本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の様々な実施形態、目的、特徴、および利点を示す。
図1は、一実施形態による射出成形システムを示す。
図2は、射出成形機の側面図である。
図3は、固定プラテンの端面図であり、図2のI-I線の矢印方向から見た図である。
図4は、成形動作位置周辺の構成の部分斜視図である。
図5は、アクチュエータを駆動することで金型を移動させる搬送装置の側面図である。
図6は、射出成形システムをY軸方向から見た断面を示す。
図7は、図6に示す断面の上面図である。
図8は、マニホールドおよびガイド部材の拡大図を示す。
図9は、図6に示す状況からアクチュエータを駆動することで、金型が射出成形機から搬送装置への移動を終了し、別の金型が別の搬送装置から射出成形機への移動を終了した場合を示す。
図10は、射出成形システムをY軸方向から見た断面を示す。
図11は、図10の位置からアクチュエータを駆動することによる、射出成形機から搬送装置への金型の移動完了、および別の搬送装置から射出成形機への別の金型の移動完了を示す。
図12は、射出装置のノズルのメンテナンスを行うための構成および手順を示す。
図13は、スクリュをシリンダから取り外した射出成形機を示す。
図14は、安全扉が安全壁の側面にある場合に開放可能なスライド扉を有する射出成形機を示す。
図15aは、Z軸方向から見た射出成形機を示す。
図15bは、X軸方向から見た射出成形機を示す。
図16は、射出装置に対する安全扉の回転方向を示す。
図17は、射出装置の別の回転方向を示す。
図18は、射出成形システムを示す。
図面全体を通して、別段の記載がない限り、同一の参照番号および符号は、図示する実施形態の同様の特徴、要素、構成要素、または部分を示すために用いられる。さらに、本開示は、図面を参照して詳細に説明されるが、これは説明のための例示的な実施形態に関連して行われる。添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の真の範囲および趣旨を逸脱することなく、説明される例示的な実施形態に対して変更および修正を加えることができることを意図する。
例示的な実施形態の詳細な説明
本開示は、いくつかの例示的な実施形態を説明しており、当業者に既知の詳細については、特許、特許出願、および他の参考文献に依拠する。したがって、本明細書において、特許、特許出願、または他の参考文献が引用される、または繰り返されるとき、それらは、記載されている提案だけでなくあらゆる目的のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれることを理解されたい。
図面を参照して、本開示の一実施形態による射出成形システムについて説明する。各図中の矢印XおよびYは、互いに直交する水平方向を示し、矢印Zは、地面に対して垂直(直立)方向を示す。
図18および図2~図4は、米国特許第2018/0009146号/日本特許公開第2018-001738号/VN20160002505号で論じられている射出成形システムを示しており、本明細書では情報/説明の目的でのみ提供されている。
射出成形システム1は、横型の射出成形機2(IMM2)と、搬送装置3Aおよび3Bとを含む。射出成形システム1は、搬送装置3Aおよび3Bによって複数の金型を挿入および排出しながら成形品を製造するように構成されている。2つの金型100Aおよび100Bを用いる。
金型100A/100Bは、固定金型101と、固定金型101に対して開閉される可動金型102との組である。成形品は、固定金型101と可動金型102との間に形成されたキャビティに溶融樹脂を射出することで成形される。固定金型101および可動金型102には、それぞれ取付板101aおよび102aが固定されている。取付板101aおよび102aは、金型100A/100BをIMM2の成形動作位置11(型締位置)に固定するために用いられる。
金型100A/100Bには、固定金型101と可動金型102との間を閉状態に維持する自己閉鎖部103が設けられている。自己閉鎖部103によって、IMM2から金型100A/100Bを搬出した後に、金型100A/100Bが開くことを防止することが可能となる。自己閉鎖部103は、磁力を利用して金型100A/100Bを閉状態に維持する。自己閉鎖部103は、固定金型101および可動金型102の対向面に沿って複数の箇所に配置されている。自己閉鎖部103は、固定金型101側の要素と可動金型102側の要素との組み合わせである。自己閉鎖部103については、通常、金型100Aおよび100Bの1つに対して2組以上設けられる。
搬送装置3Aは、金型100AをIMM2の成形動作位置11に搬入および搬出する。搬送装置3Bは、金型100Bを成形動作位置11に搬入および搬出する。搬送装置3A、IMM2、および搬送装置3Bは、この順にX軸方向に並ぶように配置されている。言い換えれば、搬送装置3Aおよび搬送装置3Bは、IMM2をX軸方向に挟むように、IMM2に対して横方向に配置されている。搬送装置3Aおよび3Bは、互いに対向して配置され、搬送装置3AはIMM2の左右の一側方に、搬送装置3Bは他側方にそれぞれ隣接して配置されている。成形動作位置11は、搬送装置3Aと搬送装置3Bとの間に位置している。搬送装置3Aは、フレーム30と、複数のローラ32と、複数のローラ33とを含む。搬送装置3Bは、フレーム30と、搬送ユニット31Bと、複数のローラ32と、複数のローラ33とを含む。搬送装置コントローラ42Aは、搬送装置3Aを制御し、搬送装置コントローラ42Bは、搬送装置3Bを制御する。
フレーム30は、搬送装置3A/3Bの骨格であり、搬送ユニット31Bと、複数のローラ32および33とを支持する。搬送ユニット31Bは、金型100A/100BをX軸方向に往復移動させ、成形動作位置11に対して金型100A/100Bを排出および挿入する装置である。搬送ユニット31Bは、搬送装置コントローラ42Bによって制御される。
複数のローラ32は、X軸方向に配列されたローラ列を構成しており、Y軸方向に離間して2列構成されている。複数のローラ32は、Z軸方向の回転軸を中心に回転し、金型100A/100Bの側面(取付板101aおよび102aの側面)に接触して、金型100A/100Bを横から支えて金型100A/100BのX軸方向の移動をガイドする。複数のローラ33は、X軸方向に配列されたローラ列を構成しており、Y軸方向に離間して2列構成されている。複数のローラ33は、Y軸方向の回転軸を中心に回転し、金型100A/100Bの底面(取付板101aおよび102aの底面)を支持して、金型100A/100Bを下から支えて金型100A/100BのX軸方向の移動を円滑にする。
コントローラ41はIMM2を制御し、コントローラ42Aは搬送装置3Aを制御し、コントローラ42Bは搬送装置3Bを制御する。各コントローラ41、42A、42Bは、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置と、センサやアクチュエータに接続されるインタフェース(図示せず)とを含む。プロセッサは、記憶装置に記憶されたプログラムを実行する。コントローラ41が実行するプログラム(制御)の一例は後述する。コントローラ41は、コントローラ42Aおよび42Bと通信可能に接続され、コントローラ42Aおよび42Bに金型100A/100Bの搬送に関する指示を行う。コントローラ42Aおよび42Bは、金型100A/100Bの搬入や搬出が終了した場合に、動作完了の信号をコントローラ41に送信する。さらに、コントローラ42Aおよび42Bは、異常発生時に非常停止信号をコントローラ41に送信する。
図2は、IMM2の側面図である。図3は、固定プラテン61の端面図であり、図2のI-I線の矢印方向から見た図である。図4は、成形動作位置11周辺の構成を説明するための部分斜視図である。
図18および図2を参照して、IMM2は、射出装置5と、型締装置6と、成形品を取り出す取出機7と、コントローラ41とを含む。射出装置5および型締装置6は、フレーム10上にY軸方向に配置されている。
射出装置5は、Y軸方向に延びるように配置された射出シリンダ51を含む。射出シリンダ51は、バンドヒータ等の加熱装置(図示せず)を含み、ホッパ53から導入された樹脂を溶融する。射出シリンダ51にはスクリュ51aが内蔵されており、スクリュ51aを回転させることで射出シリンダ51内に導入された樹脂が可塑化され、計量される。スクリュ51aの軸方向(Y軸方向)への移動により、射出ノズル52から溶融樹脂を射出することができる。
ノズル52としては、吐出口を開閉する遮断ノズルを用いることができる。しかし、ノズル52の機能の実現を可能にするいかなる機構も適用可能である。図2に、遮断ノズルの一例を示す。吐出口52aを開閉するピン56aが、開閉機構56として配置されている。ピン56aは、リンク56bを介してアクチュエータ(シリンダ)56cに連結されており、アクチュエータ56cの動作により吐出口52aが開閉される。
射出シリンダ51は、駆動部54に支持されている。駆動部54には、スクリュ51aを回転駆動させて樹脂の可塑化と計量を行うモータと、スクリュ51aを軸方向に進退させる駆動モータとが配置されている。駆動部54は、フレーム10上のレール12に沿ってY軸方向に進退可能である。また、駆動部54には、射出装置5をY軸方向に進退させるアクチュエータ(例えば電動シリンダ)55が配置されている。
型締装置6は、金型100A/100Bの型締めおよび型開閉を行う。型締装置6には、Y軸方向に順に、固定プラテン61、可動プラテン62、可動プラテン63が配置されている。プラテン61~63には、複数のタイバー64が通過している。各タイバー64は、Y軸方向に延びる軸であり、その一端部が固定プラテン61に固定されている。各タイバー64は、可動プラテン62に形成された各貫通穴に挿入されている。各タイバー64の他端部は、調整機構67を介して可動プラテン63に固定されている。可動プラテン62および63は、フレーム10上のレール13に沿ってY軸方向に移動可能であり、固定プラテン61は、フレーム10に固定されている。
可動プラテン62と可動プラテン63との間には、トグル機構65が配置されている。トグル機構65は、可動プラテン63に対して(言い換えれば、固定プラテン61に対して)、可動プラテン62をY軸方向に進退させる。トグル機構65は、リンク65a~65cを含む。リンク65aは、可動プラテン62に回転自在に連結されている。リンク65bは、可動プラテン63に回動自在に連結されている。リンク65aとリンク65bとは、互いに回動自在に連結されている。リンク65cとリンク65bとは、互いに回動自在に連結されている。リンク65cは、アーム66cに回動自在に連結されている。
アーム66cは、ボールナット66bに固定されている。ボールナット66bは、Y軸方向に延びるボールねじ軸66aに係合し、ボールねじ軸66aの回転によりY軸方向に進退する。ボールねじ軸66aは、可動プラテン63によって回転自在となるように支持されており、モータ66は、可動プラテン63に支持されている。モータ66は、モータ66の回転量を検出しながら、ボールねじ軸66aを回転駆動する。モータ66の回転量を検出しながらモータ66を駆動することにより、金型100A/100Bの型締めおよび型開閉を行うことが可能となる。
IMM2は、型締力を計測するためのセンサ68を含み、各センサ68は、例えばタイバー64に設けられた歪みゲージであり、タイバー64の歪みを検出することで型締力を算出する。
調整機構67は、可動プラテン63に回転自在に支持されたナット67bと、駆動源であるモータ67aと、モータ67aの駆動力をナット67bに伝達する伝達機構とを含む。各タイバー64は、可動プラテン63に形成された穴を通過して、ナット67bと係合している。ナット67bを回転させることにより、ナット67bとタイバー64との間のY軸方向の係合位置が変化する。すなわち、タイバー64に対する可動プラテン63の固定位置が変化する。これにより、可動プラテン63と固定プラテン61との間の間隔を変化させることができるため、型締力等を調整することができる。
成形動作位置11は、固定プラテン61と可動プラテン62との間の領域である。
成形動作位置11に導入された金型100A/100Bは、固定プラテン61と可動プラテン62との間に挟まれ、それによって型締めされる。可動プラテン62の移動により、可動金型102の移動に基づく開閉が行われる。
図3は、固定プラテン61の中央部の開口部61aを示しており、ノズル52がこの開口部を通って進退する。固定プラテン61の可動プラテン62側の面(内面という)には、複数のローラBRが回転自在となるように支持されている。複数のローラBRは、回転軸を中心としてY軸方向に回転し、金型100A/100Bの底面(取付板101aの底面)を支持して、金型100A/100Bを下から支えて、金型100A/100BのX軸方向の移動を円滑にする。固定プラテン61のX軸方向の両側には、ローラ支持体620が固定されており、このローラ支持体620によって、複数のローラBRが支持されている。
固定プラテン61の内面には、X軸方向に延びる溝61bが形成されている。
溝61bは、上下に離間して2列形成されている。各溝61bには、ローラユニット640が配置されている。ローラユニット640には、複数のローラSRが回転自在となるように支持されている。複数のローラSRは、回転軸を中心としてZ軸方向に回転し、金型100A/100Bの外面(取付板101aの外面)に接触して、金型100A/100Bを横から支えて、金型100A/100BのX軸方向の移動をガイドする。II-II線断面図に示すように、ローラユニット640は、バネ641の付勢により、ローラSRが溝61bから突出する位置に位置する一方、型締め時には、溝61b内に後退して、ローラSRが溝61bから突出しない位置に位置する。ローラユニット640は、金型100A/100Bの入れ替え時には、金型100A/100Bと固定プラテン61の内面とが接触して内面が損傷することを防止でき、型締め時には、固定プラテン61の内面と金型100A/100Bとが密接することを妨げない。
固定プラテン61のX軸方向の両側には、ローラ支持体630が固定されており、このローラ支持体630によって、複数のローラSRが支持されている。
固定プラテン61には、固定金型101を固定プラテン61に固定するための複数の固定機構(クランプ)610が配置されている。各固定機構610は、取付板101aと係合する係合部610a、および係合位置と係合解除位置との間で係合部610aを移動させる内蔵アクチュエータ(図示せず)を含む。
なお、可動プラテン62についても、固定プラテン61と同様に、複数のローラBRと、ローラ支持体620および630と、ローラユニット640と、可動金型102を固定するための固定機構610とが配置されている。
図4に示すように、型締装置6の周囲は、安全性のためにカバー(外装板)60で囲まれているが、金型100A/100Bの入れ替えのために、成形動作位置11の側方に金型100A/100Bが通過する開口部60Bが形成されている。各開口部60Bは、基本的に常時開放されており、成形動作位置11に対する金型100A/100Bの自由な排出および挿入が可能となっている。
図2に戻り、取出機7について説明する。取出機7は、X軸方向に延びるレール71と、レール71上をX軸方向に移動可能な可動レール72とを含む。可動レール72は、Y軸方向に延びるように配置されており、可動レール72上にはスライダ73が配置されている。スライダ73は、可動レール72にガイドされてY軸方向に移動し、昇降軸73aをZ軸方向に昇降させる。昇降軸73aの下端部には、真空ヘッド74が配置されており、真空ヘッド74には、成形品に特化したチャック板75が取り付けられている。
取出機7は、型開き後、レール71、可動レール72、およびスライダ73により、図2中に破線で示すように、真空ヘッド74を固定金型101と可動金型102との間に移動し、成形品に吸着して、成形品を金型100A/100Bの外に搬送する。
図5は、搬送装置3Bの側面図であり、金型100Bは、アクチュエータ3010の駆動により移動する。
アクチュエータ3010のスライド3032を移動させることにより、スライド3032に連結された金型100B、プレート3031、および連結部3020が移動可能となる。アクチュエータ3010はフレーム30Bに固定されているので、金型100Bの移動に基づいてアクチュエータ3010およびフレーム30Bが移動することはない。金型100Bは、アクチュエータ3010およびフレーム30Bに対して移動する。
図5は、金型100Bとアクチュエータ3010との間に位置する連結部3020の構成を示す。連結部3020は、金型100Bに取り付けられるベースプレート3024と、4つの連結ブラケット3023と、先端にカムフォロア(図示せず)を有する2つのシャフト3022と、スライダ3032に取り付けられるスロット付きベースプレート3031とを含む。カムフォロア3021をスロット付きベースプレート3031に挿入することで、金型100Bとアクチュエータ3010とが連結される。
以下では、金型100BがX軸方向に沿って移動し、アクチュエータ3010のY軸方向中心位置と金型100BのY軸方向中心位置とが、Y軸方向に位置ずれした場合について論じる。より具体的には、金型100Bの移動により、Y軸方向のアクチュエータ3010の中心位置に対して、金型100BがY軸方向の中心位置において位置ずれしたときについて論じる。
金型100Bの移動時に、金型100Bおよびアクチュエータ3010の位置がY軸方向にずれた場合、ベースプレート3031の挿入スロットに沿ってY軸方向に移動する連結ブラケット3023の滑りに伴ったカムフォロア3021の滑りにより、アクチュエータ3010と金型100BとのY軸方向における位置ずれの負荷を吸収することができる。すなわち、金型100BのY軸方向の移動により、カムフォロア3021のローラが回転し、それにより、アクチュエータ3010および連結部3020への負荷を低減することができる。金型100Bおよびアクチュエータ3010のY軸方向への位置ずれが大きいほど、連結部品およびアクチュエータ3010への負荷が大きくなる。したがって、Y軸方向におけるずれを小さくすることで、負荷を低減または解消することができる。
連結部3020の機構がなく、単純に連結した場合、金型100BのY軸方向の中心が、アクチュエータ3010のY軸方向の中心に対して位置ずれする可能性がある。これにより、金型100Bの重量およびY軸方向の移動量による負荷がアクチュエータ3010および連結部分にかかることになる。したがって、連結部分がY軸方向に撓む可能性があり、さらなる負荷もが、アクチュエータ3010に対してY軸方向にかかる可能性がある。図5に示すように、連結部3020を形成することで、カムフォロア3021がベースプレート3031に対してY軸方向に移動可能となり、連結部3020およびアクチュエータ3010に対しての、金型100BがY軸方向にずれることによる負荷が低減または解消されることになる。
図5はまた、Z10に対するアクチュエータ3010のZ軸方向の中心位置と、ZAに対する金型100BのZ軸方向の中心位置とを示す。図5に示すように、Z軸方向の原点は、フレーム30Bの表面である。アクチュエータ3010はフレーム30Bに固定されているので、アクチュエータ3010のZ軸方向の中心がZ10(基準位置)であり、金型100BのZ軸方向の中心がZA(基準位置)である場合、アクチュエータ3010と金型100BとがZ軸方向に位置ずれすることはない。
以下では、金型100BがX軸方向に移動し、金型100BのZ軸方向の中心が、ZAからZ軸方向に位置ずれした場合について論じる。金型100Bが移動し、アクチュエータ3010のZ軸方向の基準位置と金型100BのZ軸方向の基準位置とが変化した場合、すなわち、金型100BのZ軸方向の中心位置がZ軸方向にずれた場合、ベースプレート3031のスロットに挿入された連結ブラケット23のカムフォロワ3021は、スロットに沿ってZ軸方向に移動することになる。その結果、金型100Bとアクチュエータ3010とのZ軸方向への位置ずれによる負荷を吸収することができる。カムフォロア3021は、スロットのZ軸方向に移動することができる。これにより、アクチュエータ3010および連結部分にかかる負荷を低減または解消することが可能となる。
連結部3020の機構がなく、単純に連結した場合、金型100BのZ軸方向の中心が、ZAからZ軸方向に位置ずれする可能性がある。これにより、金型100Bの重量およびZ軸方向の移動量による負荷がアクチュエータ3010および連結部分にかかることになる。したがって、連結部分がZ軸方向に撓む可能性があり、さらなる負荷もが、アクチュエータ3010に対してZ軸方向にかかる可能性がある。図5に示すように、連結部3020を形成することで、カムフォロア3021がZ軸方向に移動可能となり、連結部3020およびアクチュエータ3010に対しての、金型100BがY軸方向にずれることによる負荷を低減または解消することができる。
上述の例示的実施形態は、2つのカムフォロア3021と、ベースプレート3031上のスロットとで構成される。これにより、金型100Bおよびアクチュエータ3010のZ軸方向およびY軸方向の位置ずれに対する負荷を低減することが可能となる。これにより、アクチュエータ3010への過大な負荷の印可を防止/負荷を低減することができ、連結部3020の損傷の可能性を低減することができる。アクチュエータ3010への損傷を防止することにより、より大きな負荷に対応できる大型アクチュエータの選択が可能となり、その結果、全体的なコスト低減を図ることができる。上述の構成により、フレーム30Bの過度な位置調整や、側面ガイドローラ3091、底面ガイドローラ3092のIMM2に対する過度な位置精度が不要となり、機械部分の精密さの緩和および/または組み付け時の工数の削減によるコストの低減が可能となる。
カムフォロア3021の形状は、例えば、回転機構を有しない円形状であっても、正方形状であってもよく、カムフォロア3021をスロット穴内の内面に対して低摩擦係数で移動させることを可能にする。本例示的実施形態では、4つの連結ブラケット3023を図示したが、本例示的実施形態の実施を可能にする他の形状も適用可能である。別の例示的な実施形態では、1つまたは複数のシャフト3022およびカムフォロア3021を用いることができ、寸法とともに形状によって、カムフォロア3021とベースプレート3031のスロットとが重なることを可能にする。
金型100A/100Bに接続されるケーブルの取り回し構成について説明する。図6は、射出成形システム1をY軸方向から見た断面図を示す。
金型100Aは、IMM2内の成形動作位置11に位置している。金型100Aは、固定プラテン61および可動プラテン62に取り付けられたローラBR上に位置している。金型100Aは、連結部3030によって金型100Bに連結されており、金型100BがX軸方向に移動すると、金型100Bと同方向に移動する。連結部3030は、金型100Bに固定された連結ブラケット3025と、金型100Aに固定されたベースプレート3026とを含む。金型100Aは、成形動作位置11から搬送装置3Aの方向に移動する。搬送装置3Aに到着後、金型100Aは、フレーム30Aの天板に沿って移動する。
金型100Aには、連結部3030がX軸方向に連結される側とは反対側に、金属製の取付ステイ490が取り付けられている。取付ステイ490には、マニホールド470とケーブルキャリア400Aの一端部410Aとが固定されている。ケーブルキャリア400Aの他端部420Aは、搬送装置3Aのフレーム30Aの天板に固定されている。言い換えれば、ケーブルキャリア400Aの端部410Aおよび端部420Aの両方は、フレーム30Aの天板の上方に位置している。ケーブルキャリア400Aは、後述する各種ケーブルを覆い、それぞれのケーブルの移動を規制(ガイド)する構成要素である。温度調節用の冷却管、ホットランナーの温度調節/運転に必要なヒータ、熱電対、および空気管は、金型100Aの内部に位置する。金型100A内の冷却管は、温調ホース3402に接続される。
図7は、図6の上面図であり、IMM2ならびに搬送装置3Aおよび3Bの拡大図である。冷却管から延びる温調ホース3402は、マニホールド470に取り付けられたカプラ4701に対してY軸方向に沿って接続されている。カプラ4701は、入口点と出口点とを含み、出口点は温調ホース3404に接続される。温調ホース3404は、ケーブルキャリア400Aの端部410Aに入る。温調ホース3404は、ケーブルキャリア400Aにガイドされて、ケーブルキャリア400Aの端部420Aから出る。
図6に示すように、ケーブルキャリア400Aは、温調ホース3404の最小曲率半径よりも十分に大きな曲率で曲げられている。最小曲率半径とは、温調ホース3404の破断なしに、温調ホース3404内の流体が円滑に流れることを可能にする最小可能曲率半径を指し、温調ホース3404の材料や温調ホース3404の断面の半径に応じて変化する。温調ホース3404のうち、ケーブルキャリア400Aの端部420Aを介して出た部分は、フレーム30Aの天板を通過し、IMM2に形成された隙間495を介してフレーム30Aの天板の底部へと進む。温調ホース3404のうち、フレーム30Aの天板の底部に位置する部分は、X軸方向に沿って、マニホールド460に取り付けられたカプラ4601と接続する。カプラ4601は、入口点と出口点とを含み、出口点は温調ホース3401に接続される。温調ホース3401は、IMM2の下部に取り付けられた温度調節器320に接続される。温度調節器320は、温調ホース3404内を流れる冷却水の温度を調整し、かつ冷却水を金型100A内に送り込む。
金型100A内のヒータは、ヒータコネクタを介してヒータケーブル3412に接続されている。熱電対は、熱電対コネクタを介して熱電対ケーブル3422に接続される。空気管は、エアホース3432に接続される。ヒータケーブル3412、熱電対ケーブル3422、およびエアホース3432は、ケーブルネット、タイラップ、およびストラップによって1つに束ねられ、ホットランナーケーブル3442を構成する。図7に示すように、ホットランナーケーブル3442は、ケーブルキャリア400Aの端部410Aに入る。ホットランナーケーブル3442は、ケーブルキャリア400Aにガイドされて、ケーブルキャリア400Aの端部420Aから出る。
図6に示すように、ケーブルキャリア400Aは、ホットランナーケーブル3442の最小曲率半径よりも十分に大きな曲率で曲げられている。ホットランナーケーブル3442のうち、ケーブルキャリア400Aの端部420Aから出る部分は、フレーム30Aの天板を通過し、IMM2内に形成された隙間495を介してフレーム30Aの天板の底部へと進む。ホットランナーケーブル3442のうち、フレーム30Aの天板の底部に位置する部分は、IMM2の下部に取り付けられたホットランナー調節器330に接続される。ホットランナー調節器330は、ヒータの温度を調節し、熱電対で温度を監視する。
金型100Bは、搬送装置3B上に位置し、搬送装置3Bに取り付けられた複数のローラ33の上に載っている。金型100Bは、連結部3020によりスライド3032に連結されている。連結部3020は、スライド3032に連結されている。図5に示すように、スライド3032はアクチュエータ3010に連結されており、したがって、金型100Bはアクチュエータ3010に連結されている。マニホールド430とガイド部材450とがスライド3032に連結されている。
図7に示すように、ガイド部材450は、円筒状のケーブルであり、ガイド部材450によってフレーム30Bの天板の下方にガイドされる。ケーブルキャリア400Bの端部420Bは、搬送装置3Bのフレーム30Bの底板に固定されている。ケーブルキャリア400Bの端部410Bは、フレーム30Bが位置する側とは反対のガイド部材450側に固定されている。言い換えれば、ケーブルキャリア400Bの端部410Bおよび端部420Bは、フレーム30Bの天板の下方に位置している。温度調節用冷却管、ホットランナーの温度調節/運転に必要なヒータ、熱電対および空気管は、金型100Bの内部に位置する。金型100B内の冷却管は、温調ホース3302に接続される。
図7に示すように、冷却管から延びる温調ホース3302は、マニホールド430に取り付けられたカプラ4301においてY軸方向に沿って接続される。カプラ4301は、入口点と出口点とを含み、出口点は温調ホース3340に接続される。図7に示すように、搬送装置3Bのフレーム30Bの天板にはスリット480が形成されており、アクチュエータ311の駆動に基づいてガイド部材450がX軸方向に移動できるように構成されている。図8は、マニホールド430およびガイド部材450の拡大図を示す。
温調ホース3340は、タイラップまたはストラップでガイド部材450に固定されている。ガイド部材450の反対側には、ケーブルキャリア400Bの端部410Bが固定されている。温調ホース3340は、ガイド部材450にガイドされた後、温調ホース3340の最小曲率半径よりも大きな半径を有する円3303を描く構造で固定される。温調ホース3340は、ケーブルキャリア400Bの端部410Bに入る。
図6において、温調ホース3340は、ケーブルキャリア400Bにガイドされて、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る。ケーブルキャリア400Bは、温調ホース3340の最小曲率半径よりも十分に大きな曲率で曲げられている。温調ホース3340のうち、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る部分は、X軸方向に沿って、マニホールド440に取り付けられたカプラ4401と接続する。カプラ4401は、入口点と出口点とを含み、出口点は温調ホース3301に接続される。温調ホース3301は、IMM2の下部に取り付けられた温度調節器320に接続される。
金型100B内のヒータは、ヒータコネクタを介してヒータケーブル3312に接続されている。熱電対は、熱電対コネクタを介して熱電対ケーブル3322に接続される。空気管は、エアホース3332に接続される。ヒータケーブル3312、熱電対ケーブル3322、およびエアホース3332は、ケーブルネット、タイラップおよびストラップによって束ねられ、ホットランナーケーブル3342を構成する。ホットランナーケーブル3342は、タイラップまたはストラップで連結ブラケット3023に固定され、ガイド部材450にガイドされる。ホットランナーケーブル3342は、タイラップまたはストラップでガイド部材450に固定される。ガイド部材450にガイドされた後、ホットランナーケーブル3342は、ホットランナーケーブル3342の最小曲率半径よりも大きな半径を有する円3313を描く構造で固定される。ホットランナーケーブル3342は、ケーブルキャリア400Bの端部410Bに入る。ホットランナーケーブル3342は、ケーブルキャリア400Bにガイドされて、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る。ケーブルキャリア400Bは、ホットランナーケーブル3342の最小曲率半径よりも十分に大きな曲率で曲げられている。ホットランナーケーブル3342のうち、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る部分は、フレーム30Bの底板に取り付けられたホットランナー調節器330に接続される。
図9は、図6に示す状況からアクチュエータ3010を駆動することで、金型100AがIMM2から搬送装置3Aへの移動を終了し、金型100Bが搬送装置3BからIMM2への移動を終了した場合を示す。金型100Bは、搬送装置3Bに取り付けられたローラ33上を移動する。搬送装置3BからIMM2内に取り付けられた固定プラテン61および可動プラテン62に移動するとき、金型100Bは、ローラ支持体620の上にあるローラBR上を通過する。金型100Bの移動は、金型100Bの中心100が固定プラテン61の中心610と一致する位置(成形動作位置11)にあるときに完了する。金型100Aは、ローラ支持体620の上にあるローラBR上を通過する。プラテン61から搬送装置3Aに移動するとき、金型100Aは、固定プラテン61に取り付けられたローラ支持体620の上にあるローラBR上を通過し、搬送装置3Aに取り付けられたローラ33上を通過する。金型100Aの移動は、金型100Bの移動の停止と同時に停止する。
取付ステイ490に固定されたマニホールド470、およびケーブルキャリア400Aの端部410Aもまた、アクチュエータ3010による金型100Aの移動と同方向に移動する。金型100Aとマニホールド470およびケーブルキャリア400Aの端部410Aとの相対的な位置関係は変化しない。言い換えれば、金型100Aとマニホールド470およびケーブルキャリア400Aの端部410Aとの間の各ケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Aの端部420Aは、フレーム30Aの天板に固定されているので、ケーブルキャリア400Aの端部420Aと温度調節器320およびホットランナー調節器330との間のケーブルの長さは変化しない。各種ケーブルは、金型100Aの移動に伴ってケーブルキャリア400Aにガイドされるため、ケーブルの形状は変化し得る。端部410Aは取付ステイ490に固定され、端部420Aはフレーム30Aの天板に固定されているので、ケーブルキャリア400AのX軸方向に形成されたループが大きくなったり小さくなったりすることで、各ケーブルの長さを調整する。
スライド3032に固定されたマニホールド430およびガイド部材450もまた、アクチュエータ3010による金型100Bの移動と同方向に移動する。金型100Bとマニホールド430およびガイド部材450との相対的な位置関係は変化しない。言い換えれば、金型100Bとマニホールド430およびガイド部材450との間の各種ケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Bの端部410Bは、ガイド部材450に接続されているので、金型100Bとケーブルキャリア400Bの一端部410Bとの間の各種ケーブルの長さは変化しない。さらに、ケーブルキャリア400Bの端部420Bは、フレーム30Bの底板に固定されているので、ケーブルキャリア400Bの端部420Bと温度調節器320およびホットランナー調節器330との間の各種ケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Bは、金型100Bの移動に伴って各種ケーブルをガイドするので、ケーブルの形状は変化する。端部410Bはガイド部材450に固定され、端部420Aはフレーム30Bの底板に固定されているので、ケーブルキャリア400BのX軸方向に形成されたループが大きくなったり小さくなったりすることで、各種ケーブルの長さを調整する。
上述の構成によれば、ケーブルキャリア400A/400Bは、金型100A/100Bの移動とともに動作する。金型100A/100Bから延びる複数のケーブルの移動は、それぞれケーブルキャリア400A/400Bによって制御されるので、ケーブルが金型100A/100Bの移動を妨げる可能性は低減する。さらに、ケーブルキャリア400Bの端部410Bおよび端部420Bは、金型100Bが移動するフレーム30Bの天板の下方に位置しているので、ケーブルが金型100Bの移動を妨げる可能性はさらに低減する。
上述の例示的な実施形態によれば、温度調節器320およびホットランナー調節器330が、IMM2の下部に設けられている。しかし、この構成に限定されるものではない。別の例示的な実施形態では、温度調節器320およびホットランナー調節器330を、フレーム30Aの下部またはフレーム30Bの下部に設けることができる。別の例示的な実施形態では、温度調節器320およびホットランナー調節器330を、IMM2、フレーム30A、またはフレーム30Bの外部に設けることができる。さらに別の例示的な実施形態では、搬送装置3Aおよび搬送装置3Bに対して単一/共通の温度調節器320および単一/共通のホットランナー調節器330を使用する代わりに、各搬送装置には、それぞれ固有の温度調節器およびホットランナー調節器を使用することができる。さらにもう1つの例示的な実施形態では、ホットランナー調節器330の代わりに、IMM2内に個別に設けられたホットランナーの温度調節/動作用の空気回路にエアホースを接続することができる。
上述の例示的な実施形態によれば、本実施形態の温調ホースは、マニホールド430およびマニホールド440を介して3本の温調ホース(3302、3340、および3301)に分かれる。しかし、ヒータケーブル3312、熱電対ケーブル3322、およびエアホース3332の取り回しは、マニホールド430および440を介さずに行われる。通常、温調ホースの交換頻度は高く、温調ホースを3本に分けることで交換作業が容易になるので、温調ホースの構成は、他のケーブルやホースの構成とは異なる。しかし、この構成に限定されるものではなく、他の種類のケーブルをマニホールド430またはマニホールド440を介して取り回すことで構成することもできる。別の例示的な実施形態では、温調ホースをケーブルキャリア400Bに直接接続することができる。
マニホールド430は、XZ面に平行になるように配置され、マニホールド440は、マニホールド430がX軸方向に移動するときに、ローラ32と干渉することを防止するために、YZ面に平行に配置されている。しかし、例えばマニホールド430の大きさが小さい場合などにおいては、この構成に限定されるものではない。
図10は、別の例示的な実施形態による射出成形システム1をY軸方向から見た断面図である。本実施形態では、図10に示すように、搬送装置30A側のケーブルの取り回し構成は、図6に示す前述の例示的実施形態と同様である。本例示的実施形態での違いは、搬送装置30B側のケーブルの取り回しである。
金型100Bは、搬送装置3B上に位置し、搬送装置3Bに取り付けられた複数のローラ33の上に載っている。金型100Bは、連結部3020によりスライド3032に連結されている。図5に示すように、スライド3032はアクチュエータ3010に連結されており、したがって、金型100Bはアクチュエータ3010に連結されている。マニホールド430とケーブルキャリア400Bの端部410Bとは、スライド3032に連結されている。本実施形態では、ガイド部材を設けず、ケーブルキャリア400Bの端部420Bをスライド3032に直接連結するように構成されている。ケーブルキャリア400Bの端部420Bは、搬送装置3Bのフレーム30Bの底板に固定されている。言い換えれば、ケーブルキャリア400Bの端部410Bは、フレーム30Bの天板の上方に位置し、端部420Bは、フレーム30Bの天板の下方に位置する。
温度調節用の冷却管、ホットランナーの温度調節/運転用のヒータ、熱電対、および空気管は、金型100Bの内部に位置する。冷却管は、温調ホース3302に接続される。温調ホース3302のうち、冷却管から延びる部分は、マニホールド430に取り付けられたカプラ4301に接続されている。カプラ4301は入口点と出口点とを備え、出口点は温調ホース3304に接続される。温調ホース3304は、ケーブルキャリア400Bの端部410Bに入る。温調ホース3304は、ケーブルキャリア400Bにガイドされて、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る。ケーブルキャリア400Bは、温調ホース3304の最小曲率半径よりも十分に大きな曲率で曲げられている。温調ホース3304のうち、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る部分は、マニホールド440に取り付けられたカプラ4401に接続される。カプラ4401は、入口点と出口点を含み、出口点は温調ホース3301に接続される。温調ホース3301は、IMM2の下部に取り付けられた温度調節器320に接続される。
金型100B内のヒータは、ヒータコネクタを介してヒータケーブル3312に接続されている。熱電対は、熱電対コネクタを介して熱電対ケーブル3322に接続される。空気管は、エアホース3332に接続される。ヒータケーブル3312、熱電対ケーブル3322、およびエアホース3332は、ケーブルネット、タイラップおよびストラップによって束ねられ、ホットランナーケーブル3342を構成する。ホットランナーケーブル3342は、タイラップまたはストラップで連結ブラケット3023に固定され、ケーブルキャリア400Bの端部410Bに入る。ホットランナーケーブル3342は、ケーブルキャリア400Bにガイドされて、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る。ケーブルキャリア400Bは、ホットランナーケーブル3342の最小曲率半径よりも十分に大きな曲率で曲げられている。ホットランナーケーブル3342のうち、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る部分は、フレーム30Bの底板に取り付けられたホットランナー調節器330に接続される。
図11は、図10の位置からアクチュエータ3010を駆動することによる、IMM2から搬送装置3Aへの金型100Aの移動完了、および搬送装置3BからIMM2への金型100Bの移動完了を示す。
金型100Bは、搬送装置3Bに取り付けられたローラ33上を移動する。搬送装置3BからIMM2内に取り付けられた固定プラテン61に移動するとき、金型100Bは、固定プラテン61に取り付けられたローラ支持体620の上にあるローラBR上を通過し、プラテン61に取り付けられたローラBR上を通過する。最後に、金型100Bの中心110が固定プラテン61の中心610と一致する位置(成形動作位置11)で、金型100Bの移動が完了する。金型100Aは、固定プラテン61に取り付けられたローラBR上を移動する。固定プラテン61から搬送装置3Aに移動するとき、金型100Aは、固定プラテン61に取り付けられたローラ支持体620の上にあるローラBRを通過し、搬送装置3Aに取り付けられたローラ33上を通過する。金型100Bの移動が停止すると、金型100Aは移動を停止する。
スライド3032に固定されたマニホールド430、およびケーブルキャリア400Bの端部410Bもまた、アクチュエータ3010による金型100Bの移動と同方向に移動する。金型100Bとマニホールド430およびケーブルキャリア400Bの端部420Bとの相対的な位置関係は変化しない。言い換えれば、金型100Bとマニホールド430およびケーブルキャリア400Bとの間の各種ケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Bの端部420Bは、フレーム30Bの底板に固定されているので、ケーブルキャリア400Bの端部420Bと温度調節器320およびホットランナー調節器330との間の各種ケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Bは、金型100Bの移動に伴って各種ケーブルをガイドするため、ケーブルの形状は変化する。端部410Bはスライド3032に固定され、端部420Bはフレーム30Bの底板に固定されているので、ケーブルキャリア400BのX軸方向に形成されたループが大きくなったり小さくなったりすることで、各種ケーブルの長さを調整する。
上述の構成の結果、ケーブルキャリア400A/400Bは、金型100A/100Bの移動とともに動作する。金型100A/100Bから延びるケーブルの移動は、それぞれケーブルキャリア400A/400Bによって制御されるので、ケーブルが金型100A/100Bの移動を妨げる可能性は低減する。ケーブルキャリア400Bの端部420Bは、金型100Bが移動するフレーム30Bの天板の下方に位置しているので、ケーブルが金型100Bの移動を妨げる可能性はさらに低減する。本例示的実施形態では、先の例示的実施形態のガイド部材450を使用していないので、本例示的実施形態が提供する構成は、先の例示的実施形態の構成よりも低コストであるとみなされる。
上述の本例示的実施形態の構成によれば、金型100Bに接続されるケーブルは、3つの領域に分けられる。第1領域は、金型100Bからケーブルキャリア400Bの端部410Bまでの領域である。第2領域は、ケーブルキャリア400Bの端部410Bからケーブルキャリア400Bの端部420Bまでの領域である。第3領域は、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから温度調節器320またはホットランナー調節器330までの領域である。第1領域は、金型100Bの移動に伴ってフレーム30Bに対して移動するが、ケーブルの形状は変化しない。第2領域はフレーム30Bに対して移動し、ケーブルの形状は変化する。第3領域はフレーム30Bに対して移動せず、フレーム30Bに固定される。
第2領域のケーブルの形状は変化するので、第2領域のケーブルは他の領域のケーブルよりも早く摩耗するおそれがある。第2領域を可能な限りフレーム30Bの下方に配置することで、温調ホースが摩耗して冷却水が漏れ出したとしても、冷却水がローラ32/33または搬送ユニット31Bに接触する可能性を低減することができる。
上述の本例示的実施形態の構成によれば、ケーブルに負荷がかかる第2領域を保護するために、ケーブルキャリア400A/400Bを設けた。しかし、この構成に限定されるものではない。別の例示的な実施形態では、各種ケーブルが十分な強度を有する場合は、必ずしもケーブルキャリア400A/400Bを設ける必要はない。
次に、射出装置5のノズル52のメンテナンスを行うための構成および手順について、図12を参照して説明する。ノズル52のメンテナンスは、射出シリンダ51内に位置するスクリュ51aを交換することにより行われる。成形樹脂の変更時または射出装置5に不具合が生じたときに、メンテナンスが必要となる。
メンテナンスを行うには、まず、金型100Aおよび100Bを、それぞれIMM2、搬送装置3A、および搬送装置3Bから排出する必要がある。このとき、安全扉302A~302Eのうちの少なくとも1つを開放することにより、金型100Aおよび100Bにアクセスすることができる。したがって、安全扉302A~302Eの大きさは、金型100Aおよび100Bの大きさよりも大きくする必要がある。
金型100Aおよび100Bを排出後、ノズル52の温度を特定の温度まで上昇させる。温度上昇中または温度上昇後に、回転中心RCEを中心として安全壁301D側に安全扉302Eを開放することができる。安全扉302Eを開放後、回転中心RCFを中心として操作側に射出装置5を回転させる。この位置をメンテナンス位置とする。上述の回転運動が生じる前に、射出装置5は、図1の位置からY軸に沿って前方に退避し、ノズル52が他の構成要素と接触しない状態を作り出す。図1に示す位置を射出位置とする。射出装置5の回転後、ノズル52の先端を取り外す。次いで、スクリュ51aと駆動部54とを分離させる。
図13は、シリンダ51から取り外したスクリュ51aを示す。ノズル52の先端を取り外すと、スクリュ51aがシリンダ51から飛び出す。スクリュ51aは、通常、鋼材からなるので、重量物である。したがって、スクリュ51aをクレーン(図示せず)で吊り上げる必要がある。スクリュ51aをクレーンで吊り上げた後、これらに限定することはないが、人手や特殊な治具等の様々な方法によってスクリュ51aを取り外すことができる。クレーンの吊り上げ位置の変更時や、クレーンの吊り上げ場所を増加させる際に、スクリュ51aの重心が考慮される。
スクリュ51aの取り外し後、クレーンでスクリュ51aを上方に吊り上げて特定の場所に配置する。必要な清掃作業の完了後、スクリュ51aとは異なるスクリュ51a’をクレーンで吊り上げ、図13に示すようにシリンダ51に対して平行に設置する。スクリュ51a’をシリンダ51に平行に設置後、クレーンでスクリュ51a’をシリンダ51内に徐々に挿入する。スクリュ51a’が駆動部54に接触すると、スクリュ51a’の挿入が完了したとみなされる。挿入が完了次第、スクリュ51a’と駆動部54とが連結され、ノズル52の先端が取り付けられる。ノズル52の先端の取り付け後、射出装置5は、回転中心RCFを中心として非操作側に回転し、フレーム10に対して平行になる。射出装置5がフレーム10に平行になると、回転中心RCEを中心としてIMM2側に安全扉302Eが閉鎖される。
安全扉302Eは、射出装置5が操作側に回転前は常に開放されており、射出装置5が非操作側に回転後は常に閉鎖されている。これにより、回転した射出装置5から取り外したスクリュ51aが安全扉302Eに干渉することを防止する。
上述したように、射出装置5の回転方向ならびに安全扉302Eの開閉方向および順序を指定することで、射出装置5のメンテナンスを行う際に、射出装置5と安全扉302Eとの干渉をなくすことができる。
図12に戻ると、安全扉302Aは、回転中心RCAを中心としてIMM2側に開放されている。安全扉302Bは、回転中心RCBを中心としてIMM2側に開放されている。安全扉302Cは、回転中心RCCを中心としてIMM2とは反対側に開放されている。安全扉302Dは、回転中心RCDを中心としてIMM2側に開放されている。この構成に限定されるものではない。
別の例示的な実施形態では、安全扉302A、302B、および302Dは、IMM2の反対側に開放することができ、一方、安全扉302Cは、IMM2側に開放することができる。別の例示的な実施形態では、スクリュ51aが長く、スクリュ51aをシリンダ51から取り外したときに、スクリュ51aが安全扉302E、302B、および302Cと干渉する可能性がある場合は、安全扉302Bおよび302Cは、図12に示す方向に開閉するように構成される。
上述の構成はまた、安全扉302Eを開放しようとしたときに、安全扉302Eがメンテナンス位置にある射出装置5に干渉してしまう場合にも適用できる。
図14は、安全扉302Eが安全壁301Dの側面にある場合に開放可能なスライド扉を有するIMM2を示す。別の例示的な実施形態では、スライド扉を完全に取り外すことができる。
図15aおよび図15bは、安全扉302EがX軸を中心に回転する構成を示す。図15は、Z軸方向から見た構成を示す図である。図15bは、X軸方向から見た構成を示す図である。図15aおよび図15bに示す構成により、安全扉302EがX軸を中心として下側に回転することが可能となる。別の例示的な実施形態では、安全扉302Eが上側に回転するように構成されている。
図16に示すように、安全扉302Dの回転方向は、射出装置5の位置とは逆方向に設定されている。これにより、安全扉302Dの移動が射出装置5に干渉しないようにする。別の実施形態では、図17に示すように、射出装置5の回転方向は、図12に示す方向とは逆方向であってもよい。これにより、安全扉302Eの開放方向およびその順序を安全扉302Dに適用することで、同様の主題に対処することが可能となる。
図1は、本開示の例示的な一実施形態による構成を示し、図18に示す構成に対する改良を提供する。図1に示すように、搬送装置3Aおよび3Bは、それぞれ安全壁301Aおよび安全壁301Bによって囲まれている。安全壁301A/301Bは、X軸方向に沿って配置された2つの平行な壁(以下、「第1の壁」という)と、Y軸方向に沿って配置された壁(以下、「第2の壁」という)とを含む。第1の壁の一端部は第2の壁に固定され、第1の壁の他端部はIMM2の外装板60(図4参照)に固定されている。
図1に示すように、安全壁301Aおよび301Bは、外装板とともに、それぞれ搬送装置3Aおよび3Bを囲い込む長方形の領域(以下、「搬送領域」という)を画定する。搬送装置3Aおよび3Bは、金型100Aおよび100Bを移動させるので、金型100Aおよび100Bを移動させるときには、操作者を搬送装置3Aおよび3Bから遠ざける必要がある。第1の壁の高さ、第2の壁の高さ、および搬送領域の大きさは、状況に特有のものであり、安全性および生産性を目的として必要に応じて設計される。別の例示的な実施形態では、搬送領域は、囲い込まれた領域である必要はない。しかし、このような構成において、装置、構成要素等の間に隙間が存在する場合には、これらの隙間の大きさは、操作者の指等の挿入を防止するために狭くなっている。
警報装置350A/350Bは、搬送装置3A/3BおよびIMM2に関連する安全性および生産性の状況/状態関連の通知を提供する。警報装置350A/350Bは、ブザー、1つまたは複数のLED、ディスプレイ、これらのいずれかの組み合わせ、または安全性および生産性関連情報の通知を可能にする他の何らかの装置、構成要素、方法であってもよい。警報装置350Aは搬送装置コントローラ42Aによって制御され、警報装置350Bは搬送装置コントローラ42Bによって制御される。警報装置350A/350Bは、通常、操作者が容易にアクセスできる場所に配置される。例示的な一実施形態では、警報装置350A/350Bは、安全壁301A/301Bの上面に位置する。別の例示的な実施形態では、射出成形システム1は、すべての搬送装置および射出成形機の状態/状況の通知を操作者に提供する1つの警報装置を含む。
安全壁301A/301Bは、ドアロック(図示せず)を有する安全扉302A/302Bを含む。安全壁301A/301Bおよび安全扉302A/302Bは、フレーム30A/30Bの天板上に位置している。安全扉302A/302Bは、例えば、操作者が搬送装置3A/3Bから金型100A/100Bを搬出するときに開放することができ、金型100A/100Bが搬送装置3A/3Bによって移動している間は、閉鎖して施錠することができる。安全扉302A/302Bは、各搬送領域の内側または外側から手動で開錠することができる。安全扉302A/302Bは、金型扉390A/390Bとの併用で、搬送装置3Aおよび3Bで作業する操作者にさらなる安全性を提供する。安全扉302A/302Bおよび/またはドアロックは、搬送装置コントローラ42A/42Bによって電子的に制御することができる。別の例示的な実施形態では、搬送装置3Aおよび3Bが金型100Aおよび100Bを移動させる間、搬送装置コントローラ42A/42Bは、安全扉302A/302Bを閉鎖および/または施錠して、操作者を搬送領域から遠ざける。
金型扉390Bが開放され、開口部60Bが露出すると、金型100Bの成形動作位置11からの排出および成形動作位置11への挿入が可能となる。金型扉390Bは、摺動可能であり、手動で開閉することができ、閉鎖されると開口60Bを閉鎖する。本実施形態では、金型扉390Bは摺動可能であるが、この移動方法に限定されるものではなく、金型扉390Bの開閉を可能にするいかなる方法も適用可能である。金型100Bを別の金型に交換する等の準備作業時には、金型扉390Bによって開口部60Bを閉鎖することができる。図示しないが、別の開口部がIMM2の反対側に形成される。
別の例示的な実施形態では、安全扉302A/302Bは、ドアロックの開閉状態を検出するセンサを含む。別の例示的な実施形態では、安全扉302Bが開放されると、コントローラ42Bは、搬送ユニット31Bが金型100Bを排出/挿入することを阻止する。これにより、操作者が金型100Bや搬送ユニット31Bの一部等の可動構成要素に接触する可能性が低減される。
別の例示的な実施形態では、1つの金型をIMM2の一側方から挿入すると、その側の搬送ユニット31Bが金型を挿入するためにIMM2内に入るので、IMM2のその側の金型扉は、通常、開放されたままである。金型100Aが断続的に移動する際に、操作者が金型100Aに触れないように、安全扉302Bは閉鎖されたままであるべきである。コントローラ42Bは、安全扉302Bが開放されると、射出成形工程を停止する。
さらに別の例示的な実施形態では、IMM2の同じ側にある安全扉302A/302Bおよび金型扉390A/390Bの両方の開放をコントローラ42A/42Bが検出することに応答して、コントローラ42A/42Bは、警報装置350A/350Bに警告を発出させる。警告の発出に加えて、射出成形工程を停止することができる。
上述したように、金型扉390A/390Bは手動で開閉することができる。別の例示的な実施形態では、射出成形システム1は、金型扉390A/390Bの開閉状態を検出するセンサを含むことができる。IMM2の一側方の金型扉390A/390Bは、IMM2の他側方から挿入した金型による射出成形中は閉鎖されたままであるべきである。搬送装置3Aによって金型100Aが、搬送装置3Bによって金型100Bが排出される場合は、搬送ユニット31Bが連結部3020を介して金型100Bに連結されているので、金型扉390Bは開放されているべきである。金型扉390Aは、操作者の安全のために閉鎖されたままであるべきであり、これは、金型100Aが排出されると、操作者が金型100Aを搬出して別の金型を準備できるためである。IMM2で射出成形中に金型扉390Aが開放されると、コントローラ41は、金型扉390Aの開放を検出し、射出成形工程を停止する。
金型扉390A/390Bが手動で開閉され、射出成形システム1が金型扉390A/390Bの開閉状態を検出するセンサを含む上記構成において、別の例示的な実施形態では、警報装置350A/350Bは、以下のような場合に警報または警告を発出することができる。
金型100Aが搬送装置3Aに排出されている場合、
金型100Bによる射出成形が行われている、または行われようとしている場合、および
金型扉390Aが開放されている場合
警報は、射出成形中に金型扉390Aが開放していることを操作者に通知する。金型扉390Aが閉鎖されたとき、あるいは射出成形システム1が型交換または型搬出処理の完了を検出したときに、警報を停止することができる。
別の例示的な実施形態では、金型扉390A/390Bが、コントローラ41により制御されるアクチュエータによって開閉される。本例示的実施形態では、金型100Aの排出後に、金型100Bによる射出成形が行われると、金型100Aの排出後に、金型扉390Aが強制的に閉鎖される。これにより、金型100Aの搬出/交換時の操作者の安全性が向上する。
本開示の実施形態は、記憶媒体(より完全には「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」と呼ばれることもある)に記録されたコンピュータ実行可能命令(例えば1つまたは複数のプログラム)を読み出して実行して、上述の1つまたは複数の実施形態の機能を実行し、かつ/または、上述の1つまたは複数の機能を実行するための1つまたは複数の回路(例えば特定用途向け集積回路(ASIC))を含む、システムまたは装置のコンピュータによって実現することもでき、また、例えば、記憶媒体からコンピュータ実行可能命令を読み出して実行して、上述の1つまたは複数の実施形態の機能を実行することにより、かつ/または、1つまたは複数の回路を制御して、上述の1つまたは複数の実施形態の機能を実行することにより、システムまたは装置のコンピュータによって実行される方法によって、実現することもできる。コンピュータは、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロ処理ユニット(MPU))を含んでもよく、コンピュータ実行可能命令を読み出して実行するための別個のコンピュータまたは別個のプロセッサのネットワークを含んでもよい。コンピュータ実行可能命令は、例えばネットワークや記憶媒体から、コンピュータに提供されてもよい。記憶媒体は、例えば、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、分散コンピューティングシステムの記憶装置、光ディスク(コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、またはBlu‐rayディスク(BD)(商標)等)、フラッシュメモリデバイス、メモリカード等のうちの1つまたは複数を含んでもよい。キーボード、ディスプレイ、マウス、タッチスクリーン、タッチレスインタフェース(例えばジェスチャ認識デバイス)、印刷デバイス、ライトペン、光学記憶デバイス、スキャナ、マイクロフォン、カメラ、ドライブ、通信ケーブルおよびネットワーク(有線または無線)等を含む入出力デバイスに対して通信インタフェースを提供するために、I/Oインタフェースを用いることができる。
定義
説明においては、開示する実施例が完全に理解されるように、具体的な詳細を記載している。他の例では、周知の方法、手順、構成要素、および回路については、本開示を不要に長くすることを避けるために、詳細には説明していない。
本明細書では、ある要素または部分が、別の要素または部分「の上にある」、「に接している」、「に接続されている」、または「に結合されている」と言及される場合、それは、直接にその別の要素または部分「の上にある」、「に接している」、「に接続されている」、または「に結合されている」こともあるし、あるいは介在する要素または部分が存在することもあることを理解されたい。これに対して、ある要素が、別の要素または部分「の上に直接にある」、「に直接に接続されている」、または「に直接に結合されている」と言及される場合には、介在する要素または部分は存在しない。「および/または」という用語を用いるときには、関連して列挙されている項目があれば、そのうちの1つまたは複数のあらゆる組合せを含む。
本明細書では、「の下(under)」、「の真下(beneath)」、「の下方(below)」、「の下側(lower)」、「の上方(above)」、「の上側(upper)」、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」等の空間的に相対的な用語を、様々な図面に示すある要素または特徴の別の(1つまたは複数の)要素または特徴に対する関係を記述する際に、説明を容易にするために用いることがある。しかし、これらの空間的に相対的な用語は、図面に示す配向に加えて、使用時または動作時における装置の様々な配向をも包含することを意図するものと理解されたい。例えば、図中の装置を反転した場合には、別の要素または特徴の「下方(below)」または「真下(beneath)」と記述された要素が、それらの別の要素または特徴の「上方(above)」に配向されることになる。したがって、「の下方(below)」等の相対的な空間用語は、上および下の両方の配向を包含することができる。装置は、その他の配向にすることもでき(90度またはその他の配向に回転させることもでき)、本明細書で用いる空間的に相対的な記述語は、それに応じて解釈されるものとする。同様に、「近位(proximal)」および「遠位(distal)」という相対的な空間用語も、適用可能な場合には、入れ換えることができることもある。
本明細書で用いる「約」という用語は、例えば、10%以内、5%以内、またはそれ未満を意味する。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、測定誤差内を意味することもある。
本明細書では、第1、第2、第3等の用語を、様々な要素、構成要素、領域、部分、および/または区画を説明するために用いることがある。これらの要素、構成要素、領域、部分、および/または区画は、これらの用語によって限定されないものと理解されたい。これらの用語は、単にある要素、構成要素、領域、部分、または区画を、別の領域、部分、または区画と区別するために用いているに過ぎない。したがって、以下に論じる第1の要素、構成要素、領域、部分、または区画は、本明細書の教示を逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、部分、または区画と呼ぶこともできる。
本明細書で用いる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することは意図していない。本開示を説明する文脈における(中でも、添付の特許請求の範囲の文脈における)「1つの(a,an)」および「前記/その(the)」という用語ならびに類似の指示語の使用は、本明細書で別段の指示がない限り、またはそうでないことが文脈から明らかでない限り、単数形および複数形の両方を含むと解釈されるものとする。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」および「含有する(containing)」という用語は、別段の言及がない限り、非限定用語(すなわち、「含むが、それに限定されない」を意味する)と解釈されるものとする。具体的には、本明細書でこれらの用語を用いるとき、記載する特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを指定するが、明示的には述べられていない1つまたは複数のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループが存在すること、あるいは追加されることを排除するものではない。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書で別段の指示がない限り、単にその範囲に該当する各別個の値について個々に言及する簡略表記法として機能するよう意図するものに過ぎず、各別個の値は、それが本明細書においては個々に記載されたかのごとく本明細書に組み込まれる。例えば、10~15の範囲を開示する場合には、11、12、13および14もまた開示される。本明細書に記載する全ての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、またはそうでないことが文脈から明らかでない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書に提示するあらゆる例または例示的な言葉(例えば「等の(such as)」)の使用は、単に本開示をより明確にすることを意図するものに過ぎず、別段に特許請求の範囲に記載がない限り、本開示の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言葉も、特許請求の範囲に記載のない任意の要素が、本開示の実施に必須であることを示すものではないと解釈されたい。
本開示の方法および構成は、様々な実施形態の形で組み込むことができ、そのほんの一部が本明細書に開示されているに過ぎないことを理解されたい。それらの実施形態の変形形態は、上述の説明を読めば、当業者には明白であろう。本発明者らは、当業者がそのような変形形態を必要に応じて採用するものと想定しており、また、本開示が、本明細書に具体的に記載されたものとは別様に実施されることを意図している。
したがって、本開示は、適用法により許容されるように、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される主題の全ての修正形態および均等物を含む。さらに、本明細書で別段の指示がない限り、またはそうでないことが文脈から明らかでない限り、その全ての可能な変形形態における上記要素の任意の組み合わせが、本開示に包含される。