以下、添付図面を参照して、実施形態に係る粉体排出装置を説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺は変更されている場合がある。
図1は、第1実施形態に係る粉体排出装置の第一の位置を示す概略図であり、図2~図4は、移動中の弁体を示す図1の粉体排出装置の概略図であり、図5は、完全に開放されたシュートを示す図1の粉体排出装置の概略図である。図1を参照して、粉体排出装置(ダンパー装置とも称され得る)100は、粉体排出装置100が配置された設備から、粉体Gを排出するために用いられる。粉体排出装置100は、例えば、製鉄工場における焼結機のダクト、プレダスターの下部、集塵機のダスト排出部、電気集塵機のダスト排出部、サイクロン、及び、焼結冷却床の下部等に配置されることができる。粉体排出装置100が配置される設備は、これらに限定されない。粉体排出装置100が焼結機のダクトに配置される場合、粉体Gは、例えば、粉状の焼結鉱等であり得る。焼結機では、複数(例えば2機)の粉体排出装置100が、鉛直方向に沿って配置される。粉体排出装置100は、本体110と、シュート120と、弁体130と、を備えている。
本体110は、粉体Gを通過させるように構成されており、中空形状を有している。本体110の下部又は下端部には、粉体Gを外部又は後工程等に排出するための排出口111が設けられている。本体110の側壁には、扉112が設けられている。扉112は、作業者が粉体排出装置100の内部の構成要素をメンテナンスすることを可能にする。
シュート120は、粉体Gを受け入れ、且つ、粉体Gを通過させる。シュート120は、本体110の上部又は上端部に設けられている。シュート120は、本実施形態では、ボルトB1によって本体110に締結されているが、シュート120は、溶接等の他の固定手段によって本体110に締結されてもよいし、又は、本体110と一体に形成されていてもよい。
シュート120は、概ね筒状であり、上部のシュート入口(不図示)と、下部のシュート出口122と、を有している。シュート120は、後述する蓋部140がシュート120の内部で所定の経路に沿って移動できるように、蓋部140の形状に対応する内部形状を有している。具体的には、シュート120は、概ね円筒状の部分121を有している。部分121は、後述する弁体130の円弧状の経路R(すなわち、蓋部140の経路)に沿って中心軸が曲げられた円筒に相当する形状を有しており、円弧状の経路Rに沿う内部形状を有している。別の観点では、部分121は、中空のドーナツ状の物体(円環体又はトーラスとも称される)から、円周方向において鋭角の部分が得られるようにカットされた切片に相当する形状を有している。部分121は、蓋部140の形状に応じて、円弧状の経路Rに沿って曲げられた角筒(例えば、四角筒等)に相当する形状を有していてもよい。
部分121の下縁は、シュート出口122を画定している。シュート出口122は、円弧状の経路Rに対して垂直な平面内に位置している。なお、「経路に対して垂直な平面」とは、本開示において、経路上の任意の点に対する平面であることができる。したがって、「経路に対して垂直な平面」との用語が、例えば、移動する弁体上の構成要素に対して基準として用いられる場合、「経路に対して垂直な平面」の位置は、構成要素の経路上の位置に応じて変わり得ることが、正しく理解されよう。
シュート120には、後述するシール部150のシール面151と係合するための封止部材123が取り付けられている。具体的には、封止部材123は、シュート出口122を画定する部分121の下縁から外側に延在した鍔部124に取り付けられている。封止部材123は、例えばOリング等であり得る。
弁体130は、シュート出口122を塞ぐ第一の位置P1と、シュート出口122を開放する第二の位置P2(本説明においては、図5に示される位置)との間を、所定の中心C周りに円弧状の経路Rに沿って移動可能である。図1を参照して、弁体130は、粉体Gを受ける蓋部140と、シュート出口122を塞ぐシール部150と、蓋部140及びシール部150を支持するアーム部160と、を有している。
蓋部140は、シュート120の内部に挿入されて粉体Gを受ける蓋面141を含む。具体的には、蓋部140は、第一の位置P1において、蓋面141を含む蓋部140の全体がシュート120の内部に挿入可能なように、構成されている。蓋部140と、シュート120との間には、隙間があってもよい。蓋部140は、本実施形態では、円弧状の経路Rに沿って中心軸が曲げられた円柱から、円弧状の経路Rの半径方向において外側の部分が取り除かれるように、円柱の側面の一方側から反対の他方側までカットされた切片に相当する形状を有している。カット面が、蓋面141に相当する。別の観点では、蓋部140は、中実のドーナツ状の物体から、円周方向において鋭角の部分が得られるようにカットされた第一の切片から、さらに、半径方向において外側の部分が取り除かれるように、内周側から外周側までカットされた第二の切片に相当する形状を有している。第二の切片のカット面が、蓋面141に相当する。蓋部140は、円弧状の経路Rに沿う他の形状(例えば、角筒状)を有していてもよい。
蓋面141は、上方を向いており、粉体案内面を有している。本実施形態では、蓋面141の全体が、粉体案内面として形成されている。具体的には、蓋面141は、円弧状の経路Rに対して垂直な平面に対して、中心Cから最も遠い蓋面141の縁部142から上方に向かって傾斜されている。このような設計によって、図3に示されるように、蓋面141がシュート出口122を通してシュート120の外部に現れる際に、蓋面141は、シュート出口122に対して傾斜する。したがって、蓋面141は、縁部142から、シュート120の外部に徐々に現れる。このため、シュート出口122が、中心Cから最も遠い部分から徐々に開放される。さらに、蓋面141には、例えば、円弧状の経路Rの中心Cに最も近い蓋面141の縁部143から、縁部142に向かう方向に沿って、案内溝(不図示)が形成されていてもよい。
図1を再び参照して、蓋部140の側面には、蓋部140とシュート120の内面との間に挿入され、粉体Gの漏れを防止するブラシ170が取り付けられている。具体的には、ブラシ170は、弁体130の移動方向(円弧状の経路Rに沿う方向)において、シール面151に対して離間するように、蓋部140の側面に取り付けられている。ブラシ170は、本実施形態では、円環状を有している。ブラシ170は、蓋部140の側面の形状に応じて、四角環状等の多角環状を有していてもよい。ブラシ170は、円環の半径方向外側に向かって延びる複数の繊維材を有している。複数の繊維材は、円環の軸方向にある程度の高さを有する束として構成されており、半径方向内側の部分で束ねられている。複数の繊維材は、粉体Gを通さない密度で束ねられている。蓋部140は、例えば、円弧状の経路Rに対して垂直な平面に沿って分割された上部144及び下部145を有していてもよく、ブラシ170は、上部144と下部145とによって挟まれてもよい。この場合、上部144と下部145とは、例えば、ボルトB2によって互いに固定されてもよい。ブラシ170は、他の方法によって蓋部140に取り付けられてよい。ブラシ170は、例えば、粉体Gが焼結鉱等の硬い粉体である場合には、例えばステンレス等によって製造され得る。ブラシ170は、粉体Gの種類等に応じて、他の金属又はプラスチック等によって製造されてもよい。
シール部150は、シュート出口122を塞ぐシール面151を含む。具体的には、シール部150は、例えば、平板部152と、支持部153と、を有してもよい。平板部152は、概ね円板状であり、上面がシール面151に相当する。平板部152は、シュート出口122の形状に応じて、四角形状等の多角形状であってもよい。シール面151は、円弧状の経路Rに対して垂直な平面内に位置している。支持部153は、例えば、平板部152から上方に向かって突出しており、蓋部140を支持している。支持部153は、例えば、円柱状又は多角柱状であってもよい。
図3に示されるように、蓋面141とシール面151とは、シュート出口122を通して粉体Gが落下するときに、粉体Gの流れがシール面151に衝突しないように、弁体130の移動方向において互いに離間している。具体的には、本実施形態では、蓋面141とシール面151とは、円弧状の経路Rに沿う方向において互いに離間している。より具体的には、縁部142及び中心Cを結ぶ線と、シール面151と、の間の角度αが、粉体Gの流れがシール面151に衝突しないような値(例えば、約5度)に設定されている。
図1を再び参照して、アーム部160は、中心Cから延在しており、中心C周りに回動するように構成されている。アーム部160の一端は、中心Cに枢動可能に固定されており、アーム部160の他端は、自由端であり、シール部150に連結されている。アーム部160によって、蓋部140及びシール部150は、互いに同期して移動させられる。アーム部160は、例えば、エアシリンダによって駆動されてもよいし、又は、油圧シリンダ若しくはモータ等の他の駆動手段によって駆動されてもよい。
蓋部140、シール部150及びアーム部160は、例えば、鋳造等によって製造されてもよいし、及び/又は、機械加工等の他の加工方法によって製造されてもよい。蓋部140、シール部150及びアーム部160は、粉体Gの種類等の様々な要因に応じて、例えば、鋳鉄若しくは他の金属又は非金属材料等によって製造されてもよい。蓋部140及びシール部150は、一体に形成されてもよいし、又は、別個に形成された後にボルト又は溶接等によって連結されてもよい。また、シール部150及びアーム部160も、一体に形成されていてもよいし、又は、別個に形成された後にボルト又は溶接等によって連結されてもよい。
次に、粉体排出装置100の動作について説明する。
弁体130は、図1に示される第一の位置P1から、図5に示される第二の位置P2に向かって移動する。図2では、蓋面141の縁部142は、いまだシュート120の内部に位置しており、シュート120の外部に現れていない。この段階では、シール面151はシュート出口122から離間しており、シール部150がシュート出口122を開放しているものの、シュート120と蓋部140との間からの粉体Gの漏れが、ブラシ170によって防止されている。
図3では、弁体130が移動するにつれて、蓋面141の縁部142が、シュート出口122を通してシュート120の外部に現れている。しかしながら、蓋面141が縁部142からシュート120の外部に徐々に現れるように構成されているため、蓋面141の大部分はシュート120の内部に位置しており、蓋面141とシュート出口122との間の隙間は、縁部142付近にのみ限られて形成されている。蓋面141に案内溝が形成されている場合には、蓋面141とシュート出口122との間の隙間は、さらに限られて形成され得る。この限られた隙間、蓋面141とシール面151との間の距離、及び、蓋面141のシュート出口122に対する傾斜によって、粉体Gの流れは、シール面151に衝突しないように制御されている。なお、粉体Gの流れから逸脱して本体110内に飛散した粉体Gが、シール面151に触れるかもしれないが、このような粉体Gは、シール面151の磨耗に大きく影響しない。また、蓋面141の大部分はシュート120の内部に位置しているため、縁部142付近以外の場所からの粉体Gの漏れが防止されている。さらに、封止部材123がシュート120に取り付けられているため、粉体Gの流れは、封止部材123に衝突しない。
図4では、弁体130がさらに移動するにつれて、蓋面141の大部分が、シュート出口122を通してシュート120の外部に現れている。粉体Gは、シュート出口122から引き続き排出されている。本実施形態では、蓋面141の全体が粉体案内面として形成されているため、中心Cに最も近い蓋面141の縁部143が、いまだシュート120の内部に位置している。これによって、粉体Gが図示されている位置よりも高い位置(縁部143よりも高い位置)に残っている場合にも、縁部143とシュート120の内面との間の隙間からの粉体Gの漏れが低減され得る。
図5では、弁体130は、第二の位置P2に位置している。蓋面141を含む蓋部140の全体が、シュート出口122を通してシュート120の外部に現れている。粉体Gが、完全にシュート120から排出されている。なお、弁体130は、扉112が開けられているときに弁体130の全体又は一部が本体110の外部に現れるように、第二の位置P2からさらに移動可能であってもよい。この場合、作業者が、粉体排出装置100の内部の構成要素、例えば、ブラシ170、蓋部140及びシール部150を容易にメンテナンスすることができる。なお、本実施形態では、第二の位置P2は、弁体130がシュート出口122を完全に開放する図5に示される位置として説明されているが、第二の位置P2は、弁体130がシュート出口122を部分的又は完全に開放する任意の位置であることができ、図5に示される位置に限定されないことが、正しく理解されよう。例えば、第二の位置P2は、弁体130がシュート出口122を部分的に開放する図3及び図4に示される位置であってもよい。つまり、弁体130がシュート出口122を完全には開放しないような構成も、本開示の範囲に含まれることが意図されている。
弁体130がシュート出口122を閉じるときには、弁体130は、第二の位置P2から第一の位置P1に向かって移動する。粉体排出装置100では、蓋部140の側面にブラシ170が取り付けられているため、シール面151がシュート出口122を閉じる前に、図2に示される位置において、ブラシ170が蓋部140とシュート120の内面との間に挿入される。したがって、シュート120の内部に粉体Gが残っている場合であっても、ブラシ170が粉体Gの漏れを防止するため、シュート出口122とシール面151との間に粉体Gが挟まることが防止される。
以上のような粉体排出装置100では、弁体130が、粉体Gを受ける蓋面141を含む、蓋部140と、シュート出口122を塞ぐシール面151を含む、シール部150と、を有する。また、シュート出口122を通して粉体Gが落下するときに、粉体Gの流れがシール面151に衝突しないように、蓋面141とシール面151とが、弁体130の移動方向(円弧状の経路Rに沿う方向)において互いに離間している。これによって、粉体Gの流れがシール面151に衝突することを防止でき、シール面151の磨耗を防止することができる。
また、粉体排出装置100では、弁体130が、所定の中心C周りに円弧状の経路Rに沿って移動し、シュート120が、円弧状の経路Rに沿う内部形状を有し、且つ、シュート出口122が、円弧状の経路Rに対して垂直な平面内に位置している。また、蓋面141の全体が、粉体案内面として形成されている、つまり、蓋面141は、円弧状の経路Rに対して垂直な平面に対して、中心Cから最も遠い蓋面141の縁部142から上方に向かって傾斜されている。この構成では、蓋面141が、シュート出口122を通してシュート120の外部に現れる際に、シュート出口122に対して傾斜する。この構成によって、蓋面141が、中心Cから最も遠い縁部142から、シュート120の外部に徐々に現れる。このため、シュート出口122が、中心Cから最も遠い部分から徐々に開放される。したがって、粉体Gが、シュート出口122から徐々に排出され、粉体Gの流れを制御することができる。また、蓋面141のシュート出口122に対する傾斜によって、シール面151に衝突しないように粉体Gの流れを制御することができる。
また、粉体排出装置100では、蓋面141の全体が粉体案内面として形成されているため、中心Cに最も近い蓋面141の縁部143が、シュート120の内部により長い時間残る。これによって、粉体Gが縁部143よりも高い位置に残っている場合にも、縁部143とシュート120の内面との間の隙間からの粉体Gの漏れが低減され得る。
また、粉体排出装置100では、蓋部140には、蓋部140とシュート120の内面との間に挿入され、粉体Gの漏れを防止するブラシ170が取り付けられている。したがって、弁体130がシュート出口122を閉じるときに、蓋部140とシュート120の内面との間の隙間からの粉体Gの漏れを防止することができるため、シュート出口122とシール面151との間に粉体Gが挟まることを防止することができる。したがって、シール面151の磨耗をより防止することができる。
また、粉体排出装置100では、シュート120には、シール面151と係合するための封止部材123が取り付けられている。したがって、粉体Gは、封止部材123に衝突しない。したがって、封止部材123の磨耗を防止することができる。
次に、第2実施形態に係る粉体排出装置について説明する。図6は、第2実施形態に係る粉体排出装置を示す概略図である。第2実施形態に係る粉体排出装置200は、蓋部240の形状が蓋部140と異なる点において、第1実施形態に係る粉体排出装置100と相違する。その他の点については、粉体排出装置200は、粉体排出装置100と同様に構成されることができる。なお、図6では、説明の明確化のために、蓋部240以外の要素が、簡略化又は省略されている場合がある。これら簡略化又は省略された構成要素は、粉体排出装置100の対応する構成要素と同様に構成されてもよいし、又は、図6に図示されるように構成されてもよい。
蓋部240は、円弧状の経路Rに沿って中心軸が曲げられた円柱から、円弧状の経路Rの半径方向において外側の部分が取り除かれるように、円柱の上面から側面までカットされた切片に相当する形状を有している。上面の残された部分及びカット面が、蓋面241に相当する。別の観点では、蓋部140は、中実のドーナツ状の物体から、円周方向において鋭角の部分が得られるようにカットされた第一の切片から、さらに、半径方向において外側の部分が取り除かれるように、上方のカット面から外周側までカットされた第二の切片に相当する形状を有している。第二の切片の上方を向く2つのカット面が、蓋面241に相当する。このような構成によって、蓋面241は、円弧状の経路Rの中心Cから最も遠い蓋面241の縁部242を含み、且つ、円弧状の経路Rに対して垂直な平面に対して縁部242から上方に向かって傾斜された粉体案内面243と、円弧状の経路Rに対して垂直な平面内に位置する面244と、を有している。図6に示されるように、面244は、シュート出口122に対して平行又は緩やかな傾斜を有する。
以上のような第2実施形態に係る粉体排出装置200も、図6に示されるように、シール面151に衝突しないように粉体Gの流れを制御することが可能であり、粉体Gの流れがシール面151に衝突することを防止し、これによって、シール面151の磨耗を防止することができる。また、粉体排出装置200では、蓋面241が、シュート出口122に対して平行又は緩やかな傾斜を有する面244を有しているため、粉体Gを緩やかに排出することが可能になる。
次に、第3実施形態に係る粉体排出装置について説明する。図7は、第3実施形態に係る粉体排出装置の第一の位置を示す概略図であり、図8は、開放されたシュートを示す図7の粉体排出装置の概略図である。第3実施形態に係る粉体排出装置300は、弁体330が弁体130と異なる点、及び、シュート320がシュート120と異なる点において、第1実施形態に係る粉体排出装置100及び第2実施形態に係る粉体排出装置200と相違する。その他の点については、粉体排出装置300は、粉体排出装置100,200と同様に構成されることができる。なお、図7,8では、説明の明確化のために、弁体330及びシュート320以外の要素が、簡略化又は省略されている場合がある。これら簡略化又は省略された構成要素は、粉体排出装置100,200の対応する構成要素と同様に構成されてもよいし、又は、図7,8に図示されているように構成されてもよい。
シュート320は、概ね筒状であり、上部のシュート入口(不図示)と、下部のシュート出口322と、を有している。シュート320は、後述する蓋部340がシュート320の内部で所定の経路に沿って移動できるように、蓋部340の形状に対応する内部形状を有している。具体的には、シュート320は、概ね円筒状の部分321を有しており、部分321は、後述する弁体330の直線状の経路L(すなわち、蓋部340の経路)に沿う内部形状を有している。部分321は、蓋部340の形状に応じて、角筒状(例えば、四角筒状等)であってもよい。部分321の下縁は、シュート出口322を画定している。シュート出口322は、直線状の経路Lに対して垂直な平面(又は、水平面)内に位置している。シュート出口322には、Oリング等の封止部材(不図示)が取り付けられていてもよい。
弁体330は、シュート出口322を塞ぐ第一の位置P3と、シュート出口322を開放する第二の位置P4(図8参照)との間を、直線状の経路Lに沿って移動可能である。図7を参照して、弁体330は、粉体Gを受ける蓋部340と、シュート出口322を塞ぐシール部350と、を有している。
蓋部340は、シュート320の内部に挿入されて粉体Gを受ける蓋面341を含む。具体的には、蓋部340は、第一の位置P3において、蓋面341を含む蓋部340の全体がシュート320の内部に挿入可能なように、構成されている。蓋部340と、シュート320との間には、隙間があってもよい。蓋部340は、上部の円錐状の部分と、下部の円柱状の部分と、を有する。上部の円錐状の部分の側面が、蓋面341に相当する。
蓋面341は、上方を向いており、粉体案内面を有している。本実施形態では、蓋面341の全体が、粉体案内面として形成されている。具体的には、蓋面341は、蓋面341の縁部全体から上方に向かって傾斜されている。蓋部340円柱状の部分の側面には、粉体Gの漏れを防止するためのブラシ(不図示)が取り付けられていてもよい。
シール部350は、シュート出口322を塞ぐシール面351を含む。具体的には、シール部350は、概ね截頭円錐台状である。側面が、シール面351に相当する。シール部350は、シュート出口322の形状に応じて、截頭四角錐台状等の截頭角錐台状であってもよい。シール面151は、直線状の経路Lに対して垂直な平面(又は、水平面)内に位置している。
蓋面341とシール面351とは、シュート出口122を通して粉体Gが落下するときに、粉体Gの流れがシール面351に衝突しないように、弁体330の移動方向(直線状の経路Lに沿う方向)において、互いに離間している。
蓋部340及びシール部350は、一体に形成されてもよいし、又は、別個に形成された後にボルト又は溶接等によって連結されてもよい。蓋部340及びシール部350を含む弁体330は、例えば、不図示のエアシリンダ、油圧シリンダ、又は、モータ等の駆動手段によって駆動されることができる。
以上のような粉体排出装置300では、弁体330が図7に示される第一の位置P3から図8に示される第二の位置P4に移動すると、蓋面341の一部(又は、全体)が、シュート出口322を通してシュート320の外部に現れる。蓋面341とシール面351との間の距離、及び、蓋面341のシュート出口322に対する傾斜によって、粉体Gの流れは、シール面351に衝突しないように制御される。このように、第3実施形態に係る粉体排出装置300も、シール面351に衝突しないように粉体Gの流れを制御することが可能であり、粉体Gの流れがシール面351に衝突することを防止し、これによって、シール面351の磨耗を防止することができる。
なお、蓋部340は、上部の円錐状の部分に代えて、例えば、円柱から、上面が取り除かれるように、中心軸に対して斜めに側面の一方側から反対の他方側までカットされた切片に相当する形状を有していてもよい。この場合、蓋部340は、側面の一方側から反対の他方側に向かって傾斜された蓋面(粉体案内面)を有する。この場合、蓋面は、最下部の縁部から、シュート出口322を通してシュートの外部に現れる。このため、シュート出口が、徐々に開放される。また、蓋部340は、上部の円錐状の部分に代えて、円柱から、上面の一部が取り除かれるように、中心軸に対して斜めに上面から側面までカットされた切片に相当する形状を有していてもよい。この場合、蓋部340の蓋面は、側面から上面に向かって傾斜された粉体案内面と、上面の残された部分と、を有する。この場合にも、蓋面は、最下部の縁部から、シュート出口322を通してシュートの外部に現れる。このため、シュート出口が、徐々に開放される。
粉体排出装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の様々な変形が可能であることを理解するだろう。また、当業者であれば、1つの実施形態に含まれる特徴は、矛盾が生じない限り、他の実施形態に組み込むことができる、又は、他の実施形態に含まれる特徴と交換可能であることを理解するだろう。