JP7173492B2 - 判定装置、判定装置を備える電力供給システムおよび判定方法 - Google Patents

判定装置、判定装置を備える電力供給システムおよび判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、蓄電池の劣化状態を判定する電池劣化判定装置に関する。
蓄電池の劣化状態の判定に関する技術が、例えば、特許文献1~特許文献4に開示されている。特許文献1に開示されている技術では、二次電池の過渡応答データに基づいて、二次電池の充電終了時または放電終了時における電気的等価回路の回路パラメータを算出し、回路パラメータに基づいて二次電池の電池劣化を診断する。特許文献2に開示されている技術では、リチウムイオン二次電池における充放電時の最大電流値が時間率5C以上であり、リチウムイオン二次電池の電池表面温度が25℃以下の時に算出されたリチウムイオン二次電池の内部抵抗と、内部抵抗閾値Ds1とを比較する。特許文献2に開示されている技術では、当該内部抵抗が内部抵抗閾値Ds1より大きくなると、リチウムイオン二次電池の劣化と判断する。
特許文献3に開示されている技術では、予めリチウムイオン電池の使用初期、使用中期および使用終期における基準となる基準内部抵抗と、リチウムイオン電池の充放電動作中に取得した実内部抵抗とを比較して内部抵抗変化量を求める。特許文献3に開示されている技術では、求めた内部抵抗変化量によってリチウムイオン電池の劣化進度を判定する。特許文献4に開示されている技術では、二次電池の充電時の内部抵抗に対する放電時の内部抵抗の比の値を算出し、当該比の値が所定値以下に低下したとき、内部抵抗の一時的な上昇したと判別し、二次電池の一時的な劣化状態を検出する。
特開2017-16991号公報(2017年1月19日公開) 特開2013-125713号公報(2013年6月24日公開) 特開2015-45523号公報(2015年3月12日) 特開2011-158267号公報(2011年8月18日公開)
しかしながら、前述のような従来技術は以下に示す問題がある。特許文献1では、内部抵抗に対する具体的な劣化判定基準が明確ではない。また、特許文献2においても、内部抵抗閾値Ds1の算出方法が明確化されていないため、劣化判定基準が明確ではない。
また、特許文献3では、初期値に基づき基準内部抵抗が設定されているが、運用される用途毎に要求されるリチウムイオン電池の性能は異なるため、初期値に基づき指定される基準内部抵抗に基づく判断よって、一概にリチウムイオン電池が使用不要となる訳ではない。つまり、特許文献3に記載されている技術では、適用用途毎に適切な基準内部抵抗を定める必要がある。
また、特許文献4に開示されている技術は、過渡的で一時的な内部抵抗上昇を判別して二次電池のさらなる劣化を防止することが目的であり、不可逆的な内部抵抗の増加、すなわち、二次電池の交換が必要か否かの判断におよぶ劣化を判定しているものではない。さらに、二次電池としてリチウムイオン電池を採用する場合、正極、負極、電解液等に様々な材料を選択可能なリチウムイオン電池に対して、電池製品毎に特性が異なる充電時の内部抵抗と放電時の内部抵抗との比率により劣化を判定する手法は、汎用的ではない。
再生可能エネルギーの発電出力変動を抑制する出力平滑化に用いられる蓄電池は、激しい充放電を頻繁に繰り返す。充放電の制御は再生可能エネルギーの発電出力の変動に依存するため、蓄電池の劣化状態に応じて充放電電流を抑制するような制御は困難であり、蓄電池の劣化状態を把握して運用停止に至る時期を把握または予測することは、極めて重要である。
また、蓄電池の劣化により運用が停止して再生可能エネルギーの発電出力の平滑化ができなくなると、再生可能エネルギーの発電電力を電力系統に出力させることができなくなるため、発電事業所の経済損失だけでなく環境面でも損失が大きい。このため、運用停止に至る前に蓄電池の劣化を判定し、適切に蓄電池の交換を行うことが重要となる。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであって、適用用途または仕様が異なる蓄電池に対しても、一律に蓄電池の交換の判断を行うための劣化判定を行うことができる判定装置を実現することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る判定装置は、再生可能エネルギー発電システムにて発電される電力を蓄電する蓄電池を備え、電力系統に出力される電力の変化率が所定範囲になるように、前記蓄電池が充放電を繰り返して前記電力系統に出力される電力の出力変動を抑制する形式の蓄電システムに備わる前記蓄電池の劣化を判定するための判定装置であって、以下(式1)および(式2)に記載のEMAXおよびEMINを前記蓄電池の仕様から取得し、以下(式1)および(式2)に記載のE,E,PおよびPの値を、所定期間における前記蓄電池の充放電挙動に係るデータを記憶したデータ記憶部から取得する劣化判定用パラメータ取得部と、以下(式1)および(式2)に記載のRおよびRを算出する内部抵抗値算出部と、以下(式1)および(式2)の少なくとも一方が成立する場合に、前記蓄電池は劣化しており、以下(式1)および(式2)のいずれも成立しない場合は、前記蓄電池は劣化していないと判定する、判定式成立性判断部と、を備えていることを特徴とする。
(式1)…EMAX-E≦α×P/E×R
(式2)…E-EMIN≦β×P/E×R
MAX:前記蓄電池の仕様として設定された上限電圧
MIN:前記蓄電池の仕様として設定された下限電圧
:所定期間において変化する前記蓄電池のSOC(State Of Charge)の中で最大のSOCに対応する、開回路電圧(Open Circuit Voltage)の最大値
:所定期間において変化する前記蓄電池のSOCの中で最小のSOCに対応する、開回路電圧の最小値
:所定期間において変化する前記蓄電池の充電電力の中での最大値
:所定期間において変化する前記蓄電池の放電電力の中での最大値
:前記蓄電池の充電時における内部抵抗値
:前記蓄電池の放電時における内部抵抗値
αおよびβ:安全裕度としての任意の値
前記構成によれば、前記判定装置は、(1)劣化判定用パラメータ取得部により取得した、実際に使用している蓄電池の仕様と、実際に使用した所定期間における蓄電池の充放電挙動に係るデータに基づく基準、および(2)蓄電池の充電時および放電時の実際の計測データに基づき内部抵抗値算出部により算出された内部抵抗値、により蓄電池の劣化を判定することができる。その結果、適用用途または仕様が異なる蓄電池に対しても、一律に蓄電池の交換の判断を行うための劣化判定を行うことができる。
また、前記判定装置では、前記内部抵抗値算出部は、以下(式3)および(式4)に記載のI,I,I,I,U,U,UおよびUを前記データ記憶部から取得し、以下(式3)に基づき前記Rを算出し、以下(式4)に基づき前記Rを算出してもよい。
(式3)…(U-U)/(I-I
(式4)…(U-U)/(I-I
…前記蓄電池に対して、充放電が行われていない待機状態から、一定の電流値Iにより第1所定時間の充電を行い、当該充電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値
…前記蓄電池に対して、充放電が行われていない待機状態から、前記電流値Iよりも大きな一定の電流値Iにより第1所定時間の充電を行い、当該充電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値
…前記蓄電池に対して、充放電が行われていない待機状態から、一定の電流値Iにより第2所定時間の放電を行い、当該放電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値
…前記蓄電池に対して、充放電が行われていない待機状態から、前記電流値Iよりも大きな一定の電流値Iにより第2所定時間の放電を行い、当該放電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値
前記構成によれば、前記内部抵抗値算出部は、交流に変換する前の直流電流により前記内部抵抗値を算出することができるので、簡易に内部抵抗値を算出することができる。
また、前記判定装置では、前記内部抵抗値算出部は、前記蓄電池に交流電力を重畳させて測定されたインピーダンスの周波数依存性に基づいて、前記蓄電池に係る等価回路モデルをフィッティング解析し、得られた等価回路モデルにおける抵抗値を、前記Rおよび前記Rの少なくともいずれか一方としてもよい。
前記構成によれば、前記内部抵抗値算出部は、前記内部抵抗値をインピーダンスの周波数依存性に基づき算出することができるので、蓄電池を構成する電極材料の劣化を反映した前記内部抵抗値を算出することができる。
また、前記判定装置では、前記内部抵抗値算出部は、前記蓄電池の充放電に伴う電流および電圧の変化を過渡応答特性に基づいて、前記蓄電池に係る等価回路モデルをフィッティング解析し、得られた等価回路モデルにおける抵抗値を、前記Rおよび前記Rの少なくともいずれか一方としてもよい。
前記構成によれば、前記内部抵抗値算出部は、前記内部抵抗値を蓄電池の過渡応答特性に基づき算出することができので、前記インピーダンスの周波数依存性に基づく方法と比較して、より簡易的に電池を構成する電極材料の劣化を反映した前記内部抵抗値を算出することができる。
また、前記判定装置は、前記Rの時間依存性を、前記Rとそれに対応する電池運用時間とから算出し、前記(式1)が成立する時期を推定する第1蓄電池寿命推定部を備えていてもよい。
前記構成によれば、前記判定部では、前記Rとそれに対応する電池運用時間とから算出された時間依存性により蓄電池が劣化するまでの時間を把握することができる。
また、前記判定装置は、前記Rの時間依存性を、前記Rとそれに対応する電池運用時間とから算出し、前記(式2)が成立する時期を推定する第2蓄電池寿命推定部を備えていてもよい。
前記構成によれば、前記判定部では、前記Rとそれに対応する電池運用時間とから算出された時間依存性により蓄電池が劣化するまでの時間を把握することができる。
また、本発明の一態様に係る電力供給システムは、前記判定装置と、前記蓄電池の充放電時における電流値を測定し、測定された前記電流値を前記データ記憶部に記憶させる電流計と、前記蓄電池の充放電時における電圧値を測定し、測定された前記電圧値を前記データ記憶部に記憶させる電圧計と、前記蓄電池に接続される蓄電池用パワーコンディショナと、前記再生可能エネルギー発電システムにて電力を発電する再生可能エネルギー発電装置に接続される再生可能エネルギー発電用パワーコンディショナと、を備えることを特徴とする。
前記構成によれば、前述の効果を奏する電力供給システムを実現することができる。
また、本発明の一態様に係る判定方法は、再生可能エネルギー発電システムにて発電される電力を蓄電する蓄電池を備え、電力系統に出力される電力の変化率が所定範囲になるように、前記蓄電池が充放電を繰り返して前記電力系統に出力される電力の出力変動を抑制する形式の蓄電システムに備わる前記蓄電池の劣化を判定するための判定方法であって、以下(式1)および(式2)に記載のEMAXおよびEMINを前記蓄電池の仕様から取得し、以下(式1)および(式2)に記載のE,E,PおよびPの値を、所定期間における前記蓄電池の充放電挙動に係るデータを記憶したデータ記憶部から取得する劣化判定用パラメータ取得工程と、以下(式1)および(式2)に記載のRおよびRを算出する内部抵抗値算出工程と、以下(式1)および(式2)の少なくとも一方が成立する場合に、前記蓄電池は劣化しており、以下(式1)および(式2)のいずれも成立しない場合は、前記蓄電池は劣化していないと判定する、判定式成立性判断工程と、を備えていることを特徴とする。
(式1)…EMAX-E≦α×P/E×R
(式2)…E-EMIN≦β×P/E×R
MAX:前記蓄電池の仕様として設定された上限電圧
MIN:前記蓄電池の仕様として設定された下限電圧
:所定期間において変化する前記蓄電池のSOC(State Of Charge)の中で最大のSOCに対応する、開回路電圧(Open Circuit Voltage)の最大値
:所定期間において変化する前記蓄電池のSOCの中で最小のSOCに対応する、開回路電圧の最小値
:所定期間において変化する前記蓄電池の充電電力の中での最大値
:所定期間において変化する前記蓄電池の放電電力の中での最大値
:前記蓄電池の充電時における内部抵抗値
:前記蓄電池の放電時における内部抵抗値
αおよびβ:安全裕度としての任意の値
前記構成によれば、前記判定方法は、適用用途または仕様が異なる蓄電池に対しても、一律に蓄電池の交換の判断を行うための劣化判定を行うことができる。
本発明の一態様によれば、適用用途または仕様が異なる蓄電池に対しても、一律に蓄電池の交換の判断を行うための劣化判定を行うことができる判定装置を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る電池劣化判定装置を含む電力供給システムの概略構成を示す図である。 模擬充放電パターンにおける入出力電力変化を示すグラフである。 模擬充放電パターンにおける充電率を示すグラフである。 模擬充放電パターンでの40℃加速劣化試験における直流内部抵抗変化を示すグラフである。 交流インピーダンス法での蓄電池の等価回路モデルの一例を示す図である。 過渡応答解析法での蓄電池の等価回路モデルの一例を示す図である。 交流インピーダンス法の測定結果の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態の変形例において実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、適宜その説明を省略する。
(電力供給システムの構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電池の劣化判定装置を含む電力供給システム200の概略構成を示す図である。電力供給システム200は、発電システム10、蓄電システム20、劣化判定装置100、系統連携設備201、電流計202と、電圧計203と、を備えている。
発電システム10(再生可能エネルギー発電システム)は、再生可能エネルギー発電用パワーコンディショナ11と、再生可能エネルギー発電装置12と、を備えている。再生可能エネルギー発電装置12は、太陽光発電または風力発電等による再生可能エネルギーにより発電を行う。再生可能エネルギー発電装置12は、例えば、複数の太陽電池セルが接続されてなるモジュールであり、太陽光を受けて直流電力を発電する。再生可能エネルギー発電用パワーコンディショナ11は、再生可能エネルギー発電装置12に接続され、再生可能エネルギー発電装置12により発電された直流電力を交流電力に変換する。また、再生可能エネルギー発電用パワーコンディショナ11は、系統連携設備201および蓄電システム20に接続され、再生可能エネルギーにより発電され、交流電力に変換された電力を系統連携設備201および蓄電システム20に出力する。
蓄電システム20は、発電システム10および系統連携設備201に接続されている。蓄電システム20は、蓄電池用パワーコンディショナ21と、蓄電池22と、を備えている。蓄電システム20は、再生可能エネルギー出力平滑化用蓄電池システムである。
蓄電池用パワーコンディショナ21は、蓄電池22に接続され、蓄電池22の充放電を制御する。蓄電池用パワーコンディショナ21は、蓄電池22を繰り返し充放電させることで、電力系統301に出力される電力の変化率が所定範囲になるように、発電システム10から出力された電力の出力変動を抑制する。蓄電池用パワーコンディショナ21は、発電システム10から出力された交流電流を直流電力に変換し、蓄電池22に充電する。また、蓄電池用パワーコンディショナ21は、蓄電池22から放電された直流電力を交流電流に変換し、系統連携設備201に出力する。蓄電池22は、蓄電池用パワーコンディショナ21の指示に基づき、発電システム10にて発電され、蓄電池用パワーコンディショナ21により直流電力に変換された電力を、蓄電または放電する。蓄電池22としては、リチウムイオン電池を最適に使用することができる。
系統連携設備201は、発電システム10から出力された電力、または蓄電システム20から出力された電力を電力系統301に出力する。電流計202は、蓄電池22の充放電時における電流値を測定し、測定された電流値を後述するデータ記憶部120に記憶させる。電圧計203は、蓄電池22の充放電時における電圧値を測定し、測定された電圧値をデータ記憶部120に記憶させる。電流計202および電圧計203は、所定の時間間隔でデータ記憶部120にデータを蓄積する機能を有する。なお、電流計202および電圧計203の機能は、蓄電池用パワーコンディショナ21が有していてもよい。
(劣化判定装置)
劣化判定装置100(判定装置)は、蓄電池22の劣化を判定する。劣化判定装置100は、制御部110と、データ記憶部120と、を備えている。データ記憶部120は、制御部110が実行する各種のプログラムおよびプログラムによって使用されるデータを格納する。また、データ記憶部120は、所定期間における蓄電池22の充放電挙動に係るデータを記憶した各種測定データを格納する。
制御部110は、劣化判定装置100の各部を統括的に制御する。制御部110の機能は、例えば、データ記憶部120に記憶されたプログラムを、CPU(Central Processing Unit)が実行することで実現される。制御部110は、劣化判定用パラメータ取得部111と、内部抵抗値算出部112と、判定式成立性判断部113と、第1蓄電池寿命推定部114と、第2蓄電池寿命推定部115と、を備えている。
劣化判定用パラメータ取得部111は、上限電圧EMAXおよび下限電圧EMINを蓄電池22の仕様から取得する。上限電圧EMAXは蓄電池22の仕様として設定された上限電圧であり、下限電圧EMINは、蓄電池22の仕様として設定された下限電圧である。上限電圧EMAXおよび下限電圧EMINは、例えば、予めデータ記憶部120に格納されている。
また、劣化判定用パラメータ取得部111は、最大充電電力Pおよび最大放電電力Pの値を、データ記憶部120から取得する。最大充電電力Pは、所定期間において変化する蓄電池22の充電電力の中での最大値であり、最大放電電力Pは、前記所定期間において変化する蓄電池22の放電電力の中での最大値である。前記所定期間は、蓄電システム20が稼働してからの期間とすることができ、過去1年分等に期間を限定してもよい。また、十分なデータ蓄積期間がない場合に備えて、最大充電電力Pおよび最大放電電力Pは、任意の値としてもよく、例えば、最大充電電力Pおよび最大放電電力Pを蓄電池用パワーコンディショナ21の定格出力としてもよい。また、稼働してから1年間は最大充電電力Pおよび最大放電電力Pを任意の値とし、その後は、蓄積データの値を採用する、としてもよい。
さらに、劣化判定用パラメータ取得部111は、最大電圧Eおよび最小電圧Eの値を、データ記憶部120から取得する。最大電圧Eは、所定期間において変化する蓄電池22のSOC(充電率、State Of Charge)の中で最大のSOCに対応する、開回路電圧(OCV、Open Circuit Voltage)の最大値である。最小電圧Eは、前記所定期間において変化する蓄電池22のSOCの中で最小のSOCに対応する、開回路電圧の最小値である。SOCに対する開回路電圧は、蓄電池22の仕様により決定する。劣化判定用パラメータ取得部111は、例えば、データ記憶部120に記憶されているSOCと開回路電圧との対応テーブルにより、取得した最大のSOCの値および最小のSOCの値に対応する開回路電圧を、最大電圧Eおよび最小電圧Eとして取得する。
前記所定期間は、蓄電システム20が稼働してからの期間とすることができ、過去1年分等に期間を限定してもよい。また、十分なデータ蓄積期間がない場合に備えて、最大電圧Eおよび最小電圧Eの値は、任意の値としてもよい。例えば、再生可能エネルギー発電の出力平滑化に伴う蓄電池22の充放電を予めシミュレーションし、その際の最大のSOCに相当する電圧を最大電圧E、最小のSOCに相当する電圧を最小電圧Eとしてもよい。また、稼働してから1年間は最大電圧Eおよび最小電圧Eを任意の値とし、その後は、蓄積データの値を採用する、としてもよい。
蓄電池22のSOCは、蓄電池22が満充電状態(SOC 100%)、または、完全放電状態(SOC 0%)となってから蓄電池22に充放電される電流容量(Ah)から算出される。さらに、蓄電池22を充放電が行われていない待機状態(開回路電圧からSOCを推定可能な状態)にして、当該状態から蓄電池22に充放電された電流容量により、蓄電池22のSOCを算出してもよい。また、蓄電池22にバッテリーマネジメントシステム(BMS)またはバッテリーマネジメントユニット(BMU)が備えられ、BMSまたはBMUでSOCを算出している場合には、その値を使用してもよい。
(内部抵抗値算出部)
内部抵抗値算出部112は、充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rを算出する。充電内部抵抗Rは、蓄電池22の充電時における内部抵抗値であり、放電内部抵抗Rは蓄電池22の放電時における内部抵抗値である。
内部抵抗値算出部112は、データ記憶部120から、電流値I、電流値I、電圧値U、および電圧値Uを取得し、以下の(式1)に基づき充電内部抵抗Rを算出する。
=(U-U)/(I-I)・・・(式1)
ここで、電圧値Uは、蓄電池22に対して、充放電が行われていない待機状態から、一定の電流値Iにより第1所定時間の充電を行い、当該充電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値である。電圧値Uは、蓄電池22に対して、充放電が行われていない待機状態から、電流値Iよりも大きな一定の電流値Iにより第1所定時間の充電を行い、当該充電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値である。
内部抵抗値算出部112は、蓄電池22を運用しながら、定期的に充電内部抵抗Rを算出する。内部抵抗値算出部112は、蓄電池22を運用しながら、定期的にSOCを調整し、電流値Iおよび電流値Iを蓄電池22に充電することにより、電圧値Uおよび電圧値Uを取得し、電流値I、電流値I、電圧値Uおよび電圧値Uをデータ記憶部120に記憶する。SOCは、例えば50%になるように調整される。内部抵抗値算出部112は、データ記憶部120に記憶された電流値I、電流値I、電圧値Uおよび電圧値Uに基づき、充電内部抵抗Rを算出する。
また、より精度を向上させるために、内部抵抗値算出部112は、以下の方法より充電内部抵抗Rを算出してもよい。すなわち、蓄電池22に対して、充放電が行われていない待機状態から、電流値Iおよび電流値Iと異なる一定の電流値I1-1により第1所定時間の充電を行い、当該充電が終了する直前に電流値I1-1が通電されている状態で電圧値U1-1を計測する。電流値I、電流値I、電流値I1-1、電圧値U、電圧値Uおよび電圧値U1-1により充電電流に対する電圧値の変化を直線近似して、その傾きから充電内部抵抗を算出する方法、いわゆるV-I特性から充電内部抵抗Rを算出してもよい。
さらに、内部抵抗値算出部112は、データ記憶部120から、電流値I、電流値I、電圧値U、および電圧値Uを取得し、以下の(式2)に基づき放電内部抵抗Rを算出する。
=(U-U)/(I-I)・・・(式2)
ここで、電圧値Uは、蓄電池22に対して、充放電が行われていない待機状態から、一定の電流値Iにより第2所定時間の放電を行い、当該放電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値である。電圧値Uは、蓄電池22に対して、充放電が行われていない待機状態から、電流値Iよりも大きな一定の電流値Iにより第2所定時間の放電を行い、当該放電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値である。
内部抵抗値算出部112は、蓄電池22を運用しながら、定期的に放電内部抵抗Rを算出する。内部抵抗値算出部112は、蓄電池22を運用しながら、定期的にSOCを調整し、電流値Iおよび電流値Iを蓄電池22から放電することにより電圧値Uおよび電圧値Uを取得し、電流値I、電流値I、電圧値Uおよび電圧値Uをデータ記憶部120に記憶する。SOCは、例えば50%になるように調整される。内部抵抗値算出部112は、データ記憶部120に記憶された電流値I、電流値I、電圧値Uおよび電圧値Uに基づき、放電内部抵抗Rを算出する。
また、より精度を向上させるために、内部抵抗値算出部112は、以下の方法より放電内部抵抗Rを算出してもよい。すなわち、蓄電池22に対して、充放電が行われていない待機状態から、電流値Iおよび電流値Iと異なる一定の電流値I3-1により第2所定時間の放電を行い、当該放電が終了する直前に電流値I3-1が通電されている状態で電圧値U3-1を計測する。電流値I、電流値I、電流値I3-1、電圧値U、電圧値Uおよび電圧値U3-1により放電電流に対する電圧値の変化を直線近似して、その傾きから放電内部抵抗を算出する方法、いわゆるV-I特性から放電内部抵抗Rを算出してもよい。
(判定式成立性判断部)
判定式成立性判断部113は、蓄電池22の交換の判断を行うための劣化を判断する。判定式成立性判断部113は、以下の(式3)および(式4)の少なくとも一方が成立する場合に、蓄電池22は劣化していると判定する。判定式成立性判断部113は、以下の(式3)および(式4)のいずれも成立しない場合は、蓄電池22は劣化していないと判定する。
MAX-E≦α×P/E×R・・・(式3)
-EMIN≦β×P/E×R・・・(式4)
ここで、αおよびβは安全裕度として任意の値である。安全裕度は、例えば10~20%とすることができ、その場合、αおよびβは、1.1~1.2となる。
(第1蓄電池寿命推定部)
第1蓄電池寿命推定部114は、充電内部抵抗Rの時間依存性を、充電内部抵抗Rとそれに対応する電池運用時間とから算出し、前記(式3)が成立する時期を推定することにより蓄電池22の寿命を推定する。具体的な算出例は後述する。
(第2蓄電池寿命推定部)
第2蓄電池寿命推定部115は、放電内部抵抗Rの時間依存性を、放電内部抵抗Rとそれに対応する電池運用時間とから算出し、前記(式4)が成立する時期を推定することにより蓄電池22の寿命を推定する。具体的な算出例は後述する。
(劣化判定装置による効果)
劣化判定装置100は、(1)劣化判定用パラメータ取得部111により取得した、実際に使用している蓄電池22の仕様と、実際に使用した所定期間における蓄電池22の充放電挙動に係るデータに基づく基準、および(2)内部抵抗値算出部112により算出された充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗R、を用いて、前記(式3)および前記(式4)の少なくとも一方が成立するとき、蓄電池22が劣化しており、交換が必要であると判断する。そのため、劣化判定装置100によれば、適用用途または仕様が異なる蓄電池に対しても一律に蓄電池の交換の判断を行うための劣化判定を行うことができる。その結果、適切に蓄電池22の交換時期を把握し、適切な時期に蓄電池22の交換を行うことができる。
また、蓄電池22の劣化判定基準を簡易的に得ることが可能となる。さらに、第1蓄電池寿命推定部114および第2蓄電池寿命推定部115により、蓄電池22の寿命も推定することができる。
(劣化判断処理の一例)
図2~4を参照し、具体的な劣化判断処理の一例について説明する。図2は、後述する模擬充放電パターンにおける蓄電池22の入出力電力変化を示すグラフである。図2の横軸は試験時間を示し、縦軸は充放電された電力を示す。図2において、縦軸のプラス側が充電電力であり、マイナス側が放電電力である。図3は、後述する模擬充放電パターンにおけるSOCを示すグラフである。図3の横軸は試験時間を示し、縦軸はSOCを示す。
本劣化判断処理の例は、太陽光発電における発電出力データを用いて、出力変化率が太陽光発電定格出力の18%/分以下に収まるように、蓄電池22の充放電で、発電の出力電力の平滑化を行った場合のシミュレーション結果に基づく。本劣化判断処理の例では、当該シミュレーション結果をもとに1年間分のデータから代表的な充放電パターンである5日間を抽出し、1日の充電容量のみを合計した積算容量と、放電容量のみを合計した積算容量とが、ほぼ同じになるよう簡略化した模擬充放電パターンを作成した。当該5日分のパターンを年間の発生頻度に応じて組合せて、蓄電池22の模擬充放電パターンとした。また、蓄電池22として、定置用として適用されているリチウムイオン電池セルの充放電試験を25℃で実施した。
(劣化判定用パラメータ取得工程)
前述の模擬充放電パターンが年間の発生頻度に応じて繰り返されることで、太陽光発電出力平滑化が行われると想定し、所定期間を1年間とすると、模擬充放電パターンの充放電挙動から、蓄電池22の最大充電電力Pは、図2よりパターン1の452Wとなる。また、同じく図2より、蓄電池22の最大放電電力Pは、パターン1の452Wとなる。したがって、劣化判定用パラメータ取得部111は、データ記憶部120から、最大充電電力Pとして452W、最大放電電力Pとして452Wを取得する。
また、図3より、蓄電池22の最大のSOCはパターン1の44.4%、最小のSOCはパターン1の13.7%となる。これにより、劣化判定用パラメータ取得部111は、蓄電池22の特性に基づき、データ記憶部120から、SOC44.4%およびSOC13.7%に相当する電圧を、最大電圧Eおよび最小電圧Eとして取得する。劣化判定用パラメータ取得部111は、例えば、SOC44.4%に相当する最大電圧Eを3.86V、SOC13.7%に相当する最小電圧Eを3.57Vとして取得する。
また、劣化判定用パラメータ取得部111は、蓄電池22の仕様から、蓄電池22の上限電圧EMAXおよび下限電圧EMINを取得する。劣化判定用パラメータ取得部111は、例えば、蓄電池22の上限電圧EMAXを4.1V、下限電圧EMINを3.0Vとして取得する。
(内部抵抗値算出工程)
一方、内部抵抗値算出部112は、蓄電池をSOC50%に調整し、0.5Cに相当する電流値で10秒間の充電を行い、充電休止直前の電圧値をデータ記憶部120に記録する。また、十分な休止時間を設けた後に0.5Cに相当する電流値で10秒間の放電を行い、放電休止直前の電圧値をデータ記憶部120に記録する。その後、内部抵抗値算出部112は、十分な休止時間を設けて2Cに相当する電流値で同様の充放電を行い、充放電直前の電圧値をデータ記憶部120に記録する。内部抵抗値算出部112は、データ記憶部120に記録された電圧値と各Cレートに相当する電流値から、前記(式1)および前記(式2)に基づき、充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rを算出する。内部抵抗値算出部112は、例えば、充電内部抵抗Rを0.815mΩ、放電内部抵抗Rを0.879mΩと算出する。
(判定式成立性判断工程)
各算出結果により、EMAX-Eは0.24V、E-EMINは0.57Vと算出される。また、P/E×Rは0.095V、P/E×Rは0.111Vとなり、安全裕度として10%を考慮してαおよびβを1.1とした場合、前記(式3)および前記(式4)は成立しない。このため、本劣化判断処理の例では、判定式成立性判断部113により、蓄電池22は劣化しておらず、交換不要と判断される。
(寿命推定処理の一例)
図4を参照し、具体的な寿命推定処理の一例について説明する。蓄電池22の劣化傾向を把握するため、40℃の環境下で前記模擬充放電パターンによる長期試験を実施して、定期的に蓄電池22のSOC50%における充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rを測定した。その結果が図4であり、図4は、模擬充放電パターンでの40℃加速劣化試験における直流内部抵抗変化を示すグラフである。言い換えると、図4は、充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rの試験時間に対する依存性を示すグラフである。図4の横軸は試験時間を示し、縦軸は直流内部抵抗を示す。
図4より、約9400時間が経過した後の直流内部抵抗は、充電内部抵抗Rは0.960mΩ、放電内部抵抗Rは1.054mΩと算出される。このとき、P/E×Rは0.112V、P/E×Rは0.133Vとなり、安全裕度として10%を考慮してαおよびβを1.1とした場合、前記(式3)および(式4)は成立しない。このため、約9400時間が経過した後の時点では蓄電池22は劣化しておらず、交換不要と判断できる。
最大充電電力P、最大放電電力Pおよび最大電圧E、最小電圧Eが変化しないと仮定し、αおよびβを1.1とした場合に、前記(式3)が成立する時の充電内部抵抗Rは1.863mΩ、前記(式4)が成立する時の放電内部抵抗Rは4.093mΩとなる。劣化に伴う内部抵抗の増加が試験時間に比例すると仮定した時、電池の寿命は図4の充電内部抵抗の線形直線から、約65880時間と推定できる。65880時間は約7.5年に相当し、当該蓄電池22の寿命は7.5年となる。なお、より正確に寿命推定処理を行うには蓄電池22の容量低下に伴う最大電圧Eおよび最小電圧Eの変化等を考慮することが望ましい。
(変形例)
本発明の変形例について、図5および図6に基づき、以下に説明する。図5は、交流インピーダンス法での等価回路モデルの一例を示す図である。図6は、過渡応答解析法での等価回路モデルの一例を示す図である。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
内部抵抗値算出部112は、蓄電池22に交流電力を重畳させて測定されたインピーダンスの周波数依存性に基づいて、蓄電池22に係る図5に示す等価回路モデルをフィッティング解析し、得られた等価回路モデルにおける抵抗値を充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rの少なくともいずれか一方としてもよい。以下に具体例を示す。
蓄電池22をSOC50%に調整し、10kHzから5mHzの周波数で交流インピーダンス測定を実施して計測されたインピーダンスZの実部と虚部を、図7に示す。図7は交流インピーダンス法の測定結果の一例を示すグラフであり、縦軸はインピーダンスZの虚部ImZを示し、横軸はインピーダンスZの実部ReZを示す。本測定結果に対して、図5に示す等価回路でフィッティング解析を行った結果、各等価回路定数は下記で示される。
L:1.0819×10-7(H)
11:0.000436(Ω)
12:0.000049(Ω)
13:0.000028(Ω)
CPE:CPE指数p 1、CPE定数T 25.537
14:0.006388(Ω)
Wz:8.418×10-5(Ω)
CPE:CPE指数p 0.9921、CPE定数T 5.5793
ここで、図5において、R11はオーミック抵抗であり、R12およびR13は反応抵抗であり、CPEおよびCPEはコンデンサ代用の容量成分であり、Wは拡散抵抗である。また、Lは電極端子、ケーブルのリアクタンス成分であり、R14は電極端子、ケーブルの抵抗成分である。蓄電池22のオーミック抵抗R11を充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rとしてもよいし、反応抵抗を含めたR11+R12+R13を充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rとしてもよい。
また、内部抵抗値算出部112は、蓄電池22の充放電に伴う電流および電圧の変化を過渡応答特性に基づいて、蓄電池22に係る図6に示す過渡応答解析法での等価回路モデルをフィッティング解析し、得られた等価回路モデルにおける抵抗値を充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rの少なくともいずれか一方としてもよい。以下に具体例を示す。
蓄電池22をSOC50%に調整し、約1Cレートの電流値を含む任意のパターンで充放電させた時の電圧と電流の変化の過渡応答特性に基づいて、図6に示す等価回路モデルをフィッティング解析する。その結果から得られる各等価回路定数の一例を下記に示す。
:0.000582(Ω)
21:0.000223(Ω)
21:2.91×104(F)
22:0.00260(Ω)
22:4.58×104(F)
ここで、図6において、Rはオーミック抵抗であり、R21およびR22は反応抵抗であり、C21およびC22はコンデンサ容量成分である。また、Iは充放電電流、Vは実測電圧であり、Vは開回路電圧であり、V、VZO、VZ1、VZ2は分極電圧ある。
充放電電流Iが流れたとき、分極電圧VZ0、VZ1、VZ2と開回路電圧Vの合計値が実測電圧Vと最も一致性が高くなるよう、各等価回路定数がフィッティング解析により定められる。蓄電池のオーミック抵抗Rを充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rとしてもよいし、反応抵抗を含めたR+R21+R22を充電内部抵抗Rおよび放電内部抵抗Rとしてもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
劣化判定装置100の制御ブロック(特に、劣化判定用パラメータ取得部111、内部抵抗値算出部112、判定式成立性判断部113、第1蓄電池寿命推定部114、および第2蓄電池寿命推定部115)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、劣化判定装置100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10 発電システム
11 再生可能エネルギー発電用パワーコンディショナ
12 再生可能エネルギー発電装置
20 蓄電システム
21 蓄電池用パワーコンディショナ
22 蓄電池
100 劣化判定装置(判定装置)
111 劣化判定用パラメータ取得部
112 内部抵抗値算出部
113 判定式成立性判断部
114 第1蓄電池寿命推定部
115 第2蓄電池寿命推定部
120 データ記憶部
200 電力供給システム
202 電流計
203 電圧計
301 電力系統
MAX 上限電圧
MIN 下限電圧
最大充電電力
最大放電電力
最大電圧
最小電圧

Claims (8)

  1. 再生可能エネルギー発電システムにて発電される電力を蓄電する蓄電池を備え、電力系統に出力される電力の変化率が所定範囲になるように、前記蓄電池が充放電を繰り返して前記電力系統に出力される電力の出力変動を抑制する形式の蓄電システムに備わる前記蓄電池の劣化を判定するための判定装置であって、
    以下(式1)および(式2)に記載のEMAXおよびEMINを前記蓄電池の仕様から取得し、以下(式1)および(式2)に記載のE,E,PおよびPの値を、所定期間における前記蓄電池の充放電挙動に係るデータを記憶したデータ記憶部から取得する劣化判定用パラメータ取得部と、
    以下(式1)および(式2)に記載のRおよびRを算出する内部抵抗値算出部と、
    以下(式1)および(式2)の少なくとも一方が成立する場合に、前記蓄電池は劣化しており、以下(式1)および(式2)のいずれも成立しない場合は、前記蓄電池は劣化していないと判定する、判定式成立性判断部と、を備えていることを特徴とする判定装置。
    (式1)…EMAX-E≦α×P/E×R
    (式2)…E-EMIN≦β×P/E×R
    MAX:前記蓄電池の仕様として設定された上限電圧
    MIN:前記蓄電池の仕様として設定された下限電圧
    :所定期間において変化する前記蓄電池のSOC(State Of Charge)の中で最大のSOCに対応する、開回路電圧(Open Circuit Voltage)の最大値
    :所定期間において変化する前記蓄電池のSOCの中で最小のSOCに対応する、開回路電圧の最小値
    :所定期間において変化する前記蓄電池の充電電力の中での最大値
    :所定期間において変化する前記蓄電池の放電電力の中での最大値
    :前記蓄電池の充電時における内部抵抗値
    :前記蓄電池の放電時における内部抵抗値
    αおよびβ:安全裕度としての任意の値
  2. 前記内部抵抗値算出部は、以下(式3)および(式4)に記載のI,I,I,I,U,U,UおよびUを前記データ記憶部から取得し、以下(式3)に基づき前記Rを算出し、以下(式4)に基づき前記Rを算出することを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
    (式3)…(U-U)/(I-I
    (式4)…(U-U)/(I-I
    :前記蓄電池に対して、充放電が行われていない待機状態から、一定の電流値Iにより第1所定時間の充電を行い、当該充電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値
    :前記蓄電池に対して、充放電が行われていない待機状態から、前記電流値Iよりも大きな一定の電流値Iにより第1所定時間の充電を行い、当該充電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値
    :前記蓄電池に対して、充放電が行われていない待機状態から、一定の電流値Iにより第2所定時間の放電を行い、当該放電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値
    :前記蓄電池に対して、充放電が行われていない待機状態から、前記電流値Iよりも大きな一定の電流値Iにより第2所定時間の放電を行い、当該放電が終了する直前に電流値Iが通電されている状態で計測された蓄電池の電圧値
  3. 前記内部抵抗値算出部は、
    前記蓄電池に交流電力を重畳させて測定されたインピーダンスの周波数依存性に基づいて、前記蓄電池に係る等価回路モデルをフィッティング解析し、得られた等価回路モデルにおける抵抗値を、前記Rおよび前記Rの少なくともいずれか一方とすることを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
  4. 前記内部抵抗値算出部は、
    前記蓄電池の充放電に伴う電流および電圧の変化を過渡応答特性に基づいて、前記蓄電池に係る等価回路モデルをフィッティング解析し、得られた等価回路モデルにおける抵抗値を、前記Rおよび前記Rの少なくともいずれか一方とすることを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
  5. 前記Rの時間依存性を、前記Rとそれに対応する電池運用時間とから算出し、前記(式1)が成立する時期を推定する第1蓄電池寿命推定部を備えていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の判定装置。
  6. 前記Rの時間依存性を、前記Rとそれに対応する電池運用時間とから算出し、前記(式2)が成立する時期を推定する第2蓄電池寿命推定部を備えていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の判定装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の判定装置と、
    前記蓄電池の充放電時における電流値を測定し、測定された前記電流値を前記データ記憶部に記憶させる電流計と、
    前記蓄電池の充放電時における電圧値を測定し、測定された前記電圧値を前記データ記憶部に記憶させる電圧計と、
    前記蓄電池に接続される蓄電池用パワーコンディショナと、
    前記再生可能エネルギー発電システムにて電力を発電する再生可能エネルギー発電装置に接続される再生可能エネルギー発電用パワーコンディショナと、
    を備えることを特徴とする電力供給システム。
  8. 再生可能エネルギー発電システムにて発電される電力を蓄電する蓄電池を備え、電力系統に出力される電力の変化率が所定範囲になるように、前記蓄電池が充放電を繰り返して前記電力系統に出力される電力の出力変動を抑制する形式の蓄電システムに備わる前記蓄電池の劣化を判定するための判定方法であって、
    以下(式1)および(式2)に記載のEMAXおよびEMINを前記蓄電池の仕様から取得し、以下(式1)および(式2)に記載のE,E,PおよびPの値を、所定期間における前記蓄電池の充放電挙動に係るデータを記憶したデータ記憶部から取得する劣化判定用パラメータ取得工程と、
    以下(式1)および(式2)に記載のRおよびRを算出する内部抵抗値算出工程と、
    以下(式1)および(式2)の少なくとも一方が成立する場合に、前記蓄電池は劣化しており、以下(式1)および(式2)のいずれも成立しない場合は、前記蓄電池は劣化していないと判定する、判定式成立性判断工程と、を備えていることを特徴とする判定方法。
    (式1)…EMAX-E≦α×P/E×R
    (式2)…E-EMIN≦β×P/E×R
    MAX:前記蓄電池の仕様として設定された上限電圧
    MIN:前記蓄電池の仕様として設定された下限電圧
    :所定期間において変化する前記蓄電池のSOC(State Of Charge)の中で最大のSOCに対応する、開回路電圧(Open Circuit Voltage)の最大値
    :所定期間において変化する前記蓄電池のSOCの中で最小のSOCに対応する、開回路電圧の最小値
    :所定期間において変化する前記蓄電池の充電電力の中での最大値
    :所定期間において変化する前記蓄電池の放電電力の中での最大値
    :前記蓄電池の充電時における内部抵抗値
    :前記蓄電池の放電時における内部抵抗値
    αおよびβ:安全裕度としての任意の値
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