以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
図1に示すように、画像形成システム10は、画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)20と、利用者を管理する管理システム40とを備えている。画像形成システム10は、MFP20以外にも、MFP20と同様の構成のMFPを少なくとも1つ備えることが可能である。
管理システム40は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。
MFP20と、管理システム40とは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介して通信可能である。
図2は、MFP20のブロック図である。
図2に示すように、MFP20は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター23と、有体物として存在する原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部26と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部27と、MFP20全体を制御する制御部30とを備えている。
操作部21の少なくとも一部は、表示部22とともにタッチパネルを構成している。
記憶部27は、画像形成プログラム27aを記憶している。画像形成プログラム27aは、例えば、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体からMFP20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からMFP20に追加でインストールされても良い。
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)31と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)32と、CPU31の作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)33とを備えている。CPU31は、記憶部27またはROM32に記憶されているプログラムを実行する。
図3は、制御部30によって実現される機能を示す図である。
制御部30は、画像形成プログラム27aを実行することによって、図3に示すように、スキャナー24によって読み取られた画像において、デジタル化されたマーク(以下「デジタルマーク」という。)が配置されるべき領域(以下「マーク配置用領域」という。)を特定する領域特定部30aと、デジタルマークを取得するマーク取得部30bと、スキャナー24によって読み取られた画像に対して、領域特定部30aによって特定されたマーク配置用領域に、デジタルマークを合成することによって合成画像を生成する合成画像生成部30cと、合成画像生成部30cによって生成された合成画像をプリンター23によって印刷する合成画像印刷部30dとを実現する。
図4は、原稿の画像にデジタルマークを付した画像を印刷する場合のMFP20における処理の主な流れを示す図である。
図4に示すように、スキャナー24によって読み取られたRGB形式の画像は、記憶部27に一旦記憶された後、MFP20のコンバーター28によってRGB形式からCMYK形式に色変換されて、RAM33に記憶される。次いで、RAM33に記憶されたCMYK形式の画像は、領域特定部30aによってマーク配置用領域が特定される。そして、マーク取得部30bによってデジタルマークが取得される。次いで、合成画像生成部30cは、RAM33に記憶されたCMYK形式の画像に対して、領域特定部30aによって特定されたマーク配置用領域に、マーク取得部30bによって取得されたデジタルマークを合成することによって合成画像を生成する。最後に、合成画像印刷部30dは、合成画像生成部30cによって生成された合成画像をプリンター23によって印刷する。
図5は、1台のコンピューターによって構成される場合の管理システム40のブロック図である。
図5に示す管理システム40は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部41と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部42と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部43と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部44と、管理システム40全体を制御する制御部45とを備えている。
記憶部44は、利用者を認証するための認証用情報を利用者毎に含む認証用情報リスト44aを記憶している。認証用情報は、例えば、利用者の識別情報と、利用者のパスワードとを組み合わせた情報である。
記憶部44は、デジタルマークを利用者毎に含むマークリスト44bを記憶している。
図6は、マークリスト44bの一例を示す図である。
図6に示すように、マークリスト44bは、利用者の識別情報と、利用者のデジタルマークとを組み合わせた情報である。図6に示すマークリスト44bは、利用者のデジタルマークの具体例が省略して描かれている。デジタルマークは、例えば、署名の画像や、印影の画像でも良いし、利用者が希望する任意の画像でも良い。
図5に示すように、記憶部44は、デジタルマークを含む画像の印刷の履歴を示すマーク印刷履歴情報44cを記憶している。
図7は、マーク印刷履歴情報44cの一例を示す図である。
図7に示すように、マーク印刷履歴情報44cは、デジタルマークを含む画像の印刷毎に、印刷の日時と、印刷した利用者の識別情報と、印刷に使用されたデジタルマークと、印刷した画像とを関連付けて示す情報である。図7に示すマーク印刷履歴情報44cは、印刷に使用されたデジタルマークと、印刷した画像との具体例が省略して描かれている。
図5に示す制御部45は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部45のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部45のCPUは、記憶部44、または、制御部45のROMに記憶されているプログラムを実行する。
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
まず、利用者がMFP20にログインする場合の画像形成システム10の動作について説明する。
図8は、利用者がMFP20にログインする場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
利用者は、ログインの処理の開始をMFP20の操作部21を介してMFP20に指示することができる。MFP20の制御部30は、ログインの処理の開始が指示されると、図8に示すように、ログインのためのログイン画面を表示部22に表示する(S101)。したがって、利用者は、表示部22に表示されたログイン画面に操作部21を介して認証用情報を入力することができる。
制御部30は、S101の処理の後、認証用情報が入力されると、入力された認証用情報を管理システム40に送信する(S102)。
管理システム40の制御部45は、MFP20から認証用情報を受信すると、受信した認証用情報と、認証用情報リスト44aとに基づいて認証を試みる(S103)。
制御部45は、S103における認証が失敗すると、認証の失敗の通知をMFP20に送信する(S104)。
MFP20の制御部30は、S104における通知を受信すると、ログインの失敗を表示部22に表示する(S105)。
制御部45は、S103における認証が成功すると、認証の成功の通知をMFP20に送信する(S106)。
MFP20の制御部30は、S106における通知を受信すると、ログインの成功を表示部22に表示する(S107)。
次に、管理システム40にデジタルマークを登録する場合のMFP20の動作について説明する。
図9は、管理システム40にデジタルマークを登録する場合のMFP20の動作のフローチャートである。
利用者は、MFP20にログインしている場合、管理システム40にデジタルマークを登録する処理の開始を操作部21を介してMFP20に指示することができる。MFP20の制御部30は、管理システム40にデジタルマークを登録する処理の開始が指示されると、画像形成プログラム27aを実行することによって、図9に示す動作を実行する。
図9に示すように、マーク取得部30bは、デジタルマークの入力の指示を表示部22による表示によって利用者に通知する(S121)。S121における通知には、上述のタッチパネルまたはスキャナー24からデジタルマークを入力可能であることが示されている。したがって、利用者は、例えば、署名をタッチパネルに手書き入力することによって、署名の画像をタッチパネルに読み取らせることができる。また、利用者は、例えば、印影が付されている、紙などの媒体をスキャナー24にセットした後、スキャナー24による画像の読み取りを操作部21を介して指示することによって、媒体に付されている印影の画像をスキャナー24に読み取らせることができる。
マーク取得部30bは、S121の処理の後、タッチパネルまたはスキャナー24からデジタルマークが入力されたと判断するまで、タッチパネルまたはスキャナー24からデジタルマークが入力されたか否かを判断する(S122)。
マーク取得部30bは、タッチパネルまたはスキャナー24からデジタルマークが入力されたとS122において判断すると、入力されたとS122において判断したデジタルマークを、MFP20にログインしている利用者の識別情報と関連付けて記憶することを管理システム40に要求する(S123)。したがって、管理システム40の制御部45は、S123においてMFP20から送信されてきた、利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークとして、S123においてMFP20から送信されてきたデジタルマークをマークリスト44bに含める。そして、制御部45は、デジタルマークの登録の成功をMFP20に通知する。
マーク取得部30bは、S123の処理の後、デジタルマークの登録の成功が管理システム40から通知されたと判断するまで、デジタルマークの登録の成功が管理システム40から通知されたか否かを判断する(S124)。
マーク取得部30bは、デジタルマークの登録の成功が管理システム40から通知されたとS124において判断すると、図9に示す動作を終了する。
管理システム40へのデジタルマークの登録は、図9に示す動作以外の動作によって実行されても良い。例えば、利用者は、図示していないPC(Personal Computer)などのコンピューターから管理システム40にデジタルマークの登録を指示することができる。
次に、原稿の画像にデジタルマークを付した画像を印刷する場合のMFP20の動作について説明する。
図10~図12は、原稿の画像にデジタルマークを付した画像を印刷する場合のMFP20の動作のフローチャートである。
利用者は、MFP20にログインしている場合、原稿の画像にデジタルマークを付した画像を印刷する処理の開始を操作部21を介してMFP20に指示することができる。MFP20の制御部30は、原稿の画像にデジタルマークを付した画像を印刷する処理の開始が指示されると、画像形成プログラム27aを実行することによって、図10~図12に示す動作を実行する。
図10~図12に示すように、制御部30は、スキャナー24に原稿から画像を読み取らせる指示を表示部22による表示によって通知する(S141)。したがって、利用者は、スキャナー24に原稿をセットした後、スキャナー24による画像の読み取りを操作部21を介して指示することができる。
図13は、画像形成システム10において使用される原稿50の一例を示す図である。
図13に示す原稿50は、マークが配置されるべきマーク配置用領域51を含んでいる。なお、原稿50は、マーク配置用領域51を含んでいなくても良い。
図10~図12に示すように、制御部30は、S141の処理の後、スキャナー24による画像の読み取りが指示されたと判断するまで、スキャナー24による画像の読み取りが指示されたか否かを判断する(S142)。
制御部30は、スキャナー24による画像の読み取りが指示されたとS142において判断すると、スキャナー24によって原稿から画像を読み取る(S143)。
次いで、領域特定部30aは、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定するか否かの問い合わせを表示部22に表示する(S144)。したがって、利用者は、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定するか否かを操作部21を介してMFP20に回答することができる。
領域特定部30aは、S144の処理の後、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定するか否かが回答されたと判断するまで、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定するか否かが回答されたか否かを判断する(S145)。
領域特定部30aは、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定するか否かが回答されたとS145において判断すると、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定すると回答されたか否かを判断する(S146)。
領域特定部30aは、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定すると回答されなかった、すなわち、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定しないと回答されたとS146において判断すると、S143によって読み取った画像に対して画像認識を実行することによって、S143によって読み取った画像において、マーク配置用領域の検出を試みる(S147)。マーク配置用領域とは、例えば、署名欄や、印鑑の押印欄である。
領域特定部30aは、S147の処理の後、S147における検出が成功したか否かを判断する(S148)。
マーク取得部30bは、S147における検出が成功したとS148において判断されると、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求するか否かの問い合わせを表示部22に表示する(S149)。したがって、利用者は、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求するか否かを操作部21を介してMFP20に回答することができる。
マーク取得部30bは、S149の処理の後、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求するか否かが回答されたと判断するまで、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求するか否かが回答されたか否かを判断する(S150)。
マーク取得部30bは、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求するか否かが回答されたとS150において判断すると、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求すると回答されたか否かを判断する(S151)。
マーク取得部30bは、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求すると回答されたとS151において判断すると、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求する(S152)。したがって、管理システム40の制御部45は、S152においてMFP20から送信されてきた、利用者の識別情報にマークリスト44bにおいて関連付けられているデジタルマーク、すなわち、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークが存在するか否かを判断する。そして、制御部45は、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークが存在する場合に、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークをMFP20に送信する。一方、制御部45は、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークが存在しない場合に、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークが存在しないことをMFP20に通知する。
マーク取得部30bは、S152の処理の後、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークを管理システム40から受信したか否かを判断する(S153)。
マーク取得部30bは、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークを管理システム40から受信していないとS153において判断すると、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークが存在しないことが管理システム40から通知されたか否かを判断する(S154)。
マーク取得部30bは、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークが存在しないことが管理システム40から通知されていないとS154において判断すると、S153の処理を実行する。
合成画像生成部30cは、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークを管理システム40から受信したとS153において判断されると、S143によって読み取った画像に対して、S147において検出したマーク配置用領域に、受信したとS153において判断したデジタルマークを合成することによって、合成画像を生成する(S155)。
マーク取得部30bは、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求すると回答されなかった、すなわち、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求しないと回答されたとS151において判断するか、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークが存在しないことが管理システム40から通知されたとS154において判断すると、S121~S122の処理と同様のS156~S157の処理を実行する。
合成画像生成部30cは、タッチパネルまたはスキャナー24からデジタルマークが入力されたとS157において判断されると、S143によって読み取った画像に対して、S147において検出したマーク配置用領域に、入力されたとS157において判断したデジタルマークを合成することによって、合成画像を生成する(S158)。
領域特定部30aは、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定すると回答されたとS146において判断するか、S147における検出が失敗したとS148において判断すると、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置の指定の指示を表示部22による表示によって利用者に通知する(S159)。S159における通知には、S143によって読み取った画像のプレビューと、上述のタッチパネルからマーク配置用領域の位置を指定可能であることとが示されている。したがって、利用者は、タッチパネルに表示されているプレビューに対してマーク配置用領域の位置をタッチパネルに入力することによって、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置をタッチパネルに読み取らせることができる。
領域特定部30aは、S159の処理の後、タッチパネルからマーク配置用領域の位置が入力されたと判断するまで、タッチパネルからマーク配置用領域の位置が入力されたか否かを判断する(S160)。
マーク取得部30bは、タッチパネルからマーク配置用領域の位置が入力されたとS160において判断されると、S149~S154の処理と同様のS161~S166の処理を実行する。
合成画像生成部30cは、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークを管理システム40から受信したとS165において判断すると、S143によって読み取った画像に対して、位置が入力されたとS160において判断したマーク配置用領域に、受信したとS165において判断したデジタルマークを合成することによって、合成画像を生成する(S167)。
マーク取得部30bは、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求すると回答されなかった、すなわち、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求しないと回答されたとS163において判断するか、MFP20にログインしている利用者のデジタルマークが存在しないことが管理システム40から通知されたとS166において判断すると、S156~S157の処理と同様のS168~S169の処理を実行する。
合成画像生成部30cは、タッチパネルまたはスキャナー24からデジタルマークが入力されたとS169において判断すると、S143によって読み取った画像に対して、位置が入力されたとS160において判断したマーク配置用領域に、入力されたとS169において判断したデジタルマークを合成することによって、合成画像を生成する(S170)。
合成画像印刷部30dは、S155、S158、S167またはS170の処理の後、S155、S158、S167またはS170において生成した合成画像をプリンター23によって印刷する(S171)。したがって、利用者は、デジタルマークが付された、原稿の複写物を得ることができる。
次いで、制御部30は、S171における印刷の日時と、MFP20にログインしている利用者の識別情報と、S155、S158、S167またはS170において使用したデジタルマークと、S171において印刷した画像とを管理システム40に送信する(S172)。したがって、管理システム40は、S172においてMFP20から送信されてきた、印刷の日時、利用者の識別情報、デジタルマーク、および、印刷した画像を関連付けてマーク印刷履歴情報44cに記録する。
制御部30は、S172の処理の後、図10~図12に示す動作を終了する。
以上に説明したように、MFP20は、有体物として存在する原稿からスキャナー24によってS143において読み取られた画像に対して、デジタルマークを合成することによって合成画像を生成し(S155、S158、S167およびS170)、生成した合成画像をプリンター23によって印刷する(S171)ので、有体物として存在する原稿にデジタルマークを付したと仮定したものと同等の印刷物を生成することができる。
MFP20は、スキャナー24によって読み取られた画像に対して画像認識を実行することによって、マーク配置用領域を検出する(S147)ので、利便性を向上することができる。
MFP20は、マーク配置用領域をS159においてプレビューを使用して利用者に指定させることができるので、利便性を向上することができる。
MFP20は、操作部21から手書き入力されたデジタルマークを、スキャナー24によって読み取られた画像に対して合成することによって合成画像を生成し(「S157でYESおよびS158」または「S169でYESおよびS170」)、生成した合成画像をプリンター23によって印刷する(S171)ので、利便性を向上することができる。
MFP20は、スキャナー24によって読み取られたデジタルマークを、スキャナー24によって読み取られた画像に対して合成することによって合成画像を生成し(「S157でYESおよびS158」または「S169でYESおよびS170」)、生成した合成画像をプリンター23によって印刷する(S171)ので、利便性を向上することができる。
MFP20は、スキャナー24によって読み取られた画像にデジタルマークとして印影の画像を付した画像を印刷する際に、利用者に実際の印鑑を使用させる必要がない。したがって、MFP20は、実際の印鑑が不正に使用されたり、実際の印鑑が利用者によっていずれかの場所に置き忘れられるなどして実際の印鑑が紛失されたりする可能性を低減することができ、セキュリティーを向上することができる。
MFP20によるデジタルマークを含む画像の印刷の履歴は、全てマーク印刷履歴情報44cに記録される。したがって、MFP20によるデジタルマークを含む画像の印刷は、マーク印刷履歴情報44cを利用して簡単に監査されることが可能である。
以上においては、領域特定部30a、マーク取得部30b、合成画像生成部30cおよび合成画像印刷部30dがCPU31によって実現される例について説明している。しかしながら、領域特定部30a、マーク取得部30b、合成画像生成部30cおよび合成画像印刷部30dの少なくとも一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されても良い。MFP20は、領域特定部30a、マーク取得部30b、合成画像生成部30cおよび合成画像印刷部30dの少なくとも一部がASICによって実現される場合、パフォーマンスを向上することができる。
MFP20は、以上において、スキャナー24によって読み取られた画像にデジタルマークを付した画像を印刷する。しかしながら、MFP20は、スキャナー24によって読み取られた画像にデジタルマークを付した画像を印刷する場合と同様の動作によって、PCなどの外部のコンピューターから入力された印刷データに基づいた画像にデジタルマークを付した画像を印刷したり、USBメモリーなどの外部の記憶媒体に記憶された画像にデジタルマークを付した画像を印刷したりすることも可能である。
図10~図12に示す動作においては、領域特定部30aは、S143の処理の後、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定するか否かの問い合わせを表示部22に表示する(S144)。しかしながら、領域特定部30aは、図14に示すように、S143の処理の後、S143によって読み取った画像におけるマーク配置用領域の位置を指定するか否かの問い合わせを表示部22に表示せずに、S143によって読み取った画像に対して画像認識を実行することによって、S143によって読み取った画像において、マーク配置用領域の検出を試みても良い(S147)。
図10~図12に示す動作においては、マーク取得部30bは、S147における検出が成功したとS148において判断されると、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求するか否かの問い合わせを表示部22に表示する(S149)。しかしながら、マーク取得部30bは、図15に示すように、S147における検出が成功したとS148において判断されると、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求するか否かの問い合わせを表示部22に表示せずに、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求しても良い(S152)。同様に、マーク取得部30bは、タッチパネルからマーク配置用領域の位置が入力されたとS160において判断されると、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求するか否かの問い合わせを表示部22に表示せずに、MFP20にログインしている利用者の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求しても良い(S164)。
(第2の実施の形態)
まず、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
図16は、本実施の形態に係る画像形成システム210のブロック図である。
図16に示すように、画像形成システム210の構成は、第1の実施の形態に係る画像形成システム10(図1参照。)がMFP20に代えてMFP220を備えるとともに、決済を実行する決済システム240を画像形成システム10が備えた構成と同様である。
MFP220は、コンビニエンスストアなどの小売店に設置されている。
決済システム240は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。
MFP220と、管理システム40および決済システム240とは、LAN、インターネットなどのネットワークを介して通信可能である。
図17は、MFP220のブロック図である。
図17に示すように、MFP220の構成は、MFP20(図2参照。)が画像形成プログラム27aに代えて画像形成プログラム227aを備えた構成と同様である。
図18は、制御部30によって実現される機能を示す図である。
制御部30は、画像形成プログラム227aを実行することによって、図18に示すように、領域特定部30a、マーク取得部30b、合成画像生成部30cおよび合成画像印刷部30dと、スキャナー24によって読み取られた画像において料金情報の位置を検出する料金情報位置検出部230aと、料金情報位置検出部230aによって位置が検出された料金情報に示される料金を取得する料金取得部230bとを実現する。
図19は、原稿の画像にデジタルマークを付した画像を印刷する場合のMFP220における処理の主な流れを示す図である。
図19に示すように、スキャナー24によって読み取られたRGB形式の画像は、記憶部27に一旦記憶された後、MFP20のコンバーター28によってRGB形式からCMYK形式に色変換されて、RAM33に記憶される。次いで、RAM33に記憶されたCMYK形式の画像は、料金情報位置検出部230aによって料金情報の位置が検出される。そして、料金取得部230bは、料金情報位置検出部230aによって位置が検出された料金情報に示される料金を決済システム240に通知する。また、RAM33に記憶されたCMYK形式の画像は、領域特定部30aによってマーク配置用領域が特定される。そして、マーク取得部30bによってデジタルマークが取得される。次いで、合成画像生成部30cは、RAM33に記憶されたCMYK形式の画像に対して、領域特定部30aによって特定されたマーク配置用領域に、マーク取得部30bによって取得されたデジタルマークを合成することによって合成画像を生成する。最後に、合成画像印刷部30dは、合成画像生成部30cによって生成された合成画像をプリンター23によって印刷する。
図20は、1台のコンピューターによって構成される場合の決済システム240のブロック図である。
図20に示す決済システム240は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部241と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部242と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部243と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部244と、決済システム240全体を制御する制御部245とを備えている。
表示部242は、MFP220が設置されている小売店に設置されても良い。
制御部245は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部245のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部245のCPUは、記憶部244、または、制御部245のROMに記憶されているプログラムを実行する。
次に、画像形成システム210の動作について説明する。
以下においては、第1の実施の形態において説明した動作と同様の動作によって、小売店が利用者としてMFP220にログインしているものとする。また、第1の実施の形態において説明した動作と同様の動作によって、小売店の印鑑の印影の画像がデジタルマークとして管理システム40のマークリスト44bに登録されているものとする。
小売店の客は、小売店に料金を支払うための支払い用書類250(図21参照。)を小売店の店員に渡す。
図21は、画像形成システム210において使用される支払い用書類250の一例を示す図である。
図21に示す支払い用書類250は、小売店の客が小売店に支払う必要がある料金を示す例えばバーコードなどの料金情報251と、小売店の印鑑が押印されるためのマーク配置用領域としての押印欄252とを含んでいる。支払い用書類250は、例えば、宅配便の伝票や、インターネットで注文したチケットなどの商品を受け取るための印刷物でも良い。
図22は、支払い用書類250が原稿としてスキャナー24にセットされた場合のMFP220の動作のフローチャートである。
小売店の店員は、客から支払い用書類250を受け取ると、受け取った支払い用書類250をスキャナー24にセットする。MFP220の制御部30は、支払い用書類250がスキャナー24にセットされると、画像形成プログラム227aを実行することによって、図22に示す動作を実行する。
図22に示すように、MFP220の制御部30は、スキャナー24によって支払い用書類250から画像を読み取る(S301)。
次いで、料金情報位置検出部230aは、S301によって読み取った画像に対して画像認識を実行することによって、S301によって読み取った画像において、料金情報251の位置の検出を試みる(S302)。
料金情報位置検出部230aは、S302の処理の後、S302における検出が成功したか否かを判断する(S303)。
料金情報位置検出部230aは、S302における検出が失敗したとS303において判断すると、料金情報251の位置の検出の失敗を表示部22に表示して(S304)、図22に示す動作を終了する。
料金取得部230bは、S302における検出が成功したとS303において判断されると、S302において位置が検出された料金情報251に示される料金を取得する(S305)。
次いで、料金取得部230bは、S305において取得した料金を決済システム240に通知する(S306)。したがって、決済システム240の制御部245は、MFP220から通知された料金を表示部242に表示する。なお、画像形成システム210は、S305において取得した料金を、表示部242に加えて、または、表示部242に代えて、MFP220の表示部22に表示しても良い。小売店の店員は、表示された料金を確認した後、この料金を客から公知の任意の方法によって受領する。そして、決済システム240の制御部245は、MFP220から通知された料金を小売店が受領したことを公知の任意の方法によって認識した後、料金の支払いの完了をMFP220に通知する。
領域特定部30aは、S306の処理の後、支払いの完了が決済システム240から通知されたと判断するまで、支払いの完了が決済システム240から通知されたか否かを判断する(S307)。
領域特定部30aは、支払いの完了が決済システム240から通知されたとS307において判断すると、S301によって読み取った画像に対して画像認識を実行することによって、S301によって読み取った画像において、押印欄252の検出を試みる(S308)。
領域特定部30aは、S308の処理の後、S308における検出が成功したか否かを判断する(S309)。
領域特定部30aは、S308における検出が失敗したとS309において判断すると、押印欄252の検出に失敗したために押印欄252に小売店の印鑑の印影の画像を付すことができないことを表示部22に表示して(S310)、図22に示す動作を終了する。
マーク取得部30bは、S308における検出が成功したとS309において判断すると、MFP220にログインしている利用者としての小売店の識別情報に関連付けられたデジタルマークを管理システム40に要求する(S311)。したがって、管理システム40の制御部45は、S311においてMFP220から送信されてきた、利用者の識別情報にマークリスト44bにおいて関連付けられているデジタルマーク、すなわち、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークが存在するか否かを判断する。そして、制御部45は、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークが存在する場合に、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークをMFP220に送信する。一方、制御部45は、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークが存在しない場合に、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークが存在しないことをMFP220に通知する。
マーク取得部30bは、S311の処理の後、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークを管理システム40から受信したか否かを判断する(S312)。
マーク取得部30bは、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークを管理システム40から受信していないとS312において判断すると、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークが存在しないことが管理システム40から通知されたか否かを判断する(S313)。
マーク取得部30bは、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークが存在しないことが管理システム40から通知されていないとS313において判断すると、S312の処理を実行する。
マーク取得部30bは、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークが存在しないことが管理システム40から通知されたとS313において判断すると、小売店の印鑑の印影の画像が管理システム40に登録されていないために押印欄252に小売店の印鑑の印影の画像を付すことができないことを表示部22に表示して(S314)、図22に示す動作を終了する。
合成画像生成部30cは、MFP220にログインしている利用者のデジタルマークを管理システム40から受信したとS312において判断すると、S301によって読み取った画像に対して、S308において検出した押印欄252に、受信したとS312において判断したデジタルマークを合成することによって、合成画像を生成する(S315)。
合成画像印刷部30dは、S315の処理の後、S315において生成した合成画像をプリンター23によって印刷する(S316)。したがって、小売店の店員は、押印欄252に小売店の印鑑の印影の画像が付された、支払い用書類250の複写物を、領収書として客に渡すことができる。
制御部30は、S316の処理の後、S316における印刷の日時と、MFP220にログインしている利用者の識別情報と、S315において使用したデジタルマークと、S316において印刷した画像とを管理システム40に送信する(S317)。したがって、管理システム40は、S317においてMFP220から送信されてきた、印刷の日時、利用者の識別情報、デジタルマーク、および、印刷した画像を関連付けてマーク印刷履歴情報44cに記録する。
制御部30は、S317の処理の後、図22に示す動作を終了する。
以上に説明したように、MFP220は、有体物として存在する支払い用書類250からスキャナー24によってS301において読み取られた画像に対して、デジタルマークを合成することによって合成画像を生成し(S315)、生成した合成画像をプリンター23によって印刷する(S316)ので、有体物として存在する支払い用書類250にデジタルマークを付したと仮定したものと同等の印刷物を生成することができる。
MFP220は、スキャナー24によってS301において読み取られた画像に対して画像認識を実行することによって、マーク配置用領域としての押印欄252を検出する(S308)ので、利便性を向上することができる。
MFP220は、料金を支払うための支払い用書類250が原稿である場合に、支払い用書類250からスキャナー24によってS301において読み取られた画像においてS302において位置を検出した料金情報251に示される料金を決済システム240に通知し(S306)、この料金の支払いの完了が決済システム240から通知された場合(S307でYES)に、スキャナー24によってS301において読み取られた画像に対してデジタルマークを合成することによってS315において生成した合成画像をプリンター23によって印刷する(S316)ので、デジタルマークが付された、支払い用書類250の複写物を、領収書として生成することができる。
MFP220は、スキャナー24によって読み取られた画像にデジタルマークとして印影の画像を付した画像を印刷する際に、小売店の店員に実際の印鑑を使用させる必要がない。したがって、MFP220は、実際の印鑑が不正に使用されたり、実際の印鑑が店員によっていずれかの場所に置き忘れられるなどして実際の印鑑が紛失されたりする可能性を低減することができ、セキュリティーを向上することができる。
MFP220によるデジタルマークを含む画像の印刷の履歴は、全てマーク印刷履歴情報44cに記録される。したがって、MFP220によるデジタルマークを含む画像の印刷は、マーク印刷履歴情報44cを利用して簡単に監査されることが可能である。
以上においては、領域特定部30a、マーク取得部30b、合成画像生成部30c、合成画像印刷部30d、料金情報位置検出部230aおよび料金取得部230bがCPU31によって実現される例について説明している。しかしながら、領域特定部30a、マーク取得部30b、合成画像生成部30c、合成画像印刷部30d、料金情報位置検出部230aおよび料金取得部230bの少なくとも一部は、ASICによって実現されても良い。MFP220は、領域特定部30a、マーク取得部30b、合成画像生成部30c、合成画像印刷部30d、料金情報位置検出部230aおよび料金取得部230bの少なくとも一部がASICによって実現される場合、パフォーマンスを向上することができる。
本発明の画像形成装置は、上述の各実施の形態においてMFPであるが、MFP以外の画像形成装置でも良い。