本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
また、本発明の説明において、関連公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちある一つをその他の要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素が限定されることはない。
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載された「制御部」のような用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで具現され得る。
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されるとするとき、これは「直接的な連結(接続)」だけではなく、他の素子を介在した「間接的な連結(接続)」も含む。
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置を含むバッテリーパックを概略的に示した図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、複数のバッテリーセル11が含まれたバッテリーモジュール10と電気的に接続されて複数のバッテリーセル11をそれぞれ管理することができる。すなわち、バッテリー管理装置100は、バッテリーモジュール10に含まれた複数のバッテリーセル11の状態を推定し、推定された状態に基づいてそれぞれのバッテリーセル11の制御条件を調整することができる。また、バッテリー管理装置100は、バッテリーモジュール10と共にバッテリーパック1000に含まれ得る。図1は、バッテリーパック1000に一つのバッテリーモジュール10と一つのバッテリー管理装置100が含まれた例を示したが、バッテリーパック1000に含まれたバッテリーモジュール10及びバッテリー管理装置100の個数は図1に示された個数に限定されない。同様に、バッテリーモジュール10に含まれたバッテリーセル11の個数も図1に示された個数に限定されない。
図2を参照してバッテリー管理装置100の具体的な構成を説明する。図2は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置を概略的に示したブロック図である。
図2を参照すると、バッテリー管理装置100は、電圧測定部101及び制御部103を含むことができる。
電圧測定部101は、バッテリーモジュール10に含まれたバッテリーセル11の電圧を測定するように構成され得る。すなわち、電圧測定部101は、バッテリーモジュール10に含まれたそれぞれのバッテリーセル11の電圧を測定するように構成され得る。望ましくは、電圧測定部101はバッテリーセル11の充電電圧を測定するように構成され得る。
例えば、図1に示された実施形態において、バッテリー管理装置100はバッテリーモジュール10に含まれた第1バッテリーセルC1、第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4の充電時の電圧をそれぞれ測定することができる。
具体的には、電圧測定部101は、第1センシングラインSL1及び第2センシングラインSL2を通じて第1バッテリーセルC1の電圧を測定し、第2センシングラインSL2及び第3センシングラインSL3を通じて第2バッテリーセルC2の電圧を測定し得る。また、電圧測定部101は、第3センシングラインSL3及び第4センシングラインSL4を通じて第3バッテリーセルC3の電圧を測定し、第4センシングラインSL4及び第5センシングラインSL5を通じて第4バッテリーセルC4の電圧を測定し得る。
電圧測定部101は、バッテリーセル11の開放回路電圧(OCV)を測定することができる。すなわち、電圧測定部101は、バッテリーセル11の電圧及び開放回路電圧を何れも測定することができる。特に、電圧測定部101は、測定した電圧が基準充電電圧に到達する度に各バッテリーセル11の開放回路電圧を測定することができる。
ここで、基準充電電圧は、電圧測定部101が開放回路電圧を測定できるようにユーザなどによって予め設定されて保存された電圧であり得る。すなわち、基準充電電圧は、電圧測定部101によってバッテリーセル11の開放回路電圧を測定するための参照値であって、電圧測定部101がバッテリーセル11の開放回路電圧を測定する時点を提供し得る。例えば、所定の電圧は4.2Vに設定され得る。電圧測定部101は、複数のバッテリーセル11の電圧を測定し、各バッテリーセル11の測定された電圧が所定の電圧に到達する度に該当バッテリーセル11の開放回路電圧を測定することができる。
例えば、図1に示された実施形態において、バッテリーセル11のそれぞれに対して、基準充電電圧がV1[V]に設定されていると仮定する。このとき、電圧測定部101は、充電によって第1バッテリーセルC1の電圧がV1[V]に到達すれば、第1バッテリーセルC1の開放回路電圧を測定し得る。同様に、電圧測定部101は、第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3または第4バッテリーセルC4の電圧がV1[V]に到達すれば、V1[V]に到達したバッテリーセル11の開放回路電圧を測定し得る。
制御部103は、電圧測定部101によって測定された開放回路電圧を受信することができる。制御部103は、バッテリー管理装置100の内部で電圧測定部101と電気的信号を送受信できるように構成され、電圧測定部101から測定された開放回路電圧を受信することができる。
制御部103は、受信した開放回路電圧を加工した結果に基づいて電圧変動率(voltage fluctuation rate)及び/または抵抗変動率(electric resistance fluctuation rate)を算出することができる。すなわち、制御部103は、受信した開放回路電圧に基づいて電圧変動率または抵抗変動率を算出し得、電圧変動率及び抵抗変動率をすべて算出してもよい。
例えば、図1に示された実施形態において、制御部103は、電圧測定部101から第1バッテリーセルC1の開放回路電圧を受信し、受信した第1バッテリーセルC1の開放回路電圧に基づいて第1バッテリーセルC1の電圧変動率及び抵抗変動率のうち少なくとも一つを算出し得る。同様に、制御部103は、電圧測定部101から第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4のそれぞれの開放回路電圧を受信し、受信した開放回路電圧に基づいて第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4のそれぞれの電圧変動率及び抵抗変動率のうち少なくとも一つを算出し得る。
制御部103は、電圧変動率が算出された場合、算出された電圧変動率及び予め保存された電圧変動率データに基づいて電圧増減パターンを決定することができる。ここで、電圧変動率データは、算出された電圧変動率との比較のための参照データであって、予め保存され得る。
制御部103は、算出した電圧変動率を予め保存された電圧変動率データに追加して、予め保存された電圧変動率データを更新することができる。そして、制御部103は、更新された電圧変動率データに基づいて電圧増減パターンを決定することができる。
例えば、予め保存された電圧変動率データは、制御部103によって過去算出された電圧変動率が保存されたデータであり得る。この場合、制御部103は、基準電圧が算出されたサイクル時点の以後に算出されたすべての電圧変動率に基づいてバッテリーセル11の電圧増減パターンを決定し得る。
電圧増減パターンは、電圧増加パターン、電圧減少パターンまたは電圧一定パターンなどの多様なパターンを含み得る。以下では説明の便宜上、電圧増減パターンには電圧増加パターン及び電圧減少パターンが含まれ、電圧増加パターンには電圧減少パターンを除いた電圧一定パターンなどが含まれるとして説明する。
また、制御部103は、抵抗変動率が算出された場合、算出された抵抗変動率及び予め保存された抵抗変動率データに基づいて抵抗増減パターンを決定することができる。ここで、予め保存された抵抗変動率データは、算出された抵抗変動率との比較のための参照データであって、保存部105に予め保存され得る。
制御部103は、算出した抵抗変動率を予め保存された抵抗変動率データに追加して、予め保存された抵抗変動率データを更新することができる。そして、制御部103は、更新された抵抗変動率データに基づいて抵抗増減パターンを決定することができる。
例えば、予め保存された抵抗変動率データは、制御部103によって過去算出された抵抗変動率が保存されたデータであり得る。この場合、制御部103は、基準抵抗が算出された所定のサイクル時点以後に算出されたすべての抵抗変動率に基づいてバッテリーセル11の抵抗増減パターンを決定し得る。
抵抗増減パターンは、抵抗増加パターン、抵抗減少パターンまたは抵抗一定パターンなどの多様なパターンを含み得る。以下では説明の便宜上、抵抗増減パターンには抵抗増加パターン及び抵抗減少パターンが含まれ、抵抗増加パターンには抵抗減少パターンを除いた抵抗一定パターンなどが含まれるとして説明する。
制御部103は、決定された電圧増減パターン及び抵抗増減パターンのうち少なくとも一つに応じてバッテリーセル11の退化加速程度を判断するように構成され得る。すなわち、電圧増減パターンが決定された場合、制御部103は、電圧増減パターンに応じてバッテリーセル11の退化加速程度を判断することができる。そして、抵抗増減パターンが決定された場合、制御部103は、抵抗増減パターンに応じてバッテリーセル11の退化加速程度を判断することができる。ここで、退化加速程度は、バッテリーセル11の退化が次第に速まっているか、それとも、次第に遅くなっているかなどを示す情報であり得る。
例えば、制御部103は、第1バッテリーセルC1の電圧増減パターンを決定し、決定された電圧増減パターンに応じて第1バッテリーセルC1の退化加速程度を判断し得る。また、制御部103は、第1バッテリーセルC1の抵抗増減パターンを決定し、決定された抵抗増減パターンに応じて第1バッテリーセルC1の退化加速程度を判断し得る。
制御部103は、判断された退化加速程度に基づいて既に設定された制御条件を変更するように構成され得る。ここで、既に設定された制御条件は、バッテリーセル11毎に予め設定され得る。例えば、既に設定された制御条件は、バッテリーセル11の出荷時または最初作動時に予め設定され得る。すなわち、既に設定された制御条件は、第1バッテリーセルC1、第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4のそれぞれに設定され得る。
バッテリーセル11の電圧増減パターンに応じて退化加速程度が判断されれば、制御部103は、判断した退化加速程度に基づいて既に設定された制御条件を変更することができる。
また、バッテリーセル11の抵抗増減パターンに応じて退化加速程度が判断されれば、制御部103は、判断した退化加速程度に基づいて既に設定された制御条件を変更することができる。
すなわち、バッテリーセル11の電圧増減パターン及び抵抗増減パターンのうちいずれか一つに基づいて退化加速程度が判断され、判断された退化加速程度が特定の退化加速程度であれば、制御部は、バッテリーセル11に対して既に設定された制御条件を変更することができる。
例えば、図1に示された実施形態において、制御部103は、第1バッテリーセルC1の電圧増減パターンに応じて第1バッテリーセルC1の退化加速程度を判断し、第1バッテリーセルC1に既に設定された制御条件を変更し得る。また、制御部103は、第1バッテリーセルC1の抵抗増減パターンに応じて第1バッテリーセルC1の退化加速程度を判断し、第1バッテリーセルC1に既に設定された制御条件を変更し得る。同様に、制御部103は、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4に対しても、電圧増減パターン及び/または抵抗増減パターンに応じて判断した退化加速程度に基づいて、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4のそれぞれに既に設定された制御条件を変更し得る。
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の現在状態に基づいた退化度の判断だけでなく、過去の履歴を総合して現在のバッテリーセル11が退化している速度を判断することができる。したがって、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、未来時点におけるバッテリーセル11の状態を推定可能な情報を提供することで、バッテリーセル11の寿命予測または未来状態の判断に役に立つ情報を提供することができる。
また、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の充電状況において、バッテリーセル11の電圧増減パターンによる退化加速程度及びバッテリーセル11の抵抗増減パターンによる退化加速程度をすべて提供することで、バッテリーセル11に対するより具体的な状態情報を提供することができる。
また、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の現在状態を正確に判断することで、バッテリーセル11の寿命がより長く持続されるようにバッテリーセル11の制御条件を変更する措置を講じることができる。
特に、制御部103は、バッテリーセル11のそれぞれに対して退化加速程度を独立的に判断し、バッテリーセル11のそれぞれに対して既に設定された制御条件を変更することができる。例えば、制御部103は、第1バッテリーセルC1、第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4に対してそれぞれ別々に電圧増減パターン及び抵抗増減パターンのうち少なくとも一つを決定し得る。
そして、制御部103は、決定された電圧増減パターンに応じて第1バッテリーセルC1、第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4のそれぞれに対して第1退化加速程度を判断することができる。
また、制御部103は、決定された抵抗増減パターンに応じて第1バッテリーセルC1、第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4のそれぞれに対して第2退化加速程度を判断することもできる。
制御部103は、判断した第1退化加速程度及び第2退化加速程度に基づいて、第1バッテリーセルC1、第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4のそれぞれに既に設定された制御条件を変更することができる。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、それぞれのバッテリーセル11の退化加速程度を独立的に判断できるため、それぞれのバッテリーセル11の退化度及び退化加速程度を判断し、ひいてはそれぞれのバッテリーセル11の寿命を予測することができる。
具体的には、バッテリー管理装置100は、それぞれのバッテリーセル11の開放回路電圧を測定することで損失容量を算出し、それぞれのバッテリーセル11の退化程度を算出できるだけでなく、それぞれのバッテリーセル11がどれくらい速く退化しているかについての退化加速程度を判断することができる。したがって、バッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の退化加速程度に基づいてそれぞれのバッテリーセル11の今後の退化程度を推定でき、推定された退化程度に応じてそれぞれのバッテリーセル11の制御条件を調整することができる。
例えば、同じ製品ラインのバッテリーセル11であっても、初期抵抗または容量のバラツキなどの問題のため、全く同じ可用容量を有さないこともある。例えば、出荷時バッテリーセルの設定容量は1000mAhであるが、第1バッテリーセルC1の初期容量が900mAh、第2バッテリーセルC2の初期容量が1000mAhの状態で出荷されたと仮定する。同一期間の使用によって第1バッテリーセルC1及び第2バッテリーセルC2の現在可用容量が800mAhに等しくなった場合、第1バッテリーセルC1と第2バッテリーセルC2とは同じ可用容量を有するが、初期容量の差のため、二つのバッテリーセル11の退化度が同一であると判断することはバッテリーセル11の正確な状態推定であると言えない。
また、第1バッテリーセルC1の退化度が約11%、第2バッテリーセルC2の退化度が20%に算出されたとしても、このように算出された退化度は初期容量対比現在容量による第1バッテリーセルC1及び第2バッテリーセルC2それぞれの現在状態のみを示す指標として意味があるだけで、現在の第1バッテリーセルC1及び第2バッテリーセルC2の退化加速程度または退化加速程度に基づいた予想寿命などの未来状況に係る予測指標としては適さない。
すなわち、バッテリーセル11の初期容量などに対する現在容量の比率は、バッテリーセル11の退化程度を事後的に判断する指標に過ぎず、バッテリーセル11の退化加速程度、今後の退化程度または予想寿命などを判断する指標として使用するには適さないという問題がある。
一方、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、現在のバッテリーセル11の退化加速程度を判断することで、バッテリーセル11の現在状態を正確に判断することができる。
また、バッテリー管理装置100は、判断したバッテリーセル11の退化加速程度に基づいてバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更することができる。したがって、バッテリー管理装置は、バッテリーセル11に設定された制御条件を最適化することで、バッテリーセル11が過充電されないようにバッテリーセル11の充電を制御することができる。
ここで、制御部103は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100で行われる多様な制御ロジックを実行するため、当業界で知られたプロセッサ、ASIC(application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含むことができる。また、制御ロジックがソフトウェアとして具現されるとき、制御部103はプログラムモジュールの集合として具現され得る。このとき、プログラムモジュールはメモリに保存され、プロセッサによって実行され得る。メモリは、プロセッサの内部または外部に位置し得、周知の多様な手段でプロセッサと接続され得る。例えば、制御部103は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100に備えられたプロセッサであって、判断したバッテリーセル11の退化加速程度をディスプレイ装置などの出力装置を通じてユーザに提供し得る。また、制御部103は、バッテリーセル11の退化加速程度に基づいて、外部通知装置を通じてユーザにバッテリーセル11の交替または警告通知も提供し得る。
また、図2を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、保存部105をさらに含むことができる。保存部105は電圧変動率データ及び抵抗変動率データを保存することができる。すなわち、保存部105には過去制御部103で算出された電圧変動率データ及び抵抗変動率データが保存され得る。制御部103は、保存部105に予め保存された電圧変動率データに基づいてバッテリーセル11の電圧増減パターンを決定することができる。また、制御部103は、保存部105に予め保存された抵抗変動率データに基づいてバッテリーセル11の抵抗増減パターンを決定することもできる。
すなわち、保存部105は、制御部103で算出した過去の電圧変動率データ及び抵抗変動率データなど、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100の各構成要素が動作及び機能を実行するのに必要なデータやプログラムなどを保存することができる。保存部105は、データを記録、消去、更新及び読出できると知られた公知の情報記録手段であれば、その種類に特に制限がない。一例として、情報記録手段にはRAM、フラッシュメモリ、ROM、EEPROM、レジスタなどが含まれ得る。保存部105は、制御部103によって実行可能なプロセスが定義されたプログラムコードを保存することができる。
制御部103は、電圧増減パターンに応じて第1退化加速程度を判断し、抵抗増減パターンに応じて第2退化加速程度を判断することができる。ここで、第2退化加速程度は、第1退化加速程度とは別途の退化加速程度であって、制御部103は第1退化加速程度の算出過程で第2退化加速程度を考慮しなくてもよい。また、制御部103は、第2退化加速程度の算出過程で第1退化加速程度を考慮しなくてもよい。
例えば、図1に示された実施形態において、制御部103は、第1バッテリーセルC1の電圧増減パターンを決定し、決定した電圧増減パターンに基づいて第1バッテリーセルC1の第1退化加速程度を判断し得る。また、制御部103は、第1退化加速程度と独立的なバッテリーセル11の第2退化加速程度を、決定された抵抗増減パターンに基づいて判断するように構成され得る。
具体的には、バッテリーセル11の放電状況では、抵抗の変化要因に開放回路電圧が影響を及ぼし得る。例えば、バッテリーセル11を放電する場合は抵抗の増減に開放回路電圧の増減が影響を及ぼすため、開放回路電圧の増減と抵抗の増減とが反対に現れ得る。すなわち、放電状況では、バッテリーセル11の抵抗変化要因に開放回路電圧が影響を及ぼす特殊性を考慮してバッテリーセル11の退化加速程度を判断しなければならない。しかし、充電状況では、バッテリーセル11の開放回路電圧の増減と抵抗の増減とが互いに影響を及ぼさない独立的な要因であるため、制御部103は電圧増減パターンに基づいて第1退化加速程度を判断でき、第1退化加速程度とは独立的に、抵抗増減パターンに基づいて第2退化加速程度を判断することもできる。
制御部103は、バッテリーセル11の電圧増減パターンまたは抵抗増減パターンに応じてバッテリーセル11の退化加速程度を加速退化、線形退化及び減速退化のうちいずれか一つとして判断することができる。ここで、加速退化は、バッテリーセル11の退化が次第に加速化する状態であり、線形退化は、バッテリーセル11の退化が加速退化のように次第に加速化しないが、線形的に一定に進行している状態である。逆に、減速退化は、バッテリーセル11の退化が次第に遅く進行している状態である。
制御部103は、電圧増減パターンに応じて判断された第1退化加速程度及び抵抗増減パターンに応じて判断された第2退化加速程度のうち少なくとも一つが加速退化または線形退化と判断された場合のみに、既に設定された制御条件を変更するように構成され得る。例えば、制御部103は、第1退化加速程度及び第2退化加速程度をすべて減速退化と判断した場合には、バッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更しないように構成され得る。
すなわち、第1退化加速程度と第2退化加速程度とは互いに独立しているが、制御部103が既に設定された制御条件を変更するために判断する指標であるという点は同一である。したがって、制御部103は、第1退化加速程度及び第2退化加速程度のうちいずれか一つでも加速退化または線形退化と判断した場合に限って、バッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更するように構成され得る。
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、開放回路電圧と抵抗とが互いに影響を及ぼさない充電状況の特殊性を考慮して、電圧増減パターンに基づいた退化加速程度及び抵抗増減パターンに基づいた退化加速程度をすべて判断することができる。したがって、バッテリー管理装置100は、判断した退化加速程度に基づいてバッテリーセル11の制御条件を変更することで、バッテリーセル11の状態情報に基づいてバッテリーセル11に最適化された制御条件を設定することができる。
以上、バッテリーセル11の充電状況において、制御部103が電圧増減パターン及び抵抗増減パターンのそれぞれに基づいてバッテリーセル11の退化加速程度を判断し、判断した退化加速程度に基づいてバッテリーセル11に対して既に設定された制御条件を変更する過程を簡略に説明した。以下、制御部103が退化加速程度を判断し、判断した退化加速程度に基づいてバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更する構成について具体的に説明する。
まず、電圧増減パターンに基づいて第1退化加速程度を判断し、既に設定された制御条件を変更する構成について説明する。
制御部103は、受信した開放回路電圧を予め保存された基準電圧と比較して電圧変動率を算出することができる。ここで、予め保存された基準電圧は、電圧測定部101によって測定された開放回路電圧との比較のための参照値であって、保存部105に予め保存された値であり得る。すなわち、保存部105には基準電圧が予め保存されており、制御部103は、保存部105に予め保存された基準電圧と電圧測定部101から受信した開放回路電圧とを比べて電圧変動率を算出できる。
例えば、予め保存された基準電圧は、所定のサイクル時点で測定されたバッテリーセル11の開放回路電圧を含み得る。電圧変動率は、予め保存された基準電圧と制御部103が電圧測定部101から受信した開放回路電圧とを比べて得られる。特に、電圧変動率は、予め保存された基準電圧と開放回路電圧の測定値との比率または差として算出され得る。すなわち、制御部103は、所定のサイクル時点以後のサイクルで電圧測定部101から測定された開放回路電圧を受信し、予め保存された基準電圧に対する受信した開放回路電圧の比率を電圧変動率として算出し得る。
例えば、第1バッテリーセルC1に対して予め保存された基準電圧をA1[V]と仮定する。また、電圧測定部101が第1時点で測定した第1バッテリーセルC1の開放回路電圧をB1[V]と仮定する。制御部103は、第1バッテリーセルC1の第1時点の電圧変動率をA1[V]とB1[V]との差として算出し得る。例えば、第1バッテリーセルC1の第1時点の電圧変動率は「B1-A1[V]」の計算式によって算出され得る。他の例として、第1バッテリーセルC1の第1時点の電圧変動率は「(B1÷A1)×100」の計算式によっても算出され得る。以下、説明の便宜上、電圧変動率が「B1-A1」の計算式によって算出されたことに限定して説明する。
望ましくは、予め保存された基準電圧は、所定のサイクル時点でバッテリーセル11が充電されてバッテリーセル11の電圧が基準充電電圧に到達したときの開放回路電圧を含むことができる。ここで、所定のサイクル時点は、BOL(Beginning of Life)から所定のサイクル数以内の時点であって、例えば、バッテリーセル11の出荷後一回目の充電時点であり得る。
例えば、基準充電電圧が4.2Vに設定されたと仮定する。この場合、電圧測定部101は、第1バッテリーセルC1の最初充電過程(初期状態)における電圧を測定し、測定した電圧が4.2Vに到達したときの開放回路電圧を測定し得る。
望ましくは、予め保存された電圧変動率データは、電圧測定部101によって開放回路電圧が測定される度に制御部103によって算出された電圧変動率を含むように構成され得る。すなわち、所定のサイクル時点以後から現在時点以前までにおいて、電圧測定部101は充電によってバッテリーセル11の電圧が基準充電電圧に到達すれば開放回路電圧を測定し、制御部103は電圧測定部101で測定された開放回路電圧に基づいて電圧変動率を算出し得る。そして、算出された電圧変動率は、保存部105に予め保存された電圧変動率データに含まれ得る。
例えば、図1に示された実施形態において、第1バッテリーセルC1に対して予め保存された電圧変動率データには第1時点~第N-1時点で算出された第1バッテリーセルC1の電圧変動率が含まれ得る。ここで、Nは2以上の整数であって、Nが2であると、予め保存された電圧変動率データには第1時点で算出された第1バッテリーセルC1の電圧変動率のみが含まれ得る。制御部103によって第N時点で第1バッテリーセルC1の電圧変動率が算出された場合、第N時点で算出された第1バッテリーセルC1の電圧変動率は保存部105に予め保存された電圧変動率データに含まれ得る。この場合、保存部105に予め保存された電圧変動率データには第1~第N電圧変動率が含まれ得る。
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、保存部105に過去時点から現在時点まで予め保存された電圧変動率データに基づいて現在のバッテリーセル11の電圧増減パターンを決定することができる。すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、算出された電圧変動率を累積保存した予め保存された電圧変動率データに基づいて現在のバッテリーセル11の電圧増減パターン及び退化加速程度を判断するため、特定時点での電圧変動率のみでバッテリーセル11の退化度を判断する場合よりも、バッテリーセル11の退化加速程度及び退化度などをより正確に判断することができる。
また、このように判断された退化加速程度及び退化度は、バッテリーセル11の未来状態を推定するための情報として活用できるため、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の過去及び現在の状態だけでなく、退化加速程度に基づいて未来の状態を推定可能な情報を提供することができる。
制御部103は、予め保存された電圧変動率データのうちバッテリーセル11の現在サイクルから所定のサイクル数以内に含まれた複数の電圧変動率の電圧変化率(rate of voltage change)を算出することができる。ここで、電圧変化率は、電圧変動率間の平均変化率(average rate of change)または瞬間変化率(instantaneous rate of change)を含むことができる。そして、現在サイクルから所定のサイクル数以内に含まれた複数の電圧変動率は、現在サイクルから予め設定されたサイクル数以内に含まれた複数の電圧変動率を含むことができる。例えば、制御部103は、現在サイクルから50サイクル以内に含まれた複数の電圧変動率の電圧変化率を算出し得る。図3及び図4を参照して電圧変化率の算出について具体的に説明する。
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置によって算出された第1バッテリーセルの電圧変動率を示した図である。図4は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置によって算出された第2バッテリーセルの電圧変動率を示した図である。図3及び図4を参照すると、保存部105は、サイクル毎に第1バッテリーセルC1に対して予め保存された電圧変動率データ及び第2バッテリーセルC2に対して予め保存された電圧変動率データをそれぞれ保存することができる。
以下、図3に示されたように、第1バッテリーセルC1に対して予め設定されたサイクル数を含む区間をIn区間として説明する。同様に、図4に示されたように、第2バッテリーセルC2に対して予め設定されたサイクル数を含む区間をJn区間として説明する。ここで、nは正の整数である。
例えば、予め設定されたサイクル数が50である場合、I1区間には第1バッテリーセルC1の0~50サイクルが含まれ、I2区間には第1バッテリーセルC1の51~100サイクルが含まれ得る。説明の便宜上、第1バッテリーセルC1の0サイクルはI1に含まれ、第2バッテリーセルC2の0サイクルはJ1区間に含まれたとして説明する。
例えば、一区間に含まれるように予め設定されたサイクル数が50であると仮定する。図3において、第1バッテリーセルC1の現在サイクルが300サイクルであれば、制御部103は保存部105に第1バッテリーセルC1に対して予め保存されている電圧変動率データのうち251~300サイクルを含むI6区間に属したそれぞれのサイクルの電圧変動率を抽出する。すなわち、制御部103は、第1バッテリーセルC1のI6区間に属したそれぞれのサイクルの電圧変動率を互いに比べ、I6区間の電圧変化率を算出することができる。同様に、図4において、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが150サイクルであれば、制御部103は保存部105に第2バッテリーセルC2に対して予め保存されている電圧変動率データのうち101~150サイクルを含むJ3区間に属したそれぞれのサイクルの電圧変動率を抽出する。制御部103は、第2バッテリーセルC2のJ3区間に属したそれぞれのサイクルの電圧変動率を互いに比べ、J3区間の電圧変化率を算出することができる。ここで、電圧変化率とは、変化率に対する特定の数値を意味する。
以下、説明の便宜上、電圧変化率が0以上であれば正の変化率、電圧変化率が0未満であれば負の変化率であると説明する。また、図5を参照して制御部103が電圧変化率を算出する例を具体的に説明する。
図5は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置によって算出された第1バッテリーセルの電圧変動率のうち一区間を拡大して示した図である。すなわち、図5は、第1バッテリーセルC1に対して算出された電圧変動率のうちI2区間に含まれた電圧変動率を拡大して示した図である。
図5の実施形態を参照すると、制御部103は、バッテリーセル11の現在サイクルが属した区間に含まれた電圧変動率の電圧変化率を算出することができる。このとき、制御部103は、バッテリーセル11の現在サイクルが属した区間の電圧変化率に基づいて、バッテリーセル11の現在サイクルが属した区間を複数のサブ区間に区分することができる。
具体的には、制御部103は、一区間内で算出した電圧変化率が正の変化率から負の変化率に、または、負の変化率から正の変化率に変わるサイクル地点を基準にして一つの区間を複数のサブ区間に区分することができる。
例えば、図5の例において、制御部103は、I2区間に含まれた連続するサイクルに対する平均変化率またはI2区間に含まれた連続するサイクルに対する瞬間変化率を算出し得る。具体的には、80サイクルを基準にして、I21区間の電圧変化率は正の変化率で算出され、I22電圧変化率は負の変化率で算出され得る。したがって、制御部103は、80サイクルを基準にして第1バッテリーセルC1のI2区間をI21区間とI22区間とに区分できる。
すなわち、図5の実施形態において、制御部103は、I2区間をI21区間とI22区間とに区分し、I21区間及びI22区間のそれぞれに対して電圧変化率を算出することができる。このように、制御部103は、一つの区間をサブ区間に分け、サブ区間毎に電圧変化率を算出することができる。
図6は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置によって算出された第1バッテリーセルの電圧変動率のうち他の一区間を拡大して示した図である。図7は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置によって算出された第1バッテリーセルの電圧変動率のうちさらに他の一区間を拡大して示した図である。
図6及び図7を参照すると、制御部103は、算出した電圧変化率に基づいてI4区間及びI6区間を複数のサブ区間を区分することができる。すなわち、制御部103は、I4区間をI41、I42、I43及びI44のサブ区間に区分し、I6区間をI61及びI62のサブ区間に区分できる。
図8は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置によって算出された第2バッテリーセルの電圧変動率のうち一区間を拡大して示した図である。
図8を参照すると、制御部103は、第2バッテリーセルC2に対して算出した電圧変化率に基づいてJ1区間を複数のサブ区間を区分することができる。すなわち、制御部103は、J1区間をJ11及びJ12のサブ区間に区分できる。
制御部103は、バッテリーセル11の現在サイクルが属した区間に含まれた電圧変動率間の変化率を算出するとき、現在サイクルが属した区間を一つのみにして変化率を算出しないこともあり得る。そして、制御部103は、正の変化率から負の変化率に、または、負の変化率から正の変化率に電圧変化率が変わるサイクル時点を判断し、判断したサイクル時点を基準にしてバッテリーセル11の現在サイクルが属した区間をサブ区間に区分することができる。
このように、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の現在サイクルが属した区間を一律に一つの区間として判断することなく、場合によってサブ区間に分けて電圧変化率をより細かく算出するため、バッテリーセル11の現在状態をより正確に判断することができる。
また、制御部103は、算出した電圧変化率に基づいて電圧増減パターンを決定することができる。ここで、電圧増減パターンは、電圧増加パターン及び電圧減少パターンを含むことができる。特に、制御部103は、算出した変化率が正の変化率である場合に対する電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定することができる。また、制御部103は、算出した変化率が負の変化率である場合に対する電圧増減パターンを電圧減少パターンと決定することができる。
例えば、図3及び図5を参照すると、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI1区間に属する場合、制御部103は、I1区間に含まれた電圧変動率に基づいて第1バッテリーセルC1の電圧変化率を算出する。この場合、制御部103はI1区間の電圧変化率を0以上の値で算出し得る。すなわち、I1区間の電圧変化率が正の変化率で算出され得る。そして、制御部103は、このように電圧変化率が正の変化率で算出された結果に基づいて、現在の第1バッテリーセルC1の電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定し得る。また、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI2区間のうちI22区間に属する場合、制御部103は、該当区間に含まれた電圧変動率に基づいて負の変化率を算出する。そして、制御部103は、算出した負の変化率に基づいて現在の第1バッテリーセルC1の電圧増減パターンを電圧減少パターンと決定し得る。
例えば、図4及び図8を参照すると、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ1区間に属する場合、制御部103は、J1区間に含まれた電圧変動率に基づいて電圧変化率を算出する。第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ11区間に属する場合、制御部103は、第2バッテリーセルC2の電圧変化率を0以上の値で算出し、電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定し得る。逆に、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ12区間に属する場合、制御部103は、第2バッテリーセルC2の電圧変化率を0未満の値で算出し、電圧増減パターンを電圧減少パターンと決定し得る。
そして、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ2~J6区間のうちいずれか一つに属する場合、制御部103は、第2バッテリーセルC2の電圧変化率を負の変化率で算出し、算出された負の変化率に基づいて現在の第2バッテリーセルC2の電圧増減パターンを電圧減少パターンと決定し得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の現在状態だけでなく、過去の状態までも考慮してバッテリーセル11の現在状態をより正確に推定することができる。また、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の電圧変化率を算出し、電圧変化率に基づいて電圧増減パターンを決定するため、バッテリーセル11の未来状態を推定し易い情報を提供することができる。
また、現在サイクルから所定のサイクル数以内であっても、電圧変化率が負から正に又は正から負に変動する区間をサブ区間に分けてバッテリーセル11の電圧増減パターンをより具体的且つ細かく決定することで、バッテリーセル11の現在状態をより正確に推定することができる。
制御部103は、電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定した場合、バッテリーセル11の第1退化加速程度を、減速退化と判断するように構成され得る。
例えば、上述したように図3を参照すると、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI1区間に属する場合、制御部103は、第1バッテリーセルC1の電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定する。制御部103は、第1バッテリーセルC1の現在の第1退化加速程度を減速退化と判断し得る。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定した場合は、バッテリーセル11の退化加速程度を専ら減速退化と判断することができる。
上述したように図4を参照すると、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ2区間に属する場合、制御部103は、第2バッテリーセルC2の電圧増減パターンを電圧減少パターンと決定する。制御部103は、電圧減少パターンと決定されたJ2区間の電圧変化率に基づいて第2バッテリーセルC2の第1退化加速程度を加速退化または線形退化と判断し得る。
すなわち、制御部103は、電圧増減パターンを電圧減少パターンと決定した場合、バッテリーセル11の電圧変化率に基づいて第1退化加速程度を加速退化または線形退化と判断することができる。
逆に、制御部103は、電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定した場合、バッテリーセル11の電圧変化率を算出する過程を省略して第1退化加速程度を専ら減速退化と判断するように構成され得る。
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の電圧増減パターン及び電圧変化率に基づいてバッテリーセル11の第1退化加速程度を加速退化、線形退化または減速退化に細分化して判断することで、バッテリーセル11の現在状態をより正確に判断及び診断することができる。
また、バッテリー管理装置100は、電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定した場合、別途に電圧変化率を算出しなくてもよい。すなわち、バッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定した場合に限ってバッテリーセル11の退化加速程度を減速退化と判断し、バッテリーセル11の退化加速程度の判断にかかる時間を節減することができる。
バッテリーセル11の退化加速程度のうち加速退化及び線形退化は、バッテリーセル11の退化がどれくらい速く進行しているかによって区分可能である。以下、加速退化と線形退化との区分基準について説明する。
制御部103は、算出した電圧変化率が既に設定された基準電圧変化率以上である場合、バッテリーセル11の退化加速程度を線形退化と判断するように構成され得る。
逆に、制御部103は、算出した電圧変化率が既に設定された基準電圧変化率未満である場合、バッテリーセル11の退化加速程度を加速退化と判断するように構成され得る。
ここで、既に設定された基準電圧変化率は、バッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧減少パターンと決定された場合、退化加速程度を加速退化または線形退化として決定するための基準変化率である。
例えば、既に設定された基準電圧変化率は50サイクル毎に電圧変動率が1mV減少するものとして既に設定され得る。図5~図7に示された実施形態において、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI22、I42、I44またはI62区間のうちいずれか一つに属すれば、制御部103は、第1バッテリーセルC1の現在サイクルが属する区間の電圧変化率を既に設定された基準電圧変化率と比較し得る。制御部103は、第1バッテリーセルC1の現在サイクルが属した区間の電圧変化率が既に設定された基準電圧変化率以上であれば線形退化と判断し、第1バッテリーセルC1の現在サイクルが属した区間の電圧変化率が既に設定された基準電圧変化率未満であれば加速退化と判断し得る。
同様に、図4及び図8に示された実施形態において、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ12、J2~J6区間のうちいずれか一つに属すれば、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属する区間の電圧変化率を既に設定された基準電圧変化率と比較し得る。望ましくは、図4及び図8を参照すると、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ12、J2~J6区間のうちいずれか一つに属すれば、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属する区間の電圧変化率を既に設定された基準電圧変化率と比較し得る。
ここで、制御部103は、J1区間の電圧変化率に基づいて、J1区間をJ11区間とJ12区間とに区分する。制御部103は、J1区間の電圧変化率を算出する過程において、電圧増減パターンが変わる地点を基準にしてJ1区間をJ11区間とJ12区間とに区分し得る。ここで、J11区間の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、J12区間の電圧増減パターンが電圧減少パターンであるため、制御部103は、25サイクルを基準にしてJ1区間をJ11区間とJ12区間とに区分し得る。すなわち、J11区間及びJ12区間はJ1区間のサブ区間であり得る。
例えば、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ11区間に属すれば、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属した区間の電圧変化率に基づいて第2バッテリーセルC2の電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定し得る。そして、制御部103は、第2バッテリーセルC2の第1退化加速程度を減速退化と判断し得る。
他の例として、J12、J2及びJ3区間の電圧変化率が既に設定された電圧変化率未満であり、J4~J6区間の電圧変化率が既に設定された電圧変化率以上であると仮定する。制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ12、J2及びJ3区間のうちいずれか一つに属すれば、第2バッテリーセルC2の第1退化加速程度を加速退化と判断し得る。逆に、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ4~J6区間のうちいずれか一つに属すれば、第2バッテリーセルC2の第1退化加速程度を線形退化と判断し得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、電圧増加パターンに対する退化加速程度を一律に判断せず、既に設定された基準電圧変化率とバッテリーセル11の現在サイクルが属した区間の電圧変化率とを比べて、退化加速程度を加速退化または線形退化に細分化して判断することができる。したがって、バッテリーセル11の現在状態をより細分化して、具体的に診断することができる。
制御部103は、バッテリーセル11に対して算出した電圧変動率が既に設定された電圧下限値を超え、且つ、既に設定された電圧上限値未満である場合に限って、バッテリーセル11の電圧増減パターンを決定するように構成され得る。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の電圧変動率が一定範囲以内である場合のみに電圧増減パターンを決定し得る。
例えば、バッテリーセル11の電圧変動率が既に設定された上限値以上である場合は、バッテリーセル11の開放回路電圧が基準値以上に増加した場合であって、バッテリーセル11が異常退化して急落危険(sudden drop risk)が存在する場合であり得る。また、バッテリーセル11の電圧変動率が既に設定された下限値以下である場合は、短絡などによってバッテリーセル11の開放回路電圧が基準値以下に減少した場合であって、バッテリーセル11が異常退化した場合であり得る。したがって、制御部103は、バッテリーセル11が異常に退化した場合を除いて、バッテリーセル11が正常に退化した場合に対して電圧増減パターンを決定することができる。
バッテリーセル11の正常状態または異常状態が事前に区分されないと、異常状態における電圧増減パターンに応じて退化加速程度が判断され、判断された退化加速程度に基づいてバッテリー制御条件が調整されて、バッテリーセル11の状態をさらに悪化させるおそれがある。
したがって、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の状態を正常状態または異常状態に先に区分した後、バッテリーセル11の状態が正常状態である場合に限って電圧増減パターン及び退化加速程度を判断することで、バッテリーセル11の退化加速程度の判断にかかる時間を短縮し、バッテリーセル11の状態判断の正確度を向上させることができる。
上述したように、制御部103は、バッテリーセル11の電圧増減パターンに応じて第1退化加速程度を判断し、判断した第1退化加速程度に基づいてバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更することができる。
望ましくは、既に設定された制御条件は、バッテリーセル11に対して設定されたC-レート(C-RATE)及び充電終了電圧(Vmax)のうち少なくとも一つ以上を含むことができる。既に設定された制御条件は、バッテリーセル11の出荷時または最初作動時にバッテリーセル11に対して予め設定され、その後、バッテリーセル11の第1退化加速程度に基づいて制御部103によって変更され得る。また、既に設定された制御条件は保存部105に保存され得る。
例えば、図1の実施形態において、既に設定された制御条件は、第1バッテリーセルC1、第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4のそれぞれに設定され得る。
また、制御部103は、判断した第1退化加速程度が加速退化または線形退化である場合のみに、決定した電圧増減パターンの開始サイクルで既に測定されたバッテリーセル11の開放回路電圧を基準開放電圧として設定し得る。すなわち、制御部103は、判断した第1退化加速程度が減速退化である場合は、基準開放電圧を設定しなくてもよい。
まず、制御部103は、バッテリーセル11の電圧増減パターンを決定し、決定した電圧増減パターンに応じて第1退化加速程度を判断し得る。そして、第1退化加速程度が加速退化または線形退化である場合、制御部103は、決定した電圧増減パターンの開始サイクルを選択し得る。
ここで、開始サイクルは、制御部103によって決定されたバッテリーセル11の現在の電圧増減パターンと連続しながら、同じ電圧増減パターンの開始点であり得る。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の現在サイクルが属する区間以前の連続する区間から、バッテリーセル11の現在サイクルが属する区間の電圧増減パターンと同じ電圧増減パターンに決定された最先区間を選択し得る。そして、制御部103は選択した最先区間の開始サイクルを選択し得る。
例えば、0サイクル以後のバッテリーセル11の第1退化加速程度が加速退化または線形退化であり、バッテリーセル11の電圧増減パターンが何れも電圧減少パターンと決定された場合、電圧減少パターンの開始サイクルは0サイクルであり得る。
他の例として、0サイクル~100サイクルでバッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、101サイクル~現在サイクルでバッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧減少パターンと決定された場合、電圧減少パターンの開始サイクルは101サイクルであり得る。開始サイクルが選択された後、制御部103は、選択した開始サイクルで測定されたバッテリーセル11の開放回路電圧を基準開放電圧として設定し得る。
例えば、図4及び図8に示された実施形態において、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ6区間に属し、J11区間の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、J12~J6区間の電圧増減パターンが何れも電圧減少パターンであると仮定する。制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属するJ6区間以前の連続する区間から、電圧増減パターンをJ6区間の電圧増減パターンと同じ電圧増減パターンで決定された最先区間を選択し得る。この場合、J6区間以前の区間のうちJ6区間と連続する区間はJ1~J5区間である。そして、J1~J5区間のうちJ12~J5区間の電圧増減パターンがJ6区間の電圧増減パターンと同じ電圧減少パターンである。したがって、制御部103はJ12区間を最先区間として選択し得る。そして、制御部103は、J12区間の開始サイクルで測定された第2バッテリーセルC2の開放回路電圧を基準開放電圧として設定し得る。
また、制御部103は、設定した基準開放電圧と電圧測定部101から受信した開放回路電圧とを比較した電圧比較値を算出することができる。例えば、設定した基準開放電圧が4.2Vであり、電圧測定部101から受信した開放回路電圧が4.21Vであれば、制御部103は電圧比較値として0.01Vを算出し得る。
例えば、上述したように、図4及び図8に示された実施形態において、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ6区間に属し、J11区間の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、J12~J6区間の電圧増減パターンが何れも電圧減少パターンであると仮定する。制御部103は、J12区間の開始サイクルで測定された第2バッテリーセルC2の開放回路電圧、すなわち基準開放電圧を第2バッテリーセルC2の現在サイクルで測定された開放回路電圧と比較し得る。制御部103は、基準開放電圧と第2バッテリーセルC2の現在サイクルで測定された開放回路電圧との差を電圧比較値として算出し得る。
また、制御部103は、算出した電圧比較値を既に設定された電圧変換基準に従って変換した電圧変換値に基づいてC-レート及び充電終了電圧のうち少なくとも一つを変更するように構成され得る。ここで、既に設定された電圧変換基準は保存部105に保存され得る。すなわち、制御部103は、算出した電圧比較値をC-レートまたは充電終了電圧に対応する変換値に変換し、変換値に基づいてC-レートまたは充電終了電圧を変更することで、バッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更することができる。
例えば、制御部103は、バッテリーセル11の基準開放電圧と現在の開放回路電圧との差である電圧比較値を算出し、算出した電圧比較値を既に設定された変換基準に従って変換した変換値を算出し、算出した変換値に基づいてバッテリーセル11のC-レートを減速させ得る。例えば、制御部103は、バッテリーセル11の現在の開放回路電圧が基準開放電圧より1mV減少する度に、バッテリーセル11のC-レートを初期に設定されたC-レートから1%ずつ減速させ得る。ここで、初期に設定されたC-レートは、バッテリーセル11毎に設定され、保存部105に予め保存され得る。
他の例として、制御部103は、バッテリーセル11の基準開放電圧と現在の開放回路電圧との電圧差を算出し、算出した電圧差に基づいてバッテリーセル11の充電終了電圧を減少させ得る。例えば、制御部103は、バッテリーセル11の現在の開放回路電圧が基準開放電圧より1mV減少する度に、バッテリーセル11の充電終了電圧を初期に設定された充電終了電圧から1mVずつ減少させ得る。ここで、初期に設定された充電終了電圧は、バッテリーセル11毎に設定され、保存部105に予め保存され得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の第1退化加速程度に基づいてバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更することができる。例えば、同じ生産設備で生産されたバッテリーセル11であっても、多様な理由によって可用容量などバッテリーセル11の状態または仕様が多少相異なり得る。
例えば、電気自動車のように複数のバッテリーセル11が備えられる装置において、バッテリーセル11のサイクルまたは使用期間などによってバッテリーセル11の制御条件を一括して変更すれば、バッテリーセル11のそれぞれに対する最適の制御条件が設定されない問題が生じ得る。
したがって、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、それぞれのバッテリーセル11の電圧増減パターンに応じてバッテリーセル11のそれぞれに既に設定された制御条件を変更することで、それぞれのバッテリーセル11の制御条件を最適の条件に維持することができる。また、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の寿命をより長く維持でき、過放電などの致命的な問題を予め防止することができる。
望ましくは、既に設定された電圧変換基準は、算出された電圧比較値をC-レートに対応する値に変換する第1電圧変換基準、及び算出された電圧比較値を充電終了電圧に対応する値に変換する第2電圧変換基準を含むことができる。そして、第1電圧変換基準及び第2電圧変換基準は保存部105に保存され得る。
例えば、第1電圧変換基準は、電圧比較値をC-レートに対応する値に変換する基準であって、1mVの電圧比較値をC-レートに対応する値1%に変換し得る。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の基準開放電圧と現在サイクルの開放回路電圧とを比べた電圧比較値が1mVであれば、第1電圧変換基準に従ってC-レートに対応する値として1%を算出し得る。
他の例として、第2電圧変換基準は、電圧比較値を充電終了電圧に対応する値に変換する基準であって、1mVの電圧比較値を充電終了電圧に対応する値1mVに変換し得る。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の基準開放電圧と現在サイクルの開放回路電圧とを比べた電圧比較値が1mVであれば、第2電圧変換基準に従って充電終了電圧に対応する値として1mVを算出し得る。
具体的には、制御部103は、算出した電圧比較値を第1電圧変換基準に従って変換した第1電圧変換値を取得するように構成され得る。そして、制御部103は取得した第1電圧変換値に基づいてC-レートを変更するように構成され得る。
例えば、上述した例示と同様に、第1電圧変換基準に従ってC-レートに対応する値として1%が算出されれば、制御部103は、バッテリーセル11のC-レートを算出した変換値1%だけ減速させ得る。
また、制御部103は、算出した電圧比較値を第2電圧変換基準に従って変換した第2電圧変換値に基づいて充電終了電圧を変更するように構成され得る。例えば、第2電圧変換基準に従って充電終了電圧に対応する値として1mVが算出されれば、制御部103は、バッテリーセル11の充電終了電圧を算出した変換値である1mVだけ増加させ得る。
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の基準開放電圧と現在の開放回路電圧とを比較した電圧比較値に基づいて、バッテリーセル11に既に設定された制御条件であるC-レート及び充電終了電圧のうち少なくとも一つを変更することができる。すなわち、バッテリーセル11の基準開放電圧はバッテリーセル11の過去の電圧変動率に基づいて設定されたものであるため、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の現在及び過去の電圧変動率に基づいて、現在のバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更することができる。したがって、バッテリーセル11の現在状態に最適化した制御条件が設定されるため、バッテリーセル11の退化を遅らせ、バッテリーセル11をより長く使用することができる。
制御部103は、判断した第1退化加速程度が加速退化であり、且つ、C-レート及び充電終了電圧のうち少なくとも一つが変更された場合のみに、既に設定された電圧変換基準を変更するように構成され得る。すなわち、制御部103は、第1退化加速程度が加速退化または線形退化である場合に、バッテリーセル11に既に設定された制御条件であるC-レート及び充電終了電圧のうち少なくとも一つを変更し得る。そして、制御部103は、第1退化加速程度が加速退化と判断された場合に限って、既に設定された電圧変換基準を変更するように構成され得る。
例えば、バッテリーセル11の第1退化加速程度が加速退化と判断され、第1電圧変換基準は1mVの電圧比較値をC-レートに対応する第1電圧変換値1%に変換する基準であると仮定する。制御部103は、第1電圧変換基準に従ってバッテリーセル11のC-レートを変更し得る。そして、バッテリーセル11の第1退化加速程度が加速退化と判断されたため、制御部103は第1電圧変換基準を変更し得る。すなわち、第1電圧変換基準は、1mVの電圧比較値を第1電圧変換値1%に変換する基準から、0.9mVの電圧比較値を第1電圧変換値1%に変換する基準に変更され得る。
例えば、第1時点において、バッテリーセル11の第1退化加速程度が加速退化であり、基準開放電圧と開放回路電圧との差が1mVであり、バッテリーセル11の初期C-レートが100%であると仮定する。また、上述した例示と同様に、第1電圧変換基準は1mVの電圧比較値をC-レートに対応する第1電圧変換値1%に変換する基準であると仮定する。制御部103は、第1電圧変換基準に従ってバッテリーセル11に設定されたC-レートを100%から99%に1%だけ減速し得る。そして制御部103は、電圧比較値0.9mVをC-レートに対応する第1電圧変換値1%に変換するように第1電圧変換基準を変更し得る。その後、第1時点に続く第2時点において、バッテリーセル11の第1退化加速程度が相変らず加速退化と判断され、バッテリーセル11の基準開放電圧と開放回路電圧との差が0.9mVであれば、制御部103は、変更された第1電圧変換基準に従ってバッテリーセル11に設定されたC-レートを99%から98%にさらに1%だけ減速し得る。
他の例として、バッテリーセル11の第1退化加速程度が加速退化と判断され、第2電圧変換基準は1mVの電圧比較値を充電終了電圧に対応する第2電圧変換値1mVに変換する基準であると仮定する。制御部103は、第2電圧変換基準に従ってバッテリーセル11の充電終了電圧を変更し得る。そして、バッテリーセル11の第1退化加速程度が加速退化と判断されたため、制御部103は第2電圧変換基準を変更し得る。すなわち、第2電圧変換基準は、1mVの電圧比較値を1mVの第2電圧変換値に変換する基準から、0.9mVの電圧比較値を1mVの第2電圧変換値に変換する基準に変更され得る。
例えば、第1時点において、バッテリーセル11の第1退化加速程度が加速退化であり、基準開放電圧と開放回路電圧との差が1mVであり、バッテリーセル11の初期充電終了電圧が4.2Vに既に設定されたと仮定する。また、上述した例示と同様に、第2電圧変換基準は1mVの電圧比較値を充電終了電圧に対応する第2電圧変換値1mVに変換する基準であると仮定する。制御部103は、第2電圧変換基準に従ってバッテリーセル11に設定された充電終了電圧を4.2Vから4.199Vに1mVだけ減少させ得る。そして制御部103は、0.9mVの電圧比較値を充電終了電圧に対応する1mVの第2電圧変換値に変換するように第2電圧変換基準を変更し得る。その後、第1時点に続く第2時点において、バッテリーセル11の第1退化加速程度が相変らず加速退化と判断され、バッテリーセル11の基準開放電圧と開放回路電圧との差が0.9mVであれば、制御部103は、変更された第2電圧変換基準に従ってバッテリーセル11に設定された充電終了電圧を4.199Vから4.198Vにさらに1mVだけ減少させ得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の第1退化加速程度が線形退化である場合は既に設定された電圧変換基準を変更しないが、バッテリーセル11の第1退化加速程度が加速退化である場合は、バッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更し、既に設定された電圧変換基準を変更することができる。すなわち、バッテリーセル11の第1退化加速程度が加速退化である場合は、バッテリーセル11の退化が急激に進行する状態であるため、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、既に設定された制御条件を変更する度に既に設定された電圧変換基準を調整することで、バッテリーセル11の電圧変化率を低減させ、バッテリーセル11の急激な退化を防止することができる。
制御部103は、既に設定された電圧変換基準が変更された後、第1退化加速程度が線形退化または減速退化と判断された場合のみに、既に設定された電圧変換基準を変更前の電圧変換基準に戻すように構成され得る。
例えば、制御部103は、第1時点において、バッテリーセル11の第1退化加速程度を加速退化と判断し、第1電圧変換基準に従ってバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更し、第1電圧変換基準を変更し得る。その後、第1時点以後の時点において、制御部103は、バッテリーセル11の退化加速程度を線形退化または減速退化と判断すれば、変更された第1電圧変換基準を第1時点で変更する前の電圧変換基準に変更し得る。すなわち、バッテリーセル11の既に設定された第1電圧変換基準が変更された後、バッテリーセル11の退化加速程度が線形退化または減速退化と判断されれば、バッテリーセル11の急激な退化(加速退化)が進行しない状況であるため、変更された第1電圧変換基準が本来の第1電圧変換基準に初期化され得る。同様に、第2電圧変換基準が変更された後、バッテリーセル11の第1退化加速程度が線形退化または減速退化と判断されれば、制御部103は、変更された第2電圧変換基準を初期に設定された第2電圧変換基準に初期化し得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の退化加速程度が加速退化であって、バッテリーセル11の退化が急激に進行している状態である場合は、バッテリーセル11に既に設定された電圧変換基準を適切に変更することができる。したがって、バッテリーセル11の制御条件をバッテリーセル11の現在状態に最適化して設定でき、バッテリーセル11の過放電または急落危険が減少するため、バッテリーセル11をより安全に且つ長期間使用することができる。
以上、バッテリーセル11の充電状況において、制御部103が電圧増減パターンに応じてバッテリーセル11の第1退化加速程度を判断し、判断した第1退化加速程度に基づいてバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更する構成について説明した。以下、抵抗増減パターンに基づいて第2退化加速程度を判断し、判断した第2退化加速程度に基づいてバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更する構成について具体的に説明する。
ここで、第2退化加速程度は、バッテリーセル11の抵抗増減パターンに応じて判断された退化加速程度であって、上述した第1退化加速程度と同様に、制御部103によって加速退化、線形退化及び減速退化のうちいずれか一つとして判断され得る。
まず、制御部103は、電圧測定部101によって測定されたバッテリーセル11の開放回路電圧に基づいてバッテリーセル11の内部抵抗を算出することができる。例えば、制御部103は「(|CCVEoC-OCVEoC|)÷it1」の計算式によってバッテリーセル11の現在抵抗を算出し得る。ここで、CCVEoCはバッテリーセル11のOCVEoCを測定した時点からt1時点以後に測定したバッテリーセル11の充電または放電電圧であり、OCVEoCは充電状況でバッテリーセル11の電圧が基準充電電圧に到達したときに測定されたバッテリーセル11の開放回路電圧であり、it1はt1時間にわたって流れた充電または充電電流の量を意味する。
また、制御部103は、算出した内部抵抗を予め保存された基準抵抗と比べて抵抗変動率を算出するように構成され得る。ここで、予め保存された基準抵抗は、制御部103によって算出されたバッテリーセル11の現在抵抗との比較のための参照値であって、保存部105に予め保存された値であり得る。例えば、予め保存された基準抵抗は、所定のサイクル時点で測定されたバッテリーセル11の抵抗であり得る。制御部103は、予め保存された基準抵抗に対する現在バッテリーセル11の抵抗の比率または差を抵抗変動率として算出し得る。
例えば、図1に示された第1バッテリーセルC1に対して予め保存された基準抵抗をA2[Ω]と仮定する。また、第1時点で電圧測定部101が測定した第1バッテリーセルC1の開放回路電圧に基づいて、制御部103が算出した第1バッテリーセルC1の現在抵抗をB2[Ω]と仮定する。制御部103は、第1バッテリーセルC1の第1時点の抵抗変動率をA2[Ω]に対するB2[Ω]の比率として算出し得る。例えば、第1バッテリーセルC1の第1時点の抵抗変動率は「(B2÷A2)×100」の計算式によって算出され得る。
望ましくは、予め保存された基準抵抗は、保存部105に予め保存された基準電圧に基づいて算出された基準抵抗を含むことができる。すなわち、予め保存された基準抵抗は予め保存された基準電圧に対応するものであって、所定のサイクル時点でバッテリーセル11が充電されてバッテリーセル11の電圧が基準充電電圧に到達したときの開放回路電圧に基づいて算出された抵抗であり得る。予め保存された基準抵抗は保存部105に保存され得る。
例えば、保存部105には基準電圧A1[V]が予め保存され、基準電圧A1に基づいて算出された基準抵抗A2[Ω]が予め保存され得る。
望ましくは、予め保存された抵抗変動率データは、電圧測定部101によって開放回路電圧が測定される度に制御部103によって算出された抵抗変動率を含むように構成され得る。すなわち、所定のサイクル時点以後から現在以前までにおいて、電圧測定部101は充電によってバッテリーセル11の電圧が基準充電電圧に到達すれば開放回路電圧を測定し得る。
そして、制御部103は、電圧測定部101によって測定された開放回路電圧に基づいて現在抵抗を算出し、算出した現在抵抗と保存部105に予め保存された基準抵抗に基づいてバッテリーセル11の抵抗変動率を算出し得る。そして、算出された抵抗変動率は、保存部105に予め保存された抵抗変動率データに含まれ得る。
例えば、図1に示された実施形態において、第1バッテリーセルC1に対して予め保存された抵抗変動率データには第1時点~第N-1時点で算出された第1バッテリーセルC1の抵抗変動率が含まれ得る。ここで、Nは2以上の整数であって、Nが2であると、予め保存された抵抗変動率データには第1時点で算出された第1バッテリーセルC1の抵抗変動率のみが含まれ得る。制御部103によって第N時点で第1バッテリーセルC1の抵抗変動率が算出された場合、第N時点で算出された第1バッテリーセルC1の抵抗変動率は保存部105に予め保存された抵抗変動率データに含まれ得る。この場合、保存部105に予め保存された抵抗変動率データには第1~第N抵抗変動率が含まれ得る。
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、保存部105に過去時点から現在時点まで予め保存された抵抗変動率データに基づいて現在のバッテリーセル11の抵抗増減パターンを決定することができる。すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、過去算出された抵抗変動率を累積保存した予め保存された抵抗変動率データに基づいて現在のバッテリーセル11の抵抗増減パターンを決定することができる。
そして、バッテリー管理装置100は、決定した抵抗増減パターン及び電圧増減パターンに基づいて現在バッテリーセル11の退化加速程度を判断するため、特定時点での抵抗変動率のみでバッテリーセル11の退化度を判断する場合よりも、バッテリーセル11の退化加速程度または退化度などをより正確に判断することができる。
また、このように判断された退化加速程度は、バッテリーセル11の未来状態を推定するための情報として活用できるため、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の過去及び現在の状態だけでなく、退化加速程度に基づいて未来の状態を推定可能な情報を提供することができる。
制御部103は、予め保存された抵抗変動率データのうちバッテリーセル11の現在サイクルから所定のサイクル数以内に含まれた複数の抵抗変動率の抵抗変化率を算出することができる。ここで、抵抗変化率は、抵抗変動率間の平均変化率または瞬間変化率を含むことができる。そして、現在サイクルから所定のサイクル数以内に含まれた複数の抵抗変動率は、現在サイクルから予め設定されたサイクル数以内に含まれた複数の抵抗変動率を含むことができる。
例えば、制御部103は、現在サイクルから50サイクル以内に含まれた複数の抵抗変動率の抵抗変化率を算出し得る。図9及び図10を参照して抵抗変化率の算出について具体的に説明する。
図9は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置によって算出された第1バッテリーセルの抵抗変動率を示した図である。図10は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置によって算出された第2バッテリーセルの抵抗変動率を示した図である。
図9及び図10を参照すると、保存部105は、サイクル毎に第1バッテリーセルC1に対して予め保存された抵抗変動率データ及び第2バッテリーセルC2に対して予め保存された抵抗変動率データをそれぞれ保存することができる。
以下、図9に示されたように、第1バッテリーセルC1に対して予め設定されたサイクル数を含む区間をIn区間として説明する。同様に、図10に示されたように、第2バッテリーセルC2に対して予め設定されたサイクル数を含む区間をJn区間として説明する。ここで、図9に示されたIn区間は図3に示されたIn区間に対応し、図10に示されたJn区間は図4に示されたJn区間に対応し得る。
例えば、一区間に含まれるように予め設定されたサイクル数が50であると仮定する。図9において、第1バッテリーセルC1の現在サイクルが300サイクルであれば、制御部103は保存部105に第1バッテリーセルC1に対して予め保存されている抵抗変動率データのうち251~300サイクルを含むI6区間に属したそれぞれのサイクルの抵抗変動率を抽出する。すなわち、制御部103は、第1バッテリーセルC1のI6区間に属したそれぞれのサイクルの抵抗変動率を互いに比べ、I6区間の抵抗変化率を算出することができる。同様に、図10において、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが150サイクルであれば、制御部103は保存部105に第2バッテリーセルC2に対して予め保存されている抵抗変動率データのうち101~150サイクルを含むJ3区間に属した抵抗変動率を抽出する。制御部103は、第2バッテリーセルC2のJ3区間に属したそれぞれのサイクルの抵抗変動率を互いに比べ、J3区間の抵抗変化率を算出することができる。ここで、抵抗変化率とは、変化率に対する特定の数値を意味する。
以下、説明の便宜上、抵抗変化率が0以上であれば正の変化率、抵抗変化率が0未満であれば負の変化率であると説明する。
制御部103は、図5~図8を参照して上述した電圧変化率算出の例示と同様に、バッテリーセル11の現在サイクルが属した区間に含まれた抵抗変動率間の抵抗変化率を算出するとき、現在サイクルが属した区間を一つのみにして抵抗変化率を算出しないこともあり得る。そして、制御部103は、正から負に又は負から正に抵抗変化率が変わるサイクル時点を判断し、判断したサイクル時点を基準にしてバッテリーセル11の現在サイクルが属した区間をサブ区間に区分することができる。すなわち、制御部103は、一区間に属した抵抗変動率の抵抗変化率に基づいて一区間を複数のサブ区間に区分し、区分したサブ区間それぞれに対する抵抗変化率を算出することができる。
図11は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置によって算出された第1バッテリーセルの抵抗変動率のうち一区間を拡大して示した図である。
例えば、図11の例において、制御部103は、I1区間に含まれた連続するサイクルに対する平均変化率またはI1区間に含まれた連続するサイクルに対する瞬間変化率を算出し得る。具体的には、10サイクルを基準にして、I11区間の抵抗変化率は負の変化率で算出され、I12抵抗変化率は正の変化率で算出され得る。したがって、制御部103は、10サイクルを基準にして第1バッテリーセルC1のI1区間をI11区間とI12区間とに区分できる。
すなわち、図11の実施形態において、制御部103は、I1区間をI11区間とI12区間とに区分し、I11区間及びI12区間のそれぞれに対して抵抗変化率を算出することができる。このように、制御部103は、一つの区間をサブ区間に分け、サブ区間毎に抵抗変化率を算出することができる。
このように、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の現在サイクルが属した区間を一律に一つの区間として判断することなく、場合によってサブ区間に分けて抵抗変化率をより細かく算出するため、バッテリーセル11の現在状態をより正確に判断することができる。
また、制御部103は、算出した抵抗変化率に基づいて抵抗増減パターンを決定することができる。ここで、抵抗増減パターンは、抵抗増加パターン及び抵抗減少パターンを含むことができる。特に、制御部103は、算出した抵抗変化率が正の変化率である場合、抵抗増減パターンを抵抗増加パターンと決定することができる。また、制御部103は、算出した抵抗変化率が負の変化率である場合に対する抵抗増減パターンを抵抗減少パターンと決定することができる。
例えば、図9及び図11を参照すると、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI1区間に属する場合、制御部103は、I1区間に含まれた抵抗変動率に基づいて第1バッテリーセルC1の抵抗変化率を算出する。第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI11区間に属する場合、制御部103は、I11区間の抵抗変化率を0未満の値で算出し得る。すなわち、I11区間の抵抗変化率が負の変化率で算出され得る。そして、制御部103は、抵抗変化率が負の変化率で算出された結果に基づいて現在の第1バッテリーセルC1の抵抗増減パターンを抵抗減少パターンと決定し得る。
逆に、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI12区間に属する場合、制御部103は、I12区間の抵抗変化率を0以上の値で算出し得る。すなわち、I12区間の抵抗変化率が正の変化率で算出され得る。制御部103は、抵抗変化率が正の変化率で算出された結果に基づいて現在の第1バッテリーセルC1の抵抗増減パターンを抵抗増加パターンと決定し得る。同様に、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI2~I6のいずれか一つに属する場合にも、制御部103は、該当区間に含まれた抵抗変動率に基づいて抵抗変化率を正の変化率で算出する。そして、制御部103は、正の変化率で算出された結果に基づいて現在の第1バッテリーセルC1の抵抗増減パターンを抵抗増加パターンと決定し得る。
他の例として、図10を参照すると、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ1~J6区間のうちいずれか一つに属する場合、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属した区間の抵抗変化率を算出する。このとき、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属した区間の抵抗変化率を0以上の値で算出し得る。すなわち、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属した区間の抵抗変化率が正の変化率で算出され得る。そして、制御部103は、算出した抵抗変化率に基づいて現在の第2バッテリーセルC2の抵抗増減パターンを抵抗増加パターンと決定し得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、算出された現在サイクルの抵抗変動率及び予め保存された抵抗変動率データに保存された過去の抵抗変化率に基づいて現在のバッテリーセル11の抵抗増減パターンを決定するため、バッテリーセル11の現在状態だけでなく、過去の状態までも考慮してバッテリーセル11の状態を推定することができる。
また、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の抵抗変化率を算出し、算出した抵抗変化率に基づいて抵抗増減パターンを決定するため、バッテリーセル11の未来状態を推定し易い情報を提供することができる。
制御部103は、抵抗増減パターンを抵抗増加パターンと決定した場合、算出した抵抗変化率に基づいてバッテリーセル11の退化加速程度を加速退化または線形退化と判断するように構成され得る。すなわち、制御部103は、抵抗増減パターンを抵抗増加パターンと決定した場合、第2退化加速程度を加速退化または線形退化と判断することができる。
また、制御部103は、抵抗増減パターンを抵抗減少パターンと決定した場合、バッテリーセル11の退化加速程度を減速退化と判断するように構成され得る。すなわち、制御部103は、抵抗増減パターンを抵抗減少パターンと決定した場合、第2退化加速程度を専ら減速退化と判断し得る。
例えば、図9及び図11の実施形態において、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI11区間に属すると、制御部103は、第1バッテリーセルC1の抵抗増減パターンを抵抗減少パターンと決定する。そして、制御部103は、第1バッテリーセルC1の第2退化加速程度を減速退化と判断し得る。逆に、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI12~I6区間のうちいずれか一つに属すれば、制御部103は、第1バッテリーセルC1の抵抗増減パターンを抵抗増加パターンと決定する。そして、制御部103は、第1バッテリーセルC1が属した区間の抵抗変化率に基づいて、第1バッテリーセルC1の第2退化加速程度を加速退化または線形退化と判断し得る。
他の例として、図10の実施形態において、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ1~J6区間のうちいずれか一つに属すれば、制御部103は、第2バッテリーセルC2の抵抗増減パターンを抵抗増加パターンと決定する。そして、制御部103は、第2バッテリーセルC2が属した区間の抵抗変化率に基づいて、第2バッテリーセルC2の第2退化加速程度を加速退化または線形退化と判断し得る。
すなわち、バッテリーセル11の充電状況では、放電状況と異なって、開放回路電圧による抵抗の変化要因を考慮しないため、バッテリーセル11の抵抗増減パターンに基づいて第2退化加速程度を判断するとき、バッテリーセル11の電圧増減パターンを考慮しなくてもよい。
したがって、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、充電状況と放電状況との相違に基づいてバッテリーセル11の退化加速程度を判断するため、バッテリーセル11の退化加速程度、退化度などに対する具体的な状態情報を判断し、判断した状態情報を提供することができる。
上述したように、バッテリーセル11の退化加速程度のうち加速退化及び線形退化は、バッテリーセル11の退化がどれくらい速く進行しているかによって区分可能である。制御部103は、バッテリーセル11の抵抗増減パターンが抵抗増加パターンであり、且つ、算出した抵抗変化率が既に設定された基準抵抗変化率以上である場合、バッテリーセル11の退化加速程度を加速退化と判断するように構成され得る。
また、制御部103は、抵抗増減パターンが抵抗増加パターンであり、且つ、算出した抵抗変化率が既に設定された基準抵抗変化率未満である場合、バッテリーセル11の退化加速程度を線形退化と判断するように構成され得る。
ここで、既に設定された基準抵抗変化率は、バッテリーセル11の抵抗増減パターンが抵抗増加パターンと決定された場合、退化加速程度を加速退化または線形退化として決定するための基準変化率である。例えば、既に設定された基準抵抗変化率は、100サイクル毎に抵抗変動率が10%増加するものとして既に設定され得る。
例えば、図9及び図11の実施形態において、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI12~I6区間のうちいずれか一つに属し、I12~I6区間の抵抗変化率は既に設定された基準抵抗変化率未満であると仮定する。I12~I6区間の抵抗変化率が既に設定された基準抵抗変化率よりも小さいため、制御部103は、第1バッテリーセルC1の第2退化加速程度を線形退化と判断し得る。
他の例として、図10の実施形態において、J1~J3区間の抵抗変化率は既に設定された基準抵抗変化率以上であり、J4~J6区間の抵抗変化率は既に設定された基準抵抗変化率未満であると仮定する。第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ1~J3区間のうちいずれか一つに属すれば、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属する区間の抵抗変化率を既に設定された基準抵抗変化率と比べて、第2バッテリーセルC2の第2退化加速程度を加速退化と判断し得る。逆に、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ4~J6区間のうちいずれか一つに属すれば、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属する区間の抵抗変化率を既に設定された基準抵抗変化率と比べて、第2バッテリーセルC2の第2退化加速程度を線形退化と判断し得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、抵抗増加パターンに対する退化加速程度を一律に判断せず、既に設定された基準抵抗変化率と抵抗変化率とを比べて、退化加速程度を加速退化または線形退化に細分化して判断することができる。したがって、バッテリーセル11の現在状態をより細分化して、具体的に診断することができる。
制御部103は、算出した抵抗変動率が既に設定された抵抗下限値を超過する場合に限って、バッテリーセル11の抵抗増減パターンを決定するように構成され得る。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の抵抗変動率が既に設定された抵抗下限値を超過する場合のみに抵抗増減パターンを決定し、決定した抵抗増減パターンに応じてバッテリーセル11の第2退化加速程度を判断することができる。
例えば、バッテリーセル11の抵抗変動率が既に設定された下限値以下である場合は、短絡などによってバッテリーセル11の内部抵抗が基準値以下に減少した場合であって、バッテリーセル11が異常退化した場合である。したがって、制御部103は、短絡などの外部要因によってバッテリーセル11が異常退化した場合を除いて、バッテリーセル11が正常に退化した場合に限って抵抗増減パターンを決定することができる。
バッテリーセル11の正常退化または異常退化が事前に区分されないと、異常退化状態における抵抗増減パターンに応じて退化加速程度が判断され、判断された退化加速程度に基づいてバッテリー制御条件が調整されて、バッテリーセル11の状態をさらに悪化させるおそれがある。
したがって、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の状態が正常退化状態である場合に限って抵抗増減パターン及び退化加速程度を判断することで、バッテリーセル11の退化加速程度の判断にかかる時間を短縮し、バッテリーセル11の状態判断の正確度を向上させることができる。
制御部103は、電圧増減パターンを電圧増加パターンと決定し、且つ、抵抗増減パターンを抵抗増加パターンと決定した場合のみに、バッテリーセル11の第2退化加速程度を加速退化または線形退化と判断するように構成され得る。
具体的には、放電状況では抵抗の変化要因に開放回路電圧が影響を及ぼし得る。例えば、電圧減少パターンである場合、または、電圧増加パターンであって且つ抵抗減少パターンである場合は、抵抗の変化要因に開放回路電圧が影響を及ぼす場合であるといえる。したがって、制御部103は、抵抗の変化要因に開放回路電圧が影響を及ぼさない場合のみに、抵抗増減パターン及び抵抗変化率に基づいてバッテリーセル11の第2退化加速程度を判断するように構成され得る。
例えば、図3の実施形態において、上述したように制御部103は、第1バッテリーセルC1の電圧増減パターンを決定し得る。また、制御部103は、第1バッテリーセルC1の抵抗増減パターンを決定し得る。このとき、制御部103は、電圧増減パターンが電圧増加パターンと決定され、抵抗増減パターンが抵抗増加パターンと決定された区間のみに対して、算出した各区間の抵抗変化率に基づいて第1バッテリーセルC1の第2退化加速程度を判断し得る。
すなわち、制御部103は、電圧増減パターン及び抵抗増減パターンを考慮して抵抗増減パターンのみでバッテリーセル11の第2退化加速程度を判断できる区間を選択し、選択した区間のみに対して抵抗変化率に基づいてバッテリーセル11の第2退化加速程度を判断することができる。本例示において、制御部103は、抵抗増減パターンのみで第1バッテリーセルC1の第2退化加速程度を判断できる区間を選択し、選択した区間それぞれの抵抗変化率に基づいて各区間に対する第1バッテリーセルC1の第2退化加速程度を加速退化または線形退化と判断し得る。
他の例として、図4を参照すると、上述したように、制御部103は、第2バッテリーセルC2の電圧増減パターンを決定し得る。また、制御部103は、第2バッテリーセルC2の抵抗増減パターンを決定し得る。このとき、制御部103は、電圧増減パターンが電圧増加パターンと決定され、抵抗増減パターンが抵抗増加パターンと決定された区間のみに対して、算出した各区間の抵抗変化率に基づいて第2バッテリーセルC2の第2退化加速程度を判断することができる。
すなわち、制御部103は、抵抗増減パターンのみで第2バッテリーセルC2の第2退化加速程度を判断できる区間を選択し、選択した区間それぞれの抵抗変化率に基づいて各区間に対する第2バッテリーセルC2の第2退化加速程度を加速退化または線形退化と判断し得る。
すなわち、バッテリーセル11の放電状況では、充電状況と異なって、開放回路電圧による抵抗の変化要因を考慮しなければバッテリーセル11の状態を正確に診断することができない。したがって、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、放電状況での抵抗の変化要因を考慮して抵抗変動率に基づいたバッテリーセル11の第2退化加速程度を判断するため、放電状況におけるバッテリーセル11の第2退化加速程度、退化度などに対する状態をより正確に判断することができる。
上述したように、バッテリーセル11の第2退化加速程度のうち加速退化及び線形退化は、バッテリーセル11の退化がどれくらい速く進行しているかによって区分可能である。制御部103は、電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、抵抗増減パターンが抵抗増加パターンであり、且つ、算出した抵抗変化率が既に設定された基準抵抗変化率以上である場合、バッテリーセル11の第2退化加速程度を加速退化と判断するように構成され得る。また、制御部103は、電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、抵抗増減パターンが抵抗増加パターンであり、且つ、算出した抵抗変化率が既に設定された基準抵抗変化率未満である場合、バッテリーセル11の第2退化加速程度を線形退化と判断するように構成され得る。逆に、制御部103は、電圧増減パターンが電圧減少パターンである場合、または電圧増減パターンが電圧増加パターンであって抵抗増減パターンが抵抗減少パターンである場合は、抵抗増減パターンを考慮することなく、電圧増減パターンに基づいてバッテリーセル11の第2退化加速程度を判断し得る。
ここで、既に設定された基準抵抗変化率は、バッテリーセル11の抵抗増減パターンが抵抗増加パターンと決定された場合、第2退化加速程度を加速退化または線形退化として決定するための基準変化率である。例えば、既に設定された基準抵抗変化率は、100サイクル毎に抵抗変動率が10%増加するものとして既に設定され得る。そして、既に設定された基準抵抗変化率は保存部105に予め保存され得る。
例えば、図3及び図7の実施形態において、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI2~I6区間のうちいずれか一つに属すれば、制御部103は、第1バッテリーセルC1の現在サイクルが属する区間の抵抗変化率を既に設定された基準抵抗変化率と比較し得る。すなわち、I2区間~I6区間は電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、且つ、抵抗増減パターンが抵抗増加パターンである区間であるため、制御部103は、第1バッテリーセルC1の現在サイクルが属する区間の抵抗変化率を既に設定された基準抵抗変化率と比較し得る。例えば、I2~I6区間の抵抗変化率が既に設定された基準抵抗変化率よりも小さいと仮定すれば、制御部103は、第1バッテリーセルC1の第2退化加速程度を線形退化と判断し得る。
同様に、図4及び図8の実施形態において、第2バッテリーセルC2の現在サイクルがJ1~J31区間のうちいずれか一つに属すれば、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属する区間の抵抗変化率を既に設定された基準抵抗変化率と比較し得る。すなわち、J1区間~J31区間は電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、且つ、抵抗増減パターンが抵抗増加パターンである区間であるため、制御部103は、第2バッテリーセルC2の現在サイクルが属する区間の抵抗変化率を既に設定された基準抵抗変化率と比較し得る。例えば、J1~J31区間の抵抗変化率が既に設定された基準抵抗変化率よりも大きいと仮定すれば、制御部103は、第2バッテリーセルC2の第2退化加速程度を加速退化と判断し得る。
例えば、図3~図8の実施形態において、I1区間及びJ32~J6区間はバッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧減少パターンである区間である。したがって、制御部103は、I1区間及びJ32~J6区間に対しては、抵抗増減パターンに基づいて第2退化加速程度を判断せず、電圧増減パターンに基づいて第1退化加速程度を判断し得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、抵抗増加パターンに対する第2退化加速程度を一律に判断せず、既に設定された基準抵抗変化率と抵抗変化率とを比べて、第2退化加速程度を加速退化または線形退化に細分化して判断することができる。したがって、バッテリーセル11の現在状態をより細分化して、具体的に診断することができる。
既に設定された制御条件は、バッテリーセル11に対して設定されたC-レート(C-RATE)及び充電終了電圧(Vmax)のうち少なくとも一つ以上を含むことができる。既に設定された制御条件は、バッテリーセル11の出荷時または最初作動時にバッテリーセル11に対して予め設定され、その後、バッテリーセル11の第2退化加速程度に基づいて制御部103によって変更され得る。また、既に設定された制御条件は保存部105に保存され得る。例えば、図1の実施形態において、既に設定された制御条件は、第1バッテリーセルC1、第2バッテリーセルC2、第3バッテリーセルC3及び第4バッテリーセルC4のそれぞれに設定され得る。
また、制御部103は、抵抗増減パターンに基づいて判断した第2退化加速程度が加速退化または線形退化である場合のみに、決定した抵抗増減パターンの開始サイクルで既に測定されたバッテリーセル11の抵抗変動率を基準抵抗変動率として設定し得る。すなわち、制御部103は、判断した第2退化加速程度が減速退化である場合は、基準抵抗変動率を設定しなくてもよい。
まず、制御部103は、バッテリーセル11の抵抗増減パターンを決定し、決定した抵抗増減パターンに応じて第2退化加速程度を判断する。そして、第2退化加速程度が加速退化または線形退化である場合、制御部103は、決定した抵抗増減パターンの開始サイクルを選択し得る。ここで、抵抗増減パターンの開始サイクルは、上述した電圧増減パターンの開始サイクルに対応するものであって、制御部103によって決定されたバッテリーセル11の現在の抵抗増減パターンと連続しながら、同じ抵抗増減パターンの開始点であり得る。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の現在サイクルが属する区間以前の連続する区間から、バッテリーセル11の現在サイクルが属する区間の抵抗増減パターンと同じ抵抗増減パターンに決定された最先区間を選択し得る。そして、制御部103は選択した最先区間の開始サイクルを選択し得る。
例えば、0サイクル以後のバッテリーセル11の第2退化加速程度が加速退化または線形退化であり、バッテリーセル11の抵抗増減パターンが何れも抵抗増加パターンと決定された場合、抵抗増加パターンの開始サイクルは0サイクルであり得る。他の例として、0サイクル~100サイクルでバッテリーセル11の抵抗増減パターンが抵抗減少パターンであり、101サイクル~現在サイクルでバッテリーセル11の抵抗増減パターンが抵抗増加パターンと決定された場合、抵抗増加パターンの開始サイクルは101サイクルであり得る。開始サイクルが選択された後、制御部103は、選択した開始サイクルで測定されたバッテリーセル11の抵抗変動率を基準抵抗変動率として設定し得る。
例えば、図9及び図11に示された実施形態において、第1バッテリーセルC1の現在サイクルがI6区間に属し、I12~I6区間の抵抗増減パターンが何れも抵抗増加パターンであると仮定する。制御部103は、第1バッテリーセルC1の現在サイクルが属するI6区間以前の連続する区間から、抵抗増減パターンがI6区間の抵抗増減パターンと同じ抵抗増減パターンである最先区間を選択し得る。この場合、I6区間以前の区間のうちI6区間と連続する区間はI11~I5区間である。そして、I11~I5区間のうちI12~I5区間の抵抗増減パターンがI6区間の抵抗増減パターンと同じ抵抗増加パターンである。したがって、制御部103はI12区間を最先区間として選択し得る。そして、制御部103は、I12区間の開始サイクルで測定された第1バッテリーセルC1の抵抗変動率を基準抵抗変動率として設定し得る。
また、制御部103は、設定した基準抵抗変動率とバッテリーセル11の現在サイクルにおける抵抗変動率とを比較した抵抗比較値を算出することができる。例えば、設定した基準抵抗変動率が100%であり、バッテリーセル11の現在の抵抗変動率が110%であれば、制御部103は抵抗比較値として10%を算出し得る。
例えば、上述したように、図9及び図11に示された実施形態において、制御部103は、I12区間の開始サイクルで測定された第1バッテリーセルC1の抵抗変動率、すなわち、基準抵抗変動率を第1バッテリーセルC1の現在サイクルで測定された抵抗変動率と比較し得る。制御部103は、基準抵抗変動率と第1バッテリーセルC1の現在サイクルで測定された抵抗変動率の差を抵抗比較値として算出し得る。図9及び図11の例示において、基準抵抗変動率が98%であり、第1バッテリーセルC1の現在サイクルで測定された抵抗変動率が118%であれば、制御部103は抵抗比較値として20%を算出し得る。
また、制御部103は、算出した抵抗比較値を既に設定された抵抗変換基準に従って変換した抵抗変換値に基づいてC-レート及び充電終了電圧のうち少なくとも一つを変更するように構成され得る。ここで、既に設定された抵抗変換基準は保存部105に保存され得る。すなわち、制御部103は、算出した抵抗比較値をC-レートまたは充電終了電圧に対応する変換値に変換し、変換値に基づいてC-レートまたは充電終了電圧を変更することで、バッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更することができる。
例えば、制御部103は、バッテリーセル11の基準抵抗変動率と現在の抵抗変動率との差である抵抗比較値を算出し、算出した抵抗比較値を既に設定された変換基準に従って変換した抵抗変換値を算出し、算出した変換値に基づいてバッテリーセル11のC-レートを減速させ得る。例えば、制御部103は、バッテリーセル11の現在の抵抗変動率が基準抵抗変動率より5%増加する度に、バッテリーセル11のC-レートを初期に設定された値から1%ずつ減速させ得る。ここで、初期に設定されたC-レートは、バッテリーセル11毎に設定され、保存部105に予め保存され得る。
他の例として、制御部103は、バッテリーセル11の基準抵抗変動率と現在の抵抗変動率との抵抗差を算出し、算出した抵抗差に基づいてバッテリーセル11の充電終了電圧を減少させ得る。例えば、制御部103は、バッテリーセル11の現在の抵抗変動率が基準抵抗変動率より5%増加する度に、バッテリーセル11の充電終了電圧を初期に設定された充電終了電圧から10mVずつ減少させ得る。ここで、初期に設定された充電終了電圧は、バッテリーセル11毎に設定され、保存部105に予め保存され得る。
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、それぞれのバッテリーセル11の電圧増減パターン及び抵抗増減パターンに応じてバッテリーセル11のそれぞれに既に設定された制御条件を変更することで、それぞれのバッテリーセル11の制御条件を最適の条件に維持することができる。また、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の寿命をより長く維持でき、過放電、急落危険などの致命的な問題を予め防止することができる。
望ましくは、既に設定された抵抗変換基準は、算出された抵抗比較値をC-レートに対応する値に変換する第1抵抗変換基準、及び算出された抵抗比較値を充電終了電圧に対応する値に変換する第2抵抗変換基準を含むことができる。そして、第1抵抗変換基準及び第2抵抗変換基準は保存部105に保存され得る。
例えば、第1抵抗変換基準は、抵抗比較値をC-レートに対応する値に変換する基準であって、5%の抵抗比較値をC-レートに対応する値1%に変換し得る。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の基準抵抗変動率と現在サイクルの抵抗変動率とを比較した抵抗比較値が5%であれば、第1抵抗変換基準に従ってC-レートに対応する値として1%を算出し得る。
他の例として、第2抵抗変換基準は抵抗比較値を充電終了電圧に対応する値に変換する基準であって、5%の抵抗比較値を充電終了電圧に対応する値10mVに変換し得る。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の基準抵抗変動率と現在サイクルの抵抗変動率とを比較した抵抗比較値が5%であれば、第2抵抗変換基準に従って充電終了電圧に対応する値として10mVを算出し得る。
具体的には、制御部103は、算出した抵抗比較値を第1抵抗変換基準に従って変換した第1抵抗変換値を取得し得る。そして、制御部103は、取得した第1抵抗変換値に基づいてC-レートを変更するように構成され得る。
例えば、上述した例示と同様に、第1抵抗変換基準に従ってC-レートに対応する値として1%が算出されれば、制御部103は、バッテリーセル11のC-レートを算出した変換値1%だけ減速させ得る。
また、制御部103は、算出した抵抗比較値を第2抵抗変換基準に従って変換した第2抵抗変換値に基づいて充電終了電圧を変更するように構成され得る。
例えば、第2抵抗変換基準に従って充電終了電圧に対応する値として10mVが算出されれば、制御部103は、バッテリーセル11の充電終了電圧を算出した変換値である10mVだけ減少させ得る。
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の基準抵抗変動率と現在の抵抗変動率とを比較した抵抗比較値に基づいて、バッテリーセル11に既に設定された制御条件であるC-レート及び充電終了電圧のうち少なくとも一つを変更することができる。すなわち、バッテリーセル11の基準抵抗変動率はバッテリーセル11の過去抵抗変動率に基づいて設定されたものであるため、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の現在及び過去の抵抗変動率に基づいて、現在のバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更することができる。したがって、バッテリーセル11の現在状態に最適化した制御条件が設定されるため、バッテリーセル11の退化を遅らせ、バッテリーセル11をより長く使用することができる。
制御部103は、判断した第2退化加速程度が加速退化であり、且つ、C-レート及び充電終了電圧のうち少なくとも一つが変更された場合のみに、既に設定された抵抗変換基準を変更するように構成され得る。
すなわち、制御部103は、第2退化加速程度が加速退化または線形退化である場合に、バッテリーセル11に既に設定された制御条件であるC-レート及び充電終了電圧のうち少なくとも一つを変更し得る。そして、制御部103は、第2退化加速程度が加速退化と判断された場合に限って、既に設定された抵抗変換基準を変更するように構成され得る。
例えば、バッテリーセル11の第2退化加速程度が加速退化と判断され、第1抵抗変換基準は5%の抵抗比較値をC-レートに対応する第1抵抗変換値1%に変換する基準であると仮定する。制御部103は、第1抵抗変換基準に従ってバッテリーセル11のC-レートを変更し得る。そして、バッテリーセル11の第2退化加速程度が加速退化と判断されたため、制御部103は第1抵抗変換基準を変更し得る。すなわち、第1抵抗変換基準は、5%の抵抗比較値を第1抵抗変換値1%に変換する基準から、4.5%の抵抗比較値を第1抵抗変換値1%に変換する基準に変更され得る。
例えば、第1時点において、バッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、第2退化加速程度が加速退化であり、基準抵抗変動率と抵抗変動率との差が5%であり、バッテリーセル11の初期C-レートが100%であると仮定する。また、上述した例示と同様に、第1抵抗変換基準は5%の抵抗比較値をC-レートに対応する第1抵抗変換値1%に変換する基準であると仮定する。制御部103は、第1抵抗変換基準に従ってバッテリーセル11に設定されたC-レートを100%から99%に1%だけ減速し得る。そして制御部103は、4.5%の抵抗比較値をC-レートに対応する第1抵抗変換値1%で変換するように第1抵抗変換基準を変更し得る。その後、第1時点に続く第2時点において、バッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、且つ、第2退化加速程度が相変らず加速退化と判断され、バッテリーセル11の基準抵抗変動率と抵抗変動率との差が4.5%であれば、制御部103は変更された第1抵抗変換基準に従ってバッテリーセル11に設定されたC-レートを99%から98%にさらに1%だけ減速し得る。
他の例として、バッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、第2退化加速程度が加速退化と判断され、第2抵抗変換基準は5%の抵抗比較値を充電終了電圧に対応する第2抵抗変換値10mVに変換する基準であると仮定する。制御部103は、第2抵抗変換基準に従ってバッテリーセル11の充電終了電圧を変更し得る。そして、バッテリーセル11の第2退化加速程度が加速退化と判断されたため、制御部103は第2抵抗変換基準を変更し得る。すなわち、第2抵抗変換基準は、5%の抵抗比較値を第2抵抗変換値10mVに変換する基準から、4.5%の抵抗比較値を第2抵抗変換値10mVに変換する基準に変更され得る。
例えば、第1時点において、バッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、第2退化加速程度が加速退化であり、基準抵抗変動率と抵抗変動率との差が5%であり、バッテリーセル11の初期充電終了電圧が4.2Vに既に設定されたと仮定する。また、上述した例示と同様に、第2抵抗変換基準は5%の抵抗比較値を充電終了電圧に対応する第2抵抗変換値10mVに変換する基準であると仮定する。制御部103は、第2抵抗変換基準に従ってバッテリーセル11に設定された充電終了電圧を4.2Vから4.19Vに10mVだけ減少させ得る。そして制御部103は、4.5%の抵抗比較値を充電終了電圧に対応する第2抵抗変換値10mVに変換するように第2抵抗変換基準を変更し得る。その後、第1時点に続く第2時点において、バッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、第2退化加速程度が相変らず加速退化と判断され、バッテリーセル11の基準抵抗変動率と抵抗変動率との差が4.5%であれば、制御部103は、変更された第2抵抗変換基準に従ってバッテリーセル11に設定された充電終了電圧を4.19Vから4.18Vにさらに10mVだけ減少させ得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の第2退化加速程度が線形退化である場合は既に設定された抵抗変換基準を変更しないが、バッテリーセル11の第2退化加速程度が加速退化である場合は、バッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更し、既に設定された抵抗変換基準を変更することができる。すなわち、バッテリーセル11の電圧増減パターンが電圧増加パターンであり、第2退化加速程度が加速退化である場合は、バッテリーセル11の退化が急激に進行する状態であるため、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、既に設定された制御条件を変更する度に既に設定された抵抗変換基準を調整することで、バッテリーセル11の抵抗変化率を低減させ、バッテリーセル11の急激な退化を防止することができる。
制御部103は、既に設定された抵抗変換基準が変更された後、第2退化加速程度が線形退化または減速退化と判断された場合のみに、既に設定された抵抗変換基準を変更前の抵抗変換基準に戻すように構成され得る。
例えば、制御部103は、第1時点において、バッテリーセル11の第2退化加速程度を加速退化と判断し、第1抵抗変換基準に従ってバッテリーセル11に既に設定された制御条件を変更し、第1抵抗変換基準を変更し得る。その後、第1時点以後の時点において、制御部103は、バッテリーセル11の第2退化加速程度を線形退化または減速退化と判断すれば、変更した第1抵抗変換基準を第1時点で初期に設定された第1抵抗変換基準に戻し得る。
すなわち、バッテリーセル11の既に設定された抵抗変換基準が変更された後、バッテリーセル11の第2退化加速程度が線形退化または減速退化と判断されれば、変更された抵抗変換基準が本来の抵抗変換基準に初期化され得る。同様に、第2抵抗変換基準が変更された後、バッテリーセル11の第2退化加速程度が線形退化または減速退化と判断されれば、制御部103は、変更された第2抵抗変換基準を初期に設定された第2抵抗変換基準に初期化し得る。
すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の退化加速程度が加速退化であって、バッテリーセル11の退化が急激に進行している状態である場合は、バッテリーセル11に既に設定された抵抗変換基準をバッテリーセル11の退化加速程度に基づいて適切に変更することができる。
したがって、バッテリーセル11の制御条件をバッテリーセル11の現在状態に最適化して設定でき、バッテリーセル11の過放電または急落危険が減少するため、バッテリーセル11をより安全に且つ長期間使用することができる。
図12は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置において、電圧変動率に基づいてバッテリーセルの退化加速程度を判断する過程をツリー構造で簡略に示した図である。
図12を参照すると、制御部103によって決定されたバッテリーセル11の電圧増減パターンに応じてバッテリーセル11の第1退化加速程度を判断することができる。まず、制御部103によって算出されたバッテリーセル11の電圧変動率が既に設定された電圧下限値以下であるか、または、既に設定された電圧上限値以上である場合は、異常退化と判断し得る。
制御部103は、バッテリーセル11を異常退化と判断すれば、電圧変動率に基づく電圧増減パターンの決定を行わなくてもよい。すなわち、制御部103は、バッテリーセル11の電圧変動率が正常範囲内に属する場合のみに電圧増減パターンを決定し、決定された電圧増減パターンに応じてバッテリーセル11の第1退化加速程度を判断するように構成され得る。
バッテリーセル11の電圧変動率が既に設定された電圧下限値を超え、且つ、既に設定された電圧上限値未満である場合、制御部103は、算出した電圧変動率及び予め保存された電圧変動率データに基づいてバッテリーセル11の電圧増減パターンを決定することができる。そして、制御部103は、決定した電圧増減パターンが電圧減少パターンであれば、バッテリーセル11の退化加速程度を加速退化または線形退化と判断し、決定した電圧増減パターンが電圧増加パターンであれば、バッテリーセル11の退化加速程度を減速退化と判断することができる。
すなわち、制御部103は、決定した電圧増減パターンが電圧増加パターンであれば、バッテリーセル11の退化加速程度を専ら減速退化と判断し得る。逆に、制御部103は、決定した電圧増減パターンが電圧減少パターンであれば、バッテリーセル11の電圧変化率と既に設定された基準電圧変化率とを比べてバッテリーセル11の退化加速程度を加速退化または線形退化に細分化することができる。
図13は、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置において、抵抗変動率に基づいてバッテリーセルの退化加速程度を判断する過程をツリー構造で簡略に示した図である。
図13を参照すると、制御部103は、決定されたバッテリーセル11の電圧増減パターンとは関係なく、バッテリーセル11の抵抗増減パターンのみに応じてバッテリーセル11の退化加速程度を判断することができる。すなわち、バッテリーセル11の充電状況でバッテリーセル11の退化加速程度を判断する場合は、バッテリーセル11の電圧増減パターンと抵抗増減パターンとが互いに影響を及ぼさない。しかし、バッテリーセル11の放電状況ではバッテリーセル11の内部抵抗変化要因に開放回路電圧が影響を及ぼすため、抵抗増減パターンに応じて第2退化加速程度を判断するとき、電圧増減パターンが先に考慮され得る。
制御部103によって算出されたバッテリーセル11の抵抗変動率が既に設定された抵抗下限値以下である場合、制御部103は、バッテリーセル11の退化状態を異常退化と判断し得る。制御部103は、バッテリーセル11の退化状態が異常退化である場合はバッテリーセル11の退化加速程度を判断せず、正常退化である場合に限ってバッテリーセル11の退化加速程度を判断し得る。
制御部103によって算出されたバッテリーセル11の抵抗変動率が既に設定された抵抗下限値を超える場合、制御部103は、バッテリーセル11の抵抗変動率に基づいて抵抗増減パターンを決定することができる。ここで、バッテリーセル11の抵抗増減パターンが抵抗減少パターンと決定された場合、制御部103は、バッテリーセル11の第2退化加速程度を減速退化と判断できる。逆に、バッテリーセル11の抵抗増減パターンが抵抗増加パターンと決定された場合、制御部103は抵抗変化率に基づいてバッテリーセル11の退化加速程度を加速退化または線形退化と判断することができる。
すなわち、バッテリーセル11の抵抗増減パターンが抵抗増加パターンと決定された場合に限って、制御部103は、バッテリーセル11の現在サイクルが属した区間の抵抗変化率に基づいてバッテリーセル11の現在の退化加速程度を加速退化または線形退化と判断することができる。
本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の退化度、すなわち、抵抗変動率だけでなく、現在進行している退化加速程度及び過去の退化加速程度の履歴を判断することができる。すなわち、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100は、バッテリーセル11の現在状態をより正確に判断することができ、ひいてはバッテリーセル11の寿命など未来状況を予測可能な具体的な情報を提供することができる。
すなわち、ユーザは、本発明の一実施形態によるバッテリー管理装置100からバッテリーセル11の電圧増減パターンに応じた第1退化加速程度及び抵抗増減パターンに応じた第2退化加速程度をそれぞれ取得することで、それぞれのバッテリーセル11の状態をより具体的に確認することができる。
したがって、バッテリー管理装置100は、電圧増減パターン及び抵抗増減パターンなど多様な指標を活用して多角的にバッテリーセル11の退化加速程度を判断し、判断した情報を提供することで、バッテリーセル11の状態についての具体的且つ多様な情報を提供することができる。
本発明によるバッテリーパック1000は、上述した本発明によるバッテリー管理装置100を含むことができる。また、本発明によるバッテリーパック1000は、バッテリー管理装置100の外に、バッテリーセル、各種の電装品(BMS、リレー、ヒューズなど)及びパックケースなどをさらに含むことができる。
また、本発明の他の実施形態として、バッテリー管理装置100は、電気自動車、エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System、ESS)などのように電気エネルギーを使用する多様な装置に搭載され得る。特に、本発明によるバッテリー管理装置100は、電気自動車に含まれ得る。すなわち、本発明による電気自動車は、本発明によるバッテリー管理装置100を含むことができる。ここで、バッテリー管理装置100は、バッテリーパック1000に含まれた形態であり得るが、バッテリーパック1000とは別途の装置としても具現され得る。
例えば、バッテリー管理装置100の少なくとも一部は、自動車のECU(Electronic Control Unit)によって具現され得る。また、本発明による自動車は、このようなバッテリー管理装置100の外に、自動車に通常備えられる車体や電子装備などを含むことができる。例えば、本発明による自動車は、本発明によるバッテリー管理装置100の外にも、コンタクタ、インバータ、モータ、一つ以上のECUなどを含み得る。ただし、本発明は、バッテリー管理装置100の外に、自動車の他の構成要素などについては特に限定しない。
上述した本発明の実施形態は、装置及び方法のみによって具現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じても具現され得、このような具現は上述した実施形態の記載から当業者であれば容易に具現できるであろう。
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
また、上述した本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者により、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であって、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、多様な変形のため各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。