JP7172718B2 - オイルエア分配器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば鉄鋼の連続鋳造設備の回転軸を支承する多数の転がり軸受に、空気により潤滑油を分配搬送するオイルエア分配器に関する。
近年、鉄鋼の連続鋳造設備などにおいて、回転軸を支持する転がり軸受に給油を行う用途などでオイルエア潤滑方法が使用されている。オイルエア潤滑方法は、小径の配管内に潤滑油(オイル)を間欠供給するとともに、その配管に圧縮エアを連続的に供給して、転がり軸受等に向けて油滴状の油を圧縮エアで搬送する潤滑油供給方法である。オイルエア潤滑方法によると、複数の転がり軸受(以下、転がり軸受のように潤滑対象の装置を被潤滑装置という場合がある)に、それぞれ必要最小限の少量の潤滑油を供給できるので、潤滑油の消費量を削減することができる。また、配管内の油は、配管内を流れるエアによって内壁に沿って移動するため、オイルミスト潤滑に比べて潤滑油が大気中に放出されないので環境汚染がないといった利点がある。
潤滑油を分配搬送する装置として、特許文献1には、図6に示すようなオイルエア分配器80が開示されている。
このオイルエア分配器80は、第2給油孔81から流入したオイルエアが、空気の流れとともに複数の内筒側小孔82,82を通って、内筒83の外周に形成された凹溝84に向けて流動する。各凹溝84に、分岐通路85が連通している。こうして、第2給油孔81から流入したオイルエアが、複数(図6では4か所である)のオイルエア供給用配管86,86に分配されて、多数の転がり軸受に潤滑油が供給される。
特開平11-159697号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたオイルエア分配器80では、オイルエア中の潤滑油は、内筒83の壁面に沿って第2給油孔81の側から底部に向かって流動するため、第2給油孔81に最も近い内筒側小孔82には、第2給油孔81から供給された多量の潤滑油の一部が分配されて流動し、次に第2給油孔81に近い内筒側小孔82には、多量の潤滑油の残りの潤滑油の一部が分配されて流動することになる。このように、第2給油孔81から離れた内筒側小孔82ほど分配される潤滑油量が少なくなり、第2給油孔81に近い内筒側小孔82の方が、第2給油孔81から離れた内筒側小孔82より多量の潤滑油が流動する。このため、各オイルエア供給用配管86を通して各被潤滑装置に分配される潤滑油量(分配油量)のばらつきが大きくなるという問題がある。
そこで、内筒側小孔82,82の軸方向の位置の違いによる分配油量のばらつきを低減する方策として、内筒83の軸方向の同一箇所で、周方向の全周にわたって複数の内筒側小孔82,82を形成することが考えられる。
しかしながら、第1給油孔87の内周に付着した潤滑油は、重力の影響によって、第1給油孔87の鉛直方向上方より下方の方が流動する量が大きくなる。このため、内筒83の下方に形成した内筒側小孔82,82の方が、上方に形成した内筒側小孔82,82より多量の潤滑油が流動するので、依然として、分配油量のばらつきが生じてしまう。更に、オイルエア供給用配管86,86が、オイルエア分配器80の外周から径方向の全方向に向けて設置されることとなる為、配管の設置範囲が広がり、配管を設置する作業工数が増大するばかりでなく、使用する配管の量が増大するため、オイルエア分配器を設置するコストが増大するという問題がある。
そこで、本発明は、各被潤滑装置に分配される潤滑油量のばらつきを低減するとともに、各オイルエア供給用配管をコンパクトに配置することによって、設置のためのコストを低減したオイルエア分配器を提供することを目的としている。
本発明は、オイルエアが流入する流入通路と、流入した前記オイルエアを複数の被潤滑装置に分配する分配部材と、を備えたオイルエア分配器において、前記分配部材は、外周が前記流入通路の下流側内周に液密に嵌め合わされており、前記分配部材には、それぞれ前記流入通路に連通し前記分配部材の中心軸の回りで周方向に等間隔に配置された2の倍数の分岐流路と、前記中心軸を挟んで径方向に対向する前記分岐流路を互いに連通する連通通路と、が形成されており、径方向に対向する前記分岐流路の前記オイルエアが合流して前記被潤滑装置に供給されることを特徴としている。
本発明によると、各被潤滑装置に分配される潤滑油量のばらつきを低減することができる。更に、各オイルエア供給用配管をコンパクトに配置することができるので、オイルエア分配器を設置するためのコストを低減することができる。
本発明の一実施形態であるオイルエア分配器の断面図である。 図1のX-Xの位置で矢印の向きに見たオイルエア分配器の断面図である。 図3(a)は、テーパブロックの正面図で、図3(b)は、図3(a)の矢印Yの向きの断面図である。 第2流入通路を流動するオイル及びエアの状態を示す模式図である。 図4のZ-Zの位置で矢印の向きに見た模式図である。 従来のオイルエア分配器の断面図である。
本発明の実施形態を、図を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)であるオイルエア分配器10の断面図である。図2は、オイルエア分配器10を、図1のX-Xの位置で矢印の向きに見た断面図である。
オイルエア分配器10は、例えば、鉄鋼の連続鋳造設備のように多数の回転軸を有する設備において、その回転軸を支持する多数の転がり軸受(被潤滑装置)に、潤滑油(オイル)をオイルエアとして分配搬送する用途に使用される。
本実施形態のオイルエア分配器10は、金属製のブロック状の形態であって、本体部11とアタッチメントフランジ12とが組み合わされて、中心軸mを略水平方向に合わせて配設されている。アタッチメントフランジ12は、本体部11の軸方向一方側(図1の左側である)に、図示しないボルトによって固定されている。
本体部11の中央に、一の流入通路15と、分配部材としてのテーパブロック25と、複数の流出通路20と、が配置されている。流入通路15とテーパブロック25とが水平方向に一列に配置されており、流出通路20はテーパブロック25が組み込まれた位置から鉛直方向に配置されている。
オイルエアは、オイルエア分配器10の上流側に設置された潤滑油供給装置(図示を省略)から供給されて、流入通路15に流入している。その後、流入したオイルエアがテーパブロック25によって分配され、複数の流出通路20を通って各被潤滑装置に向けて分配供給されている。このように、図1のオイルエア分配器10では、オイルエアは軸方向一方側から軸方向他方側に向けて流動している。このため、以下の説明では、図の左側を軸方向一方側又は上流側といい、図の右側を軸方向他方側又は下流側という場合がある。また、図1の流入通路15の中心軸を中心軸mとして、中心軸mの方向を軸方向といい、中心軸mと直交する方向を径方向、中心軸mの周りを周回する方向を周方向という。
流入通路15は、第1流入通路17と、絞り部18と、第2流入通路19と、を備えている。第1流入通路17は、中心軸mと同軸の円筒形状の孔で、本体部11の軸方向一方側に開口している。第1流入通路17には、アタッチメントフランジ12に形成された軸方向に貫通する孔14が連通している。潤滑油供給装置につながる配管(図示を省略)が、配管用雌ねじ13に接続されて、潤滑油供給装置から供給されたオイルエアが、圧縮エアとともに第1流入通路17に流入している。
絞り部18は、第1流入通路17と第2流入通路19との間に形成されている。絞り部18は、中心軸mと同軸に形成された円筒形状の小径の孔であり、その直径は、概ね1~2mm程度である。
第2流入通路19は、中心軸mと同軸で軸方向に延在する略円筒形状の孔である。第2流入通路19は、内壁面としてオイル搬送面21とテーパブロック嵌合面22とを備えている。
オイル搬送面21は、中心軸mと同軸の円筒面である。内径は、絞り部18の内径より大きく、概ね8~10mm程度である。テーパブロック嵌合面22は、オイル搬送面21の下流側に形成されており、軸方向他方側(下流側)に進むに従って拡径する円錐面で形成されている。テーパブロック嵌合面22の小径側の内径は、オイル搬送面21の内径と同一である。
絞り部18は、第2流入通路19の上流側の端部に開口している。第1流入通路17に流入したオイルエアは、絞り部18から噴射されて、第2流入通路19に流入している。
次に、図3によって、テーパブロック25について説明する。図3は、テーパブロック25単体の形状を示しており、図3(a)は、テーパブロック25の中心軸nの方向に見た正面図であって、図3(b)は、図3(a)の矢印Yの向きに見た断面図である。図3(b)は、図1におけるテーパブロック25の向きと同様であり、左側を軸方向一方とし、右側を軸方向他方とする。テーパブロック25は、テーパブロック嵌合面22の内周に組み付けられて、第2流入通路19に流入したオイルエアを複数の流出通路20に分配している(図1参照)。
テーパブロック25は、外周に円錐外周面26を備えている。円錐外周面26は、中心軸nを軸とする円錐面で形成されており、軸方向他方側に進むにしたがって拡径している。中心軸nに対する円錐外周面26の母線の傾斜角は、中心軸mに対するテーパブロック嵌合面22の母線の傾斜角と等しい。
小端面27が、円錐外周面26の小径側(図3(b)の軸方向一方側である)の端部に、中心軸nと直交する向きに形成されており、大端面28が、円錐外周面26の大径側(図3(b)の軸方向他方側である)の端部に、中心軸nと直交する向きに形成されている。大端面28のほぼ中央に、軸方向他方側に突出する凸部29が形成されている。凸部29の外径は、大端面28の外径より小径である。
テーパブロック25の外周には、オイルエアが流動するための分岐流路32が、複数形成されている。分岐流路32は、軸方向に延在する溝であって、円錐外周面26の周方向に、等しい間隔で設けられている。本実施形態では、分岐流路32の数は8であり、各分岐流路32は、周方向に45°の間隔で配置されている。
各分岐流路32は、周方向に対向する側面33,33と、側面33,33を径方向内方で周方向につなぐ底面34とで画定される。各分岐流路32は、小端面27から軸方向他方側に、円錐外周面26の軸方向中央の位置を超える程度に形成されている。底面34は、中心軸nと平行に形成されており、分岐流路32の深さは、軸方向他方側に進むにしたがって深くなっている。
こうして、分岐流路32は、軸方向一方側で小端面27に開口するとともに径方向外方で円錐外周面26に開口している。なお、分岐流路32は、大端面28に開口しない。
なお、各分岐流路32を個別に説明するときは、a,b等の符号をつけて、分岐流路32a,分岐流路32b・・・という場合がある。
各分岐流路32は、中心軸nを挟んで径方向に対向する二つの分岐流路32,32が、互いに連通通路36でつながっている。具体的には、図3(a)に示すように、分岐流路32aと32e、32bと32f、32cと32g、32dと32hが、それぞれ別々の連通通路36A,36B,36C,36Dでつながっている。
各連通通路36は、内径が分岐流路32の幅wと同等の大きさの円筒形状の孔であって、その中心軸は、中心軸nと直交し、連通する各分岐流路32の底面34の周方向のほぼ中央を通る向きに形成されている。また、図3(b)に示すように、各連通通路36A~36Dは、互いに軸方向にずれた位置に形成されており、互いに重ならない。
このように、中心軸nを挟んで径方向に対向する二つの分岐流路32、32が連通通路36でつながって、互いに連通する「一組の流路37」が、形成されている。一のテーパブロック25の分岐流路32の数は、2の倍数(2、4、6、8・・・等)となっており、一組の流路37の数は、分岐流路32の半分の数(本実施形態では4である)となる。
図1と図2によって、流出通路20について説明する。
本実施形態では、図2に示すように、流出通路20が4本形成されている。各流出通路20は、径方向内方でテーパブロック嵌合面22に開口する流出孔38と、その径方向外方にそれぞれ設けられた配管用雌ねじ39とで形成される。図1に示すように、各流出孔38は、テーパブロック嵌合面22の軸方向のほぼ中央に開口しており、それぞれ、分岐流路32と連通している。
4本の流出通路20は、中心軸mより鉛直方向上方で、互いに周方向に45°離れて中心軸mから放射状に形成されている。一方、二つの分岐流路32と連通通路36とで形成される一組の流路37が、周方向に45°ずつずれた位置に形成されているので、4本の流出孔38は、それぞれ別々の一組の流路37と連通している。すなわち、第1の流出孔381は分岐流路32bと32fの組に連通し、第2の流出孔382は分岐流路32aと32eの組に連通し、第3の流出孔383は分岐流路32hと32dの組に連通し、第4の流出孔384は分岐流路32gと32cの組に連通している。
テーパブロック25を組み付けるときには、中心軸mの周りでテーパブロック25を回転させて、分岐流路32と流出通路20とが互いに連通するように組み合わせる。
本実施形態では、4つの流出通路20が、周方向に45°の間隔で並んで配置されているので、分岐流路32の一つが、任意の流出孔38と連通する位置に組み込まれると、テーパブロック25の位相に関わらず、各流出通路20が、それぞれ別々の一組の流路37と連通する。
また、分岐流路32は、テーパブロック25の小端面27からテーパブロック嵌合面22の軸方向中央より軸方向他方側に寄った位置まで形成されているので、分岐流路32と流出孔38は、軸方向で重なる位置に形成されている。したがって、テーパブロック25の軸方向の位置ずれに留意する必要がない。
こうして、本実施形態のオイルエア分配器10では、分岐流路32と流出孔38の周方向の位相を合わせるだけで、分岐流路32と流出通路20を互いに連通させることができるので、組付けの作業性が良好である。
更に、本実施形態のオイルエア分配器10では、テーパブロック嵌合面22とテーパブロック25との合わせ面が円錐面で形成されているので、分岐流路32と流出孔38との周方向の位置を合わせる組付け作業が極めて容易である。
オイルエア分配器10では、円錐外周面26とテーパブロック嵌合面22を軸方向に軽く接触させた状態で、テーパブロック25を中心軸mの周りで回転させることが出来る。これにより、流出孔38と分岐流路32の位相を容易に合わせることが出来る。
本実施形態では、図1に示したように、テーパブロック嵌合面22より軸方向他方側に、雌ねじ42が中心軸mと同軸に形成されており、プラグ43が螺合されている。プラグ43は、軸方向一方側の端面が、テーパブロック25の大端面28に形成された凸部29と軸方向に当接している。
流出孔38と分岐流路32の位相を合わせた状態で、プラグ43をねじ込むことによって、テーパブロック25を軸方向一方に向けて付勢して、テーパブロック25の円錐外周面26とテーパブロック嵌合面22とを密着させることができる。
仮に、テーパブロック嵌合面22及びテーパブロック25の外周面がいずれも中心軸mと平行な円筒面であって、互いに径方向のしめしろをもって嵌め合わされていると仮定した場合には、テーパブロック25を圧入する過程で周方向に位置ずれすると、テーパブロック25を抜いて再度組み直さなければならない。若しくは、あらかじめ位置ずれを防止するために、軸方向にすべりキーなどの案内部材を組み込む必要がある。いずれの方策をとったとしても、再組み立てのために大きな工数が必要になったり、すべりキーを加工するために費用がかかるので、オイルエア分配器10の製造コストが上昇する。
こうして、本実施形態のオイルエア分配器10では、新たに位置合わせのための案内部材を組み込む必要がなく、再組み立ての工数を削減して製造コストを低減することができる。
次に、図1並びに図4、図5によって、本実施形態のオイルエア分配器10の作用について説明する。
図4は、第2流入通路19を流動するオイル及びエアの状態を示す模式図であって、図5の矢印P-Pの向きに見た断面図である。図5は、図4のZ-Zの位置で中心軸mと直交する向きの断面を矢印Zの向きに見た模式図である。図5では、オイル搬送面21の内周に付着した潤滑油の厚さが周方向で異なる様子を示すとともに、分岐流路32の周方向の位相を示している。図5における分岐流路32の周方向の位置は、図2と同様であり、各分岐流路32は、それぞれ図示を省略した流出通路20と連通している。
図1のオイルエア分配器10の上流には、図示しない潤滑油供給装置が設置されており、下流には転がり軸受などの被潤滑装置が設置されている。潤滑油供給装置で供給されたオイルエアは、オイルエア分配器10の流入通路15に流入した後、図4に矢印で示すように、分岐流路32、又は、分岐流路32と連通通路36を通って、流出通路20から各被潤滑装置に向けて流れている。
流入通路15には絞り部18が設けられている(図1参照)。絞り部18の孔径が小さいため、絞り部18を通過するときのオイルエアの流速が早くなり、第2流入通路19内には乱流Eとなって噴射される(図4参照)。このため、オイルエア中に分散している油滴状の潤滑油が撹拌され、第2流入通路19の内壁23に衝突する。オイルエア潤滑で使用される潤滑油は比較的粘度が高く、概ね#400程度である。このため、内壁23に衝突した潤滑油はそのまま内壁23に付着し、第2流入通路19の内周に潤滑油の層(油層45)が形成される(図5参照)。
オイルエアは、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって流れているため、内壁23に付着した潤滑油は、流れる空気との摩擦によって軸方向他方側に向けて、毎秒1センチメートル程度のゆっくりした速度で移動する。こうして、オイルエア中の潤滑油は、内壁23に沿って、下流側に設置されたテーパブロック25に向けて搬送される。
一方、流入通路15が水平方向に設置されている場合には、第2流入通路19の内壁23に付着した潤滑油は、重力によって鉛直方向下方に移動する。このため、図5に示すように、第2流入通路19内を流動するときの油層45は、鉛直方向上方の厚さh1が、鉛直方向下方の厚さh2より小さくなっている。
このため、分岐流路32に流入する潤滑油の量は、分岐流路32の周方向の位置によって差が生じる。すなわち、鉛直方向上方の分岐流路32には、鉛直方向下方の分岐流路32に比べて少量の潤滑油が流入するようになる。
本実施形態では、連通通路36を設けて、中心軸mを挟んで互いに径方向に対向する流入量が少ない分岐流路32と流入量が多い分岐流路32とを連通している。これによって、潤滑油量の多寡を相互に補って、それぞれの流出通路20に配分される潤滑油の量のばらつきが小さくなるようにしている。
図4、図5によって具体的に説明する。図4では、一例として、分岐流路32aと32e及びこれらを連通する連通通路36Aにおけるオイルエアの流れを示している。
図5から分かるように、分岐流路32aは、鉛直方向上方に位置するため、流入する潤滑油量が少ない。一方、分岐流路32eは、鉛直方向下方に位置するため流入する潤滑油量が多い。
本実施形態では、分岐流路32aと32eとが連通通路36Aでつながっている。このため、分岐流路32aに流入した潤滑油と分岐流路32eに流入した潤滑油とが合流して、流出通路20に流出する。
同様にして、分岐流路32bと32f、32cと32g、32dと32hのそれぞれの組では、各組ごとに二つの分岐流路32に流入した潤滑油が合流して、各流出通路20に流出する。
図5から分かるように、内壁23に付着した潤滑油では、鉛直方向上方の潤滑油量が減少した分、鉛直方向下方の潤滑油量が増加している。したがって、内壁23における油層45の平均厚さをtとし、鉛直方向上方の厚さの減少分をδとすると、鉛直方向上方の油層45の厚さh1は(t-δ)で、鉛直方向下方の油層45の厚さh2は(t+δ)と考えられる。また、水平方向では、油層45の厚さは互いに等しく、ほぼ平均厚さtと同等であると考えられる。
したがって、径方向で対向する油層45の厚さの合計は、周方向の向きにかかわらず、ほぼt×2であり、分岐流路32aと32e、分岐流路32bと32f、分岐流路32cと32g、分岐流路32dと32hの各組から流出する潤滑油量は互いにほぼ等しくなる。こうして、本実施形態のオイルエア分配器10は、各流出通路20に均等に潤滑油を配分することができる。
また、テーパブロック25の円錐外周面26とテーパブロック嵌合面22は、それぞれ中心軸m、中心軸nに対する母線の傾きが同一の円錐面で形成されている。このため、テーパブロック25がテーパブロック嵌合面22の内周に組み込まれたときには、中心軸mと中心軸nとが一致して円錐外周面26とテーパブロック嵌合面22とが全面で密着している。本実施形態では、プラグ43を締め付けることによって、テーパブロック25が軸方向に付勢されるので、更に確実に密着している。
これにより、テーパブロック25は、テーパブロック嵌合面22の内周に液密に嵌め合わされており、各分岐流路32を流動する潤滑油が、合わせ面を通って周方向に隣り合う分岐流路32に流出するのを抑制できる。このため、テーパブロック25で均等に配分された潤滑油を、それぞれ別々の被潤滑装置に確実に搬送することができる。
以上説明したように、本実施形態のオイルエア分配器10は、コンパクトな構成で潤滑油を正確に分配することができる。
特に、従来の分配器では、軸方向に位置ずれした位置で分配されることによって潤滑油量のばらつきが生じていたのに対し、本実施形態では、軸方向の同じ位置で分配するため、潤滑油量のばらつきを低減することができる。更に、重力の影響を受けて、第2流入通路19の内壁23で、油層45の厚さの周方向のばらつきが生じる場合であっても、オイルエア分配器10の内部で、流量が小さい分岐流路32と流量が大きい分岐流路32とをつなぐことによって、各流出通路20に分配される潤滑油量のばらつきを小さくすることができる。
このように、本実施形態のオイルエア分配器10では複雑な配管を必要としないので、配管の設置範囲をコンパクトにすることができる。この結果、配管の使用量を削減して配管を設置する作業工数を低減し、オイルエア潤滑設備を設置するコストを低減することができる。
なお、連続鋳造設備では、潤滑対象としての転がり軸受の数は、1500箇所に及ぶ場合がある。このように多数の被潤滑装置に潤滑油を供給するときには、複数のオイルエア分配器10を階層的に組み合せて、上位の階層にあるオイルエア分配器10で、数本の流路に分配した後、各流路に分配された潤滑油を、それぞれ次の階層のオイルエア分配器10に搬送して、更に複数の流路に分配している。こうして、多数の被潤滑装置に、ばらつきの小さい少量の潤滑油を供給することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
例えば、本実施形態では、テーパブロック25に8本の分岐流路32が設けられており、4つの流出通路20が形成されているが、テーパブロック25に形成される分岐流路32の数を増減することによって、流出通路20の本数並びにその周方向の間隔を増減することができる。また、流出通路20は、必ずしも中心軸mより上方に形成される必要はなく、被潤滑装置の配置によって、適宜、中心軸mより下方から流出するように配置してもよい。
10:オイルエア分配器、11:本体部、12:アタッチメントフランジ、15:流入通路、17:第1流入通路、18:絞り部、19:第2流入通路、20:流出通路、21:オイル搬送面、22:テーパブロック嵌合面、25:テーパブロック(分配部材)、26:円錐外周面、27:小端面、28:大端面、32:分岐流路、33:側面、34:底面、36:連通通路、38:流出孔、43:プラグ、45:油層

Claims (4)

  1. オイルエアが流入する流入通路と、
    流入した前記オイルエアを複数の被潤滑装置に分配する分配部材と、を備えたオイルエア分配器において、
    前記分配部材は、外周が前記流入通路の下流側内周に液密に嵌め合わされており、
    前記分配部材には、それぞれ前記流入通路に連通し前記分配部材の中心軸の回りで周方向に等間隔に配置された2の倍数の分岐流路と、前記中心軸を挟んで径方向に対向する前記分岐流路を互いに連通する連通通路と、が形成されており、
    径方向に対向する前記分岐流路の前記オイルエアが合流して前記被潤滑装置に供給されることを特徴とするオイルエア分配器。
  2. 前記分岐流路は、互いに周方向に対向する二の側面と前記二の側面を径方向内方でつなぐ底面とで画定される溝であって、軸方向に延在するとともに前記分配部材の外周に開口することを特徴とする請求項1に記載するオイルエア分配器。
  3. 前記連通通路は、前記中心軸と直交する向きに形成された孔であって、複数形成されたときには、軸方向に互に位置ずれした位置に形成されていることを特徴とする請求項2に記載するオイルエア分配器。
  4. 前記分配部材の外周及び前記分配部材が嵌め合わされる前記流入通路の内周が、前記中心軸を軸とする円錐面で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載するオイルエア分配器。
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