JP7167786B2 - 発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、発電システムに関する。
例えば、再生可能エネルギーにより交流電力を発電する発電機と、その発電機で発電した交流電力を直流電力に変換して電源装置や電力系統に供給するインバータと、を備えた発電システムが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2017-163659号公報
ところで、再生可能エネルギーは天候などの自然状況に左右される不安定なエネルギーである。そのため、再生可能エネルギーが変動した場合には、発電機での損失やインバータでの損失が変動することになり、その結果発電システム全体で発生する損失が変動する。したがって、発電システム全体で発生する損失が増加して、発電効率が低下する場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、発電システムで発生する損失を低減することである。
(1)本発明の一態様は、発電機と、前記発電機で発電された発電電力を直流に変換する電力変換装置と、を備えた発電システムであって、前記電力変換装置を構成するスイッチング素子のオン状態及びオフ状態を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記スイッチング素子がオン状態の期間であるオン固定通電期間を変化させながら、前記発電機で発生する損失と前記電力変換装置で発生する損失とを含む合計損失が最小となるように前記オン固定通電期間を制御する最小損失点追従制御を実行する制御部を備えることを特徴とする発電システムである。
(2)上記(1)の発電システムであって、前記制御部は、前記最小損失点追従制御において、前記電力変換装置により変換された発電電力が最大となるように前記オン固定通電期間を制御してもよい。
(3)上記(1)の発電システムであって、前記電力変換装置で変換された発電電力を交流電力に変換して商用電力系統に供給する系統連系インバータを更に備え、前記制御部は、前記最小損失点追従制御において、前記系統連系インバータから前記商用電力系統に供給される前記交流電力が最大となるように前記オン固定通電期間を制御してもよい。
(4)上記(1)から上記(3)のいずれかの発電システムであって、前記制御部は、前記スイッチング素子に対して、前記最小損失点追従制御と、所定の周期で前記スイッチング素子をオンオフするPWM制御とを実行し、前記最小損失点追従制御において前記所定の周期よりも長い前記オン固定通電期間を設けてもよい。
(5)上記(1)から上記(4)のいずれかの発電システムであって、前記スイッチング素子の温度を測定する第1の温度センサを更に備え、前記制御部は、前記第1の温度センサにより測定された温度が第1の閾値以上になった場合には、強制的に前記オン固定通電期間を増大させてもよい。
(6)上記(1)から上記(4)のいずれかの発電システムであって、前記発電機の温度を測定する第2の温度センサを更に備え、前記制御部は、前記第2の温度センサにより測定された温度が第2の閾値以上になった場合には、強制的に前記オン固定通電期間を低減させてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、発電システムで発生する損失を低減することができる。
第1の実施形態に係る発電システムAの概略構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係るスイッチング制御を示す図である。 第1の実施形態に係る発電機損失P、インバータ損失PIV、及び合計損失Pのスイッチング周波数fsに対する傾向の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る応答角周波数ωθを説明する図である。 第1の実施形態に係る最小損失点追従制御のフロー図である。 第1の実施形態に係る最小損失点追従制御の変形例を示すフロー図である。 第1の実施形態に係る発電システムAの概略構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る発電システムBの概略構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る最小損失点追従制御のフロー図である。 第2の実施形態に係る最小損失点追従制御の変形例を示すフロー図である。 第3の実施形態に係る発電システムCの概略構成の一例を示す図である。 第3の実施形態に係る最小損失点追従制御のフロー図である。 第3の実施形態に係る最小損失点追従制御の変形例を示すフロー図である。 第1の実施形態~第3の実施形態の制御部の変形例7を示す図である。
以下、本実施形態に係る発電システムを、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る発電システムAの概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、発電システムAは、電源装置1、発電機2、及び発電電力変換器3を備える。
電源装置1は、直流電源であって、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、電源装置1は、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。さらに、電源装置1は、交流電源からの出力を直流に整流する装置であってもよい。
発電機2は、再生可能エネルギーや蒸気タービン等により駆動されることで電力(以下、「発電電力」という。)を発電する発電機である。本実施形態では発電機2は、三相(U、V、W)の交流発電機である。具体的には、発電機2は、永久磁石を有するロータと、三相(U、V、W)それぞれに対応するコイルLu、Lv、Lwがロータの回転方向に順に巻装されているステータとを備えている。そして、各相のコイルLu、Lv、Lwのそれぞれは、発電電力変換器3に接続されている。
発電電力変換器3は、発電機2で発電した交流の発電電力を直流に変換して電源装置1に供給する。以下に、第1の実施形態に係る発電電力変換器3の構成について、具体的に説明する。
発電電力変換器3は、インバータ4及びインバータ制御部5を備える。なお、インバータ4は、本発明の「電力変換装置」の一例である。
インバータ4は、発電機2で発電した交流の発電電力を直流に変換する。そして、インバータ4は、直流に変換した発電電力を電源装置1に供給する。
具体的には、インバータ4は、出力端子N1、基準端子N2、及び入力端子N3~N5を備える。
出力端子N1は、接続線L1を介して電源装置1の正極端子に接続されている。基準端子N2は、接続線L2を介して電源装置1の負極端子に接続されている。また、入力端子N3には、コイルLuが接続されている。入力端子N4には、コイルLvが接続されている。入力端子N5には、コイルLwが接続されている。
したがって、インバータ4は、電源装置1から出力端子N1に入力した直流電力を交流電力に変換して入力端子N3~N5に出力する。
以下に、インバータ4の構成について、具体的に説明する。
インバータ4は、複数のスイッチング素子SWを有し、このスイッチング素子のオン状態とオフ状態とがインバータ制御部5によりスイッチング制御されることで電源装置1からの直流電力を交流電力に変換して発電機2に出力する。これにより、発電機2が駆動する。なお、本実施形態では、インバータ4は、3組のスイッチング素子対Su,Sv,Swを備える。このスイッチング素子対Su,Sv,Swは、電源装置1からの正負の電源ライン間に並列に接続されている。この3組のスイッチング素子対Su,Sv,Swは、インバータ制御部5によりそれぞれ発電機2の電気角で120度ずつずれてオンオフされる。
スイッチング素子対Suは、互いに直列に接続されたスイッチング素子SW1及びスイッチング素子SW2を備える。スイッチング素子対Svは、互いに直列に接続されたスイッチング素子SW3及びスイッチング素子SW4を備える。スイッチング素子対Swは、互いに直列に接続されたスイッチング素子SW5及びスイッチング素子SW6を備える。
6つのスイッチング素子SW1~SW6がFET(Field Effective Transistor)である場合について説明するが、これに限定されず、例えば、IGBT(Insulated gate bipolar transistor)、及びBJT(bipolar junction transistor)であってもよい。また、インバータ4は、スイッチング素子SWの個数には特に限定されない。なお、複数のスイッチング素子SW1~SW6のそれぞれを区別しない場合には、単に「スイッチング素子SW」と標記する。
具体的には、直列に接続されたスイッチング素子SW1,SW2と、直列に接続されたスイッチング素子SW3,SW4と、直列に接続されたスイッチング素子SW5,SW6とは、出力端子N1と、基準端子N2との間に並列に接続されている。
スイッチング素子SW1のドレイン端子は、出力端子N1に接続されている。スイッチング素子SW2のソース端子は、基準端子N2に接続されている。スイッチング素子SW1のソース端子と、スイッチング素子SW2のドレイン端子との接続点(入力端子N3)は、U相のコイルLuの一端に接続されている。
スイッチング素子SW3のドレイン端子は、スイッチング素子SW1のドレイン端子に接続されている。スイッチング素子SW4のソース端子は、基準端子N2に接続されている。スイッチング素子SW3のソース端子と、スイッチング素子SW4のドレイン端子との接続点(入力端子N4)は、V相のコイルLvの一端に接続されている。
スイッチング素子SW5のドレイン端子は、スイッチング素子SW1のドレイン端子に接続されている。スイッチング素子SW6のソース端子は、基準端子N2に接続されている。スイッチング素子SW5のソース端子と、スイッチング素子SW6のドレイン端子との接続点(入力端子N5)は、W相のコイルLwの一端に接続されている。
また、各スイッチング素子SW1~SW6のゲート端子は、インバータ制御部5に接続されている。
なお、各スイッチング素子対Su,Sv,Swにおいて、高電位側に設けられているスイッチング素子SWを「ハイサイドスイッチング素子SW」と称し、低電位側に設けられているスイッチング素子SWを「ローサイドスイッチング素子SW」と称する場合がある。すなわち、スイッチング素子SW1,SW3,SW5がハイサイドスイッチング素子SWであり、スイッチング素子SW2,SW4,SW6がローサイドスイッチング素子SWである。
インバータ制御部5は、インバータ4の駆動を制御する。具体的には、インバータ制御部5は、スイッチング素子SW1~SW6をスイッチング制御する。以下に、インバータ制御部5の構成について、具体的に説明する。
インバータ制御部5は、電流検出部6、電圧検出部7、及び制御部8を備える。
電流検出部6は、インバータ4の出力端子N1から電源装置1に出力する出力電流Ioutを検出する。例えば、電流検出部6は、接続線L1に設けられ、接続センサL1に流れる電流を検出することで、出力電流Ioutを検出する。そして、電流検出部6は、検出した出力電流Ioutを制御部8に出力する。
この電流検出部6は、出力電流Ioutを検出する構成であれば特に限定されないが、例えば、トランスを備えたカレントトランス(CT)やホール素子を備えた電流センサである。また、電流検出部6は、接続線L1に直列に接続されたシャント抵抗の両端の電圧から出力電流Ioutを検出してもよい。
電圧検出部7は、インバータ4から電源装置1に出力される出力電圧Voutを検出する。例えば、電圧検出部7は、出力端子N1と基準端子N2との間の電位差を検出することで、出力電圧Voutを検出する。なお、電圧検出部7は、インバータ4から出力される出力電圧Voutをそのまま読み取るのではなく、例えば、抵抗分圧回路で出力電圧Voutを抵抗分圧した電圧(以下、「分圧電圧」という。)を読み取ってもよい。この場合には、電圧検出部7は、読み取った分圧電圧から、抵抗分圧回路の分圧比に基づいて出力電圧Voutを算出する。
電圧検出部7は、検出した出力電圧Voutを制御部8に出力する。なお、上述したように、出力端子N1が電源装置1の正極端子に、基準端子N2が電源装置1の負極端子に接続されているため、出力電圧Voutは電源装置1の出力電圧に相当する。
制御部8は、スイッチング素子SW1~SW6のそれぞれのオン状態及びオフ状態を制御することで、インバータ4において発電機2からの交流の発電電力を直流に変換させる。例えば、制御部8は、U相のコイルLu、V相のコイルLv及びW相のコイルLwのそれぞれに流れる電流の位相が120度ずつずれるようにスイッチング素子SW1~SW6のそれぞれのオン状態及びオフ状態を制御するスイッチング制御を行う。
その際、制御部8は、スイッチング素子SW1~SW6のそれぞれにおいて、スイッチング素子SWをオン状態に維持する期間であるオン固定通電期間θonを変化させながら、発電機2で発生する損失(以下、「発電機損失」という。)Pとインバータ4で発生する損失(以下、「インバータ損失」という。)PIVとを合計した損失(以下、「合計損失」という。)Pが最小となるように、オン固定通電期間θonを制御する最小損失点追従制御を実行する。したがって、本実施形態では、オン固定通電期間θonは、固定値ではなく、合計損失Pに応じて変動する変動値である。なお、オン固定通電期間θonは、スイッチング素子SWをオン状態に維持する位相幅であってもよい。
以下に、第1の実施形態に係る制御部8のスイッチング制御の一例について、図2を用いて説明する。
制御部8は、スイッチング素子SW1~SW6のゲート端子に制御信号を出力することで、スイッチング素子SW1~SW6をオン状態又はオフ状態に制御するスイッチング制御を行う。例えば、ハイサイドスイッチング素子SWに対して出力する制御信号を「制御信号P」と称し、ローサイドスイッチング素子SWに対して出力する制御信号を「制御信号N」と称す。
制御部8は、一つのスイッチング対SWにおいて、ハイサイドスイッチング素子SWとローサイドスイッチング素子SWとを半周期ΔTごとに交互にスイッチング制御する。制御部8は、そのスイッチング制御中において、電流検出部6が検出した出力電流Ioutと、電圧検出部7が検出した出力電圧Voutとを乗算することで現在の発電電力Pout(=Iout×Vout)を算出し、算出した現在の発電電力Poutが最大になるようにオン固定通電期間θonを調整する最小損失点追従制御を実行する。しがって、制御信号P及び制御信号Nのそれぞれには、変動値であるオン固定通電期間θonを含む。ここで、発電電力Poutが最大になるようにオン固定通電期間θonを調整することは、合計損失Psが最小になるようにオン固定通電期間θonを調整することの一例である。
ここで、制御部8は、所定の周期(PWM周期)TのPWM信号を各スイッチング素子SWに出力することでスイッチング素子SWをPWM制御してもよい。すなわち、本実施形態に係るスイッチング制御は、少なくとも最小損失点追従制御を含んでいればよく、PWM制御をさらに含んでもよい。ただし、スイッチング制御として、最小損失点追従制御とPWM制御とを含む場合には、制御部8は、最小損失点追従制御において、PWM制御のPWM周期Tよりも長いオン固定通電期間θonを設ける。すなわち、制御部8がスイッチング制御を行うにあたって、当該スイッチング制御にPWM制御を含める場合には、制御部8は、スイッチング制御において、PWM周期TでPWM制御を行う期間であるPWM通電期間θpwmと、PWM周期Tよりも長いオン状態を維持するオン固定通電期間θonとを含むようにスイッチングSWを制御する。したがって、制御信号P及び制御信号Nのそれぞれには、PWM周期Tでありデューティ比DでスイッチングSWをオンオフするPWM信号と、オン固定通電期間θonの間において常にスイッチングSWをオン状態に維持する信号(以下、「オン固定通電信号」という。)を含む。
なお、このPWM通電期間θpwmは、連続している必要はなく、不連続であってもよい。スイッチング制御を行う期間(半周期ΔT)において、二以上のPWM通電期間θpwmを設けてもよい。ただし、本実施形態では、オン固定通電期間θonは、スイッチング制御を行う期間(半周期ΔT)において一つのみ設けられる。例えば、図2に示す例では、スイッチング制御を行う期間(半周期ΔT)は、一つのオン固定通電期間θonと二つのPWM通電期間θpwmとから構成される。
なお、制御部8は、PWM制御において、発電機2の出力が目標値に追従するようにPWM信号のディーティ比を設定することで発電機2の出力をフィードバック制御する。ここで、発電機2の出力とは、発電機2から出力される電流(発電電流)でもよいし、発電機2から出力される電圧(発電電圧)でもよい。
例えば、制御部8は、発電機2からの発電電流Igenが目標値Irefに追従するようにPWM信号のデューティ比Dを設定することで発電機2の発電電流をフィードバック制御してもよい。例えば、制御部8は、発電機2の発電電流Igenと目標値Irefとの差分値ΔIに基づいてPI制御を行うことにより上記フィードバック制御を行ってもよい。
なお、本実施形態において、スイッチング素子SWに対してオン固定通電期間θonを設けるタイミングは特に限定されない。例えば、制御部8は、スイッチング素子SWに対して、スイッチング制御を行う半周期ΔTの期間の半分の時点(ΔT/2)を中心としてオン固定通電期間θonを設けてもよい。例えば、あるスイッチング素子SWに対して電気角0度から180度においてスイッチング制御を行う場合であって、オン固定通電期間(位相幅)θonが30度である場合には、電気角が90度である位置を中心として±15度の範囲をオン固定通電期間として設定してもよい。
このように、本実施形態に係る特徴の一つは、オン固定通電期間θonを変化させながら、発電機損失Pとインバータ損失PIVとを合計した損失である合計損失Pが最小となるオン固定通電期間θonを常に探索する最小損失点追従制御を行うことである。換言すれば、本実施形態に係る最小損失点追従制御とは、発電機2が駆動している状態において、合計損失Pが最小となるように、オン固定通電期間θoをパラメータとして変化させながら合計損失Pが最小となるようにスイッチング素子SWをスイッチング制御することである。
以下に、第1の実施形態に係る合計損失Pについて、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る発電機損失P、インバータ損失PIV及び合計損失Pのオン固定通電期間θonに対する傾向の一例を示す図である。
本発明者らは、オン固定通電期間θonが高くなるにつれて、発電機損失Pが増加する傾向にあるともにインバータ損失PIVが減少する傾向にあることを発見した。図3に示すように、縦軸を損失、横軸をオン固定通電期間θonとしたグラフにおいて、発電機損失P及びインバータ損失PIVをプロットした場合には、オン固定通電期間θonの所定範囲内において、合計損失Pが最小となるポイント(以下、「最小損失点」という。)が存在する。したがって、制御部8は、オン固定通電期間θonを変化させながら常に最小損失点のオン固定通電期間θonminを探索してスイッチング制御することで、再生可能エネルギーや運転条件が変動した場合でも、合計損失Pを低減することができる。
ここで、発電機2の回転数が一定である場合には、オン固定通電期間θonに対する合計損失Pの傾向とインバータ4から出力される発電電力Poutの傾向とは、互いに反対の傾向を示す。すなわち、発電機2の回転数が一定である場合には、合計損失Pが最小となるオン固定通電期間θonと、発電電力Poutが最大となるオン固定通電期間θonとは、同一となる。したがって、本実施形態に係る制御部8は、最小損失点追従制御において、発電機2の駆動時にインバータ4のオン固定通電期間θonを変化させながら、発電電力Poutが最大となるようにスイッチング素子SW1~SW6のオン状態及びオフ状態を制御する。
なお、発電機2の回転数が変動すると最小損失点も変動するため、図4に示すように、最小損失点追従制御においてオン固定通電期間θonを変化させる制御系の応答角周波数ωθは、想定される発電機2の回転数変動の周波数ωよりも大きい値に設定される。この第2の制御系の応答角周波数ωθとは、オン固定通電期間θonを制御する周波数(オン固定通電期間θonの制御周波数)である。なお、想定される発電機2の回転数変動の周波数ωは、想定される発電機2の回転数変動の最大周波数であることが望ましい。
さらに、応答角周波数ωθが発電機2の回転数変動時における上記PWM制御の制御系の共振角周波数ωr(>ω)より大きいと、オン固定通電期間θonが共振などの過渡状態(不安定状態)に追従してしまう可能性がある。
したがって、応答角周波数ωθは、上記共振角周波数ωrよりも小さい値に設定されてもよい。例えば、応答角周波数ωθは、以下の条件(1)になるように設定される。
ω<<ωθ<<ωr …(1)
以下に、第1の実施形態に係る制御部8の概略構成の一例を、図5を用いて説明する。なお、以下に説明する制御部8の構成は、スイッチング制御として、最小損失点追従制御とPWM制御とを実行する場合の構成を例として説明する。
制御部8は、電流制御部10、最小損失点追従制御部11、キャリア波生成部12、指令値生成部13及び制御信号生成部14を備える。
電流制御部10は、発電機2からの発電電流Igenを、例えば、インバータ4に設けられた電流センサ(不図示)から取得する。また、電流制御部10は、目標値Irefを制御部8の記憶部(不図示)から読み取る。そして、電流制御部10は、発電電流Igenと目標値Irefとの差ΔIを算出する。電流制御部10は、算出した差ΔIに対してPI演算を実行することで、差ΔIをゼロに近づけるための第1の制御指令値S1を算出する。そして、電流制御部10は、算出した第1の制御指令値S1を指令値生成部13に出力する。なお、この第1の制御指令値S1は、電圧値がVs1の信号である。
最小損失点追従制御部11は、電流検出部6が検出した出力電流Ioutと、電圧検出部7が検出した出力電圧Voutとを乗算することで現在の発電電力Pout(=Iout×Vout)を算出する。そして、最小損失点追従制御部11は、算出した現在の発電電力Poutと前回の発電電力Poutとを比較して、その比較結果に応じてオン固定通電期間θonの幅を調整する。例えば、最小損失点追従制御部11は、現在の発電電力Poutが前回の発電電力Poutよりも大きい場合には、前回の調整と同じ方向にオン固定通電期間θoの幅を増加又は減少させる。すなわち、最小損失点追従制御部11は、前回の調整にてオン固定通電期間θoの幅を増加させた場合には現在のオン固定通電期間θonから所定の値だけ増加させた値を新たなオン固定通電期間θonとし、前回の調整にてオン固定通電期間θoの幅を減少させた場合には現在のオン固定通電期間θonから所定の値だけ減少させた値を新たなオン固定通電期間θonとする。一方、最小損失点追従制御部11は、算出した現在の発電電力Poutと前回の発電電力Poutとを比較して、現在の発電電力Poutが前回の発電電力Pout以下の場合には、前回の調整とは異なる方向にオン固定通電期間θoの幅を増加又は減少させる。すなわち、最小損失点追従制御部11は、前回の調整にてオン固定通電期間θoの幅を増加させた場合には現在のオン固定通電期間θonから所定の値だけ減少させた値を新たなオン固定通電期間θonとし、前回の調整にてオン固定通電期間θoの幅を減少させた場合には現在のオン固定通電期間θonから所定の値だけ増加させた値を新たなオン固定通電期間θonとする。最小損失点追従制御部11は、設定した新たなオン固定通電期間θonを指令値生成部13に出力する。
キャリア波生成部12は、所定の周波数の周期的な信号(例えば、三角波の信号)であるキャリア波CWを生成する。そして、キャリア波生成部12は、生成したキャリア波CWを制御信号生成部14に出力する。なお、例えば、キャリア波CWは、電圧値がVcの三角波やノコギリ波状の信号である。
指令値生成部13は、最小損失点追従制御部11が求めた新たなオン固定通電期間θonの間では常にキャリア波CWの電圧値Vcよりも高い電圧値Vonになり、且つ、当該新たなオン固定通電期間θon以外の期間においては第1の制御指令値の電圧値Vs1となる信号を、最終的な指令値(第2の制御指令値)S2として求める。
制御信号生成部14は、指令値生成部13から取得した第2の制御指令値S2に基づいて制御信号を生成する。例えば、制御信号生成部14は、指令値生成部13から取得した第2の制御指令値S2と、キャリア波生成部12から取得したキャリア波CWとを比較し、キャリア波CWより第2の制御指令値の振幅(電圧値)が大きい期間には、第1の電圧(例えば、ハイレベル)V1となり、キャリア波CWより第2の制御指令値S2の電圧値が小さい期間には第1の電圧V1とは異なる第2の電圧V2(例えば、0V等のローレベル)となる制御信号を生成する。ここで、オン固定通電期間θonの期間においては、必ずキャリア波CWより第2の制御指令値の電圧値が大きくなる(Von>Vc)。そのため、制御信号生成部14が生成する制御信号は、オン固定通電期間θonにおいて常に第1の電圧V1となる。このように、制御部8は、オン固定通電期間θon以外の期間においてはPWM信号をスイッチング素子SWに出力するが、オン固定通電期間θonの期間においては強制的に第1の電圧V1をスイッチング素子SWに出力する。
次に、第1の実施形態に係る最小損失点追従制御の動作の流れについて、図6を用いて説明する。図6は、第1の実施形態に係る最小損失点追従制御のフロー図である。
まず、制御部8は、オン固定通電期間θonを予め設定された初期値θに設定した制御信号をスイッチング素子SW1~SW6に出力することで、インバータ4を駆動する。これにより、オン固定通電期間θon=初期値θの期間において、スイッチング素子SWがオン状態に制御されたインバータ4は、発電機2からの交流電力の発電電力を直流電力の発電電力Poutに変換して、当該発電電力Poutを電源装置1に供給する(ステップS101)。なお、初期値θは、例えば、シミュレーションから得られた基準値や設計値、試験的に得られた基準値である。
次に、制御部8は、発電機2が駆動している状態において、現在のオン固定通電期間θonに、微小期間Δθon×増減フラグFを加える(ステップS102)。ここで、微小期間Δθonは、予め設定されており、最小損失点追従制御において、制御周期ごとにオン固定通電期間θonを変化させる変化量である。増減フラグFは、最小損失点追従制御においてオン固定通電期間θonを変化させる場合に、当該オン固定通電期間θonを増加させるのか、又は減少させるのかを決定するものである。例えば、増減フラグFが「+1」ならばオン固定通電期間θonを増加させ、増減フラグFが「-1」ならばオン固定通電期間θonを減少させる。なお、増減フラグFの初期値は、ステップS101において設定され、本実施形態では初期値として「+1」に設定する。ただし、増減フラグFの初期値は、「-1」でもよい。
電流検出部6は、インバータ4から電源装置1に出力される出力電流Ioutを検出し、その検出した出力電流Ioutを制御部8に出力する。また、電圧検出部7は、インバータ4から電源装置1に出力される出力電圧Voutを検出し、その検出した出力電圧Voutを制御部8に出力する(ステップS103)。
制御部8は、電流検出部6から取得した出力電流Ioutと、電圧検出部7から取得した出力電圧Voutとを乗算することで、現在の発電電力Pout(=Iout×Vout)を算出する(ステップS104)。
制御部8は、現在の発電電力Poutを算出すると、その算出した現在の発電電力Poutと、前回の制御周期で算出した発電電力Poutとを比較する(ステップS105)。なお、説明が煩雑になることを防ぐため、前回の制御周期で算出した発電電力Poutを発電電力Prefと表記する。なお、発電電力Prefの初期値は、ステップS101において設定され、本実施形態では「0」に設定される。
制御部8は、現在の発電電力Poutと前回の発電電力Prefとを比較し、現在の発電電力Poutが、前回の発電電力Prefより大きい場合(Pout>Pref)には、増減フラグFの符号は変更しない。そして、制御部8は、現在の発電電力Poutを前回の発電電力Prefとして設定して(ステップS106)、ステップS102の処理に戻る。したがって、ステップS102の処理にて、制御部8は、現在のオン固定通電期間θonに微小期間Δθon×増減フラグFを加えて、新たなオン固定通電期間θonを設定する。したがって、制御部8は、その新たなオン固定通電期間θonを有する制御信号をスイッチング素子SWに出力する。
一方、制御部8は、現在の発電電力Poutと前回の発電電力Prefとを比較し、現在の発電電力Poutが、前回の発電電力Pref以下である場合(Pout≦Pref)には、増減フラグFの符号を反転させる(ステップS107)。そして、制御部8は、現在の発電電力Poutを前回の発電電力Prefとして設定して(ステップS106)、ステップS102の処理に戻る。したがって、ステップS102の処理にて、制御部8は、現在のオン固定通電期間θonに微小期間Δθonを×増減フラグFを加えて、新たなオン固定通電期間θonを設定する。したがって、制御部8は、その新たなオン固定通電期間θonを有する制御信号をスイッチング素子SWに出力する。
このように、制御部8は、ステップS102~ステップS107を繰り返すことで、オン固定通電期間θonをパラメータとして、前回のオン固定通電期間θonから微小期間Δθonだけ増加又は減少させながら発電電力Poutが前回の値よりも大きくなるようにインバータ4をスイッチング制御する。これにより、制御部8は、オン固定通電期間θonを増加又は減少させながら最小損失点を探索することが可能となる。その結果、発電システムAは、発電機2の回転数、発電機2やスイッチング素子SW1~6の温度、電源装置1の出力電圧、発電機2やスイッチング素子SW1~6の個体ばらつき等によらず、最小損失で発電機2を運転継続することができる。その結果、発電システムAで発生する損失が低減される。
上記第1の実施形態において、制御部8は、最小損失点追従制御の開始時において、ステップS101の処理で初期条件を設定した後に、オン固定通電期間θon(初期値θ)に微小期間Δθon×増減フラグFを足してから(ステップS102)、出力電流Iout及び出力電圧Voutの取得(ステップS103)、発電電力Poutの演算(ステップS104)を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部8は、最小損失点追従制御の開始時においては、ステップS101の処理を行った後に、ステップS102の処理を行わずに、ステップS103,S104の処理を実行してもよい。この場合には、制御部8は、ステップS106の処理を行った後に、ステップS102の処理を行うことになる。
具体的には、図7に示すように、まず、制御部8は、初期条件を設定する。すなわち、制御部8は、スイッチ101の処理と同様に、オン固定通電期間θonを予め設定された初期値θに設定した制御信号をスイッチング素子SW1~SW6に出力することで、インバータ4を駆動する。さらに、制御部8は、前回の発電電力Prefを初期値「0」に、増減フラグFを初期値「+1」に設定する(ステップS201)。
初期条件が設定された後、電流検出部6は、出力電流Ioutを検出し、その検出した出力電流Ioutを制御部8に出力する。また、電圧検出部7は、出力電圧Voutを検出し、その検出した出力電圧Voutを制御部8に出力する(ステップS202)。
制御部8は、電流検出部6から取得した出力電流Ioutと、電圧検出部7から取得した出力電圧Voutとを乗算することで、発電電力Pout(=Iout×Vout)を算出する(ステップS203)。
制御部8は、現在の発電電力Poutを算出すると、その算出した現在の発電電力Poutと、前回算出した発電電力Prefとを比較し(ステップS204)、現在の発電電力Poutが、前回の発電電力Prefより大きい場合(Pout>Pref)には、増減フラグFの符号は変更しない。そして、制御部8は、現在の発電電力Poutを前回の発電電力Prefとして設定する(ステップS206)。一方、制御部8は、現在の発電電力Poutと前回の発電電力Prefとを比較し、現在の発電電力Poutが、前回の発電電力Pref以下である場合(Pout≦Pref)には、増減フラグFの符号を反転させる(ステップS205)。そして、制御部8は、現在の発電電力Poutを前回の発電電力Prefとして設定する(ステップS206)。その後、制御部8は、現在のオン固定通電期間θonに、微小期間Δθon×増減フラグFを加えて(ステップS207)、ステップS202の処理に戻る。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態に係る発電システムBについて、説明する。第2の実施形態に係る発電システムBは、第1の実施形態に係る発電システムAと比較して、発電機2から出力される交流電力の値を用いて合計損失Pを最小化する最小損失点追従制御を行う点で相違する。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図8は、第2の実施形態に係る発電システムBの概略構成の一例を示す図である。
図8に示すように、発電システムBは、電源装置1、発電機2、及び発電電力変換器3Bを備える。発電電力変換器3Bは、インバータ4及びインバータ制御部5Bを備える。インバータ制御部5Bは、交流電力検出部20、インバータ損失演算部21及び制御部8Bを備える。
交流電力検出部20は、例えば、入力端子N3とコイルLuとの間及び入力端子N5とコイルLwとの間に設けられたカレントトランス(CT)等により、発電機2からインバータ4に供給される発電電流Igenを検出する。ただし、交流電力検出部20は、発電電流Igenを検出できればよく、その検出方法には特に限定されない。
交流電力検出部20は、発電機2からインバータ4に出力される交流電圧Vgenを検出する。交流電力検出部20は、公知の技術を用いて交流電圧Vgenを検出してもよい。交流電力検出部20は、例えば、抵抗分圧回路で交流電圧Vgenを抵抗分圧した電圧を読み取ってもよい。
交流電力検出部20は、発電電流Igen及び交流電圧Vgenを乗算することで発電機2が発電した交流電力である発電電力Pgenを算出する。そして、交流電力検出部20は、算出した発電電力Pgenを制御部8Bに出力する。さらに、交流電力検出部20は、検出した発電電流Igenの情報をインバータ損失演算部21に出力する。
インバータ損失演算部21は、交流電力検出部20から取得した発電電流Igenの情報に基づいて、インバータ損失PIVを求める。そして、インバータ損失演算部21は、求めたインバータ損失PIVを制御部8Bに出力する。ここで、インバータ損失演算部21は、発電電流Igenの情報からインバータ損失PIVを求めることができれば、その求める方法には特に限定されない。発電電流Igenとインバータ損失PIVとの間には相関関係があるため、インバータ損失演算部21は、例えば予め設定された計算式やテーブルに基づいて発電電流Igenの情報からインバータ損失PIVを求めてもよい。これら計算式やテーブルは、例えば、発電電流Igenに基づいてインバータ損失PIVが決定できるように、実験的又は理論的に定めればよい。予め設定されたテーブルを用いる場合には、各発電電流Igenと、その発電電流Igen毎に関連付けられたインバータ損失PIVとを備えるルックアップテーブルを制御部8B内の記憶部(不図示)に予め記憶されていてもよい。そして、インバータ損失演算部21は、交流電力検出部20から取得した発電電流Igenに対応するインバータ損失PIVを上記ルックアップテーブルから取得し、取得したインバータ損失PIVを制御部8Bに出力してもよい。例えば、インバータ損失演算部21は、交流電力検出部20から取得した発電電流Igenの情報から公知の技術を用いてインバータ損失PIVを求めてもよい。
制御部8Bは、制御部8と同様に、スイッチング素子SW1~SW6のそれぞれのオン状態及びオフ状態を制御することで、インバータ4において発電機2からの発電電力を直流に変換させる。例えば、制御部8は、U相のコイルLu、V相のコイルLv及びW相のコイルLwのそれぞれに流れる電流の位相が120度ずつずれるようにスイッチング素子SW1~SW6のそれぞれのオン状態及びオフ状態を制御するスイッチング制御を行う。
その際、制御部8Bは、スイッチング素子SW1~SW6のそれぞれにおいて、スイッチング素子SWをオン状態に維持する期間であるオン固定通電期間θonを変化させながら合計損失Pが最小となるようにオン固定通電期間θonを制御する最小損失点追従制御を実行する。
例えば、制御部8Bは、交流電力検出部20が算出した発電電力Pgenと、インバータ損失演算部21が求めたインバータ損失PIVとの差(差分値)Pcとを求める。ここで、発電機2の回転数が一定である場合には、オン固定通電期間θonに対する合計損失Pの傾向と差分値Pcの傾向とは、互いに反対の傾向を示す。すなわち、発電機2の回転数が一定である場合には、合計損失Pが最小となるオン固定通電期間θonと、差分値Pcが最大となるオン固定通電期間θonとは、同一となる。したがって、本実施形態に係る制御部8は、最小損失点追従制御において、発電機2の駆動時にインバータ4のオン固定通電期間θonを変化させながら、差分値Pcが最大となるようにスイッチング素子SW1~SW6のオン状態及びオフ状態を制御する。
次に、第2の実施形態に係る最小損失点追従制御の動作の流れについて、図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態に係る最小損失点追従制御のフロー図である。
まず、制御部8Bは、オン固定通電期間θonを予め設定された初期値θに設定した制御信号をスイッチング素子SW1~SW6に出力することで、インバータ4を駆動する。これにより、オン固定通電期間θon=初期値θの期間において、スイッチング素子SWがオン状態に制御されたインバータ4は、発電機2からの交流電力の発電電力を直流に変換し、その変換した直流の発電電力を電源装置1に供給する(ステップS301)。
次に、制御部8Bは、発電機2が駆動している状態において、現在のオン固定通電期間θonに、微小期間Δθon×増減フラグFを加える(ステップS302)。交流電力検出部20は、発電機2からインバータ4に供給される各相の交流電圧Vgen及び発電電流Igenを検出する。そして、交流電力検出部20は、発電電流Igenと交流電圧Vgenとを乗算することでインバータ4に入力される発電電力Pgenを算出する。インバータ損失演算部21は、交流電力検出部20から取得した発電電流Igenの情報に基づいて、インバータ損失PIVを求める(ステップS303)。そして、制御部8Bは、交流電力検出部20が算出した発電電力Pgenと、インバータ損失演算部21が求めたインバータ損失PIVとの差分値Pcを求める(ステップS304)。
制御部8Bは、現在の差分値Pcを算出すると、その算出した現在の差分値Pcと、前回の制御周期で算出した差分値Pcとを比較する(ステップS305)。なお、説明が煩雑になることを防ぐため、前回の制御周期で算出した差分値Pcを差分値Pcrefと表記する。なお、差分値Pcrefの初期値は、ステップS301において設定され、本実施形態では「0」に設定される。
制御部8Bは、現在の差分値Pcと前回の差分値Pcrefとを比較し、現在の差分値Pcが、前回の差分値Pcrefより大きい場合(Pc>Pcref)には、増減フラグFの符号は変更しない。そして、制御部8Bは、現在の差分値Pcを前回の差分値Pcrefとして設定して(ステップS306)、ステップS302の処理に戻る。したがって、ステップS302の処理にて、制御部8Bは、現在のオン固定通電期間θonに微小期間Δθonを増加させて新たなオン固定通電期間θonを設定する。したがって、制御部8Bは、その新たなオン固定通電期間θonを有する制御信号をスイッチング素子SWに出力する。
一方、制御部8Bは、現在の差分値Pcと前回の差分値Pcrefとを比較し、現在の差分値Pcが、前回の差分値Pcref以上である場合(Pc≦Pcref)には、増減フラグFの符号を反転させる(ステップS307)。そして、制御部8Bは、現在の差分値Pcを前回の差分値Pcrefとして設定して(ステップS306)、ステップS302の処理に戻る。したがって、ステップS302の処理にて、制御部8Bは、現在のオン固定通電期間θonに微小期間Δθonを減少させて新たなオン固定通電期間θonを設定する。したがって、制御部8Bは、その新たなオン固定通電期間θonを有する制御信号をスイッチング素子SWに出力する。
このように、制御部8Bは、ステップS302~ステップS307を繰り返すことで、オン固定通電期間θonをパラメータとして、前回のオン固定通電期間θonから微小期間Δθonだけ増加又は減少させながら差分値Pcが前回の値よりも大きくなるようにインバータ4をスイッチング制御する。これにより、制御部8Bは、オン固定通電期間θonを増加又は減少させながら最小損失点を探索することが可能となる。その結果、発電システムAは、発電機2の回転数、発電機2やスイッチング素子SW1~6の温度、電源装置1の出力電圧、発電機2やスイッチング素子SW1~6の個体ばらつき等によらず、最小損失で発電機2を運転継続することができる。
上記第2の実施形態において、制御部8Bは、最小損失点追従制御の開始時において、ステップS301の処理で初期条件を設定した後に、オン固定通電期間θon(初期値θ)に微小期間Δθon×増減フラグFを足してから(ステップS302)、発電電力Pgen及びインバータ損失PIVの取得(ステップS303)、差分値Pcの演算(ステップS304)を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部8Bは、最小損失点追従制御の開始時においては、ステップS301の処理を行った後に、ステップS302の処理を行わずに、ステップS303,S304の処理を実行してもよい。この場合には、制御部8Bは、ステップS306の処理を行った後に、ステップS302の処理を行うことになる。
具体的には、図10に示すように、まず、制御部8Bは、初期条件を設定する。すなわち、制御部8Bは、ステップS301の処理と同様に、オン固定通電期間θonを予め設定された初期値θに設定した制御信号をスイッチング素子SW1~SW6に出力することで、インバータ4を駆動する。さらに、制御部8Bは、前回の差分値Pcrefを初期値「0」に、増減フラグFを初期値「+1」に設定する(ステップS401)。
初期条件が設定された後、交流電力検出部20は、発電電流Igenと交流電圧Vgenとを演算することで発電機2に入力される発電電力Pgenを算出する。また、インバータ損失演算部21は、交流電力検出部20から取得した発電電流Igenの情報に基づいて、インバータ損失PIVを求める(ステップS402)。
制御部8Bは、交流電力検出部20が算出した発電電力Pgenと、インバータ損失演算部21が求めたインバータ損失PIVとの差分値Pcを求める(ステップS403)。
制御部8Bは、現在の差分値Pcを算出すると、その算出した現在の差分値Pcと、前回算出した差分値Pcrefとを比較し(ステップS404)、現在の差分値Pcが、前回の差分値Pcrefより大きい場合(Pc>Pcref)には、増減フラグFの符号は変更しない。そして、制御部8Bは、現在の差分値Pcを前回の差分値Pcrefとして設定する(ステップS406)。一方、制御部8Bは、現在の差分値Pcと前回の差分値Pcrefとを比較し、現在の差分値Pcが、前回の差分値Pcref以下である場合(Pc≦Pcref)には、増減フラグFの符号を反転させる(ステップS405)。そして、制御部8Bは、現在の差分値Pcを前回の差分値Pcrefとして設定する(ステップS406)。その後、制御部8Bは、現在のオン固定通電期間θonに、微小期間Δθon×増減フラグFを加えて(ステップS407)、ステップS402の処理に戻る。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態に係る発電システムCについて、説明する。第3の実施形態に係る発電システムCは、商用電力系統100に対して、発電機2で発電された発電電力を供給するシステムである。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図11は、第3の実施形態に係る発電システムCの概略構成の一例を示す図である。
図11に示すように、発電システムCは、発電機2及び発電電力変換器3Cを備える。発電電力変換器3Cは、インバータ4、系統連系インバータ4C及びインバータ制御部5Cを備える。
系統連系インバータ4Cは、入力がインバータ4の出力端子N1と基準端子N2とに接続され、出力が商用電力系統100に接続されている。系統連系インバータ4Cは、インバータ4で直流に変換された発電電力Poutを交流電力に変換することにより、商用電力系統100の仕様に応じた電力(以下、「系統側交流電力Pcom」という。)に変換する。そして、系統連系インバータ4Cは、その変換した系統側交流電力Pcomを商用電力系統100に供給する。系統連系インバータ4Cは、インバータ制御部5Cによって制御されてもよい。
インバータ制御部5Cは、交流電力検出部30及び制御部8Cを備える。
交流電力検出部30は、例えば、系統連系インバータ4Cと商用電力系統100との間に設けられたカレントトランス(CT)等により、系統連系インバータ4Cから商用電力系統100に供給される交流電流Icomを検出する。ただし、交流電力検出部30は、交流電流Icomを検出できればよく、その検出方法には特に限定されない。例えば、交流電力検出部30は、電圧センサや抵抗分圧等の公知の技術を用いて交流電流Icomを検出してもよい。
交流電力検出部30は、系統連系インバータ4Cから商用電力系統100に出力される交流電圧Vcomを検出する。交流電力検出部30は、交流電流Icom及び交流電流Icomを乗算することで系統側交流電力Pcomを算出する。そして、交流電力検出部30は、算出した系統側交流電力Pcomを制御部8Cに出力する。なお、交流電力検出部30は、系統連系インバータ4Cから商用電力系統100に出力される交流電圧Vcomを検出する検出方法は特に限定されず、交流電圧Vcomの値を検出できればよい。例えば、交流電力検出部30は、公知の技術を用いて交流電圧Vcomを検出してもよい。
制御部8Cは、制御部8と同様に、スイッチング素子SW1~SW6のそれぞれのオン状態及びオフ状態を制御することで、インバータ4において発電機2からの発電電力を直流に変換させる。例えば、制御部8は、U相のコイルLu、V相のコイルLv及びW相のコイルLwのそれぞれに流れる電流の位相が120度ずつずれるようにスイッチング素子SW1~SW6のそれぞれのオン状態及びオフ状態を制御するスイッチング制御を行う。
その際、制御部8Cは、スイッチング素子SW1~SW6のそれぞれにおいて、スイッチング素子SWをオン状態に維持する期間であるオン固定通電期間θonを変化させながら合計損失Pが最小となるようにオン固定通電期間θonを制御する最小損失点追従制御を実行する。
例えば、制御部8Cは、交流電力検出部30が算出した系統側交流電力Pcomが最大になるようにオン固定通電期間θonを制御する最小損失点追従制御を実行する。ここで、発電機2の回転数が一定である場合には、オン固定通電期間θonに対する合計損失Pの傾向と系統側交流電力Pcomの傾向とは、互いに反対の傾向を示す。すなわち、発電機2の回転数が一定である場合には、合計損失Pが最小となるオン固定通電期間θonと、系統側交流電力Pcomが最大となるオン固定通電期間θonとは、同一となる。したがって、本実施形態に係る制御部8は、最小損失点追従制御において、発電機2の駆動時にインバータ4のオン固定通電期間θonを変化させながら、系統側交流電力Pcomが最大となるようにスイッチング素子SW1~SW6のオン状態及びオフ状態を制御する。
次に、第3の実施形態に係る最小損失点追従制御の動作の流れについて、図12を用いて説明する。図12は、第3の実施形態に係る最小損失点追従制御のフロー図である。
まず、制御部8Cは、系統連系インバータ4Cを駆動するとともに、オン固定通電期間θonを予め設定された初期値θに設定した制御信号をスイッチング素子SW1~SW6に出力することで、インバータ4を駆動する。これにより、オン固定通電期間θon=初期値θの期間において、スイッチング素子SWがオン状態に制御されたインバータ4は、発電機2からの交流電力の発電電力を直流に変換することでその変換した直流の発電電力Poutを系統連系インバータ4Cに供給する。系統連系インバータ4Cは、インバータ4から供給された直流の発電電力Poutを系統側交流電力Pcomに変換して商用電力系統100に供給する(ステップS501)。
次に、制御部8Cは、発電機2が駆動している状態において、現在のオン固定通電期間θonに、微小期間Δθon×増減フラグFを加える(ステップS502)。交流電力検出部30は、系統連系インバータ4Cから商用電力系統100に供給される交流電流Icomを検出する。交流電力検出部30は、系統連系インバータ4Cから商用電力系統100に出力される交流電圧Vcomを検出する(ステップS503)。そして、交流電力検出部30は、交流電流Icom及び交流電流Icomを乗算することで系統側交流電力Pcomを算出する(ステップS504)。
制御部8Cは、現在の系統側交流電力Pcomを算出すると、その算出した現在の系統側交流電力Pcomと、前回の制御周期で算出した系統側交流電力Pcomとを比較する(ステップS505)。なお、説明が煩雑になることを防ぐため、前回の制御周期で算出した系統側交流電力Pcomを系統側交流電力Pcomrefと表記する。なお、系統側交流電力Pcomrefの初期値は、ステップS501において設定され、本実施形態では「0」に設定される。
制御部8Cは、現在の系統側交流電力Pcomと前回の系統側交流電力Pcomrefとを比較し、現在の系統側交流電力Pcomが、前回の系統側交流電力Pcomrefより大きい場合(Pcom>Pcomref)には、増減フラグFの符号は変更しない。そして、制御部8Cは、現在の系統側交流電力Pcomを前回の系統側交流電力Pcomrefとして設定して(ステップS506)、ステップS502の処理に戻る。したがって、ステップS502の処理にて、制御部8Cは、現在のオン固定通電期間θonに微小期間Δθonを増加させて新たなオン固定通電期間θonを設定する。したがって、制御部8Cは、その新たなオン固定通電期間θonを有する制御信号をスイッチング素子SWに出力する。
一方、制御部8Cは、現在の系統側交流電力Pcomと前回の系統側交流電力Pcomrefとを比較し、現在の系統側交流電力Pcomが、前回の系統側交流電力Pcomref以上である場合(Pc≦Pcomref)には、増減フラグFの符号を反転させる(ステップS507)。そして、制御部8Cは、現在の系統側交流電力Pcomを前回の系統側交流電力Pcomrefとして設定して(ステップS506)、ステップS502の処理に戻る。したがって、ステップS502の処理にて、制御部8Cは、現在のオン固定通電期間θonに微小期間Δθonを減少させて新たなオン固定通電期間θonを設定する。したがって、制御部8Cは、その新たなオン固定通電期間θonを有する制御信号をスイッチング素子SWに出力する。
このように、制御部8Cは、ステップS502~ステップS507を繰り返すことで、オン固定通電期間θonをパラメータとして、前回のオン固定通電期間θonから微小期間Δθonだけ増加又は減少させながら系統側交流電力Pcomが前回の値よりも大きくなるようにインバータ4をスイッチング制御する。これにより、制御部8Cは、オン固定通電期間θonを増加又は減少させながら最小損失点を探索することが可能となる。その結果、発電システムAは、発電機2の回転数、発電機2やスイッチング素子SW1~6の温度、電源装置1の出力電圧、発電機2やスイッチング素子SW1~6の個体ばらつき等によらず、最小損失で発電機2を運転継続することができる。
上記第3の実施形態において、制御部8Cは、最小損失点追従制御の開始時において、ステップS501の処理で初期条件を設定した後に、オン固定通電期間θon(初期値θ)に微小期間Δθon×増減フラグFを足してから(ステップS502)、交流電流Icom及び交流電流Icomの取得(ステップS503)、系統側交流電力Pcomの演算(ステップS504)を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部8Cは、最小損失点追従制御の開始時においては、ステップS501の処理を行った後に、ステップS502の処理を行わずに、ステップS503,S504の処理を実行してもよい。この場合には、制御部8Cは、ステップS506の処理を行った後に、ステップS502の処理を行うことになる。
具体的には、図13に示すように、まず、制御部8Cは、初期条件を設定する。すなわち、制御部8Cは、ステップS501の処理と同様に、オン固定通電期間θonを予め設定された初期値θに設定した制御信号をスイッチング素子SW1~SW6に出力することで、インバータ4を駆動する。さらに、制御部8Cは、前回の系統側交流電力Pcomrefを初期値「0」に、増減フラグFを初期値「+1」に設定する(ステップS601)。
初期条件が設定された後、交流電力検出部30は、交流電流Icom及び交流電流Icomの取得する(ステップS602)。そして、交流電力検出部30は、交流電流Icom及び交流電流Icomから系統側交流電力Pcomを演算する(ステップS603)。
制御部8Cは、現在の系統側交流電力Pcomを算出すると、その算出した現在の系統側交流電力Pcomと、前回算出した系統側交流電力Pcomrefとを比較し(ステップS604)、現在の系統側交流電力Pcomが、前回の系統側交流電力Pcomrefより大きい場合(Pcom>Pcomref)には、増減フラグFの符号は変更しない。そして、制御部8Cは、現在の系統側交流電力Pcomを前回の系統側交流電力Pcomrefとして設定する(ステップS606)。一方、制御部8Cは、現在の系統側交流電力Pcomと前回の系統側交流電力Pcomrefとを比較し、現在の系統側交流電力Pcomが、前回の系統側交流電力Pcomref以下である場合(Pcom≦Pcomref)には、増減フラグFの符号を反転させる(ステップS605)。そして、制御部8Cは、現在の系統側交流電力Pcomを前回の系統側交流電力Pcomrefとして設定する(ステップS606)。その後、制御部8Cは、現在のオン固定通電期間θonに、微小期間Δθon×増減フラグFを加えて(ステップS607)、ステップS602の処理に戻る。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
(変形例1)
第1の実施形態、第2の実施形態又は第3の実施形態において、最小損失点追従制御において、変更するオン固定通電期間θonの範囲に制限を設けてもよい。例えば、制御部8、制御部8B又は制御部8Cは、最小損失点追従制御におけるオン固定通電期間θonを、最小値θonMIN(最小限度値)と最大値θonMAX(最大限度値)との間の範囲(θonMIN≦θon≦θonMAX)内において変更してもよい。
(変形例2)
第1の実施形態、第2の実施形態又は第3の実施形態において、発電システムは、スイッチング素子SW1~SW6の温度Tswを測定する第1の温度センサを備えてもよい。そして、制御部8、制御部8B又は制御部8Cは、最小損失点追従制御において、上記第1の温度センサで測定された温度Tswが予め設定された第1の閾値Tth1以上になった場合には、当該温度Tswが第1の閾値Tth1未満になるまで強制的にオン固定通電期間θonを増大させてもよい。例えば、制御部8、制御部8B又は制御部8Cは、最小損失点追従制御を行っていても、温度Tswが第1の閾値Tth1以上になった場合には、割り込み処理として強制的にオン固定通電期間θonを増大させてもよい。これにより、スイッチング素子SW1~SW6による損失(インバータ損失)が低減され、制御部8又は制御部8Bは、スイッチング素子SW1~SW6が発熱により故障することを防止することができる。なお、強制的にオン固定通電期間θonを増大させる方法として、例えば、増減フラグFの符号を強制的に「+1」に固定する方法がある。
(変形例3)
第1の実施形態、第2の実施形態又は第3の実施形態において、発電システムは、発電機2の温度Tを測定する第2の温度センサを備えてもよい。この発電機2の温度Tとは、例えば、コイルLu、Lv、Lwの各温度である。そして、制御部8、制御部8B又は制御部8Cは、最小損失点追従制御において、上記第2の温度センサで測定された温度Tが予め設定された第2の閾値Tth2以上になった場合には、当該温度Tが第2の閾値Tth2未満になるまで強制的にオン固定通電期間θonを低減させてもよい。例えば、制御部8又は制御部8Bは、最小損失点追従制御を行っていても、温度Tが第2の閾値Tth2以上になった場合には、割り込み処理として強制的にオン固定通電期間θonを低減させてもよい。これにより、発電機損失が低減され、制御部8、制御部8B又は制御部8Cは、コイルLu、Lv、Lwの発熱により発電機2が故障することを防止することができる。なお、強制的にオン固定通電期間θonを低減させる方法として、例えば、増減フラグFの符号を強制的に「-1」に固定する方法がある。
(変形例4)
第1の実施形態、第2の実施形態又は第3の実施形態において、発電システムは、上記第1の温度センサと上記第2の温度センサとの双方を備えてもよい。そして、制御部8、制御部8B又は制御部8Cは、温度Tswが第1の閾値Tth1以上となり、かつ、温度Tが第2の閾値Tth2以上となった場合には、発電機2の発電電流が低減するように制御してもよい。例えば、制御部8、制御部8B又は制御部8Cは、発電機2の発電電流における目標値を下げる。これにより、インバータ損失と発電機損失との双方が低減され、スイッチング素子SW1~SW6と発電機2との発熱による故障を防止することができる。
(変形例5)
第1の実施形態において、制御部8は、電流検出部6で検出された出力電流Ioutと電圧検出部7で検出された出力電圧Voutとを乗算することで発電電力Poutを取得したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、制御部8は、発電電力Poutを取得できればよく、その取得方法には特に限定されない。例えば、制御部8は、接続線L1に設けられた電力センサにより発電電力Poutを取得してもよい。また、制御部8は、発電機2の発電電流やインバータ4の変換効率等から発電電力Poutを算出することで、当該発電電力Poutを取得してもよい。
(変形例6)
第3の実施形態において、交流電力検出部30は、商用電力系統100と系統連系インバータ4Cとの間に設けられた電力センサにより系統側交流電力Pcomを取得してもよい。
(変形例7)
第1の実施形態、第2の実施形態又は第3の実施形態において、制御部8、制御部8B又は制御部8Cは、指令値生成部13は、最小損失点追従制御部11が求めた新たなオン固定通電期間θonの間では常にキャリア波CWの電圧値Vcよりも高い電圧値Vonになり、且つ、当該新たなオン固定通電期間θon以外の期間においては第1の制御指令値の電圧値Vs1となる信号を、最終的な指令値(第2の制御指令値)S2として求めたが、これに限定されない。例えば、制御部8は、図14に示すように、PWM信号とオン固定通電信号とを個々に生成して、スイッチング素子SWに出力してもよい。
例えば、図14に示すように、制御部8は、電流制御部10、キャリア波生成部12、最小損失点追従制御部110、PWM信号生成部140及び選択部150を備える。
最小損失点追従制御部110は、電流検出部6が検出した出力電流Ioutと、電圧検出部7が検出した出力電圧Voutとを乗算することで現在の発電電力Pout(=Iout×Vout)を算出する。そして、最小損失点追従制御部110は、算出した現在の発電電力Poutと前回の発電電力Poutとを比較して、現在の発電電力Poutが前回の発電電力Poutよりも大きい場合には、増減フラグFをそのままにして、現在のオン固定通電期間θonに微小期間Δθon×増減フラグFを足して新たなオン固定通電期間θonだけ常に第1の電圧V1であるオン固定通電信号を生成する。一方、最小損失点追従制御部110は、算出した現在の発電電力Poutと前回の発電電力Poutとを比較して、現在の発電電力Poutが前回の発電電力Poutよりも小さい場合には、増減フラグFを反転して、現在のオン固定通電期間θonに微小期間Δθon×増減フラグFを足して新たなオン固定通電期間θonだけ常に第1の電圧V1であるオン固定通電信号を生成する。そして、最小損失点追従制御部110は、生成したオン固定通電信号を選択部150に出力する。
PWM信号生成部140は、電流制御部10が生成した第1の制御指令値S1と、キャリア波生成部12から取得したキャリア波CWとを比較し、キャリア波CWより第1の制御指令値S1の電圧値が大きい期間には、第1の電圧V1となり、キャリア波CWより第1の制御指令値S1の電圧値が小さい期間には第1の電圧V1とは異なる第2の電圧V2となるPWM信号を生成する。そして、PWM信号生成部140は、生成したPWM信号を選択部150に出力する。
選択部150は、最小損失点追従制御部110から電圧値V1のオン固定通電信号を取得した場合には、当該オン固定通電信号を制御信号としてスイッチング素子SWに出力する。一方、選択部150は、最小損失点追従制御部110から電圧値V1のオン固定通電信号を取得しない場合には、PWM信号生成部140から取得するPWM信号を制御信号としてスイッチング素子SWに出力する。このように、選択部150は、最小損失点追従制御部110から電圧値V1のオン固定通電信号を取得した場合には、制御信号として当該オン固定通電信号を選択し、当該オン固定通電信号を取得しない場合には、PWM信号を制御信号として選択してスイッチング素子SWに出力する。
なお、変形例7及び図11で説明した方法は、第2の実施形態に係る制御部8Bに適用可能である。ただし、その場合には、制御部8Bの最小損失点追従制御部110は、現在の差分値Pcと前回の差分値Pcとを比較することになる。変形例7及び図11で説明した方法は、第3の実施形態に係る制御部8Cに適用可能である。ただし、その場合には、制御部8Cの最小損失点追従制御部110は、現在の系統側交流電力Pcomと前回の系統側交流電力Pcomとを比較することになる。
上述したように、本発明者は、オン固定通電期間θonが高くなるにつれて、発電機損失Pが増加する傾向にあるともにインバータ損失PIVが減少する傾向にあることを発見し、合計損失Pにはオン固定通電期間θonをパラメータとする最小損失点が存在することを見出した。本実施形態に係る発電電力変換器3は、このような知見に基づいてなされたものであって、インバータ4を構成するスイッチング素子SW1~SW6のオン固定通電期間θonを変化させながら、発電機損失Pとインバータ損失PIVとを含む合計損失Pが最小となるようにスイッチング素子SW1~SW6をスイッチング制御する制御部8、制御部8B又は制御部8Cを備える。
このような構成によれば、発電機2の回転数変動が発生した場合であっても、合計損失Pを常に最小損失となるように維持することができる。そのため、発電機2の回転数変動により発電システムで発生する損失を低減することができる。
例えば、制御部8は、電源装置1からインバータ4に入力する発電電力Poutが最大となるようにスイッチング素子SW1~SW6のオン固定通電期間θonを変化させてもよい。例えば、制御部8Bは、交流電力検出部20が算出した発電電力Pgenと、インバータ損失演算部21が求めたインバータ損失PIVとの差分値Pcが最大となるようにスイッチング素子SW1~SW6のオン固定通電期間θonを変化させてもよい。例えば、制御部8Cは、交流電力検出部20が算出した系統側交流電力Pcomが最大となるようにスイッチング素子SW1~SW6のオン固定通電期間θonを変化させてもよい。
このように、本実施形態に係るオン固定通電期間θonは、固定値ではなく、発電電力Pgen、差分値Pc、又は系統側交流電力Pcomに応じて変動する変動値である。
また、制御部8、制御部8B又は制御部8Cは、発電機2からの発電電流が目標値に追従するようにその発電電流をフィードバック制御する構成を備えてもよい。そして、オン固定通電期間θonの制御周波数は、負荷変動時におけるフィードバック制御の共振周波数よりも小さく、かつ、発電機2の回転数変動の周波数よりも大きい値であってもよい。
このような構成によれば、最小損失点追従制御において設定されるオン固定通電期間θonは、共振などの過渡状態には追従せずに、発電機2の回転数変動に十分に応答して追従できる。
また、発電システムA、発電システムB及び発電システムCは、スイッチング素子SW1~SW6の温度Tswを測定する第1の温度センサを更に備えてもよい。そして、制御部8、制御部8B及び制御部8Cは、第1の温度センサにより測定された温度Tswが第1の閾値Tth1以上になった場合には、強制的にオン固定通電期間θonを低減させてもよい。
このような構成によれば、インバータ損失が低減され、スイッチング素子SW1~SW6が発熱により故障することを防止することができる。
また、発電システムA、発電システムB及び発電システムCは、発電機2の温度を測定する第2の温度センサを更に備えてもよい。そして、制御部8、制御部8B及び制御部8Cは、第2の温度センサにより測定された温度Tが第2の閾値Tth2以上になった場合には、強制的にオン固定通電期間θonを増加させてもよい。
このような構成によれば、発電機損失が低減され、コイルLu、Lv、Lwの発熱により発電機2が故障することを防止することができる。
なお、上述した制御部8、制御部8B及び制御部8Cの全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、上記コンピュータは、CPU、GPUなどのプロセッサ及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えてもよい。そして、上記制御部8、制御部8B及び制御部8Cの全部または一部の機能をコンピュータで実現するためのプログラムを上記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムを上記プロセッサに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。ここで、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
A,B,C 発電システム
1 電源装置
2 発電機
3 発電電力変換器
4 インバータ(電力変換装置)
4C 系統連系インバータ
100 商用電力系統
8,8B,8C 制御部

Claims (6)

  1. 発電機と、前記発電機で発電された発電電力を直流に変換する電力変換装置と、を備えた発電システムであって、
    前記電力変換装置を構成するスイッチング素子のオン状態及びオフ状態を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記スイッチング素子がオン状態の期間であるオン固定通電期間を変化させながら、前記発電機で発生する損失と前記電力変換装置で発生する損失とを含む合計損失が最小となるように前記オン固定通電期間を制御する最小損失点追従制御を実行する制御部を備えることを特徴とする発電システム。
  2. 前記制御部は、前記最小損失点追従制御において、前記電力変換装置により変換された発電電力が最大となるように前記オン固定通電期間を制御することを特徴とする、請求項1に記載の発電システム。
  3. 前記電力変換装置で変換された発電電力を交流電力に変換して商用電力系統に供給する系統連系インバータを更に備え、
    前記制御部は、前記最小損失点追従制御において、前記系統連系インバータから前記商用電力系統に供給される前記交流電力が最大となるように前記オン固定通電期間を制御することを特徴とする、請求項1に記載の発電システム。
  4. 前記制御部は、前記スイッチング素子に対して、前記最小損失点追従制御と、所定の周期で前記スイッチング素子をオンオフするPWM制御とを実行し、前記最小損失点追従制御において前記所定の周期よりも長い前記オン固定通電期間を設けることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の発電システム。
  5. 前記スイッチング素子の温度を測定する第1の温度センサを更に備え、
    前記制御部は、前記第1の温度センサにより測定された温度が第1の閾値以上になった場合には、強制的に前記オン固定通電期間を増大させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発電システム。
  6. 前記発電機の温度を測定する第2の温度センサを更に備え、
    前記制御部は、前記第2の温度センサにより測定された温度が第2の閾値以上になった場合には、強制的に前記オン固定通電期間を低減させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発電システム。
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