JP7168324B2 - シリカ含有水の処理装置および処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリカ含有水の処理装置および処理方法に関する。
シリカを含む被処理水に水溶性マグネシウム塩等のマグネシウム化合物を添加し、アルカリ性条件下で析出したケイ酸マグネシウムを、ろ過砂やアンスラサイト等の粒子状ろ材を用いるろ過により除去する方法が知られている(特許文献1参照)。
砂ろ過等の粒子状ろ材を用いるろ過では、被処理水に含まれるSS成分や析出したケイ酸マグネシウム由来のSS成分の濃度が高いときに短時間でろ高が上昇してしまう。ろ高を回復させるためには頻繁にろ材の逆洗を行う必要があり、水回収率が大幅に低下し、安定運転が困難である。
また、ろ過処理水にシリカがリークすると、後段に逆浸透膜装置を備える場合、逆浸透膜装置においてシリカスケールが発生するリスクがある。さらに、ろ過処理水に菌がリークすると、逆浸透膜のバイオファウリングが発生するリスクがある。
特許第5998796号公報
本発明の目的は、有機物およびシリカを含むシリカ含有水のシリカ処理において、安定した運転でシリカを除去することができる、シリカ含有水の処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明は、有機物およびシリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、前記被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化するための不溶化手段と、得られた不溶化物を、限外ろ過膜を用いて膜ろ過する膜ろ過手段と、前記膜ろ過手段を逆洗する逆洗手段と、排出される逆洗排水の少なくとも一部に酸を添加する酸添加手段と、を備え、さらに、前記酸を添加した逆洗排水を前記膜ろ過手段の前段に返送する逆洗排水返送手段か、または、前記酸を添加した逆洗排水を固液分離する固液分離手段、および、前記固液分離手段により分離した固液分離水の少なくとも一部を前記膜ろ過手段の前段に返送する固液分離水返送手段、を備え、前記被処理水中の前記シリカの量は、10~400mg/Lであり、前記有機物の量は、1~10mg/Lであり、
前記逆洗排水返送手段または前記固液分離水返送手段による返送量は、前記被処理水の流量の2~20%の範囲である、シリカ含有水の処理装置である。
前記シリカ含有水の処理装置において、前記膜ろ過手段の後段に、膜ろ過液を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理装置をさらに備えることが好ましい。
また、本発明は、有機物およびシリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、前記被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化する不溶化工程と、得られた不溶化物を、限外ろ過膜を用いて膜ろ過する膜ろ過工程と、前記膜ろ過工程で用いる膜を逆洗する逆洗工程と、排出される逆洗排水の少なくとも一部に酸を添加する酸添加工程と、を含み、さらに、前記酸を添加した逆洗排水を前記膜ろ過工程の前段に返送する逆洗排水返送工程か、または、前記酸を添加した逆洗排水を固液分離する固液分離工程、および、前記固液分離工程により分離した固液分離水の少なくとも一部を前記膜ろ過工程の前段に返送する固液分離水返送工程、を含み、前記被処理水中の前記シリカの量は、10~400mg/Lであり、前記有機物の量は、1~10mg/Lであり、前記逆洗排水返送工程または前記固液分離水返送工程における返送量は、前記被処理水の流量の2~20%の範囲である、シリカ含有水の処理方法である。
前記シリカ含有水の処理方法において、前記膜ろ過工程の後段に、膜ろ過液を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理工程をさらに含むことが好ましい。
本発明では、有機物およびシリカを含むシリカ含有水のシリカ処理において、安定した運転でシリカを除去することができる。
本発明の実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の他の例を示す概略構成図である。 実施例1および比較例1におけるろ過試験の結果を示すグラフである。ろ過量(m/m)に対するろ過抵抗(1/m)を示す。 実施例2および比較例2におけるマグネシウム化合物の添加量(mg-Mg/L)に対する、UF膜処理水のシリカ濃度(mg-SiO/L)を示すグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
シリカ含有水の処理装置1は、有機物およびシリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化するための不溶化手段として反応槽12と、得られた不溶化物を膜ろ過する膜ろ過手段として膜ろ過装置14と、を備える。シリカ含有水の処理装置1は、被処理水を貯留するための被処理水槽10をさらに備えてもよい。
図1のシリカ含有水の処理装置1において、被処理水槽10の出口と反応槽12の被処理水入口とは、ポンプ16を介して配管18により接続されている。反応槽12の出口と膜ろ過装置14の入口とは、配管20により接続されている。膜ろ過装置14の膜ろ過液出口には、処理水配管22が接続されている。反応槽12には、マグネシウム化合物添加手段としてマグネシウム化合物添加配管24と、pH調整剤添加手段としてpH調整剤添加配管26とが接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置28が設置されている。
本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法およびシリカ含有水の処理装置1の動作について説明する。
被処理水である有機物およびシリカを含むシリカ含有水は、必要に応じて被処理水槽10に貯留され、ポンプ16により配管18を通して反応槽12へ送液される。添加すべきマグネシウム化合物の量は、目標とする処理水のシリカ濃度等に応じて変わるため明確に規定できないが、一例として処理水のシリカ濃度を10mg/L以下とする場合、以下のようになる。例えば、被処理水のpHが10以上であって、被処理水中にマグネシウムが含まれていない場合、または被処理水中のマグネシウムの含有量がシリカの含有量(1モル)に対して0.5モル未満である場合、反応槽12において、シリカ含有水に、マグネシウム化合物添加配管24を通してマグネシウム化合物が添加されてシリカが不溶化される(不溶化工程)。例えば、被処理水のpHが10未満であって、被処理水中にマグネシウムが含まれていない場合、または被処理水中のマグネシウムの含有量がシリカの含有量(1モル)に対して0.5モル未満である場合、反応槽12において、シリカ含有水に、マグネシウム化合物添加配管24を通してマグネシウム化合物が添加され、pH調整剤添加配管26を通してpH調整剤が添加されて被処理水のpHが10以上とされ、シリカが不溶化される(不溶化工程)。例えば、被処理水のpHが10未満であって、被処理水中のマグネシウムの含有量がシリカの含有量(1モル)に対して0.5モル以上である場合、反応槽12において、シリカ含有水に、pH調整剤添加配管26を通してpH調整剤が添加されて被処理水のpHが10以上とされ、シリカが不溶化される(不溶化工程)。例えば、被処理水のpHが10以上であって、被処理水中のマグネシウムの含有量がシリカの含有量(1モル)に対して0.5モル以上である場合、そのまま次の膜ろ過装置14へ送液される。反応槽12では撹拌装置28により反応液が撹拌されてもよい。
被処理水へのマグネシウム化合物の添加は、図1のように反応槽12を設けてもよいし、反応槽12を設けずに被処理水槽10と膜ろ過装置14とを接続する配管等におけるインラインミキサ等を用いたライン注入でもよい。
pH調整が行われる場合、図1のように反応槽12において行われてもよいし、反応槽12の前段または後段に別途、pH調整槽を設けて、pH調整槽においてpH調整が行われてもよい。すなわち、予めpH調整した被処理水にマグネシウム化合物を添加してもよいし、マグネシウム化合物を添加した被処理水をpH調整してもよい。
マグネシウム化合物が添加されたpH10以上のアルカリ条件下で反応時間を好ましくは1~15分間、例えば10分程度とって撹拌することで、マグネシウムフロックが形成される。マグネシウムフロックには、シリカとマグネシウムとが反応して生成したケイ酸マグネシウムのほか、被処理水中に含まれる有機物の少なくとも一部も取り込まれる。不溶化したシリカの除去に膜を用いる場合、凝集沈澱のように沈降させなくてもよいため、反応時間が短く、フロックが小さくてもよい。
次に、不溶化工程で得られた反応液が反応槽12から配管20を通して膜ろ過装置14へ送液される。膜ろ過装置14において、不溶化工程で得られた不溶化物が膜ろ過される(膜ろ過工程)。膜ろ過工程で得られた膜ろ過液は、膜ろ過装置14から処理水配管22を通して、処理水として排出される。
このように、本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置1では、シリカ含有水にマグネシウム化合物を添加するか、被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化し、膜ろ過を行って処理する。不溶化工程で得られたマグネシウムフロックを膜ろ過処理することで、被処理水中に含まれるシリカを除去することができる。また、膜を閉塞させやすい有機物をマグネシウムフロックに取り込むことで、膜ろ過の閉塞を緩和することができる。この方法によると、有機物およびシリカを含むシリカ含有水のシリカ処理において、安定した運転でシリカを除去することができる。シリカ含有水にマグネシウム化合物を添加することで、シリカを除去できること、膜ろ過装置14におけるろ過抵抗の上昇を抑制し、膜の安定運転に寄与することの2つの効果が得られる。
処理対象となるシリカ含有水は、例えば、地下水、工業用水、工場排水等である。シリカ含有水中のシリカの量は、例えば、10~400mg/Lである。シリカ含有水中の有機物の量は、例えば、1~10mg/Lである。シリカ含有水が硬度成分を含む場合、シリカ含有水中のカルシウム硬度成分の量は、例えば、50~5000mg-CaCO/Lであり、マグネシウム硬度成分の量は、例えば、10~1000mg-CaCO/Lである。
不溶化工程で用いられるマグネシウム化合物としては、例えば、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、塩化マグネシウム(MgCl)、酸化マグネシウム(MgO)等のマグネシウムの無機塩等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から水酸化マグネシウムが好ましい。マグネシウム化合物として水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウム等の水等に溶解しにくいものを用いる場合は、溶解槽を別途設けてマグネシウム化合物を水等に溶解させてから、被処理水に添加してもよい。
不溶化工程におけるマグネシウム化合物の添加量は、被処理水であるシリカ含有水中のシリカの量(1モル)に対して、マグネシウムが0.5モル~5.0モルの範囲となる量であることが好ましく、1.0モル~2.5モルの範囲となる量であることがより好ましい。不溶化工程におけるマグネシウム化合物の添加量がシリカ含有水中のシリカの量(1モル)に対して0.5モル未満となる量であると、不溶化反応が十分に進行しない場合があり、5.0モルを超える量となる量であると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
不溶化工程においてpH調整が行われる場合、反応槽12内のpHを10以上に調整し、10~12の範囲に調整することがより好ましく、10~11の範囲に調整することがさらに好ましい。反応槽12内のpHが10未満であると、マグネシウムの不溶化が不十分でシリカの除去性が低下し、12を超えると、シリカの溶解度が高くなってシリカの除去性が低下する場合がある。
pH調整で用いられるpH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸等の酸、または、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤が挙げられる。
シリカ含有水が硬度成分を含む場合は、反応槽12において、または反応槽12の前段または後段に別の反応槽(第2反応槽)を設け、アルカリ剤および炭酸化合物のうち少なくとも1つを添加して硬度成分を不溶化し、上記膜ろ過工程により除去してもよい。硬度成分は、反応槽12の前段においてイオン交換樹脂等により除去してもよい。
硬度成分の不溶化に用いられるアルカリ剤としては、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムが好ましい。硬度成分の不溶化に用いられる炭酸化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸ガス等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ剤および炭酸化合物の添加量は、被処理水中の硬度成分の量(1モル)に対して、1.0モル~1.2モルの範囲であることが好ましく、1.0モル~1.1モルの範囲であることがより好ましい。アルカリ剤および炭酸化合物の添加量が被処理水中の硬度成分の量(1モル)に対して1.0モル未満であると、不溶化反応が十分に進行しない場合があり、過剰に添加すると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
不溶化工程における反応温度は、特に制限はないが、例えば、15℃~30℃の範囲である。
膜ろ過工程において用いられるろ過膜は、例えば、精密ろ過膜(MF膜)または限外ろ過膜(UF膜)のうちの少なくとも1つである。精密ろ過膜の孔径は、0.1μm以上、10μm以下であり、限外ろ過膜の公称孔径は、0.01μm以上、0.1μm未満である。ろ過膜としては、セラミック膜等の無機膜、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PES(ポリエーテルスルホン)、PS(ポリスルホン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の有機膜のいずれでもよい。また、ろ過膜は、外圧式、内圧式のいずれでもよい。
不溶化工程で得られた反応液は、膜ろ過工程の前に、例えば凝集槽において必要に応じて反応液に無機凝集剤が添加されて凝集反応が行われてもよい(凝集工程)。凝集槽において、必要に応じて、pH調整剤が添加されてもよい。凝集槽では撹拌装置により凝集液が撹拌されてもよい。
凝集工程で得られた凝集反応液は、さらに例えば高分子反応槽において、必要に応じて凝集反応液に高分子凝集剤が添加されて高分子凝集反応が行われてもよい(高分子凝集工程)。高分子反応槽では撹拌装置により凝集反応液が撹拌されてもよい。
高分子凝集工程で得られた高分子凝集液が膜ろ過装置14へ送液され、膜ろ過装置14において、得られた不溶化物が膜ろ過されればよい(膜ろ過工程)。
凝集工程で用いられる無機凝集剤としては、例えば、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等の鉄系無機凝集剤、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム系無機凝集剤等が挙げられる。
凝集工程における無機凝集剤の添加量は、30~300mg/Lの範囲であることが好ましく、50~100mg/Lの範囲であることがより好ましい。凝集工程における無機凝集剤の添加量が30mg/L未満であると、凝集反応が十分に進行しない場合があり、過剰に添加すると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
凝集工程における反応温度は、特に制限はないが、例えば、15℃~30℃の範囲である。
高分子凝集工程で用いられる高分子凝集剤としては、例えば、アクリルアミド系、アクリル酸エステル系等の高分子凝集剤が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点からアクリルアミド系の高分子凝集剤が好ましい。
高分子凝集工程における高分子凝集剤の添加量は、0.5~5.0mg/Lの範囲であることが好ましく、1~2mg/Lの範囲であることがより好ましい。高分子凝集工程における高分子凝集剤の添加量が0.5mg/L未満であると、凝集反応が十分に進行しない場合があり、過剰に添加すると、薬品コスト等の点で不利になる場合がある。
高分子凝集工程における反応温度は、特に制限はないが、例えば、15℃~30℃の範囲である。
本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置において、図2に示すように、膜ろ過装置14(膜ろ過工程)の後段に、膜ろ過液(処理水)を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理装置32をさらに備え、逆浸透膜処理を行うことが好ましい。
図2のシリカ含有水の処理装置3において、膜ろ過装置14(膜ろ過工程)で得られた膜ろ過液(処理水)は、処理水配管22を通して必要に応じて処理水槽30に貯留された後、配管34を通して、逆浸透膜処理装置32へ送液される。逆浸透膜処理装置32において逆浸透膜に通水されて透過水および濃縮水が得られる(逆浸透膜処理工程)。透過水は、透過水配管36を通して排出され、濃縮水は、濃縮水配管38を通して排出される。膜ろ過液(処理水)のシリカの含有量が低減されているため、逆浸透膜処理装置32における水回収率を上げても逆浸透膜の濃縮側でシリカスケールが発生するリスクが低減する。
被処理水中にカルシウム等の硬度成分が含まれる場合には、膜ろ過装置14と逆浸透膜処理装置32との間でpHを例えば4~7に下げてランゲリア指数が0未満となるようにpH調整剤を添加することで、炭酸カルシウム等のスケールリスクを低減することができる。
逆浸透膜処理装置32の透過水は、クーリングタワーの補給水、製造用水等に再利用してもよい。
図3に本実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の他の例を示す。
図3のシリカ含有水の処理装置5は、有機物およびシリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化するための不溶化手段として反応槽12と、得られた不溶化物を膜ろ過する膜ろ過手段として膜ろ過装置14と、膜ろ過装置14で用いられる膜を逆洗する逆洗手段としてポンプ40、逆洗水配管44と、排出される逆洗排水の少なくとも一部に酸を添加する酸添加手段として汚泥再生槽42、酸添加配管50と、酸を添加した逆洗排水を膜ろ過装置14の前段に返送する逆洗排水返送手段として再生汚泥返送配管48をさらに備える。シリカ含有水の処理装置5は、被処理水を貯留するための被処理水槽10と、処理水を貯留するための処理水槽30と、をさらに備えてもよい。
図3のシリカ含有水の処理装置5において、被処理水槽10の出口と反応槽12の被処理水入口とは、ポンプ16を介して配管18により接続されている。反応槽12の出口と膜ろ過装置14の入口とは、配管20により接続されている。膜ろ過装置14の膜ろ過液出口と処理水槽30の入口とは、処理水配管22により接続されている。処理水槽30の処理水出口には、処理水配管34が接続されている。処理水槽30の逆洗水出口と処理水配管22の途中とは、ポンプ40を介して逆洗水配管44により接続されている。膜ろ過装置14の逆洗排水出口と汚泥再生槽42の入口とは、逆洗排水配管46により接続されている。汚泥再生槽42の出口と反応槽12の再生汚泥入口とは、再生汚泥返送配管48により接続されている。反応槽12には、マグネシウム化合物添加手段としてマグネシウム化合物添加配管24と、pH調整剤添加手段としてpH調整剤添加配管26とが接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置28が設置されている。汚泥再生槽42には、酸添加手段として酸添加配管50が接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置52が設置されている。
図3のシリカ含有水の処理装置5において、被処理水である有機物およびシリカを含むシリカ含有水は、必要に応じて被処理水槽10に貯留され、ポンプ16により配管18を通して反応槽12へ送液される。図1のシリカ含有水の処理装置1と同様にして、反応槽12において不溶化工程が行われる。
次に、不溶化工程で得られた反応液が反応槽12から配管20を通して膜ろ過装置14へ送液される。膜ろ過装置14において、得られた不溶化物が膜ろ過される(膜ろ過工程)。膜ろ過工程で得られた膜ろ過液は、膜ろ過装置14から処理水配管22を通して、必要に応じて処理水槽30に貯留される。膜ろ過液の少なくとも一部は、処理水配管34を通して処理水として排出されてもよい。
膜ろ過装置14における膜ろ過処理の所定の時間の経過後(例えば、30分~1時間に1回程度)に、例えば膜ろ過液の少なくとも一部がポンプ40により逆洗水配管44、処理水配管22を通して膜ろ過装置14の2次側から送液され、膜ろ過工程で用いる膜が逆洗される(逆洗工程)。逆洗排水は、膜ろ過装置14の1次側から逆洗排水配管46を通して排出され、汚泥再生槽42に送液される。
汚泥再生槽42において、汚泥を含む逆洗排水に、酸添加配管50を通して酸が添加されて汚泥が再生される(酸添加工程)。酸が添加されて再生された汚泥を含む逆洗排水は、再生汚泥返送配管48を通して、膜ろ過装置14(膜ろ過工程)の前段である反応槽12に返送される(逆洗排水返送工程)。
このように、本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置5では、シリカ含有水にマグネシウム化合物を添加するか、被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化し、膜ろ過を行って処理し(膜ろ過工程)、膜ろ過工程で用いる膜を逆洗して排出される逆洗排水の少なくとも一部に酸を添加して(酸添加工程)、膜ろ過工程の前段に返送する(逆洗排水返送工程)。
この方法によると、汚泥に酸を添加することによって、汚泥中に含まれるマグネシウムとシリカとの化合物が溶解され、マグネシウムをイオンとして溶出させることができる。このとき、シリカも共に溶出されてくるが、シリカの溶解度は通常低いため、溶解度を超える分はゲル化して析出する。通常、シリカのゲル化には長い時間(数十時間以上)がかかるが、本方法によれば、シリカは一度固形化しているため、30分程度の反応時間でも十分にゲル化させることができると考えられる。
再生汚泥を膜ろ過装置14(膜ろ過工程)の前段に返送すると、イオン化したマグネシウムをシリカ除去剤であるマグネシウム化合物として再利用することができ、シリカはほとんどが自らゲル化して析出しているため、膜ろ過工程にて再度分離される。
汚泥に含まれるマグネシウムとシリカとの化合物から溶出させたマグネシウムイオンをシリカ除去剤であるマグネシウム化合物として再利用できるため、再利用しない場合に比べてマグネシウム化合物の使用量を大幅に削減することができる。これにより、発生する汚泥の量を低減することができる。場合によっては、被処理水中に元々含まれるマグネシウムだけでもシリカを除去することができる。また、溶出させたマグネシウムイオンを再利用することにより、再利用しない場合と同程度のマグネシウム化合物を使用すれば、処理水中のシリカの含有量をより低減することができ、処理水質をより向上することができる。そのため、膜ろ過装置の後段にさらに逆浸透膜処理装置等の処理装置を備える場合には、負荷を低減することができる。
酸添加工程において、酸を添加して、逆洗排水のpHを4~9の範囲に調整することが好ましい。再生できるマグネシウムの量は、汚泥再生槽42に添加する酸の量によって決まり、多く入れるほど再生するマグネシウムの量も多くなる。シリカの溶解度はpH4~9の範囲、25℃では120mg/L~150mg/L程度であるため、溶解度を超える分のシリカはゲル化して析出すると考えられる。
酸添加工程においてpH9以下であればマグネシウムイオンが溶出してくる。pH4未満でもマグネシウムイオンは溶出するが、溶解してくるシリカがゲル化しにくくなるため、好ましいpH範囲はpH4~9、より好ましくは4~6である。
汚泥の再生に用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸等が挙げられる。これらのうち、薬品コスト等の点から塩酸が好ましい。
酸添加工程における反応温度は、特に制限はないが、例えば、15℃~30℃の範囲である。酸添加工程における反応時間は、特に制限はないが、例えば、15分~120分の範囲である。
膜ろ過工程の前段に返送する逆洗排水の循環量は、再生に必要なマグネシウムの量が十分に循環していればよいが、好ましくは被処理水の流量の2~20%程度の範囲、より好ましくは5~10%程度の範囲である。逆洗排水の循環量が被処理水の流量の2%未満であると、再生に必要なマグネシウムの量が十分に供給されない場合があり、20%を超えると、被処理水の流量が増大して各反応槽での反応時間が短くなり、シリカの処理性が悪化したり、凝集性が悪くなったりする場合がある。
汚泥再生槽42に送る逆洗排水中の汚泥の濃度は濃い方が汚泥再生槽42での濃度が高くなり、溶出するマグネシウムイオンの量に対してゲル化するシリカの割合が増え、再生効率が良くなる。逆洗排水中の返送汚泥の濃度は、例えば、0.5~5.0%の範囲であり、1.0~3.0%の範囲であることが好ましい。
逆洗排水返送手段による再生汚泥の返送先は、膜ろ過装置14(膜ろ過工程)の前段であればよく、特に制限はない。例えば、被処理水槽10、反応槽12、配管18,20、備える場合は凝集槽、高分子反応槽のうちの少なくとも1つに再生汚泥を返送すればよいが、反応槽12に返送することによって、反応槽12内でのマグネシウムイオン濃度が高くなり、マグネシウムとシリカの共沈反応を促進させることができるため、より好ましい。
本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置5により、再生汚泥を膜ろ過工程の前段に返送しない場合に比べて、マグネシウム化合物の使用量を例えば1/2~ゼロ程度にまで削減することができる。
図4に本実施形態に係るシリカ含有水の処理装置の他の例を示す。
図4のシリカ含有水の処理装置7は、有機物およびシリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化するための不溶化手段として反応槽12と、得られた不溶化物を膜ろ過する膜ろ過手段として膜ろ過装置14と、膜ろ過装置14で用いられる膜を逆洗する逆洗手段としてポンプ40、逆洗水配管44と、排出される逆洗排水の少なくとも一部に酸を添加する酸添加手段として汚泥再生槽42、酸添加配管50と、酸を添加した逆洗排水を固液分離する固液分離手段として汚泥分離槽54と、固液分離手段である汚泥分離槽54により分離した固液分離水の少なくとも一部を膜ろ過装置14の前段に返送する固液分離水返送手段として固液分離水返送配管60と、を備える。シリカ含有水の処理装置7は、被処理水を貯留するための被処理水槽10と、処理水を貯留するための処理水槽30と、をさらに備えてもよい。
図4のシリカ含有水の処理装置7において、被処理水槽10の出口と反応槽12の被処理水入口とは、ポンプ16を介して配管18により接続されている。反応槽12の出口と膜ろ過装置14の入口とは、配管20により接続されている。膜ろ過装置14の膜ろ過液出口と処理水槽30の入口とは、処理水配管22により接続されている。処理水槽30の処理水出口には、処理水配管34が接続されている。処理水槽30の逆洗水出口と処理水配管22の途中とは、ポンプ40を介して逆洗水配管44により接続されている。膜ろ過装置14の逆洗排水出口と汚泥再生槽42の入口とは、逆洗排水配管46により接続されている。汚泥再生槽42の出口と汚泥分離槽54の入口とは、配管58により接続されている。汚泥分離槽54の固液分離水出口と反応槽12の固液分離水入口とは、固液分離水返送配管60により接続されている。汚泥分離槽54の下部の汚泥出口には、ポンプ56を介して汚泥配管62が接続されている。反応槽12には、マグネシウム化合物添加手段としてマグネシウム化合物添加配管24と、pH調整剤添加手段としてpH調整剤添加配管26とが接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置28が設置されている。汚泥再生槽42には、酸添加手段として酸添加配管50が接続され、撹拌手段として撹拌羽根を備える撹拌装置52が設置されている。
図4のシリカ含有水の処理装置7において、被処理水である有機物およびシリカを含むシリカ含有水は、必要に応じて被処理水槽10に貯留され、ポンプ16により配管18を通して反応槽12へ送液される。図1のシリカ含有水の処理装置1と同様にして、反応槽12において不溶化工程が行われる。
次に、不溶化工程で得られた反応液が反応槽12から配管20を通して膜ろ過装置14へ送液される。膜ろ過装置14において、得られた不溶化物が膜ろ過される(膜ろ過工程)。膜ろ過工程で得られた膜ろ過液は、膜ろ過装置14から処理水配管22を通して、必要に応じて処理水槽30に貯留される。膜ろ過液の少なくとも一部は、処理水配管34を通して処理水として排出されてもよい。
膜ろ過装置14における膜ろ過処理の所定の時間の経過後(例えば、30分~1時間に1回程度)に、例えば膜ろ過液の少なくとも一部がポンプ40により逆洗水配管44、処理水配管22を通して膜ろ過装置14の2次側から送液され、膜ろ過工程で用いる膜が逆洗される(逆洗工程)。逆洗排水は、膜ろ過装置14の1次側から逆洗排水配管46を通して排出され、汚泥再生槽42に送液される。
汚泥再生槽42において、汚泥を含む逆洗排水に、酸添加配管50を通して酸が添加されて汚泥が再生される(酸添加工程)。酸が添加されて再生された汚泥を含む逆洗排水は、配管58を通して、汚泥分離槽54へ送液される。汚泥分離槽54において、不溶化物が自然沈降等により固液分離される(固液分離工程)。
固液分離工程で得られた固液分離水は、固液分離水返送配管60を通して膜ろ過装置14(膜ろ過工程)の前段である反応槽12に返送される(固液分離水返送工程)。固液分離により分離された汚泥は、汚泥分離槽54からポンプ56により汚泥配管62を通して排出される。
このように、本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置7では、シリカ含有水にマグネシウム化合物を添加するか、被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化し、膜ろ過を行って処理し(膜ろ過工程)、膜ろ過工程で用いる膜を逆洗して排出される逆洗排水の少なくとも一部に酸を添加して(酸添加工程)、固液分離を行って処理し(固液分離工程)、分離した固液分離水の少なくとも一部を膜ろ過工程の前段に返送する(固液分離水返送工程)。
この方法によると、汚泥に酸を添加することによって、汚泥中に含まれるマグネシウムとシリカとの化合物が溶解され、マグネシウムをイオンとして溶出させることができる。このとき、シリカも共に溶出されてくるが、シリカの溶解度は通常低いため(例えば、pH4~9、25℃では120mg/L程度)、溶解度を超える分はゲル化して析出する。通常、シリカのゲル化には長い時間(数十時間以上)がかかるが、本方法によれば、シリカは一度固形化しているため、30分程度の反応時間でも十分にゲル化させることができると考えられる。
酸添加工程で再生された再生汚泥をそのまま膜ろ過工程の前段に返送すると、イオン化したマグネシウムをシリカ除去剤であるマグネシウム化合物として再利用することができ、シリカはほとんどが自らゲル化して析出しているため、膜ろ過装置14にて再度分離される。ただし、単独でゲル化したシリカは、膜ろ過工程の前段に返送すると少しずつ再溶解してくる。少量であればその影響は小さく、膜ろ過装置14にて膜ろ過すればほとんど問題ないが、汚泥を大量に再生して単独でゲル化するシリカの割合が多くなると、その影響が無視できなくなる。また、例えば処理装置が一時的に停止して、ゲル化したシリカが長時間系内に留まると、シリカの再溶解が進み、処理水のシリカ濃度が大幅に高くなる現象が見られることがある。そこで、本実施形態に係る処理方法および処理装置7では、酸添加工程で再生された再生汚泥を固液分離(固液分離処理)することによって、ゲル化したシリカをできるだけ膜ろ過工程の前段に返送させずに、溶出させたマグネシウム(マグネシウムイオン)を膜ろ過工程の前段に返送して再利用することができ、マグネシウム化合物の使用量を削減することができる。また、少ないマグネシウム化合物の添加量で処理水のシリカ濃度を低減することができる。
このように、汚泥に含まれるマグネシウムとシリカとの化合物から溶出させたマグネシウムイオンをシリカ除去剤であるマグネシウム化合物として再利用できるため、再利用しない場合に比べてマグネシウム化合物の使用量を大幅に削減することができる。これにより、発生する汚泥の量を低減することができる。場合によっては、被処理水中に元々含まれるマグネシウムだけでもこのマグネシウムをシリカの不溶化に利用してシリカを除去することができる。被処理水中のシリカの濃度に対してマグネシウムの濃度が高い場合は、新たにマグネシウム化合物を添加しなくてもシリカの除去が可能である。また、溶出させたマグネシウムイオンを再利用することにより、再利用しない場合と同程度のマグネシウム化合物を使用すれば、処理水中のシリカの含有量をより低減することができ、処理水質をより向上することができる。そのため、膜ろ過装置14の後段にさらに逆浸透膜処理装置等の処理装置を備える場合には、負荷を低減することができる。
膜ろ過工程の前段に返送する固液分離水の循環量は、再生に必要なマグネシウムの量が十分に循環していればよいが、好ましくは被処理水の流量の2~20%程度の範囲、より好ましくは5~10%程度の範囲である。固液分離水の循環量が被処理水の流量の2%未満であると、再生に必要なマグネシウムの量が十分に供給されない場合があり、20%を超えると、被処理水の流量が増大して各反応槽での反応時間が短くなり、シリカの処理性が悪化したり、凝集性が悪くなったりする場合がある。
固液分離水返送手段による固液分離水の返送先は、膜ろ過装置14(膜ろ過工程)の前段であればよく、特に制限はない。例えば、被処理水槽10、反応槽12、配管18,20、備える場合は凝集槽、高分子反応槽のうちの少なくとも1つに固液分離水を返送すればよいが、反応槽12に返送することによって、反応槽12内でのマグネシウムイオン濃度が高くなり、マグネシウムとシリカの共沈反応を促進させることができるため、より好ましい。
本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置7により、固液分離水を膜ろ過工程の前段に返送しない場合に比べて、マグネシウム化合物の使用量を例えば1/2~ゼロ程度にまで削減することができる。
本実施形態に係るシリカ含有水の処理方法および処理装置1,5,7により、処理水中のシリカ含有量を、例えば、10mg/L以下程度にまで低減することができ、処理水中の有機物含有量を、例えば、1mg/L以下程度にまで低減することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1は、図1の処理装置1と同様のフローで処理を行った。有機物およびシリカを含む被処理水(TOC:7mg/L、SiO含有量:101mg-SiO/L)にマグネシウム化合物として塩化マグネシウムを65mg-Mg/L添加し、混合した。塩化マグネシウムを添加、混合した被処理水にpH調整剤として水酸化ナトリウムを添加し、pHを11に調整し、10分間撹拌してマグネシウムフロックを形成した。マグネシウムフロックを形成した被処理水を、膜ろ過し、定期的(1時間に1回)に逆洗を行った。ろ過膜は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の限外ろ過膜(公称孔径:0.01μm)を用いた。処理温度は20℃とした。図5にろ過試験の結果を示す。
<比較例1>
比較例1では、塩化マグネシウムを添加しなかった(塩化マグネシウム:0mg-Mg/L)こと以外は実施例1と同じ条件で膜ろ過を行った。図5にろ過試験の結果を示す。図5は、ろ過量(m/m)に対するろ過抵抗(1/m)を示す。
実施例1のマグネシウム化合物を添加した場合は、比較例1のマグネシウム化合物を添加しなかった場合に比べて、ろ過抵抗の上昇が緩やかになっており、膜の閉塞が緩和されていることを示している。これは、被処理水中に含まれる有機物が、マグネシウムフロックに取り込まれたことで、膜の細孔に入って閉塞させることを抑制したためと考えられる。
<実施例2および比較例2>
実施例1および比較例1と同様の条件でろ過試験を行った。ジャーテスタで不溶化処理後、限外ろ過膜を用いてろ過した。塩化マグネシウムの添加量を0mg-Mg/L(比較例2)、32.5,65,130,260mg-Mg/L(実施例2)と変えた。マグネシウム化合物の添加量(mg-Mg/L)に対する、UF膜処理水のシリカ濃度(mg-SiO/L)を図6に示す。マグネシウム化合物の添加量を増やすと、UF膜処理水のシリカ濃度が低減した。
このように、実施例1の方法および処理装置により、有機物およびシリカを含むシリカ含有水のシリカ処理において、安定した運転でシリカを除去することができた。
1,3,5,7 シリカ含有水の処理装置、10 被処理水槽、12 反応槽、14 膜ろ過装置、16,40,56 ポンプ、18,20,58 配管、22,34 処理水配管、24 マグネシウム化合物添加配管、26 pH調整剤添加配管、28,52 撹拌装置、30 処理水槽、32 逆浸透膜処理装置、36 透過水配管、38 濃縮水配管、42 汚泥再生槽、44 逆洗水配管、46 逆洗排水配管、48 再生汚泥返送配管、50 酸添加配管、54 汚泥分離槽、60 固液分離水返送配管、62 汚泥配管。

Claims (4)

  1. 有機物およびシリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、前記被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化するための不溶化手段と、
    得られた不溶化物を、限外ろ過膜を用いて膜ろ過する膜ろ過手段と、
    前記膜ろ過手段を逆洗する逆洗手段と、
    排出される逆洗排水の少なくとも一部に酸を添加する酸添加手段と、
    を備え、
    さらに、
    前記酸を添加した逆洗排水を前記膜ろ過手段の前段に返送する逆洗排水返送手段か、または、
    前記酸を添加した逆洗排水を固液分離する固液分離手段、および、前記固液分離手段により分離した固液分離水の少なくとも一部を前記膜ろ過手段の前段に返送する固液分離水返送手段、
    を備え、
    前記被処理水中の前記シリカの量は、10~400mg/Lであり、前記有機物の量は、1~10mg/Lであり、
    前記逆洗排水返送手段または前記固液分離水返送手段による返送量は、前記被処理水の流量の2~20%の範囲であることを特徴とする、シリカ含有水の処理装置。
  2. 請求項1に記載のシリカ含有水の処理装置であって、
    前記膜ろ過手段の後段に、膜ろ過液を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理装置をさらに備えることを特徴とする、シリカ含有水の処理装置。
  3. 有機物およびシリカを含む被処理水に、マグネシウム化合物を添加するか、前記被処理水中に含まれるマグネシウムを利用してpH10以上でシリカを不溶化する不溶化工程と、
    得られた不溶化物を、限外ろ過膜を用いて膜ろ過する膜ろ過工程と、
    前記膜ろ過工程で用いる膜を逆洗する逆洗工程と、
    排出される逆洗排水の少なくとも一部に酸を添加する酸添加工程と、
    を含み、
    さらに、
    前記酸を添加した逆洗排水を前記膜ろ過工程の前段に返送する逆洗排水返送工程か、または、
    前記酸を添加した逆洗排水を固液分離する固液分離工程、および、前記固液分離工程により分離した固液分離水の少なくとも一部を前記膜ろ過工程の前段に返送する固液分離水返送工程、
    を含み、
    前記被処理水中の前記シリカの量は、10~400mg/Lであり、前記有機物の量は、1~10mg/Lであり、
    前記逆洗排水返送工程または前記固液分離水返送工程における返送量は、前記被処理水の流量の2~20%の範囲であることを特徴とする、シリカ含有水の処理方法。
  4. 請求項に記載のシリカ含有水の処理方法であって、
    前記膜ろ過工程の後段に、膜ろ過液を逆浸透膜に通水して透過水および濃縮水を得る逆浸透膜処理工程をさらに含むことを特徴とする、シリカ含有水の処理方法。
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