以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.玩具システム、玩具
まず、図1(A)~図1(E)を用いて本実施形態の玩具システムの構成例について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して玩具PT1~PTnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、玩具PT1~PTnはクライアントである。なお、以下では、本実施形態の玩具システムの処理を、主にサーバシステム500により実現する場合を例にとり説明するが、玩具システムの処理の一部を、玩具PT1~PTnにより実現してもよい。また、以下では、PT1~PTnの各玩具を、適宜、玩具PTと記載する。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(サービス提供サーバ、管理サーバ、課金サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、オンライン玩具システムやコミュニティ型ウェブサイトを運営するための各種サービスを提供し、玩具システムの処理に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これによりユーザは、玩具PTによりサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供される各種のサービスを利用できるようになる。なお、玩具システムのサービスをSNS(Social Networking Service)を利用して提供するようにしてもよい。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
玩具PT(ハードウェア機器、電子機器)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)などの通信機能を有する。玩具PTとしては、例えば図1(B)に示すロボット玩具(コミュニケーションロボット、対戦用ロボット、合体ロボット)、図1(C)に示すぬいぐるみや人形やフィギュアの玩具、図1(D)に示すカー玩具(ラジコンカー、電動乗用カー、ミニ四駆)、図1(E)に示す飛行玩具(ドローン、ヘリコプター)などの種々のものを想定できる。或いは玩具PTは、後述の図11に示すような装着型の玩具、鉄道関連の玩具、模型の玩具、音響玩具、映像表示の玩具、乳児用玩具、練習玩具、パズル玩具、或いはゲーム玩具などであってもよい。
図2に本実施形態のサーバシステム500(玩具システム)の構成例を示す。サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。なお、サーバシステム500の構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。またサーバシステム500の処理部600の各処理は、後述する図3の玩具PTの処理部100により実現してもよいし、サーバシステム500の処理部600と玩具PTの処理部100の分散処理により実現してもよい。
処理部600(プロセッサ)は、記憶部670(データベース)に記憶される各種の情報や、プログラムや、操作情報等に基づいて、アクション処理、管理処理、受信処理、送信処理、或いはサーバに必要な各種の制御処理などを行う。
処理部600(処理部100)の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部670、170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部600(処理部100)の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
処理部600は、アクション処理部610、管理部620、受信処理部630、送信処理部632を含む。上述したように、これらの各部により実行される本実施形態の各処理は、プロセッサ(或いはプロセッサ及びメモリー)により実現できる。
アクション処理部610は、玩具PT(PT1~PTn)により行われるアクションについての処理を行う。玩具PTのアクションは、例えば行動、動作、発話、音出力、画像出力、報知(振動、発光等)、或いは各種の演出出力などである。アクション処理部610は、これらのアクションを玩具PTに行わせるための各種の処理を行う。
アクション処理部610は、アクション決定部612、AI処理部614、学習処理部616を含む。アクション決定部612は、玩具PTが行うアクションを決定するための処理を行う。例えば玩具PTにアクションを行わせるための情報であるアクション制御情報(アクション制御データ、アクション制御プログラム)の決定処理を行う。アクション処理部610がアクション処理を行うための種々の情報は記憶部670のアクション情報記憶部673に記憶される。例えばアクション決定部612は、アクション情報記憶部673に記憶される複数のアクション制御情報(アクションパターン)の中から、玩具PTに行わせるアクションに対応するアクション制御情報を決定(選択)する処理を行う。
AI処理部614は、玩具PTにアクションを行わせるための各種のAI(Artificial Intelligence)の処理を行う。AI処理は、人間の知的営みをコンピュータに行わせる処理である。アクション決定部612は、AI処理部614の処理結果に基づいて玩具PTのアクションを決定する。例えばAI処理部614は、AIの自然言語処理エンジンや推論処理エンジンなどのエンジン(アルゴリズム)により、各種の自然言語処理や推論処理を行い、玩具PTが行うアクションを決定したり変化させる処理などを行う。AI処理は、例えば、大量の既知情報を処理して、結論を提供するエキスパートシステム、当該事例に類似した過去の事例をベースに、部分修正を加えて試行を行い、その結果と事例を事例ベースに記憶する事例ベース理論、ベイジアン・ネットワーク、或いはニューラルネットワークなどの各種の手法により実現できる。一例としてはAI処理部614は、玩具PTが音声認識部を有する場合に、玩具PTの音声認識により取得されるユーザの発話情報に基づいて、自然言語処理や推論処理などを行って、ユーザの発話に対する応答となる玩具PTのアクションを決定するための処理を行う。例えば玩具PTの動作や発話内容を決定するための処理を行う。
学習処理部616は、玩具PTのアクションを決定するための学習処理を行う。例えば学習処理部616は、記憶部670の学習情報記憶部674に記憶される各種の情報を用いて学習処理を行う。学習処理(機械学習)は、人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現するための処理である。学習処理部616が行う学習処理は、例えばAI処理部614が行うAI処理の一部を実現する処理でもある。学習処理としては、問題である入力とそれに対する解答であるラベル(教師データ)のペアを与えて、それに基づき学習する教師あり学習、入力のみ(ラベル無し)からモデルを構築する教師なし学習、ラベルありとラベルなしの両方を扱えるようにした半教師有り学習、或いは強化学習などの種々の処理を想定できる。例えば学習処理部616は学習器を用いて学習処理を行う。例えば入力(入力データ)とラベル(教師データ)のペアを学習器に与えると、学習器(分類器)は、これらのペアから共通する特徴(ルール)を見つけ出す処理を行う。この学習器の情報は例えば学習情報記憶部674に記憶される。なお学習処理は、ニューラルネットワークを用いたディープラーニング処理であってもよい。
管理部620はサーバシステム500の各種の管理処理を行う。例えば、サーバシステム500が提供する各種サービスの管理処理や、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。例えば管理部620は、記憶部670の管理処理やアイテムの管理処理などを行う。記憶部670の管理処理は記憶管理部622が行い、アイテムの管理処理はアイテム管理部624が行う。記憶部670の管理処理は、記憶部670に記憶される情報(アイテム識別情報、機器識別情報、アクション制御情報又は学習情報等)の読み出し処理、書き込み処理、更新処理、或いは消去処理などである。アイテムの管理処理は、アイテムの登録処理や、登録の解除処理などである。また管理部620は、ユーザの認証処理やユーザの課金処理などを行ってもよい。例えば管理部620は、玩具PTのユーザがログインした際のユーザ認証処理を行う。この認証処理は、例えばユーザが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。また管理部620は、課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等の種々の課金処理を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理の対象となる課金情報を記憶する。また記憶部670のユーザ情報記憶部678は、ユーザの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えばユーザは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、ユーザは、玩具システムの各種のサービスを利用できるようになる。管理部620は、このようなユーザのアカウント情報の管理処理も行う。そして例えばユーザのアカウント情報(ユーザID)も、ユーザ情報としてユーザ情報記憶部678に記憶される。この場合に課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各ユーザの各アカウント情報(ユーザID)に対応づけられる。
受信処理部630は、ネットワーク510を介して玩具PT(PT1~PTn)から各種の情報を受信するための受信処理を行う。ここで受信処理は、通信部696に情報の受信を指示したり、通信部696が受信した情報を取得して記憶部670に書き込む処理などである。送信処理部632は、ネットワーク510を介して玩具PT(PT1~PTn)に対して各種の情報を送信するための送信処理を行う。ここで送信処理は、通信部696に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部696に指示する処理などである。
操作部660は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は各種の情報を記憶する。例えばデータベース形式で各種情報を記憶する。また記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域として機能する。記憶部670の機能は、半導体メモリー、HDD、SDD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部670は、識別情報記憶部672、アクション情報記憶部673、学習情報記憶部674、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。識別情報記憶部672は、アイテム識別情報や機器識別情報などの識別情報を記憶する。例えば識別情報記憶部672は、アイテム識別情報を、玩具PTの機器識別情報に関連づけて記憶する。アクション情報記憶部673、学習情報記憶部674はアクション処理、学習処理のための種々の情報を記憶する。課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678は、前述した課金情報、ユーザ情報を記憶する。
情報記憶媒体680(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD、BD)、HDD、半導体メモリー(ROM)などにより実現できる。本実施形態の各処理は、情報記憶媒体680に記憶されたプログラムにより実現できる。
通信部696は、有線や無線のネットワーク510を介して玩具PT等との通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
図3に本実施形態の玩具PT(ハードウェア機器、電子機器)の構成例を示す。玩具PTは、処理部100、アイテム検知部19(アイテム装着部)、センサ部150、可動機構160、記憶部170、出力部180、通信部196を含むことができる。なお、玩具PTの構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部(例えばセンサ部、可動機構、記憶部、出力部)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
処理部100(プロセッサ)は、プログラム(ファームウェア)や、センサ部150からのセンサ検出情報、或いは記憶部170に記憶される情報などに基づいて、アクション処理、管理処理、受信処理又は送信処理などの各種の処理を行う。処理部100は、前述した図2の処理部600と同様に、プロセッサ、或いはプロセッサ及びメモリーにより実現できる。
処理部100は、アクション処理部110、管理部120、受信処理部130、送信処理部132を含む。
アクション処理部110は、玩具PTがアクション(行動、動作)を行うための種々の処理を行う。アクション処理部110は、アクション実行部112、検出部114、出力処理部116を含む。
アクション実行部112は、玩具PTにアクションを行わせる処理を実行する。例えば通信部196を介してサーバシステム500から受信したアクション制御情報に基づいて、アクション制御情報に対応するアクションを玩具PTに行わせる処理を実行する。例えば、アクション制御情報に対応する行動、動作、発話、音出力、画像出力、報知(振動、発光等)、或いは演出等を玩具PTに行わせる処理を実行する。
検出部114は、センサ部150からの検出信号に基づいて検出処理を行う。そして検出処理により得られたセンサ検出情報が、通信部196を介してサーバシステム500に送信される。センサ検出情報は、例えば画像、操作入力、音、位置、或いは環境(温度、湿度又は気圧等)についての検出情報である。検出部114の検出処理はデジタル回路による検出処理であってもよいし、アナログ回路により検出処理であってもよい。例えば検出部114は音声認識部115を含む。音声認識部115は、ユーザの音声等の認識処理を行う。そしてセンサ部150(音センサ)が、ユーザの音声を検出した場合には、音声認識部115が、ユーザの音声の音声認識処理を行う。そして音声認識処理の結果が、ネットワーク510を介してサーバシステム500に送信される。例えば音声認識処理により求められたユーザの音声のテキストデータなどが送信される。
出力処理部116は、例えば出力部180を制御して、画像情報、音情報、或いは報知情報等の出力処理を行う。例えば出力部180の表示部182を制御して画像(映像)を表示したり、音出力部184を制御して音(音声、効果音)を出力したり、報知部186を制御して、振動を発生したり光を発光させる。例えば出力処理部116は音声合成部117を含む。音声合成部117は、例えばサーバシステム500から受信した音声のテキストデータなどに基づいて、玩具PTが発話する音声の合成処理を行う。この場合には音声のテキストデータがアクション制御情報になる。
管理部120は玩具PTの各種の管理処理を行う。例えば管理部120は、記憶部170の管理処理などを行う。記憶部170の管理処理は記憶管理部122が行う。記憶部170の管理処理は、記憶部170に記憶される情報(アイテム識別情報、機器識別情報又はアクション制御情報等)の読み出し処理、書き込み処理、更新処理、或いは消去処理などである。
受信処理部130は、ネットワーク510を介してサーバシステム500から各種の情報を受信するための受信処理を行う。ここで受信処理は、通信部196に情報の受信を指示したり、通信部196が受信した情報を取得して記憶部170に書き込む処理などである。送信処理部132は、ネットワーク510を介してサーバシステム500に対して各種の情報を送信するための送信処理を行う。ここで送信処理は、通信部196に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部196に指示する処理などである。
アイテム検知部19(アイテム装着部)は、アイテムを検知(装着)するための部材や機構である。アイテム検知部19は、例えばアイテムを収容するための収容部、アイテムと玩具PT(玩具本体)とを接続(電気的接続又は機械的接続)するための接続部、アイテムが外れないように保持する保持部、アイテムを検知するセンサ部、アイテム識別情報の読取り部、或いはアイテムの検知時(装着時)に動作する可動機構などを含むことができる。
センサ部150は各種の情報をセンシングするものである。センサ部150は、例えばイメージセンサ151、操作入力センサ152、音センサ153、位置センサ154、モーションセンサ155、或いは環境センサ156などを含むことができる。なおセンサ部150は、これらのセンサのうちの少なくとも1つを含めばよい。
イメージセンサ151は画像の撮像を行うためのセンサである。撮像される画像はRGB画像であってもよいし、赤外線画像などであってもよい。イメージセンサ151としては、CCD又はCMOSのイメージセンサや、赤外線センサなどを用いることができる。なお赤外線センサは1画素の赤外線センサであってもよいし、複数画素の赤外線センサであってもよい。操作入力センサ152は、ユーザの操作入力のセンシングを行うセンサである。操作入力センサ152としては、例えば操作スイッチ、ロータリスイッチ又はタッチセンサなどを用いることができる。音センサ153は音のセンシングを行うセンサである。音センサ153としては、例えばマイク、マイクアレイ又は超音波センサなどを用いることができる。位置センサ154は、玩具PTの位置情報を検出するためのセンサである。位置センサ154としては、例えばGPSセンサなどを用いることができる。なお加速度センサ等を用いて位置情報を検出したり、無線通信の電波強度(受信強度)などを用いて位置情報を検出してもよい。モーションセンサ155は、玩具PTの動きを検出するためのセンサである。モーションセンサ155としては、ジャイロセンサ又は加速度センサなどを用いることができる。環境センサ156は、玩具PTの周囲の環境の状態を検出するためのセンサである。環境センサ156としては、温度センサ、湿度センサ又は気圧センサなどを用いることができる。
可動機構160は、玩具PTの可動部分を構成する機構(機械機構又は動力機構)である。例えば可動機構160は、玩具PTのパーツを動かしたり、玩具PTの一部分を動かしたりするための機械機構である。例えば可動機構160は、ギミック機構162、動力機構164を含むことができる。ギミック機構162は、玩具PTの仕掛けやからくりなどであるギミックを動かしたり、移動させたり、或いは変化させるための機構である。例えばギミックとなるパーツ等を動かしたりするための機構である。動力機構164は、玩具PTの動力による移動や動きを実現するための機構である。動力機構164は、例えばモータやゼンマイなどの動力源や歯車やベルトなどの動力伝達部品を含むことができる。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SDD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、識別情報記憶部172、アクション情報記憶部173を含む。識別情報記憶部172は、例えば玩具PTにより検知されるアイテムのアイテム識別情報や玩具PTの機器識別情報を記憶する。アクション情報記憶部173はアクション処理のための種々の情報を記憶する。例えばサーバシステム500から受信したアクション制御情報などを記憶する。
出力部180は各種の情報を出力するものである。出力部180は、例えば表示部182、音出力部184、或いは報知部186を含むことができる。なお出力部180は、表示部182、音出力部184、報知部186の少なくとも1つを含めばよい。表示部182は、各種の画像(映像)を出力するものであり、例えばLCD又は有機ELディスプレイなどにより実現できる。音出力部184は、玩具PTの効果音又は音声などの音を出力するものであり、例えばスピーカ又はヘッドフォンなどにより実現できる。報知部186は、ユーザに対して各種の報知情報を出力するものであり、例えば振動部や発光部(LED等)などにより実現できる。
通信部196は、ネットワーク510を介してサーバシステム500や他の玩具等との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
そして本実施形態では図2に示すように、玩具システムであるサーバシステム500が、玩具(PT)とネットワーク510を介して通信を行う通信部696と、情報を記憶する記憶部670と、処理部600を含む。なお以下では、本実施形態の玩具システムがサーバシステム500により実現される場合を主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されず、本実施形態の各部の処理を、サーバシステム500と玩具の分散処理などにより実現してもよい。
通信部696は、玩具からアイテム識別情報を受信する。具体的には通信部696は、玩具によりアイテムが検知され(玩具にアイテムが装着され)、検知(装着)されたアイテムのアイテム識別情報を玩具が送信した場合に、アイテム識別情報を受信する。アイテム識別情報の送信は、玩具の通信部196が行う。
記憶部670は、受信したアイテム識別情報を記憶する。具体的には記憶部670は、アイテム識別情報を、玩具の機器識別情報に関連づけて記憶する。そして処理部600は、アクション制御情報を玩具に送信する処理を行う。具体的には処理部600は、アイテム識別情報に対応するアクション制御情報を、通信部696を介して玩具に送信する処理を行って、アクション制御情報に対応するアクションを玩具に行わせる。
ここでアイテムは、玩具により検知可能(装着可能、接続可能)なパーツ、部材又は機構などである。例えばアイテムは玩具の付属部品として使用可能なものであり、玩具に従属する部品等である。アイテムの形状としては、例えば球形状(略球形状を含む)、柱形状(三角柱、四角柱等)、錐形状(三角錐、四角錐等)、又は多面体形状(正多面体)や、これらの形状を組み合わせた形状などの種々の形状を採用できる。またアイテムは、記憶部(メモリー、プロセッサ等)や演出部品(発光部、振動部等)などの電子部品を含むものであってもよいし、当該電子部品を含まないものであってもよい。またアイテムの形成材料としては、プラスティック、樹脂、金属又は陶器等の種々の材料を採用できる。アイテム識別情報は、玩具により検知されたアイテムを識別するための情報である。アイテム識別情報は、アイテムをユニークに識別する固有識別情報であってもよいし、アイテムの種類を識別する種類識別情報であってもよい。玩具は、例えばアイテムが検知(装着)された場合に、アイテムと通信(無線通信又は有線通信)を行うことで、アイテム識別情報をアイテムから取得してもよい。例えばアイテムが有する記憶部(メモリー)に記憶されているアイテム識別情報を通信により受信する。この場合の通信は、例えばUSBなどによる有線の通信でもよいし、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの近接無線や無線タグによる無線の通信であってもよい。例えばアイテムとしてカード等の電子記憶媒体を用いる変形実施も可能である。この場合には、電気的な読み取りや無線通信などにより、アイテムからアイテム識別情報を読み取ることになる。例えばアイテムを玩具にタッチする接続などを行うことで、アイテム識別情報を読み取る。例えばアイテム(カード)に設けられた無線タグによる無線通信によりアイテム識別情報を読み取る。またアイテムを装着(検知)した際のアイテム検知部19(アイテム装着部)の機械的又は機構的な変化を検出することで、アイテムの識別(種類の識別等)を行って、アイテム識別情報を取得してもよい。例えば第1のアイテム(第1の種類のアイテム)が装着された場合には、第1の部材が動き、第2のアイテム(第2の種類のアイテム)が装着された場合には、第2の部材が動くような可動機構を、アイテム検知部19(アイテム装着部)に設ける。更に第3のアイテム(第3の種類のアイテム)が装着された場合には、第3の部材が動くような可動機構を、アイテム検知部19(アイテム装着部)に設ける。そして、この可動機構の状態に応じて、装着(検知)されたアイテムがどのようなアイテム(どの種類のアイテム)なのかを判別して、アイテム識別情報を取得してもよい。
そして、このようにして取得されたアイテム識別情報(アイテムID)が、ネットワーク510を介してサーバシステム500に送信される。また玩具の機器識別情報(機器ID)もネットワーク510を介してサーバシステム500に送信される。そして、アイテム識別情報は、玩具の機器識別情報に関連づけて記憶部670に記憶される。玩具の機器識別情報は、玩具をユニークに識別する固有識別情報であってもよいし、玩具の種類識別情報であってもよい。またアイテム識別情報と機器識別情報は同じタイミングでサーバシステム500に送信されてもよいし、別々のタイミングでサーバシステム500に送信されてもよい。
処理部600は、アイテム識別情報を受信すると、アイテム識別情報に対応するアクション制御情報を決定する処理を行う。例えばAI処理や学習処理などの情報処理により、アクション制御情報を決定する。そして、決定されたアクション制御情報(再生データ)を、ネットワーク510を介して玩具に送信する。すると玩具の処理部100は、受信したアクション制御情報に対応するアクションを玩具に行わせる処理を実行する。例えばサーバシステム500から送信されるアクション制御情報(アクション設定情報)は、行動、動作、発話、音出力、画像出力、報知、或いは各種演出などのアクションを玩具に行わせるための情報である。アクション制御情報は、例えば玩具が行うアクションを指定したり、玩具が当該アクションを行うように制御したり指示するための情報である。
このように本実施形態によれば、玩具によりアイテムが検知されると、検知されたアイテムのアイテム識別情報に対応するアクションを、玩具が行うようになる。そして本実施形態では、玩具のアクションを設定するためのアクション制御情報は、サーバシステム500により設定(生成又は選択等)される。従って、玩具が自律的にアクション制御情報を設定してアクションを行う場合に比べて、より多様な玩具のアクション制御を実現できる。また玩具のアクションを決めるためのAI処理や学習処理などの複雑で処理負荷の高い情報処理を、サーバシステム500に担当させることができる。従って、玩具が、このような複雑で処理負荷の高い情報処理を実現できるようなハードウェアや処理能力を有していない場合にも、当該情報処理に基づく玩具のアクション制御を実現できるという利点がある。
また通信部696は、玩具が有するセンサ部150を用いて取得されたセンサ検出情報を受信する。例えばイメージセンサ151、操作入力センサ152、音センサ153、位置センサ154、或いは環境センサ156を用いて取得されたセンサ検出情報を受信する。そして処理部600は、センサ検出情報に対応するアクション制御情報を、玩具に送信する処理を行う。例えば処理部600は、センサ検出情報に対応するアクション制御情報を設定(生成又は選択等)する処理を行って、玩具に送信する処理を行う。具体的には当該アクション制御情報の送信を通信部696に指示する。
例えばセンサ部150のイメージセンサ151を用いることで、ユーザの顔等のユーザ認識情報や、ユーザと玩具との間の距離情報が取得されたとする。この場合にはサーバシステム500は、ユーザ認識情報や距離情報に応じたアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。これにより、ユーザの顔等の認識結果やユーザと玩具の間の距離に応じたアクションを、玩具に行わせることが可能になる。また操作入力センサ152を用いることで、ユーザの操作情報が取得されたとする。この場合にはサーバシステム500は、ユーザの操作情報に応じたアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。これにより、ユーザの操作入力に応じたアクションを、玩具に行わせることが可能になる。また音センサ153を用いることで、ユーザの音声情報が取得されたとする。この場合にはサーバシステム500は、ユーザの音声情報に応じたアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。これにより、ユーザが発話した音声に応答するようなアクションを、玩具に行わせることが可能になる。例えばユーザの発話に応答するような音声を、玩具に発話させることが可能になる。また位置センサ154、モーションセンサ155、環境センサ156により、玩具の位置情報、動き情報、周囲の環境情報が取得されたとする。この場合にはサーバシステム500は、玩具の位置情報、動き情報又は環境情報に応じたアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。これにより、玩具の位置、動き又は周囲の環境に応じたアクションを、玩具に行わせることが可能になる。
また処理部600は、アイテム識別情報に関連づけられた学習器を用いて生成されたアクション制御情報を、玩具に送信する処理を行う。例えばアイテムが検知(装着)された状態で、ユーザの操作入力や発話による入力データと、それに対する解答であるラベル(教師データ)のペアを与えることで、アイテムのアイテム識別情報に関連づけられた学習器の学習処理を行う。この場合の解答であるラベルは、例えば操作入力センサ152や音センサ153を用いてユーザの操作入力や音声を検出することで取得できる。そして、このような学習処理により学習器を成長させて行く。こうすることで、アイテムが検知(装着)された場合に、そのアイテムに対応する適切なアクションを玩具に行わせることが可能になる。
またアクション制御情報は、玩具のハードウェアを制御する情報であってもよい。例えば玩具は、可動機構160、表示部182、音出力部184又は報知部186などのハードウェアを有する。サーバシステム500は、これらの可動機構160、表示部182、音出力部184又は報知部186などのハードウェアを制御するための情報を、アクション制御情報として送信する。このようにすれば、アイテムのアイテム識別情報に応じた制御を、可動機構160、表示部182、音出力部184又は報知部186などのハードウェアに対して行って、当該アイテム識別情報に応じたアクションを、玩具に行わせることが可能になる。
またアイテム識別情報は、アイテムの種類識別情報及びアイテムの固有識別情報の少なくとも一方を含む。そして処理部600は、アイテム識別情報に基づいて、玩具のユーザの保有アイテムの管理処理を行う。例えばアイテム識別情報は、アイテムの種類識別情報及びアイテムの固有識別情報の一方であってもよいし、両方を含んでもよい。処理部600は、このようなアイテム識別情報に基づいて、ユーザの保有アイテムの更新処理、追加処理又は消去処理などの管理処理を行う。例えばアイテム識別情報をインデックス情報として当該管理処理を行う。このようにすることで、ユーザが保有しているアイテムの種類を識別したり、ユニークな識別を行いながら、保有アイテムの効率的な管理処理を実現できるようになる。
また処理部600は、玩具が有する可動機構160が所与の状態になった場合に、可動機構160の所与の状態に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる処理を行う。例えば玩具が、可動機構160としてギミック機構162を有している場合には、仕掛けやからくりであるギミック機構162をユーザは操作して動かすことが可能になる。そしてギミック機構162をユーザが動かすことで第1の状態になった場合と第2の状態になった場合とで、サーバシステム500が玩具に送信するアクション制御情報を異ならせる。例えば、ユーザが上手くギミック機構162を動かすことができた場合には、上手く動かすことができなかった場合に比べて、より演出効果が高くなったり、よりユーザを楽しませることができたり、よりユーザを有利にできるようなアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。こうすることで、ギミック機構162などの可動機構160に連動した、アクション制御情報の設定が可能になる。なお可動機構160の動力機構164の状態(動力の状態又は動力伝達部品の状態等)に応じて、サーバシステム500が送信するアクション制御情報を変化させてもよい。
また処理部600は、アイテムがイベント発動状態となった場合に、イベント発動状態に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる処理を行う。例えばユーザがアイテムを用いた所与の操作を行うことで、アイテムがイベント発動状態になる。この場合にサーバシステム500は、アイテムのイベント発動状態に応じたアクション制御情報を玩具に送信して、イベント発動状態に応じたアクションを玩具に行わせる。例えばアイテムや他の部品を発光させたり、振動させたり、特殊な効果音や特殊な音声を出力させるなどのアクションを玩具に行わせる。こうすることで、発動したイベントに応じた好適な演出を実現できるようになり、発動したイベントを更に盛り上げることなどが可能になる。
また処理部600は、機器識別情報にアイテム識別情報が関連づけられることで玩具に関連づけられたアイテムについては、他の玩具での使用を制限する処理を行う。例えば玩具によりアイテムが検知されると、サーバシステム500の記憶部170において、その玩具の機器識別情報に対してそのアイテムのアイテム識別情報が関連づけられて記憶される。このような関連づけが行われた場合には、当該アイテムについては、他の玩具での使用を禁止したり、使用した場合の演出効果などをデグレードするなどの処理を行う。このようにすることで、玩具に関連づけられたアイテムは、その玩具に例えば一対一に対応するようになり、他のユーザが自身の玩具にユーザのアイテムを不正に使用するなどの事態を防止できる。なお、他の玩具が、ユーザの所有玩具であった場合には、その他の玩具へのアイテムの使用を制限しないようにしてもよい。即ち、同一ユーザに対しては、玩具が異なっていても、アイテムの使用(共用)を許容する。但し、同じユーザが所有する玩具であっても、最初にアイテムが関連づけられた玩具以外の玩具に対しては、当該アイテムの使用を制限するようにしてもよい。
また処理部600は、玩具のユーザにより、玩具に関連づけられたアイテムの登録が削除された場合に、他の玩具でのアイテムの使用制限を解除する。例えば玩具に対してアイテムが関連づけられた場合にも、ユーザの操作等により、玩具へのアイテムの関連づけの登録(機器識別情報に対するアイテム識別情報の関連づけの登録)が削除された場合には、他の玩具へのアイテムの使用を許容する。このようにすれば、例えばユーザがアイテムを手放して、他のユーザに譲りたい場合や、アイテムが検知(装着)された玩具以外の所有玩具にアイテムを登録したいなどの要望がある場合に、玩具へのアイテムの関連づけの登録を削除することで、その要望に応えることが可能になる。
また処理部600は、同一種類の複数のアイテムのアイテム識別情報が玩具の機器識別情報に関連づけられて登録された場合に、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる処理を行う。例えば、同一種類の複数のアイテムが玩具に関連づけられた場合には、その種類の1つのアイテムが玩具に関連づけられた場合とは異なるアクション制御情報を、玩具に送信する。例えば、ユーザが同一種類の複数のアイテムを所有して、そのアイテム識別情報が玩具の機器識別情報に関連づけられた場合には、より演出効果が高くなったり、よりユーザを有利にできるようなアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。このようにすれば、ユーザが、複数の同一種類のアイテムを購入等により取得した場合にも、取得したアイテムが無用なアイテムになってしまうような事態を防止できる。
また処理部600は、玩具により複数のアイテムが検知された場合(玩具に複数のアイテムが装着された場合)に、複数のアイテムの組合わせに対応するアクション制御情報を、玩具に送信する処理を行う。例えば玩具のアイテム検知部19が、複数のアイテムの検知(装着)が可能であったとする。この場合に複数のアイテムが検知(装着)された場合には、1つのアイテムだけが検知(装着)された場合に比べて、より演出効果が高くなったり、よりユーザを有利にできるようなアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。このようにすれば、ユーザが複数のアイテムを所有して、玩具に使用することの効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になる。
また処理部600は、記憶部670へのアイテム識別情報の登録後の時間経過に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる処理を行う。例えばアイテム識別情報の登録後の時間経過が短い場合と、長い場合とで、玩具に送信するアクション制御情報を異ならせる。例えばアイテム識別情報の登録後の時間経過が長くなるほど、より演出効果が高くなったり、よりユーザを有利にできるようなアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。或いは逆に、時間経過が長くなるほど、より演出効果が低くなったり、よりユーザが不利になるようなアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信してもよい。或いは処理部600は、アイテムによるアクションの発動タイミングの日時や、アイテム識別情報の登録後のプレイ回数やプレイ頻度などに応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる処理を行ってよい。例えば誕生日やクリスマスやイベント開催日時などの特定の日時においては、より演出効果が高くなったり、よりユーザを有利にできるようなアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。
また処理部600は、玩具が通信接続されるアクセスポイントの情報、玩具のネットワーク510への接続日時の情報、及び玩具の位置情報の少なくとも1つに応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる処理を行う。例えば処理部600は、アクセスポイントの識別情報や通信状態情報などのアクセスポイント情報に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる処理を行う。例えばユーザが玩具を所定のイベント会場に持って行き、そのイベント会場に設置されたワイファイ(Wi-Fi:登録商標)などのアクセスポイント(アクセスポイント機器)に通信接続されたことが、アクセスポイントの識別情報に基づいて判別されたとする。この場合には、より演出効果が高くなったり、よりユーザを有利にできるようなアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。また玩具のネットワーク510への接続日時が、所定の日時(例えば誕生日、クリスマス等)である場合や、GPSなどにより検知される玩具の位置が特定の場所(例えばイベント会場)にある場合には、より演出効果が高くなったり、よりユーザを有利にできるようなアクションを玩具に行わせるアクション制御情報を送信する。
また処理部600は、複数の玩具の複数の機器識別情報に関連づけて登録されるアイテム識別情報の登録状況を管理する。そしてアイテム識別情報の登録状況に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる処理を行う。例えば玩具の機器識別情報に関連づけて登録されたアイテム識別情報の登録数が所与の数を越えたり、所定の種類のアイテムのアイテム識別情報の登録数が所与の数を超えるなどの登録状況になった場合には、より特別なアクションを行わせるアクション制御情報を玩具に送信する。このようにすれば、アイテム識別情報の登録状況を反映させた玩具のアクション制御が可能になる。
また本実施形態の玩具システムは、ネットワーク510を介してサーバシステム500の通信部696に通信接続される玩具(複数の玩具)を含む。また図3に示すように玩具は、アクション制御情報を記憶する記憶部170を含む。そして玩具は、アイテム識別情報に対応するアクション制御情報が玩具の記憶部170に既に保存されている場合には、保存されているアクション制御情報に対応するアクションを玩具に行わせる処理を実行する。例えばアクション実行部112は、当該アクションを玩具に行わせる処理を実行する。一方、アクション制御情報が玩具の記憶部170に保存されていない場合には、アイテム識別情報をネットワーク510を介して送信して、アイテム識別情報に対応するアクション制御情報をネットワーク510を介して受信する。即ち、アクション制御情報が記憶部170に既に保存されている場合には、そのアクション制御情報を用いて玩具にアクションを行わせる。そしてアクション制御情報が記憶部170に保存されていない場合に、アイテム識別情報をサーバシステム500に送信して、対応するアクション制御情報をサーバシステム500から受信し、受信したアクション制御情報を用いて玩具にアクションを行わせる。このようにすることで、前回(直前)に使用したアクション制御情報が玩具の記憶部170に存在するのに、サーバシステム500に対して当該アクション制御情報を要求するような無駄な処理が行われてしまうのを防止できる。
また玩具は、記憶部170を含み、記憶部170に記憶されるアクション制御情報の消去処理及び更新処理の少なくとも一方を行う。例えば新たなアクション制御情報をサーバシステム500から受信した場合に、不要になったアクション制御情報を消去したり、新たなアクション制御情報で書き換えを行ったり追記するなどの記憶部170の更新処理を行う。このようにすれば、玩具が有する記憶部170の記憶容量が少ない場合でも、その少ない記憶容量の記憶部170を効率的に使用して、アクション制御情報を記憶したり、書き換えたりするなどの処理を実現できるようになる。
また本実施形態の玩具は、図3に示すように、アイテム50を検知(装着)するためのアイテム検知部19(アイテム装着部)と、ネットワーク510を介してサーバシステム500と通信を行う通信部196と、処理部100を含む。そして通信部196は、アイテム検知部19によりアイテムが検知された場合(アイテム装着部にアイテムが装着された場合)に、アイテムのアイテム識別情報をサーバシステム500に送信する。例えばアイテム識別情報を取得してネットワーク510を介してサーバシステム500に送信する。これにより、アイテム識別情報を受信したサーバシステム500は、受信したアイテム識別情報に対応するアクション制御情報を玩具に送信する。そして玩具の処理部100は、アイテム識別情報に対応するアクション制御情報をサーバシステム500から受信した場合に、アクション制御情報に対応するアクションを玩具に行わせる処理を実行する。例えば、アクション制御情報に対応する行動、動作、発話、音出力、画像出力、報知、或いは演出等を玩具に行わせる処理を実行する。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。なお、以下では、玩具がロボット型の玩具や装着型の玩具である場合を主に例にとり説明するが、図1(B)~図1(E)で説明したように本実施形態の手法が適用される玩具はこのような玩具に限定されるものではない。またアイテムの形状、機能等も以下に説明するものに限定されるものではない。
また以下では、アイテムを検知するアイテム検知部(19)が、アイテムが装着されるアイテム装着部(20)である場合を主に例にとり説明する。但し本実施形態のアイテム検知部は、アイテムを物理的に装着可能なものには限定されず、例えば玩具に対してアイテムをタッチしたり無線タグを用いることで、アイテムを検知し、そのアイテムのアイテム識別情報を取得(読み出し)できるようなタイプのものであってもよい。例えばアイテムの検知は、物理的な装着(接続)による検知には限定されず、電気的な接続や無線(無線タグ等)による検知であってもよい。また以下では、サーバシステム500を、適宜、サーバと記載して説明を行う。
2.1 アイテム識別情報による玩具のアクション制御
図4に本実施形態の手法が適用される玩具の一例として、ロボット型の玩具10の構成例を示す。このロボット型の玩具10は、胴体部12と頭部14を有する。胴体部12には、腕部16、17が設けられている。また胴体部12は、アイテム装着部20(広義にはアイテム検知部。以下、同様)が設けられており、アイテム装着部20にはアイテム50が装着されている。例えばアイテム装着部20には係止部22、24、26が設けられ、これらの係止部22、24、26により、装着されたアイテム50が外れないように係止して保持される。
玩具10の頭部14には、RGBのイメージセンサ30や赤外線のイメージセンサ32が設けられている。RGBのイメージセンサ30を用いることでユーザの顔等の認識処理やユーザの動きの検出処理等を実現できる。赤外線のイメージセンサ32を用いることで、ユーザの存在検知処理や、ユーザと玩具10の間の距離の検出や、ユーザの体温の検知処理などを実現できる。また玩具10の頭部14には、操作入力センサであるロータリスイッチ34が設けられている。このロータリスイッチ34は、図4のA1に示すように、指でグルグルと回す操作を行ったり、A2に示すように、指で押す操作を行うことができる。例えば玩具10であるロボットを褒めて頭を撫でる場合には、A1に示すようなロータリスイッチ34の回し操作を行う。また、ロボットを褒めずに否定的な応答をするために頭を叩く場合には、A2に示すようなロータリスイッチ34の押し操作を行う。また頭部14の目に対応する部分には、報知部となる発光部36、37が設けられている。例えば発光部36、37の各々は複数のLED(広義には発光素子)により実現される。複数のLEDの発光タイミングを制御することで、アニメーションのような演出効果を実現できる。また目の縁部分に配置されるLEDの発光色(例えば黄色)と、目の中央部分に配置されるLEDの発光色(例えば青色)を互いに異ならせることで、アニメーションの演出効果を高めることできる。また頭部14の口に対応する場所には、スピーカ38が設けられている。このスピーカ38を用いることで、ロボットの発話音や効果音などの音を出力できる。また頭部14には、複数のマイク39、40が内蔵されている。これらのマイク39、40を用いることで、ユーザの発話音や周囲音を検知できる。なお複数のマイク39、40等により実現されるマイクアレイにより、ユーザの存在やユーザの存在位置を検知してもよい。
図4に示すように本実施形態では玩具10に対してアイテム50を装着可能(検知可能)になっている。このアイテム50は例えばクリスタルを模した形状となっており、玩具10であるロボットの頭脳となるものである。例えば装着されるアイテム50を別のアイテムに付け替えることで、ロボットの頭脳(人格)を入れ替えることができる。そしてアイテム50には、アイテム識別情報(シリアルID等)が設定されており、アイテム装着部20(スロット)にアイテム50を装着すると、サーバのクラウド上にある、アイテム50に対応した頭脳(頭脳エンジン)に接続(仮想接続)されるようになる。
図5、図6は本実施形態の手法を説明する図である。本実施形態では、玩具のハードウェア(メモリー等)に依存しない、制限の無いアイテムとの連動を可能にする。このため本実施形態の玩具システムは、ロボット型や装着型の玩具(電子機器、ハードウェア機器)と、玩具に装着することで機能するアイテム(パーツ、キー部材、カード等)と、玩具と通信接続されるサーバを有する。玩具には機器識別情報(機器ID)が設定されており、玩具がサーバに通信接続されると、玩具の機器識別情報はサーバに送信され、サーバに記憶される。また玩具にアイテムが装着されると、玩具は、アイテム識別情報(コード情報)を取得する。例えばアイテムから有線や無線の通信で読み出すことで、アイテム識別情報を取得する。或いはアイテムを装着した際のアイテム装着部の機械的・機構的な変化を検出することで、アイテム識別情報を取得してもよい。そして、このように取得されたアイテム識別情報は、サーバに送信され、サーバは、受信したアイテム識別情報を玩具の識別情報に関連づけて保存する。またサーバは、アイテム識別情報を受信すると、アイテム識別情報に対応するアクション制御情報を設定(生成又は選択等)して、玩具に送信する。玩具では、アイテムが装着されているかを検出し、アイテムが装着されている場合には、受信したアクション制御情報に応じたアクションを行うように玩具のハードウェアを制御する。例えばアクション制御情報がアクションの再生データである場合には、再生データの再生処理を行うことで、玩具に、行動、動作、発話、音出力、画像出力、報知、或いは演出等のアクションを行わせる。
例えば図5では、玩具PTA~PTFがネットワーク510を介してサーバに通信接続されている。玩具PTA~PTFのアイテム装着部EQA~EQF(アイテム検知部)にはアイテムITA~ITFが装着可能(検知可能)になっている。なおゲーム機の玩具PTFには玩具を擬人化したキャラクタが表示されている。アイテムITA~ITFは玩具PTA~PTFの頭脳に相当する。但し、この頭脳を実現するAI処理や学習処理などの情報処理はサーバにおいて実行される。即ち、玩具PTA~PTFの頭脳の処理については、サーバを用いたクラウド処理により実現する。そしてサーバの通信部696は、玩具PTA~PTFにアイテムITA~ITFが装着され(アイテムが検知され)、アイテムITA~ITFのアイテム識別情報IDIA~IDIFを玩具PTA~PTFが送信した場合に、アイテム識別情報IDIA~IDIFを受信する。サーバの記憶部670は、図6に示すように、受信したアイテム識別情報IDIA~IDIFを、玩具PTA~PTFの機器識別情報IDPA~IDPFに関連づけて記憶する。そしてサーバの処理部600は、図6に示すように、アイテム識別情報IDIA~IDIFに対応するアクション制御情報ACA~ACFを、通信部696を介して玩具PTA~PTFに送信する処理を行う。例えば処理部600は、AI処理や学習処理などの情報処理により、玩具PTA~PTFが行うアクションを決定し、決定されたアクションを玩具PTA~PTFに行わせるためのアクション制御情報ACA~ACFを送信する。具体的にはAI処理のエンジン(アルゴリズム)や学習処理の学習器が、アイテム識別情報IDIA~IDIFに関連づけられており、当該AI処理のエンジンや学習器を用いて、玩具PTA~PTFが行うアクションを決定して、アクション制御情報ACA~ACFを送信する。これにより玩具PTA~PTFは、アクション制御情報ACA~ACFに対応するアクションを行うようになる。なお学習処理はAI処理の一部の処理である。
このようにすれば、玩具PTA~PTFは、装着(検知)されたアイテムITA~ITFに対応するアクションを行うようになる。例えば装着されたアイテムが異なれば、玩具PTA~PTFが行うアクションも異なるようになる。また玩具PTA~PTFが行うアクションの決定処理は、玩具PTA~PTF自体ではなく、サーバが行うようになる。従って、AI処理や学習処理などの複雑で高い処理能力を要求される情報処理により、玩具PTA~PTFが行うアクションを決定できる。例えば玩具PTA~PTFが有するプロセッサの処理能力やメモリーの記憶容量には制限があり、高い処理能力や大きな記憶容量を持たせることは難しい。この点、サーバのプロセッサやメモリーには、高い処理能力や大きな記憶容量を持たせることができる。このため、サーバを利用することで、AI処理や学習処理などの高度な情報処理についても実行できるようになる。従って、玩具PTA~PTF自体にアクションの決定処理を行わせる場合に比べて、より高度な情報処理を実現できるプロセッサ(処理部)や大きな記憶容量のメモリー(記憶部)を用いて、アクションの決定処理を実行できるようになる。この結果、玩具PTA~PTFに多様で複雑なアクションを行わせることが可能になり、玩具PTA~PTFの魅力や商品力を大幅に向上できる。
また玩具PTA~PTFにはセンサ部150が設けられており、このセンサ部150を用いることで、センサ検出情報を取得できる。例えばイメージセンサ151、操作入力センサ152、音センサ153を用いることで、玩具PTA~PTFの周囲の画像情報(RGB画像、赤外線画像)、ユーザの操作入力情報、ユーザの発話音や周囲音などの音情報などのセンサ検出情報を取得できる。また位置センサ154、モーションセンサ155、環境センサ156を用いることで、玩具PTA~PTFの位置情報、動き情報、周囲の環境情報などのセンサ検出情報を取得できる。サーバの通信部696は、このように玩具PTA~PTFが有するセンサ部150を用いて取得されたセンサ検出情報を受信する。そして処理部600は、受信したセンサ検出情報に対応するアクション制御情報を、玩具PTA~PTFに送信する処理を行う。
図4を例にとれば、RGBのイメージセンサ30や赤外線のイメージセンサ32を用いることで、玩具(PTA~PTF)の周囲の画像情報を、センサ検出情報として取得できる。またロータリスイッチ34を用いることで、ユーザの操作入力情報をセンサ検出情報として取得できる。またマイク39、40を用いることで、ユーザの発話音や周囲音などの音情報をセンサ検出情報として取得できる。従って、これらの画像情報や操作入力情報や音情報などのセンサ検出情報を用いて、玩具が行うアクションをサーバにより決定できるようになる。例えばイメージセンサ30、32により取得された画像情報を用いることで、ユーザの顔等の認識処理やユーザと玩具の間の距離情報を検出できる。従って、顔等の認識処理の結果や距離情報を用いて、玩具が行うアクションを決定できる。例えばユーザの顔等が認識できた場合やユーザとの距離が近いと判断された場合に、玩具を動作させるなどの制御処理が可能になる。またロータリスイッチ34により取得された操作入力情報を用いることで、ユーザの操作入力を検出できる。従って、ユーザの操作入力に応じて玩具が行うアクションを決定できる。例えばロータリスイッチ34の回し操作が検出された場合には、ユーザが褒める操作を行ったと判断して、褒める操作に対応するアクションを玩具に行わせることができる。またロータリスイッチ34の押し操作が検出された場合には、ユーザが褒めずに否定的な応答操作を行ったと判断して、否定的な応答操作に対応するアクションを玩具に行わせることができる。またマイク39、40により取得された音情報を用いることで、ユーザの発話音や周囲音を検出できる。従って、ユーザの発話音や周囲音に応じたアクションを玩具に行わせることができる。例えばユーザの発話に対して、その発話に対応する発話内容を決定し、その発話内容に対応する発話音を、スピーカ38を用いて出力できるようになる。
またサーバが送信するアクション制御情報は、玩具のハードウェアを制御する情報である。例えばサーバは、アクション制御情報として玩具の動作制御情報を送信する。そして玩具は、受信した動作制御情報を用いて、可動機構160などのハードウェアを制御して、玩具を動作させる。例えば図4のロボット型の玩具10の頭部14を動かしたり、腕部16、17を動かしたり、胴体部12に設けられた移動機構により玩具10を移動させたりするなどの動作が可能になる。またサーバは、アクション制御情報として玩具の演出制御情報を送信する。そして玩具は、受信した演出制御情報を用いて、出力部180などのハードウェアを制御して、玩具に演出動作を行わせる。例えば図4の発光部36、37の複数のLEDを用いたアニメーション演出を行ったり、スピーカ38を用いた効果音や特殊音声による演出を行う。これにより、玩具の多彩な動作制御や演出制御を実現できるようになる。
次にサーバが行うAI処理、学習処理の具体例について説明する。例えば学習処理が行われていない初期状態においては、図7に示すように、ユーザの「ユウコちゃん」、「ヒロシくん」、「ミワちゃん」という問いかけに対して、サーバのAI処理、学習処理による頭脳のエンジンは、例えば「大すき」、「大すき」、「きらい」というように、ランダムな返答を行うようになっている。
具体的には図8では、ユーザが図4のロボットの玩具10に対して、「ユウコちゃんのこと、どう思う?」と発話している。この発話音はマイク39、40により検出されて、その発話内容のデータがサーバに送信される。例えば玩具10の音声認識部115が音声認識を行い、発話内容を表すテキストデータが、センサ検出情報としてサーバに送信される。すると、サーバは、玩具10が行う発話のアクションとして、「大すき」と発話するアクションを決定し、発話内容のデータを玩具10に送信する。具体的には、発話内容を表すテキストデータを、アクション制御情報として玩具10に送信する。これにより玩具10は、「大すき」と発話するようになる。具体的には、発話内容を表すテキストデータに基づいて、玩具10の音声合成部117が発話音声の合成処理を行い、発話音声がスピーカ38により出力される。
そして図8では、ユーザの「ユウコちゃんのこと、どう思う?」という発話に対して、玩具10が「大すき」と発話し、ユーザは、この「大すき」という発話に対して、図4のロータリスイッチ34の押し操作を行い、ロボットを褒めない否定的な応答を行っている。またユーザの「ヒロシくんのこと、どう思う?」という発話に対して、玩具10が「大すき」と発話し、ユーザはこれに対して、ロータリスイッチ34の回し操作を行い、褒める応答を行っている。またユーザの「ミワちゃんのこと、どう思う?」という発話に対して、玩具10が「きらい」と発話し、ユーザはこれに対して、ロータリスイッチ34の回し操作を行い、褒める応答を行っている。このようなユーザの一連の応答に基づいて、サーバが学習処理を行う。これにより、ユーザが褒めたりすることで成長する玩具10を実現できる。例えば正しい受け答えをした時にだけユーザが褒めることで、AI処理の頭脳が学習して成長して行き、様々なことを徐々に覚えて行くようになる。図8の例では、女性をどう思うかという質問に対して、玩具10が「大すき」と発話した場合には褒めず、「きらい」と発話した場合には褒めている。一方、男性をどう思うかという質問に対して、玩具10が「大すき」と発話した場合には褒めている。これにより、玩具10は、女性よりも男性に好意を持つ性格に育つようになる。
そして、この性格等の玩具10の頭脳は、アイテム50に対応づけられている。従って、アイテム50を別のアイテムに入れ替えると、玩具10の頭脳も別の頭脳に入れ替わるようになる。例えば玩具10が壊れてしまい、新しい玩具を購入した場合にも、その新しい玩具にアイテム50を装着することで、その新しい玩具は、アイテム50に対応づけられた頭脳(頭脳のエンジン)に基づき動作するようになる。従って、これまでにない玩具の遊びの楽しみ方を、ユーザに提供することが可能になる。
なお、アイテム50に対応づけられる頭脳のエンジン(頭脳アルゴリズム)は、常にゼロからユーザが育成する必要は無く、例えばメーカ側において、ある程度育成したような頭脳のエンジンを、アイテム50に対応づけて、ユーザに対して販売等するようにしてもよい。このようにすれば、優秀な頭脳のエンジンが対応づけられたアイテムは、希少価値となるため、このようなアイテムに対するユーザの購買意欲や所有意欲を高めることが可能になる。
また例えば図9に示すように、玩具10が行うアクションを、PC(パーソナルコンピュータ)やスマートフォン等の携帯情報端末上において、編集できるようにしてもよい。例えば図9では、玩具10が、「しあわせ」を表す音色の音を出力した後、「よろこび」を表す動作を行い、その後、ユーザのことを好きであるという発話を行って、動作が終了するというようなアクションが、ユーザの編集により作成されている。そして、このように作成されたアクションに対応するアクション制御情報(アクションスクリプト)が、アイテム50(アイテム識別情報)に対応づけられる。これにより、アイテム50を玩具10に装着することで、図9に示すようなアクションを玩具10が行うようになる。このように本実施形態によれば、サーバのクラウド上で、アイテム50に対応する頭脳を編集できる。例えばScratchのようなビジュアルプログラムで編集できるため、誰でも簡単に、アイテム50に対応する頭脳を編集できるようになる。
図10はアクション制御情報(アクションスクリプト)の一例である。図10のアクション制御情報ACA1で設定されるアクションでは、motion2で指定される動作(例えば喜ぶ動作)を行った後、2つの発話を行い、動作を終了(motion0)する。アクション制御情報ACA2で設定されるアクションでは、motion3で指定される動作(例えばお辞儀する動作)を行った後、2つの発話を行い、動作を終了(motion0)する。発話の記述におけるpt_nameは、玩具10の名前であり、user_nameはユーザの名前である。またselmost(V)は、過去の会話内容から抽出された複数のワードのうち、最も使用頻度が動詞(V)のワードを選択する関数である。このようなアクション制御情報を用いることで、玩具10の様々なアクション制御を実現することが可能になる。
図11は、装着型の玩具10の例である。この玩具10は、例えばテレビ番組や映画に登場するヒーロが装着するベルトを模した玩具であり、ユーザは玩具10を腰の部分に装着できる。玩具10にはアイテム装着部20-1、20-2(アイテム検知部)が設けられており、アイテム50-1、50-2が装着可能(検知可能)になっている。例えば種類が異なる2つのアイテム50-1、50-2の装着が可能になっている。また玩具10には、複数のLEDを有する発光部42が設けられており、発光部42の複数のLEDが発光することで、種々の演出が可能になっている。また玩具10には、スピーカ43が設けられおり、種々の効果音や音声が出力される。また玩具10には、B1に示すようにハンドル44を回したり、B2に示すようにナイフ45を刺したりすることが可能なギミック機構が設けられている。ユーザが、これらのギミック機構を動作させることで、発光部42、スピーカ43などを用いた種々の特殊演出が行われるようになる。
なお、ギミック機構はこれに限定されず、例えばアイテム50-1、50-2の装着部分のスライドが可能であったり、発光部42の回転が可能であったりするなどの種々のギミック機構を採用できる。また、アイテムは、同じ種類の玩具だけに使用できるものである必要ななく、異なる種類の玩具に対してアイテムを使用できるようにしてもよい。例えば図11の装着型の玩具10に使用されて育成されたアイテム50-1、50-2を、図4のロボット型の玩具10に使用できるようにしてもよい。
2.2 処理例
次に本実施形態の種々の処理例について説明する。
図12に示すように、アイテム識別情報は、アイテムの種類識別情報及びアイテムの固有識別情報の少なくとも一方を含む。種類識別情報は、例えば図4、図11において玩具10に装着(検知)されるアイテム50、50-1、50-2の種類を識別する情報である。例えば種類が異なるアイテムは、その色や形状を異ならせてもよい。また種類が異なるアイテムは、例えばサーバで対応づけられる頭脳のエンジンを異ならせてもよい。一方、固有識別情報は、例えば玩具10に装着(検知)されるアイテム50、50-1、50-2をユニークに識別する情報であり、例えばシリアル番号(製造番号)などである。
そして図12に示すようにサーバ(処理部600)は、アイテム識別情報に基づいて、玩具のユーザの保有アイテムの管理処理を行う。例えばユーザが保有するアイテムの機器識別情報(IDPA、IDPB、IDPC)が、サーバ(記憶部670)に記憶されて登録される。そしてアイテム識別情報(IDIA1~IDIA3、IDIB1、IDIC1~IDIC1)が、機器識別情報(IDPA、IDPB、IDPC)に関連づけてサーバに記憶されて登録される。そしてサーバは、このように玩具の機器識別情報に関連づけられたアイテム識別情報を用いて、玩具のユーザの保有アイテムの管理処理を行う。
このようにすることで、ユーザがどのようなアイテムを保有しているのかをサーバ側が把握できるようになり、アイテムに対応するアクション制御情報の決定処理等を適切に実行できるようになる。
また本実施形態では、玩具が有する可動機構が所与の状態になった場合に、可動機構の所与の状態に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる。即ち、可動機構の状態に応じたアクション制御情報を送信する。またアイテムがイベント発動状態となった場合に、イベント発動状態に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる。即ち、イベント発動状態に応じたアクション制御情報を送信する。
図13は、玩具が有する可動機構の状態やアイテムのイベント発動状態に応じたアクション制御情報の変化処理を説明するフローチャートである。まずサーバは、アイテム識別情報を玩具から受信したか否かを判断する(ステップS1)。そしてアイテム識別情報を受信した場合には、受信したアイテム識別情報は登録済みか否かを判断する(ステップS2)。例えばサーバの記憶部(670)に既に登録されているか否かを判断する。そして登録済みではない場合には、受信したアイテム識別情報を玩具の機器識別情報に関連づけて登録する(ステップS3)。即ちサーバの記憶部にアイテム識別情報を機器識別情報に関連づけて記憶する。
次に玩具が有する可動機構(160)が所与の状態になったかを判断する(ステップS4)。図11を例にとれば、可動機構であるギミック機構(162)を構成するハンドル44が回されている状態なのかや、ナイフ45が玩具に刺された状態なのかなどを判断する。或いは図4において、可動機構である腕部16、17が動かされた状態なのかなどを判断してもよい。この可動機構の状態情報は、例えば玩具がサーバに送信する。そして玩具の可動機構が所与の状態(回転状態、刺された状態等)になった場合には、その状態に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる(ステップS5)。例えばギミック機構をユーザが動作させた場合には、サーバは、その動作状態に応じたアクション制御情報を玩具に送信する。例えば、ギミック機構が機能しているかどうかと、アイテム識別情報の組合わせにより、玩具に送信するアクション制御情報を決定する。これにより、例えばユーザが図11のハンドル44を回したり、ナイフ45を玩具に刺すと、例えばギミック機構の動作演出用の効果音や音声がスピーカ43から出力されたり、ギミック機構の動作演出用の光が発光部42から発光されるようになり、玩具の演出効果を高めることができる。
またサーバは、アイテムがイベント発動状態になったかを判断する(ステップS6)。そしてアイテムがイベント発動状態になった場合には、そのイベント発動状態に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる(ステップS7)。
例えば図4や図11において、所定のイベント発動条件が満たされると、玩具に装着されているアイテム(50、50-1、50-2)がイベント発動状態になる。例えばアイテムに内蔵される発光部が発光したり、アイテムが効果音を出力したり、或いはアイテムが振動したりする。この場合のイベント発動条件は、例えばアイテムの使用回数、使用頻度又は使用態様などに基づき判断できる。例えば使用回数が所定回数を超えたり、使用頻度が所定頻度を超えたり、使用態様が所定態様(例えばアイテムに対して所定の操作が行われた)になった場合に、イベント発動条件が満たされたと判断する。そしてサーバは、イベント発動状態とアイテム識別情報の組合わせにより、玩具に送信するアクション制御情報を決定する。これにより、例えば図11において、アイテムのイベント発動の演出用の効果音や音声がスピーカ43から出力されたり、アイテムのイベント発動の演出用の光が発光部42から発光されるようになり、玩具の演出効果を高めることができる。
なお、可動機構が所与の状態になったかの第1の判断処理や、アイテムがイベント発動状態になったかの第2の判断処理は、玩具が行ってもよいし、サーバが行ってもよい。例えば、可動機構が所与の状態になったか、或いはアイテムがイベント発動状態になったかを判断するための検出情報(センサ検出情報等)に基づいて、玩具が上記の第1の判断処理や第2の判断処理を行ってもよい。或いは玩具が、上記の検出情報をサーバに送信して、サーバが、受信した検出情報に基づいて、上記の第1の判断処理や第2の判断処理を行ってもよい。
またアイテムのイベント発動に対しては、時間的な制限や回数的な制限を設定してもよい。例えばアイテムに電池を内蔵し、電池が切れた場合には、アイテムのイベント発動が行われないようになり、イベント発動状態に応じた玩具のアクションも行われないようにする。或いは、アイテムのイベント発動の回数が所定回数(1回~複数回)を越え場合には、アイテムのイベント発動が行われないようになり、イベント発動状態に応じた玩具のアクションも行われないようにする。こうすることで、アイテムのイベント発動に希少性を持たせたり、イベントを発動するアイテムの更なる購買をユーザに促すことなどが可能になる。
また本実施形態では、機器識別情報にアイテム識別情報が関連づけられることで玩具に関連づけられたアイテムについては、他の玩具での使用を制限する。そして玩具のユーザにより、玩具に関連づけられたアイテムの登録が削除された場合に、他の玩具でのアイテムの使用制限を解除する。
例えば図14(A)、図14(B)では、玩具PT1の機器識別情報IDP1にアイテムIT1のアイテム識別情報IDI1が関連づけられており、玩具PT1に対してアイテムIT1が関連づけられている。この場合に、玩具PT1に関連づけられたアイテムIT1については、他の玩具PT2での使用を制限する。例えばアイテムIT1を他の玩具PT2で使用することを禁止する。或いは、アイテムIT1を他の玩具PT2に装着した場合には、アイテムIT1を玩具PT1に装着した場合に比べて、デグレードされたアクションを玩具PT2が行うようにする。例えばアイテムIT1が玩具PT1に装着された場合には、特殊効果や特殊演出を発揮するアクションを玩具PT1が行うが、アイテムIT1が他の玩具PT2に装着された場合には、このような特殊効果や特殊演出を発揮するアクションについては行わないようになり、通常のアクションだけを行うようになる。
このようにすれば、例えばユーザXが所有する玩具PT1に装着されていたアイテムIT1が、他のユーザXが所有する玩具PT2に装着されて遊ばれてしまうような事態を防止できる。例えばアイテムIT1に対応づけられる頭脳のエンジン(AI、学習器)は、ユーザXが育成したものである。従って、このような頭脳のエンジンが対応づけられたアイテムIT1が、他のユーザYの玩具PT2に使用されてしまう事態は望ましくない。この点、図14(A)、図14(B)に示すような使用制限を行えば、このような事態が生じるのを抑制できる。
なお図14(A)、図14(B)に示すような使用制限は、異なるユーザ間においてだけ行い、同一ユーザが所有する玩具間においては、当該使用制限を行わないようにしてもよい。例えば図14(B)のユーザXが、アイテムIT1を、ユーザXの他の所有玩具に使用することは許容するようにしてもよい。
また前述したように、アイテムに対応づけられる頭脳のエンジン(頭脳アルゴリズム)は、必ずしもユーザがゼロから育てる必要は無く、例えばメーカ側がある程度育成した頭脳のエンジンが対応づけられたアイテムを、販売するようにしてもよい。或いは、頭脳のエンジンの成長のポテンシャルや属性等が異なるような様々なアイテムを販売するようにしてもよい。例えば高い成長のポテンシャルを有する頭脳のエンジンが対応づけられたアイテムは、レア度の高いアイテムとして販売されるようになる。
また図14(C)に示すように、玩具PT1のユーザXにより、玩具PT1に関連づけられたアイテムIT1の登録が削除されたとする。具体的には、玩具PT1の機器識別情報IDP1に対するアイテムIT1のアイテム識別情報IDI1の関連づけの登録が削除されたとする。この場合には、他の玩具PT2でのアイテムIT1の使用制限を解除してもよい。
このようにすれば、玩具との関連づけの登録が削除されたアイテムについては、他の玩具に対して自由に使用できるようになるため、ユーザの利便性等を向上できる。例えば登録が解除されたアイテムは、他のユーザの玩具にも使用できるようになるため、ユーザから他のユーザに当該アイテムを譲ることなども可能になる。また同一ユーザが複数の玩具を所有する場合に、ユーザが所有する玩具に使用されていたアイテムを、その登録を解除することで、ユーザが所有する他の玩具において使用できるようになる。
また本実施形態では、同一種類の複数のアイテムのアイテム識別情報が玩具の機器識別情報に関連づけられて登録された場合に、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる。
例えば図15(A)、図15(B)では、玩具PTの機器識別情報IDPに対して、同一種類の複数のアイテムITR-1、ITR-2、ITR-3のアイテム識別情報IDIR-1、IDIR-2、IDIR-3が関連づけられている。例えばアイテムITR-1、ITR-2、ITR-3は、赤クリスタルを模したアイテムであり、その色や形状が同じになっている。また例えばアイテムを装着した場合に発揮する機能・効果も同じになっている。
このように図15(A)、図15(B)では、1つの玩具PT(機器識別情報IDP)に対して、同一種類(赤クリスタル)の複数のアイテムITR-1、ITR-2、ITR-3(アイテム識別情報IDIR-1、IDIR-2、IDIR-3)が関連づけられている。この場合には、例えば同じ種類の1つのアイテムが玩具PTに関連づけられている場合とは異なるアクションを玩具PTが行うように、玩具PTに送信するアクション制御情報を変化させる。例えば、より演出効果が高くなったり、よりユーザを有利にできるようなアクションを玩具PTに行わせるアクション制御情報に変化させる。
例えば図15(B)においてユーザがアイテムITR-1を取得して玩具PTに装着した後、ITR-1と同一種類のアイテムITR-2、ITR-3を取得したとする。この場合には、ユーザにとって、アイテムITR-2、ITR-3は無用なアイテムになってしまうおそれがある。
この点、本実施形態では、同一種類の複数のアイテムITR-1、ITR-2、ITR-3が玩具PTに関連づけられた場合には、より演出効果が高くなったり、よりユーザを有利にすることができるようなアクションを玩具PTが行うようになる。例えばユーザがアイテムITR-2、ITR3を取得(所有)していなかった場合には発揮しなかったような演出効果等を発揮するアクションを、玩具PTが行うようになる。従って、ユーザが同一種類の複数のアイテムを重複して所有していた場合に、重複したアイテムが無駄になってしまう事態が防止され、よりユーザが楽しむことができる玩具システムの提供が可能になる。
また本実施形態では、玩具に複数のアイテムが装着された場合(玩具により複数のアイテムが検知された場合)に、複数のアイテムの組合わせに対応するアクション制御情報を、玩具に送信する処理を行う。例えば複数のアイテムの組み合わせと、これらのアイテムのアイテム識別情報に基づいて、アクション制御情報を決定して、玩具に送信する。
例えば図16では、玩具PTは複数のアイテム装着部EQ1、EQ2を有しており、複数のアイテムITG、ITSが装着(検知)されている。例えばアイテムITGは、金クリスタルを模したものであり、アイテムITSは、銀クリスタルを模したものである。この場合にはアイテムITG、ITSの組合わせに対応するアクション制御情報を玩具PTに送信して、当該組合わせに対応するアクションを玩具PTに行わせる。
例えば図16では、アイテムITG、ITSが装着されたことで、特殊なアクションであるコンボアクションが発動している。このコンボアクションでは、演出効果が極めて高かったり、ユーザを非常に有利にするようなアクションが行われる。例えば通常は聞くことはできない特殊音声がスピーカSPから出力されたり、発光部LDの複数のLEDにより特殊なアニメーション演出が行われる。またコンボアクションの発動による演出効果は、装着されたアイテムの組み合わせによって異なる。例えば、レア度の高い複数のアイテムを装着した場合には、通常の複数のアイテムを装着した場合に比べて、より演出効果等が高いコンボアクションが発動するようになる。
またコンボアクションを発動させるアイテムの組合わせは、異なる種類のアイテムの組合わせである必要はなく、同じ種類の複数のアイテムが装着された場合にも、コンボアクションが発動するようにしてもよい。例えば図16において、金クリスタルの2つのアイテムが装着された場合にも、コンボアクションを発動するようにしてもよい。また複数のアイテムの組合わせがどのような組合わせなのかの判断処理は、玩具が行ってもよいし、サーバが行ってもよい。例えば玩具が、この判断処理を行って、その組合わせに対応する識別情報等をサーバに送信してもよい。或いは、玩具に装着された複数のアイテムに対応する複数のアイテム識別情報を、玩具がサーバに送信して、サーバが、受信した複数のアイテム識別情報に基づいて、上記の判断処理を行ってもよい。
また本実施形態では、記憶部(670)へのアイテム識別情報の登録後の時間経過に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる。
例えば図17は、アイテム識別情報の登録後の時間経過に応じたアクション制御情報の変化処理を説明するフローチャートである。まず、サーバが、アイテム識別情報を受信したか否かを判断する(ステップS21)。そしてアイテム識別情報を受信した場合には、そのアイテム識別情報の登録が完了したか否かを判断し(ステップS22)、登録が完了した場合には、タイマーのカウント値のカウント処理をスタートする(ステップS23)。このカウント値は、アイテム識別情報の登録後の時間経過を表すカウント値である。そして玩具のアクションを発動するか否かを判断し(ステップS24)、発動する場合には、カウンターのカウント値(時間経過)に応じたアクション制御情報を玩具に送信する(ステップS25)。このようにすることで、アイテム識別情報の登録後の時間経過に応じたアクション制御情報を玩具に送信できるようになる。
例えば、時間経過が長いほど(カウント値が大きいほど)、より演出効果が高くなったり、ユーザを有利にするようなアクションを玩具に行わせてもよい。即ち、そのようなアクションを行わせるアクション制御情報を玩具に送信する。例えば、効果音を、より派手な音にしたり、発光部の発光をより豪華なものにする。或いは、逆に、時間経過が長いほど、より演出効果が低くなったり、ユーザを不利にするようなアクションを玩具に行わせてもよい。このようにすることで、アイテムの装着により玩具が行うアクションに対して、時間経過を反映させることが可能になり、より多様な玩具のアクション制御を実現できるようになる。また、例えば時間経過ではなく、アクションの発動日時や、アイテムを用いた遊びのプレイ回数やプレイ頻度などに基づいて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させてもよい。例えば誕生日やクリスマスなどでは、より演出効果が高くなったり、ユーザを有利にするようなアクションを玩具に行わせる。またプレイ回数が多かったり、プレイ頻度が高い場合にも、より演出効果が高くなったり、ユーザを有利にするようなアクションを玩具に行わせる。このようにすれば、アイテムの装着により玩具が行うアクションに対して、発動日時やプレイ回数やプレイ頻度を反映させることが可能になる。
また本実施形態では、玩具が通信接続されるアクセスポイントの情報、玩具のネットワークへの接続日時の情報、及び玩具の位置情報の少なくとも1つに応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる。
例えば図18では、玩具PTは、アクセスポイントAPに対して、ワイファイ等の無線通信により通信接続されている。例えばアクセスポイントAPは、イベント会場などに設置されており、ユーザが玩具PTをイベント会場に持って行き、イベント会場のアクセスポイントAPと玩具PTを通信接続している。この場合には、玩具PTに装着されているアイテムITのアイテム識別情報IDIに加えて、アクセスポイント情報であるアクセスポイント識別情報IDAが、サーバに送信される。サーバは、受信したアイテム識別情報IDIとアクセスポイント識別情報IDAに基づいて、玩具に送信するアクション制御情報を決定する。
このようにすれば、例えばイベント会場などの特定の場所に居るユーザの玩具に対しては、その場所に対応するようなアクション制御情報を送信できるようになる。例えばイベント会場に来たことに対する特典となるようなアクション制御情報を送信できるようになる。これにより、イベント会場に来ることの効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になる。またアクセスポイント情報として、アクセスポイントAPでの通信データ量や通信台数(通信している玩具の台数)の情報を用いて、アクション制御情報を決定してもよい。具体的には通信データ量や通信台数の大小に応じて、アクション制御情報を変化させる。例えば通信データ量や通信台数が多い場合には、通信が混雑していると判断して、よりデータ量の少ないアクション制御情報を玩具に送信する。このようにすることで、通信データ量や通信台数に応じた適切なデータ量のアクション制御情報を玩具に送信できるようになる。
また図18に示すように玩具PTのネットワークへの接続日時情報(日にち情報及び時間情報の少なくとも一方)に基づいて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させてもよい。例えば図18では、アクセスポイントAPを介して玩具PTがインターネットに接続され、インターネットを介してサーバに通信接続される。この場合の通信の接続日時情報に応じて、玩具PTに送信するアクション制御情報を決定する。例えば誕生日、クリスマス、正月又はキャンペーンの開始日などの特定の日時である場合には、特典となるようなアクション制御情報を送信する。このようにすることで、アイテムITを玩具PTに装着してネットワークに接続することの効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になり、玩具システムの稼働率の向上等を図れるようになる。或いは、人工衛星SATによるGPSなどで玩具PTの位置情報を検出できる場合には、位置情報に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させてもよい。例えば玩具PTの位置情報に基づいて、ユーザがイベント会場などの特定の場所に来ていると判断された場合には、特典となるアクション制御情報を玩具PTに送信し、例えば演出効果が高くなったり、ユーザを有利にできるようなアクションを玩具PTに行わせる。これにより、玩具PTの位置に応じた適切なアクションを玩具PTに行わせることが可能になる。なお位置情報の検出手法は、GPSを用いる手法には限定されず、例えば無線通信の電波強度等に基づいて位置情報を検出してもよい。
また本実施形態では、複数の玩具の複数の機器識別情報に関連づけて登録されるアイテム識別情報の登録状況を管理し、アイテム識別情報の登録状況に応じて、玩具に送信するアクション制御情報を変化させる。
例えば図19(A)では、複数の玩具の複数の機器識別情報(IDPA、IDPB、IDPC、IDPD)に関連づけてアイテム識別情報(IDIA1・・・、IDIB1・・・、IDIC1・・・、IDID1・・・)が登録されている。例えばサーバの記憶部(670)に記憶されて登録されている。この場合には、サーバは、これらのアイテム識別情報の登録状況を管理する。例えば全国のユーザについてのアイテム識別情報の登録状況を管理する。そして、この登録状況に応じたアクション制御情報を玩具に送信する。
例えば図19(B)では、図19(A)での登録状況の管理により、特定のアイテムの全国登録数が所定数を越えた登録状況になったと判断され、特典となるボーナスアクションの発動が可能になったことが、インターネット等を介してユーザに告知されている。従って、このタイミングでユーザがアイテムを玩具に装着して、アイテム識別情報を玩具がサーバに送信すると、サーバは、特典となるボーナスアクションを行わせるアクション制御情報を玩具に送信する。これにより、通常時のアクションとは異なるボーナスアクションを玩具に行わせることが可能になる。従って、玩具及びアイテムを用いたプレイの効果的な動機づけをユーザに与えることができ、玩具システムの稼働率の向上等を図れるようになる。
なお、アクション制御情報を変化させる登録状況は、図19(B)に示すような特定のアイテムの登録数であってもよいし、アイテムの総数の登録数であってもよい。或いは、極めてレア度が高いアイテムが登録された場合に、特典となるアクション制御情報を全国のユーザに配布するようにしてもよい。
また本実施形態の玩具システムは、ネットワークを介してサーバに通信接続される玩具を含み、玩具は、アクション制御情報を記憶する記憶部(170)を含む。そして玩具は、アイテム識別情報に対応するアクション制御情報が玩具の記憶部に既に保存されている場合には、保存されているアクション制御情報に対応するアクションを玩具に行わせる処理を実行する。一方、玩具は、アクション制御情報が玩具の記憶部に保存されていない場合には、アイテム識別情報をネットワークを介して送信して、アイテム識別情報に対応するアクション制御情報をネットワークを介して受信する。また玩具は、玩具の記憶部に記憶されるアクション制御情報の消去処理及び更新処理の少なくとも一方を行う。
例えば図20は、玩具側で保存したアクション制御情報を使用する処理やアクション制御情報の消去処理、更新処理を説明するフローチャートである。
まず、玩具は、アクションを発動するかを判断する(ステップS31)。アクションを発動する場合には、玩具に装着されたアイテムのアイテム識別情報に対応するアクション制御情報が、玩具の記憶部に保存されているか否かを判断する(ステップS32)。そして保存されている場合には、保存されているアクション制御情報に対応するアクションを玩具に行わせる(ステップS33)。例えば、玩具の記憶部に保存されているアクション制御情報を読み出し、アクション制御情報をサーバから受信することなく、読み出したアクション制御情報に基づいて、玩具のハードウェアを制御して、アクション制御情報に対応するアクションを玩具に行わせる。一方、玩具は、アクション制御情報が記憶部に保存されていない場合には、サーバに対して、装着されたアイテムのアイテム識別情報を送信する(ステップS34)。そしてサーバから、アイテム識別情報に対応するアクション制御情報を受信したか否かを判断し(ステップS35)、受信した場合には、記憶部のアクション制御情報の消去処理や更新処理を行う(ステップS36)。そして、受信したアクション制御情報に対応するアクションを玩具に行わせる(ステップS37)。
このようにすれば、玩具の記憶部にアクション制御情報が保存されている場合には、そのアクション制御情報を有効利用して、玩具にアクションを行わせることができる。そして、この場合には、サーバに対してアクション制御情報の送信を要求しなくても済むため、不要な通信や処理が行われてしまうのを防止できる。
また本実施形態では、玩具の記憶部に記憶されるアクション制御情報の消去処理や更新処理が行われる。例えば玩具の記憶部の記憶容量は少ないのが一般的である。このため、この記憶部の少ない記憶容量を有効活用する必要がある。従って、例えばサーバからアクション制御情報を受信した場合に、受信したアクション制御情報を記憶部に上書きする更新処理を行って、古いアクション制御情報については消去する処理を行う。或いは、複数のアクション制御情報を記憶できる記憶領域を記憶部に確保して、例えばFIFOの処理により、時間的に古いアクション制御情報を優先して消去する更新処理を行う。このようにすることで、玩具の記憶部の記憶容量が少ない場合にも、記憶部の少ない記憶容量を有効活用して、図20のステップS32、S33に示すような、保存されているアクション制御情報の有効利用などを実現できるようになる。従って、玩具の高コスト化等を抑えながら、アクション制御情報についての効率的な処理を実現することが可能になる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(アイテム検知、検知、発光素子等)と共に記載された用語(アイテム装着、装着、LED等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、玩具システム及び玩具の構成や、通信処理、記憶処理、送信処理、受信処理、アクション制御情報の設定処理、AI処理又は学習処理等も、本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。