JP7171396B2 - 現像剤担持体、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献1および特許文献2に記載されているような、オレフィン系ポリオールを用いたウレタン樹脂を表面層として有する現像剤担持体では、小粒径の現像剤が均一に摩擦帯電されず、非静電潜像部に現像剤が付着してしまう現象(以後、かぶり)が生じていた。
また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像を安定して出力できる電子写真画像形成装置およびそれらに用いられるプロセスカートリッジの提供に向けたものである。
また、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像の安定的な形成に資するプロセスカートリッジを得ることができる。さらに、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成することができる電子写真画像形成装置を得ることができる。
その結果、3級アミン構造を有し、かつ、2つのウレタン結合間に脂肪族炭化水素構造を有する部分を有し、該脂肪族炭化水素構造は、該2つのウレタン結合間に、炭素数10以上の直鎖に相当する距離を持たせるための、炭素数10以上の直鎖部分を有するウレタン樹脂を含む表面層を具備する現像剤担持体が、上記の目的の達成に有効であることを見出した。
本発明の一態様に係るローラ形状の現像剤担持体の軸方向に直交する方向での断面図を図1に示す。図1(a)に示す現像剤担持体1では、円柱状または中空円筒状の基体2の外周面に直接表面層3が形成されている。
また、現像剤担持体1は、図1(b)に示すように、基体2と表面層3の間に弾性層4が1層以上形成されていても良い。さらに、現像剤担持体1は、図1(c)に示すように、表面層3と弾性層4の間に、中間層5を配置した三層構造、または、中間層5を多数配置した多層構成であってもよい。中間層としては、現像剤担持体用の公知の中間層を用いることができる。
基体は、現像剤担持体の電極および支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロム、またはニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。基体は、中実であってもよく、中空であってもよい。
表面層はウレタン樹脂を含む樹脂層であり、該ウレタン樹脂は、分子内に3級アミン構造を有し、かつ、2つのウレタン結合間に脂肪族炭化水素構造を有する部分を有し、該脂肪族炭化水素構造は、該2つのウレタン結合間に、炭素数10以上の直鎖に相当する距離を持たせるための、炭素数10以上の直鎖部分を有する。
R11は炭素数2以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表し、
nは0以上4以下の整数であり、nが2以上4以下の場合、複数のR11は互いに同じであっても異なっていてもよく、
nが0の場合、記号「*1」、「*2」および「*3」は、各々独立に、炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基との結合部、または、前記ウレタン樹脂のポリマー鎖との結合部を表し、
nが1の場合、記号「*1」、「*2」、「*3」、および、「*4」は、前記ウレタン樹脂のポリマー鎖との結合部であり、
nが2以上4以下の場合、記号「*1」、「*2」、「*3」および「*4」は、各々独立に、水素原子との結合部、ヒドロキシ基を有してもよい炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基との結合部、または、前記ウレタン樹脂のポリマー鎖との結合部を表し、nが2以上4以下の場合における複数の「*4」は互いに同じであっても異なっていてもよく、また、nが2以上4以下の場合においては、記号「*1」、「*2」、「*3」、および、複数の「*4」から選ばれる少なくとも4つは、前記ウレタン樹脂のポリマー鎖との結合部である。]
ここで、構造式(3)中、qは脂肪族炭化水素の直鎖の炭素数を1/2にした値と同義であり、本発明の効果を発現するにあたって、qは25以上の整数が好ましく、より好ましくは50以上750以下の整数である。
上記の脂肪族炭化水素構造を2つの隣接するウレタン結合の間に導入する方法として、ポリイソシアネートとオレフィン系ポリオールとの反応が挙げられる。
オレフィン系ポリオールとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール。ポリブタジエンポリオールとポリイソプレンポリオールは、不飽和結合を有していても、水素添加反応等により飽和結合へと変性しても良い。
ポリイソシアネートとしては、ウレタン樹脂合成用として公知の、あるいはウレタン樹脂合成用として使用し得るポリイソシアネートを用いることができる。
ポリイソシアネートの例としては、エチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネートおよびこれらの共重合物やイソシアヌレート体、TMPアダクト体、ビウレット体、そのブロック体等のイソシアネート化合物が挙げられる。これらの少なくとも1種を用いることができる。
ポリウレタン樹脂が有する3級アミン構造は、3級アミン構造を含有するアミノアルコールとポリイソシアネートとの反応により導入することができる。3級アミン構造を含有するアミノアルコールとしては、下記構造式(4)で示される化合物が特に好ましい。
R45は炭素数2以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表し、sは0以上4以下の整数であり、sが2以上4以下の場合、複数のR45は互いに同じであっても異なっていてもよい。
R41、R42、R43およびR44は、各々独立に、下記(a)、(b)、(c)および(d)から選ばれるいずれかであり、sが2以上4以下の場合において、複数のR44は互いに同じであっても異なっていてもよく、但し、s=1の場合、R41、R42、R43およびR44の全てが、下記(b)、(c)および(d)から選ばれるいずれかであり、s=2以上4以下の場合、R41、R42およびR43および2以上4以下の個数のR44のうちの少なくとも4つが、下記(b)、(c)および(d)から選ばれるいずれかである:
(a)水素原子、または炭素数1乃至4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基;
(b)炭素数1以上8以下の直鎖状または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基;
(c)炭素数2以上8以下の直鎖状または分岐鎖状のアミノアルキル基;
(d)下記構造式(5)で示される基:
表面層形成用の材料は、上記の各材料に加えて、オレフィン構造を有していないポリオールを含んでもよい。ポリオールは複数の水酸基を分子内に有しており、水酸基は前記ポリイソシアネートと反応する。オレフィン構造を有していないポリオールとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
弾性層は、現像剤担持体と感光体との当接部において、所定の幅のニップを形成するための弾性を現像剤担持体に与えるものである。そのため、基体と表面層の間に1層以上配置しても良い。
エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。
これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明の別の態様に係るプロセスカートリッジは、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成され、現像剤を含む現像剤容器と、該現像剤を搬送する現像剤担持体と、を具備し、該現像剤担持体が、本発明の一態様に係る現像剤担持体であることを特徴とする。
以下に表面層のウレタン樹脂を合成するための原料の一つである、イソシアネート基末端プレポリマーの合成例を示す。
ステンレス製1L容オートクレーブにイソプロパノール200gと過酸化水素(濃度60%)80gを仕込み、冷却しながらオートクレーブ内を真空脱気した。次いで、1、3-ブタジエンを200g(3.7mol)投入した後、20気圧下で125℃にて4時間反応を行った。
反応終了後、反応混合物を冷却してから未反応の1,3-ブタジエンを除去し、次いで蒸留水1Lを加え、分液ロートを用い振とう洗浄したのち生成ポリマーを分離した。さらに、ロータリーエバポレーターを用い75℃以上80℃以下、15mmHgで4時間精製した。
続いて、攪拌機付きオートクレーブ内に固定されたステンレス製網状カゴに、1%Pdアルミナ球(エヌ・イーケムキャット社製)を水素化触媒として10部充填した。さらに、生成ポリマー10部をシクロヘキサン90部に溶解した反応溶液をオートクレーブ内に仕込んだ後、水素雰囲気15気圧下で160℃にて3時間水素添加反応を行った。水素添加反応終了後、ロータリーエバポレーターを用い75℃以上80℃以下、15mmHgで4時間精製することで、原料ポリオールB-6を得た。
B-1は市販品B-4に対し上記の水素添加反応を同じ手順で行うことで合成した。同様に、B-2は市販品B-5に対し上記の水素添加反応を同じ手順で行うことで合成した。
B-3の合成は次のように行った。攪拌機、温度計を備えた三口フラスコにTHF溶媒中、ジオールとしてB-1を50.0g(0.015mol)を仕込み、窒素雰囲気下-78℃にて水素化ナトリウム4.0g(60%:流動パラフィン溶媒)を滴下し、30分攪拌した。反応容器を0℃にしたのち、2-ヨードエタノール(東京化成工業社製)を2.0g(0.032mol)を滴下し、1時間攪拌した。次いで、蒸留水1Lを加え、分液ロートを用い振とう洗浄したのち生成ポリマーを分離した。さらに、ロータリーエバポレーターを用い75℃以上80℃以下、15mmHgで4時間精製することで、原料ポリオールB-3を合成した。
本実施例中における数平均分子量(Mn)の測定に用いた装置、並びに条件は以下の通りである。
測定機器:HLC-8120GPC(東ソ-社製)
カラム:TSKgel SuperHZMM(東ソ-社製)×2本
溶媒:THF
温度:40℃
THFの流速:0.6ml/min
なお測定サンプルは0.1質量%のTHF溶液とした。さらに検出器としてRI(屈折率)検出器を用いて測定を行った。
検量線作成用の標準試料として、TSK標準ポリスチレンA-1000、A-2500、A-5000、F-1、F-2、F-4、F-10、F-20、F-40、F-80、F-128(東ソ-社製)を用いて検量線の作成を行った。これを基に得られた測定サンプルの保持時間から数平均分子量を求めた。
窒素雰囲気下、反応容器中でイソシアネートC-1(pure-MDI、商品名:ミリオネートMT 東ソー社製)8.8質量部を、最終的な固形分が50%になるようメチルエチルケトン(以下MEK)に溶解させた。その後、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、100.0質量部の原料ポリオールB-1を反応容器に徐々に滴下した。
滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、固形分50%、イソシアネート基含有量1.4重量%のイソシアネート基末端プレポリマーA-1を得た。
合成に用いる原料ポリオール、イソシアネートの種類と混合量、反応時間を、表5に記載の通りに変更した。それ以外は、イソシアネート基末端プレポリマーA-1の合成と同様にして、イソシアネート基末端プレポリマーA-2~A-12を、固形分50%の溶液として得た。
C-1以外のイソシアネートは、C-2(ポリメリックMDI、商品名:ミリオネートMR 東ソー社製)、C-3(トリレンジイソシアネート、商品名:コスモネートT80三井化学社製)を用いた。
(アミノアルコールD-11の合成)
テトラエチレンペンタミン(東京化成工業社製)50.0g(0.27mol)に、クロロホルム中で無水フタル酸(JFEケミカル社製)97.6g(0.66mol)を反応させ、1級アミンがフタルイミド基で保護された化合物を得た。その後アセトニトリル中でヨードメタン(東京化成工業社製)150.3g(1.06mol)を添加し、4時間還流させた。その後得られた化合物をエタノール500mlに溶解させ、ヒドラジン水和物(和光純薬工業社製)30.0g(0.60mol)を加え、5時間還流させることで、フタルイミド基が脱離した化合物を得た。次に、溶媒を減圧留去し、得られた化合物をエタノール300mlに溶解させ、パラホルムアルデヒド79.4g(2.65mol)を加えて6時間沸騰させて還流した。溶媒を減圧留去し、分液抽出・乾燥後、下記構造式(6)で示されるアミノアルコールD-11を得た。
撹拌装置、温度計、滴下装置および温度調整装置を取り付けた反応容器中で、撹拌しながら、原料となるアミンとして1,4-ジアミノブタン10.0g(0.11mol)、反応溶媒として純水200mlを40℃まで加温した。次に、反応温度を40℃以下に保持しつつ、付加原料としてプロピレンオキシド58.0g(1.00mol)を30分かけて徐々に滴下した。さらに2時間撹拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下で加熱して水を留去し、アミノアルコールD-1(テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)ブチレンジアミン)を得た。
原料となるアミノアルコール、付加原料の種類と量を表6に記載のとおり変更した以外は、アミノアルコールD-1と同様にして、アミノアルコールD-2~D-10を合成した。
外径10mmで算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管にプライマー(商品名、DY35-051;東レダウコーニング社製)を塗布し、焼付けして、基体を得た。この基体を金型内に配置し、下記に示す材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を前記金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名SE6724A/B;東レ・ダウコーニング社製) 100質量部
・カーボンブラック(商品名トーカブラック#4300;東海カーボン社製) 15質量部
・シリカ紛体(耐熱性付与剤として) 0.2質量部
・白金触媒 0.1質量部
続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体を金型から脱型した後、当該基体を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。このようにして、基体の外周に膜厚0.7mm、直径11.4mmのシリコーンゴム弾性層が形成された弾性ローラK-1を作製した。
以下に、実施例1に係る現像剤担持体の製造方法について説明する。
表面層形成用塗布液の材料として、以下の材料を撹拌混合した。
・イソシアネート基末端プレポリマーA-1:98.3質量部
・アミノアルコールD-1:1.7質量部
・カーボンブラック(商品名MA-230、三菱化学社製):10.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC-400;根上工業社製):30.0質量部
イソシアネート基末端プレポリマーA-1のイソシアネート基の数/アミノアルコールD-1の水酸基およびアミノ基の数(Index)が1.2となるように調整した。
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトン(MEK)を加えた後、サンドミルにて混合した。ついで、さらに、MEKで粘度10~13cpsに調整して表面層形成用塗布液を調製した。
先に作製した弾性ローラK-1を、表面層形成用塗布液に浸漬して、弾性ローラK-1の弾性層の表面に当該塗布液の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度160℃にて1時間加熱処理することで弾性層の外周に膜厚約15μmの表面層を設け、実施例1に係る現像剤担持体を作製した。
表面層形成用塗布液の材料として、下記表9-1に示す材料を用いた以外は実施例1と同様にして、表面層形成用塗布液を調製した。調製においては、イソシアネート基末端プレポリマー分子中のイソシアネート基の数/アミノアルコールまたはポリオール分子中の水酸基およびアミノ基の数(Index)が1.2となるように配合した。
そして、各塗布液を弾性ローラK-1に対して、実施例1と同様にして塗布、乾燥および加熱を行って実施例2~33に係る現像剤担持体を作製した。実施例21については、さらにポリオールD-16(クラレポリオールP-5010)を添加した。
表面層形成用塗布液の材料として、下記表9-2に示す材料を用いた以外は実施例1と同様にして、表面層形成用塗布液を調製した。
次いで、外径10mmで算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を準備した。この基体を、表面層形成用塗布液に浸漬して、基体の表面に当該塗布液の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度160℃にて1時間加熱処理することで基体の外周に膜厚約15μmの表面層を設け、実施例34に係る現像剤担持体を作製した。
表面層形成用塗布液の材料として、下記表9-2に示す材料を用いた以外は実施例1と同様にして、表面層形成用塗布液を調製した。調製においては、イソシアネート基末端プレポリマー分子中のイソシアネート基の数/アミノアルコールまたはポリオール分子中の水酸基およびアミノ基の数(Index)が1.2となるように配合した。
そして、実施例34と同様にして各塗布液を基体に塗布、乾燥および加熱を行って実施例35~66に係る現像剤担持体を作製した。
表面層形成用塗布液の材料として以下の材料を撹拌混合した。
・1.2質量部のポリオールD-15
・98.8質量部のイソシアネート基末端プレポリマーA-1
・カーボンブラック (商品名MA-230、三菱化学社製)10.0質量部
・ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC-400;根上工業社製)30.0質量部
その後、実施例1に係る表面層形成用塗布液の調製方法と同様にして比較例1に係る表面層形成用塗布液を調製した。調製においては、イソシアネート基末端プレポリマー分子中のイソシアネート基の数/ポリオール分子中の水酸基の数(Index)が1.2となるように配合した。この表面層形成用塗布液を実施例1と同様にして弾性ローラK-1のシリコーンゴム弾性層の表面に塗工、乾燥させて表面層を形成し、比較例1に係る現像剤担持体を作製した。
表面層形成用塗布液の材料として、下記表10の材料を用いた以外は比較例1と同様に表面層形成用塗布液を調製した。調製においては、イソシアネート基末端プレポリマー分子中のイソシアネート基の数/ポリオール分子中の水酸基の数(Index)が1.2となるように配合した。そして、各塗布液を弾性ローラに対して、比較例1と同様にして塗布、乾燥および加熱を行って比較例2~5に係る現像剤担持体を作製した。
表面層形成用塗布液の材料として、下記表10に示す材料を用いた以外は比較例1と同様にして、表面層形成用塗布液を調製した。調製においては、イソシアネート基末端プレポリマー分子中のイソシアネート基の数/ポリオール分子中の水酸基の数(Index)が1.2となるように配合した。そして、実施例34と同様にして各塗布液を基体に塗布、乾燥および加熱を行って比較例6~10に係る現像剤担持体を作製した。
本実施例1~33および比較例1~5に係る現像剤担持体をレーザビームプリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン製)のシアンカートリッジに組み込み、画像出力試験用カートリッジを作製した。この画像出力試験用カートリッジを、上記レーザビームプリンターに充填し、10枚/分の速度で白ベタ画像を5枚出力した後、白ベタ画像を1枚出力する途中でプリンターの運転を停止した。現像剤担持体上に形成された現像剤層から、Φ5mmの開口を有する吸引用ノズルを用いて現像剤を吸引し、吸引した現像剤の電荷量と現像剤質量を測定して、現像剤電荷量(μC/g)を求めた。電荷量はデジタルエレクトロメーター(商品名:8252、エーディーシー社製)を用いて測定した。
評価結果を表11-1、表11-3に示す。
現像剤の電荷量分布を評価する方法として下記の方法を用いた。
現像剤の電荷分布を測定する方法として、従来から知られている方法としては、レーザドップラー電荷測定法(E-SpartAnalyzer(ホソカワミクロン社製)を使用したE-Spart法)による電荷量分布測定法がある。かかる方法による現像剤の帯電性測定は広く使用されている。E-Spart法による測定結果は、帯電を付与した状態での現像剤電荷量を気流中で測定するため、現像状態を把握する上で有益な情報が得られる。特に、本発明が課題とする現像剤の荷電不足に起因するかぶりを評価する手法として有効である。
また、感光体上に付着した現像剤を透明テープ(商品名:ポリエステルテープNo.550、ニチバン(株)社製)で剥がしとり、白色の紙(Business Multipurpose 4200;XEROX社製)に貼り付けて、評価用サンプルを得た。次いで、反射濃度計(TC-6DS/A;東京電色社製)にて評価用サンプルの反射濃度R1を測定した。その際、フィルターにグリーンフィルターを使用した。一方、前記透明テープのみを白色の紙に貼り付けた基準サンプルについて、同様にして反射濃度R0を測定した。基準サンプルに対する評価用サンプルの反射率の低下量「R0-R1」(%)をかぶり値(%)とした。なお、かぶり値は、2.5%未満の場合、目視では、かぶりを全く認識できないか、または、殆ど認識できないレベルである。また、2.5%以上、5.0%未満である場合、目視でかぶりを認識できるものの、おおむね許容範囲である。一方、かぶり値が、5.0%以上の場合、目視でかぶりが明らかに認識できるレベルである。
測定結果を表11-1~3に示す。
実施例1に係る現像剤担持体の表面層中のウレタン樹脂がハードセグメントを形成し、ハードセグメントとソフトセグメントとが交互に存在することを確かめる手法として、走査型電子顕微鏡(SEM:Ultra-Plus(カールツァイス社製))を用いた。
表面層形成用塗布液を調製するための材料からカーボンブラックおよびウレタン樹脂微粒子を除いて調製した塗布液を、アルミシート上に膜厚15μmでバーコートすることでSEM観察用の試料を作製した。得られた試料について、加速電圧0.5kV以上1.0kV以下、WD3.0mm以上3.5mm以下の測定条件で得られた二次電子像を観察した。
その結果、表面に50nm以上100nm以下のハードセグメントが表面に均一に点在しているのが観測された。
2・・・基体
3・・・表面層
4・・・弾性層
5・・・中間層
6・・・帯電ローラ
8・・・現像剤供給部材
9・・・現像剤容器
10・・・転写部材
11・・・クリーナー容器
12・・・クリーニングブレード
13・・・定着器
14・・・ピックアップローラ
15・・・給紙部
16・・・レーザ発生装置
17・・・現像剤規制部材
18・・・感光体
19・・・マグネットローラ
20・・・攪拌翼
21・・・現像バイアス電源
Claims (8)
- 基体と、表面層とを有する現像剤担持体であって、
該表面層はウレタン樹脂を含み、
該ウレタン樹脂は、
3級アミン構造を有し、かつ、
2つのウレタン結合間に脂肪族炭化水素構造を有する部分を有し、
該脂肪族炭化水素構造は、該2つのウレタン結合間に、炭素数10以上の直鎖に相当する距離を持たせるための、炭素数10以上の直鎖部分を有する、ことを特徴とする現像剤担持体。 - 前記ウレタン樹脂は、
下記構造式(1)で示される部分構造を有する、請求項1に記載の現像剤担持体:
R11は炭素数2以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表し、
nは0以上4以下の整数であり、nが2以上4以下の場合、複数のR11は互いに同じであっても異なっていてもよく、
nが0の場合、記号「*1」、「*2」及び「*3」は、各々独立に、ヒドロキシ基を有してもよい炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基との結合部、または、前記ウレタン樹脂のポリマー鎖との結合部を表し、
nが1の場合、記号「*1」、「*2」、「*3」、および、「*4」は、前記ウレタン樹脂のポリマー鎖との結合部であり、
nが2以上4以下の場合、記号「*1」、「*2」、「*3」および「*4」は、各々独立に、水素原子との結合部、ヒドロキシ基を有してもよい炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基との結合部、または、該ウレタン樹脂のポリマー鎖との結合部を表し、nが2以上4以下の場合における複数の「*4」は互いに同じであっても異なっていてもよく、また、nが2以上4以下である場合においては、「*1」、「*2」、「*3」、および、複数の「*4」から選ばれる少なくとも4つは、該ウレタン樹脂のポリマー鎖との結合部である。]。 - 前記直鎖部分の炭素数が100以上1500以下である請求項1または2に記載の現像剤担持体。
- 前記2つの隣接するウレタン結合の連結部分が、下記構造式(2)で示される構造を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の現像剤担持体:
- 前記直鎖部分に不飽和結合を有する請求項1~4のいずれか一項に記載の現像剤担持体。
- 前記ウレタン樹脂は、下記構造式(4)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応に由来する部分構造を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の現像剤担持体:
R45は炭素数2以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表し、sは0以上4以下の整数であり、sが2以上4以下の場合、複数のR45は互いに同じであっても異なっていてもよい。
R41、R42、R43およびR44は、各々独立に、下記(a)、(b)、(c)および(d)から選ばれるいずれかであり、sが2以上4以下の場合において、複数のR44は互いに同じであっても異なっていてもよく、但し、s=1の場合、R41、R42、R43およびR44の全てが、下記(b)、(c)および(d)から選ばれるいずれかであり、s=2以上4以下の場合、R41、R42、R43および2以上4以下の個数のR44のうちの少なくとも4つが、下記(b)、(c)および(d)から選ばれるいずれかである:
(a)水素原子、または炭素数1以上4以下の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基;
(b)炭素数1以上8以下の直鎖状または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基;
(c)炭素数2以上8以下の直鎖状または分岐鎖状のアミノアルキル基;
(d)下記構造式(5)で示される基:
- 電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、現像剤を含む現像剤容器と、該現像剤を搬送する現像剤担持体と、を具備し、該現像剤担持体が、請求項1~6のいずれか一項に記載の現像剤担持体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電可能に配置された帯電部材、および該電子写真感光体に対して現像剤を供給する現像剤担持体を有する電子写真画像形成装置であって、該現像剤担持体が、請求項1~6のいずれか一項に記載の現像剤担持体であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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