ある態様の詳細な記載
本開示は、化合物(例として、式(I)で表される化合物、ならびにその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグ)を提供する。化合物は、キナーゼ、例としてGSK3を阻害するのに有用であり得る。提供される化合物は、GSK3αを、GSK3βおよび/または他のキナーゼと比較して選択的に阻害することが可能であり得る。本開示は、化合物の医薬組成物、化合物のキット、および化合物を使用する方法を、さらに提供する。本明細書に記載の化合物、医薬組成物、およびキットは、GSK3の異常な活性に関連する疾患などの疾患を処置するのに有用であり得る。ある態様において、化合物、医薬組成物、およびキットは、GSK3αの異常な活性に関連する疾患(例として、脆弱X症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、小児発作、知的障害、糖尿病、急性骨髄性白血病(AML)、自閉症、または精神障害)を処置するのに有用である。ある態様において、化合物、医薬組成物、およびキットは、GSK3βの異常な活性に関連する疾患(例として、気分障害、PTSD、精神障害、糖尿病、または神経変性疾患)を処置することにおいて有用である。本明細書に記載の化合物、医薬組成物、およびキットはまた、本明細書に記載の疾患を予防するのにも有用であり得る。
化合物
一側面において、本開示は、式(I):
で表される化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを提供し、式中:
Xは、-O-または-S-である;
R
1は、置換もしくは非置換のC
1~12アルキル、置換もしくは非置換のC
2~12アルケニル、置換もしくは非置換のC
2~12アルキニル、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のカルボシクリル、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のヘテロシクリル、置換もしくは非置換の6~10員の単環式または二環式のアリール、あるいは置換もしくは非置換の5~11員の単環式または二環式のヘテロアリールである;
R
2は、置換もしくは非置換のC
1~6アルキル、置換もしくは非置換のC
2~6アルケニル、置換もしくは非置換のC
2~6アルキニル、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリル、または置換もしくは非置換のフェニルである;
あるいは、R
1およびR
2は結び合って、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のカルボシクリル、または置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のヘテロシクリルを形成する;
R
4aおよびR
4bのどちらも、独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
A、-SR
A、-N(R
A)
2、置換もしくは非置換のC
1~6アルキル、置換もしくは非置換のC
2~6アルケニル、または置換もしくは非置換のC
2~6アルキニルである;
あるいは、R
4aおよびR
4bは結び合って、置換もしくは非置換のC
1~6アルケニル、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリル、または置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する;
R
5aおよびR
5bのどちらも、独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
A、-SR
A、-N(R
A)
2、置換もしくは非置換のC
1~6アルキル、置換もしくは非置換のC
2~6アルケニル、または置換もしくは非置換のC
2~6アルキニルである;
あるいは、R
5aおよびR
5bは結び合って、置換もしくは非置換のC
1~6アルケニル、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリル、または置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する;
R
6aおよびR
6bのどちらも、独立して、水素、ハロゲン、-CN、-OR
A、-SR
A、-N(R
A)
2、置換もしくは非置換のC
1~6アルキル、置換もしくは非置換のC
2~6アルケニル、または置換もしくは非置換のC
2~6アルキニルである;
あるいは、R
6aおよびR
6bは結び合って、置換もしくは非置換のC
1~6アルケニル、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリル、または置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する;
R
8は、水素、ハロゲン、-CN、-OR
A、-SR
A、-N(R
A)
2、置換もしくは非置換のC
1~6アルキル、置換もしくは非置換のC
2~6アルケニル、置換もしくは非置換のC
2~6アルキニル、または置換もしくは非置換の3~5員の単環式カルボシクリルである;
各R
Aは、独立して、水素、置換もしくは非置換のC
1~6アルキル、置換もしくは非置換のC
2~6アルケニル、置換もしくは非置換のC
2~6アルキニル、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリール、酸素原子へ付着されているとき酸素保護基、硫黄原子へ付着されているとき硫黄保護基、または窒素原子へ付着されているとき窒素保護基である;
あるいは、同じ窒素元素へ付着されている2個のR
A基は結び合って、置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリル、または置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールを形成する;
ヘテロシクリルのどの場合も、複素環式の環系中、原子価が許す限り、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立して選択される、1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を含む;ならびに、
ヘテロアリールのどの場合も、ヘテロアリール環系中、原子価が許す限り、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立して選択される、1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を含む。
式(I)は、部分Xを包含する。ある態様において、Xは、-O-である。ある態様において、Xは、-S-である。
式(I)はまた、置換基R1も包含する。いくつかの態様において、R1は、置換または非置換のC1~12アルキルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のC5~12アルキルである。ある態様において、R1は、Meである。ある態様において、R1は、Etである。ある態様において、R1は、PrまたはBuである。ある態様において、R1は、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル、例として、-CH2F、-CHF2、または-CF3)である。ある態様において、R1は、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル、例として、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3)である。ある態様において、R1は、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、R1は、置換または非置換のC2~12アルケニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のC5~12アルケニルである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、R1は、置換または非置換のC2~12アルキニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のC5~12アルキニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、R1は、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のカルボシクリルである。ある態様において、R1は、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のシクロプロピルである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルである。ある態様において、R1は、置換または非置換の5~13員の二環式カルボシクリルである。ある態様において、R1は、縮合されているか、スピロであるか、もしくは架橋されている、置換または非置換の5~13員の二環式カルボシクリルである。
ある態様において、R1は、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のヘテロシクリルである。ある態様において、R1は、置換または非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換の5~13員の二環式ヘテロシクリルである。ある態様において、R1は、縮合されているか、スピロであるか、もしくは架橋されている、置換または非置換の5~13員の二環式ヘテロシクリルである。
ある態様において、R
1は、置換もしくは非置換の6~10員の単環式または二環式のアリールである。ある態様において、R
1は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、R
1は、Phである。ある態様において、R
1は、置換フェニルである。ある態様において、R
1は、式:
で表され、式中R
7のどの場合も、独立して、本明細書に記載のとおりであり、およびnは、本明細書に記載のとおりである。ある態様において、R
1は、式:
で表される。ある態様において、R
1は、式:
で表される。ある態様において、R
1は、式:
で表される。ある態様において、R
1は、式:
で表される。ある態様において、R
1は、式:
で表される。ある態様において、R
1は、式:
で表される。
ある態様において、R1が直接付着されている炭素原子は、S立体配置である。ある態様において、R1が直接付着されている炭素原子は、R立体配置である。
R7のどの場合も、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~12アルキル、置換もしくは非置換のC2~12アルケニル、置換もしくは非置換のC2~12アルキニル、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のカルボシクリル、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のヘテロシクリル、置換もしくは非置換の6~10員の単環式または二環式のアリール、置換もしくは非置換の5~11員の単環式または二環式のヘテロアリール、-ORA、-N(RA)2、-SRA、-CN、-SCN、-C(=O)RA、-C(=O)ORA、-C(=O)N(RA)2、-C(=NRA)RA、-C(=NRA)ORA、-C(=NRA)N(RA)2,-NO2、-N3、-NRAC(=O)RA、-NRAC(=O)ORA、-NRAC(=O)N(RA)2、-NRAC(=NRA)RA、-NRAC(=NRA)ORA、-NRAC(=NRA)N(RA)2、-OC(=O)RA、-OC(=O)ORA、-OC(=O)N(RA)2、-OC(=NRA)RA、-OC(=NRA)ORA、-OC(=NRA)N(RA)2、-NRAS(=O)2RA、-NRAS(=O)2ORA、-NRAS(=O)2N(RA)2、-OS(=O)2RA、-OS(=O)2ORA、-OS(=O)2N(RA)2、-S(=O)2RA、-S(=O)2ORA、または-S(=O)2N(RA)2である;あるいは、2個のR7基は結び合って、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールを形成する。
式(I)が2個以上のR7基を包含するとき、いずれか2個のR7基は、互いに同じであっても、または異なっていてもよい。ある態様において、R7のどの場合も、独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~12アルキル、置換もしくは非置換のC2~12アルケニル、置換もしくは非置換のC2~12アルキニル、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のカルボシクリル、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のヘテロシクリル、置換もしくは非置換の6~11員の単環式または二環式のアリール、置換もしくは非置換の5~11員の単環式または二環式のヘテロアリール、-ORA、-N(RA)2、-SRA、-CN、-SCN、-C(=O)RA、-C(=O)ORA、-C(=O)N(RA)2、-C(=NRA)RA、-C(=NRA)ORA、-C(=NRA)N(RA)2、-NO2、-N3、-NRAC(=O)RA、-NRAC(=O)ORA、-NRAC(=O)N(RA)2、-NRAC(=NRA)RA、-NRAC(=NRA)ORA、-NRAC(=NRA)N(RA)2、-OC(=O)RA、-OC(=O)ORA、-OC(=O)N(RA)2、-OC(=NRA)RA、-OC(=NRA)ORA、-OC(=NRA)N(RA)2、-NRAS(=O)2RA、-NRAS(=O)2ORA、-NRAS(=O)2N(RA)2、-OS(=O)2RA、OS(=O)2ORA、-OS(=O)2N(RA)2、-S(=O)2RA、-S(=O)2ORA、または-S(=O)2N(RA)2である;あるいは、同じ炭素原子上の2個のR7基は結び合って、置換または非置換のC1~6アルケニルを形成する。
いくつかの態様において、少なくとも1個のR7基は、水素である。いくつかの態様において、各R7は、水素である。いくつかの態様において、水素であるR7は、ない。いくつかの態様において、少なくとも1個のR7基は、ハロゲンである。いくつかの態様において、少なくとも1個のR7基は、Fである。いくつかの態様において、少なくとも1個のR7基は、Clである。いくつかの態様において、少なくとも1個のR7基は、BrまたはIである。いくつかの態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC1~12アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC5~12アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、Meである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、Etである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、PrまたはBuである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル、例として、-CH2F、-CHF2、または-CF3)である。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル、例として、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3)である。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC2~12アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC5~12アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC2~12アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のC5~12アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のカルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換のシクロプロピルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、置換または非置換の5~13員の二環式カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のR7基は、縮合されているか、スピロであるか、もしくは架橋されている、置換または非置換の5~13員の二環式カルボシクリルである。
ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換の5~13員の二環式ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、縮合されているか、スピロであるか、もしくは架橋されている、置換または非置換の5~13員の二環式ヘテロシクリルである。
ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換の6~10員の単環式または二環式のアリールである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、Phである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換の7~11員の二環式アリールである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリルと縮合されている、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルと縮合されている、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換のナフチルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールと縮合されている、置換または非置換のフェニルである。
ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換の5~11員の単環式または二環式のヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換の5員の単環式ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換のピロリル、または置換もしくは非置換のフラニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換のチエニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換のチアゾリルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のピラゾリル、置換もしくは非置換のオキサゾリル、置換もしくは非置換のイソキサゾリル、置換もしくは非置換のイソチアゾリル、置換もしくは非置換のトリアゾリル、置換もしくは非置換のオキサジアゾリル、置換もしくは非置換のチアジアゾリル、または置換もしくは非置換のテトラゾリルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換の6員の単環式ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換のピリジニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換のピリダジニル、置換もしくは非置換のピリミジニル、置換もしくは非置換のピラジニル、置換もしくは非置換のトリアジニル、または置換もしくは非置換のテトラジニルである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換または非置換の6~11員の二環式ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリルと、または置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルと縮合されている、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換のフェニルと縮合されている、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールと縮合されている、置換もしくは非置換の5員または6員の別の単環式ヘテロアリールである。
ある態様において、少なくとも1個のR7は、-ORA(例として、-OH、-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OCF3、-OEt、-OPr、-OBu、もしくは-OBn)、または-O(置換もしくは非置換のフェニル)(例として、-OPh))である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-OMeである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-SRA(例として、-SH、-S(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-SMe、-SCF3、-SEt、-SPr、-SBu、もしくは-SBn)、または-S(置換もしくは非置換のフェニル)(例として、-SPh))である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-N(RA)2(例として、-NH2、-NH(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHMe)、または-N(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)-(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NMe2))である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-CNまたは-SCNである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-NO2である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-C(=NRA)RA、-C(=NRA)ORA、または-C(=NRA)N(RA)2である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-C(=O)RA(例として、-C(=O)(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)Me)または-C(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-C(=O)ORA(例として、-C(=O)OH、-C(=O)O(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)OMe)、または-C(=O)O(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-C(=O)N(RA)2(例として、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)NHMe)、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のフェニル)、-C(=O)N(置換もしくは非置換のアルキル)-(置換もしくは非置換のアルキル)、または-C(=O)N(置換もしくは非置換のフェニル)-(置換もしくは非置換のアルキル))である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-NRAC(=O)RA(例として、-NHC(=O)(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHC(=O)Me)または-NHC(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-NRAC(=O)ORAである。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-NRAC(=O)N(RA)2(例として、-NHC(=O)NH2、-NHC(=O)NH(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHC(=O)NHMe))である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-OC(=O)RA(例として、-OC(=O)(置換もしくは非置換のアルキル)または-OC(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))、-OC(=O)ORA(例として、-OC(=O)O(置換もしくは非置換のアルキル)または-OC(=O)O(置換もしくは非置換のフェニル))、あるいは-OC(=O)N(RA)2(例として、-OC(=O)NH2、-OC(=O)NH(置換もしくは非置換のアルキル)、-OC(=O)NH(置換もしくは非置換のフェニル)、-OC(=O)N(置換もしくは非置換のアルキル)-(置換もしくは非置換のアルキル)、または-OC(=O)N(置換もしくは非置換のフェニル)-(置換もしくは非置換のアルキル))である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-OC(=NRA)RA、-OC(=NRA)ORA、または-OC(=NRA)N(RA)2である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-NRAS(=O)2RA、-NRAS(=O)2ORA、-NRAS(=O)2N(RA)2、-OS(=O)2RA、-OS(=O)2ORA、または-OS(=O)2N(RA)2である。ある態様において、少なくとも1個のR7は、-S(=O)2RA、-S(=O)2ORA、または-S(=O)2N(RA)2である。
ある態様において、2個のR7基は結び合って、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリルを形成する。ある態様において、2個のR7基は結び合って、置換または非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する。ある態様において、2個のR7基は結び合って、置換または非置換のフェニルを形成する。ある態様において、2個のR7基は結び合って、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールを形成する。
ある態様において、R7の1つの場合が、窒素原子へ直接付着されているとき、R7のその場合は、水素、置換もしくは非置換のC1~12アルキル、置換もしくは非置換のC2~12アルケニル、置換もしくは非置換のC2~12アルキニル、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のカルボシクリル、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のヘテロシクリル、置換もしくは非置換の6~10員の単環式または二環式のアリール、置換もしくは非置換の5~11員の単環式または二環式のヘテロアリール、-C(=O)RA、-C(=O)ORA、-C(=O)N(RA)2、-C(=NRA)RA、-C(=NRA)ORA、-C(=NRA)N(RA)2である。ある態様において、R7の1つの場合が、窒素原子へ直接付着されているとき、R7のその場合は、水素である。ある態様において、R7の1つの場合が、窒素原子へ直接付着されているとき、R7のその場合は、水素ではない。ある態様において、R7の1つの場合が、窒素原子へ直接付着されているとき、R7のその場合は、置換または非置換のC1~12アルキル(例として、非置換C1~12アルキル、例として、Me)である。ある態様において、R7の1つの場合が、窒素原子へ直接付着されているとき、R7のその場合は、水素、または置換もしくは非置換のC1~12アルキル(例として、非置換C1~12アルキル、例として、Me)である。
ある態様において、R7のどの場合も、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル(例として、非置換のC1~6アルキル)、または-O-(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-O-(非置換のC1~6アルキル))である。
ある態様において、各R7の分子量は、300g/molよりも低いか、200g/molよりも低いか、100g/molよりも低いか、または50g/molよりも低い。
可変のnは、0、1、2、3、4、または5である。ある態様において、nは、0である。ある態様において、nは、1である。ある態様において、nは、2、3、または4である。ある態様において、nは、5である。
式(I)は、1個以上のRA基を包含していてもよい。式(I)が2個以上のRA基を包含するとき、いずれか2個のRA基は、互いに同じであっても、または異なっていてもよい。いくつかの態様において、少なくとも1個のRAは、水素である。いくつかの態様において、各RAは、水素である。いくつかの態様において、少なくとも1個のRAは、水素ではない。いくつかの態様において、各RAは、水素ではない。いくつかの態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のC5~6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、Meである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、Etである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、PrまたはBuである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル)である。ある態様において、少なくとも1個のRAは、-CH2F、-CHF2、または-CF3である。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル)である。ある態様において、少なくとも1個のRAは、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3である。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のC5~6アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のC5~6アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のシクロプロピルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、窒素原子へ付着されているとき、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。ある態様において、少なくとも1個のRAは、酸素原子へ付着されているとき、酸素保護基(例として、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t-Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイル)である。ある態様において、少なくとも1個のRAは、硫黄原子へ付着されているとき、硫黄保護基(例として、アセトアミドメチル、t-Bu、3-ニトロ-2-ピリジンスルフェニル、2-ピリジン-スルフェニル、またはトリフェニルメチル)である。ある態様において、同じ窒素原子へ付着されている2個のRA基は結び合って、置換または非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する。ある態様において、同じ窒素原子へ付着されている2個のRA基は、結び合って、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールを形成する。
ある態様において、R1は、置換または非置換の7~11員の二環式アリールである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリルと縮合されている、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルと縮合されている、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のナフチルである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールと縮合されている、置換または非置換のフェニルである。
ある態様において、R1は、置換もしくは非置換の5~11員の単環式または二環式のヘテロアリールである。ある態様において、R1は、置換または非置換の5員の単環式ヘテロアリールである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換のピロリル、または置換もしくは非置換のフラニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のチエニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換のチアゾリルである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のピラゾリル、置換もしくは非置換のオキサゾリル、置換もしくは非置換のイソキサゾリル、置換もしくは非置換のイソチアゾリル、置換もしくは非置換のトリアゾリル、置換もしくは非置換のオキサジアゾリル、置換もしくは非置換のチアジアゾリル、または置換もしくは非置換のテトラゾリルである。ある態様において、R1は、置換または非置換の6員の単環式ヘテロアリールである。ある態様において、R1は、置換または非置換のピリジニルである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換のピリダジニル、置換もしくは非置換のピリミジニル、置換もしくは非置換のピラジニル、置換もしくは非置換のトリアジニル、または置換もしくは非置換のテトラジニルである。ある態様において、R1は、置換または非置換の6~11員の二環式ヘテロアリールである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリルと、または置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルと縮合されている、5員または6員の単環式ヘテロアリールである。ある態様において、R1は、置換もしく非置換のフェニルと縮合されている、置換または非置換の5員あるいは6員の単環式ヘテロアリールである。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールと縮合されている、置換もしくは非置換の5員または6員の別の単環式ヘテロアリールである。
ある態様において、R1は、置換もしくは非置換のピリジニル、置換もしくは非置換のチエニル、または置換もしくは非置換のチアゾリルである。
ある態様において、R
1は、式:
で表され、式中:
環A
は、置換または非置換の5~6員の単環式ヘテロアリールである;
R
7のどの場合も、独立して、本明細書に記載のとおりである;ならびに
kは、原子価が許す限り、0、1、2、3、または4である。
ある態様において、kは、0である。ある態様において、kは、1である。ある態様において、kは、2または3である。ある態様において、kは、4である。
ある態様において、R1の分子量は、400g/molよりも低いか、300g/molよりも低いか、200g/molよりも低いか、または100g/molg/molよりも低い。
式(I)はまた、置換基R2も包含する。いくつかの態様において、R2は、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R2は、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R2は、置換または非置換のC5~6アルキルである。ある態様において、R2は、Meである。ある態様において、R2は、Etである。ある態様において、R2は、Pr(例として、n-Prまたはi-Pr)である。ある態様において、R2は、Bu(例として、n-Bu、i-Bu、s-Bu、またはt-Bu)である。ある態様において、R2は、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル)である。ある態様において、R2は、-CH2F、-CHF2、または-CF3である。ある態様において、R2は、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル)である。ある態様において、R2は、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3である。ある態様において、R2は、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、R2は、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、R2は、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、R2は、置換または非置換のC5~6アルケニルである。ある態様において、R2は、置換もしくは非置換のビニルまたは置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、R2は、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、R2は、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、R2は、置換または非置換のC5~6アルキニルである。ある態様において、R2は、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、R2は、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R2は、置換または非置換のシクロプロピルである。ある態様において、R2は、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルである。
ある態様において、R
2は、置換または非置換のフェニルである。ある態様において、R
2は、Phである。ある態様において、R
2は、置換フェニルである。ある態様において、R
2は、式:
で表され、式中R
7のどの場合も、独立して、本明細書に記載のとおりである;およびnは、本明細書に記載のとおりである。ある態様において、R
2は、式:
で表される。ある態様において、R
2は、式:
で表される。ある態様において、R
2は、式:
で表される。ある態様において、R
2は、式:
で表される。ある態様において、R
2は、式:
で表される。
ある態様において、R2の分子量は、150g/molよりも低いか、100g/もlよりも低いか、または50g/molよりも低い。ある態様において、R2は、炭素、水素、フッ素、および/または塩素の原子からなる。ある態様において、R2は、炭素、水素、および/またはフッ素の原子からなる。
ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のカルボシクリルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換の3~7員の(例として、4員または5員の)単環式カルボシクリルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、または置換もしくは非置換のシクロペンチルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換または非置換のシクロヘキシルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換または非置換のシクロへプチルを形成する。
ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換または非置換の5~13員の二環式カルボシクリルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、縮合されているか、スピロであるか、もしくは架橋されている、置換または非置換の5~13員の二環式カルボシクリルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルと、または置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリルと縮合されているか、あるいはそれとスピロ連結を形成している、置換または非置換の3~7員の別の単環式カルボシクリルを形成する。
ある態様において、R
1およびR
2は結び合って、置換もしくは非置換のフェニルと縮合されている、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリルを形成する。ある態様において、R
1およびR
2は結び合って、
を形成し、式中R
7のどの場合も、本明細書に記載のとおりであり、かつ独立して、カルボシクリル-フェニル縮合環系中のいずれか1個の原子へ直接付着されていてもよく、およびpは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある態様において、R
1およびR
2は結び合って、
を形成し、式中R
7のどの場合も、本明細書に記載のとおりであり、かつ独立して、カルボシクリル-フェニル縮合環系中のいずれか1個の原子へ直接付着されていてもよく、およびpは、原子価が許す限り、0、または1と12との間の整数である。ある態様において、pは、0である。ある態様において、pは、1である。ある態様において、pは、2、3、4、5、または6である。ある態様において、pは、2、3、4、5、6、7、または8である。ある態様において、pは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある態様において、pは、2と12との間の整数である。
ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールと縮合されている、置換あるいは非置換の3~7員の単環式カルボシクリルを形成する。
ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換の3~13員の単環式または二環式のヘテロシクリルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換の3~7員の(例として、4員または5員の)単環式ヘテロシクリルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルを形成する。
ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換または非置換の5~13員の二環式ヘテロシクリルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、縮合されているか、スピロであるか、もしくは架橋されている、置換または非置換の5~13員の二環式ヘテロシクリルを形成する。ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリルと、または置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルと縮合されているか、あるいはスピロ連結を形成しているる、置換もしくは非置換の3~7員の別の単環式ヘテロシクリルを形成する。
ある態様において、R
1およびR
2は結び合って、置換もしくは非置換のフェニルと縮合されている、置換または非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する。ある態様において、R
1およびR
2は結び合って、
を形成し、式中R
7のどの場合も、本明細書に記載のとおりであり、かつ独立して、ヘテロシクリル-フェニル縮合環系中のいずれか1個の原子へ直接付着されていてもよく、およびuは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、または8である。ある態様において、uは、0である。ある態様において、uは、1である。ある態様において、uは、2、3、または4である。ある態様において、uは、2、3、4、5、または6である。ある態様において、uは、2、3、4、5、6、7、または8である。
ある態様において、R1およびR2は結び合って、置換もしくは非置換の5員または6員の単環式ヘテロアリールと縮合されている、置換あるいは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する。
ある態様において、
は、
である。ある態様において、
は、
である。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中環B
、R
7のどの場合も、およびqは、本明細書に記載のとおりである。
環Bは、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリル、または置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルである。可変のqは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12である。ある態様において、qは、0である。ある態様において、qは、1である。ある態様において、原子価が許す限り、qは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12である。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中環B
、R
7のどの場合も、およびqは、本明細書に記載のとおりであり、かつR
7のどの場合も、独立して、環B-フェニル縮合環系中の原子のいずれか1個へ直接付着されていてもよい。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中:
環A
、環B
、R
7のどの場合も、およびqは、本明細書に記載のとおりであり、かつR
7のどの場合も、独立して、環A-環B-フェニル縮合環系中の原子のいずれか1個へ直接付着されていてもよい;
Yは、CまたはNである;
Zは、CまたはNである;および
は、原子価が許す限り、単結合または二重結合である。
式(I)は、置換基R4aを包含する。ある態様において、R4aは、水素である。ある態様において、R4aは、ハロゲンである。ある態様において、R4aは、Fである。ある態様において、R4aは、Clである。ある態様において、R4aは、BrまたはIである。ある態様において、R4aは、-CNである。ある態様において、R4aは、-ORAまたは-SRAである。ある態様において、R4aは、-ORAまたは-SRAであり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R4aは、-ORAまたは-SRAであり、ここでRAは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R4aは、-N(RA)2である。ある態様において、R4aは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R4aは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、独立して、置換または非置換のC1~6アルキルである。
ある態様において、R4aは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R4aは、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R4aは、Meである。ある態様において、R4aは、Etである。ある態様において、R4aは、PrまたはBuである。ある態様において、R4aは、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル、例として、-CH2F、-CHF2、または-CF3)である。ある態様において、R4aは、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル、例として、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3)である。ある態様において、R4aは、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、R4aは、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、R4aは、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、R4aは、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、R4aは、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、R4aは、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、R4aは、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、R4aの分子量は、100g/molよりも低いか、70g/molよりも低いか、または50g/molよりも低い。ある態様において、R4aは、炭素、水素、フッ素、塩素、および/または酸素の原子からなる。
式(I)は、置換基R4bを包含する。ある態様において、R4bは、水素である。ある態様において、R4bは、ハロゲンである。ある態様において、R4bは、Fである。ある態様において、R4bは、Clである。ある態様において、R4bは、BrまたはIである。ある態様において、R4bは、-CNである。ある態様において、R4bは、-ORAまたは-SRAである。ある態様において、R4bは、-ORAまたは-SRAであり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R4bは、-ORAまたは-SRAであり、ここでRAは、置換もしくは非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R4bは、-N(RA)2である。ある態様において、R4bは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R4bは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、独立して、置換または非置換のC1~6アルキルである。
ある態様において、R4bは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R4bは、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R4bは、Meである。ある態様において、R4bは、Etである。ある態様において、R4bは、PrまたはBuである。ある態様において、R4bは、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル、例として、-CH2F、-CHF2、または-CF3)である。ある態様において、R4bは、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル、例として、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3)である。ある態様において、R4bは、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、R4bは、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、R4bは、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、R4bは、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、R4bは、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、R4bは、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、R4bは、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、R4bの分子量は、100g/molよりも低いか、70g/molよりも低いか、または50g/molよりも低い。ある態様において、R4bは、炭素、水素、フッ素、塩素、および/または酸素の原子からなる。
ある態様において、R4aおよびR4bの各々は、水素である。ある態様において、R4aは、置換または非置換のC1~6アルキル(例として、非置換C1~4アルキル、例として、Me)、およびR4bは、水素である。ある態様において、R4aおよびR4bの各々は、独立して、置換または非置換のC1~6アルキル(例として、非置換C1~4アルキル、例として、Me)である。
ある態様において、R4aおよびR4bは結び合って、置換または非置換のC1~6アルケニル(例として、置換または非置換である、=CH-(C0~5アルキル))を形成する。ある態様において、R4aおよびR4bは結び合って、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリルを形成する。ある態様において、R4aおよびR4bは結び合って、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルを形成する。
ある態様において、R
4aおよびR
4bは結び合って、置換または非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する。ある態様において、R
4aおよびR
4bは結び合って、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、または置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニルを形成する。ある態様において、R
4aおよびR
4bは結び合って、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルを形成する。ある態様において、
は、
である。ある態様において、
は、
である。
式(I)は、置換基R5aを包含する。ある態様において、R5aは、水素である。ある態様において、R5aは、ハロゲンである。ある態様において、R5aは、Fである。ある態様において、R5aは、Clである。ある態様において、R5aは、BrまたはIである。ある態様において、R5aは、-CNである。ある態様において、R5aは、-ORAまたは-SRAである。ある態様において、R5aは、-ORAまたは-SRAであり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R5aは、-ORAまたは-SRAであり、ここでRAは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R5aは、-N(RA)2である。ある態様において、R5aは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R5aは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、独立して、置換または非置換のC1~6アルキルである。
ある態様において、R5aは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R5aは、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R5aは、置換または非置換のC1~3アルキルである。ある態様において、R5aは、Meである。ある態様において、R5aは、Etである。ある態様において、R5aは、PrまたはBuである。ある態様において、R5aは、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル、例として、-CH2F、-CHF2、または-CF3)である。ある態様において、R5aは、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル、例として、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3)である。ある態様において、R5aは、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、R5aは、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、R5aは、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、R5aは、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、R5aは、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、R5aは、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、R5aは、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、R5aの分子量は、100g/molよりも低いか、70g/molよりも低いか、または50g/molよりも低い。ある態様において、R5aは、炭素、水素、フッ素、塩素、および/または酸素の原子からなる。
式(I)は、置換基R5bを包含する。ある態様において、R5bは、水素である。ある態様において、R5bは、ハロゲンである。ある態様において、R5bは、Fである。ある態様において、R5bは、Clである。ある態様において、R5bは、BrまたはIである。ある態様において、R5bは、-CNである。ある態様において、R5bは、-ORAまたは-SRAである。ある態様において、R5bは、-ORAまたは-SRAであり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R5bは、-ORAまたは-SRAであり、ここでRAは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R5bは、-N(RA)2である。ある態様において、R5bは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R5bは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、独立して、置換または非置換のC1~6アルキルである。
ある態様において、R5bは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R5bは、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R5bは、Meである。ある態様において、R5bは、Etである。ある態様において、R5bは、PrまたはBuである。ある態様において、R5bは、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル、例として、-CH2F、-CHF2、または-CF3)である。ある態様において、R5bは、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル、例として、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3)である。ある態様において、R5bは、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、R5bは、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、R5bは、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、R5bは、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、R5bは、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、R5bは、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、R5bは、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、R5bの分子量は、100g/molよりも低いか、70g/molよりも低いか、または50g/molよりも低い。ある態様において、R5bは、炭素、水素、フッ素、塩素、および/または酸素の原子からなる。
ある態様において、R5aおよびR5bの各々は、水素である。ある態様において、R5aは、置換または非置換のC1~6アルキル(例として、非置換C1~4アルキル、例として、Me)、およびR5bは、水素である。ある態様において、R5aおよびR5bの各々は、独立して、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R5aおよびR5bの各々は、Meである。ある態様において、R5aおよびR5bの各々は、Etである。
ある態様において、R5aおよびR5bは結び合って、置換または非置換のC1~6アルケニル(例として、置換または非置換の、=CH-(C0~5アルキル))を形成する。ある態様において、R5aおよびR5bは結び合って、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリルを形成する。ある態様において、R5aおよびR5bは結び合って、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルを形成する。
ある態様において、R
5aおよびR
5bは結び合って、置換または非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルである。ある態様において、R
5aおよびR
5bは結び合って、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、または置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニルを形成する。ある態様において、R
5aおよびR
5bは結び合って、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルを形成する。ある態様において、
は、
である。ある態様において、
は、
である。
式(I)は、置換基R6aを包含する。ある態様において、R6aは、水素である。ある態様において、R6aは、ハロゲンである。ある態様において、R6aは、Fである。ある態様において、R6aは、Clである。ある態様において、R6aは、BrまたはIである。ある態様において、R6aは、-CNである。ある態様において、R6aは、-ORAまたは-SRAである。ある態様において、R6aは、-ORAまたは-SRAであり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R6aは、-ORAまたは-SRAであり、ここでRAは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R6aは、-N(RA)2である。ある態様において、R6aは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R6aは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、独立して、置換または非置換のC1~6アルキルである。
ある態様において、R6aは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R6aは、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R6aは、Meである。ある態様において、R6aは、Etである。ある態様において、R6aは、PrまたはBuである。ある態様において、R6aは、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル、例として、-CH2F、-CHF2、または-CF3)である。ある態様において、R6aは、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル、例として、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3)である。ある態様において、R6aは、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、R6aは、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、R6aは、置換または非置換のC2~4アルケニルである。
ある態様において、R6aは、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、R6aは、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、R6aは、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、R6aは、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、R6aの分子量は、100g/molよりも低いか、70g/molよりも低いか、または50g/molよりも低い。ある態様において、R6aは、炭素、水素、フッ素、塩素、および/または酸素の原子からなる。
式(I)は、置換基R6bを包含する。ある態様において、R6bは、水素である。ある態様において、R6bは、ハロゲンである。ある態様において、R6bは、Fである。ある態様において、R6bは、Clである。ある態様において、R6bは、BrまたはIである。ある態様において、R6bは、-CNである。ある態様において、R6bは、-ORAまたは-SRAである。ある態様において、R6bは、-ORAまたは-SRAであり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R6bは、-ORAまたは-SRAであり、ここで各RAは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R6bは、-N(RA)2である。ある態様において、R6bは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R6bは、-N(RA)2であり、ここで各RAは、独立して、置換または非置換のC1~6アルキルである。
ある態様において、R6bは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R6bは、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R6bは、Meである。ある態様において、R6bは、Etである。ある態様において、R6bは、PrまたはBuである。ある態様において、R6bは、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル、例として、-CH2F、-CHF2、または-CF3)である。ある態様において、R6bは、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル、例として、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3)である。ある態様において、R6bは、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、R6bは、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、R6bは、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、R6bは、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリル。
ある態様において、R6bは、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、R6bは、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、R6bは、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、R6bの分子量は、100g/molよりも低いか、70g/molよりも低いか、または50g/molよりも低い。ある態様において、R6bは、炭素、水素、フッ素、塩素、および/または酸素の原子からなる。
ある態様において、R6aおよびR6bの各々は、水素である。ある態様において、R6aは、置換または非置換のC1~6アルキル(例として、非置換C1~4アルキル、例として、Me)、およびR6bは、水素である。ある態様において、R6aおよびR6bの各々は、独立して、置換または非置換のC1~6アルキル(例として、非置換C1~4アルキル、例として、Me)である。
ある態様において、R6aおよびR6bは結び合って、置換または非置換のC1~6アルケニル(例として、置換または非置換の、=CH-(C0~5アルキル))を形成する。ある態様において、R6aおよびR6bは結び合って、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリルを形成する。ある態様において、R6aおよびR6bは結び合って、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルを形成する。
ある態様において、R
6aおよびR
6bは結び合って、置換または非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する。ある態様において、R
6aおよびR
6bは結び合って、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、または置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニルを形成する。ある態様において、R
6aおよびR
6bは結び合って、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニルを形成する。ある態様において、
は、
である。ある態様において、
は、
である。
ある態様において、R4a、R4b、R6a、およびR6bの各々は、水素であり、ならびにR5aおよびR5bの各々は、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R4a、R4b、R6a、およびR6bの各々は、水素であり、ならびにR5aおよびR5bの各々は、Meである。ある態様において、R4a、R4b、R6a、およびR6bの各々は、水素であり、ならびにR5aおよびR5bの各々は、Etである。ある態様において、R4a、R4b、R6a、およびR6bの各々は、水素であり、ならびにR5aおよびR5bは結び合って、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリル(例として、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロブチル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシル)を形成する。ある態様において、R4a、R4b、R6a、およびR6bの各々は、水素であり、ならびにR5aおよびR5bは結び合って、置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリル(例として、置換もしくは非置換のオキセタニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロフラニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロピラニル、置換もしくは非置換のアゼチジニル、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、置換もしくは非置換のモルホリニル、または置換もしくは非置換のピペラジニル)を形成する。ある態様において、R4a、R4b、R5a、R5b、R6a、およびR6bの5個のうち各々は、水素であり、および残存するR4a、R4b、R5a、R5b、R6a、またはR6bのうち2個は、置換または非置換のC1~6アルキル(例として、置換または非置換のC1~4アルキル、例として、非置換C1~4アルキル)である。ある態様において、R4a、R4b、R5a、R5b、R6a、およびR6bの4個のうち各々は、水素であり、および残存するR4a、R4b、R5a、R5b、R6a、およびR6bのうち2個は、独立して、置換または非置換のC1~3アルキル(例として、置換または非置換のメチル、例として、Me)であるか、あるいは、同じ炭素原子へ直接付着されている場合、結び合って、置換もしくは非置換の3~7員の単環式カルボシクリル、または置換もしくは非置換の3~7員の単環式ヘテロシクリルを形成する。
式(I)はまた、置換基R8も包含する。ある態様において、R8は、水素である。ある態様において、R8は、天然存在比を超える(より上の)重水素で富化されてはいない水素である。ある態様において、R8は、天然存在比を超える重水素で富化されている水素である。ある態様において、R8は、天然存在比を超える重水素で富化されている水素であり、ここでR8の重水素の存在量は、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%である。ある態様において、R8は、ハロゲンである。ある態様において、R8は、Fである。ある態様において、R8は、Clである。ある態様において、R8は、BrまたはIである。ある態様において、R8は、-CNである。ある態様において、R8は、-ORAまたは-SRAである。ある態様において、R8は、-ORAまたは-SRAであり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R8は、-ORAまたは-SRAであり、ここでRAは、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R8は、-N(RA)2である。ある態様において、R8は、-N(RA)2であり、ここで各RAは、水素ではない。ある態様において、R8は、-N(RA)2であり、ここで各RAは、独立して、置換または非置換のC1~6アルキルである。
ある態様において、R8は、置換または非置換のC1~6アルキルである。ある態様において、R8は、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R8は、Meである。ある態様において、R8は、Etである。ある態様において、R8は、PrまたはBuである。ある態様において、R8は、置換メチル(例として、フッ素化されたメチル、例として、-CH2F、-CHF2、または-CF3)である。ある態様において、R8は、置換エチル(例として、フッ素化されたエチル、例として、-CH2CH2F、-CH2CHF2、または-CH2CF3)である。ある態様において、R8は、置換プロピルまたは置換ブチル(例として、フッ素化されたプロピルまたはフッ素化されたブチル)である。
ある態様において、R8は、置換または非置換のC2~6アルケニルである。ある態様において、R8は、置換または非置換のC2~4アルケニルである。ある態様において、R8は、置換もしくは非置換のビニル、または置換もしくは非置換のアリルである。
ある態様において、R8は、置換または非置換のC2~6アルキニルである。ある態様において、R8は、置換または非置換のC2~4アルキニルである。ある態様において、R8は、置換または非置換のエチニルである。
ある態様において、R8は、置換または非置換の3~5員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R8は、置換または非置換のシクロプロピルである。ある態様において、R8は、非置換シクロプロピルである。ある態様において、R8は、置換もしくは非置換のシクロブチル、または置換もしくは非置換のシクロペンチルである。
ある態様において、ある態様において、R8の分子量は、100g/molよりも低いか、70g/molよりも低いか、50g/molよりも低いか、または25g/molよりも低い。ある態様において、R8は、炭素、水素、フッ素、および/または塩素の原子からなる。ある態様において、R8は、炭素、水素、および/またはフッ素の原子からなる。
式(I)において、ヘテロシクリルのどの場合も、独立して、複素環式の環系中、原子価が許す限り、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立して選択される、1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を含む。式(I)において、ヘテロシクリルのどの場合も、複素環式の環系中、原子価が許す限り、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される、1個、2個、または3個のヘテロ原子を含む。式(I)において、ヘテロアリールのどの場合も、原子価が許す限り、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立して選択される、1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を含む。式(I)において、ヘテロアリールのどの場合も、ヘテロアリール環系中、原子価が許す限り、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される、1個、2個、または3個のヘテロ原子を含む。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中R
8は任意に、天然存在比を超える重水素で富化されている水素である。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中R
8は任意に、天然存在比を超える重水素で富化されている水素である。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中R
8は任意に、天然存在比を超える重水素で富化されている水素である。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中R
8は任意に、天然存在比を超える重水素で富化されている水素である。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中R
8は任意に、天然存在比を超える重水素で富化されている水素である。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中R
8は任意に、天然存在比を超える重水素で富化されている水素である。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中R
8は任意に、天然存在比を超える重水素で富化されている水素である。
ある態様において、化合物は、式:
で表されるか、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中R8は任意に、天然存在比を超える重水素で富化されている水素である。
式(I)で表される例示の化合物は、式:
で表される化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを包含する。
式(I)で表される例示の化合物は、式:
で表される化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを、さらに包含する。
式(I)で表される例示の化合物は、式:
で表される化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを、さらに包含する。
式(I)で表される例示の化合物はさらに、式:
で表されるいずれか1個の化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを包含する。
式(I)で表される例示の化合物はさらに、式:
で表されるいずれか1個の化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを包含する。
式(I)で表される例示の化合物は、式:
で表される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグをさらに包含する。
式(I)で表される例示の化合物は、式:
で表される化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグをさらに包含する。
例示の式(I)で表される例示の化合物は、式:
で表される化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグをさらに包含する。
ある態様において、提供される化合物(本明細書に記載の化合物)は、式(I)で表される化合物、またはその塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。ある態様において、提供される化合物は、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。ある態様において、提供される化合物は、式(I)で表される化合物、またはその塩、溶媒和物、または水和物である。ある態様において、提供される化合物は、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、または水和物である。ある態様において、提供される化合物は、式(I)で表される化合物、またはその塩である。ある態様において、提供される化合物は、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、提供される化合物は、鏡像異性体および/またはジアステレオマーの混合物(例として、ラセミ混合物)である。
ある態様において、提供される化合物は、鏡像異性体および/またはジアステレオマーの混合物(例として、ラセミ混合物)であり、ここで、混合物中の、
が、
であるところの、鏡像異性体およびジアステレオマーを合わせた量のモル含量(molar content)は、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%である。ある態様において、提供される化合物は、鏡像異性体および/またはジアステレオマーの混合物であり、ここで、混合物中の、
が、
であるところの、鏡像異性体およびジアステレオマーを合わせた量のモル含量は、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%である。ある態様において、提供される化合物は、鏡像異性体および/またはジアステレオマーの混合物であり、ここで、混合物中の1個の鏡像異性体またはジアステレオマーのモル含量は、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%である。
ある態様において、塩、溶媒和物、水和物、共結晶、またはプロドラッグの形態ではない提供される化合物の分子量は、2,000g/molよりも低いか、1,500g/molよりも低いか、1,000g/molよりも低いか、800g/molよりも低いか、600g/molよりも低いか、または400g/molよりも低い。ある態様において、塩、溶媒和物、水和物、共結晶、またはプロドラッグの形態ではない提供される化合物の分子量は、800g/molよりも低い。ある態様において、塩、溶媒和物、水和物、共結晶、またはプロドラッグの形態ではない提供される化合物の分子量は、600g/molよりも低い。
ある態様において、提供される化合物は、キナーゼ、またはその突然変異体もしくはバリアントを阻害する。ある態様において、提供される化合物は、GSK3を阻害する。ある態様において、提供される化合物は、例として本明細書に記載のアッセイにおいて測定されるとおり、キナーゼ(例として、GSK3)を阻害する。ある態様において、提供される化合物は、30μM未満またはそれと等しいIC50にて、キナーゼを阻害する。ある態様において、提供される化合物は、10μM未満またはそれと等しいIC50にて、キナーゼを阻害する。ある態様において、提供される化合物は、3μM未満またはそれと等しいIC50にて、キナーゼを阻害する。ある態様において、提供される化合物は、1μM未満またはそれと等しいIC50にて、キナーゼを阻害する。ある態様において、提供される化合物は、0.3μM未満またはそれと等しいIC50にて、キナーゼを阻害する。ある態様において、提供される化合物は、0.1μM未満またはそれと等しいIC50にて、キナーゼを阻害する。ある態様において、提供される化合物(GSK3-選択的インヒビター)は、GSK3に対し、他のキナーゼと比較して、選択的である。ある態様において、提供される化合物は、GSK3αおよび/またはGSK3βに対し、他のキナーゼと比較して、選択的である。ある態様において、提供される化合物は、GSK3αに対し、他のキナーゼ(例として、GSK3)と比較して、選択的である。ある態様において、提供される化合物(GSK3-選択的インヒビター)は、GSK3βと比較するとき、GSK3αに選択的である(例として、GSK3βと比較すると、GSK3αの活性を選択的に阻害する)。ある態様において、提供される化合物は、GSK3βと比較するとき、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、または少なくとも1,000倍の差で、GSK3αに選択的である(例として、in vitroアッセイまたは本明細書に記載のアッセイ(例として、CaliperアッセイもしくはTR-FRETアッセイ)において)。例として、GSK3αを阻害することにおける提供される化合物のIC50が、GSKβを阻害することにおける提供される化合物のIC50の3分の1と等しいとき、提供される化合物は、GSK3βと比較すると、GSK3αに、3倍の差で選択的である。ある態様において、提供される化合物は、GSK3βと比較すると、少なくとも3倍(3-fold)の差で(3倍分(three times))、GSK3αに選択的である。ある態様において、提供される化合物は、GSK3βと比較すると、少なくとも4倍の差で(4倍分)、GSK3αに選択的である。ある態様において、提供される化合物は、GSK3βと比較するとき、少なくとも5倍の差で(5倍分)、GSK3αに選択的である。ある態様において、提供される化合物は、GSK3βと比較するとき、少なくとも7倍の差で(7倍分)、GSK3αに選択的である。
ある態様において、GSK3α選択的インヒビターは、汎(pan)GSK3インヒビター(非選択的GSK3インヒビター)より有利である。ある態様において、非選択的GSK3インヒビターは、別のキナーゼ(例として、GSK3β)と比較するときGSK3αに、および/または別のキナーゼ(例として、GSK3α)と比較するときGSK3βに、2倍未満、3倍未満、4倍未満、5倍未満、7倍未満、10倍未満、20倍未満、50倍未満、または100倍未満の選択性を示す。ある態様において、非選択的GSK3インヒビターは、別のキナーゼ(例として、GSK3β)と比較するときGSK3αに、および/または別のキナーゼ(例として、GSK3α)と比較するときGSK3βに、3倍未満の選択性を示す。ある態様において、非選択的GSK3インヒビターは、別のキナーゼ(例として、GSK3β)と比較するときGSK3αに、および/または別のキナーゼ(例として、GSK3α)と比較するときGSK3βに、4倍未満の選択性を示す。ある態様において、非選択的GSK3インヒビターは、別のキナーゼ(例として、GSK3β)と比較するときGSK3αに、および/または別のキナーゼ(例として、GSK3α)と比較するときGSK3βに、5倍未満の選択性を示す。
化合物を調製する方法
別の側面において、提供されるのは、本明細書に記載の化合物を調製する方法である。ある態様において、調製の方法は、(a)式(A):
で表される化合物またはその塩を、式(B):
で表される化合物またはその塩と反応させることを包含し、式中:
R
9は、置換または非置換のC
1~6アルキルである;
R
10は、水素または窒素保護基である;および
R
11は、水素または窒素保護基である;
ここでR
10およびR
11の少なくとも一方が、窒素保護基であるとき、反応のステップ(a)は、すべての窒素保護基を脱保護する条件の下で実施される。
ある態様において、R9は、置換または非置換のC1~4アルキルである。ある態様において、R9は、=CH2である。ある態様において、R9は、=CHCH3である。ある態様において、R9は、=CHCH2F、=CHCHF2、または=CHCF3である。
ある態様において、R10は、水素である。ある態様において、R10は、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。ある態様において、R10は、Bocである。
ある態様において、R11は、水素である。ある態様において、R11は、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。ある態様において、R11は、Bocである。
ある態様において、R10は、水素である;およびR11は、窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。ある態様において、R10は、水素である;およびR11は、Bocである。
ある態様において、反応のステップ(a)は、酸性の条件の下で実施される。ある態様において、酸性の条件は、有機酸または無機酸(例として、25CでのpKaが、-10と5との間、-6と2との間、または-3と1との間である、有機酸または無機酸)の存在、任意に過剰量での存在を含む。ある態様において、酸性の条件は、p-トルエンスルホン酸(PTSA)またはトリフルオロ酢酸(TFA)の存在、任意に過剰量での存在を含む。ある態様において、反応のステップ(a)は、少なくとも25C、少なくとも40C、少なくとも70C、少なくとも100C、または少なくとも150Cの温度にて実施される。ある態様において、反応のステップ(a)は、少なくとも150Cの温度にて実施される。ある態様において、反応のステップ(a)は、40C以下、70C以下、100C以下、150C以下、160C以下、または170C以下の温度にて実施される。ある態様において、反応のステップ(a)は、160C以下の温度にて実施される。ある態様において、反応のステップ(a)は、溶媒が実質的にない(例として、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%ない)状態で実施される。ある態様において、反応のステップ(a)は、マイクロ波照射の下で実施される。ある態様において、反応のステップは、本明細書に記載の条件の組み合わせの下で実施される。ある態様において、窒素保護基を脱保護する条件は、本明細書に記載の1以上の条件を含む。ある態様において、すべての窒素保護基を脱保護する条件は、酸性の条件を含む。
ある態様において、R
8が天然存在比を超える重水素で富化されている水素である、本明細書に記載の化合物を調製する方法はさらに、
(b)式(C):
で表される化合物またはその塩を、アルキルリチウムまたはフェニルリチウムと反応させること;ならびに、
(c)ステップ(b)の産物を重水素供給源と反応させること
を含む。
別の側面において、提供されるのは、本明細書に記載の化合物(ここでR
8は、天然存在比を超える重水素で富化されている)を調製する方法であり、、方法は、
(b)式(C):
で表される化合物またはその塩を、アルキルリチウムまたはフェニルリチウムと反応させること;ならびに
(c)ステップ(b)の産物を重水素配給源と反応させること
を含む。
ある態様において、アルキルリチウムまたはフェニルリチウムは、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、またはtert-ブチルリチウムである。ある態様において、アルキルリチウムまたはフェニルリチウムは、n-ブチルリチウムである。ある態様において、アルキルリチウムまたはフェニルリチウムは、フェニルリチウムである。ある態様において、ステップ(b)は、少なくとも-100℃、少なくとも-80℃、少なくとも-70℃、または少なくとも-40℃の温度にて実施される。ある態様において、ステップ(b)は、-80℃以下、-70℃以下、-40℃以下、または-20℃以下の温度にて実施される。ある態様において、ステップ(b)は、約-78℃にて実施される。ある態様において、ステップ(b)は、溶媒中で実施される。ある態様において、溶媒は、Et2O、メチルtert-ブチルエーテル、THF、2-メチル-THF、またはシクロペンチルメチルエーテルである。ある態様において、溶媒は、THFである。ある態様において、溶媒は、ペンタン、ヘキサン、またはヘプタンである。ある態様において、溶媒は、トルエンである。
ある態様において、重水素供給源は、D2O、重水素臭化物、重水素塩化物、CH3OD、メタノール-d4、CH3CH2OD、エタノール-d6、またはイソプロパノール-d8であるある態様において、重水素供給源は、メタノール-d4である。ある態様において、ステップ(c)は、少なくとも-100℃、少なくとも-80℃、少なくとも-70℃、少なくとも-40℃、少なくとも-20℃、少なくとも0℃、少なくとも20℃、または少なくとも25℃の温度にて実施される。ある態様において、ステップ(c)は、-80℃以下、-70℃以下、-40℃以下、-20℃以下、0℃以下、20℃以下、25℃以下、または40℃以下の温度にて実施される。ある態様において、ステップ(c)は、約-78℃にて実施される。ある態様において、ステップ(c)は、約-78℃にて始まり、約20℃にて終わる可変の温度にて実施される。ある態様において、ステップ(b)および(c)は、ワンポットで実施される。
医薬組成物および投与
本開示はまた、本明細書に記載の化合物、および任意に、薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物も提供する。本明細書に記載の医薬組成物は、キナーゼ(例として、GSK3)の異常な活性に関連する疾患などの疾患を処置することにおいて有用であってもよい。ある態様において、医薬組成物は、GSK3αの異常な活性に関連する疾患(例として、脆弱X症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD、小児発作、知的障害、糖尿病、急性骨髄性白血病(AML)、自閉症、または精神障害)を処置するのに有用であってもよい。ある態様において、医薬組成物は、GSK3βの異常な活性に関連する疾患(例として、気分障害、PTSD、精神障害、糖尿病、または神経変性疾患)を処置するのに有用であってもよい。医薬組成物はまた、本明細書に記載の疾患を予防することにおいても有用であってもよい。医薬組成物はまた、キナーゼ(例として、GSK3)の活性を阻害することにおいても有用であってもよい。ある態様において、医薬組成物は、GSK3αの活性を阻害すること(例として、GSK3βと比較して、GSK3αの活性を選択的に阻害すること)において有用である。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、医薬組成物中に有効量で提供されている。ある態様において、有効量は、治療的に有効な量である。ある態様において、有効量は、キナーゼ(例として、GSK3)を阻害するのに有効な量である。ある態様において、有効量は、GSK3αを阻害するのに有効な量である。ある態様において、有効量は、キナーゼ(例として、GSK3)の異常な活性に関連する疾患を処置するのに有効な量である。ある態様において、有効量は、GSK3αの異常な活性に関連する疾患を処置するのに有効な量である。
ある態様において、有効量は、予防的に有効な量である。ある態様において、有効量は、キナーゼ(例として、GSK3)の異常な活性に関連する疾患を予防するのに有効な量である。ある態様において、有効量は、GSK3αの異常な活性に関連する疾患を予防するのに有効な量である。
薬学的に許容し得る賦形剤は、ありとあらゆる溶媒、希釈剤、または他の液体ヒビクル、分散体、懸濁助剤、表面活性剤、等張化剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存料、固体結合剤、滑剤(lubricants)等を、所望される具体的な剤形に適するように包含する。医薬組成物の薬剤(pharmaceutical compositions agents)の製剤化および/または製造における全般的な考察は、例として、Remington's Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)、およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition (Lippincott Williams & Wilkins, 2005)に見出だされ得る。
本明細書に記載の医薬組成物は、薬理学の当該技術分野において知られているいずれの方法によっても調製され得る。一般に、かかる調製方法は、本明細書に記載の化合物(「活性成分」)を担体および/または1以上の他の補助成分と結び付けること、および次いで、必要な場合および/または所望の場合、その産物を成形および/または包装して、所望される単回または複数回分の用量単位にするというステップを包含する。
医薬組成物は、バルクで、単回の単位用量として、および/または複数個の単回の単位用量として、調製、包装、および/または販売され得る。「単位用量」は、活性成分の所定量を含む医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は一般に、対象へ投与されるであろう活性成分の投薬量、および/またはかかる投薬量の好都合な画分、例として、かかる投薬量の2分の1または3分の1などに等しい。
活性成分、薬学的に許容し得る賦形剤、および/またはいずれの追加成分の、本開示の医薬組成物中の相対量は、処置される対象のアイデンティティー、サイズ、および/または状態に応じて、さらに組成物が投与されるはずのルートに応じて、変動するであろう。一例として、組成物は、活性成分を0.1%と100%(w/w)との間で含んでいてもよい。
提供される医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容し得る賦形剤は、不活性な希釈剤、分散剤および/または造粒剤、表面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存料、緩衝剤、潤滑剤(lubricating agents)、および/または油を包含する。カカオ脂および座薬用ワックスなどの賦形剤、着色料、コーティング剤、甘味料、香料(flavoring)、ならびに芳香剤(perfuming agents)もまた、組成物中に存在していてもよい。
例示の希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖(powdered sugar)、およびそれらの混合物を包含する。
例示の造粒剤および/または分散剤は、馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレイ(clays)、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木製品(wood products)、天然の海綿体、カチイオン交換樹脂、炭酸カルシウム、シリカート、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル-ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化(pregelatinized)デンプン(starch 1500)、微結晶デンプン、非水溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物、およびそれらの混合物を包含する。
例示の表面活性剤および/または乳化剤は、天然の乳化剤(例として、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイド状粘土(colloidal clays)(例として、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)、およびVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例として、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、およびモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例として、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例として、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(Tween 20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート(Tween 60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween 80)、ソルビタンモノパルミタート(Span 40)、ソルビタンモノステアラート(Span 60)、ソルビタントリステアラート(Span 65)、グリセリルモノオレアート、ソルビタンモノオレアート(Span 80))、ポリオキシエチレンエステル(例として、ポリオキシエチレンモノステアラート(Myrj 45)、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアラート、およびソルトール)、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例として、Cremophor(商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij 30))、ポリ(ビニル-ピロリドン)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F68、Poloxamer 188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウム、および/またはそれらの混合物を包含する。
例示の結合剤は、デンプン(例として、コーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例として、スクロース、グルコース、ブドウ糖、デキストリン、モラセス、ラクトース、ラクチトール、マンニトール等々)、天然ガムおよび合成ガム(例として、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュ・モスの抽出物、パンワール(panwar)ガム、ガティガム、インドオオバコ(isapol)種皮の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、セルロースアセタート、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、およびカラマツアラボガラクタン)、アルギン酸、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリラート、ワックス、水、アルコール、および/またはそれらの混合物を包含する。
例示の保存料は、抗酸化剤、キレート剤、抗微生物保存料、抗真菌保存料、アルコール保存料(alcohol preservatives)、酸性保存料(acidic preservatives)、および他の保存料を包含する。
例示の抗酸化剤は、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムを包含する。
例示のキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ならびにその塩および水和物(例として、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム等)、クエン酸ならびにその塩および水和物(例として、クエン酸一水和物)、フマル酸ならびにその塩および水和物、リンゴ酸ならびにその塩および水和物、リン酸ならびにその塩および水和物、ならびに酒石酸ならびにその塩および水和物を包含する。例示の抗微生物保存料は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールを包含する。
例示の抗真菌保存料は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸を包含する。
例示のアルコール保存料は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾアート、およびフェニルエチルアルコールを包含する。
例示の酸性保存料は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ-カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸を包含する。
他の保存料は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon、およびEuxylを包含する。ある態様において、保存料は抗酸化剤である。ほかの態様において、保存料はキレート剤である。
例示の緩衝剤は、クエン酸緩衝溶液、アセタート緩衝溶液、フォスファート緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー(pyrogen-free)水、等張生理食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、およびそれらの混合物を包含する。
例示の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽(malt)、ベヘン酸グリセリル、硬化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物を包含する。
例示の天然油は、扁桃油、アンズ核油、アボカド油、ババス油、ベルガモット油、クロスグリ種子油、ボリジ油、ケード油、カモミール油、菜種油、カラウェー油、カルナバ油、ヒマシ油、桂皮油、ココアバターの油(cocoa butter oil)、ココナッツ油、タラ肝油、コーヒー油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、ユーカリ油、月見草油、魚油、亜麻仁油、ゲラニオール油、ヒョウタン油、葡萄種子油、ヘーゼルナッツ油、ヒソップ油、ミリスチン酸イソプロピル油、ホホバ油、ククイナッツ油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、アオモジ果実油、マカデミアナッツ油、ゼニアオイ油、マンゴー種子油、メドウフォーム種子油、ミンク油、ニクズク油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラフィー油、ヤシ油、ヤシ種子油、ピーチ核油、落花生油、ケシ種子油、カボチャ種子油、セイヨウアブラナ油、米ぬか油、ローズマリー油、ベニバナ油、ビャクダン油、サザンカ油、キダチハッカ油、シーバックソーン油、ゴマ油、シアバターの油(shea butter oil)、シリコーン油、大豆油、ヒマワリ油、チャノキ油、アザミ油、椿油、ベチバー油、クルミ油、および小麦胚芽油を包含する。例示の合成油は、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン(dimethicone)360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびそれらの混合物を包含する。
経口投与および非経口投与のための液状剤形は、薬学的に許容し得るエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤を包含する。活性成分に加えて、液状剤形は、当該技術分野において一般的に使用される不活性な希釈剤、例として、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(oils)(例として、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤などを含んでいてもよい。不活性な希釈剤の外、経口組成物は、補湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、香料、および芳香剤などの佐剤を含んでもよい。非経口投与のためのある態様において、本明細書に記載の化合物は、Cremophor(商標)、アルコール、油類、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの混合物などの可溶化剤と混合される。
注射用調製物(Injectable preparations)、例として、滅菌された注射用の水性または油性の懸濁液は、知られている技術に従って、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、製剤化され得る。滅菌された注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤もしくは溶媒中の滅菌された注射用溶液、懸濁液、またはエマルション、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液であり得る。採用され得る、許容し得るヒビクルおよび溶媒のなかには、水、リンゲル液(U.S.P.)、および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌された不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として、従来採用されている。この目的のため、合成のモノ-またはジグリセリドを包含するいずれの無刺激性の不揮発性油も採用され得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射物質(injectables)の調製において使用される。
注射用製剤は、例として、除菌フィルター(bacterial-retaining filter)を通した濾過によって、あるいは、使用に先立ち滅菌水もしくは他の滅菌された注射用媒体に溶解または分散され得る滅菌された固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
薬物の効果を長引かせるために、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸収を減速させることがしばしば所望される。これは、水難溶性をもつ結晶材料またはアモルファス材料の液体懸濁液(liquid suspension)の使用によって達成され得る。薬物の吸収速度は、ひいてはその溶解速度に応じるが、前記溶解速度は次に、結晶サイズおよび結晶形態に応じ得る。その代わりに、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ヒビクル(oil vehicle)に溶解または懸濁することによって達成される。
直腸投与または膣内投与のための組成物は、典型的には、本明細書に記載の化合物を好適な非刺激性の賦形剤または担体と混合することによって調製され得る坐薬であるが、前記賦形剤または担体の例は、周囲温度にて固体であるが体温にて液体であり、したがって直腸または膣腔中で融解し、かつ活性成分を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコール、または坐薬ワックスである。
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸薬、粉末剤、および顆粒剤を包含する。かかる固体剤形において、活性成分は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/または、a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯もしくはタピオカデンプン、アルギン酸、あるシリカート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例として、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸着剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑剤、およびこれらの混合物などの、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容し得る賦形剤または担体と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸薬のケースにおいては、剤形は緩衝剤を含んでいてもよい。
同様のタイプの固体組成物が、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を使用する、ゼラチンの軟カプセルおよび硬カプセル(soft and hard-filled gelatin capsules)中の充填剤として採用され得る。錠剤、糖衣剤、カプセル剤、丸薬、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび医薬製剤化の技術分野において周知の他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製され得る。それらは任意に、乳白剤を含んでいてもよく、それらが、腸管のある部分において、任意に遅れて(in a delayed manner)、活性成分(単数または複数)のみをまたはこれを優先的に放出するという組成物からなり得る(can be of a composition that)。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。同様のタイプの固体組成物が、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を使用する、ゼラチンの軟カプセルおよび硬カプセル中の充填剤として採用され得る。
活性成分は、上に記されるとおりの1以上の賦形剤を用いるマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣剤、カプセル剤、丸薬、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御型コーティング、および医薬製剤化の技術分野において周知の他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製され得る。かかる固体剤形において、活性成分は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの、少なくとも1つの不活性な希釈剤と混和され得る。かかる剤形は、常道のとおり、不活性な希釈剤以外の追加の物質、例として、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどの錠剤化滑剤および他の錠剤化補助剤を含んでいてもよい。カプセル剤、錠剤、および丸薬のケースにおいて、剤形は、緩衝剤を含んでいてもよい。それらは任意に、乳白剤を含んでいてもよく、それらが、腸管のある部分において、任意に遅れて、活性成分(単数または複数)のみをまたはこれを優先的に放出するという組成物からなり得る。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。
提供される化合物の局所および/または経皮投与のための剤形は、軟膏、ペースト剤、クリーム、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、溶液、スプレー剤、吸入剤、および/または貼付剤を包含してもよい。一般に、活性成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容し得る担体、および/または、要求され得るとおりのいずれか所望される保存料および/または緩衝剤と混和される。加えて、本開示は、活性成分の体への制御された送達を提供するという追加の利点をしばしば有する経皮パッチの使用を網羅する。かかる剤形は、例として、活性成分を適当な媒体中に溶解および/または分配することによって、調製され得る。その代わりに、または加えて、速度は、速度制御膜を提供すること、および/または、活性成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲル中に分散することのいずれかによって、制御され得る。
本明細書に記載の皮内医薬組成物の送達における使用に好適なデバイスは、短針型デバイス、たとえば、米国特許第4,886,499号;第5,190,521号;第5,328,483号;第5,527,288号;第4,270,537号;第5,015,235号;第5,141,496号;および第5,417,662号に記載されるものなどを包含する。皮内組成物は、皮膚中への針の実効貫通長(effective penetration length)を限定するデバイス、たとえば、PCT刊行物第WO 99/34850号に記載されているもの、およびその機能的な均等物によって、投与され得る。液体ジェット式注射器(liquid jet injector)を介して、および/または角質層を貫きかつ真皮に達する噴射(jet)を生ずる針を介して、真皮へ液体ワクチンを送達するジェット注射デバイス(Jet injection devices)が好適である。ジェット注射デバイスは、例として、米国特許第5,480,381号;第5,599,302号;第5,334,144号;第5,993,412号;第5,649,912号;第5,569,189号;第5,704,911号;第5,383,851号;第5,893,397号;第5,466,220号;第5,339,163号;第5,312,335号;第5,503,627号;第5,064,413号;第5,520,639号;第4,596,556号;第4,790,824号;第4,941,880号;第4,940,460号;ならびにPCT刊行物第WO 97/37705号および第WO 97/13537号に記載されている。圧縮ガスを使用して、皮膚の外層を通して真皮まで、粉末形態のワクチンを加速させる、噴射式の粉末/粒子送達デバイスが好適である。その代わりに、または加えて、従来のシリンジが、皮内投与の古典的なマントゥー法において使用され得る。
局所投与に好適な製剤は、液体および/または半液体の調製物、たとえば、塗布薬、ローション剤、水中油型および/または油中水型エマルション、たとえば、クリーム、軟膏、および/またはペースト剤、および/または溶液および/または懸濁液を包含する。活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解度の限界と同程度に高いものであり得るものの、局所投与可能な製剤は、例として、約1%から約10%(w/w)までの活性成分を含んでいてもよい。局所投与のための製剤は、本明細書に記載の追加成分の1以上をさらに含んでいてもよい。
提供される医薬組成物は、口腔を介する経肺投与に好適な製剤として、調製、包装、および/または販売され得る。かかる製剤は、活性成分を含み、かつ約0.5から約7ナノメートルまで、または約1から約6ナノメートルまでの範囲の直径を有する乾燥粒子を含み得る。かかる組成物は好都合には、推進剤の流れが粉末剤を分散させるように向けられ得る乾燥粉末リザーバを含むデバイスを使用する、および/または、自己推進溶媒/粉末の分配容器(密封容器中の低沸点の推進剤中に溶解および/または懸濁された活性成分を含むデバイス)を使用する、投与のための乾燥粉末剤の形態である。かかる粉末剤は、粒子の少なくとも98%(重量で)が、0.5ナノメートルよりも大きい直径を有し、かつ粒子の少なくとも95%が(個数で)、7ナノメートル未満の直径を有する、粒子を含む。その代わりに、粒子の少なくとも95%(重量で)が、1ナノメートルよりも大きい直径を有し、かつ粒子の少なくとも90%(個数で)が、6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を包含していてもよく、好都合には、単位用量形態で提供される。
低沸点の推進剤は一般に、大気圧にて65°Fを下回る沸点を有する、液体推進剤を包含する。一般に、推進剤は、組成物の50~99.9%(w/w)を構成していてもよく、活性成分は、組成物の0.1~20%(w/w)を構成していてもよい。推進剤は、液体の非イオン性および/または固体のアニオン性の界面活性剤、および/または(活性成分を含む粒子と同じオーダーの粒子サイズを有してもよい)固体の希釈剤などの、追加成分をさらに含んでもよい。
経肺送達のために製剤化された医薬組成物は、活性成分を、溶液および/または懸濁液の液滴の形態で提供してもよい。かかる製剤は、活性成分を含み、任意に滅菌された、水性および/または希アルコール性の溶液および/または懸濁液として調製、包装、および/または販売され得、好都合に、いずれの噴霧化および/または霧化デバイスをも使用して投与されていてもよい。かかる製剤は、サッカリンナトリウムなどの香味剤(flavoring agent)、揮発油、緩衝剤、表面活性剤、および/またはメチルヒドロキシベンゾアートなどの保存量を包含する、1以上の追加成分をさらに含んでいてもよい。この投与のルートによって提供される液滴は、約0.1から約200ナノメートルまでの範囲の平均直径を有していてもよい。
経肺送達に有用なものとして本明細書に記載される製剤は、医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に好適な別の製剤は、活性成分を含み、かつ約0.2から500マイクロメートルまでの平均粒子を有する粒の粗い(coarse)粉末剤である。かかる製剤は、鼻孔の近くに留められた粉末剤の容器からの鼻腔を通した迅速な吸入によって投与される。
鼻腔内投与のための製剤は、例として、少なくて約0.1%(w/w)から、多くて100%(w/w)の活性成分を含んでいてもよく、本明細書に記載の追加成分の1以上を含んでいてもよい。提供される医薬組成物は、口腔内投与のための製剤として、調製、包装、および/または販売され得る。かかる製剤は、例として、従来の方法を使用して作られた錠剤および/またはトローチ剤の形態であってもよく、例として、0.1~20%(w/w)の活性成分を含有してもよく、その残部は、経口的に溶解可能および/または分解可能な組成物、および任意に、本明細書に記載の追加成分の1以上を含み得る。代わりに、口腔内投与のための製剤は、活性成分を含む、粉末剤、および/または、エアロゾル化および/または霧化された溶液および/または懸濁液を含んでいてもよい。粉末化、エアロゾル化、および/または霧化されたかかる製剤は、分散されるとき、約0.1から約200ナノメートルまでの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有していてもよく、本明細書に記載の追加成分の1以上をさらに含んでいてもよい。
提供される医薬組成物は、点眼投与のための製剤として、製剤化、包装、および/または販売され得る。かかる製剤は、例として、点眼薬(eye drops)の形態であってもよく、例として、水性または油性の液体担体中の活性成分の0.1/1.0%(w/w)溶液および/または懸濁液を包含する。かかる点眼薬はさらに、緩衝剤、塩、および/または本明細書に記載の追加成分の他の1以上を含んでいてもよい。有用である他の点眼投与可能な製剤は、活性成分を、微結晶の形態でおよび/またはリポソーム調製物中に含むものを包含する。点耳薬および/または点眼薬は、本開示の範囲内にあると見なされれる。
本明細書に提供される医薬組成物の記載は主として、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に向けたものであるものの、かかる組成物は一般に、あらゆる動物への投与に好適であることが、当業者に理解されるであろう。医薬組成物を様々な動物への投与に好適にするための、ヒトへの投与に好適な医薬組成物の改変は十分に理解されており、通常の知識を有する獣医薬理学者(the ordinarily skilled veterinary pharmacologist)は、ありふれた実験法でかかる改変を設計および/または実施し得る。
本明細書に提供される化合物は、典型的には、投与の容易さおよび投薬量の一様性のために、投薬量単位形態で製剤化される。しかしながら、提供される組成物の1日の総使用量が、正しい医学的判断の範囲内で主治医によって決定されるであろうろうことは、理解されるであろう。いずれのの具体的な対象または生物にとって治療的に有効な特定の用量レベルは、治療されようとする疾患、障害、または状態、および障害の重症度;採用される特定の活性成分の活性;採用される特定の組成物;対象の年齢、体重、全般的な健康、性別、および食習慣(diet);採用される特定の活性成分の投与の時間、投与のルート、および排出速度;処置の期間;採用される特定の活性成分との組み合わせでまたは同時に使用される薬物を包含する様々な因子;ならびに、医学の技術分野において周知されている同種の因子に応じてであろう。
本明細書に提供される化合物および組成物は、経腸(例として、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、髄腔内、皮下、心室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末剤、軟膏、クリーム、および/または点滴薬による)、粘膜、経鼻、口腔、舌下を包含する、いずれのルートによっても;気管内点滴、気管支内点滴、および/または吸入によって;および/または、経口スプレー剤、鼻腔スプレー剤、および/またはエアロゾルとして投与され得る。具体的に言うと、考慮されるルートは、経口投与、静脈内投与(例として、全身的な静脈内注射)、血液および/またはリンパ液への供給を介する局部投与、および/または患部への直接投与である。一般に、投与の最も適切なルートは、薬剤の性質(例として、胃腸管の環境におけるその安定性)を包含する様々な因子、および/または対象の条件(例として、対象が経口投与を忍容できるかどうか)に応じるであろう。
有効量を獲得するために要求される化合物の正確な量は、例として、対象の種、年齢、および全般的な状態、副作用または障害の重症度、具体的な化合物(単数または複数)のアイデンティティー、投与の様式等に応じて、対象毎に変動するであろう。所望される投薬量は、1日3回、1日2回、1日に、2日毎に、3日毎に、1週毎に、2週毎に、3週毎に、または4週毎に1度送達され得る。ある態様において、所望される投薬量は、複数回の投与(例として、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回、またはこれより多くの投与)を使用して送達され得る。有効量は、単回用量(例として、単回経口用量)または複数回用量(例として、複数回経口用量)中に包含されていてもよい。ある態様において、複数回用量が、対象へ投与されるか、または組織もしくは細胞へ適用されるとき、複数回用量のいずれか2回の用量は、本明細書に記載の化合物を異なる量で包含するか、または実質的に同じ量を包含する。ある態様において、複数回用量が、対象へ投与されるか、または組織もしくは細胞へ適用されるとき、複数回用量を対象へ投与する頻度、または複数回用量を組織もしくは細胞へ適用する頻度は、1日に3投薬、1日に2投薬、1日に1投薬、2日毎に1投薬、3日毎に1投薬、1週毎に1投薬、2週毎に1投薬、3週毎に1投薬、または4週毎に1投薬である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与する頻度、または複数回用量を組織もしくは細胞へ適用する頻度は、1日につき1投薬である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与する頻度、または複数回用量を組織もしくは細胞へ適用する頻度は、1日につき2投薬である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与する頻度、または複数回用量を組織もしくは細胞へ適用する頻度は、1日につき3投薬である。ある態様において、複数回用量が、対象へ投与されるか、または組織もしくは細胞へ適用されるとき、複数回用量の初回の投薬と最終回の投薬との間の期間は、1日、2日間、4日間、1週間、2週間、3週間、1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、9カ月間、1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、10年間、15年間、20年間、または対象、組織、もしくは細胞の生存期間である。ある態様において、複数回用量の初回の投薬と最終回の投薬との間の期間は、3カ月間、6カ月間、または1年間である。ある態様において、複数回用量の初回の投薬と最終回の投薬との間の期間は、対象、組織、または細胞の生存期間である。ある態様において、本明細書に記載の用量(例として、単回用量、または複数回用量のいずれかの用量)は独立して、本明細書に記載の化合物の0.1μgと1μgとの間、0.001mgと0.01mgとの間、0.01mgと0.1mgとの間、0.1mgと1mgとの間、1mgと3mgとの間、3mgと10mgとの間、10mgと30mgとの間、30mgと100mgとの間、100mgと300mgとの間、300mgと1,000mgとの間、または1gと10gとの間(両端含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は、独立して、1mgと3mgとの間(両端含む)の本明細書に記載の化合物を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は、独立して、3mgと10mgとの間(両端含む)の本明細書に記載の化合物を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は、独立して、10mgと30mgとの間(両端含む)の本明細書に記載の化合物を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は、独立して、30mgと100mgとの間(両端含む)の本明細書に記載の化合物を包含する。
ある態様において、70kgの成人への1日1回以上の投与のための、化合物の有効量は、単位剤形につき、約0.0001mg~約3000mg、約0.0001mg~約2000mg、約0.0001mg~約1000mg、約0.001mg~約1000mg、約0.01mg~約1000mg、約0.1mg~約1000mg、約1mg~約1000mg、約1mg~約100mg、約10mg~約1000mg、または約100mg~約1000mgの化合物を含んでいてもよい。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、所望される治療効果を得るために、1日1回以上、1日につき対象の体重の約0.001mg/kgから約1000mg/kgまで、約0.01mg/kgから約mg/kgまで、約0.1mg/kgから約40mg/kgまで、約0.5mg/kgから約30mg/kgまで、約0.01mg/kgから約10mg/kgまで、約0.1mg/kgから約10mg/kgまで、または約1mg/kgから約25mg/kgまで送達するのに充分な投薬量レベルにて投与されてもよい。
いくつかの態様において、本明細書に記載の化合物は、1日につき1回以上、複数日間投与される。いくつかの態様において、投薬レジメンは、数日間、数週間、数カ月間、または数年間継続される。
本明細書に記載されるとおりの用量範囲は、提供される医薬組成物の成人への投与のための指針を提供する。例として、小児または青年へ投与されるべき量は、医師または当業者によって決定され得、成人へ投与される量よりも低いかまたは同じであり得る。ある態様において、本明細書に記載の用量は、体重がおよそ70kgである成人への用量である。
化合物または医薬組成物は、1以上の追加の医薬品(例として、治療活性剤)との組み合わせで投与され得る。化合物または医薬組成物は、これらの有効性、効能、および/またはバイオアベイラビリティを改善する追加の治療活性剤、それらの代謝を低減および/または改変する追加の治療活性剤、それらの***を抑制する追加の治療活性剤、および/または体内のそれらの分布を改変する追加の治療活性剤との組み合わせで投与され得る。採用される治療は、同じ障害に所望される効果を達成してもよく、および/または異なる効果を達成してもよい。
化合物または医薬組成物は、1以上の追加の治療活性剤と同時に、これに先立ち、またはこれに続いて投与され得る。一般に、各薬剤は、その薬剤について決定された用量および/またはタイムスケジュールにて投与されることになるだろう。この組み合わせにおいて利用される追加の治療活性剤は、単一組成物中で一緒に投与され得るか、または異なる組成物中で個別に投与され得る。レジメンに採用される具体的な組み合わせは、提供される化合物と、追加の治療活性剤との相溶性、および/または達成されるべき所望の治療効果を考慮に入れることになるであろう。一般に、組み合わせにおいて利用される追加の治療活性剤は、それらが個々に利用されるレベルを超過しないレベルにて利用されることが期待される。いくつかの態様において、組み合わせにおいて利用されるレベルは、個々に利用されるレベルよりも低いであろう。
例示の追加の治療活性剤は、抗微生物剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、抗炎症剤、および鎮痛剤を包含する。治療活性剤は、薬物化合物(例として、米国食品医薬品局によって認可され、連邦規則集(CFR)に規定されるとおりの化合物)などの有機小分子、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質へ連結された小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞を包含する。
ある態様において、提供される化合物は、双極性障害および/またはうつ病(例として、リチウム抵抗性のうつ病)の治療における使用のための、追加の治療活性剤(例として、リチウムおよび/またはケタミン)と組み合わされる。リチウムは久しく、双極性障害および躁症候群(manic syndrome)のための治療の選択肢であったが、正確な作用機序を見定めることは困難であった(J. A. Quiroz, T. D. Gould and H. K. Manji, Mol. Interv., 2004, 4, 259)。リチウムは、様々な酵素の機能に影響を及ぼすことが知られており、これは、リチウムが、不可欠なマグネシウム結合部位に対して競合することに帰せられる効果である(W. J. Ryves and A. J. Harwood, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2001, 280, 720)。Li+の治療上効果的な用量(0.6~1.2mM 血漿レベル)は、そのGSK3のIC50(IC50=2mM)にまさに匹敵する(Annual Reports in Medicinal Chemistry, 2005, Volume 40, page 137)。
ある態様において、提供される化合物は、白血病(例として、AML(例として、APML))の処置における使用のための、追加の治療活性剤(例として、全トランス型レチノイン酸)と組み合わされる。ある態様において、提供される化合物と追加の治療活性剤との組み合わせは、神経学的疾患、精神障害(例として、双極性障害またはうつ病(例として、リチウム抵抗性のうつ病))、代謝障害(例として、糖尿病)、および/または癌(例として、AML)の処置において相乗効果を示す。
また本発明によって網羅されるのには、キット(例として、医薬パック(pharmaceutical packs))もある。ある態様において、本明細書に記載のキットは、本明細書に記載の化合物または医薬組成物、および化合物または医薬組成物を使用するための指示を含む。化合物または医薬組成物は、第1の容器(例として、バイアル、アンプル、瓶、シリンジ、ディスペンサーパッケージ(dispenser package)、チューブ、吸入器、および/または他の好適な容器)中に包含されていてもよい。いくつかの態様において、キットはさらに、賦形剤(例として、化合物または医薬組成物の希釈または懸濁のための賦形剤)を含む第2の容器を包含する。いくつかの態様において、第1の容器中に提供される化合物または医薬組成物、および第2の容器中に提供される賦形剤は、組み合わされることで、1つの単位剤形を形成する。
ある態様において、キットは、疾患(例として、キナーゼ(例として、GSK3)の異常な活性に関連する疾患)を処置することにおいて有用である。ある態様において、キットは、GSK3αの異常な活性に関連する疾患(例として、脆弱X症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD、小児発作、知的障害、糖尿病、急性骨髄性白血病(AML)、自閉症、または精神障害)を処置することにおいて有用である。ある態様において、キットは、GSK3βの異常な活性に関連する疾患(例として、気分障害、PTSD、精神障害、糖尿病、または神経変性疾患)を処置することにおいて有用である。ある態様において、キットは、本明細書に記載の疾患を予防することにおいて有用である。キットはまた、キナーゼ(例として、GSK3)の活性を阻害することにおいても有用であってもよい。ある態様において、キットは、GSK3αの活性を阻害すること(例として、GSK3βと比較して、GSK3αの活性を選択的に阻害すること)において有用である。
ある態様において、指示は、本明細書に記載の疾患の処置または予防を必要とする対象へ化合物または医薬組成物を投与するためのものである。ある態様において、指示は、細胞または組織を、化合物または医薬組成物に接触させるためのものである。キットはまた、米国食品医薬品局(FDA)などの規制機関によって要求される情報も包含していてもよい。ある態様において、キット中に包含される情報は、処方情報である。キットは、本明細書に記載の1以上の追加の薬剤(例として、追加の医薬品)を別個の組成物として包含していてもよい。
使用および処置の方法
別の側面において、本明細書に提供されるのは、GSK3の活性の阻害を、これを必要とする対象においてする方法であって、方法は、本明細書に記載の化合物または医薬組成物の有効量を対象へ投与すること含み、ここで有効量は、GSK3の活性を阻害するのに有効である。
別の側面において、本明細書に提供されるのは、細胞または組織においてGSK3の活性を阻害する方法であって、方法は、細胞または組織を、有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物に接触させることを含み、ここで有効量は、GSK3の活性を阻害するのに有効である。
ある態様において、本明細書に記載の対象は、動物である。ある態様において、対象は、非ヒト動物である。ある態様において、対象は、非ヒト哺乳動物である。ある態様において、対象は、ヒトである。ある態様において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの、飼い慣らされた(domesticated)動物である。ある態様において、対象は、イヌまたはネコなどの、コンパニオン動物である。ある態様において、対象は、ウシ、ブタ、ヒツジ、またはヤギなどの、家畜動物である。ある態様において、対象は、動物園の動物である。別の態様において、対象は、齧歯動物、イヌ、または非ヒト霊長目の動物などの、研究動物である。ある態様において、対象は、トランスジェニックマウスまたはトランスジェニックブタなどの、非ヒトトランスジェニック動物である。
ある態様において、細胞または組織は、in vitroである。ある態様において、細胞または組織は、in vivoである。
ある態様において、GSK3は、GSK3αである。ある態様において、GSK3は、GSK3βである。
ある態様において、有効量は、GSK3の活性を阻害することにおいて、少なくとも3倍分(3倍)、少なくとも4倍分(4倍)、少なくとも5倍分(5倍)、少なくとも7倍分(7倍)、少なくとも10倍分(10倍)、少なくとも30倍分(30倍)、少なくとも100倍分(100倍)、または少なくとも1000倍分(1000倍)別のキナーゼより有効である。ある態様において、有効量は、GSK3αの活性を阻害することにおいて、少なくとも3倍分(3倍)GSK3βより有効である。ある態様において、有効量は、GSK3αの活性を阻害することにおいて、少なくとも4倍分(4倍)GSK3βより有効である。ある態様において、有効量は、GSK3αの活性を阻害することにおいて、少なくとも5倍分(5倍)GSK3βより有効である。ある態様において、有効量は、GSK3αの活性を阻害することにおいて、少なくとも7倍分(7倍)GSK3βより有効である。
別の側面において、本明細書に提供されるのは、疾患の処置を、これを必要とする対象においてする方法であって、方法は、本明細書に記載の化合物または医薬組成物の有効量を対象へ投与することを含み、ここで有効量は、疾患を処置するのに有効である。
別の側面において、本明細書に提供されるのは、疾患の予防を、これを必要とする対象においてする方法であって、方法は、本明細書に記載の化合物または医薬組成物の有効量を対象へ投与することを含み、ここで有効量は、疾患を予防するのに有効である。
ある態様において、疾患は、キナーゼ(例として、GSK3)の異常な活性に関連する疾患である。ある態様において、疾患は、GSK3αの異常な活性に関連する疾患(例として、脆弱X症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、小児発作、知的障害、糖尿病(例として、I型糖尿病またはII型糖尿病)、急性骨髄性白血病(AML)(例として、急性前骨髄性白血病)、自閉症、または精神障害(例として、統合失調症))である。ある態様において、疾患は、GSK3βの異常な活性に関連する疾患(例として、気分障害(例として、大うつ病性障害、臨床的うつ病、大うつ病、または双極性障害)、PTSD、精神障害(例として、統合失調症)、糖尿病(I型糖尿病もしくはII型糖尿病)、または神経変性疾患(例として、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、もしくは筋萎縮性側索硬化症(ALS))である。ある態様において、有効量はさらに、キナーゼ(例として、GSK3)の活性を阻害するのに有効である。ある態様において、有効量はさらに、GSK3αの活性を阻害するのに有効である。ある態様において、有効量はさらに、GSK3βの活性を阻害するのに有効である。
ある態様において、疾患は、脆弱X症候群である。ある態様において、疾患は、ADHDである。ある態様において、疾患は、小児発作である。ある態様において、疾患は、知的障害である。ある態様において、疾患は、糖尿病である。ある態様において、疾患は、I型糖尿病である。ある態様において、疾患は、II型糖尿病である。ある態様において、疾患は、AMLである。ある態様において、疾患は、急性前骨髄性白血病である。ある態様において、疾患は、自閉症である。ある態様において、疾患は、精神障害である。ある態様において、疾患は、統合失調症である。
ある態様において、疾患は、気分障害である。ある態様において、疾患は、大うつ病性障害、臨床的うつ病、または大うつ病である。ある態様において、疾患は、双極性障害である。ある態様において、疾患は、神経学的疾患または神経変性疾患である。ある態様において、疾患は、アルツハイマー病である。ある態様において、疾患は、前頭側頭型認知症である。ある対象において、疾患は、ALSである。
GSK3インヒビターは、米国特許出願刊行物US2014/0107141およびUS2016/0375006、ならびに2016年11月3日に出願された米国仮特許出願U.S.S.N.62/417,110において報告されており、これらの各々は参照によって本明細書に組み込まれる。セリン/トレオニンキナーゼであるグリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK3)は、インスリンシグナリングおよびグリコーゲン合成、神経栄養因子シグナリング、Wntシグナリング、神経伝達物質シグナリング、および微小管動態を包含する数種の細胞経路のための知られている支配的な調節因子である(Forde, et al. Cell Mol Life Sci, 2007, 64(15):1930-44;Phiel, et al. Nature, 2003, 423(6938):435-9;Beaulieu, et al. Trends Pharmacol Sci, 2007, 28(4):166-72)。その結果として、この酵素は、代謝、転写、発達、細胞生存、およびニューロン機能において重大な役割を有し、ならびに神経学的疾患(例として、アルツハイマー病)、精神障害(例として、双極性障害)、非インスリン依存性糖尿病、心肥大、およびがんを包含する複数のヒト障害に関わってきた(Gould, TD, et al. Curr Drug Targets, 2006, 7(11):1399-409;Matsuda, et al. Proc Natl Acad Sci U S A, 2008, 105(52):20900-5;Biechele, et al. Methods Mol Biol, 2008, 468:99-110;Woodgett, Curr Drug Targets Immune Endocr Metabol Disord, 2003, 3(4):281~90;Manoukian, et al. Adv Cancer Res, 2002, 84:203-29)。例として、急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄性細胞分化における遮断を包含する、複数の細胞異常によって特徴付けられるがんである。ならびに、AMLの患者の大多数に対する現在の治療は、高用量の細胞傷害性化学治療を利用する一方、処置に最も成功したAMLのサブタイプの急性前骨髄性白血病は、全トランス型レチノイン酸分化治療を低用量の細胞傷害性治療と組み合わせたものである(Ades L, Guerci A, Raffoux E, Sanz M, Chevallier P, Lapusan S, Recher C, Thomas X, Rayon C, Castaigne S, Tournilhac O, de Botton S, Ifrah N, Cahn JY, Solary E, Gardin C, Fegeux N, Bordessoule D, Ferrant A, Meyer-Monard S, Vey N, Dombret H, Degos L, Chevret S, Fenaux P. Very long-term outcome of acute promyelocytic leukemia after treatment with all-trans retinoic acid and chemotherapy: the European APL Group experience. Blood. 115:1690-1696)。AML分化の新しい標的を同定するために、2つの独立した小分子ライブラリスクリーニングおよびshRNAスクリーニングが、実施された。グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3α(GSK3α)は、これら3つのスクリーニングの共通集合での標的として浮かび上がった(Banerji V, Frumm SM, Ross KN, Li LS, Schinzel AC, Hahn CK, Kakoza RM, Chow KT, Ross L, Alexe G, Tolliday N, Inguilizian H, Galinsky I, Stone RM, DeAngelo DJ, Roti G, Aster JC, Hahn WC, Kung AL, Stegmaier K. The intersection of genetic and chemical genomic screens identifies GSK-3 alpha as a target in human acute myeloid leukemia. J Clin Invest. 2012;122:935-947)。GSK3のアルファ特異的な喪失が、AMLにおいて分化を誘導することが、形態学的変化、骨髄成熟と一致する細胞表面マーカーの発現、および骨髄成熟と一致する遺伝子発現プログラムの誘導を包含する複数の測定によって、実証された。GSK3αに特異的な抑制はまた、in vitroでの低下した成長および増殖、アポトーシスの誘導、メチルセルロース中のコロニー形成の喪失、ならびにin vivoでの抗AML活性にも繋がる。重要なことに、AMLにおけるGSK3αの選択的阻害は、β-カテニンの安定化には繋がらない。β-カテニンが、AML幹細胞数(AML stem cell population)を増進させる(promotes)ことから、β-カテニンの安定化は、AML治療においては望ましくない(Wang Y, Krivtsov AV, Sinha AU, North TE, Goessling W, Feng Z, Zon LI, Armstrong SA. The Wnt/beta-catenin pathway is required for the development of leukemia stem cells in AML. Science. 2010;327:1650-1653)。文献の大半が、AMLにおける汎GSK3阻害の役割に注目する一方、この疾患において選択的GSK3αインヒビターが果たす役割を支持するデータもあった(Wang Z, Smith KS, Murphy M, Piloto O, Somervaille TC, Cleary ML. Glycogen synthase kinase 3 in MLL leukaemia maintenance and targeted therapy. Nature. 2008;455:1205-1209;Wang Z, Iwasaki M, Ficara F, Lin C, Matheny C, Wong SH, Smith KS, Cleary ML. GSK-3 promotes conditional association of CREB and its coactivators with MEIS1 to facilitate HOX-mediated transcription and oncogenesis. Cancer Cell. 2010;17:597-608)。その上、がんにおいて、GSK3αを不安定にさせる(perturbing)役割がより広いことを示唆する文献が増えている(Piazza F, Manni S, Tubi LQ, Montini B, Pavan L, Colpo A, Gnoato M, Cabrelle A, Adami F, Zambello R, Trentin L, Gurrieri C, Semenzato G. Glycogen Synthase Kinase-3 regulates multiple myeloma cell growth and bortezomib-induced cell death. BMC Cancer. 2010;10:526;Bang D, Wilson W, Ryan M, Yeh JJ, Baldwin AS. GSK-3 alpha promotes oncogenic KRAS function in pancreatic cancer via TAK1-TAB stabilization and regulation of noncanonical NF-kappaB. Cancer discovery. 2013;3:690-703)。
リチウムは、GSK3キナーゼ活性を、マグネシウムとの競合を介して直接的に、およびGSK3の阻害的リン酸化を増大することによって間接的に、阻害することが示されている(Beaulieu et al., 2004, 2008;Chalecka-Franaszek and Chuang, 1999;De Sarno et al., 2002;Klein and Melton, 1996)。さらにまた、GSK3αヌルまたはGSK3βハプロ不全のマウスは、異常な挙動を軽減させるというリチウムの効果を模写する(phenocopy)(Beaulieu et al., 2004;Kaidanovich-Beilin et al., 2009;O’Brien et al., 2004)。逆に、GSK3βを過剰発現するマウス、またはGSK3α(Ser21)およびGSK3β(Ser9)の阻害的リン酸化を防止する突然変異を持つマウスは、GSK3α(Ser21)およびGSK3β(Ser9)をリン酸化して不活性化するAKT1が標的破壊されたマウスがするように、精神科的症状をモデル化する挙動を呈する(Emamian et al., 2004;Lai et al., 2006;Polter et al., 2010;Prickaerts et al., 2006)。
Panらは、GSK3インヒビターが、リチウムに感受性のないモデルにおいて効果的であることを示した(Pan et al., Neuropsychopharmacology, 2011, 36(7): 1397-411)。したがって、GSK3インヒビターは、リチウム耐性の双極性の患者において効果的であり得る。
AKT/GSK3シグナリングは、患者の生化学的および遺伝子的な関連研究を通して、神経精神障害の病態生理に関わっている(Emamian et al., 2004;Tan et al., 2008;Thiselton et al., 2008)。リチウムに加えて、抗うつ剤、抗精神病薬、および他の気分安定剤はまた、GSK3活性をもモジュレ―トし(Beaulieu et al., 2009)、さらに精神病(psychiatric illness)への関与を支持する。GSK3の様々な薬理学的プローブは、in vivoでの挙動の調節に、GSK3キナーゼ活性を関わらせるために使用されている(Beaulieu et al., 2007a;Gould et al., 2004)。
Beurelら(Mol.Psych., 2011)において、GSK3阻害を除去することは、ケタミンによる抗うつ剤処置のモデルに対して感受性がないことを実証した。加えて、近年、GSK3を阻害することは、脆弱X症候群のモデルにおいて有効であることが示された(Franklin et al., Biol. Psychiatry. 2013 Sep. 13, Glycogen Synthase Kinase-3 Inhibitors Reverse Dificits in Long-term Potentiation and Cognition in Fragile X Mice)。よって、GSK3を阻害することは、精神病(mental illnesses)および気分障害を処置するという多角的な適応に繋がり得る。
神経発生、神経発達の調節において、および神経可塑性においてGSK3シグナリングが重大な役割を果たす重大な証拠が存在する。GSK3の機能は、双極性障害患者を処置する気分安定剤、および統合失調症を処置するための抗精神病薬の両方によってモジュレートされる。異常なGSK3シグナリングはさらに、統合失調症関連遺伝子DISC1によるGSK3の阻害のための役割を実証する、神経精神障害の原因論に関わっている(Mao Y, et al. Cell 2009, 136(6):1017-1031)。結果的に、GSK3シグナリングを阻害する小分子は、双極性障害および他の神経精神障害の病態生理におけるWnt/GSK3シグナリングの役割を探るための有益なツール化合物として、およびヒト神経発生をモジュレ―トするための治療薬としてもまた、有用である。
Dobleらは、以下を開示する
GSK-3αおよびGSK-3βが等しく、低レベルのβ-カテニンを維持することが可能であり、4個のアレルのうち3個の不活性化または4個すべての完全な喪失の際にしか、Wntシグナリングタンパク質およびβ-カテニンレベルに対して、目に見えるような影響を何も及ぼさない。これは、アルツハイマー病などの、GSK-3活性上昇が有害である疾病において、臨床的に関連性がある。。。。
その上、Hooperら(J.Neurochem., 2008, 104(6):1433-9)は、以下を開示する
[アルツハイマー病(AD)]の様々な細胞培養物、無脊椎動物モデルおよび哺乳動物モデルにおいて、GSK3活性を増大することは、タウの過剰リン酸化、増大されたAβ生成、ならびに神経変性に付随される学習および記憶の欠如に繋がる。最も重要なことに、GSK3活性を阻害することは、入手可能なADの最良モデルにおいて、突然変異したAPPおよびタウの過剰発現の病理学的効果のいくつかを無効にする。。。。我々の「ADのGSK仮説」は、十分に確立された「ADのアミロイドカスケード仮説」を統合および拡張することで、知られている重要な(key)分子事象を組み込み、記憶障害(memory impairment)および炎症などのアウトカムとこれらを連結する。正しいとすると、そのときこの仮説は、を、ADに対する新規処置ストラテジーとしてのGSK3インヒビターに、強く関わることになる。
さらにまた、Leiら(International Journal of Altzheimer’s Diesases, Volume 2011, Article ID 189246)は、「GSK-3の阻害が、[アルツハイマー病(AD)]に対する強力な標的であり得る」が、なぜならそれが、[β-アミロイド(Aβ)]およびタウの両方に対して調節効果を有するからであることを開示する。同様に、GSK-3阻害は、α-シヌクレインと相互作用し、[パーキンソン病(PD)]の病因に影響を及ぼし得る。さらにまた、Kohら(Exp. Neurol., 2007, 205(2):336-46)は、「GSK-3が[筋萎縮性側索硬化症(ALS)]の病原性機序において重要な役割を果たすこと、およびGSK-3の阻害が、ALSに対する強力な治療候補となり得ること」を開示する。さらにまた、Wangら(BMC Infectious Diseases, 2010, 10:86)は、「タウ、p-タウ(Ser396、Ser404、およびSer202/Thr205)、GSK3β、およびCDK5に変更を加えることが、[伝達性海綿状脳症(TSE)]の病因における中間事象または結果として生じる事象のいずれかであったこと、ならびにそれらの生物活性タンパク質とプリオン病の病因との強力な連鎖(linkage)を提案した」ことを開示する。
GSK3インヒビターは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を処置することに有用であり得ることが報告されている。例として、Dahlhoff et al., Neuroscience, 2010, 169(3):1216-26を参照。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の疾患の病態生理において、キナーゼシグナリング、例として、GSK3シグナリングの役割を調査するためのプローブ化合物として有用である。別の側面において、本明細書に提供されるのは、例として様々な障害(例として、双極性障害および他の精神障害)の病態生理において、キナーゼシグナリング(例として、GSK3シグナリング)の役割を探る方法であり、方法は、キナーゼを本明細書に記載の化合物に接触させることを含む。ある態様において、キナーゼシグナリングの役割を探る方法は、キナーゼを化合物に接触させることに先立ちおよび/またはその後で、バイオマーカーを決定することをさらに含む。
ある態様において、提供される化合物は、幹細胞誘導を探るためのツールとして有用である。別の側面において、本明細書に提供されるのは、幹細胞誘導を探る方法であり、方法は、幹細胞を本明細書に記載の化合物に接触させることを含む。ある態様において、幹細胞誘導を探る方法はさらに、幹細胞を化合物に接触させることに先立ちおよび/またはその後に、バイオマーカーを決定することを含む。
ある態様において、提供される化合物は、ヒトおよび齧歯動物の神経前駆細胞を用いるin vitroでの研究および/またはin vivoでの研究の両方において、GSK/Wnt分子経路を探るためのツールとして有用である。Wnt/GSK3シグナリングは、哺乳動物の神経発生および神経発達を調節することにおいて重要な役割を果たすことが示された(Chen, et al. J Neurochem. 2000, 75(4):1729-34;Wexler, et al. Mol Psychiatry. 2008, 13(3):285-92)。ある態様において、化合物は、タウのリン酸化を減少させる効果を探るためのツールとして有用である。異常なタウのリン酸化は、GSK3部位での前記リン酸化を包含するが、アルツハイマー病および原発性の(primary)タウオパチー(例として、進行性核上性麻痺および他の前頭側頭型認知症)を包含する数多のヒトの神経変性障害の病態生理に関わっている(Lee, et al. Cold Spring Harb Perspect Med. 2011, 1(1):a006437;Hooper, et al. J Neurochem. 2008, 104(6):1433-9)。よって、選択的GSK3のインヒビターを用いてタウのリン酸化を減少させることは、疾患発症機序への洞察を提供し得、疾患症状を回復に向かわせる方法を提供し得る。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、神経精神障害の患者からの誘導多能性幹細胞(iPSC)由来の神経前駆細胞(iPSC-NPC)の、GSK3モジュレーターへの応答において、かかる障害のない患者に比べて、差異があるかどうかを査定するツールとして有用である。例として、双極性障害、統合失調症、および/または脆弱X症候群の患者から開発されたiPSCモデルの一団が使用されてもよい;かかる障害がGSK3シグナリングの調節不全に関するということの証拠は存在する。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、選択的GSK3阻害が、ヒト/マウスDISC1における(たとえば、胎仔および成体マウスにおけるin vivoでの神経発生のアッセイにおける)遺伝的バリエーションによって引き起こされる欠如をレスキューし得る。神経精神障害の病理生理におけるDISC1/GSK3シグナリングの役割(Mao, et al. Cell. 2009, 136(6):1017-1031)は、進行中の研究領域である。
別の側面において、本明細書に提供されるのは、対象において神経発生を探る方法であり、方法は、本明細書に記載の化合物を対象へ投与することを含む。ある態様において、対象において神経発生を探る方法は、化合物を対象へ投与することに先立ちおよび/またはその後に、バイオマーカーを決定することをさらに含む。ある態様において、対象は、神経変性疾患と診断された対象である。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、出生後および/または成体の神経発生をモジュレートし、双極性障害、大うつ病、外傷性脳傷害、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病を包含する、複数の精神神経障害および神経変性障害に対する治療手段を提供する。
用語「神経学的疾患」は、構成要素として、中枢または末梢の神経系の機能不全を有する疾病を指す。神経学的疾患は、発生異常および機能異常、疾患、遺伝子の欠陥、傷害、または毒素に起因する、神経系の構造または機能の撹乱を引き起こし得る。これらの障害は、中枢神経系(例として、脳、脳幹、および小脳)、末梢神経系(例として、脳神経、脊髄神経、ならびに交感神経系および副交感神経系)、および/または自立神経系(例として、不随意運動を調節し、かつ交感神経系および副交感神経系に分けられる神経系の一部)に影響を及ぼし得る。結果的に、神経変性疾患は、神経学的疾患の一例である。
用語「神経変性疾患」は、認知および/または運動の機能障害および/または無能を引き起こす、神経細胞または神経細胞支持細胞の喪失によって特徴付けられる疾病を指す。結果的に、この用語は、新しいニューロンの生成を刺激する薬剤によって後退、抑止、管理、処置、改善、または消滅が可能ないずれの疾患または障害を指す。神経変性疾患の例は、(i)慢性神経変性疾患、たとえば、家族性および孤発性筋萎縮性側索硬化症(夫々FALSおよびALS)、家族性および孤発性パーキンソン病、ハンチントン病、家族性および孤発性アルツハイマー病、脆弱X症候群、多発性硬化症、オリーブ橋小脳萎縮症、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、びまん性レビー小体病、大脳皮質歯状核黒質変性症、進行性家族性ミオクローヌスてんかん、線条体黒質(strionigral)変性症、捻転ジストニア、家族性振戦、ダウン症、ジル・ド・ラ・トゥレット障害、ハラーフォルデン・シュパッツ病、パンチドランカー、AIDS認知症、加齢性の認知症、加齢性記憶障害、およびアミロイドーシス関連神経変性疾患、例えば、伝達性海綿状脳症に関連するプリオンタンパク質(PrP)によって引き起こされるもの(クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、スクレイピー、およびクル)、および過剰なシスタチンC蓄積によって引き起こされるもの(遺伝性シスタチンCアンギオパチー);ならびに(ii)急性神経変性疾患、たとえば、外傷性脳損傷(例として、外科手術に関する脳傷害)、脳浮腫、末梢神経損傷、脊髄損傷、リー脳症、ギラン・バレー症候群、リソソーム蓄積症、例えばリポフスチン症、アルパース病、CNS変性の結果としての眩暈;例として、青斑核および小脳中のニューロンの変性を包含する、常習的なアルコールまたは薬物の乱用によって生ずる病態;認知および運動の機能障害に繋がる小脳ニューロンおよび大脳皮質ニューロンの変性を包含する、老化によって生ずる病態;ならびに運動機能障害に繋がる大脳基底核ニューロンの変性を包含する、常習的なアンフェタミン乱用によって生ずる病態;局所性外傷(脳卒中、局所性虚血、血管不全、低酸素性虚血性脳症、高血糖症、低血糖症、または直接的な外傷など)に起因する病変;治療薬および処置の良くない副作用として生ずる病態(例として、グルタミン酸受容体のNMDAクラスのアンタゴニストの抗けいれん薬投薬に応答する、帯状および嗅内皮質ニューロンの変性)、およびウェルニッケ・コルサコフ系の認知症を包含する。感覚ニューロンに影響を及ぼす神経変性疾患は、フリードライヒ運動失調症および網膜神経変性症を包含する。他の神経変性疾患は、脊髄傷害に関連する神経傷害または外傷を包含する。大脳辺縁系および大脳皮質系の神経変性疾患は、脳アミロイドーシス、ピック病、およびレット症候群を包含する。上記の例は、網羅的であることを意図しておらず、用語「神経変性疾患」の説明として役立たせただけである。
アルツハイマー病は、認知的および非認知的な精神症状によって特徴付けられる変性脳障害である。精神症状は、アルツハイマー病において、罹患者のおよそ50パーセントに存在する精神病(幻覚および妄想)が共通する。統合失調症と同様に、陽性の精神病症状は、アルツハイマー病において共通する。妄想は、典型的には、幻覚よりも頻繁に生ずる。アルツハイマー病患者はまた、諦め、アパシー、低下した情動反応性、決断力の喪失、および減退した自発性などの陰性症状も呈し得る。実に、統合失調症の精神病を緩和するために使用される抗精神病化合物はまた、アルツハイマー病患者の精神病を緩和することにおいても有用である。用語「認知症」は、知覚または意識の低下がない認知機能および知的機能の喪失を指す。認知症は、典型的には、失見当識、悪化した記憶、判断、および知能、ならびに浅はかで不安定な感情によって特徴付けられる。
脆弱X症候群、またはマーティン・ベル症候群は、一連の特徴的な身体上、知能上、情動上、および挙動上の特色をもたらす遺伝子性の症候群であって、それらの兆候は重度から軽度に及ぶ。前記症候群は、X染色体上の単一のトリヌクレオチド遺伝子配列(CGG)の拡大に関連しており、正常な神経発生に要されるFMRPタンパク質を発現しなくなってしまう。脆弱X症候群には4つの一般に受け入れられている形態があり、これらは、FMR1遺伝子の繰返しCGG配列の長さに関する;正常(29~31個のCGGリピート)、前突然変異(55~200個のCGGリピート)、完全突然変異(200個超のCGGリピート)、および中間またはグレーゾーンのアレル(40~60個のリピート)。通常、FMR1遺伝子は、CGGコドンの6~55個の繰返し(トリヌクレオチドリピート)を含有する。脆弱X症候群の人々においては、FMR1アレルが、このコドンの230個を上回る繰返しを有する。CGGリピートコドンのかかる程度までの拡大は、DNAのその位置のメチル化をもたらし、FMR1タンパク質の発現を効果的にサイレンシングする。染色体バンドXq27.3におけるFMR1遺伝子座のこのメチル化は、X染色体の収縮をもたらすと考えられており、これは、顕微鏡下にあるその点にて「脆弱」に見え、前記症候群にその名称をえたた現象である。FMR1遺伝子の突然変異は、脆弱性X精神遅滞タンパク質FMRPの転写のサイレンシングに繋がる。正常な個体において、FMRPは、mRNAのかなりの数を調節していると考えられている:FMRPは、学習および記憶において重要な役割を果たしており、また軸索の発達、シナプスの形成、ならびに神経回路の配線および発達にも関与しているように見える。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)はまた、ルー・ゲーリッグ病とも呼ばれ、進行性で致死性の神経学的疾患である。ALSは、随意運動を制御する脳および脊髄の特定の神経細胞が、次第に変性して、それらの制御下にある筋肉を弱体化および減少させるときに起こり、麻痺状態に繋がる。目下、ALSには解決策(cure)が存在しない;また、前記障害を予防するか、またはその進行を後退させる、実績のある治療も存在しない。
本明細書に記載の化合物は、脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置するのに有用であり得る。SMAは、運動ニューロンの喪失および進行性の筋消耗によって特徴付けられる神経筋障害である。SMAは、すべての真核細胞において広く発現されかつ運動ニューロンの生存にとって必要なタンパク質であるSMNをコードする、SMN1遺伝子における遺伝的欠陥によって引き起こされ得る。より低レベルのSMNは、脊髄の前角における神経細胞の機能の喪失、およびこれに続き、系全体の筋消耗(萎縮)をもたらす。GSK3の阻害は、β-カテニン、c-Jun、および環状AMP応答配列結合タンパク質(CREB)などの、その下流の構成素の活性化をもたらし得、このことは、その結果として、脳由来神経栄養因子(BDNF)などの神経栄養の因子のTcf/Lef遺伝子転写およびCREB誘導遺伝子転写を上方調節することが報告されている(Gould et al., Neuropsychopharmacology, 2005, 30, 1223-1237;Tanis et al., Ann.Med., 2007, 39, 531-544)。BDNFは、既存のニューロンの生存を後押しするのに役立ち得、神経発生を促進し得る(Chuang et al., Front. Mol. Neurosci., 2011, 4, 1-12)。GSK3インヒビターBIP-135(
)
が、SMAのトランスジェニックΔ7 SMA KOマウスモデルにおいて試験され、マウス生存期間の中央値を引き延ばすことが見出された(Chen et al., ACS Chem. Neurosci., 2012, 3, 5-11)。加えて、BIP-135は、ウェスタンブロットによって決定されたとおり、SMA患者由来の線維芽細胞におけるSMNタンパク質レベルを上昇させたことが示され、細胞をベースとした、酸化ストレス誘導性神経変性のSMA関連モデルにおいて、神経を保護する作用があった(neuroprotective)(Chen et al., ACS Chem. Neurosci., 2012, 3, 5-11)。
パーキンソン病は、筋肉が硬直および鈍重になる随意運動の撹乱である。前記疾患の症状は、震えまたは振戦を生ずる一連の筋肉の困難かつ制御不能な周期的痙攣を包含する。前記疾患は、脳中の、具体的に言うと、脳幹中の前シナプスドーパミン作動性ニューロンの変性によって引き起こされる。変性の結果として、化学伝達物質ドーパミンの不適切な放出が神経活動中に起こる。目下、パーキンソン病は、数種の化合物および組み合わせによって処置されている。レボドパ(L-ドーパ)は、脳中のドーパミンに変換されるが、しばしば筋肉の制御を回復するために与えられる。ペリンドプリルは、血液脳関門を横切るACEインヒビターであり、L-ドーパに対する患者の運動反応を改善するために使用される。カルビドパは、脳に達するまでにL-ドーパからドーパミンへの変換を遅らせるため、L-ドーパとともに投与され、これはまた、L-ドーパの副作用も減らす。パーキンソン病処置に使用される他の薬物は、ドーパミン模倣薬ミラペックス(Mirapex)(プラミペキソール二塩酸塩)およびレキップ(Requip)(ロピニロール塩酸塩)、ならびにTasmar(トルカポン)(脳に達する前に、レボドパを分解する原因となる鍵酵素を遮断する、COMTインヒビター)を包含する。
用語「精神障害」は、脳の機能および認知プロセスまたは挙動に関する疾病または障害を指す。精神障害はさらに、心的能力に影響を及ぼす神経学的な撹乱の型に基づいて分類され得る。精神障害は、主として、苦悩または機能低下(例として、認知症または老衰などによる精神機能の低下)のいずれかを生じる思考、感情、情動、および/または挙動の異常性に現れるものである。用語「精神障害」は、結果的に、ときには、用語「精神障害」または用語「精神病」と交換可能に使用される。
精神障害はしばしば、個体に生ずる、正常な発達または文化の一環としては予想されない苦悩または無能を引き起こすと考えられる心理パターンまたは挙動パターンによって特徴付けられる。精神障害の定義、査定、および分類は変動し得るが、疾病及び関連保健問題の国際分類(ICD、世界保健機関WHOによって公開される)または精神障害の診断と統計マニュアル(DSM、アメリカ精神医学会APAに公開される)および他の手引書に挙げられている指針の基準が、メンタルヘルス専門家に広く受け入れられている。個体は、様々な精神疾患について、当該分野における医師に受け入れられたこれらの刊行物および他の刊行物に記述された基準を使用して評価され得る。精神障害の兆候および重症度は、これらの刊行物を使用し個体において決定され得る。
これらのスキームにおける診断のカテゴリーは、解離性障害、気分障害、不安障害、精神病性障害、摂食障害、発達障害、パーソナリティ障害、および他のカテゴリーを包含し得る。精神障害の種々のカテゴリー、ならびに病的になり得るヒトの挙動および人格には、様々な様相がある。
精神障害の1つの群は、統合失調症およびせん妄などの、思考および認知の障害を包含する。精神障害の第2の群は、感情障害および不安などの気分の障害を包含する。精神障害の第3の群は、性格障害およびパーソナリティ障害などの社会的挙動の障害を包含する。精神障害の第4の群は、、例えば精神遅滞および認知症などの、学習、記憶、および知能の障害を包含する。結果的に、精神障害は、統合失調症、せん妄、注意欠陥障害(ADD)、統合失調感情障害、うつ病(例として、リチウム抵抗性のうつ病)、躁病、注意欠陥障害、薬物嗜癖、認知症、激越、アパシー、不安、精神病、パーソナリティ障害、双極性障害、単極性情動障害、強迫性障害、摂食障害、心的外傷後ストレス障害、易刺激性、思春期行為障害、および脱抑制を網羅する。
神経変性疾患として分類されるいくつかの疾患、例としてアルツハイマー病もまた、ときには、本明細書に挙げられるとおりの精神障害の側面、例として記憶障害または認知症を示す。いくつかの神経変性疾患またはその兆候はまた、結果的に、精神障害とも称され得る。これらの用語は、したがって、相互排他的ではない。
不安または恐怖の状態は、長期間にわたっていつになく激しくまたは一般化されるようになると、病的になり得る。不安障害の公認されたカテゴリーは、特定恐怖症、全般性不安障害、社会性不安障害、パニック障害、広場恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害を包含する。
相対的に長く続く感情状態もまた、病的になり得る。いつになく激しくかつ持続した悲嘆、抑うつ、または絶望を伴う気分障害は、臨床的うつ病(または大うつ病)として知られており、より一般には、情動制御不全と言い表され得る。より軽度であるが長期にわたるうつ病は、気分変調と診断され得る。双極性障害は、異常に「ハイな」またはプレッシャーをかけられた気分の状態(躁病または軽躁病として知られている)が、正常または抑うつの気分と交互に現れることを伴う。
信念、言語使用、および知覚のパターンは病的になり得る。この領域を中心的に伴う精神病性障害は、統合失調症および妄想性障害を包含する。統合失調感情障害は、統合失調症および感情障害の両方の側面を示す個体のために使用されるカテゴリーである。統合失調型は、統合失調症に関連する形質(traits)のいくつかを示すがカットオフ基準は満たしていない個体のために使用されるカテゴリーである。
当人の認知、意欲、および挙動に対して状況的および時間的に影響を及ぼす個人の基本的特徴は、異常に硬直的で非適応的であることに起因して、病的だと見なされ得る。分類スキームは、エキセントリックとして分類されるもの(例として、妄想性パーソナリティ障害、スキゾイドパーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害)、劇的または情動的と表されるもの(***性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害)、または恐怖に関すると見なされるもの(回避性パーソナリティ障害、依存性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害)などの、種々数多のパーソナリティ障害を挙げている。
他の障害は、ヒトの機能のうち他の特質にも作用し得る。食習慣(Eating practices)は、強迫性の多食もしくは少食またはやけ食いのいずれかにより狂わされ得る。この領域の障害のカテゴリーは、神経性無食欲症、神経性大食症、運動中毒、またはむちゃ食い障害を包含する。不眠症などの睡眠障害もまた存在し、正常な睡眠パターンを妨害し得る。その他の障害はまた、***疼痛症および自我異質性の性的関心(ego-dystonic sexuality)などの、性的障害をも包含し得る。自身または他人にとって有害であり得る行為を実施しようという欲望または衝動に異常に抗えない人々は、トゥレット症候群などのチック症および窃盗癖(窃盗)または放火狂(放火)などの障害の様々な種類を包含する衝動制御障害と分類され得る。物質使用障害は、薬物乱用障害を包含する。ギャンブル依存は、障害として分類され得る。生活環境に充分に適応できないことは、適応障害として分類され得る。適応障害のカテゴリーは大抵、事象もしくは状況から3カ月以内に始まり、ストレッサーが停止もしくは消失してから6カ月以内に終わる問題のために確保される。自身の自己同一性、記憶、ならびに自身および自身の環境の全般的な認識の重度の障害を患う人々は、離人症性障害(また多重人格障害または「二重人格」とも呼ばれいる)などの解離性同一性障害を有するとして分類され得る。ミュンヒハウゼン症候群などの虚偽性障害もまた存在し、その症状は、私利私欲のために経験を積み、および/またはそうであることが報告されている。
肉体から生ずるように見えるが精神的なものであると考えられる障害は、身体化障害を包含する、身体表現性障害として知られている。身体醜形障害を包含する身体認識の障害もまた存在する。神経衰弱は、ICD(第10版)によって公認されているが、DSM(第IV版および第V版)によってはされていない、身体的愁訴および疲労ならびに意気消沈/うつ病を伴う1カテゴリーである。健忘症またはアルツハイマー病などの記憶障害または認知障害もまた、ときには精神障害として分類される。
他の提案されている障害は、自己敗北性パーソナリティ障害、サディスティックパーソナリティ障害、受動攻撃性パーソナリティ障害、月経前不快気分障害、ゲーム依存症、またはインターネット依存症を包含する。
双極性障害は、異常に高揚した気分(臨床的には、躁病、または軽度の場合、軽躁病と称される)の1以上のエピソードの存在によって定義される気分障害の1カテゴリーを言い表す精神科診断である。躁病エピソードを経験する個体はまた、一般的に、うつ病エピソードもしくは症状、または混合エピソード(躁病およびうつ病の両方の特色が同時に存在する)をも経験する。これらのエピソードは大抵、「正常な」気分の期間によって分離されているが、いくつかの個体においては、うつ病と躁病とが急速に交互に現れ、急速交代型として知られている。極端な躁病エピソードはときに、妄想および幻覚などの精神病症状に繋がり得る。前記障害は、I型双極性障害、II型双極性障害、循環気質、および他の型に亜分類されている。これは、経験される気分のエピソードの性質および重症度に基づく;その範囲はしばしば、双極性スペクトラムとして言い表される。
自閉症(また自閉症スペクトラム障害またはASDとも称される)は、個体の機能(functioning)を深刻に害する障害である。これは、自己没頭、外界に対する低減した意思疎通能または応答能、儀式的行動および強迫現象、ならびに精神遅滞によって特徴付けられる。自閉症の個体はまた、てんかんなどの発作障害を発症する増大したリスクにも曝されている。自閉症の実際の原因は未知であるが、1以上の遺伝的要因を包含しているように見え(これは、一致率が、一卵性双生児の方が二卵性双生児より高いという事実によって示されるとおりである)、また、、食生活(diet)、有毒化学物質、および感染などの免疫性および環境性の要因も伴い得る。
統合失調症は、世界人口の約1パーセントに影響を及ぼす障害である。統合失調症の3つの一般的症状はしばしば、陽性症状、陰性症状、および認知症状と称される。陽性症状は、妄想(正常でない信念)、幻覚(正常でない知覚)、および解体した思考を包含し得る。統合失調症の幻覚は、聴覚性、視覚性、嗅覚性、または触覚性であり得る。解体した思考は、統合失調症患者において、支離滅裂な会話および論理的思考プロセスの維持不能によって現わされ得る。陰性症状は、正常な挙動がないことを表し得る。陰性症状は、情動の平坦さまたは表情の乏しさを包含し、社会性の退行、低減した気力、低減した意欲、および低減した活動を特徴によって特徴付けられ得る。緊張病もまた、統合失調症の陰性症状に関連し得る。統合失調症の症状は、患者が統合失調症と診断されるためには、約6カ月という期間にわたって連続して持続していなければならない。患者が示す症状の型に基づき、統合失調症は、亜型(緊張型統合失調症、妄想型統合失調症、および解体型統合失調症を包含する)に分類され得る。
統合失調症患者を処置するために使用され得る抗精神病薬の例は、クロルプロマジンおよびトリフルオロプロマジンなどの、フェノチジン(phenothizine);クロルプロチキセンなどのチオキサンテン;フルフェナジン;ハロペリドールなどの、ブチロペノン(butyropenone);ロキサピン;メソリダジン;モリンドン;クエチアピン;チオチキセン;トリフロペラジン;ペルフェナジン;チオリダジン;リスペリドン;クロザピンなどの、ジベンゾジアゼピン;ならびにオランザピンを包含する。これらの化合物は、統合失調症の症状を緩和し得るが、それらの投与は、パーキンソン病様の症状(振戦、筋肉硬直、表情の喪失);ジストニア;むずむず;遅発性ジスキネジア;体重増加;肌の問題;ドライマウス;便秘;視界不良;眠気;不明瞭な発語、および無顆粒球症を包含する、望ましくない副作用をもたらし得る。
気分障害は、典型的には、挙動の、生理学的な、認知の、神経化学の、および精神運動の機能障害に関連する、気分および情動の、広汎性の、長期にわたり、かつ支障をきたす誇張によって特徴付けられる。大気分障害は、大うつ病性障害(また単極性障害としても知られている)、双極性障害(また躁うつ病または双極性うつ病としても知られている)、気分変調性障害を包含する。
用語「うつ病」はときに、「抑うつ障害」と交換可能に使用され、病的悲嘆、憂鬱、またはメランコリーとして現れる気分障害を指す。抑うつ障害は、セロトニン受容体およびノルアドレナリン受容体を標的にする目下の治療レジメンに基づくと、セロトニン作動性神経系およびノルアドレナリン作動性神経系を伴い得る。躁病は、脳内のある化学伝達物質の不均衡に起因し得る。ホスファチジルコリンを投与することは、躁病の症状を緩和すると報告されている。ある態様において、本明細書に記載されるうつ病は、リチウム抵抗性のうつ病である。
躁病は、うつ病を患う合衆国中の数百万もの人々に影響を及ぼす幸福感の持続形態である。躁病エピソードは、高揚した、誇大的な、またはイライラした気分が数日間続くことによって特徴付けられ得、しばしば、多動、多弁、過干渉、増大した気力、観念奔逸、誇大性、散漫性、減少した睡眠要求、および無謀などの他の症状に付随する。躁病患者はまた、妄想および幻覚も経験し得る。
不安障害は、覚醒、落ち着かなさ、高まった反応性、発汗、高心拍数、増大した血圧、ドライマウス、逃避または脱出の願望、および回避行動を包含する、恐怖の症状の頻繁な出現によって特徴付けられる、。全般性不安は、数カ月間持続し、運動神経の緊張(震え、ひきつり、筋肉痛、むずむず)、自律神経系の活動亢進(息切れ、動悸、心拍数増大、発汗、手の冷え)、ならびに注意および警戒(瀬戸際感、過剰な驚愕反応、集中の困難)に関連する。ベンゾジアゼピンは、ガンマアミノ酪酸(GABA)A型受容体の阻害効果を増強するが、不安を処置するために頻繁に使用される。ブスピロンは、別の有効な不安処置である。
統合失調感情障害は、気分障害および統合失調症の症状の両方が存在する疾病を言い表す。本人は、現実の知覚または表現の悪化を、最も多くは幻聴、偏執的もしくは奇妙な妄想、または解体した会話および思考、ならびに明らかな躁病および/またはうつ病エピソードのかたちで、かなりの社会的機能不全または職業的機能障害という文脈において現し得る。
いくつかの態様において、提供される化合物は、注意欠陥多動性障害(ADHD)を処置することに有用である。
ある態様において、提供される化合物は、神経発生を刺激する。結果的に、いくつか態様において、提供される化合物は、神経新生に関する疾患を処置することにおいて有用である。例として、提供される化合物は、提供される化合物またはその薬学的に許容し得る塩の有効量を対象へ投与することを含む、対象において神経学的障害を処置するのに有用である。いくつか態様において、神経学的障害は、正常な老化に関連する認知低下、外傷性脳傷害、パーキンソン病、大うつ病、双極性障害、てんかん、脊髄小脳失調症、ハンチントン病、ALS、脳卒中、放射線治療、心的外傷後ストレス障害、ダウン症候群、慢性ストレス、網膜変性、脊髄傷害、末梢神経傷害、様々な疾病に関連する生理学的な体重減少、神経作用薬の乱用、脊髄傷害、または化学治療に関連する認知低下である。
いくつか態様において、提供される化合物は、その必要がある対象の概日リズムの調節を、これを必要とする対象においてすることにおいて有用である。
いくつかの態様において、提供される化合物は、有用な in treating 脱毛症を処置することにおいて有用である。
いくつか態様において、提供される化合物は、免疫増強剤として有用である。
いくつかの態様において、提供される化合物は、がんを処置することにおいて有用である。用語「がん」は、制御不能に増殖し、かつ正常な体内組織の浸潤能および破壊能を有する、正常でない細胞の発達によって特徴付けられる、疾患のクラスを指す。例として、Stedman’s Medical Dictionary, 25th ed.; Hensyl ed.; Williams & Wilkins: Philadelphia, 1990を参照。例示のがんは、聴神経腫;腺癌;副腎がん;肛門がん;管肉腫(例として、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、血管肉腫);虫垂がん;良性の単クローン性免疫グロブリン血症;胆道がん(例として、胆管癌);膀胱がん;***がん(breast cancer)(例として、***の腺癌、***の乳頭癌、乳がん(mammary cancer)、***の髄様癌);脳がん(例として、髄膜腫、膠芽腫、神経膠腫(例として、星状細胞腫、乏突起神経膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頸がん(例として、子宮頸部の腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;大腸がん(colorectal cancer)(例として、結腸がん、直腸がん、大腸腺癌);結合組織がん;上皮癌;上衣腫;内皮肉腫(例として、カポジ肉腫、複数特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例として、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例として、食道の腺癌、バレット腺癌(Barrett’s adenocarcinoma));ユーイング肉腫;眼がん(例として、眼球内黒色腫、網膜芽腫);家族性の好酸球増加症;胆嚢がん;胃がん(例として、胃腺癌);消化管間質腫瘍(GIST);生殖細胞がん;頭頸部がん(例として、頭頸部扁平上皮細胞癌、口腔がん(例として、口腔扁平上皮細胞癌)、咽喉がん(例として、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、中咽頭がん));造血系のがん(hematopoietic cancers)(例として、急性リンパ球性白血病(ALL)(例として、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例として、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例として、B細胞CML、T細胞CML)、および慢性慢性球性白血病(CLL)(例として、B細胞CLL、T細胞CLL)などの白血病);ホドキンリンパ腫(HL)(例として、B細胞HL、T細胞HL)および非ホドキンリンパ腫(NHL)(例として、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例として、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例として、粘膜関連リンパ系組織(MALT)リンパ腫、筋性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓周辺帯B細胞リンパ腫などのB細胞NHL)、縦隔原発B細胞リンパ細胞、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち、ワルデンストレームのマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆体B-リンパ芽球性リンパ腫、および原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫などのリンパ腫;および前駆体T-リンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢のT細胞リンパ腫(PTCL)(例として、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例として、菌状息肉種、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞リンパ腫)などのT細胞NHL;上に記載のとおりの1以上の白血病/リンパ腫の混在;および多発性骨髄腫(MM))、重鎖病(例として、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);血管芽腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫細胞アミロイド症;腎臓がん(例として、ウィルムス腫瘍としても知られている(a.k.a.)腎芽腫、腎細胞癌);肝臓がん(例として、肝細胞がん(HCC)、悪性肝癌);肺がん(例として、気管支原性肺癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺腺癌);平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例として、全身性肥満細胞症);筋肉がん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性障害(MPD)(例として、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、骨髄線維症(MF)としても知られている原発性骨髄線維症(AMM)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増加症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例として、I型またはII型の神経線維腫症(NF)、神経鞘腫症);神経内分泌がん(例として、膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例として、骨がん);卵巣がん(例として、嚢胞腺がん、卵巣胚がん、卵巣腺がん);乳頭状腺癌;膵臓がん(例として、膵臓腺癌、管内乳頭粘液性新生物(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例として、陰茎および陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新形成;傍腫瘍症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例として、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺がん;皮膚がん(例として、扁平上皮細胞癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(small bowel cancer)(例として、虫垂がん);軟部肉腫(例として、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫腫);皮脂腺癌;小腸がん(small intestine cancer);汗腺癌;滑膜腫;精巣がん(例として、セミノーマ、精巣胚性癌);甲状腺がん(例として、甲状腺乳頭がん、甲状腺乳頭がん(PTC)、甲状腺髄がん);尿道がん;膣がん;および外陰部がん(例として、外陰部パジェット病)を包含する。
提供される化合物によって処置されるがんは、GSK3αによって、および/またはGSK3βによって媒介され得る。いくつか態様において、提供される化合物は、本明細書に記載のがんを処置することにおいて有用である。例として、いくつか態様において、提供される化合物は、白血病を処置することにおいて有用である。ある態様において、提供される化合物は、急性骨髄性白血病(AML)を処置することにおいて有用である。ある態様において、提供される化合物は、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、および/または慢性リンパ球性白血病(CLL)を処置することにおいて有用である。いくつか態様において、白血病(例として、急性骨髄性白血病)の処置は、GSK3αの阻害によってもたらされる。いくつか態様において、提供される化合物は、多発性骨髄腫を処置することにおいて有用である。いくつか態様において、提供される化合物は、神経膠腫または膵臓がんを処置することにおいて有用である。いくつか態様において、提供される化合物は、***がん、非小細胞肺癌、甲状腺がん、T細胞性もしくはB細胞性の白血病、またはウイルス性腫瘍を処置することにおいて有用である。
GSK3αおよびGSK3βはまた、糖尿病(例として、II型糖尿病)などの代謝障害にも関わっている(A. S. Wagman, K. W. Johnson and D. E. Bussiere, Curr. Pharm. Design, 2004, 10, 1105)。用語「代謝障害」は、炭水化物、脂質、タンパク質、核酸、またはそれらの組み合わせの正常な代謝における変更を伴ういずれの障害をも指す。代謝障害は、核酸、タンパク質、脂質、および/または炭水化物の代謝の不均衡をもたらす、代謝経路における欠乏または過剰のいずれかに関連する。代謝に影響を及ぼす因子は、内分泌(ホルモン)制御系(例として、インスリン経路、GLP-1、PYYまたは同種のものを包含する腸内分泌ホルモン)、神経制御系(例として、脳におけるGLP-1)、または同種のものを包含する。代謝障害の例は、糖尿病(例として、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病)、高血糖、高インスリン血症、インスリン抵抗性、および肥満を包含する。ある態様において、代謝障害は、II型糖尿病である。
GSK3活性は、糖尿病のヒトおよび齧歯動物モデルにおいて上昇しており、様々なGSK3インヒビターは、肥満および糖尿病の齧歯動物モデルにおいて、耐糖能およびインスリン感受性を改善する。出生前に死亡するGSK3β突然変異体とは違い、GSK3αノックアウト(GSK3α KO)動物は、生存可能ではあるが、低減した体脂肪量に付随して、増強されたグルコースおよびインスリン感受性を示す(Katrina et al. Cell Metabolism 6, 329-337, October 2007)。空腹時およびグルコース誘導時の肝グリコーゲン含量は、GSK3α KOマウスにおいて増強されていたが、筋中グリコーゲンには変更がなかった。インスリンに刺激されるタンパク質キナーゼB(PKB/Akt)およびGSK3βのリン酸化は、GSK3α KOの肝臓において、野生型の同腹仔と比較してより高く、IRS-1発現は著しく増大していた。GSK3アイソフォームは、組織特異的な生理機能を呈すこと、ならびにGSK3α KOマウスは、インスリン感受性であり、II型糖尿病のための治療標的としてのGSK3の可能性をさらに強めていることが結論付けられた。
いくつか態様において、提供される化合物は、代謝障害を処置することにおいて有用である。いくつか態様において、提供される化合物は、糖尿病(例として、1型糖尿病、2型糖尿病、または妊娠糖尿病)を処置することにおいて有用である。いくつか態様において、提供される化合物は、2型糖尿病を処置することにおいて有用である。いくつか態様において、提供される化合物は、肥満を処置することにおいて有用である。
β-カテニンの安定化は、他のGSK3インヒビター(例として、非選択的GSK3インヒビター)への、新生物という懸念(neoplastic concerns for)と関連付けられている。ある態様において、GSK3βよりもGSK3αに対して選択的であるGSK3αインヒビターの活性は、β-カテニンの安定化および核への輸送とは無関係である。
GSK3インヒビターは、脆弱X症候群を処置することにおいて有用であってもよいことが報告されている。例として、Mines et al. (PLoS One, 2010, 5(3):e9706)は、以下を開示する。
これらの知見は、GSK3と社会的挙動(social behaviors)との間に関連性があることの同定を最初に提供するものであり、調節不全のGSK3が、[脆弱性X精神遅滞タンパク質(FMRP)]の喪失に関連する社会的障害(social impairments)のいくつかに寄与し得ること、およびこれらが、リチウム投与によって部分的に治癒されるかもしれないことを示唆し、また、[自閉症(ASD)]患者間および[脆弱X症候群(FXS)]患者間に共通する社会的障害の根底にある機序を同定する手段としての、ならびに社会的交流を増強し得る治療的介入の探査のための手段としての[脆弱性X精神遅滞1(Fmr1)]ノックアウトの有用性をも支持する。
しかしながら、GSK3βよりもGSKαに対して選択的であるGSK3αインヒビター(例として、GSK3αの活性を、GSK3βの活性と比較して選択的に阻害するGSK3インヒビター)が、脆弱X症候群を処置することにおいて、GSK3αよりもGSK3βに対して選択的なGSK3インヒビター(例として、GSK3βの活性を、GSK3αと比較して選択的に阻害するGSK3インヒビター)がするより、かつ非選択的GSK3インヒビターがするより、有用であり得ることは、当該技術分野において知られていなかった。別の側面において、本開示は、脆弱X症候群を患う対象へ、治療的に有効な量のGSK3αインヒビターを投与することを含む、脆弱X症候群を処置する方法を提供し、ここでGSKαインヒビターは、GSK3βと比較して選択的にGSK3αの活性を阻害する。本明細書に記載の脆弱X症候群を処置する方法は、脆弱X症候群を処置する知られている方法よりも利点を有し得る。かかる利点のうちの1つは、より低い投薬量、より低い投薬頻度、より高い対象の服薬順守、より容易な投与、より低い毒性、より深刻度の低い逆効果、より頻度の低い逆効果、より低いコスト、またはそれらの組み合わせであってもよい。ある態様において、脆弱X症候群を処置する方法におけるGSK3αインヒビターの量は、脆弱X症候群を処置するためのGSK3βインヒビターまたは非選択的GSK3インヒビターの治療的に有効な量よりも低い(例として、その90%よりも低いか、その70%よりも低いか、その50%よりも低いか、その30%よりも低いか、その10%よりも低いか、その3%よりも低いか、その1%よりも低いか、またはその0.1%よりも低い)。
GSK3は、ADHDに関わることが報告されている(Shim et al., Prog. Neuropsychopharmacol. Biol. Psychiatry, 2012, 39, 57-61;Del’Guidice et al., Med. Sci. (Paris), 2010, 26, 647-651;およびMines et al., Eur. J. Pharmacol., 2013, 698, 252-258)。GSK3は、発作(例として、小児発作)に関わることもまた報告されている(Niceta et al., Am. J. Hum. Genet., 2015, 96, 816-825)。別の側面において、本開示は、ADHDを患う対象へ、治療的に有効な量のGSK3αインヒビターを投与することを含む、ADHDを処置する方法を提供し、ここでGSK3αインヒビターは、GSK3βと比較してGSK3αの活性を選択的に阻害する。本明細書に記載のADHDを処置する方法は、知られるADHDを処置する知られている方法よりも利点を有し得る。かかる利点のうちの1つは、より低い投薬量、より低い投薬頻度、より高い対象の服薬順守、より容易な投与、より低い毒性、より深刻度の低い逆効果、より頻度の低い逆効果、より低いコスト、またはそれらの組み合わせであってもよい。ある態様において、ADHDを処置する方法におけるGSK3αインヒビターの量は、ADHDを処置するためのGSK3βインヒビターまたは非選択的GSK3インヒビターの治療的に有効な量よりも低い(例として、その90%よりも低いか、その70%よりも低いか、その50%よりも低いか、その30%よりも低いか、その10%よりも低いか、その3%よりも低いか、その1%よりも低いか、またはその0.1%よりも低い)。
別の側面において、本開示は、小児発作を患う対象へ、治療的に有効な量の
GSK3αインヒビターを投与することを含む、小児発作を処置する方法を提供し、ここでGSK3αインヒビターは、GSK3βと比較してGSK3αの活性を選択的に阻害する。本明細書に記載の小児発作を処置する方法は、小児発作を処置する知られている方法よりも利点を有し得る。かかる利点のうちの1つは、より低い投薬量、より低い投薬頻度、より高い対象の服薬順守、より容易な投与、より低い毒性、より深刻度の低い逆効果、より頻度の低い逆効果、より低いコスト、またはそれらの組み合わせであってもよい。ある態様において、小児発作を処置する方法におけるGSK3αインヒビターの量は、小児発作を処置するためのGSK3βインヒビターまたは非選択的GSK3インヒビターの治療的に有効な量よりも低い(例として、その90%よりも低いか、その70%よりも低いか、その50%よりも低いか、その30%よりも低いか、その10%よりも低いか、その3%よりも低いか、その1%よりも低いか、またはその0.1%よりも低い)。
GSK3インヒビターは、気分障害を処置することにおいて有用であり得ることが報告されている。例として、Gouldら(Curr. Drug Targets, 2006, (11):1399-409)は、「GSK-3を調節することが、気分障害を処置する新規医薬のための標的を表し得る」ことを開示する。その上、リチウムは、気分障害を処置することにおいて有用であることが知られていた。Beaulieuら(Pharmacol. Sci., 2007, 28(4):166-72)は、「GSK-3の直接的なまたは間接的な阻害が、少なくとも一部はドーパミン応答を阻害することによって、リチウムの精神薬理学的な作用に寄与し得る」ことを開示する。
しかしながら、GSK3βよりもGSK3αに対して選択的であるGSK3αインヒビターが、知的障害症候群(intellectual disability syndrome)を処置することにおいて、GSK3αよりもGSK3βに対して選択的であるGSK3βインヒビターがするより、有用であり得ることは、当該技術分野において知られていなかった。別の側面において、本開示は、知的障害症候群を患う対象へ、治療的に有効な量のGSK3αインヒビターを投与すること含む、知的障害症候群を処置する方法を提供し、ここでGSK3αインヒビターは、GSK3βと比較してGSK3αの活性を選択的に阻害する。本明細書に記載の知的障害症候群を処置する方法は、知的障害症候群を処置する知られている方法よりも利点を有し得る。かかる利点のうちの1つは、より低い投薬量、より低い投薬頻度、より高い対象の服薬順守、より容易な投与、より低い毒性、より深刻度の低い逆効果、より頻度の低い逆効果、より低いコスト、またはそれらの組み合わせであってもよい。ある態様において、知的障害症候群を処置する方法におけるGSK3αインヒビターの量は、知的障害を処置するためのGSK3βインヒビターまたは非選択的GSK3インヒビターの治療的に有効な量よりも低い(例として、その90%よりも低いか、その70%よりも低いか、その50%よりも低いか、その30%よりも低いか、その10%よりも低いか、その3%よりも低いか、その1%よりも低いか、またはその0.1%よりも低い)。
GSK3インヒビターは、糖尿病を処置することにおいて有用であってもよいことが報告されている。例えば、Dobleら(Developmental Cell, 2007, 12, 957-971)は、以下を開示する。
GSK-3αおよびGSK-3βは等しく、低レベルのβ-カテニンを維持することが可能であり、4個のアレルのうち3個の不活性化または4個すべての完全な喪失の際にしか、Wntシグナリングタンパク質およびβ-カテニンレベルに対して、目に見えるような影響を何も及ぼさない。これは、。。。II型糖尿病などの、GSK-3活性上昇が有害である疾病において、臨床的に関連性がある。
その上、Macaulayら(Cell Metab. 2007, 6(4):329-37)は、「様々なGSK-3インヒビターが、肥満および糖尿病の齧歯動物モデルにおいて、耐糖能およびインスリン感受性を改善し。。。。GSK-3アイソフォームが、組織特異的な生理機能を呈すこと、ならびにGSK-α KOマウスが、インスリン感受性であり、II型糖尿病のための治療標的としてのGSK-3の可能性をさらに強めることを開示する。
しかしながら、GSK3βよりもGSK3αに対して選択的であるGSKαインヒビターが、糖尿病を処置することにおいて、GSK3αよりもGSKβに対して選択的であるGSK3βインヒビターがするより有用であり得ることは、当該技術分野において知られていなかった。別の側面において、本開示は、糖尿病を患う対象へ、治療的に有効な量のGSK3αインヒビターを投与すること含む、糖尿病を処置する方法を提供し、ここでGSK3αインヒビターは、GSK3βと比較してGSK3αの活性を選択的に阻害する。本明細書に記載の糖尿病を処置する方法は、糖尿病を処置する知られている方法よりも利点を有し得る。かかる利点のうちの1つは、より低い投薬量、より低い投薬頻度、より高い対象の服薬順守、より容易な投与、より低い毒性、より深刻度の低い逆効果、より頻度の低い逆効果、より低いコスト、またはそれらの組み合わせであってもよい。ある態様において、糖尿病を処置する方法におけるGSK3αインヒビターの量は、糖尿病を処置するためのGSK3βインヒビターまたは非選択的GSK3インヒビターの治療的に有効な量よりも低い(例として、その90%よりも低いか、その70%よりも低いか、その50%よりも低いか、その30%よりも低いか、その10%よりも低いか、その3%よりも低いか、その1%よりも低いか、またはその0.1%よりも低い)。ある態様において、糖尿病は、I型糖尿病である。ある態様において、糖尿病はII型糖尿病である。
GSK3インヒビターは、AMLを処置することにおいて有用であってもよいことが報告されている。例として、Banerjiら(J. Clin. Invest., 2012, 122(3):935-47)は、「概して、これらの研究は、[急性骨髄性白血病(AML)]分化におけるGSK-3αの役割を示唆し、およびGSK-3αに向けられる標的化治療の強力な役割を支持する。
しかしながら、GSK3βよりもGSK3αに対して選択的であるGSK3αインヒビターが、AMLを処置することにおいて、GSK3αよりもGSKβに対して選択的であるGSK3βインヒビターがするより有用であり得ることは、当該技術分野において知られていなかった。別の側面において、本開示は、AMLを患う対象へ、治療的に有効な量のGSK3αインヒビターを投与することを含む、AMLを処置する方法を提供し、ここでGSK3αインヒビターは、GSK3βと比較してGSK3αの活性を選択的に阻害する。本明細書に記載のAMLを処置する方法は、AMLを処置する知られている方法よりも利点を有し得る。かかる利点のうちの1つは、より低い投薬量、より低い投薬頻度、より高い対象の服薬順守、より容易な投与、より低い毒性、より深刻度の低い逆効果、より頻度の低い逆効果、より低いコスト、またはそれらの組み合わせであってもよい。ある態様において、AMLを処置する方法におけるGSK3αインヒビターの量は、AMLを処置するためのGSK3βインヒビターまたは非選択的GSK3インヒビターの治療的に有効な量よりも低い(例として、その90%よりも低いか、その70%よりも低いか、その50%よりも低いか、その30%よりも低いか、その10%よりも低いか、その3%よりも低いか、その1%よりも低いか、またはその0.1%よりも低い)。ある態様において、AMLは、急性前骨髄性白血病である。
GSK3インヒビターは、自閉症を処置することにおいて有用であり得ることが報告されている。例として、Minesらは、脆弱性X精神遅滞1(Fmr1)ノックアウトマウスが、自閉症(ASD)の分子機序を研究するための、かつ自閉症の処置を開発するための動物モデルであることを開示する。Minesらはまた、以下も開示する:
これらの知見は、GSK3と社会的挙動との間に関連性があることの同定を最初に提供するものであり、調節不全のGSK3が、[脆弱性X精神遅滞タンパク質(FMRP)]の喪失に関連する社会的障害のいくつかに寄与し得ること、およびこれらが、リチウム投与によって部分的に治癒されるかもしれないことを示唆し、また、ASD患者間および[脆弱X症候群(FXS)]患者間に共通する社会的障害の根底にある機序を同定する手段としての、ならびに社会的交流を増強し得る治療的介入の探査のための手段としてのFmr1ノックアウトの有用性をも支持する。
しかしながら、GSK3βよりもGSK3αに対して選択的であるGSK3αインヒビターが、自閉症を処置することにおいて、GSK3αよりもGSKβに対して選択的であるGSK3βインヒビターがするより有用であり得ることは、当該技術分野において知られていなかった。別の側面において、本開示は、自閉症を患う対象へ、治療的に有効な量のGSK3αインヒビターを投与することを含む、自閉症を処置する方法を提供し、ここでGSK3αインヒビターは、GSK3βと比較してGSK3αの活性を選択的に阻害する。本明細書に記載の自閉症を処置する方法は、自閉症を処置する知られている方法よりも利点を有し得る。かかる利点のうちの1つは、より低い投薬量、より低い投薬頻度、より高い対象の服薬順守、より容易な投与、より低い毒性、より深刻度の低い逆効果、より頻度の低い逆効果、より低いコスト、またはそれらの組み合わせであってもよい。ある態様において、自閉症を処置する方法におけるGSK3αインヒビターの量は、自閉症を処置するためのGSK3βインヒビターまたは非選択的GSK3インヒビターの治療的に有効な量よりも低い(例として、その90%よりも低いか、その70%よりも低いか、その50%よりも低いか、その30%よりも低いか、その10%よりも低いか、その3%よりも低いか、その1%よりも低いか、またはその0.1%よりも低い)。
GSK3インヒビターは、精神障害を処置することにおいて有用であり得ることが報告されている。例として、Mukai et al. Neuron, 2015, 86(3):680-95を参照。しかしながら、GSK3βよりもGSK3αに対して選択的であるGSK3αインヒビターが、精神障害を処置することにおいて、GSK3αよりもGSKβに対して選択的であるGSK3βインヒビターがするより有用であり得ることは、当該技術分野において知られていなかった。別の側面において、本開示は、精神障害を患う対象へ、治療的に有効な量のGSK3αインヒビターを投与することを含む、精神障害を処置する方法を提供し、ここでGSK3αインヒビターは、GSK3βと比較してGSK3αの活性を選択的に阻害する。本明細書に記載の精神障害を処置する方法は、精神障害を処置する知られている方法よりも利点を有し得る。かかる利点のうちの1つは、より低い投薬量、より低い投薬頻度、より高い対象の服薬順守、より容易な投与、より低い毒性、より深刻度の低い逆効果、より頻度の低い逆効果、より低いコスト、またはそれらの組み合わせであってもよい。ある態様において、精神障害を処置する方法におけるGSK3αインヒビターの量は、精神障害を処置するためのGSK3βインヒビターまたは非選択的GSK3インヒビターの治療的に有効な量よりも低い(例として、その90%よりも低いか、その70%よりも低いか、その50%よりも低いか、その30%よりも低いか、その10%よりも低いか、その3%よりも低いか、その1%よりも低いか、またはその0.1%よりも低い)。ある態様において、精神障害は、統合失調症である。
別の側面において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の化合物の使用である。別の側面において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載の医薬組成物の使用である。ある態様において、使用は、本明細書に記載の方法において記載されるとおりである。
例
本明細書に記載の本発明がより完全に理解され得るために、以下の例を記述する。本出願に記載される合成例および生物学的な例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物、および方法を説明するために用意され、ならびにそれらの範囲を限定するものとしては決して解釈されない。本明細書に記載の化合物は、2以上の異なる化合物数を使用することによって参照され得る。本明細書に記載の化合物は、特性を決定するために同じかまたは異なる条件下で2回以上試験してもよく、したがって、特性の異なる値を示してもよい。
例1.例示化合物の合成
本明細書に提供される化合物は、たやすく入手可能な出発材料から、以下の一般的な方法および手順を使用して調製され得る。典型的なまたは好ましいプロセスの条件(例として、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、および圧力)が与えられた場合、そのように述べられない限り、他のプロセス条件もまた、使用され得ることは、解されるであろう。最適の反応条件は、使用される具体的な反応物または溶媒で変動し得るが、しかしかかる条件は、定型的な最適化手順によって当業者により決定され得る。
加えて、従来の保護基は、ある官能基が、望まれない反応を受けることを防止するのを必要とする場合がある。具体的な官能基に好適な保護基の選出、ならびに保護および脱保護に好適な条件は、当該技術分野において周知である。例として、多数の保護基、ならびにそれらの導入および除去は、Greene et al., Protecting Groups in Organic Synthesis, Second Edition, Wiley, New York, 1991、およびそれにおいて引用される参考文献に記載される。
本明細書に記載の例示化合物を、スキーム1~6に描かれる方法に従って調製した。
tert-ブチル(5-ヨードチアゾール-4-イル)カルバマート
公開された手順(Koolman, H.;Heinrich, T.;Reggelin, M. Synthesis, 2010, 3152. DOI: 10.1055/s-0030-1258159)に対してわずかに修正することによって調製した。
t-ブタノール(35mL)中のチアゾール-4-カルボン酸(2.50g、19.3mmol、1.0eq)の懸濁液へ、トリエチルアミン(3.00mL、21.4mmol、1.11eq)およびジフェニルホスホリルアジド(4.50mL、20.8mmol、1.08eq)を加えた。その結果得られた溶液を82℃にて18h加熱し、次いで室温まで冷却した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc(100mL)に溶解した。有機物を1M NaOH、水、およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製材料を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(10~50%EtOAc/ヘキサン)を介して精製することで、チアゾールカルバマート(2.74g、>99%純度、71%収率)が白色固体として提供された。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.58 (d,J = 2.3 Hz,1H),8.24 (br s,1H),7.30 (br s,1H),1.54 (s,9H).
1,2-ジクロロエタン(120mL)中のtert-ブチルチアゾール-4-イルカルバマート(2.50g、12.4mmol、1.0eq)の溶液へ、N-ヨードスクシンイミド(3.00g、13.3mmol、1.07eq)を加えた。その結果得られた懸濁液を、出発材料が消費されるまで(TLC、2h)83℃にて加熱し、その間にそれは赤色溶液になった。室温まで冷却した後、飽和水性Na2S2O3および水を加え、層を分離した。水性層をCH2Cl2で抽出し、合わせた有機物をMgSO4上で乾燥させ、活性炭で脱色し、Celite(登録商標)を通して濾過し、蒸発させることで、tert-ブチル(5-ヨードチアゾール-4-イル)カルバマート(3.67g、95%純度、86%収率)が淡黄色個体として提供された。
より高い濃度にて行われた反応は、より低い収率および純度をもたらした。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.87 (s,1H),6.48 (s,1H),1.53 (s,9H).
4-メチル-N’-(1-フェニルプロピリデン)ベンゼンスルホノヒドラジド
メタノール(7.5mL)中のp-トルエンスルホニルヒドラジド(1.40g、7.52mmol、1.0eq)の溶液へ、60°Cにて、プロピオフェノン(1.00mL、7.52mmol、1.0eq)をゆっくり加えた。混合物を60℃にて4h撹拌し、次いで室温まで冷却した。溶液を蒸発させ、固体をEt2Oおよびヘキサンで洗浄することで、トシルヒドラゾン(1.98g、>99%純度、87%収率)が白色固体として提供された。
(1-フェニルプロパ-1-エン-1-イル)ボロン酸
1:1 THF/TMEDA(20mL)中のトルエンスルホノヒドラジド(1.00g、3.30mmol、1.0eq)の、一部凍結した無色溶液へ、-78℃にて、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、5.30mL、13.2mmol、4.0eq)をゆっくり加えた。暗赤色混合物を-78℃にて30min撹拌させ、次いで25℃まで加温し、1h撹拌した。反応混合物を-78℃まで再冷却し、ホウ酸トリイソプロピル(3.80mL、16.4mmol、5.0eq)を加え、溶液を室温まで加温させて2h撹拌した。その結果得られた淡緑黄色懸濁液を35mL 4M HClでクエンチし、10min撹拌した。ジエチルエーテルを加え、層を分離した。水性層をEt
2O(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層を1M NaOH(3×25mL)で抽出した。塩基性水性層のpHを濃縮HCLで~4へ調整し、Et
2O(3×30mL)で抽出した。合わせたエーテル抽出物を、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させたことで、粗製ボロン酸(482mg、90%収率)が黄色半固体として提供された。粗製E/Z混合物を鈴木(Suzuki)カップリングに直接使用した。
方法A:鈴木カップリング
tert-ブチル(5-(1-フェニルビニル)チアゾール-4-イル)カルバマート
マイクロ波管へ、tert-ブチル(5-ヨードチアゾール-4-イル)カルバマート(100mg、0.307mmol、1.0eq)、(1-フェニルビニル)ボロン酸(70mg、0.47mmol、1.5eq)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(55mg、0.062mmol、0.2eq)、炭酸カリウム(150mg、1.08mmol、3.5eq)、および3:3:1 トルエン:水:エタノール(1.75mL)を加えた。その結果得られた二相性混合物を100℃にて1h加熱し、次いで室温まで冷却した。層を分離して、水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機物をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~100% EtOAc/ヘキサン)によって精製することで、フェニルビニルチアゾール(82.7mg、>99%純度、89%収率)が黄色固体として提供された。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.64 (s,1H),7.34 (s,5H),6.21 (br s,1H),5.63 (s,1H),5.54 (s,1H),1.35 (s,9H).
方法B:トシルヒドラゾンとの直接カップリング
tert-ブチル(5-(1-(3-フルオロフェニル)プロパ-1-エン-1-イル)チアゾール-4-イル)カルバマート
トシルヒドラジン
(73.3mg、0.229mmol、1.5eq)、XPhos(7.3mg、0.015mmol、0.1eq)、Pd
2(dba)
3(7.0mg、0.0077mmol、0.05eq)、およびリチウムt-ブトキシド(36.7mg、0.459mmol、3.0eq)の混合物へ、アルゴン条件下、脱気された1,4-ジオキサン(0.8mL)中のヨードチアゾール(50mg、0.15mmol、1.0eq)の溶液を加えた。混合物を70℃にて5h加熱し、次いでCH
2Cl
2で希釈し、およびCelite(登録商標)を通して濾過した。溶媒を蒸発させ、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~100% EtOAc/ヘキサン)によって精製することで、アルケニルチアゾール
(30mg、59%収率)がE/Z異性体の重要度の低い混合物として提供された。
三環式化合物の形成のための一般的な手順
9-エチル-6,6-ジメチル-9-フェニル-5,6,7,9-テトラヒドロチアゾロ[4,5-b]キノリン-8(4H)-オン
トリフルオロ酢酸(3.0mL)中のBoc-アミノチアゾール
(200mg、0.632mmol、1.0eq、方法Aを使用して52%収率で調製された)の溶液およびジメドン(110mg、0.785mmol、1.24eq)をマイクロ波中、155°Cにて2h加熱した。溶媒を蒸発させ、残基をCH
2Cl
2に溶解させた。飽和水性NaHCO
3を加え、層を分離した。水性層をCH
2Cl
2で抽出し、合わせた有機物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(5~60% EtOAc/ヘキサン)によって精製することで、三環式化合物
(110mg、>99%純度、51%収率)が淡黄色固体として提供された。その代わりに、材料をEtOH/H
2Oから再結晶化させてもよい。
鏡像異性体を、キラルHPLC:Chiralpak IC、80:20 A/B(A: 0.1% ジエチルアミン/n-ヘキサン、B: 1:1 ジクロロメタン/メタノール)によって分離した。
1H NMR (400 MHz,DMSO-d
6) δ 10.09 (s,1H),8.77 (s,1H),7.33 (d,J = 7.5 Hz,2H),7.21 (t,J = 7.7 Hz,2H),7.05 (t,J = 7.2 Hz,1H),2.99 (dq,J = 14.9,7.4 Hz,1H),2.49 - 2.43 (m,2H),2.10 - 2.00 (m,2H),1.98 (dd,J = 7.6,5.5 Hz,1H),1.04 (s,3H),1.02 (s,3H),0.75 (t,J = 7.3 Hz,3H).MS (ESI) 339.1 [M+H]
+
6,6,9-トリメチル-9-フェニル-5,6,7,9-テトラヒドロチアゾロ[4,5-b]キノリン-8(4H)-オン
クロスカップリング:方法A、89%収率。環化:39%収率。キラルHPLC:Chiralpak IC、85:15 A/B(A: 0.1% ジエチルアミン/n-ヘキサン、B: 1:1 ジクロロメタン/メタノール)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.41 (s,1H),7.89 (s,1H),7.43 (d,J = 7.6 Hz,2H),7.26 (t,J = 7.7 Hz,2H),7.12 (t,J = 7.3 Hz,1H),2.43 (s,2H),2.21 (d,J = 16.1 Hz,1H),2.15 (s,3H),2.13 (d,J = 16.1 Hz,1H),1.11 (s,3H),1.08 (s,3H).MS (ESI): 324.9 [M+H]
+.
9-(3-フルオロフェニル)-6,6,9-トリメチル-5,6,7,9-テトラヒドロチアゾロ[4,5-b]キノリン-8(4H)-オン
クロスカップリング:市販のピナコールエステルを使用する方法A、52%収率。環化:48%収率。キラルHPLC:Chiralpak IC、85:15 A/B(A: 0.1% ジエチルアミン/n-ヘキサン、B: 1:1 ジクロロメタン/メタノール)。
1H NMR(400 MHz,メタノール-d
4)δ 8.60(s,1H),7.23-7.20(m,1H),7.14-7.02(m,2H),6.85-6.77(m,1H),2.15(d,J=6.1Hz,2H),2.08(s,3H),1.82-1.72(m,2H),1.09(d,J=9.6Hz,6H).MS(ESI):343.3[M+H]
+.
9-エチル-9-(3-フルオロフェニル)-6,6-ジメチル-5,6,7,9-テトラヒドロチアゾロ[4,5-b]キノリン-8(4H)-オン
環化:26%収率。キラルHPLC:Chiralpak IC、95:5 A/B(A:0.1% ジエチルアミン/n-ヘキサン、B:エタノール)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.45 (s,1H),7.25-719 (m,2H),7.13-7.08 (m,1H),6.85-6.75 (m,1H),3.20-3.08 (m,1H),2.52~2.42 (m,2H),2.25-2.10 (m,2H),2.06~1.95 (m,1H),1.14 (s,3H),1.10 (s,3H),0.84 (t,J = 7.4 Hz,3H).MS (ESI): 357.2 [M+H]
+.
9-(3-クロロフェニル)-9-エチル-6,6-ジメチル-5,6,7,9-テトラヒドロチアゾロ[4,5-b]キノリン-8(4H)-オン
クロスカップリング:方法B、44%収率。環化:11%収率。キラルHPLC:Chiralpak IC、80:20 A/B(A: 0.1% ジエチルアミン/n-ヘキサン、B: 1:1 ジクロロメタン/メタノール)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.46 (s,1H),8.10 (s,1H),7.45-7.30 (m,2H),7.18 (t,J = 7.8 Hz,1H),7.12~7.05 (m,1H),3.21~3.06 (m,1H),2.55-2.40 (m,2H),2.27-2.10 (m,2H),2.08-1.95 (m,1H),1.14 (s,3H),1.10 (s,3H),0.85 (t,J = 7.4 Hz,3H).MS (ESI): 373.2 [M+H]
+.
9-エチル-6,6-ジメチル-9-(m-トリル)-5,6,7,9-テトラヒドロチアゾロ[4,5-b]キノリン-8(4H)-オン
クロスカップリング:方法A、36%収率。環化:44%収率。キラルHPLC:Chiralpak IC、85:15 A/B(A: 0.1% ジエチルアミン/n-ヘキサン、B: 1:1 ジクロロメタン/メタノール)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.42 (s,1H),7.20 (d,J = 5.9 Hz,2H),7.13 (t,J = 7.9 Hz,1H),6.93 (s,1H),6.91 (s,1H),3.16 (dq,J = 13.3,7.4 Hz,1H),2.45 (d,J = 1.4 Hz,2H),2.29 (s,3H),2.18 (dd,J = 29.7,16.0 Hz,2H),2.05 (dq,J = 13.2,7.4 Hz,1H),1.14 (s,3H),1.10 (s,3H),0.84 (t,J = 7.3 Hz,3H).MS (ESI): 353.7 [M+H]
+.
9-エチル-9-(3-メトキシフェニル)-6,6-ジメチル-5,6,7,9-テトラヒドロチアゾロ[4,5-b]キノリン-8(4H)-オン
クロスカップリング:方法A、57%収率。環化:24%収率。キラルHPLC:Chiralpak IC、85:15 A/B(A: 0.1% ジエチルアミン/n-ヘキサン、B: 1:1 ジクロロメタン/メタノール)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.42 (s,1H),7.21 - 7.15 (m,2H),7.03 (d,J = 7.9 Hz,1H),6.99 - 6.96 (m,1H),6.66 (dd,J = 8.1,1.9 Hz,1H),3.75 (s,3H),3.14 (dq,J = 14.8,7.4 Hz,1H),2.51 - 2.40 (m,2H),2.26 - 2.13 (m,2H),2.04 (dq,J = 14.5,7.3 Hz,1H),1.14 (s,3H),1.11 (s,3H),0.84 (t,J = 7.3 Hz,3H).MS (ESI): 369.0 [M+H]
+.
9’-エチル-9’-フェニル-5’,9’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロヘキサン-1,6’-チアゾロ[4,5-b]キノリン]-8’(7’H)-オン
クロスカップリング:方法A、52%収率.スピロ[5.5]ウンデカン-2,4-ジオンを使用した環化:29%収率。キラルHPLC:Chiralpak IC、85:15 A/B(A: 0.1% ジエチルアミン/n-ヘキサン、B: 1:1ジクロロメタン/メタノール)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ 8.42 (s,1H),7.43 - 7.39 (m,2H),7.24 (d,J = 8.2 Hz,2H),7.11 (t,J = 7.3 Hz,1H),6.84 (s,1H),3.17 (dq,J = 14.7,7.4 Hz,1H),2.50 (d,J = 3.6 Hz,2H),2.28 (d,J = 16.3 Hz,1H),2.18 (d,J = 16.3 Hz,1H),2.04 (dq,J = 14.6,7.3 Hz,1H),1.48 (d,J = 17.1 Hz,10H),0.84 (t,J = 7.4 Hz,3H).MS (ESI): 379.4 [M+H]+.
例2.例示化合物の追加の合成
化合物の化合物番号に包含される用語「E1」、「E2」、「E3」または「E4」は、本明細書に記載のカラム(例として、本明細書に記載のSFCカラム)からの化合物の溶離(最初から最後まで)の順番を、化合物の立体異性体(例として、鏡像異性体およびジアステレオマー)と比較して指す。例として、化合物2-E1、2-E2、2-E3、および2-E4の各々は、化合物2の単一の立体異性体であり、2-E1(第1)、2-E2(第2)、2-E3(第3)、および2-E4(第4)の順番で、本明細書に記載のSFCカラムから溶離された。
例示化合物の合成のための追加の一般的な手順
TFA(0.3M)中のint-1(1.0当量)およびint-2(1.3当量)の溶液を、マイクロ波(μW)中、150°Cにて2時間加熱した。LCMSによる分析によって、int-1が完全に消費されたこと、ある質量をもつ新しいピークが所望の産物と一致することが明らかにされた。DCMを反応混合物中へ加え、飽和水性NaHCO
3をゆっくり加えた。水層をDCMで抽出し(3回)、合わせた有機相をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製反応混合物を真空下で乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中0~50% EtOAc)によって精製することで、例示化合物が提供された。
Int-1の調製
マイクロ波管へ、int-3(1.0当量)、int-4(1.5当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.2当量)、K
2CO
3(3.5当量)、およびトルエン/水/エタノール(3:3:1、0.17M)の混合物を加えた。その結果得られた二相性混合物をマイクロ波中100℃にて2時間加熱した。層を分離し、水性層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機相をMgSO
4上で乾燥させ、濾過した。溶媒を真空内で除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中0~20% EtOAc)によって精製することで、int-1(R
8=H、76.7%収率;R
8=Me、54.8%収率)がE/Z異性体の混合物として提供された。
主要な位置異性体についての1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d,R8 = H): δ 8.77 (s,1H),7.39-7.21 (m,5H),6.37 (q,J = 7.0 Hz,1 H),),6.22 (br s,1H),1.82 (d,J = 7.3 Hz,3H),1.42 (s,9H).
主要な位置異性体についての1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d,R8 = Me): δ 7.38-7.21 (m,5H),6.31 (q,J = 7.3 Hz,1H),6.09 (br s,1H),2.71 (s,3H),1.83 (d,J = 7.3 Hz,3H),1.41 (s,9H).
Int-3の調製
N-ヨードスクシンイミド(1.2当量)を、DCE(0.1M)中のint-5(1.0当量)の溶液中へ導入し、反応混合物を還流下(90℃)で2時間加熱した。冷却後、混合物を水でおよび飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で2度洗浄した。合わせた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。溶媒を真空内で除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製することで、int-3が白色固体(R
8=H、62%収率;R
8=Me、47%収率)として提供された。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d,R8 = H) δ 8.86 (s,1H),6.55 (br s,1H),1.52 (s,9H).
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4,R8 = Me) δ 2.67 (s,3H),1.53 (s,9H).
Int-4の調製
ステップ1
MeOH(0.5M)中の1-アリールプロパン-1-オン(1.0当量)および4-メチルベンゼンスルホノヒドラジド(1.0当量)の混合物を、60℃の下、16時間加熱した。室温まで冷却した後、粗製反応混合物を真空下で乾燥させ、さらなる精製はせずに、次のステップへ進めた。
ステップ2
THF/TMEDA(1:1混合物、0.17M)中の4-メチル-N-1-アリールプロピリデンアミノベンゼンスルホンアミド(1.0当量)の溶液へ、-78℃にて、n-BuLi(4.0当量)をゆっくり加えた。暗赤色混合物を-78℃にて30min撹拌し、次いで室温までゆっくり加温させて1時間撹拌した。反応混合物を-78℃まで再冷却し、ホウ酸トリイソプロピル(5.0当量)を滴加し、溶液を室温までゆっくり加温させて2時間撹拌した。その結果得られた暗褐色懸濁液を、4.0M HCLでクエンチし、10min撹拌した。ジエチルエーテルを加え、層を分離した。水性層をジエチルエーテルで抽出し(3回)、合わせた有機相を1.0M NaOH溶液で抽出した(3回)。塩基性水性層のpHを、濃縮HCLを加えることによって~4へ調整し、水性相をジエチルエーテルで抽出した(3回)。合わせた有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過した。粗製反応化合物を真空下で乾燥させることで、int-4が黄色反固体として提供された。粗製E/Z混合物を、さらなる精製はせずに、鈴木カップリングへ進めた。
int-6の調製
THF(120.00mL,0.12M)中のブタン-2-オン(1.06g、14.76mmol、1.31mL、1.2当量)の溶液へ、カリウムtert-ブトキシド(1.66g、14.76mmol、1.2当量)を0℃にて加えた。5min後、tert-ブチル2-メチルプロパ-2-エノアート(1.75g、12.30mmol、1.99mL、1.0当量)を滴加した。反応混合物を室温まで加温させて24時間撹拌した。反応混合物を、1.0M水性HCLをpH=4まで加えることによってクエンチした。その結果得られた二相性混合物を分離した。有機層を10mLの飽和NaHCO
3溶液で、これに続き10mLのブラインで洗浄した。合わせた水性相を、クロロホルム/2-プロパノールの混合物(比=9:1、5回)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、乾燥させた。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中0~20%EtOAc)によって精製することで、int-6(1.35g、9.63mmol、78.30%収率)が淡黄色固体として提供された。int-6は、参考文献(JOC 2001,66,8000)に従うと、シス体に富んだ異性体であった。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 3.38 - 3.51 (m,2 H),2.65 - 2.73 (m,2 H),2.16 (dt,J = 14.0,5.5 Hz,1 H),1.17 (d,J = 6.7 Hz,6 H).
化合物2-E1、2-E2、2-E3、および2-E4の調製
化合物2(150mg、環化からの8.2%収率)をSFC(カラム:WHELK-O1 250×30mm、5μm;条件:20% エタノール w/ 0.1% NH
3H
2O;流速:60mL/min)によって分離することで、2-E1(20.0mg、Rt=5.757min)、2-E2(26.0mg、Rt=4.988min)、2-E3(20.0mg、Rt=4.175min)および2-E4(24.0mg、Rt=3.886min)が与えられた。2-E1、2-E2、2-E3、および2-E4の絶対立体化学は決定しなかった。注:SFC分離を介する4異性体の溶離の順番は、分析方法からの溶離の順番とは異なる。
2-E1についてのデータ
SFC:カラム:(R,R)WHELK-01 100×4.6mm I.D.、5.0um;移動相:A:CO2;B:エタノール(0.05% DEA);勾配:5.5minまでに5%から40%までのB、3minの間40%を、次いで1.5minの間5%のBを保つ;流速:2.5mL/min;カラム温度:40℃、Rt=5.757min。
HPLC:(純度:95.7%)。
LCMS:(M+H: 338.9)。
SFC:(ee:100%).。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.47 (s,1H),7.28 (dd,J = 1.2,8.4 Hz,2H),7.06-7.16 (m,2H),6.92 - 6.99 (m,1H),2.83 - 2.94 (m,1H),2.63 - 2.72 (m,1H),2.24 - 2.35 (m,1H),1.93 - 2.05 (m,1H),1.75 - 1.88 (m,2H),1.40 (d,J = 7.2 Hz,3H),0.91 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.72 (t,J = 7.2 Hz,3H).
2-E2についてのデータ
SFC:カラム:(R,R)WHELK-01 100×4.6mm I.D.、5.0um;移動相:A:CO2;B:エタノール(0.05% DEA);勾配:5.5minまでに5%から40%までのB、3minの間40%のBを、次いで1.5minの間5%のBを保つ;流速:2.5mL/min;カラム温度:40℃;Rt=4.988min。
HPLC:(純度:96.6%)。
LCMS:(M+H: 338.9)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.47 (s,1H),7.31 (dd,J = 1.2,8.4 Hz,2H),7.07 - 7.15 (m,2H),6.92 - 7.01 (m,1H),2.87 - 3.02 (m,1H),2.63 - 2.73 (m,1H),2.35 - 2.46 (m,1H),1.93 - 2.03 (m,1H),1.82 - 1.89 (m,1H),1.76 - 1.82 (m,1H),1.37 (d,J = 7.2 Hz,3H),0.84 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.69 - 0.75 (m,3H).
2-E3についてのデータ
SFC:カラム:(R,R)WHELK-01 100×4.6mm I.D.、5.0um;移動相:A:CO2;B:エタノール(0.05% DEA);勾配:5.5minまでに5%から40%までのB、3minの間40%のBを、次いで1.5minの間5%のBを保つ;流速:2.5mL/min;カラム温度:40℃;Rt=4.175min。
HPLC:(純度:97.6%)。
LCMS:(M+H: 338.9)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz、メタノール-d4) δ ppm 8.47 (s、1H)、7.31 (dd、J = 1.2、8.4 Hz、2H)、7.07 - 7.15 (m、2H)、6.92 - 7.01 (m、1H)、2.87 - 3.02 (m、1H)、2.63 - 2.73 (m、1H)、2.35 - 2.46 (m、1H)、1.93 - 2.03 (m、1H)、1.82 - 1.89 (m、1H)、1.76 - 1.82 (m、1H)、1.37 (d、J = 7.2 Hz、3H)、0.84 (d、J = 6.8 Hz、3H)、0.69 - 0.75 (m、3H).
2-E4についてのデータ
SFC:カラム:(R,R)WHELK-01 100×4.6mm I.D.、5.0um;移動相:A:CO2;B:エタノール(0.05% DEA);勾配:5.5minまでに5%から40%までのB、3minの間40%のBを、次いで1.5minの間5%のBを保つ;流速:2.5mL/min;カラム温度:40℃;Rt=3.886min。
HPLC:(純度:93.6%)。
LCMS:(M+H: 338.9)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.47 (s,1H),7.28 (dd,J = 1.2,8.4 Hz,2H),7.06 - 7.16 (m,2H),6.92 - 6.99 (m,1H),2.83 - 2.94 (m,1H),2.63 - 2.72 (m,1H),2.24 - 2.35 (m,1H),1.93 - 2.05 (m,1H),1.75 - 1.88 (m,2H),1.40 (d,J = 7.2 Hz,3H),0.91 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.72 (t,J = 7.2 Hz,3H).
3-E1&3-E2の化合物の調製
化合物3(27mg、環化からの29.9%収率)をSFC(カラム:CHIRALPAK IG 30×250mm、5μm;条件:CO
2中40% メタノール w/ 0.1% DEA;流速:100mL/min;ABPR 120bar、MBPR 40psi)によって分離することで、3-E1(11.7mg、Rt=1.925min)および3-E2(12.8mg、Rt=2.453min)が与えられた。3-E1&3-E2の絶対立体化学は決定しなかった。
3-E1についてのデータ
HPLC:(純度:98.8%)。
LCMS:(M+H: 339.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.41 (s,1 H),7.40 - 7.42 (m,2 H),7.23 - 7.27 (m,2 H),7.09 - 7.12 (m,1 H),3.06 - 3.13 (m,1 H),2.58 - 2.71 (m,2 H),2.01 - 2.09 (m,1 H),1.84 - 1.93 (m,2 H),1.08 (s,3 H),0.99 (s,3 H),0.83 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
3-E2についてのデータ
HPLC:(純度:94.7%)。
LCMS:(M+H: 339.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d)
δ ppm 8.42 (s,1 H),7.40 - 7.44 (m,2 H),7.23 - 7.27 (m,2 H),7.05 - 7.15 (m,1 H),3.06 - 3.13 (m,1 H),2.59 - 2.71 (m,2 H),2.00 - 2.11 (m,1 H),1.82 - 1.94 (m,2 H),1.10 (s,3 H),1.00 (s,3 H),0.84 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
化合物4の調製
化合物4(6.8mg、環化からの3.1%収率)。
化合物4についてのデータ
HPLC:(純度:98.0 %)。
LCMS:(M+H: 339.0)。
1H NMR (500 MHz、クロロホルム-d) δ ppm 8.44 (s、1 H),7.42 (d,J = 7.2 Hz,2 H),7.25 - 7.29 (m,2 H),7.13 (t,J = 7.1 Hz,1 H),7.07 (br s,1 H),3.13 (dd,J = 13.4,7.3 Hz,1 H),2.31 - 2.44 (m,2 H),2.02 - 2.09 (m,1 H),1.92 (t,J = 6.7 Hz,2 H),1.44 (s,3 H),1.42 (s,3 H),0.84 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
化合物5-E1&5-E2の調製
化合物5(27.0mg、環化からの38.4%収率)を、SFC(カラム:CHIRALPAK IC 30×250mm、5μm;条件:CO
2中40% エタノール w/ 0.1% DEA;流速:100mL/min;ABPR 120bar;MBPR 40psi)によって分離することで、5-E1(8.5mg、Rt=1.650min)および5-E2(7.5mg、Rt=2.164min)が与えられた。5-E1&5-E2の絶対立体化学をは決定しなかった。
5-E1についてのデータ
HPLC:(純度:100%)。
LCMS:(M+H: 365.2)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.42 (s,1 H),7.57 (br s,1 H),7.39 - 7.43 (m,2 H),7.23 - 7.28 (m,2 H),7.10 - 7.13 (m,1 H),3.11 - 3.22 (m,1 H),2.49 - 2.61 (m,2 H),2.24 - 2.33 (m,2 H),1.99 - 2.10 (m,1 H),1.63 - 1.72 (m,4 H),1.47 - 1.63 (m,4 H),0.82 - 0.88 (m,3 H).
5-E2についてのデータ
HPLC:(純度:100 %)
LCMS:(M+H: 365.2)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.43 (s,1 H),7.39 - 7.43 (m,2 H),7.24 - 7.28 (m,2 H),7.09 - 7.13 (m,1 H),3.10 - 3.20 (m,1 H),2.48 - 2.63 (m,2 H),2.22 - 2.33 (m,2 H),2.00 - 2.11 (m,1 H),1.63 - 1.70 (m,4 H),1.45 - 1.63 (m,4 H),0.81~0.88 (m,3 H).
化合物6-E1、6-E2、6-E3&6-E4の調製
化合物6(131.0mg、環化からの36.8%収率)をSFC(カラム:CHIRALPAK IG 30×250mm、5μm;条件:CO
2中30% エタノール w/ 0.1% DEA;流速:100mL/min;ABPR 120bar;MBPR 40psi)によって分離することで、6-E1(19.2mg、Rt=4.023min)、6-E4(17.8mg、Rt=5.672min)、および6-E2と6-E3との混合物が与えられた。6-E2と6-E3との混合物を、SFC(カラム:CHIRALPAK IG 30×250mm、5μm;条件:CO
2中35% エタノール w/ 0.1% DEA;流速:100mL/min;ABPR 120bar;MBPR 40psi)によって分離することで、6-E2(12.4mg、Rt=4.439min)、6-E3(9.5mg、Rt=4.883min)が与えられた。6-E1、6-E2、6-E3&6-E4の絶対立体化学は決定しなかった。
6E-1についてのデータ
HPLC:(純度:97.2%)。
LCMS:(M+H: 325.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.42 (s,1 H),7.37 - 7.45 (m,2 H),7.22 - 7.25 (m,2 H),7.07 - 7.15 (m,1 H),7.03 (br s,1 H),3.02 - 3.16 (m,1 H),2.25 - 2.52 (m,4 H),1.95 - 2.12 (m,2 H),1.09 (d,J = 6.5 Hz 3 H),0.84 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
6-E2についてのデータ
HPLC:(純度:95.0%)。
LCMS:(M+H: 325.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.42 (s,1 H),7.40 - 7.47 (m,2 H),7.23 - 7.28 (m,2 H),7.08 - 7.16 (m,1 H),6.92 (br s,1 H),3.09 - 3.26 (m,1 H),2.21 - 2.59 (m,4 H),1.98 - 2.13 (m,2 H),1.10 (d,J = 6.5 Hz,3 H),0.82 (t,J = 7.4 Hz 3 H).
6-E3についてのデータ
HPLC:(純度:98.3%)。
LCMS:(M+H: 325.0)。
SFC:(ee:92.7%)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.42 (s,1 H),7.39 - 7.46 (m,2 H),7.23 - 7.26 (m,2 H),7.08 - 7.16 (m,1 H),7.00 (br s,1 H),3.09 - 3.29 (m,1 H),2.23 - 2.57 (m,4 H),1.97 - 2.15 (m,2 H),1.10 (d,J = 6.5 Hz,3 H),0.83 (t,J = 7.4 Hz,3 H).
6-E4についてのデータ
HPLC:(純度:97.8%)。
LCMS:(M+H: 325.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.42 (s,1 H),7.37 - 7.44 (m,2 H),7.22 - 7.25 (m,2 H),7.08 - 7.16 (m,1 H),3.09 (dd,J = 13.0,7.5 Hz,1 H),2.23 - 2.59 (m,4 H),1.94 - 2.13 (m,2 H),1.09 (d,J = 6.3 Hz,3 H),0.84 (t,J = 7.4 Hz,3 H).
化合物7-E1、7-E2、7-E3&7-E4の調製
化合物7(131.0mg、環化からの49.9%収率)を、SFC(カラム:CHIRALPAK IC 30×250mm、5μm;条件:CO
2中40% メタノール w/ 0.1% DEA;流速:100mL/min;ABPR 120bar;MBPR 40psi)によって分離することで、P1(7-E1と7-E2との混合物)およびP2(7-E3と7-E4との混合物)が与えられた。
P1を、次いでSFC(カラム:CHIRALPAK IG 30×250mm、5μm;条件:CO2中40% エタノール w/ 0.1% DEA;流速:100mL/min;ABPR 120bar;MBPR 40psi)によって分離することで、7-E1(5.3mg、Rt=3.201min)、7-E2(8.5mg、Rt=4.039min)が与えられた。P2を、次いでSFC(カラム:CHIRALPAK IG 30×250mm、5μm;条件:CO2中30% イソプロパノール w/ 0.1% DEA;流速:100mL/min;ABPR 120bar;MBPR 60psi)によって分離することで、7-E3(4.9mg、Rt=3.653min)、7-E4(7.1mg、Rt=4.125min)が与えられた。7-E1、7-E2、7-E3&7-E4の絶対立体化学は決定しなかった。
7-E1についてのデータ
HPLC:(純度:100%)。
LCMS:(M+H: 339.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.62 (s,1 H),7.44 (d,J = 7.3 Hz,2 H),7.25 (t,J = 7.3 Hz,2 H),7.10 (t,J = 7.4 Hz,1 H),3.13 (dq,J = 13.1,7.4 Hz,1 H),2.72 - 2.79 (m,1 H),2.47 (dd,J = 16.5,10.4 Hz,1 H),2.27 - 2.35 (m,1 H),2.02 - 2.14 (m,3 H),1.49 (tq,J = 14.3,6.8 Hz,2 H),0.99 - 1.03 (m,3 H),0.85 (t,J = 7.6 Hz,3 H).
7-E2についてのデータ
HPLC:(純度:98.1%)。
LCMS:(M+H: 339.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.62 (s,1 H),7.41 (d,J = 7.3 Hz,2 H),7.24 (t,J = 7.4 Hz,2 H),7.07 - 7.11 (m,1 H),3.03 (dd,J = 12.8,7.3 Hz,1 H),2.71 - 2.80 (m,1 H),2.50 (dd,J = 16.5,10.4 Hz,1 H),2.33 - 2.41 (m,1 H),2.08 - 2.15 (m,1 H),1.98 - 2.08 (m,2 H),1.48 (dd,J = 14.0,7.3 Hz,2 H),1.01 (t,J = 7.6 Hz,3 H),0.87 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
7-E3についてのデータ
HPLC:(純度:95.8%)。
LCMS:(M+H: 339.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.62 (s,1 H),7.44 (d,J =7 .5 Hz,2 H),7.25 (t,J = 7.5 Hz,2 H),7.10 (t,J = 7.3 Hz,1 H),3.13 (dd,J = 13.1,7.6 Hz,1 H),2.75 (ddd,J = 16.0,4.1,1.8 Hz,1 H),2.47 (dd,J = 16.2,10.1 Hz,1 H),2.29 - 2.34 (m,1 H),2.02 - 2.16 (m,3 H),1.42 - 1.57 (m,2 H),1.01 (t,J = 7.3 Hz,3 H),0.85 (t,J = 7.6 Hz,3 H).
7-E4についてのデータ
HPLC:(純度:97.4%)。
LCMS:(M+H: 339.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.62 (s,1 H),7.41 (d,J = 7.3 Hz,2 H),7.22 - 7.26 (m,2 H),7.09 (t,J = 7.2 Hz,1 H),3.00 - 3.07 (m,1 H),2.71 - 2.77 (m,1 H),2.50 (dd,J = 16.5,11.0 Hz,1 H),2.33 - 2.41 (m,1 H),1.98 - 2.15 (m,3 H),1.48 (dq,J = 14.2,7.3 Hz,2 H),0.99 - 1.03 (m,3 H),0.87 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
8-E1、8-E2、8-E3&8-E4化合物の調製
化合物8(160.0mg、環化からの25.2%収率)をSFC(カラム:REGIS(s,s)WHELK-O1 250×30mm,5μm;移動相:A:CO
2;B:エタノール(0.05%NH
3.H
2O)、勾配:35%のBおよび35%を保つ;流速:60mL/min)によって分離することで、8-E1(30.0mg、Rt=4.961min)、8-E2(17.0mg、Rt=5.625min)、8-E3(32.0mg、Rt=5.952min)、および8-E4(50.0mg、Rt=6.362min)をが与えられた。-E1、8-E2、8-E3&8-E4は決定しなかった。
8-E1についてのデータ
HPLC:(純度:96.2%)。
LCMS:(M+H: 353.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.47 (s,1H),7.28-7.31 (m,2H),7.08-7.16 (m,2H),6.94-7.03 (m,1H),2.96-3.06 (m,1H),2.55-2.63 (m,1H),2.41~2.43 (m,1H),2.12~2.21 (m,1H),2.01~2.09 (m,1H),1.91~2.00 (m,1H),1.72~1.82 (m,1H),1.51~15.4 (m,1H),0.90 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.86 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.71 (t,J = 7.4 Hz,3H).
8-E2についてのデータ
HPLC:(純度:100.0%)。
LCMS:(M+H: 353.1)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.47 (s,1H),7.28-7.31 (m,2H),7.08-7.16 (m,2H),6.94-7.03 (m,1H),2.96-3.06 (m,1H),2.55-2.63 (m,1H),2.41~2.43 (m,1H),2.12~2.21 (m,1H),2.01~2.09 (m,1H),1.91~2.00 (m,1H),1.72~1.82 (m,1H),1.51~15.4 (m,1H),0.90 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.86 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.71 (t,J = 7.4 Hz,3H).
8-E3についてのデータ
HPLC:(純度:100.0%)。
LCMS:(M+H: 353.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.62 (s,1H),7.40-7.42 (m,2H),7.18-7.27 (m,2H),7.04-7.14 (m,1H),2.96-3.07 (m,1H),2.67-2.75 (m,1H),2.50-2.62 (m,1H),2.28-2.38 (m,1H),2.03-2.18 (m,2H),1.85-1.96 (m,1H),1.59-1.68 (m,1H),1.03 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.98 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.87 (t,J = 7.4 Hz,3H).
8-E4についてのデータ
HPLC:(純度:99.2%)。
LCMS:(M+H: 339.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,メタノール-d4) δ ppm 8.62 (s,1H),7.40-7.42 (m,2H),7.18-7.27 (m,2H),7.04-7.14 (m,1H),2.96-3.07 (m,1H),2.67-2.75 (m,1H),2.50-2.62 (m,1H),2.28-2.38 (m,1H),2.03-2.18 (m,2H),1.85-1.96 (m,1H),1.59-1.68 (m,1H),1.03 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.98 (d,J = 6.8 Hz,3H),0.87 (t,J = 7.4 Hz,3H).
化合物9の調製
化合物9(73.7mg、環化からの27.4%収率)。
化合物9についてのデータ
HPLC:(純度:99.0%)。
LCMS:(M+H: 353.0)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.48 (d,J = 1.5 Hz,1 H),8.19 (br s,1 H),7.37 - 7.44 (m,2 H),7.21 - 7.29 (m,2 H),7.03 - 7.18 (m,1 H),3.05 - 3.24 (m,1 H),2.37 - 2.58 (m,3 H),1.96 - 2.21 (m,3 H),1.22 - 1.43 (m,4 H),0.89 - 0.97 (m,3 H),0.80 - 0.88 (m,3 H).
化合物10の調製
化合物10(58.2mg、環化からの19.2%収率)。
化合物10についてのデータ
HPLC:(純度:99.4%)。
LCMS:(M+H: 367.0)。
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.40 - 8.44 (m,1 H),7.39 - 7.47 (m,2 H),7.19 - 7.28 (m,2 H),7.09 - 7.16 (m,1 H),3.05 - 3.23 (m,1 H),2.34 - 2.53 (m,3 H),2.18 - 2.30 (m,1 H),1.92 - 2.12 (m,2 H),1.61 - 1.73 (m,2 H),1.21 - 1.32 (m,2 H),0.78 - 0.94 (m,9 H).
化合物11-E1&11-E2の調製
化合物11(15mg、環化から22.8%収率)を、SFC(カラム:CHIRALPAK IC 30×250mm、5μm;条件:CO
2中40% エタノール w/ 0.1% DEA;流速:100mL/min;ABPR 120bar;MBPR 40psi)によって分離することで、11-E1(6.6mg、Rt=1.861min)および11-E2(6.2mg、Rt=2.574min)が与えられた。11-E1&11-E2の絶対立体化学は決定しなかった。
11-E1についてのデータ
HPLC:(純度:97.1%)。
LCMS:(M+H: 311.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.42 (s,1 H),7.40 - 7.47 (m,2 H),7.37 (br s,1 H),7.24 - 7.28 (m,2 H),7.10 - 7.14 (m,1 H),3.13 (dd,J = 13.4,7.3 Hz,1 H),2.62 (td,J = 6.3,2.8 Hz,2 H),2.25 - 2.39 (m,2 H),2.00 - 2.09 (m,3 H),0.84 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
11-E2についてのデータ
HPLC:(純度:96.2%)。
LCMS:(M+H: 311.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.42 (s,1 H),7.43 (d,J = 7.6 Hz,2 H),7.23 - 7.30 (m,2 H),7.10 - 7.14 (m,1 H),3.10 - 3.17 (m,1 H),2.62 (td,J = 6.3,3.4 Hz,2 H),2.25 - 2.39 (m,2 H),1.98 - 2.11 (m,3 H),0.84 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
化合物13の調製
化合物13(6.6mg、環化からの9.0%収率)。
化合物13についてのデータ
HPLC:(純度:97.9%)。
LCMS:(M+H: 353.2)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 8.44 (s,1 H),7.27 - 7.33 (m,2 H),7.09 (br s,1 H),7.04 - 7.10 (m,2 H),3.14 - 3.21 (m,1 H),2.41 - 2.48 (m,2 H),2.27 (s,3 H),2.12 - 2.25 (m,2 H),1.92 - 2.08 (m,1 H),1.13 (s,3 H),1.09 (s,3 H),0.84 (t,J = 7.3 Hz、3 H).
化合物14の調製
化合物14(1.0mg、環化からの0.5%収率)。
化合物14についてのデータ
HPLC:(純度:80.3%)。
LCMS:(M: 416.1)。
1H NMR (500 MHz、メタノール-d4) δ ppm 8.67 (s、1 H),7.55 (t,J = 1.8 Hz,1 H),7.40 (d,J = 7.8 Hz,1 H),7.26 (dt,J = 7.9,1.5 Hz,1 H),7.17 (t,J = 7.9 Hz,1 H),3.01 - 3.10 (m,1 H),2.58 (s,2 H),2.10 - 2.24 (m,2 H),2.01 - 2.10 (m,1 H),1.15 (s,3 H),1.12 (s,3 H),0.86 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
化合物15の調製
化合物15(79.9mg、環化からの34.0%収率)。
化合物15についてのデータ
HPLC:(純度:97.8%)。
LCMS:(M+H: 353.0)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 7.42 (d,J = 7.4 Hz,2 H),7.23 - 7.27 (m,2 H),7.16 (br s,1 H),7.10 - 7.14 (m,1 H),3.14 (dq,J = 13.1,7.4 Hz,1 H),2.54 (s,3 H),2.38 - 2.47 (m,2 H),2.11 - 2.22 (m,2 H),1.96 - 2.03 (m,1 H),1.12 (s,3 H),1.08 (s,3 H),0.87 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
化合物16の調製
化合物16(150.0mg、環化からの9.4%収率)。
化合物16についてのデータ
HPLC:(純度:94.5%)。
LCMS:(M+H: 351.1)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 9.33 (s,1 H),7.27 - 7.32 (m,2 H),7.18 - 7.25 (m,2 H),3.35 - 3.40 (m,2 H),3.22 (s,2 H),2.82 (t,J = 7.6 Hz,2 H),2.63 (s,2 H),1.98 - 2.05 (m,2 H),1.13 (s,6 H).
化合物17の調製
化合物17(8.0mg、環化からの3.0%収率)。
化合物17についてのデータ
HPLC:(純度:97.3%)。
LCMS:(M+H: 365.2)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 9.35 (s,1 H),7.25 - 7.31 (m,2 H),7.16 - 7.21 (m,2 H),3.37 - 3.42 (m,2 H),3.23 (s,2 H),2.66 - 2.70 (m,2 H),2.62 (s,2 H),1.70 - 1.84 (m,4 H),1.13 (s,6 H).
化合物18-E1&18-E2の調製
n-ブチルリチウム(0.83mmol、2.5M、330.90μL、4.0当量)を、窒素下で、THF(1.40mL)およびTMEDA(0.7mL)中の、撹拌された化合物1-rac(0.21mmol、70.00mg、1.0当量)および4Å MS(350mg)の溶液へ、-78
0Cにてゆっくり加え、反応混合物を-78
0Cの下1時間撹拌した。メタノール-d
4(1.0mL)を、、-78℃の下で反応混合物へゆっくり加え、反応混合物を室温まで加温させ、10min撹拌した。溶媒を真空下で除去し、EtOAcで希釈し、次いで水で洗浄した。水性相を、Et0Acで抽出した(5mL、3回)。合わせた有機相をMgSO
4上で乾燥させ、真空内で乾燥させた。粗製材料を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中0~40% EtOAc)によって精製することで、化合物18(70.00mg、0.21mmol、99.7%収率)が提供された。
化合物18(70mg、環化からの99.7%収率)を、SFC(カラム:CHIRALPAK IC 30×250mm、5μm;条件:CO2中30% メタノール;流速:100mL/min;ABPR 120bar;MBPR 40psi)によって分離することで、18-E1(34.6mg、Rt=2.014min)および18-E2(34.1mg、Rt=2.674min)が与えられた。18-E1&18-E2の絶対立体化学は決定しなかった。
18-E1についてのデータ
HPLC:(純度:99.6%)。
LCMS:(M: 340.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 7.40 - 7.44 (m,2 H),7.23 - 7.28 (m,2 H),7.16 (br s,1 H),7.09 - 7.15 (m,1 H),3.14 - 3.25 (m,1 H),2.40 - 2.51 (m,2 H),2.10 - 2.24 (m,2 H),2.05 (dd,J = 12.8,7.3 Hz,1 H),1.14 (s,3 H),1.09 (s,3 H),0.85 (t,J = 7.3 Hz,3 H).
18-E2についてのデータ
HPLC:(純度:100%)。
LCMS:(M: 340.0)。
SFC:(ee:100%)。
1H NMR (500 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 7.42 (d,J = 7.5 Hz,2 H),7.23 - 7.28 (m,2 H),7.09 - 7.14 (m,1 H),3.16 - 3.23 (m,1 H),2.41 - 2.46 (m,2 H),2.11 - 2.26 (m,2 H),2.02 - 2.08 (m,1 H),1.14 (s,3 H),1.09 (s,3 H),0.85 (t,J = 7.6 Hz,3 H).
化合物19の調製
n-ブチルリチウム(0.62mmol、2.5M、0.25mL、3.0当量)を窒素下で、THF(1.40mL)およびTMEDA(0.7mL)中のラセミ化合物1-rac(0.21mmol、70.00mg、1.0当量)および4Å MS(350mg)の撹拌された溶液へ、-78℃にてゆっくり加え、反応混合物を-78℃の下1時間撹拌した。THF(0.5mL)中のN-クロロスクシンイミド(0.31mmol、41.4mg、1.5当量)を、-78℃の下で反応混合物へゆっくり加え、反応混合物を室温まで加温し、1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、EtOAcで希釈し、次いで水で洗浄した。水性相をEtOAcで抽出した(5mL、3回)。合わせた有機相をMgSO
4上で乾燥あせ、真空内で乾燥させた。粗製材料をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中0~30% EtOAc)によって精製することで、化合物19が提供された(53.0mg、0.14mmol、65.3%収率)。
化合物19についてのデータ
HPLC:(純度:95.3%)
LCMS:(M+H: 373.0)
1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 7.38 - 7.43 (m,2 H),7.23 - 7.29 (m,2 H),7.09 - 7.18 (m,1 H),6.71 (br s,1 H),3.09 - 3.19 (m,1 H),2.37 - 2.49 (m,2 H),2.10 - 2.24 (m,2 H),1.91 - 2.05 (m,1 H),1.13 (s,3 H),1.09 (s,3 H),0.88 - 0.94 (m,3 H).
例3.GSK3β、アキシン、および化合物1-E2の共結晶構造
ヒトGSK3β 34~420を5mg/mlにて、0.25mM アキシンペプチド(VEPQKFAEELIHRLEAVQ)、および0.1M TRIS(pH8.5、0.05mM クエン酸Na、および24% PEG3350)中の0.5mM 1-E2とともに共結晶化した。結晶を、0.1M TRIS(pH8.5、0.05mM クエン酸Na、30% PEG3350、および15% グリセロール)中で凍結から保護した(cryo-protected)。構造を、位相器を分子交換のためのモデル109Uとともに使用して解析し、Phenixを使用して20.1/25.8の2.29A R/Rfreeまで精緻化した。例示の結果を、図2および3に示す。
例4.例示化合物の物理的な、化学的な、生化学的な、および生物学的なアッセイ。
選択されたキナーゼに対する選択された化合物の用量反応IC50の決定(Caliper Assay)
選択の化合物を、絶対阻害活性(absolute inhibitory activity)を決定するための単一点における阻害能(single point inhibitory ability)に基づき、選択されたキナーゼの一団に対してスクリーニングし、選択性の測定結果をもたらした。利用されたアッセイは、単一点における阻害活性測定(MSA)のものと同一であったが、しかし用量反応として行われた。4×インヒビター(5μl)、4×基質/ATP金属溶液(5μL)、および2×キナーゼ溶液(10μL)の溶液を、アッセイ緩衝液(20mM HEPES、0.01% TritonX-100、2mM DTT、pH7.5)を用いて調製し、室温にて、キナーゼに応じて1時間または5時間、384ウェルプレート中で混合/インキュベートした。終結緩衝液(QuickScout Screening assist MSA;Carna Biosciences)の溶液(60μL)を各ウェルへ加えた。反応混合物全体を次いで、LabChip3000系(Caliper Life Sciences)へ適用し、産物および基質ペプチドのピークを分離し、定量した。キナーゼ活性の評価を次いで、産物(P)および基質(S)ペプチドの計算されたピーク高さの比に基づいて決定した(P/(P+S))。
移動度シフトマイクロ流体アッセイプロトコル
精製されたGSK3βまたはGSK3αを、被験化合物とともに、4.3μΜのATP(競合インヒビターを研究するKmにて、または前記Kmをほんの少し下回って)、および1.5μΜ ペプチド基質(Peptide 15、Caliper)の存在下において、60分間、室温にて、384ウェルプレート(Seahorse Bioscience)中、アッセイ緩衝液(100mM HEPES(pH7.5)、10mM MgCl2、2.5mM DTT、0.004% Tween-20、および0.003% Briji-35を含有した)中でインキュベートした。反応を10mM エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)の添加によって終結した。基質および産物を電気泳動的に分離し、基質および産物の蛍光強度をLabchip EZ Reader II(Caliper Life Sciences)によって決定した。キナーゼ活性をパーセント変換として測定した。反応は各試料について重複して実施した。陽性対照(CHR99021)を各プレート中に含ませており、同プレートの(in-plate)DMSO対照と併せてデータをスケーリングするために使用した。結果を、Genedata Assay Analyzerによって分析した。パーセント阻害を化合物濃度に対してプロットし、IC50値をロジスティック用量反応曲線のフィッティングから決定した。値は、少なくとも3つの実験の平均である。化合物を、33μMから始まる3倍の段階希釈12点用量曲線を使用して試験した。例示の結果を表1に示す。
機能性プロファイリング
簡潔には、化合物の選択を、10μMの単一濃度でのキナーゼの一団に対してスクリーニングした。キナーゼをすべてのファミリーのカイノームから選択した。スクリーニングされた合計311のキナーゼは全部で、カイノーム全体の60%に相当した。これを、検査されているキナーゼに応じて、2つのアッセイのうち1つ:1)IMAPアッセイを使用して完了させた。4×インヒビター、4×基質/ATP/金属溶液、および2×キナーゼの溶液を、アッセイ緩衝液(20mM HEPES、0.01% Tween-20、2mM DTT、pH7.4)を用いて調製および混合し、次いで384ウェル黒色プレート中、1時間室温にてインキュベートした。IMAP結合試薬(IMAP Screening Express kit;Molecular Devices)を各ウェルに加え、30分間インキュベートした。キナーゼ活性を次いで、各ウェルの485nM(励起)および530nM(放射)での蛍光偏光法によって評価した。2)オフチップ(Off-Chip)移動度シフトアッセイ(MSA)。4×インヒビターの溶液、4×基質/ATP/メタル溶液、および2×キナーゼ溶液を、アッセイ緩衝液(20mM HEPES、0.01% Triton X-100、2mM DTT、pH7.5)を用いて調製混合し、次いで、384ウェルプレート中、1時間または5時間、キナーゼに応じ、室温にてインキュベートした。終結緩衝液 (QuickScout Screeinng assist MSA;Carna Biosciences)を各ウェルへ加えた。反応混合物全体を次いで、LabChip3000系(Caliper Life Sciences)へ適用し、産物および基質ペプチドのピークを分離し、定量した。キナーゼ活性を次いで、産物(P)および基質(S)ペプチドの計算されたピークの高さの比に基づいて決定した(P/(P+S))。用量反応IC50の決定について:4×インヒビターの溶液、4×基質/ATP/メタル溶液、および2×キナーゼ溶液を、アッセイ緩衝液(20mM HEPES、0.01% Triton X-100、2mM DTT、pH7.5)を用いて調製および混合し、次いで384ウェルプレート中、1時間または5時間、キナーゼに応じ、室温にてインキュベートした。終結緩衝液(QuickScout Screening assist MSA;Carna Biosciences)を、各ウェルへ加えた。反応混合物全体を次いで、LabChip3000系(Caliper Life Sicences)へ適用し、産物および基質ペプチドのピークを分離し、定量した。キナーゼ活性を次いで、産物(P)および基質(S)ペプチドの計算されたピーク高さの比に基づいて決定した(P/(P+S))。
例示の結果を表4に示す。
MDR1/MDCKアッセイ
MDR1/MDCKアッセイを、Absoption Systemにて行った。このアッセイを、MDR1-MDCK細胞単層を使用し、試験化合物が血液脳関門(BBB)を透過する可能性を決定するために使用した。カタログ番号EA203。例示の結果を表3に示す。
送達可能なもの
●MDR1-MDCK細胞単層を含有するTranswell(登録商標)ウェルからの、試験化合物のパーセント回収
●両方向における、見かけの透過性(Papp)
●流出比(Papp B→A)/(Papp A→B)
●血液脳関門の透過可能性の分類:
〇次の場合、高い
■Papp A→B≧3.0×10-6cm/s、かつ流出<3.0
〇次の場合、ほどほど
■Papp A→B≧3.0×10-6cm/s、かつ10>流出≧3.0
〇次のいずれかの場合、低い
■Papp A→B≧3.0×10-6cm/s、かつ流出≧10、または
■Papp A→B<3.0×10-6cm/s。
基質
●1%以下の、DMSO最大濃度をもつHBSSg中5μMでの試験化合物。
アッセイ系
●MDR1-MDCK細胞の融合性(Confluent)単層、7~11日齢。
アッセイ条件
●改変Hanks緩衝液(HBSSg)中1% BSAをもつレシーバーウェル(Receiver well)
●pH7.4での頂端および基底外側
●2つの単層に各方向で投薬する(N=2)
●(A→B)査定のために頂端側に投薬する
●(B→A)査定のために基底外側に投薬する
●120分にて頂端側および基底外側の両方をサンプリングする
●最小4点検定曲線とともに一般的なLC-MS/MS方法を使用して、試験化合物の濃度を決定する
アッセイQC
●細胞単層バッチの質を、単層が使用のために取り外される前に、対照化合物を使用して検証する
●アッセイに使用される各単層の質を、TEER測定によって、および対照化合物のPappを計算することによって検証する
溶解度(SOL)
PBS中1% DMSO
化合物の溶解度を、10mM DMSO溶液をPBSで希釈することによって、3重に試験した。溶液中の化合物の最大濃度は、100μMであった。Prometheusにおける溶解度(Solubility (MLPCN Default))を選択することによって順序付ける。
PBSのみ
化合物の溶解度を、10mM DMSО溶液を干上がらないように乾燥させ(drying down)、次いで、100% PBSで戻すことを試みることによって、3重に試験した。化合物の最大濃度は、500μMであった。Prometheusにおける溶解度、無DMSО共溶媒(Solubility, no DMSO co-solvent)を選択することによって順序付ける。
アッセイパラメータ
化合物の要件(PBS中1% DMSО):30μLの10mM DMSO溶液。化合物の要件(PBSのみ):60μLの10mM DMSO溶液。平衡時間:室温にて18時間。
ミクロソームの安定性(MIC)
肝臓ミクロソーム中の化合物の安定性を、化合物を1μMにて60分間、37℃にてインキュベートすることによって、重複して試験した。60分での化合物レベルを、0分でのレベルと比較し、パーセント残存(percent remaining)を計算した。Prometheusにおけるミクロソームの安定性(Microsomal Stability)を選択し、所望される種について四角にレ点を付けることによって順序付ける。
アッセイパラメータ
入手可能な種:ヒト、マウス(CD-1)、およびラット(Sprague-Dawley)。
化合物の要件:5μLの10mM DMSO溶液。インキュベーション時間:37℃にて60分間。試験濃度:1μM。
アッセイの対照
NADPHはあるが化合物はないミクロソーム-マトリックス干渉。化合物をプラスするがNADPHはないミクロソーム-非酵素的な不安定性。
血漿安定性および血漿タンパク質結合(PBP)
血漿中の化合物の安定性を、化合物を5μMにて5時間37℃にてインキュベートすることによって、2重に試験した。0時間でのレベルと比較した5時間での化合物レベル、およびパーセント残存を計算した。血漿タンパク質への結合を、化合物を血漿中5μMにて5時間37℃にて高速平衡透析(Rapid Equilibrium Dialysis)(RED)デバイスにおいてインキュベートすることによって、2重に試験した。血漿コンパートメント中の化合物のレベルを、パーセント被結合(percent bound)を計算するために、緩衝液コンパートメント中の化合物レベルと比較した。Prometheusにおける血漿の安定性および血漿タンパク質結合(Plasma Stability and Plasma Protein Binding)を選択し、所望される種について四角にレ点を付けることによって順序付ける。
アッセイパラメータ
入手可能な種:ヒト、マウス(CD-1)、およびラット(Sprague-Dawley)。化合物の要件:15μLの10mM DMSO溶液。インキュベーション時間:37℃にて5時間。試験濃度5μM。
他の実験条件は、当該技術分野において標準的なものであった。
例示の結果を表1~4に示す。
表1.GSK3αおよびGSK3βを阻害することにおける例示化合物の活性
表2.例示化合物についての溶解度、安定性、および血漿タンパク質結合アッセイ結果
表3.例示化合物についてのMDR1 MDCK透過性アッセイ結果
表4は、313のキナーゼにわたる試験化合物の選択性を実証する、化合物1のCarna カイノームパネルからの例示の結果を包含する。具体的に言うと、表4は、試験化合物の10μMでのパーセント阻害を示し、IC50値は、試験化合物の10μMでの>50%阻害をもつキナーゼについて決定した。表4中、「nd」は、「決定されていない」を指示する。
表4.選択キナーゼに対する化合物1についてのパーセント阻害およびIC
50
例5.追加のGSK3アルファおよびGSK3ベータの生化学アッセイ(TR-FRETアッセイ)
材料
機器
化合物の規定体積を分注するための(2.5nLずつ)、Labcyte ECHO 550アコースティックディスペンサー(またはLabcyte POD自動化プラットフォーム)
TRFレーザーオプションを備えた(337nmでの励起のため)、PerkinElmer Envision Reader(モデル2104-0020)
ミラー:LANCE/Delfia Dual/Bias D400/D630 PE Barcode 446
放射フィルター:XL-665(PE Barcode 205)(665nm;7.5nmバンド幅)
放射フィルター2:Europium 615(PE Barcode 203)(615nm;8.5nmバンド幅)
小金属プラスティックチップ-分注カセット(Thermo Scientific 24073296)をもつMultidrop Combi Reagent Dispenser(Thermo Scientific 5840300)。
アッセイの詳細
アッセイ緩衝液
50mM Tris 7.5
20mM MgCl2
50μM DTT(1M凍結ストックから新鮮なものを加える)
0.01% BSA(1%ストックから新鮮なものを加える)
クエンチ溶液
250mM EDTA、pH8.
アッセイ条件(すべて加えた後の最終濃度)
1nM 酵素、200nM ビオチン化ペプチド
4μM ATP(GSK3アルファ)または2μM ATP(GSK3ベータ)
42mM(2μl 250mM EDTA)
20nM ストレプトアビジン-d2
1nM Tb2+-pSer641抗体。
手順
化合物プレートの調製
反応体積は10μLであり、最終パーセントDMSOは1%である。DMSOの総体積はしたがって、100nLである。DMSOのパーセンテージを制御して、プレートの各ウェルで(across the plate)一致させることは、重要な意味をもつ。試験化合物の最高濃度は典型的には、5μMである。高対照は、すべてのアッセイ構成要素をもつが、インヒビターがなく、低対照は、すべてのアッセイ構成要素をもつが、酵素がない。
化合物を、ECHOを2.5nLずつ使用して、アッセイプレートへ移動する。中間体ストック濃度の化合物を、滴定シリーズ(the titration series)のより低い濃度の分量にとって必要となる、より少量の化合物を分注するために使用する。これらの中間体ストック調製物の詳細は、別表1に包含される。化合物の滴定シリーズを、作業用ストックから、適切な体積を適切なウェル中へ分注することによって調製する。次いで、DMSOで満たして100nLの最終体積にする(backfilled)。各濃度の体積は、別表1に包含される。
各化合物を2重にアッセイする。プレートマップを図4に示す。
試験手順
10μlキナーゼ反応:1nM GSK3アルファまたはベータ、200nM ビオチン化ペプチド基質、ATP=Km(アルファの場合4μM、ベータの場合2μM)、室温にて100min反応。2μl 250mM EDTAでクエンチする(クエンチ後最終=42mM)。
検出
12μlのクエンチされた反応物へ、10μlの2×検出体を加える。
最終20nM ストレプトアビジン-d2、1nM Tb2+-pSer641抗体(最終体積として20μlを使用する)のために、Invitrogen TR-FRET検出緩衝液中、2×検出試薬を作製する。2×検出体=40nM ストレプトアビジ-d2、2nM Tb2+-pSer641抗体。
検出試薬とともに60minの間室温にてインキュベートし、プレートをEx:340nm、Ex:615nMおよび665nMを使用して、Envisionプレート読み取り機上で読み取る。TR-FRET比665/615.2.10を取る。 HTRF比をデータ分析するために使用する。
体積とともに構成される試薬アッセイ:
10μl 反応:
反応を開始するため、
100nL 化合物
5μl 2×酵素
5μl 2×基質。
室温にて100minの間インキュベートし、2μl 250mM EDTAでクエンチする。
10μl 2×検出試薬を加え、60minの間室温にてインキュベートする。
Envisionプレート読み取り機上で読み取る。
XLFitを使用するデータ分析
XLFitを、データベース中へアーカイブされる結果について使用する。データを、阻害されていない対照 マイナス 最大阻害された対照のパーセンテージとして正規化した。
以下の基準:Z’が0.5より大きいことを満たし損ねた場合、プレート全体を、XLFit内で失敗または無効とする。
対照化合物を、アッセイの一貫性のしるしとして用量滴定プレート毎上に包含させる。対照化合物のIC
50が、先に決定された値の3倍以内にない場合、そのプレートは再試験することになる。
別表1.ECHOを使用する化合物プレートの調製
GSK3試験化合物
プレートの型 Greiner 384ウェル、平面、小体積、白色プレート
キナーゼ反応体積 10μL
最大濃度 5μM
最終体積DMSO 100nL(1% DMSO)。
*中間体1は、1350nL 5mMストックの移動、およびDMSOを満たすことで36.45μlの総体積にすること(Backfill)によって調製する。その結果得られた供給源プレートは、中間体ストック溶液が完全に混合されていることを確実にするために、手短にボルテックスするべきである。
**中間体2は、50nL 5mMストックの移動、およびDMSOを満たすことで36.45μlの総体積にすることによって調製する。その結果得られた供給源プレートは、中間体ストック溶液が完全に混合されていることを確実にするために、手短にボルテックスするべきである。
***中間体3は、7.5nL 5mMストックの移動、およびDMSOで満たすことで36.90μlの総体積にすることによって調製する。その結果得られた供給源プレートは、中間体ストック溶液が完全に混合されていることを確実にするために、手短にボルテックスするべきである。
例示の結果を表5に示す。
例6.追加のMDCK透過性(MDR1-MDCK)アッセイ
このアッセイの条件は、例4のMDR1/MDCKアッセイと本質的に同じ条件である。例示の結果を表5に示す。
表5.例示化合物についての追加のアッセイ結果
*GSK3β TR-FRET生化学的(TR-FRET)幾何平均IC
50(μM)を、GSK3α TR-FRET生化学的(TR-FRET)幾何平均IC
50(μM)で割ることによって計算されるとおり。
他の態様
上記は、本発明の一部の非限定的な態様の説明である。当業者は、この説明に対する様々な変更および改変が、以下のクレームにおいて定義されるとおりの本発明の精神または範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解するだろう。
均等物および範囲
クレームにおいて、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、1以上を意味し得るが、ただし反対の定めがあるかまたは文脈から別様に明らかである場合を除く。1つの群の1以上の構成要素の間に「または」を包含するクレームまたは記載は、群の構成要素の1つ、1つより多く、または全ての所与の産物またはプロセスに存在するか、採用されるか、またはさもなければ関係しているならば、満たされていると見なされるが、ただし反対の定めがあるかまたは文脈から別様に明らかである場合を除く。本発明は、群の正確に1つの構成要素が所与の産物またはプロセスに存在するか、採用されるか、またはさもなければ関係している態様を包含する。本発明は、群の構成要素の1つより多くまたは全てが所与の産物またはプロセスに存在するか、採用されるか、または関係している態様を包含する。
さらにまた、本発明は、列記されるクレームの1以上に含まれる1以上の限定、要素、節、および説明の用語が、別のクレームに導入される、全ての変形、組み合わせ、および並べ替えを網羅する。例として、他のクレームに従属する任意のクレームは、同一の基礎クレームに従属する任意の別のクレームに見出される1以上の限定を包含するように、修正され得る。要素が、例としてマーカッシュ群の形式で一覧として示されるときには、要素からなる各下位群も開示されるものであり、任意の要素が群から除去され得る。一般に、本発明、または本発明の側面が、具体的な要素および/または特色を含むと称されるところ、本発明または本発明の側面は、かかる要素および/または特色からなるか、または本質的に、かかる要素および/または特色からなることが理解されるべきである。単純化のために、それらの態様は本明細書において一々具体的に呈示されなかった。さらに、用語「含む」、「包含する」および「含有する」ならびにそれらの他の時制は、開放的であることが意図されており、さらなる要素またはステップの包含を許容する。範囲が示されるところ、端点も包含される。さらに、別段の定めがあるかまたは文脈および当業者の理解から別様に明らかである場合を除いて、範囲として表現される値は、記載の範囲内の任意の特定の値または部分範囲を、本発明の異なる態様において、当該範囲の下限の単位の1/10までとり得る。ただし、文脈から別様に指示される場合を除く。
本出願は、様々な交付済み特許、公開された特許出願、学術文献、および他の刊行物を参照しているが、その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照物のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書が支配する。加えて、従来技術に属する本発明の任意の具体的な態様は、クレームのいずれの1以上からも明らかに除外され得る。なぜなら、かかる態様は当業者に知られていると見なされるからであり、それらは、その除外が本明細書において呈示されていない場合であっても、除外され得る。本発明の任意の具体的な態様は、従来技術の存在に関係しているか否かにかかわらず、任意の理由で、任意のクレームから除外され得る。
当業者は、ごく定型的な実験を使用して、本明細書に記載された具体的な態様の多くの均等物を認めるかまたは同定できるであろう。本明細書に記載された本発明の態様の範囲は、上記の発明を実施するための形態に限定されることを意図されておらず、その代わりに、添付のクレームにおいて呈示される通りとする。当業者は、この記載への様々な変更および修正が、以下のクレームにおいて定義される本発明の精神または範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解するだろう。