JP7165537B2 - 走行軌跡生成方法及び走行軌跡生成装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る走行軌跡生成方法を実行する走行軌跡生成装置及びその周辺機器の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る走行軌跡生成装置101は、周囲車両認識センサ102、車両センサ103、及び車両制御装置104に接続されている。
また、以下に示す「走行経路」とは先行車両が実際に走行した位置を指し、「走行軌跡」とは走行経路から得られる各観測点を直線或いは滑らかな曲線で当てはめた軌跡を指す。
H1=(D12+L12)1/2 …(1)
L1:H1=H1:2R …(2)
(1)、(2)式より、近似円の半径R(観測点Pt1における曲率半径R)は、次の(3)式で求めることができる。
R=H12/(2×L1)=(D12+L12)/(2×L1) …(3)
即ち、曲率半径算出部12は、第1の三角形と第2の三角形が相似であることを利用し、上記(3)式に基づいて観測点Pt1の曲率半径Rを算出する。
なお、図3A、図3Bでは、観測点Pt1から所定時間だけ前に検出された観測点をPt2とし、観測点Pt1から所定時間だけ後に検出された観測点をPt3とする例について示したが、観測点Pt1から前後に、所定距離だけ離れた位置に各観測点Pt2、Pt3を設定してもよい。
区間分割点設定部14は、図3Aに示した各観測点P毎、或いは所定数の観測点毎(例えば、3個の観測点毎)に、前述した方法で走行経路の曲率半径を算出し、算出した曲率半径の大きさに基づいて区間分割点を設定する。ここでは、走行路が直線路からカーブ路に変わる点、カーブ路から直線路に変わる点、カーブ路の旋回方向が変わる点(「変曲点」ともいう)を区間分割点として設定する。
区間分割点設定部14は、更に、各観測点P、或いは所定数の観測点毎(例えば、3個の観測点毎)に、接線ベクトルを前述した方法で算出し、接線ベクトルの変化量に基づいて区間分割点を設定する。
上述した曲率半径の変化による区間分割点の設定方法では、同一の曲率半径のカーブ路が継続する場合には、区間分割点は設定されない。しかし、接線ベクトルを用いることにより、区間分割点設定部14は、図5に示す区間分割点Q4を設定することができる。
更に、先行車両が前回の処理で設定された区間分割点から、第2の閾値距離だけ離れた地点(例えば、50m)に達するまでの間に新たな区間分割点が設定されない場合、即ち、上記した曲率半径、及び接線ベクトルを用いた処理により区間分割点設定部14にて新たな区間分割点が設定されない場合には、区間分割点設定部14は、前回の処理で設定された区間分割点から、第2の閾値距離だけ離れた地点を区間分割点に設定する。或いは、先行車両が前回の処理で設定された区間分割点から、第3の閾値時間だけ走行した地点に達するまでの間に、新たな区間分割点が設定されない場合には、区間分割点設定部14は、第3の閾値時間だけ走行した地点を区間分割点に設定する。
そして、誤差比率が第4の閾値未満となった場合に、走行軌跡生成部15は、この次数の関数で近似して、先行車両の走行軌跡を生成する。
また、関数の次数に上限(例えば、3次関数)を設定し、上限の次数に達した場合には、誤差比率の大きさに関係なく上限の次数の関数を用いた関数近似により得られる走行軌跡を採用してもよい。こうすることにより、演算負荷が高まることを防止できる。
次に、上述のように構成された本実施形態に係る走行軌跡生成装置の動作を、図8~図11に示すフローチャートを参照して説明する。
図8は、周囲車両の走行軌跡を演算する処理手順を示すフローチャート、図9は図8のS2に示す曲率半径及び接線ベクトルの算出処理の詳細を示すフローチャート、図10はS3に示す区間分割点の設定処理の詳細を示すフローチャート、図11はS4に示す走行軌跡生成処理の詳細を示すフローチャートである。
ステップS204において、曲率半径算出部12または接線ベクトル算出部13は、観測点Pt1から交点p1までの長さL1を算出する。実際には、各観測点Pにはノイズが混入しているため、垂線Lの距離L1を算出する際には、周囲の観測点P(例えば、前後2個ずつ)についても距離L1を算出し、それらの平均を用いるのがよい。
ステップS206において、曲率半径算出部12または接線ベクトル算出部13は、観測点Pt1からPt2までの長さH1を、前述した(1)式により算出する。
ステップS207において、曲率半径算出部12または接線ベクトル算出部13は、三角形の相似の関係を利用して曲率半径Rを前述した(3)式により算出する。具体的に、曲率半径算出部12または接線ベクトル算出部13は、図3Bに示した「Pt1、Pt2、p1」の3点で形成される三角形と、「Pt1、p3、Pt2」の3点で形成される三角形が相似であることを利用して曲率半径Rを算出する。
初めに、ステップS311において、区間分割点設定部14は、初期的に設定した区間分割点、或いは前の処理で設定された区間分割点における接線ベクトル(これをV1とする)を取得する。更に、区間分割点設定部14は、観測点Pにおける接線ベクトル(これをV2とする)を算出し、各ベクトルV1、V2のなす角度θを演算する。角度θが所定角度θth以上であるか否かを判定する。
一方、「θ≧θth」でない場合には(S311;NO)、本処理を終了する。
初めに、図10BのステップS314において、区間分割点設定部14は、初期的に設定した区間分割点、或いは前の処理で設定された区間分割点から、対象となる観測点Pまでの距離Nが予め設定した第2の閾値Nth(例えば、50m)以上であるか否かを判定する。
一方、「N≧Nth」でない場合には(S314;NO)、本処理を終了する。
そして、上記の処理により、区間分割点設定部14は、各観測点Pのうちのいくつかを、区間分割点Qに設定することができる。
初めに、図11に示すステップS401において、走行軌跡生成部15は、複数の観測点Pを1次関数で近似する。具体的には、前述した図7Aに示したように、走行軌跡生成部15は、複数の観測点Pが存在する場合に、各観測点Pを1次関数で近似する。その結果、例えば、図7Bに示すように直線状の走行軌跡F1が算出される。
以上説明したように、本発明に係る走行軌跡生成装置101によれば、以下に示す効果を達成することが可能になる。
(1)
接線ベクトルの方向が互いに所定角度θth以上異なる2つの観測点に、区間分割点を設定し、2つの区間分割点の間に位置する観測点に対して、直線または曲線を当てはめることにより、先行車両(他車両)の走行軌跡を生成する。従って、例えば一定曲率のカーブ路のように曲率変化が無いカーブ路においても区間分割点を設定して、設定した分割点に基づいて走行軌跡を算出することができ、カーブ路でのトレース性が良好な走行軌跡を生成することができる。また、カーブ路の曲率が大きく(曲率半径が小さく)なるほど分割点間の距離が短くなるため、同一長さのカーブ路であっても曲率が大きいほど多くの分割点数を設定することができ、関数近似で走行軌跡を算出する際の精度を向上させることができる。
前述した接線ベクトルに加えて、複数の観測点の各々における走行経路の曲率半径を算出し、曲率半径に基づいて区間分割点を更に設定する。従って、より多くの区間分割点を設定できる。このため、きめ細かい走行軌跡の算出を行うことができ、より先行車両の走行経路に合致した走行軌跡を設定することが可能となる。また、曲率半径に基づいて区間分割点を設定することにより、直線路とカーブ路を異なる区間として扱うことができ、それぞれの区間に適した走行軌跡を算出することができる。
図4A、図4B、図4Cに示したように、直線路からカーブ路へ変化する点、カーブ路から直線路へ変化する点、及びカーブ路の旋回方向が変化する点、を区間分割点に設定する。このため、直線路、及び同一旋回方向のカーブ路ごとに区間が区切られるので、直線または曲線を当てはめて走行軌跡を生成する際の精度を向上させることができる。
図3Aに示したように、観測点Pt1(第1の観測点)における走行経路の曲率半径を算出する際には、観測点Pt1に対して所定時間だけ前に検出した観測点Pt2(第2の観測点)、或いは、所定距離だけ先行車両の進行方向の後方に離れた観測点を設定する。更に、観測点Pt1に対して所定時間だけ後に検出した観測点Pt3(第3の観測点)、或いは、所定距離だけ先行車両の進行方向の前方に離れた観測点を設定する。そして、3つの観測点Pt1~Pt3を通る円の半径を観測点Pt1の曲率半径として算出するので、観測点Pt1における曲率半径を簡便な方法で算出することが可能となる。
図3A、図3Bに示したように、観測点Pt1(第1の観測点)と、観測点Pt2(第2の観測点)または観測点Pt3(第3の観測点)と、点p1(第4の点)と、で形成される三角形(第1の三角形)と、観測点Pt1と、観測点Pt2または観測点Pt3と、点p3(第5の点)と、で形成される三角形(第2の三角形)とが相似関係になることを利用して、観測点Pt1における曲率半径を演算する。従って、観測点Pt1における曲率半径をより簡便な方法で算出することが可能となる。
図3Aに示したように、観測点Pt1(第6の観測点)における走行経路の接線ベクトルを算出する際には、観測点Pt1に対して所定時間だけ前に検出した観測点Pt2(第7の観測点)、或いは、所定距離だけ先行車両の進行方向の後方に離れた観測点を設定する。更に、観測点Pt1に対して所定時間だけ後に検出した観測点Pt3(第8の観測点)、或いは、所定距離だけ先行車両の進行方向の前方に離れた観測点を設定する。そして、2つの観測点Pt2、Pt3を結ぶ線分の方向を、観測点Pt1の接線ベクトルとして算出するので、観測点Pt1における接線ベクトルを簡便な方法で算出することが可能となる。
図6A、図6Bに示したように、任意の区間分割点から、第2の閾値距離、或いは先行車両が第3の閾値時間で走行する距離だけ離れた地点まで、次の区間分割点が設定されない場合には、任意の区間分割点から、第2の閾値距離、或いは先行車両が第3の閾値時間で走行する距離だけ離れた観測点を、区間分割点に設定する。従って、長距離に亘って直線路が継続する場合、或いは長距離に亘って緩やかなカーブ路が継続する場合であっても、適切な位置に区間分割点を設定でき、走行軌跡を高精度に算出することが可能となる。
図7A、図7Bに示したように、2つの区間分割点の間に位置する観測点を関数近似する際には、第1の次数の関数(例えば、1次関数)を用いて走行軌跡を算出し、走行軌跡と観測点との誤差比率(誤差に関連する数値)が閾値σ(第4の閾値)を超える場合には、第1の次数よりも大きい第2の次数の関数(例えば、2次関数)を当てはめて走行軌跡を算出する。そして、誤差比率が閾値σ以下となった場合には、この走行軌跡を先行車両(他車両)の走行軌跡として採用する。従って、より低い次数の関数を優先的に用いて走行軌跡を算出するので、演算負荷を軽減することができる。
観測点を近似する関数の次数の上限を設定し、上限の次数の関数(例えば、3次関数)を用いて走行軌跡を算出したときの、誤差比率が閾値σ(第4の閾値)以下に収まらない場合には、これ以上次数を大きくせず、上限の次数の関数を用いて走行軌跡を算出する。従って、関数の次数が大きくなることを制限し、演算負荷が高まることを防止できる。
12 曲率半径算出部
13 接線ベクトル算出部
14 区間分割点設定部
15 走行軌跡生成部
21 カメラ
22 レーダ
23 ライダー
31 GPS受信機
32 車速センサ
33 加速度センサ
34 ジャイロセンサ
61、64、71 直線路
62、63、65、66、72 カーブ路
101 走行軌跡生成装置
102 周囲車両認識センサ
103 車両センサ
104 車両制御装置
M1 自車両
M2 先行車両
Claims (9)
- 自車両の周囲の他車両の位置を異なる時刻で複数回検出し、前記位置の時系列を示す複数の観測点に対して直線または曲線を当てはめることにより、前記他車両の走行軌跡を生成する走行軌跡生成方法であって、
接線ベクトル算出部が、前記複数の観測点の各々における前記他車両の走行経路の接線ベクトルを算出し、
曲率半径算出部が、前記複数の観測点の各々における前記他車両の走行経路の曲率半径を算出し、
区間分割点設定部が、前記接線ベクトルの方向が所定角度以上異なる2つの観測点をそれぞれ区間分割点に設定し、且つ、前記曲率半径に基づいて区間分割点を設定し、
走行軌跡生成部が、互いに隣接する2つの前記区間分割点の間に位置する前記観測点に対して、前記直線または曲線を当てはめることにより、前記他車両の走行軌跡を生成することを特徴とする走行軌跡生成方法。 - 前記曲率半径が、所定の第1の閾値以上から前記第1の閾値未満に変化する観測点、
前記曲率半径が、前記第1の閾値未満から前記第1の閾値以上に変化する観測点、
及び、前記曲率半径が前記第1の閾値未満で、且つ、旋回方向が変化する変曲点となる観測点、
のうちの少なくとも一つに、前記区間分割点を設定すること
を特徴とする請求項1に記載の走行軌跡生成方法。 - 所定の第1の観測点に対して、所定時間だけ前に検出した、または所定距離だけ前記他車両の進行方向の後方に離れた第2の観測点、及び、前記所定時間だけ後に検出した、または前記所定距離だけ前記他車両の進行方向の前方に離れた第3の観測点を設定し、
前記第1~第3の観測点を通る円の半径を、前記第1の観測点の曲率半径として算出すること
を特徴とする請求項1または2に記載の走行軌跡生成方法。 - 前記第2の観測点と前記第3の観測点を結ぶ線分と、前記第1の観測点から下ろした垂線との交点を第4の点とし、
前記円上の点であって、前記円の中心を対称中心とする前記第1の観測点に対称な点を第5の点とし、
前記第1の観測点と、前記第2の観測点または前記第3の観測点と、前記第4の点と、で形成される第1の三角形と、
前記第1の観測点と、前記第2の観測点または前記第3の観測点と、前記第5の点と、で形成される第2の三角形と、が相似関係にあることを利用して、前記円の半径を算出すること
を特徴とする請求項3に記載の走行軌跡生成方法。 - 所定の第6の観測点に対して、所定時間だけ前に検出した、または所定距離だけ前記他車両の進行方向の後方に離れた第7の観測点、及び、前記所定時間だけ後に検出した、または前記所定距離だけ前記他車両の進行方向の前方に離れた第8の観測点を設定し、
前記第7の観測点と前記第8の観測点を結ぶ線分の方向を、前記第6の観測点の接線ベクトルとすること
を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の走行軌跡生成方法。 - 任意の区間分割点を基準として、所定の第2の閾値距離以内、または前記他車両が所定の第3の閾値時間で走行する距離以内に、他の区間分割点が存在しない場合には、前記任意の区間分割点から前記第2の閾値距離または前記他車両が前記第3の閾値時間で走行する距離だけ離れた観測点に、区間分割点を更に設定すること
を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の走行軌跡生成方法。 - 互いに隣接する2つの前記区間分割点の間に位置する各観測点に、第1の次数の関数を当てはめて走行軌跡を生成し、
前記第1の次数の関数を当てはめた前記走行軌跡と前記各観測点との誤差に関連する数値が第4の閾値を超える場合には、前記第1の次数よりも高い次数の関数を当てはめて走行軌跡を生成する処理を繰り返し、
前記誤差に関連する数値が、前記第4の閾値以下となったときの前記走行軌跡を、前記他車両の走行軌跡として採用すること
を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の走行軌跡生成方法。 - 前記関数の次数の上限を設定し、前記上限の次数の関数を当てはめて生成した走行軌跡と前記各観測点との誤差に関連する数値が、前記第4の閾値を超える場合には、前記上限の次数の関数を当てはめて生成した前記走行軌跡を、前記他車両の走行軌跡として採用すること
を特徴とする請求項7に記載の走行軌跡生成方法。 - 自車両の周囲の他車両の位置を異なる時刻で複数回検出し、前記位置の時系列を示す複数の観測点に対して直線または曲線を当てはめることにより、前記他車両の走行軌跡を生成する走行軌跡生成装置であって、
前記複数の観測点の各々における前記他車両の走行経路の接線ベクトルを算出する接線ベクトル算出部と、
前記複数の観測点の各々における前記他車両の走行経路の曲率半径を算出する曲率半径算出部と、
前記接線ベクトルの方向が所定角度以上異なる2つの観測点にそれぞれ区間分割点を設定し、且つ、前記曲率半径に基づいて区間分割点を設定する区間分割点設定部と、
互いに隣接する2つの前記区間分割点の間に位置する前記観測点に対して、前記直線または曲線を当てはめることにより、前記他車両の走行軌跡を生成する走行軌跡生成部と、
を備えたことを特徴とする走行軌跡生成装置。
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