JP7160560B2 - 故障診断システム及び故障診断方法 - Google Patents
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Description
この点、特許文献1には、上記のような問題を解決するための具体的な構成について何ら開示されていない。
熱流体機器の運転状態に関する状態量を検知するためのセンサと、
前記センサの検知結果に基づき前記熱流体機器の異常可能性を診断するための診断部と、を備え、
前記診断部は、前記熱流体機器に前記異常可能性があると診断した場合、前記状態量を微小変化させるための信号を出力して取得した前記状態量の変化方向又は変化量の少なくとも一方に基づき前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するように構成されている。
前記信号は、前記状態量の種類に応じて前記状態量を予め定めた方向に変化させるための指令を含んでいてもよい。
前記診断部は、前記熱流体機器の前記運転状態を制御するためのコントローラを介して前記信号を出力するように構成されてもよい。
前記診断部は、前記センサで検知された前記状態量と前記熱流体機器の正常時における前記状態量の範囲を規定する閾値とを比較して前記熱流体機器の前記異常可能性を診断するように構成されていてもよい。
前記診断部は、
前記状態量に関して各々の前記熱流体機器に個別の初期データを有し、
前記信号を出力して取得した前記状態量の前記変化方向又は前記変化量の少なくとも一方と前記初期データとを比較することで前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するように構成されていてもよい。
前記故障診断システムは記憶部を備え、
前記診断部は、
前記熱流体機器に前記異常可能性なしと診断した場合に前記信号を出力して前記熱流体機器の正常時における前記状態量の変化方向又は変化量を取得して前記記憶部に記憶させるとともに、
前記熱流体機器に前記異常可能性ありと診断した場合に前記信号を出力して取得した前記状態量の変化方向又は変化量と、前記記憶部に記憶された前記状態量の前記変化方向又は前記変化量とを比較することで前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するように構成されていてもよい。
前記診断部は、
前記熱流体機器に前記異常可能性なしと診断した場合に前記熱流体機器の前記正常時における前記変化方向又は前記変化量との前回の比較から一定サイクル経過したか否かを判断し、
前記一定サイクル経過したと判断した場合に前記正常時における前記変化方向又は前記変化量との前記比較を実行するように構成されていてもよい。
前記熱流体機器は、エンジン、ボイラ又はガスタービンの何れか一つを含んでもよい。
前記診断部は、前記信号を出力して取得した前記状態量の変化方向又は前記変化量に基づき前記熱流体機器に異常があると診断した場合、異常を示した前記状態量の種類から特定される部位の前記異常を解消するための指示を出力するように構成されていてもよい。
前記故障診断システムは、
前記診断部により前記熱流体機器又は前記センサに異常があると診断された場合にその旨を報知する報知部を備えていてもよい。
熱流体機器の運転状態に関する状態量をセンサで検知するステップと、
前記センサの検知結果に基づき前記熱流体機器の異常可能性の有無を診断するステップと、
前記診断するステップで前記熱流体機器に前記異常可能性があると診断された場合に、前記状態量を微小変化させるための信号を出力するステップと、
前記信号の出力に応じた前記状態量の変化方向又は変化量を取得するステップと、
取得した前記変化方向又は前記変化量の少なくとも一方に基づき前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するステップと、
を備えている。
前記異常可能性の有無を診断するステップでは、
前記センサで検知された前記状態量と前記熱流体機器の正常時における前記状態量の範囲を規定する閾値とを比較することで前記熱流体機器の前記異常可能性の有無を診断してもよい。
前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するステップでは、
前記信号を出力して取得した前記状態量の前記変化方向又は前記変化量の少なくとも一方と、前記状態量に関して各々の前記熱流体機器に個別の初期データとを比較することで前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断してもよい。
前記故障診断方法は、
前記熱流体機器に前記異常可能性なしと診断された場合に前記信号を出力して前記熱流体機器の正常時における前記状態量の変化方向又は変化量を取得して記憶部に記憶させるステップを備え、
前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するステップでは、
前記熱流体機器に前記異常可能性ありと診断された場合に前記信号を出力して取得した前記状態量の前記変化方向又は前記変化量と、前記記憶部に記憶された前記状態量の前記変化方向又は前記変化量とを比較することで前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断してもよい。
前記故障診断方法は、
前記信号を出力して取得した前記状態量の前記変化方向又は前記変化量に基づき前記熱流体機器に異常があると診断された場合、異常を示した前記状態量の種類から特定される部位の前記異常を解消するための指示を出力するステップを備えていてもよい。
図1に非限定的に例示するように、本開示の少なくとも一実施形態に係る故障診断システム1は、熱流体機器5の運転状態に関する状態量を検知するためのセンサ30と、センサ30の検知結果に基づき熱流体機器5の異常可能性を診断するための診断部10と、を備えている。
なお、遠隔監視センターによる監視システムの場合、深刻な故障が発生する前に何らかの兆候を異常として検知し、機器の制御を変更することで故障を未然に防ぐことが行われ得る。この場合は、異常が検知されたとしても直ちに運転を停止させる必要はない。一方で、機器の制御を変更するだけでは対処できず、現地でのメンテナンスが必要となることもあり得る。また、遠隔監視センターは一定間隔で機器の情報を取得するのみで、リアルタイムに機器を制御することが難しい場合もある。
図1に非限定的に例示するように、診断部10は、例えば、コンピュータであってもよく、CPU11、該CPU11が実行する各種プログラムや参照テーブル等のデータを記憶するための記憶部としてのROM(Read Only Memory)13、各プログラムを実行する際の展開領域や演算領域であるワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)12の他、通信ネットワークに接続するための通信部50(通信インターフェースI/F)、図示しない大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)、及び外部記憶装置が装着されるアクセス部などを備えていてもよい。これらは全て、バス14を介して接続され得る。
そして、診断部10は、コントローラ2を介して信号を出力するように構成され得る。また、診断部10は、微小変化後の状態量の変化方向又は変化量を、コントローラ2から取得してもよいし、センサ30から直接的に取得してもよい。
このような初期データとしては、例えば、熱流体機器5としてエンジンを適用した場合、該エンジンの出荷時における個別の運転データに含まれる種々のデータが含まれ得る。
そして、診断部10は、上記微小変化のための信号を出力して取得した状態量の変化方向又は変化量の少なくとも一方と初期データとを比較することで熱流体機器5又はセンサ30の異常有無を診断するように構成されていてもよい。このような処理は、例えば、CPU11が上記異常診断プログラム15を読み出して実行することにより実現され得る。
図2に非限定的に例示するように、幾つかの実施形態において、診断部10は、信号を出力して取得した状態量の変化方向又は変化量に基づき熱流体機器5に異常があると診断した場合、異常を示した状態量の種類から特定される部位の異常を解消するための指示を出力するように構成されていてもよい(図6参照)。このような処理は、例えば、CPU11が上記異常診断プログラム15を読み出して実行することにより実現され得る。
このように報知部40を備えた構成によれば、センサ30に異常があると診断された場合、報知部40によりその旨が報知される。センサ30の異常の場合は、熱流体機器5の異常よりも簡易な対応で回復する場合もあり、熱流体機器5のオペレータに対して、センサ30に異常が発生したことを迅速に把握させ、自身でセンサ30の異常を解消することが可能か判断することができるから、該異常に対する適切な初期対応を促すことができる。
図3は一実施形態に係る故障診断システムにおける異常診断処理を示すフローチャートである。図3に非限定的に例示するように、本開示の少なくとも一実施形態に係る故障診断方法は、熱流体機器5の運転状態に関する状態量をセンサ30で検知するステップ(ステップS10)と、センサ30の検知結果に基づき熱流体機器5の異常可能性の有無を診断するステップ(ステップS20)と、診断するステップS20で熱流体機器5に異常可能性があると診断された場合(ステップS20:YES)に、状態量を微小変化させるための信号を出力するステップ(ステップS30)と、信号の出力に応じた状態量の変化方向又は変化量を取得するステップ(ステップS40)と、取得した変化方向又は変化量の少なくとも一方に基づき熱流体機器5又はセンサ30の異常有無を診断するステップ(ステップS50)と、を備えている。
そして、診断部10では、微小変化に応じて検知された状態量の変化方向又は変化量が診断部10から出力された信号により意図した通りの正常な変化である場合(ステップS50:YES)は熱流体機器5の異常と判定する(ステップS60)一方、上記微小変化に応じた状態量の変化方向又は変化量が診断部10から出力された信号により意図した通りの正常な変化でない場合(ステップS50:NO)はセンサ30の異常と判定して(ステップS70)、処理を終了する。
このように、診断部10は、熱流体機器5の異常に加え、センサ30の異常も検知できるようになっている。
なお、ステップS20で異常なしと診断された場合(ステップS20:NO)はステップS10に移行して熱流体機器5の運転状態に関する状態量を監視(検知)する処理を繰り返し実行する。
そして、診断部10は、検知した状態量が閾値以上である場合(ステップS22:YES)は熱流体機器5の異常可能性ありと診断し(ステップS23)、検知した状態量が閾値未満の場合(ステップS22:NO)は熱流体機器5の異常可能性なしと診断して(ステップS24)、異常可能性の診断処理を終了してもよい。
そして、熱流体機器5又はセンサ30の異常有無を診断するステップ(ステップS50)では、熱流体機器5に異常可能性ありと診断された場合(ステップS20:YES)に上記微小変化のための信号を出力(ステップS30)して取得(ステップS40)した状態量の変化方向又は変化量と、記憶部(データベース17)に記憶された状態量の変化方向又は変化量とを比較することで熱流体機器5又はセンサ30の異常有無を診断してもよい(ステップS50)。
図5に非限定的に例示するように、上記構成において、診断部10は、熱流体機器5に異常可能性なしと診断した場合(ステップS20:NO)に熱流体機器5の正常時における変化方向又は変化量との前回の比較から一定サイクル経過したか否かを判断(ステップS81)し、一定サイクル経過したと判断した場合(ステップS82:YES)に正常時における変化方向又は変化量との比較(ステップS50)を実行するように構成されていてもよい。
上記サイクルは、例えば、前回の比較からの時間に基づき判断してもよい(例えば、1回/週、1回/月など)。或いは、前回の比較から異常可能性の有無の診断(ステップS20)が実行された回数に基づき判断してもよい(例えば、1/100回など)。
監視対象とする状態量から得られる異常の内容とその異常を解消するための対応としては以下の項目が挙げられる。
すなわち、把握された異常の内容が、例えば、排ガス温度のシリンダ間におけるばらつき(各々のシリンダ間における排ガス温度の差)が過大である場合は、診断部10から手配先60に部品(例えば点火プラグ)の手配又は交換を指示する信号を送信してもよい。また、把握された異常の内容が、例えば、軸受温度の上昇や、軸受出口の潤滑油温度の上昇である場合、診断部10から手配先60に部品(例えば軸受メタル)の手配又は交換を指示する信号を送信してもよい。また、把握された異常の内容が、例えば、給気圧力の低下である場合、診断部10から手配先60にサービス員の派遣(例えば過給機の翼の清掃のため)を依頼する信号を送信してもよい。さらに、把握された異常の内容が、例えば、異常燃焼(ノッキング)である場合、診断部10から手配先60にサービス員の派遣(例えばピストン、シリンダの洗浄や燃焼残渣を除去するため)を依頼する信号を送信してもよい。
また、上述した幾つかの本実施形態の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上述した種々の処理を行ってもよい。
2 コントローラ(ECU)
5 熱流体機器(被制御対象)
10 診断部(遠隔監視センター/現地設置の異常診断システム)
11 CPU
12 RAM
13 ROM(記憶部)
14 バス
15 異常診断プログラム
17 データベース(記憶部)
18 テーブル
30 センサ
40 報知部(アラーム)
50 通信部
60 手配先(近隣サービス拠点/在庫管理場所)
Claims (14)
- 熱流体機器の運転状態に関する状態量を検知するためのセンサと、
前記センサで検知した前記状態量を正常時における状態量の範囲を規定する閾値と比較することにより、前記熱流体機器の異常可能性を診断するための診断部と、
記憶部と、
を備え、
前記診断部は、前記熱流体機器に前記異常可能性があると診断した場合、前記状態量を微小変化させるための信号を出力して取得した前記状態量の変化方向又は変化量の少なくとも一方が正常な変化であるか否かに基づき前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するように構成されており、
前記診断部は、前記熱流体機器に前記異常可能性なしと診断した場合に、前記正常な変化として、前記信号を出力して前記熱流体機器の正常時における前記状態量の変化方向又は変化量を取得して前記記憶部に記憶させ、
前記診断部は、
前記熱流体機器に前記異常可能性なしと診断した場合に前記熱流体機器の前記正常時における前記変化方向又は前記変化量との前回の比較から一定サイクル経過したか否かを判断し、
前記熱流体機器に前記異常可能性なしと診断し、且つ、前記一定サイクル経過したと判断した場合に前記信号を出力して前記熱流体機器の正常時における前記状態量の変化方向又は変化量を取得して前記記憶部に記憶された前記正常な変化を更新するように構成されている
ことを特徴とする故障診断システム。 - 前記信号は、前記状態量の種類に応じて前記状態量を予め定めた方向に変化させるための指令を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断システム。 - 前記診断部は、前記熱流体機器の運転状態を制御するためのコントローラを介して前記信号を出力するように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の故障診断システム。 - 前記閾値は、前記熱流体機器の正常時における前記状態量の範囲を規定する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の故障診断システム。 - 前記診断部は、
前記状態量に関して各々の前記熱流体機器に前記正常な変化に対応する個別の初期データを有し、
前記信号を出力して取得した前記状態量の前記変化方向又は前記変化量の少なくとも一方と前記初期データとを比較することで前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するように構成されている
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の故障診断システム。 - 前記熱流体機器に前記異常可能性ありと診断した場合に前記信号を出力して取得した前記状態量の変化方向又は変化量と、前記記憶部に記憶された前記状態量の前記変化方向又は前記変化量とを比較することで前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するように構成されている
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の故障診断システム。 - 前記熱流体機器は、エンジン、ボイラ又はガスタービンの何れか一つを含む
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の故障診断システム。 - 前記信号を出力して取得した前記状態量の変化方向又は前記変化量に基づき前記熱流体機器に異常があると診断した場合、異常を示した前記状態量の種類から特定される部位の前記異常を解消するための指示を出力するように構成されている
ことを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の故障診断システム。 - 前記診断部により前記熱流体機器又は前記センサに異常があると診断された場合にその旨を報知する報知部を備えている
ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の故障診断システム。 - 熱流体機器の運転状態に関する状態量をセンサで検知するステップと、
前記センサで検知した前記状態量を正常時における状態量の範囲を規定する閾値と比較することにより、前記熱流体機器の異常可能性を診断するステップと、
前記診断するステップで前記熱流体機器に前記異常可能性があると診断された場合に、前記状態量を微小変化させるための信号を出力するステップと、
前記信号の出力に応じた前記状態量の変化方向又は変化量を取得するステップと、
取得した前記変化方向又は前記変化量の少なくとも一方が正常な変化であるか否かに基づき前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するステップと、
前記熱流体機器に前記異常可能性なしと診断した場合に、前記正常な変化として、前記信号を出力して前記熱流体機器の正常時における前記状態量の変化方向又は変化量を取得して記憶部に記憶させるステップと、
前記熱流体機器に前記異常可能性なしと診断した場合に前記熱流体機器の前記正常時における前記変化方向又は前記変化量との前回の比較から一定サイクル経過したか否かを判断するステップと、
前記熱流体機器に前記異常可能性なしと診断し、且つ、前記一定サイクル経過したと判断した場合に前記信号を出力して前記熱流体機器の正常時における前記状態量の変化方向又は変化量を取得して前記記憶部に記憶された前記正常な変化を更新するステップと、
を備えたことを特徴とする故障診断方法。 - 前記閾値は、前記熱流体機器の正常時における前記状態量の範囲を規定する
ことを特徴とする請求項10に記載の故障診断方法。 - 前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するステップでは、
前記信号を出力して取得した前記状態量の前記変化方向又は前記変化量の少なくとも一方と、前記状態量に関して各々の前記熱流体機器に前記正常な変化に対応する個別の初期データとを比較することで前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断する
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の故障診断方法。 - 前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断するステップでは、
前記熱流体機器に前記異常可能性ありと診断された場合に前記信号を出力して取得した前記状態量の前記変化方向又は前記変化量と、前記記憶部に記憶された前記状態量の前記変化方向又は前記変化量とを比較することで前記熱流体機器又は前記センサの異常有無を診断する
ことを特徴とする請求項10~12の何れか一項に記載の故障診断方法。 - 前記信号を出力して取得した前記状態量の前記変化方向又は前記変化量に基づき前記熱流体機器に異常があると診断された場合、異常を示した前記状態量の種類から特定される部位の前記異常を解消するための指示を出力するステップを備えている
ことを特徴とする請求項10~13の何れか一項に記載の故障診断方法。
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