JP7162941B1 - 積層造形用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】主成分としてPC樹脂を含み、3Dプリンタによるフィラメントとして使用した場合であっても、高さ方向における十分な接着強度を有し、造形時における収縮応力の発生を抑制し、かつ透明性状を有する立体的な形状の造形体を出力可能とする積層造形用樹脂組成物の提供を課題とする。【解決手段】樹脂組成物2は、ポリカーボネート樹脂と、非晶性ポリエステル樹脂と、熱軟化材とを含有し、熱溶解積層方式の3Dプリンタ100のフィラメント3として使用可能であり、熱軟化材は、結晶性共重合ポリエステル、ポリカプロラクトン、及びポリエステル系熱可塑性エラストマーの少なくともいずれか一種を含み、ASTM D1003に規定する透明プラスチックのヘイズ及び光透過率の標準試験法に準拠して測定された積層造形用樹脂組成物の全光線透過率は、85%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層造形用樹脂組成物に関する。更に詳しくは、主に熱溶解積層方式(FDM方式:Fused Deposition Modeling Method)を採用した三次元形状の造形体を出力するための三次元プリンタ(以下、「3Dプリンタ」と称す。)に使用される熱可塑性樹脂製のフィラメントを構成可能な積層造形用樹脂組成物に関する。
従来、予め設計された三次元データに基づいて三次元形状の立体的な造形体(三次元モデル)の出力を可能とする3Dプリンタが広く知られている。3Dプリンタは、基台となるビルドプレートに対し、吐出ノズルから積層造形用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と称す。)を吐出し、当該樹脂組成物によって薄い樹脂組成物の層(樹脂組成物層)を形成し硬化させた後、更に硬化後の樹脂組成物層の上に樹脂組成物を吐出し、新たな樹脂組成物層の形成及び硬化に係る処理を繰り返すことで、樹脂組成物層を多層に積重させることで立体的な造形体の出力を可能となるものである。
特に近年において、製造業を中心として、研究開発段階における製品や各種部品の試作品を3Dプリンタによって製作し、製品のデザイン性の検討や部品の動きなどの機能性に関する確認や検証を行うことが行われている。また、上記製造業以外でも建築分野や医療分野、或いはその他の種々の産業分野において、かかる3Dプリンタを活用することが行われている。
更に、3Dプリンタ関連の技術の進歩によって、比較的安価、かつ容易に3Dプリンタ本体や関連する設備及び資材等を入手することが可能となっている。そのため、上記のような企業だけでなく、個人が趣味として3Dプリンタを購入し、フィギュア等の造形体を出力することが行われている。これにより、3Dプリンタに関連する市場規模が年々拡大している。
3Dプリンタを用いて造形体を出力するための方式や技法等は従来から種々知られている。例えば、液状の紫外線硬化型樹脂に対し、所定波長の紫外線を照射し、硬化させる「光造形方式」や熱可塑性樹脂を加熱し、軟化させることで溶融状態となった樹脂組成物を吐出ノズルから吐出し、吐出後に熱可塑性樹脂を硬化させる「熱溶解積層方式」等が一般的に知られている。
特に、熱溶解積層方式の場合、樹脂組成物として、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)やABS樹脂等の実際の製品に使用されるものと同一の工業用材料を用いて造形体を出力することができ、更に熱可塑性樹脂を冷やすことによって硬化するものであるため、光造形方式のように光硬化の処理に係る紫外線ランプ等の硬化設備を特に必要とすることがなく、造形体の出力に係るコストを抑え、有機溶剤等を使用することのないクリーンな環境での造形を行うことができる等の利点を有している。そのため、熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物をフィラメントとして用いた熱溶解積層方式の3Dプリンタが広く普及している。
熱溶解積層方式を採用した3Dプリンタ100による造形体1の出力の具体例について、図1及び図2に基づいて説明を行う。ここで、図1は熱溶解積層方式を採用した3Dプリンタ100の吐出ノズル101からの樹脂組成物2の吐出の一例を模式的に示す説明図であり、図2は3Dプリンタ100による造形体1の出力方向の例を示す説明図である。
3Dプリンタ100は、吐出ノズル101の先端まで樹脂組成物2で形成された熱可塑性樹脂製のフィラメント3を所定速度で送出可能な送出機構102を有している。3Dプリンタ100に装着されたフィラメント3は、上記送出機構102によって所定速度で送り出されながら、吐出ノズル101に設けられた加熱溶融機構(図示しない)によって加熱されて軟化し、最終的に流動状態の樹脂組成物2aとなる。
そして、吐出ノズル101の直下に配置されたビルドプレート103の上に流動状態の樹脂組成物2aを所定の吐出速度及び吐出圧力で吐出する。吐出ノズル101から流動状態の樹脂組成物2aが吐出されると、当該吐出ノズル101には送出機構102から新たなフィラメント3が順次供給され、加熱される。これにより、吐出ノズル101から流動状態の樹脂組成物2aの吐出を連続的に行うことができる。
更に、3Dプリンタ100は、流動状態の樹脂組成物2aの吐出タイミングに合わせ、吐出ノズル101をビルドプレート103に対してX方向(図1における紙面左右方向)、及び当該X方向に直交するY方向(図1における紙面手前から奥行方向)に沿って移動させる吐出ノズル移動機構(図示しない)を備えている。これにより、吐出ノズル101の直下に配置された平面状の吐出面103aを有するビルドプレート103において、流動状態の樹脂組成物2aの吐出位置を任意に変化させることができる。その結果、吐出ノズル101の移動によって、図1に示すように、XY方向及びYX方向に沿って樹脂組成物2による薄い層(樹脂層4)を形成することができる。
なお、ビルドプレート103の吐出面103aに形成された流動状態の樹脂組成物2aで形成された樹脂層4は、吐出ノズル101から吐出されたことによって徐々に熱を失い、冷却する。その結果、熱可塑性樹脂によって形成された樹脂層4は、流動性を喪失し硬化する。そして、硬化した樹脂層4の上から更に流動状態の樹脂組成物2aを吐出ノズル101から吐出することで、新たな樹脂層4を形成することができる。
これにより、図2における、ZX方向またはZY方向、換言すれば、図1における紙面上方向に沿って樹脂層4を多層に積重させることができる。これにより、造形体1の高さが形成され、最終的に三次元形状の立体的な造形体1の出力が完了する。
ここで、上記した熱溶解積層方式の3Dプリンタ100に使用されるフィラメント3として、従来から周知の樹脂(特に、熱可塑性樹脂)を用いることが可能であり、3Dプリンタ100の送出機構102を介して吐出ノズル101の先端まで送出可能なように、例えば、直径数mm程度の所定の形状(細長形状、フィラメント形状)に形成可能なものであればよい。
更に具体的に例示すると、上記に示したPC樹脂やABS樹脂の他に、PC-ABS樹脂やPC-PET樹脂、ポリ乳酸樹脂(PLA樹脂)等を使用することができる。更に、脂肪族ポリエステル化合物及びPC樹脂を含有する樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)を使用することができる。
国際公開第2018/074480号
しかしながら、熱可塑性樹脂、特にPC樹脂を含有して構成される樹脂組成物をフィラメントとして用い、3Dプリンタによる造形体の出力を行う場合、下記に掲げる不具合を生じる可能性があった。
すなわち、PC樹脂を含有した樹脂組成物で構成されたフィラメント(PC樹脂フィラメント)の場合、一般的な3Dプリンタの吐出ノズルによる加熱温度(ノズル温度)は、250℃~280℃の温度範囲で設定されることが多い。これにより、PC樹脂フィラメントは、吐出ノズルのノズル先端部分で上記加熱温度で加熱され、軟化し最終的に吐出可能な流動状態となっている。
一方、PC樹脂フィラメントが吐出されるビルドプレートは、110℃~120℃程度となるように加熱されており、吐出ノズルから吐出された高温、かつ流動状態のPC樹脂フィラメント(樹脂組成物)は、かかるビルドプレート上で樹脂組成物層を形成し、吐出及び積層の段階で徐々に冷却されることにより、硬化する。その結果、樹脂組成物(樹脂組成物層)の流動性が喪失する。
ここで、標準的なPC樹脂の場合、ガラス転移温度(Tg)が約140℃前後であることが知られており、3Dプリンタのフィラメントとして当該PC樹脂をそのまま使用した場合、特に、上述したZX方向(またはZY方向)における樹脂組成物層の間の融着が十分に行われないことがあった。すなわち、硬化後の樹脂組成物層の上に新たに樹脂組成物層を形成した場合、二つの樹脂組成物の間の接着強度が十分でなく、造形体を出力した場合、ZX方向(ZY方向)に相当する高さ方向の強度が弱くなることがあった。その結果、出力された造形体全体の強度に影響を及ぼし、かかる造形体の使用に問題が生じることがあった。
加えて、図2におけるXY方向或いはYX方向に沿って、長尺状の造形体を出力しようとする場合、長手方向に沿って樹脂組成物層の形成、及び多層の樹脂組成物層の積重を行おうとする場合、樹脂組成物層の冷却に伴って出力された造形体の全体に“収縮応力”が発生することがあった。その結果、図2に示すXY方向或いはYX方向に沿った造形体の端部が、造形体の中央部分に対して反り上がり湾曲する“反り”が生じることがあった。
その結果、最終的に出力された造形体の形状が当初設計とは相違したり、寸法精度が著しく低下した状態の造形体が出力されることがあった。加えて、造形体の出力時において、反りの発生により、出力された造形体(或いは樹脂組成物層)の一部が、ビルドプレート上を移動する吐出ノズルと接触し、3Dプリンタの稼働を停止させるおそれがあった。
更に、PC樹脂を含有する樹脂組成物をフィラメントとして使用した場合、出力される造形体についても、PC樹脂の特性である透明性が求められることがあった。すなわち、樹脂組成物自体が透明であったとしても、加熱し溶融状態を経て硬化して多層に積重して構成された造形体の透明度が十分であることが期待されていた。
このように、3Dプリンタによる造形体の出力において、使用するフィラメントを構成する樹脂組成物は、高さ方向における十分な接着強度(融着強度)を有し、造形体自体の強度を確保しつつ、XY方向及び/またはYX方向における造形時の収縮応力の発生を抑え、かつ、出力後の造形体の透明性が求められている。そのため、PC樹脂を主成分として含有する樹脂組成物は、構成する複数の成分を所定の重量%の比率で混合し、上記の要求される性能のバランスを調整する必要があった。
更に、従来の射出成形による製品の場合、製品自体に部品番号やロット番号、或いは製造年月日等を刻印し、個々の製品の製造時期等を識別することが可能であった。しかしながら、3Dプリンタによる造形体の出力の場合、造形体とともに部品番号等を出力することは出力毎にデータを変更する必要があり、現実的ではなかった。一方、出力後の造形体に熱転写印刷等によって刻印を印刷したとしても、経年的な使用により印刷が薄れ、見にくくなるおそれがあった。そのため、3Dプリンタによって出力された造形体に永続的に視認可能な部品番号等の刻印を表示することが期待されていた。
例えば、出力後の造形体に対してレーザーを照射してマーキングを施すレーザーマーキングを行うことが考えられている。しかしながら、発色性の点やレーザーを照射した発色部が膨張する等の問題が生じる可能性があり、発色性や視認性に優れ、かつ発色部にふくれが生じることなくレーザーマーキングを施すことが可能な積層造形用樹脂組成物が望まれていた。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、主成分としてPC樹脂を含み、3Dプリンタによるフィラメントとして使用した場合であっても、高さ方向における十分な接着強度を有し、造形時における収縮応力の発生を抑制し、かつ透明性状を有する立体的な形状の造形体を出力可能とする積層造形用樹脂組成物、及び発色性に優れ、ふくれのない寸法安定性に優れたレーザーマーキングが可能な積層造形用樹脂組成物の提供を課題とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、上記課題を解決可能な樹脂組成物を見出し、下記に示す本発明を完成するに至ったものである。
[1] ポリカーボネート樹脂と、ジカルボン酸成分及びジオール成分をそれぞれ単量体成分とする共重合体として形成される非晶性ポリエステル樹脂と、熱軟化材とを含有し、熱溶解積層方式の三次元プリンタのフィラメントとして使用可能な積層造形用樹脂組成物であって、前記熱軟化材は、結晶性共重合ポリエステル、及びポリエステル系熱可塑性エラストマーの少なくともいずれか一種を有し、ASTM D1003に規定する透明プラスチックのヘイズ及び光透過率の標準試験法に準拠して測定された前記積層造形用樹脂組成物の全光線透過率は、85%以上であり、前記ポリカーボネート樹脂、前記非晶性ポリエステル樹脂、及び前記熱軟化材の合計質量を100とした場合の前記合計質量に占める前記ポリカーボネート樹脂の比率が73重量%~90重量%の範囲であり、前記合計質量に占める前記非晶性ポリエステル樹脂の比率が5重量%~15重量%の範囲であり、前記合計質量に占める前記熱軟化材の比率が5重量%~12重量%の範囲であり、前記積層造形用樹脂組成物から作製されたフィラメントを使用して、長さ170mm、4.0±0.2mm、高さ20mm、第二長さ80mm、第一高さ10±0.2mmの引張試験片を造形体として3Dプリンタによって出力した際の造形時の前記引張試験片に反りが生じることなく4mmの厚さで造形が可能な積層造形用樹脂組成物。
] ISO 179に規定するシャルピー衝撃試験に準拠して測定された前記積層造形用樹脂組成物のシャルピー衝撃試験強度は、1kJ/m~20kJ/mの範囲であり、かつ、ISO 75に規定する負荷たわみ温度の測定方法に準拠して測定された前記積層造形用樹脂組成物の1.8MPa荷重時における荷重たわみ温度は、9℃~10℃の範囲である前記[1]に記載の積層造形用樹脂組成物。
] レーザーマーキング剤を更に具備し、前記レーザーマーキング剤は、導電性カーボンブラック、グラファイト、及びメソポーラスカーボンを含むカーボンブラック類、窒化チタン、炭化珪素、及び硼化ランタンの少なくともいずれか一種類が使用され、前記積層造形用樹脂組成物100重量部に対し、前記レーザーマーキング剤を0.0001~1.0重量部の範囲で含有する前記[1]または2]に記載の積層造形用樹脂組成物。
本発明の積層造形用樹脂組成物は、熱溶解積層方式の3Dプリンタのフィラメントとして使用した場合、十分な融着強度を有し、かつ、樹脂層の積層時における収縮応力の発生を抑制可能な優れた作用効果を奏する。更に出力後の造形体に対して発色性に優れたレーザーマーキングを施すことが可能な作用効果を奏する。
熱溶解積層方式を採用した3Dプリンタの吐出ノズルからの樹脂組成物の吐出の一例を模式的に示す説明図である。 3Dプリンタによる造形体の出力方向の一例を示す説明図である。 試験片(多目的試験片)の一例を示す説明図である。 シャルピー衝撃試験強度の測定用の試験片(多目的試験片)の一例を示す説明図である。 造形体の出力時の反り評価のための引張試験片の一例を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、当該技術分野における当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し、適宜変更、改良等を加え得るものであっても構わない。
1.積層造形用樹脂組成物
本発明の一実施形態の積層造形用樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と称す。)は、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)と、非晶性ポリエステル樹脂と、熱軟化材とを主として含有して構成されるものであり、熱溶解積層方式の3Dプリンタ(三次元プリンタ、図1及び図2参照)用のフィラメントとして使用可能なものである。
更に、樹脂組成物の一成分を構成する熱軟化材は、結晶性共重合ポリエステル、ポリカプロラクトン、及びポリエステル系熱可塑性エラストマーの少なくともいずれか一種を含んで構成され、これらによって得られる樹脂組成物は、全光線透過率が85%以上であることを特徴とする透明性状を呈するものである。
ここで、フィラメントとして使用可能な樹脂組成物の一成分を構成するPC樹脂とは、高い透明性や耐衝撃性の特徴を有するエンジニアリングプラスチックの一種であり、種々の用途に使用される工業用材料或いは建築用材料として広く使用されるものである。PC樹脂は、芳香族二価フェノール系化合物とホスゲンまたは炭酸ジエステルとを反応させることにより得られる。また、PC樹脂の製造方法としては特に制限されず、公知の方法を採用することができ、例えば、芳香族二価フェノール系化合物にホスゲンなどを直接反応させる方法(界面重合法)や、芳香族二価フェノール系化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応させる方法(溶融法)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂の溶融時の流動性を表す数値であるメルトボリュームレイト(MVR)は、かかるPC樹脂において、2~25cm/10minの範囲であることが好ましく、より好ましくは5~15cm/10minの範囲とすることができる。PC樹脂のMVRの値を2cm/10min以上とすることで、良好な流れ性を得ることができる。一方、MVRの値を25cm/10min以下とすることで、優れた耐衝撃性を得ることができる。市販されているPC樹脂として、パンライトL-1225Y、L-1250Y(帝人株式会社製)、或いはユーロピンS-1000,S-2000,S-3000(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製)等を例示することができる。
一方、非晶性ポリエステル樹脂とは、非晶性状を呈し、有機溶媒に可溶なものであり、塗料や接着剤等の用途として使用されているものであり、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸と、エチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)等のジオールとを単量体成分とする共重合体であり、かかる単量体成分の種類と量を調整することで非晶性の樹脂を得ることができる。なお、非晶性ポリエステル樹脂の例としては、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(PETG樹脂)、グリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(PCTG樹脂)、ポリシクロメチレンジメチレンテレフタレート樹脂(PCT樹脂)、及びPCTA樹脂、及びTRITAN(Eastman Chemical Co., Ltd.製)等を挙げることができる。
更に具体的に説明すると、PETG樹脂は、代表的な熱可塑性ポリエステル樹脂の一種であるポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)のジオール成分(エチレングリコール成分)を1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)に置換した際に、CHDMへの置換割合が50mol%未満であり、PCTG樹脂は、CHDMへの置換割合が50mol%以上のものであり、PCT樹脂は、エチレングリコール成分の全量をCHDMへ置換したものである。
PCTA樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂のテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換し、ジオール成分をCHDM単独となるように置換したものである。なお、PET樹脂のジオール成分の単量体として、CHDMと2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)とを用いて、テレフタル酸と反応して得られる樹脂が上記に示した商品名「TRITAN」として市販されている。
このようなPETG樹脂としてEASTAR GN-071,EASTAR 6763(Eastman Chemical Co., Ltd.製)が例示され、PCTG樹脂としてEASTAR DN-001,EASTAR DN-011(Eastman Chemical Co., Ltd.製)が例示され、それぞれ市販されている。更に、PCT樹脂として市販されているEASTAR 3879(Eastman Chemical Co., Ltd.製)が例示され、PCTA樹脂としてEASTAR AN004、KODAR THERM X6761(Eastman Chemical Co., Ltd.製)が例示され、それぞれ市販されている。また、上記に示したTRITANとして、TRINTAN TX-1001,TX2001,FX-100,FX-200等が例示され、それぞれ市販されている。
一方、樹脂組成物の一種である熱軟化材は、結晶性共重合ポリエステル、ポリカプロラクトン、及びポリエステル系熱可塑性エラストマーの少なくともいずれか一種を含んで構成されている。
熱軟化材として使用可能な結晶性共重合ポリエステルは、多価カルボン酸成分と多価グリコール成分からなる結晶性の共重合ポリエステルであり、多価カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などが用いられ、多価グリコール成分としては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが用いられ、耐熱性や耐候性等の性状を有するものである。なお、これらの共重合ポリエステルの融点は、80℃~130℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは95℃~115℃の範囲のものである。このような結晶性共重合ポリエステルとしてバイロンGM-900,バイロンGM-920(東洋紡株式会社製)が例示され、それぞれ市販されている。
ポリカプロラクトンは、生分解性プラスチックの一種であり、一方、ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、例えば、ポリブチレンテレフタレートのポリエステル構造と、ポリエーテル等を用いたブロック共重合ポリマーの一種である。これらの化合物は、工業用材料としていずれも周知のものであり、全て熱可塑性の性状を呈するものであり、シートやフィルム等の種々の用途に使用されている。
更に具体的に説明すると、ポリカプロラクトンは、カプロラクトンを酸、塩基、有機金属化合物等の触媒の存在下開環重合して製造することができるものである。なお、ポリカプロラクトンの末端はエステル化等の末端処理を施してあってもよい。ポリカプロラクトンの融点は60℃、ガラス転移温度は約-60℃である。これらのポリカプロラクトンの数平均分子量は、9,000~90,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは10,000~70,000の範囲のものである。このようなポリカプロラクトンとして数平均分子量が10,000のプラクセル H1P(ダイセル化学工業株式会社製)、或いは数平均分子量が10,000のCapa 2803(インジェヴィティ株式会社製)、数平均分子量が25,000のCapa 6250(インジェヴィティ株式会社製)、及び数平均分子量が50,000のCapa 6500(インジェヴィティ株式会社製)が例示され、それぞれ市販されている。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントから構成されるマルチブロックコポリマー(ハードセグメントとして芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステルなどとを結合させたブロック共重合体)である。
ハードセグメントとしては芳香族ポリエステルが適しており、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等が例示される。一方、ソフトセグメントとしては、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエーテル及び脂肪族ポリカーボネート等が好適であり、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリテトラメチレングリコール、及びポリアルキレンカーボネート等が例示される。このようなブロック共重合体(コポリマー)は、それぞれポリエステル-ポリエステル共重合体、ポリエステル-ポリエーテル共重合体、及びポリエステル-ポリカーボネート共重合体と呼ばれる。特に、ポリエステル-ポリエステル共重合体の使用が好適であり、このようなポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、ペルプレンS1001、S1002、S2001(東洋紡株式会社製)が例示され、それぞれ市販されている。
本実施形態の樹脂組成物は、上記の三成分(PC樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、熱軟化材)を含有して構成され、かかる三成分が所定の比率(重量比)によって混合され、加熱した後に周知の樹脂成形技術によって3Dプリンタのフィラメントとして使用可能なように、フィラメント状に成形加工することができるものである。
ここで、PC樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、及び熱軟化材の合計質量を100とした場合の当該合計質量に占めるPC樹脂の重量%の比率(重量比)が50質量%~93重量%の範囲、より好ましくは73重量%~90重量%の範囲となるように設定可能であり、合計質量に占める非晶性ポリエステル樹脂の重量比が5重量%~30重量%の範囲、より好ましくは5重量%~15重量%の範囲となるように設定可能であり、合計質量に占める熱軟化材の重量比が2重量%~20重量%の範囲、より好ましくは5質量%~12重量%の範囲となるように設定可能である。
PC樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、及び熱軟化材をそれぞれ上記重量比の範囲内に調整することで、3Dプリンタのフィラメントとして使用した場合、高さ方向に十分な融着強度を有し、出力された造形体に反りが発生することがなく、かつ、フィラメント及び出力された造形体の透明性が保持されるものとすることができる。
2.樹脂組成物の特性
本実施形態の樹脂組成物は、上記の重量比で三成分を混合しフィラメントとして成形加工し、3Dプリンタに使用した場合、全光線透過率が85%以上の透明性に優れた本実施形態の樹脂組成物とすることができる。これにより、熱溶解積層方式の3Dプリンタによって出力された造形体は、十分な融着強度を有し、収縮応力を抑え、かつ、透明性状に優れたものとすることができる(詳細は後述する)。なお、プラスチック材料の透明性を示す全透過率の測定は、「ASTM D1003 透明プラスチックのヘイズ及び光透過率の標準試験法」に準拠して測定が行われる。
更に、本実施形態の樹脂組成物は、シャルピー衝撃試験強度が10kJ/m~20kJ/mの範囲であり、かつ、1.8MPa荷重時における荷重たわみ温度(熱変形温度)が95℃~101℃の範囲である力学的特性を備えている。これにより、3Dプリンタのフィラメントとして使用した場合、十分な強度を有し、かつ安定した作製精度で造形体を構築することが可能となる。ここで、シャルピー衝撃試験強度は、「ISO 179 シャルピー衝撃試験」に準拠して測定されたものであり、一方、荷重たわみ温度は、「ISO 75 負荷たわみ温度の測定方法」に準拠して測定されたものである。
以下、本発明の樹脂組成物を下記の実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本発明には、以下の実施例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えることができる。
始めに本実施例において使用するPC樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、及び熱軟化材の各成分の使用材料及び使用した実施例または比較例及び参考例をまとめたものを下記表1に示す。また、以下において、PC樹脂や非晶性ポリエステル樹脂等の各成分に対応する使用材料について、それぞれ下記において付した[A-1]や[B-1]等の使用材料No.を用いて説明を行うものとする。
Figure 0007162941000002
(多目的試験片の作成)
<実施例1>
下記表2に示す三成分に使用される使用材料を同表2に記載された重量%の配合比率に基づいて秤量し、撹拌機(スーパーミキサー SMV-10:株式会社カワタ製)に投入し、5分間の撹拌を行った後にストランドダイ付2軸押出成形機 TEX30α(株式会社日本製鋼所製)を使用し、押出成形温度を270℃に調整して溶融押出・ペレット化の処理を行った。
ここで、実施例1の樹脂組成物による多目的試験片は、PC樹脂としてパンライト L-1250WP([A-1]:帝人株式会社製)、非晶性ポリエステル樹脂としてTRITAN-TX1001([B-1]:Eastman Chemical Co., Ltd.製)、及び、熱軟化材として結晶性共重合ポリエステル樹脂の一種であり、ガラス転移温度=-60℃、融点=107℃の性状を示すバイロン GM-920([C-1]:東洋紡株式会社製)をそれぞれ用いた。
実施例1の樹脂組成物においては、PC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、85:5:10となるように調製されており、本発明の樹脂組成物において規定された範囲内のものである。
溶融押出・ペレット化された樹脂コンパウンドペレットを真空乾燥機に投入し、110℃、2時間以上の乾燥を行った後、型締力980kNの射出成形機(芝浦機械株式会社製)を使用して射出成形温度を280℃に設定し、試験片厚みが4mmのISO規格に準拠する多目的試験片の作成を行った。得られた実施例1の樹脂組成物による多目的試験片を用いて各種性能の評価を行った。
Figure 0007162941000003
<実施例2>
熱軟化材をポリエステル系熱可塑性エラストマーの一種であり、結晶融点=200℃、Vicat軟化点=172℃の性状を示すペルプレン S1002([C-2]:東洋紡株式会社製)に変更し、その他を上記実施例1と同じ条件として実施例2の多目的試験片の作成を行った。実施例2においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、実施例1と同様に85:5:10である。
参考例3>
熱軟化材を白色固体のポリカプロラクトンの一種であり、分子量=10,000、融点58-60℃の性状を示すプラクセルH1P([C-3]:ダイセル株式会社製)に変更し、その他を上記実施例1と同じ条件として参考例3の多目的試験片の作成を行った。実施例3においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、実施例1と同様に85:5:10である。
<実施例4,6,参考例1,2
実施例2と同一の三成分([A-1]、[B-1]、[C-2])の使用材料を用い、それぞれの混合比率(重量%)を本発明に規定された範囲内で変化させ、実施例4,6、参考例1,2の多目的試験片のそれぞれ作成を行った。ここで、実施例4においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、80:10:10であり、参考例1においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、60:30:10であり、実施例6においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、85:10:5であり、参考例2においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、70:10:20である。
<実施例8>
非晶性ポリエステル樹脂をEASTAR 6763([B-2]:Eastman Chemical Co., Ltd.製)に変更し、その他二成分を上記実施例2と同じにし、それぞれの混合比率(重量%)を本発明に規定された範囲内で変化させ、実施例8の多目的試験片の作成を行った。実施例8においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、80:10:10である。
<実施例9>
非晶性ポリエステル樹脂をEASTAR DN011([B-3]:Eastman Chemical Co., Ltd.製)に変更し、その他二成分を上記実施例8と同じにし、それぞれの混合比率(重量%)を本発明に規定された範囲内で変化させ、実施例9の多目的試験片の作成を行った。実施例9においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、80:10:10である。
<実施例10>
非晶性ポリエステル樹脂をEASTAR 3879([B-4]:Eastman Chemical Co., Ltd.製)に変更し、その他二成分を上記実施例8と同じにし、それぞれの混合比率(重量%)を本発明に規定された範囲内で変化させ、実施例10の多目的試験片の作成を行った。実施例10においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、80:10:10である。
<比較例1-4>
比較例1-4の樹脂組成物は、熱軟化材を含有しないPC樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂の二成分によって構成されるものであり、下記表3に示す二成分に使用される使用材料を同表3に記載された重量比に基づいて秤量し、上記実施例と同様に撹拌及び押出成形による樹脂コンパウンドペレットの形成、及び射出成形により多目的試験片を形成したものである。
ここで、比較例1の樹脂組成物による多目的試験片は、PC樹脂としてパンライト L-1250WP([A-1])、及び、非晶性ポリエステル樹脂としてTRITAN-TX1001([B-1])を用いて得たものであり、以下、比較例2は非晶性ポリエステル樹脂としてEASTAR 6763([B-2])に変更し、比較例3は非晶性ポリエステル樹脂としてEASTAR 3879([B-4])に変更し、比較例4は非晶性ポリエステル樹脂としてEASTAR DN-011([B-3])に変更し、その他を上記比較例1と同じ条件として比較例2-4の多目的試験片を得た。比較例1-4においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、90:10:0である。
<比較例5-7>
比較例5-7の樹脂組成物は、非晶性ポリエステル樹脂を含有しないPC樹脂及び熱軟化材の二成分によって構成されるものであり、下記表3に示す二成分に使用される使用材料を同表3に記載された重量%の配合比率に基づいて秤量し、上記実施例と同様に撹拌及び押出成形による樹脂コンパウンドペレットの形成、及び射出成形により多目的試験片を形成したものである。
ここで、比較例5の樹脂組成物による多目的試験片は、PC樹脂としてパンライト L-1250WP([A-1])、及び、熱軟化材としてバイロン GM-920([C-1])を用いて得たものであり、以下、比較例6は熱軟化材としてペルプレン S1002([C-2])に変更し、比較例7は熱軟化材としてプラクセル H1P([C-3])に変更し、その他を上記比較例5と同じ条件として比較例5-7の多目的試験片を得た。比較例5-7においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、90:0:10である。
<比較例8,9>
比較例8,9の樹脂組成物は、三成分の配合比率(重量比)が本発明の樹脂組成物において規定された範囲から逸脱したものであり、下記表3に示す二成分に使用される使用材料を同表3に記載された重量%の配合比率に基づいて秤量し、上記実施例と同様に撹拌及び押出成形による樹脂コンパウンドペレットの形成、及び射出成形により多目的試験片を形成したものである。
比較例8,9の樹脂組成物による多目的試験片は、PC樹脂としてパンライト L-1250WP([A-1])、非晶性ポリエステル樹脂としてTRITAN-TX1001([B-1])、及び、熱軟化材としてペルプレン S1002([C-2])を用いて得たものである。比較例8においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、50:40:10であり、比較例9においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、60:10:30である。
<比較例10>
比較例10の樹脂組成物は、PC樹脂の一成分によって構成されるものであり、上記実施例と同様に撹拌及び押出成形による樹脂コンパウンドペレットの形成、及び射出成形により多目的試験片を形成したものである。比較例10の樹脂組成物による多目的試験片は、PC樹脂としてパンライト L-1250WP([A-1])のみを用いて得たものである。比較例10においてPC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、100:0:0である。
Figure 0007162941000004
上記により得られた多目的試験片は、射出成形後の形状が4mm厚の平板状の試験片5(図3参照)を基本とし、長さL:80±2mm、b:4.0±0.2mm、高さh:10.0±0.2mmとなるように設定されている。なお、シャルピー衝撃試験強度の試験片6については、図4に示すようなノッチ7を中央部に設けた長さL:80±2mm、b:4.0±0.2mm、高さh:10.0±0.2mm、残り高さhn:8.0±0.2mmに設定されている。
なお、反りの評価については、小型フィラメント製造機(株式会社エーペックスジャパン製)を使用し、成形温度240℃-260℃に設定し、直径1.75mmのフィラメントを作製し、このフィラメントを使用して3Dプリンタ(Raise 3D Pro2:Raise 3D Technologies製)によって、図5に示す引張試験片8を水平方向(XY方向)に造形体として出力した。引張試験片8は、長さL:170mm、幅b:4.0±0.2mm、高さh:20mm、第一長さL1:114mm、第二長さL2:80mm、第一高さh1:10±0.2mmに設定されている。
(全光線透過率)
全光線透過率の測定用の試験片5をASTM D1003に規定された試験規格に準拠した測定が可能な分光測光計(CM-5、コニカミノルタ株式会社製)にセットし、全光線透過率の測定を行った。その結果を下記の表4に示す。
(シャルピー衝撃試験強度)
射出成形されたシャルピー衝撃試験強度の測定用の試験片6をISO 179に規定された試験規格に準拠した測定が可能なシャルピー衝撃試験強度試験機(島津製作所株式会社製)にセットし、ノッチ付シャルピー衝撃試験強度の測定を行った。その結果を下記の表4に示す。
(荷重たわみ温度)
射出成形された荷重たわみ温度の測定用の試験片5をISO 75に規定する試験規格に準拠した測定が可能な荷重たわみ温度試験機(HDT試験機3M-2:株式会社東洋精機製作所製)にセットし、規定の試験荷重(1.80MPa)を加えながら一定の速度で試験片5を昇温させ、規定のたわみ量に到達したときの温度を測定した。その結果を下記の表4に示す。
(造形体の反りの評価)
上述の3Dプリンタを用い、図5に示す形状の引張試験片8を造形体として出力した。かかる造形時の引張試験片8に生じる反りを目視にて下記の4段階で評価した。
○(4点):反り無く引張試験片(4mm厚さ)の造形が可能。
△(3点):引張試験片の厚みが3mm~4mm未満で造形体に反りが発生。ノズルヘッドの接触により、3Dプリンタの稼働が停止。
×(2点):引張試験片の厚みが2mm前後で造形体に反りが発生。ノズルヘッドの接触により、3Dプリンタの稼働が停止。
××(1点):引張試験片の厚みが2mm未満で造形体に反りが発生。ノズルヘッドの接触により、3Dプリンタの稼働が停止。
その結果を下記の表4に示す。
Figure 0007162941000005
(樹脂組成物の評価結果)
上記表4に示すように、実施例1,2,4,6,8-10の樹脂組成物は、全光線透過率がいずれも85%以上であり、優れた透明性を有することが確認された。更に、シャルピー衝撃試験強度及び荷重たわみ温度の測定結果から高い耐衝撃性及び良好な耐熱性を示すことが確認された。加えて、3Dプリンタを用いた造形体の出力時においても反りの発生が確認されず、良好な造形体の出力が可能であった。そのため、本発明において規定されたPC樹脂等の三成分を含有する樹脂組成物を3Dプリンタ用のフィラメントとして好適に使用できることが示された。
これに対し、本発明の樹脂組成物において規定した範囲を逸脱する比較例1-10において、比較例1-4は熱軟化材を含有しないことにより、3Dプリンタを用いた造形体の出力時において反りが発生し、3Dプリンタの稼働が停止するトラブルの発生が確認された。また、比較例5-7は非晶性ポリエステル樹脂を含有しないことにより、シャルピー衝撃試験強度が実施例1-10に対して劣ることが確認された。
本発明の樹脂組成物を構成する三成分の重量%の範囲から逸脱した比較例8の場合、非晶性ポリエステル樹脂の比率が40重量%と高くなることにより、透明性(全光線透過率)が劣り、かつ、耐熱性(熱変形温度)が実施例と比較して劣ることが示された。一方、比較例9の場合、熱軟化材の比率が30重量%と高くなることから、透明性(全光線透過率)、衝撃強度(シャルピー衝撃試験強度)、及び耐熱性(熱変形温度)のいずれにおいても実施例と比較して劣ることが示された。
更に、非晶性ポリエステル樹脂及び熱軟化材をいずれも含有しないPC樹脂のみで構成された比較例10の場合、3Dプリンタによる造形体の出力時における反りの発生が著しく大きくなることが確認された。
以上、示したように、本発明の樹脂組成物は、PC樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、及び熱軟化材の三成分を含有し、これらの三成分が所定の比率でバランスよく配合され調製されることにより、耐衝撃性や耐熱性に優れ、かつ、3Dプリンタ用のフィラメントとして使用した場合であっても造形時の収縮応力の発生を抑え、高い寸法精度の造形体の出力が可能となる。更に出力後の造形体は、高い透明性を示すことができ、透明の造形体を出力することに特に適している。
3.レーザーマーキング用の積層造形用樹脂組成物
本発明の別例構成となる第二実施形態の積層造形用樹脂組成物は、既に上記において説明した樹脂組成物にレーザーマーキング剤を更に含有して構成されるものであり、熱溶解積層方式の3Dプリンタ(三次元プリンタ、図1及び図2参照)用のフィラメントとして使用可能なものである。
樹脂組成物を構成するポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、非晶性ポリエステル樹脂、及び熱軟化材の詳細については既に説明したものと同一であり、ここでは説明を省略する(表1等参照)。
一方、レーザーマーキング剤は、カーボンブラック、導電性カーボンブラック、グラファイト(黒鉛)、及びメソポーラスカーボンブラックを含むカーボンブラック類、及び、窒化チタン、炭化珪素、及び硼化ランタンであり、これらを少なくとも一種類が上記樹脂組成物に対して添加されるものである。
ここで、レーザーマーキング剤の添加量は、三成分からなる樹脂組成物100重量部に対して、0.0001~1.0重量部の範囲、より好ましくは0.0010~0.20重量部の範囲である。レーザーマーキング剤の添加量が0.0001重量部未満の場合、レーザーマーキングによる発色性が乏しく、マーキング箇所を十分に視認することができない。一方、添加量が1.0重量部を超える場合、レーザー光を照射した際に発泡が生じやすくなり、造形体の外観形状や美感性を損なうおそれがある。そのため、レーザーマーキング剤の添加量を上記範囲内とする必要がある。
以下、レーザーマーキング剤を含む第二実施形態の樹脂組成物を下記の参考例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの参考例に限定されるものではない。また、本発明には、以下の参考例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えることができる。
始めに本参考例及び比較例において使用するレーザーマーキング剤をまとめたものを下記表5に示す。
Figure 0007162941000006
(レーザーマーキング評価用フィラメントの作成)
参考
下記表6に示すPC樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、及び熱軟化材の三成分に使用される使用材料、及びレーザーマーキング剤を同表6に記載された重量%及び重量部の配合比率に基づいて秤量し、撹拌機(スーパーミキサー SMV-10:株式会社カワタ製)に投入し、5分間の撹拌を行った後にストランドダイ付2軸押出成形機 TEX30α(株式会社日本製鋼所製)を使用し、押出成形速度を270℃に調整して溶融押出・ペレット化の処理を行った。
Figure 0007162941000007
ここで、参考のレーザーマーキング評価用の樹脂コンパウンドペレットは、PC樹脂としてパンライト L-1250WP([A-1]:帝人株式会社製)、非晶性ポリエステル樹脂としてTRITAN-TX1001([B-1]:Eastman Chemical Co., Ltd.製)、及び、熱軟化材として白色固体のポリカプロラクトンの一種であり、分子量=10,000、融点58-60℃の性状を示すプラクセルH1P([C-3]:ダイセル株式会社製)をそれぞれ用いた。
参考の樹脂コンパウンドペレットは、PC樹脂:非晶性ポリエステル樹脂:熱軟化材の重量比は、85:5:10となるように調製されており、かかる三成分及び重量比は既に説明した参考と同一のものである。更に、これらの三成分及び重量比については、以下に説明する参考-1及び比較例11-14において同一である。
上記構成に加え、参考にはレーザーマーキング剤として導電性カーボンブラック #3050B([D-2]:三菱ケミカル株式会社製)を用いている。ここで、レーザーマーキング剤として使用される導電性カーボンブラック #3050Bは、上記の三成分の合計重量100重量部に対して0.002重量部(0.002phr)が添加されている。
参考-1
参考のPC樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、及び熱軟化材の使用材料及び重量%を同一([A-1]:[B-1]:[C-3]=85:5:10)とし、参考において使用するレーザーマーキング剤として、グラファイト UTC-48J([D-3]:日本黒鉛工業株式会社製)、参考において使用するレーザーマーキング剤として、メソポーラスカーボンブラックであるクノーベル(登録商標)MH-00([D-4]:東洋炭素株式会社製)、参考において使用するレーザーマーキング剤として、カーボンブラック #10([D-1]:三菱ケミカル株式会社製)、参考において使用するレーザーマーキング剤として、窒化チタン(TiN)であるチタンブラック UF-8([D-5]:三菱マテリアル電子化成株式会社製)、参考において使用するレーザーマーキング剤として、炭化珪素(SiC)([D-6]:太平洋ランダム株式会社製)、参考例1において使用するレーザーマーキング剤として、硼化ランタン(LaB6-O)([D-7]:日本新金属株式会社製)をそれぞれ用いている。なお、参考~1において、それぞれ使用されるレーザーマーキング剤は、三成分の合計重量100重量部に対して0.002重量部(0.002phr)が添加されている(表6参照)。
<比較例11-14>
一方、比較例11は、実施例11のPC樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、及び熱軟化剤の使用材料及び重量%を同一とし、レーザーマーキング剤が不使用のものである。更に、比較例12は、実施例11及び比較例11と三成分の使用材料及び重量%を同一とし、レーザーマーキング剤として、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)([E-1]:三菱マテリアル電子化成株式会社製)を三成分の合計重量100重量部に対して0.002重量部(0.002phr)が添加されたものであり、比較例13は、比較例12のアンチモンドープ酸化スズ(ATO)の代わりにレーザーマーキング剤としてインジウムドープ酸化スズ(ITO)([E-2]:三菱マテリアル電子化成株式会社製)が0.002重量部(0.002phr)添加されたものであり、比較例14は、比較例12のアンチモンドープ酸化スズまたは比較例13のインジウムドープ酸化スズの代わりにレーザーマーキング剤として酸化ビスマス(Bi)([E-3]:富士フイルム和光純薬株式会社製)を添加したものである(表6参照)。
(フィラメントの形成、及びレーザーマーキング評価用の造形体の形成)
溶融押出・ペレット化された実施例11-17及び比較例11-14のレーザーマーキング評価用の樹脂コンパウンドペレットをフィラメント溶融押出成形機 AS-1(株式会社エーペックスジャパン製)に投入し、押出成形温度を250℃に調整して直径1.75mmのレーザーマーキング評価用フィラメントを得た。得られたレーザーマーキング評価用フィラメントを使用して3Dプリンタ(Raise 3D Pro2:Raise 3D Technologies製)によって、水平方向に40mm×40mm×2mmの平板状の造形体を得た。
(造形体に対するレーザーマーキング)
得られた平板状の実施例11-17及び比較例11-14の造形体に、レーザーマーキング装置(Fiber-Laser Maker IDL-20:株式会社IDレーザー製)を使用して、下記のマーキング条件により、10mm×10mmの塗りつぶし描画を造形体の表面に施し、発色部を形成した。
<レーザーマーキングの条件>
Emission Wavelength: 1064nm
Output Power(Nominal): 20W
Laser光照射パワー: 80%
スキャンスピード: 4000mm/s
ここで、3Dプリントにより得られた造形体表面の平滑性を得るために、当該造形体表面を研磨した後、上記のレーザーマーキングを行った。
(レーザーマーキングの評価 発色性)
レーザーマーキング装置によってレーザーマーキングされた発色部の発色性を目視にて下記の4段階で評価した。
◎:発色性に優れる。
○:発色性が良好である。
△:発色性が不十分である。
×:発色性に劣る。
その結果を上記表6に示す。
(レーザーマーキングの評価 発色部のふくれ)
レーザーマーキング装置によってレーザーマーキングされた発色部のふくれを目視にて下記の4段階で評価した。
◎:発色部のふくれ無し。
○:発色部にわずかなふくれが認められるが、実用上の問題はなし。
△:発色部に中程度のふくれが認められ、実用に不適である。
×:発色部に大きなふくれが認められる。
その結果を上記表6に示す。
(第二実施形態の樹脂組成物の評価結果)
上記表6に示すように、参考-1の樹脂組成物は、発色性の評価がいずれも「◎」若しくは「○」であり、優れた発色性を示すことが確認された。更に、発色部におけるふくれについても、いずれも「◎」であり、良好な結果を示すことが確認された。そのため、本発明において規定されたPC樹脂等の三成分及び当該三成分に対して規定の重量部で添加されたレーザーマーキング剤を含む本発明のマーキング用樹脂組成物は、3Dプリンタのフィラメントとして好適に使用でき、かつ十分なレーザーマーキング性を発揮することが示された。
これに対し、第二実施形態の樹脂組成物において規定した範囲を逸脱する比較例11-14において、比較例11は、レーザーマーキング剤を添加しないことにより、発色部における良好な発色性が当然認められるものではなく、本発明に規定されたレーザーマーキング剤と異なるレーザーマーキング剤を用いて比較例12-14は、発色性及び発色部のふくれのいずれにおいても実用的な点で問題が生じることが確認された。
以上、示したように、第二実施形態の樹脂組成物は、PC樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、及び熱軟化材の三成分を含有し、これらの三成分が所定の比率でバランスよく配合され調製されるとともに、これらの三成分の合計質量を100重量部とした場合に規定量のレーザーマーキング剤を添加することにより、上述した樹脂組成物の特性に加え、発色性に優れたレーザーマーキングを行うことができ、かつ発色部にふくれ等が生じることのない良好なものとすることができる。
本発明の樹脂組成物は、特に透明性を有する造形体を出力するための3Dプリンタ用のフィラメントを構成するものとして、好適に使用することができる。更に、第二実施形態の樹脂組成物は、透明性を有し、レーザーマーキングが可能な造形体を出力するための3Dプリンタ用のフィラメントを構成するものとして、好適に使用することができる。
1:造形体、2:樹脂組成物(積層造形用樹脂組成物)、2a:流動状態の樹脂組成物、3:フィラメント、4:樹脂層、5,6:試験片(多目的試験片)、7:ノッチ、8:引張試験片、100:3Dプリンタ、101:吐出ノズル、102:送出機構、103:ビルドプレート、b:、h:高さ、hn:残り高さ、h1:第一高さ、L:長さ、L1:第一長さ、L2:第二長さ。

Claims (3)

  1. ポリカーボネート樹脂と、ジカルボン酸成分及びジオール成分をそれぞれ単量体成分とする共重合体として形成される非晶性ポリエステル樹脂と、熱軟化材とを含有し、熱溶解積層方式の三次元プリンタのフィラメントとして使用可能な積層造形用樹脂組成物であって、
    前記熱軟化材は、
    結晶性共重合ポリエステル、及びポリエステル系熱可塑性エラストマーの少なくともいずれか一種を有し、
    ASTM D1003に規定する透明プラスチックのヘイズ及び光透過率の標準試験法に準拠して測定された前記積層造形用樹脂組成物の全光線透過率は、
    85%以上であり、
    前記ポリカーボネート樹脂、前記非晶性ポリエステル樹脂、及び前記熱軟化材の合計質量を100とした場合の前記合計質量に占める前記ポリカーボネート樹脂の比率が73重量%~90重量%の範囲であり、前記合計質量に占める前記非晶性ポリエステル樹脂の比率が5重量%~15重量%の範囲であり、前記合計質量に占める前記熱軟化材の比率が5重量%~12重量%の範囲であり、
    前記積層造形用樹脂組成物から作製されたフィラメントを使用して、長さ170mm、4.0±0.2mm、高さ20mm、第二長さ80mm、第一高さ10±0.2mmの引張試験片を造形体として3Dプリンタによって出力した際の造形時の前記引張試験片に反りが生じることなく4mmの厚さで造形が可能な積層造形用樹脂組成物。
  2. ISO 179に規定するシャルピー衝撃試験に準拠して測定された前記積層造形用樹脂組成物のシャルピー衝撃試験強度は、
    12kJ/m~20kJ/mの範囲であり、かつ、
    ISO 75に規定する負荷たわみ温度の測定方法に準拠して測定された前記積層造形用樹脂組成物の1.8MPa荷重時における荷重たわみ温度は、
    96℃~106℃の範囲である請求項1に記載の積層造形用樹脂組成物。
  3. レーザーマーキング剤を更に具備し、
    前記レーザーマーキング剤は、
    導電性カーボンブラック、グラファイト、及びメソポーラスカーボンを含むカーボンブラック類、窒化チタン、炭化珪素、及び硼化ランタンの少なくともいずれか一種類が使用され、
    前記積層造形用樹脂組成物100重量部に対し、前記レーザーマーキング剤を0.0001~1.0重量部の範囲で含有する請求項1または2に記載の積層造形用樹脂組成物。
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