JP7158095B2 - 蓄熱燃焼脱臭装置 - Google Patents

蓄熱燃焼脱臭装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7158095B2
JP7158095B2 JP2022538805A JP2022538805A JP7158095B2 JP 7158095 B2 JP7158095 B2 JP 7158095B2 JP 2022538805 A JP2022538805 A JP 2022538805A JP 2022538805 A JP2022538805 A JP 2022538805A JP 7158095 B2 JP7158095 B2 JP 7158095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
gas
air supply
exhaust
purge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022538805A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022091226A1 (ja
JPWO2022091226A5 (ja
Inventor
猛 中尾
信平 田中
一宇 米田
勝則 宮崎
慎二 五島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Thermal Power Plant Engineering
Original Assignee
Thermal Power Plant Engineering
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Thermal Power Plant Engineering filed Critical Thermal Power Plant Engineering
Publication of JPWO2022091226A1 publication Critical patent/JPWO2022091226A1/ja
Publication of JPWO2022091226A5 publication Critical patent/JPWO2022091226A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7158095B2 publication Critical patent/JP7158095B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23GCREMATION FURNACES; CONSUMING WASTE PRODUCTS BY COMBUSTION
    • F23G7/00Incinerators or other apparatus for consuming industrial waste, e.g. chemicals
    • F23G7/06Incinerators or other apparatus for consuming industrial waste, e.g. chemicals of waste gases or noxious gases, e.g. exhaust gases
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/34Indirect CO2mitigation, i.e. by acting on non CO2directly related matters of the process, e.g. pre-heating or heat recovery

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)

Description

本発明は、蓄熱燃焼脱臭装置、及び蓄熱燃焼脱臭装置の運転方法に関する。詳しくは、コンパクトな構造により施工性に優れ、被処理ガス中の有機物の分解効率を向上させることができる蓄熱燃焼脱臭装置、及び蓄熱燃焼脱臭装置の運転方法に関するものである。
電子写真方式用トナー、合成樹脂、塗料、顔料、医薬品、工業薬品などの化学製品を取り扱う工場などでは、酢酸エチル、トルエン、キシレン、スチレンなどの揮発性有機化合物(VOC)を含有する被処理ガスが大量に発生することが知られている。そして、このようなVOC含有ガスは、NOxと反応して光化学スモッグを発生するとともに、光化学オキシダントの主成分であるオゾンを対流圏内で増加させ、地球温暖化の要因ともなっている。さらに、これらのVOC含有ガスは、発ガン性物質を含有するため、例え低濃度であっても人体に健康障害を起こさせることが知られている。
このため、各種の工場などでは、VOC含有ガスを無害化処理して大気中に排出している。VOC含有ガスの無害化のための処理方法としては、直接燃焼方式、触媒燃焼方式、蓄熱燃焼方式、生物処理方式などがある。このなかでも蓄熱燃焼方式は熱回収効率が高いという利点を有することから、各種の工場では、この蓄熱燃焼方式を採用した蓄熱燃焼脱臭装置(Regenerative Thermal Oxidizer:RTO)が広く普及している。
この蓄熱燃焼脱臭装置は、未処理のVOC含有ガス(以下、「被処理ガス」という。)を蓄熱材に流通させて予熱した後、炉に導入して被処理ガスを燃焼室で燃焼して無害化処理し、高温となっている処理済みガス(以下、「排ガス」という。)を再び蓄熱材に流通させてその熱を蓄え、蓄えたその熱を低温の被処理ガスが流通するときに再び放熱して熱交換を行なうものである。
蓄熱燃焼脱臭装置としては大きく切換式と回転式に分類され、切換式については蓄熱室の数により、2塔式、3塔式、或いは4塔式以上のものがあり、これら多塔式の蓄熱燃焼脱臭装置は回転式に比べてランニングコストやメンテナンスの容易さなどから広く採用されている。例えば特許文献1、及び特許文献2には、3塔式の蓄熱燃焼脱臭装置が開示されている。
この3塔式の蓄熱燃焼脱臭装置においては、前工程で蓄熱されている第1の蓄熱室を通して被処理ガスを燃焼室に給気してバーナにより燃焼処理し、第2の蓄熱室を通して燃焼処理された高温の排ガスを排気して蓄熱体に蓄熱し、第3の蓄熱室に排ガスの一部を通すことで、その蓄熱室の蓄熱体や配管に残留する被処理ガスを取り除く、いわゆるパージ処理が行われる。
そして、各蓄熱室と連通する配管に設置されている切換弁を操作することで、各蓄熱室に対して給気、排気、パージの3つの運転サイクルを所定時間毎に順次切り換えながら運転を継続することで、被処理ガスを燃焼室で酸化分解して脱臭することができ、かつ蓄熱体を用いて予熱、及び熱回収して熱効率を高めることができるものとなっている。
特開2011-102664号公報 特開2016-217620号公報
ところで、特許文献1、及び特許文献2に開示の3塔式からなる切換式の蓄熱燃焼脱臭装置、又は回転式の蓄熱燃焼脱臭装置においては、複数の蓄熱室や付属部品を設ける必要があるため、装置全体として大型化してしまい、一定の大きさの設置場所を要するとともに、装置の施工においても設置現場における大規模な建設工事が必要となり、建設コストが大きくなるという問題がある。
一方、切換式の蓄熱燃焼脱臭装置のなかでも2塔式は比較的コンパクトな構造であるため、それほど大きな設置場所を必要としない。また、装置の施工においても装置を複数のユニットに分割したうえで、設置現場において簡単な組み立て工事により施工できるため、他の切換式、或いは回転式の蓄熱燃焼脱臭装置に比べて建設コストを抑制することができる。
しかしながら、2塔式の蓄熱燃焼脱臭装置は、切換弁の作動時に極短時間ながら蓄熱体に滞留している被処理ガスが逆流して大気に放出されたり、或いは処理風量の限界値が低いため、被処理ガスの分解率が3塔式やそれ以上の多塔式の蓄熱燃焼脱臭装置に比べて劣るものとなる。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、コンパクトな構造により施工性に優れ、被処理ガス中の有機物の分解効率を向上させることができる蓄熱燃焼脱臭装置、及び蓄熱燃焼脱臭装置の運転方法を提供することを目的とするものである。
前記の目的を達成するために、本発明の蓄熱燃焼脱臭装置は、被処理ガスの加熱分解を行う燃焼室と、該燃焼室に連通するとともに内部に蓄熱体を有し、一の塔内において直列的にn室(nは5以上の整数)に分割形成された複数の蓄熱室からなる蓄熱領域と、該蓄熱領域の各蓄熱室に接続され、前記燃焼室に被処理ガスを給気する給気流路と、前記蓄熱領域の各蓄熱室に接続され、前記燃焼室で加熱分解された排気ガスを排気する排気流路と、前記蓄熱領域の各蓄熱室に接続され、前記蓄熱領域に残存する被処理ガスをパージするパージ流路と、一の運転工程において、前記給気流路が連通状態となる複数の蓄熱室から構成された第1グループ、前記第1グループとは異なる蓄熱室であって前記排気流路が連通状態となる前記第1グループと同数の蓄熱室から構成された第2グループ、前記第1グループ及び前記第2グループとは異なる蓄熱室であって前記パージ流路が連通状態となる前記第1グループよりも少ない数の蓄熱室から構成された第3グループに切換制御する切換機構とを備える。
ここで、蓄熱燃焼脱臭装置が被処理ガスの加熱分解を行う燃焼室を備えることにより、有機溶剤や臭気成分を含む被処理ガスを臭気成分の発火点以上に保持しながら一定以上の滞留時間を設けることで、有機溶剤や臭気成分を酸化分解して無害化することができる。
また、燃焼室に連通し、一の塔内において直列的にn室(nは5以上の整数)に分割形成(多室化)された複数の蓄熱室からなる蓄熱領域を備えることにより、蓄熱領域は一塔内に複数の蓄熱室から構成された一塔多室型であるため、任意の蓄熱室を選択して給気・排気・パージの各工程を行うことができる。従って、従来の多塔多室の装置に比べて装置全体を小型化することができ、省スペース内にも設置が可能であるとともに、装置の組立に際して大規模な施工工事を必要としない。
また、蓄熱室の内部には蓄熱体を有することにより、蓄熱体を熱交換器として使用することができる。即ち、前の運転工程において燃焼室から排気する高温の排気ガスにより蓄熱体を昇温させ、次の運転工程において昇温した蓄熱体に被処理ガスを通過させることで、被処理ガスの燃焼室での熱分解効率を高めることができる。このように運転サイクルを順次切り換えることで、装置全体の熱交換効率が高まりランニングコストを低減することができる。
また、蓄熱領域の各蓄熱室に接続され、燃焼室に被処理ガスを給気する給気流路を備えることにより、被処理ガスは給気流路から蓄熱室を通じて燃焼室へと給気することができる。このとき、被処理ガスは前の運転工程において昇温されている蓄熱体から熱を受け取り、ある程度昇温された状態で燃焼室へと給気されるため、燃焼室での熱分解効率を高めることができる。
また、蓄熱領域の各蓄熱室に接続され、燃焼室で加熱分解された排気ガスを排気する排気流路を備えることにより、燃焼室で無害化された排気ガスは排気流路を通じて大気に放出することができる。このとき、高温となっている排気ガスから熱を受け取ることで蓄熱体を昇温させることができる。そのため、次の運転工程においては、昇温された蓄熱体に温度の低い被処理ガスを通過させることで、被処理ガスの温度を所定に昇温させ、燃焼室での熱分解効率を高めることができる。
また、蓄熱領域の各蓄熱室に接続され、蓄熱領域に残存する被処理ガスをパージするパージ流路を備えることにより、パージガスを燃焼室、或いは給気流路に向けて供給することで、蓄熱体に残留した有機化合物を含む被処理ガスを除去することができる。
また、各蓄熱室と給気流路、排気流路、及びパージ流路との連通状態を切換制御できる切換機構を備えることにより、運転サイクルに応じた流路の選択を自在に行うことができる。従って、燃焼室へ給気される被処理ガスが通過する蓄熱室、及び燃焼室から排気される排気ガスが通過する蓄熱室を運転工程に応じて順次切り換えることができるため、蓄熱体や燃焼室内の温度、及び残留する被処理ガス濃度を均一化することで、装置の安定的な運転を行うことができる。
さらに、多室化されたことにより小容積となっている蓄熱室と各流路は、それぞれが接続されているため、流路の切り換えに使用する切換機構として、例えば開閉弁を使用する場合には、開閉弁の開閉操作に際して発生する圧力変動を小さくすることができる。従って、流路の切り換え時に生じるガス漏れ等を防止することができる。
また、切換機構は、一の運転工程において、給気流路が連通状態となる複数の蓄熱室から構成された第1グループ、第1グループとは異なる蓄熱室であって排気流路が連通状態となる第1グループと同数の蓄熱室から構成された第2グループを構成するように切換制御することで、燃焼室に給気される被処理ガスと燃焼室から排気される排気ガスの量が均一となり、給排気運転を安定的に行うことができる。
さらに、切換機構は、第1グループ及び第2グループとは異なる蓄熱室であって、パージ流路が連通状態となる第1グループよりも少ない数の蓄熱室から構成された第3グループを構成するように切換制御することで、蓄熱体に残留する被処理ガスがそのまま大気に放出されることを防止することができる。
このとき、第3グループを構成する蓄熱室の数は第1グループ、及び第2グループを構成する蓄熱室の数よりも少ないため、給気と排気の容積に対するパージ比率を相対的に小さくすることができる。従って、パージ流量を少なくすることができるため、パージ流路の容積が小さくなり、装置全体としてもコンパクト化することができる。
また、第1グループ、及び第2グループは(n-1)/2(nは5以上の奇数)室の蓄熱室から構成され、第3グループは1室の蓄熱室から構成されている場合には、例えば蓄熱領域が9室の蓄熱室から構成されている場合には、一の運転サイクルにおいては4:4:1の割合で給気流路、排気流路、パージ流路がそれぞれの蓄熱室に接続された状態となる。従って、蓄熱室の総数が増えるほど、給排気を行う蓄熱室に対してパージを行う蓄熱室の比率が小さくなり、装置全体を小型化することができる。
即ち、従来の多塔多室からなる装置においては、給気流路、排気流路、及びパージ流路に接続される蓄熱室の数は1:1:1の比率であったため、給排気を行う蓄熱室の数とパージを行う蓄熱室の数は同数とされていた。従って、パージ流路を一定の容積だけ確保する必要があり、装置全体が大型化する原因となっていたが、本願発明においてはパージ流路を最小限の容積とすることで装置の小型化を図ることができるものとなっている。
また、一の運転工程において切換機構による切換制御は、一の運転工程の一つ前の運転工程において、給気流路が接続されていた所定の蓄熱室を選択してパージ流路に接続する場合には、給気流路から給気された被処理ガスが蓄熱室を通過することにより、蓄熱体に残留する被処理ガスをパージガスにより燃焼室、或いは給気流路の何れかに環流させることができる。従って、切換機構が切り換わり、該蓄熱室に排気流路が接続されたとしても、蓄熱体に残留する被処理ガスが未分解のまま大気に放出されることを防止することができる。
また、一の運転工程において切換機構による切換制御は、一の運転工程の一つ前の運転工程において、パージ流路が接続されていた所定の蓄熱室を選択して排気流路に接続する蓄熱室の一つとする場合には、前の運転工程において蓄熱体に残留する被処理ガスがパージされた蓄熱室に排気流路が接続されるため、係る蓄熱室に排気ガスが通過しても、残留する被処理ガスが未分解のまま大気に放出されることを防止することができる。
また、一の運転工程において切換機構による切換制御は、一の運転工程の一つ前の運転工程において、排気流路が接続されていた所定の蓄熱室を選択して給気流路に接続する蓄熱室の一つとする場合には、前の運転工程において高温の排気ガスが通過することにより、排気ガスから受熱し高温となっている蓄熱体を有する蓄熱室を通じて、被処理ガスを燃焼室に給気することができる。従って、被処理ガスを所定に昇温させることができるため、燃焼室における被処理ガスの加熱分解を促進することができる。
また、給気流路には、被処理ガスを給気するための給気ファンを有し、パージ流路は、燃焼室から排気ガスを抜き出して給気ファンの上流側に環流させる場合には、パージ方法として燃焼室からパージ流路を介して給気流路に環流させる吸引方式を採用することで、狭い空間であっても均一に蓄熱体に残留する被処理ガスをパージすることができる。
前記の目的を達成するために、本発明の蓄熱燃焼脱臭装置の運転方法は、被処理ガスを加熱分解する燃焼室に連通するとともに内部に蓄熱体を有し、一の塔内において直列的にn室(nは5以上の整数)に分割形成された複数の蓄熱室のうち、複数の蓄熱室から構成される第1グループに被処理ガスが通過する第1の工程と、前記第1グループを通過した被処理ガスを燃焼室で加熱分解する第2の工程と、前記第1グループを構成する蓄熱室とは異なる蓄熱室から構成され、前記第1グループと同数の蓄熱室から構成される第2グループに、前記加熱分解により生じた排気ガスが通過する第3の工程と、前記第1グループ及び前記第2グループとは異なる蓄熱室であって前記第1グループよりも少ない数の蓄熱室から構成される第3グループにパージガスが通過する第4の工程とを備える。
ここで、複数の蓄熱室から構成される第1グループに被処理ガスが通過する第1の工程を備えることにより、多室化された蓄熱領域のうち、所定の数の蓄熱室から構成される第1のグループを通じて燃焼室に被処理ガスを給気することができる。
また、第1グループを通過した被処理ガスを燃焼室で加熱分解する第2の工程を備えることにより、被処理ガスを燃焼室内で加熱分解することで、被処理ガスに含まれる有機成分を無害化し、臭気を除去することができる。
また、第1グループを構成する蓄熱室とは異なる蓄熱室から構成され、第1グループと同数の蓄熱室から構成される第2グループに、加熱分解により生じた排気ガスが通過する第3の工程を備えることにより、給気と排気のガス容量を均一化して給排気運転を安定的に行うことができる。
さらに、燃焼室で加熱分解され高温となった排気ガスを、第2グループを構成する蓄熱室を通じて排気することで、蓄熱室の蓄熱体が排気ガスを通じて受熱することにより蓄熱体を昇温させることができる。従って、次回の運転工程において、第2グループを構成する蓄熱室の全部、又は一部に被処理ガスが通過することで、被処理ガスを所定に昇温させることができるため被処理ガスの熱分解効率を高めることができる。
また、第1グループ及び第2グループとは異なる蓄熱室であって第1グループ及び第2グループよりも少ない数の蓄熱室から構成される第3グループにパージガスが通過する第4の工程を備えることにより、第3のグループを構成する蓄熱室の蓄熱体に残留する被処理ガスをパージすることで、被処理ガスが未分解のまま大気に放出されることを防止することができる。
また、第1の工程から第4の工程を一の運転工程として、運転工程毎に第1グループから第3グループを構成する蓄熱室の全部または一部を順次切り換える場合には、蓄熱領域を構成する各蓄熱室は、順次、給気、排気、パージの各工程に切り換わるため、装置における被処理ガスの分解能力を均一化することができる。
本発明に係る蓄熱燃焼脱臭装置、及び蓄熱燃焼脱臭装置の運転方法は、コンパクトな構造により施工性に優れ、被処理ガス中の有機物の分解効率を向上させることができるものとなっている。
本発明の実施形態に係る蓄熱燃焼脱臭装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る蓄熱燃焼脱臭装置の部分断面正面図である。 本発明の実施形態に係る蓄熱燃焼脱臭装置の部分断面側面図である。 本発明の実施形態に係る蓄熱燃焼脱臭装置のガス流れを示す図である。 本発明の実施形態に係る蓄熱燃焼脱臭装置の実施例1の運転モードを示す概略図である。 本発明の実施形態に係る蓄熱燃焼脱臭装置の実施例2の運転モードを示す概略図である。
以下、蓄熱燃焼脱臭装置、及び蓄熱燃焼脱臭装置の運転方法に関する本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の説明においては、被処理ガス、排気ガス、及びパージガスをまとめて「ガス」と定義する。また、蓄熱燃焼脱臭装置を設置した状態において、設置面から上方に向かう方向を上方向、上方向の反対方向を下方向、上方向および下方向により表される軸方向を鉛直方向、鉛直方向と垂直な軸方向を水平方向とそれぞれ定義する。
まず、本発明の実施形態に係る蓄熱燃焼脱臭装置1について図1~図4に基づいて説明する。図1~図3に示すように、蓄熱燃焼脱臭装置1は、被処理ガスを加熱分解するための燃焼室40と、この燃焼室40に連通し蓄熱体12がそれぞれ内蔵された7室の蓄熱室11(11A~11G)からなる蓄熱領域10と、給気ファン20と連通し不図示の被処理ガス供給源から供給される被処理ガスを燃焼室40へ給気する給気流路50と、燃焼室40で加熱分解(酸化分解)された処理済みの排気ガスを大気に排気する排気流路60と、燃焼完了後の処理済みガスの一部をパージブロア30によりパージガスとして燃焼室40から吸引して、給気ファン20の上流側に還流させるパージ流路70とから構成されている。
ここで、必ずしも、蓄熱領域10を構成する蓄熱室11は7つの蓄熱室11A~11Gにより構成されている必要はない。本発明の実施形態においては、蓄熱室11として少なくとも5室以上、より好ましくは、5室以上の奇数の蓄熱室11より構成されていればよい。なお、以下では説明の便宜上、図面に開示されている7室、又は9室の構成からなる蓄熱室11に基づいて説明する。
また、必ずしも、パージ流路70はパージブロア30により燃焼室40の排気ガスの一部を吸引する吸引形式である必要はない。本発明の実施形態においては、狭い空間であっても均一に蓄熱体12の内部に残留する被処理ガスをパージ可能な吸引形式を採用するが、例えばパージガスを燃焼室40に向けて押し込む加圧方式を採用するようにしてもよい。
燃焼室40にはバーナ41を備えている。バーナ41には、燃料開閉弁42を介してバーナ41の駆動用燃料としてのLNGを供給するための燃料供給路43が接続されている。また、燃焼室40には、燃焼室40内の温度を検出する温度センサ(図示しない)を複数箇所に設け、温度センサからの信号に基づいて、燃料供給路43の燃料開閉弁42を制御し、バーナ41に供給する燃料の流量を変更することができる。
蓄熱領域10を構成する蓄熱室11は、それぞれ同じ容積からなり、蓄熱領域10を通過するガスが、隣接する蓄熱室11に対して影響を及ぼさないように、隣接する蓄熱室11の間には耐熱性のある仕切板13で仕切られている。
蓄熱室11内に内蔵された蓄熱体12(12A~12G)は、セラミック製のハニカム構造を複数段積層したものから構成されているが、例えばセラミックス製あるいは金属製の球状のものを所定高さに積層したもの、又は複数本のセラミックス製あるいは金属製のパイプを所定長さに切断したもの等の公知の構成から適宜採用することができる。
給気流路50、排気流路60、及びパージ流路70は、蓄熱領域10の下方に形成された空間内に蓄熱燃焼脱臭装置1の長さ方向に沿って形成されており、平面視でパージ流路70を挟んで一方側に給気流路50、他方側に排気流路60がそれぞれ配置されている。
蓄熱室11と給気流路50は給気用切換弁51(51A~51G)を介して接続され、蓄熱室11と排気流路60は排気用切換弁61(61A~61G)を介して接続されている。給気用切換弁51、及び排気用切換弁61は、例えば正面視で略円形の弁体と弁体の略中心部分に接続された弁軸から構成されており、図示しない制御装置による切換制御により弁軸の軸方向に沿って往復動せることで、給気流路50と蓄熱領域10、及び排気流路60と蓄熱領域10がそれぞれ連通状態、非連通状態を切り換えることが可能となっている。
蓄熱室11に給気流路50から被処理ガスを給気する際には、給気用切換弁51が開方向へと移動することにより形成された隙間から被処理ガスが蓄熱室11へと流入して燃焼室40へと給気される(図4a)。一方、燃焼室40から排気ガスを大気中に放出する際には、排気用切換弁61が開方向へと移動することにより形成された隙間を通じて、燃焼室40から蓄熱室11を通過した排気ガスが排気流路60を通じて大気へと放出される(図4c)。
図1に示すように、各蓄熱室11とパージ流路70は、パージ用切換弁71(71A~71G)を介して接続されている。パージ用切換弁71は、例えば燃焼室40からのパージ圧が作用したときに開方向に移動する逆止弁を採用することができる。これにより、パージが必要な場合にだけパージ用切換弁71を開方向に制御し、給気流路50や排気流路60から燃焼室への逆流を防止することができる。
ここで、必ずしも、給気用切換弁51、排気切換弁61、及びパージ用切換弁71としては前記した形態に限定されるものではなく、公知の切換弁より適宜選択することができる。
以上のように構成された蓄熱燃焼脱臭装置1は、主に給気モード、パージモード、及び排気モードを1サイクルとして運転を行う。蓄熱室11のうち、給気モード、及び排気モードはそれぞれ任意の3室の蓄熱室が割り当てられ、パージモードとして残りの任意の1室の蓄熱室が割り当てられ、各モードに割り当てる蓄熱室を順次切り換えながら運転を行う。
ここで、給気モードと排気モードに割り当てる蓄熱室の数を同数とすることで、給気量と排気量が均一となるため、効率的に被処理ガスを加熱分解することができる。さらに、パージモードに割り当てる蓄熱室を、給気モードや排気モードに割り当てる蓄熱室に比べて少なくすることで、パージ流路として必要最小限の容積を確保すればよい。
即ち、従来の多塔式、例えば3塔式の蓄熱燃焼脱臭装置においては、各塔を給気モード、排気モード、パージモードを順次切り換えながら運転を行うものであったため、パージモードに割り当てる蓄熱室の容積を、給気モードや排気モードに割り当てる蓄熱室の容積よりも相対的に小さくすることができなかった(即ち、全てのモードに割り当てる蓄熱室の容積は同一であった)。そのため、パージ流路についても給気流路や排気流路と同じく一定の大きさの容積を確保する必要があり、装置全体の大型化を招く要因となっていた。
これに対して、本発明の実施形態に係る蓄熱燃焼脱臭装置1においては、1塔内に複数の蓄熱室11を多室化して配置することで、パージモードに割り当てる蓄熱室11の数を給気モードや排気モードに割り当てる蓄熱室11に対して相対的に少なくすることができる。
従って、図3に示すように、パージ流路70の形状としては、上方は蓄熱室11の大きさに合わせ、下方に向けて容積を小さくする先窄まりの形状とすることができるため、給気流路50や排気流路60の設計の自由度が高まり、蓄熱燃焼脱臭装置1の全体をコンパクトな構成とすることができる。なお、パージモードに割り当てる蓄熱室11を1室としても、後述する通り、運転サイクル毎にパージモードに割り当てる蓄熱室11が順次切り換わる。従って、運転サイクルを通じて全ての蓄熱室11が1度はパージがされるため、蓄熱体12に残留する被処理ガスがそのまま大気に放出される虞はない。
以下では、本発明の実施形態に係る蓄熱燃焼脱臭装置1の具体的な運転方法について説明する。なお、以下の実施例において説明する蓄熱室11としては9室(11A~11I)に多室化した蓄熱燃焼脱臭装置1に基づいて説明する。
<実施例1>
まず、図5は蓄熱燃焼脱臭装置1の実施例1に係る運転モードを示す概念図、表1は各運転モードにおける切換弁の状態(○は開、×は閉)を示す表である。実施例1における運転モードでは、互いに隣接する4室からなる蓄熱室11を一つの領域として、給気モード、及び排気モードにそれぞれ割り当て、残る1室をパージモードの蓄熱室として割り当てる。
まず、図5(a)に示す第1の運転サイクル(Step1)では、給気モードとして蓄熱領域10のうち、前回までの運転サイクルで排気ガスが通過し蓄熱体12が高温となっている蓄熱室11、例えば蓄熱室11F~11Iの4室を第1のグールプとして選択される。このとき、給気用切換弁51F~51Iが「開」、給気用切換弁51A~51Eが「閉」、排気用切換弁61A~61Iが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」に切換制御され、給気流路50と連通状態となった蓄熱室11F~11Iに被処理ガスが供給される。蓄熱室11F~11Iを通過した被処理ガスは、蓄熱体12から受熱して昇温された後に燃焼室40に給気される。そして燃焼室40に給気された被処理ガスは、バーナ41により高温加熱されて被処理ガスに含まれる有機化合物や臭気が熱分解される。
排気モードでは、蓄熱領域10のうち、前回までの運転サイクルでパージがされるとともに、被処理ガスの通過により降温した蓄熱室11、例えば蓄熱室11A~11Dの4室を第2グループとして選択される。このとき、蓄熱室11A~11Dに対応する排気用切換弁61A~61Dが「開」、給気用切換弁51A~51I、排気用切換弁61E~61Iが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」に切換制御され、燃焼室40から蓄熱室11A~11Dに排気ガスが排気される。燃焼室40から排気される排気ガスは、蓄熱室11A~11Dを通過して連通状態となる排気流路60を通じて大気へと放出される。このとき、蓄熱体は高温となっている排気ガスからの受熱により一定温度まで昇温される。
パージモードでは、蓄熱領域10のうち、前回までの運転サイクルで被処理ガスが通過し、被処理ガスが残留する蓄熱室、例えば蓄熱室11Eの1室を第3のグループとして選択される。このとき、対応するパージ用切換弁71Eが「開」、給気用切換弁51A~51I、排気用切換弁61A~61I、及びパージ用切換弁71A~71D、71F~71Iが「閉」に切換制御され、燃焼室40から供給される排気ガスの一部は蓄熱室11Eを通過し、蓄熱体12Eに残留する被処理ガスとともに蓄熱室11Eと連通状態となったパージ流路70を通過して、給気流路50の給気ファン20の上流に環流され、再び燃焼室40へと給気される。
第1の運転サイクルとして、以上の給気モード、排気モード、及びパージモードの一連のサイクルが完了すると、切換弁を切換制御して、次の運転サイクルである第2の運転サイクルに移行する。図5(b)は第2の運転サイクルにおける蓄熱領域10と給気流路50、排気流路60、及びパージ流路70との接続状態を示す。
図5(b)に示すように、第2の運転サイクル(Step2)の給気モードでは、蓄熱室11G~11Iは第1の運転サイクルのまま給気モードが維持される。一方、被処理ガスの繰り返しの通過により低温状態となっている蓄熱室11Fに代わって、第1の運転サイクルで排気モードであった蓄熱室11Aが給気モードに切り換わる。即ち、第2の運転サイクルでは、蓄熱室11A、蓄熱室11G~11Iが給気モードとして第1のグループを構成する。
排気モードでは、蓄熱領域10のうち蓄熱室11B~11Dは第1の運転サイクルのまま排気モードが維持される。一方、給気モードに切り換わった蓄熱室11Aに代わり蓄熱室11Eが排気モードとして第2のグループを構成する。蓄熱室11Eは、第1の運転サイクルにおいてパージモードであったため、蓄熱体12Eに残留する被処理ガスがパージされている。従って、蓄熱室11Eを排気ガスが通過することにより、蓄熱体12E内の残留ガスが大気に放出されることを防止することができる。
パージモードでは、第1の運転サイクルで給気モードであった蓄熱室11Fが第3のグループを構成する。即ち、それまでの運転サイクルで繰り返し被処理ガスが通過することで、蓄熱体12Fには多くの被処理ガスが残留している。そのため、第2の運転サイクルでは、蓄熱室11Fをパージモードに切り替えることで、残留する被処理ガスをパージすることができる。
以上のように、第2の運転サイクルの給気モードにおいては、蓄熱室11A、11G~11Iに対応する給気用切換弁51A、51G~51Iが「開」、給気用切換弁51B~51Fが「閉」、排気用切換弁61A~61Iが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」となるように切換制御される。
また、第2の運転サイクルの排気モードにおいては、蓄熱室11B~11Eに対応する排気用切換弁61B~61Eが「開」、給気用切換弁51A~51Iが「閉」、排気用切換弁61A、61F~61Iが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」に切換制御される。
さらに、第2の運転サイクルにおけるパージモードにおいては、蓄熱室11Fに対応するパージ用切換弁71Fが「開」、給気用切換弁51A~51I、排気用切換弁61A~61I、パージ用切換弁71A~71E、71G~71Iが「閉」に切換制御される。
第2の運転サイクルとして、以上の給気モード、排気モード、及びパージモードの一連のサイクルが完了すると、切換弁を切換制御して、次の運転サイクルである第3の運転サイクルに移行する。図5(c)は第3の運転サイクルにおける蓄熱領域10と給気流路50、排気流路60、及びパージ流路70との接続状態を示す。
図5(c)に示すように、第3の運転サイクル(Step3)の給気モードでは、蓄熱室11A、11H、11Iは第2の運転サイクルのまま給気モードが維持される。一方、被処理ガスの繰り返しの通過により低温状態となっている蓄熱室11Gに代わって、第3の運転サイクルで排気モードであった蓄熱室11Bが給気モードに切り換わる。即ち、第3の運転サイクルでは、蓄熱室11A、11B、11H、11Iが給気モードとして第1のグループを構成する。
排気モードでは、蓄熱室11C~11Eが第2の運転サイクルのまま第2のグループを構成する。一方、給気モードに切り換わった蓄熱室11Bに代わり蓄熱室11Fが排気モードとして第2のグループを構成する。蓄熱室11Fは、第2の運転サイクルにおいてパージモードであったため、蓄熱体12Fに残留する被処理ガスがパージされている。従って、蓄熱室11Fを排気ガスが通過することにより、蓄熱体12F内の残留ガスが大気に放出されることを防止することができる。
第2の運転サイクルで給気モードであった蓄熱室11Gは、パージモードとして第3のグループを構成する。即ち、それまでの運転サイクルで繰り返し被処理ガスが通過することで、蓄熱体12Gには多くの被処理ガスが残留している。そのため、第3の運転サイクルでは、蓄熱室11Gをパージモードに切り替えることで、残留する被処理ガスをパージすることができる。
以上のように、第3の運転サイクルの給気モードにおいては、蓄熱室11A、11B、11H、11Iに対応する給気用切換弁51A、51B、51H、51Iが「開」、給気用切換弁51C~51Gが「閉」、排気用切換弁61A~61Iが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」となるように切換制御される。
また、第3の運転サイクルにおける排気モードにおいては、蓄熱室11C~11Fに対応する排気用切換弁61C~61Fが「開」、給気用切換弁51A~51Iが「閉」、排気用切換弁61A、61B,61G~61Iが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」に切換制御される。
さらに、第3の運転サイクルにおけるパージモードにおいては、蓄熱室11Gに対応するパージ用切換弁71Gが「開」、給気用切換弁51A~51I、排気用切換弁61A~61I、パージ用切換弁71A~71F、71H、71Iが「閉」に切換制御される。
第4の運転モード以降についても給気モード、排気モード、及びパージモードを構成する蓄熱室が1室ずつ順次入れ替わりながら運転が継続されるため、給排気量を均一に保ちながら、かつ全ての蓄熱室に対して所定のタイミングで順次パージを行うことができる。
[表1]
Figure 0007158095000001
<実施例2>
図6は蓄熱燃焼脱臭装置1の実施例2に係る運転モードを示す概念図、表2は各運転モードにおける切換弁の状態(○は開、×は閉)を示す表である。実施例1の運転モードでは、互いに隣接する蓄熱室11をグループ化して給気モード、排気モード、パージモードに割り当てていたが、実施例2における運転モードでは個別の蓄熱室11を任意に選択しながら給気モード、排気モード、パージモードとして運転を行う。
まず、図6(a)に示す第1の運転サイクル(Step1)では、給気モードとして蓄熱領域10のうち、前回までの運転サイクルで排気ガスが通過し蓄熱体が高温となっている蓄熱室、例えば蓄熱室11A、11D、11F、11Hの4室が第1のグールプとして選択される。このとき、給気用切換弁51A、51D、51F、51Hが「開」、給気用切換弁51B、51C、51E、51G、51Iが「閉」、排気用切換弁61A~61Iが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」に切換制御され、給気流路50と連通状態となった蓄熱室11A、11D、11F、11Hに被処理ガスが供給される。蓄熱室11A、11D、11F、11Hを通過した被処理ガスは、蓄熱体12から受熱して昇温された後に燃焼室40に給気される。そして燃焼室40に給気された被処理ガスは、バーナ41により高温加熱されて被処理ガスに含まれる有機化合物や臭気が熱分解される。
排気モードでは、蓄熱領域10のうち、前回までの運転サイクルでパージがされるとともに、被処理ガスの通過により降温した蓄熱室、例えば蓄熱室11C、11E、11G、11Iの4室を第2グループとして選択される。このとき、蓄熱室11C、11E、11G、11Iに対応する排気用切換弁61C、61E、61G、61Iが「開」、給気用切換弁51A~51I、排気用切換弁61A、61B、61D、61F、61Hが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」に切換制御される。燃焼室40から排気される排気ガスは、蓄熱室11C、11E、11G、11Iを通過して連通状態となる排気流路60を通じて大気へと放出される。このとき、蓄熱体12は高温となっている排気ガスからの受熱により一定温度まで昇温される。
パージモードでは、蓄熱領域10のうち、前回までの運転サイクルで被処理ガスが通過し、被処理ガスが残留する蓄熱室、例えば蓄熱室11Bの1室を第3のグループとして選択される。このとき、対応するパージ用切換弁71Bが「開」、給気用切換弁51A~51I、排気用切換弁61A~61I、及びパージ用切換弁71A、71C~71Dが「閉」に切換制御され、燃焼室40から供給される排気ガスの一部は蓄熱室11Bを通過し、蓄熱体12Bに残留する被処理ガスとともに連通状態となったパージ流路70を通過して、給気流路50の給気ファン20の上流に環流され、再び燃焼室40へと給気される。
第1の運転サイクルとして、以上の給気モード、排気モード、及びパージモードの一連のサイクルが完了すると、切換弁を切換制御して、次の運転サイクルである第2の運転サイクルに移行する。図6(b)は第2の運転サイクルにおける蓄熱領域10と給気流路50、排気流路60、及びパージ流路70との接続状態を示す。
図6(b)に示すように、第2の運転サイクル(Step2)の給気モードでは、蓄熱室11A、11F、11Hは第1の運転サイクルのまま第1のグループを構成する。一方、被処理ガスの繰り返しの通過により低温状態となっている蓄熱室11Dに代わって、第1の運転サイクルで排気モードであった蓄熱室11Cが給気モードに切り換わる。即ち、第2の運転サイクルでは、蓄熱室11A、11C、11F、11Hが給気モードとして第1のグループを構成する。
排気モードでは、蓄熱室11E、11G、11Iは第1の運転サイクルのまま第2のグループを構成する。一方、給気モードに切り換わった蓄熱室11Cに代わり蓄熱室11Bが排気モードとして第2のグループを構成する。蓄熱室11Bは、第1の運転サイクルにおいてパージモードであったため、蓄熱体12Bに残留する被処理ガスがパージされている。従って、蓄熱室11Bを排気ガスが通過することにより、蓄熱体12B内の残留ガスが大気に放出されることを防止することができる。
第1の運転サイクルで給気モードであった蓄熱室11Dは、パージモードとして第3のグループを構成する。即ち、それまでの運転サイクルで繰り返し被処理ガスが通過することで、蓄熱体12Dには多くの被処理ガスが残留している。そのため、第2の運転サイクルでは、蓄熱室11Dをパージモードに切り替えることで、残留する被処理ガスをパージすることができる。
以上のように、第2の運転サイクルの給気モードにおいては、蓄熱室11A、11C、11F、11Hに対応する給気用切換弁51A、51C、51F、51Hが「開」、給気用切換弁51B、51D、51E、51G、51Iが「閉」、排気用切換弁61A~61Iが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」となるように切換制御される。
また、第2の運転サイクルにおける排気モードにおいては、蓄熱室11B、11E、11G、11Iに対応する排気用切換弁61B、61E、61G、61Iが「開」、給気用切換弁51A~51Iが「閉」、排気用切換弁61A、61C、61D、61F、61Hが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」に切換制御される。
さらに、第2の運転サイクルのパージモードにおいては、蓄熱室11Dに対応するパージ用切換弁71Dが「開」、給気用切換弁51A~51I、排気用切換弁61A~61I、パージ用切換弁71A~71C、71E~71Iが「閉」に切換制御される。
第2の運転サイクルとして、以上の給気モード、排気モード、及びパージモードの一連のサイクルが完了すると、切換弁を切換制御して、次の運転サイクルである第3の運転サイクルに移行する。図6(c)は第3の運転サイクルにおける蓄熱領域10と給気流路50、排気流路60、及びパージ流路70との接続状態を示す。
図6(c)に示すように、第3の運転サイクル(Step3)の給気モードでは、蓄熱室11A、11C、11Hは第2の運転サイクルのまま第1のグループを構成する。一方、被処理ガスの繰り返しの通過により低温状態となっている蓄熱室11Fに代わって、第3の運転サイクルで排気モードであった蓄熱室11Eが給気モードに切り換わる。即ち、第3の運転サイクルでは、蓄熱室11A、11C、11E、11Hが給気モードとして第1のグループを構成する。
また、排気モードでは、蓄熱室11B、11G、11Iは第2の運転サイクルのまま第2のグループを構成する。一方、給気モードに切り換わった蓄熱室11Eに代わり蓄熱室11Dが排気モードとして第2のグループを構成する。蓄熱室11Dは、第2の運転サイクルにおいてパージモードであったため、蓄熱体12Dに残留する被処理ガスがパージされている。従って、蓄熱室11Dを排気ガスが通過することにより、蓄熱体12D内の残留ガスが大気に放出されることを防止することができる。
第2の運転サイクルで給気モードであった蓄熱室11Fは、パージモードとして第3のグループを構成する。即ち、それまでの運転サイクルで繰り返し被処理ガスが通過することで、蓄熱体12Fには多くの被処理ガスが残留している。そのため、第3の運転サイクルでは、蓄熱室11Fをパージモードに切り替えることで、残留する被処理ガスをパージすることができる。
以上のように、第3の運転サイクルの給気モードにおいては、蓄熱室11A、11C、11E、11Hに対応する給気用切換弁51A、51C、51E、51Hが「開」、給気用切換弁51B、51D、51F、51G、51Iが「閉」、排気用切換弁61A~61Iが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」となるように切換制御される。
また、第3の運転サイクルにおける排気モードにおいては、蓄熱室11B、11D、11G、11Iに対応する排気用切換弁61B、61D、61G、61Iが「開」、給気用切換弁51A~51Iが「閉」、排気用切換弁61A、61C,61E、61F、61Hが「閉」、パージ用切換弁71A~71Iが「閉」に切換制御される。
さらに、第3の運転サイクルにおけるパージモードにおいては、蓄熱室11Fに対応するパージ用切換弁71Fが「開」、給気用切換弁51A~51I、排気用切換弁61A~61I、パージ用切換弁71A~71E、71G~71Iが「閉」に切換制御される。
第4の運転モード以降についても給気モード、排気モード、及びパージモードを構成する蓄熱室が1室ずつ順次入れ替わりながら運転が継続されるため、給排気量を均一に保ちながら、かつ全ての蓄熱室に対して所定のタイミングで順次パージを行うことができる。
[表2]
Figure 0007158095000002
なお、実施例1、及び実施例2においては、蓄熱領域10として蓄熱室11A~11Iから構成されるものを示したが、蓄熱室としては少なくとも5室以上が形成されていれば、同様の運転モードでの運転が可能である。特に、蓄熱室として5室以上であって、かつ奇数となるように多室化することで、全体の蓄熱室のうち1室をパージモードとし、残りの蓄熱室を給気モードと排気モードに均等に割り当てることで、給排気量を十分に確保しつつ最低限のパージを行うことができるため、装置全体のコンパクト化を図るとともに加熱分解を促進することができるものとなる。
以上、本発明に係る蓄熱燃焼脱臭装置、及び蓄熱燃焼脱臭装置の運転方法は、コンパクトな構造により施工性に優れ、被処理ガス中の有機物の分解効率を向上させることができるものとなっている。
1 蓄熱燃焼脱臭装置
10 蓄熱領域
11 蓄熱室
12 蓄熱体
13 仕切板
20 給気ファン
30 パージブロア
40 燃焼室
41 バーナ
42 燃料開閉弁
43 燃料供給路
50 給気流路
51 給気用切換弁
60 排気流路
61 排気用切換弁
70 パージ流路
71 パージ用切換弁

Claims (6)

  1. 被処理ガスの加熱分解を行う燃焼室と、
    該燃焼室に連通するとともに内部に蓄熱体を有し、一の塔内において仕切板により直列的にn室(nは5以上の整数)に分割形成されて水平方向に延在する複数の蓄熱室からなる蓄熱領域と、を備える蓄熱燃焼脱臭装置において、
    前記蓄熱領域の下方に連続的に形成された空間内に、前記蓄熱領域の各蓄熱室に接続され下方に向かって先窄まりであり前記蓄熱領域に残存する被処理ガスをパージするパージ流路、平面視において該パージ流路を挟んで一方側に前記蓄熱領域に接続され前記燃焼室に被処理ガスを給気する給気流路、前記パージ流路を挟んで他方側に前記蓄熱領域の各蓄熱室に接続され前記燃焼室で加熱分解された排気ガスを排気する排気流路がそれぞれ形成され、
    一の運転工程において、前記給気流路が連通状態となる複数の蓄熱室から構成された第1グループ、前記第1グループとは異なる蓄熱室であって前記排気流路が連通状態となる前記第1グループと同数の蓄熱室から構成された第2グループ、前記第1グループ及び前記第2グループとは異なる蓄熱室であって前記パージ流路が連通状態となる前記第1グループよりも少ない数の蓄熱室から構成された第3グループに切換制御する切換機構を備える
    蓄熱燃焼脱臭装置。
  2. 前記第1グループ、及び前記第2グループは(n-1)/2(nは5以上の奇数)室の蓄熱室から構成され、
    前記第3グループは1室の蓄熱室から構成された
    請求項1に記載の蓄熱燃焼脱臭装置。
  3. 前記一の運転工程において前記切換機構による切換制御は、
    前記一の運転工程の一つ前の運転工程において、前記給気流路が連通されていた所定の蓄熱室を選択して前記パージ流路に連通する
    請求項1または2に記載の蓄熱燃焼脱臭装置。
  4. 前記一の運転工程において前記切換機構による切換制御は、
    前記一の運転工程の一つ前の運転工程において、前記パージ流路が連通されていた所定の蓄熱室を選択して前記排気流路に連通する蓄熱室の一つとする
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の蓄熱燃焼脱臭装置。
  5. 前記一の運転工程において前記切換機構による切換制御は、
    前記一の運転工程の一つ前の運転工程において、前記排気流路が連通されていた所定の蓄熱室を選択して前記給気流路に連通する蓄熱室の一つとする
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の蓄熱燃焼脱臭装置。
  6. 前記給気流路には、被処理ガスを給気するための給気ファンを有し、
    前記パージ流路は、前記燃焼室から排気ガスを抜き出して前記給気ファンの上流側に環流させる
    請求項1から請求項5の何れか一項に記載の蓄熱燃焼脱臭装置。
JP2022538805A 2020-10-27 2020-10-27 蓄熱燃焼脱臭装置 Active JP7158095B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2020/040309 WO2022091226A1 (ja) 2020-10-27 2020-10-27 蓄熱燃焼脱臭装置、及び蓄熱燃焼脱臭装置の運転方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2022091226A1 JPWO2022091226A1 (ja) 2022-05-05
JPWO2022091226A5 JPWO2022091226A5 (ja) 2022-10-11
JP7158095B2 true JP7158095B2 (ja) 2022-10-21

Family

ID=81382213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022538805A Active JP7158095B2 (ja) 2020-10-27 2020-10-27 蓄熱燃焼脱臭装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7158095B2 (ja)
CN (1) CN115335637A (ja)
WO (1) WO2022091226A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5259757A (en) 1992-02-27 1993-11-09 Smith Engineering Company Method and apparatus for smokeless burnout of regenerative thermal oxidizer systems
US20030113238A1 (en) 2001-11-14 2003-06-19 Satpal Bhatnagar Waste air cleaning device
JP2013194948A (ja) 2012-03-16 2013-09-30 Taikisha Ltd 蓄熱式ガス処理装置
DE102012218776A1 (de) 2012-10-15 2014-04-17 Dürr Systems GmbH Anlage für das thermische Behandeln von gasförmigem Medium
JP2017020752A (ja) 2015-07-14 2017-01-26 株式会社大気社 多塔式の蓄熱式脱臭装置における切換機構、多塔式の蓄熱式脱臭装置、及び、3塔式の蓄熱式脱臭装置の運転方法
CN211146513U (zh) 2019-11-27 2020-07-31 秦皇岛格瑞因环境工程有限公司 双管路清洗的rto蓄热式热力燃烧装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3579176B2 (ja) * 1996-03-28 2004-10-20 トリニティ工業株式会社 蓄熱脱臭処理装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5259757A (en) 1992-02-27 1993-11-09 Smith Engineering Company Method and apparatus for smokeless burnout of regenerative thermal oxidizer systems
US20030113238A1 (en) 2001-11-14 2003-06-19 Satpal Bhatnagar Waste air cleaning device
JP2013194948A (ja) 2012-03-16 2013-09-30 Taikisha Ltd 蓄熱式ガス処理装置
DE102012218776A1 (de) 2012-10-15 2014-04-17 Dürr Systems GmbH Anlage für das thermische Behandeln von gasförmigem Medium
JP2017020752A (ja) 2015-07-14 2017-01-26 株式会社大気社 多塔式の蓄熱式脱臭装置における切換機構、多塔式の蓄熱式脱臭装置、及び、3塔式の蓄熱式脱臭装置の運転方法
CN211146513U (zh) 2019-11-27 2020-07-31 秦皇岛格瑞因环境工程有限公司 双管路清洗的rto蓄热式热力燃烧装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022091226A1 (ja) 2022-05-05
JPWO2022091226A1 (ja) 2022-05-05
CN115335637A (zh) 2022-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101252236B1 (ko) 순환 작동형 밸브를 구비한 급배기 분배실과 이를 구비한 축열식 연소산화장치
JP6341466B2 (ja) 触媒式蓄熱燃焼装置
KR20060051724A (ko) 축열식 선택적촉매환원법을 통한 배기가스로부터 물질의제거시스템과 방법
KR101618718B1 (ko) 축열 연소산화장치
KR100690441B1 (ko) 휘발성 유기화합물 농축 촉매 연소 시스템 및 이를 위한 농축 뱅크
KR101560256B1 (ko) 축열 연소산화장치
JP7158095B2 (ja) 蓄熱燃焼脱臭装置
JP4006025B2 (ja) 再生酸化用の一体型voc貯留装置
JP4121457B2 (ja) 2チャンバ型再生式酸化装置用モジュールvoc閉じ込めチャンバ
KR101754215B1 (ko) 하나의 개폐유닛으로 유해가스관 및 청정가스관을 개폐하는 축열 연소산화장치
KR101645171B1 (ko) 반도체 및 VOCs 배출공정에서 발생되는 난분해성 유해폐가스 처리 시스템
KR101754212B1 (ko) 하나의 개폐유닛으로 유해가스관, 청정가스관 및 퍼지가스관을 개폐하는 축열 연소산화장치
KR101560254B1 (ko) 축열 연소산화장치
KR100836784B1 (ko) 연료절약형 축열식 연소산화시스템
JP3940832B2 (ja) 蓄熱型排ガス処理装置
JPWO2022091226A5 (ja) 蓄熱燃焼脱臭装置
JP3917403B2 (ja) 回転分配式蓄熱燃焼装置
KR200306996Y1 (ko) 축열 연소산화장치
JP2003294222A (ja) 蓄熱燃焼式脱臭設備
JP4092818B2 (ja) 蓄熱燃焼式ガス処理装置の運転方法
KR101608395B1 (ko) 축열 연소산화장치
JP2016121859A (ja) 有害成分加熱浄化装置
JP4085298B2 (ja) 蓄熱型排ガス処理装置
JP6111743B2 (ja) 蓄熱式燃焼装置およびガスの燃焼処理方法
JPH1144416A (ja) 蓄熱型排ガス処理装置及びその運転方法

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A5211

Effective date: 20220622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220622

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7158095

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350