JP7158836B2 - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
<第1の態様>
前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、前身頃から股間部を通り後身頃にわたるように外装体に取り付けられた、吸収体を含む内装体と、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備えた、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記前身頃及び後身頃の少なくとも一方の外装体は、ウエスト開口の縁部まで延びる第1外装部分と、前記ウエスト開口の縁部で内側に折り返された第2外装部分とを有しており、
前記内装体は、前記第1外装部分に沿ってウエスト開口の縁部まで延びる第1内装部分と、前記第2外装部分に沿って前記ウエスト開口の縁部で内側に折り返された第2内装部分とを有しており、
前記第2内装部分は、前記第1内装部分に非固定又は剥離可能に固定され、前記第2外装部分のうち前記第2内装部分の両側縁よりも幅方向外側の部分は、前記第1外装部分に固定されており、
前記第1内装部分と前記第2内装部分との間が収容空間となり、かつ股間部側に入り口を有するポケットとなっている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
本態様では、第1外装部分及び第2外装部分を有する展開状態の外装体に対して、第1内装部分及び第2内装部分を有する展開状態の内装体を取り付けた後、第2外装部分及び第2内装部分で内側に折り返し、第2内装部分を第1内装部分に非固定又は剥離可能に固定し、第2外装部分のうち第2内装部分の両側縁よりも幅方向外側の部分は、第1外装部分に固定するだけで、内装体の前後少なくとも一方側の端部にポケットを形成することができる。つまり、内装体及び外装体を前後方向に延長することと、折り返し固定とを組み合わせるだけで製造することができ、構造も簡素となる。
前記内装体の両側部には、前記第1内装部分及び前記第2内装部分にわたり、前記収容空間側に起き上がり可能な起き上がり部分を有する起き上がりギャザーが連続しており、
前記第1内装部分における前記起き上がりギャザーの先端部と、前記第2内装部分における前記起き上がりギャザーの先端部とが接合されており、
前記ポケットの両側面が、前記第1内装部分の前記起き上がりギャザー及び前記第2内装部分の前記起き上がりギャザーにより形成されている、
第1の態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
多くのパンツタイプ使い捨ておむつの内装体の両側部には起き上がり可能な起き上がりギャザーが設けられている。本態様は、これを利用し、第2内装部分まで延長し、対向する上下の起き上がりギャザーの先端部を接合したものである。この場合、ポケットの両側面が蛇腹状(換言するといわゆるマチ付き)となるため、ポケットの入り口及び収容空間がより大きくなるという利点がもたらされる。
前記第1内装部分の前記起き上がりギャザーにおける前記起き上がり部分は、その先端部に取り付けられたギャザー弾性部材により前後方向に収縮することにより、起き上がり状態が維持されるものであり、
前記第1内装部分の前記起き上がりギャザーにおける前記起き上がり部分は、少なくとも前記第2内装部分の前後方向中間まで延びている、
第2の態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
一般的な起き上がりギャザーの起き上がり部分は、先端部に取り付けられたギャザー弾性部材により前後方向に収縮することにより、起き上がり状態が維持されるものである。本態様では、これを利用し、第1内装部分の起き上がりギャザーにおける起き上がり部分を、少なくとも第2内装部分の前後方向中間まで延ばしたところに特徴を有するものである。この場合、第1内装部分の起き上がりギャザーにおける起き上がり部分の起き上がり力により第2内装部分を持ち上げ、ポケットの入り口を開いた状態にすることができる。
ウエスト部には、幅方向に沿って連続するウエスト部弾性部材が取り付けられており、
前記ウエスト部弾性部材は、
第2外装部分に内蔵されているか、又は
前記ポケットを有する領域では、前記第2外装部分と前記第2内装部分との間を通り、前記ポケットの両側では前記第2外装部分と前記第1外装部分との間を通っている、
第1~3のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
多くのパンツタイプ使い捨ておむつのウエスト部には、幅方向に沿って連続するウエスト部弾性部材が取り付けられている。本態様では、ウエスト部弾性部材を利用し、ウエスト部の内面、つまり第2外装部分の内面を確実に身体表面に密着させるとともに、第2外装部分に一体化した第2内装部分を持ち上げ、ポケットの入り口を開いた状態にすることができる。
前記内装体は、前記第1内装部分において前記吸収体の裏側を覆う液不透過性シートとを有しており、
前記液不透過性シートは、前記第1内装部分から前記第2内装部分まで連続している、
第1~4のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
多くのパンツタイプ使い捨ておむつの内装体は、吸収体の裏側を覆う液不透過性シートを有している。よって、これを利用し、液不透過性シートを第1内装部分から第2内装部分まで連続させることにより、ポケットの防水性が良好となる。
前記吸収体は、前記第1内装部分及び前記第2内装部分に設けられている、
第1~5のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
このように、吸収体を第1内装部分及び第2内装部分に設けることにより、ポケット内に入った***物の液分を両面吸収(第1内装部分側だけでなく、第2内装部分側からも吸収)でき、漏れ防止性が向上する。
特徴的には、図5、図7及び図8に示すように、後側外装体12B(後身頃の外装体)は、ウエスト開口WOの縁部まで延びる第1外装部分71と、ウエスト開口WOの縁部で内側に折り返された第2外装部分72とを有している。また、内装体200は、第1外装部分71に沿ってウエスト開口WOの縁部まで延びる第1内装部分81と、第2外装部分72に沿ってウエスト開口WOの縁部で内側に折り返された第2内装部分82とを有している。そして、第2内装部分82は、第1内装部分81に非固定(又は剥離可能に固定してもよい)とされ、第2外装部分72のうち第2内装部分82の両側縁よりも幅方向WD外側の部分82bは、第1外装部分71にホットメルト接着剤等により固定されている。この結果、図8及び図12に示すように、第1内装部分81と第2内装部分82との間が収容空間となり、かつ股間部側に入り口を有するポケット90が形成されている。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3~図5に示されるように、吸収体56と、第1内装部分81において吸収体56の表側を覆う液透過性のトップシート30と、第1内装部分81において吸収体56の裏側を覆う液不透過性シート11と有している。符号58は、吸収体56を包む包装シートを示しており、吸収体56を包装シート58で包装してなるものが吸収要素50である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収体56側へ移行させるために、トップシート30と吸収体56との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示している。符号60は、内装体200の両脇に***物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側部から立ち上がる起き上がりギャザー60を示している。
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高め、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
起き上がりギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向LDの全体にわたり延在し、横漏れを防止するために設けられているものであり、一般に立体ギャザーと呼ばれるものがこれに含まれる。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100~300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30~120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1~16dtex、好ましくは1~10dtex、さらに好ましくは1~5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5~75個、好ましくは10~50個、さらに好ましくは15~50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
図示例の外装体12F,12Bは、前身頃Fの少なくとも胴周り部(胴周り領域Tと対応する前後方向範囲)を構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向LDに離間されたものである。この離間距離12dは例えば150~250mm程度とすることができる。
外装体12F,12Bには、装着者の胴周りに対するフィット性を高めるために、外側シート層12S及び内側シート層12H間に弾性部材15~19が設けられ、弾性部材の伸縮を伴って幅方向WDに弾性伸縮する伸縮領域A2が形成されている。この伸縮領域A2では、自然長の状態では外側シート層12S及び内側シート層12Hが弾性部材の収縮に伴って収縮し、皺又は襞が形成されており、弾性部材の長手方向に伸長すると、外側シート層12S及び内側シート層12Hが皺なく伸び切る所定の伸長率まで伸長が可能である。弾性部材15~19としては、糸ゴム等の細長状の弾性部材(図示例)のほか、帯状、網状、フィルム状等、公知の弾性部材を特に限定なく用いることができる。弾性部材15~19としては合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
外装二分割タイプのパンツタイプ使い捨ておむつでは、前側外装体12F及び後側外装体12Bとの間に内装体200が露出するため、内装体200の裏面に液不透過性シート11が露出しないように、前側外装体12Fと内装体200との間から、後側外装体12Bと内装体200との間にかけて、内装体200の裏面を覆うカバー不織布13を備えていることが好ましい。
内装体200における第1内装部分81と外装体12F,12Bにおける第1外装部分71との接合は、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により行うことができる。図示例では、内装体200における第1内装部分81の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び起き上がりギャザー60の付根部分65に塗布されたホットメルト接着剤を介して外装体12F,12Bにおける第1外装部分71の内面に対して固定されている。この内装体200と外装体12F,12Bとを固定する内外接合部201,202は、図2に示すように、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、例えば内装体200の幅方向両端部を除いた部分に設けることもできる。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
Claims (4)
- 前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、前身頃から股間部を通り後身頃にわたるように外装体に取り付けられた、吸収体を含む内装体と、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備え、
前記サイドシール部を有する前後方向範囲として定まる胴周り領域に、ウエストの端部を形成するウエスト部と、これよりも下側の部分であるウエスト下方部とを有する、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記前身頃及び後身頃の少なくとも一方の外装体は、ウエスト開口の縁部まで延びる第1外装部分と、前記ウエスト開口の縁部で内側に折り返された第2外装部分とを有しており、
前記内装体は、前記第1外装部分に沿ってウエスト開口の縁部まで延びる第1内装部分と、前記第2外装部分に沿って前記ウエスト開口の縁部で内側に折り返されて前記ウエスト下方部内まで延びた第2内装部分とを有しており、
前記第2内装部分のうち少なくとも前記ウエスト部より股間側に位置する部分は、前記第1内装部分に非固定又は剥離可能に固定され、前記第2外装部分のうち前記第2内装部分の両側縁よりも幅方向外側の部分は、前記第1外装部分に固定されており、
前記第1内装部分と前記第2内装部分との間が収容空間となり、かつ股間部側に入り口を有するポケットとなっており、
前記内装体の両側部には、前記第1内装部分及び前記第2内装部分にわたり、前記収容空間側に起き上がり可能な起き上がり部分を有する起き上がりギャザーが、前記内装体の折り返し位置を経て連続しており、
前記起き上がり部分は、幅方向中央側に延びる付け根側部分と、この付け根側部分の先端で折り返され、幅方向外側に延びる先端側部分とを有し、
前記第1内装部分における前記起き上がりギャザーの前記起き上がり部分の先端側部分と、前記第2内装部分における前記起き上がりギャザーの前記起き上がり部分の先端側部分とは、幅方向の外側の部分のみが接合されており、
前記ポケットの両側面が、前記第1内装部分の前記起き上がりギャザーの起き上がり部分及び前記第2内装部分の前記起き上がりギャザーの起き上がり部分により蛇腹状に形成されている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。 - 前記第1内装部分の前記起き上がりギャザーにおける前記起き上がり部分は、その先端部に取り付けられたギャザー弾性部材により前後方向に収縮することにより、起き上がり状態が維持されるものであり、
前記第1内装部分の前記起き上がりギャザーにおける前記起き上がり部分は、少なくとも前記第2内装部分の前後方向中間まで延びている、
請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。 - 前記ウエスト部には、幅方向に沿って連続する複数のウエスト部弾性部材が前後方向に間隔を空けて取り付けられており、
前記ウエスト部弾性部材は、前記第1外装部分に内蔵されずに、
第2外装部分に内蔵されているか、又は
前記ポケットを有する領域では、前記第2外装部分と前記第2内装部分との間を通り、前記ポケットの両側では前記第2外装部分と前記第1外装部分との間を通っており、
前記ウエスト下方部における前記第1外装部分には、細長状の弾性部材からなるウエスト下方部弾性部材が複数本、前後方向に間隔を空けて内蔵されている、
請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。 - 前記内装体は、前記第1内装部分において前記吸収体の裏側を覆う液不透過性シートとを有しており、
前記液不透過性シートは、前記第1内装部分から前記第2内装部分まで連続している、
請求項1~3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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