人差し指の伸張を促すにはアクチュエータを備えた固定器具などの手段を採用することができる。アクチュエータを備えた固定器具の形態は限定されず、当業者であれば所定の動作に応じて適宜好ましい器具を設計することができる。人差し指の伸張を促すためのアクチュエータを備えた固定器具としては、例えば図5に示すような、親指と人差し指とをそれぞれ固定する2つの固定手段であって、人差し指および親指の付け根付近で連結する固定手段と、人差し指を伸張させるように作動可能なアクチュエータを当該連結部分に備えた固定器具とすることができる。またアクチュエータは、人差し指の伸張動作を好ましいタイミングで実行できるように制御手段により制御されている。
上記摘み動作における人差し指の屈曲運動を訓練する場合、協働筋の求心性神経細胞に刺激を加えることによる協働筋の収縮が不十分とのフィードバックによっても主働筋の収縮に関与する神経細胞をより多く動員することが可能となる。ここで、人差し指の屈曲には、中指の屈曲(収縮)に関与する筋肉が協働筋となる。よって、人差し指と親指の摘み動作における人差し指の屈曲運動の機能回復においては、中指の屈曲に関与する協働筋に対して伸張する刺激を加えることもできる。
主働筋または協働筋の求心性神経細胞への刺激の付与は、主働筋の求心性神経細胞または協働筋の求心性神経細胞のいずれかに付与してもよいし、同時に両方の求心性神経細胞に付与しても良い。また、所定の動作に対して、複数の主働筋または協働筋が関与する場合には、それらの複数の主働筋または協働筋の求心性神経細胞に対して刺激を付与することもできる。
また、主働筋または協働筋を伸張させる刺激に限られず、主働筋または協働筋に対して振動の刺激を付与することもできる。その他、訓練によって身に着けることになった主働筋の筋力が足りないことを示唆する情報(例えば、打撃力と打撃音の関係を利用して打撃音を小さくすることによって打撃力の増大を図ることなど)を呈示したり、他の感覚器官を刺激したりしてもよい。
また、好ましい一実施の形態において、刺激付与手段は被訓練者の体外より刺激を付与するものである。体外より刺激を付与する形態とすることで、被訓練者に対する侵襲的な外科手術等を不要とできる点において好ましい。
本明細書において「制御手段」とは、刺激付与手段における刺激付与のタイミングを制御する。一実施の形態における制御手段は、刺激付与手段における刺激付与のタイミングの制御に加えて、動作指示手段における神経細胞の活動を惹起するための動作の指示のタイミングを制御する。制御手段の構成は訓練対象とする所定の動作や動作指示の形態、刺激付与の形態などの条件に応じて適宜設計することができる。動作指示手段が視覚情報を提示する表示器であり、刺激付与手段が主働筋の伸張を促すアクチュエータを備えた固定器具である場合、以下の形態に制限されないが、制御手段は当該表示器上へ視覚情報を提示する信号を発信する動作タイミング表示装置駆動部と、当該アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ駆動部、および、当該動作タイミング表示装置駆動部とアクチュエータ駆動部との作動タイミングを制御する制御部とを備えることができる。
制御手段による動作指示手段における動作指示のタイミングと刺激付与手段における刺激付与のタイミングとは、所定の動作(随意運動)の指示の提示から一定時間以内に、所定の動作に関与する主働筋の収縮に関する神経細胞の活動が生じるような中枢神経系へのフィードバックを誘引できるタイミングで制御される。所定の動作の指示の提示から一定時間以内というとき、所定の動作に関与する主働筋の収縮に関する神経細胞間の神経可塑性を引き起こすことができる限りにおいて限定されず、以下に限定されないが、例えば、50~600ミリ秒、好ましくは150~300ミリ秒の時間差とすることができる。随意運動を企図する神経細胞に活動が生じるタイミングと、当該随意運動の主働筋の収縮に関与する神経細胞に活動が生じるタイミングとの差は小さいほど良いが、数十ミリ秒未満の時間差であると当該随意運動の主働筋の収縮に関与する神経細胞が随意運動を企図する神経細胞よりも先に活動してしまう可能性があり好ましくなく、逆に時間差が1秒以上であると随意運動を企図する神経細胞の活動と当該随意運動の主働筋の収縮に関与する神経細胞の活動の時間差が大きくなってしまう可能性が高まるので効果が失われて好ましくない。
刺激を付与する期間は、一瞬あるいは短時間の刺激が好ましい。持続的な刺激や長時間にわたる刺激では神経細胞同士の活動の時間的前後関係が曖昧になり好ましくないと考えられる。以下に限定されないが、刺激を付与する期間は、例えば1~100ミリ秒の範囲とすることができる。
また別の実施の形態において、本発明に係る運動訓練装置は、所定の動作に関する動作意思に伴う神経細胞の活動を検出するための活動検出手段と、所定の動作に関する主働筋または協働筋の求心性神経細胞を刺激する刺激付与手段と、活動検出手段における神経細胞の活動を検出したタイミングから刺激付与手段における刺激のタイミングを制御する制御手段と含み、活動検出手段が活動を検出した時点から一定時間以内に、刺激付与手段が求心性神経細胞への刺激を付与する装置である。
本明細書において「活動検出手段」とは、被訓練者において随意運動を企図する神経細胞の活動を検出する手段をいう。神経細胞の活動の検出は公知の手法や装置により行うことができ、例えば、脳波計などの脳活動センサを用いることができる。
本発明に係る運動訓練装置が活動検出手段を採用する場合、当該活動検出手段により検出された神経細胞の活動開始のタイミングは制御手段へと電気信号により送られる。例えば、本発明に係る運動訓練装置が活動検出手段を備え、かつ、刺激付与手段としてアクチュエータを備えた固定器具が採用される場合、以下の形態に制限されないが、制御手段は当該活動検出手段からの信号を受け取る動作タイミング推定部と、当該アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ駆動部、および、当該動作タイミング推定部で受け取った信号に基づいてアクチュエータ駆動部の作動タイミングを制御する制御部とを備えることができる。動作タイミング推定部では、活動検出手段で検出される神経細胞の活動情報が目的の動作を企図する神経細胞の活動であるか否かを判断し、目的の動作を企図する神経細胞の活動であると判断した際に制御部へ信号を送信するプログラムなどを含むことができる。
運動訓練装置が活動検出手段を採用する場合、制御手段による刺激付与手段における刺激付与のタイミングの制御は、所定の動作(随意運動)を企図する神経細胞の活動が生じてから一定時間経過内に、所定の動作に関与する主働筋の収縮に関する神経細胞の活動が生じるような中枢神経系へのフィードバックを誘引できるタイミングで制御される。所定の動作を企図する神経細胞の活動が生じてから一定時間経過後というとき好ましくは数百ミリ秒以内(例えば、0~500ミリ秒、好ましくは250ミリ秒以内の時間差)であり、より好ましくはその直後である。随意運動を企図する神経細胞に活動が生じるタイミングと、当該随意運動の主働筋の収縮に関与する神経細胞に活動が生じるタイミングとの差が小さいほど効果は高まるが、タイミングが前後逆になってしまうと期待される神経可塑性が起こらなくなり好ましくない。
以下、具体的な実施例を示しながら本発明に係る運動訓練装置およびその作動方法について説明するが、本発明に係る運動訓練装置およびその作動方法は、以下の実施の形態に制限されない。
動作またはその意志を生じたタイミングに合わせて主働筋を伸張させることで、所望の動作を引き起こすための訓練となりうる。このことを実証するために2通りの動物実験を実施した。まず、健常ラットに対して選択反応時間タスクを実施し、その学習過程がタスク遂行中に好ましい応答動作における主働筋を伸張させることによって促進されることを実証した。次に片側脳損傷ラットを用いて同様の実験を行い、片側大脳皮質前肢感覚運動野損傷ラットでもタスク学習の促進効果が現れることを実証した。以下順に説明する。
<実施例1.健常ラットのタスク学習における主働筋伸張による介入の効果>
ラットに実施させるべきタスクとして左右前肢による選択反応時間タスクを用いた(H. Kaneko, H. Tamura, T. Kawashima, and S. S. Suzuki, "A choice reaction-time task in the rat: a new model using air-puff stimuli and lever-release responses," Behav Brain Res, vol. 174, pp. 151-9, Nov 1 2006.)。ラットは各試行開始時に左右2本のレバーの上に両前肢を載せた姿勢をとる(図1)。左右両前肢でレバーを押下して待っていると左右前肢のどちらか一方に空圧刺激(air-puff)が与えられ、この刺激に対して正解側(試験区により正解側は異なる。また、正反応側ともいう)のレバーから前肢を放した場合に砂糖水を報酬として与えられる。このタスクでは、各試行開始時の姿勢を一定にさせることによって、安定した前肢への空圧刺激が可能であり、前肢をレバーから持ち上げる動作を応答動作とすることで反応時間を精度良く計測できる。また、前肢をレバーから持ち上げる応答動作は上腕二頭筋を主働筋とするものであると考えることができる。さらに、レバーの取り付けられている全面パネルの裏側にアクチュエータを配置してレバーの後部を押下げることにより(図2)、レバー及びその上に載っているラットの前肢をタスク中に持ち上げることが可能となっている。
このような装置を用いて、健常ラットに選択反応時間タスクを行わせ、タスク遂行中に応答動作を強制的に誘発することにより、学習速度に違いを生じるか検討した。訓練は、空圧刺激側と正解となるレバー離し応答側(正解側)が同じになる条件(条件1)とそうでない条件(条件2)の2通りの条件があり(詳細には、条件1において右手を空圧刺激側として正解側も右手側となる場合と左手を空圧刺激側として正解側も左手側となる場合の2通りの正解がある。また、条件2において右手を空圧刺激側として正解側を左手側とする場合と左手を空圧刺激側として正解側を右手側とする場合の2通りの正解がある条件の2通り)、一方の条件を採用して、右手か左手に空圧刺激をランダムに与えて、この空圧刺激に対して正解側の前肢をレバーから離すことで応答するようにラットを訓練した。そして訓練後に、もう一方の条件へ切り替えた際の反応時間とエラー率を比較することにより評価した。なお本実施例では、反応時間とエラー率の評価に際し、応答動作に似た動き(正解するような動き、または、不正解するような動きのいずれか)を強制的に誘発するアクチュエータの刺激を付与し、当該刺激が学習の進行状況にどのように影響するのかを調べた。尚、アクチュエータはエラー(誤反応)試行の次の試行で同じ前肢への刺激を与える際に空圧刺激後の様々なタイミング(空圧刺激後120ms、220ms、320ms、420ms)で、正解側(Correct side)あるいは不正解側(Incorrect side)を駆動させて。エラー率はアクチュエータを駆動しない試行から算出した。
なお、正解側(例えば右手)と反対側の手(このとき、左手)をアクチュエータで押し上げると、正解側(右手)の主働筋が伸長されることになる。これにより、当該主働筋(右手の主働筋)の伸長の刺激がフィードバックされて当該主働筋の活動に関連する神経細胞を刺激する。一方で、正解側と同じ側の手をアクチュエータで押し上げた場合、上記フィードバックはおこらない。
正解側のアクチュエータを駆動させる場合とは、失敗してしまった動作を繰り返す際に、正しい動作を訓練者が体を支えるなどして教えるような状況に似ている。しかし、正解側のアクチュエータを駆動させた場合には、応答動作の主働筋である上腕二頭筋が伸張されるのではなく、その拮抗筋の上腕三頭筋が伸張させられることになる。逆に、不正解側のアクチュエータを駆動させた場合には、応答動作の主働筋である上腕二頭筋が伸張される。後者が本特許技術において効果のあると予想される場合である。
初期の訓練を訓練期間Iとし、エラー率が15%未満となる度に正解側を切り替えて訓練期間II、訓練期間III、訓練期間IVと逆転学習を行わせた。訓練期間Iはエラー率は50%程度で訓練がスタートするのに対して訓練期間II、III、IVではそれぞれの前の訓練期間における学習の効果があるのでエラー率が80%程度から訓練がスタートすることになる。データ解析においてこのような訓練のスタート時のエラー率の差の影響を受けないよう、データは訓練期間III及びIVから得たものを使用した。
その結果、不正解側のアクチュエータを駆動させた場合に学習の促進されることが分かった。図3は逆転学習の4日目及び5日目におけるエラー率と反応時間の分布を実験条件別に示したものである。図中、中央がレバーをアクチュエータで駆動しない場合を示しており、それよりも右上に正解側のアクチュエータを駆動させた条件、左下に不正解側のアクチュエータを駆動させた条件の結果が分布することが一般化線形モデルを用いた統計解析でわかった。反応時間が短いほど報酬量が多くなるような設定で訓練しているので、学習は、エラー率の低下と反応時間の短縮の両方によって現れる。したがって、左下に分布している不正解側のアクチュエータを駆動させる条件で学習が促進された。このことは、応答時刻付近で主働筋である上腕二頭筋を伸張させることによって逆転学習が促進された結果である。
<実施例2.脳損傷ラットのタスク学習における主働筋伸張による介入の効果>
同様の実験を右側大脳皮質前肢感覚運動野をPhotothrombosis法(非特許文献8)によって損傷したラットに対しても行わせた。但し、アクチュエータの駆動は空圧刺激後220msとした。脳損傷部位は訓練期間IIが終了した後に作成し、その処置の後にタスクの成績が脳損傷前の状態に戻った後(エラー率が15%未満)に逆転学習を行わせ、訓練期間III及び訓練期間IVのデータを収集した。対照群として健常ラットのデータと比較した。
その結果、脳損傷ラットにおいても不正解側のアクチュエータを駆動させる条件で学習が促進された。図4は、逆転学習の4日目及び5日目のエラー率を示したものである。反復測定分散分析の結果、主効果として不正解側のアクチュエータを駆動させる条件でエラー率が低いこと、交互作用として、正解側レバー駆動の際に健側と麻痺側の間でアクチュエータを駆動することの影響の異なっていることが分かった。以上により、不正解側のアクチュエータを駆動させる条件において逆転学習が促進されるということが分かった。
この結果は次のように解釈されると考えている。まず、不正解側のアクチュエータが駆動されると、それによってラットの体幹が背側に移動し、正解側の前肢がレバーから離れる。その際、正解側前肢の前腕の自重によって上腕二頭筋が伸張されるような感覚が引き起こされ、その感覚は上腕二頭筋の筋力が足りないことを示唆するような信号であるために、上腕二頭筋の筋力を増すように中枢側の神経細胞群を刺激できる。すなわち、不正解側のアクチュエータを駆動させる条件では、応答時刻付近で正解側の上腕二頭筋を伸張させることになり、その上腕二頭筋の収縮力を増加させるのに貢献する神経細胞群を賦活化する効果を生じる。このような正解側の上腕二頭筋の筋収縮力の増加に貢献する神経細胞群と応答動作を引き起こそうとする随意的な運動意図を表現する神経細胞群との活動が引き続いて生じることにより、両者の神経伝達効率が高まって逆転学習が促進されたと考えられる。
前述の2つの実施例は実験動物を用いたものであるが、動作を行おうとした際に主働筋を伸張させることによる介入のメカニズムが働きうることを裏付けるものである。また、逆転学習の初期においては、ラットは逆転前のようにタスクを遂行しようとしており、逆転学習の最初から正解側の前肢をレバーから離そうとしているわけではない。したがって、どのような動作をすればよいのか、あるいはどの筋肉を動かせば良いのかわからない状態である新規動作獲得過程と同様の状況を模した場合にもその効果が現れたと考えている。
<実施例3.ヒトの麻痺手における摘み動作訓練装置1>
以上の結果をヒトへ応用する装置として、加齢によって指先の力が入りにくくなったり、脳梗塞後の麻痺のために動かせなくなったりした指を訓練するため、主働筋を動作のタイミングに合わせて伸張させる装置が本特許技術を利用した一実施の形態として提供される。図5は脳梗塞後の麻痺手における摘み動作を対象としたものの例を示す。人差し指と親指の摘み動作を訓練する際に人差し指を伸展させることによって訓練効果を得ようとするものである。当該訓練装置は、以下のメカニズムにより摘み動作の訓練を行うものであり、当該装置における主働筋は人差し指を屈曲させる筋肉であり、母指は摘み動作の際に人差し指に対抗する支持部と考えて説明する。まず、制御装置1内の制御部2により制御される動作タイミング表示装置駆動部3から表示器4へ信号が伝えられ、表示器4に摘み動作のタイミングが表示される。表示器4の指示に従い、被訓練者の動作意思に伴う神経活動が発生(図5中A)し、指示指(人差し指)を屈曲させるための主働筋を収縮させるようとして神経細胞群が活動する(図5中B)。しかしながら、十分に強い神経活動ではないために主働筋(人差し指を屈曲させる筋肉)では弱い筋活動、弱い収縮しか起こらない。そこで、動作意思に伴う神経活動が発生(図5中A)した直後に、制御部2により制御されるアクチュエータ駆動部5により筋伸張手段6に備えられているアクチュエータを制御して主働筋を伸張(図5中C)させる。これにより、主働筋の張力が足りないことを示すような求心性神経活動を発生させ(図5中D)、それによって主働筋の筋力不足の際に動員される神経細胞群の活動を誘発する(図5中E)。以上のようにして、図5中Aの神経活動に遅れて図5中Dの神経活動を引き起こすことによって、図5中Aと図5中Eの神経細胞群間の神経伝達を高めて、訓練後に図5中Aの活動によって図5中Eのような神経活動を随意的に引き起こせるようにするものである。このような主働筋の筋活動(図5中F)を増大させようとする装置が本特許技術に基づく装置の一実施の形態である。なお、図5中Aの神経活動の発生のタイミングと図5中Eの神経活動を惹起するタイミングとは、制御部2により制御される動作タイミング表示装置駆動部3およびアクチュエータ駆動部5により制御することができる。
また図5右欄のグラフは、上記訓練装置において活動するA~Eの神経および筋の活動強度およびその時間軸を示す。図5のグラフに示すように、まず、Aの神経活動が惹起され、それによって指示指(人差し指)を屈曲させようとするBの神経細胞群の活動が生じる。しかし、Bの神経細胞活動から惹起されるFの主働筋の活動は低いものである。そこで、Aの神経細胞群の活動が生じ、その直後に主働筋の筋力不足の際に動員される神経細胞群Eの活動が生じようにDの求心性神経細胞群を主働筋を伸張して刺激することにより賦活化する。このように、Aの神経活動の直後にEの神経活動を誘発することによって、Aの神経細胞群とEの神経細胞群との結びつきが強まり、次第に活動強度の上昇することが期待される。
<実施例4.ヒトの麻痺手における摘み動作訓練装置2>
また、実施例3では、人差し指の摘まむという動作を妨害するように主働筋を伸張させる必要があるが、それをトレムナー反射と呼ばれる反射の経路を利用して回避しようとしたものが図6に示す装置である。トレムナー反射とは、主働筋と協働して働くような筋肉(協働筋)を伸張することによって主働筋に筋活動が生じるという反射である。その過程では、協働筋を伸張することによって協働筋内部の筋紡錘内求心性神経の活動が引き起こされ、これが実施例3(図5)で示した主働筋の伸張と同様にして脊髄や高次中枢に信号が伝達され、協働筋だけでなく、主働筋の収縮に関係する神経細胞群(図6中E)を興奮させることができる。実施例3では、主働筋を伸張させるために人差し指を伸展させなければならないが、トレムナー反射の経路を利用すれば、中指を伸張させることでも人差し指の主働筋を支配する神経細胞の活動を誘発できると期待できる。その際、主働筋を伸張させる必要がないので人差し指で摘まむという主働筋の動きを妨げることがない。
図6に示す本発明の訓練装置に係る一実施の形態は、以下のように作動する。当該装置における主働筋は人差し指を屈曲させる筋肉であり、その機能を補うように働く中指を屈曲させる筋肉を協働筋と考え、母指は摘み動作の際に人差し指に対抗する支持部と考えて説明する。まず、制御装置内の制御部2により制御される動作タイミング表示装置駆動部3から表示器4へ信号が伝えられ、表示器4に摘み動作の指示が表示される。表示器4の指示に従い、被訓練者の動作意思に伴う神経活動が発生(図6中A)し、指示指(人差し指)を屈曲させるための主働筋を収縮させるようとして神経細胞群が活動する(図6中B)。しかしながら、十分に強い神経活動ではないために主働筋(人差し指を屈曲させる筋肉)では弱い筋活動、弱い収縮しか起こらない。ここで、動作意思に伴う神経活動が発生(図6中A)した直後に、制御部2により制御されるアクチュエータ駆動部5により筋伸張手段6に備えられているアクチュエータを制御して協働筋(中指を屈曲させる筋肉)を伸張(図6中C)させる。これにより、協働筋の張力が足りないことを示すような求心性神経活動を発生させ(図5中D)、それによって協働筋の筋力不足の際に動員される神経細胞群と伴に主働筋の筋力不足の際に動員される神経細胞群の活動を誘発する(図6中E)。以上のようにして、図6中Aの神経活動に遅れて図6中Eの主働筋の収縮に関する神経活動を引き起こすことによって、図6中Aと図6中Eの神経細胞群間の神経伝達を高めて、訓練後に図6中Aの活動によって図6中Eのような神経活動を随意的に引き起こせるようにするものである。このように協働筋の伸張を利用して主働筋の筋活動(図6中F)を増大させようとする装置が本特許技術に基づく装置の一実施の形態である。なお、図6中Aの神経活動の発生のタイミングと図6中Eの神経活動を惹起するタイミングとは、実施例3と同様に、制御部2により制御される動作タイミング表示装置駆動部3およびアクチュエータ駆動部5により制御することができる。
<実施例5.ヒトの麻痺手における摘み動作訓練装置3>
主働筋あるいはそれに関連する筋肉を伸張させる以外の手法により、主働筋などの筋紡錘内求心性神経をタイミングよく刺激することができれば同様の効果が期待される。一実施の形態として、振動刺激を筋腹に与えて主働筋の筋紡錘内求心性神経を刺激する装置が提供される(図7)。健康診断などで膝下の腱を軽くたたくことで脊髄反射(膝蓋腱反射)の状態をテストされた経験は誰にでもあるが、腱を機械的にたたくことで大腿筋の筋紡錘内の求心性神経が活動して大腿筋を支配する運動神経を興奮させ、それによって大腿筋が収縮して膝が伸展するというものである。このような筋紡錘内の求心性神経への刺激は筋腹に機械的な振動刺激を与えることでも引き起こすことができる。実施例5では、動作意思に伴う神経活動が発生(図7中A)した直後、指示指の屈曲運動に関する主働筋にタイミングよく機械的な刺激(図7中D)を加えて主働筋の収縮に関係する神経細胞(図7中E)を興奮させ、実施例3と同様の効果を得ようとするものである。
図7に示す本発明の訓練装置に係る一実施の形態は、以下のように作動する。まず、制御装置内の制御部2により制御される動作タイミング表示装置駆動部3から表示器4へ信号が伝えられ、表示器4に摘み動作の指示が表示される。表示器4の指示に従い、被訓練者の動作意思に伴う神経活動が発生(図7中A)し、指示指(人差し指および親指)を屈曲させるための主働筋を収縮させるようとして神経細胞が活動する(図7中B)。しかしながら、十分に強い神経活動ではないために主働筋(人差し指)では弱い筋活動、弱い収縮しか起こらない。ここで、動作意思に伴う神経活動が発生(図7中A)した直後に、制御部2により制御されるアクチュエータ駆動部5により振動器7を制御して筋腹に機械的な振動刺激を与える(図7中D)。これにより、主働筋の張力が足りないことを示すような求心性神経活動を発生させ(図7中D)、それによって主働筋の筋力不足の際に動員される神経細胞の活動を誘発する(図7中E)。以上のようにして、図7中Aの神経活動に遅れて図7中Eの主働筋の収縮に関する神経活動を引き起こすことによって、図7中Aと図7中Eの神経細胞群間の神経伝達を高めて、訓練後に図7中Aの活動によって図7中Eのような神経活動を随意的に引き起こせるようにするものである。このように振動刺激による求心性神経細胞の活動誘発を利用して主働筋の筋活動(図7中F)を増大させようとする装置が本特許技術に基づく装置の一実施の形態である。なお、図7中Aの神経活動の発生のタイミングと図7中Eの神経活動を惹起するタイミングとは、実施例3と同様に、制御部2により制御される動作タイミング表示装置駆動部3およびアクチュエータ駆動部5により制御することができる。
<実施例6.ヒトの麻痺手における摘み動作訓練装置4>
上記実施例3~5に記載の装置は、動作意思に伴う神経活動を人工的に発生させることが困難であるために摘み動作を行わせるタスクを被訓練者に課す場合の実施例であった。本実施例では、脳活動を計測することで動作意思のタイミングを検出し、タスクを課すことなしに訓練可能な装置の一実施の形態について説明する(図8)。本実施例では、実施例3に対して動作意思のタイミングを検出する技術を組み込んでいる。
図8に示す本発明の訓練装置に係る一実施の形態は、以下のように作動する。まず、被訓練者の頭部に装着された脳活動センサ8により、被訓練者の随意運動企図に関与する神経細胞の活動を検出する。このとき、被訓練者の動作意思に伴う神経活動が発生(図8中A)し、指示指(人差し指および親指)を屈曲させるための主働筋を収縮させるようとして神経細胞が活動する(図8中B)。しかしながら、十分に強い神経活動ではないために主働筋(人差し指)では弱い筋活動、弱い収縮しか起こらない。脳活動センサ8により検出された神経細胞の活動情報は、制御手段1内の動作タイミング推定部3’へと送られる。動作タイミング推定部3’は当該神経細胞の活動情報をさらに制御手段1内の制御部2に送る。制御部2は、好ましいタイミングにおいてアクチュエータ駆動部5を制御して作動させ主働筋を伸張(図8中C)させる。これにより、主働筋の張力が足りないことを示すような求心性神経活動を発生させ(図8中D)、それによって主働筋の筋力不足の際に動員される神経細胞の活動を誘発する(図8中E)。以上のようにして、図8中Aの神経活動に遅れて図8中Eの主働筋の収縮に関する神経活動を引き起こし、図8中Aと図8中Eの神経細胞群間の神経伝達を高めて、訓練後に図8中Aの活動によって図8中Eのような神経活動を随意的に引き起こせるようにするものである。このように被訓練者の随意運動企図に関与する神経細胞の活動のタイミングを検出することにより求心性神経細胞の活動誘発のタイミングを図り、主働筋の筋活動(図8中F)を増大させようとする装置が本特許技術に基づく装置の一実施の形態である。なお、図8中Aの神経活動の発生のタイミングと図8中Eの神経活動を惹起するタイミングとは、実施例3と同様に、制御部2およびアクチュエータ駆動部5により制御することができる。
以上の介入の例は単純な動作について述べたものであるが、動作は複数の異なる筋肉が次々と収縮することによって引き起こされるから、これらに順に介入することによって複雑な動作を訓練することも可能である。
本発明に係る運動訓練装置は、ロボット技術を利用したスポーツ訓練装置やロボット技術を利用したリハビリ訓練装置として提供することができる。このような訓練装置は医療福祉産業分野や医工学機器分野などで使用が期待される。
1 制御手段
2 制御部
3 動作タイミング表示装置駆動部
3’ 動作タイミング推定部
4 表示器
5 アクチュエータ駆動部
6 固定器具
7 振動器
8 脳活動センサ

Claims (6)

  1. 被訓練者における所定の動作の運動訓練装置であって、
    前記所定の動作に関する動作意思に伴う神経細胞群の活動を惹起するための動作指示手段と
    前記所定の動作に関する主働筋または協働筋の求心性神経細胞群を刺激し、前記主働筋を支配している神経細胞群の活動を誘発するための刺激付与手段であって、前記刺激が主働筋または協働筋における伸長の刺激、振動刺激、または、電気刺激であり、前記主働筋の収縮に関与する神経細胞をより活性化させるための刺激付与手段と
    前記動作指示手段における神経細胞群の活動を惹起するタイミング、および、前記刺激付与手段における刺激のタイミングを制御する制御手段と
    を含み、前記動作指示手段が前記被訓練者に対して動作指示を提示した時点から50ミリ秒~600ミリ秒の範囲内のタイミングにおいて、前記刺激付与手段が前記求心性神経細胞への刺激を付与する、運動訓練装置。
  2. 請求項1に記載の運動訓練装置であって、
    前記刺激付与手段は被訓練者が所定の動作に関する主働筋を収縮させていてもいなくても前記主働筋を支配している神経細胞群の活動を誘発するものである、運動訓練装置。
  3. 請求項1または2に記載の運動訓練装置であって、前記所定の動作が、関節の屈曲、伸展、または、それらが順に組み合わされた動作である、運動訓練装置。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の運動訓練装置であって、前記動作指示手段が視覚情報、聴覚情報、または、触覚情報の提示により前記神経細胞の活動を惹起するための手段である、運動訓練装置。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の運動訓練装置であって、前記所定の動作に関する主働筋または協働筋が複数あり、前記複数の主働筋または協働筋の求心性神経細胞を刺激する1つまたは複数の前記刺激付与手段を含む、運動訓練装置。
  6. 被訓練者における所定の動作の運動訓練装置であって、
    前記所定の動作に関する動作意思に伴う神経細胞の活動を検出するための活動検出手段と
    前記所定の動作に関する主働筋または協働筋の求心性神経細胞を刺激する刺激付与手段であって、前記刺激が主働筋または協働筋における伸長の刺激、振動刺激、または、電気刺激であり、前記主働筋の収縮に関与する神経細胞をより活性化させるための刺激付与手段と
    前記活動検出手段における神経細胞の活動を検出したタイミングから前記刺激付与手段における刺激のタイミングを制御する制御手段と
    を含み、前記活動検出手段が活動を検出した時点から0~500ミリ秒の範囲内のタイミングにおいて、前記刺激付与手段が前記求心性神経細胞への刺激を付与する、運動訓練装置。
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