JP7167055B2 - 適応型反同時計数システムを有する光子計数x線検出器システム - Google Patents

適応型反同時計数システムを有する光子計数x線検出器システム Download PDF

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Description

本発明は一般に、X線撮像およびX線検出器システムに関し、より具体的には、光子計数X線検出器システム、光子計数X線検出器システム用の反同時計数システム(anti-coincidence system)、ならびに反同時計数システムおよび対応するコンピュータプログラム製品などのコントローラに関する。
X線撮像などの放射線撮像は、医療用途および非破壊検査で長年にわたって使用されてきた。
通常、X線撮像システムは、X線源およびX線検出器システムを含む。X線源はX線を放出し、これは撮像される対象または物体を通過し、その後X線検出器システムによって記録される。一部の材料は他の材料よりも多くのX線を吸収するので、対象または物体の画像が形成される。X線検出器は、エネルギー統合検出器および光子計数検出器を含む、異なるタイプであってもよい。
X線撮像検出器の性能は、一般に検出量子効率(DQE)を使用して測定される。DQEは、検出システムからの出力中の信号対ノイズの二乗を、検出器への入力の信号対ノイズ比の二乗で除したもの、すなわち理想的な検出器によって測定されるであろう信号対ノイズ比の二乗によって除したものとして、定義される。DQEは画像中の空間周波数の関数である。DQEが高いほど、検出器性能がよく、測定画像中のノイズが少なくなる。
光子計数X線撮像における問題は、後に説明されるように、単一の光子によって、検出器画素または単に画素と呼ばれることもある、2つ以上の検出器素子でパルスが計数される可能性があることである。これは、いくつかのメカニズムによって引き起こされ得る。このようなメカニズムの1つは、光子相互作用によって発生した電荷雲が2つ以上の電極によって収集される、電荷共有である。別のこのようなメカニズムはコンプトン散乱であり、これによって光子は、第1画素内にエネルギーを蓄積し、次いで第2画素に伝播し、そこでより多くのエネルギーを蓄積する。二重計数を生じる可能性のある第3のメカニズムは、第1画素内の元のX線光子相互作用が原子の内部電子殻を励起状態にする蛍光発光であり、これは後に蛍光光子の放出によって脱励起され、第2画素によって再吸収される。これは、イベントの一部が2回カウントされることを意味し、これはランダムに発生するために検出器のDQEを低下させ、これによって画像ノイズを増加させる。さらに、光子の二重計数は、画像のボケを引き起こし、エネルギー分解能を低下させる可能性がある。したがって、正しい光子エネルギーを用いて相互作用の元の画素において、各光子を1回だけ記録することを目的とする。
この目的を達成するために、X線検出器に反同時計数ロジックを実装することが有益であるかも知れない。この反同時計数ロジックは、同時のイベントを検出し、同じ光子によって生じた同時のパルスが1回しかカウントされないことを保証することができる。このようなスキームは、相互作用の元の位置および元の光子エネルギーを推定するために記録されたパルス波高のセットに含まれる情報を使用するように、さらに改良されてもよい。
反同時計数ロジックスキームの問題は、互いに近い時間に到着する2つの光子によって発生したパルスを、単一の光子によって発生したものとして誤って識別する可能性があることである。これは、反同時計数ロジックが2つのパルスを元の同じ光子によって発生したと正しく識別する真の同時計数と対照的に、偽の同時計数と呼ばれる。
偽の同時計数は、計数の損失を引き起こすので、DQEを低下させて画像ノイズを増加させる。さらに、偽の同時計数は、同時計数される光子のエネルギーが合算された場合にエネルギー情報を歪める可能性がある。偽の同時計数の可能性が十分に高い場合、偽の同時計数の悪影響は光子計数の恩恵を上回る可能性がある。
光子計数検出器がコンピュータ断層撮影(CT)などの特定用途で役に立つために、検出器はその用途で発生する計数率(count rate)を処理できなければならない。
米国特許第6,559,453号明細書は、光子からの信号に隣り合うセンサ素子間の電荷共有の可能性の影響を受ける重量が与えられる、X線撮像におけるコントラスト情報を強化する方法に関する。
米国特許第7,214,944号明細書は、高計数率で真のイベントを偽のイベントと区別できるようにすることを目的として、異なる検出起訴しからの信号の時間的重複を比較する放射線検出装置に関する。
米国特許第7,473,902号明細書は、隣接する画素単位の電荷パルスが共に総電荷パルスに加算される、放射線写真を撮影する方法に関する。
米国特許第8,050,385号明細書は、同時計数の検出からの利点が偽の二重計数を誤って排除することによる不利益よりも大きくなるように調整される必要があるパラメータおよび閾値を有する同時計数検出ユニットに関する。
米国特許第9,031,197号明細書は、いくつかの間隔のうちの1つにパルスの高さを割り当て、隣接する画素の間隔への割り当ての組み合わせを分析することによって、電荷パルスの真の同時計数を検出する方法に関する。
T.Koenigらの刊行物“Charge Summing in Spectroscopic X-Ray Detectors with High-Z Sensors”,IEEE Transactions on Nuclear Science 60(6),4713-4718,2013は、隣接する画素内の収集された電荷の総和に基づく反同時計数ロジック実装に関する。この反同時計数ロジックは、低光子束で入射エネルギースペクトルの再構築を改善するが、5・10カウント/mm・sを超える高束では深刻な計数損失を引き起こす。
米国特許第9,207,332号明細書は、比較器によってデジタル化される前に隣り合う画素によって収集された電荷が合計される低束モードと、信号が比較器によってデジタル化される前に隣り合う画素からの電荷の加算が行われないが、隣り合う画素の結果的なカウントがデジタル化の後に合計される高束モードとを有する、X線検出器に関する。
米国特許出願第20160282476A1号明細書は、第1の計数モードで第1カウントを最初に測定し、このカウント値に基づいて第2の計数モードで第2カウント値を測定する、2つの計数モードを有するX線検出器に関する。
しかしながら、低入射光子束および高入射光子束の両方で良好な画質を提供する改良された反同時計数ロジックを有する検出器の受容が依然として存在する。
米国特許第6,559,453号明細書 米国特許第7,214,944号明細書 米国特許第7,473,902号明細書 米国特許第8,050,385号明細書 米国特許第9,031,197号明細書 米国特許第9,207,332号明細書 米国特許出願第20160282476A1号明細書
T.Koenig et al."Charge Summing in Spectroscopic X-Ray Detectors with High-Z Sensors",IEEE Transactions on Nuclear Science 60(6),4713-4718,2013
したがって、一般的な目的は光子計数X線検出器システム用の改善された反同時計数ロジックを提供することである。
具体的な目的は、光子計数X線検出器システムを提供することである。
別の目的は、光子計数X線検出器システム用の反同時計数システムを提供することである。
さらに別の目的は、光子計数X線検出器システムの反同時計数システム用のコントローラを提供することである。
もう1つの目的は、対応するコンピュータプログラム製品を提供することである。
これらおよびその他の目的は、提案された技術の実施形態によって満たされる。
第1の態様によれば、複数の光子計数チャネルと、少なくとも1つの反同時計数回路とを備え、その各々がチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されている、光子計数X線検出器システムが提供される。X線検出器システムは、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を徐々に適応させることによって、光子計数情報に基づいて前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を制御するように構成された反同時計数コントローラを、さらに備える。
このようにして、提案された技術は、入射光子束率に関係なく良好な画質を提供する。本発明者らは、測定された計数率に基づく(1つまたは複数の)反同時計数回路の動作の急激な変化がX線画像のアーチファクトを引き起こす可能性があること、および計数率の増加を伴う(1つまたは複数の)反同時計数回路の動作の漸進的な適応が画像中のこのようなアーチファクトを除去または少なくとも低減することを、認識した。
具体的には、提案された技術は、計数率の増加を伴う(1つまたは複数の)反同時計数回路の影響を徐々に制限すること、たとえば滑らかな計数率特性を提供することを可能にし、これによって画像アーチファクトを回避する。
第2の態様によれば、複数の光子計数読み出しチャネルを有し、反同時計数システムは少なくとも1つの反同時計数回路を備え、その各々がチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されている、光子計数X線検出器システム用の反同時計数システムが提供される。反同時計数システムは、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を徐々に適応させることによって、光子計数情報に基づいて前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を制御するように構成された反同時計数コントローラを、さらに備える。
第3の態様によれば、複数の光子計数読み出しチャネルを有し、反同時計数システムは少なくとも1つの反同時計数回路を備え、その各々がチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されている、光子計数X線検出器システムの反同時計数システム用のコントローラが提供される。コントローラは、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を徐々に適応させることによって、光子計数情報に基づいて前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を制御するように構成されている。
第4の態様によれば、プロセッサによって実行されるとき、複数の光子計数読み出しチャネルを有する光子計数X線検出器システムの反同時計数システムを制御するためのコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品が提供される。反同時計数システムは少なくとも1つの反同時計数回路を備え、その各々がチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されている。コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を徐々に適応させることによって、光子計数情報に基づいて前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を制御させる、命令を備える。
さらに別の態様によれば、このような光子計数X線検出器システムを備えるX線撮像システムも提供される。
他の利点は、詳細な説明を読めば理解されるだろう。
実施形態は、その目的および利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明を参照することで、最もよく理解されるだろう。
全体的なX線撮像システムの一例を示す概略図である。 X線撮像システムの別の例を示す概略図である。 3つの異なるX線管電圧のエネルギースペクトルの例を示す概略図である。 光子計数のメカニズムの一例を示す概略図である。 例示的な実施形態によるX線検出器の概略図である。 例示的な実施形態による半導体検出器モジュールの一例を示す概略図である。 別の例示的な実施形態による半導体検出器モジュールの一例を示す概略図である。 さらに別の例示的な実施形態による半導体検出器モジュールの一例を示す概略図である。 一実施形態による、複数の光子計数チャネルおよび少なくとも1つの反同時計数回路および関連する反同時計数コントローラを有する光子計数X線検出器システムを示す概略図である。 光子計数X線検出器システム内に実装された反同時計数システムの別の例を示す略図である。 反同時計数ロジックありおよびなし、ならびに提案された計数率依存反同時計数ロジックありの検出器の計数率特性の例を示す概略曲線図である。 反同時計数ロジックありおよびなし、ならびに提案された計数率依存反同時計数ロジックありの検出器の計数率特性の例を示す概略曲線図である。 反同時計数ロジックありおよびなし、ならびに提案された計数率依存反同時計数ロジックありの検出器の計数率特性の例を示す概略曲線図である。 一実施形態によるコンピュータ実装の一例を示す概略図である。
図1を参照して、説明的なX線撮像システム全体の簡単な概要から始めることが有用かも知れない。この非限定例では、X線撮像システム100は基本的に、X線源10、X線検出器システム20、および関連する画像処理装置30を備える。一般に、X線検出器システム20は、任意選択的なX線光学系によって集束され、物体または対象もしくはこれらの一部を通過した可能性のあるX線源10からの放射線を記録するように構成されている。X線検出器システム20は、画像処理装置30による画像処理および/または画像再構築を可能にするために、適切なアナログ処理および読み出しエレクトロニクス(X線検出器システム20に組み込まれてもよい)を介して画像処理装置30に接続可能である。
図2に示されるように、X線撮像システム100の別の例は、X線を放出するX線源10と、物体を通過した後のX線を検出するX線検出器システム20と、検出器からの生の電気信号を処理してこれをデジタル化するアナログ処理回路25と、補正の適用、その一時的な記憶、またはフィルタリングなどのさらなる処理動作を測定データに対して実行できるデジタル処理回路40と、処理済みデータを記憶してさらなる後処理および/または画像再構築を実行できるコンピュータ50と、を備える。
検出器全体は、X線検出器システム20、または関連するアナログ処理回路25と組み合わせられたX線検出器システム20と見なされてもよい。
デジタル処理回路40および/またはコンピュータ50を含むデジタル部はデジタル画像処理システム30と見なされてもよく、これはX線検出器からの画像データに基づいて画像再構築を実行する。したがって、画像処理システム30は、コンピュータ50、あるいはデジタル処理回路40およびコンピュータ50の組み合わせシステム、または場合により、デジタル処理回路が画像処理および/または再構築にもさらに特化された場合にはそれ自体がデジタル処理回路40として見なされてもよい。
一般的に使用されるX線撮像システムの一例はコンピュータ断層撮影(CT)システムであり、これは、X線の扇状ビームまたは円錐ビームを生成するX線源と、患者または物体を透過するX線の部分を記録するための対向するX線検出器システムとを含んでもよい。X線源および検出器システムは通常、撮像された物体の周りを回転するガントリ内に実装されている。
したがって、図2に示されるX線源10およびX線検出器システム20はこのように、たとえばCTガントリ内に実装可能であるなど、CTシステムの一部として配置されてもよい。
X線撮像検出器の課題は、物体または対象の画像に入力を提供するために検出されたX線から最大の情報を抽出することであり、物体または対象は、密度、組成、および構造に関して描写される。フィルムスクリーンを検出器として使用することは依然として一般的であるが、最も一般的には、こんにちの検出器はデジタル画像を提供する。
現代のX線検出器は通常、入射X線を電子に変換する必要があり、これは典型的には光吸収またはコンプトン相互作用を通じて行われ、その結果生じる電子は通常、そのエネルギーが失われるまで、二次可視光を生成し、次にこの光が感光性材料によって検出される。半導体に基づく検出器もあるが、この場合、X線によって生成された電子は、印加された電界を通じて収集される電子正孔対に関して電荷を生成している。
従来のX線検出器はエネルギー積算型であるので、各検出光子から検出信号への貢献はそのエネルギーに比例し、従来のCTでは単一のエネルギー分布に対して測定値が取得される。したがって、従来のCTシステムによって生成された画像は特定の外観を有し、異なる組織または材料が特定の範囲内で典型的な値を示す。
光子計数検出器もまた、いくつかの用途で実現可能な代替として登場した。現在、これらの検出器は主にマンモグラフィにおいて商業的に入手可能である。原則的に各X線のエネルギーが測定可能であり、これは物体の組成に関する追加情報を生み出すので、光子計数検出器は利点を有する。この情報は、画質を向上させるため、および/または放射線量を低減するために、使用され得る。
エネルギー積算システムと比較して、光子計数CTは以下の利点を有する。第1に、エネルギー統合検出器によって信号に組み込まれる電子ノイズは、光子計数検出器内のノイズフロアより上に最も低いエネルギー閾値を設定することによって拒絶され得る。第2に、エネルギー情報は検出器によって抽出されることが可能であり、これは最適なエネルギー重み付けによってコントラスト対ノイズ比を改善できるようにし、またいわゆる材料別の分解も可能にし、これによって検査の対象または物体中の異なる材料および/または成分を識別および定量化することができ、効率的に実行される。第3に、たとえばヨウ素またはガドリニウムなどの造影剤の分布を定量的に判断できるようにする、Kエッジ撮像(K-edge imaging)に寄与する3つ以上の基礎材料が使用されてもよい。第4に、検出器の残光がなく、これは高い角度分解能が得られることを意味する。最後になったが、より小さい画素サイズを使用することによってより高い空間分解能が達成され得る。
光子計数X線検出器の最も有望な材料は、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)、およびシリコン(Si)である。CdTeおよびCZTは臨床CTで使用される高エネルギーX線の高吸収効率のためにいくつかの光子計数スペクトルCTプロジェクトで採用されている。しかしながら、これらのプロジェクトはCdTe/CZTのいくつかの欠点のためゆっくりと進行している。CdTe/CZTは電荷キャリア移動度が低いため、臨床現場で発生する10分の1の束率で深刻なパルスパイルアップを引き起こす。この問題を緩和する方法の1つは画素サイズを縮小することであるが、これは電荷共有およびKエスケープの結果としてスペクトルの歪みを増大させる。また、CdTe/CZTは電荷トラップの影響を受けるが、これは光子束が特定レベルより上に到達したときに出力計数率の急速な低下を引き起こす分極を招く。
対照的に、シリコンは電荷キャリア移動度が高く、分極の問題がない。成熟した製造プロセスおよび比較的低いコストもまたその利点である。しかし、シリコンはCdTe/CZTにはない制限を有する。したがって、シリコンセンサは、その低阻止能を補償するためにかなり厚くなければならない。典型的には、シリコンセンサは入射光子のほとんどを吸収するために数センチメートルの厚さを必要とするが、CdTe/CZTは数ミリメートルしか必要としない。一方、シリコンの長い減衰経路は、以下に説明されるように、検出器を異なる深さセグメントに分割することも可能にする。そしてこれは、シリコンベースの光子計数検出器がCT内で高束を適切に処理できるようにする。
シリコンまたはゲルマニウムなどの単純な半導体材料を使用するとき、コンプトン散乱は、検出器内の電子正孔対への変換の前に多くのX線光子を高エネルギーから低エネルギーに変換させる。これにより、元々高いエネルギーで、大部分のX線光子を生じ、予想されたよりもはるかに少ない電子正孔対を生成し、ひいては光子束のかなりの部分がエネルギー分布の下端に現れる。したがって、可能な限り多くのX線光子を検出するためには、可能な限り低いエネルギーを検出する必要がある。
図3は、3つの異なるX線管電圧のエネルギースペクトルの例を示す概略図である。エネルギースペクトルは、低エネルギー範囲でのコンプトンイベントおよび高エネルギー範囲での光電吸収イベントを含む、異なるタイプの相互作用の混合からの蓄積エネルギーによって蓄積される。
X線撮像のさらなる開発は、スペクトルX線撮像としても知られるエネルギー分解X線撮像であり、いくつかの異なるエネルギーレベルでX線透過率が測定される。これは、異なるX線スペクトルを放出する2つ以上のX線源を使用することによって、またはエネルギービンとも呼ばれる2つ以上のエネルギーレベルの入射放射線を測定するエネルギー識別検出器を使用することによって、2つの異なる放出スペクトル間で線源を迅速に切り替えさせることによって達成され得る。
以下では、図4を参照して、エネルギー識別光子計数検出器の一例を簡単に説明する。この例では、各記録光子は1セットの閾値と比較される電流パルスを生成し、これによって複数のエネルギービンに入射する光子の数をカウントする。
一般に、コンプトン散乱後の光子も含むX線光子は、半導体検出器の中の電子正孔対に変換され、電子正孔対の数は一般に、光子エネルギーに比例する。電子と正孔はその後、検出器の電極に向かってドリフトし、その後検出器を離れる。このドリフトの間、電子と正孔は電極内に電流を誘発し、電流は、図4に概略的に示されるように、たとえば電荷感応増幅器(CSA)、次いで整形フィルタ(SF)を通じて、測定され得る。
1つのX線イベントからの電子と正孔の数はX線エネルギーに比例するので、1つの誘導電流パルス中の総電荷はこのエネルギーに比例する。電流パルスはCSA内で増幅され、次いでSFフィルタによってフィルタリングされる。SFフィルタの適切な整形時間を選択することによって、フィルタリング後のパルス振幅は電流パルス中の総電荷に比例し、したがってX線エネルギーに比例する。SFフィルタに続いて、パルス振幅は、1つ以上の比較器(COMP)における1つまたはいくつかの閾値(Thr)と比較することによって測定され、パルスが閾値よりも大きいケースの数を記録できるカウンタが導入される。このようにして、特定の時間枠内で検出されたそれぞれの閾値(Thr)に対応するエネルギーを超えるエネルギーを有するX線光子の数をカウントおよび/または記録することが可能である。
いくつかの異なる閾値を使用すると、検出された光子が様々な閾値に対応するエネルギービンに分類される、いわゆるエネルギー識別検出器が得られる。このタイプの検出器は、マルチビン検出器とも呼ばれることがある。
一般に、新しい情報が利用可能であって従来の技術に内在する画像アーチファクトが除去できれば、エネルギー情報によって新しい種類の画像を作成することができるようになる。
言い換えると、エネルギー識別検出器では、パルス波高は比較器内の複数のプログラム可能な閾値と比較され、パルス波高にしたがって分類され、これはエネルギーに比例する。
しかしながら、あらゆる電荷感応増幅器に内在する問題は、検出電流に電子ノイズを加えることである。したがって、実際のX線光子の代わりにノイズを検出するのを回避するためには、ノイズ値が閾値を超えた回数がX線光子の検出を妨げないよう十分低くなるように、最低閾値(Thr)を十分に高く設定することが重要である。
最低閾値をノイズフロアよりも高く設定することによって、X線撮像システムの放射線量の削減における主要な障害である電子ノイズを著しく削減できる。
吸収効率を増加させるために、検出器はエッジオンに配置されることが可能であり、その場合、吸収深さはいずれの長さで選択されてもよく、検出器は依然として非常に高い電圧にならずに完全に空乏化され得る。
特に、シリコンは、電荷キャリア(電子正孔対)の生成に必要な高純度および低エネルギー、ならびにこれらの電荷キャリアの高移動度など、検出器材料として多くの利点を有しており、これは高率のX線であっても機能することを意味する。シリコンはまた、大量に容易に入手できる。
シリコンの主要な課題は、原子番号と密度が低いことであり、これはより高いエネルギーに対して効率的な吸収体となるためには非常に厚くしなければならないことを意味する。低い原子番号はまた、検出器内のコンプトン散乱したX線光子の割合が光吸収光子を支配していることを意味し、これは散乱した光子が検出器内の他の画素内で信号を誘発する可能性があり、これらの画素中のノイズと同等となるため、散乱した光子の問題を引き起こす。しかしながら、シリコンは、たとえばM.Danielsson,H.Bornefalk,B.Cederstrom,V.Chmill,B.Hasegawa,M.Lundqvist,D.Nygren and T.Tabar,”Dose-efficient system for digital mammography”,Proc.SPIE,Physics of Medical Imaging,vol.3977,pp.239-249 San Diego,2000によって概説されるような低エネルギーの用途においてうまく使用されている。シリコンの低吸収効率の問題を克服する方法の1つは、単に非常に厚くすることであり、シリコンはおよそ500μm厚のウエハに製造され、これらのウエハは、X線がエッジオンで入射し、シリコンの深さが必要に応じてウエハの直径と同等になり得るように配向され得る。
シリコンを高効率が得られる十分な深さにする別の方法は、1999年のSherwood Parkerの米国特許第5,889,313号明細書“Three dimensional architecture for solid state radiation detectors”で提唱されており、これは発明的な方法であるが、商業的な撮像検出器で使われてこなかった理由であり得るいくつかの非標準的な製造方法を伴う。
我々が見つけられたX線検出器としてエッジオンジオメトリにおける結晶シリコンストリップ検出器の最初の言及は、R.Nowotny:”Application Of Si-Microstrip-detectors In Medicine And Structural Analysis”Nuclear Instruments and Methods in Physics Research 226(1984)34-39である。シリコンは、***撮影向けなど低エネルギーでは動作するが、主にコンプトン散乱の割合が高くこれにかかわる問題のため、コンピュータ断層撮影などの高エネルギーでは動作しないと結論づけられている。
半導体検出器のエッジオンジオメトリは、Robert Nelsonの米国特許第4,937,453号明細書“X-ray detector for radiographic imaging”、David Nygrenの米国特許第5,434,417号明細書“High resolution energy-sensitive digital X-ray”、およびRobert Nelsonの米国特許出願公開第2004/0251419号明細書でも提案されている。米国特許出願公開第2004/0251419号明細書では、エッジオン検出器はいわゆるコンプトン撮像に使用され、元のX線のエネルギーを推定するために、コンプトン散乱したX線のエネルギーおよび方向が測定される。コンプトン撮像の方法は、長い間文献で議論されてきたが、主にポジトロン放出断層撮影などのX線撮像で採用されるよりも高いエネルギーに適用される。コンプトン撮像は本発明とは関係ない。
S Shoichi Yoshida,Takashi Ohsugiによる論文”Application of silicon strip detectors to X-ray computed tomography”Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 541(2005)412-420では、エッジオン概念の実装が概説されている。この実装では、エッジオンシリコンストリップ検出器の間に配置された薄いタングステンプレートが、散乱したX線のバックグラウンドを減少させ、低い線量で画像コントラストを改善する。実装は、R.Nowotny:”Application Of Si-Microstrip-Detectors In Medicine And Structural Analysis”Nuclear Instruments and Methods in Physics Research 226(1984)34-39によって提案されたものと非常によく似ている。
CdZnTeなどの高Z材料に基づく光子計数半導体検出器についていくつかの提案がなされており、臨床画像もまたプロトタイプ検出器で取得されてきた。これらの材料の欠点は、コストおよび生産量での経験不足である。
米国特許第8,183,535号明細書は、光子計数エッジオンX線検出器の一例を開示している。この特許では、全体的な検出器領域を形成するために一緒に配置された複数の半導体検出器モジュールがあり、各半導体検出器モジュールは、入射X線に対してエッジオンで配向され、X線センサにおいて相互作用するX線の記録のための集積回路に接続された、X線センサを備える。
半導体検出器モジュールは通常、半導体検出器モジュールの少なくともいくつかの間に組み込まれた散乱防止モジュールを除き、ほぼ完璧な幾何学的効率を有するほぼ任意のサイズの完全な検出器を形成するために、一緒に並べられる。好ましくは、各散乱防止モジュールは、半導体検出器モジュール内のコンプトン散乱X線のほとんどが隣接する検出器モジュールに到達するのを防ぐために、比較的重い材料の箔を含む。
図5は、例示的な実施形態によるX線検出器の概略図である。この例では、X線(C)を放出するX線源(B)を有するX検出器(A)の概略図が示されている。検出器の素子(D)は、線源を指しており、したがって好ましくはわずかに湾曲した全体構成で配置されている。検出器の2つの可能な走査運動(E、F)が示されている。各走査運動では、線源は静止していても移動していてもよく、(E)で示される走査運動では、X線源および検出器はその間に位置する物体の周りを回転してもよい。(F)で示される走査運動では、検出器および線源は物体に対して並進してもよく、または物体は移動していてもよい。走査運動(E)でも、物体は回転中に並進してもよく、らせん走査と呼ばれる。例として、CT実装では、X線源および検出器は、撮像される物体または対象の周りを回転するガントリ内に実装されてもよい。
図6は、例示的な実施形態による半導体検出器モジュールの一例を示す概略図である。これは、検出器画素または画素22に分割されたセンサ部21を有する半導体検出器モジュールの一例であり、各検出器素子(または画素)は通常、重要な構成要素として電荷収集電極を有するダイオードに基づいている。X線は、半導体センサの端部を通って入射する。
図7は、別の例示的な実施形態による半導体検出器モジュールの一例を示す概略図である。この例では、半導体センサ部21はまた深さ方向のいわゆる深さセグメント22に分割され、やはりX線は端部を通って入射すると想定される。
通常、検出器素子は、検出器の個々のX線感応小素子である。一般に、光子相互作用は検出器素子内で発生し、こうして生成された電荷は検出器素子の対応する電極によって収集される。
各検出器素子は典型的に、一連のフレームとして入射X線束を測定する。フレームは、フレーム時間と呼ばれる指定された時間間隔の間の測定データである。
検出器のトポロジーに応じて、検出器素子は、特に検出器がフラットパネル検出器であるとき、画素に対応し得る。深さセグメント化検出器は複数の検出器ストリップを有すると見なされてもよく、各ストリップは複数の深さセグメントを有する。このような深さセグメント化検出器では、特に深さセグメントの各々がそれ自身の個々の電荷収集電極に関連付けられている場合、各深さセグメントが個々の検出器素子と見なされ得る。
深さセグメント化検出器の検出器ストリップは通常、普通のフラットパネル検出器の画素に対応する。しかしながら、深さセグメント化検出器を三次元画素アレイと見なすこともまた可能であり、各画素は(ボクセルと呼ばれることもある)は個々の深さセグメント/検出器素子に対応する。
半導体センサは、電気配線用および好ましくはいわゆるフリップチップ技術を通じて取り付けられる複数の特定用途向け集積回路(ASIC)向けのベース基板として使用されるという意味において、半導体センサはいわゆるマルチチップモジュール(MCM)として実装され得る。配線は、各画素または検出器素子からASIC入力への信号用の接続、ならびにASICから外部メモリおよび/またはデジタルデータ処理への接続を含む。ASICへの電力は、これらの接続において大電流に必要とされる断面積の増加を考慮して類似の配線を通じて供給されるが、電力はまた別個の接続を通じて供給されてもよい。ASICはアクティブセンサの側に位置してもよく、これは、吸収カバーが上に配置された場合に入射X線から保護されることが可能であり、やはりこの方向に吸収体を位置決めすることによって側面からの散乱X線からも保護され得ることを意味する。
図8は、半導体検出器モジュールの一例を示す概略図である。この例では、米国特許第8,183,535号明細書と同様に、どのようにしたら半導体検出器(モジュール)20のセンサ領域21もまたマルチチップモジュール(MCM)に基板の機能を有することができかが示されている。信号は、信号経路23によって画素22から、アクティブセンサ領域の隣に位置する並列処理回路24(たとえばASIC)の入力に、ルーティングされる。特定用途向け集積回路(ASIC)という用語が、特定用途向けに使用および構成された任意の汎用集積回路として広く解釈されることは、理解されるべきである。ASICは、各X線から生成された電荷を処理し、光子を検出するため、および/または光子のエネルギーを推定するために使用され得るデジタルデータに変換する。ASICは、MCMの外部に配置されたデジタル処理回路および/またはメモリへの接続のために構成されてもよく、最終的にデータは、画像を再構築するための入力として使用される。
提案された技術は一般に、光子計数情報に基づいて制御される反同時計数ロジックを有する光子計数検出器システムに関し、得られたカウント測定値は入力計数率を滑らかに変化させる関数である。
本発明者らは、より高い入射光子束に対応して、計数率の増加と共に偽の同時計数の確率が増加することを認識した。偽の同時計数の確率はまた、反同時計数ロジックの範囲と共に増加し、範囲は、反同時計数ロジックが2つの画素内のパルスを同じ元の光子に属するものとして識別できるようにする画素間の最大距離として定義される。
提案された技術は、複数の光子計数読み出しチャネルを備える光子計数X線検出器システムに関し、チャネルのうちの少なくとも2つは、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成された適応型反同時計数システム(adaptive anti-coincidence system)に接続され、反同時計数ロジックの動作は光子計数情報に基づいて適応または制御され、検出器システムの出力は入力計数率を滑らかに変化させる関数である。
反同時計数システムは、反同時計数ロジックまたは反同時計数回路と呼ばれることがある。
例として、反同時計数システムの動作は光子計数情報に応じて変化してもよい。言い換えると、反同時計数システムは、光子計数情報に応じて異なる動作をするように構成されてもよい。
たとえば、動作は、たとえば測定もしくは推定された光子計数率に基づいて、または所与の期間中のカウント数に基づいて、光子束率に適応され得る。
言い換えると、光子計数情報は、推定光子計数率を表す情報および/または所与の期間中のカウント数を表す情報を含むことができる。
特定の例では、反同時計数システムの動作は、異なる入射光子束率を異なる方法で処理できるようにするために、光子計数情報に応じて適応される。このようにして、計数率適応型反同時計数システムが得られる。
特定の例では、反同時計数システムは、光子計数情報に基づいて選択的に有効化および/または無効化されてもよい。
たとえば、反同時計数ロジックは、低計数率で有効化され、高計数率で無効化されてもよい。このようにして、反同時計数ロジックはアクティブになり、偽の同時計数を記録する能力が低い低計数率で改善されたDQEを付与することができる。高計数率では、ACLは非アクティブ/不活性/無効であってもよく、したがって、偽の同時計数のため計数損失を引き起こさず、またはエネルギー分解能を低下させない。高計数率では、反同時計数ロジックが使用されないため、二重計数はDQEをある程度低下させる。しかしながら、このDQE損失は警備であり、反同時計数ロジックが有効化された場合に計数損失によって引き起こされるであろう深刻な低下よりも好ましい。CT画像でのノイズレベルは最もノイズの多い投影線、すなわち光子計数率が最も低い投影線に支配されているため、再構築画像内のノイズレベルでのDQEの低下は一般に、再構築画像の品質に対して軽微な影響しか及ぼさない。したがって、高計数率でのDQEの低下は、画像ノイズへの支配的な寄与に影響しない。
本発明者らは、出力計数率がその後特定の入力計数率で急激に変化し、これが再構築画像中に急激なエッジまたはストリークを生じる可能性があるため、アクティブから非アクティブ反同時計数ロジックへの急激な遷移が画像中にアーチファクトを引き起こす可能性があることを、さらに認識した。例として、このために反同時計数システムは、後に例示されるように、高いまたは増加した計数率で徐々に無効化され得る。言い換えると、計数率の増加に伴うアクティブから非アクティブ反同時計数ロジックへの遷移は漸進的であり得る。
特定の例では、反同時計数システムは、複数の深さセグメントを有する検出器に実装されてもよい。
たとえば、考慮される検出器画素の1つの深さセグメントにおけるACLの動作は、検出器画素内の別の深さセグメントにおける計数情報、および/または検出器画素内の2つ以上の深さセグメントにおける計数情報に応じて適応されてもよい。
図9は、一実施形態による、複数の光子計数チャネルおよび少なくとも1つの反同時計数回路および関連する反同時計数コントローラを有する光子計数X線検出器システムを示す概略図である。
この例では、光子計数X線検出器システム200は、複数の光子計数チャネル220と、少なくとも1つの反同時計数回路230とを備え、その各々がチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されている。X線検出器システムは、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記少なくとも1つの反同時計数回路230の動作を徐々に適応させることによって、光子計数情報に基づいて前記少なくとも1つの反同時計数回路230の動作を制御するように構成された反同時計数コントローラ240を、さらに備える。
通常、各光子計数チャネル220は対応する検出器素子210に接続されてもよく、その各々は典型的に電荷収集電極を有している。
例として、反同時計数コントローラ240は、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら(1つまたは複数の)反同時計数回路を徐々に無効化することによって、前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を制御するように構成されてもよい。
たとえば、反同時計数コントローラは、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら(1つまたは複数の)反同時計数回路を徐々に無効化し、第2閾値率で無効状態に到達するように構成されてもよい。
特定の例では、反同時計数回路は、パルス形状および入射の時間に関する1セットの規則(rule)および/または設定(setting)に基づいて、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成され、1セットの規則および/または設定は計数率を増加させながら徐々に適応する。
たとえば、反同時計数コントローラは、計数率特性を滑らかな関数にするために、計数率を増加させながら1セットの規則および/または設定を徐々に適応させるように構成されてもよい。
一例として、反同時計数コントローラは、反同時計数回路が計数率を増加させながら無効化される時間の割合を徐々に増加させるように構成されてもよい。
たとえば、反同時計数コントローラは、反同時計数回路がフレーム毎またはフレームのセット毎に無効化される時間の割合を徐々に増加させるように構成されてもよい。
特定の例では、前記少なくとも1つの反同時計数回路は、少なくとも1つのフレームの少なくとも一部の間に少なくとも1つのチャネル内で有効化されてもよく、および/または前記少なくとも1つの反同時計数回路は、少なくとも1つのフレームで少なくとも1つのチャネル内で無効化されてもよい。
任意選択的に、反同時計数コントローラは、計数率を増加させながら、(1つまたは複数の)反同時計数回路がそのイベントを同じ光子に由来すると見なすことができるイベント間の最大時間分離を徐々に減少させるように構成されてもよい。
あるいは、または補足として、反同時計数コントローラは、計数率を増加させながら(1つまたは複数の)反同時計数回路によって処理されるイベントの割合を徐々に低下させるように構成されてもよい。
特定の例では、反同時計数コントローラは、計数率を増加させながら反同時計数回路の近接範囲(neighborhood range)を徐々に減少させるように構成されている。
一例として、X線検出器システムは、各々が対応する光子計数チャネルに接続された、複数の検出器素子を備え、近接範囲は、反同時計数回路の接続されたチャネルに関連付けられた検出器素子間の最大許容距離を定義する。
ゼロ距離は、反同時計数回路の接続されたチャネルに関連付けられた検出器素子が互いに隣接している、いわゆる最近接であることを暗示している。1の距離は、検出器素子またはチャネルが2番目に近い近接であってその間に1つの検出器素子があることなどを意味する。
任意選択的に、反同時計数コントローラは、計数率を増加させながら総蓄積光子エネルギーの推定値を徐々に変更するように構成されてもよい。
例として、X線検出器システム200は、各々が対応する光子計数チャネルに接続された、複数の検出器素子210を備えてもよい。
特定の例では、X線検出器システムは、深さセグメント化されたエッジオンX線検出器に基づいてもよく、各検出器ストリップは少なくとも2つの深さセグメントに細分化され、その各々が個々の検出器素子として構成されている。
たとえば、少なくとも1つの検出器ストリップの少なくとも1つの深さセグメントに接続された第1の反同時計数回路は、光子計数情報に基づいて、同じ検出器ストリップ内の少なくとも1つの別の深さセグメントに接続された第2の反同時計数回路とは異なる方法で動作するように構成されてもよい。
任意選択的に、少なくとも1つの検出器ストリップの少なくとも1つの深さセグメントのための反同時計数回路の動作は、同じ検出器ストリップ内の少なくとも1つの別の深さセグメントの光子計数情報に基づいて、および/または同じ検出器ストリップに属する複数の深さセグメントにおける光子計数情報に基づいて、適応または制御されてもよい。
一例として、光子計数情報は、推定光子計数率を表す情報および/または所与の期間中のカウント数を表す情報を含むことができる。
たとえば、光子計数情報は、少なくとも1つの計数率パラメータに基づいてもよく、これは少なくとも1つのチャネル内で以前に計算されたものである。
特定の例では、反同時計数コントローラ240は、接続されたチャネルとは別個の少なくとも1つの別のチャネルに関する光子計数情報に基づいて、複数の接続されたチャネルのための反同時計数回路の動作を徐々に適応させるように構成されている。
好ましくは、前記少なくとも1つの反同時計数回路は、元の光子相互作用のチャネルを識別するように、および/または元の光子の総エネルギーを推定するように、構成されてもよい。
提案された技術はまた、複数の光子計数読み出しチャネル220を有する光子計数X線検出器システム200のための反同時計数システム250にも関する。反同時計数システム250は少なくとも1つの反同時計数回路230を備え、その各々がチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されている。反同時計数システム250は、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を徐々に適応させることによって、光子計数情報に基づいて前記少なくとも1つの反同時計数回路230の動作を制御するように構成された反同時計数コントローラ240を、さらに備える。
別の態様では、提案された技術はまた、複数の光子計数読み出しチャネル220を有する光子計数X線検出器システムの反同時計数システム250のためのコントローラ240にも関する。反同時計数システム250は少なくとも1つの反同時計数回路230を備え、その各々がチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されている。コントローラ240は、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記少なくとも1つの反同時計数回路230の動作を徐々に適応させることによって、光子計数情報に基づいて前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を制御するように構成されている。
特定の態様をよりよく理解するために、特定の非限定例を参照して、ここで提案された技術が説明される。
図10は、光子計数X線検出器システム内に実装された反同時計数システムの別の例を示す略図である。
各アナログ入力信号チャネルの信号値は1つ以上の比較器と比較され、これは信号レベルを所定セットの電圧閾値と比較する。1つのアナログ入力チャネルに属する(1つまたは複数の)比較器のセットからのデジタル出力信号はプライオリティデコーダに送信され、これは比較器トリガ信号のセットを、最高閾値に対応する数のトリガ比較器を含むデジタル値に変換する。結果は、比較器閾値レベルに対するパルスの高さを示すデジタル値であり、これはパルス波高値と呼ばれる。
プライオリティデコーダからのパルス波高値は、同時計数パルスを検出および補正する目的で、反同時計数回路に送信される。本発明の一実施形態では、反同時計数ロジックは一次元実装で使用される。この場合、隣り合う検出器チャネルの全てのペアに対して反同時計数回路が提供され、これは前記検出器チャネルのペアの両方のチャネルから出力パルス波高値を受信する。これ以降、「隣り合うチャネル」とは、互いに隣に位置する検出器素子に接続されたチャネルを指すが、2番目に近い近傍物など、互いに隣接しなくても同じ近傍に位置するものであってもよい。
一般に、光子相互作用は検出器素子内で発生し、こうして生成された電荷は検出器素子の対応する(1つまたは複数の)電極によって収集される。通常、検出器素子は、対応する(1つまたは複数の)電極を有する検出器ダイオードによって構成される。
本発明の好適な実施形態では、反同時計数回路は、事前構成された時間窓でプログラムされ、2つのパルスがこの時間遅延以下の時間差で2つの隣り合うチャネルに到着するか否かを検出する。パルス波高値およびパルスの相対的なタイミングなど、2つのチャネルからの入力信号に含まれる情報を使用して、反同時計数回路は、検出されたパルスが同じ元の入射光子に由来するか否かを判断する。パルスが同じ光子に由来すると特定された場合、反同時計数回路は、2つの隣り合うチャネルのうちの1つにイベントを割り当て、光子によって蓄積された総エネルギーに対応するパルス波高を推定する。このような補正は、2つの入力信号、すなわち2つの隣り合うチャネルの各々におけるパルス波高信号、および1つの出力信号、すなわち総エネルギーに対応する推定パルス波高信号を有するルックアップテーブルの形態を取ることができる。あるいは、補正は、たとえば出力を入力信号の合計とする、出力信号を入力信号に関連付ける数式の形態を取ることもできる。
反同時計数回路は、イベントが真の同時計数か偽の同時計数か、すなわち検出されたパルスが同じ光子に由来するか否かを判断するために、1セットの規則および/または設定を使用してもよい。一実施形態では、これらの規則および/または設定は、2つのパルス波高の合計を所定の限界と比較し、合計が限界よりも小さい場合には真の同時計数として、そうでない場合には真の同時計数として分類することを、含んでもよい。別の実施形態では、これらの規則は、2つの検出されたパルスの到着時間およびパルス波高を比較し、パルス波高が大きい方のパルスが小さい波高のパルスより前に到着した場合にイベントを偽の同時計数として分類し、それ以外では真の同時計数として分類することを、含んでもよい。反同時計数回路はまた、元の相互作用が発生したと推定されるチャネルに相互作用を割り当てるために、1セットの規則を使用してもよい。一実施形態では、これらの規則は、最大パルス波高が検出されたチャネルにイベントを割り当てることを含んでもよい。別の実施形態では、規則は、パルスが最も速く到着したチャネルにイベントを割り当てることを含んでもよい。
さらに、各入力信号チャネルには、1つ以上のカウンタを含むカウンタバンクがある。その信号チャネルのパルス波高信号は、チャネルが属する2つの隣接ペアの反同時計数回路からの出力信号と共に、カウンタバンクに送信される。これらの信号に基づいて、カウンタバンク内の1つ以上のカウンタがインクリメントされる。好適な実施形態では、全ての比較器について、同時計数イベントがない場合に、前記比較器の閾値レベルと、閾値の昇順で次に来る比較器の閾値レベルとの間のパルス波高を有するチャネル内の入射パルスの数をカウントする、カウンタバンク内のカウンタがある。隣り合うチャネルで検出された同時計数イベントがある場合には、反同時計数回路の出力は相応に修正されて、記録光子毎に1つのカウンタのみがインクリメントされ、インクリメントされたカウンタは推定された総蓄積光子エネルギーに対応するものとなる。特に、2つの隣り合うチャネルに同時計数パルスが到着すると、チャネルのうちの1つ、すなわちこれら2つのチャネルに対応する反同時計数回路によってイベントが割り当てられる方に、イベントが記録される。また、ロジックの出力、たとえばルックアップテーブルは、そのチャネルのカウンタバンク内のインクリメントされるカウンタの数を示す。
上記の説明は典型的に、反同時計数補正が一次元で実行される実装に関する。このような実装は、検出器素子間のクロストークを引き起こす電荷共有およびその他の効果が主に一次元で発生する検出器設計において、有用である。このような検出器の例は、エッジがビームに向けられて配向されたシリコンストリップ検出器を含む。このような検出器では、深さセグメント長が電荷キャリア雲のサイズと比較して大きい場合、検出器が深さセグメント化されたとしても、電荷共有は主に一次元で発生する。この場合、反同時計数回路は、同じ深さセグメントレベルの隣り合う検出器素子間に含まれる。反同時計数ロジックはまた、共通の画素境界を共有する隣り合う画素の任意の/全てのペア間に反同時計数回路を含むことによって、二次元ジオメトリで実装されてもよい。
反同時計数ロジックはまた、他の方法で、たとえば共通のコーナーを共有する画素間、および潜在的にはさらに離れた画素間にもやはり反同時計数回路を含むことによって、実装されることも可能である。類似のスキームはまた、三次元全てで隣り合う/隣接する検出器素子の間に反同時計数回路を実装することによって、深さセグメント化検出器など、三次元画素アレイで実装されることも可能である。別の例示的な実施形態では、反同時計数回路は、3つ以上のチャネル上で同時に発生しているイベントが検出および補正され得るように、3つ以上のチャネルからパルス波高信号を受信してもよい。
本発明の別の実施形態では、反同時計数回路は、間にプライオリティデコーダを伴わずに、比較器出力信号に直接接続される。本発明のさらに別の実施形態では、反同時計数ロジックは、間に比較器およびプライオリティデコーダを伴わずに、反同時計数回路がアナログ信号を入力として直接使用するように、実装される。これにより、反同時計数回路は、パルスを検出する異なるチャネルのパルス波高の合計として総パルス波高を計算するためにアナログ加算回路を使用できるようになる。
本発明の一態様では、検出器ロジックは、各フレームの計数率を感知し、1つ以上の計数情報パラメータの関数として反同時計数ロジックの動作を適応させる、反同時計数制御ユニットを包含する。このような計数情報パラメータは、読み出しチャネル毎に個別であるか、または複数の読み出しチャネルに共通であってもよく、後者の場合、反同時計数ロジックの動作を制御するために、影響を受ける全ての読み出しチャネルにおける合計カウントが使用されてもよい。
検出器によって測定された出力計数率は、フレームあたりの記録カウント数をフレーム時間で割ったものである。これは入力計数率、すなわち検出器材料中の実際の相互作用率とは異なる可能性がある。光子計数検出器における入力計数率の期待値と出力計数率の期待値との関係は、計数率特性と呼ばれる。用語「期待値」は、ここでは確立理論の意味で使用され、すなわち入力および出力計数率はランダム変数と見なされる。パイルアップが存在するとき、計数率特性は非線形である。
図11Aは、反同時計数ロジックありおよびなしの検出器の計数率特性を示す。反同時計数ロジックは、同時計数カウントを除去することによって計数率を低下させ、したがって所与の入力計数率の出力計数率を減少させる。
反同時計数ロジックが突然無効にされると、特定の計数率で、図11Bに示されるように、計数率特性は不連続になる。前記計数率で、入出力特性は、反同時計数ロジックを有する検出器に適用される下の曲線から、反同時計数ロジックのない検出器に適用される上の曲線にジャンプする。検出器応答におけるこのように急速な変化は、画像にアーチファクトを生じる可能性がある。
アーチファクトを低減するために、滑らかに変化する計数率特性を有することが望ましい。一般に、検出器によって測定された全てのカウント値が入力計数率の滑らかに変化する関数であることが望ましい。これに関連して、滑らかな関数、または滑らかに変化する関数は、意図される用途に関して、その出力変数が入力変数と共にあまり急速に変化しない関数である。したがって、関数が滑らかであるための要件は、用途によって異なってもよい。
例として、計数率特性は、連続関数である場合に滑らかであると見なされ得る。別の例では、計数率特性は、微分可能関数である場合に滑らかであると見なされ得る。さらに別の例では、計数率特性は、不連続性が画像内に視認可能なアーチファクトを生じないほど小さければ、多くの点で不連続であっても滑らかであると見なされ得る。
本発明の特定の例では、計数率の範囲内で反同時計数ロジックを徐々に無効化する方法が提供される。より具体的には、反同時計数ロジックによって除去された同時計数イベントの割合は、計数率が増加するのにつれてゼロまで低下し、これによってその入出力計数率特性が滑らかな検出器を得られる。
このような計数率特性の一例が図11Cに示されている。例示的な実施形態では、反同時計数ロジックは、第1閾値計数率mよりも低い出力計数率で各フレームの全体の間に有効化される。第1閾値計数率mよりも高く第2閾値計数率mよりも低い出力計数率では、反同時計数ロジックは、各フレームの一部の間に無効化され、フレームの残りの間に有効化される。出力計数率mとmとの間で、反同時計数ロジックが無効化されている間の各フレームの割合は、出力計数率の増加関数である。この例では、第2閾値計数率mよりも大きい計数率で、反同時計数ロジックは常時無効状態に保たれている。
米国特許第9,207,332号明細書は、1つはデジタル化の前に電荷が合計され、1つはデジタル化の後にカウントが合計される、2つのモードを有する特殊な検出器構成に関する。
米国特許出願第2016/0282476号明細書は、第2計数モードの第2カウント測定値を制御するために第1計数モードの第1カウント測定値が使用される、2つの計数モードを有するX線検出器に関する。
従来技術のこれら2つの例のいずれも、計数率を増加させながら徐々にオフになる反同時計数システムを開示していない。また、従来技術のこれら2つの例のいずれも、深さセグメント化検出器を用いる特定の使用に適応し得る反同時計数ロジックを開示していない。
本発明の別の実施形態では、反同時計数ロジックは、出力計数率mの数学関数f(m)によって与えられるフレームの断片fの間に無効化されてもよい。好適な実施形態では、この関数は滑らかで、0から1まで単調に増加し、たとえば
Figure 0007167055000001
、ここでnmは閾値出力計数率、σは遷移の滑らかさを制御するパラメータである。別の実施形態では、関数f(m)は、全ての計数率についてfとfとの間の値を取ることができ、ここで条件f>0およびf<1のうちの一方または両方が真であるため、反同時計数ロジックは、全ての計数率のフレーム時間の一部の間に有効化されているか、または計数率の一部の間はいつも無効化されているか、またはその両方である。
本発明の別の実施形態では、反同時計数ロジックは、取得されたフレームのサブセットの間に有効化され、他のフレームの間は無効化され、ここでフレームの前記サブセットは計数率に依存する。たとえば、反同時計数ロジックは、低計数率で全てのフレームの間に有効化され、中間計数率では1つおきのフレームの間に有効化され、高計数率では全てのフレームの間に無効化されることが可能である。
本発明のさらに別の実施形態では、測定された計数率は、反同時計数ロジックを制御するために使用される前に、いくつかのフレームにわたって平均化される。これは、指定された数の最新で取得されたフレームの移動平均を連続的に計算することによって、実施され得る。この移動平均はその後、反同時計数ロジックがいつ有効化されるべきか、およびいつ無効化されるべきかを判断するために、反同時計数ロジック制御回路による入力として取得される。このようにして、反同時計数ロジックに対する測定された計数率の統計的変動の影響が低減される。
本発明のさらに別の実施形態では、その反同時計数回路内で検出された真の同時計数の数をカウントする各反同時計数回路に、カウンタが設けられる。前記カウンタが特定の閾値に到達すると、前記反同時計数ロジックペアが無効になるため、同時計数イベントを補正しなくなる。各フレームの開始時に、カウンタが閾値に到達するまで反同時計数回路が再び有効化されるように、カウンタがリセットされる。このようにして、反同時計数ロジックは、低計数率ではフレーム全体の間、ただし高計数率ではフレームの断片の間のみにおいて、アクティブとなる。閾値は、事前にプログラムされた固定値か、または入射計数率の関数のいずれであってもよい。
本発明の別の実施形態では、反同時計数は、特定の確率でのランダム選択に応じて、各イベントを処理してもしなくてもよく、ここで前記確率は、特定の期間内に予め記録された計数率またはカウント数などの光子計数情報と共に変化する。
本発明の別の態様では、反同時計数ロジック回路が同じ光子に由来すると見なすことができるようにするイベント間の最大時間分離を決定する、反同時計数ロジックの時間窓長は、測定された入射計数率に応じて変化する。本発明の一実施形態では、時間窓長は、mより小さい出力計数率では第1値tに等しく、mより大きい出力計数率では第2値tに等しい。mとmとの間では、時間窓は、各フレームの断片fではtに等しく、各フレームの残部ではtに等しく、ここでfは出力計数率mとmとの間で0から1まで滑らかに増加する。たとえばtはt未満となるように選択され、これは時間窓が出力計数率の増加と共に減少することを意味する。時間窓長が減少することで偽の同時計数率が低下し、これは本明細書に記載されるスキームが、高計数率での偽の同時計数によるDQE低下を軽減することを意味する。
本発明のさらに別の態様では、反同時計数ロジックには、反同時計数ロジックの範囲に影響を及ぼす少なくとも1つの範囲パラメータが与えられており、(1つまたは複数の)前記パラメータは入力計数率の関数に入れられる。一実施形態では、反同時計数ロジックは、低光子束では最も近い近傍および2番目に近い近傍のチャネルペア(すなわち、その間の最大で1つの電極に接続されたチャネルペア)に対して、しかし高光子束では最近傍電極に対してのみ、作用し得る。中間光子束では、反同時計数ロジックは、各フレームの一部の間は最も近い近傍および2番目に近い近傍のチャネルペアに対して、および各フレームの残部では最近傍フレームに対してのみ、作用する。
本発明のさらに別の態様では、総蓄積エネルギーを推定するためのアルゴリズムは計数率の関数として変更してもよく、たとえば計数率の増加と共に徐々に変更してもよい。具体的には、少なくとも2つの入力パルス波高値から出力パルス波高値を生成するためにルックアップテーブルが使用される場合、前記ルックアップテーブル中の値は、蓄積エネルギーの関数と見なされ得る。これによって、ルックアップテーブルを調整し、異なる計数率の範囲でより正確に推定総光子エネルギーを再現できるようにする。具体的には、これは反同時計数ロジックの関数に対するパイルアップによって引き起こされた特殊な歪みの悪影響を軽減できる。高計数率では、同じチャネル内に同時に到着する2つのパルスの合計波高が測定されるので、パイルアップは検出されたエネルギースペクトルの歪みを引き起こす可能性がある。反同時計数ロジック回路内の元の光子エネルギーの推定においてこれを考慮することによって、初期光子エネルギーはより正確に再現され得る。
本発明の別の態様では、1つの検出器画素に接続された反同時計数ロジックは、1つ以上の他の検出器画素内の計数情報に基づいて、制御または適応され得る。たとえば、第1の検出器画素に接続された反同時計数ロジックは、たとえば、第1の検出器画素が特定の閾値計数率に到達していなくても、隣り合う検出器画素が前記閾値計数率に到達するときに反同時計数システムの漸進的な減少を開始するために、隣り合う画素内の計数率に基づいて適応され得る。これにより、計数率特性がより滑らかになり得る。
本発明の別の態様では、深さセグメント化検出器と共に反同時計数ロジックシステムが使用されてもよく、各検出器ストリップ(画素)は意図されるX線ビーム方向に沿って複数の深さセグメントに細分化される。例として、異なる深さセグメントにおいて反同時計数ロジックの動作は異なってもよい。具体的には、反同時計数ロジックは、各フレームの断片についてオンにすることによって適応されてもよく、先に論じられたように、前記断片は計数率の関数である。この場合、反同時計数ロジックは、異なる深さセグメント内の異なるフレーム時間の間にアクティブになってもよい。検出器画素内で検出された合計カウント数は深さセグメント内のカウント数の合計なので、これによって全ての深さセグメント内の合計カウント数は、1つのみの深さセグメントで可能なよりも滑らかな入力計数率の関数になる。反同時計数ロジックアクティビティの滑らかな減少を実行するのが困難な状況で、たとえば反同時計数ロジックシステムがアクティブである時間断片が離散数の値にのみ設定される可能性があるシステムにおいて。
本発明の別の態様では、深さセグメント化検出器の使用はまた、開示された反同時計数ロジックシステムにとって他の方法でも有益であり得る。たとえば、少なくとも1つの検出器ストリップの少なくとも1つの深さセグメントのための反同時計数回路の動作は、同じ検出器ストリップ内の少なくとも1つの別の深さセグメントの光子計数情報に基づいて、および/または同じ検出器ストリップに属する複数の深さセグメントにおける光子計数情報に基づいて、適応または制御されてもよい。言い換えると、1つの検出器ストリップ/画素の1つ以上の深さセグメント内で得られた計数情報は、深さセグメントのうちの1つに、または深さセグメントのサブセットに、または同じ検出器ストリップ/画素の別の深さセグメント内で接続された反同時計数ロジックを制御または適応させるために、使用されてもよい。
たとえば、1つの検出器画素の全ての深さセグメント内で記録された合計カウント数は、同じ検出器画素内の深さセグメントのうちの1つに接続された反同時計数ロジックを制御するために使用されてもよい。このようにして、より多くの光子統計が反同時計数ロジックに利用可能であり、これによって反同時計数動作に対する量子ノイズの影響が低減される。これにより、反同時計数ロジックが量子ノイズのためランダムにオンおよびオフされるリスクが軽減される。
別の例では、一般に、より低い計数率を測定する1つの深さセグメントに接続された反同時計数ロジックは、より高い計数率を測定する同じ検出器ストリップ/画素内の1つ以上の別の深さセグメントに基づいて適応されてもよく、これによって量子ノイズの影響を軽減する。
別の例では、一般に、より高い計数率を測定する1つの深さセグメントに接続された反同時計数ロジックは、より低い計数率を測定する同じ検出器ストリップ/画素内の1つ以上の別の深さセグメントに基づいて適応されてもよい。このようにして、反同時計数ロジックはたとえば、光子束率の関連する範囲内で反同時計数ロジックが常にオンになっている深さセグメント内の計数率に基づいて制御されてもよい。このようにして、反同時計数ロジックがオフになるかまたは1つのモードから別のモードに切り替えられるときの出力計数率の急激な変化は、反同時計数ロジックにフィードバックされず、さもなければ制御アルゴリズムが複雑になる。
本明細書に記載されるメカニズムおよび配置は、様々な方法で実施、組み合わせ、および並べ替えされ得ることが、理解されるだろう。
たとえば、実施形態は、ハードウェアで、または適切な処理回路による実行のため少なくとも部分的にソフトウェアで、またはこれらの組み合わせにおいて、実装され得る。
本明細書に記載されるステップ、機能、手順、および/またはブロックは、汎用電子回路および特定用途向け回路の療法を含む、ディスクリート回路または集積回路技術などのいずれか従来の技術を使用して、ハードウェアで実装され得る。
あるいは、または補足として、本明細書に記載されるステップ、機能、手順、および/またはブロックのうちの少なくともいくつかは、1つ以上のプロセッサまたは処理ユニットなどの適切な処理回路による実行のためのコンピュータプログラムなどのソフトウェアで実装されてもよい。
図12は、一実施形態によるコンピュータ実装300の一例を示す概略図である。この特定の例では、本明細書記載されるステップ、機能、手順、モジュール、および/またはブロックのうちの少なくともいくつかは、コンピュータプログラム325;335に実装され、これらは1つ以上のプロセッサ310を含む処理回路による実行のために外部メモリ装置330からメモリ320にロードされ得る。(1つまたは複数の)プロセッサ310およびメモリ320は、通常のソフトウェア実行を可能にするために、互いに相互接続されている。任意選択的な入出力装置340もまた、(1つまたは複数の)入力パラメータおよび/または結果的な(1つまたは複数の)出力パラメータなどの関連データの入出力を可能にするために、(1つまたは複数の)プロセッサ310および/またはメモリ320と相互接続され得る。
用語「プロセッサ」は、一般的な意味において、特定の処理、判断、または計算タスクを実行するためのプログラムコードまたはコンピュータプログラム命令を実行可能な任意のシステムまたは装置として解釈されるべきである。
処理回路の例は、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1つ以上の中央処理装置(CPU)、および/または1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または1つ以上のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)などのいずれか適切なプログラマブルロジック回路を含むが、これらに限定されない。
したがって、1つ以上のプロセッサ310を含む処理回路は、コンピュータプログラム325を実行するとき、本明細書に記載されるものなどの明確に定義された処理タスクを実行するように構成されている。
ソフトウェアまたはコンピュータプログラム225;235はコンピュータプログラム製品として実現されてもよく、これは通常、コンピュータ可読媒体220;230、特に不揮発性媒体上に担持または記憶される。コンピュータ可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、ユニバーサルシリアルバス(USB)メモリ、ハードディスクドライブ(HDD)記憶装置、フラッシュメモリ、磁気テープ、またはその他いずれか従来のメモリ装置を含むがこれらに限定されない、1つ以上のリムーバブルまたは非リムーバブルメモリ装置を含むことができる。したがって、コンピュータプログラムは、コンピュータのオペレーティングメモリ、またはその処理回路による実行のための同等の処理装置にロードされてもよい。
より具体的には、コンピュータプログラム製品は、プロセッサによって実行されるとき、複数の光子計数読み出しチャネルを有する光子計数X線検出器システムの反同時計数システムを制御するためのコンピュータプログラム325、335が記憶されたコンピュータ可読媒体320、330を備え、反同時計数システムは少なくとも1つの反同時計数回路を備え、その各々がチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、接続されたチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されている。コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を徐々に適応させることによって、光子計数情報に基づいて前記少なくとも1つの反同時計数回路の動作を制御させる、命令を備える。
なお、提案された技術が実装されるいずれか従来の装置またはユニットの一般的な処理能力を再利用できることも、理解されるべきである。たとえば既存のソフトウェアをプログラムすることによって、または新しいソフトウェアコンポーネントを追加することによって、既存のソフトウェアを再利用することもまた可能であろう。
ソフトウェア対ハードウェアの範囲は、純粋に実装上の選択である。
さらに別の態様によれば、本明細書に記載されるような光子計数X線検出器システム20;200を備える図1および/または図2に示されるX線撮像システム100などのX線撮像システムが提供される。
上述の実施形態は単に例として提供されており、提案された技術がこれらに限定されないことは理解されるべきである。添付請求項によって定義されるような本範囲から逸脱することなく、実施形態に対して様々な修正、組み合わせ、および変更がなされ得ることは、当業者によって理解されるだろう。特には、技術的に可能であれば、異なる実施形態の異なる部分の解決策が他の構成に組み込まれることが可能である。

Claims (20)

  1. 複数の光子計数チャネル(220)と、
    反同時計数回路(230)であって、前記反同時計数回路は、前記光子計数チャネルのうちの少なくとも2つに接続され、前記接続された光子計数チャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されている、反同時計数回路(230)と、
    を備える光子計数X線検出器システム(20;200)であって、
    前記光子計数X線検出器システム(200)はさらに、反同時計数コントローラ(240)を備え、前記反同時計数コントローラは、光子計数情報に基づいて前記反同時計数回路(230)の動作を制御して、前記光子計数情報に応じて異なる動作をするように構成される計数率適応型の反同時計数システムを提供するように構成されており、
    前記反同時計数コントローラは、一の動作状態から別の動作状態への漸進的な遷移と共に、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記反同時計数回路(230)の動作を徐々に適応させかつ前記反同時計数回路(230)の影響を徐々に制限することによって、前記反同時計数回路(230)の動作を制御するように構成されている、
    光子計数X線検出器システム(20;200)。
  2. 前記反同時計数コントローラ(240)は、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記反同時計数回路を徐々に無効化することによって、前記反同時計数回路(230)の動作を制御するように構成されている、請求項1に記載の光子計数X線検出器システム。
  3. 前記反同時計数回路(230)は、パルス形状および入射の時間に関する1セットの規則および/または設定に基づいて、前記接続された光子計数チャネル(220)内の同時計数イベントを検出するように構成されており、前記1セットの規則および/または設定は、計数率を増加させながら徐々に適応される、請求項1から2のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  4. 前記反同時計数コントローラ(240)は、前記反同時計数回路が計数率を増加させながら無効化される時間の割合を徐々に増加させるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  5. 前記反同時計数コントローラ(240)は、前記反同時計数回路がフレーム毎またはフレームのセット毎に無効化される時間の割合を徐々に増加させるように構成されている、請求項4に記載の光子計数X線検出器システム。
  6. 前記反同時計数回路(230)は、少なくとも1つのフレームの少なくとも一部の間に少なくとも1つの光子計数チャネル内で有効化され、および/または、前記反同時計数回路(230)は、少なくとも1つのフレームで少なくとも1つの光子計数チャネル内で無効化される、請求項4または5に記載の光子計数X線検出器システム。
  7. 前記反同時計数コントローラ(240)は、計数率を増加させながら、前記反同時計数回路(230)がイベントを同じ光子に由来すると見なすことができる前記イベント間の最大時間分離を徐々に減少させるように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  8. 前記反同時計数コントローラ(240)は、計数率を増加させながら前記反同時計数回路(230)によって処理されるイベントの割合を徐々に低下させるように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  9. 前記反同時計数コントローラ(240)は、計数率を増加させながら前記反同時計数回路(230)の近接範囲を徐々に減少させるように構成されており、
    前記光子計数X線検出器システム(20;200)は、複数の検出器素子(210)を備え、前記検出器素子の各々は、対応する光子計数チャネル(220)に接続されており、前記近接範囲は、前記反同時計数回路(230)の接続された光子計数チャネル(220)に関連付けられた検出器素子(210)間の最大許容距離を定義する、請求項1から8のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  10. 前記反同時計数コントローラ(240)は、計数率を増加させながら総蓄積光子エネルギーの推定値を徐々に変更するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  11. 前記光子計数X線検出器システム(20;200)は、複数の検出器素子(210)を備え、前記検出器素子の各々は、対応する光子計数チャネル(220)に接続されており、
    前記光子計数X線検出器システム(20;200)は、深さセグメント化されたエッジオンX線検出器に基づいており、前記エッジオンX線検出器では、各検出器ストリップが、少なくとも2つの深さセグメントに細分化され、前記深さセグメントの各々は、個々の検出器素子(210)として構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  12. 少なくとも1つの検出器ストリップの少なくとも1つの深さセグメントに接続された第1の反同時計数回路(230)は、光子計数情報に基づいて、同じ検出器ストリップ内の少なくとも1つの別の深さセグメントに接続された第2の反同時計数回路(230)とは異なる方法で動作するように構成されている、請求項11に記載の光子計数X線検出器システム。
  13. 少なくとも1つの検出器ストリップの少なくとも1つの深さセグメントのための反同時計数回路(230)の動作は、同じ検出器ストリップ内の少なくとも1つの別の深さセグメントの光子計数情報に基づいて、および/または、同じ検出器ストリップに属する複数の深さセグメントにおける光子計数情報に基づいて、適応または制御される、請求項11または12に記載の光子計数X線検出器システム。
  14. 前記光子計数情報は、推定光子計数率を表す情報、および/または、所与の期間中のカウント数を表す情報を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  15. 前記反同時計数コントローラ(240)は、前記接続された光子計数チャネルとは別個の少なくとも1つの別の光子計数チャネルに関する光子計数情報に基づいて、複数の接続された光子計数チャネル(220)のための反同時計数回路(230)の動作を徐々に適応させるように構成されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  16. 前記反同時計数回路(230)は、元の光子相互作用の前記光子計数チャネルを識別するように、および/または、元の光子の総エネルギーを推定するように構成されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム。
  17. 複数の光子計数読み出しチャネル(220)を有する光子計数X線検出器システム(20;200)のための反同時計数システム(250)であって、前記反同時計数システム(250)は、反同時計数回路(230)を備え、前記反同時計数回路は、前記光子計数読み出しチャネル(220)のうちの少なくとも2つに接続され、前記接続された光子計数読み出しチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されており、
    前記反同時計数システム(250)はさらに、反同時計数コントローラ(240)を備え、前記反同時計数コントローラは、光子計数情報に基づいて前記の反同時計数回路(230)の動作を制御して、前記光子計数情報に応じて異なる動作をするように構成される計数率適応型の反同時計数システムを提供するように構成されており、
    前記反同時計数コントローラは、一の動作状態から別の動作状態への漸進的な遷移と共に、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記反同時計数回路(230)の動作を徐々に適応させかつ前記反同時計数回路(230)の影響を徐々に制限することによって、前記反同時計数回路(230)の動作を制御するように構成されている、
    反同時計数システム(250)。
  18. 複数の光子計数読み出しチャネル(220)を有する光子計数X線検出器システム(20;200)の反同時計数システム(250)のためのコントローラ(240)であって、前記反同時計数システム(250)は、反同時計数回路(230)を備え、前記反同時計数回路は、前記光子計数読み出しチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、前記接続された光子計数読み出しチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されており、
    前記コントローラ(240)は、光子計数情報に基づいて前記反同時計数回路(230)の動作を制御して、前記光子計数情報に応じて異なる動作をするように構成される計数率適応型の反同時計数システムを提供するように構成されており、
    前記コントローラは、一の動作状態から別の動作状態への漸進的な遷移と共に、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記反同時計数回路(230)の動作を徐々に適応させかつ前記反同時計数回路(230)の影響を徐々に制限することによって、前記反同時計数回路(230)の動作を制御するように構成されている、
    コントローラ(240)。
  19. プロセッサ(310)によって実行されるとき、複数の光子計数読み出しチャネル(220)を有する光子計数X線検出器システム(20;200)の反同時計数システム(250)を制御するためのコンピュータプログラム(325;335)を記憶したコンピュータ可読媒体(320;330)を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記反同時計数システム(250)は、反同時計数回路(230)を備え、前記反同時計数回路は、前記光子計数読み出しチャネルのうちの少なくとも2つに接続され、前記接続された光子計数読み出しチャネル内の同時計数イベントを検出するように構成されており、
    前記コンピュータプログラム(325;335)は、前記プロセッサ(310)によって実行されるとき、前記プロセッサに、光子計数情報に基づいて前記反同時計数回路(230)の動作を制御させ、前記光子計数情報に応じて異なる動作をするように構成される計数率適応型の反同時計数システムを提供させる、命令を備え、
    前記コンピュータプログラム(325;335)は、前記プロセッサ(310)によって実行されるとき、前記プロセッサに、一の動作状態から別の動作状態への漸進的な遷移と共に、閾値計数率から始まって計数率を増加させながら前記反同時計数回路(230)の動作を徐々に適応させかつ前記反同時計数回路(230)の影響を徐々に制限することによって、前記反同時計数回路(230)の動作を制御させる、命令を備える、
    コンピュータプログラム製品。
  20. 請求項1から16のいずれか一項に記載の光子計数X線検出器システム(20;200)を備える、X線撮像システム(100)。
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