JP7162197B2 - 化粧面材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
以下、化粧面材1について、図面を参照して説明する。第1の実施形態に係る化粧面材1を1A、第2の実施形態に係る化粧面材1を1B、第3の実施形態に係る化粧面材1を1C、として示す。
図1は、第1の実施形態に係る化粧面材1Aを示す図である。図1(A)は、化粧面材1Aの平面図であり、図1(B)は、図1(A)のA-A線に沿った模式的な断面図である。図2は、図1(B)の部分Pを拡大して示す模式的な断面図である。
基材10は、その加飾側表面11に、区画部20と複数個の区画領域部53と、が形成される部材であり、1個の化粧面材1Aに1個設けられる。なお、区画領域部53は、その表面に加飾層51が形成されると領域加飾部50となる。基材10の材質としては、特に限定されず、例えば、木質基材、樹脂基材、金属基材、セラミック基材、石基材等が用いられる。ここで、木質基材としては、例えば、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード等が用いられる。また、セラミック基材としては、例えば、石膏基材等が用いられる。上記基材のうち、木質基材は、安価で加工が容易であるため好ましい。基材10の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.5~20cmである。ここで、基材10の厚みとは、基材10の平均厚さを意味する。
区画部20A(20)は、基材10の加飾側表面11を凹設して得られる、溝部30からなる部分である。溝部30Aは、区画部20のうち、隣接する2つの区画領域部53(53e及び53aA)間において、これら2つの区画領域部53よりも、高さが低くなる底部を有し、この底部を介して2つ以上の壁面部31を有するように形成されたものである。
領域加飾部50は、区画部20を介して複数個に区画された区画領域部53、の表面に加飾層51が形成されてなるものである。領域加飾部50は、区画領域部53の形状と、区画領域部53の表面に形成された加飾層51の模様もしくは色彩と、の組み合わせにより、特定の形態を生ずる。ここで、形態とは、形状、模様もしくは色彩、又はこれらの結合を意味する。
区画領域部53は、基材10の加飾側表面11に区画部20を凹設した後に得られかつ区画部20を介して区画される領域であり、基材10の表面を分割した領域である。また、区画領域部53は、1個の化粧面材1に複数個形成される。区画部20が溝部30である場合は、区画領域部53は、基材10の加飾側表面11のうち、溝部30を除いた部分となる。区画部20が段差部40である場合は、区画領域部53は、基材10の加飾側表面11そのままの部分と、加飾側表面11を凹設した後に得られる底面と、から構成される。
領域加飾部50は、区画領域部53の表面に加飾層51が形成されたものであり、区画領域部53と加飾層51とを含む。加飾層51は、区画領域部53の表面を直接的又は間接的に加飾する層である。図2に示すように、化粧面材1Aの加飾層51aA及び51eは、目止め層60を介して間接的に区画領域部53aA及び53eを加飾している。
化粧面材1Aは、後述の化粧面材の製造方法で説明するように、基材10に区画部20を形成する区画工程と、隣接する区画領域部53を異なる形態に加飾する加飾工程と、を行うだけで、化粧面材を製造することができる。すなわち、従来技術のような、無垢材の個片又はフリッチをパーケット柄になるように組み込み下地材に貼り付ける作業が不要である。このため、化粧面材1Aは、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため、製造コストが低くなる。
図3は、第2の実施形態に係る化粧面材1Bを示す図である。図3(A)は、化粧面材1Bの平面図であり、図3(B)は、図3(A)のB-B線に沿った模式的な断面図である。図4は、図3(B)の部分Qを拡大して示す模式的な断面図である。
化粧面材1Bの基材10は、化粧面材1Aの基材10と同じであるため詳しい説明を省略する。なお、化粧面材1Bの基材10の加飾側表面11Bの一部は、区画部20としての段差部40Bを形成する際に凹設されることにより、図4に示すように、区画領域部53eよりも高さが低くなった区画領域部53aBになっている。段差部40Bは、区画部20のうち、隣接する2つの区画領域部53の表面の高さが異なり、一方の区画領域部53の表面と他方の区画領域部53の表面との間を接続する1つ以上の壁面部41を有するように形成されたものである。区画領域部53e及び53aBには、それぞれ、加飾層51e及び51aBが形成されることにより、領域加飾部50e及び50aBが形成される。このため、図3及び4に示すように、領域加飾部50eや50cに隣接して、領域加飾部50eや50cよりも高さが低くなった領域加飾部50aBが形成されている。
化粧面材1Bの区画部20Bは、図3(B)及び図4に示すように、1つの壁面部41を有する段差部40Bになっている。段差部40Bの壁面部41の頂部に隣接する区画領域部53eは、段差部40Bを形成する前の基材10の加飾側表面11Bの一部に相当する。段差部40Bの壁面部41の底部に隣接する区画領域部53aBは、段差部40Bを形成する前の基材10の加飾側表面11Bの一部を凹設して得られる底面に相当する。
領域加飾部50は、化粧面材1Bの表面に複数個形成される。図3(A)、(B)及び図4に示すように、化粧面材1Bでは、1枚の基材10の表面に、段差部40Bからなる区画部20B(20)で区画された、5個の領域加飾部50(50aB、50b、50c、50d、50e)が形成されている。
第2の実施形態に係る化粧面材1Bでは、基材10の加飾側表面11Bの一部を底部が平面になるように凹設することにより区画領域部53aBが平面状になっている。
図4に示すように、化粧面材1Bの加飾層51aB及び51eは、目止め層60を介して間接的に区画領域部53aB及び53eを加飾している。
化粧面材1Bによれば、第1の実施形態に係る化粧面材1Aと同様の効果を奏する。
図5は、第3の実施形態に係る化粧面材1Cを示す図である。図5(A)は、化粧面材1Cの平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC-C線に沿った模式的な断面図である。図6は、図5(B)の部分Rを拡大して示す模式的な断面図である。
化粧面材1Cの基材10は、化粧面材1Aの基材10と同じであるため詳しい説明を省略する。なお、化粧面材1Cの基材10の加飾側表面11Cの一部は、区画部20としての溝部30Cを形成する際に凹設されることにより、図6に示すように、区画領域部53eよりも高さが低く且つ凹凸を有する区画領域部53aCになっている。区画領域部53e及び53aCには、それぞれ、加飾層51e及び51aCが形成されることにより、領域加飾部50e及び50aCが形成される。このため、図5及び6に示すように、領域加飾部50eや50cに隣接して、領域加飾部50eや50cよりも高さが低く且つ凹凸を有する領域加飾部50aCが形成されている。
化粧面材1Cの区画部20Cは、図5(B)及び図6に示すように、第1の実施形態に係る化粧面材1Aの溝部30Aと同様に、2つの壁面部31c及び31dを有する溝部30Cになっている。図6中、溝部30Cの左側に隣接する区画領域部53eは、溝部30Cを形成する前の基材10の加飾側表面11Cの一部に相当する。図6中、溝部30Cの右側に隣接する区画領域部53aBは、溝部30Cを形成する前の基材10の加飾側表面11Bの一部を底部が凹凸状になるように凹設して得られる底面に相当する。
領域加飾部50は、化粧面材1Cの表面に複数個形成される。図5(A)、(B)及び図6に示すように、化粧面材1Cでは、1枚の基材10の表面に、溝部30Cからなる区画部20C(20)で区画された、5個の領域加飾部50(50aC、50b、50c、50d、50e)が形成されている。
第3の実施形態に係る化粧面材1Cでは、基材10の加飾側表面11Cの一部を底部が凹凸状になるように凹設することにより区画領域部53aCが凹凸状になっている。
図6に示すように、化粧面材1Cの加飾層51aC及び51eは、目止め層60を介して間接的に区画領域部53aC及び53eを加飾している。
化粧面材1Cによれば、第1の実施形態に係る化粧面材1Aと同様の効果を奏する。また、化粧面材1Cは、区画領域部53C及び領域加飾部50aCの形状が凹凸状になっているため、化粧面材1Aや1Bに比較して領域加飾部50aCの立体感がより優れる。
<変形例1>
第1~3の実施形態に係る化粧面材1A~1Cでは、区画部20の加飾について特に限定していない。これに対し、第1~3の実施形態の変形例として、区画部20は、隣接する領域加飾部50の加飾と異なる形態に加飾されていてもよい。区画部20が、隣接する領域加飾部50の加飾と異なる形態に加飾されていると、隣接する領域加飾部50の区画が明瞭になる。
第1~3の実施形態に係る化粧面材1A~1Cでは、基材10の表面に、目止め層60と加飾層51とを形成する例を示した。これに対し、第1~3の実施形態の変形例として、基材10の表面に、目止め層60を形成せずに、加飾層51のみを形成してもよい。例えば、基材10の材質が、加飾層51を形成するインクを吸収しない材質であれば、目止め層60を形成しないようにすることができる。インクを吸収しない材質としては、例えば、樹脂基材、金属基材、セラミック基材、石基材等が挙げられる。
第1~3の実施形態に係る化粧面材1A~1Cでは、基材10の表面に、目止め層60と加飾層51とを形成する例を示した。これに対し、第1~3の実施形態の変形例として、基材10の表面に、目止め層60及び加飾層51以外の層を形成してもよい。例えば、基材10と目止め層60との間に無職透明のクリア層を形成することができる。無職透明のクリア層は、例えば、UV硬化樹脂からなる層である。
次に、化粧面材の製造方法について、図面を参照して説明する。化粧面材の製造方法は、基材10の加飾側表面11に区画部20を形成する区画工程と、基材10の加飾側表面11に区画部20を凹設した後に得られた区画領域部53をインクジェットを用いて加飾する加飾工程と、を備える。
区画工程は、基材10の加飾側表面11を凹設することにより、加飾側表面11に溝部30又は段差部40からなる区画部20を形成する工程である。図7は、化粧面材の製造方法の区画工程を示す図である。図7に示すように、区画工程では、基材10の加飾側表面11を凹設して区画部20を形成する。区画部20を形成する際に形成される区画部20以外の部分は、例えば、領域加飾部を構成する区画領域部53となる。
化粧面材の製造方法は、上記のように区画工程と加飾工程とを有する。しかし、必要により、区画工程と加飾工程との間に、目止め処理工程を有していてもよい。目止め処理工程は、区画領域部53と区画部20とを目止め処理する工程である。図8は、化粧面材の製造方法の目止め処理工程を示す図である。図8に示すように、目止め処理工程では、基材10の加飾側表面11に区画部20を凹設した後に得られかつ区画部20を介して複数個に区画された区画領域部53と、区画部20とを目止め処理する。
加飾工程は、基材10の加飾側表面11に区画部20を凹設した後に得られかつ区画部20を介して複数個に区画された区画領域部53のうち、隣接する区画領域部53を、インクジェットを用いて異なる形態に加飾する工程である。図9は、化粧面材の製造方法の加飾工程を示す図である。図9に示すように、加飾工程では、複数個の区画領域部53のうち、隣接する区画領域部53を、インクジェット装置55を用いたインクジェット57により、異なる形態に加飾する。加飾工程を行うと、図9に示すように、基材10の表面に、加飾層51を有する領域加飾部50と区画部20とが形成された化粧面材1が作製される。
区画工程における区画部20の凹設形状について説明する。上記のように区画部20は、溝部30又は段差部40からなる。区画部20としての溝部30としては、V字状の横断面形状を有するV溝や、2個の曲線がγ(ガンマ)字状に組み合わされた横断面形状を有するR溝とすることができる。
区画工程において、レーザ加工で区画部20としての溝部30を凹設する場合の手順の一例を説明する。図12は、V溝を形成する区画工程の一例を示す図である。図12(A)は、区画工程前の様子を示す図であり、図12(B)は、区画工程後の様子を模式的に示す図である。
上記化粧面材の製造方法によれば、基材10に区画部20を形成する区画工程と、隣接する区画領域部53を異なる形態に加飾する加飾工程と、を行うだけで、化粧面材を製造することができる。すなわち、従来技術のような、無垢材の個片又はフリッチをパーケット柄になるように組み込み下地材に貼り付ける作業が不要である。このため、化粧面材の製造方法によれば、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため、製造コストが低くなる。
10 基材
11、11A、11B、11C 加飾側表面
20、20A、20B、20C 区画部
25 レーザ加工装置
27 レーザ光
30、30A、30C 溝部
31、31a、31b、31c、31d 溝部の壁面部
40、40B 段差部
41 段差部の壁面部
50、50aA、50aB、50aC、50b、50c、50d、50e 領域加飾部
51、51aA、51aB、51aC、51e 加飾層
53、53aA、53aB、53aC 区画領域部
55 インクジェット装置
57 インクジェット
60 目止め層
65 ローラ
Claims (6)
- 加飾側表面を有する基材と、
この基材の加飾側表面を凹設して得られる、段差部からなる区画部と、
前記基材の加飾側表面に区画部を凹設した後に得られかつ前記区画部を介して複数個に区画された区画領域部、の表面に加飾層が形成されてなる複数個の領域加飾部と、
を備え、
前記区画部の底部に接続する前記区画領域部の高さは、前記区画部の頂部に接続する前記区画領域部よりも低く、
前記基材は、単一の木質基材であり、
隣接する前記領域加飾部の加飾層は、インクジェットを用いて異なる形態に加飾されていることを特徴とする化粧面材。 - 前記区画部は、隣接する前記領域加飾部の加飾と異なる形態に加飾されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧面材。
- 前記区画部は、前記段差部の壁面部の少なくとも一部が、この壁面部に接続する1種以上の前記領域加飾部の加飾と形態が一体化するように加飾されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧面材。
- 隣接する前記領域加飾部の加飾層は、柄の種類、向き、及び色から選ばれる1種以上が異なるように加飾されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧面材。
- 基材の加飾側表面を凹設することにより、前記加飾側表面に段差部からなる区画部を形成する区画工程と、
前記基材の加飾側表面に区画部を凹設した後に得られかつ前記区画部を介して複数個に区画された区画領域部のうち、隣接する区画領域部を、インクジェットを用いて異なる形態に加飾する加飾工程と、
を備え、
前記基材は、単一の木質基材であり、
前記区画部の底部に接続する前記区画領域部の高さは、前記区画部の頂部に接続する前記区画領域部よりも低いことを特徴とする化粧面材の製造方法。 - 前記区画工程は、レーザ加工を用いて前記基材の加飾側表面に段差部からなる区画部を形成することを特徴とする請求項5に記載の化粧面材の製造方法。
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